JP2003001026A - 機能性フィルタ濾材およびそれを用いた機能性フィルタ - Google Patents
機能性フィルタ濾材およびそれを用いた機能性フィルタInfo
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Abstract
るフィルタ濾材を提供する。 【解決手段】 ヨウ素をよう化カリウム水溶液に溶解
し、この溶液を活性炭に噴霧することにより、三ヨウ化
カリウムを前記活性炭の細孔内に吸着させる。この活性
炭と、反応性乳化剤を用いた共重合体水性エマルジョン
(バインダ)とを水に分散させる。この分散液に不織布
を浸漬した後乾燥させることにより、不織布に前記活性
炭を付着させる。活性炭内の三ヨウ化カリウムに空気中
などの水が接触するとヨウ素が溶出し、これにより抗菌
性が発揮される。
Description
使用されるフィルタ濾材に関し、詳しくは、集塵機能に
加え、抗菌性および消臭性等の機能をも有するフィルタ
濾材に関する。
場のクリーンルーム等では、無塵かつ無菌に近い状態ま
で空気を清浄化する必要があり、このため、超高性能フ
ィルタ(ULPA)、高性能フィルタ(HEPA)若し
くは中性能フィルタが使用されている。このようなフィ
ルタにおいて、捕捉した微生物を殺菌するために、フィ
ルタ濾材に抗菌性が要求されている。
練り込んだ合成繊維により形成された不織布が使用され
ている。前記無機抗菌剤としては、金属イオン(銀、
銅、亜鉛等)をイオン交換によりゼオライトに担持させ
たものがある。また、フィルタの高性能化に伴って繊維
径が微細になると、無機抗菌剤の繊維への練り込みが困
難になるため、湿式不織布にバインダで無機抗菌剤を付
着したものも使用されている。しかし、無機抗菌剤は、
これに微生物が接触しないと殺菌作用を発現しないた
め、この種フィルタでは、捕捉された微生物が濾材内で
増殖し、再飛散して、二次汚染を生じるおそれがあっ
た。
着した不織布を中性能フィルタの少なくとも一方の面に
貼着した抗菌フィルタ(以下「ヨウ素樹脂フィルタ」と
いう)が提案されている(特開平11−276823号
公報)。このヨウ素樹脂フィルタに使用されるヨウ素化
殺菌剤樹脂は、ヨウ素イオンをイオン交換により樹脂に
担持させたものである(同公報第3頁第3欄第9行目か
ら第12行目)。しかし、イオン結合の熱力学的安定性
は低いため、ヨウ素化殺菌剤樹脂は熱に対し不安定であ
る。このため、不織布の製造工程の熱風乾燥や加熱加圧
において、ヨウ素化殺菌剤樹脂の抗菌性が失活し、不織
布に抗菌性を付与することは困難であった。また、ヨウ
素化殺菌剤樹脂をビーズ状に加工し、これをバインダに
より不織布表面に接着する技術が、同公報に記載されて
いる(同公報第4頁第5欄第24行目から第27行
目)。しかし、このような形態では、不織布内部まで抗
菌性を付与することは不可能であり、不織布内部で菌が
増殖するおそれがある。また、不織布と中性能フィルタ
を組み合わせることは、その構造が複雑となり、構成部
品数および組立工数等が増え、コスト的にも好ましくな
い。
事情に鑑みなされたもので、構成が単純で、しかもその
全体において抗菌性が発揮されるフィルタ濾材の提供
を、その目的とする。
に、本発明の機能性フィルタ濾材は、集塵機能を有する
多孔質シートの表面および細孔内に多孔質粒子が付着し
たフィルタ濾材であって、前記多孔質粒子の表面および
細孔内には電解質錯体が付着しており、前記電解質錯体
は、水分に触れるとヨウ素を溶出するという構成を有す
る。
まま不織布等に殺菌作用を維持して固着することは困難
である。そこで、本発明者らは、ヨウ素の担持方法を中
心に一連の研究を重ねた。その過程で、ヨウ素がKIの
ような水溶性ヨウ化物の溶液に容易に溶けて溶媒分子と
結合した電解質錯体となることに着目した。そして、こ
の溶液の前記錯体を高い吸着能を示す活性炭等の多孔質
粒子に付着させ、この多孔質粒子を多孔性シートの表面
および細孔内に付着させるという着想を得て、これに基
づきさらに検討を重ねた。その結果、加熱工程を経て
も、ヨウ素の殺菌作用を維持した状態で、不織布やウレ
タンフォーム等の多孔質シートにヨウ素を担持できるこ
とを見出し、本発明に到達したのである。
の内部にまでヨウ素による抗菌作用を発揮できるため、
捕捉した微生物の増殖を防止することができる。また、
本発明のフィルタ濾材は、多孔質シート自身が、集塵機
能と抗菌機能を有するため、構造が簡単であり、コスト
