JP2002279122A - 化学物質総合管理システム及びその方法 - Google Patents

化学物質総合管理システム及びその方法

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JP2002279122A
JP2002279122A JP2001073279A JP2001073279A JP2002279122A JP 2002279122 A JP2002279122 A JP 2002279122A JP 2001073279 A JP2001073279 A JP 2001073279A JP 2001073279 A JP2001073279 A JP 2001073279A JP 2002279122 A JP2002279122 A JP 2002279122A
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chemical substance
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JP2001073279A
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Satoshi Oishi
聡 大石
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Hitachi Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P90/00Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02P90/30Computing systems specially adapted for manufacturing

Abstract

(57)【要約】 【課題】大企業のみならず中小企業などの小規模な組織
においても化学物質管理を容易に実現することにあり、
法的に義務付けられている自治体へ報告及び報告を行う
為の物質管理を容易に行える環境を提供する。 【解決手段】アウトソーシング会社215は顧客の店舗
300から報告用データ310を入手し、その入手デー
タを報告用データベース(DB)に格納する。この際、顧
客管理DB313より顧客情報を付加して格納する。格
納データは、事業所別集計処理314,企業別集計処理
315,自治体別集計処理319がなされる。報告書提
出処理321は、支店301,本社302,自治体30
3へ該当集計情報を所定フォームで配信する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は化学物質総合管理シ
ステムとその方法に係り、特に製品や材料の組成に起因
する環境影響データを収集,管理するためのネットワー
クデータベースシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在流通している様々な製品には、環境
へのインパクトの大きい、数百種類の物質(以下「管理
物質」と呼ぶ)が含まれており、製造,流通,貯蔵など
のプロセスにおいて、それらの成分となる管理物質のど
の位の量が移動され、どのくらいが大気や土壌,水系に
排出され、あるいは出荷製品中に含まれて市場に提供さ
れているのかを調査する必要に迫られている。そこで各
事業者が事業所内や企業内におけるこれら化学物質の排
出と移動についての量的なデータを国や自治体に報告す
ることによって、国内全体の環境インパクトを推定する
法的な制度もスタートしている。
【0003】従来の上記データ収集システムは、管理物
質の基礎データを部署や工程毎に入力し、その結果を上
位の組織(事業所,会社)単位でくくって集計する機能
を有している。法的な制度への対応書類としてはこの結
果のみが必要なためである。この従来技術に関する資料
としては、例えば「環境資源」1999年12月号の特
集で述べられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、例えば事業所と
しての集計結果としてキシレンが10トン大気に排出さ
れているとしよう。この数値のみでは、排出の原因とな
るプロセスの特定や材料の特定ができない為に、最終的
な目的である排出量の削減には活用できないという課題
が残る。或いは最近重視されてきているリスクコミュニ
ケーションに必要なデータを提供することができない。
リスクコミュニケーションでは、管理物質の排出という
事実に関する住民の不安を解消することが重要である
が、その物質がどの様な経緯で排出されているかをプロ
セスや材料を特定しながら調査し、プロセスの特徴(煙
突の高さなども含む)、材料の安全性データなどを参考
にしながらコミュニケーションを図る必要がある。
【0005】すなわち本発明が解決しようとしている課
題は、大企業のみならず中小企業などの小規模な組織に
おいて、化学物質管理を容易に実現することにあり、法
的に義務付けられている自治体へ報告及び報告を行う為
の物質管理を容易に行える環境を提供する支援機能の実
現である。
【0006】また前提条件として考慮しなければならな
いことは、管理物質は、将来どの様な物質が出現するか
分からない事から、管理対象物質は時間の経過と共に管
理物質の対象が時々刻々と変化・改変されていくことが
予想される。つまり、将来の汚染の危機から事前に身を
守る事ができる様にならなければならない。
【0007】また、この化学物質管理で用いられる情報
または必要とする情報(例えば管理対象物質情報)は、
1企業だけで判断できるものでは少なく、国,自治体,
専門機関など多方面で決定されるものと、製品製造者や
原料製造者によって製品情報を公開しなければならない
ものがある。共有すべき関連情報を関係者が共有できる
かが問題になってくる。
【0008】更にこの化学物質管理情報は、製品の市場
の流れを考えると、原料〜素材加工〜組立加工〜物流〜
販売〜消費者〜リサイクル業者〜廃棄物処理と廻って循
環状にものが流れて行き、関連情報も製品の流れと同じ
様に循環状に廻らなければならない。この循環サイクル
に関わってくる企業は、大企業,中小企業,個人,自治
体と千差万別であり、これらの関係者が全て情報共有さ
れない限り、精度の高い化学物質管理は望めないと言え
よう。
【0009】本発明が解決しようとする課題としては、
(1)上記関係者が中小企業の様に比較的従業員が少な
い規模の組織である場合など、大企業の様に化学管理物
質管理を実施する担当者を置くことができない場合にお
いても簡単に化学物質管理ができなければならない。こ
こでは、化学物質管理業務のうち、化学物質管理結果の
企業全体管理組織及び自治体報告業務を対象とする。
(2)アウトソーシング会社においても、顧客である化
学物質管理対象者の所在地に関わる地域性を考慮するこ
となく管理業務が可能になる。また化学物質管理の報告
