JP3502851B2 - 溶接施工性および溶接継手靭性に優れた600MPa級鋼 - Google Patents

溶接施工性および溶接継手靭性に優れた600MPa級鋼

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JP3502851B2
JP3502851B2 JP2001118357A JP2001118357A JP3502851B2 JP 3502851 B2 JP3502851 B2 JP 3502851B2 JP 2001118357 A JP2001118357 A JP 2001118357A JP 2001118357 A JP2001118357 A JP 2001118357A JP 3502851 B2 JP3502851 B2 JP 3502851B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、橋梁や中高層ビル
などの大型建築構造物に使用するに適した大入熱溶接継
手靭性に優れ、かつ溶接熱影響部の硬さ(Hv)が高
く、YS≧590MPaの強度を有する溶接施工性に優
れた600MPa級鋼に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、橋梁、中高層ビルなどの大型建築
構造物に使用される溶接用鋼材の材質特性に対する要望
は厳しさを増している。さらにそのような構造物を建造
する際、溶接の効率化を促進するため、フラックス−銅
バッキング溶接法、エレクトロガス溶接法、エレクトロ
スラグ溶接法などに代表されるような大入熱溶接法の適
用が希望されており、鋼材自身の靭性と同様に、HAZ
の靭性への要求も厳しさを増している。ところが、継手
靭性を鋼成分で改善しようとすると、溶接熱影響部(H
AZ部)の強度が低下するので、靭性と強度との両者を
満足できる鋼の開発が要求されている。
【0003】大入熱溶接時の鋼材のHAZ靭性に注目し
た提案は従来から数多くある。
【0004】例えば、特公昭55−26164号公報等
に開示されるように、微細なTi窒化物を鋼中に確保す
ることによって、HAZのオーステナイト粒を小さく
し、靭性を向上させる方法がある。また、特開平3−2
64614号公報ではTi窒化物とMnSとの複合析出
物をフェライトの変態核として活用し、HAZの靭性を
向上させる方法が提案されている。
【0005】しかしながら、Ti窒化物は、HAZのう
ち最高到達温度が1400℃を超える溶接金属との境界
(溶接ボンド部と称する)近傍ではほとんど固溶してし
まうので靭性向上効果が低下してしまうという問題があ
り、近年の厳しい鋼材特性への要求を達成することが困
難である。
【0006】この溶接ボンド部近傍の靭性を改善する方
法として、Ti酸化物を含有した鋼が厚板、形鋼などの
様々な分野で使用されている。例えば厚板分野では特開
昭61−79745号公報や特開昭62−103344
号公報に例示されているように、Ti酸化物を含有した
鋼が大入熱溶接部靭性向上に非常に有効であり、高張力
鋼への適用が有望である。この原理は、鋼の融点におい
ても安定なTi酸化物をサイトとして、溶接後の温度低
下途中にTi窒化物、MnS等が析出し、さらにそれら
をサイトとして微細フェライトが生成し、その結果靭性
に有害な粗大フェライトの生成が抑制され、靭性の劣化
が防止できるというものである。しかしながら、このよ
うなTi酸化物は鋼中へ分散される個数をあまり多くす
ることができない。その原因はTi酸化物の粗大化や凝
集合体であり、Ti酸化物の個数を増加させようとすれ
ば5μm以上の粗大なTi酸化物、いわゆる介在物が増
加してしまう。この5μm以上の介在物は構造物の破壊
の起点となって有害であり、靭性の低下を引き起こす。
したがって、さらなるHAZ靭性の向上を達成するため
には、粗大化や凝集合体が起こりにくく、Ti酸化物よ
りも微細に分散する酸化物を活用する必要がある。
【0007】また、このようなTi酸化物の鋼中への分
散方法としては、Al等の強脱酸元素を実質的に含まな
い溶鋼中へのTi添加によるものが多い。しかしなが
ら、単に溶鋼中にTiを添加するだけでは鋼中のTi酸
化物の個数、分散度を制御することは困難であり、さら
には、TiN、MnS等の析出物の個数、分散度を制御
することも困難である。その結果、Ti脱酸のみによっ
