JP2003001431A - プロペラシャフトのバランスウエイト取付方法 - Google Patents

プロペラシャフトのバランスウエイト取付方法

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JP2003001431A
JP2003001431A JP2001184739A JP2001184739A JP2003001431A JP 2003001431 A JP2003001431 A JP 2003001431A JP 2001184739 A JP2001184739 A JP 2001184739A JP 2001184739 A JP2001184739 A JP 2001184739A JP 2003001431 A JP2003001431 A JP 2003001431A
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rivet
alloy
balance weight
propeller shaft
projection welding
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JP2001184739A
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English (en)
Inventor
Katsu Kichikoushin
克 吉高神
Hiroyuki Isohata
博行 五十畑
Takafumi Funatsu
孝文 船津
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Osaki Electric Co Ltd
Jidosha Buhin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Osaki Electric Co Ltd
Jidosha Buhin Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Al合金リベットを用いて、Al合金製のプ
ロペラシャフトに、高い継手強度で鋼製のバランスウエ
イトを取付ける方法を提供するものである。 【解決手段】 本発明に係るプロペラシャフトのバラン
スウエイト取付方法は、鋼製のバランスウエイト22に
リベット挿入穴23を形成し、そのリベット挿入穴23
に、本体中央部に軸方向の貫通穴13を有するAl合金
リベット10を挿入し、Al合金リベット10の先端部
分16をAl合金製のプロペラシャフト21に当接させ
ると共に、Al合金リベット10のヘッド部17に、表
面にガス逃がし溝18を有するプロジェクション溶接機
の電極19bを当接させた後、プロペラシャフト21と
バランスウエイト22を重ね方向に加圧・通電してプロ
ジェクション溶接を行うものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロペラシャフト
のバランスウエイト取付方法に係り、特に、Al合金リ
ベットを用い、Al合金製のプロペラシャフトに、鋼製
のバランスウエイトをプロジェクション溶接により取付
ける方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両などの駆動軸であるプロペラシャフ
トは高速で回転されるため、そのアンバランスに起因す
る振動やこもり音を無視することができない。これらの
振動や騒音を低減するには、これらの生成要因を極力取
り除くと共に、アンバランスを極力小さくする必要があ
る。
【0003】アンバランスを小さくするのは、つりあい
試験機などを用いてアンバランスの修正を行うことでな
され、一般的に、プロペラシャフトに修正重量(バラン
スウエイト)を溶接等により固定することによりなされ
る。
【0004】近年の車両等においては、より一層の軽量
化が図られていることから、プロペラシャフトも軽量化
対象の部材の一つであり、例えば、プロペラシャフトを
Al合金で構成することでプロペラシャフトの軽量化を
図っている。
【0005】Al合金製のプロペラシャフトに取付ける
バランスウエイトとしては、重量効率という観点から、
鋼製のものが用いられる。ここで、Al合金製のプロペ
ラシャフトに鋼製のバランスウエイトを取付ける際、両
者の材質が異なるために溶接性がそれぞれ異なる。この
ため、Al合金製プロペラシャフトに鋼製バランスウエ
イトを強固に溶着させることは困難である。
