JP2003002310A - ボトル・キャップ組立体の検査方法及び装置 - Google Patents

ボトル・キャップ組立体の検査方法及び装置

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JP2003002310A JP2001187168A JP2001187168A JP2003002310A JP 2003002310 A JP2003002310 A JP 2003002310A JP 2001187168 A JP2001187168 A JP 2001187168A JP 2001187168 A JP2001187168 A JP 2001187168A JP 2003002310 A JP2003002310 A JP 2003002310A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボトル・キャップ組立体の締結状態がキャッ
プを開栓することなく、容器の軸方向上方から確実に確
認することが可能であり、また上方から一台のカメラに
より容易に検査することが可能となるボトル・キャップ
組立体の検査方法および装置を提供することである。 【解決手段】 ボトルの巻締角度確認マークと、キャッ
プの巻締角度確認マークとの位置関係を検出することに
より、ボトルとキャップとの巻締状態を検出する検査方
法において、ボトル・キャップ組立体の軸上方に光学系
レンズと前記確認マーク撮像のためのカメラとを、前記
組立体の垂直中心軸と光学系の光軸とが一致するように
配置すると共に、前記確認マーク乃至その近傍を照明す
るための照明装置を配置し、ボトルの巻締角度確認マー
クと、キャップの巻締角度確認マークとを単一のカメラ
にしかも同時に写し取ることを特徴とするボトル・キャ
ップ組立体の検査方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボトルとその口部
に装着されるキャップから成るボトル・キャップ組立体
の締結状態を検査する方法および装置に関し、より詳細
には、ボトル・キャップ組立体の締結状態がキャップを
開栓することなく、一方向から容易に確認することが可
能なボトル・キャップ組立体の検査方法および装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】ガラス製或いは合成樹脂製のボトル形状
容器と、一旦開封されたものであることを明示するタン
パーエビデント機能を有するキャップから成るボトル・
キャップ組立体においては、内容物充填後に、キャップ
がボトルに完全に密封状態に締結されていることが必須
であり、この検査方法として、従来は、製品の中からい
くつかの試料を抜き取り、これを実際に開栓し、開栓ト
ルク、巻締角度等を測定することによって行っていた。
しかしながら、このような抜き取り検査は製品の一部に
ついて行うにすぎず、必ずしも確実な検査結果を得るこ
とは困難であり、また検査の確実性を向上させるために
抜き取り試料を多くすればそれだけ生産コストが増加す
ることになる。また巻締機を最初に設定する際に、基本
的な性能を出すための巻締角度に従ってトルクが決定さ
れているため、巻締め角度を容易に測定できることが望
まれている。
【0003】このような問題を解決するため、キャップ
の締結状態を容易に確認することが可能なボトル・キャ
ップ組立体も提案されている。例えば、容器口部に、合
成樹脂製キャップを完全に螺着した状態で該キャップ下
端より下方の所定位置に1または複数の位置表示を形成
し、かつキャップの上記合成樹脂製キャップの筒部に、
該キャップを上記容器口部に完全に螺着した状態で上記
位置表示に並ぶ閉栓表示を設けたことを特徴とする閉止
装置(特開平9−12046号公報)や、容器の外周
と、この容器の口部にねじ込まれるスクリューキャップ
の外面とに、それぞれのネジ部のネジ端に対して一定の
位置関係を有する標識を配設し、前記スクリューキャッ
プの装着後に、前記一対の標識の位置関係に基づいて前
記スクリューキャップのねじ込み状態の適否を判別する
ことを特徴とする容器口部の密封状態検査方法(特開平
10−203512号公報)、また、瓶口外周面に形成
したネジ部の始端に相当する部位の瓶首と、瓶口を封緘
するキャップの内周面に形成したネジ部の終端に相当す
る部位の該キャップとにそれぞれ、外部から視認できる
目安部を設け、前記瓶に液体を充填・封緘後にこれら二
つの目安部の位置により瓶口へのキャップの巻締め程度
を非破壊検査できるようにしたことを特徴とする瓶の封
緘構造(特開平11−11504号公報)等が提案され
ている。
