JP2003000721A - 管状器官の治療具 - Google Patents

管状器官の治療具

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JP2003000721A
JP2003000721A JP2001190997A JP2001190997A JP2003000721A JP 2003000721 A JP2003000721 A JP 2003000721A JP 2001190997 A JP2001190997 A JP 2001190997A JP 2001190997 A JP2001190997 A JP 2001190997A JP 2003000721 A JP2003000721 A JP 2003000721A
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stent
catheter
cover
flange
tubular
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JP2001190997A
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English (en)
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Hiroshi Takahashi
博 高橋
Hiroyuki Asano
寛幸 浅野
Kunio Kuwabara
邦生 桑原
Hideki Furuya
英樹 古屋
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Piolax Medical Devices Inc
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Piolax Medical Devices Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人体の管状器官の屈曲形状に適合しやすく、
かつ、患者の患部の長さに応じた最適な長さで挿入する
ことができる管状器官の治療具を提供する。 【解決手段】 この治療具は、金属線材をメッシュ状か
つ筒状に編んで形成したステントの外周又は内周を、伸
縮可能な筒状カバーで被覆してなる複数のカバー付きス
テント30a、30bを有し、これらのカバー付きステ
ント30a、30bは、その軸方向の一部を重ね合わさ
れて連結された状態で管状器官内に留置される。この治
療具は、更に上記カバー付きステント30a、30bを
収容し、前後に位置をずらして軸方向の一部が重なるよ
うに押出すことが可能な挿入具40を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば血管、尿
管、胆管、気管などの人体の管状器官に挿入、配置され
るカバー付きステントを有する管状器官の治療具に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、血管、尿管、胆管、気管などの人
体の管状器官における治療のため、カテーテルを通して
ステントを挿入し配置することが行われている。例えば
血管の狭窄部にステントを配置して拡張したり、動脈瘤
が形成された箇所にステントを配置して動脈瘤の破裂を
防止する治療方法が知られている。特に動脈瘤の治療に
おいては、ステントの外周にグラフトという織布を被覆
してなるカバー付きステントが使用されている。
【0003】従来のステントとして、例えば特開平11
−57021号には、所定本数の線条がサインカーブ状
に撚り組まれて円筒篭状の組み紐構造に形成されてお
り、その円筒篭状の組み紐構造の両末端は線条の折り返
しまたは接合によりループ構造に形成してあり、全体と
して各線条が末端のない無限ループとなっていることを
特徴とするステントが開示されている。
【0004】また、特開2000−279529号に
は、略円筒形状に形成され、生体内挿入時には外径が圧
縮され、生体内留置時には外径が拡張して元の形状に復
元する自己拡張型体腔内留置用ステントと、該ステント
の外径を圧縮させた状態で先端部内面に保持した内側シ
ースと、該内側シースを収納する外側シースと、前記ス
テントを生体内にて吐出させる吐出機構とを備える体腔
内病変部治療用器具であり、前記ステントは、側面が膜
により被覆されており、前記外側シースは、先端より前
記内側シースの先端部を吐出可能であるとともに、少な
くとも先端より若干基端側となる位置に血液流通用開口
