JP2003003106A - ボールペン用水性インキ組成物 - Google Patents

ボールペン用水性インキ組成物

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JP2003003106A
JP2003003106A JP2001187058A JP2001187058A JP2003003106A JP 2003003106 A JP2003003106 A JP 2003003106A JP 2001187058 A JP2001187058 A JP 2001187058A JP 2001187058 A JP2001187058 A JP 2001187058A JP 2003003106 A JP2003003106 A JP 2003003106A
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hue
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ink
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Takuya Oka
拓也 岡
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Mitsubishi Pencil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一つの描線中に、複数色の色相が発色可能と
なるボールペン用水性インキ組成物を提供する。 【解決手段】 金属層を含み、大きさ80〜200μ
m、厚さ5μm以下の扁平樹脂顔料と、水溶性染料と、
水と、粘度調整剤とを含有することを特徴とするボール
ペン用水性インキ組成物。上記扁平樹脂顔料は複数色で
あることが好ましい。また、上記扁平樹脂顔料は水溶性
染料と異なる色相であって、かつ、該扁平樹脂顔料の混
合された色相が略無彩色であることが好ましい。更に、
上記扁平樹脂顔料は水溶性染料と異なる色相であって、
かつ、該扁平樹脂顔料の混合された色相が有彩色である
ことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【究明の属する技術分野】本発明は、ボールペン用水性
インキ組成物に関し、更に詳しくは、一つの描線中に、
複数色の色相が発色可能となるボールペン用水性インキ
組成物に関する。
【0002】
【従来技術】従来より、筆記具用インキは、単一色相を
呈した安定な筆記描線を得ることが必要とされ、この筆
記具インキに使用される着色剤は、単独あるいは数種の
顔料や染料を混合して調色し、要求された筆記描線色相
になるように提供されているものである。これらのイン
キは.安定性を向上させるために顔料粒子を細かくした
り、染料自身の溶解性を向上させることにより一人間の
目が判断できる限界の大きさである波長が1μm(可視
光線の波長下限値0.5μmの2倍の大きさ)以上の色
彩を有する着色剤粒子を作らないように調整されてい
た。
【0003】一方、1μm以上の粒径を有する着色剤を
使用した筆記具用インキの例として、アルミ粉末を使用
し、メタリック調やパール調等の輝度感を呈する筆記描
線色となる水性インキが知られているが、このアルミ自
身は有彩色を呈していないため、筆記描線に輝度感を与
えるのみであり、単一色彩の描線色を呈するに過ぎない
ものである。また、マイカを金属酸化物で被覆し、その
透過屈折と反射を利用するパール顔料配合の真珠光沢調
の水性インキも知られているが、この顔料は、透過屈折
性を利用しているため、有彩色の発色が弱い点に課題が
ある。更に、金属粉に着色処理を施した大きさ0.3〜
20μmの顔料を使用した金属光沢を有する筆記用イン
キも知られているが、このインキは顔料同士を組み合わ
せて使用しているため、インキ乾燥時に金属着色顔料の
周辺に有機顔料が凝集する点に課題があり、しかも、単
色の色彩を呈するのみに過ぎないものである。
【0004】他方、近年、単に一色のインキ(筆記具)
を用いて文字、絵などを書く以外に、一度の筆記で色調
が異なる複数のインキを紙面に連続的に転写し得るマー
ブル調筆記具(ボールペン)を用いて色彩感覚や立体感
が得られる使用形態が行われているが、更に、色彩感覚
等に富むボールペン用水性インキ組成物が切望されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題及び使用形態等に鑑み、一つの描線中に複数色
