JP2002543398A - バイオチップおよびその製造方法 - Google Patents

バイオチップおよびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 ヒドロゲルバイオチップの調製方法であって、複数の生体分子プローブがヒドロゲルプレポリマーに、プレポリマーの重合前または重合と同時に結合される方法。いずれかのヒドロゲルが重合している間、それをヒドロゲルがヒドロゲル微小滴の形で共有結合する固体基板上にマイクロスポットする。プレポリマーの反応性および重合条件を調節することにより、生体分子プローブ固定化の密度が効率よく制御される。バイオチップに結合した異なる生体分子を有し、複数のこの微小滴を含む得られたバイオチップは、遺伝子発見、遺伝子特徴付け、遺伝子機能分析、および関連研究にとって有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本出願は1999年4月26日出願の米国特許出願第09/299831号の
一部継続出願であり、その開示は参照として本明細書に取り入れる。 本発明はバイオチップの新しい製造法およびそれによって得られるバイオチッ
プに関する。特に、本明細書に記載の新規な方法は、イソシアネート官能性ヒド
ロゲルを用いて生体分子プローブを基板上に固定化することにより、迅速で、簡
単かつ費用効果が大きいバイオチップの構築を提供する。特に、ペプチド核酸(
PNA)のような有機溶媒可溶性生体分子と、DNA、RNAおよび他のオリゴ
ヌクレオチドのような水溶性生体分子の両方が、親水性ポリマーに、その重合前
または重合中に容易かつ効率的に結合される。本明細書に記載のバイオチップの
改善された製造法に加えて、バイオチップ自体が、貯蔵寿命を大幅に改善するす
ぐれた安定性および使用の際のより大きな軟質性を含む改善された特徴を有する
。そのようなバイオチップは遺伝子発見、遺伝子特徴付け、遺伝子機能研究、生
物活性のスクリーニングおよび関連研究にとって有用である。
【0002】 (発明の背景) ペプチド核酸(PNA)などのDNA、RNAまたはアナログに選択的に結合
する試薬は、診断および治療に適用するための遺伝子標的薬物へと開発され、D
NAの配列特異的修飾のための道具として用いることができるため、分子生物学
および薬剤化学にとって非常に興味が持たれる。さらに、そのような試薬は遺伝
子配列の決定および遺伝子機能解析のための道具として用いることもできる。
【0003】 最近まで、遺伝子発見、遺伝子特徴付け、および遺伝子機能解析のプロセスは
困難で費用がかかり、膨大な時間を必要とした。しかし、ここ約10年ほどの間
に、バイオチップと呼ばれる、種々の支持体上で生体分子のアレイを単離する方
法が開発され、DNA合成、配列決定、突然変異研究、遺伝子発現解析および遺
伝子発見に用いられている。一般に、バイオチップは、直接またはリンカーを介
して、あるいはより最近ではゲル層を通じて基板に結合された生体分子のマイク
ロマトリックス(すなわち、マイクロアレイ)である。ほとんどのバイオチップ
は、基板上の既知の位置の生体分子の合成を促進するために設計されている。例
えば、そのようなバイオチップの1つは、基板に核酸を選択的に結合し、続いて
追加の核酸を結合して所望の位置で既知のオリゴヌクレオチドを生成するために
、光および一連のフォトリソグラフィマスクを用いてガラスなどの基板上の特定
部位を活性化する。基板上の特定部位を活性化するための光およびフォトリソグ
ラフィマスクを用いるこのプロセスは、超小型電子半導体チップの製造に用いら
れるプロセスと同様である。
【0004】 残念なことに、これらの第一世代バイオチップは製造するのに非常に費用がか
かり、大きな資本投資、プロセス工学および設備を必要とする。さらに、基板上
の単層中でオリゴヌクレオチドを生成するこの合成法では、バイオチップの感度
が低くなり、チップに特異的にハイブリダイズするDNAの十分な検出のために
高価なレーザ共焦点蛍光顕微鏡が必要になる。Fodorらによって発行された
米国特許第5744305号(以下、’305号特許)は、基板に付着された物
質のアレイを作成するために、感光性保護基およびフォトリソグラフィの使用例
を提供し、ここでは、ガラスなどの基板は感光性保護基でブロックされたアミノ
基を含むように直接またはリンカー分子の付加により誘導体化されており、大規
模な化学多様性をつくり出すための合成戦略を記載している。マスキング法を用
いて、基板上の指定された既知の位置内にある感光性基を選択的に脱保護する。
次いで、脱保護された領域を感光性保護基も含む「ビルディングブロック」分子
、例えばオリゴヌクレオチドと反応させて、該ビルディングブロック分子が基板
表面の活性基(またはリンカー)に共有結合するようにする。次いで、このプロ
セスをマスクを用いて繰り返し、基板上のあらかじめ決められた位置での特定の
配列のポリマー、例えば、オリゴヌクレオチドまたはペプチドなどの生体分子の
合成を指示する。
【0005】 ’305号特許に記載の合成戦略は、1つの基板上で約10から約108の異
なる配列を提供することを企図している。さらに、個々のポリマーが合成される
基板上のあらかじめ決められた領域は、約10-10cm2から約1cm2であると
述べている。’305号特許中に提供される例は主としてペプチドまたはヌクレ
オチドの合成に関するが、同じ技法を他のポリマーの合成でも用いることができ
ると述べている。同様に、好ましくは不活性であるかまたは化学作用しない、合
成されたポリマーを基板に結合するための種々のリンカー基が’305号特許中
で議論されており、さらに単量体上の活性部位を保護するための種々の保護基で
あって、指示されたポリマー合成ために選択的に除去することができる保護基も
議論されている。また、指示されたアレイ合成に一実施形態で利用される二元マ
スキング法も、’305号特許に幾分詳細に議論されている。残念なことに、’
305号特許に記載の戦略は、他の従来技術の方法および器具と同じ欠点の多く
を有している。このアレイは製造および使用が高価であり、製造の際に多数の工
程と冗長なインキュベーション/洗浄時間とを必要とし、そして重要なことに単
層での合成しかできない。
【0006】 これらの第一世代バイオチップの感受性が低いことに鑑みて、第二世代バイオ
チップが開発された。
【0007】 第二世代バイオチップの一例は、Conradらによって発行された米国特許
第5736257号および第5847019号に記載されている。’257号お
よび’019号特許は、バイオチップの合成プロセスであって、表面ヒドロキシ
ル基を有するガラスなどの基板を調製する工程と、基板の表面ヒドロキシル基を
シランと反応させて基板上のビニル基の分子層に結合させる工程と、フリーラジ
カル重合反応に関与して分子層に結合した重合された網目層(network
layer)を作ることができるアクリルアミド化合物を分子層上に置く工程と
、該重合網目層を光活性化して(photo−activating)、パター
ン形成された光活性化重合網目を作る工程と、1つまたは複数の類似または非類
似の生体分子を光活性化重合網目上に、例えばその上で合成することにより置い
て、パターン形成された光活性化重合網目層に結合させる工程と、を含むプロセ
スを記載している。
【0008】 ’257号および’019号特許に開示されているバイオチップは、Fodo
rらの第一世代バイオチップに、アレイへの生体分子の結合(または合成)を指
示するのにフォトリソグラフィ法を用いる点で幾分類似している。しかし、第一
世代バイオチップとは対照的に、’257号および’019号特許のバイオチッ
プは、ビニル基の分子層の最上にポリアクリルアミド網目を用い、それによりゲ
ルセルに三次元を与える。それでも、当業者には容易に理解されるとおり、’2
57号および’019号特許の開示によるバイオチップの製造は高価であるだけ
でなく、時間がかかるものでもある。
【0009】 Khrapkoらによって発行された米国特許第5552270号は、固体支
持体と所望の長さのオリゴヌクレオチドのアレイを含むマトリックスとを含む第
二世代バイオチップを利用したDNA配列決定法を記載している。このマトリッ
クスは、30μm以下の厚さを有するゲル層によって支持体に結合される。ゲル
層は、一組の間隔をおいて離れている四角形の「ドット」の形で記載されている
。’305号特許に記載の単層形式とは対照的に、’270号特許のゲル層は基
板へのオリゴヌクレオチドの三次元結合を提供し、従ってその能力は第一世代バ
イオチップの単分子層の能力を超えている。この第二世代バイオチップは、約3
0μmの間隔をおいて離れている2枚のガラススライドの間でポリアクリルアミ
ドゲルを重合する。1枚のスライドを除去し、ゲルコーティングされた下側のス
ライドを乾燥する。次いで、ゲルの一部を機械的に除去して間隔の空いたドット
を残す。Ershovらによって発行された米国特許第5741700号、第5
770721号、および第5756050号に記載のポリアクリルアミドゲルマ
トリックスを用いた別の実施形態では、レーザを用いてゲル部分をスライドから
除去する。
【0010】 Ershov他の特許およびKhrapko他の’270号特許に記載のポリ
アクリルアミドゲルマトリックスは、平衡状態で約95%から97%の水分含量
を有するヒドロゲルであり、DNAなどの標的分子に対し好ましい拡散能を付与
するが、これらは重大な欠点を有している。そのような第二世代バイオチップの
重大な欠点はその費用である。Ershovらによって記載されたポリアクリル
アミドベースのバイオチップは、フリーラジカルによる開始または紫外線放射プ
ロセスによるアクリルアミド単量体の重合に基づいているが、このポリアクリル
アミドベースのゲルバイオチップは冗長で大きな労働力を要する多工程プロセス
において構築される。そのようなバイオチップの製造は、重合およびガラス基板
表面への結合と、基板上でゲルマトリックスの微小四角形を形成するための機械
的またはレーザ切断と、ヒドラジンを用いる活性化工程と、オリゴヌクレオチド
との最終反応とを含む、煩わしい多工程処理を必要とする。固有のポリアクリル
アミドゲルの重合プロセスのために、これらの工程は独立して実施しなければな
らない。したがって、そのような方法により単一のバイオチップを製造するのに
必要な合計時間は、少なくとも24から48時間である。さらに、各工程の後、
次の工程を始める前に、徹底的な洗浄および/または他の特別な注意をしなけれ
ばならない。例えば、オリゴヌクレオチド誘導体化工程には、24時間から48
時間などの長いインキュベーション時間が必要である。
【0011】 そのような第二世代バイオチップのさらに別の重大な欠点は、オリゴヌクレオ
チドをヒドラジン基と反応させると不安定なモルホリン誘導体が生成し、バイオ
チップの貯蔵半減期が室温で約36時間という非常に短いものとなる事実にある
。したがって、遺伝子発見、遺伝子特徴付け、遺伝子機能解析および関連研究で
用いることができる、高感度および妥当な長さの貯蔵寿命を有する信頼できる多
官能性バイオチップを構築するための、簡単で、費用効果が大きく、迅速な方法
が当業界で求められている。
【0012】 (発明の概要) 本発明は、改善されたバイオチップの迅速で、簡単で、費用効果が大きい構築
法、およびそれによって得られる改善されたバイオチップを提供する。例えば、
本明細書に記載の方法は、生体分子プローブをゲルの重合前または重合と同時に
結合させ、それによりバイオチップ製造のための簡単な1工程または2工程プロ
セスを可能にする。したがって、これまで必要とされた多工程、複数回洗浄、お
よび長い反応時間は、今や基本的に1工程または2工程で実施することができる
