JP2003003227A - 靭性に優れた鋼材 - Google Patents
靭性に優れた鋼材Info
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Abstract
を有し,再加熱時のオーステナイト粒径が小さく、低圧
下率の圧延であってもフェライトが微細粒化する高靭性
の鋼材を提供する。 【解決手段】 質量%で、C:0.05−0.2、S
i:0.05−0.4、Mn:0.4−2、P:0.0
2以下、S:0.02以下、Al:0.005−0.0
4、Ti:0.005−0.03、Ca:0.0005
−0.003を有する鋼で、かつ、0.005〜2.0
μmの酸化物粒子を100〜3000個/mm2含有
し、その酸化物粒子中にCa:5%以上、Al:5%以
上をそれぞれ含有し、CaとAlとの合計が50%以上
で、かつ鋼を1373°K以上1573°K以下の温度
Tで時間t(s)加熱したときの旧オーステナイト粒径
が次式で求められるDよりも小さい鋼材。 D=(0.154*T−210)*1n(t)−(0.
328*T−460)(μm)
Description
梁、タンク及び圧力容器等の大型鋼構造物向けの強度と
靭性に優れた構造用鋼材に関するものである。
大型化に伴って板厚50mm以上にも達する構造用厚鋼
板が用いられることとなり、使用される鋼材に対する要
求は一段と厳しくなっている。そのために、これらの構
造用鋼材には強度と靭性の向上が望まれるが、高強度化
は靭性を低下させる場合が多い。このため、強度と靭性
の両方の性質を向上させるべく種種の技術が提案されて
いる。
従来から知られている手段が、ミクロ組織の細粒化とN
iの多量添加である。Niの多量添加は経済性を著しく
損なうため、ミクロ組織を細粒化するべく、これまでに
制御圧延・制御冷却技術あるいは多段熱処理技術に関す
る多くの研究開発が行われてきた。
ば板厚25mm程度であればフェライト粒径にて15μ
m程度までの細粒化が可能であり広く実用化されてきた
が、更なる細粒化が求められるのみならず、従来から圧
延温度が制限されることによる生産性の低下の問題が未
解決となっている。さらには厚手材(特にその板厚中心
部)においては十分な加工歪および冷却速度の確保が困
難であることから、例えば板厚50mm程度の板厚中心
部においてはフェライト粒径にて30μm程度までしか
細粒化できないため制御圧延・制御冷却の適用板厚には
限界があった。
粒化の効果が得られるが、生産性を大幅に損なうため現
実的な手段とはなり得ない。
の技術思想と異なる細粒化の思想として、粒内変態を利
用するものがあり、特開平4−279248号公報には
粒子径が0.1〜3.0μmの範囲内にあるTiを含む
酸化物と該酸化物とTiN、MnSの複合析出物粒子の
合計が、40〜300個/mm2を含有する鋳片に鋳造
し、MnS、TiN、VNの複合析出によるオーステナ
イト粒内から粒内フェライトの生成によりミクロ組織を
細粒化せしめる技術が開示されているが、粒内変態に先
立つオーステナイト粒の微細化効果が小さい。
定して微細化し靭性を向上させ得る技術は必ずしも満足
できないのが現状である。
鑑み、大型構造用鋼として要求される強度と靭性とを兼
ね備えた鋼材、特に圧延前に1373°K〜1573°
Kの加熱温度に加熱しても再加熱オーステナイト粒径が
小さく、低圧下率の圧延であってもフェライトが微細粒
化し、靭性が向上し得る鋼材を提供することにある。
酸化物粒子並びに旧オーステナイト粒径を規定すること
により、強度と靭性に優れた鋼材が得られることを見出
して、本発明を完成した。
%、Si:0.05〜0.4%、Mn:0.4〜2.0
%、P:0.02%以下、S:0.02%以下、Al:
0.005〜0.04%、Ti:0.005〜0.03
%、Ca:0.0005〜0.003%を含有し、残部
はFe及び不可避不純物から成る鋼で、かつ、この鋼中
に円相当径で0.005〜2.0μmの酸化物粒子を単
位面積当たりの個数密度で100〜3000個/mm2
含有し、その酸化物粒子の組成が少なくともCa、A
l、Oを含み、Oを除いた元素が質量比で、Ca:5%
以上、Al:5%以上をそれぞれ含有し、CaとAlと
の合計が50%以上で、かつ鋼を1373°K以上15
73°K以下の温度Tで時間t(s)加熱したときの旧
オーステナイト粒径が下記の式で求められるDよりも小
さいことを特徴とする靭性の優れた鋼材。 D=(0.154*T−210)*ln(t)−(0.
