JP2002543215A - A−dna型およびb−dna型立体配座幾何学形状を有するオリゴヌクレオチド - Google Patents

A−dna型およびb−dna型立体配座幾何学形状を有するオリゴヌクレオチド

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Abstract

(57)【要約】 A型立体配座幾何学形状およびB型立体配座幾何学形状両方のオリゴヌクレオチドを含有する修飾オリゴヌクレオチドを開示する。B型幾何学形状は、標的核酸鎖に結合した場合、該オリゴヌクレオチドをRNアーゼHの基質として役立たせる。A型幾何学形状は、結合親和性およびヌクレアーゼ耐性を調節する性質をオリゴヌクレオチドに与える。C2’エンド糖またはO4’エンド糖を利用することにより、B型特性をオリゴヌクレオチドの一部分に与える。3’エンド幾何学形状を有する2’−O−修飾ヌクレオチドの使用かまたは特定のヌクレアーゼ安定性を有する末端キャップの使用によって、またはこれら両方を互いに一緒に用いることによって、A型特性を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、A型およびB型両方の立体配座幾何学形状を有するオリゴヌクレオ
チドおよびこのようなオリゴヌクレオチドを使用する方法に関する。本発明のオ
リゴヌクレオチドは、治療および研究の目的に有用である。より具体的には、本
発明は、親和性およびヌクレアーゼ耐性を増加させる特別な修飾を有すると同時
に、標的RNA鎖に結合した場合にRNアーゼHの基質として役立つオリゴヌク
レオチドに関する。
【0002】 発明の背景 大部分の疾患状態を含めた哺乳動物の身体状態の大部分は、タンパク質によっ
て影響されるということは周知である。古典的な治療方式は、概して、それら疾
患を引き起こすまたは疾患を悪化させる機能を緩和する努力において、このよう
なタンパク質との相互作用に焦点を合わせている。しかしながら、最近は、この
ようなタンパク質の実際の生産を、それらの合成を支配する細胞内RNAのよう
な分子との相互作用によって緩和する試みが成されている。タンパク質の生産を
妨げることにより、最大限の治療効果および最小限の副作用が実現するかもしれ
ない。望ましくないタンパク質形成をもたらす遺伝子発現を妨げるまたはそれ以
外の場合は調節することは、このような治療的アプローチの一般的な目的である
【0003】 特定の遺伝子発現を阻害する一つの方法は、オリゴヌクレオチドの使用である
。オリゴヌクレオチドは、現在、治療薬として認められている。最初のこのよう
なオリゴヌクレオチドは、ヒト治療使用についてFDAによって認可されており
、販売市場で入手可能である。
【0004】 オリゴヌクレオチドは、一本鎖DNAまたはRNA分子にハイブリッド形成す
ることが知られている。ハイブリダイゼーションは、オリゴヌクレオチドの核塩
基の標的DNAまたはRNA分子の核塩基への配列特異的塩基対水素結合である
。このような核塩基対は、互いに相補的であるといわれる。アンチセンス阻害と
しても知られる、標的RNA配列へのオリゴヌクレオチドの配列特異的結合の使
用によって遺伝子発現を阻害する概念は、生細胞を含めたいろいろな系において
証明されている(例えば、Wagner et al., Science (1993) 260:1510-1513; Mil
ligan et al., J.Med.Chem., (1993) 36:1923-37; Uhlmann et al., Chem.Revie
ws, (1990) 90:543-584; Stein et al., Cancer Res., (1988) 48:2659-2668 を
参照されたい)。
【0005】 アンチセンスオリゴヌクレオチドによって核酸機能を破壊する場合(Cohen in
Oligonucleotides: Antisense Inhibitors of Gene Expression, (1989) CRC P
ress,Inc., Boca Raton, FL)には、二つの種類があると考えられる。第一の
ハイブリダイゼーション阻止は、オリゴヌクレオチド阻害物質が標的核酸に結合
し、それによって、単純な立体障害により、必須タンパク質、たいていはリボソ
ームの核酸への結合を妨げる終結である。メチルホスホネートオリゴヌクレオチ
ド:Miller,P.S. and Ts'O,P.O.P. (1987) Anti-Cancer Drug Design, 2:117-12
8 およびα−アノマーオリゴヌクレオチドは、ハイブリダイゼーション阻止によ
って核酸機能を破壊すると考えられる二つの最も充分に研究されたアンチセンス
物質である。
【0006】 アンチセンスオリゴヌクレオチドについての第二の種類の終結には、細胞内R
NアーゼHによる標的RNAの酵素的切断が含まれる。2’−デオキシリボフラ
ノシルオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド類似体は、標的RNAとハ
イブリッド形成し、そしてこの二重らせんは、RNアーゼH酵素を活性化させて
RNA鎖を切断し、それによってRNAの正常な機能を破壊する。ホスホロチオ
エートオリゴヌクレオチドは、おそらくは、この種類のアンチセンス終結によっ
て作用するアンチセンス物質の最も顕著な例である。
【0007】 オリゴヌクレオチドは、フーグスティーン型塩基対による配列特異的方法で、
二重らせん核酸に結合して三重らせん複合体を形成することもできる(Beal et
al., Science, (1991) 251:1360-1363; Young et al., Proc.Natl.Acad.Sci. (1
991) 88:10023-10026)。アンチセンスおよび三重らせん両方の治療計画は、疾
患状態を決定するまたは維持することに関与するまたはその原因となる核酸配列
に対して向けられる。このような標的核酸配列は、細菌、酵母、真菌、原生動物
、寄生体、ウイルスを含めた病原性微生物のゲノム中で見出されうるし、または
天然において内因性であってよい。疾患状態の決定、維持または離脱に重要な遺
伝子にハイブリッド形成させることおよびその発現を修飾することにより、該当
する状態を、治癒させる、予防するまたは改善することができる。
【0008】 オリゴヌクレオチドの相補的核酸へのハイブリダイゼーションの程度を決定す
る場合、相補的核酸に結合するオリゴヌクレオチドの相対能力は、具体的なハイ
ブリダイゼーション複合体の融解温度を決定することによって比較することがで
きる。二重らせんの特徴的な物理的性質である融解温度(Tm)は、50%のヘ
リックス(ハイブリッド形成)型対コイル(非ハイブリッド形成)型が存在する
温度である。Tmは、UVスペクトルを用いて測定されて、ハイブリダイゼーシ
ョン複合体の形成および分解(融解)を決定する。ハイブリダイゼーション中に
起こる塩基の積み重なりは、UV吸収の減少(淡色性)を伴う。結果として、U
V吸収の減少は、より高いTmを示す。Tmが高いほど、鎖間結合の強さは大きい
【0009】 オリゴヌクレオチドは、それらが細胞内または細胞外ポリペプチド、タンパク
質または酵素のような非核酸生体分子に結合する場合、治療的価値を有すること
もありうる。このようなオリゴヌクレオチドは、しばしば、‘アプタマー(apta
mers)’と称され、それらは、典型的には、タンパク質標的に結合し且つその機
能を妨げる(Griffin, et al., Blood, (1993),81:3271-3276; Bock, et al., N
ature,(1992) 355:564-566)。
【0010】 オリゴヌクレオチドおよびそれらの類似体は、診断目的、治療用途におよび研
究用試薬として開発され且つ用いられてきている。治療薬としての使用には、オ
リゴヌクレオチドは、細胞膜を越えて輸送されるまたは細胞によって吸収される
必要があるし、標的DNAまたはRNAに適当にハイブリッド形成する必要があ
る。これら臨界的機能は、ヌクレアーゼ分解に対するオリゴヌクレオチドの初期
安定性に依存する。治療目的に関する標的DNAまたはRNAとのハイブリダイ
ゼーション可能性に影響を与える未修飾オリゴヌクレオチドの重大な欠陥は、ヌ
クレアーゼと称されるいろいろな細胞内および細胞外に存在する核酸分解酵素に
よる、投与されたオリゴヌクレオチドの酵素的分解である。オリゴヌクレオチド
が治療薬または診断薬として有用であるためには、それらオリゴヌクレオチドは
、相補的標的核酸への増加した結合親和性を示すべきであり、好ましくは、ヌク
レアーゼにかなり安定であり且つ分解に耐えるべきである。研究用試薬のような
非細胞使用には、オリゴヌクレオチドは、必ずしもヌクレアーゼ安定性を有する
必要がない。
【0011】 多数の化学修飾は、標的DNAまたはRNAへの結合親和性を増加させ且つヌ
クレアーゼ分解に耐えるようにオリゴヌクレオチド中に導入されている。 修飾は、ヌクレアーゼへの耐性を増加させるように、リボースリン酸基主鎖に
行われている。これら修飾には、メチルホスホネート、ホスホロチオエートおよ
びホスホロジチオエートのような結合の使用、および2’−O−アルキルリボー
スのような修飾糖残基の使用が含まれる。他のオリゴヌクレオチド修飾には、吸
収および細胞内分布を調節するように行われるものが含まれる。ヌクレオチド間
結合の性状を劇的に変化させる多数の修飾は、文献中にも報告されている。これ
らには、非リン結合、ペプチド核酸(PNA)および2’−5’結合が含まれる
。オリゴヌクレオチドへのもう一つの修飾は、通常は、診断および研究用途のた
めに、非同位体標識、例えば、フルオレセイン、ビオチン、ジゴキシゲニン、ア
ルカリ性ホスファターゼ、または他のリポーター分子を用いて標識されている。
【0012】 いろいろな修飾リン含有結合は、オリゴヌクレオチド中の天然の容易に切断さ
れるホスホジエステル結合に関する置換として研究されてきている。概して、そ
れらの大部分(ホスホロチオエート、ホスホロアミデート、ホスホネートおよび
ホスホロジチオエートなど)は、相補的標的への減少した結合および低下したハ