。本明細書において、高感度、使用中および貯蔵寿命の両方に関する優れた安定
性、ならびに改善された費用効果を有する改善されたバイオチップがさらに提供
される。
【0013】 そのようなバイオチップは、ヒドロゲルプレポリマーに適当に結合された、例
えば共有結合された、生体分子プローブを有するヒドロゲルプレポリマーの光透
過性微小滴を基板上に分配させること(dispensing)によって形成す
ることができる。しかしながら、ヒドロゲルバイオチップ上に生体分子が固定化
されたイソシアネート官能性ヒドロゲルバイオチップは、イソシアネート官能性
ヒドロゲルプレポリマーの有機溶媒溶液を調製する工程と、該ヒドロゲルバイオ
チップ上に固定化される生体分子の緩衝化水溶液を調製する工程と、2つの溶液
を混合して重合を開始しながら生体分子をヒドロゲルプレポリマーに共有結合さ
せる工程と、次いで重合ヒドロゲルがそのような基板に適当に結合するように、
重合されるヒドロゲルプレポリマーを固体基板上に分配させる工程と、によって
調製することが好ましいであろう。ある好ましい実施形態において、生体分子プ
ローブのヒドロゲルプレポリマーへの共有結合に関与するため、加えて、ヒドロ
ゲルの重合に関与するために、ヒドロゲルはその上に十分な活性イソシアネート
基を有する。
【0014】 1つの実施態様において、本発明は、ヒドロゲルバイオチップ上に生体分子が
固定化されたヒドロゲルバイオチップの調製方法であって、(a)イソシアネー
ト官能性ヒドロゲルプレポリマーの有機溶媒溶液を調製する工程と、(b)生体
分子の溶液を調製する工程と、(c)生体分子をヒドロゲルプレポリマーに共有
結合させる工程と、(d)ヒドロゲルプレポリマーの重合を開始する工程と、を
含む方法を提供する。
【0015】 もう1つの実施態様において、本発明は、バイオチップに共有結合された有機
溶媒可溶性の生体分子を有するバイオチップの調製方法であって、(a)上面を
有する固体基板を調製する工程と、(b)非プロトン性有機溶媒中の生体分子を
含む溶液を調製する工程と、(c)非プロトン性有機溶媒中のイソシアネート官
能性ヒドロゲルプレポリマーを調製する工程と、(d)プレポリマーを工程(b
)の生体分子で誘導体化する工程と、(e)工程(d)の誘導体化したヒドロゲ
ルプレポリマーを、これに緩衝化水溶液を加えることによって重合を開始する工
程と、(f)工程(e)の重合するヒドロゲル溶液の微小滴を工程(a)の基板
の上面にマイクロスポットしてヒドロゲルおよび固定化した生体分子を基板に付
着させる工程と、を含む方法を提供する。
【0016】 さらにもう1つの実施態様において、本発明は、(a)上面を有する固体基板
と、(b)基板の上面に共有結合された複数のヒドロゲルセルであって、それぞ
れがイソシアネート官能性ポリマーで形成されるヒドロゲルセルと、(c)少な
くとも1つのヒドロゲルセルおよびその内部に共有結合された生体分子プローブ
と、を含むバイオチップを提供する。好ましくは、異なる生体分子プローブを各
ヒドロゲルセル内に結合させ、好ましくは、共有結合はイソシアネート基を介す
る。
【0017】 さらなる態様において、本発明は、(a)上面を有する固体基板と、(b)基
板の上面に共有結合された複数のヒドロゲルセルであって、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、またはそれらのコポリマーを含むヒドロゲル
セルと、(c)異なるヒドロゲルセルおよびその内部に共有結合された異なる生
体分子プローブと、を含むバイオチップを提供する。
【0018】 さらなる態様において、本発明は、(a)上面を有する固体基板と、(b)基
板の上面に共有結合された複数のヒドロゲルセルであって、ウレタン−尿素結合
を有するポリマーを含むヒドロゲルセルと、(c)異なるヒドロゲルセルおよび
その内部に共有結合された異なる生体分子プローブと、を含むバイオチップを提
供する。
【0019】 さらなる態様において、本発明は、(a)各セルは少なくとも約20μmの厚
さを有し、かつポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびその
コポリマーからなる群より選択されるポリマーの主要部分を含む、基板に結合さ
れた少なくとも2つのヒドロゲルセルを有する基板を含むバイオチップであって
、少なくとも1つのヒドロゲルセルは該ヒドロゲルセルに共有結合された生体分
子プローブをさらに含むバイオチップを調製する工程と、(b)バイオチップを
標的生体分子を含む分析物溶液とハイブリダイゼーション条件下で接触させる工
程と、(c)ヒドロゲルバイオチップを非特異的に結合した標的生体分子および
結合していない標的生体分子を除去する条件下で洗浄する工程と、(d)結合し
た標的生体分子を検出する工程と、を含むハイブリダイゼーションアッセイを提
供する。
【0020】 別の実施態様において、本発明は、(a)約1meq/g未満の活性イソシア
ネート含量を有するヒドロゲルプレポリマーの有機溶媒溶液を調製する工程と、
(b)生体分子の溶液を調製する工程と、(c)生体分子をヒドロゲルプレポリ
マーの少なくとも一部に共有結合させる工程と、(d)ヒドロゲルプレポリマー
の重合を開始する工程と、(e)前記溶液が基板に少なくとも約20μmの厚さ
で共有結合するように、重合するヒドロゲルプレポリマーを固体基板上に分配さ
せて、それによりバイオチップを生じる工程と、(f)ヒドロゲル内の残存する
活性部位がブロックされるように、工程(e)のバイオチップを洗浄緩衝液で洗
浄する工程と、(g)洗浄したバイオチップを標的生体分子を含む分析物溶液と
、ハイブリダイゼーション条件下で接触させる工程と、(h)次いで、非特異的
に結合した標的生体分子および結合していない標的生体分子が除去されるように
工程(g)のバイオチップを第2の洗浄緩衝液で洗浄する工程と、(i)ヒドロ
ゲルチップに結合した標的生体分子を検出する工程と、を含むハイブリダイゼー
ションアッセイを提供する。
【0021】 バイオチップ上のヒドロゲルの各微小滴は異なる生体分子プローブを含み、そ
れにより単一のハイブリダイゼーションアッセイの一部として多数の生体分子プ
ローブのスクリーニングを可能にすることが好ましい。1つの好ましい実施形態
において、バイオチップの構築において用いられる生体分子プローブは、従来の
DNAおよび/またはRNAオリゴヌクレオチドに比べて優れたスクリーニング
機能を提供するPNAプローブである。あるいは、DNA、RNAまたは他のオ
リゴヌクレオチドプローブが、ポリウレタンベースの、または他のイソシアネー
ト官能性ゲルマトリックスと共に用いられる。
【0022】 (好ましい実施形態の詳細な説明) バイオチップを製造する際に有用な三次元ゲルマトリックスを提供するために
、ゲルマトリックスを含むために選択されたポリマーは、1)マトリックスの内
および外に分子を分散させる十分なポアサイズおよび高い水分含量、2)ガラス
などの基板表面に結合する能力、3)蛍光標識による光干渉を減少させるための
、完全に重合された状態での十分な透明度、4)使用中にかかる力に耐えるため
の、完全に重合されたときの十分な構造上の完全性、および5)通常の研究およ
び臨床で使用するための十分な貯蔵寿命などの、いくつかの所望の性質を有する
ことが好ましい。さらに、選択されたゲルは製造および使用が容易であることが
好ましい。
【0023】 ヒドロゲルはこれらの基準を満たすポリマークラスである。ヒドロゲルは、脱
水状態ではガラス状であり、かつ水存在下で膨潤して弾性ゲルを形成する、親水
性網目ポリマーである。
【0024】 ErshovらおよびKhrapkoらのポリアクリルアミドゲル系とは対照
的に、イソシアネート官能性ヒドロゲルはポリアクリルアミドベースのゲルのほ
とんどの欠点を持たないが、従来技術に対する多くの重要な利点を有することが
明らかにされている。イソシアネート官能性ヒドロゲルポリマーは周知であり、
外科用包帯、おむつ、ベッド用マットレス、生理用品などの吸収材の製造におい
て広く用いられている。
【0025】 イソシアネート官能性ヒドロゲルとは、所望の重合を行う機能を有し、かつ興
味対象の生体分子を共有結合することもできるイソシアネート基でキャッピング
された有機ポリマーを意味する。例えば、それらは、ジイソシアネートとポリエ
ーテルまたはポリエステルポリオールとの間の反応によって生成するポリウレタ
ンであってもよい。
【0026】 これらのイソシアネート官能性ヒドロゲルの出発物質として用いられるプレポ
リマーは、水和ポリウレタン、ポリウレア−ウレタンおよび/またはポリウレア
ポリマーゲルを提供することが好ましい。ポリウレタンポリマーは当技術分野で
周知である。ヒドロゲルポリマーは種々のプレポリマーから調製され、広範な適
用のために用いられている。典型的には、ヒドロゲルは、水溶液中の親水性単量
体を、プレポリマーが架橋して濃縮形態の溶液をゲル化する三次元高分子網目を
形成するような条件下で、重合することにより生成される。ポリウレタンヒドロ
ゲルは、イソシアネートでエンドキャッピングされたプレポリマーを重合して尿
素およびウレタンの結合を生じることにより形成される。
【0027】 イソシアネート官能性プレポリマーは、二官能性または多官能性イソシアネー
ト化合物と反応させる、比較的高分子量のポリオキシアルキレンジオールまたは
ポリオールから調製することが多い。ポリオキシアルキレンジオールまたはポリ
オールからつくられる好ましいプレポリマーは、エチレンオキシド単位のホモポ
リマー、またはエチレンオキシド単位とプロピレンオキシドまたはブチレンオキ
シド単位との混合物を含むブロックまたはランダムコポリマーを含む。ブロック
またはランダムコポリマーの場合、単位の少なくとも75%はエチレンオキシド
単位であるべきである。ポリオキシアルキレンジオールまたはポリオールの分子
量は、2,000から30,000であることが好ましく、5,000から30
,000であることがより好ましい。適当なプレポリマーは、選択されたポリオ
キシアルキレンジオールまたはポリオールとポリイソシアネートとを水酸基に対
するイソシアネートの比が約1.2から約2.2で反応させて、本質的にすべて
の水酸基がポリイソシアネートでキャッピングされるようにして、調製すること
ができる。本発明において好ましく用いられるイソシアネート官能性プレポリマ
ーは、活性イソシアネートを約0.1meq/gから約1meq/gの量で含み
、約0.2meq/gから約0.8meq/gで含むことが好ましい。一般に、
低分子量プレポリマー、例えば2000未満のものは、比較的高いイソシアネー
ト含有量(約1meq/g以上)を含むべきである。これらのプレポリマーのい
くつかの重合速度は、制御が非常に難しく、重合が速すぎて効果的にマイクロス
ポットするができないこともある。さらに、そのような高いイソシアネート含有
量を有するこれらのプレポリマーでは、重合後に比較的高い量の遊離アミンが残
ることがあり、その正電荷は負に荷電した標的DNA試料との非特異的結合を増
大させ、バックグラウンドシグナルが高くなることもある。したがって、ある種
の適用には比較的低いイソシアネート含有量を含む高分子量プレポリマーが好ま
れる。
【0028】 そのような高分子量プレポリマーは、次の2つの一般的方法のいずれかによっ
て調製されることが多いが、他の方法も用いることができる。
【0029】 (1)高分子量ポリオール(トリオール以上で分子量が少なくとも2000)
をイソホロンジイソシアネートなどのポリイソシアネートと反応させる、および (2)高分子量ジオール(分子量が少なくとも2000)をポリイソシアネー