業務を行う際には、所轄の自治体に報告書が確実に提出
されなければならない。
【0010】
【課題を解決するための手段】本課題は、材料の取り扱
い注意事項や有害性,法規制への該当項目をしめすデー
タを収納するMSDSデータベースと、材料の成分組成
をデータベース化してある材料組成データベースと、環
境に重大な影響を与える物質の識別子や物性データを収
納する管理物質データベースと、全てのプロセス/投入
材料の組み合わせに対して排出移動先毎の投入物質と排
出移動物質の重量比率データを収納する排出係数データ
ベースと、投入された材料から管理物質の取扱量を算出
するプロセス集計手段と、プロセス毎の管理物質の排出
移動量を推計する評価計算手段と、複数のプロセスの排
出移動量を集計する総合集計手段と、本システムの各々
の手段が利用したレコードやその結果として生成したレ
コードおよびそのリンク情報を収納する結果データベー
スと、結果データベースの内容から排出移動量集計結果
を表示出力する結果表示手段と、特定の管理物質の排出
移動数値からその原因となるプロセス,投入材料,購入
データなどを逆トレースして表示する逆トレース手段
と、逆トレースの結果、投入材料の組成,組成成分の物
性,環境影響などのデータを相互に関連付けて検索出力
するリスクコミュニケーション支援手段により解決でき
るまた、各データベースを互いに参照しある為の手段と
して、ネットワーク技術を利用する(ネットワーク技術
とは、インターネット・イントラネットが該当する)。
更に、関係者の化学物質管理情報が容易に参照・登録可
能な公開データベース技術も必要な要素となってくる。
【0011】尚、法令の届出対象法人は企業に限るもの
でなく、例えば化学肥料を販売している農業共同組合な
ど組合,団体を含む概念である。管理対象法人は業態で
決ることになる。届出先自治体は、PRTR法では都道
府県知事宛であるが、受付窓口としては市区町村やこれ
らの業務委託先出先機関に出すケースも含む。尚、PR
TR法及びこれに関する政省令では、届け出対象は、大
企業,中小企業の別ではなく、対象業種(業態)及び指
定物質の取り扱い有無とその量並びに常時従業員数21
人以上、とされる。ちなみに本願で述べる所定物質は法
令上は指定物質と同義になる。
【0012】また、材料組成データベースと管理物質デ
ータベースと排出データとはデータセンタに集約するこ
とが便利であるけれども、各データやデータベースを別
の機関にて管理して、適宜データを集約することも本発
明の範囲である。尚、集約手段はコンピュータであり、
配信手段はインターネット以外ITツールなど諸通信手
段でも差し支えない。
【0013】本発明システムは、(1)材料及び/また
は製品の成分組成情報をデータベース化した材料組成デ
ータベースと、環境に影響を与え得るとされる所定物質
の識別子及び/または物性データを収納する管理物質デ
ータベースとを備え、届出対象法人における作業工程で
の投入材料の組み合わせに対して排出移動先毎の投入物
質及び排出移動物質の重量比率データを算出し、該算出
データと前記2種のデータベースとから化学物質管理報
告データを報告届出対象法人別及び/または届出先自治
体別若しくは当該自治体の届出受理の委託業務機関別に
集約する手段を備えることを特徴とするもの、(2)材
料及び/または製品の成分組成情報をデータベース化し
た材料組成データベースと、環境に影響を与え得るとさ
れる所定物質の識別子及び/または物性データを収納す
る管理物質データベースとを備え、届出対象法人におけ
る作業工程での投入材料の組み合わせに対して排出移動
先毎の投入物質及び排出移動物質の重量比率データを算
出し、該算出データと前記2種のデータベースとから化
学物質管理報告データを報告届出対象法人別及び/また
は届出先自治体別若しくは当該自治体の届出受理の委託
業務機関別に所定報告書式にて配信する手段を備えるこ
とを特徴とするもの、(3)材料及び/または製品の成
分組成情報と,環境に影響を与え得るとされる所定物質
の識別子及び/または物性情報とを基に化学物質管理を
行うシステムであって、複数の製造メーカの材料の成分
組成データを集約し、市販製品の材料及び/または製品
本体の成分組成データとして一元管理を行う手段と、こ
れらの情報を化学物質管理またはその他の目的の為に必
要とする相手に情報公開する手段とを備えることを特徴
とするもの、または(4)材料及び/または製品の成分
組成情報と、環境に影響を与え得るとされる所定物質の
識別子及び/または物性情報とを基に化学物質管理を行
うシステムであって、複数の製造メーカの材料の成分組
成データを集約し、市販製品の材料及び/または製品本
体の成分組成データを代行して一元管理を行う手段を備
え、化学物質管理対象の法人より委託され対象法人に代
わって化学物質管理業務を代行することを特徴とするも
のであり、いずれにせよ、材料及び/または製品の成分
組成の情報の開示手段として、対象材料の製品に添付さ
れるその情報を記録するバーコードラベル及び/または
ICメモリカードのような情報媒体を用いることが望ま
しい。
【0014】一方、本発明方法は、(1)材料及び/ま
たは製品の成分組成情報をデータベース化した材料組成
データベースと、環境に影響を与え得るとされる所定物
質の識別子及び/または物性データを収納する管理物質
データベースと、届出対象法人における作業工程での投
入材料の組み合わせに対して排出移動先毎の投入物質及
び排出移動物質の重量比率データを算出して得た排出係
数データとにより、化学物質管理報告データを纏めて、
報告届出対象法人別及び/または届出先自治体別若しく
は当該自治体の届出受理の委託業務機関別に集約するこ
と、(2)材料及び/または製品の成分組成情報をデー
タベース化した材料組成データベースと、環境に影響を
与え得るとされる所定物質の識別子及び/または物性デ
ータを収納する管理物質データベースと、届出対象法人
における作業工程での投入材料の組み合わせに対して排
出移動先毎の投入物質及び排出移動物質の重量比率デー
タを算出して得た排出係数データとにより、化学物質管
理報告データを纏めて、報告届出対象法人別及び/また
は届出先自治体別若しくは当該自治体の届出受理の委託
業務機関別に所定報告書式にて配信すること、(3)材
料及び/または製品の成分組成情報と、環境に影響を与
え得るとされる所定物質の識別子及び/または物性情報
とを基に化学物質管理を行うに際し、複数の製造メーカ
の材料の成分組成データを集約し、市販製品の材料及び
/または製品本体の成分組成データとして一元管理を行
い、これらの情報を化学物質管理またはその他の目的の
為に必要とする相手に情報公開すること、または(4)
材料及び/または製品の成分組成情報と、環境に影響を
与え得るとされる所定物質の識別子及び/または物性情
報とを基に化学物質管理を行うに際し、複数の製造メー
カの材料の成分組成データを集約し、市販製品の材料及
び/または製品本体の成分組成データを代行して一元管