の色相が発色可能となるボールペン用水性インキ組成物
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記従来の
課題及び使用形態などについて鋭意研究を行った結果、
特定物性、形状等からなる樹脂顔料と、水溶性染料と、
水と、粘度調節剤とを少なくとも含有することにより、
上記目的の水性ボールペン用インキ組成物が得られるこ
とを見いだし、本発明を完成するに至ったのである。す
なわち、本発明は、次の(1)〜(4)に存する。 (1) 金属層を含み、大きさ80〜200μm、厚さ5μ
m以下の扁平樹脂顔料と、水溶性染料と、水と、粘度調
整剤とを含有することを特徴とするボールペン用水性イ
ンキ組成物。 (2) 前記扁平樹脂顔料が複数色であることを特徴とする
上記(1)記載のボールペン用水性インキ組成物。 (3) 前記扁平樹脂顔料が水溶性染料と異なる色相であっ
て、かつ、該扁平樹脂顔料の混合された色相が略無彩色
であることを特徴とする上記(1)記載のボールルペン用
インキ組成物。 (4) 前記扁平樹脂顔料が水溶性染料と異なる色相であっ
て、かつ、該扁平樹脂顔料の混合された色相が有彩色で
あることを特徴とする上記(1)記載のボールペン用水性
インキ組成物。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。本発明の第1実施形態のボールペン用水
性インキ組成物は、金属層を含み、大きさ80〜200
μm、厚さ5μm以下の扁平樹脂顔料と、水溶性染料
と、水と、粘度調整剤とを含有することを特徴とするも
のであり、第2実施形態は、上記実施形態の扁平樹脂顔
料が水溶性染料と異なる色相であって、かつ、該扁平樹
脂顔料の混合された色相が略無彩色であることを特徴と
するものであり、第3実施形態は、上記第1実施形態の
扁平樹脂顔料が、水溶性染料と異なる色相であって、か
つ、該扁平樹脂顔料の混合された色相が有彩色であるこ
とを特徴とするものである。なお、以下において、「本
発明」というときは、上記第1実施形態〜第3実施形態
の各形態を含むものである。
【0008】本発明に用いる樹脂顔料は、扁平であるこ
とが必要であり、かつ、金属層を含み、大きさ80〜2
00μm、厚さ5μm以下となることが必要である。本
発明において、用いる樹脂顔料は扁平の形状とすること
により、ボールペンに用いた場合にはインク流路から良
好に流出できるものとなり、扁平以外の形状、例えば、
球状、棒状などでは、ボールペンのインク流路から良好
に流出できないものとなり、好ましくない。なお、本発
明における「扁平」とは、鱗片状である(凹凸や高低が
少なくひらたい)ことを意味する。この扁平樹脂顔料に
金属層を含ませることにより、メタリック調やパール調
等の輝度感を呈する顔料とするものである。
【0009】また、用いる扁平樹脂顔料の大きさが80
μm未満では、個々の顔料粒子色相が判別できず、多彩
な光輝感が得られないものとなり、大きさが200μm
を越えると、ボールペンのインク流路から流出できなか
ったり、顔料粒子の沈降が生じることとなり、好ましく
ない。更に、用いる扁平樹脂顔料の厚さが5μmを越え
るものでは、ボールペンのインク流路から流出できなか
ったり、筆記の際の感触を損ねたりすることとなり、好
ましくない。好ましくは、用いる扁平樹脂顔料の大きさ
は90〜150μm、厚さを1〜3μmとすることが望
ましい。
【0010】本発明に用いる上記扁平樹脂顔料は、例え
ば、PP、PE、ポリエステルなどの着色樹脂フィルム
表面に金、銀、アルミニウム、銅、ニッケル、スズ等か
ら選ばれる金属を蒸着させ、更に、その上に該蒸着させ
た樹脂層と同様の樹脂をコーティング処理して得られる
金属層を含む積層構造の樹脂フィルムを、粉砕処理し、
上記物性のものを選択することなどにより得られるもの
である。本発明において、上記樹脂フィルムの赤色の樹
脂フィルムを用い、金属蒸着層としてアルミニウム層と
した場合には、赤色の扁平樹脂顔料が得られ、同様に樹
脂フィルムの色を変えれば、青色、黄色、緑色、ピンク
色等の扁平樹脂顔料が得られ、また、無色(無着色)の
樹脂フィルムを用いれば、金属蒸着層の色、例えば、ア
ルミニウム蒸着層では銀色の扁平樹脂顔料が得られるこ
ととなる。これらの扁平樹脂顔料は、それぞれ単独で用
いても良いし、また、2種類(2色)以上を組み合わせ