328*T−460)(μm)
もCa、Al、O、Sを含み、Oを除いた元素が質量比
で、Ca:5%以上、Al:5%以上、S:1%以上を
それぞれ含有し、CaとAlとSとの合計が51%以上
で、残部がその他不可避不純物から成ることを特徴とす
る上記(1)記載の靭性に優れた鋼材。
%、Si:0.05〜0.4%、Mn:0.4〜2.0
%、P:0.02%以下、S:0.02%以下、Al:
0.005〜0.04%、Ti:0.005〜0.03
%、Ca:0.0005〜0.003%、Mg:0.0
02%以下を含有し、残部はFe及び不可避不純物から
成る鋼で、かつ、この鋼中に円相当径で0.005〜
2.0μmの酸化物粒子を単位面積当たりの個数密度で
100〜3000個/mm2含有し、その酸化物粒子の
組成が少なくともCa、Al、Mg、Oを含み、Oを除
いた元素が質量比で、Ca:5%以上、Al:5%以
上、Mg:1%以上をそれぞれ含有し、CaとAlとM
gとの合計が51%以上で、かつ鋼を1373°K以上
1573°K以下の温度Tで時間t(s)加熱したとき
の旧オーステナイト粒径が下記の式で求められるDより
も小さいことを特徴とする靭性の優れた鋼材。 D=(0.154*T−210)*ln(t)−(0.
328*T−460)(μm)
もCa、Al、Mg、O、Sを含み、Oを除いた元素が
質量比で、Ca:5%以上、Al:5%以上、Mg:1
%以上、S:1%以上をそれぞれ含有し、CaとAlと
MgとSとの合計が52%以上で、残部がその他不可避
不純物から成ることを特徴とする上記(3)記載の靭性
に優れた鋼材。
下、V:0.1%以下、Cr:0.6%以下、Mo:
0.6%以下の内の1種または2種以上を含有すること
を特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の靭
性に優れた鋼材。
Ni:1.0%以下の内の1種または2種を含有するこ
とを特徴とする上記(1)〜(5)のいすれかに記載の
靭性に優れた鋼材。
0.003%を含有することを特徴とする上記(1)〜
(6)のいずれかに記載の鋼材。
1〜2.0μmであることを特徴とする上記(1)〜
(7)のいずれかに記載の靭性に優れた鋼材。
する。本発明者らは靭性を向上させる金属組織要因とし
て、1000〜1300℃に加熱される再加熱オーステ
ナイト細粒化を、酸化物を利用して達成することを検討
した。再加熱オーステナイト粒が細粒化することでその
後の変態によって生成するフェライト粒が細粒になるた
めである。
には高温でのオーステナイト粒成長を抑制することが必
要である。その手段として最も有効な方法は、分散粒子
によりオーステナイトの粒界をピンニングし、粒界の移
動を止める方法が考えられる。そのような作用をする分
散粒子の一つとしては、従来、Ti窒化物と酸化物が有
効であると考えられていた。しかしながら、Ti窒化物
は1000℃以上の高温では固溶する割合が大きくなる
ため、ピンニング効果が小さく、ピンニング粒子に適さ
ない。このため、高温で安定な酸化物をピンニング粒子
として活用することにした。
グ効果は、分散粒子の体積率が大きいほど、一個の粒子
径が大きいほど大きい。ただし、分散粒子の体積率は鋼
中に含まれる粒子を構成する元素の濃度によって上限が
あるので、体積率を一定と仮定した場合には、粒子径は
ある程度小さい方がピンニングには有効である。このよ
うな観点から、本発明者らは酸化物の体積分率を大き
く、かつ適正な粒子径となるよう、種々の検討を行っ
た。
として、酸素量を増大させることがあるが、酸素量の増
大は材質に有害な粗大酸化物をも多数生成する原因とな
るため、有効な手段ではない。そこで本発明者らは、酸
