JP2002544753A - 軟磁気材料から再形成された歯付きステータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 電気機械用のステータ・コアーは、環状ヨークと、該環状ヨーク上で円周方向に間隔を隔てられ、該ヨークから半径方向へ延在する複数の歯とを含み、歯間の間隔が円周方向に間隔を隔てて巻線用スロットを形成して成る。歯は軟磁気粉末材料とは別個の構成要素として形成される。各歯（１；１１）は巻線用スロットに等しい長さに沿って先端（３；１３）へ向かって減少しない横断面寸法を有しており、また歯の基端（４，１４）に沿って同一または小さな横断面寸法を有する。これにより、歯（１，１１）は環状ヨークの部分（５，１５）と組み立てることができ、ヨークとの組み立ての前にコイル（７）を受け入れることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 （技術分野） 本発明は電気機械、特にモーターに係わり、さらに正確にはそのステータ組立
体の構造に関する。

【０００２】 （本発明の背景および従来技術） 電気機械は磁束と電流との相互作用によって作動する。作動限界では、抵抗加
熱で生じる温度によって軟磁気材料および電流が飽和することで、制限される。
電流密度を、それ故に抵抗加熱を減少させるために導体に広い空間が与えられる
ならば、磁束も減少する。反対に、より軟磁性の磁気材料を含むならば、磁束は
増大するが導体面積は減少し、抵抗加熱が増大する。

【０００３】 大半の機械では、導体はスロット内に収められる。滑らかなトルク出力を得る
ためにはスロットを半閉塞させることが必要であり、その結果としてスロット内
に巻線を配置することが困難な仕事となり、これによりスロット面積に対する導
体面積の比率が小さくなる。約５０％の比率が良いと考えられている。この小さ
な比率は２つの理由、すなわち第１に導体または軟磁気部材の使用できる空間が
無駄になること、第２にスロット内の空間が与えられた抵抗損失のために温度を
高める熱バリヤとして作用するという理由のために悪いとされる。

【０００４】 （概要） 本発明の目的は、従来技術におけるよりもスロット面積に対する導体面積の比
率を良好にするような電気機械用のステータ・コアーを提供することである。

【０００５】 この目的は、本発明のステータが請求の範囲の請求項１に記載された特徴を備
えていることで達成される。そのステータの好ましい実施例が従属請求項に記載
されている。

【０００６】 従って、本発明はモーターの鉄製コアーを厚紙コアーの歯およびコアー・バッ
ク部分に分割することにより、良好な表面仕上げと、緻密な寸法公差と、軟磁性
の構成要素の性能を担う三次元磁束とを達成することに関する。これらの分割さ
れた部分は、別個に製造された簡単なボビン巻き上げ式コイルをコアー部分に組
み付けることで、互いに連結され且つモーター・フレーム内に組み付けられた複
数のユニットを形成できるようにする。

【０００７】 スロット内に挿入することを困難にする幾何学形状とは別に、製造されるコイ
ルはスロット面積に対する銅の比率をさらに高めることができる。機械巻き方法
を使用して７０％が容易に達成される。他の段階でコイルをダイ内に圧縮するこ
とが行われるならば、８１％が達成されており、これは理論的最大値（導体のま
わりの絶縁が必要なために固定的に定められる）に近づく。

【０００８】 スロット面積に対する導体の比率が高い結果としてコイル抵抗、それ故に抵抗
損失が主に減少し、熱伝導率が大きく増大する。この結果、限界内でモーターは
さらに大きな出力を発生し、資本費を減少し、効率、寸法および重量に関する利
益を与える。

【０００９】 同時に、提供される副構成要素は安価に、全自動工程で容易に製造され、機械
強度、電気的破壊耐性および寸法公差に関する要求条件に容易に合致される。こ
れは、巻き上げ方法が多くの手作業、または高価で設定困難な巻き上げ機械を必
要とする従来の機械と対照的である。

【００１０】 （好ましい実施例の説明） 図１および図３〜図６に示されたステータの歯１は、一定横断面のステム２と
、ステム２よりも大きい横断面の先端３とを有する。歯１は、スウェーデン国の
ヘーガンネスＡＢ社製のソマロイ５００のような軟磁気粉末材料を圧縮して形成
される。

【００１１】 ステータの歯１はステム２と同一断面（またはそれより小さい断面）の基端部
分４を有する。

【００１２】 図１、図２、図５および図６に示されるステータのコアー・バック（ｃｏｒｅ
−ｂａｃｋ）部分５は、図１および図３〜図６の歯１の基端部分４と同一の横断
面を有する半径方向の貫通穴６を除いて、通常の形状である。コアー・バック部
分５は歯１と同じ材料で形成され、穴６の表面ならびにその寸法は歯１の基端部
分４が締り嵌めできるようにされている。

【００１３】 図１、図５および図６は、図５および図６に組み立てて示されているように、
歯１と組み合わされるコイル７、およびステータ部分を形成するコアー・バック
部分５を示している。さらに、９個のこのようなステータ部分が組み立てられて
完全なステータ・コアーを形成するが、各歯１およびコアー・バック部分５の寸
法および角度を適当に変化させることで使用される部分の個数は変更することが
できる。

【００１４】 １つのステータ部分を組み立てるために、コイル７が最初に基端４から先端３
へ向かって歯１のステム２上に滑動させて取り付けられる。組み立てられた状態
でコイル７と歯１との間に実質的な間隙が与えられないようにして、この取り付
けが可能とされるようにするために、ステム２は減少しない横断面寸法を有する
、すなわち基端４から先端３へ、すなわち巻線用スロットと等しい歯の長さに沿
って実質的に一定または増大する断面寸法を有していなければならない。また、
コイル７の中央穴の形状はステム２の形状に一致していなければならない。