て用いることができ、2色以上を組み合わせて用いた場
合には、後述するように一つの描線に複数色の鮮やかな
発色を可能とする描線が得られることとなる。
【0011】本発明に用いる扁平樹脂顔料の含有量は、
インキ組成物全量に対して、0.1〜10重量%、好ま
しくは、0.1〜8重量%、更に好ましくは、0.5〜
2重量%とすることが望ましい。この扁平樹脂顔料の含
有量が0.1重量%未満であると、描線の光輝感不足と
なり、また、10重量%を越えると、ボールペンのイン
ク流路からの流出困難となり、好ましくない。
【0012】本発明に用いる水溶性染料は、着色剤とし
て一般的に用いられる水溶性染料が自由に使用でき、例
えば、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料など
のいずれも用いることができる。直接染料としては、例
えば、C.I.ダイレクトブラック17、同19、同2
2、同32、同38、同51、同71、C.I.ダイレ
クトエロー4、同26、同44、同50、C.I.ダイ
レクトレッド1、同4、同23、同31、同37、同3
9、同75、同80、同81、同83、同225、同2
26、同227、C.I.ダイレクトブルー1、同1
5、同71、同86、同106、同119などが挙げら
れる。
【0013】酸性染料としては、例えば、C.I.アシ
ッドブラック1、同2、同24、同26、同31、同5
2、同107、同109、同110、同119、同15
4、C.I.アシッドエロー7、同17、同19、同2
3、同25、同29、同38、同42、同49、同6
1、同72、同78、同110、同141、同127、
同135、同142、C.I.アシッドレッド8、同
9、同14、同18、同26、同27、同35、同3
7、同51、同52、同57、同82、同87、同9
2、同94、同115、同129、同131、同13
8、同186、同249、同254、同265、同27
6、C.I.アシッドバイオレット15、同17、C.
I.アシッドブルー1、同7、同9、同15、同22、
同23、同25、同40、同41、同43、同62、同
78、同83、同90、同93、同103、同112、
同113、同158、C.I.アシッドグリーン3、同
9、同16、同25、同27などが挙げられる。
【0014】食用染料としては、その大部分が直接染料
又は酸性染料に含まれるが、含まれないものの一例とし
ては、C.I.フードエロー3が挙げられる。塩基性染
料としては、例えば、C.I.ベーシックエロー1、同
2、同21、C.I.ベーシックオレンジ2、同14、
同32、C.I.ベーシックレッド1、同2、同9、同
14、C.I.ベーシックバイオレット1、同3、同
7、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシッ
クブラウン12、C.I.ベーシックブラック2、同8
などが挙げられる。
【0015】これらの水溶性染料は、それぞれ単独で用
いても良いし、また、2種類以上を組み合わせて用いる
ことができる。これらの水溶性染料の含有量は、インキ
組成物全量に対して0.01〜20重量%、好ましく
は、0.1〜10重量%であることが望ましい。
【0016】本発明のボールペン用水性インキ組成物
は、水を主溶媒とするが、水以外にも一般的に用いられ
るグリコール系、アミド系などの水溶性有機溶剤が使用
できる。グリコール系溶剤としては、例えば、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、チオジグリコール、グ
リセリン、ジグリセリンなどが挙げられる。アミド系溶
剤としては、例えば、ジメチルフォルムアミド、2−ピ
ロリドン、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられ
る。これらの有機溶剤は、1種または2種以上組み合わ
せて用いることができる。
【0017】有機溶剤は、水性インキとしての種々の品
質、例えば、低温時の凍結防止、キャップを取って放置
された際の乾燥防止などの目的で使用するもので、イン
キ中の含有量はインキ組成物全量に対して、1〜30重
量%が好ましい。
【0018】また、本発明のボールペン用水性インキ組
成物には、顔料の沈降防止、分散安定性の点から、ガム
系高分子、アクリル系高分子等の水溶性粘度調節剤が使
用される。ガム系高分子としては、例えば、トラガカン
トガム、グァーガム、ローカストビーンガム、キサンタ