ト、およびグリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ト
リエタノールアミンまたは有機トリアミンなどの架橋剤と反応させる。
【0030】 芳香族、脂肪族または脂環式ポリイソシアネートを用いることができる。高分
子量脂肪族イソシアネートによってキャッピングされたプレポリマーは典型的に
は約20から90分以内に水和ポリマー状態へとゲル化するが、芳香族ポリイソ
シアネートによってキャッピングされたプレポリマーははるかに速くゲル化する
。適当な二官能性および多官能性イソシアネートの例は次のとおりである:トル
エン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、エチリデンジイソシアネ
ート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、シクロベキシレン−1,2−ジ
イソシアネート、シクロへキシレン−1,4−ジイソシアネート、m−フェニレ
ンジイソシアネート、3,3’’−ジフェニル−4,4’’−ビフェニレンジイ
ソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチ
レンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、クメン−2
,4−ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、メチレンジシ
クロヘキシルジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、
p−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネー
ト、4−メトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−クロロ−1,3
−フェニレンジイソシアネート、4−ブロモ−1,3−フェニレンジイソシアネ
ート、4−エトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート、2,4−ジメチル
−1,3−フェニレンジイソシアネート、2,4−ジメチル−1,3−フェニレ
ンジイソシアネート、5,6−ジメチル−1,3−フェニレンジイソシアネート
、1,4−ジイソシアナトジフェニルエーテル、4,4’−ジイソシアナトジフ
ェニルエーテル、ベンジジンジイソシアネート、4,6−ジメチル−1,3−フ
ェニレンジイソシアネート、9,10−アントラセンジイソシアネート、4,4
’−ジイソシアナトジベンジル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナ
トジフェニルメタン、1,6−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトフェニル、
2,4−ジイソシアナトスチベン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジイソシ
アナトジフェニル、1,4−アントラセンジイソシアネート、2,5−フルオロ
ンジイソシアネート、1,8−ナフタレンジイソシアネート、2,6−ジイソシ
アナトベンズルラン、2,4,6−トルエントリイソシアネート、p,p’,p
’’−トリフェニルメタントリイソシアネート、イソホロンジイソシアネートの
三官能性三量体(イソシアヌレート)、ヘキサメチレンジイソシアネートの三官
能性ビウレット、ヘキサメチレンジイソシアネートの三官能性三量体(イソシア
ヌレート)、高分子4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネートおよびm−テトラメチルキシリレンジイソシアネート。
【0031】 プレポリマーを形成するためのポリイソシアネートによる選択されたジオール
またはポリオールのキャッピングは、化学量論量の反応物を用いて行うことがで
きる。イソシアネートの水酸基に対する比は当技術分野において知られていると
おり変動しうるが、約1から約3であることが好ましく、約1.2から約2.2
であることがより好ましい。キャッピング反応は、約20℃から約150℃で、
乾燥窒素雰囲気下、約2時間から約14日間、好ましくは触媒非存在下などの、
適当な方法または手順のいずれを用いても実施することができる。好ましい温度
は約60℃から100℃である。反応はイソシアネート濃度が理論値に近づいた
ときに停止する。
【0032】 好ましいプレポリマーには、トルエンジイソシアネートによりエンドキャッピ
ングされたポリエチレングリコール、トルエンジイソシアネートおよび任意選択
でトリメチロールプロパンを有するエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド
のコポリマー、トルエンジイソシアネート−ポリエチレングリコール−トリメチ
ロプロパン、メチレンジイソシアネート−メチレンホモポリマー、高分子メチレ
ンジイソシアネート−ポリエチレングリコール、イソホロンジイソシアネートお
よびエチレンオキシド−プロピレンオキシド−トリメチロールプロパンのポリマ
ー、ならびにトルエンジイソシアネートポリエチレングリコールトリラクテート
が含まれる。このようなプレポリマーは、マサチューセッツ州レキシントンのH
ampshire Chemical Corp.から、HYPOL PreM
A(登録商標)、HYPOL(登録商標)2000、HYPOL(登録商標)3
000、HYPOL(登録商標)4000およびHYPOL(登録商標)500
0として入手可能で、ポリエチレンオキシドおよび少量のポリプロピレンオキシ
ドのコポリマーを含む。
【0033】 すべてを考慮して、ヒドロゲルポリマーの主鎖は、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、またはポリエチレングリコールとポリプロピレング
リコールとのコポリマーからなることが好ましい。いかなる理論機構によっても
拘束されものではないが、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコ
ールヒドロゲルの非イオン性、親水性の性質により、分析物のヒドロゲルへの低
レベルの非特異的結合と、生体分子のネイティブな配座および生物反応性を維持
するために固定化された生体分子との良好な適合性と、の双方が付与されると信
じる。イソシアネート官能性ヒドロゲルは、利点として、速やかに、かつゲル物
質の基本的な全体の形状が維持されるように比較的均一な様式で、大量の液体を
吸収する。さらに、これらの物質によって吸収された水分は、加圧下でも吸収材
中に保持される。そのようなイソシアネート官能性ヒドロゲル、例えばポリウレ
タンベースのヒドロゲルは、米国特許第3939123号(Mathewsら)
および4110286号(Vandegaerら)に記載されている。これらの
ポリウレタンベースのヒドロゲルは、表面コーティングとして、ならびに軟質お
よび硬質発泡体を形成するために広く用いられているが、興味対象の化合物を結
合する三次元マトリックスを形成するためには用いられていない。
【0034】 好ましい実施形態において、バイオチップは、活性イソシアネートの存在量を
予測できるように、例えば好ましくは約0.8meq/g以下であるように、水
分活性ジイソシアネートによりキャッピングされ、かつ適当な架橋剤で任意選択
により軽度に架橋された、高分子量のポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオ
キシド、またはポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドとのコポリマー
のジオールまたはトリオールに基づくイソシアネート官能性ヒドロゲルを用いて
製造する。一般に好ましいジイソシアネートには、トルエンジイソシアネートま
たはメチレンジフェニルイソシアネートなどの芳香族をベースとするジイソシア
ネート、ならびにイソホロンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートが
含まれる。水混和性有機溶媒中で予め調合することができるプレポリマーの重合
は、単に水を加えることで生じる尿素結合の形成によって起こる。このことは、
重合開始に紫外線放射または同様の厳重な反応条件が必要とされる、従来知られ
ているヒドロゲルベースのバイオチップよりも異なる有利な点である。本発明の
水活性化重合系は、より安全で、より安価で、制御がより容易であるだけでなく
、重合前または重合と同時に適当な生体分子プローブによりプレポリマーを誘導
体化することができる。
【0035】 本明細書に記載の1つの実施形態において、ヒドロゲルは、生体分子とプレポ
リマーのイソシアネートとの間の簡単な2〜3分の反応を用いて、有機溶媒可溶
性生体分子で重合前に誘導体化する。有機溶媒可溶性生体分子とは、アミンによ
りあらかじめ誘導体化されたPNAなどの分子や、有機溶媒に本来可溶性である
分子、および可溶性となるように修飾された分子を意味する。本発明の実施形態
におけるヒドロゲルの早期重合を防ぐために、誘導体化反応は、例えばジメチル
ホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、アセトン
、アセトニトリルなど、またはそれらの混合物などの、非プロトン性の水混和性
有機溶媒中で行う。したがって、基板上にヒドロゲルを膨潤させる前またはヒド
ロゲルを分配させる前に、生体分子プローブをポリウレタンベースのプレポリマ
ーゲルに共有結合させる。そのような誘導体化の後、水を加えることによって重
合を開始し、生体分子誘導体化ヒドロゲル、例えばPNA誘導体化ヒドロゲルを
得る。
【0036】 ヒドロゲルの誘導体化における非プロトン性溶媒のそのような使用および存在
にはいくつかの利点がある。第1に、これはプレポリマーの均質な水溶液の生成
を助ける。第2に、誘導体化の工程を重合工程から分離する働きをし、それによ
ってヒドロゲルへの生体分子誘導体化の収率を制御することができる。第3に、
重合工程中の二酸化炭素の発生速度を低下させ、重合混合物の粘度を低下させる
ことによって二酸化炭素を効率よく発泡させる働きをする。場合によっては好ま
しいポリウレタンベースのヒドロゲルの重合において、二酸化炭素が水とヒドロ
ゲルプレポリマーのイソシアネート基との反応によって発生する。この反応スキ
ームを、例えば図1および2に例示しており、二酸化炭素発生の制御およびゲル
からの放出は、そのようなプレポリマーからバイオチップを調製する場合には非
常に重要であると考えられる。粘度の高い混合物中での重合が速すぎる場合、そ
れによって発生した二酸化炭素は逃げることができず、ゲル中に捕捉される、問
題となる不連続の発泡マトリックスが生じる。というのは、ゲルマトリックスの
連続体は、ハイブリダイゼーションの成功を示す正確で効率的な蛍光検出を保証
するためにバイオチップにおいて重要だからである。二酸化炭素の発生は、反応
速度を厳密に制御する、非プロトン性溶媒を加えることにより水/水酸化物の全
体の反応性を低下させること、および比較的低い塩基性pH緩衝液(約7から約
8.4のpH)を用いることにより制御される。
【0037】 ヒドロゲルを誘導体化するための非プロトン性溶媒の使用に対する4つ目の最
後の利点は、プレポリマーのいかなる沈殿も減らすことによるヒドロゲルの光透
過性の増強である。ゲルを所望の遅さで重合させ、したがってCO2の発生を遅
くして連続体の透明なゲルマトリックスを得るために、非プロトン性溶媒の水に
対する比は少なくとも約0.25から1とすべきであり、より高い、例えば0.
