JP2003002067A - 自動車用グラスラン - Google Patents

自動車用グラスラン

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JP2003002067A JP2001194322A JP2001194322A JP2003002067A JP 2003002067 A JP2003002067 A JP 2003002067A JP 2001194322 A JP2001194322 A JP 2001194322A JP 2001194322 A JP2001194322 A JP 2001194322A JP 2003002067 A JP2003002067 A JP 2003002067A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サッシュ装着時における型成形部のシールリ
ップの歪みを確実に防止できるようにして、昇降ガラス
に対するシール性の向上、昇降ガラスの円滑な作動の実
現、耐久性、及び、外観品質の向上を図る。 【解決手段】 サシュ装着時における型成形部のシール
リップ15の立ち上がりを見込んで、型成形部19のシ
ールリップ15を、第1,第2押出部17,18のシー
ルリップ15よりも余分に側壁14a側に屈曲させて形
成する。側壁14aを窄まられてサッシュに装着すると
きに、押出部17,18のシールリップ15が外周側に
変位すると、型成形部19のシールリップ15はシーリ
ップ15全体の周長を維持するように立ち上がるが、こ
のとき型成形部19におけるシールリップ15の傾斜角
度と、グラスラン本体14底面からシールリップ15先
端迄の距離が第1,第2押出部17,18におけるもの
と等しくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のドアサッ
シュ等のサッシュ部分に取付けられて、昇降ガラスの端
縁をシールする自動車用グラスランに関する。
【0002】
【従来の技術】図8〜図10に示すように、自動車のド
アサッシュ1には昇降ガラス2の端縁をシールするため
にゴム材料等から成るグラスラン3が装着されている。
このグラスラン3は、ドアサッシュ1のサッシュ溝に係
合される断面略コ字状のグラスラン本体4と、このグラ
スラン本体4の車内側と車外側の各側壁4a,4bの先
端部から底壁4c方向に延出して昇降ガラス2の端縁に
密接するインナリップ5とアウタリップ6を備えてい
る。そして、グラスラン3は、ドアサッシュ1のルーフ
部に沿う水平辺(一辺)に装着される第1押出部7と、
ドアサッシュ1の後部垂立辺(他辺)に装着される第2
押出部8とがコーナの型成形部9において一体に結合さ
れている。
【0003】また、グラスラン3は、図9,図10に示
すようにその両側壁4a,4bがドアサッシュの両側壁
に対し開口部側に向かってハの字状に開くように形成さ
れており、サッシュ装着時にその側壁4a,4bがサッ
シュの側壁に倣うように所定角度θ窄められ、それによ
ってインナリップ5とアウタリップ6の先端部がグラス
ラン本体4内で寄せ合わせられるようになっている。そ
して、サッシュ装着時にグラスラン3の側壁4a,4b
が窄められると、側壁4a,4bの水平辺側(第1押出
部7側)の倒れ変形領域と後部垂立辺側(第2押出部8
側)の倒れ変形領域が交差する型成形部9内の倒れ境界
線k部分を中心としてグラスラン3の一辺と他辺の側面
視角度がαだけ押し開かれることとなるため、グラスラ
ン3は、予めサッシュ装着時のα分の押し開きを見込ん
でドアサッシュの側面視角度よりもα分小さい側面視角
度に形成されている。
【0004】尚、この関連技術は、例えば、特開平9−
315161号公報等に示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この従来のグラスラン