ンガムなどなどが挙げられる。アクリル系高分子として
は、例えば、ポリアクリル酸やその架橋型共重合体、ポ
リアクリルアミドなどを使用することができる。
【0019】これらの粘度調整剤の含有量は、インキ組
成物全量に対して、0.01〜10重量%であることが
好ましい。粘度調整剤種で含有量は異なり、アクリル系
合成高分子系では、0.1〜5重量%が好ましく、ガム
系高分子では、0.05〜2重量%が好ましい。
【0020】本発明のボールペン用水性インキ組成物に
は、本発明の効果を損なわない範囲内で、更にボールペ
ン用水性インキに用いられるその他の成分(任意成分)
を必要に応じて含有させることができる。
【0021】用いることができるその他の成分として
は、例えば、アンモニア、尿素、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリ
ポリ燐酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなど炭酸や燐酸の
アルカリ金属塩、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属
の水酸化物等のpH調整剤、フェノール、ナトリウムオ
マジン、ペンタクロロフェノールナトリウム、1,2−
ベンズイソチアゾリン3−オン、2,3,5,6,−テ
トラクロロ−4(メチルスルフォニル)ピリジン、安息
香酸ナトリウムなどの安息香酸やソルビン酸、デヒドロ
酢酸のアルカリ金属塩、ベンズイミダゾール系化合物等
の防腐若しくは防黴剤、ベンゾトリアゾール、ジシクロ
ヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルア
ンモニウムナイトライト、トリルトリアゾール等の防錆
剤、カルボン酸やスルホン酸等から陰イオン界面活性
剤、アンモニゥム塩やアミン等からなる陽イオン界面活
性剤、その他両性界面活性剤や非イオン界面活性剤から
なる潤滑剤および湿潤剤、消泡剤などを適宜選択して使
用することができる。
【0022】また、本発明に用いる水としては、精製
水、イオン交換水、純水など挙げられ、その含有量は、
上記各成分の合計含有量の残りの量(残部)となる。
【0023】本発明のボールペン用水性インキ組成物を
製造するには、従来から知られているインキ製造の種々
の方法が採用できる。例えば、上記各成分を配合し、デ
ィゾルバー等の攪拌機により混合攪拌することによっ
て、またボールミルや三本ロール等によって混合粉砕し
た後、遠心分離や濾過によって、扁平樹脂顔料のうちの
粗大粒子及び未溶解物、混入固形物を取り除くことによ
って容易に得ることができる。また、本発明のボールペ
ン用水性インキ組成物の粘度は、顔料の分散安定、筆記
性の点から、25℃において、200〜3000mPa
・sとすることが好ましい。なお、本発明(後述する実
施例等を含む)における粘度は、E型粘度計(TOKI
MEC社製)により、測定した値である。
【0024】本発明のボールペン用水性インキ組成物を
充填する水性ボールペン構造としては、一般的に用いら
れる水性ボールペンが自由に使用でき、例えば、図1に
示される構造の水性ボールペンAが挙げられる。この図
1のボールペンA構造を概略すると、1はキャップであ
り、2はキャップ内に設けられたシール栓である。3は
ステンレス製等の金属チップ、4はステンレス製等の先
端金属ボールであり、5は先部材となる口プラ、6は透
明性を有する軸筒、7は透明性を有するインキ収容管、
8は本発明のボールペン用水性インキ組成物、9はイン
キ追従体、10は尾栓である。
【0025】このように構成される本第1実施形態とな
るボールペン用水性インキ組成物では、金属層を含み、
大きさ80〜200μm、厚さ5μm以下の扁平樹脂顔
料と、水溶性染料と、水と、粘度調整剤とを含有せしめ
ることにより、ボールペンのインク流路から良好に流出
でき、しかも、一つの描線に染料の色に加え、扁平樹脂
顔料の少なくとも1色の発色が確認できる光輝感ある色
彩感覚に富む描線が得られることとなる。特に、扁平樹
脂顔料を複数色と(2色以上の扁平樹脂顔料を使用)す
れば、一つの描線に3色以上の色相が発色可能なボール
ペン用水性インキ組成物が得られることとなる。
【0026】次に、本第2実施形態となるボールペン用
水性インキ組成物は、上記第1実施形態のインキ組成物
において、扁平樹脂顔料が水溶性染料と異なる色相、例
