JP2003003942A - 点火プラグの取付構造 - Google Patents

点火プラグの取付構造

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JP2003003942A
JP2003003942A JP2001191260A JP2001191260A JP2003003942A JP 2003003942 A JP2003003942 A JP 2003003942A JP 2001191260 A JP2001191260 A JP 2001191260A JP 2001191260 A JP2001191260 A JP 2001191260A JP 2003003942 A JP2003003942 A JP 2003003942A
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plug
cylinder head
hole
spark plug
metal shell
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JP2001191260A
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Hiroshi Inagaki
浩 稲垣
Toshihiro Fuma
智弘 夫馬
Takahiro Suzuki
隆博 鈴木
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Niterra Co Ltd
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NGK Spark Plug Co Ltd
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F1/00Cylinders; Cylinder heads 
    • F02F1/24Cylinder heads
    • F02F1/242Arrangement of spark plugs or injectors
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B2275/00Other engines, components or details, not provided for in other groups of this subclass
    • F02B2275/18DOHC [Double overhead camshaft]

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  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Spark Plugs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 混合気への着火性を良好に得るために、シリ
ンダヘッドのプラグ配置孔に対する点火プラグの最終的
な取付時において、接地電極の燃焼室内における配置位
置を特定位置に設定することが容易な点火プラグの取付
構造を提供する。 【解決手段】 第2実施例の内燃機関用点火装置は、プ
ラグ配置孔51aに点火プラグ11が圧入固定された
後、第2プラグホールパイプ32もプラグ配置孔51a
に圧入されて構成されている。つまり、第2プラグホー
ルパイプ32が、点火プラグ11の鍔部23の後端面2
3bに当接して、点火プラグ11をシリンダヘッド51
に付勢する。このため、点火プラグ11は、主体金具1
9の先端部25がプラグ配置孔51aの第1壁面51c
に挟持されることに加えて、第2プラグホールパイプ3
2によってシリンダヘッド51に向かう方向に付勢され
ることにより、強固にプラグ配置孔51aに固定される
ことになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の混合気
への着火源として使用される点火プラグと、内燃機関の
シリンダヘッドに形成されたプラグ配置孔との取付構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車エンジン等に使用され
る内燃機関において、混合気への点火に用いられる点火
プラグは、一般的に、絶縁体の軸孔の先端側に挿設され
た中心電極と、絶縁体の外側に設けられた主体金具と、
一端が主体金具に結合されて他端が中心電極と火花放電
ギャップを隔てて対向する接地電極と、絶縁体の軸孔の
後端側に挿設されると共に該中心電極に電気的に接続さ
れる端子電極とを備えて構成されている。
【0003】そして、このような点火プラグは、内燃機
関のシリンダヘッドに形成されるプラグ配置孔に取り付
けられて実用に供されるものであって、点火コイル等と
共に内燃機関用点火装置を構成するものである。この内
燃機関用点火装置では、点火コイルにて発生する点火用
高電圧を点火プラグに印加することで、その点火プラグ
の火花放電ギャップにて火花放電を発生させて、燃焼室
内の混合気への着火を行う。
【0004】また、点火プラグとしては、一般に、主体
金具の外周表面に固定用ネジ溝が形成されて、この固定
用ネジ溝を用いてシリンダヘッドのプラグ配置孔に螺合
により固定される構造が知られている。一方、近年の高
効率化(燃費向上)やクリーン化の要求に応えるため
に、混合気の空燃比を高く(希薄空燃比に)設定したも
のが普及してきている。このように希薄空燃比に設定さ
れた内燃機関においては、火花放電ギャップ近傍の空燃
比が不適切になる場合に混合気への着火性が低下すると
いう問題がある。このため、希薄空燃比に設定された内
燃機関は、燃焼室内における混合気の乱流(スワール流
やタンブル流)を考慮した構造を図り、点火プラグの火
花放電ギャップ近傍の燃焼に適した混合気を生成するこ
とで、混合気への着火性を安定させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、混合気の乱流
を発生させる場合には、点火プラグの接地電極の燃焼室
内における配置位置が、混合気への着火性に影響するこ
とが知られており、接地電極の燃焼室内における配置位
置によっては、着火性を低下させることがある。つま
り、混合気は、点火プラグの火花放電ギャップに発生す
る火花放電に触れることで着火されるが、例えば、混合
気の乱流の方向に対し、接地電極が火花放電ギャップよ
りも風上に位置する場合には、接地電極が障害となって
混合気が火花放電に触れ難くなるため、混合気への着火
が行われ難く、また火炎伝播を妨げることになり、混合
気への着火性が低下してしまう虞がある。