理を行い、かつ化学物質管理対象の法人より委託され対
象法人に代わって化学物質管理業務を代行することを特
徴とする。更に(3),(4)については、広域ネット
ワークを介して、材料及び/または製品の成分組成情報
並びに環境に影響を与え得るとされる所定物質の識別子
及び/または物性情報と、化学物質管理を行う事業所の
排出係数データ情報,化学物質に関連する資材購入量及
び/または消費量情報とを授受し合うことや、同じく広
域ネットワークを介して、材料及び/または製品の成分
組成情報並びに環境に影響を与え得るとされる所定物質
の識別子及び/または物性情報と、化学物質管理を行う
事業所の排出係数データ情報,化学物質管理対象法人の
資材購入量及び/または資材消費量情報を授受し合い、
更に上記いずれかの入手情報より化学物質管理処理を化
学物質管理対象法人になり代わって管理業務の代行を行
うことが望ましい。更に本発明方法ではいずれにせよ、
材料及び/または製品の成分組成の情報の開示は、その
情報を記録するバーコードラベル及び/またはICメモ
リカードの如き情報媒体を対象材料の製品に添付するこ
とによることが効果的である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明システムと方法につ
き、図面に従って説明する。
【0016】図1は本発明の実施例である化学物質総合
管理システムの全体構成を示している。MSDSデータ
ベース102は、製品安全性情報シートと呼ばれる材料
の取り扱い注意事項や有害性,法規制への該当項目をし
めすデータであり、材料製品毎にデータベース化してあ
る。材料組成データベース104は材料の成分組成をデ
ータベース化してある。
【0017】一つの材料は通常複数の物質すなわち分子
で構成されている。物質(分子)にはCAS番号(Chem
ical Abstract Services)などの識別子が存在する。そ
こで本データベースのレコードは材料(製品)名,成分
となる識別子、その質量組成(%)の下限、及び上限の
各々をフィールドとして構成する。管理物質データベー
ス105は、環境に重大な影響を与える物質やその周辺
の物質として管理が必要な物質をリストアップしたデー
タベースである。
【0018】任意のジャンル(毒物,劇物,管理対象,
法規指定物質,自主管理物質など)と、その該当物質の
識別子をフィールドとするレコード群を収納する。更
に、物質の識別子とその物性をフィールドとするレコー
ド群も収納する。物性には、分子質量から純金属質量に
換算する場合の係数,蒸気圧や密度などの値を含む。こ
れらの物質は具体的には「特定化学物質の環境への排出
量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(平成
11年7月13日公布法律第86号)で制定されている
指定物質を含むものである。排出係数データベース10
6は、各々のプロセスと投入材料の組み合わせに対し
て、排出移動先(大気,水域,土壌,消費,依託廃棄,
リサイクル,製造含有など)毎の投入物質と排出移動物
質の重量比率をフィールドとしたレコードを収納する。
例えば、ある部署の生産ラインおける塗装プロセスで
は、塗料Aの投入に対して、塗料A中の成分であるトル
エンの80%が大気に排出されるなどのデータである。
調査支援手段101は、上記の各々のデータベースのレ
コード群から相互の共通するフィールドを関連付けて検
索したり、名称やCAS番号などの識別子で検索する、
或いはフィールド内のテキストについての部分一致でレ
コードを検索し、画面やファイルとして出力する機能を
有する。
【0019】結果データベース110は、本システムの
各々の手段が利用したレコードやその結果として生成し
たレコードを収納し、その対応情報も収納するデータベ
ースである。結果表示手段111は結果データベースの
内容を検索し、読み出し、様々な集計結果を表示する。
【0020】図2には、データベースの内容をさらに具
体的に示した。材料組成データベース104には、材料
名称をキーインデックスにして、CAS番号などの組成
物質の識別子,組成物質の名称、及び組成の数値(上限
及び下限)を記載してある。材料名称には、市場流通品
としての名称または事業所が購入する際の品番などを用
いる。必ずユニークに定まるコード体系であればどのよ
うなものを用いてもよい。
【0021】管理物質データベース105には、CAS
番号などの物質の識別子をキーインデックスにして、物
質名称、その物質がどのような団体に指定されているか
の情報、及び物性の情報が記述されている。
【0022】排出係数データベース106には事業のプ
ロセス名称をキーインデックスにして、投入される物
質,排出先,投入物質の質量に対する排出割合を示す係
数が記述されている。
【0023】MSDSデータベース102には、物質お
よび材料の名称をキーインデックスにして、取扱注意事
項や毒性,適用法規などの製品安全性情報が記述されて
いる。
【0024】図3は、本発明に関する情報処理の流れを
説明する為の仮想的に単純化した一例を示した。図中の
番号に従って順に説明する。まず、塗料Aという材料を
購入するところから始まる()。塗料Aの購入量は1
00立方メートル/月であり、タンクへの貯蔵料は一定
であることが普通であるから、プロセスへの投入量も同
じく100立方メートル/月と想定する。この塗料Aの
密度が1,200kg/m3であることから、その投入量は
120,000kg/月である。全てが塗装工程()に
投入される。ここまでの情報処理はデータ入力手段10
3により実施する。
【0025】次に、塗料Aにはトルエンが30%,カド
ミウムが1%各々含まれていることを材料組成データベ
ース104から読み取ることができるので、塗装工程へ
の物質の投入量はトルエンが36,000kg/月,カド
ミウムが1,200kg/月という計算になる。この計算
はプロセス集計手段107が実施する。次いで、塗装工
程においては、出荷製品の上にスプレーにより塗料を塗
装するが、一部は乾燥して大気に放出される()。そ
の割合はトルエンの94%,カドミウムの0%であるこ
とを排出係数データベース106より読み取ることがで
きるので、トルエンは毎月33,840kg 大気中に放出
されるているということが評価される。
【0026】また同様に産業廃棄物()としては、一
月当たりトルエンが1,800kg ,カドミウムが120
kg廃棄され、また出荷製品中にはトルエンが360kg,
カドミウムが1,080kg の割合で含有されていること
が評価できる。この評価計算は、評価計算手段108が
実施する。
【0027】尚、図1において逆トレース手段112は
結果データベース110の情報を入力して逆検索結果を
出力するものであり、リスクコミュニケーション支援手
段113は図中の入力側各データベースの情報をもとに
排出理由を出力するものである。更に符号109は総合
集計手段であってプロセスの排出移動量が入力される。