3は、インナリップ5,アウタリップ6(以下、「シー
ルリップ5,シールリップ6」と呼ぶ。)とも第1,第
2押出部7,8から型成形部9にかけて同サイズで、し
かも、側壁4a,4bに対して同傾斜角度に形成されて
いる。したがって、サッシュ装着時に、図11に示すよ
うに(図11には、一方のシールリップ5のみ図示して
いるが、他方のシールリップ6側も同様となってい
る。)第1押出部7と第2押出部8の側壁4a(4b)
の開きをθ分窄めたときに、各押出部7,8のシールリ
ップ5(6)の先端部がグラスラン3の外周側に変位す
ると、型成形部9のシールリップ5(6)が押出部7,
8方向に引っ張られて側壁4a(4b)に対する傾斜角
度を増すように立ち上がり、昇降ガラスに対するシール
リップ5(6)の接触面がその部分で歪んでしまう。
【0006】即ち、各押出部7,8のシールリップ5
(6)の先端部がグラスラン3の外周側に変位した場合
には、型成形部9のうちの押出部7,8との接合部の近
傍では、シールリップ5(6)の先端部が押出部7,8
のシールリップ5(6)に追従して外周側に変位しよう
とするものの、このときシールリップ5(6)の先端部
の周長は殆ど伸びることがないため、型成形部9では、
図12,図13に示すように、シールリップ5(6)の
先端部がサッシュ装着前の位置L0よりも外周側には変位
することができず、その結果、型成形部9のシールリッ
プ5(6)が先端部の周長を維持し得るように立ち上が
ってしまうと共に、シールリップ5(6)の先端部がグ
ラスラン本体4の底面から離れてしまう。尚、同図中
5’は、サッシュ装着状態における押出部7,8のシー
ルリップを示し、L1は、シールリップ5’の先端位置を
示す。
【0007】また、上記従来のグラスラン3の場合、水
平辺側の側壁4a(4b)の倒れ変形領域と垂立辺側の
側壁4a(4b)の倒れ変形領域が交差する型成形部9
内の倒れ境界線kの位置においては、図14に示すよう
に、水平辺側の側壁4a(4b)と垂立辺側の側壁4a
(4b)が斜めに交わって形成されることから、この部
分の肉厚t2が側壁4a(4b)の他の部分の肉厚t1
比較して厚くなる。このため、サッシュ装着時にグラス
ラン3の側壁4a(4b)全体を倒れ変形させようとし
たときに、この境界線k付近がどうしてもフラットに変
形しにくくなり、このことが原因して境界線k付近のシ
ールリップ5(6)に歪みが生じ易くなると共に、型成
形部9の側壁4a(4b)がサッシュ1の側壁内面に確
実に密着しなくなり、サッシュ1との間に図15に示す
ような隙間dができ易くなる。
【0008】したがって、上記従来のグラスラン3は、
これらのことが原因して型成形部9のシールリップ5
(6)に部分的な歪みが生じ易くなり、この歪みが生じ
ると、シールリップ5(6)の先端の通り線がサッシュ
のコーナ付近で部分的に落ち込み、或は、撓んで外観品
質が低下すると共に、昇降ガラスに対するシール性も低
下してしまい、また、シールリップ5(6)の面圧が型
成形部9で局部的に増大することにより、昇降ガラスの
円滑な昇降作動が阻害されると共に、シールリップ5
(6)に塗布された滑剤も部分的に剥がれ易くなる。
【0009】そこで本発明は、サッシュ装着時における
型成形部のシールリップの歪みを確実に防止できるよう
にして、昇降ガラスに対するシール性の向上、昇降ガラ
スの円滑な作動の実現、耐久性、及び、外観品質の向上
を図ることのできる自動車用グラスランを提供しようと
するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ための手段として、請求項1に記載の発明は、サッシュ
に装着される断面略コ字状のグラスラン本体と、このグ
ラスラン本体の両側の側壁先端からグラスラン本体の底
面に向かって延出して、昇降ガラスの端縁に密接するシ
ールリップとを備え、前記グラスラン本体の両側壁がサ
ッシュの両側壁に対して開口部側にハの字状に開いて形