てTi酸化物を分散させた鋼においては、例えば、Ti
酸化物の個数が充分でなかったり、厚板の板厚方向の靭
性変動を生じる等の問題点が認められる。
【0008】さらに、上記特開昭61−79745号公
報などの方法では、Ti酸化物を生成しやすくするため
に、Al量の上限を、0.007%という非常に少ない
量で制限している。鋼材中のAl量が少ない場合、Al
N析出物量の不足などの原因により、母材の靭性が低下
する場合がある。また、通常使用されている溶接材料を
用いてAl量の少ない鋼板を溶接した場合、溶接金属の
靭性が低下する場合がある。
【0009】このような課題に対して、特開平6−29
3937号公報、特開平6−293937号公報におい
てTi添加直後のAlを添加することで、生成するTi
−Al複合酸化物を活用する技術が提案されている。こ
の技術により、大入熱溶接HAZ靭性を大幅に向上させ
ることが可能である。
【0010】以上述べたように、大入熱溶接時のHAZ
靭性を改善する技術は種々提案されているが、直近、建
設業界等においては、600MPa級鋼材を用いて大型
の橋梁用構造材を溶接することが求められていて、10
0kJ/cm以上、大きいものでは1000kJ/cm
ものさらなる溶接入熱の増加が進められており、600
MPa級鋼において、HAZ靭性を改善すると共にHA
Z靭性と相反する性質であるHAZの強度をも低下させ
ずにTS≧590MPaとすることができる溶接施工性
に優れた600MPa級鋼はいまだ提案されていないの
が現状である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のよう
な超大入熱以上の超大入熱の溶接時においても、優れた
HAZ靭性を有すると共に、HAZ部の硬さが高く、T
S≧590MPaを満足する溶接施工性および溶接継手
靭性に優れた600MPa級鋼を提供することを課題と
するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】溶接性の指標として下記
(1)式に示す鋼成分のPcmが知られている。 Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/2 0+Mo/15+V/10+B*5≦0.21 ・ ・ ・(1)
【0013】そして、鋼成分のPcmを0.21以下とす
れば、溶接性良好となるのは既知である。溶接性を良く
するためにPcmを低くするには、(1)式中の鋼成分の
CやNiを少なくすれば良いが、これらの成分を少なく
すればHAZ部の強度(TS)が低下してしまう。そこ
で、Pcmに関係がない元素であるNbを多量添加してH
AZ部の硬さを向上させることが考えられるが、Nbを
多量添加すると超大入熱溶接継手靭性が低下することと
なる。つまり、HAZ部の靭性と強度とは相反する性質
であり、鋼成分を調整することだけでは、両者を両立さ
せることが困難である。
【0014】本発明者は、HAZ強度(TS≧590M
Pa)をNb、V添加で確保したままで、HAZ靭性の
低下を防止することについて研究し、鋼中に酸化物を分
散させることによりHAZ部靭性を改善できることを知
見した。
【0015】さらに、鋼材がHAZ部で破断しないよう
にするためには、HAZ部の硬さ(Hv)が母材の硬さ
の80%以上(160〜180Hv)必要であることを
知見した。このためには、Nb、Vの多量添加が必要と
なるが、Nb、V添加による超大入熱溶接継手靭性の低
下は、鋼中に酸化物を分散させることにより防止し得る
ことを知見した。
【0016】本発明は、上記知見に基づいて完成したも
ので、その発明の要旨は以下の通りである。
【0017】 (1) 質量%で、 C:0.05〜0.15%、 Si:0.1〜0.5%、 Mn:1.0〜2.0%、 P:0.02%以下、 S:0.02%以下、 Al:0.005〜0.041%、 Ti:0.005〜0.03%、 Nb:0.006〜0.06%、 V:0.02〜0.06%、 Ca:0.0005〜0.003% を、 Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni
/60+Cr/20+Mo/15+V/10+B*5≦
0.21 の条件で含有し、残部はFeおよび不可避不純物からな
る鋼で、かつ、この鋼中に円相当径で0.005〜2.