【0028】図4は、市場を流通する製品の流れと化学
物質管理の関係を示したものである。市場を流れる製品
は、原料〜素材加工〜組立加工〜物流〜販売〜消費者〜
リサイクル業者〜廃棄物処理にたどり着き、また原料メ
ーカーに戻ってこのサイクルを循環する。と同時に、前
工程(企業)から後工程(企業)へと製品自身が動く事
は、製品に含まれている化学物質管理情報も、前工程
(企業)から後工程(企業)へと引継がれなければ、社
会全体の化学物質管理は成立しなくなることを本図は表
している。
【0029】図5は、企業レベルに図4を展開したもの
であり、図4では企業間の情報の授受(共有)が必要と
されていることが分かるが、企業内では、職場間,工程
間という様に対象範囲は小さくなるものの、やはり工程
間・職場間での情報の授受(共有)が必要である事を示
している。
【0030】資材購買を行う部署では、原料10,半製
品11,購入品12を購買することになるが、それぞれ
には管理物質情報10a,11a,12aが存在する。
また、製造を行う部署では、製造工程において管理物質
が大気放出13されたり、水系放出14されたり、或い
は、土壌放出15されたりする。また、廃棄物16を出
すこともある。大気放出13,水系放出14、或いは、
土壌放出15された物質にはそれぞれ管理物質情報13
a〜15aが存在し、また、廃棄物にも管理物質情報1
6aが存在することになる。そして、製造を行う部署か
らは、半製品17や完成品18を製造するが、これらに
も管理物質情報17a,18aが存在する。同様に、施
設においても管理物質が大気放出13されたり、水系放
出14されたり、或いは、土壌放出15されたり、ま
た、廃棄物16を出すこともある。これらにも管理物質
情報14a,15a,16aが存在する。
【0031】図5の下半分は、同図の上半分における製
造部署の製造ラインを示したものである。例えば、Aラ
イン(工程)19では、原料,半製品,購入品から半製
品と完成品を製造する。このとき、原料,半製品,購入
品,半製品、或いは、完成品のそれぞれには管理物質情
報が存在することになる。Bライン(工程)20,Cラ
イン(工程)21でも同様である。図5から、企業内、
例えば、工場或いは事業所では、職場間,工程間という
対象範囲において管理物質情報の授受・共有が必要であ
ることがわかる。
【0032】図6は、図4を例として企業間で情報共有
を行う為に、企業を出入りする情報を纏めた表である。
企業に入ってくる情報(Input),企業から出て行く情
報(Output)について記載してある。
【0033】図7はデータ入力手段103を実現するた
めのフロー図を示したものである。データ入力手段は資
材購入帳票や在庫管理帳票から材料の投入や購入に関す
る情報を読み込む。ここでは一例として購買実績のレコ
ードを読み込むことから始める(42a)。このなかか
らまず日付を特定する(4b)。購買実績には西暦か和
暦を意味するデータフィールドが必ず存在するのでこれ
を取り出して西暦に変換する。次に材料の質量を特定
(4c)した後、発注者名などを利用して材料が投入さ
れるプロセスを特定する(4d)。これらの一連の結果
をプロセス投入量レコードとして結果データベース11
0に収納する。結果データの元となるデータへリンク情
報も併せて収納する(4e)。ここでリンク情報とは、
本手段が予め存在するデータレコード(元レコードと呼
ぶ)を読み込み、これを情報処理して新たなデータレコ
ード(結果レコードと呼ぶ)を生成した場合に、両者を
関係付けることができる情報である。1対1の関係の場
合はどちらかに相手方へのポインターを付加することで
実現できる。また両者とも複数で、N対Nの関係がある
場合は、元レコードに対しては全ての結果レコードへの
ポインターを、結果レコードに対しては全ての元レコー
ドにたいするポインターを付加する。
【0034】図8はプロセス集計手段107を実現する
ためのフロー図を示したものである。まず結果データベ
ース110からプロセスに投入された材料の質量を読み
出す(5a)。次に材料組成データベース104から上
記材料の成分の組成を検索し、管理物質毎の取扱量に換
算する(5b)。材料の投入量も質量(kg)の単位にな
っているので、質量パーセントで収納された成分組成と
掛け算することにより、管理物質の取扱量を質量(kg)
で得ることができる。最後に上記の結果を示す物質取扱
量レコードと元となるデータへリンク情報も併せて結果
データベース110に収納する(5c)。
【0035】図9は評価集計手段108を実現するため
のフロー図を示したものである。まず結果データベース
110から物質取扱量レコードを取り出し、プロセスに
投入された管理物質毎の質量を読み出す(6a)。次に
排出係数データベースから管理物質毎にプロセスの排出
移動係数を読み出す(6b)。さらに管理物質データベ
ースから管理物質の物性(換算係数など)を読み出す
(6c)。つぎにプロセスの大気,水域,土壌への排出
量、或いは製品への移動量,廃棄物としての移動量を計
算する(6d)。排出移動係数は、投入物質と排出移動
物質の比率を示した数値であることから、投入量にこの
係数を掛け算することで、各々の排出移動先への物質の
排出移動量を計算できる。この物質が金属の塩などの場
合は、排出物質として純粋な金属元素を必要とする。こ
の場合は、管理物質の物性データを用いてさらに換算す
る。最後に上記排出移動レコード及び読み込んだ元レコ
ードへのリンク情報を結果データベース110に格納す
る(6e)。
【0036】図10は総合集計手段109を実現するた
めのフロー図を示したものである。まず指定された集計
範囲(例えば職場,部,課,ライン,工程,工場,事業
所,事業グループ,地域など)に該当するプロセス群を
特定する(7a)。次に指定された期間(例えば199
9年4月1日から1999年5月31日)における上記
プロセス群の排出移動レコードを結果データベースから
読み出す(7b)。更に指定された管理物質グループ
(例えば環境庁指定物質)の排出移動レコードのみを取
り出す(7c)。そして、これらのレコードを集計する
(7d)。最後に集計結果のレコード及び読み込んだ元
レコードへのリンク情報を結果データベース110に格
納する(7e)。
【0037】図11は逆トレース手段112を実現する
ためのフロー図を示したものである。まず、排出移動量
集計結果の1レコードを操作者が出力画面上で選択する
ことにより最初の逆トレースの指示を受ける(8a)。つ
ぎに結果データベース110から、そのレコードが集計
される元となったプロセスの排出移動量レコードをリン
ク情報を辿ることにより選択し(8b)、選択された複
数のプロセスの排出移動量レコードを出力表示する(8
c)。更に上記の1レコードを操作者が選択することに
より2段階目の逆トレースの指示を受けると(8d)、
結果データベース110からそのレコードが生成される
元となった物質取扱量レコードをリンク情報を辿ること