的に有利となる。また、本発明のフィルタ濾材では、ヨ
ウ素が水を媒介として微生物と接触するため、この接触
効率がよくなり抗菌性が従来より高い。なお、前記水分
は、例えば、空気中の水分などである。さらに、前記多
孔質粒子は、吸着機能を有するから、本発明のフィルタ
濾材は、消臭等の機能も備える。
質粒子は、多孔質シートの表面および細孔内にバインダ
により付着していることが好ましい。前記バインダは、
反応性乳化剤を用いて得られる共重合体水性エマルジョ
ンが好ましい。
ンフォームシートであることが好ましい。なお、本発明
のフィルタ濾材において、多孔質粒子に前記電解質錯体
が強力に吸着しているから、不織布等の製造における加
熱工程で、ヨウ素が流出することがない。
水溶液またはアルカリ土類金属ヨウ化物水溶液に、ヨウ
素を溶解して得られる物質であることが好ましく、特に
好ましくは、三ヨウ化カリウム、三ヨウ化ナトリウムで
ある。
オライト、シリカ、活性アルミナ等が好ましく、特に活
性炭が好ましいが、本発明は、これらに限定されない。
の他に、プリーツ状、ハニカム状、コルゲート状または
円筒状であってもよい。
本反発明のフィルタ濾材が、枠体内部に配置されたもの
である。この機能性フィルタは、集塵性、抗菌性および
消臭性等の機能に優れる。前記枠体は、金属製、紙製、
合成樹脂製などであってもよい。
例えば、水分に接触するとヨウ素が溶出する電解質錯体
を多孔質粒子の表面および細孔に吸着させ、この多孔質
粒子をバインダにより多孔質シートに付着することによ
り製造できる。前記多孔質粒子は、少なくともその一部
が露出しておく必要がある。
布、ウレタンフォームシートが使用できる。前記多孔質
シートの厚み、平均孔径等の諸条件は、後述のフィルタ
濾材の性能に合わせて調整する。
法、抄紙法等によりウェブを形成し、繊維間をケミカル
ボンド、サーマルボンド法等によって結合することによ
り製造できる。ケミカルボンドによるときは、繊維結合
剤をスプレー加工、含浸加工又はカレンダー加工等を適
用することができる。繊維結合剤としては、スチレン−
ブタジエンゴム(SBR),アクリロニトリル−ブタジ
エンゴム(NBR),アクリル酸エステル系樹脂、ポリ
ウレタン樹脂等を用いることができるが、発ガス性の少
ないアクリル酸エステル系樹脂が好適である。
されるものではないが、合成繊維が好ましく、特に、熱
可塑性樹脂繊維が好ましい。熱可塑性樹脂繊維を混綿す
ると、濾材としての必要な厚みをだすことができる。ま
たバインダ繊維を混綿するとプリーツ加工性を向上する
ことができる。
としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、
ポリエチレン等の化学繊維があげられ、これらは単独で
使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。前
記バインダ繊維としては、単一成分型、複合成分型(並
列型、芯鞘型)のいずれでも使用することができる。
度、厚さを適宜変更することにより、粉じん捕集率、圧
力損失及び粉じん保持容量等のフィルタ濾材性能を、所
望範囲に調整できる。以下に、各フィルタグレード毎の
不織布の条件の一例を示す。 (HEPA) 不織布構成繊維の繊維径:5〜20μm 不織布の密度:0.1〜2.0g/cm3 不織布の厚み:0.1〜1.0mm (中性能フィルタ) 不織布構成繊維の繊維径:20〜60μm 不織布の密度:0.01〜0.1g/cm3 不織布の厚み:0.1〜1.0mm
密度にした構成だけでなく、微細な塵埃を効率よく捕
集、除去するために、密度の異なる複数の層で構成した
り、または、前記多孔質粒子が付着した不織布の片面又
は両面に、密度の異なる集塵機能のみを有する不織布を
積層した構成にしてもよい。さらに、フィルタ濾材の強
度を向上するために、前述の各構成において、不織布の
外面や中間に補強用ネットを配置してもよい。
ず、フィルタ濾材としての性能を有していればよい。ウ
レタンフォームシートの平均孔径は、例えば、0.1〜
5.0mmであり、好ましくは0.5〜3.0mmであ
る。ウレタンフォームシートの厚みは、例えば、1〜2
0mmであり、好ましくは2〜10mmである。
り得られた共重合体水性エマルジョンが好ましい。この
ようなバインダは、活性炭等の多孔質粒子を多孔性シー
ト、特に不織布に付着させるために、本発明者等が特別
に開発したものである。これ以外のバインダを用いるこ
とも可能であるが、本発明者等が開発したバインダを用