成された自動車用グラスランであって、サッシュの長手
方向の一辺に沿って装着される第1押出部とサッシュの
他辺に沿って装着される第2押出部とが、前記サッシュ
の一辺と他辺の成す側面視角度よりも小さい側面視角度
となるようにコーナの型成形部で一体に連結され、サッ
シュに対するグラスラン本体の装着によりグラスラン本
体の両側壁の開きが窄められるのに伴なって前記型成形
部を中心として第1押出部と第2押出部の側面視角度が
サッシュの側面視角度と合致するように押し広げられる
ものにおいて、型成形部のシールリップを、そのシール
リップを支持するグラスラン本体の側壁側に、第1,第
2押出部のシールリップよりも余分に屈曲させて形成
し、型成形部のシールリップがサッシュ装着時に立ち上
がったときの同シールリップの傾斜角度、及び、グラス
ラン本体底面からシールリップ先端迄の距離が、第1,
第2押出部におけるサッシュ装着時のシールリップの傾
斜角度、及び、底面からシールリップ先端迄の距離とほ
ぼ等しくなるようにした。
【0011】この発明の場合、サッシュ装着時に第1,
第2押出部の側壁をサッシュの側壁に沿うように倒れ変
形させると、これらの押出部のシールリップの先端部が
側壁の倒れに応じて外周側に変位する。このときグラス
ラン全体でのシールリップ先端の周長は殆ど変化しない
ため、型成形部のシールリップは側壁に対する傾斜角度
を増大させるように立ち上がるが、このときの立ち上が
ったシールリップの傾斜角度は、第1,第2押出部のシ
ールリップの傾斜角度と等しくなり、また、型成形部に
おけるグラスラン本体の底面からシールリップ先端迄の
距離も、このとき第1,第2押出部におけるグラスラン
本体の底面からシールリップ先端迄の距離とほぼ等しく
なる。したがって、サッシュ装着時にはシールリップの
傾斜角度と共に、グラスラン本体の底面からシールリッ
プ先端迄の距離が全域においてほぼ等しくなる。
【0012】請求項2に記載の発明は、サッシュに装着
される断面略コ字状のグラスラン本体と、このグラスラ
ン本体の両側の側壁先端からグラスラン本体の底面に向
かって延出して、昇降ガラスの端縁に密接するシールリ
ップとを備え、前記グラスラン本体の両側壁がサッシュ
の両側壁に対して開口部側にハの字状に開いて形成され
た自動車用グラスランであって、サッシュの長手方向の
一辺に沿って装着される第1押出部とサッシュの他辺に
沿って装着される第2押出部とが、前記サッシュの一辺
と他辺の成す側面視角度よりも小さい側面視角度となる
ようにコーナの型成形部で一体に連結され、サッシュに
対するグラスラン本体の装着によりグラスラン本体の両
側壁の開きが窄められるのに伴なって前記型成形部を中
心として第1押出部と第2押出部の側面視角度がサッシ
ュの側面視角度と合致するように押し広げられるものに
おいて、型成形部の側壁のうちの、少なくとも外周側の
コーナ部と内周側のコーナ部を結ぶ領域に、グラスラン
本体の側壁の一般部よりも薄い薄肉部を設けるようにし
た。
【0013】この発明の場合、サッシュ装着時に第1,
第2押出部の側壁をサッシュの側壁に沿うように倒れ変
形させると、型成形部のコーナ部付近を中心に側面視角
度が押し開かれるが、このとき少なくとも型成形部の側
壁のうちの、外側のコーナ部と内側のコーナ部を結ぶ領
域が薄肉部とされているため、側壁の倒れ境界線付近は
ほぼフラットになるまで変形する。したがって、シール
リップの倒れ境界線付近はシールリップの他の部分とほ
ぼ同姿勢に維持されることとなる。
【0014】この場合、型成形部の側壁のうちの、グラ
スラン本体の内側に臨む面に凹部を設けることによって
前記薄肉部を形成することが好ましく、また、薄肉部
は、型成形部の側壁のうちの、第1押出部の延出方向か
ら第2押出部の延出方向に向きが変わる領域全体に形成
するようにしても良い。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施形態を図1