により選択し(8e)、選択された複数の物質取扱量レ
コードを出力表示する(8f)。更に上記の1レコード
を操作者が選択することにより3段階目の逆トレースの
指示を受けると(8g)、結果データベース110から
そのレコードが生成される元となった材料取扱量レコー
ドをリンク情報を辿ることにより選択し(8h)、選択
された複数の材料(資材,副資材)取扱量レコードを出
力表示する。また更に、補足情報として資材注文コード
や発注者コードなども同様に検索し出力表示する(8
i)。
【0038】図12は図11のフローを補足説明する為
の説明図である。本システムで処理生成される5種類の
レコードを示した。左側の矢印で示すフローは順動作の
処理の流れを示し、右側の波線で示した矢印は、本発明
の主眼である各レコードにあるリンク情報を用いた逆ト
レースの流れを示した。この図では、一つのレコードか
ら一つのレコードが生成されているように見えるが、実
際には一つのレコードから複数のレコードが生成される
場合もあり、また複数のレコードから一つのレコードが
生成される場合もある。基本的にはN対Nの関係であ
る。
【0039】単に法的な届け出書類を作るだけならば不
要ではあるが、逆トレースを実施するためにはこの図に
示すように処理の途中経過となるレコードを保存してお
く必要がある。この場合、新たな問題点として、既に作
成してしまった過去レコードを消去して新しい条件でも
う一度作り直したいというニーズが生じる。例えば過去
にはある材料の組成情報が不確かであったが、最近にな
って確かな組成情報が入手できた場合などである。この
時にある期間,ある材料、といった範囲を指定し、これ
に該当する全レコードを消去して、新しい条件で計算処
理をし直すという手段も設けられている。この手段の実
現方法のフローを図13に示した。すなわち、まず消去
対象期間,消去対象材料,消去対象プロセス,消去対象
物質を入力し(9a)、次いで上記指定範囲での材料取
扱レコード,物資取扱レコード,プロセス排出量レコー
ド,集計結果レコードを消去し(9b)、そして次に消
去したレコードに関する再計算を実施する(9c)。
【0040】リスクコミュニケーション支援手段113
は、図9に示した各種のレコードに関し、計算処理上の
相互関連だけでなく、各々のフィールドについての意味
的なリンクをたどる機能を提供する手段である。すなわ
ち、材料に関してはその材料の組成情報を材料組成デー
タベース104から検索して出力表示し、或いはMSDS情
報をMSDSデータベース102から検索して出力表示
する。また管理物質に関してはその物質の情報を管理物
質データベース105から検索して出力表示する。更に
当該物質の当該プロセスに関する排出移動係数を排出係
数データベース106から検索して出力表示する。この
機能によって、付近の住民や利害関係者からの排出移動
データに関する問い合わせなどに対して、根拠のあるデ
ータを元に自信を持ってコミュニケーションを図ること
ができる。
【0041】図14には、本発明の計算機システムとし
ての一実施例の構成を示した。統括管理部署に専用サー
バ計算機1101を設置し、図1に示したデータベース
と手段を全て格納する。社内ネットワーク1102をこ
の専用サーバに接続することにより、社内の様々な事業
所における様々な部署の端末計算機1103にて全ての
機能を活用可能とする。また、社外の汎用データ提供サ
イト1105にデータベースを置き、インターネット1
104を介してこれに接続することで、専用サーバに格
納しきれない広い範囲のデータや、頻繁に改訂されるデ
ータについても活用を可能とする。
【0042】図15〜図19は、本発明を実施するに当
たってのシステム実施形態である。
【0043】図15は、本発明を実現する1例であり、
分散データベースによる化学物質管理システム例を示し
ていて、官公庁・企業・団体のそれぞれが持つ化学物質
管理情報をデータベースとして公開し、必要とする人
(情報が欲しい人)が、情報を提供してくれるデータベ
ースを参照して、自企業の化学物質管理を行うものであ
る。製品製造メーカA社200,B社201,C社20
2,官公庁203,管理団体204,化学物質管理を実
施する企業205がそれぞれ独自のデータベース206
〜212(製品製造メーカについては各社対応の製品登
録をする材料組成データベース206,207,20
8、官公庁203については管理対象登録をする管理物
質データベース209,管理団体204についてはMS
DSデータベース210,化学物質管理企業205につ
いては排出・分配係数登録をする排出係数データベース
211と集計結果213から戻る結果データベース21
2(そのデータベースから化学物質管理企業205は結
果参照する))を持ち、皆広域ネットワーク網214に
連なっている。そして情報を必要とする部署が、対象と
なる情報はどの部署が持っているかを判断し、目的の企
業のデータベースに対して情報を入手する方法である。
このシステム形態でも本発明の課題は達成されるが、情
報収集に関しては見直すべき所がみられる。
【0044】図16の例は、アウトソーシング企業を介
した化学物質管理システムであり、製品製造メーカと化
学物質管理実施企業の間に、材料組成データを集約する
アウトソーシング会社215が存在し、このアウトソー
シング会社215の持つデータベース216に製品製造
メーカから提供される(提示される)材料組成データを
格納しておくものである。よってメーカA200のよう
にデータベースをA社内に持たない場合もあり得る。官
公庁・団体のそれぞれが持つ化学物質管理情報は、営利
目的でないので、情報公開も問題なく可能であるが、製
造メーカの持つ材料組成情報は、利用者が容易に探し出
せないので、アウトソーシング会社215によって情報管
理し、利用者が容易に情報収集できるようにしてある。
図15の例との違いは、材料組成データが(1ヵ所に)
集約されていることにある。この様な形態にすることに
より、化学物質管理実施企業は、そのデータベースのみ
を参照すれば良いことなる。資材購入品毎に製造メーカ
のデータベースを参照しなくても良いことになる為、化
学物質管理実施企業の負担が軽減される。
【0045】図17は、図16の形態に更に、アウトソ
ーシング会社215に、化学物質管理実施企業の排出係
数データベース218,結果データベース219を持
ち、従来、化学物質管理実施企業が管理する化学物質管
理業務をアウトソーシング会社215で行える様な形態
にしたものである。すなわちこの例は、官公庁・団体の
それぞれが持つ化学物質管理情報は、営利目的ではない
ので、情報公開も問題なく可能であるが、製造メーカの
持つ材料組成情報は、利用者が容易に探し出せないの
で、アウトソーシング会社によって情報管理し、利用者
が容易に情報収集できるようにし、併せてグリーン調達
情報を斡旋・紹介するものである。この形態であれば、
化学物質管理実施企業が自企業内の製造工程・製造プロ