を備えていることを特徴とする体腔内病変部治療用器具
が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらのステントにお
いては、人体の管状器官の屈曲形状にできるだけフィッ
トして挿入できる適合性や、個々の患者の患部に対して
最適な長さを有することが望まれる。しかし、患部に対
して最適な長さは実際にステントを挿入する段階になら
ないとわからないことも多いため、ステントが短すぎた
り、長すぎたりする可能性があった。
【0006】したがって、本発明の目的は、人体の管状
器官の屈曲形状に適合しやすく、かつ、個々の患者の患
部の長さに応じた最適な長さで挿入することができる管
状器官の治療具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1は、複数のカバー付きステントを、そ
の軸方向に一部を重ね合わせた状態で管状器官内に留置
することができる治療具であって、前記カバー付きステ
ントは、金属線材をメッシュ状かつ筒状に編んで形成し
たステントの外周及び/又は内周を、伸縮可能な筒状カ
バーで被覆したものからなり、これらの複数のカバー付
きステントを収容し、前後に位置をずらして軸方向の一
部が重なるように押出すことが可能な挿入具を備えてい
ることを特徴とする管状器官の治療具を提供するもので
ある。
【0008】上記発明によれば、金属線材をメッシュ状
かつ筒状に編んで形成したステントからなるので、管状
器官の屈曲形状に対して、自然に曲がって適合すること
ができる。また、ステントの外周又は内周を覆う伸縮可
能な筒状カバーを設けたので、例えば血管の動脈瘤の内
周に配置したときに、血液がステント内部を流れてその
外側の動脈瘤内に流入することを阻止することができ
る。
【0009】また、複数のカバー付きステントを挿入具
に収容し、管状器官内に挿入した後、上記カバー付きス
テントを前後に位置をずらして軸方向の一部が重なるよ
うに押出すことにより、個々の患者の患部に適合する長
さに調整しながらカバー付きステントを挿入することが
できる。
【0010】更に、複数のカバー付きステントを、それ
らの軸方向の一部が重なるように、カテーテルから順次
押出して留置させることができるので、例えば1個目の
カバー付きステントの挿入位置が多少ずれていても、2
個目のカバー付きステントの重なり具合を調整すること
によって修正することができ、挿入ミスの発生を減少さ
せることができる。
【0011】また、本発明の第2は、複数のカバー付き
ステントを、その軸方向に一部を重ね合わせた状態で管
状器官内に留置することができる治療具であって、下記
挿入具とこの挿入具のカテーテルの外筒のフランジより
前方及び/又は後方の空間に収容される複数の下記カバ
ー付きステントからなることを特徴とする管状器官の治
療具を提供するものである。 (1)前記挿入具は、チューブ先端にフランジを介して
軸方向前後に伸びる外筒を装着したカテーテルと、前記
カテーテルのチューブ外周に遊嵌されて先端に係合部を
有し、前記外筒の前記フランジより後方の空間に収容さ
れるカバー付きステントを後方に押出す第1プッシャ
と、前記カテーテルのチューブ内に挿入されて前記フラ
ンジから突出し、前記外筒の前記フランジより前方の空
間に収容されるカバー付きステントを前方に押出す第2
プッシャとで構成されている。 (2)前記カバー付きステントは、金属線材をメッシュ
状かつ筒状に編んで形成したステントの外周及び/又は
内周を、伸縮可能な筒状カバーで被覆したものからな
る。
【0012】上記発明によれば、カテーテルの外周に第
1プッシャを遊嵌させてその先端の係合部を外筒のフラ
ンジより後方の空間に挿入しておき、カテーテルの内部
には第2プッシャを挿入し、その先端部を外筒のフラン
ジより前方の空間に挿入しておく。この状態で、外筒の
フランジより前方部分及び後方部分にそれぞれカバー付
きステントを収容する。そして、このカテーテルを管状
器官に挿入して、その先端部を患部に到達させた後、例
えばまずカテーテルに対して第1プッシャを相対的に後
方に移動させることにより、後方のカバー付きステント
を管状器官内に押出す。このカバー付きステントは、自
己拡張力によって拡径して管状器官内に配置される。次
に、再度カテーテルの位置調整をした後、今度は第2プ
ッシャをカテーテルに対して相対的に前方に押出すと、
前方のカバー付きステントが管状器官内に押出され、後
方のカバー付きステントに軸方向の一部を重ね合わせた
状態で、留置させることができる。このようにして、2
つのカバー付きステントを軸方向に適度に重ね合わせて