〜図7に基づいて説明する。
【0016】この実施形態のグラスラン10は、図2に
示すように、自動車のドアサッシュ1のルーフ部に沿う
水平辺11から後部垂立辺12にかけて装着されるもの
である。ドアサッュ1は断面略コ字状のサッシュ溝13
を備え、このサッシュ溝13内にグラスラン10が装着
されるようになっている。
【0017】グラスラン10は、サッシュ溝13内に係
合されるグラスラン本体14が断面略コ字状に形成さ
れ、このグラスラン本体14の車内側と車外側の側壁1
4a,14bの先端部にグラスラン本体14の底壁14
c方向に延出して、昇降ガラスの車内側と車外側の各端
縁に密接するシールリップ15,16が設けられてい
る。そして、グラスラン本体14の両側壁14a,14
bは、図1に示すように、ドアサッシュ1の両側壁1
a,1bに対して開口部側にハの字状に所定角度θ開い
て形成されており、ドアサッシュ1への装着時にその開
き分θが窄められ、それによってドアサッシュ1の両側
壁に弾接するようになっている。
【0018】また、このグラスラン10は主要部分が基
本的に押出成形によって形成されているが、ドアサッシ
ュ10の水平辺11に装着される第1押出部17と後部
垂立辺12に装着される第2押出部18は上方のコーナ
部分において型成形によって連結されている。このコー
ナの型成形部19は第1押出部17と第2押出部18を
連続させる部分であることから、両押出部17,18と
断面のサイズや形状はほぼ同様となっているが、側壁1
4a,14bに対する各シールリップ15,16の傾斜
角度と、車内側の側壁14aの一部の断面形状等が若干
異なっている。
【0019】以下、この型成形部19について押出部1
7,18との相違部分を中心説明する。尚、図示の都合
上、図1,図3,図4等においては断面の車内側半分のみ
を示すが、車外側半分も車内側半分とほぼ同様の構造と
なっている。
【0020】このグラスラン10の場合、型成形部19
のシールリップ15(16)は、図1に示すように、そ
のシールリップ15(16)を支持する側壁14a,(1
4b)側に、第1,第2押出部17,18の対応するシー
ルリップ15(16)よりも余分に屈曲させて形成され
ている。具体的には、サッシュ装着前における型成形部
19のグラスラン本体14の底面からシールリップ15
(16)の先端までの距離n1,n2が、サッシュ装着時に
おける第1,第2押出部17,18のグラスラン本体1
4の底面からシールリップ15(16)の先端までの距
離m1,m2と略等しくなるように予め余分に屈曲させてあ
る。これは型成形部19のシールリップ15(16)が
周長を一定に維持すべくサッシュ装着時に立ち上がるこ
とを見込んでの余分な屈曲であり、この余分な屈曲を設
けたことにより、サッシュ装着時に型成形部19のシー
ルリップ15(16)の傾斜角度が第1,第2押出部1
7,18のシールリップ15(16)の傾斜角度と同角
度になると共に、グラスラン本体14の底面からシール
リップ15(16)の先端までの距離が押出部17,1
8と型成形部19でほぼ等しくなる。
【0021】即ち、今、サッシュ1への装着によって第
1,第2押出部17,18の側壁14a(14b)が図1,
図3,図4中の破線で示すようにθ分窄められたとする
と、これらの押出部17,18のシールリップ15(1
6)の先端部は外周側に変位してグラスラン本体14の
底面からの距離がm1,m2に狭められる。しかし、このと
き型成形部19においては、側壁14a,14bは同様に
θ分窄められるもののシールリップ15(16)の先端
部の周長が伸びないことからシールリップ15(16)
が立ち上がり、その結果、図5に示すようにグラスラン
本体14の底面からシールリップ15(16)の先端ま
での距離が型成形部19と押出部17,18で略等しく
なり(n1=m1,n2=m2)、シールリップ15(16)の傾
斜角度も型成形部19と押出部17,18で同角度とな