【0004】更に、特開平12−118515号公報に
は、容器本体のキャップ受け口に取り付けられたキャッ
プまたは該キャップに設けたカバー受け部に取り付けら
れたキャップカバーの何れかのキャップ体取付部をカメ
ラで撮影してその映像情報を記憶し、この映像情報に基
づき上記容器本体またはキャップの基準部と上記キャッ
プ体の測定部との位置関係に基づき当該キャップ体の取
付状態の良否を判定するようにしたことを特徴とするキ
ャップ体取付検査方法が記載されており、カメラでの撮
影は、容器の搬送路に沿って平行に設けられた第一及び
第二のカメラで行うことも記載されている。
【0005】更にまた、特開平5−180621号公報
には、ビン口天面シールについてではあるが、ビン口天
面にシールされたビン口をビン軸上面から照明しながら
撮像装置により撮像し、画像処理装置によりその撮像信
号からのシールの貼付ずれによってビン口部に発生する
全反射信号を分離し、これを1画面分換算して得た積算
値を基準値と比較してシールずれの良否を判断すること
を特徴とするビン口天面シールの検査装置が記載されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これら従来技術によれ
ば、試料の抜き取り及び実際の開栓という検査方法によ
らずに、ボトル・キャップ組立体の締結状態を確認する
ことは可能となる。しかしながら、上記第一の閉止装置
では、ボトル及びキャップに設けられた表示が互いに一
直線或いは所定の関係となるよう位置することが必要で
あり、その設定が困難であるという問題がある。
【0007】また、上記第二の密封検査方法や第三の瓶
の封緘構造では、キャップとボトルの位置関係に一定の
基準範囲を設け、その範囲外のボトル・キャップ組立体
を除外するものであるため、上記第一の従来技術のよう
な問題は生じないが、第一乃至第四の従来技術に記載さ
れた何れのボトル・キャップ組立体においても、キャッ
プに設けられた標識は、ボトルとの関係上、キャップの
側面に設けられているため、ボトル及びキャップに設け
られた標識が一定の位置関係にあることを確認するため
には、ボトル・キャップ組立体の側面から測定する必要
がある。しかしながら、内容物が充填され、キャップで
密封されたボトル・キャップ組立体は、搬送コンベア上
をまちまちにその向きを変えながら生産ライン中を進ん
でいくため、ボトル及びキャップに設けられた標識が必
ずしも検査装置の向きに向いているとは限らず、その場
合には、キャップの締結状態に異常があった場合でも見
逃してしまうことになり、検査の信頼性が低くなる恐れ
がある。このような締結状態に異常のあるボトル・キャ
ップ組立体を見逃さないためには、複数のカメラを周方
向に設置する必要があり、このため検査装置が複雑にな
ったり、ボトル・キャップ組立体を連続供給することが
困難になる場合もある。
【0008】従って本発明の目的は、上記従来技術のよ
うな不都合がなく、ボトル・キャップ組立体の締結状態
がキャップを開栓することなく、容器の軸方向上方から
確実に確認することが可能であり、また上方から一台の
カメラにより容易に検査することが可能となるボトル・
キャップ組立体の検査方法および装置を提供することで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ボトル
の巻締角度確認マークと、キャップの巻締角度確認マー
クとの位置関係を検出することにより、ボトルとキャッ
プとの巻締状態を検出する検査方法において、ボトル・
キャップ組立体の軸上方に光学系レンズと前記確認マー
ク撮像のためのカメラとを、前記組立体の垂直中心軸と
光学系の光軸とが一致するように配置すると共に、前記
確認マーク乃至その近傍を照明するための照明装置を配
置し、ボトルの巻締角度確認マークと、キャップの巻締
角度確認マークとを単一のカメラにしかも同時に写し取
ることを特徴とするボトル・キャップ組立体の検査方法
が提供される。本発明の検査方法においては、 1.キャップの巻締角度確認マークが頂板部の周縁部或
いは頂板部とスカート部とのコーナー部に形成されてお
り且つボトルの巻締角度確認マークがボトルのサポート
リングに形成されていること、 2.光学系レンズがキャップの径よりも大きな径を有す
る平凸レンズ或いはメニスカス凸レンズであること、 3.キャップの巻締角度確認マークとボトルの巻締角度
確認マークとをこれらが共にレンズの被写界深度内にあ
る条件で撮像すること、 4.照明装置が光学系と同軸に且つ光学系の周囲に配置
されていること、 が好ましい。また、本発明のボトル・キャップ組立体の
検査方法では、写し取った画像データから、ボトルの巻
締角度確認マーク及びキャップの巻締角度確認マークを