0μmの酸化物粒子を単位面積当たりの個数密度で10
0〜3000個/mm2含有し、その酸化物粒子の組成
が少なくともCa、Al、Oを含み、Oを除いた元素が
質量比で、 Ca:5%以上、 Al:5%以上 をそれぞれ含有し、CaとAlとの合計が50%以上
で、残部がその他不可避不純物からなり、かつ溶接熱影
響部の硬さが母材の80%以上の硬さ(Hv)を有する
ことを特徴とする溶接施工性に優れた600MPa級
鋼。
【0018】(2) 前記酸化物粒子の組成が少なくと
もCa、Al、O、Sを含み、Oを除いた元素が質量比
で、Ca:5%以上、Al:5%以上、S:1%以上を
それぞれ含有し、CaとAlとの合計が50%以上で、
残部がその他不可避不純物からなることを特徴とする上
記(1)項記載の溶接施工性に優れた600MPa級
鋼。
【0019】 (3) 質量%で、 C:0.05〜0.15%、 Si:0.1〜0.5%、 Mn:1.0〜2.0%、 P:0.02%以下、 S:0.02%以下、 Al:0.005〜0.041%、 Ti:0.005〜0.03%、 Nb:0.006〜0.06%、 V:0.02〜0.06%、 Ca:0.0005〜0.003%、 Mg:0.002%以下 を、 Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni
/60+Cr/20+Mo/15+V/10+B*5≦
0.21 の条件で含有し、残部はFeおよび不可避不純物からな
る鋼で、かつ、この鋼中に円相当径で0.005〜2.
0μmの酸化物粒子を単位面積当たりの個数密度で10
0〜3000個/mm2含有し、その酸化物粒子の組成
が少なくともCa、Al、Mg、Oを含み、Oを除いた
元素が質量比で、 Ca:5%以上、 Al:5%以上、 Mg:1%以上 をそれぞれ含有し、CaとAlとの合計が50%以上
で、残部がその他不可避不純物からなり、かつ溶接熱影
響部の硬さが母材の80%以上の硬さ(Hv)を有する
ことを特徴とする溶接施工性に優れた600MPa級
鋼。
【0020】(4) 前記酸化物粒子の組成が少なくと
もCa、Al、Mg、O、Sを含み、Oを除いた元素が
質量比で、Ca:5%以上、Al:5%以上、Mg:1
%以上、S:1%以上を含有し、残部がその他不可避不
純物からなることを特徴とする上記(3)項記載の溶接
施工性に優れた600MPa級鋼。
【0021】(5) 質量%で、Cu:1.0%以下、
Ni:1.5%以下、Cr:0.6%以下、Mo:0.
6%以下の内1種又は2種以上を含有することを特徴と
する上記(1)〜(4)項のいずれかに記載の溶接施工
性に優れた600MPa級鋼。
【0022】(6) 質量%で、B:0.0005〜
0.003%を含有することを特徴とする上記(1)〜
(5)項のいずれかに記載の溶接施工性に優れた600
MPa級鋼。
【0023】(7) 前記酸化物粒子が円相当径で0.
1〜2.0μmであることを特徴とする上記(1)〜
(6)項のいずれかに記載の溶接施工性に優れた600
MPa級鋼。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明者らは、HAZの硬さ(Hv)が母材の8
0%以上であって、強度がTS≧590MPaの600
MPa級鋼とするため、鋼成分としてNb、Vを含有さ
せた。ところが、Nb、Vを含有させたことにより、H
AZ靭性が低下した。そこで、本発明者らはHAZ靭性
を向上させる金属組織要因として、1400℃以上に加
熱されるHAZ領域の再加熱オーステナイト細粒化を、
酸化物に利用して達成することを検討した。
【0025】再加熱オーステナイト粒を細粒化するため
には高温でのオーステナイト粒成長を抑制することが必
要である。その手段として最も有効な方法は、分散粒子
によりオーステナイトの粒界をピンニングし、粒界の移
動を止める方法が考えられる。そのような作用をする分
散粒子の一つとしては、従来、Ti窒化物と酸化物が有
効であると考えられていた。しかしながらTi窒化物は
1400℃以上の高温では固溶する割合が大きくなるた
め、ピンニング効果が小さくなることは先に述べた。こ
れに対し、高温で安定な酸化物をピンニング粒子として
活用することが必要である。