イブリッド安定性を有するオリゴヌクレオチドを生じる。現在、いろいろな疾患
状態の治療に関するヒト臨床試験において、少なくとも1ダースのホスホロチオ
エートオリゴヌクレオチドおよび誘導体が、アンチセンス物質として用いられて
いる。ヒトのサイトメガロウイルス(CMV)網膜炎を治療するのに用いるため
のアンチセンス薬 VitravineTMは、監査機関によって認可されており、市販され
ている。
【0013】 化学修飾された核酸の構造および安定性は、アンチセンスオリゴヌクレオチド
の設計に極めて重要である。この10年間にわたって、ヌクレアーゼ耐性を増加
させるために、またはアンチセンス鎖のその標的mRNAへの親和性を増加させ
るために、いろいろな合成修飾が考えられてきている(Crooke et al., Med.Res
.Rev., 1996,16,319-344; De Mesmaeker et al., Acc.Chem.Res., 1995,28,366-
374)。
【0014】 RNAは、“A型”と称されてきた幾何学形状で存在するが、DNAは“B型
”幾何学形状で存在する。概して、RNA:RNA二重らせんは、DNA:DN
A二重らせんより安定である、またはより高い融解温度(Tm)を有する(Sang
er et al., Principles of Nucleic Acid Structure, 1984, Springer-Verlag;
New York, NY.;Lesnik et al., Biochemistry, 1995,34,10807-10815; Cont
e et al., Nucleic Acids Res., 1997,25,2627-2634)。増加したRNAの安定
性は、いくつかの構造上の特徴、特に、A型幾何学形状によって生じる改善され
た塩基の積み重なり相互作用に起因している(Searle et al., Nucleic Acids R
es., 1993,21,2051-2056)。RNA中の2’−ペントフラノシル(すなわち、2
’−糖)位置でのヒドロキシル基の存在は、C3’エンドパッカー(ノーザンパ
ッカーとしても知られる)の方へ糖を偏らせると考えられ、これは、二重らせん
をA型幾何学形状が好都合であるようにさせる。もう一方において、2’−デオ
キシ核酸(2’−デオキシエリトロペントフラノシルヌクレオチドを有するもの
)は、C2’エンドパッカー(サザンパッカーとしても知られる)の方を選択し
、これは、あまり安定性でないB型幾何学形状を与えると考えられる(Sanger,W
. (1984) Principles of Nucleic Acid Structure, Springer-Verlag, New York
, NY)。更に、RNAの2’ヒドロキシル基は、RNA二重らせんを安定化さ
せる水に媒介される水素結合のネットワークを形成することができる(Egli et
al., Biochemistry, 1996,35,8489-8494)。
【0015】 DNA:RNAハイブリッド二重らせんは、通常は、純粋なRNA:RNA二
重らせんより安定性が小さいが、それらの配列によっては、DNA:DNA二重
らせんより安定性が大きいかまたは小さいことがありうる(Searle et al., Nuc
leic Acids Res., 1993,21,2051-2056)。ハイブリッド二重らせんの構造は、A
型幾何学形状とB型幾何学形状との中間であり、これは、不充分な積み重なり相
互作用を生じることがありうる(Lane et al., Eur.J.Biochem., 1993,215,297-
306; Fedoroff et al., J.Mol.Biol., 1993,233,509-523; Gonzalez et al., Bi
ochemistry, 1995,34,4969-4982; Horton et al., J.Mol.Biol., 1996,264,521-
533)。DNA:RNAハイブリッドの安定性は、その機構が、修飾DNA鎖の
mRNA鎖への結合を必要とするので、アンチセンス療法への中心となる。mR
NAを有効に阻害するためには、アンチセンスDNAは、mRNAとの極めて高
い結合親和性を有するべきである。それ以外の場合、DNAと標的mRNA鎖と
の間の所望の相互作用は、まれにしか生じないであろうし、したがって、アンチ
センスオリゴヌクレオチドの効力が低下するであろう。
【0016】 増加したヌクレアーゼ耐性およびヌクレオチドへの極めて高い結合親和性を与
える一つの合成2’−修飾は、2’−メトキシエトキシ(MOE,2’−OCH 2 CH2OCH3)側鎖である(Baker et al., J.Biol.Chem., 1997,272,11944-12
000; Freier et al., Nucleic Acids Res., 1997,25,4429-4443)。MOE置換
の直接の利点の一つは、結合親和性の改善であり、これは、O−メチル、O−プ
ロピルおよびO−アミノプロピルのような多数の同様の2’修飾より大きい(Fr
eier and Altmann, Nucleic Acids Research, (1997) 25:4429-4443)。2’−
O−メトキシエチル置換化合物も、in vivo 使用に関する有望な特徴を有する遺
伝子発現のアンチセンス阻害物質であることが示されている(Martin,P., Helv.
Chim.Acta, 1995,78,486-504; Altmann et al., Chimia, 1996,50,168-176; Alt
mann et al., Biochem.Soc.Trans., 1996,24,630-637; および Altmann et al.,
Nucleosides Nucleotides, 1997,16,917-926)。このような化合物は、典型的
に、改善されたRNA親和性およびDNAに相対して高いヌクレアーゼ耐性を示
す。2’−O−メトキシエチルリボヌクレオシドウイングおよび中心のDNA−
ホスホロチオエートウインドーを含むキメラオリゴヌクレオチドも、動物モデル
における腫瘍の成長を低用量で有効に減少させることが示されている。MOE置
換オリゴヌクレオチドは、いくつかの疾患状態におけるアンチセンス物質として
の顕著な将来性を示している。一つのこのようなMOE置換オリゴヌクレオチド
は、現在、CMV網膜炎の治療に関する臨床試験で研究されている。
【0017】 最近、Damha et al. は、アラビノペントフラノシルヌクレオチドをビルディ
ングブロックとして利用した若干のオリゴヌクレオチドを記載した二つの論文を
公表した(Dahma et al., J.A.C.S., 1998,120,12976-12977 および Dahma et a
l., Bioconjugate Chem., 1999,10,299-305)。Damha et al. によって記載され
たアラビノペントフラノシルヌクレオチド、すなわち、アラビノ核酸は、それぞ
れのヌクレオチドの糖単位として、アラビノースかまたは2’−デオキシ−2’
−フルオロアラビノースを利用した。記載された2種類のアラビノ核酸の一方に
おいて、核酸のヌクレオチドは全てアラビノースであり、もう一方において、ヌ
クレオチドは全て2’−デオキシ−2’−フルオロアラビノースであった。これ
ら核酸のどちらにおいても、ヌクレオチドはホスホジエステル結合によって結合
していた。これら著者らは、2’−フルオロアラビノ含有オリゴヌクレオチドが
、RNAに結合した場合、大腸菌およびHIV−RT RNアーゼHによるRN
Aの切断を活性化したということを示すことができた。この著者らは、更に、彼
らが記載した2種類のアラビノ核酸は、血清および細胞のヌクレアーゼにDNA
より安定していたが、それらは、正常なホスホロチオエートデオキシオリゴヌク
レオチドより安定性が小さいということに注目した。
【0018】 オリゴヌクレオチドへの既知の修飾は、診断薬、治療薬中および研究用試薬と
しての使用を含めたいろいろな用途のためのオリゴヌクレオチドの開発に寄与し
ているが、当該技術分野においては、増加したハイブリッド結合親和性および/
または増加したヌクレアーゼ耐性を有する、およびRNアーゼH終結機序に利用
することができる更に別のオリゴヌクレオチドがなお要求されている。
【0019】 発明の要旨 一つの側面において、本発明は、多数の性状を有するオリゴヌクレオチドに関
する。これら性状の一つは、RNAと一緒に二本鎖構造を形成し且つRNAのR
NアーゼH切断を引き起こす能力である。オリゴヌクレオチドの更に別の性状に
は、改善された結合親和性およびヌクレアーゼ耐性を有することが含まれる。本
発明のオリゴヌクレオチドは、複数のヌクレオチドから形成されるオリゴヌクレ
オチドを含む。それらヌクレオチドの第一部分は、他のヌクレオチドと連続配列
中で結合した場合、B型立体配座幾何学形状を有するヌクレオチドとして選択さ
れるこの部分のそれぞれのヌクレオチドと連続配列中で互いに結合している。ヌ
クレオチドのこの第一部分に含まれるのは、リボヌクレオチドまたはアラビノヌ
クレオチドである。それらオリゴヌクレオチドは、少なくとも一つの連続配列中
で互いに結合している追加部分のヌクレオチドを含む。これら追加のヌクレオチ
ドはそれぞれ、連続配列中で結合した場合にA型立体配座幾何学形状を有するリ
ボヌクレオチドとして選択される。
【0020】 本発明の好ましい態様において、ヌクレオチドの第一部分のヌクレオチドは、
それぞれ独立して、2’−SCH3リボヌクレオチド、2’−NH2リボヌクレオ
チド、2’−NH(C1−C2アルキル)リボヌクレオチド、2’−N(C1−C2 アルキル)2リボヌクレオチド、2’−CF3リボヌクレオチド、2’=CH2
ボヌクレオチド、2’=CHFリボヌクレオチド、2’=CF2リボヌクレオチ
ド、2’−CH3リボヌクレオチド、2’−C25リボヌクレオチド、2’−C
H=CH2リボヌクレオチドまたは2’−C≡CHリボヌクレオチドであるよう
に選択される。これらは、リン酸結合、ホスホロチオエート結合、ホスホロジチ