素を最大限に利用するため、酸素との溶解度積が小さい
元素を活用することを検討した。酸素との溶解度積が小
さい、すなわち強脱酸元素として、一般的にはAlが用
いられる。しかしながら、Alだけでは酸素を充分利用
するには不充分で、さらにAlよりも強い脱酸元素が必
要で、鉄鋼の脱酸工程で汎用的に使用されるCaを活用
することが重要である。Caは酸素との溶解度積が小さ
いため、同量の酸素に対してAlよりも一層多量の酸化
物を生成することができる。脱酸元素としてCaを用い
た実験を行った結果、鋼中に生成する酸化物粒子の組成
として、CaとAlが含まれることが必要であり、その
合計が50%以上で、且つ、その中で、 Caが5%以
上、Alが5%以上含まれることで、酸化物の体積分率
すなわち酸化物量を大きくすることが可能となることを
知見した。この結果を基に、鋼中に含まれる酸化物粒子
の組成を、少なくともCa、Al、Oを含み、Oを除い
た元素が質量比でCaを5%以上、Alを5%以上とし
た。
酸化物を多数生成させることに有効である。MgはCa
ほどの効果はないものの、Alより強い脱酸元素であ
り、酸素との溶解度積が小さい。したがって、MgをC
aと複合して脱酸に使用することで酸化物個数を一層増
加させることが可能となる。発明者らは脱酸元素として
Caを用いた実験を行った結果、鋼中に生成する酸化物
粒子の組成として、CaとAlの他にMgが含まれるこ
とが好ましく、その合計が51%以上で、且つ、その中
で、Caが5%以上、Alが5%以上、Mgが1%以上
含まれることで、酸化物の体積分率すなわち酸化物量を
一層大きくすることが可能となることを知見した。この
結果を基に、鋼中に含まれる酸化物粒子の組成を、少な
くともCa、Al、Mg、Oを含み、Oを除いた元素が
質量比でCaを5%以上、Alを5%以上、Mgを1%
以上とした。
CaS及びMgSといった硫化物が析出することで、酸
化物と硫化物とを併せてより一層の体積分率の増加が可
能となることを見出したのである。この結果をもとに、
鋼中に含まれる粒子の組成を、少なくともCa、Al、
O、Sを含み、Oを除いた元素が質量比でCaを5%以
上、Alを5%以上、Sを1%以上、もしくは、少なく
ともCa、Al、Mg、O、Sを含み、Oを除いた元素
が質量比でCaを5%以上、Alを5%以上、Mgを1
%以上、Sを1%以上で、 Ca、Al、Sの合計が5
1%以上、 Ca、Al、Mg、Sの合計が52%以上
であることが更に好ましい。
きさについて述べる。
は、分散粒子の体積率が大きいほど、一個の粒子径が大
きいほど大きいが、粒子の体積率が一定のとき、一個の
酸化物粒子の大きさが小さい方が粒子数が多くなりピン
ニング効果が大きくなるが、あまり小さくなると粒界に
存在する粒子の割合が小さくなるため、その効果は低減
すると考えた。粒子の大きさを種々変化させた試験片を
用いて、高温に加熱したときのオーステナイト粒径を詳
細に調査した結果、ピンニングには粒子の大きさとし
て、0.005〜2.0μmのものが効果が大きいこと
をつきとめた。さらに、オーステナイト粒界の移動を止
めるピンニング力は分散粒子のサイズが大きいほど強い
ことが判明し、粒子径0.005〜2.0μmの中でも
0.1〜2.0μmの粒子の大きさが特に有効であるこ
とを知見するに至った。0.1μmより小さくなるとピ
ンニング効果は徐々に減少し、0.005μmより小さ
くなるとほとんどピンニング効果を発揮しない。また、
2.0μmより大きい酸化物粒子はピンニング効果はあ
るものの、脆性破壊の起点となることがあるため鋼材の
特性上不適である。この結果より、必要な粒子径を0.