キャップを中心とした極座標に読みとり、必要により展
開してそれらの位置を検出し、ボトルの巻締角度確認マ
ークとキャップの巻締角度確認マークとの角度乃至展開
距離を算出し、この角度乃至展開距離により巻締状態の
良否を判定することが好ましい。本発明によればまた、
ボトルの巻締角度確認マークと、キャップの巻締角度確
認マークとの位置関係を検出することにより、ボトルと
キャップとの巻締状態を検出する検査装置において、ボ
トル・キャップ組立体の垂直中心軸の上方にこれと光軸
が一致するように配置された光学系レンズと、この光学
系レンズを介してボトルの巻締角度確認マークとキャッ
プの巻締角度確認マークとを同時に写し取る単一のカメ
ラと、前記確認マーク乃至その近傍を照明するための照
明装置と、カメラで写し取った画像データからボトルの
巻締角度確認マーク及びキャップの巻締角度確認マーク
をキャップを中心とした極座標に読み取り、必要により
展開してそれらの位置を検出し、ボトルの巻締角度確認
マークとキャップの巻締角度確認マークとの角度乃至展
開距離を算出し、この角度乃至展開距離により巻締状態
の良否を判定する画像処理装置とからなることを特徴と
するボトル・キャップ組立体の検査装置が提供される。
【0010】
【発明の実施形態】本発明は、ボトルの巻締角度確認マ
ークと、キャップの巻締角度確認マークとの位置関係を
検出することにより、ボトルとキャップとの巻締状態を
検出する検査方法および装置に関するが、ボトル・キャ
ップ組立体の軸上方に光学系レンズと前記確認マーク撮
像のためのカメラとを、前記組立体の垂直中心軸と光学
系の光軸とが一致するように配置すると共に、前記確認
マーク乃至その近傍を照明するための照明装置を配置し
たこと、及びこれによりボトルの巻締角度確認マーク
と、キャップの巻締角度確認マークとを単一のカメラに
しかも同時に写し取ることが可能であり、更にはキャッ
プ外周縁よりも径方向で内方に位置する、ボトルの巻締
確認マークであっても同様に写し取ることが顕著な特徴
である。
【0011】本発明では、ボトル・キャップ組立体の軸
上方に光学系レンズと前記確認マーク撮像のためのカメ
ラとを前記組立体の軸を光軸として配置すると共に、前
記確認マーク乃至その近傍を照明するための照明装置を
配置したことにより、ボトルの巻締角度確認マークと、
キャップの巻締角度確認マークとを、単一のカメラにし
かも同時に写し取ることが可能となり、これによりボト
ルに対するキャップの巻締状態を容易に検査することが
できる。
【0012】キャップの旋回によりボトルへの締結が行
われるボトル・キャップ組立体においては、両者の巻締
状態を極座標に読み取り、必要により展開した上で評価
するのが正確でもあり、また取り扱いも容易である。こ
の評価の原理を説明するための図1(極座標および極座
標展開)において、ボトルの巻締角度確認マークの二次
元極座標上の位置Pは、中心からの半径rおよびx軸
からの角度θにより、 P(r、θ)、ここでx=rcosθ、y=r
sinθ で表される。また、キャップの巻締角度確認マークの二
次元極座標上の位置Qは、同様にして中心からの半径r
およびx軸からの角度θにより、Q(r
θ)、ここでx=rcosθ、y=rsinθ
で表される。
【0013】ボトルの巻締角度確認マーク基準のキャッ
プの巻締角度確認マークの巻締角度(θ)は式(1) θ=θ−θ ‥(1) で表され、また極座標展開での距離(L)は式(2) L=r(θ−θ) ‥(2) で表されることになる。かくして、本発明によれば、適
切な巻締状態になっているボトル・キャップ組立体の巻
締角度(θ、このθもボトルの巻締角度確認マーク
基準のキャップの巻締角度確認マークの角度で定められ
る)あるいは展開距離(L)を一定の許容範囲のもの
として予め設定しておくことにより、上記測定で検出さ
れる巻締角度θと設定巻締角度(θ)とを対比し、あ
るいは検出された展開距離(L)と設定展開距離
(L)とを対比することにより、巻締状態の良否を検
出することができる。なお、図1の座標の説明では、角
度の方向は反時計方向に正としているが、実際のキャッ
プの締結では、時計方向に旋回による締結が行われるの
で、座標を裏返しにして考慮すればよい。
【0014】以上の例で説明したとおり、本発明によれ
ば、光学レンズおよびカメラの光軸を、ボトル・キャッ
プ組立体の垂直軸と一致させて、ボトルの巻締角度確認
マークとキャップの巻締角度確認マークとを単一カメラ
により二次元画像内に同時に取り込むことにより、面倒
で複雑な処理を施すことなしに、しかも簡便な画像処理
により、ボトルの巻締角度確認マークとキャップの巻締
角度確認マークとの相対的位置関係を検出し、ボトルと