オエート結合またはボラノホスフェート結合によって連続配列中で互いに結合し
ている。
【0021】 本発明の更に好ましい態様において、ヌクレオチドの第一部分のヌクレオチド
は、それぞれ独立して、2’−フルオロヌクレオチド、または式IまたはII
【0022】
【化2】
【0023】 (式中、Eは、C1−C10アルキル、N(Q1)(Q2)またはN=C(Q1)(Q 2 )であり; Q1およびQ2は、それぞれ独立して、H、C1−C10アルキル、ジアルキルア
ミノアルキル、窒素保護基、束縛されたまたは束縛されていない結合基、固体支
持体へのリンカーであり、または Q1およびQ2は、一緒になって、窒素保護基中、またはNおよびOより選択さ
れる少なくとも1個の追加のヘテロ原子を含むことができる環構造中で結合して
いて; R3は、OX、SXまたはN(X)2であり; Xは、それぞれ独立して、H、C1−C8アルキル、C1−C8ハロアルキル、C
(=NH)N(H)Z、C(=O)N(H)ZまたはOC(=O)N(H)Zで
あり; Zは、HまたはC1−C8アルキルであり; L1、L2およびL3は、約4〜約7個の炭素原子を有する、または約3〜約6
個の炭素原子および1個または2個のヘテロ原子であって、酸素、窒素および硫
黄より選択されるヘテロ原子を有する環系を含み、そしてここにおいて、その環
系は、脂肪族、不飽和脂肪族、芳香族、または飽和または不飽和の複素環式であ
り; Yは、1〜約10個の炭素原子を有するアルキルまたはハロアルキル、2〜約
10個の炭素原子を有するアルケニル、2〜約10個の炭素原子を有するアルキ
ニル、6〜約14個の炭素原子を有するアリール、N(Q1)(Q2)、O(Q1
)、ハロ、S(Q1)またはCNであり; q1は、それぞれ独立して、2〜10であり; q2は、それぞれ独立して、0または1であり; mは、0、1または2であり; pは、1〜10であり;そして q3は、1〜10であり、但し、pが0である場合、q3は1より大であるとい
う条件付である) を有する2’−置換基を有するヌクレオチドであるように選択される。
【0024】 ヌクレオチドの追加部分として用いるのにより好ましい基は、2’−Fリボヌ
クレオチド、2’−O−(C1−C6アルキル)リボヌクレオチド、または2’−
O−(C1−C6置換アルキル)リボヌクレオチドであって、その置換がC1−C6 エーテル、C1−C6チオエーテル、アミノ、アミノ(C1−C6アルキル)または
アミノ(C1−C6アルキル)2であるものである。これらヌクレオチドは、3’
−5’ホスホジエステル結合、2’−5’ホスホジエステル結合、ホスホロチオ
エート結合、Spホスホロチオエート結合、Rpホスホロチオエート結合、ホス
ホロジチオエート結合、3’−デオキシ−3’−アミノホスホロアミデート結合
、3’−メチレンホスホネート結合、メチレン(メチルイミノ)結合、ジメチル
ヒドラジノ結合、アミド3(すなわち、(3’)−CH2−NH−C(O)−(
5’))結合、アミド4(すなわち、(3’)−CH2−C(O)−NH−(5
’))結合またはボラノホスフェート結合によって配列中で互いに結合している
【0025】 本発明の一つの好ましい態様において、ヌクレオチドの追加部分の少なくとも
二つのヌクレオチドは、ヌクレオチドの第一部分の連続配列に3’位である連続
配列中で互いに結合している。本発明の更に別の好ましい態様において、ヌクレ
オチドの追加部分の少なくとも二つは、ヌクレオチドの第一部分の連続配列に5
’位である連続配列中で互いに結合している。
【0026】 本発明の更に好ましい態様において、ヌクレオチドの追加部分の少なくとも二
つのヌクレオチドは、ヌクレオチドの第一部分の連続配列に3’位である連続配
列中で互いに結合していて、ヌクレオチドの追加部分の少なくとも二つは、ヌク
レオチドの第一部分の連続配列に5’位である連続配列中で互いに結合している
【0027】 ヌクレオチドの第一部分として用いるためのヌクレオチドの第一の好ましい群
には、2’−SCH3リボヌクレオチド、2’−NH2リボヌクレオチド、2’−
NH(C1−C2アルキル)リボヌクレオチド、2’−N(C1−C2アルキル)2
リボヌクレオチド、2’=CH2リボヌクレオチド、2’−CH3リボヌクレオチ
ド、2’−C25リボヌクレオチド、2’−CH=CH2リボヌクレオチドおよ
び2’−C≡CHリボヌクレオチドが含まれる。より好ましい群には、2’−S
CH3リボヌクレオチド、2’−NH2リボヌクレオチド、2’−NH(C1−C2 アルキル)リボヌクレオチド、2’−N(C1−C2アルキル)2リボヌクレオチ
ドおよび2’−CH3リボヌクレオチドが含まれる。更に好ましい群には、2’
−SCH3リボヌクレオチド、2’−NH2リボヌクレオチドおよび2’−CH3
リボヌクレオチドが含まれる。特に好ましいのは、2’−SCH3リボヌクレオ
チドである。
【0028】 本発明のオリゴヌクレオチドの第一部分のヌクレオチドとして用いるのに好適
であるヌクレオチドの更に別の群は、2’−CNアラビノヌクレオチド、2’−
Fアラビノヌクレオチド、2’−Clアラビノヌクレオチド、2’−Brアラビ
ノヌクレオチド、2’−N3アラビノヌクレオチド、2’−OHアラビノヌクレ
オチド、2’−O−CH3アラビノヌクレオチドおよび2’−デヒドロ−2’−
CH3アラビノヌクレオチドである。より好ましい群には、2’−Fアラビノヌ
クレオチド、2’−OHアラビノヌクレオチドおよび2’−O−CH3アラビノ
ヌクレオチドが含まれる。更に好ましい群には、2’−Fアラビノヌクレオチド
および2’−OHアラビノヌクレオチドが含まれる。特に好ましいのは、2’−
Fアラビノヌクレオチドである。
【0029】 本発明の特に好ましいオリゴヌクレオチドには、2’−SCH3リボヌクレオ
チド、2’−NH2リボヌクレオチド、2’−NH(C1−C2アルキル)リボヌ
クレオチド、2’−N(C1−C2アルキル)2リボヌクレオチド、2’−CH3
ボヌクレオチド、2’−CH=CH2リボヌクレオチドまたは2’−C≡CHリ
ボヌクレオチドであるようにヌクレオチドの第一部分のヌクレオチドを選択する
こと、および2’−Fリボヌクレオチド、2’−O−(C1−C6アルキル)リボ
ヌクレオチド、または2’−O−(C1−C6置換アルキル)リボヌクレオチドで
あって、その置換がC1−C6エーテル、C1−C6チオエーテル、アミノ、アミノ
(C1−C6アルキル)またはアミノ(C1−C6アルキル)2であるものであるよ
うにヌクレオチドの追加部分のヌクレオチドを選択することが含まれる。
【0030】 本発明の更に好ましいオリゴヌクレオチドには、2’−CNアラビノヌクレオ
チド、2’−Fアラビノヌクレオチド、2’−Clアラビノヌクレオチド、2’
−Brアラビノヌクレオチド、2’−N3アラビノヌクレオチド、2’−OHア
ラビノヌクレオチド、2’−O−CH3アラビノヌクレオチドまたは2’−デヒ
ドロ−2’−CH3アラビノヌクレオチドであるようにヌクレオチドの第一部分
のヌクレオチドを選択すること、および2’−Fリボヌクレオチド、2’−O−
(C1−C6アルキル)リボヌクレオチド、または2’−O−(C1−C6置換アル
キル)リボヌクレオチドであって、その置換がC1−C6エーテル、C1−C6チオ
エーテル、アミノ、アミノ(C1−C6アルキル)またはアミノ(C1−C6アルキ
ル)2であるものであるようにヌクレオチドの追加部分のヌクレオチドを選択す
ることが含まれる。
【0031】 特に好ましいのは、ヌクレオチドの第一部分のヌクレオチドがそれぞれ、2’
−Fアラビノヌクレオチドまたは2’−OHアラビノヌクレオチドであり、そし
てヌクレオチドの追加部分のヌクレオチドがそれぞれ、2’−O−(C1−C6
換アルキル)リボヌクレオチドであって、その置換がC1−C6エーテル、C1
6チオエーテル、アミノ、アミノ(C1−C6アルキル)またはアミノ(C1−C 6 アルキル)2であるものである本発明のオリゴヌクレオチドである。
【0032】 本発明の更に好ましいオリゴヌクレオチドにおいて、複数のヌクレオチドの追
加部分は、オリゴヌクレオチドの3’末端に位置する連続配列中で互いに結合し
た少なくとも二つのヌクレオチドを含む。本発明の更に別の好ましいオリゴヌク
レオチドにおいて、複数のヌクレオチドの追加部分は、オリゴヌクレオチドの5
’末端に位置する連続配列中で互いに結合した少なくとも二つのヌクレオチドを
含む。本発明のなお更に好ましいオリゴヌクレオチドにおいて、複数のヌクレオ
チドの追加部分は、オリゴヌクレオチドの3’末端に位置する連続配列中で互い
に結合した少なくとも二つのヌクレオチド、およびオリゴヌクレオチドの5’末
端に位置する連続配列中で互いに結合した少なくとも二つのヌクレオチドを含む
。本発明のオリゴヌクレオチド中のこれらヌクレオチドを互いに結合するのに好
ましい結合には、2’−5’ホスホジエステル結合、3’−メチレンホスホネー
ト結合、Spホスホロチオエート結合、メチレン(メチルイミノ)結合、ジメチ
ルヒドラジノ結合、3’−デオキシ−3’−アミノホスホロアミデート結合、ア
ミド3結合またはアミド4結合が含まれる。特に好ましい結合は、2’−5’ホ
スホジエステル結合、3’−メチレンホスホネート結合、Spホスホロチオエー
ト結合またはメチレン(メチルイミノ)結合である。
【0033】 本発明の更に好ましいオリゴヌクレオチドにおいて、ヌクレオチドの追加部分
で用いるためのヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの3’末端、5’末端また
は3’および5’両末端に位置する2’−アルキルアミノ置換ヌクレオチドを含
む。特に好ましいのは、2’−O−エチルアミンおよび2’−O−プロピルアミ
ンのような2’−O−アルキルアミンである。
【0034】 本発明の更に別のオリゴヌクレオチドは、複数の結合したヌクレオチドの内の
少なくとも二つが、2’−デオキシエリスロペントフラノシルヌクレオチドでは
ない、C2’エンド型パッカーまたはO4’エンド型パッカーを有する、そして
連続配列中で互いに結合しているヌクレオチドを含む複数の結合したヌクレオチ
