JP2003004552A - 感圧センサ用抵抗体およびそれを用いた感圧センサ - Google Patents
感圧センサ用抵抗体およびそれを用いた感圧センサInfo
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Abstract
連続的加圧による感圧センサ用抵抗体の抵抗値変化を顕
著に減少させること。 【解決手段】 有機樹脂中に導電粒子を含む感圧センサ
用抵抗体にさらに無機絶縁性微粒子を配合したことを特
徴とする感圧センサ用抵抗体。スペーサを介して隔置さ
れた可撓性基材の表面に電極層を有し、その少なくとも
1方が感圧センサ用抵抗体層を含み、可撓性基材に加え
られた圧力を抵抗変化として感知する感圧センサであっ
て、感圧センサ用抵抗体層が有機樹脂中に導電粒子と共
に無機絶縁性微粒子を含む感圧センサ用抵抗体で形成さ
れていることを特徴とする感圧センサ。
Description
およびそれを用いた感圧センサに係り、より詳しくは繰
り返しの加圧・除圧あるいは連続的な加圧に対して感圧
抵抗率の変化が小さく、高精度の感圧センサ用抵抗体お
よび感圧センサに関するものである。感圧センサは、例
えば、医療介護用ベットの感圧センサ、自動車の着座セ
ンサなどに利用される。
しては、図1の如く、電気接点間の表面接触抵抗値の変
化を利用するものが知られている。具体的には、可撓性
の樹脂フィルム1,2の表面に形成された電気的接点
3,4をスペーサ5を介して対向して配置し、例えば、
電気的接点の一方を半導体物質層としたものが特公平5
−22398号公報に開示されている。このような圧力
センサでは電気的接点の導体層および半導体物質層に有
機樹脂をバインダとする厚膜材料が一般的に用いられて
いる。
圧力が加わると電気的接点3,4どうしが接触し、加わ
った圧力に応じて接触面積が違うので、電気的接点間の
電気抵抗値も変化する性質を利用して圧力を感知するも
のである。
をバインダとする厚膜材料で形成された電気的接点の導
体層および半導体物質層を接点に用いた場合、接点に加
わる繰り返し応力、連続的応力によって感圧抵抗値が劣
化するという問題がある。図2に加圧回数あるいは加圧
時間の関数としての抵抗値変化の様子を示す。感圧セン
サを単に加圧によるスイッチとして使用する場合は閾値
を低くしておけばよいともいえるが、感圧抵抗値の大幅
な変化はやはり問題であるし、また感圧センサで感知す
る圧力に応じて二次の作用を行なう用途に感圧センサを
使用しようとする場合には感圧抵抗値の変化はできるだ
け小さいことが望まれる。本発明はこのような従来技術
の現状に鑑みて感圧センサ用抵抗体の使用劣化をできる
だけ少なくすること、感圧センサの精度を高く維持する
ことを目的とするものである。
成するために、有機樹脂中に導電粒子を含む感圧センサ
用抵抗体にさらに無機絶縁性微粒子を配合したことを特
徴とする感圧センサ用抵抗体と、スペーサを介して隔置
された可撓性基材の表面に電極層を有し、その少なくと
も1方が感圧センサ用抵抗体層を含み、可撓性基材に加
えられた圧力を抵抗値変化として感知する感圧センサで
あって、感圧センサ用抵抗体層が有機樹脂中に導電粒子
と共に無機絶縁性微粒子を含む感圧センサ用抵抗体で形
成されていることを特徴とする感圧センサを提供するも
のである。
接点に用いた有機樹脂をバインダとする厚膜材料で形成
された電気的接点の導体層および半導体物質層が樹脂を
用いているために応力によって動的粘弾性挙動を示し、
接触部表面を微視的に見た場合には接触部が徐々に変形
して、表面接触面積が変化し、その結果、繰り返しの加
圧・除圧あるいは連続的な(長時間の)加圧を加えた場
合に感圧抵抗値(所定の圧力における抵抗値)が加圧回
数、加圧時間とともに変化して感圧センサの精度を低下
させていること、そして、樹脂中に粘弾性を減少させる
ために微細な無機絶縁性フィラーを添加することによ
り、樹脂系厚膜の特徴である屈曲性や形成の容易性を損
なうことなく樹脂の粘弾性挙動による変形を低減できる
ことを見出し、本発明を完成したものである。
有機樹脂を母材とする。用いる有機樹脂の種類は、ペー
スト時の印刷性、ベースフィルム使用温度以下での硬化
が可能であること、硬化後の適度な屈曲性などがあれ
ば、特に限定されず、熱可塑性ポリエステル樹脂、エポ
キシ樹脂、アミノ樹脂、シリコン樹脂などの1種類また
は2種類以上の混合物が使用可能であり、硬化剤、触媒
との併用も可能である。熱硬化性樹脂も使用できる。
圧センサ用抵抗体は圧力に応じて抵抗値の変化を検出す
るものであるから、一般的には、カーボン、グラファイ
ト、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化錫などの無機フ
ィラーなどの中程度の導電性をもつ粒子を適当量配合し
て感圧センサ用抵抗体として適当な抵抗率にされる。例