【００１５】 図７および図８に示されたステータ・コアーの第２の実施例は、ステム１２と
、先端１３と、基端部分１４とを有する歯１１を含んで成る。さらに、このステ
ータ・コアーは２個の対称的な半体１５’，１５”に分割されたコアー・バック
部分１５を有し、これらの半体１５’，１５”は図８に示されるように組み立て
られたときに歯１１の基端部分１４と同一の形状をした穴１６’、１６”を有す
る。コアー・バック部分１５が分割された結果として、穴１６’，１６”および
基端部分１４は、ステータ・コアー部分が組み立てられた状態で歯１１が２個の
半体１５’，１５”の間に固定されるような形状を有する。

【００１６】 完全なステータ・コアーを形成するために、図７および図８に示された構成要
素は２個が合わされて組み立てられ、コイルは２個の反対側の歯のそれぞれに組
み付けられる。

【００１７】 本発明の２つの実施例が上述で説明されたが、当業者には幾つかの変更が本発
明の精神から逸脱せずに成し得ることが明白となるであろう。

【００１８】 従って、第１の実施例のコアー・バック部分５は第２の実施例のコアー・バッ
ク部分１５と同様に分割されることができる。さらに、それらの半体の各々が隣
接するコアー・バック部分５の近い方の半体と一体化されて、各コアー・バック
部分が２つの開口の各々を含むようにできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の第１の実施例による分離された歯および分離されたコアー・バック部
分、ならびに分離されたコイルを示す斜視図である。

【図２】 図１に示された分離されたコアー・バック部分の平面図である。

【図３】 図１に示された分離された歯の側面図である。

【図４】 図１および図３に示された分離された歯の端面図である。

【図５】 図３に対応した側面図であって、組み立て状態の図１の構成要素を図解する側
面図である。

【図６】 図５の線ＶＩ−ＶＩに沿う断面図である。

【図７】 本発明の第２の実施例による分割された歯および分割されたコアー・バック部
分を示す斜視図である。

【図８】 組み立て状態で図７の構成要素を示す斜視図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ )，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ， ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ， ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，Ｃ Ｎ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ， ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，Ｋ Ｐ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ， ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，Ｓ Ｇ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者 エバンス、ジョン、ターレンス イギリス国 ニューキャッスル アポン タイン、ゴスフォース、ブラントン パー ク、ポルウォース クレセント 11 (72)発明者 バーデス、ジェームズ、ストーンハウス イギリス国 ホイットリイ ベイ、アーン ショー ウェイ 12 (72)発明者 フォーセット、ジョン、ネビル イギリス国 ノーサムバーランド、エムブ ルトン、パラダイス ハウス (72)発明者 スチーブンソン、ダウン イギリス国 ニューキャッスル アポン タイン、ヒートン、デブドン ガーデンズ 78 (72)発明者 デイキンソン、フィリップ、ジョージ イギリス国 ノーサムバーランド、クラム リングトン、ノースバーン グリーン、リ ンカン ロード ９ Ｆターム(参考） 5E048 AB10 5H002 AA09 AB06 AC06 AE06 AE07 AE08

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 環状ヨークと、該環状ヨーク上で円周方向に間隔を隔てられ
   、該ヨークから半径方向へ延在する複数の歯とを含み、歯間の間隔が円周方向に
   間隔を隔てて巻線用スロットを形成して成る電気機械用のステータ・コアーであ
   って、 歯が軟磁気粉末材料とは別個の構成要素として形成され、各歯（１；１１）は
   巻線用スロットに等しい長さに沿って先端（３；１３）へ向かって減少しない横
   断面寸法を有しており、また環状ヨークの部分（５，１５）と組み立てるために
   、および該ヨークと組み立てられる前にコイル（７）を受け取れることができる
   ように、歯の基端（４，１４）に沿って同一または小さな横断面寸法を有するこ
   とを特徴とする電気機械用のステータ・コアー。
2. 【請求項２】 環状ヨークに開口（６；１６’，１６”）が備えられ、各開
   口は１つの歯（１，１１）の基端（４，１４）を受け入れる請求項１に記載され
   た電気機械用のステータ・コアー。
3. 【請求項３】 ヨークが歯（１；１１）と同数のコアー・バック部分（５；
   １５）を含む請求項２に記載された電気機械用のステータ・コアー。
4. 【請求項４】 各コアー・バック部分（５；１５）が開口（６；１６’，１
   ６”）を含む請求項３に記載された電気機械用のステータ・コアー。
5. 【請求項５】 各コアー・バック部分（１５）が２個の半体（１５’，１５
   ”）に分かれており、各半体が開口の半分（１６’，１６”）を含む請求項４に
   記載された電気機械用のステータ・コアー。
6. 【請求項６】 各コアー・バツク部分が２コの開口のそれぞれの半分ずつを
   含む請求項３に記載された電気機械用のステータ・コアー。
7. 【請求項７】 請求項１から請求項６までのいずれか一項に記載されたステ
   ータ・コアーを含み、さらにヨークと組み立てられる前に歯に直接に巻付けられ
   たコイルを含む電気機械用のステータ組立体。
8. 【請求項８】 請求項１から請求項６までのいずれか一項に記載されたステ
   ータ・コアーを含み、ヨークと組み立てられる前に歯（１）に挿着された別個に
   巻かれたボビン・コイル（７）を含む電気機械用のステータ組立体。