【0026】また、分散粒子による結晶粒界のピンニン
グ効果は、分散粒子の体積率が大きいほど、一個の粒子
径が大きいほど大きい。ただし、分散粒子の体積率は鋼
中に含まれる粒子を構成する元素の濃度によって上限が
あるので、体積率を一定と仮定した場合には、粒子径は
ある程度小さい方がピンニングには有効である。このよ
うな観点から、本発明者らは酸化物の体積分率を大き
く、かつ適正な粒子径となるよう、種々の検討を行っ
た。
【0027】酸化物の体積分率を大きくする手段の一つ
として、酸素量を増大させることがあるが、酸素量の増
大は材質に有害な粗大酸化物をも多数生成する原因とな
るため、有効な手段ではない。そこで本発明者らは、酸
素を最大限に利用するため、酸素との溶解度積が小さい
元素を活用することを検討した。酸素との溶解度積が小
さい、すなわち強脱酸元素として、一般的にはAlが用
いられる。しかしながら、Alだけでは酸素を充分利用
するには不充分で、さらにAlよりも強い脱酸元素が必
要で、鉄鋼の脱酸工程で汎用的に使用されるCaを活用
することが重要である。Caは酸素との溶解度積が小さ
いため、同量の酸素に対してAlよりも一層多量の酸化
物を生成することができる。脱酸元素としてCaを用い
た実験を行った結果、鋼中に生成する酸化物粒子の組成
として、Caが5%以上、Alが5%以上含まれること
で、酸化物の体積分率すなわち酸化物量を大きくするこ
とが可能となることを知見した。この結果を基に、鋼中
に含まれる酸化物粒子の組成を、少なくともCa、A
l、Oを含み、Oを除いた元素が質量比でCaを5%以
上、Alを5%以上とした。
【0028】また、Caと同時にMgを使用することも
酸化物を多数生成させることに有効である。MgはCa
ほどの効果はないものの、Alより強い脱酸元素であ
り、酸素との溶解度積が小さい。したがって、MgをC
aと複合して脱酸に使用することで酸化物個数を一層増
加させることが可能となる。発明者らは脱酸元素として
Caを用いた実験を行った結果、鋼中に生成する酸化物
粒子の組成として、Caが5%以上、Alが5%以上、
Mgが1%以上含まれることで、酸化物の体積分率すな
わち酸化物量を一層大きくすることが可能となることを
知見した。この結果を基に、鋼中に含まれる酸化物粒子
の組成を、少なくともCa、Al、Mg、Oを含み、O
を除いた元素が質量比でCaを5%以上、Alを5%以
上、Mgを1%以上とした。
【0029】さらには、本発明者らは、酸化物の周囲に
CaSおよびMgSといった硫化物が析出することで、
酸化物と硫化物とを併せてより一層の体積分率の増加が
可能となることを見出したのである。この結果をもと
に、鋼中に含まれる粒子の組成を、少なくともCa、A
l、O、Sを含み、Oを除いた元素が質量比でCaを5
%以上、Alを5%以上、Sを1%以上、もしくは、少
なくともCa、Al、Mg、O、Sを含み、Oを除いた
元素が質量比でCaを5%以上、Alを5%以上、Mg
を1%以上、Sを1%以上とした。
【0030】次に、ピンニングに有効な酸化物粒子の大
きさについて述べる。
【0031】分散粒子による結晶粒界のピンニング効果
は、分散粒子の体積率が大きいほど、一個の粒子径が大
きいほど大きいが、粒子の体積率が一定のとき、一個の
酸化物粒子の大きさが小さい方が粒子数が多くなりピン
ニング効果が大きくなるが、あまり小さくなると粒界に
存在する粒子の割合が小さくなるため、その効果は低減
すると考えた。粒子の大きさを種々変化させた試験片を
用いて、高温に加熱したときのオーステナイト粒径を詳
細に調査した結果、ピンニングには粒子の大きさとし
て、0.005〜2.0μmのものが効果が大きいこと
をつきとめた。さらに、オーステナイト粒界の移動を止
めるピンニング力は分散粒子のサイズが大きいほど強い
ことが判明し、粒子径0.005〜2.0μmの中でも
0.1〜2.0μmの粒子の大きさが特に有効であるこ
とを知見するに至った。0.1μmより小さくなるとピ
ンニング効果は徐々に減少し、0.005μmより小さ
くなるとほとんどピンニング効果を発揮しない。また、
2.0μmより大きい酸化物粒子はピンニング効果はあ
るものの、脆性破壊の起点となることがあるため鋼材の
特性上不適である。この結果より、必要な粒子径を0.