キャップとの巻締状態の良否を精度よく検出することが
できる。
【0015】本発明の検査方法においては、キャップの
巻締角度確認マークが頂板部の周縁部或いは頂板部とス
カート部とのコーナー部に形成されており且つボトルの
巻締角度確認マークがボトルのサポートリングに形成さ
れていることが、両巻締角度確認マークを確実に撮像
し、両巻締角度確認マークの相対的位置関係を正確に検
出する上で好ましい。すなわち、本発明の検査方法で
は、ボトル・キャップ組立体の垂直軸上方からの巻締角
度確認マークの撮影であるため、キャップの頂板部にキ
ャップの巻締角度確認マークおよびボトルのサポートリ
ングにボトルの巻締角度確認マークを設けることによ
り、マークの撮像が容易に行われることになる。また、
キャップの巻締角度確認マークとボトルの巻締角度確認
マークとは、径方向の距離の差が小さい方が角度の検出
が正確に行われるが、本発明ではキャップの巻締角度確
認マークを頂板部の周縁部或いは頂板部とスカート部と
のコーナー部に形成し且つボトルの巻締角度確認マーク
をボトルのサポートリングに形成することにより、両マ
ーク間の径方向の距離差を小さくして、精度の高い角度
の検出が可能となる。
【0016】本発明の検査方法においては、キャップの
径よりも大きな径を有する平凸レンズ或いはメニスカス
凸レンズを用いることが、キャップの巻締角度確認マー
クのみならず、ボトルの巻締角度確認マークをも鮮明に
写し取るために好ましい。ボトルの巻締角度確認マーク
は、このマークを設けるサポートリングのサイズ(径)
により、(a)キャップの最外周部よりも径方向外側に
位置する場合、(b)キャップの最外周部に重なってい
る場合、(c)キャップの最外周部よりも径方向内側に
位置する場合等の様々な場合があり得る。これらのボト
ル巻締角度確認マークの状態の内、上記(b)および
(c)の場合には、幾何学的には軸上方からはボトル巻
締角度確認マークを検出することは不可能に近い。
【0017】本発明では、キャップの径よりも大きな径
を有する平凸レンズ或いはメニスカス凸レンズを用いる
ことにより、上記(b)および(c)の場合であって
も、ボトル巻締角度確認マークから斜め上方且つ外方に
でる光をレンズ内に取り込み、屈折させることにより、
明確なボトル巻締角度確認マークの像を形成させること
が可能となる。また、ボトル巻締角度確認マークから取
り込む光線の面積を広げることができるので、ボトル巻
締角度確認マークの像の濃度およびコントラストを高め
ることが可能となる。
【0018】また、ボトルの巻締角度確認マークとキャ
ップの巻締角度確認マークとの間には、キャップハイト
に相当する高さの違いがあるが、本発明によれば、ボト
ルの巻締角度確認マークも、キャップの巻締角度確認マ
ークも、共に二次元の画像内に写し取ることができるの
で、両者の位置関係の検出が正確にしかも容易に行われ
るという利点がある。
【0019】本発明ではまた、キャップの巻締角度確認
マークとボトルの巻締角度確認マークとをこれらが共に
レンズの被写界深度(焦点深度とも呼ぶ)内にある条件
で撮像することが好ましい。レンズには、焦点を合わせ
る距離を次第に遠方にしていくと、ある距離になると無
限遠まで焦点が合うようになり、この距離を過焦点距離
と呼び、過焦点距離(f)は、レンズの焦点距離を
f、レンズのFナンバー(絞り)をF、許容ぼけをAと
して表して、下記式(3) で表される。許容ぼけ(A)としては一般に0.033
の値が採用されている。一方、被写界深度とはある距離
に焦点を合わせたときその距離にある被写体が鮮明に写
るだけではなく、被写体の前後もある範囲は鮮明に写る
範囲をいい、被写界深度の近い限界(近点、d)およ
び被写界深度の遠い限界(遠点、d)は、焦点を合わ
せた距離(d)および過焦点距離(f)に関して、
下記式(5)および(6)で与えられる。 かくして、本発明によれば、レンズの焦点距離f、レン
ズのFナンバー(絞り)Fを選択し、且つ焦点を合わせ
る距離dを選ぶことにより、キャップの巻締角度確
認マークとボトルの巻締角度確認マークとをレンズの被
写界深度内に入るようにすることができる。
【0020】本発明では、照明装置を光学系と同軸に且
つ光学系の周囲に配置することが好ましい。上記照明装
置の配置により、光学レンズ、したがってカメラに入射
する光量を増大させ、コントラストのあるボトルおよび
キャップの巻締角度確認マーク像を撮像することが可能
となる。
【0021】また、本発明のボトル・キャップ組立体の
検査方法では、写し取った画像データから、ボトルの巻
締角度確認マーク及びキャップの巻締角度確認マークを
キャップの垂直中心軸を中心とした極座標に展開してそ