ド、およびC3’エンド型パッカーを有するヌクレオチドを含む他のヌクレオチ
ドから成るオリゴヌクレオチドを含む。好ましいのは、C2’エンド型パッカー
またはO4’エンド型パッカーを有するヌクレオチドの連続配列に3’位である
連続配列中で互いに結合したC3’エンド型パッカーヌクレオチドを有するオリ
ゴヌクレオチドである。更に好ましいオリゴヌクレオチドは、C3’エンド型パ
ッカーを有するヌクレオチドが、C2’エンド型パッカーまたはO4’エンド型
パッカーを有する連続配列に5’位である連続配列中で互いに結合しているオリ
ゴヌクレオチドである。更に別の好ましいオリゴヌクレオチドは、C3’エンド
型パッカーを有するヌクレオチドの一部分が、C2’エンド型パッカーまたはO
4’エンド型パッカーを有するヌクレオチドの連続配列に3’位である連続配列
中で互いに結合していて、そしてC3’エンド型パッカーを有するヌクレオチド
の追加部分が、C2’エンド型パッカーまたはO4’エンド型パッカーを有する
ヌクレオチドの連続配列に5’位である連続配列中で互いに結合しているオリゴ
ヌクレオチドである。 (発明の詳細な説明) 一つの態様において、本発明はRNase Hの基質として働く能力と結びつ
けられた、結合親和性および/またはヌクレアーゼ耐性を増加させるために寄与
するある種の望ましい特性を持つ新規オリゴヌクレオチドに関している。
【0035】 本発明のオリゴヌクレオチドは多数のヌクレオチドから形成され、それらはヌ
クレオチド間結合によりお互いに連結されている。オリゴヌクレオチド中でユニ
ットとしてお互いに連結されているとはいえ、オリゴヌクレオチドの個々のヌク
レオチドはいくつかの型を持っている。これらの型の各々がオリゴヌクレオチド
の独特の特性に寄与している。第一の型のヌクレオチドは連続した配列に一緒に
連結され、オリゴヌクレオチドの第一の部分を形成する。残りのヌクレオチドは
少なくとも一つの別の型であり、オリゴヌクレオチド内の一つまたはそれ以上の
残りの部分または位置に位置している。従って、本発明のオリゴヌクレオチドは
一組の特性に寄与するヌクレオチド部分および別の組の特性に寄与するさらなる
部分(単数又は複数)を含んでいる。
【0036】 望まれている一つの特性はRNaseH活性を惹起することである。RNas
eH活性を惹起するため、本発明のオリゴヌクレオチドの一部分はB形様コンホ
メーション幾何配置を持つように選択される。このB形部分のためのヌクレオチ
ドは特にリボ−ペントフラノシルおよびアラビノ−ペントフラノシルヌクレオチ
ドを含むように選択される。2’−デオキシ−エリスロ−ペントフラノシルヌク
レオチドもまたB形幾何配置を持っており、RNaseH活性を惹起する。特に
除外するわけではないが、もし2’−デオキシ−エリスロ−ペントフラノシルヌ
クレオチドが本発明のオリゴヌクレオチドのB形部分に含まれているとしたら、
そのような2’−デオキシ−エリスロ−ペントフラノシルヌクレオチドは好適に
はオリゴヌクレオチドのB形部分のヌクレオチドの全体を構築してはならず、リ
ボヌクレオチドまたはアラビノヌクレオチドと合同して使用されるべきである。
本明細書で使用される場合、B形幾何配置はC2’−エンドおよびO4’−エン
ドパッカーの両方を含んでおり、オリゴヌクレオチドB形部分での包含に選択さ
れたリボおよびアラビノヌクレオチドはC2’−エンドコンホメーションまたは
O4’−エンドコンホメーションを持つように選択される。これはBerger
.et.al.,Nucleic Acids Research,1998,
26,2473−2480、と一致しており、そこではヌクレオシドおよびヌク
レオチドが存在するフラノースコンホメーションの考察において、O4’−エン
ドパッカー寄与にはB形を考えなければならないことが指摘されている。
【0037】 A形ヌクレオチドはC3’−エンドパッカー(ノースまたはノーザンパッカー
としても知られている)を示すヌクレオチドである。上に示したB形ヌクレオチ
ドに加え、A形ヌクレオチドはC3’−エンドパッカーヌクレオチドであること
があり、またはオリゴヌクレオチドの3’終端、5’終端または3’および5’
終端の両方に位置するヌクレオチドであってもよい。もしくは、A形ヌクレオチ
ドはC3’−エンドパッカーの両方に存在でき、オリゴヌクレオチドの末端また
は終端に位置できる。C3’−エンドパッカーを持つヌクレオチドの選択におい
て、またはオリゴヌクレオチドの3’または5’末端に存在させるヌクレオチド
の選択において、そのようなヌクレオチドが生じるオリゴヌクレオチドに授ける
必要がある結合親和性およびヌクレアーゼ耐性が考慮される。
【0038】 本発明のオリゴヌクレオチドの3’または5’終端に存在するように選択され
るヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドにヌクレアーゼ耐性を授けるように選択
される。このヌクレアーゼ耐性は、また、オリゴヌクレオチドのヌクレオチド単
位糖部分の修飾、ヌクレオチド間結合の修飾、または糖およびヌクレオチド間結
合両方の修飾を含むいくつかの機構により達成できる。
【0039】 オリゴヌクレオチド終端でのヌクレアーゼ耐性の増加に使用するために特に有
用なヌクレオチド群は、2’−O−アルキルアミノ基を持っているものである。
そのようなヌクレオチドのアミノ基は生理学的pHではプロトン化されている基
であろう。これらにはアミン、モノアルキル置換アミン、ジアルキル置換アミン
およびイミダゾールのようなヘテロ環式アミンが含まれる。特に有用であるのは
2’−O−エチルアミンおよび2’−O−プロピルアミンを含む低級アルキルア
ミンである。そのようなO−アルキルアミンはまた3’終端ヌクレオチドの3’
位に含まれていてもよい。従って、3’終端ヌクレオチドは2’および3’−O
−アルキルアミノ置換基の両方を含んでいるかもしれない。
【0040】 ヌクレアーゼ耐性のための選択においては、結合親和性を減じないことが重要
である。ある種のリン原子を基本とした結合はヌクレアーゼ耐性を増加させるこ
とが示されている。前に説明したホスホロチオエート結合はヌクレアーゼ耐性を
増加させるが、それはまた結合親和性の損失も起こす。従って、一般的に本発明
での使用には、もしホスホロチオエートヌクレオチド間結合が使用されるとした
ら、ホスホロチオエート結合により減少した親和性を補償するため、結合親和性
を増加させる他の修飾がヌクレオチド単位に行われるであろう。
【0041】 結合親和性を減じずにヌクレアーゼ耐性を増加させる他のリン原子を基本とし
た結合には3’−メチレンホスホナートおよび3’−デオキシ−3’−アミノ−
ホスホロアミデート結合が含まれる。結合親和性を減じずにヌクレアーゼ耐性を
増加させる別の組の結合は本質的に非リン性である。これらのうち好適であるの
はメチレン(メチルイミノ)結合、ジメチルヒドラキシノ結合およびFreie
r and Altmann,Nucleic Acid Research
1997,25,4429−4443、に説明されているようなアミン3および
アミド4結合である。
【0042】 改良された結合親和性を持っているオリゴヌクレオチドを設計する場合、考慮
すべき多数の潜在的項目が存在する。非常に高いRNA結合親和性を持つ修飾オ
リゴヌクレオチドを構築するための一つの有効な方法は二つまたはそれ以上の異
なる種の修飾の組み合わせである、これらの各々は、結合親和性にとって重要で
ありうる種々な要因に好都合に寄与する。
【0043】 Freier and Altmann,Nucleic Acids Re search ,(1997)25:4429−4443、は標的RNAとの二重
鎖安定性に対するオリゴヌクレオチド構造修飾の影響についての研究を最近報告
している。この研究において、合成された200より多い異なった修飾を含む一
連のオリゴヌクレオチドが調べられ、そのハイブリダイゼーション親和性および
mが評価されている。糖修飾研究には、糖の2’−位での置換、3’−置換、
4’−酸素の置き換え、2環式糖の使用および4員環置き換えが含まれている。
いくつかの核酸塩基修飾もまた研究されており、チミンの5または6位での置換
、ピリミジンヘテロ環式の修飾およびプリンヘテロ環式の修飾が含まれている。
リン原子を持つ主鎖、リン原子を含んでいない主鎖および中性である主鎖を含む
多数の主鎖修飾もまた調べられている。
【0044】 四つの一般的方法がRNA標的に対するオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼ
ーションを改良するために使用されるであろう。これらには以下の点が含まれる
:ハイブリッド形成のために好都合なコンホメーションへのオリゴデオキシヌク
レオチド鎖の糖およびリン酸の前組織化(preorganization)、オリゴヌクレオチ
ドのヌクレオチドのヘテロ環式塩基への分極可能な基の付加による核酸塩基積み
重ねの改良、A−U対形成に利用可能なH−結合数の増加、および望ましくない
反発相互作用の除去を容易にするための主鎖電荷の中和。我々はこれらの内の最
初のもの、ハイブリッド形成を好むコンホメーションへのオリゴデオキシヌクレ
オチド鎖の糖およびリン酸の前組織化、を利用することが改良された結合親和性
を達成するために好適な方法であることを発見した。これは他の三つの方法と組
み合わせてさらに使用できる。
【0045】 DNA:RNAハイブリッド二重鎖はしばしばC3’エンドコンホメーション
をとる。従って、一本鎖中の糖部分のコンホメーション平衡をこのコンホメーシ
ョンに移行させる修飾は、RNAへの結合のためアンチセンス鎖を前組織化する
であろう。文献で報告および研究されているいくつかの糖修飾のうち、2’−フ
ルオロまたは2’−アルコキシのような電気陰性基の取り込みが糖コンホメーシ
ョンを3’エンド(ノーザン)パッカーコンホメーションへ移行させる。このこ
とは、そのような修飾を取り込んだオリゴヌクレオチドをA形コンホメーション
幾何配置に前組織化する。このA形コンホメーションは標的RNA鎖へのオリゴ
ヌクレオチドの結合親和性を増加させる。