005〜2.0μm、その中でも特に0.1〜2.0μ
mとした。
【0032】次に、HAZ靭性に必要なピンニング粒子
の個数について検討した。
【0033】酸化物粒子個数が多いほど組織単位は微細
になり、粒子個数が多いほどHAZ靭性が向上するが、
鋼材に要求されるHAZ靭性は、その用途、使用される
溶接方法などによって複雑に異なる。特に要求特性が厳
しいと考えられる高強度の造船用鋼で大入熱溶接施工さ
れる場合に要求されるHAZ靭性、例えば、試験温度−
40℃において吸収エネルギー50J以上を満足するた
めには、図1に示すように、円相当径が0.005〜
2.0μmの酸化物粒子数が100個/mm2以上必要
であることを知見した。ただし、粒子数が多くなるほ
ど、その靭性向上効果は小さくなり、必要以上に粒子個
数を多くすることは靭性に有害な粗大な粒子が生成する
可能性が高くなることを考えると、粒子数の上限は30
00個/mm 2が適切である。
【0034】この酸化物粒子の大きさおよび個数の測定
は、例えば以下の要領で行う。母材となる鋼板から抽出
レプリカを作製し、それを電子顕微鏡にて10000倍
で20視野以上、観察面積にして1000μm2以上を
観察することで該酸化物の大きさおよび個数を測定す
る。大きさの測定は、例えば粒子を撮影した写真をもと
に、その円相当径を求める。このとき鋼板の表層部から
中心部までどの部位から採取した抽出レプリカでもよ
い。また、粒子が適正に観察可能であれば、観察倍率を
低くしてもかまわない。
【0035】鋼材を製造するプロセスとして、通常圧延
まま、制御圧延、さらにこれと制御冷却と焼戻しの組合
せ、および焼入れ・焼戻しの組合せなどであっても酸化
物の効果は影響を受けない。
【0036】また、Nb、Vを含有する鋼において、酸
化物粒子を分散させたことによりHAZ靭性が向上する
ことを、図2に基づいて説明する。
【0037】図2は、PHAZとHAZ靭性との関係を示
す図で、点線は0.1〜2.0μmの酸化物粒子を約5
0個/mm含有する比較鋼、そして実線は0.1〜
2.0μmの酸化物粒子を約500個/mm含有する
本発明鋼を示している。
【0038】図2に示すように、Nb、Vの添加量の増
加に応じてHAZ靭性は低下するが、例えば試験温度−
40℃において吸収エネルギー50J以上を満足するH
AZ靭性は、PHAZの80〜140の範囲において本発
明鋼で達成されていても比較鋼では達成できない。つま
り、酸化物粒子を分散させることによりHAZ靭性が大
幅に向上することが分かる。
【0039】次に、HAZ部の硬さについて説明する。
【0040】図3は、600MPa級鋼材のHAZ部の
硬度(Hv)と強度(TS)との関係を示す図である。
600MPa級鋼材を入熱100kJ/cmで溶接して
試験片を作成し、引張試験を行い、HAZ部の硬さ(H
v)と強度(TS)との関係を求めた。
【0041】図3に示すように、HAZ部の硬さが16
0HvのときにTSが590MPaとなった。硬さが1
60Hv未満ではTSが590MPa未満となり、本発
明で目的とするTS≧590MPaが得られず、HAZ
部で破断が生じた。
【0042】したがって、HAZ部で破断しないように
するためには、母材の硬さ(200Hv)の80%以上
の硬さとすることが必要であることが分かった。このた
め、本発明では溶接熱影響部の硬さが母材の80%以上
の硬さ(Hv)と規定した。
【0043】さらに、本発明の基本成分範囲について述
べる。
【0044】Cは鋼の強度を向上させる有効な成分であ
り、下限を0.05%とし、また過剰の添加は、鋼材の
溶接性やHAZ靭性などを著しく低下させるので、上限
を0.15%とした。
【0045】Siは母材の強度確保、脱酸などに必要な
成分0.1%以上必要であるが、HAZの硬化により靭
性が低下するのを防止するため上限を0.5%とした。
【0046】Mnは母材の強度、靭性の確保に有効な成
分として1.0%以上の添加が必要であるが、溶接部の
靭性、割れ性などの許容できる範囲で上限を2.0%と
した。
【0047】Pは含有量が少ないほど望ましいが、これ
を工業的に低減させるためには多大なコストがかかるこ
とから、0.02%を上限とした。
【0048】Sは含有量が少ないほど望ましいが、これ
を工業的に低減させるためには多大なコストがかかるこ
とから、0.02%を上限とした。
【0049】 Alは重要な脱酸元素であり、下限値を
0.005%とした。また、Alが多量に存在すると、
鋳片の表面品位が劣化するため、上限を0.041%
した。
【0050】TiはNと結合してTi窒化物を形成させ
るために0.005%以上添加する。しかし、固溶Ti
量が増加するとHAZ靭性が低下するため、0.03%
を上限とした。
【0051】 Nbは焼入れ性を向上させることにより
鋼の硬さおよび強度を向上させるために有効な元素であ
り、TS≧590MPaを達成させるためには0.00
6%以上、好ましくは0.01%以上必要であるが、H
AZ部においては過剰な添加は靭性を著しく低下させる
ため0.06%を上限とした。
【0052】VはNbと同様に鋼の硬さおよび硬度を向
上させるために有効な元素であり0.02%以上添加す
る。しかし、VもHAZ部の靭性を低下させるので、
0.06%を上限とした。
【0053】そして、Nb単独の添加よりもNbとVと
の両者を複合添加することによりHAZ部の靭性の低下
は防止できるので、NbとVとの両者を添加することと
した。
【0054】CaはCa系酸化物を生成させるために
0.0005%以上の添加が必要である。しかしなが
ら、過剰の添加は粗大介在物を生成させるため、0.0
03%を上限とした。
【0055】MgはCaと複合して脱酸に使用すること
で酸化物個数を増加させる元素である。しかしながら、
過剰の添加は粗大介在物を生成させるため、Mgは0.