セスを分析し、排出係数データし、資材購入情報,資材
使用状況情報を登録(情報提示)すれば、化学物質管理
の為の集計作業,レポート作成を行ってくれるものであ
る。尚、アウトソ−シング会社215にまつわるデータ
ベースは上記の他材料組成データベース217,グリー
ン調達データベース220であり、また集計処理221
を行えるようにしてある。また、アウトソーシング会社
215は化学物質管理企業205に対してグリーン調達
データベース220の情報を斡旋・紹介し、結果データ
ベース219の情報にて結果提供と提出レポート分析を
流し、化学物質企業205からは広域ネットワーク網2
14を介して排出データベース218へ向けて資材購入
情報,資材使用状況情報,製造過程情報,排出係数,登
録の各情報が流れる。
【0046】また、材料組成データを用いて、化学物質
管理実施企業へ資材購入の指標となるグリーン調達情報
を提供する事が可能になり、化学物質管理実施企業が資
材購入を検討する際に、環境に影響を与えない材料を容
易に探し出せるようになり、化学物質の削減や代替資材
の調達が容易に実行できる様になる。
【0047】図18は、図17の更なる発展形態であ
り、図17の形態において、化学物質管理実施企業が行
わなければならない、資材購入情報,資材使用状況情報
をアウトソーシング会社215が、化学物質管理実施企
業205より自動収集,自動集計する機能を持ってい
る。従ってアウトソーシング会社215はモニタリング
システム222を備える。資材購入情報は、化学物質管
理実施企業が外部資材メーカーに対する資材購入発注デ
ータを取り込むことで対応し、資材使用状況情報は、化
学物質管理実施企業の現場モニタリング情報を取り込む
ことで対応できるものである。この様な形態にすること
によって、化学物質管理実施企業の企業規模にかかわら
ず、管理品質を落とすことなく化学物質管理を実施する
ことが可能になる。
【0048】図19は、化学物質を取り扱う企業・会社
としての組織階層図と化学物質管理を実際行った際に、
その報告書を提出する自治体の関係について示したもの
である。化学物質管理を行うにおいて考慮しなければな
らないことが2点ある。一つ目は、化学物質管理対象の
最小単位の事業体は、その所轄の自治体303にその報
告を行わなければならないことである。二つ目は、化学
物質管理対象として企業全体としてその化学物質移動排
出量を管理したいという点が挙げられる。また言い換え
れば、化学物質管理を統括する自治体303も、自治体
自身が化学物質移動排出量の傾向を監視したいという要
望が発生する。つまり現実には図19のように、自治体
の集計基準と企業の集計基準が異なる事態があるという
ことである。すなわち図に示すように各所在地304に
存在する1または2以上の店舗300は化学物質管理最
小単位であり、所在地の市ごとに、或いはいくつかの市
のブロックごとに纏める支店301で管轄店舗トータル
の集計をして集計表にする。各支店01は支店毎の化学
物質管理報告データの集計と管理を行う。この支店集計
データを最終的に本社302が吸い上げて企業全体の化
学物質管理報告データの集計と管理を行うことになる。
一方、各店舗300ごとに事業所別化学物質管理報告書
を作成し、所轄の自治体たる各市304へ報告書を提出
することになる。
【0049】図20では、アウトソーシング会社215
が、広範囲の化学物質管理対象者を顧客としてビジネス
を行う場合で、企業向け集計処理と自治体集計処理の2
つが必要になる。簡単な例を挙げると、全国展開されて
いるクリーニング業者があると仮定する。クリーニング
業者は各地に店舗300を持ち、その店舗300にて化
学物質管理対象の洗剤を使用して商売を行っている。こ
の様な場合、化学物質管理対象の最小単位は事業体であ
り、この例であれば各市304に一つ或いは複数軒所在
する店舗300に相当する。各店舗300は、毎日,毎
月,年間を通しての洗剤の使用量若しくは洗濯機の稼動
状況を見ながら、化学物質の移動排出量を算出する。そ
の結果を事業所(店舗)300の所在する自治体304
に対して報告する。一方、クリーニング業者全体302
(或いは管轄ブロックごとの支店301)としては、全
国(或いは支店)にある複数の店舗の移動排出量を集計
して、企業活動としての化学物質管理を行い、その化学
物質の使用量の傾向が下がっているかどうかを監視・管
理したいのである。この例でのアウトソーシング会社の
機能は、(1)自治体向けには、自治体管轄事業所に対
する事業所別化学物質管理報告書を提供し、また自治体
内全体の化学物質管理報告データの集計及び集計結果管
理を行い、(2)企業の中間管理組織(支店など)向け
には、中間管理組織に管轄する事業所の化学物質報告デ
ータの集計及び集計結果管理を担い、そして(3)本社
組織または業種別管理団体(協会など)に対しては、会
社組織全体または業種別管理団体全体の化学物質報告デ
ータの集計及び集計結果管理を行うのである。
【0050】図21はアウトソーシング会社が備える機
能について図示したものである。アウトソーシング会社
215の顧客である店舗300からは、報告用データ3
10を入手する。入手したデータは、報告用データ受付
処理311後、報告用データ格納処理312にてデータ
ベースに格納するが、この際に、顧客管理データベース
313より、対象の顧客の名称,事業所名,店舗名の他
に所在地情報を付加した形で格納する。格納されたデー
タは、(1)事業所別集計処理314により事業所単位
に集計処理を行う(この処理は、報告データの入手サイ
クルが1日,1ヶ月毎を前提にしており、化学物質管理
報告の報告期間の1年間を下回る周期で報告データが細
分化されている時の集計処理である)。事業所別集計処
理314は、顧客管理データベースよりその事業所は企
業組織の末端の事業所であるかどうかを確認する。企業
別集計処理315は、企業における中間管理部署(例え
ば支店や支社,グループなど)への集計表を作成するも
のであるが、顧客管理データベース316より、対象顧
客の企業組織構造がどのような構造になっているかを参
照しながら、受付結果データベース317に格納されて
いる報告データを分類・集計する。集計された結果は企
業別集計結果データベース318,事業所別集計結果デ
ータベース320に格納される。同様に自治体別集計処
理319は、顧客の報告データを顧客の所在する自治体
別に集計し受付結果データベース(地域(自治体)別集
計結果データベース323)に格納するものである。報
告書提出処理321は、自治体向けであれば、化学物質
管理報告書の提出期間に、管理対象期間の報告情報を盛
り込んだ報告書として、該当する自治体に対して報告書
を配信するものである。これは、電子媒体での報告書の
提出もある。当然ながら、紙による報告書を郵送する行
為にも相当するものである。企業に対しては、顧客との
契約において交わした報告間隔で集計書を顧客企業に配
信することになる。顧客企業は、報告義務である1年間