【0006】そこで、Al合金製プロペラシャフトに鋼
製バランスウエイトを取付ける場合、プロジェクション
溶接(突起溶接)法が用いられている。プロジェクショ
ン溶接は、少なくとも一方の溶接部材の被溶接部に形成
した突起により点溶接を行うと同時に、溶接部材を重ね
方向に加圧・通電して突起を押し潰すことによってなさ
れるが、Al合金製プロペラシャフトと鋼製バランスウ
エイトをプロジェクション溶接する際は、プロペラシャ
フト及び/又はバランスウエイトの被溶接部に突起を形
成する代わりに、Al合金リベットが用いられる。
【0007】具体的には、バランスウエイトにリベット
挿入穴を形成し、そのリベット挿入穴にAl合金リベッ
トを挿入し、Al合金リベットの先端部分をプロペラシ
ャフトに当接させると共に、Al合金リベットのヘッド
部にプロジェクション溶接機の電極を当接させ、プロペ
ラシャフトとバランスウエイトを重ね方向に加圧・通電
して溶接を行っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、プロペラシ
ャフトに対して、Al合金リベットを用いてバランスウ
エイトの溶接を行うと、溶接の際のジュール熱によって
リベットは溶融するものの、バランスウエイトは溶融し
ない。リベットが溶融すると、バランスウエイトとプロ
ペラシャフトの間の溶接部(溶融アルミ部)でガスが発
生するが、バランスウエイトのリベット挿入穴とリベッ
トの間の隙間は非常に狭いことから、その発生したガス
は、その隙間から外部(外気中)へ放出されることがな
く、溶接部内に閉じこめられてしまう。その結果、溶接
部にブローホールが生じたり又は溶融したアルミが溶接
部の周囲に飛散(拡散)したりするおそれがあり、延い
ては、溶接が不完全となり、継手強度が低下するという
問題があった。
【0009】以上の事情を考慮して創案された本発明の
一の目的は、Al合金材と金属材を高い継手強度でプロ
ジェクション溶接可能なAl合金リベットを提供するこ
とにある。
【0010】また、本発明の他の目的は、Al合金リベ
ットを用いて、Al合金材と金属材を高い継手強度で溶
接可能なプロジェクション溶接方法を提供することにあ
る。
【0011】さらに、本発明の他の目的は、Al合金リ
ベットを用いて、Al合金製のプロペラシャフトに、高
い継手強度で鋼製のバランスウエイトを取付ける方法を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく本
発明に係るAl合金リベットは、Al合金材と金属材を
プロジェクション溶接する際に用いるAl合金リベット
において、Al合金リベットの本体中央部に、軸方向に
延びる貫通穴を形成したものである。
【0013】以上の構成によれば、リベットの両端部が
貫通穴を介して連通しているため、プロジェクション溶
接する際に発生するガスを、この貫通穴を介してリベッ
ト内部から外部へと放出することができる。
【0014】また、本発明に係るAl合金リベットを用
いたプロジェクション溶接方法は、Al合金リベットを
用い、Al合金材と金属材をプロジェクション溶接する
方法において、上記金属材にリベット挿入穴を形成し、
そのリベット挿入穴に、本体中央部に軸方向に延びる貫
通穴を有するAl合金リベットを挿入し、Al合金リベ
ットの先端部分を上記Al合金材に当接させると共に、
Al合金リベットのヘッド部に、表面にガス逃がし溝を
有するプロジェクション溶接機の電極を当接させた後、
各合金・金属材を重ね方向に加圧・通電して異種金属間
のプロジェクション溶接を行うものである。
【0015】以上の方法によれば、Al合金材と金属材
を高い継手強度でプロジェクション溶接することができ
る。
【0016】さらに、本発明に係るプロペラシャフトの
バランスウエイト取付方法は、Al合金リベットを用
い、Al合金製のプロペラシャフトに、鋼製のバランス
ウエイトをプロジェクション溶接により取付ける方法に
おいて、上記バランスウエイトにリベット挿入穴を形成
し、そのリベット挿入穴に、本体中央部に軸方向に延び
る貫通穴を有するAl合金リベットを挿入し、Al合金
リベットの先端部分を上記プロペラシャフトに当接させ
ると共に、Al合金リベットのヘッド部に、表面にガス
逃がし溝を有するプロジェクション溶接機の電極を当接
させた後、プロペラシャフトとバランスウエイトを重ね
方向に加圧・通電してプロジェクション溶接を行うもの
である。
【0017】以上の方法によれば、Al合金製のプロペ
ラシャフトに、高い継手強度で鋼製のバランスウエイト