3〜0.35から1であることが好ましいことが明らかにされている。ヒドロゲ
ルの誘導体化および重合は一般に約30分で達成され、これはポリアクリルアミ
ドベースのバイオチップの調製に要する24時間から48時間とは著しい対照を
なしている。さらに、プレポリマーに結合した生体分子、例えばPNAの量は、
反応に加える生体分子の量を単に変えることによって容易に調節することができ
(例えば、PNAがゲルに結合する生体分子である場合、約10fmolから約
1pmolまでのPNAを各微小滴に用いることができる)、それにより各ヒド
ロゲル微小滴内の生体分子プローブの濃度に対し、より厳密な制御が可能となる
【0038】 ヒドロゲルを、その重合の開始後かつ完了前に、PNAで誘導体化し、次いで
固体基板上に付着させる場合、それは任意の好都合な方法で、例えば、微小滴の
アレイを形成するためにゲルを付着させる慣用のマイクロスポット装置を用いる
ことによって、達成することができる。ゲルは本来的に一部の基板に非共有結合
することができるが、基板表面を一般にヒドロゲルの添加前に誘導体化してゲル
の基板への結合を最大にする。例えば、ガラスを基板として用いる1つの好まし
い実施形態において、基板表面上への重合ヒドロゲルの付着前にガラスをアミン
で誘導体化する。したがって、PNAまたはDNAなどの生体分子プローブで誘
導体化した重合ヒドロゲルは、誘導体化したガラス基板上に付着するとき、プレ
ポリマー内の活性イソシアネート基とガラス表面上のアミンとの反応を介して基
板に強く結合し、それによりヒドロゲルが基板に共有結合される。
【0039】 バイオチップ基板は、結合アッセイおよびその後の個々のバイオチップセルに
結合している分子の検出における使用の際の自動処理の助けとなる種々の材料お
よび形式から成っていてもよい。例えば、ガラスまたはポリスチレンなどの光透
過性の基板は、セルを通る透過光検出を可能にし、蛍光または吸光度を用いる検
出様式にとって都合がよい。三次元ヒドロゲルセルは結合能が高いため、反射光
学法も可能であり、不透明の基板を用いることもできる。硬質基板を使用するこ
とにより、バイオチップの検出段階の際の正確なアライメントが可能となるが、
検出を容易にするために適当なアライメントがセルに組み込まれている場合は、
それは必要ないと考えられる。一例は、磁気テープの使用と同様のスキャニング
様式で正確に検出することができる、テープまたはフィラメントなどの軟質性形
式である。光学的方法および適当な基板は、簡単であるために好まれるが、放射
性試薬の検出を含む、生化学で用いられる他の検出法も用いることができる。
【0040】 利点として、この系に含まれる反応、すなわち(1)ヒドロゲルプレポリマー
の生体分子プローブによる誘導体化、(2)ヒドロゲルの重合、および(3)誘
導体化ヒドロゲルの基板表面への結合は、強い尿素またはウレタン(カルバメー
ト)結合の生成に関与する。これらの結合は微小滴アレイに機械的完全性を与え
、従来技術のポリアクリルアミドベースのバイオチップに比べてバイオチップの
半減期を著しく延長する。
【0041】 以下に記載するいくつかの好ましい実施形態において、ヒドロゲル小滴は基板
上でいったん重合すると、約20μmから100μmの厚さ、少なくとも約30
μmの厚さを有することが好ましく、約30μmから約50μmの厚さを有する
ことがより好ましい。より大きい全体サイズのゲル小滴(またはセル)は、基板
に固定化される生体分子プローブの量を著しく増加させ、それによりバイオチッ
プの感度を高め、その使用を容易にする。
【0042】 本明細書において企図される代替の実施形態において、前述の有機溶媒可溶性
生体分子の代わりに、DNAまたは他のオリゴヌクレオチドなどの水溶性生体分
子をヒドロゲルに結合させる。水溶性生体分子とは、DNAおよびRNAなどの
本来水溶性である分子、ならびに水溶性となるように修飾された他の分子を意味
する。これらの実施形態において、まずヒドロゲルプレポリマーを誘導体化し、
次いで重合を開始することはできない。しかし、ポリウレタンベースのヒドロゲ
ルは利点として単一の反応で誘導体化および重合ができ、反応を十分に制御して
、誘導体化ヒドロゲルに結合した予測可能な量の水溶性生体分子プローブを有す
る誘導体化ヒドロゲルを与える。具体的には、そのようなヒドロゲルプレポリマ
ーを、まず有機溶媒に溶解する。次いで、緩衝化水溶液中のDNAまたは他の水
溶性生体分子を、このプレポリマーに、ヒドロゲルが生体分子プローブで誘導体
化されかつ重合が起こるような量および適当な条件下で添加する。ヒドロゲルが
重合しているときおよび重合が完了する前に、その微小滴を前述のような適当な
基板上に配置する。
【0043】 あるいは、DNA、RNA、および多くのタンパク質などの水溶性生体分子を
化学的に修飾することにより、これらを非プロトン性有機溶媒に可溶性とするこ
とができ、重合前にイソシアネート官能性ヒドロゲルへの誘導体化が可能となる
。修飾には、脂質との結合およびイオン性基の可逆的ブロッキングなどの共有結
合による修飾、ならびにイオン対形成剤の使用などの非共有結合による修飾が含
まれる。同様に、PNAを化学的に修飾して十分に水溶性とすることもできる。
【0044】 (ヒドロゲル配合物(hydrogel formulation)の最適
化) バイオチップに用いるためにヒドロゲルを評価する場合、膨潤容量(swel
ling capacity)、重合時間、および最適ポリマーの透過性および
強度(すなわち、安定性)は重要な特性である。これらの特性を最適化すること
により、最適なヒドロゲルが得られる。
【0045】 膨潤容量は水分含有率に影響するため、ヒドロゲルにおける重要な特性である
。通常、重合ゲルの水分含有率が高くなればなるほど、ゲル内外の分子の拡散が
速くなる。バイオチップにおいて、例えばDNA試料などの分子の拡散が速くな
ればなるほど、ハイブリダイゼーション反応がより効率的になる。簡単な膨潤ポ
リマーにおける分子拡散の数計算は、以下の半経験的公式に基づく(B.K.D
avisのProc.Natl.Acad.Sci.USA、21巻、3120
頁、1974年)。
【0046】 Dp=Doexp[−0.05+(10-6M)P] 式中、 Dp=ポリマー溶液中の特定分子の拡散係数 Do=純水中の特定分子の拡散係数 M=特定分子の分子量 P=ポリマー含有パーセント
【0047】 したがって、本式より、水分含有率が高くなればなるほど、ポリマー内外の分子
の拡散が速くなることが分かる。ヒドロゲルポリマーの密度および空隙率は、反
応物濃度、反応性基の密度、および全反応速度論を含む多くのパラメータにより
制御できる。
【0048】 ヒドロゲルの重合に必要な時間を最適化することは、バイオチップを加工する
ために特に重要である。理想的には、重合に必要な時間は、重合完了前において
慣用のマイクロスポット装置でガラス基板表面上に重合ゲルを分配するのに十分
長くなければならないが、一旦分配した場合に、その後直ぐにヒドロゲルが完全
に重合するように十分短い時間でなければならない。これらの要件に基づき、重
合時間が約30分であり平衡での膨潤容量が約96%から97%であるヒドロゲ
ルが良好な性能を示すことが決定された。最も適切な処方および反応条件を決定
するために多くの実験を行い、最適のヒドロゲル配合物が得られた。これらの実
験は、ゲルの透過性および重合速度の両方に関して、プレポリマーと溶媒との比
、溶媒のタイプ、および緩衝条件の評価を含む。結果を以下の項に概略する。
【0049】 (1.プレポリマーおよびポリマーと水との比の評価) 初期実験において、脱イオン水で処理すると、ある種の芳香族ポリイソシアネ
ートでキャッピングしたヒドロゲルプレポリマーは2〜3分で重合すること、す
なわちバイオチップを製造するために用いるには重合が速すぎること、が分かっ
た。対照的に、ある種の脂肪族ポリイソシアネートでキャッピングしたヒドロゲ
ルプレポリマーは、同一の条件下で重合を完了するのに35分より長くかかり、
更なる最適化のために条件を選択しなければならない。プレポリマーと水との比
を最適化するために、活性イソシアネート含有率が約0.4meq/gである種
々の量のプレポリマーをpHが約7の水中に溶解させ、それぞれの重合時間を決
定した。表1に示すように、水溶液中のプレポリマーの割合が減少するとともに
重合時間が増加した。例えば、5%のプレポリマー溶液は、48時間後でさえ主
に表面上で重合した。対照的に、非緩衝化DI水において、プレポリマー含有率
が10%であるプレポリマー溶液は3時間内に重合し、20%溶液は約35分内
で完全に重合した。これらの初期実験から、バイオチップ製造において、少なく
とも約5%、好ましくは約10%より大きい、より好ましくは少なくとも約20
%のプレポリマー溶液をこのpHで使用しなければならないと分かった。しかし
ながら、pHまたはいくつかの他の反応条件を変化させることにより、仮の結論
をどのように変わるかについては不確かであった。
【0050】
【表1】
【0051】 (2.重合におけるpHの効果) ヒドロゲル配合物を最適化するための次の工程は、重合速度に対するpHの効
果を決定することであった。表2にこれらの実験結果をまとめた。
【0052】
【表2】
【0053】 これらの実験において、pH7.2および8.4での50mM炭酸水素ナトリ
ウム水溶液緩衝液が、ヒドロゲルの重合速度を大きく加速することを見出した。
したがって、例えば、わずか5%のプレポリマー配合物の場合、重合時間は48
時間超から、pH7.2では90分に、pH8.4ではたった20分に短縮した
。同様に、10%のプレポリマー溶液は、pH7.2では17分以内で、pH8
.4では3分以内で完全に重合した。重合反応溶液のpHを調整することにより
、低プレポリマー含有率、例えば5%または10%をヒドロゲル配合物において
用いることができることが、これらの実験により示された。
【0054】 重合時間に加えて、ゲルの膨潤特性も考慮すべきである。重合が素早く進行す