管状器官内に挿入することができ、患部に応じた最適な
長さ及び位置で留置させることができる。
【0013】本発明の第3は、前記第2の発明におい
て、前記挿入具が、前記カテーテルの外筒のフランジよ
り後方の空間に、前記第1プッシャ、前記カバー付きス
テントの順で挿入され、前記カテーテルの外筒のフラン
ジより前方の空間に、前記第2プッシャ、前記カバー付
きステントの順で挿入されていることを特徴とする管状
器官の治療具を提供するものである。
【0014】上記発明によれば、カバー付きステントを
挿入具に簡便に収容することができるとともに、管状器
官内への留置作業も容易に確実に行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1〜9には、本発明による管状
器官の治療具の一実施形態が示されている。図1は同治
療具の断面図、図2は同治療具におけるカバー付きステ
ントの留置状態を示す一部切欠き側面図、図3は同治療
具における挿入具を示す断面図、図4〜8は同治療具を
用いたカバー付きステントの挿入手順を示す説明図、図
9は同治療具によってカバー付きステントを挿入した状
態を示す説明図である。
【0016】図2に示すように、この治療具を構成する
カバー付きステント30は、所定本数の金属線材31を
メッシュ状かつ筒状に編んで形成したステント32を有
している。これらのステント32は、自己拡張型のステ
ントである。
【0017】この場合、金属線材31の材料としては、
熱処理による形状記憶効果や、超弾性が付与される形状
記憶合金が好ましく採用されるが、用途によってはステ
ンレス、タンタル、チタン、白金、金、タングステンな
どを用いてもよい。形状記憶合金としては、Ni−Ti
系、Cu−Al−Ni系、Cu−Zn−Al系などが好
ましく使用される。また、形状記憶合金の表面に金、白
金などをメッキ等の手段で被覆したものであってもよ
い。金属線材31の太さは、特に限定されないが、例え
ば血管用ステント等の場合には、0.08〜1mmが好
ましい。
【0018】金属線材31の織り方は、各種の織り方を
採用できるが、金属線材31の交差点は、ステント32
の端部を除いて固着されていない方が好ましい。金属線
材31の交差点を固着させないことにより、金属線材3
1どうしのずれの自由度が高まり、カテーテル挿入時の
縮径や、カテーテルから押出したときの拡径をしやすく
することができる。また、ステント32の端部におい
て、金属線材31の端部どうしが重なる部分は、例えば
半田、金属ろう、接着剤等で固着してもよい。
【0019】ステント32の外周には、伸縮可能な筒状
カバー33が被覆されている。筒状カバー33として
は、熱可塑性樹脂を押出し成形、ブロー成形などの成形
方法で加工された円筒状に形成したもの、円筒状に形成
した熱可塑性樹脂の繊維の編織物、円筒状に形成した熱
可塑性樹脂の不織布、円筒状に形成した可撓性樹脂のシ
ートや多孔質シートなどを用いることができる。編織物
としては、平織、綾織などの公知の編物や織物を用いる
ことができる。また、筒状カバー33としては、クリン
プ加工などのヒダの付いたものを使用することもでき
る。
【0020】これらの中でも、筒状カバー33として
は、特に円筒状に形成した熱可塑性樹脂の繊維の編織
物、更には円筒状に形成した熱可塑性樹脂の繊維の平織
りの織物が、強度及び有孔度、生産性が優れるため好ま
しい。
【0021】熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体など
のポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリシクロヘキサンテレフタレート、ポリエチレン−
2,6−ナフタレートなどのポリエステル、ポリ弗化エ
チレンやポリ弗化プロピレンなどのフッ素樹脂などの耐
久性と組織反応の少ない樹脂などを用いることができ
る。
【0022】特に、化学的に安定で耐久性が大きく、組
織反応の少ない、ポリエチレンテレフタレートなどのポ
リエステル、ポリ弗化エチレンやポリ弗化プロピレンな
どのフッ素樹脂を好ましく用いることができる。
【0023】上記筒状カバー33は、縫着、接着、溶着
等の手段によって、ステント32に被覆されている。こ
の場合、筒状カバー33は、ステント32の伸縮に影響
を及ぼさないように被覆する必要がある。本実施形態に
おいては、ステント32の両端部にて筒状カバー33を
縫合糸で固着しており、筒状カバー33や固着箇所がス
テント32の伸縮の妨げにならないようになっている。
なお、筒状カバー33をステント32の内周に被覆して
もよい。
【0024】筒状カバー33、及びステント32は、ヘ