の最終結果のみを知りたい訳ではなく、毎月等のある一
定サイクルにおいての動向を監視する目的で、集計結果
を参照するものである。次に、配信された報告書または
集計表は、顧客または自治体などの提出先からの受領確
認322を行う。受領確認された報告書や集計表は、デ
ータベースのデータに反映され、改ざんなどの変更が出
来ない様セキュリティを掛け、データの保護を行う。
【0051】この例を具体的に説明すると、例えば株式
会社甲(以下、甲社という)の下に東京第一工場,東京
第二工場,大阪工場,山口工場のような所在地域の異な
る工場があったとする。「事業所別データの自治体への
送付」とは、各東京工場の管理報告書は東京都に、大阪
工場の管理報告書は大阪府に、山口工場の管理報告書は
山口県に、というように提出場所が異なる。アウトソー
シング会社は甲社という単位で集計を行い、甲社に送信
すると共に、各事業所の報告書は該当する自治体に送信
する。また、東京都では東京都に存在する事業所、つま
り東京第一工場と東京第二工場の報告書の集計をする。
このようにアウトソーシング会社は対象事業所の報告デ
ータを該当する自治体に報告する、つまり複数の自治体
に該当分を送信できる。また、企業の全ての事業所の報
告データを総括集計して企業の取り纏め部署(大抵は本
社)に送信する。また、自治体単位で集計してその自治
体に送信することが可能となる。
【0052】図22は、上記例を業務フローに表したも
のである。まず事業別報告用データを受付け(10a)、
次に結果受付データベースに登録し(10b)、次に顧
客管理データベースより所在地を確認し(10c)、該
当自治体を検索する(10d)。次いで自治体毎に管理
される地域(自治体)別集計結果データベースに登録す
る(10e)。その後報告対象期間に合わせた事業別報
告書を取り込み(10f)、顧客管理データベースより
顧客企業組織構造の取り込み(10g)を行い、顧客企
業組織構造別に事業所別報告書データを編集し(10
h)、組織構造別編集結果を企業別集計結果データベー
スに登録する(10i)。しかる後、報告書提出時期
(提出期間)の判定(10j)を行うが、受付データベ
ースより報告データを集計して事業所別(10k)か企
業別(10l)か自治体別(10m)の報告書作成を行
い、事業所別報告書は自治体へ送信(10n)してその
受取を確認し(10q)、企業別報告書は企業へ送信
(10o)してその受取を確認し(10r)、自治体別
報告書は自治体へ送信(10p)してその受取を確認
(10s)することになる。
【0053】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、大
企業のみならず中小企業などの小規模な組織においても
化学物質管理を容易に実現することが可能となり、法的
に義務付けられている自治体へ報告及び報告を行う為の
物質管理を容易に行える環境を提供することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る化学物質総合管理システ
ムの全体構成説明図である。
【図2】図1の例におけるデータベースの具体的内容の
説明図である。
【図3】図1の例における情報処理の流れの例の説明図
である。
【図4】図1の例における市場を流通する製品の流れと
化学物質管理の関係の説明図である。
【図5】企業内の製品の流れと化学物質管理の関係の説
明図である。
【図6】企業を出入りする情報の説明図である。
【図7】データ入力手段(103)を実現するためのフ
ロー図である。
【図8】プロセス集計手段(107)を実現するための
フロー図である。
【図9】評価集計手段(108)を実現するためのフロ
ー図である。
【図10】総合集計手段(109)を実現するためのフ
ロー図である。
【図11】逆トレース手段(112)を実現するための
フロー図である。
【図12】図11の補足説明図である。
【図13】図11の補足説明用フロー図である。
【図14】本発明の計算機システムとしての一実施例の
構成説明図である。
【図15】本発明の計算機システムとしての他の実施例
の構成説明図である。
【図16】本発明の計算機システムとしての更に他の実
施例の構成説明図である。
【図17】本発明の計算機システムとしての更に他の実
施例の構成説明図である。
【図18】本発明の計算機システムとしての更に他の実
施例の構成説明図である。
【図19】会社組織と営業地域と化学物質管理データの
報告先の関係説明図である。
【図20】アウトソーシング会社の情報入手及び出力先
の関係説明図である。
【図21】企業別,自治体別集計管理の機能ブロック図
である。
【図22】企業別,自治体別集計管理の業務フロー図で
ある。
【符号の説明】
101…調査支援手段、102,210…MSDSデー
タベース、103…データ入力手段、104,206〜
208,217…材料組成データベース、105,20
9…管理物質データベース、106,211,218…
排出係数データベース、107…プロセス集計手段、1
08…評価集計手段、109…総合集計手段、110,
212,219…結果データベース、111…結果表示
手段、112…逆トレース手段、113…リスクコミュ
ニケーション支援手段、200〜202…製品製造メー
カ、203…官公庁、204…管理団体、205…企
業、213…集計結果、214…広域ネットワーク網、
215…アウトソーシング会社、220…グリーン調達
データベース、221…集計処理、300…店舗、30
1…支店、302…本社、303…自治体、304…所
在地、310…報告用データ、311…報告用データ受
付処理、312…報告用データ格納処理、313…顧客
管理データベース、314…事業所別集計処理、315
…企業別集計処理、316…顧客管理データベース、3
17…受付結果データベース、318…企業別集計結果
データベース、319…自治体別集計処理、320…事
業所別集計結果データベース、321…報告書提出処
理、322…受領確認、323…地域(自治体)別集計
結果データベース。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】材料及び/または製品の成分組成情報をデ
    ータベース化した材料組成データベースと、環境に影響
    を与え得るとされる所定物質の識別子及び/または物性
    データを収納する管理物質データベースとを備え、届出
    対象法人における作業工程での投入材料の組み合わせに
    対して排出移動先毎の投入物質及び排出移動物質の重量
    比率データを算出し、該算出データと前記2種のデータ
    ベースとから化学物質管理報告データを報告届出対象法
    人別及び/または届出先自治体別若しくは当該自治体の
    届出受理の委託業務機関別に集約する手段を備えること
    を特徴とする化学物質統合管理システム。
  2. 【請求項2】材料及び/または製品の成分組成情報をデ