【0046】 ヌクレオチドへA形コンホメーション特性を与える、本発明に従った代表的2
’−置換基には2’−O−アルキル、2’−O−置換アルキルおよび2’−フル
オロ置換基が含まれる。置換基として好適であるのは種々のアルキルおよびアリ
ールエーテルおよびチオエーテル、アミンおよびモノアルキルおよびジアルキル
置換アミンである。特に好適な基は式IまたはIIを持っているものである:
【0047】
【化3】
【0048】 式中 EはC1−C10アルキル、N(Q1)(Q2)またはN=C(Q1)(Q2)であ
り; 各々のQ1およびQ2は、独立して、H、C1−C10アルキル、ジアルキルアミ
ノアルキル、窒素保護基、つなぎ止められたまたはつなぎ止められていない共役
基、固体支持体へのリンカー、またはQ1およびQ2は、一緒になって、窒素保護
基またはNおよびOから選択される少なくとも一つの追加のヘテロ原子を含むこ
とができる環構造に連結される; R3はOX、SXまたはN(X)2であり; 各々のXは、独立して、H、C1−C8アルキル、C1−C8ハロアルキル、C(
=NH)N(H)Z、C(=O)N(H)ZまたはOC(=O)N(H)Zであ
り; ZはHまたはC1−C8であり; L1、L2およびL3は約4から約7の炭素原子を持っている、または約3から
約6の炭素原子および1または2のヘテロ原子を持っている環系を含み、ここで
該ヘテロ原子は酸素、窒素および硫黄から選択され、およびここで環系は脂肪族
、不飽和脂肪族、芳香族または飽和または不飽和ヘテロ環式である; Yは1から約10の炭素原子を持っているアルキルまたはハロアルキル、2か
ら約10の炭素原子を持っているアルケニル、2から約10の炭素原子を持って
いるアルキニル、6から約14のの炭素原子を持っているアリール、N(Q1
(Q2)、O(Q1)、ハロ、S(Q1)またはCNであり; 各々のq1は、独立して、2から10であり; 各々のq2は、独立して、0または1であり; mは0、1または2であり; pは1から10であり; q3は1から10であるが、ただしpが0の場合、q3は1より大きい。
【0049】 上記2’−置換は糖が取り込まれたところでそれらに3’−エンドパッカーを
与える。このパッカーコンホメーションはさらに標的と一緒になったオリゴヌク
レオチドのTmを増加させる。
【0050】 2’置換から生じる高結合親和性は、一部はC3’エンド糖のパッカーを起こ
す2’置換によるものであり、それは順にオリゴマーを好ましいA形様幾何配置
にすることができる。これは合理的な仮説であり、種々の電気陰性基(例えば、
フルオロ及びO−アルキル鎖)による2’位の置換がC3’エンド糖パッカリン
グを起こすことが報告されている(De Mesmaeker et al., Acc.Chem.Res .,1995,28,366−374;Lesnik
et al.,Biochemistry,1993,32,7832−78
38)。
【0051】 加えて、エチレングリコールモチーフを含んでいる2’−置換に対し、側鎖の
O−C−C−Oねじれによる酸素原子間のゴーシュ相互作用は二重鎖に対する安
定化効果を持っているであろう(Freier et al.,Nucleic Acids Research ,(1997)25:4429−4442)。
そのようなゴーシュ相互作用は昔から実験的に観察されている(Wolfe e
t al.,Acc.Chem.Res.,1972,5,102;Abe e
t al.,J.Am.Chem.Soc.,1976,98,468)。この
ゴーシュ効果は二重鎖形成に好ましい側鎖の立体配置を生じることができる。こ
の安定化立体配置の正確な本質は未だに説明されていない。理論に縛られるのを
望むわけではないが、O−C−C−Oのねじれを単一のゴーシュ立体配置に保つ
ことは、アルキル側鎖で観察されるより無作為な分布よりも、二重鎖形成のエン
トロピー的利点を提供するからであろう。
【0052】 2’−O−メトキシエチル置換RNAのより高いRNA親和性をより理解する
ため、および2’−O−メトキシエチル置換のコンホメーション特性を試験する
ため、自己相補的ドデカマーオリゴヌクレオチド 2’−O−MOEr(CGCGAAUUCGCG) 配列ID番号:1 が合成され、結晶化され、およびその構造が1.7オングストロームの分解能で
決定された。使用された結晶化条件は2mMオリゴヌクレオチド、50mM N
a ヘペスpH6.2−7.5、10.50mM MgCl2、15% PEG
400であった。示された結晶デ−タ:空間群C2、格子定数a=41.2Å、
b=34.4Å、c=46.6Å、β=92.4°。分解能は−170℃で1.
7Åであった。現在のR=因子は20%(Rfree26%)であった。
【0053】 この結晶構造は、完全に修飾されたRNAオリゴヌクレオチド類似体の最初の
結晶構造であると信じられる。二重鎖は全体ではA形コンホメーションをとり、
すべての修飾糖はC3’−エンドパッカーを示している。2’−O−置換基のほ
とんどにおいて、エチレングリコールリンカーのA’−B’結合(下記構造II
に示されている)の回りのねじれ角はゴーシュコンホメーションを持っている。
2’−O−MOEに対し、下記構造IIのA’およびB’はMOEのエチル部分
のメチレン残基であり、R’はメトキシ部分である。
【0054】
【化4】
【0055】 結晶において、2’−O−MOE RNA二重鎖は結晶学的2倍回転軸は分子
2倍回転軸と一致しないような一般的配向をとっている。二重鎖は期待されたA
形幾何配置をとり、24の2’−O−MOE置換基のすべてが最高分解能で電子
密度地図に観察された。電子密度地図ならびに置換基原子の温度因子はいくつか
の場合2’−O−MOE置換基の可動性を示している。
【0056】 2’−O−MOE置換基のほとんどはエチルリンカーのC−C結合の回りのゴ
ーシュコンホメーションを示している。しかしながら、2つの場合、C−C結合
の回りのトランスコンホメーションが観察される。結晶における格子相互作用に
は副溝を経たお互いに対する二重鎖の充填が含まれる。従って、いくつかの残基
において、2’−O−置換基のコンホメーションは隣接する二重鎖との接触によ
り影響を受ける。一般に、置換基のコンホメーションの変位(例えば、C−C結
合の回りのg+またはg-)は置換基間の相互作用に較差を作り出している(副溝
を横切る鎖間のおよび鎖内の両方の)。一つの位置において、二つの残基の置換
基原子は副溝を横切ったファンデルワールス接触を行っている。同様に、二つの
隣接する鎖内残基の置換基原子間で密接な接触が起こっている。
【0057】 A−DNA二重鎖の以前に決定された結晶構造は、孤立した2’−O−メチル
T残基を取り込んだものであった。2’−O−MOE置換基に対して言及した結
晶構造において、保存的水和パターンが2’−O−MOE残基で観察された。一
つの水分子が置換基のO2’、O3’およびメトキシ酸素原子間に位置している
のがみられ、三つのすべてが2.9から3.4Å間の接触を形成している。加え
て、置換基の酸素原子はいくつかの他の水素結合接触に関与している。例えば、
特定の2’−O−置換基のメトキシ酸素原子は橋渡しの水分子を経て反対鎖のア
デノシンのN3と水素結合を形成している。
【0058】 いくつかの場合、水分子が修飾ヌクレオシドのO2’、O3’およびOC’の
酸素原子間に捕捉されている。エチレングリコールリンカーのC−C結合の回り
にトランスコンホメーションを持つ2’−O−MOE置換基はOC’と反対鎖の
グアノシンのN2間、および水を介したOC’とN3(G)間の密接な接触が伴
っている。2’−O−MOE修飾鎖を含んでいる二重鎖の利用可能な熱力学的デ
ータと組み合わせると、この結晶構造は他のアンチセンス修飾のさらに詳細な構
造−安定性分析を可能にする。
【0059】 結晶学的構造研究の拡大において、本発明の2’−O−修飾を持っているオリ
ゴヌクレオチドのさらに促進された結合親和性を研究するために分子モデル化実
験が実施された。オリゴヌクレオチドの各々のヌクレオシドに本発明の2’−O
−修飾を持っている上記配列ID番号:1の化合物についてコンピューターシミ
ュレーションが行われた。シミュレーションはAMBER力場法(Cornel
l et al.,J.Am.Chem.Soc.,1995,117,517
9−5197)(UCSF,San Francisco,CA、からのモデル
化ソフトウェアパッケージ)を使用して、水溶液中のオリゴヌクレオチドについ
て実施された。計算はIndigo2 SGIコンピューター(Silicon
Graphics,Mountain View,CA)で実施された。
【0060】 本発明のさらなる2’−O−修飾には構造IIのA’およびB’原子に対応す
る二つの原子部分を取り込んだ環構造を持っているものが含まれる。環構造は一
つまたはそれ以上のヌクレオシドの糖部分の2’位に結合され、オリゴヌクレオ
チド内へ取り込まれる。ヌクレオシドの2’−酸素は構造IIのA’原子に対応
する炭素原子を結合している。これらの環構造は脂肪族、不飽和脂肪族、芳香族
またはヘテロ環式であろう。環の別の原子(構造IIのB’原子に対応する)は
さらに酸素原子または硫黄または窒素原子を持っている。この酸素、硫黄または
窒素原子は一つまたはそれ以上の水素原子、アルキル残基またはハロアルキル残
基に結合されているか、またはウレイド、カーバメート、アミドまたはアミジン
残基のようなさらなる化学残基の一部である。環構造の残りはこれら二つの環原
子を結合している結合の回転を制限している。このことは”さらなる酸素、硫黄
または窒素原子”(前記のR位の一部)の位置決めにおいて、さらなる原子がヌ
クレオシドの3’−酸素原子(O3’)に非常に近接して位置できるように助け
ている。
【0061】 環構造はさらに環の親水性および疎水性を修飾するために有用な基で修飾でき
、それは環に結合され、本発明の2’−O−修飾を含むオリゴヌクレオチドの特
性が修飾される。荷電構造が仮定できる基がさらなる基として選択できる、例え
ば、アミン。このことは本発明の2’−O−修飾を含むオリゴヌクレオチドの全
体の電荷の修飾に特に有用である。オリゴヌクレオチドが荷電リン酸基(例えば