パリン、コラーゲン、アセチルサリチル酸、ゼラチン等
の抗血栓性材料で被覆処理されているものを用いること
もできる。
【0025】なお、上記カバー付きステント30の適当
な箇所、例えば両端部等には、X線不透過性材料が固着
されていてもよい。X線不透過性材料としては、例えば
金、白金、イリジウム、タンタル、タングステン、銀等
や、それらを含有する合金などが好ましく使用される。
X線不透過性材料は、ステント32に、半田付け、ろう
付け、溶着、接着、カシメ等の手段で固着することがで
きる。
【0026】また、こうして得られたカバー付きステン
ト30は、その外径が2〜50mm、長さが1〜20c
m程度であることが好ましい。
【0027】本発明においては、上記カバー付きステン
ト30を複数個、好ましくは2個用いることを特徴とし
ている。そして、これらのカバー付きステント30は、
後述する挿入具によって、軸方向に一部が重なり合うよ
うに管状器官内に挿入され、全体として一つの管状のカ
バー付きステントとなる。そして、上記重なり部分Oに
よって、全体としてのカバー付きステントの長さを調整
できるようになっている。
【0028】図3に示すように、上記カバー付きステン
ト30を管状器官内に挿入するための挿入具40は、カ
テーテル41と、第1プッシャ42と、第2プッシャ4
3とで構成されている。
【0029】カテーテル41は、管状器官内に挿入する
のに必要な長さのチューブ44と、このチューブ44の
先端部にフランジ45を介して連結された外筒46とを
有している。外筒46は、チューブ44に対して同心的
に二重管状に形成され、フランジ45より後方の空間部
47と、前方の空間部48とを有している。上記空間部
47、48の長さは、前記カバー付きステント30を縮
径させた状態で収容できる長さとされる。チューブ44
の先端は、上記フランジ45の中心に連結されて上記空
間部48側に開口している。
【0030】カテーテル41は、可撓性を有する比較的
柔軟な合成樹脂により成形されている。このような合成
樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、フッ素
樹脂などが使用できる。また、適用箇所によって適宜定
めればよいが、例えば血管に適用する場合、カテーテル
41のチューブ44の外径は0.5〜7mm、外筒46
の外径は2〜8mm、カテーテル41全体の長さは50
0〜2000mmが好ましい。
【0031】第1プッシャ42は、カテーテル41のチ
ューブ44の外周に遊嵌(外挿)できる内径のチューブ
からなり、その先端部にはフランジ状の係合部49が形
成されている。係合部49は、カテーテル41の後方の
空間部47に挿入できる外径とされている。また、第1
プッシャ42の長さは、先端部はカテーテル41と共に
患部に到達でき、基端部は手元側で操作ができる程度の
長さであることが必要であるが、カテーテル41のチュ
ーブ44よりは短くされている。
【0032】第2プッシャ43は、カテーテル41のチ
ューブ44内に挿入できる外径の線状部材からなり、そ
の先端部にはフランジ状の係合部50が形成されてい
る。第2プッシャ43の長さは、先端部はカテーテル4
1と共に患部に到達でき、基端部はカテーテル41の基
端から突出して手元側で操作ができる長さとされ、した
がってカテーテル41より長くされている。
【0033】また、カテーテル41の外筒46の両端部
と、第1プッシャ42の先端部と、第2プッシャ43の
先端部とには、前述したようなX線不透過性材料51が
固着されている。
【0034】次に、上記管状器官の治療具の使用方法に
ついて説明する。本発明の管状器官の治療具は、血管、
尿管、胆管、気管支などの人体管状器官のあらゆる箇所
に適用可能であるが、特に血管の動脈瘤の内側に配置し
て、血液が動脈瘤内に流入することを阻止し、動脈瘤の
破裂を防止する治療に好適である。
【0035】動脈瘤の治療のために血管に挿入する場合
の手順の一例を説明すると、次の通りである。まず、図
1に示すように、第1プッシャ42をカテーテル41の
チューブ44外周に遊嵌させて、その先端を外筒46の
後方の空間部47に挿入し、係合部49をフランジ45
の後面に当接させる。また、第2プッシャ43を外筒4
6の前方の空間部48側からチューブ44内に挿入し、
その係合部50をフランジ45の前面に当接させる。
【0036】この状態で、外筒46の後方の空間部47
及び前方の空間部48に、それぞれカバー付きステント
を縮径状態で収容する。以下、空間部47に挿入された
カバー付きステントを抹消側カバー付きステント30
a、空間部48に挿入されたカバー付きステントを中枢