【0006】具体的には、図5(b)のように、燃焼室
55の内部において混合気流の流れ方向に対する接地電
極Xの角度位置θ(すなわち接地電極Xと混合気流のな
す角度θ)を設定したとき、エンジンの種類によっても
異なるが一般的には、θ=90°、270°を満たすと
きに着火性が良好となり、一方混合気流に対して火花放
電ギャップgが接地電極Xの陰になるθ=0°、360
°では、着火性が低下することとなる。また、θ=18
0°でも接地電極Xが火炎成長を妨げるような方向に位
置するために、着火性が若干低下することになる。この
ように混合気流に対する接地電極Xの角度位置θは、エ
ンジン性能(着火性)に影響を与えるものである。な
お、図5(b)は、図5(a)に示すように点火プラグ
11をシリンダヘッド51に取り付けたときに、点火プ
ラグ11を燃焼室55側から見たときの図面に相当する
ものである。
【0007】そして、螺合によりシリンダヘッドに装着
する構造の点火プラグにおいては、接地電極の燃焼室内
における配置位置は、点火プラグ毎に異なり不確定なも
のであり、接地電極を燃焼室内の特定位置に配置するこ
とが困難である。また、螺合によりシリンダヘッドに装
着する構造の点火プラグは、ネジ溝のわずかな寸法誤差
や個体差によって、最終的な装着時における接地電極の
位置が変化してしまうことからも、接地電極を特定位置
に設定することは困難である。
【0008】そこで、本発明は、内燃機関における混合
気への着火性を良好に得るために、シリンダヘッドのプ
ラグ配置孔に対する点火プラグの最終的な取付時におい
て、接地電極の燃焼室内における配置位置を特定位置に
設定することが容易な点火プラグの取付構造を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の発明は、絶縁体の軸孔の
先端側に挿設された中心電極と、絶縁体の外側に設けら
れた主体金具と、主体金具の先端側から延設されて中心
電極との間で火花放電ギャップを形成する接地電極とを
有する点火プラグと、内燃機関のシリンダヘッドに形成
されたプラグ配置孔との取付構造であって、主体金具
が、プラグ配置孔に圧入固定が可能な外形形状に形成さ
れており、点火プラグがプラグ配置孔に圧入固定されて
いることを特徴とする。
【0010】つまり、この点火プラグは、主体金具の外
形形状が、内燃機関のシリンダヘッドに形成されたプラ
グ配置孔に圧入固定が可能な形状に形成されていること
から、ネジ溝での螺合によりプラグ配置孔に取り付けら
れる構造ではない。そして、主体金具がプラグ配置孔に
圧入固定可能な外形形状であることから、この点火プラ
グは、プラグ配置孔に対して締まり嵌め状態にて挿入
(圧入)するだけでよく、プラグ配置孔に対して自身を
回転させながら取り付ける必要がない。したがって、プ
ラグ配置孔への取り付け前に、接地電極の燃焼室内にお
ける配置位置を混合気流の流れ方向を考慮して予め設定
した上で、点火プラグをプラグ配置孔に挿入(圧入)す
れば、最終的な取付時にて容易に接地電極の燃焼室内に
おける配置位置を狙い位置(特定位置)に設定すること
ができる。
【0011】また、この取り付け構造では、点火プラグ
は、主体金具がシリンダヘッドのプラグ配置孔に圧入さ
れることにより、主体金具がプラグ配置孔に挟持されて
シリンダヘッドに固定される。このように圧入により固
定することで、点火プラグを強固にシリンダヘッドに固
定することができ、点火プラグは、内燃機関の運転時
に、燃焼室側から燃焼圧が印加された場合でも、シリン
ダヘッドから脱落することはない。
【0012】そして、点火プラグは、プラグ配置孔に挟
持された状態においては、主体金具の圧入部の表面とプ
ラグ配置孔の内壁面との間に発生する摩擦力が、混合気
の燃焼により発生する燃焼圧よりも大きい値(10[M
Pa]以上)となるよう構成するとよい。これにより、
混合気の燃焼により発生する燃焼圧によって、点火プラ
グがプラグ配置孔から脱落するのを確実に防止すること
ができる。
【0013】さらに、この取付構造では、点火プラグの
主体金具がプラグ配置孔に対して圧入されることから、
主体金具の圧入部の表面とプラグ配置孔の内壁面とが密
着することになる。このために、主体金具の全周をシリ
ンダヘッドに圧入する場合には、点火プラグとシリンダ
ヘッドとの間のシール性(気密性)をもが良好に得ら
れ、燃焼ガスの漏洩を確実に防止することができ、点火
プラグの性能およびエンジン性能を良好に維持すること
ができる。
【0014】よって、本発明(請求項1)の点火プラグ
の取付構造によれば、シリンダヘッドのプラグ配置孔に
対する点火プラグの最終的な取付時に、接地電極の燃焼
室内における配置位置を特定位置に設定することが容易
となり、混合気への良好な着火性を得ることが出来る。
【0015】そして、上述(請求項1)の点火プラグの
取付構造は、例えば、請求項2に記載のように、主体金
具は、外周側面から外向きに突出した鍔部を備えると共
に、この鍔部の先端側にシリンダヘッドと直接または他
部材を介して間接的に接触するためのプラグ座面を備
え、鍔部が、プラグ配置孔に圧入固定が可能な外形形状
に形成されているとよい。
【0016】つまり、点火プラグををプラグ配置孔に挿
入した際に、主体金具に形成される外向きに突出した鍔
部の外周側面がプラグ配置孔に圧入され、点火プラグが
シリンダヘッドに固定されるのである。そして、この鍔
部は、主体金具の外周面から外向きに突出され、自身の
先端にシリンダヘッドと直接または他部材を介して間接
的に接触するプラグ座面を有している。そのため、点火
プラグをプラグ配置孔に圧入したときにも、このプラグ
座面がシリンダヘッドに接触されることになり、その結
果、プラグ配置孔の軸線方向に対して点火プラグが位置
決めされることになる。したがって、この鍔部を主体金
具に設けることにより、点火プラグをプラグ配置孔に圧
入する際にも、点火プラグはプラグ配置孔の軸線方向の
所定位置に固定させることができ、燃焼室内に対する点
火プラグの発火部の突き出し寸法を、同一品番において
一定値に管理(制限)することができる。
【0017】また、点火プラグの主体金具を、シリンダ
ヘッドのプラグ配置孔に圧入固定が可能な外形形状に形
成するにあたっては、請求項3に記載のように、主体金
具が、外周側面から外向きに突出し、先端側にシリンダ
ヘッドと直接又は他部材を介して間接的に接触するプラ
グ座面を有する鍔部と、この鍔部のプラグ座面から軸方
向先端側に延設された外周にネジ溝が設けられていない
筒状の先端部とを備え、少なくともこの先端部が、プラ
グ配置孔に圧入固定が可能な外形形状に形成されていて
もよい。
【0018】つまり、点火プラグをプラグ配置孔に挿入
した際に、主体金具に形成されるネジ溝が設けられてい