005〜2.0μmとした。そして、その中でも特に
0.1〜2.0μmが好ましい。
について検討した。
になり、粒子個数が多いほど靭性が向上するが、特に要
求特性が厳しいと考えられる液化ガス輸送用船舶の鋼材
は、高強度で大入熱溶接施工される場合に要求される溶
接継手低温靭性、例えば、試験温度−40℃において吸
収エネルギー50J以上を満足するためには、円相当径
が0.005〜2.0μmの酸化物粒子数が100個/
mm2以上必要であることを知見した。ただし、粒子数
が多くなるほど、その靭性向上効果は小さくなり、必要
以上に粒子個数を多くすることは靭性に有害な粗大な粒
子が生成する可能性が高くなることを考えると、粒子数
の上限は3000個/mm2が適切である。
は、例えば以下の要領で行う。母材となる鋼板から抽出
レプリカを作製し、それを電子顕微鏡にて10000倍
で20視野以上、観察面積にして1000μm2以上を
観察することで該酸化物の大きさおよび個数を測定す
る。大きさの測定は、例えば粒子を撮影した写真をもと
に、その円相当径を求める。このとき鋼板の表層部から
中心部までどの部位から採取した抽出レプリカでもよ
い。また、粒子が適正に観察可能であれば、観察倍率を
低くしてもかまわない。
ま、制御圧延、さらにこれと制御冷却と焼戻しの組合
せ、および焼入れ・焼戻しの組合せであっても酸化物の
効果は影響を受けない。
ので、圧延前の鋼片を加熱炉に入れた時にオーステナイ
ト粒の粒成長が抑制され粗大化しない。このため、圧延
時に圧下率を大きくしてオーステナイト粒の微細化を行
う必要がなく、特に、板厚が50mm以上に達する厚鋼
板を製造するのに適する低圧下率の圧延でもフェライト
粒が20μm以下に微細粒化し、靭性が向上する。
000〜1300℃(1273〜1573°K)の範囲
内が通常であり、この加熱温度範囲での旧オーステナイ
ト粒径と靭性との関係を求めた。
ーステナイト粒径Dγと延性脆性遷移温度(vTrs)
との関係を、下図は酸化物個数が本発明範囲にある12
0個/mm2の場合および比較例の90個/mm2の場合
の加熱温度とオーステナイト粒径との関係の一例を示す
図である。なお、加熱時間は60分である。また、酸化
物の個数が多いと直線Aより左側方向にプロットされ、
酸化物の個数が少ないと直線Aより右側方向にプロット
される。
温度を考えた場合、オーステナイト粒径が大きくなると
vTrsは高温になる。すなわち靭性が低下する。した
がって目標とするvTrsを得るためには、オーステナ
イト粒径の最大値があり、その最大値以下にしなければ
ならない。そして、オーステナイト粒径は加熱温度と保
持時間との影響を受けるが、本発明の範囲の酸化物等粒
子を分散することによって、鋼片を特に1373°K〜
1573°Kの温度Tで時間t(s)加熱した時の旧オ
ーステナイト粒径を直線Aより常にvTrsが−50℃
以下となるオーステナイト粒径にすることができること
を見出した。そして、この直線Aは下記式(1)で示さ
れる。
オーステナイト粒径を小さくすることにより優れた母材
靭性を有することを見出した。 D=(0.154*T−210)*ln(t)−(0.328*T−460) (μm) ・ ・ ・(1)
が大きくなり、上記式(1)で規定するDよりも小さく
ならず、加熱温度が高いとき、かつ/または加熱時間が
長いとき良好な靭性が得られない。
べる。
り、Cが0.05%未満では強度が確保できず、また過