れらの位置を検出し、ボトルの巻締角度確認マークとキ
ャップの巻締角度確認マークとの角度乃至距離を算出
し、この角度乃至距離により巻締状態の良否を判定する
ことが好ましい。この検出手段を用いることにより、図
1に説明した原理により巻締状態の検出が精度よくしか
も容易に行われることになる。
【0022】
【実施例】本発明を添付図面に示す次の例により説明す
る。図2は本発明に用いるキャップの一例を、右半分を
側面図で、左半分を側断面図で示す図であり、図3は図
2のキャップの上面図であり、図4は図2のキャップが
締結されるボトル首部の一例の部分側面図であり、図5
はボトル・キャップ組立体の一例の配置を上方から見た
部分拡大図であり、図6はボトル・キャップ組立体の他
の一例の配置を上方から見た部分拡大図であり、図7は
本発明の検出方法に用いる装置の配置図であり、図8は
図7の要部の拡大図であり、図9は本発明の検出方法の
フローチャートである。
【0023】本発明の巻締状態の検出方法は、首部外周
にネジ部とサポートリングとを備え且つサポートリング
に巻締角度確認マークが形成されているボトルと、頂板
部と内周面にネジ部を有するスカート部とを備え且つ頂
板部の周縁部或いは頂板部とスカート部とのコーナー部
に巻締角度確認マークが形成されているキャップとの組
立体に適用することが好ましい。
【0024】本発明方法を適用するボトル・キャップ組
立体の一例を図2、図3および図4に基づいて説明する
が、本発明は勿論これらの例に限定されるものではな
い。全体を1で表すキャップは、頂板部2及び頂板部2
の周縁に位置するコーナー部3を介して垂下するスカー
ト部4から成っており、スカート部4の下端には、タン
パーエビデント(TE)バンド5が弱化部6を介して設
けられている。キャップ頂板部2の内面には、ライナー
材7が形成され、ライナー材の外周凸部がボトル口部外
面と接触し、容器の密封性を高めるように設けられてい
る。また、スカート部4の外面には把持しやすいように
ローレット溝8が設けられ、内面にはボトル口部に設け
られたネジと螺合するネジ部9が形成されている。更
に、TEバンド5の内面には、後述するボトル部のビー
ドと係合してTEバンドを固定するためのフラップ片1
0が設けられている。
【0025】一方、本発明に用いるボトルは、図4に示
すとおり、ボトル首部20を備えており、図示していな
いが、通常のボトルと同様に、肩部、胴部、および底部
に一体に接続されている。首部20の外面側には、キャ
ップと螺合してボトルを密封するためのネジ部21が形
成されており、ネジ部21の下方にはキャップのTEバ
ンド5のフラップ片10と係合する段差部22が形成さ
れている。また段差部22の下側には充填や密封の際ボ
トルを保持するためのサポートリング23が形成されて
いる。このサポートリング23は、キャップ1或いはT
Eバンドの下端の最も大きい外径部分にほぼ匹敵するか
或いはそれよりも大きい外径を有している。
【0026】キャップの頂板部2の周縁部或いはコーナ
ー部3(図3に示す例では頂板部2の周縁部)に巻締角
度確認マーク11が設けられ、一方ボトルのサポートリ
ング23の上面或いは外周部に巻締角度確認マーク24
が設けられている。これらの巻締角度確認マーク11、
24は、巻締角度の検出が容易になるように、種々の位
置に配置することができる。例えば、図2および3に示
す例では、スカート部4内面に設けられたネジ部の始端
位置、すなわちボトルとの螺合開始位置12に対応す
る、キャップ頂板部周縁部に巻締角度確認位置11が設
けられている。一方、ボトル首部20に設けられたネジ
部21の始端位置、すなわちキャップとの螺合開始位置
25に対応する、サポートリング23の外周部に巻締め
角度確認マーク24が設けられている。更に、キャップ
及びボトルに、それぞれ設けられた巻締角度確認マーク
11及び24によって形成される巻締角度を容易に測定
するために、必ずしも必要でないが、図5に示すよう
に、キャップ頂板部2中心に中心検出用の補助マーク1
3を設けてもよい。これにより、ボトル・キャップ組立
体の巻締角度は巻締角度確認マーク11,補助マーク1
3,巻締角度確認マーク24によって容易に測定するこ
とができる。
【0027】図5は、本発明のボトル・キャップ組立体
の一例において、キャップ及びボトルが組み合わされた
状態を上方から見た部分拡大平面図である。キャップ1
は、図の矢印Xの方向に回転することにより巻き締めら
れる。この態様においては、ボトルのサポートリング2
3に設けられた巻締角度確認マーク24は、キャップの
確実な巻締めを保証し得る最低限の位置であり、キャッ
プの頂板部の周縁部に設けられた巻締角度確認マーク1