る間、少なくとも約95%、好ましくは約96%から97%の所望の水分含有率
に到達するときにゲルは最も有用である。したがって、ポリマー含有率の異なる
配合物の膨潤特性も分析した。5%のヒドロゲル配合物と10%のヒドロゲル配
合物の膨潤特性を表2Aに比較する。水分含有率を膨潤率に関して報告し、膨潤
率はヒドロゲル全重量をプレポリマー重量で割って算出する。
【0055】
【表3】
【0056】 これらの試験結果より、10%のプレポリマー溶液を用いて製造されるヒドロ
ゲルは、膨潤率約25と等しい最適の水分含有率96%を達成するために約1日
を必要とすることが分かる。さらに、完全に膨潤したときのヒドロゲル体積は、
重合開始直後の体積の約2倍であり、このヒドロゲル構造の保全性を維持するの
が困難であった。対照的に、5%プレポリマー溶液から得られたヒドロゲルは、
約1時間で水分含有率が96%に達し、構造の保全性を失わなかった。したがっ
て、このわずかに塩基性の溶液における重合速度と膨潤プロフィルとの両方に基
づき、さらなる最適化のために5%プレポリマー溶液を選択した。
【0057】 (3.ヒドロゲルの透過性の最適化) 水溶液から製造されたほとんどのヒドロゲルにおいて極めて不利な点は、通常
これらが不透明であることである。バイオチップに最も有用であるためには、ゲ
ルは透明でなければならず、特に、蛍光標識などのある種の分子マーカーまたは
ラベルでによる障害が最小化されるように光学的に透明でなければならない。光
透過性を達成するために、ヒドロゲルプレポリマーをまず、アセトニトリル、ア
セトン、DMF、NMPまたはこれらの混合物などの非プロトン性有機溶媒中に
溶解し、得られた溶液をpH7.2または8.4で50mM炭酸水素ナトリウム
緩衝液を用いて処理して重合を開始した。NaHCO3は通常約8.4のpHで
水溶液を緩衝化する。しかしながら、緩衝能は多少失われるけれども、例えばH
Clなどの酸または例えばNaOHなどの塩基の添加を用いて、緩衝化されたp
Hをわずかに変えることができ、例えば範囲を広げて7.0から9.5に及ぶこ
とができる。好ましい5%ポリマー溶液を用いて、重合時間および光透過性に関
して最適な配合物を決定するために、水溶性緩衝液に対する非プロトン性溶媒の
比を調整した。表3は、種々の緩衝液と非プロトン溶媒(この場合、アセトニト
リル)との比を有する5種の異なるヒドロゲル配合物の試験結果を示す。各々の
配合物は8.4または7.2に緩衝化されたpHで試験した。
【0058】
【表4】
【0059】 pH8.4および7.2で試験した配合物はそれぞれ、アセトニトリルと緩衝
液との比の比較的大きな相違に関係なく、約30〜45分および150〜180
分内でそれぞれ重合した。pHが高いほど重合は速かった。最初に調製した炭酸
水素ナトリウム緩衝液のpHは、緩衝液からCO2ガスを放出するために時間が
経つにつれて増加することが分かった。したがって、炭酸水素ナトリウムを緩衝
液系として使用する場合、調製してすぐにその日のうちに使用しなければならな
い。他の緩衝液系である50mMホウ酸塩緩衝液を試験し、調製したばかりの炭
酸水素ナトリウム緩衝液の場合と同様の時間で完全に重合することを見出した。
ホウ酸塩緩衝液は四ホウ酸ナトリウムおよびホウ酸を含む水溶液であり、割合を
変えて約7.0と約9.5との間のpHを得ることができる。
【0060】 得られた各々のヒドロゲルの視覚的透過性は、緩衝水溶液に対する有機溶媒の
比に関して変化した。CO2の放出がおよび/またはプレポリマーの沈殿が、透
過性に影響すると信じる。緩衝水溶液に対する有機溶媒の比が高くなるにつれて
、視覚的な透過性が増加し、以下のように更に実験を追加した。
【0061】 蛍光の光学強度に対するヒドロゲルの視覚的不透明性の効果を測定するために
、3種の配合物を用いて以下の実験を行った(10重量%、20重量%および3
0重量%の非プロトン性溶媒)。
【0062】 (配合物I:) 0.2gのHypol PreMa G−50を0.22gのアセトニトリル
および0.22gのNMPに溶解した。得られた溶液をpH8.0で50mMホ
ウ酸塩緩衝液(G11、すなわち5’−CTAAACCTCCAA−3’である
オリゴヌクレオチドの緩衝液中濃度、0.75mg/ml)3.8ml中、DN
A溶液と反応させる。配合物は約10重量%の有機溶媒を含んでいた。
【0063】 (配合物II:) 0.2gのHypol PreMa G−50を0.44gのアセトニトリル
および0.44gのNMPに溶解した。得られた溶液をpH8.0で50mMホ
ウ酸塩緩衝液(G11であるオリゴヌクレオチドの緩衝液中濃度、0.84mg
/ml)3.36ml中、DNA溶液と反応させる。配合物IIは約20重量%
の有機溶媒を含んでいた。
【0064】 (配合物III:) 0.2gのHypol PreMa G−50を0.67gのアセトニトリル
および0.67gのNMPに溶解した。得られた溶液をpH8.0で50mMホ
ウ酸塩緩衝液(G11であるオリゴヌクレオチドの緩衝液中濃度、1mg/ml
)2.89ml中、DNA溶液と反応させる。配合物IIIは約30重量%の有
機溶媒を含んでいた。
【0065】 本明細書中の実施例IIIにより詳しく説明するように、配合物I、IIおよ
びIIIを慣用のマイクロスポット装置を用いてガラススライド上にマイクロス
ポットした。相対湿度を約95%に制御した加湿室中で1時間硬化した後、得ら
れたスライドを洗浄緩衝液で洗浄し、次いで蛍光標識された標的試料と20分間
ハイブリダイズさせた。それぞれの配合物の強度は、CCDカメラを用いて測定
した。結果を表3Aに記載する。ここで、不透明性は有機溶媒の相対百分率に依
存し、蛍光強度に影響することは明らかある。
【0066】
【表5】
【0067】 上記試験の結果として、重合する溶液の合計の少なくとも約20重量%および
好ましくは少なくとも約30重量%の有機溶媒、および好ましくは少なくとも約
15%のアセトニトリルを用いるヒドロゲル配合物は、光透過性が最適のバイオ
チップに所望されるときに好ましいことが分かった。
【0068】 (4.非プロトン性有機溶媒の比較) 本発明のバイオチップのためにヒドロゲルを最適化する次の工程は、非プロト
ン性溶媒の比較とした。セクションIIに記載したのと同様の実験を、多くの非
プロトン性溶媒、すなわちDMF、NMPおよびアセトン、を用いて行った。こ
れらの代替の有機溶媒がアセトニトリルと同様に機能すると考えられるが、これ
らは問題ではない。30%のDMF、NMPまたはアセトンを有するヒドロゲル
配合物の重合研究の結果を表4にまとめる。
【0069】
【表6】
【0070】 これらの実験により、DMF中の配合物は重合するために高いpHを必要とし
、一方、同様の条件下でNMP中の配合物は全く重合しないことを見出した。ア
セトン中の配合物はアセトニトリル配合物とほぼ同様であり、重合にはわずかに
塩基性のpHのみを必要とした。DMFまたはアセトン配合物から得られる重合
ヒドロゲルは、アセトニトリル配合物から製造した重合ヒドロゲルに対して構造
の保全性が明確に劣っていた。したがって、これらの最適化検討から、最適化バ
イオチップの更なる開発に用いるために、アセトニトリルを好ましい非プロトン
性溶媒として選択した。テトラヒドロフランおよびジオキサンなどの他の非プロ
トン性有機溶媒が、アセトニトリルおよびアセトンの場合と同様に完全な重合を
行うため、同様の傾向を示すことを見出したことを以下の実験で示した。
【0071】 前述した試験全てに基づき、重合溶液のpHは、約7.0および約9.5の間
、好ましくは約7.2および約8.6の間、より好ましくは約7.4および約8
.4の間、および最も好ましくは約7.6および約8.2の間であるべきと一般
に信じる。
【0072】 (5.重合中における湿度効果の検証) マイクロスポット中またはマイクロスポット後、付着された微小滴は、激しい
脱水または迅速な損失を避けなければならない。このような損失は、基板上での
重合中では過架橋となり、得られる高分子量標的試料の拡散性が低下する。この
問の可能性は、マイクロスポット後直ちに、制御された加湿室に重合バイオチッ
プを配置することにより減少する。制御された加湿装置を構築し、デジタル振り
回し乾湿計(モデルTHWD−1、Amprobe Instrument)で
測定しながら湿度をおよそ97から98%に維持した。マイクロスポット後、バ
イオチップを直ちに加湿室に配置した。あるいは、制御された加湿室をマイクロ
スポットプロセス環境に拡張できた。
【0073】 結合した生体分子の最適な蛍光強度に対する、重合中の湿度の効果を表5に示
す。
【0074】
【表7】
【0075】 本試験は、重合を乾燥条件下に行うと、強度がほぼ10倍減少することを示し
ている。この差異は、加湿条件を用いなかった場合に、重合した微小滴が過架橋
するためであり、結果として標的試料の拡散性が低下する。したがって、重合中
にマイクロスポットバイオチップを少なくとも約90%の相対湿度に曝すことが
好ましい。
【0076】 (6.ヒドロゲル重合の温度制御) プレポリマーをDNA緩衝水溶液と混合した後、重合が開始し、バイオチップ
基板に塗布する間に混合物の粘度がゆっくり増加する。連続的混合および拡散プ
ロセスを用いることができるが、重合するヒドロゲルを調製しマイクロスポット
するのに、反応動力学の簡単な制御によりバッチプロセスを用いることができる
ことを見出した。室温で、大きな粘度変化が5分から10分の間観察され、これ
は拡散する間微小滴のサイズおよび高さに影響を及ぼすであろう。この可能性あ
る問題点は、7℃において冷却ボックス中でマイクロスポットすることにより本
質的に取り除かれた。温度を低下するにより重合プロセスが遅くなり、より一貫
した粘度が得られることとなった。
【0077】 イソシアネート官能性ヒドロゲルであるHypol PreMa G−50
0.2gをアセトニトリル0.67gおよびN−メチル−2−ピロリジノン0.