ない筒状の先端部の外周側面がプラグ配置孔に圧入さ
れ、点火プラグがシリンダヘッドに固定されるのであ
る。これにより、点火プラグがプラグ配置孔に対して強
固に固定されることになる。
【0019】また、本発明(請求項3)の点火プラグの
取付構造では、上述したように主体金具に形成されるネ
ジ溝が設けられていない筒状の先端部がプラグ配置孔に
圧入固定されることから、先端部の外周側面とプラグ配
置孔の内壁面とが密着することになる。そのために、中
心電極、絶縁体、さらには接地電極から主体金具に流入
される熱を、主体金具の先端部の外周側面からプラグ配
置孔の内壁面(即ち、シリンダヘッド)に対して良好に
放散することができる。つまり、主体金具の先端部の外
周側面とプラグ配置孔の内壁面との間に、燃焼ガス等の
影響により断熱層として機能する空気層が介在すること
がなくなるために、主体金具の先端部の外周側面からプ
ラグ配置孔の内壁面に対する熱の放散経路が有効に確保
されるのである。
【0020】したがって、主体金具に形成されるネジ溝
が設けられていない先端部をプラグ配置孔に圧入するよ
うにして、点火プラグをプラグ配置孔に圧入固定するこ
とで、点火プラグの使用時において、中心電極や絶縁
体、接地電極の温度が過度に上昇するのを抑制すること
ができ、プレイグニッション(過早点火)や電極の溶損
といったエンジン性能や点火プラグの性能の低下を有効
に抑制することができる。
【0021】また、このネジ溝が設けられていない先端
部は、主体金具の外周側面から外向きに突出する鍔部の
プラグ座面より先端側に延設されるものであって、この
鍔部のプラグ座面は、シリンダヘッドに対して直接又は
他部材を介して間接的に接触するものである。そのた
め、点火プラグをプラグ配置孔に圧入したときにも、こ
のプラグ座面がシリンダヘッドに接触されることにな
り、その結果プラグ配置孔の軸線方向に対して点火プラ
グが位置決めされることになる。したがって、この鍔部
により点火プラグをプラグ配置孔に圧入する際にも、点
火プラグはプラグ配置孔の軸線方向の所定位置に固定さ
せることができ、燃焼室内に対する点火プラグの発火部
の突き出し寸法を、同一品番において一定値に管理(制
限)することができる。
【0022】よって、本発明(請求項3)の点火プラグ
の取付構造によれば、点火プラグを強固にシリンダヘッ
ドに固定することができると共に、点火プラグの主体金
具に流入される熱をシリンダヘッドに対して効率良く放
散することができることから、プレイグニッションや電
極の溶損を防止して、内燃機関の安定した運転状態を維
持することができる。
【0023】ところで、点火プラグの主体金具を、プラ
グ配置孔に圧入固定可能な外形形状とする場合、主体金
具への接地電極の結合位置がプラグ配置孔の軸線を中心
とした周方向の特定位置となる(換言すれば、接地電極
の燃焼室内における配置位置が特定位置を満たす)よう
に設定がし易くなるが、点火プラグのプラグ配置孔への
挿入開始時や圧入の初期段階において、点火プラグが回
転して接地電極の燃焼室内における配置位置が変化する
可能性がある。
【0024】そこで、上述(請求項1から請求項3のい
ずれか)のスパークプラグの取付構造においては、請求
項4に記載のように、点火プラグは、シリンダヘッドへ
の取付時に、シリンダヘッドと1又は複数箇所にて嵌合
し合う位置設定部を主体金具に備える一方、シリンダヘ
ッドは、この位置設定部に対応する設定対応部を備えて
いるとよい。
【0025】ここで、主体金具に形成される位置設定部
は、シリンダヘッドに形成される設定対応部に嵌合ない
し係合して、点火プラグをプラグ配置孔に圧入固定した
際の接地電極の燃焼室内における配置位置を特定するた
めのものであり、また、点火プラグがその軸を中心とし
て回転不可能とするためのものである。そして、位置設
定部は、例えば、点火プラグの主体金具の側面に軸方向
に延びる突条部や、点火プラグの主体金具の側面に軸方
向に設けた溝部等として備えると良い。また、主体金具
に、点火プラグの軸方向に垂直な平面での断面形状が円
以外の形状(多角形(六角形など)や楕円形等)となる
特定断面部を形成し、この特定断面部を位置設定部とし
て設けても良い。
【0026】なお、このとき、シリンダヘッドには、接
地電極の燃焼室内における配置位置が着火性の良好な位
置となるように考慮して、位置設定部と嵌合ないし係合
可能な設定対応部を設けておく。これにより、位置設定
部をシリンダヘッドに形成される設定対応部に嵌合(係
合)させるだけで、確実かつ容易に接地電極の燃焼室内
における配置位置を着火性が良好な位置に設定すること
ができる。
【0027】よって、本発明(請求項4)の点火プラグ
の取付構造によれば、シリンダヘッドに対する接地電極
の燃焼室内における配置位置が変化するのを防ぐことが
出来ると共に、接地電極を容易かつ確実に燃焼室の特定
位置に設定することができ、良好な着火性を得ることが
出来る。
【0028】そして、上述(請求項1から請求項4のい
ずれか)の点火プラグの取付構造においては、請求項5
に記載のように、点火プラグの主体金具の外周には環状
のガスケットが備えられ、このガスケットを介して点火
プラグの主体金具とシリンダヘッドとが接触していると
よい。
【0029】これにより、点火プラグとシリンダヘッド
との間に間隙が生じるのを防ぎ、燃焼室の気密性を維持
して、混合気の燃焼により発生する燃焼ガスが漏洩する
のを、主体金具の圧入部とプラグ配置孔の内壁面とが密
着している構造と相俟ってより確実に防止することがで
き、点火プラグの性能(特に耐熱性)を維持することが
できる。
【0030】また、上述(請求項1から請求項5のいず
れか)の点火プラグの取付構造においては、請求項6に
記載のように、点火プラグのうちで、プラグ配置孔に圧
入固定に供されている主体金具の部分よりも後端側に配
置されると共に、点火プラグをシリンダヘッド側に付勢
する付勢部材を備えるとよい。
【0031】つまり、点火プラグをシリンダヘッドに固
定するにあたり、プラグ配置孔と主体金具との圧入固定
に加えて、付勢部材を用いて点火プラグをシリンダヘッ
ド側に付勢するのである。これにより、より強固に点火
プラグをシリンダヘッドに固定することができる。
【0032】よって、本発明(請求項6)の点火プラグ
の取付構造によれば、より強固に点火プラグをシリンダ
ヘッドに固定することができ、異常燃焼などにより過大
な燃焼圧が発生した場合でも、点火プラグがシリンダヘ
ッドから脱落するのを防ぐことができる。
【0033】ところで、内燃機関のシリンダヘッドの上
部には、点火プラグの他に、吸気弁、排気弁を駆動する
ためのカムシャフト等からなる吸排気弁駆動機構が備え