1がこの巻締角度確認マーク24を超えて所定の範囲内
に巻締められていれば、ボトル・キャップ組立体の締結
状態は何ら問題がないことを示している。この態様にお
いては、既に指摘したとおり、キャップ頂板部中央に補
助マーク13が設けられており、ボトルの巻締角度確認
マーク24,補助マーク13,キャップの巻締角度確認
マーク11で形成される角度αによって巻締状態の確認
ができる。
【0028】本発明のボトル・キャップ組立体におい
て、キャップ及びボトルに設けられる巻締角度確認マー
クの関係が示す正常巻締め位置は、前述した態様に限定
されず、種々の態様を採用することができる。例えば、
図6に示すように、ボトルの巻締角度確認マーク24が
ネジ部の螺合開始位置(図4に示す25の部位)に対応
した位置に設けられ、キャップの巻締角度確認マーク1
1もネジ部の始端位置(図2に示す12の部位)に対応
する位置に設けられ、この巻締角度確認マーク24を基
準に、キャップの巻締角度確認マーク11の位置によっ
て、キャップがどれだけ巻締められたか一目でわかるよ
うにしたものでもよい。すなわち図6では、矢印Y−Y
の範囲における角βが巻締角度であり、巻締め状態にお
いて、この角度βが何度の範囲であれば巻締角度が適正
であるかを予め定めておくことにより、ボトル・キャッ
プ組立体の締結状態がわかる。また図5及び図6に示し
た以外にも、ボトル・キャップ組立体が巻締められた状
態で、キャップとボトルの巻締角度確認マークがほぼ同
じ位置にくるように設定しても勿論よい。
【0029】本発明の検査方法を適用するボトル・キャ
ップ組立体は、上述した特徴を有する限り、種々のボト
ル及びキャップに用いることができる。ボトルとして
は、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂から成る
延伸ブローボトルや、射出成形等によるボトル等に好適
に用いることができるが、勿論、ガラス製ボトルにも適
用することができる。またキャップとしては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、塩化ビ
ニル樹脂等の合成樹脂を圧縮成形、射出成形等して得ら
れるキャップの他、アルミニウム等の金属製のキャップ
でもよい。更に、キャップ下端には、TEバンドが弱化
部を介して一体に設けられているキャップであることが
好ましいが、巻締め後シュリンクフィルムで覆うような
場合には、TEバンドのないキャップにも適用すること
が可能である。
【0030】本発明の検査方法に用いる装置の配置を示
す図7および図8において、ボトル・キャップ組立体3
0の垂直軸上方に、光学系レンズ40と前記確認マーク
11、24撮像のためのカメラ50とを前記組立体の垂
直軸と光学系の光軸とが一致するように配置すると共
に、前記確認マーク乃至その近傍を照明するための照明
装置60を配置する。
【0031】より詳細には、筒状のフード51の下端部
は開口しており、その内部にはCCD撮像素子を備えた
カメラ50が収納されている。このフード51の開口部
中心にはレンズ40が設けられ、レンズ40の周囲には
環状の照明装置60が配置される。更に、カメラ50か
らケーブル52を介して送られる画像データを処理する
ための画像処理装置(画像処理コンピュータ)70およ
び画像データおよび検査結果を表示するためのモニター
75が配置される。
【0032】図に示した具体例では、レンズ40はキャ
ップの径よりも大きい径を有する平凸レンズであり、キ
ャップの径の約3倍程度の径を有しており、平凸レンズ
の平らな面がボトル・キャップ組立体の側に面していい
る。平凸レンズの径はキャップの径の約2乃至4倍の径
を有しているのが適当である。平凸レンズの代わりにメ
ニスカス凸レンズを用いて、ボトル巻締角度確認マーク
からの集光力をより高めることもできる。
【0033】照明装置60で照明されたキャップの巻締
角度確認マーク11およびボトルの巻締角度確認マーク
24は、レンズ40により、カメラ50のCCD素子上
に結像する。すなわち、既に指摘したとおり、ボトル・
キャップ組立体30、レンズ40およびカメラ50は、
相対的に上方に位置するキャップ巻締角度確認マーク1
1も相対的に下方に位置するボトル巻締角度確認マーク
24も共に、被写界深度内にあるため、カメラ50のC
CD素子上には、ボトルの巻締角度確認マークの像と、
キャップの巻締角度確認マークの像とが鮮明に形成され
る。
【0034】ボトル・キャップ組立体の巻締角度の検査
は、画像処理装置(画像処理コンピュータ)70とカメ
ラ50との間で、図9に示すフローチャートに基づいて
行われる。まず、検査装置の運転信号を検出し、この運