を取付けることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適一実施の形態
を添付図面に基いて説明する。
【0019】本実施の形態に係るAl合金リベットの正
面図及び平面図を図1に示す。ここで、図1(a)はリ
ベットの正面図、図1(b)は図1(a)の1b−1b
線矢視図である。
【0020】図1(a),図1(b)に示すように、本
実施の形態に係るAl合金リベット10は、Al合金板
材(Al合金材)11と金属板材(金属材)12をプロ
ジェクション溶接する際に用いられるものであって、A
l合金リベット10の本体中央部に、軸方向(図1
(a)中では上下方向)に延びる貫通穴13を形成した
ものである。
【0021】Al合金リベット10の構成材としては、
特に限定するものではないが、溶接を行うAl合金板材
11と組成が近い及び/又は溶接性が良好なAl合金材
が好ましく、例えばAl−Mg系のAl合金展伸材など
が挙げられる。
【0022】また、リベット10の外径及び長さは特に
限定するものではなく、金属板材12の板厚及び/又は
プロジェクション溶接機の溶接能に応じて適宜選択され
るものである。
【0023】さらに、貫通穴13の径は特に限定するも
のではないが、リベット10の外径の1/10〜3/1
0が好ましく、特に好ましくは2/10前後であり、例
えばリベット10の外径がφ9.0〜10.0mmの場
合、貫通穴13の径は1.8〜2.0mmが特に好まし
い。
【0024】次に、本発明の他の実施の形態であるAl
合金リベットを用いたプロジェクション溶接方法を図1
に基いて説明する。
【0025】本実施の形態に係るAl合金リベットを用
いたプロジェクション溶接方法は、先ず、金属板材12
にリベット挿入穴15を形成し、そのリベット挿入穴1
5に、前述したAl合金リベット10を挿入する。
【0026】次に、一方の面(図1(a)中では上面)
に面状の電極19aが当接されたAl合金板材11の他
方の面(図1(a)中では下面)に、金属板材12のリ
ベット挿入穴15に挿入されたリベット10の先端部分
16を当接させる。また、リベット10のヘッド部17
に、表面にガス逃がし溝18を有する面状の電極19b
を当接させる。この当接の際、リベット10の貫通穴1
3の位置とガス逃がし溝18の位置が重なるように、電
極19bの表面の所定位置に溝を形成しておく。
【0027】その後、電極19a,19bを介して各板
材11,12を重ね方向(図1(a)中では上下方向)
に予圧して、リベット10の先端部分16及びヘッド部
17を一部圧潰する。
【0028】しかる後、電極19a,19b間において
通電を行い、ジュール熱によってAl合金板材11及び
リベット10を加熱する。これによって、リベット10
が全体に亘って略均一に溶融し、このリベット10の溶
融によって板材11,12がプロジェクション溶接され
る。
【0029】ここで、電極19bに形成されるガス逃が
し溝18の形状は、後述するようにガスを外気中に放散
・排出することが可能であれば特に限定するものではな
く、直線状、曲線状、放射線状、又はそれらを複合させ
たもののいずれであってもよい。
【0030】また、ガス逃がし溝18の幅は、リベット
10の外径未満であれば特に限定するものではないが、
貫通穴13の内径と略同じ位の幅が好ましい。
【0031】さらに、ガス逃がし溝18の深さは、あま
り浅すぎるとガス放散・排出効果が低下するため、溝深
さと略同じ位の幅が好ましい。
【0032】また、プロジェクション溶接を行うプロジ
ェクション溶接機としては、慣用のプロジェクション溶
接機が全て適用可能であり、例えばインバータ直流溶接
機などが挙げられる。
【0033】さらに、プロジェクション溶接の際の加圧
・通電条件は、板材11,12及びリベット10の、材
質及びサイズ等に応じて適宜選択されるものであり、特
に限定するものではない。
【0034】次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0035】本実施の形態のプロジェクション溶接方法
においては、電極19a,19b間で通電を行い、ジュ
ール熱によってAl合金板材11及びリベット10を加
熱することで、リベット10が溶融される。
【0036】ここで、リベット10が溶融すると、Al
の溶融部分でガスが発生する。従来においては、中実の
リベットを用いていたため、リベット内部のガス、特に
板材11,12間におけるリベット内部で発生したガス