られており、シリンダヘッドの上部では、この吸排気弁
駆動機構を円滑に動作させるための潤滑油が循環されて
いる。そして、点火プラグは、高電圧の印加により火花
放電を発生する構造であるため、潤滑油が付着した場合
には、漏電などの影響により正常に火花放電が発生でき
ない虞がある。このため、従来より、内燃機関は、吸排
気弁駆動機構が配置されるシリンダヘッド上部に、点火
プラグを挿通可能な内径に形成された略円筒形状のプラ
グホールパイプを備えて、点火プラグの設置スペースを
形成することで、点火プラグを潤滑油から隔離してい
る。そして、プラグホールパイプは、その軸方向が点火
プラグの軸方向と同一方向となる状態で、シリンダヘッ
ドに固定されている。
【0034】そこで、付勢部材が備えられる上述(請求
項6)の点火プラグの取付構造においては、請求項7に
記載のように、付勢部材が、点火プラグの後端側の径方
向周囲を包囲する筒状のプラグホールパイプで構成され
ているとよい。つまり、プラグホールパイプを、点火プ
ラグを潤滑油から隔離する用途のみではなく、点火プラ
グをシリンダヘッドに付勢する付勢部材としても使用す
るのである。
【0035】そして、プラグホールパイプは、例えば、
自身の一部を点火プラグの主体金具に当接させつつ、シ
リンダヘッドに固定させることで、点火プラグをシリン
ダヘッドに付勢することが可能となる。なお、プラグホ
ールパイプを主体金具に当接させるにあたっては、主体
金具の外周側面から外向きに突出し、先端側にプラグ座
面を有する鍔部を備える場合、鍔部のプラグ座面と反対
側に位置する後端面に当接させても良い。また、主体金
具が自身の後端部周縁を絶縁体の外周部に向けて加締め
てなる加締め部を有する場合、この加締め部にプラグホ
ールパイプを当接させるようにしてもよい。さらに、こ
のようなプラグホールパイプは、内径の寸法を点火プラ
グ全体が収容可能な大きさに形成する必要が無いことか
ら、従来に比べて外径を縮小することができ、シリンダ
ヘッド上部におけるプラグホールパイプの占有領域を縮
小することができる。
【0036】よって、本発明(請求項7)の点火プラグ
の取付構造によれば、従来から内燃機関に備えられてい
るプラグホールパイプを付勢部材としても使用すること
で、点火プラグを付勢するための付勢部材を新たに追加
する場合に比べて、部品点数の増加を抑えることがで
き、製造コストの抑制を図ることができる。また、従来
よりも外径を縮小したプラグホールパイプを用いること
で、シリンダヘッド上部におけるプラグホールパイプの
占有領域を縮小することができ、吸排気弁機構などの他
の機器の設置スペースを広く確保することができる。
【0037】ところで、プラグホールパイプは、本来、
点火プラグを潤滑油から隔離するためのものであるが、
点火プラグをシリンダヘッドに付勢する機能を持たせる
ことで、その構造は従来に比べて複雑になることがあ
る。そのため、寸法誤差などにより、プラグホールパイ
プとシリンダヘッドと間に間隙が生じ、潤滑油が浸透し
易くなる虞がある。
【0038】そこで、上述(請求項7)の点火プラグの
取付構造においては、請求項8に記載のように、プラグ
ホールパイプとシリンダヘッドとの間にオイルシール部
材を備えるとよい。つまり、オイルシール部材は、例え
ば弾性変形可能な材質(ゴムなど)で形成することで、
プラグホールパイプとシリンダヘッドとの間に生じた間
隙に応じて、その断面形状が変形可能となり、プラグホ
ールパイプとシリンダヘッドとの間隙を封鎖することが
でき、潤滑油の浸透を好適に防止することが出来る。
【0039】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面と共
に説明する。図1は、第1実施例の内燃機関用点火装置
1に備えられる点火プラグ11およびプラグホールパイ
プ31をシリンダヘッド51へ装着する際の装着状態を
表す説明図である。
【0040】図1に示すように、点火プラグ11は、内
燃機関のシリンダヘッド51に設けられたプラグ配置孔
51aに配置され、プラグホールパイプ31は、内燃機
関のシリンダヘッド51とシリンダヘッドカバー53と
の間に配置される。なお、シリンダヘッド51とシリン
ダヘッドカバー53との間に形成される空間には、吸気
弁、排気弁を駆動するためのカムシャフト等からなる吸
排気弁駆動機構(図1では図示省略)が備えられてお
り、この吸排気弁駆動機構を円滑に動作させるための潤
滑油が循環されている。
【0041】また、内燃機関用点火装置1は、図1では
図示を省略しているが、一次巻線および二次巻線を有す
る点火コイルや、パワースイッチング素子を有するイグ
ナイタなどを備えている。そして、イグナイタが一次巻
線の通電・遮断制御を行うことにより、点火コイルの二
次巻線に点火用高電圧が発生して、この点火用高電圧が
点火プラグ11に印加されると、点火プラグ11の中心
電極17と接地電極21との間に形成される火花放電ギ
ャップg(図2参照)に火花放電が発生する。つまり、
内燃機関用点火装置1は、点火プラグ11の火花放電ギ
ャップgに火花放電を発生し、この火花放電によって混
合気への着火を行うものである。
【0042】そして、シリンダヘッド51は、点火プラ
グ11を配置するためのプラグ配置孔51aを備えてお
り、このプラグ配置孔51aは、点火プラグ11の後述
するプラグ座面23a(図2参照)と当接する段差面5
1bと、段差面51bよりも燃焼室55に近い側に設け
られた第1壁面51cと、段差面51bよりもシリンダ
ヘッドカバー53に近い側に設けられた第2壁面51d
および第3壁面51e、を備えている。
【0043】ここで、点火プラグ11が圧入によりプラ
グ配置孔51aに配置された状態のシリンダヘッド51
の断面図を図2に示す。なお、図2に示すように、シリ
ンダヘッド51には吸気弁57および排気弁59が備え
られ、さらにシリンダヘッド51の上部には、吸気弁5
7および排気弁59を駆動するためのカムシャフト61
などからなる吸排気弁駆動機構が備えられており、この
吸排気弁駆動機構を円滑に動作させるための潤滑油が循
環されている。
【0044】そして、図2に示すように、点火プラグ1
1は、絶縁体15の軸孔の先端側(図2における下側)
に挿設された中心電極17と、絶縁体15の外側に設け
られた主体金具19と、一端が主体金具19に結合され
て他端が中心電極17との間で火花放電ギャップgを形
成する接地電極21と、絶縁体15の軸孔の後端側(図
2における上側)に挿設されると共に中心電極17に電
気的に接続される端子電極13と、を備えて構成されて
いる。
【0045】なお、主体金具19は、自身の後端部周縁
を絶縁体15の外周部に向けて加締めてなる加締め部2
7により、主体金具19の内部に形成された金具側係合