転信号を検出した後、カメラ50からのボトル・キャッ
プ組立体の検出信号を待つ。この検出信号があり次第、
カメラ50による画像データが画像処理装置(画像処理
コンピュータ)70に取り入れられる。この画像データ
に基づいて、ボトル・キャップ組立体の中心が検出され
る。この中心の検出は、キャップ頂板部2中心に設けら
れた補助マーク13(図5)によって行ってもよいし、
また補助マークがない場合にはキャップ頂板部2の円周
から芯出しを行ってもよい。中心の検出が行われた後、
二次元座標上の画像データを図1に関して説明したよう
な極座標に展開し、キャップ巻締角度確認マークとボト
ル巻締角度確認マークとを検出する。極座標上で検出さ
れたキャップ巻締角度確認マーク位置とボトル巻締角度
確認マーク位置とから、直ちに両者の角度(θ)あるい
は距離(L)が算出され、測定で検出される巻締角度θ
と設定巻締角度(θ)とを対比し、あるいは検出され
た距離(L)と設定距離(L)とを対比することによ
り、巻締状態の良否を検出する。すなわち、角度あるい
は距離が範囲外であれば、不良を表示し、範囲内であれ
ば、次の測定に戻る。
【0035】本発明において、ボトルおよびキャップに
設ける巻締角度確認マークは、カメラによる撮像および
画像処理により明確で鮮明な像となるようにサイズおよ
び形状を定める。キャップのマークは、一般に径が0.
5乃至1.5mm程度の円形の凹部として設けるのがマ
ークの認識の点で好ましく、また、ボトルのマークは、
幅が1.0乃至4.5mmの溝として設けるのがマーク
の認識の点で好ましい。ボトルのマーク形状は平行な幅
の溝、三角形の溝、台形の溝などの任意の形状であって
よい。また、キャップは一般に不透明であるのでマーク
の認識が容易であるが、ボトルの場合もボトル首部が熱
処理により白化したものでは、マークの検出が透明なも
のに比して一層容易である。更に、透明なボトル首部の
場合には、ボトルのマークとしての溝の表面を粗面化す
ることによって、マークの認識を容易に行えるので好ま
しい。
【0036】
【発明の効果】本発明では、ボトル・キャップ組立体の
軸上方に光学系レンズと前記確認マーク撮像のためのカ
メラとを前記組立体の軸を光軸として配置すると共に、
前記確認マーク乃至その近傍を照明するための照明装置
を配置したことにより、ボトルの巻締角度確認マーク
と、キャップの巻締角度確認マークとを、単一のカメラ
にしかも同時に写し取ることが可能となる。また、ボト
ルの巻締角度確認マークとキャップの巻締角度確認マー
クとの間には、キャップハイトに相当する高さの違いが
あるが、本発明によれば、ボトルの巻締角度確認マーク
も、キャップの巻締角度確認マークも、共に二次元の画
像内に写し取ることができるので、両者の位置関係の検
出が正確にしかも容易に行われるという利点がある。特
に、光学レンズとして、キャップの径よりも大きな径を
有する平凸レンズ或いはメニスカス凸レンズを用いるこ
とにより、ボトルの巻締角度確認マークが、(a)キャ
ップの最外周部よりも径方向外側に位置する場合は勿論
のこと、(b)キャップの最外周部に重なっている場
合、(c)キャップの最外周部よりも径方向内側に位置
する場合にも、明確なボトル巻締角度確認マークの像を
形成させることが可能となり、ボトル巻締角度確認マー
クの像の濃度およびコントラストを高めることが可能と
なる。更に、本発明のボトル・キャップ組立体の検査方
法では、写し取った画像データから、ボトルの巻締角度
確認マーク及びキャップの巻締角度確認マークをキャッ
プの垂直中心軸を中心とした極座標に展開してそれらの
位置を検出し、ボトルの巻締角度確認マークとキャップ
の巻締角度確認マークとの角度乃至距離を算出し、この
角度乃至距離により巻締状態の良否を判定することによ
り、巻締状態の検出が精度よくしかも容易に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】巻締角度の検出の原理を説明するための説明図
である。
【図2】本発明に用いるキャップの一例を、右半分を側
面図で、左半分を側断面図で示す図である。
【図3】図2のキャップの上面図である。
【図4】図2のキャップが締結されるボトル首部の一例
の部分側面図である。
【図5】ボトル・キャップ組立体の一例の配置を上方か
ら見た部分拡大図である。
【図6】ボトル・キャップ組立体の他の一例の配置を上
方から見た部分拡大図である。
【図7】本発明の検出方法に用いる装置の配置図であ
る。
【図8】図7の要部の拡大図である。