を、外部(外気中)に放出することができなかった。そ
のため、溶接部にブローホールが生じたり又は溶融した
アルミが溶接部の周囲に飛散(拡散)したりするおそれ
があった。
【0037】これに対して、本実施の形態においては、
軸方向に延びる貫通穴13を有するリベット10を用い
ているため、板材11,12間の部分も含むリベット1
0の内部で発生したガスは、この貫通穴13を介して電
極19b側へ放出することができる。また、電極19b
側へ放出されたガスは、電極19bに形成されたガス逃
がし溝18を介して外気へと放散・排出される。
【0038】その結果、溶接に伴って生じたガスは、板
材11,12間におけるリベット10の内部で発生した
ガスも含めて略完全に外気中に放散・排出されるため、
溶接部にブローホールが生じたり、溶融したアルミが溶
接部の周囲に飛散(拡散)するおそれがなくなる。よっ
て、板材11,12間の溶接部では、板材11,12が
均一に、かつ、確実に溶接されることから、溶接部の継
手強度の向上を図ることができる(高い継手強度の溶接
部を得ることができる)。
【0039】また、溶接部において、ブローホールが生
じたり、溶融したアルミが溶接部の周囲に飛散(拡散)
するおそれがないことから、各溶接部の溶接状態が略均
一となる。その結果、各溶接部の継手強度が略一定とな
り(継手強度のばらつきが少なくなり)、延いては板材
11,12をプロジェクション溶接してなる最終製品の
信頼性が向上する。
【0040】次に、本発明の他の実施の形態であるプロ
ペラシャフトのバランスウエイト取付方法を添付図面に
基いて説明する。
【0041】本実施の形態に係るプロペラシャフトのバ
ランスウエイト取付方法におけるプロジェクション溶接
機の概略図を図2に示す。ここで、図2(a)はプロジ
ェクション溶接機のプロペラシャフト軸方向の正面図、
図2(b)は図2(a)の2b−2b線矢視図である。
尚、図1と同様の部材には同じ符号を付している。
【0042】図2(a),(b)に示すように、本実施
の形態に係るプロペラシャフトのバランスウエイト取付
方法は、先ず、鋼製のバランスウエイト22にリベット
挿入穴23を形成し、そのリベット挿入穴23に、前述
したAl合金リベット10を挿入する。ここで、バラン
スウエイト22は、円筒状のリング部材を周方向に多分
割してなるものである。
【0043】次に、円筒状のAl合金製のプロペラシャ
フト21のある部分(図2(a)中では下部)に、バラ
ンスウエイト22のリベット挿入穴23に挿入されたリ
ベット10の先端部分16(図1参照)を当接させる。
また、リベット10のヘッド部17に、表面にガス逃が
し溝18を有する面状の電極19bを当接させる。この
当接の際、リベット10の貫通穴13の位置とガス逃が
し溝18の位置が重なるように、電極19bの表面の所
定位置に溝を形成しておく。さらに、プロペラシャフト
21及びバランスウエイト22を挟んで電極19bと対
向する位置に、電極19aが設けられる。
【0044】その後、電極19a,19bを介してプロ
ペラシャフト21及びバランスウエイト22を重ね方向
(図2(a)中では上下方向)に予圧して、リベット1
0の先端部分16及びヘッド部17を一部圧潰する。
【0045】しかる後、電極19a,19b間で通電を
行い、ジュール熱によってプロペラシャフト21及びリ
ベット10を加熱する。これによって、リベット10が
全体に亘って略均一に溶融し、リベット10が溶融する
ことでプロペラシャフト21及びバランスウエイト22
がプロジェクション溶接される。
【0046】ここで、プロペラシャフト21を構成する
Al合金材としては、展伸性が良好で、かつ、高強度の
Al合金であれば特に限定するものではなく、慣用のプ
ロペラシャフト用アルミ合金材であれば全て適用可能で
あり、例えばAl−Mg−Si系のAl合金展伸材など
が挙げられる。
【0047】また、バランスウエイト22を構成する鋼
材としては、薄板加工性が良好な鋼材であれば特に限定
するものではない。
【0048】さらに、プロペラシャフト21の軸方向
(図2(a)中では図面と垂直な方向)におけるバラン
スウエイト22の取付け位置は、前述したアンバランス
を解消することができる位置であれば特に限定するもの
ではなく、プロペラシャフト21の端部、端部近傍、又
は中央部という具合に、いずれの場所であってもよい。
【0049】また、プロペラシャフト21に取付けるバ
ランスウエイト22の個数および1個のバランスウエイ
ト22を取付ける際に用いるリベット10の個数は、1