002%以下としたが、好ましくは、0.0001〜
0.002%である。
【0056】Cuは鋼材の強度を向上させるために有効
であるが、1.0%を超えるとHAZ靭性を低下させる
と共にPcmを増加させることから、1.0%を上限とし
た。好ましくは、0.1〜1.0%である。
【0057】Niは鋼材の強度および靭性を向上させる
ために有効であるが、Ni量の増加はPcmを増加させる
と共に製造コストを上昇させるので、1.0%を上限と
した。好ましくは、0.1〜1.0%である。
【0058】Cr、Moは鋼の強度および靭性を向上さ
せる効果を有するがHAZ部においては過剰な添加は靭
性を著しく低下させるため、それぞれ0.6%、0.6
%を上限とした。
【0059】Bは鋼の焼入性を改善すると共に、強度を
向上させる元素であるが、0.0005%未満では充分
な効果が得られず、一方、0.003%を超えると靭性
を低下させるので、Bは0.0005〜0.003%と
した。
【0060】
【実施例】表1に示した化学成分で、590MPa級鋼
を試作した。1〜7が本発明鋼、8〜19が比較鋼であ
る。試作鋼は転炉溶製し、RHにて真空脱ガス処理時に
脱酸を行っている。連続鋳造により280mm厚鋳片に
鋳造した後、加熱圧延水冷を経て、板厚50mmの鋼板
として製造した。得られた鋼板を汎用の溶接材料を用い
て1パスのエレクトロスラグ溶接した。入熱は約900
kJ/cmである。
【0061】表2には、酸化物の組成、粒子数、ならび
に鋼板の硬さ、HAZ部の硬さ、HAZ靭性を示す。靭
性評価のためのシャルピー値は、フュージョンライン部
位で試験温度0℃にて6本の試験を行い、その平均値で
ある。
【0062】表2から明らかなように、1〜7の本発明
鋼は比較鋼と比べて吸収エネルギーが50J以上の優れ
たHAZ靭性、ならびにHAZ部の硬さ/母材の硬さが
80%以上と充分な継手強度を有すると共に、優れた溶
接施工性を有することが判る。すなわち、粒子径が0.
005〜2μmで、本発明の範囲の化学組成を有する酸
化物の粒子数が100〜3000個/mmのはんいに
あり、0℃のHAZ靭性、溶接施工性共に極めて優れて
いる。
【0063】一方、比較例の8〜19は、シャルピー試
験でHAZ靭性が40J未満の低い靭性しか示さない
か、HAZ部の硬さ/母材の硬さが80%に達しない。
8〜15は酸化物の組成もしくは酸化物個数が本発明の
範囲からはずれたため、HAZ靭性が劣っている。16
〜19はVを添加していないため、HAZ靭性は良好な
ものの、HAZ部の硬さ/母材の硬さが80%に達しな
かった。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【発明の効果】本発明は、大入熱溶接、超大入熱溶接に
対しても優れた溶接継手靭性を有するYR≦80%、T
S≧590MPaの鋼板を提供でき、大型建築構造物等
を溶接によって製造することが要求される産業分野にも
たらす効果は極めて大きく、さらに構造物の安全性の意
味から社会に対する貢献も非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼中の酸化物粒子の個数とHAZ靭性との関係
を示す図である。
【図2】PHAZとHAZ靭性との関係を示す図である。
【図3】600MPa級鋼材のHAZ部の硬度(Hv)
と強度(TS)との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千葉 幸弘 大分市大字西ノ州1番地 新日本製鐵株 式会社 大分製鐵所内 (56)参考文献 特開 平11−293382(JP,A) 特開 平10−183295(JP,A) 特開 平5−163516(JP,A) 特開2001−73071(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60 C21C 7/00 - 7/10

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で、 C:0.05〜0.15%、 Si:0.1〜0.5%、 Mn:1.0〜2.0%、 P:0.02%以下、 S:0.02%以下、 Al:0.005〜0.041%、 Ti:0.005〜0.03%、 Nb:0.006〜0.06%、 V:0.02〜0.06%、 Ca:0.0005〜0.003% を、 Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni
    /60+Cr/20+Mo/15+V/10+B*5≦
    0.21 の条件で含有し、残部はFeおよび不可避不純物からな
    る鋼で、かつ、この鋼中に円相当径で0.005〜2.