【図9】本発明の検出方法のフローチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06T 1/00 400 G06T 1/00 400D (72)発明者 吉川 幸男 神奈川県座間市相武台2丁目215番地 日 本電産トーソク株式会社内 (72)発明者 農宗 千典 神奈川県横浜市港区下永谷2丁目27番4− 605号 有限会社コア・ラボ内 Fターム(参考) 2F065 AA03 AA20 AA21 AA39 BB08 BB27 CC00 FF04 JJ03 JJ09 LL04 LL30 QQ00 RR06 UU07 3E080 AA07 EE01 5B047 AA11 BB06 BC05 5B057 AA02 BA02 CA12 CA16 DA03 DB02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボトルの巻締角度確認マークと、キャッ
    プの巻締角度確認マークとの位置関係を検出することに
    より、ボトルとキャップとの巻締状態を検出する検査方
    法において、ボトル・キャップ組立体の軸上方に光学系
    レンズと前記確認マーク撮像のためのカメラとを、前記
    組立体の垂直中心軸と光学系の光軸とが一致するように
    配置すると共に、前記確認マーク乃至その近傍を照明す
    るための照明装置を配置し、ボトルの巻締角度確認マー
    クと、キャップの巻締角度確認マークとを単一のカメラ
    にしかも同時に写し取ることを特徴とするボトル・キャ
    ップ組立体の検査方法。
  2. 【請求項2】 キャップの巻締角度確認マークが頂板部
    の周縁部或いは頂板部とスカート部とのコーナー部に形
    成されており且つボトルの巻締角度確認マークがボトル
    のサポートリングに形成されていることを特徴とする請
    求項1記載のボトル・キャップ組立体の検査方法。
  3. 【請求項3】 光学系レンズがキャップの径よりも大き
    な径を有する平凸レンズ或いはメニスカス凸レンズであ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載のボトル・
    キャップ組立体の検査方法。
  4. 【請求項4】 キャップの巻締角度確認マークとボトル
    の巻締角度確認マークとをこれらが共にレンズの被写界
    深度内にある条件で撮像することを特徴とする請求項1
    乃至3の何れかに記載のまたは2に記載のボトル・キャ
    ップ組立体の検査方法。
  5. 【請求項5】 照明装置が光学系と同軸に且つ光学系の
    周囲に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4
    の何れかに記載のボトル・キャップ組立体の検査方法。
  6. 【請求項6】 写し取った画像データから、ボトルの巻
    締角度確認マーク及びキャップの巻締角度確認マークを
    キャップを中心とした極座標に読みとり、必要により展
    開してそれらの位置を検出し、ボトルの巻締角度確認マ
    ークとキャップの巻締角度確認マークとの角度乃至展開
    距離を算出し、この角度乃至展開距離により巻締状態の
    良否を判定することを特徴とする請求項1乃至4の何れ
    かに記載のボトル・キャップ組立体の検査方法。
  7. 【請求項7】 ボトルの巻締角度確認マークと、キャッ
    プの巻締角度確認マークとの位置関係を検出することに
    より、ボトルとキャップとの巻締状態を検出する検査装
    置において、ボトル・キャップ組立体の垂直中心軸の上
    方にこれと光軸が一致するように配置された光学系レン
    ズと、この光学系レンズを介してボトルの巻締角度確認
    マークとキャップの巻締角度確認マークとを同時に写し
    取る単一のカメラと、前記確認マーク乃至その近傍を照
    明するための照明装置と、カメラで写し取った画像デー
    タからボトルの巻締角度確認マーク及びキャップの巻締
    角度確認マークをキャップを中心とした極座標に読みと
    り、必要により展開してそれらの位置を検出し、ボトル
    の巻締角度確認マークとキャップの巻締角度確認マーク
    との角度乃至展開距離を算出し、この角度乃至展開距離
    により巻締状態の良否を判定する画像処理装置とからな
    ることを特徴とするボトル・キャップ組立体の検査装
    置。
  8. 【請求項8】 光学系レンズがキャップの径よりも大き
    な径を有する平凸レンズであることを特徴とする請求項
    7に記載のボトル・キャップ組立体の検査装置。
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