えば、異なる単色又は複数色(2色以上)であって、か
つ、該扁平樹脂顔料の混合された色相が略無彩色である
ことを特徴とするものである。本第2実施形態におい
て、用いる扁平樹脂顔料の混合された色相が水溶性染料
の色相と極端に異なると、筆記の際にボールペンの外観
(インキ収容管に充填したインキの外観)と筆記描線の
基本的な色相が大きく異なり、使用者に違和感を与えて
しまうことがある。すなわち、用いる扁平樹脂顔料は、
筆記前の(インキ収容管内の)インキを外から見た場合
は、扁平樹脂顔料の色相が支配的な外観となる一方、筆
記した際の描線は、染料の色相が支配的な外観となる。
そのため、扁平樹脂顔料の混合された色相が染料の色相
と大きく異なる有彩色であると、筆記前のインキの外観
と筆記描線の外観が大きく異なることとなり、使用者に
違和感を与える場合がある。従って、本第2実施形態で
は、上記第1実施形態のインキ組成物において、扁平樹
脂顔料が水溶性染料と異なる色相であって、かつ、該扁
平樹脂顔料の混合された色相が略無彩色とすることによ
り、一つの描線中に、複数色の色相が発色可能で、か
つ、外観から、使用している染料の色相が想像容易とな
るボールペン用水性インキ組成物が提供されることとな
る。
【0027】更に、本第3実施形態となるボールペン用
水性インキ組成物は、上記第1実施形態のインキ組成物
において、扁平樹脂顔料が水溶性染料と異なる色相、例
えば、異なる単色又は複数色(2色以上)であって、か
つ、該扁平樹脂顔料の混合された色相が有彩色であるこ
とを特徴とするものである。本第3実施形態では、上記
第2実施形態のインキ組成物とは逆に、用いる扁平樹脂
顔料の混合された色相が水溶性染料の色相と極端に異な
る色相を用いることにより、筆記の際にボールペンの外
観と筆記描線の基本的な色相を異ならしめ、使用者に意
外性を与えて、筆記する際の楽しみを与えるものであ
る。従って、本第3実施形態では、上記第1実施形態の
インキ組成物において、扁平樹脂顔料が水溶性染料と異
なる色相であって、かつ、該扁平樹脂顔料の混合された
色相が有彩色とすることにより、一つの描線中に、複数
色の色相が発色可能で、かつ、外観から、使用している
染料の色相から筆記描線の色が判らず、使用者に意外性
を与えて、筆記する際の楽しみを与えることができるも
のとなる。
【0028】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を
詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるも
のでない。
【0029】〔実施例1〕下記各配合成分を室温(25
℃)下にて撹拌機により混合、撹拌し、ボールペン用水
性インキを得た。なお、配合単位は、「重量%」
(「%」と略する)であり、全量は100%である(以
下の実施例等においても同様)。 (配合成分) 食用赤104号 1% 下記各色となる扁平樹脂顔料(厚み3μm、大きさ10
0μm、アルミニウム蒸着層) 赤色 0.5% 青色 0.5% 黄色 0.5% 銀色(樹脂層無着色) 0.5% オレイン酸カリ石鹸 0.1% フェノール 0.1% キサンタンガム 0.5% トリエタノールアミン 0.5% エチレングリコール 20.0% 水(精製水) 残 量 なお、粘度は、25℃、1500mPa・sであった。
【0030】〔実施例2〕下記各配合成分を上記実施例
1と同様にしてボールペン用水性インキを得た。 (配合成分) 食用赤104号 1.0% 青色の扁平樹脂顔料 1.0% (厚み3μm、大きさ100μm、アルミニウム蒸着
層) 黄色の扁平樹脂顔料 1.0% (厚み3μm、大きさ100μm、アルミニウム蒸着
層) オレイン酸カリ石鹸 0.1% フェノール 0.1% キサンタンガム 0.5% トリエタノールアミン 0.5% エチレングリコール 20.0% 水(精製水) 残 量 なお、粘度は、25℃、1500mPa・sであった。
【0031】〔比較例1〕上記実施例1の扁平樹脂顔料
(2.0%)のみを、水分散性アルミニウムペースト
(平均粒径20μm)10%に代え同様に(顔料の重量
差は水で調整)してボールペン用水性インキを得た。な
お、粘度は、25℃、1800mPa・sであった。
【0032】〔比較例2〕上記実施例1の各色の扁平樹
脂顔料を、大きさのみ50μmのものに代えて同様にし
てボールペン用水性インキを得た。なお、粘度は、25
℃、1500mPa・sであった。