    0μmの酸化物粒子を単位面積当たりの個数密度で10
    0〜3000個/mm2含有し、その酸化物粒子の組成
    が少なくともCa、Al、Oを含み、Oを除いた元素が
    質量比で、 Ca:5%以上、 Al:5%以上 をそれぞれ含有し、CaとAlとの合計が50%以上
    で、残部がその他不可避不純物からなり、かつ溶接熱影
    響部の硬さが母材の80%以上の硬さ(Hv)を有する
    ことを特徴とする溶接施工性に優れた600MPa級
    鋼。
  2. 【請求項2】 前記酸化物粒子の組成が少なくともC
    a、Al、O、Sを含み、Oを除いた元素が質量比で、
    Ca:5%以上、Al:5%以上、S:1%以上をそれ
    ぞれ含有し、CaとAlとの合計が50%以上で、残部
    がその他不可避不純物からなることを特徴とする請求項
    1記載の溶接施工性に優れた600MPa級鋼。
  3. 【請求項3】 質量%で、 C:0.05〜0.15%、 Si:0.1〜0.5%、 Mn:1.0〜2.0%、 P:0.02%以下、 S:0.02%以下、 Al:0.005〜0.041%、 Ti:0.005〜0.03%、 Nb:0.006〜0.06%、 V:0.02〜0.06%、 Ca:0.0005〜0.003%、 Mg:0.002%以下 を、 Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni
    /60+Cr/20+Mo/15+V/10+B*5≦
    0.21 の条件で含有し、残部はFeおよび不可避不純物からな
    る鋼で、かつ、この鋼中に円相当径で0.005〜2.
    0μmの酸化物粒子を単位面積当たりの個数密度で10
    0〜3000個/mm2含有し、その酸化物粒子の組成
    が少なくともCa、Al、Mg、Oを含み、Oを除いた
    元素が質量比で、 Ca:5%以上、 Al:5%以上、 Mg:1%以上 をそれぞれ含有し、CaとAlとの合計が50%以上
    で、残部がその他不可避不純物からなり、かつ溶接熱影
    響部の硬さが母材の80%以上の硬さ(Hv)を有する
    ことを特徴とする溶接施工性に優れた600MPa級
    鋼。
  4. 【請求項4】 前記酸化物粒子の組成が少なくともC
    a、Al、Mg、O、Sを含み、Oを除いた元素が質量
    比で、Ca:5%以上、Al:5%以上、Mg:1%以
    上、S:1%以上をそれぞれ含有し、CaとAlとの合
    計が50%以上で、残部がその他不可避不純物からなる
    ことを特徴とする請求項3記載の溶接施工性に優れた6
    00MPa級鋼。
  5. 【請求項5】 質量%で、Cu:1.0%以下、Ni:
    1.5%以下、Cr:0.6%以下、Mo:0.6%以
    下の内1種又は2種以上を含有することを特徴とする請
    求項1〜請求項4のいずれかに記載の溶接施工性に優れ
    た600MPa級鋼。
  6. 【請求項6】 質量%で、B:0.0005〜0.00
    3%を含有することを特徴とする請求項1〜請求項5の
    いずれかに記載の溶接施工性に優れた600MPa級
    鋼。
  7. 【請求項7】 前記酸化物粒子が円相当径で0.1〜
    2.0μmであることを特徴とする請求項1〜請求項6
    のいずれかに記載の溶接施工性に優れた600MPa級
    鋼。
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