部(図示せず)に係合される絶縁体15は抜き止めがな
され、絶縁体15は主体金具19に対して保持される。
【0046】このうち、主体金具19には、シリンダヘ
ッド51のプラグ配置孔51aの段差面51bと直接ま
たは他部材(具体的にはガスケット71)を介して間接
的に接触するプラグ座面23aを先端側に有する鍔部2
3と、この鍔部23のプラグ座面23aから軸方向先端
側に延設された外周表面にネジ溝が設けられていない筒
状の先端部25と、が備えられている。なお、鍔部23
のプラグ座面23aの反対側には、後端面23bが形成
されている。
【0047】そして、プラグ配置孔51aに圧入された
点火プラグ11は、図2に示すように、鍔部23のプラ
グ座面23aがガスケット71を介してプラグ配置孔5
1aの段差面51bに接触し、先端部25の外周側面が
プラグ配置孔51aの第1壁面51cに密着する状態と
なる。
【0048】つまり、点火プラグ11は、ネジ溝を備え
て螺合によりシリンダヘッド51に固定されるのではな
く、プラグ配置孔51aへの圧入により、具体的には、
主体金具19の先端部25が第1壁面51cに圧入され
ることで、シリンダヘッド51に固定されている。
【0049】そして、本実施例の点火プラグ11は、第
1壁面51cに挟持された状態においては、先端部25
の外周側面とプラグ配置孔51aの第1壁面51cとの
間に発生する摩擦力が、混合気の燃焼により発生する燃
焼圧よりも大きい値(10[MPa]以上)となるよう
構成されている。これにより、混合気の燃焼により燃焼
圧が発生した場合でも、点火プラグ11がプラグ配置孔
51aから脱落することはない。
【0050】一方、図1に示すように、プラグホールパ
イプ31は、ステンレスやアルミニウム等の金属材料か
らなる筒形状の部材であり、後端31aおよび先端31
bが開口しており、自身の内径は主体金具19の鍔部2
3の外径よりも大きく形成され、点火プラグ11のうち
主体金具19における鍔部23のプラグ座面23aより
も後端側(図1における上側)部分を内部に収容可能に
構成されている。そして、プラグホールパイプ31は、
シリンダヘッド51のプラグ配置孔51aに点火プラグ
11が圧入により配置された後、点火プラグ11の端子
電極13を先端31bから内部に収容する状態でプラグ
配置孔51aに圧入されて、シリンダヘッド51に固定
される。このとき、プラグホールパイプ31および点火
プラグ11は、互いに直接接触しておらず、プラグホー
ルパイプ31は、プラグ配置孔51aの第2壁面51d
により挟持される。
【0051】また、プラグホールパイプ31をプラグ配
置孔51aに圧入する際には、オイルシール63が、プ
ラグホールパイプ31とプラグ配置孔51aの第3壁面
51eとの間に配置される。ここで、オイルシール63
は、耐熱性を有する弾性変形可能な材料からなる環状に
形成された部材であり、プラグホールパイプ31と第3
壁面51eとで挟持されて断面形状が変形することで、
プラグホールパイプ31とシリンダヘッド51(詳細に
は、第3壁面51e)との間に生じる間隙を封鎖する。
これにより、プラグホールパイプ31とシリンダヘッド
51との間を潤滑油が浸透するのを防ぐことができる。
また、このオイルシール63は、プラグホールパイプ3
1の外周側面に周方向に形成された有底筒状の凹部31
cに嵌めこまれた状態で配置されており、プラグホール
パイプ31をプラグ配置孔51aに圧入する際に、凹部
31cと第3壁面51eとの間で弾性変形しつつ、凹部
31cと第3壁面51eとの間に挟持される。なお、図
1では、オイルシール63の図示を省略している。
【0052】そして、プラグホールパイプ31がシリン
ダヘッド51に固定された後、シリンダヘッドカバー5
3(図1参照)がシリンダヘッド51の上部に固定され
ることで、プラグホールパイプ31の後端31aとシリ
ンダヘッドカバー53の開口部53aとが当接する。な
お、このとき、プラグホールパイプ31の後端31aと
シリンダヘッドカバー53の開口部53aとの間には、
潤滑油の浸透を防止するためのオイルシール(図示省
略)が配置されている。これにより、プラグホールパイ
プ31は、点火プラグ11を潤滑油から隔離することが
でき、点火プラグ11に対して潤滑油が付着するのを防
止している。
【0053】ここで、点火プラグ11は、主体金具19
の先端部25の外周表面にネジ溝が設けられておらず、
シリンダヘッド51への固定方法が螺合による方法では
ないことから、主体金具19への接地電極21の結合部
位置がプラグ配置孔51aの軸線を中心とした周方向の
特定位置(図5で示す接地電極Xと混合気流のなす角度
(θ=90°,270°))となる(換言すれば、接地
電極21の燃焼室55の内部における配置位置が特定位
置を満たす)ように設定がし易くなる。そして、主体金
具19の先端部25の外形形状がプラグ配置孔51aに
圧入固定可能なように筒状に形成されていることから、
この点火プラグ11は、シリンダヘッド51のプラグ配
置孔51aに対して挿入(圧入)することができる。
【0054】このため、シリンダヘッド51に対する接
地電極21の燃焼室55の内部における配置位置を予め
設定した状態で、点火プラグ11をプラグ配置孔51a
に垂直に圧入することで、シリンダヘッド51に対する
点火プラグ11の最終的な取付時における接地電極21
の燃焼室55の内部における配置位置を特定位置に設定
することができる。
【0055】以上、説明したように、第1実施例の内燃
機関用点火装置は、点火プラグ11の主体金具19(具
体的には、先端部25)の外径形状がプラグ配置孔51
aに圧入固定可能な形状に形成されており、点火プラグ
11がプラグ配置孔51aに圧入されることでシリンダ
ヘッド51に固定される構造である。
【0056】つまり、点火プラグ11の固定方法として
螺合による固定方法を採用していないことから、点火プ
ラグ11をシリンダヘッド51に固定するにあたり、シ
リンダヘッド51に対する接地電極21の燃焼室55内
における配置位置を設定することが容易となる。そし
て、第1実施例の内燃機関用点火装置(点火プラグ11
の取付構造)は、特に混合気への着火性が良好となるよ
う(図5で示す接地電極Xと混合気流のなす角度(θ=
90°,270°))に接地電極21の燃焼室55内に
おける配置位置が設定されることから、混合気への着火
性を良好に得ることが出来る。
【0057】また、ガスケット71が、点火プラグ11
とシリンダヘッド51との間に間隙が生じるのを防ぎ、
主体金具19の先端部25の外周側面とプラグ配置孔5
1aの第1壁面51cとが圧入により密着する構造と相
俟って、燃焼室の気密性を維持して、混合気の燃焼によ
り発生する燃焼ガスが漏洩するのを防止している。この