えば銀のような高導電性物質を多量に配合してしまうと
圧力に応じた抵抗値変化が小さくなり検出できなくなる
ので、一般的には避けられるが金属粒子の使用、あるい
は併用を排除するわけではない。導電粒子の粒径は一般
的には0.1nm〜10000nm、好ましくは1nm
〜100nmの範囲内である。加わる圧力に応じた抵抗
値変化を検出する目的からは微細な導電粒子を均一に分
散させることが望ましい。導電粒子の配合量は有機樹脂
および導電粒子の種類にも依存するが、一般的には5〜
50質量%、好ましくは10〜40質量%の範囲内であ
る。導電粒子の配合量が少なすぎても、多すぎても圧力
検出に必要な抵抗値が得られなくなる。感圧センサ用抵
抗体の抵抗値は用途にもよるが、一般的には5Ωcm〜
500Ωcm、さらには10Ωcm〜200Ωcmの範
囲内のものが好適に使用される。
ターン構成によって異なるが、出力値として100Ω〜
500kΩの範囲内が好ましい。本発明の感圧センサ用
抵抗体はさらに有機樹脂の粘弾性を低減するために無機
絶縁性微粒子を含むことを特徴としている。有機樹脂に
無機フィラーを添加して耐衝撃性などの樹脂強度を向上
させること、また樹脂ペーストに微細フィラーを添加し
て粘度調整することなどは従来技術において公知である
が、本発明のように圧力検出の目的で使用される感圧セ
ンサ用抵抗体に無機絶縁性微粒子を添加して有機樹脂の
粘弾性挙動を低減させて感圧精度の耐久劣化を防止する
ことは行われていない。
微粒子としては、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、
マイカ、硫酸バリウム、カオリン、クレーなどの絶縁物
質が好ましく使用できる。無機絶縁性微粒子の粒径は粘
弾性を低減させる効果の点でより微細な粒子が好まし
く、例えば1μm程度でも使用できるが、できれば10
0nm以下、より好ましくは50nm以下、さらに好ま
しくは25nm以下の微粒子がよい。粒径の下限は特に
なく、入手可能であればよいが、少なくとも10nm程
度までは入手の可能性があり、数nmの粒子も入手でき
るようになる可能性が高い。好適な無機絶縁性微粒子と
して粒径10〜30nmのマイクロシリカビーズ、粒径
50nm程度の炭酸カルシウムがある。
微粒子の配合量は、特に限定されず、添加できればその
分だけ粘弾性挙動を低減することができるが、感圧セン
サ用抵抗体固形分を基準に一般的には0.5〜20質量
%、より好ましくは1.0〜10質量%の範囲内であ
る。用いる無機絶縁性微粒子の粒径が小さいので、少量
でも有効に樹脂の粘弾性挙動を低減でき、また多量に混
合することは困難である。無機絶縁性微粒子の配合量が
0.5質量%より少ないと樹脂の粘弾性挙動を低減する
効果が不十分であり、一方、20質量%より多くなると
ペーストのチキソトロピー性が上昇し、スクリーン印刷
性が低下し、またかさ密度が増大し分散自体が難しくな
るからである。
有機樹脂、導電粒子および無機絶縁性微粒子のほか、硬
化触媒、分散剤などを必要に応じて添加することができ
る。本発明の感圧センサ用抵抗体の製造は、上記の所定
成分を有機溶剤に溶解してペーストを作成し、基材上に
塗布し、乾燥固化して行うことができる。硬化性樹脂の
場合は、塗布後の硬化を加熱や光照射によって行う。パ
ターニングは塗布の際に行っても、または固化後に行っ
てもよい。
センサを作製すれば感圧センサの感度耐久性が向上す
る。感圧センサは、一方または両方が可撓性の基材を表
面に電極を形成し、スペーサを介して所定の間隔で離間
して配置し、少なくとも一方の基材の電極に感圧センサ
用抵抗体層を形成して構成される。感圧センサ用抵抗体
層の集電体あるいは下地としては導電層を形成すること
が望ましい。感圧センサの構造として両方の基材間で出
力を得るタイプと、片側の基材から出力を得るタイプが
ある。片側の基材から出力を得るタイプでは、出力を取
り出さない側の感圧センサ用抵抗体層の下地には集電体
層即ち導電層は必要でない。また、両方の基材間で出力
を得るタイプでは両方に感圧センサ用抵抗体層を設ける
ことが望ましいが、片側を感圧センサ用抵抗体層または
導電層のない電極することも可能である。
どの良導電性粒子を樹脂バインダで結着したものが好適
に使用できる。導電層は抵抗が低いほどよいので、樹脂
バインダの量は良導電性粒子を結着できればよく、例え
ば、3〜20重量%程度でもよいが特に限定されない。
また導体の一部としてカーボン紛、グラファイトなどを
含むと耐マイグレーション性が向上するので好ましい。
カーボン紛などの添加量は0〜3重量%程度が好まし
い。また、導電層は樹脂量が少ないこと、また良導体で
あって抵抗体ではないので、樹脂の粘弾性挙動の影響は
殆ど見られないので、必要ではないが、無機絶縁性微粒
子を添加してもよい。
形成してもよいが、上記の如く、集電体として下地導電