【0033】〔比較例3〕上記実施例1の各色の扁平樹
脂顔料(2.0%)を、雲母系のパール顔料(平均粒径
50μm)2.0%に代えて同様にしてボールペン用水
性インキを得た。なお、粘度は、25℃、1700mP
a・sであった。
【0034】〔比較例4〕上記実施例1の各色の扁平樹
脂顔料を、大きさのみ450μmのものに代えて同様に
してボールペン用水性インキを得た。なお、粘度は、2
5℃、1500mPa・sであった。
【0035】上記の如くして得た実施例1〜2及び比較
例1〜4で得られたインキに対して、下記方法により評
価用ボールペン体を作製し、また、下記評価法により、
(1)インキ粒子の沈降、(2)筆記性(かすれ)、
(3)光輝色数及び(4)インキ外観の色相及び描線の
色相を評価した。これらの結果を下記表1に示す。
【0036】(評価用ボールペン体の作製)各インキを
中継芯のない内径4mm、長さ110mmのポリプロピ
レン製インキ収納管と、1.0mmのボール径を有する
ステンレス製チップからなるリフィールに充填し、遠心
分離にて内部の気泡を除去した後、その後端にグリース
状のインキ追従体を入れた評価用ボールペン体(三菱鉛
筆社製UM−100、図1参照)を作製した。
【0037】(1)インキ粒子の沈降 インキをガラスサンプル瓶に密封状態で、50℃の条件
で一ヶ月間放置して、インキ中の樹脂顔料と他の部分と
の相分離を観察し、以下の基準で評価した。評価基準: ○:初期と殆ど差が見られない △:若干の相分離は見られるが使用には耐える ×:使用に耐えないほど相分離
【0038】(2)筆記性(かすれ)の評価法 得られた各評価用ボールペンで筆記用紙に筆記を行い、
その筆記描線のかすれの程度を以下の基準で評価した。 評価基準: ○:かすれない △:かすれる ×:インキが出ない
【0039】(3)光輝色数の評価法 得られた各評価用ボールペンで筆記用紙に筆記を行い、
その筆記描線における染料色以外の顔料の光輝の色数を
目視により評価した。
【0040】(4)インキ外観の色相及び筆記描線の色
相の評価法 得られた各評価用ボールペンにおけるインキ収容管に充
填したインキ外観の色相及び筆記描線の色相を目視によ
り評価した。
【0041】
【表1】
【0042】上記表1の結果等から次のことが判明し
た。実施例1では、インキ粒子の沈降もなく、ボールペ
ンのインキ流路から良好に流出すると共に、かすれなく
筆記できた。また、ペン体中のインキの外観は桃色であ
り、筆記描線も桃色となるもの、すなわち、ペン体中の
インキの外観と、筆記描線に違和感がなく、しかも、扁
平樹脂顔料が水溶性染料と異なる色相であっても、該扁
平樹脂顔料の混合された色相を略無彩色とすることによ
り、一つの描線に染料の色に加え、扁平樹脂顔料の各色
の発色が確認できる光輝感ある色彩感覚に富む描線が得
られることが判った。
【0043】実施例2では、インキ粒子の沈降もなく、
ボールペンのインキ流路から良好に流出すると共に、か
すれなく筆記できた。また、ペン体中のインキの外観は
緑色であるのに対し、筆記描線は桃色となるもの、すな
わち、扁平樹脂顔料が水溶性染料と異なる色相であっ
て、かつ、該扁平樹脂顔料の混合された色相を有彩色と
することにより、一つの描線中に、複数色の色相が発色
可能で、かつ、外観から、使用している染料の色相から
筆記描線の色が判らず、使用者に意外性を与えて、筆記
する際の楽しみを与えることができることが判った。
【0044】これに対して、比較例1では、ボールペン
のインキ流路から良好に流出でき、このインキは光輝感
があるが、染料の色相と一体化し、単一化した光輝感に
とどまるものであった。比較例2では、ボールペンのイ
ンキ流路から良好に流出できるが、このインキは光輝感
が不足し、しかも、染料の色相と一体化し、単一化した
光輝感にとどまるものであった。比較例3では、インキ
粒子の沈降があり、ボールペン組み立ての際の遠心分離
により詰まりを生じた。更に、筆記にかすれが生じるこ
とがあり、また、筆記描線は、比較例2と同様の単一化
した光輝感であり、実施例1〜2と比べて光輝感で劣る
ことが判った。比較例4では、インキ粒子の沈降がみら
れ、ボールペン組み立ての際の遠心分離により詰まりを
生じた。更に、筆記にかすれを生じ、また、筆記描線
は、比較例1と同様の単一化した光輝感であることが判
った。
【0045】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、インキ粒