個以上であれば特に限定するものではないが、複数個の
リベット10を用いて取付を行う場合は、全てのリベッ
ト10を同時にプロジェクション溶接できるように電極
19bの面形状を調整することが好ましい。
【0050】さらに、電極19a,19bの各当接部
は、プロペラシャフト21及びバランスウエイト22と
密着するようにそれぞれの曲率に応じて凹面状に形成さ
れていることが好ましい。
【0051】また、加圧側の電極(図2(a)中では電
極19a)のヘッド部分は、当接部材(図2(a)中で
はプロペラシャフト21)に対する電極の追従性を良好
にすべくフォロースプリングを内蔵していることが好ま
しい。
【0052】次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0053】本実施の形態のプロペラシャフトのバラン
スウエイト取付方法においては、軸方向に延びる貫通穴
13を有するリベット10を用いてプロペラシャフト2
1とバランスウエイト22のプロジェクション溶接を行
っているため、上述した前実施の形態のプロジェクショ
ン溶接方法と同様の理由により、プロペラシャフト21
とバランスウエイト22間の溶接部の継手強度の向上を
図ることができる(高い継手強度の溶接部を得ることが
できる)。また、プロペラシャフト21とバランスウエ
イト22間の各溶接部の継手強度が略一定となり(継手
強度のばらつきが少なくなり)、延いてはバランスウエ
イト22がプロジェクション溶接されたプロペラシャフ
ト21の信頼性が向上する。
【0054】
【実施例】一般用リムド鋼板で構成され、かつ、外径1
10.6mm、高さ20mm、肉厚4.5mmの円筒状
のリング部材を周方向に多分割した後、径9.4mmの
リベット挿入穴を形成して重量約40gのバランスウエ
イトを作製する。また、A6061(JIS規格)で構
成され、かつ、所定長さ、外径101.6mm、肉厚
2.3mmのプロペラシャフトを作製する。
【0055】また、A5052(JIS規格)で構成さ
れ、かつ、高さ9.3mm、ヘッド部(大径部)の外径
9.4mm、先端部分(小径部)の外径9.1mmのA
l合金リベットを20個作製する。この内、10個のリ
ベットにおいては、図1に示したように、その軸心部に
軸方向に延びる内径1.8mmの貫通穴を形成し(試験
片1〜10)、残りのリベットはそのままとした(試験
片11〜20)。
【0056】次に、これらの試験片1〜10のリベット
及び試験片11〜20のリベットを用いて、プロペラシ
ャフトとバランスウエイトのプロジェクション溶接を行
う。プロジェクション溶接は、図2に示したプロジェク
ション溶接機を用いて行い、その溶接条件は、直流電流
値30.8〜32.0(kA)、通電時間10(サイク
ル)、加圧力約31.4〜41.2MPa(320〜4
20(kgf))とした。
【0057】次に、プロジェクション溶接によってバラ
ンスウエイトが溶接された各プロペラシャフトに対して
剥離試験を行い、プロペラシャフトに対するバランスウ
エイトの継手強度、即ちプロペラシャフトからバランス
ウエイトを剥離するために要する剥離強度の評価を行っ
た。
【0058】図3に示すように、試験片番号が1〜10
のリベット、即ち図1に示したリベットを用いた場合、
剥離強度(剥離荷重)は、約71.0〜98.9MPa
(724〜1009kgf/cm2)であり、その平均値(約8
2.5MPa(841kgf/cm2))は、純Alリベッ
トの剪断強度と略変わらない値であった。これに対し
て、図4に示すように、試験片番号が11〜20のリベ
ット、即ち従来のリベットを用いた場合、剥離荷重は、
約23.3〜81.4MPa(237〜831kgf/c
2)であり、その平均値(約47.7MPa(486kg
f/cm2))は、純Alリベットの剪断強度の略半分
の値であった。
【0059】これらの結果、試験片番号が1〜10のリ
ベット、即ち図1に示した本実施の形態のリベットを用
いてプロペラシャフトとバランスウエイトのプロジェク
ション溶接を行うことで、従来のリベットを用いる場合
と比較して、溶接部の継手強度が1.7倍以上に向上す
ると共に、各溶接部の剥離荷重のばらつきが少なくなる
ことが確認された。
【0060】以上、本発明の実施の形態は、上述した実
施の形態に限定されるものではなく、他にも種々のもの
が想定されることは言うまでもない。
【0061】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、本体中央