ようにして、燃焼ガスの漏洩を防ぐことで、点火プラグ
の性能を維持することが出来る。
【0058】なお、点火プラグ11は、確実に主体金具
19への接地電極21の結合部位置がプラグ配置孔51
aの軸線を中心とした周方向の特定位置となる(換言す
れば、確実に接地電極21の燃焼室55内における配置
位置が特定位置を満たす)ように、図4に示す第2点火
プラグ11a、第3点火プラグ11bおよび第4点火プ
ラグ11cのように構成しても良い。
【0059】まず、第2点火プラグ11aは、主体金具
19の先端部25の外周側面に、軸方向に延びる位置設
定部しての突条部65を備えており、図4(a)に側方
から見た第2点火プラグ11aの外観図を示し、図4
(b)に先端側(図4(a)の下側)から見た第2点火
プラグ11aの外観図を示す。そして、この突条部65
は、接地電極21との相対位置を図4(b)に示すよう
に一定にして形成していることから、シリンダヘッド5
1のプラグ配置孔51aの第1壁面51c(図1参照)
に、突条部65と嵌合可能な設定対応部としての嵌合溝
を設けることで、第2点火プラグ11aをプラグ配置孔
51aに挿入(圧入)する際に、主体金具19に形成さ
れる突条部65をシリンダヘッド51に形成された上記
嵌合溝に嵌合させるように圧入させることで、接地電極
21の燃焼室55内における配置位置を一定に維持する
ことができる。なお、このときシリンダヘッド51に形
成される嵌合溝の位置は、主体金具19への接地電極2
1の結合部位置がプラグ配置孔51aの軸線を中心とし
た周方向の特定位置となるように、さらに接地電極21
と突条部65との相対位置関係を考慮して予め設定され
るものである。
【0060】また、図4(b)から判るように、第2点
火プラグ11aにおいては、主体金具19の先端部25
の外周表面における周方向位置のうち、突条部65の設
置位置は、接地電極21の主体金具19への結合位置と
同一位置となっている。しかし、先端部25の周方向位
置における突条部65の設置位置は、接地電極21の主
体金具19への結合位置と同一位置に限定されることは
ない。但し、このときシリンダヘッド51側に形成され
る嵌合溝の位置は、上述したように、接地電極21と突
条部65との相対位置関係、および燃焼室55内におけ
る接地電極21の特定位置関係を考慮して適宜設定する
必要がある。なお、この突条部65は、第2点火プラグ
11aでは主体金具19の先端部25の外周側面に形成
されるものであったが、主体金具19の先端部25をプ
ラグ配置孔51aに圧入するのではなく鍔部23を圧入
するようにした場合には、主体金具19の鍔部23の外
周に形成してもよい。このとき、シリンダヘッド51側
では、その鍔部23に形成される突条部65に対応する
べく、プラグ配置孔51aの第2壁面51dに嵌合溝を
適宜形成すればよい。
【0061】また、第3点火プラグ11bは、主体金具
19の先端部25の側面に、軸方向に延びる位置設定部
としての溝部67を備えており、図4(c)に側方から
見た第3点火プラグ11bの外観図を示し、図4(d)
に先端側(図4(c)の下側)から見た第3点火プラグ
11bの外観図を示す。そして、この溝部67は、接地
電極21との相対位置を図4(d)に示すように一定に
して形成していることから、シリンダヘッド51のプラ
グ配置孔51aの第1壁面51c(図1参照)に、溝部
67と嵌合可能な設定対応部としての嵌合突部を設ける
ことで、第3点火プラグ11bをプラグ配置孔51aに
挿入(圧入)する際に、主体金具19に形成される溝部
67をシリンダヘッド51に形成された上記嵌合突部に
嵌合させるように圧入することで、接地電極21の燃焼
室55内における配置位置を一定に維持することができ
る。なお、このときシリンダヘッド51に形成される嵌
合突部の位置は、主体金具19への接地電極21の結合
部位置がプラグ配置孔51aの軸線を中心とした周方向
の特定位置となるように、さらに接地電極21と溝部6
7との相対位置関係を考慮して予め設定されるものであ
る。
【0062】また、図4(d)から判るように、第3点
火プラグ11bにおいては、主体金具19の先端部25
の外周表面における周方向位置のうち、溝部67の設置
位置は、接地電極21の主体金具19への結合位置と同
一位置となっている。しかし、先端部25の周方向位置
における溝部67の設置位置は、接地電極21の主体金
具19への結合位置と同一位置に限定されることはな
い。但し、このときシリンダヘッド51側に形成される
嵌合突部の位置は、上述したように、接地電極21と溝
部67との相対位置関係、および燃焼室55内における
接地電極21の特定位置関係を考慮して適宜設定する必
要がある。なお、この溝部67は、第3点火プラグ11
bでは主体金具19の先端部25の外周側面に形成され
るものであったが、主体金具19の先端部25をプラグ
配置孔51aに圧入するのではなく鍔部23を圧入する
ようにした場合には、主体金具19の鍔部23の外周に
形成してもよい。このとき、シリンダヘッド51側で
は、その鍔部23に形成される溝部67に対応するべ
く、プラグ配置孔51aの第2壁面51dに嵌合突部を
適宜形成すればよい。
【0063】さらに、第4点火プラグ11cは、主体金
具19の鍔部23の側面に位置設定部としての平面部6
9を備えており、図4(e)に側方から見た第4点火プ
ラグ11cの外観図を示し、図4(f)に先端側から見
た第4点火プラグ11cの外観図を示す。そして、この
平面部69は、接地電極21との相対位置を図4(f)
に示すように一定にして形成していることから、シリン
ダヘッド51のプラグ配置孔51aの第2壁面51d
(図1参照)に、平面部69と嵌合可能となるように当
該平面部69と対向する設定対応部としての対向平面部
を設けることで、第4点火プラグ11cをプラグ配置孔
51aを挿入(圧入)しつつ、主体金具19に形成され
る平面部69をシリンダヘッド51に形成された上記対
向平面部に嵌合させるようにして圧入することで、接地
電極21の燃焼室55内における配置位置を一定に維持
することができる。なお、このときシリンダヘッド51
に形成される対向平面部の位置は、主体金具19への接
地電極21の結合部位置がプラグ配置孔51aの軸線を
中心とした周方向の特定位置となるように、さらに接地
電極21と平面部69との相対位置関係を考慮して予め
設定されるものである。
【0064】また、図4(f)から判るように、第4点
火プラグ11cにおいては、主体金具19の鍔部23の
外周表面における周方向位置のうち、平面部69の設置
位置は、接地電極21の主体金具19への結合位置と同
一位置となっている。しかし、鍔部23の周方向位置に
おける平面部69の設置位置は、接地電極21の主体金