67gに溶解させ、pH8.0で50mMホウ酸緩衝液2.89gを添加するこ
とにより得られた混合物を重合した。重合を室温(約24℃)でおよび7℃で行
った。完全に重合する時間を観察し、表6に示す。
【0078】
【表8】
【0079】 この試験によって、微小滴を低温に置くことにより完全な重合が遅延し、約1
0℃以下の温度を用いることが好ましいことが示される。
【0080】 (7.感度に対する厚さの効果) 0.2gのHypol PreMa G−50をアセトニトリル0.67およ
びN−メチル−2−ピロリジノン0.67gに溶解させることにより溶液を調製
した。得られた溶液を、pH8.0で50mMホウ酸緩衝液2.89ml中のD
NA溶液と反応させた。DNAは、1mg/mLの緩衝液濃度での、オリゴヌク
レオチドG11、すなわち5’−CTAAACCTCCAA−3’の形態とした
。配合物全体としては、全重量に対して約30%の有機溶媒を含有した。
【0081】 重合するヒドロゲル溶液を慣用のマイクロスポット装置を用いてガラススライ
ド上にマイクロスポットした。制御された加湿室中で1時間硬化した後、得られ
たスライドを洗浄緩衝液で洗浄し、次いで蛍光標識した標的試料と20分間ハイ
ブリダイズさせた。それぞれの配合物の強度をCCDカメラで測定した。
【0082】 3つの異なる高さ、21μm、32μmおよび52μmを有するヒドロゲル微
小滴を、同じヒドロゲル配合物を用いて、マイクロスポット装置を適当に調整す
ることにより製造した。微小滴の高さを、厚さ測定装置KLA−Tencor
P11で測定した。ヒドロゲルセルを標準法を用いてハイブリダイズし、得られ
る蛍光強度を光学的に検出し測定した。結果を表7にまとめる。
【0083】
【表9】
【0084】 試験結果は、ヒドロゲルセルが厚くなるほど感度が向上することを示している
【0085】 (生体分子プローブでのヒドロゲルの誘導体化) (ペプチド核酸プローブでの誘導体化) (A.反応条件の最適化) 示したようにヒドロゲル配合物およびその重合の最適化が済んだ場合、適当な
生体分子プローブでゲルを誘導体化して、より安定であると考えられるPNAを
有するバイオチップをつくることに注目が向けられる。したがって、好ましいヒ
ドロゲル配合物を誘導体化するのに用いるために、PNAプローブを生成した。
【0086】 ヒドロゲルを調製するために、PNAをまず好ましい非プロトン性溶媒である
アセトニトリルに溶解させたが、PNAはアセトニトリルにほんのわずかしか溶
解しないことが分かった。NMPを用いたヒドロゲル配合物は試験した多くの条
件下で重合しなかったが、NMPとアセトニトリルの両方を含む溶液がPNAに
対する適当な溶解性とヒドロゲルに対する好ましい重合の両方を付与するのに最
適化できるかどうかを調べるために、より極性の溶媒、例えばNMPなどを試し
に選択した。異なるアセトニトリル/NMP比で多くの実験を行い、最適な配合
物は、これらの2種の非プロトン性溶媒を用いたとき、アセトニトリルとNMP
との比が3:1から1:1の範囲の溶媒比でなければならないことが分かった。
次いで、50mM炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて、約pH8.0でポリマー
/PNA溶液を緩衝化し、20〜30分で完全に重合する配合物をつくった。図
1は、PNAなどの有機可溶性生体分子とヒドロゲルプレポリマーとの反応、お
よび誘導体化プレポリマーの重合を概略的に図示する。
【0087】 (B.ヒドロゲルの重合に対するPNA誘導体化の効果) この最初の好ましい実施形態によるPNAバイオチップを製造する次の工程は
、PNAを用いて誘導体化する程度がヒドロゲルの重合にどの程度影響するかに
ついて検証することであった。アセトニトリル中でのヒドロゲル配合物は、活性
イソシアネート含有量が少なくとも約0.1meq/gであって約1meq/g
以下でなければならず、約0.2〜0.8meq/gが好ましいであろうと一般
に信じられた。この範囲内でプレポリマーを使用して、異なる百分率の活性イソ
シアネートを試験化合物であるベンジルアミンで5分間誘導体化するという実験
を行った。ここで、活性イソシアネート濃度が約0.4meq/gであるヒドロ
ゲルを用いた。次いで、誘導体化されたヒドロゲルを、pH8.0において50
mM炭酸水素ナトリウム緩衝液で処理することにより重合させた。10%の活性
イソシアネートをベンジルアミンで誘導体化すると、誘導体化されていない重合
ヒドロゲルの特性と同様の特性を有する重合ヒドロゲルが得られた。対照的に、
少なくとも約20%の活性イソシアネートをベンジルアミンで誘導体化すると、
得られた配合物は重合せず、このことは誘導体化後には重合のために十分な量の
活性イソシアネートが利用できないことを示している。したがって、ゲルの活性
イソシアネートの約10%を誘導体化することが好ましく、約15%以下の活性
イソシアネートを反応させるべきであると考えられる。10%の活性イソシアネ
ートをPNAで誘導体化すると、約1から2pmolのPNAが約1ナノリット
ルのヒドロゲル小滴内で結合していると評価される。プレポリマー溶液に添加さ
れるPNAまたは他の生体分子の量により、このパラメータの制御を行う。
【0088】 (DNAプローブを用いる誘導体化) 代替の実施形態において、本発明のヒドロゲルはDNA(または同様のオリゴ
ヌクレオチド)プローブで誘導体化される。しかしながら、PNAとは異なり、
DNAは有機溶媒に可溶ではない。したがって、DNAを生体分子プローブとし
て使用する場合、誘導体化工程および重合工程は分けずに、単一工程の一部分と
して行う。さらに、PNAとは異なり、DNAはポリマーの活性イソシアネート
に結合できる活性アミノ基(または他の基)を有しない。したがって、プレポリ
マーと反応させる前に、標準のアミダイト化学を用いて活性一級アミンを付与す
るジアミンまたは他の試薬と反応させるなどにより、適当な活性基を加える修飾
をDNAに行うことが好ましい。
【0089】 ヒドロゲルをPNAで誘導体化するという前述の実施形態と同様に、重合時間
、ゲルの透過性および関連する特性に関してヒドロゲル重合を最適化するために
、有機溶媒および緩衝水溶液の量および反応条件を選択する。ポリマー含有率が
約4〜10%であり、有機溶媒含有率が少なくとも約20%(より好ましくは少
なくとも約30%)であることが好ましいことを見出した。同様に、約20%以
下、好ましくは約15%以下、より好ましくは約10%以下の、ヒドロゲルの活
性イソシアネートを、DNAプローブで結合することにより誘導体化すべきと考
えられる。したがって、例えば以下に例示するように、pH約7.2から約8.
6、より好ましくは約7.6から約8.2の塩基性緩衝水溶液を用いて行われる
ことが好ましい重合とともに、約2.5%のヒドロゲルの活性イソシアネートを
DNAプローブで誘導体化することができる。
【0090】 この誘導体化されたヒドロゲルを調製するために、プレポリマーを有機溶媒、
例えばアセトニトリルなどにまず溶解させ、誘導体化されたDNA(または他の
水溶性オリゴヌクレオチド)プローブを緩衝水溶液中で調製する。次いで、DN
A溶液を十分に混合しながらプレポリマー溶液に添加することにより、ゲルの誘
導体化および重合の開始の両方が起こる。有機溶媒中にポリウレタンベースのヒ
ドロゲルを溶解させ、次いでそれに水溶性生体分子プローブの水溶液を添加する
この一般的な方法は、オリゴヌクレオチドに加えて多くの水溶性プローブに適用
可能である。図2には、DNAなどの水溶性生体分子とヒドロゲルプレポリマー
との反応とヒドロゲルの重合との同時反応を概略的に図示している。
【0091】 (基板表面へのヒドロゲルの結合) 最終工程は、誘導体化されたヒドロゲルプレポリマー配合物を適切な条件下適
切な基板上へ分配させて、ヒドロゲルを基板表面に結合させることである。選択
した基板が透明である場合、バイオチップを透過光により走査するときのシグナ
ル検出の妨害を減少するために、好ましい基板はガラスであり、重合するヒドロ
ゲルの共有結合活性部位を付与するために該ガラス表面を最初にアミンで誘導体
化する。誘導体化されたガラス基板上に誘導体化されたヒドロゲルを分配する直
前に、(有機溶媒可溶性生体分子で誘導体化した場合には)誘導体化されたプレ
ポリマーに緩衝水溶液を添加することにより、あるいは水溶性生体分子を含む緩
衝水溶液を添加することにより、重合を開始する。次いで、重合するヒドロゲル
をガラス基板上にマイクロスポットして、最も好ましくは約30から50μmの
厚さを有する微小滴のアレイを形成する。
【0092】 pHが約7.2から約8.4である50mM炭酸水素ナトリウム緩衝水溶液を
用いてヒドロゲルの重合を開始することができ、重合開始から約1から10分内
にこの誘導体化されたガラス表面にヒドロゲル配合物が強く結合する。PNAま
たは他の有機可溶性プローブを用いる場合、誘導体化されたプレポリマーを誘導
体化後直ぐに使用する必要はないが、緩衝水溶液の添加によって重合を開始する
前に適切な条件下で保存できる。対照的に、プレポリマーを水溶性プローブで誘
導体化すると、重合および誘導体化がプレポリマー溶液へのプローブの添加によ
り開始し、このため重合するヒドロゲルをその後すみやかに分配させなければな
らない。
【0093】 有利な点として、これらのイソシアネート官能性ヒドロゲルは、極めて安定な
微小滴中で素早く重合し、好ましくはこれらは基板上に分配されて、少なくとも
約20μmの高さ、より好ましくは少なくとも約30μmの高さ、および最も好
ましくは約30μmから約50μmの高さの微小滴を形成する。マイクロスポッ
ト装置または類似の自動装置を用いて重合するゲルを分配させることにより、ヒ
ドロゲル小滴間の一致性が得られており、このような厚いゲル小滴またはゲルセ
ルによってバイオチップの感度を著しく増加させることができる。
【0094】 ゲルから水分が蒸発するにつれてポリマー濃度が増加することとなり、かつゲ
ル小滴表面に皺がよることにもなる、重合するゲルの過架橋を防止するために、
バイオチップを加湿室などの多湿環境下に硬化し、その後脱イオン水で洗浄する
ことが好ましい。
【0095】 ガラス基板に対する重合するヒドロゲルの粘度および被覆特性は、アレイの全
体に渡って適切で一致性ある小滴の形を付与するために重要である。理想的には
、重合するヒドロゲルの粘度は、1次関数的にゆっくり増加する。しかしながら
、残念なことに、ヒドロゲルの粘度は重合中に指数関数的に増大する傾向にある
。重合中ヒドロゲルの線膨張をより促進するために、種々の分子量のポリエチレ
ングリコールなどの濃厚化剤を用いてその粘度を修飾できる。重合中のヒドロゲ
ルの粘度は、濃厚化剤添加後に、例えば粘度計を用いて測定できる。実験より、
約1000以上、例えばプレポリマーの分子量と同様の分子量を有するポリエチ
レングリコールを添加すると、配合物の粘度および被覆特性が著しく向上するこ
とが分かった。したがって、ある好ましい実施形態において、ポリエチレングリ
コールまたは同様の濃厚化剤をヒドロゲルに重合の際に添加して、これにより重
合速度を制御する。
【0096】 (実施例I:PNAバイオチップの調製および試験) 配列NH2−CATTGCTCAAAC−CO2Hを有するPNA(0.3μm
)1mgの溶液をNMP0.1g中に調製した。次に、約0.4meq/gの活
性イソシアネート含有率を有するポリウレタンプレポリマーである0.05gの
Hypol PreMa G−50の溶液をアセトニトリル0.2g中に調製し
、PNA−NMP溶液を添加した。得られた溶液を約pH8.0で50mMのN
aHCO3溶液0.65gで処理した。十分に混合した後、得られた溶液2滴を
、キャピラリマイクロチューブを用いてシラン処理したガラススライド上に手で
スポットした。該小滴は約15分でガラス表面上で重合した。ネガティブコント
ロールとして、PNAを含まない2滴のヒドロゲル小滴をPNA含有ヒドロゲル
小滴の隣にスポットした。
【0097】 ガラススライド上にヒドロゲル液滴を有するガラススライドを30分間洗浄緩
衝液(pH7.0で0.05%のSDSを有する5mMのリン酸ナトリウム緩衝
液)中に浸して、有機溶媒を除去し、試験DNAの非特異的な結合を防ぐために
残っている活性部位をブロックした。次に、pH7.0で0.1%のSDSを有
する10mMリン酸ナトリウム緩衝液600μLを含むハイブリダイゼーション
緩衝液中、相補的な蛍光標識DNAである3’−TAGTAACGAGTTTG
CC−5’−フルオレセイン1mgでスライドを室温下1時間処理した。非特異
的結合DNAを洗浄緩衝液中2時間洗浄して除去した。得られたスライドを携帯
型蛍光検出器(モデルUVGL−25、UVP)で観察した。試験DNAをヒド
ロゲル微小滴に拡散させて、相補的PNA捕捉プローブ配列にハイブリダイズし
、強い蛍光シグナルが得られた。一方、シグナルを示さないネガティブコントロ
ール液滴からは試験DNAを洗い流した。本試験は、このようなヒドロゲルバイ
オチップの有用性を示している。
【0098】 (実施例II:DNAバイオチップの調製および試験) 0.025gのHypol PreMa G−50溶液を0.15gのアセト
ニトリル中に調製した。次に、その5’末端にヘキサンアミンを有し、配列NH 2 (CH26−CATTGCTCAAAC−3’を有する1mgのDNA(0.