、ホスホロチオエートまたはホスホジエステル結合)により連結されている場合
、2’−O−修飾上のカウンターイオン(例えば、アミン官能性)の存在は2’
−O−修飾を持つヌクレオチドの局所環境における電荷を局所的に中和する。そ
のような電荷の中和は取り込み、細胞局在化およびオリゴヌクレオチドの他の薬
物動態学的および薬物動力学的効果を調節するであろう。
【0062】 2’−O−修飾としての包含のために好適な本発明の環構造には、シクロヘキ
シル、シクロペンチルおよびフェニル環ならびにシクロヘキシル、シクロペンチ
ルおよびフェニル環に類似した空間的フットプリントを持っているヘテロ環式環
が含まれる。特に好適な本発明の2’−O−置換基は以下に掲げられており、各
々の略語も含まれている: 2’−O−(トランス 2−メトキシシクロヘキシル) −−2’−O−(T
MCHL) 2’−O−(トランス 2−メトキシシクロペンチル) −−2’−O−(T
MCPL) 2’−O−(トランス 2−ウレイドシクロヘキシル) −−2’−O−(T
UCHL) 2’−O−(トランス 2−メトキシフェニル) −−2’−O−(2MP) そのような2−O−置換基を取り込んでいる二重鎖の構造的詳細が前記のIn
digo2 SGIコンピューターによるAMBER力場プログラムを使用して
分析された。シミュレートされた構造はシミュレーションの持続を通して安定な
A形幾何配置を維持した。2’置換の存在は糖をC3’−エンドコンホメーショ
ンに固定した。
【0063】 TMCHL修飾のシミュレーションは2’−O−(TMCHL)側鎖は二重鎖
に水和している水分子と直接相互作用を持っていることを明らかにした。2’−
O−(TMCHL)側鎖中の酸素原子はリン酸主鎖の3’酸素と水仲介相互作用
を行うことができる。2’−O−(TMCHL)側鎖中の二つの酸素原子の存在
は好ましいゴーシュ相互作用を与える。O−C−C−Oねじれの回りの回転障壁
はこの新規修飾でより大きくされる。A形幾何配置での望ましい前組織化は標的
RNAへの2’−O−(TMCHL)の結合親和性を増加させる。2’−O−(
TMCHL)基における固定化された側鎖コンホメーションは水分子結合のため
のより好ましいポケットを作り出した。これらの水分子の存在は、側鎖を好適な
ゴーシュコンホメーションに保つための鍵となる役割を果たしている。理論に縛
られるのを望むわけではないが、置換基のかさ高さ、シクロヘキサン環における
置換基のジエクアトリアル配向、水和の水および発生されたコンホメーションに
おける金属イオンの捕捉可能性が、この2’−O−修飾を持っているヌクレオシ
ドを取り込んだオリゴヌクレオチドの改良された結合親和性およびヌクレアーゼ
耐性にさらに寄与するであろう。
【0064】 上記TMCHL修飾で説明したように、2’−O−(TMCPL)、2’−O
−(2MP)および2’−O−(TUCHL)修飾オリゴヌクレオチドの水溶液
での同じコンピューターシミュレーションもまたシミュレーションの持続を通し
て安定なA形幾何配置を維持するであろうことを例証する。2’置換の存在は糖
をC3’−エンドコンホメーションに固定するであろうし、側鎖は二重鎖に水和
している水分子と直接相互作用を持つであろう。各々の側鎖中の酸素原子はリン
酸主鎖の3’酸素と水仲介相互作用を行うことができる。各々の側鎖中の二つの
酸素原子の存在は好ましいゴーシュ相互作用を与える。O−C−C−Oねじれの
回りの回転障壁は各々の修飾でより大きくされるであろう。A形幾何配置での望
ましい前組織化は標的RNAへの各々の2’−O−修飾オリゴヌクレオチドの結
合親和性を増加させるであろう。各々の修飾における固定化された側鎖コンホメ
ーションは水分子結合のためのより好ましいポケットを作り出すであろう。水分
子の存在は、側鎖を好適なゴーシュコンホメーションに保つための鍵となる役割
を果たしている。置換基のかさ高さ、各々の環における置換基のジエクアトリア
ル配向、水和の水および発生されたコンホメーションにおける金属イオンの捕捉
可能性が、これら各々の2’−O−修飾を持っているヌクレオシドを取り込んだ
オリゴヌクレオチドの改良された結合親和性およびヌクレアーゼ耐性にさらに寄
与するであろう。
【0065】 RNaseHを惹起するためのB形ヌクレオチドとしての使用に好適であるの
は、2’−デオキシ−2’−S−メチル、2’−デオキシ−2’−メチル、2’
−デオキシ−2’−アミノ、2’−デオキシ−2’−モノまたはジアルキル置換
アミノ、2’−デオキシ−2’−フルオロメチル、2’−デオキシ−2’−ジフ
ルオロメチル、2’−デオキシ−2’−トリフルオロメチル、2’−デオキシ−
2’−メチレン、2’−デオキシ−2’−フルオロメチレン、2’−デオキシ−
2’−ジフルオロメチレン、2’−デオキシ−2’−エチル、2’−デオキシ−
2’−エチレンおよび2’−デオキシ−2’−アセチレンを持っているリボヌク
レオチドである。これらのヌクレオチドはもしくは2’−SCH3リボヌクレオ
チド、2’−CH3リボヌクレオチド、2’−NH2リボヌクレオチド、2’−N
H(C1−C2アルキル)リボヌクレオチド、2’−N(C1−C2アルキル)2
ボヌクレオチド、2’−CH2Fリボヌクレオチド、2’−CHF2リボヌクレオ
チド、2’−CF3リボヌクレオチド、2’=CH2リボヌクレオチド、2’=C
HFリボヌクレオチド、2’=CF2リボヌクレオチド、2’−C25リボヌク
レオチド、2’−CH=CH2リボヌクレオチド、2’−C≡CHリボヌクレオ
チドとも記載できる。さらに有用なリボヌクレオチドはケージ様構造のリボース
環上に位置している環を持っているもので3’,O,4’−C−メチレンリボヌ
クレオチドが含まれる。そのようなケージ様構造はリボース環を望まれるコンホ
メーションに物理的に固定するであろう。
【0066】 さらに、RNaseHを惹起するためのB形ヌクレオチドとしての使用に好適
であるのは、2’−デオキシ−2’−シアノ、2’−デオキシ−2’−フルオロ
、2’−デオキシ−2’−クロロ、2’−デオキシ−2’−ブロモ、2’−デオ
キシ−2’−アジド、2’−メトキシを持っているアラビノヌクレオチドおよび
非修飾アラビノヌクレオチド(ヌクレオチドの塩基に向かって上方へ伸びた2’
−OHを含んでいる)である。これらのアラビノヌクレオチドはもしくは2’−
CNアラビノヌクレオチド、2’−Fアラビノヌクレオチド、2’−Clアラビ
ノヌクレオチド、2’−Brアラビノヌクレオチド、2’−N3アラビノヌクレ
オチド、2’−O−CH3アラビノヌクレオチドおよびアラビノヌクレオチドと
も記載できる。
【0067】 そのようなヌクレオチドはホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ボラ
ノホスフェートまたはホスホジエステル結合を通してお互いに結合される。特に
好適であるのはホスホロチオエート結合である。
【0068】 本発明の使用のためのB形ヌクレオチドの例は、C2’エンドコンホメーショ
ンをとる2’−S−メチル(2’−SMe)ヌクレオチドである。それはC3’
エンドコンホメーションをとる2’−O−メチル(2’−OMe)ヌクレオチド
と比較できる。これら二つのヌクレオチドの比較での使用に特に適しているのは
SGIコンピューター(Silicon Graphics,Mountain
View,CA)およびコンピューターシミュレーションのためのモデル化ソ
フトウェアパッケージAMBER(UCSF,San Francisco,C
A)を使用した分子動力学研究である。
【0069】 S−メチル基を含んでいるC2’−修飾ヌクレオシドにおけるリボースコンホ
メーションが試験された。ヌクレオシドのコンホメーションに対する2’−O−
および2’−S−メチル基の影響を理解するため、2’−O−および2’−S−
メチルグアノシン、ならびに通常のデオキシグアノシンおよびリボグアノシンの
相対エネルギーを、ab initio量子力学計算を使用し、C2’−エンド
およびC3’−エンドの両方から開始して評価した。すべての構造はHF/6−
31G*レベルで完全に最適化され、電子−相関を持つ単一点エネルギーがMP
2/6−31G*//HF/6−31G*レベルで得られた。表1に示したように
、デオキシグアノシンのC2’−エンドコンホメーションは気相においてC3’
−エンドコンホメーションより0.6kcal/モル安定であると見積もられる
。C3’−エンドコンホメーションよりC2’−エンドのコンホメーション優先
性は、同じエネルギー相違を予測するMP2/6−31G*//HF/6−31
*値により明らかにされたように電子相関にはあまり依存しないようである。
逆の傾向がリボグアノシンで指摘される。HF/6−31G*およびMP2/6
−31G*//HF/6−31G*レベルで、リボグアノシンからのC3’−エン
ド形はC2’−エンド形より各々約0.65および1.41kcal/モル安定
であることが示されている。
【0070】
【表1】
【0071】 表1はまたC2’−エンドおよびC3’−エンドコンホメーションの2’−O
−メチルグアノシンおよび2’−S−メチルグアノシンの相対エネルギーも含ん
でいる。このデータはC2’−置換の電子的性質がこれらのコンホメーションの
相対安定性に著しい影響を与えることを示している。2’−O−メチル基の置換
はHF/6−31G*およびMP2/6−31G*//HF/6−31G*両方の
レベルで約0.4kcal/モルだけC3’−エンドコンホメーションに対する
優先性を増加させる(リボグアノシンと比較した場合)。対照的に、2’−S−
メチル基は傾向が逆転している。C2’−エンドコンホメーションがHF/6−
31G*レベルで約2.6kcal/モル優先され、一方、同じ相違はMP2/
6−31G*//HF/6−31G*レベルで1.41kcal/モルへ減少して
いる。比較のため、および2’−O−メチルおよび2’−S−メチル置換ヌクレ
オシドに用いた分子力学力場パラメーターの正確性を評価するため、ヌクレオシ
ドの気相エネルギーを計算した。結果は表1に報告されており、これらのヌクレ
オシドの計算相対エネルギーはab initio計算と定性的によく対比して