剰の添加は、鋼材の溶接性や溶接継手低温靭性などを著
しく低下させるので、上限を0.2%とした。
5%以上必要な成分であるが、HAZの硬化により靭性
が低下するのを防止するため上限を0.4%とした。
分として0.4%以上の添加が必要であるが、溶接部の
靭性、割れ性などの許容できる範囲で上限を2.0%と
した。
物であるこれを工業的に低減させるためには多大なコス
トがかかることから、0.02%を上限とした。
いが、これを工業的に低減させるためには多大なコスト
がかかることから、0.02%を上限とした。
0.005%とした。また、Alが多量に存在すると、
鋳片の表面品位が劣化するため、上限を0.04%とし
た。
スラブ中に微細析出し、圧延組織の細粒化に有効であ
り、また鋼板中に存在するTi窒化物は溶接時にHAZ
組織を微細化させる。これらの効果を得るために0.0
05%以上添加する。しかし、固溶Ti量が増加すると
靭性が低下するため、0.03%を上限とした。
0.0005%以上の添加が必要である。しかしなが
ら、過剰の添加は粗大介在物を生成させるため、0.0
03%を上限とした。
で酸化物個数を増加させる元素である。しかしながら、
過剰の添加は粗大介在物を生成させるため、Mgは0.
002%以下としたが、好ましくは、0.0001〜
0.002%である。
を向上させる効果を有するがHAZ部においては過剰な
添加は靭性を著しく低下させるため、それぞれ0.05
%、0.1%、0.6%、0.6%を上限とした。
効な元素であり、Cuは鋼材の強度を向上させるために
有効であるが、1.0%を超えるとHAZ靭性を低下さ
せることから、1.0%を上限とした。Niは鋼材の強
度および靭性を向上させるために有効であるが、Ni量
の増加はコストを上昇させるので、1.0%を上限とし
た。これらの選択元素は、必要に応じて1種または2種
以上を任意に含有させることができる。
向上させる元素であるが、0.0005%未満では充分
な効果が得られず、一方、0.003%を超えると焼入
性向上効果が飽和するだけでなく、靭性に有害なB析出
物を形成して靭性を低下させるので、Bは0.0005
〜0.003%とした。
得られた鋼板の酸化物の組成、粒子数、加熱温度、加熱
時間、(1)式で得られるD,旧オーステナイト粒径の
実測値、靭性(vTrs)を表2に示す。表1、2にお
いて、1〜8が本発明鋼、9〜13が比較鋼である。試
作鋼は転炉溶製し、RHにて真空脱ガス処理時に脱酸を
行っている。連続鋳造により280mm厚鋳片に鋳造し
た後、加熱圧延水冷を経て、板厚60mmの鋼板として
製造した。
る要件を満たす1〜8の本発明鋼は、旧オーステナイト
粒径の実測値vTrsがDよりも小さな値を示し、−5
0℃以下の優れた靭性を有する。
ステナイト粒径の実測値vTrsがDよりも大きな値を
示す。その結果、比較例9〜13のように加熱温度が高
いとき、かつ/または加熱時間が長いとき、靭性が劣っ
ている。
型構造用鋼材、特に、従来の制御圧延・制御冷却では製
造することが困難であった厚鋼板を安定して供給するこ
とが可能となった。
温度との関係を示す図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 質量%で、C:0.05〜0.2%、S
i:0.05〜0.4%、Mn:0.4〜2.0%、
P:0.02%以下、S:0.02%以下、Al:0.