る。したがって、サッシュ装着状態においても、シール
リップ15(16)の先端の通り線は、型成形部19で
部分的に落ち込んだり、撓むことがなく、このことから
サッシュ装着状態での外観品質は確実に向上する。尚、
図中L1は、サッシュ装着時における押出部17,18の
シールリップ15の先端位置を示す。
【0022】また、このグラスラン10においては、型
成形部19の車内側の側壁14aのうちの、第1押出部
17の延出方向から第2押出部18の延出方向に向きが
変わる領域全体(図1中のクロスハッチングが入れてあ
る領域)に他の部分の肉厚t1よりも肉厚が薄い薄肉部2
0が設けられている。この薄肉部20は、図6,図7に
示すように側壁14aのうちの、グラスラン本体14の
内側に臨む面に凹部が設けられることによって形成され
ている。そして、この薄肉部20は肉厚が最大になる倒
れ境界線k部分でも肉厚t2'が押出部17,18の側壁の
肉厚t1よりも薄くなっている。尚、薄肉部20の倒れ境
界線k以外の部分の肉厚は図中t1'で示す。
【0023】したがって、このグラスラン10はサッシ
ュ装着時の両側壁14a,14bのθ分の倒れに伴って側
面視角度が図1に示すように広がろうとするが、このと
き型成形部19の側壁14aは、図7中の鎖線で示すよ
うに薄肉部20で確実にフラットに変形することから、
倒れ境界線k部分で屈曲することなく、ドアサッシュ1
の側壁1a内面に確実に密着する。この結果、グラスラ
ン10の側面視角度は所望通りに確実にαだけ押し開か
れることとなり、シールリップ15の倒れ境界線k近傍
部分はシールリップ15の他の部分と同姿勢、同高さに
維持されるようになる。よって、このグラスラン10に
おいては、型成形部19の側壁14a外面とドアサッシ
ュ1の側壁1a内面の間に隙間(従来の技術を示す図1
5の符号d参照。)ができなくなると共に、シールリッ
プ15に撓み変形が生じなくなり、これらのことから外
観品質が大幅に向上する。また、この実施形態のグラス
ラン10においては、側壁14aのうちのグラスラン本
体14の内側に臨む面に凹部を設けることによって薄肉
部20を形成するようにしているため、側壁14aの外
側面をドアサッシュ1の側壁内面により隙間無く確実に
密着させることができる。尚、側壁14aの外側面に凹
部を設けた場合には、その凹部の淵の段差によって側壁
14a内面側に波打ちが生じ、その波打ちがシールリッ
プ15の先端部の歪みを引き起こす可能性があるが、こ
の実施形態においてはこのような不具合も生じない。
【0024】この実施形態のグラスラン10は以上のよ
うな構成であるため、サッシュ装置時に型成形部19の
シールリップ15(16)部分に歪みが生じることがな
く、押出部17,18から型成形部19にかけてシール
リップ15(16)を均一に昇降ガラスに密接させるこ
とができる。このため、昇降ガラスに対するシール性を
確実に向上させることができると共に、昇降ガラスの昇
降動作を円滑にすることができる。また、これらのこと
に加えシールリップ15(16)が昇降ガラスに部分的
に強接触することがないため、シールリップ15(1
6)に塗布した滑剤が経時使用によって剥離しにくく、
シールリップ15(16)の耐久性も向上する。
【0025】尚、図1中のa1,a2は、型成形部19の成
形時に金型に挿入される第1押出部17と第2押出部1
8の端末領域を示すが、この領域においてはシールリッ
プ15(16)が型成形部19のシールリップ姿勢(余
分に屈曲した姿勢)に緩やかに変化するように金型によ
って癖付けされている。
【0026】また、以上では、グラスラン10の型成形
部19の両シールリップ15,16を同様に屈曲させた
最も好ましい実施形態について説明したが、片側のシー
ルリップ15または16のみを屈曲させてもある程度の
効果は得ることができる。
【0027】さらに、以上の実施形態においては、薄肉
部20を車内側の側壁14aのみに形成したが、この薄