いる。
【0072】 ヌクレオシドコンホメーションの相対安定性に対する溶媒和の影響を評価する
ため追加の計算も実施された。HF/6−31G*幾何配置を使用して見積もら
れた溶媒和効果は、気相における4つのヌクレオシドの相対的エネルギー優先性
は同様に水相で維持されていることが確認された(表1)。溶媒和効果はまた明
らかな水中でのヌクレオシドの分子動力学シミュレーションを使用しても試験さ
れた。これらの軌線から、デオキシリボグアノシンおよび2’−S−メチルリボ
グアノシンに対してはC2’−エンドコンホメーションが優勢であり、一方、リ
ボグアノシンおよび2’−O−メチルリボグアノシンはC3’−エンドコンホメ
ーションを好むことが観察できる。これらの結果は2’−S−メチルリボヌクレ
オシドの入手可能なNMR結果と一致している。ビシナルスピン結合定数を使用
した糖パッカリング平衡のNMR研究は、2’−S−メチルピリミジンヌクレオ
シド中の糖環のコンホメーションが平均>75%のS−性を示すが、対応するプ
リン類似体は平均>90%S−パッカーを示すことを指摘している[Frase
r,A.,Wheeler,P.,Cook.P.D.and Sanghvi
,Y.S.,J.Heterocycl.Chem.,1993,30,127
7−1287]。デオキシヌクレオシドでの2’−S−メチル置換は、デオキシ
リボヌクレオシドと比較した場合、糖コンホメーションによりコンホメーション
的硬直性を与えることが観察されている。
【0073】 DNA:RNA、OMe_DNA:RNAおよびSMe_DNA:RNAハイ
ブリッドの構造特性もまた観察された。出発ハイブリッド座標からのDNA:R
NA構造の平均RMS偏差は、大体1.0Åの平均RMS偏差でシミュレーショ
ン部分を通して構造が安定化されていることを示している。この偏差は、一部、
平均構造における(即ち、出発コンホメーション)および熱平衡での構造の固有
の相違によるものである。このハイブリッドの三つの中心的塩基対の糖パッカー
コンホメーションの変化は以前のNMR研究での観察と良好な一致を示した。R
NA鎖中の糖は、0°に近い環パッカー値を持つC3’−エンドコンホメーショ
ンでの非常に安定な幾何配置を維持している。対照的に、DNA鎖の糖は著しい
変異性を示している。
【0074】 OMe_DNA:RNAの平均RMS偏差は出発A形コンホメーションから約
1.2Åであり;一方、SMe_DNA:RNAは出発ハイブリッドコンホメー
ションからわずかに高い偏差(約1.8Å)を示している。SMe_DNA鎖も
またRMS偏差でより大きな分散を示し、S−メチル基がいくらかの構造的揺動
を誘導しているようである。RNA補体の糖パッカーはシミュレーションを通し
てC3’−エンドパッカリングを維持している。しかしなら、ヌクレオシド計算
から予測されたように、OMe_DNAおよびSMe_DNA鎖のパッカリング
の著しい相違が注目され、前者はC3’−エンド、および後者はC1’−エキソ
/C2’−エンドコンホメーションをとっている。
【0075】 二重鎖コンホメーションをさらに特徴付けるため、三つすべてのハイブリッド
構造に対するらせんパラメーターの分析も実施された。二重鎖の異なった形を区
別する三つのより重要な軸−塩基対パラメーター、X−変位、プロペラよじれお
よび傾きが表2に報告されている。通常、ゼロ付近のX−変位はB形二重鎖を表
し;一方、らせん軸からのらせん逸脱の直接的尺度である負の変位は構造がより
A様コンホメーションであろうことを示す。A形二重鎖において、これらの値は
典型的に−4Åから−5Åまで変化している。これらの値を三つすべてのハイブ
リッドで比較すると、SMe_DNA:RNAハイブリッドはA形値からの最も
大きな逸脱を示し、OMe_DNA:RNAは最も小さく、DNA:RNAは中
間である。理想的なA形パラメーターと傾きおよびプロペラよじり値を比較した
場合、同様の傾向がまた明らかである。これらの結果はハイブリッド構造の主鎖
およびグリコシドねじれ角の分析によりさらに支持される。例えば、A形幾何配
置のグリコシド角(X)は典型的には−159°近くであり、一方、B形角は−
102°近くである。これらの角度はOMe_DNA、DNAおよびSMe_D
NA鎖に対して各々−162°、−133°および−108°であることが観察
された。すべてのRNA補体は−160°に近いX角をとる。加えて、”クラン
ク軸”転位もまたSMe_DNA:RNAおよびDNA:RNAハイブリッド中
のRNA鎖の中心UpUステップの主鎖よじれで認められた。そのような転位は
、より好ましくない全体的なコンホメーションを解放するために起こるいくつか
の局所的コンホメーション変化を示唆している。総体的には、これらの結果はA
−特性の量が OMe_DNA:RNA>DNA:RNA>SMe_DNA:RNA のように減少し、後の二つはA−およびB−形幾何配置を比較した場合により中
間的コンホメーションをとっていることを示している。
【0076】
【表2】
【0077】 C2’−修飾DNA:RNAハイブリッドの安定性が決定された。DNA:R
NAハイブリッドの全体的安定性は配列依存性およびDNAまたはRNA鎖中の
プリン含量を含むいくつかの因子に依存しており、DNA:RNAハイブリッド
は通常RNA:RNA二重鎖よりも不安定であり、ある場合には、DNA:DN
A二重鎖よりさえも不安定である。利用可能な実験データは、比較的低下したD
NA:RNAハイブリッドの安定性は主としてDNA:DNA(Bファミリー)
およびRNA:RNA(Aファミリー)二重鎖間の中間的コンホメーション特性
にありとしている。核酸二重鎖の全体の熱力学的安定性は、主鎖のコンホメーシ
ョン、塩基対形成および積み重ね相互作用を含むいくつかの因子に起因すると考
えられる。二重鎖の全体的安定性に寄与する個々の熱力学を確かめることは困難
であるが、ハイブリッド二重鎖の安定性を増加させる主因子はよりよい積み重ね
相互作用(静電的π−π相互作用)および水和のためのより好ましい溝次元であ
ることを論ずることは合理的である。C2’−S−メチル置換はハイブリッド二
重鎖を不安定化させることが示されている。三つのハイブリッド間の上昇値の目
立った相違がいくつかの説明を与えるであろう。2’−S−メチル基は高い上昇
値(〜3.2Å)で塩基積み重ねの減少に強く影響し、2’−O−メチル基はA
形二重鎖に等しい(〜2.6Å)上昇値で全体の構造をより密にする。その全体
ではA様構造特色にもかかわらず、SMe_DNA:RNAハイブリッド構造は
3.2Åの平均上昇値を持っており、それはBファミリー二重鎖にかなり近い。
実際、いくつかの局所塩基ステップ(CGステップ)は異常に高い上昇値(4.
5Åほどの高さ)を持つことが観察されるようである。従って、2’−S−メチ
ル置換DNA:RNAハイブリッドの大きな不安定化の一部は乏しい積み重ね相
互作用にあるようである。
【0078】 RNaseHはRNA:DNAハイブリッド複合体の副溝に結合すると説明さ
れており、糖リン酸主鎖原子およびRNaseH間の相互作用を最適化するため
に、理想的A−およびB−形幾何配置間の中間の副溝幅を必要としている。コン
ピューターシミュレーションを使用したハイブリッド二重鎖のための平均構造の
綿密な精査は表3に示したような副溝幅次元の著しい変異を明らかにした。O−
メチル置換は、標準DNA:RNA複合体と比較した場合、わずかな副溝幅の拡
大を導いたが、S−メチル置換は一般的に収縮(約0.9Å)を導く。これらの
変化は、A−かまたはB−様一本鎖コンホメーションを誘導するアンチセンス鎖
で注目された好適な糖パッカリングによるものであろう。副溝変異に加え、結果
はまた副溝の立体的組み立てにおける潜在的相違を示している。O−メチル基は
副溝内へ向いているが、一方、S−メチルは主溝の方向に向けられている。本質
的に、S−メチル基はC2’−エンドパッカリングの結果として主溝内へ塩基を
通してはじかれている。
【0079】
【表3】
【0080】 前記の修飾に加え、本発明のオリゴヌクレオチドのヌクレオチドは、その修飾
が前記の特性を著しく減じない限り種々の他の修飾を持つことができる。従って
、本発明のオリゴヌクレオチド内へ取り込まれているヌクレオチドに対し、これ
らのヌクレオチドは天然に存在する糖または修飾糖に対応する糖部分に持つこと
ができる、代表的な修飾糖には、炭素環式または非環式糖、その2’位に置換基
を持っている糖、その3’位に置換基を持っている糖、および糖の一つまたはそ
れ以上の水素原子の代わりに置換基を持っている糖が含まれる。他の改変塩基部
分および改変糖部分は米国特許第3,687,808号およびPCT出願PCT
/US89/02323に開示されている。
【0081】 改変塩基部分および改変糖部分はまた本発明の精神と一致した他の修飾も含ん
でいる。そのようなオリゴヌクレオチドは、天然に存在しているまたは合成野生
型オリゴヌクレオチドと機能的には相互交換的ではあるが、構造的には区別可能
であるとして最もよく説明される。すべてのそのようなオリゴヌクレオチドは、
それらが望まれるRNAまたはDNA鎖の構造を機能的に有効に模倣する限り、
本発明に含まれている。代表的塩基修飾には”Gクランプ”と称される三環式シ
トシン類似体が含まれる(Lin,et al.,J.Am.Chem.Soc .1998,120,8531)。この類似体は標的化されたGのワトソン−ク
リックおよびフーグスティーン面を同時に認識することによりらせん内の相補的
グアニン(G)と四つの水素結合を作る。このGクランプ修飾はホスホロチオエ
ートオリゴヌクレオチド内へ取り込まれた場合、アンチセンス能力を細胞培養で
劇的に促進する。本発明のオリゴヌクレオチドはまたFlanagan,et
al.,Nat.Biotecnol,1999,17(1),48−52、に
記載されているフェノキサジン−置換塩基型を含むことができる。
【0082】 追加の修飾をオリゴヌクレオチド上の他の位置、特に、3’末端ヌクレオチド
の糖の3’位に、および5’末端ヌクレオチドの5’位に行うことができる。例
えば、本発明のオリゴヌクレオチドの一つの追加の修飾にはオリゴヌクレオチド