部に軸方向に延びる貫通穴を有するAl合金リベットを
用いて、Al合金製のプロペラシャフトに、鋼製のバラ
ンスウエイトをプロジェクション溶接することで、Al
合金製のプロペラシャフトに、高い継手強度で鋼製のバ
ランスウエイトを取付けることができるという優れた効
果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るAl合金リベットの正面図
及び平面図である。
【図2】本発明の他の実施の形態に係るプロペラシャフ
トのバランスウエイト取付方法におけるプロジェクショ
ン溶接機の概略図である。
【図3】実施例における試験片1〜10のリベットを用
いた場合のバランスウエイトの剥離荷重を示す図であ
る。
【図4】実施例における試験片11〜20のリベットを
用いた場合のバランスウエイトの剥離荷重を示す図であ
る。
【符号の説明】
10 Al合金リベット 11 Al合金板材(Al合金材) 12 金属板材(金属材) 13 貫通穴 15 リベット挿入穴(金属板材) 16 先端部分(Al合金リベット) 17 ヘッド部(Al合金リベット) 18 ガス逃がし溝 19a,19b 電極 21 プロペラシャフト 22 バランスウエイト 23 リベット挿入穴(バランスウエイト)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16C 3/02 F16C 3/02 F16F 15/34 B23K 103:20 // B23K 103:20 F16F 15/32 D (72)発明者 五十畑 博行 神奈川県海老名市上郷4丁目3番1号 自 動車部品工業株式会社内 (72)発明者 船津 孝文 大阪府大阪市淀川区田川2丁目1番11号 大阪電気株式会社内 Fターム(参考) 3J001 FA18 GA02 GA03 GB01 GC09 GC12 HA02 HA07 KA02 KA21 KB01 3J033 AA10 AB04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al合金材と金属材をプロジェクション
    溶接する際に用いるAl合金リベットにおいて、Al合
    金リベットの本体中央部に、軸方向に延びる貫通穴を形
    成したことを特徴とするAl合金リベット。
  2. 【請求項2】 Al合金リベットを用い、Al合金材と
    金属材をプロジェクション溶接する方法において、上記
    金属材にリベット挿入穴を形成し、そのリベット挿入穴
    に、本体中央部に軸方向に延びる貫通穴を有するAl合
    金リベットを挿入し、Al合金リベットの先端部分を上
    記Al合金材に当接させると共に、Al合金リベットの
    ヘッド部に、表面にガス逃がし溝を有するプロジェクシ
    ョン溶接機の電極を当接させた後、各合金・金属材を重
    ね方向に加圧・通電して異種金属間のプロジェクション
    溶接を行うことを特徴とするAl合金リベットを用いた
    プロジェクション溶接方法。
  3. 【請求項3】 Al合金リベットのヘッド部と電極を当
    接させる際、リベットの貫通穴とガス逃がし溝が重なる
    ように、電極の表面の所定位置に溝を形成しておく請求
    項2記載のAl合金リベットを用いたプロジェクション
    溶接方法。
  4. 【請求項4】 Al合金リベットを用い、Al合金のプ
    ロペラシャフトに、鋼製のバランスウエイトをプロジェ
    クション溶接により取付ける方法において、上記バラン
    スウエイトにリベット挿入穴を形成し、そのリベット挿
    入穴に、本体中央部に軸方向に延びる貫通穴を有するA
    l合金リベットを挿入し、Al合金リベットの先端部分
    を上記プロペラシャフトに当接させると共に、Al合金
    リベットのヘッド部に、表面にガス逃がし溝を有するプ
    ロジェクション溶接機の電極を当接させた後、プロペラ
    シャフトとバランスウエイトを重ね方向に加圧・通電し
    てプロジェクション溶接を行うことを特徴とするプロペ
    ラシャフトのバランスウエイト取付方法。
  5. 【請求項5】 Al合金リベットのヘッド部と電極を当
    接させる際、リベットの貫通穴とガス逃がし溝が重なる
    ように、電極の表面の所定位置に溝を形成しておく請求
    項4記載のプロペラシャフトのバランスウエイト取付方
    法。
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