肉部20は車外側の側壁14bにのみ形成することも、
両側壁14a,14bに形成することも可能である。ま
た、薄肉部20の形成範囲は側壁14a(14b)の外側
コーナと内側コーナを結ぶ範囲を含むものであれば前述
の効果は得ることができるが、上記の実施形態のように
第1押出部17の延出方向から第2押出部18の延出方
向に向きが変わる領域全体に薄肉部20を設けるように
した場合には、サッシュ装着時における側面視角度の開
きをより容易にすることができるうえ、この開きによる
応力集中をも緩和することができる。
【0028】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載の発明は、
サッシュ装着時の型成形部のシールリップの立ち上がり
を見込んで、型成形部のシールリップを、第1,第2押
出部のシールリップよりも余分に屈曲させておくように
したことから、サッシュ装着時における型成形部のシー
ルリップの歪みを確実に無くすことができる。したがっ
て、この発明によれば、昇降ガラスに対するシールリッ
プの当りを均一にしてシール性を向上させることができ
ると共に、昇降ガラスの円滑な作動を得ることができ、
しかも、シールリップに塗布した滑剤が昇降ガラスとの
接触によって剥がれにくいことから、シールリップの耐
久性をも向上させることができる。また、シールリップ
の先端の通り線の落ち込みも生じないため、外観品質も
向上する。
【0029】また、請求項2に記載の発明は、サッシュ
装着時に、グラスランの側面視角度が押し開かれるとき
に、型成形部の側壁のうちの、外周側のコーナ部と内周
側のコーナ部を結ぶ領域が薄肉部によって容易にフラッ
トに変形できるようになっているため、型成形部のシー
ルリップのうちの、側壁の倒れ境界線付近に歪みが生じ
るのを確実に防止することができる。また、この発明の
場合、型成形部の側壁のうちの、倒れ境界線付近がサッ
シュ装着時にフラットになるため、型成形部の側壁をサ
ッシュの側壁に確実に密着させて隙間を無くし、車両の
外観品質を向上させることができる。さらに、サッシュ
装着時には薄肉部を中心としてグラスランの側面視角度
を容易に押し開くことができるため、サッシュに対する
装着作業性をも向上させることができるという利点もあ
る。
【0030】また、請求項3に記載の発明は、型成形部
の側壁のうちの、グラスラン本体の内側に臨む面に凹部
を設けることによって薄肉部を形成し、型成形部の側壁
の外面をサッシュの内面に確実に密着できるようにした
ため、両者の間の隙間をより完全に無くして車両の外観
品質を向上させることができると共に、型成形部のシー
ルリップの姿勢を安定させてシールリップの歪みをより
少なくすることができる。
【0031】さらに、請求項4に記載の発明は、薄肉部
を、型成形部の側壁のうちの、第1押出部の延出方向か
ら第2押出部の延出方向に向きが変わる領域全体に形成
したたため、グラスランの側面視角度の開きを容易にし
てサッシュに対する組付作業性をより向上させることが
できると共に、薄肉部の応力集中をも少なくすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すグラスランの部分破
断斜視図。
【図2】同実施形態を示す、ドアサッシュに装着された
グラスランの斜視図。
【図3】同実施形態を示す図1のA−A線に沿う断面
図。
【図4】同実施形態を示す図1のB−B線に沿う断面
図。
【図5】同実施形態を示す、グラスランの部分破断斜視
図。
【図6】同実施形態を示す図1のC−C線に沿う断面
図。
【図7】同実施形態を示す図1のD−D線に沿う断面
図。
【図8】車両のドアの側面図。
【図9】従来の技術を示すグラスランの図8のE部に相
当する部分の斜視図。
【図10】同技術を示すグラスランの断面図。
【図11】同技術を示すグラスランの部分破断斜視図。
【図12】同技術を示す図11のG−G線に沿う断面
図。