層を基材表面に形成した上に感圧センサ用抵抗体層を形
成することが好ましい。感圧センサ用抵抗体層の膜厚、
パターンは特に限定されない。加えられる圧力を検知で
きるように構成されていればよい。例えば、片面は全面
電極とし、他面は1対の櫛歯電極を組み合わせて対向さ
せることにより、接触面積に応じた抵抗変化を検知でき
る。また、両面から出力を得るタイプでは両面のいずれ
も全面電極としてもよい。用途、設計に応じて決定すれ
ばよい。
レフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエ
ステル樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、
ポリエーテルイミド樹脂など適当な樹脂フィルムが好適
に使用される。フィルムの厚さは用途に応じて決められ
る。スペーサの材質、厚さも、用途、設計に応じて決定
すればよい。スペーサとして例えばポリエステルフィル
ムなどの樹脂フィルムが好適に使用され、アクリル系あ
るいはポリエステル系の接着剤を用いて接着できる。
方の電極は全面が検圧抵抗体層からなり、下方は1対の
櫛歯電極を対向配置したもので、集電体は下方のみにあ
る。即ち、片方基板側からの出力取り出しタイプであ
る。ベースフィルム11,12としてポリエチレンナフ
タレートフィルム(厚さ75μm)を用い、これに検圧
抵抗体層13および導電層14を形成するための下記成
分をよく混合してペーストを形成し、それをスクーリン
印刷法でそれぞれマトリックス状に塗布し、乾燥固化し
て電極として形成した。感圧センサ用抵抗体層13の下
地として導電層14を形成した。
を膜厚12μmのポリエステルテレフタレートフィルム
をスペーサ15とし、アクリル樹脂系接着剤を片面25
μm厚に塗布して、図3の如く接着して感圧センサを完
成した。なお、センサの外径は22mm、スペーサの内
径は14mm、導電層(膜厚10μm)および感圧セン
サ用抵抗体層導電層(膜厚15μm)のパターンの寸法
は外径13.5mmであった。比較のために、上記と同
じであるが、マイクロシリカビーズ(無機絶縁性微粒
子)を含まない感圧センサ用抵抗体層を用いた感圧セン
サを作製した。
て、下記サイクルで加圧・除圧を繰返した。 加圧:120秒間で25kPaまで加圧し30秒間保
持。 除圧:120秒間で25kPaから無加圧まで除圧し無
加圧に30秒間保持。 感圧抵抗値測定圧力:10kPa。
イクル中の10kPa加圧時の感圧抵抗値を測定した結
果を図4のグラフに示す。グラフから、本発明のマイク
ロシリカバルーン(無機微細粒子)を添加した感圧セン
サ用抵抗体は繰り返し加圧を受けても抵抗値変化が従来
例と比べて顕著に減少していることが認められる。ま
た、樹脂厚膜の感圧感度、屈曲性、弾性などの特性はほ
とんど影響がないことも確認された。
サ用抵抗体として使用される厚膜のベースとしての樹脂
にマイクロシリカビーズなどの無機絶縁性微粒子を添加
することにより厚膜の樹脂の粘弾性挙動が低減される結
果、感圧センサの加圧・除圧の繰り返しあるいは連続的
加圧による厚膜の抵抗値変化を顕著に減少させることが
でき、感厚センサの精度を長く維持することを可能と
し、従って、高精度の感圧センサを提供することが可能
にされる効果がある。
示すグラフである。
感圧抵抗値の変化を示す。
Claims (3)
- 【請求項1】 有機樹脂中に導電粒子を含む感圧センサ
用抵抗体にさらに無機絶縁性微粒子を配合したことを特
徴とする感圧センサ用抵抗体。 - 【請求項2】 スペーサを介して隔置された可撓性基材
の表面に電極層を有し、その少なくとも1方が感圧セン
サ用抵抗体層を含み、可撓性基材に加えられた圧力を抵
抗値変化として感知する感圧センサであって、感圧セン
サ用抵抗体層が有機樹脂中に導電粒子と共に無機絶縁性
微粒子を含む感圧センサ用抵抗体で形成されていること
を特徴とする感圧センサ。 - 【請求項3】 前記無機絶縁性微粒子が100nm以下
の粒径を有するものである請求項2に記載の感圧セン
サ。
Priority Applications (1)
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JP2001188530A JP3907431B2 (ja) | 2001-06-21 | 2001-06-21 | 感圧センサ用抵抗体およびそれを用いた感圧センサ |
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2001
- 2001-06-21 JP JP2001188530A patent/JP3907431B2/ja not_active Expired - Lifetime
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