005〜0.04%、Ti:0.005〜0.03%、
Ca:0.0005〜0.003%を含有し、残部はF
e及び不可避不純物から成る鋼で、かつ、この鋼中に円
相当径で0.005〜2.0μmの酸化物粒子を単位面
積当たりの個数密度で100〜3000個/mm2含有
し、その酸化物粒子の組成が少なくともCa、Al、O
を含み、Oを除いた元素が質量比で、Ca:5%以上、
Al:5%以上をそれぞれ含有し、CaとAlとの合計
が50%以上で、かつ鋼を1373°K以上1573°
K以下の温度Tで時間t(s)加熱したときの旧オース
テナイト粒径が下記の式で求められるDよりも小さいこ
とを特徴とする靭性の優れた鋼材。 D=(0.154*T−210)*ln(t)−(0.
328*T−460)(μm) - 【請求項2】 前記酸化物粒子の組成が少なくともC
a、Al、O、Sを含み、Oを除いた元素が質量比で、
Ca:5%以上、Al:5%以上、S:1%以上をそれ
ぞれ含有し、CaとAlとSとの合計が51%以上で、
残部がその他不可避不純物から成ることを特徴とする請
求項1記載の靭性に優れた鋼材。 - 【請求項3】 質量%で、C:0.05〜0.2%、S
i:0.05〜0.4%、Mn:0.4〜2.0%、
P:0.02%以下、S:0.02%以下、Al:0.
005〜0.04%、Ti:0.005〜0.03%、
Ca:0.0005〜0.003%、Mg:0.002
%以下を含有し、残部はFe及び不可避不純物から成る
鋼で、かつ、この鋼中に円相当径で0.005〜2.0
μmの酸化物粒子を単位面積当たりの個数密度で100
〜3000個/mm2含有し、その酸化物粒子の組成が
少なくともCa、Al、Mg、Oを含み、Oを除いた元
素が質量比で、Ca:5%以上、Al:5%以上、M
g:1%以上をそれぞれ含有し、CaとAlとMgとの
合計が51%以上で、かつ鋼を1373°K以上157
3°K以下の温度Tで時間t(s)加熱したときの旧オ
ーステナイト粒径が下記の式で求められるDよりも小さ
いことを特徴とする靭性の優れた鋼材。 D=(0.154*T−210)*ln(t)−(0.
328*T−460)(μm) - 【請求項4】 前記酸化物粒子の組成が少なくともC
a、Al、Mg、O、Sを含み、Oを除いた元素が質量
比で、Ca:5%以上、Al:5%以上、Mg:1%以
上、S:1%以上をそれぞれ含有し、CaとAlとMg
とSとの合計が52%以上で、残部がその他不可避不純
物から成ることを特徴とする請求項3記載の靭性に優れ
た鋼材。 - 【請求項5】 質量%で、Nb:0.05%以下、V:
0.1%以下、Cr:0.6%以下、Mo:0.6%以
下の内の1種または2種以上を含有することを特徴とす
る請求項1〜請求項4のいずれかに記載の靭性に優れた
鋼材。 - 【請求項6】 質量%で、Cu:1.0%以下、Ni:
1.0%以下の内の1種または2種を含有することを特
徴とする請求項1〜請求項5のいすれかに記載の靭性に
優れた鋼材。 - 【請求項7】 質量%で、B:0.0005〜0.00
3%を含有することを特徴とする請求項1〜請求項6の
いずれかに記載の鋼材。 - 【請求項8】 前記酸化物粒子が円相当径で0.1〜
2.0μmであることを特徴とする請求項1〜請求項7
のいずれかに記載の靭性に優れた鋼材。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009209412A (ja) * | 2008-03-04 | 2009-09-17 | Kobe Steel Ltd | 耐食性に優れた船舶用鋼材 |
-
2001
- 2001-06-19 JP JP2001185360A patent/JP3541021B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009209412A (ja) * | 2008-03-04 | 2009-09-17 | Kobe Steel Ltd | 耐食性に優れた船舶用鋼材 |
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