3μm)溶液をpH8.0で50mMのNaHCO3緩衝水溶液0.32g中に
調製した。DNA溶液をプレポリマー溶液に添加し、十分に混合した。得られた
溶液の液滴をキャピラリマイクロチューブを用いてシラン処理したガラススライ
ド上に手でスポットした。ネガティブコントロールとして、DNAを含まないヒ
ドロゲル液滴をDNA含有ヒドロゲル液滴の隣にスポットした。
【0099】 ガラススライド上にヒドロゲル液滴を有するガラススライドを30分間洗浄緩
衝液(pH7.0で0.5MのNaClおよび0.1%のSDSを有する10m
Mのリン酸ナトリウム緩衝液)中に浸して有機溶媒を除去し、試験DNAの非特
異的な結合を防ぐために残っている活性部位をブロックした。次に、ハイブリダ
イゼーション緩衝液(pH7.0で0.5MのNaClおよび0.1%のSDS
を有する10mMリン酸ナトリウム緩衝液)600μL中、相補的な蛍光標識D
NAである3’−TAGTAACGAGTTTGCC−5’−フルオレセイン1
mgでスライドを室温下1時間処理した。非特異的結合DNAを洗浄緩衝液中2
時間洗浄して除去した。本スライドを携帯型蛍光検出器(モデルUVGL−25
、UVP)で観察した。相補的に、試験DNAをヒドロゲル微小滴に拡散させ、
そしてゲル結合DNAプローブ配列にハイブリダイズし、その結果強い蛍光シグ
ナルが得られた。しかし、ネガティブコントロール液滴からは試験DNAを洗い
流した。本試験は、DNAハイブリダイゼーションアッセイにおける本ヒドロゲ
ルバイオチップの信頼性および有用性を示している。
【0100】 (実施例III.アレイDNAバイオチップの調製およびヒトβ−グロビン
遺伝子配列検出における試験) DNAバイオチップを以下のように調製した。
【0101】 1.以下の2種の反応溶液を調製した。 溶液A=アセトニトリル0.33gおよびNMP0.33g中のHypol
Pre−Ma G−50 0.1g(重量比15:15:4.5) 溶液B=pH8.0の50mMホウ酸緩衝液1ml中のオリゴヌクレオチド1
mg
【0102】 2.溶液A(34.5部)を溶液B(65.5部)と混合し、得られた溶液を
ガラススライド上にマイクロスポットした。Conception Techn
ologies社から市販されている開口構成ピンであるCTマイクロピペット
DP−120μmを用いてマイクロスポットを行った。
【0103】 3.マイクロスポットしたスライドを制御した加湿室中に1時間配置し、次い
で洗浄緩衝液で10分間洗浄して、バイオチップの調製を完了した。
【0104】 ハイブリダイゼーション緩衝系中、異なる濃度で蛍光標識などを有する標的試
料を用いて、標的の分子量に比例して20分から2時間ハイブリダイゼーション
することによりこのようなバイオチップの試験を行う。非特異的結合標的をハイ
ブリダイゼーション緩衝液で洗い流し、そしてバイオチップを走査して光学的蛍
光により結合標的を検出する。
【0105】 DNAプローブを有するこれらのバイオチップの性能を確認するため、標準の
アミド化化学を用いてそれぞれの5’末端において一級アミンで誘導体化された
、以下の20種の12量体オリゴヌクレオチドを、この方法で製造されたバイオ
チップの一部として分割されたヒドロゲルセル上に固定化した。
【0106】
【表10】
【0107】 ヒトβ−グロビン遺伝子配列から標的の30量体DNA試料を合成し、標準の
アミド化化学を用いてその5’末端にて、標識分子、すなわちフルオレセインで
標識した。この標的試料の配列は以下である。
【0108】 5’−(フルオレセイン)−TTGGAGGTTTAGTTCGGAGATG
AACTTAGG−3’
【0109】 G1、G6、G11、G16、G17、G18およびG19の配列は、標的試
料の異なる領域を完全に相補する。G20の配列は、G11の配列から内部の1
つの塩基対が不一致しているものである。試験結果を以下の表8に示す。
【0110】
【表11】
【0111】 表8に見られるように、完全一致(G11)と1塩基対不一致(G20)のハ
イブリダイゼーション識別は優れていた(5630対2181の蛍光強度)。関
連しないオリゴヌクレオチドであるG2、G3、G4、G5、G7、G8、G9
、G10、G12、G13、G14およびG15は、ブランクのヒドロゲルセル
と同様、ヒドロゲルへの非特異的結合が最小であるバックグランドを丁度越える
強度を示した。 本明細書に示す全ての米国特許の開示は、特に参照として本明細書に取り入れ
る。
【0112】 本明細書に記載したイソシアネート官能性バイオチップを製造する方法、バイ
オチップ系およびハイブリダイゼーションアッセイは、現在企図されるベストモ
ードを包含する具体的な実施形態によって記載した。しかしながら、選択された
特異な非プロトン性溶媒、所望されるおよび/または使用される重合時間、およ
びヒドロゲルに結合するために選択された生体分子プローブなどのパラメータは
、本明細書に記載したように発明の本質を変えない限り変更できることは当業者
によく理解されるであろう。したがって、本発明の適用範囲は、上記記述のみを
参照にするのではなく、広く同等の適応範囲を有する添付した特許請求の範囲を
参照にして決めなければならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の種々の特徴を具体化するプロセスの一部としてのヒドロゲルプレポリ
マーと有機溶媒可溶性生体分子との反応およびその後のヒドロゲルの重合を例示
する概略図である。
【図2】 ヒドロゲル重合の際のヒドロゲルプレポリマーとDNAなどの水溶性生体分子
との代替反応を概略的に例示する概略図である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年3月15日(2001.3.15)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】 本発明はバイオチップの新しい製造法およびそれによって得られるバイオチッ
プに関する。特に、本明細書に記載の新規な方法は、イソシアネート官能性ヒド
ロゲルを用いて生体分子プローブを基板上に固定化することにより、迅速で、簡
単かつ費用効果が大きいバイオチップの構築を提供する。特に、ペプチド核酸(
PNA)のような有機溶媒可溶性生体分子と、DNA、RNAおよび他のオリゴ
ヌクレオチドのような水溶性生体分子の両方が、親水性ポリマーに、その重合前
または重合中に容易かつ効率的に結合される。本明細書に記載のバイオチップの
改善された製造法に加えて、バイオチップ自体が、貯蔵寿命を大幅に改善するす
ぐれた安定性および使用の際のより大きな軟質性を含む改善された特徴を有する
。そのようなバイオチップは遺伝子発見、遺伝子特徴付け、遺伝子機能研究、生
物活性のスクリーニングおよび関連研究にとって有用である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】 (7.感度に対する厚さの効果) 0.2gのHypol PreMa G−50をアセトニトリル0.67gお
よびN−メチル−2−ピロリジノン0.67gに溶解させることにより溶液を調
製した。得られた溶液を、pH8.0で50mMホウ酸緩衝液2.89ml中の
DNA溶液と反応させた。DNAは、1mg/mLの緩衝液濃度での、オリゴヌ
クレオチドG11、すなわち5’−CTAAACCTCCAA−3’の形態とし
た。配合物全体としては、全重量に対して約30%の有機溶媒を含有した。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0111
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0111】 表8に見られるように、完全一致(G11)と1塩基対不一致(G20)のハ
イブリダイゼーション識別は優れていた(5630対2181の蛍光強度)。関
連しないオリゴヌクレオチドであるG2、G3、G4、G5、G7、G8、G9
、G10、G12、G13、G14およびG15は、ブランクのヒドロゲルセル
と同様、ヒドロゲルへの非特異的結合が最小であるバックグランドを丁度越える
強度を示した。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年7月5日(2001.7.5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 37/00 102 C12N 15/00 F (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 パベル ツィンバーグ アメリカ合衆国 92122 カリフォルニア 州 サンディエゴ トスカン ウェイ エ イチ−118 5370 Fターム(参考) 4B024 AA11 AA19 CA01 CA09 CA11 CA20 HA13 HA14 4B029 AA07 AA23 BB15 BB20 CC01 CC03 CC05 CC08 FA12 FA15 4B063 QA01 QA13 QA17 QQ42 QQ52 QR31 QR38 QR56 QR84 QS34 QX02

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロゲルバイオチップ上に固定化された生体分子を有する
    ヒドロゲルバイオチップの調製方法であって、 (a)イソシアネート官能性ヒドロゲルプレポリマーの有機溶媒溶液を調製す
    る工程と、 (b)生体分子の溶液を調製する工程と、 (c)前記生体分子を前記ヒドロゲルプレポリマーに共有結合させる工程と、 (d)前記ヒドロゲルプレポリマーの重合を開始する工程と、 を含むことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 前記基板がヒドロゲルを基板に共有結合させる活性アミンを
    該基板上面に有することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 ヒドロゲルプレポリマーが、少なくとも約0.1meq/g
    の活性イソシアネートを有する約10%未満のヒドロゲルプレポリマー溶液とし
    て調製されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記溶液が、ジイソシアネートによってキャッピングされた
    ポリエチレンオキシドまたはポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドと
    のコポリマーを含む約5%以下のプレポリマーを含み、プレポリマーは任意選択
    で軽度に架橋され、かつ前記プレポリマーは約1meq/g未満の活性イソシア
    ネートを含むことを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記ヒドロゲルプレポリマーが、N−メチル−2−ピロリジ
    ノン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、アセトン
    、テトラヒドロフラン、ジオキサンおよびそれらの混合物からなる群より選択さ
    れる非プロトン性有機溶媒中で調製されることを特徴とする請求項1記載の方法
  6. 【請求項6】 前記ヒドロゲルプレポリマーがアセトニトリルに溶解されて
    いることを特徴とする請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記生体分子をヒドロゲルプレポリマーに共有結合させる工
    程と、前記ヒドロゲルプレポリマーの重合を開始する工程とが同時に実施される
    ことを特徴とする請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記生体分子が水溶液中のDNA、RNAまたはPNAを含
    むことを特徴とする請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記水溶液が約7.0から約9.5のpHで緩衝化されてい