具19への結合位置と同一位置に限定されることはな
い。但し、このときシリンダヘッド51側に形成される
対応平面部の位置は、上述したように、接地電極21と
平面部69との相対位置関係、および燃焼室55内にお
ける接地電極21の特定位置関係を考慮して適宜設定す
る必要がある。
【0065】また、第4点火プラグ11cは、主体金具
19の鍔部23の断面形状(第4点火プラグ11cの軸
方向に垂直な平面での断面形状)が、円の一部を切除し
た形状であるが、鍔部23の断面形状は、この他に多角
形(六角形など)や楕円形等の円以外の形状に形成して
も良い。そして、シリンダヘッド51のプラグ配置孔5
1a(図1参照)における対応部分の断面形状を、点火
プラグの鍔部23が配置可能な形状とすることができ
る。
【0066】次に、第2実施例として、圧入によりプラ
グ配置孔に固定された点火プラグをシリンダヘッド側に
付勢する第2プラグホールパイプ32を備えた内燃機関
用点火装置について説明する。なお、第2実施例の内燃
機関用点火装置に備えられる点火プラグは、第1実施例
の点火プラグ11と同様の構成である。
【0067】そして、第2プラグホールパイプ32およ
び点火プラグ11が配置された状態のシリンダヘッド5
1の断面図を図3に示す。まず、第2プラグホールパイ
プ32は、図3に示すように、第1実施例におけるプラ
グホールパイプ31と略同様の金属材料からなる円筒形
状の部材であり、後端(図3では図示省略)および先端
32bが開口しており、点火プラグ11のうち主体金具
19における鍔部23の後端面23bよりも後端側(図
3における上側)部分を内部に収容可能に構成されてい
る。なお、図3においては、第2プラグホールパイプ3
2の後端側部分を省略して記載している。
【0068】そして、第2プラグホールパイプ32は、
シリンダヘッド51のプラグ配置孔51aに点火プラグ
11が圧入により配置された後、点火プラグ11のうち
鍔部23の後端面23bよりも後端側(図3における上
側)部分を内部に収容する状態でプラグ配置孔51aに
圧入されて、シリンダヘッド51に固定される。
【0069】このとき、第2プラグホールパイプ32
は、その先端32bが点火プラグ11の鍔部23の後端
面23bに当接した状態で、プラグ配置孔51aの第2
壁面51dにより挟持される。また、第2プラグホール
パイプ32は、シリンダヘッド51とシリンダヘッドカ
バー53との間に配置された状態において、先端32b
が点火プラグ11に当接すると共に、後端がシリンダヘ
ッドカバー53(図1参照)の開口部53aと当接可能
となるように、後端から先端32bまでの長さが設定さ
れている。
【0070】このように、第2プラグホールパイプ32
が、後端側から点火プラグ11に対して当接すること
で、点火プラグ11は、第2プラグホールパイプ32に
よってシリンダヘッド51(詳細には、プラグ配置孔5
1aの段差面51b)に向かう方向に付勢されることに
なる。
【0071】また、第2プラグホールパイプ32をシリ
ンダヘッド51のプラグ配置孔51aに固定する際に
は、第2プラグホールパイプ32の外周表面とプラグ配
置孔51aの第3壁面51eとの間に、オイルシール6
3が配置されており、潤滑油の侵入を防いでいる。ま
た、このオイルシール63は、第2プラグホールパイプ
32の外周側面に周方向に形成された有底筒状の凹部3
2cに嵌めこまれた状態で配置されており、第2プラグ
ホールパイプ32をプラグ配置孔51aに圧入する際
に、凹部32cと第3壁面51eとの間で弾性変形しつ
つ、凹部32cと第3壁面51eとの間に挟持される。
なお、このオイルシール63は、第1実施例で説明した
オイルシールと同様のものであり、耐熱性を有する弾性
変形可能な材料からなる環状に形成された部材である。
【0072】以上説明したように、第2実施例の内燃機
関用点火装置(点火プラグ11の取付構造)は、プラグ
配置孔51aに点火プラグ11が圧入固定された後、第
2プラグホールパイプ32もプラグ配置孔51aに圧入
されて構成されている。そして、第2実施例の内燃機関
用点火装置は、第2プラグホールパイプ32が、点火プ
ラグ11の主体金具19における鍔部23の後端面23
bに当接して、点火プラグ11をシリンダヘッド51に
付勢するように構成されている。
【0073】このため、点火プラグ11は、主体金具1
9の先端部25がプラグ配置孔51aの第1壁面51c
に圧入固定されることに加えて、第2プラグホールパイ
プ32によってシリンダヘッド51に向かう方向に付勢
されることにより、プラグ配置孔51aに固定されるこ
とになる。
【0074】したがって、第2実施例の内燃機関用点火
装置によれば、より強固に点火プラグ11をシリンダヘ
ッド51に固定することができ、異常燃焼などにより過
大な燃焼圧が発生した場合でも、点火プラグ11がシリ
ンダヘッド51(詳細にはプラグ配置孔51a)から脱
落するのを防ぐことができる。
【0075】また、第2プラグホールパイプ32を、点
火プラグ11を潤滑油から隔離する用途のみではなく、
点火プラグ11をシリンダヘッド51に付勢する付勢部
材としても使用している。これにより、点火プラグ11
を付勢するための付勢部材を新たに追加する場合に比べ
て、部品点数の増加を抑えることができ、内燃機関の製
造コストの抑制を図ることができる。
【0076】さらに、この第2プラグホールパイプ32
は、第1実施例のように、内径を点火プラグ11の全体
を収容可能な大きさに形成する必要が無いことから、従
来に比べて外径を縮小することができ、シリンダヘッド
上部におけるプラグホールパイプの占有領域を縮小する
ことができ、吸排気弁機構などの他の機器の設置スペー
スを広く確保することができる。
【0077】また、第2プラグホールパイプ32とシリ
ンダヘッド51(詳細には、プラグ配置孔51aの第3
壁面51e)との間に、オイルシール63が配置される
ことから、このオイルシール63が、第2プラグホール
パイプ32とシリンダヘッド51との間隙を封鎖して、
潤滑油の浸透を好適に防止することが出来る。よって、
点火プラグ11に潤滑油が付着するのを防止でき、潤滑
油の影響により点火プラグ11で正常に火花放電が発生
できなくなる等の異常の発生を防止することが出来る。
【0078】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明は、こうした実施例に限定されることなく、
種々の態様をとることができる。例えば、点火プラグ1
1は、主体金具19のうち鍔部23がプラグ配置孔51
aに圧入されて、プラグ配置孔51aに圧入固定される
ように構成しても良い。
【0079】さらに、鍔部23および先端部25が共に
プラグ配置孔51aから挟持されるよう構成すること