    ータベース化した材料組成データベースと、環境に影響
    を与え得るとされる所定物質の識別子及び/または物性
    データを収納する管理物質データベースとを備え、届出
    対象法人における作業工程での投入材料の組み合わせに
    対して排出移動先毎の投入物質及び排出移動物質の重量
    比率データを算出し、該算出データと前記2種のデータ
    ベースとから化学物質管理報告データを報告届出対象法
    人別及び/または届出先自治体別若しくは当該自治体の
    届出受理の委託業務機関別に所定報告書式にて配信する
    手段を備えることを特徴とする化学物質統合管理システ
    ム。
  3. 【請求項3】材料及び/または製品の成分組成情報をデ
    ータベース化した材料組成データベースと、環境に影響
    を与え得るとされる所定物質の識別子及び/または物性
    データを収納する管理物質データベースと、届出対象法
    人における作業工程での投入材料の組み合わせに対して
    排出移動先毎の投入物質及び排出移動物質の重量比率デ
    ータを算出して得た排出係数データとにより、化学物質
    管理報告データを纏めて、報告届出対象法人別及び/ま
    たは届出先自治体別若しくは当該自治体の届出受理の委
    託業務機関別に集約することを特徴とする化学物質統合
    管理方法。
  4. 【請求項4】材料及び/または製品の成分組成情報をデ
    ータベース化した材料組成データベースと、環境に影響
    を与え得るとされる所定物質の識別子及び/または物性
    データを収納する管理物質データベースと、届出対象法
    人における作業工程での投入材料の組み合わせに対して
    排出移動先毎の投入物質及び排出移動物質の重量比率デ
    ータを算出して得た排出係数データとにより、化学物質
    管理報告データを纏めて、報告届出対象法人別及び/ま
    たは届出先自治体別若しくは当該自治体の届出受理の委
    託業務機関別に所定報告書式にて配信することを特徴と
    する化学物質統合管理方法。
  5. 【請求項5】材料及び/または製品の成分組成情報と、
    環境に影響を与え得るとされる所定物質の識別子及び/
    または物性情報とを基に化学物質管理を行うに際し、複
    数の製造メーカの材料の成分組成データを集約し、市販
    製品の材料及び/または製品本体の成分組成データとし
    て一元管理を行い、これらの情報を化学物質管理または
    その他の目的の為に必要とする相手に情報公開すること
    を特徴とする化学物質統合管理方法。
  6. 【請求項6】材料及び/または製品の成分組成情報と、
    環境に影響を与え得るとされる所定物質の識別子及び/
    または物性情報とを基に化学物質管理を行うに際し、複
    数の製造メーカの材料の成分組成データを集約し、市販
    製品の材料及び/または製品本体の成分組成データを代
    行して一元管理を行い、かつ化学物質管理対象の法人よ
    り委託され対象法人に代わって化学物質管理業務を代行
    することを特徴とする化学物質統合管理方法。
  7. 【請求項7】請求項5または6において、広域ネットワ
    ークを介して、材料及び/または製品の成分組成情報並
    びに環境に影響を与え得るとされる所定物質の識別子及
    び/または物性情報と、化学物質管理を行う事業所の排
    出係数データ情報,化学物質に関連する資材購入量及び
    /または消費量情報とを授受し合うことを特徴とする化
    学物質統合管理方法。
  8. 【請求項8】請求項5または6において、広域ネットワ
    ークを介して、材料及び/または製品の成分組成情報並
    びに環境に影響を与え得るとされる所定物質の識別子及
    び/または物性情報と、化学物質管理を行う事業所の排
    出係数データ情報,化学物質管理対象法人の資材購入量
    及び/または資材消費量情報を授受し合い、更に上記い
    ずれかの入手情報より化学物質管理処理を化学物質管理
    対象法人になり代わって管理業務の代行を行うことを特
    徴とする化学物質統合管理方法。
  9. 【請求項9】請求項3乃至8のいずれかにおいて、材料
    及び/または製品の成分組成の情報の開示は、その情報
    を記録する情報媒体を対象材料の製品に添付することに
    よることを特徴とする化学物質総合管理方法。
  10. 【請求項10】請求項9において、前記情報媒体として
    バーコードラベル及び/またはICメモリカードを用い
    ることを特徴とする化学物質総合管理方法。
  11. 【請求項11】材料及び/または製品の成分組成情報
    と、環境に影響を与え得るとされる所定物質の識別子及
    び/または物性情報とを基に化学物質管理を行うシステ
    ムであって、複数の製造メーカの材料の成分組成データ
    を集約し、市販製品の材料及び/または製品本体の成分
    組成データとして一元管理を行う手段と、これらの情報
    を化学物質管理またはその他の目的の為に必要とする相
    手に情報公開する手段とを備えることを特徴とする化学
    物質統合管理システム。
  12. 【請求項12】材料及び/または製品の成分組成情報
    と、環境に影響を与え得るとされる所定物質の識別子及
    び/または物性情報とを基に化学物質管理を行うシステ
    ムであって、複数の製造メーカの材料の成分組成データ
    を集約し、市販製品の材料及び/または製品本体の成分
    組成データを代行して一元管理を行う手段を備え、化学
    物質管理対象の法人より委託され対象法人に代わって化
    学物質管理業務を代行することを特徴とする化学物質統
    合管理システム。
  13. 【請求項13】請求項1,2,11,12のいずれかに
    おいて、材料及び/または製品の成分組成の情報の開示
    手段として、対象材料の製品に添付されるその情報を記
    録する情報媒体を用いることを特徴とする化学物質総合
    管理システム。
  14. 【請求項14】請求項13において、前記情報媒体はバ
    ーコードラベル及び/またはICメモリカードであるこ
    とを特徴とする化学物質総合管理システム。
JP2001073279A 2001-03-15 2001-03-15 化学物質総合管理システム及びその方法 Pending JP2002279122A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021054735A1 (ko) * 2019-09-17 2021-03-25 안전성평가솔루션(주) 화학물질 법령 검토 장치 및 그 방법

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