    ることを特徴とする請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 二酸化炭素の発生を制御するため、および得られた前記ヒ
    ドロゲルの不透明度を最小にするのにイソシアネート官能性プレポリマーの沈殿
    を避けるために、前記反応条件を用い、重合が少なくとも約90%の相対湿度下
    で実施されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の方法に従って製造されるバイオチップであ
    って、前記生体分子プローブがDNA、RNAまたはPNAを含み、前記プレポ
    リマー中の前記反応性イソシアネートの約20%以下が前記生体分子プローブを
    固定化するために用いられることを特徴とするバイオチップ。
  12. 【請求項12】 前記プレポリマー中の前記反応性イソシアネートの約10
    %以下が前記生体分子プローブを固定化するために用いられ、その他の前記反応
    性イソシアネートが前記基板に共有結合して架橋ヒドロゲルを形成するために用
    いられることを特徴とする請求項11記載のバイオチップ。
  13. 【請求項13】 バイオチップに共有結合された有機溶媒可溶性の生体分子
    を有するバイオチップの調製方法であって、 (a)上面を有する固体基板を調製する工程と、 (b)非プロトン性有機溶媒中の前記生体分子を含む溶液を調製する工程と、 (c)非プロトン性有機溶媒中のイソシアネート官能性ヒドロゲルプレポリマ
    ーを調製する工程と、 (d)前記プレポリマーを工程(b)の前記生体分子で誘導体化する工程と、 (e)工程(d)の前記誘導体化ヒドロゲルプレポリマーの重合を、それに緩
    衝化水溶液を加えることによって開始する工程と、 (f)工程(e)の前記重合するヒドロゲル溶液を工程(a)の前記基板の上
    面にマイクロスポットして前記ヒドロゲルおよび前記固定化した生体分子を前記
    基板に付着する工程と、 を含むことを特徴とする方法。
  14. 【請求項14】 前記生体分子が、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP
    )、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトンおよびそれらの混合物からなる
    群より選択される非プロトン性有機溶媒に溶解されているペプチド核酸であるこ
    とを特徴とする請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記ペプチド核酸がNMPに溶解されていることを特徴と
    する請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 工程(d)がNMP中のペプチド核酸の溶液をアセトニト
    リル中のヒドロゲルプレポリマーの溶液と反応させることを含むことを特徴とす
    る請求項13記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記誘導体化工程においてアセトニトリルとNMPとの比
    が約3:1および約1:1の間であることを特徴とする請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】 非プロトン性溶媒中のヒドロゲルプレポリマーを調製する
    工程が、アセトニトリル中のポリウレタンベースのプレポリマーを調製すること
    を含み、工程(e)の前記重合溶液が少なくとも約15%のアセトニトリルを含
    むことを特徴とする請求項13記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記基板がアミンで誘導体化され、工程(c)がアセトニ
    トリルを含む有機溶媒中のポリウレタンベースの前記ヒドロゲルプレポリマーを
    調製し、工程(e)の前記重合溶液が少なくとも20%の有機溶媒を含むことを
    特徴とする請求項13記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記ヒドロゲルプレポリマーの前記活性イソシアネート含
    量が約0.2および0.8meq/gの間であることを特徴とする請求項13記
    載の方法。
  21. 【請求項21】 工程(d)が前記プレポリマーの前記活性イソシアネート
    の約15%以下を前記ペプチド核酸で誘導体化することを含み、工程(c)にお
    ける前記有機溶媒の水に対する比が0.25から1よりも大きいことを特徴とす
    る請求項14記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記ヒドロゲルの前記活性イソシアネートの約10%以下
    がペプチド核酸で誘導体化され、工程(e)が前記誘導体化プレポリマー溶液に
    水溶液を加えて約7.4から約8.4のpHで緩衝化される溶液を調製すること
    を含むことを特徴とする請求項21記載の方法。
  23. 【請求項23】 工程(a)がアセトニトリル溶液中のポリウレタンベース
    の前記ヒドロゲルプレポリマーを調製することを含み、ここで、前記ヒドロゲル
    プレポリマーは約0.8meq/g以下の活性イソシアネート含量を有する;工
    程(b)がNMP中のペプチド核酸の溶液を調製することを含み、ここで、前記
    ペプチド核酸の濃度は前記ヒドロゲルプレポリマー溶液中の前記活性イソシアネ
    ートの濃度の少なくとも約10%と等しく、前記NMPの体積は前記アセトニト
    リルの体積の多くとも約2分の1である;工程(c)では、前記ヒドロゲルプレ
    ポリマー溶液と前記ペプチド核酸溶液とが、前記ヒドロゲルプレポリマーの前記
    活性イソシアネートの約20%以下が前記生体分子に共有結合するように反応す
    ること、を特徴とする請求項21記載の方法。
  24. 【請求項24】 (a)上面を有する固体基板と、 (b)前記基板の前記上面に共有結合された複数のヒドロゲルセルであって、
    それぞれがイソシアネート官能性ポリマーで形成されるヒドロゲルセルと、 (c)少なくとも1つの前記ヒドロゲルセルおよびその内部に共有結合された
    生体分子プローブと、 を含むことを特徴とするバイオチップ。
  25. 【請求項25】 各ヒドロゲルセルがウレタンおよび尿素結合を有するポリ
    マーを含み、少なくとも約20μmの厚さを有することを特徴とする請求項24
    記載のバイオチップ。
  26. 【請求項26】 前記ヒドロゲルポリマーがポリエチレングリコール、ポリ
    プロピレングリコール、またはそれらのコポリマーを含むことを特徴とする請求
    項24記載のバイオチップ。
  27. 【請求項27】 前記基板が透明であり、前記ヒドロゲルを前記基板に共有
    結合させる反応性分子を該基板上面に有し、各ヒドロゲルセルが約20μmおよ
    び約100μmの間の厚さを有することを特徴とする請求項24記載のバイオチ
    ップ。
  28. 【請求項28】 (a)上面を有する固体基板と、 (b)前記基板の上面に共有結合された複数のヒドロゲルセルであって、ポリ
    エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、またはそれらのコポリマーを
    含むヒドロゲルセルと、 (c)異なるヒドロゲルセルおよびその内部に共有結合された異なる生体分子
    プローブと、 を含むことを特徴とするバイオチップ。
  29. 【請求項29】 各ヒドロゲルセルが少なくとも20μmの厚さを有し、、
    前記生体分子プローブがDNA、RNAまたはPNAを含むことを特徴とする請
    求項28記載のバイオチップ。
  30. 【請求項30】 前記ヒドロゲルセルが約30μmおよび50μmの間の厚
    さを有することを特徴とする請求項28記載のバイオチップ。
  31. 【請求項31】 (a)上面を有する固体基板と、 (b)前記基板の上面に共有結合された複数のヒドロゲルセルであって、ウレ
    タン−尿素結合を有するポリマーを含むヒドロゲルセルと、 (c)異なるヒドロゲルセルおよびその内部に共有結合された異なる生体分子
    プローブと、 を含むことを特徴とするバイオチップ。
  32. 【請求項32】 前記ヒドロゲルセルが少なくとも20μmの厚さを有し、
    、前記生体分子プローブがDNA、RNA、またはPNAを含むことを特徴とす
    る請求項31記載のバイオチップ。
  33. 【請求項33】 (a)各セルは少なくとも約20μmの厚さを有し、かつ
    ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびそのコポリマーから
    なる群より選択されるポリマーの主要部分を含む、基板に結合された少なくとも
    2つのヒドロゲルセルがを有する基板を含むバイオチップであって、少なくとも
    1つのヒドロゲルセルは該ヒドロゲルセルに共有結合された生体分子プローブを
    さらに含むバイオチップを調製する工程と、 (b)前記バイオチップを標的生体分子を含む分析物溶液とハイブリダイゼー
    ション条件下で接触させる工程と、 (c)前記ヒドロゲルバイオチップを非特異的に結合している前記標的生体分
    子および結合していない前記標的生体分子を除去する条件下で洗浄する工程と、 (d)結合した前記標的生体分子を検出する工程と、 を含むことを特徴とするハイブリダイゼーションアッセイ。
  34. 【請求項34】 結合した前記標的生体分子を検出する工程が、前記バイオ
    チップを前記標的分子に選択的に結合する標識分子と接触させることと、前記標
    識分子を検出することと、をさらに含むことを特徴とする請求項33記載のハイ
    ブリダイゼーションアッセイ。
  35. 【請求項35】 前記分析物溶液が標的生体分子に結合した蛍光標識を有す
    る標的生体分子を含み、結合した前記標的分子を検出する工程が前記蛍光標識か
    らの蛍光を検出することを含むことを特徴とする請求項33記載のハイブリダイ
    ゼーションアッセイ。
  36. 【請求項36】 (a)約1meq/g以下の活性イソシアネート含量を有
    するヒドロゲルプレポリマーの有機溶媒溶液を調製する工程と、 (b)生体分子の溶液を調製する工程と、 (c)前記生体分子を少なくとも一部の前記ヒドロゲルプレポリマーに共有結
    合させる工程と、 (d)前記ヒドロゲルプレポリマーの重合を開始する工程と、 (e)前記溶液が基板に少なくとも約20μmの厚さで共有結合するように、
    前記重合するヒドロゲルプレポリマーを固体基板上に分配させて、それによりバ
    イオチップを生じる工程と、 (f)前記ヒドロゲル内の残存する活性部位がブロックされるように、工程(
    e)の前記バイオチップを洗浄緩衝液で洗浄する工程と、 (g)洗浄した前記バイオチップを標的生体分子を含む分析物溶液とハイブリ
    ダイゼーション条件下で接触させる工程と、 (h)次いで、非特異的に結合した標的生体分子および結合していない標的生
    体分子が除去されるように、工程(g)の前記バイオチップを第2の洗浄緩衝液
    で洗浄する工程と、 (i)前記ヒドロゲルチップに結合した前記標的生体分子を検出する工程と、
    を含むことを特徴とするハイブリダイゼーションアッセイ。
  37. 【請求項37】 前記重合ヒドロゲルプレポリマーを分配して約30μmお
    よび約50μmの間の厚さを有する前記基板上で少なくとも1つの個別のセルを
    つくり、前記分析物溶液が標的生体分子に結合された蛍光標識を有する標的生体
    分子を含むことを特徴とする請求項36記載のハイブリダイゼーションアッセイ
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