側カバー付きステント30bとする。
【0037】次に、図4に示すように、こうしてカバー
付きステント30を収容した挿入具を血管A内に挿入
し、その先端部を動脈瘤A’が形成された部分に到達さ
せる。この場合、外筒46の後方の空間部47に挿入さ
れた抹消側カバー付きステント30aの後端部が、血管
A内のカバー付きステント30を設けたい部分の後端
(抹消側の端部)Bに位置するように配置する。これ
は、例えば外筒46の後端に固着されたX線不透過性材
料51によって確認することができる。
【0038】この状態で、図5に示すように、第1プッ
シャ42を動かさないようにして、カテーテル41を前
方(中枢側)に押出すと、外筒46の後方の空間部47
内に収容された抹消側カバー付きステント30aが空間
部47から徐々に押出され、血管A内で自己拡張して配
置される。
【0039】図6は、こうして抹消側カバー付きステン
ト30aを外筒46内から完全に押出した状態を示し、
その後端は前記B点にあり、前端は動脈瘤A’の途中に
ある。
【0040】次に、カテーテル41及び第2プッシャ4
3をやや後退させ、カテーテル41の外筒46の前端部
に設けたX線不透過性材料51が、図7に示す、血管A
内のカバー付きステント30を設けたい部分の前端(中
枢側の端部)Cに位置するようにする。なお、B−Cの
間隔は、2つのカバー付きステント30a、30bの合
計の長さよりも短くなるように設定する。
【0041】この状態で、第2プッシャ43を動かさな
いようにして、カテーテル41を後方に引き寄せると、
図7に示すように、外筒46の前方の空間部48に挿入
された中枢側カバー付きステント30bが空間部48か
ら徐々に押出され、血管A内で自己拡張して配置され
る。
【0042】図8は、こうして中枢側カバー付きステン
ト30bを外筒46内から完全に押出した状態を示し、
その前端は前記C点にあり、後端は動脈瘤A’の途中に
あると共に、前記抹消側カバー付きステント30aの内
周に圧接されている。その後、挿入具40を血管Aから
抜き去ることによって手術は終了する。
【0043】その結果、図9に示すように、血管Aの動
脈瘤A’が形成された部分の前後に亘ってその内周に、
2つのカバー付きステント30b、30aが、それらの
軸方向の一部を重ね合わされた状態で連結されて配置さ
れる。そして、連結されたカバー付きステントの両端部
は、それぞれ血管Aの内周に密接して、血流が動脈瘤
A’内に入ることを阻止し、血液は2つのカバー付きス
テント30b、30a内を通って流れる。
【0044】なお、上記実施形態では、抹消側カバー付
きステント30aを先に押出し、その内側に重なるよう
に、その後に中枢側カバー付きステント30bを押出す
ようにしたが、この順序は逆にすることもできるし、あ
るいは挿入具の構造を変えることによって、両者が軸方
向に一部重なるように同時に押出すことも可能である。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
金属線材をメッシュ状かつ筒状に編んで形成したステン
トからなるので、管状器官の屈曲形状に対して、自然に
曲がって適合することができる。また、複数のカバー付
きステントを用い、その軸方向の一部を重ね合わされて
連結された状態で管状器官内に留置されるようにしたの
で、カバー付きステントの重ね合わせる部分の長さを適
宜変更することにより、個々の患者の患部の長さに応じ
た最適な長さで設置することができる。更に、複数のカ
バー付きステントを、それらの軸方向の一部が重なるよ
うに、カテーテルから順次押出して留置させることがで
きるので、例えば1個目のカバー付きステントの挿入位
置が多少ずれていても、2個目のカバー付きステントの
重なり具合を調整することによって修正することがで
き、挿入ミスの発生を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による管状器官の治療具の一実施形態を
示す断面図である。
【図2】同治療具におけるカバー付きステントの留置状
態を示す一部切欠き側面図である。
【図3】同治療具における挿入具を示す断面図である。
【図4】同治療具を血管内に挿入する手順において、同
治療具を血管内に挿入した状態を示す説明図である。
【図5】同治療具を血管内に挿入する手順において、抹
消側カバー付きステントを一部押出した状態を示す説明
図である。
【図6】同治療具を血管内に挿入する手順において、抹
消側カバー付きステントを完全に押出した状態を示す説
明図である。
【図7】同治療具を血管内に挿入する手順において、中
枢側カバー付きステントを一部押出した状態を示す説明