いれば、より効率的に本発明の機能性フィルタ濾材を製
造できる。
乳化剤の存在下、水性媒体中で乳化重合したものや、乳
化重合以外の方法により反応性乳化剤と単量体とを重合
した共重合体を、後乳化して得られたものであってもよ
い。共重合体水性エマルジョンは、一種類で使用しても
よく、複数種類を混合したものであってもよい。また、
普通の乳化剤を併用してもよい。
例えば、スチレンスルホン酸ナトリウム等のアルケニル
ベンゼンスルホン酸塩類、アクリル酸エステルスルホン
酸塩類、メタクリル酸エステルスルホン酸塩類、ビニル
スルホン酸ナトリウム等のアルケニルスルホン酸塩類、
アリルアルキルイタコネート硫酸エステル等のイタコン
酸、フマル酸、マレイン酸骨格を有するイオン性反応性
乳化剤や、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル誘導
体、ポリオキシエチレンアルケニルフェニルエーテル誘
導体、ポリオキシプロピレンアルケニルエーテル誘導
体、ポリオキシプロピレンアルケニルフェニルエーテル
誘導体等の非イオン性界面活性剤等が挙げられる。この
なかで、混和性、貯蔵安定性の性能上、スチレンスルホ
ン酸ナトリウムが好ましい。また、反応性乳化剤と併せ
て、通常の乳化剤を使用することも可能であり、その配
合割合は、例えば、反応性乳化剤100重量部に対し、
通常の乳化剤0〜500重量部、好ましくは50〜20
0重量部である。反応性乳化剤は、独自に合成して使用
してもよいし、市販品を使用してもよい。反応性乳化剤
は、単量体に対して、例えば、0.1〜10重量%の範
囲で用いられ、好ましくは0.5〜5重量%の範囲で用
いられる。
アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸
エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸
エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メ
タクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共
重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、メチ
ルメタクリレート−ブタジエン共重合体、酢酸ビニル共
重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられ
る。接着性、耐水性等を考慮すると、アクリル酸エステ
ル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリ
ル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体が特に好
適である。
物またはアルカリ土類金属ヨウ素化物(例えば、リチウ
ム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム
等のヨウ素塩等)水溶液にヨウ素を溶解させて得られる
物質が好ましい。このような電解質錯体としては、三ヨ
ウ化カリウム、三ヨウ化ナトリウム等が好適である。
が、活性炭が特に好ましい。活性炭としては、液体窒素
温度条件下の窒素吸着によるBET比表面積が、例え
ば、300〜3000m2/g,好ましくは500〜2
000m2/gのものがあげられる。活性炭の粒子径
は、例えば、0.25mm以下、好ましくは0.01〜
0.15mmであり、活性炭の細孔径は、例えば、1.
0〜30nm(10〜300オングストローム)、好ま
しくは1.5〜5.0nm(15〜50オングストロー
ム)であり、活性炭の細孔容積は、例えば、0.1〜
1.5cm3/g,好ましくは0.2〜1.0cm3/g
であるものが好ましい。
殻等の植物系、無煙炭、石油ピッチ、コークス等の石炭
又は石炭系、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂、ポリエステル樹脂等の合成樹脂系等のものを用い
ることができるが、椰子殻炭や石炭が好適である。これ
らの活性炭原料は、例えば固定床、移動床、流動床等で
賦活化される。賦活化は、例えば水蒸気、塩素、塩化水
素、一酸化炭素、二酸化炭素、酸素等を用いるガス賦活
の他、アルカリ、酸、塩化亜鉛等を用いる薬品賦活等い
ずれのものでもよい。さらに、活性炭の形状としては、