子の沈降もなく、ボールペンのインキ流路から良好に流
出できると共に、かすれなく筆記でき、しかも、一つの
描線に染料の色に加え、扁平樹脂顔料の少なくとも1色
の発色が確認できる光輝感ある色彩感覚に富む描線が得
られるボールペン用水性インキ組成物が提供される。請
求項2記載の発明によれば、更に、一つの描線に3色以
上の色相が発色可能な光輝感ある色彩感覚に富む描線が
得られるボールペン用水性インキ組成物が提供される。
請求項3記載の発明によれば、扁平樹脂顔料が水溶性染
料と異なる色相であって、かつ、該扁平樹脂顔料の混合
された色相が略無彩色とすることにより、一つの描線中
に、複数色の色相が発色可能で、かつ、外観から、使用
している染料の色相が想像容易となるボールペン用水性
インキ組成物が提供される。請求項4記載の発明によれ
ば、扁平樹脂顔料が水溶性染料と異なる色相であって、
かつ、該扁平樹脂顔料の混合された色相が有彩色とする
ことにより、一つの描線中に、複数色の色相が発色可能
で、かつ、外観から、使用している染料の色相から筆記
描線の色が判らず、使用者に意外性を与えて、筆記する
際の楽しみを与えることができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の使用形態の一例を示すボールペンの縦
断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C350 GA03 HA08 NA19 4J039 AB11 AD09 AD12 BA12 BC09 BC33 BC36 BC39 BC50 BC55 BD04 BE01 BE03 BE04 BE05 BE12 BE16 BE19 BE22 BE24 BE30 CA03 DA02 EA21 EA29 EA41 EA42 EA44 GA27

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属層を含み、大きさ80〜200μ
    m、厚さ5μm以下の扁平樹脂顔料と、水溶性染料と、
    水と、粘度調整剤とを含有することを特徴とするボール
    ペン用水性インキ組成物。
  2. 【請求項2】 前記扁平樹脂顔料が複数色であることを
    特徴とする請求項1記載のボールペン用水性インキ組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記扁平樹脂顔料が水溶性染料と異なる
    色相であって、かつ、該扁平樹脂顔料の混合された色相
    が略無彩色であることを特徴とする請求項1記載のボー
    ルペン用水性インキ組成物。
  4. 【請求項4】 前記扁平樹脂顔料が水溶性染料と異なる
    色相であって、かつ、該扁平樹脂顔料の混合された色相
    が有彩色であることを特徴とする請求項1記載のボール
    ペン用水性インキ組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007084757A (ja) * 2005-09-26 2007-04-05 Mitsubishi Pencil Co Ltd インク組成物及びボールペン
JP2007297448A (ja) * 2006-04-28 2007-11-15 Pilot Ink Co Ltd ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペンレフィル、ボールペン
JP2013100417A (ja) * 2011-11-09 2013-05-23 Toppan Printing Co Ltd セキュリティーインク、及びセキュリティーインクを印刷した偽造防止媒体

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JP2007297448A (ja) * 2006-04-28 2007-11-15 Pilot Ink Co Ltd ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペンレフィル、ボールペン
JP2013100417A (ja) * 2011-11-09 2013-05-23 Toppan Printing Co Ltd セキュリティーインク、及びセキュリティーインクを印刷した偽造防止媒体

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