図である。
【図8】同治療具を血管内に挿入する手順において、中
枢側カバー付きステントを完全に押出した状態を示す説
明図である。
【図9】同治療具によりカバー付きステントの血管内留
置が終了した状態を示す説明図である。
【符号の説明】 30、30a、30b カバー付きステント 31 金属線材 32 ステント 33 グラフト 40 挿入具 41 カテーテル 42 第1プッシャ 43 第2プッシャ 44 チューブ 45 フランジ 46 外管 47 後方の空間部 48 前方の空間部 49 係止部 50 係止部 A 血管 A’ 動脈瘤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 博 神奈川県横浜市保土ケ谷区岩井町51番地 株式会社パイオラックスメディカルデバイ ス内 (72)発明者 浅野 寛幸 神奈川県横浜市保土ケ谷区岩井町51番地 株式会社パイオラックスメディカルデバイ ス内 (72)発明者 桑原 邦生 千葉県市原市五井南海岸8番の1 宇部興 産株式会社高分子研究所内 (72)発明者 古屋 英樹 千葉県市原市五井南海岸8番の1 宇部興 産株式会社高分子研究所内 Fターム(参考) 4C167 AA44 AA45 AA47 AA50 AA53 AA56 BB02 BB06 BB11 BB13 BB22 BB39 BB40 BB63 CC09 CC10 CC21 CC22 CC26 DD08 GG04 GG05 GG06 GG07 GG08 GG22 GG24 GG32 GG33 GG34 GG37

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のカバー付きステントを、その軸方
    向に一部を重ね合わせた状態で管状器官内に留置するこ
    とができる治療具であって、 前記カバー付きステントは、金属線材をメッシュ状かつ
    筒状に編んで形成したステントの外周及び/又は内周
    を、伸縮可能な筒状カバーで被覆したものからなり、 これらの複数のカバー付きステントを収容し、前後に位
    置をずらして軸方向の一部が重なるように押出すことが
    可能な挿入具を備えていることを特徴とする管状器官の
    治療具。
  2. 【請求項2】 複数のカバー付きステントを、その軸方
    向に一部を重ね合わせた状態で管状器官内に留置するこ
    とができる治療具であって、 下記挿入具とこの挿入具のカテーテルの外筒のフランジ
    より前方及び/又は後方の空間に収容される複数の下記
    カバー付きステントからなることを特徴とする管状器官
    の治療具。 (1)前記挿入具は、チューブ先端にフランジを介して
    軸方向前後に伸びる外筒を装着したカテーテルと、前記
    カテーテルのチューブ外周に遊嵌されて先端に係合部を
    有し、前記外筒の前記フランジより後方の空間に収容さ
    れるカバー付きステントを後方に押出す第1プッシャ
    と、前記カテーテルのチューブ内に挿入されて前記フラ
    ンジから突出し、前記外筒の前記フランジより前方の空
    間に収容されるカバー付きステントを前方に押出す第2
    プッシャとで構成されている。 (2)前記カバー付きステントは、金属線材をメッシュ
    状かつ筒状に編んで形成したステントの外周及び/又は
    内周を、伸縮可能な筒状カバーで被覆したものからな
    る。
  3. 【請求項3】 前記挿入具が、前記カテーテルの外筒の
    フランジより後方の空間に、前記第1プッシャ、前記カ
    バー付きステントの順で挿入され、前記カテーテルの外
    筒のフランジより前方の空間に、前記第2プッシャ、前
    記カバー付きステントの順で挿入されていることを特徴
    とする請求項2に記載の管状器官の治療具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006130064A (ja) * 2004-11-05 2006-05-25 National Cardiovascular Center ステントデリバリシステム
JP2012507345A (ja) * 2008-10-31 2012-03-29 ウィリアム クック ユーロープ アーペーエス ステント移植片を湾曲している管腔内に配備するための導入器
JP2019080919A (ja) * 2017-10-31 2019-05-30 川澄化学工業株式会社 管状治療具留置装置

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