で、主体金具19とプラグ配置孔51aとの密着面積を
更に大きく確保することができる。また、プラグホール
パイプのシリンダヘッドへの固定方法は、プラグ配置孔
への圧入固定に限ることはなく、例えば、プラグホール
パイプの側面から側方に延びるフランジ部を備え、この
フランジ部をボルト等でシリンダヘッドに固定するよう
に構成してもよい。なお、このとき、プラグホールパイ
プの側面におけるフランジ部の延設位置を、固定時にプ
ラグホールパイプの先端が点火プラグに当接可能となる
位置に設定することで、プラグホールパイプは、確実に
点火プラグをシリンダヘッド側に付勢することが可能と
なる。
【0080】さらに、プラグホールパイプの外周にネジ
溝を設けると共に、シリンダヘッドにも上記ネジ溝に対
応するネジ溝を設けて、プラグホールパイプを螺合によ
りシリンダヘッドに固定すると共に、プラグホールパイ
プの一部を点火プラグに当接させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 内燃機関用点火装置に備えられる点火プラグ
およびプラグホールパイプをシリンダヘッドへ装着する
際の装着状態を表す説明図である。
【図2】 点火プラグが圧入によりプラグ配置孔に配置
された状態のシリンダヘッドの断面図である。
【図3】 第2プラグホールパイプおよび点火プラグが
配置された状態のシリンダヘッドの断面図である。
【図4】 (a)は側方から見た第2点火プラグの外観
図であり、(b)は先端側から見た第2点火プラグの外
観図であり、(c)は側方から見た第3点火プラグの外
観図であり、(d)は先端側から見た第3点火プラグの
外観図であり、(e)は側方から見た第4点火プラグの
外観図であり、(f)は先端側から見た第4点火プラグ
の外観図である。
【図5】 (a)は、点火プラグをシリンダヘッドに取
り付ける際の状態を表す説明図であり、(b)は、
(a)に示すようにシリンダヘッドに取り付けた時の点
火プラグを燃焼室側から見たときの状態を表す説明図で
ある。
【符号の説明】
1…内燃機関用点火装置、11,11a,11b,11
c…点火プラグ、13…端子電極、15…絶縁体、17
…中心電極、19…主体金具、21…接地電極、23…
鍔部、23a…プラグ座面、23b…後端面、25…先
端部、32…第2プラグホールパイプ、32b…先端、
51…シリンダヘッド、51a…プラグ配置孔、53…
シリンダヘッドカバー、63…オイルシール、65…突
条部、67…溝部、69…平面部、71…ガスケット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 隆博 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 Fターム(参考) 3G019 KA01 KA13 KA14 3G024 AA04 BA21 DA01 DA08 GA31 5G059 AA10 GG03 JJ26

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁体の軸孔の先端側に挿設された中心
    電極と、前記絶縁体の外側に設けられた主体金具と、前
    記主体金具の先端側から延設されて前記中心電極との間
    で火花放電ギャップを形成する接地電極とを有する点火
    プラグと、内燃機関のシリンダヘッドに形成されたプラ
    グ配置孔との取付構造であって、 前記主体金具は、前記プラグ配置孔に圧入固定が可能な
    外形形状に形成されており、前記点火プラグが前記プラ
    グ配置孔に圧入固定されていること、 を特徴とする点火プラグの取付構造。
  2. 【請求項2】 前記主体金具は、外周側面から外向きに
    突出した鍔部を備えると共に、該鍔部の先端側に前記シ
    リンダヘッドと直接または他部材を介して間接的に接触
    するためのプラグ座面を備え、 前記鍔部は、前記プラグ配置孔に圧入固定が可能な外形
    形状に形成されていること、 を特徴とする請求項1に記載の点火プラグの取付構造。
  3. 【請求項3】 前記主体金具は、外周側面から外向きに
    突出し、先端側にシリンダヘッドと直接または他部材を
    介して間接的に接触するプラグ座面を有する鍔部と、前
    記鍔部の前記プラグ座面から軸方向先端側に延設された
    外周にネジ溝が設けられていない筒状の先端部と、を備
    え、 前記先端部は、前記プラグ配置孔に圧入固定が可能な外
    形形状に形成されていること、 を特徴とする請求項1または請求項2に記載の点火プラ
    グの取付構造。
  4. 【請求項4】 前記点火プラグは、前記シリンダヘッド
    への取付時に、前記シリンダヘッドと1又は複数箇所に
    て嵌合し合う位置設定部を前記主体金具に備える一方、
    前記シリンダヘッドは、前記位置設定部に対応する設定
    対応部を備えており、前記点火プラグを前記シリンダヘ
    ッドに形成された前記プラグ配置孔に圧入固定したとき
    に、前記主体金具への前記接地電極の結合位置が前記プ
    ラグ配置孔の軸線を中心とした周方向の所定位置に設定
    されること、 を特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の
    点火プラグの取付構造。
  5. 【請求項5】 前記点火プラグの前記主体金具の外周に
    は環状のガスケットが備えられ、前記ガスケットを介し
    て前記主体金具と前記シリンダヘッドとが接触している
    こと、 を特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の
    点火プラグの取付構造。
  6. 【請求項6】 前記点火プラグのうちで、前記プラグ配
    置孔に圧入固定に供されている前記主体金具の部分より
    も後端側に配置されると共に、前記点火プラグを前記シ
    リンダヘッド側に付勢する付勢部材を備えること、 を特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の
    点火プラグの取付構造。
  7. 【請求項7】 前記付勢部材は、前記点火プラグの後端
    側の径方向周囲を包囲する筒状のプラグホールパイプで
    構成されていること、 を特徴とする請求項6に記載の点火プラグの取付構造。
  8. 【請求項8】 前記プラグホールパイプと前記シリンダ
    ヘッドとの間にオイルシール部材を備えること、 を特徴とする請求項7に記載の点火プラグの取付構造。
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