【図13】同技術を示す図11のH−H線に沿う断面
図。
【図14】同技術を示す図11のF−F線に沿う断面
図。
【図15】同技術を示す斜視図。
【符号の説明】
1…ドアサッシュ(サッシュ) 10…グラスラン 14…グラスラン本体 14a,14b…側壁 14c…底壁 15,16…シールリップ 17…第1押出部 18…第2押出部 19…型成形部 20…薄肉部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サッシュに装着される断面略コ字状のグ
    ラスラン本体と、このグラスラン本体の両側の側壁先端
    からグラスラン本体の底面に向かって延出して、昇降ガ
    ラスの端縁に密接するシールリップとを備え、前記グラ
    スラン本体の両側壁がサッシュの両側壁に対して開口部
    側にハの字状に開いて形成された自動車用グラスランで
    あって、 サッシュの長手方向の一辺に沿って装着される第1押出
    部とサッシュの他辺に沿って装着される第2押出部と
    が、前記サッシュの一辺と他辺の成す側面視角度よりも
    小さい側面視角度となるようにコーナの型成形部で一体
    に連結され、サッシュに対するグラスラン本体の装着に
    よりグラスラン本体の両側壁の開きが窄められるのに伴
    なって前記型成形部を中心として第1押出部と第2押出
    部の側面視角度がサッシュの側面視角度と合致するよう
    に押し広げられるものにおいて、 型成形部のシールリップを、そのシールリップを支持す
    るグラスラン本体の側壁側に、第1,第2押出部のシー
    ルリップよりも余分に屈曲させて形成し、型成形部のシ
    ールリップがサッシュ装着時に立ち上がったときの同シ
    ールリップの傾斜角度、及び、グラスラン本体底面から
    シールリップ先端迄の距離が、第1,第2押出部におけ
    るサッシュ装着時のシールリップの傾斜角度、及び、底
    面からシールリップ先端迄の距離とほぼ等しくなるよう
    にしたことを特徴とする自動車用グラスラン。
  2. 【請求項2】 サッシュに装着される断面略コ字状のグ
    ラスラン本体と、このグラスラン本体の両側の側壁先端
    からグラスラン本体の底面に向かって延出して、昇降ガ
    ラスの端縁に密接するシールリップとを備え、前記グラ
    スラン本体の両側壁がサッシュの両側壁に対して開口部
    側にハの字状に開いて形成された自動車用グラスランで
    あって、 サッシュの長手方向の一辺に沿って装着される第1押出
    部とサッシュの他辺に沿って装着される第2押出部と
    が、前記サッシュの一辺と他辺の成す側面視角度よりも
    小さい側面視角度となるようにコーナの型成形部で一体
    に連結され、サッシュに対するグラスラン本体の装着に
    よりグラスラン本体の両側壁の開きが窄められるのに伴
    なって前記型成形部を中心として第1押出部と第2押出
    部の側面視角度がサッシュの側面視角度と合致するよう
    に押し広げられるものにおいて、 型成形部の側壁のうちの、少なくとも外周側のコーナ部
    と内周側のコーナ部を結ぶ領域に、グラスラン本体の側
    壁の一般部よりも薄い薄肉部を設けたことを特徴とする
    自動車用グラスラン。
  3. 【請求項3】 型成形部の側壁のうちの、グラスラン本
    体の内側に臨む面に凹部を設けることによって前記薄肉
    部を形成したことを特徴とする請求項2に記載の自動車
    用グラスラン。
  4. 【請求項4】 前記薄肉部を、型成形部の側壁のうち
    の、第1押出部の延出方向から第2押出部の延出方向に
    向きが変わる領域全体に形成したことを特徴とする請求
    項2または3に記載の自動車用グラスラン。
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