粉末状、破砕状のものが好適である。
としては、例えば、噴霧含浸法(常温下で噴霧器、散布
器を用いて薬品を多孔質粒子に散布するか、窒素等のキ
ャリアガスを用いて噴霧する)、浸漬法(常温下で薬品
中に多孔質粒子を浸漬する)等がある。
割合は、特に制限されず、フィルタの用途などにより適
宜決定される。例えば、ヨウ素およびヨウ化カリウムの
活性炭への付着量は、活性炭無水重量当たり、ヨウ素が
1〜40重量%、好ましくは5〜30重量%、ヨウ化カ
リが1〜40重量%、好ましくは5〜30重量%であ
る。
させて水を除去した重量である。例えば、「JIS K
1474 活性炭試験方法」にある乾燥減量の測定に
おいて、115℃(±5℃)に保った恒温乾燥機中で3
時間乾燥させるとある。本発明もそのようにして乾燥さ
せて秤量したものを「活性炭無水重量」としてもよい
し、若しくは予め乾燥減量を測定し、wet品を秤量し
て、これを換算して「活性炭無水重量」としてもよい。
法としては、例えば、多孔性粒子とバインダを配合した
加工液に、多孔性シートを浸漬し、その後乾燥させる方
法がある。
は、例えば、10〜30質量%、好ましくは15〜25
質量%であり、バインダの割合は、例えば、3〜15質
量%、好ましくは5〜10質量%である。前記加工液に
は、分散剤等のその他の成分を配合してもよい。前記分
散剤としては、例えば、ポリカルボン酸高分子界面活性
剤があり、前記加工液全体に対する配合割合は、例え
ば、0.1〜2質量%、好ましくは0.1〜1質量%で
ある。前記加工液の溶媒は、例えば、水等である。ま
た、多孔性粒子の多孔性シートへの付着割合は、特に制
限されず、例えば、30〜300g/m2、好ましくは
50〜150g/m2である。
濾材が製造できるが、本発明はこの製造方法に制限され
ず、その他の方法により製造してもよい。
のグレードにより適宜決定される。以下に、各フィルタ
グレード毎に、フィルタ濾材の性能の一例を示す。 (ULPA) 粉塵捕集率 :99.999%以上 初期圧力損失:245Pa以上 (HEPA) 粉塵捕集率 :99.97%以上 初期圧力損失:150〜245Pa (中性能フィルタ) 粉塵捕集率 :65〜98% 初期圧力損失:70〜150Pa 粉塵保持容量:100〜600g/unit
フィルタ濾材を所定形状の枠体に、接着剤若しくは密閉
剤などを用いて装着することにより製造できる。フィル
タ濾材の形状は、特に制限されず、シート状、プリーツ
状、ハニカム状、コルゲート状または円筒状等であって
もよい。この抗菌フィルタは、空気清浄装置や送風機内
蔵形空気清浄機等の通風路の適所に設置することができ
る。なお、本発明の機能性フィルタは、プレフィルタと
しても使用できる。
せて説明する。
を活性炭に付着して機能性活性炭を製造し、これをバイ
ンダーで不織布に付着させた。
にヨウ化カリウム64.0gを加えたヨウ化カリウム水
溶液に、ヨウ素41.6gを溶解して電解質錯体を含む
水溶液を調製した。また、BET比表面積1540m2
/g,平均細孔径1.88nm(18.8オングストロ
ーム),細孔容積0.73cm3/g,粒子径0.05
〜0.15mmの粉末状椰子殻活性炭200gを2リッ
トル容量の回転容器に入れ、卓上ミキサーで攪拌(30
〜100rpm)しながら、先に調整した水溶液の全量
を窒素気流下で噴霧することによって機能性活性炭を得
た。
窒素ガス導入管、温度計、還流冷却器を備えた反応容器
に、イオン交換水240g、スチレンスルホン酸ナトリ
ウム(商品名スピノマーNaSS、東ソー(株)製)
1.5g、ラウリル硫酸ナトリウム1gを入れ、70℃
で加熱溶解した。容器を窒素置換した後80℃に昇温
し、その温度を維持しながら2エチルヘキシルアクリレ
ート360g、アクリロニトリル40g、スチレンモノ
マー75g、メタクリル酸10gの混和物、イオン交換
水160gにスピノマーNaSS3g、ラウリル硫酸ナ
トリウム1g、アクリルアミド6gを溶解した水溶液、
3%過硫酸カリウム水溶液70gを4時間で連続的に添
加し乳化重合を行なった後、アンモニア水で中和した。
得られた共重合体水性エマルジョンは、固形分約50
%、pH8.0、粘度約600mPa・s(25℃、3
0rpm)の乳白色エマルジョンであり、共重合体のガ
ラス転移温度(Tg)は−42℃であった。
mの熱融着性ポリエステル繊維80%と16.7dte
x×51mmのポリエステル繊維とを目付85g/m2
になるように混綿して繊維ウェブを形成した後、150
℃にてカレンダー加工を施して、厚さ0.5mmのサー
マルボンド不織布を作製した。
ド不織布を、下記配合割合で混合分散した加工剤液(濃
度30質量%)に、固形分付着量が67.3g/m2に
なるように浸漬加工した後、乾燥(100℃×10分
間)してフィルタ濾材を得た。
の6.6ナイロン繊維30%と16.7dtex×51
mmのポリエステル繊維とを混綿して目付130g/m
2の繊維ウェブを形成した。続いて、上記繊維ウェブに
繊維結合剤(アクリル酸エステル系樹脂)を固形分付着
量が100g/m2になるようにスプレー加工し、15
0℃×10分間に乾燥して厚さ13mm、総目付230
g/m2のレジンボンド不織布を作製した。このレジン
ボンド不織布を、実施例1と同様の加工剤液に、加工剤
固形分が109.4g/m2になるように浸漬加工した
後、乾燥(100℃×10分間)してフィルタ濾材を得
た。
施例2の各フィルタについて、殺菌性能の評価試験を、
湿潤環境下と室内に近い環境下で行なった。湿潤環境の
評価方法はシェークフラスコ法によった。
ねじ付フラスコに生理食塩水40mlを秤量してオート
クレーブ滅菌後、滅菌したフラスコに約5mm角に裁断
した試料A,B,C,Dを0.5g秤量して夫々投入し
た。なお、試料Aは実施例1の濾材、試料Bは実施例2
の濾材、試料Cは実施例1の加工剤液無添加の濾材(比
較例1)、試料Dは実施例2の加工剤液無添加の濾材
(比較例2)である。
菌)の懸濁液を添加し、30℃、24時間振とう培養
し、培養開始前と24時間培養後の生菌数を測定した。
この結果を下記表1に示す。
菌性能を有することが分かる。
リプチケースソイ寒天培地に35℃、24時間培養し、
滅菌生理食塩水に約109CFU/mlの濃度になるよ
うに懸濁し、これを滅菌ガーゼでろ過し、ろ液を医療用
噴霧器で空気箱中へ噴霧した。この空気を上記試料A,
B,C,D(3×12cm)に通過させて試料表面に細
菌を付着させ、温度25℃、湿度55±5%の条件下
で、1時間及び24時間保存した。
菌を、20mlのSCDLPブイヨン培地に取出し、こ
れを滅菌生理食塩水で10倍希釈液を作製し、その1m
lを標準寒天培地に混合して混釈平板培地を作製した。
そして、この培地を、35℃×48時間培養後、発生し
たコロニー数を計数し、試料A,B,C,Dの3×4c
m当たりの生菌数を算出した。その結果を下記表2に示
す。
2の濾材は、実際の使用環境下においても殺菌、滅菌効
果を十分に示すことが確認できた。この結果と前記結果
とから、本発明のフィルタ濾材は実用化に適するといえ
る。
は、簡単な構成であり、かつ全体的に抗菌性を発揮でき
る。したがって、本発明のフィルタ濾材は、捕捉した菌
が増殖することが防止でき、しかも低コストで製造可能
である。また、本発明のフィルタ濾材は、水を媒介にし
てヨウ素と微生物が接触するため、抗菌性能に優れ、し
かも脱臭等の他の機能も備える。したがって、本発明の
フィルタ濾材を用いたフィルタによれば、清浄度が高い
空気を長期間供給することが可能となる。
Claims (8)
- 【請求項1】 集塵機能を有する多孔質シートの表面お
よび細孔内に多孔質粒子が付着したフィルタ濾材であっ
て、前記多孔質粒子の表面および細孔内には電解質錯体
が付着しており、前記電解質錯体は、水分に触れるとヨ
ウ素を溶出する機能性フィルタ濾材。 - 【請求項2】 多孔質シートの表面および細孔内に、バ
インダにより多孔質粒子が付着している請求項1記載の
フィルタ濾材。 - 【請求項3】 バインダが、反応性乳化剤を用いて得ら
れる共重合体水性エマルジョンである請求項1または2
記載のフィルタ濾材。 - 【請求項4】 多孔質シートが、不織布またはウレタン
フォームシートである請求項1から3のいずれかに記載
のフィルタ濾材。 - 【請求項5】 電解質錯体が、アルカリ金属ヨウ化物水
溶液またはアルカリ土類金属ヨウ化物水溶液に、ヨウ素
を溶解して得られる物質である請求項1から4のいずれ
かに記載のフィルタ濾材。 - 【請求項6】 電解質錯体が、三ヨウ化カリウムおよび
三ヨウ化ナトリウムの少なくとも一方である請求項1か
ら5のいずれかに記載のフィルタ濾材。 - 【請求項7】 多孔質粒子が、活性炭である請求項1か
ら6のいずれかに記載のフィルタ濾材。 - 【請求項8】 請求項1から7のいずれかに記載のフィ
ルタ濾材が、枠体内部に配置された機能性フィルタ。
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