の活性、細胞分布または細胞取り込みを促進する一つまたはそれ以上の部分また
は抱合体のオリゴヌクレオチドへの化学的連結が含まれる。そのような修飾には
コレステロール部分のような脂質部分(Letsinger et al., roc.Natl.Acad.Sci.USA ,1989,86,6553)、
コール酸(Manoharan et al.,Bioorg.Med.Che m,Lett .,1994,4,1053)、チオエーテル、例えば、ヘキシル
−S−トリチルチオール(Manoharan et al.,Ann.N.Y .Acad.Sci .,1992,660,306;Manoharan et
al.,Bioorg.Med.Chem.Let.,1993,3,276
5)、チオコレステロール(Oberhauser et al.,Nucl. Acids Res .,1992,20,533)、脂肪族鎖、例えば、ドデカ
ンジオールまたはウンデシル残基(Saison−Behmoaras et
al.,EMBO J.,1991,10,111;Kabanov et a
l.,FEBS Lett.,1990,259,327;Svinarchu
k et al.,Biochimie,1993,75,49)、リン脂質、
例えば、ジ−ヘキサデシル−rac−グリセロールまたはトリエチルアンミニウ
ム 1,2−ジ−O−ヘキサデシル−rac−グリセロ−3−H−ホスホナート
(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,
1995,36,3651;Shea et al.,Nucl.Acids Res .,1990,18,3777)、ポリアミンまたはポリエチレングリコ
ール鎖(Manoharan et al.,Nucleosides & N ucleotides ,1995,14,969)、またはアダマンタン酢酸(
Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,1
995,36,3651)、パルミチル部分(Mishra et al., iochim.Biophys.Acta ,1995,1264,229)、ま
たはオクタデシルアミンまたはヘキシルアミノ−カルボニル−オキシコレステロ
ール部分(Crooke et al.,J.Pharmacol.Exp.T her .,1996.277,923)が含まれるがこれらに限定されるわけで
はない。
【0083】 本明細書で使用する場合、用語”アルキル”とはメチル、エチルおよびイソプ
ロピル基を含む(これらに限定されるわけではない)直鎖、分岐鎖および環式不
飽和炭化水素基が含まれるがこれらに限定されるわけではない。本発明のアルキ
ル基は置換されていてもよい。代表的アルキル置換基は米国特許第5,212,
295号、12段、41−50行(本明細書において全体が援用される)に開示
されている。
【0084】 本発明に従ったアルケニル基は少なくとも一つの炭素−炭素二重結合を含んで
いる直鎖、分岐鎖および環式炭化水素基が含まれ、アルキニル基は少なくとも一
つの炭素−炭素三重結合を含んでいる直鎖、分岐鎖および環式炭化水素基が含ま
れる。本発明のアルケニルおよびアルキニル基は置換できる。
【0085】 アリール基は置換および無置換芳香族環式部分であり、フェニル、ナフチル、
アントラニル、フェナントリル、ピレニルおよびキシリル基が含まれるがこれら
に限定されるわけではない。アルカリール部分はアリール部分がアルキル部分を
中心構造に結合しているものであり、アラルキル基はアルキル部分がアリール部
分を中心構造に結合しているものである。
【0086】 一般に、用語”へテロ”は炭素以外の原子を表しており、好適にはN、Oまた
はSであるが他を除外するものではない。従って、用語”へテロ環式環”とは一
つまたはそれ以上のヘテロ原子(即ち、非炭素原子)を持っている炭素を基本と
した環系を表している。好適なヘテロ環式には例えば、イミダゾール、ピロリジ
ン、1,3−ジオキサン、ピペラジン、モルホリン環が含まれるがこれらに限定
されるわけではない。本明細書で使用される場合、用語”へテロ環式環”とはま
た一つまたはそれ以上の二重結合および一つまたはそれ以上のヘテロ原子を持っ
ている環系も表している。好適なヘテロ環式環には例えば、ピロリジノ環が含ま
れるがこれに限定されるわけではない。
【0087】 標的核酸にハイブリダイズできる本発明のオリゴヌクレオチドは好適には約5
から約50のヌクレオシドを含んでいる。そのような化合物は約8から約30の
ヌクレオシドを含むのがより好適であり、15から25のヌクレオシドが特に好
適である。本明細書で使用される場合、標的核酸とは相補的核酸様化合物とハイ
ブリダイズできる任意の核酸である。さらに本発明の文脈において、”ハイブリ
ダイゼーション”とは、相補的核酸塩基間のワトソン−クリック、フーグスティ
ーンまたは逆フーグスティーン水素結合であろう水素結合を意味するであろう。
本明細書で使用される”相補性”とは二つの核酸塩基間の正確な対形成のための
能力を指している。例えば、アデニンおよびチミンは相補的核酸塩基であり、そ
れらは水素結合の形成を通して対形成する。本明細書で使用される”相補性”お
よび”特異的にハイブリダイズ可能”とはヌクレオシドサブユニットを含んでい
る第一および第二の核酸様オリゴマー間の正確な対形成または配列相補性を指し
ている。例えば、もし第一の核酸のある部分の核酸塩基が第二の核酸の同じ位置
の核酸塩基と水素結合できるとしたら、第一の核酸および第二の核酸はその位置
でお互いに相補的であると考えられる。各々の分子中の十分な数の対応する位置
が、お互いに水素結合できる核酸塩基で占められている場合第一および第二の核
酸はお互いに相補的である。”特異的にハイブリダイズ可能”および”相補性”
とは本発明の化合物および標的RNA分子間で安定でおよび特異的な結合が起こ
るように、十分な程度の相補性を示すために使用される用語である。本発明のオ
リゴマー化合物は特異的にハイブリダイズ可能であるその標的RNA配列と10
0%相補的である必要はないことを理解されたい。標的RNA分子へオリゴマー
化合物が結合した場合に標的RNAの正常の機能の邪魔をして有用性の損失を起
こす場合、および特異的結合が望まれる条件下(即ち、インビボアッセイまたは
治療的処置の場合の生理学的条件下、またはインビトロアッセイの場合のアッセ
イが実施される条件下)、非標的配列へのオリゴマー化合物の非特異的結合を避
けるのに十分な程度の相補性が存在する場合、オリゴマー化合物は特異的にハイ
ブリダイズ可能である。
【0088】 本発明のオリゴヌクレオチドは診断薬、治療薬および研究試薬及びキットなど
で使用できる。それらは適した医薬として受容可能な希釈剤または担体を含ませ
ることにより医薬組成物で使用できる。さらに望まれない蛋白質産生により特徴
付けられる疾患を持つ生物体を処置するためにも使用できる。生物体は望まれな
い蛋白質をコードしている核酸鎖と特異的にハイブリダイズできる配列を持って
いるオリゴヌクレオチドと接触させなければならない。この型の処置は単細胞原
核生物および真核生物体から多細胞真核生物体の範囲の種々の生物体で実施でき
る。DNA−RNA転写またはRNA−蛋白質翻訳をその遺伝、代謝または細胞
調節の基本的部分として利用している生物体は本発明に従った治療的および/ま
たは予防的処置に感受性がある。表面上、細菌、酵母、原虫、藻類、すべての植
物およびすべての高等動物形(温血動物を含んで)のような種々の生物体が処置
できる。さらに、多細胞真核生物の各々の細胞は、その細胞活性の必須の部分と
してDNA−RNA転写およびRNA−蛋白質翻訳の両方を含んでいるので処理
可能である。さらに、真核生物細胞の多くの細胞内器官(例えば、ミトコンドリ
アおよびクロロプラスト)もまた転写および翻訳機構を含んでいる。従って、単
一細胞、細胞集団または細胞内小器官もまた、治療的または診断的オリゴヌクレ
オチドで処置できる生物体の定義に含むことができるであろう。
【0089】 本発明の化合物のためのいくつかの代表的治療的指示およびその他の使用は以
下のようである: 特に興味を持たれる一つの治療的指示は乾癬である。乾癬は乾燥、充分な限局
性、銀白色、丘疹のはがれ、種々のサイズの溶菌斑で特徴付けられる普通の慢性
および再発性疾患である。本疾患はわずかな病変から手足などをきかなくなる関
節炎または表皮剥脱を含む広く拡がった皮膚病までの重度で変化する。乾癬の最
終的な原因は解っていないが、生じる厚い剥離は多分増加した表皮細胞増殖に依
るものであろう(The Merck Manual of Diagnosi s and Therapy ,15th Ed.,pp.2283−2285,
Berkow et al.,eds.,Rahway,N.J.,1987)
。プロテインキナーゼC(PKC)の阻害剤がインビトロにおいて抗増殖および
抗炎症効果の両方を持っていることが示されている。シクロスポリンAおよびア
ントラリンのようないくつかの抗乾癬薬がPKCを阻害することが示されており
、およびPKCの阻害が乾癬を処置するための治療法として示唆されている(H
egemann,L.and G.Mahrle,Pharmacology of the Skin ,H.Mukhtar,ed.,pp.357−368
,CRC Press,Boca Raton,FL,1992)。プロテイン
キナーゼC(PKC)蛋白質を標的としたアンチセンス化合物がCookらによ
る米国特許第5,620,963号およびBoggsらによる米国特許第5,6
81,747号に説明されている。
【0090】 興味ある別の型の治療的指示は皮膚の炎症性障害である。これらは例えば、扁
平苔癬、中毒性表皮壊死症(TEN)、多形性紅斑などを含む種々の形で起こる
The Merck Manual of Diagnosis and T herapy ,15th Ed.,pp.2286−2292,Berkow
et al.,eds.,Rahway,N.J.,1987)。ICAM−1
の発現が、アレルギー性接触皮膚炎、固定薬剤発疹、扁平苔癬および乾癬のよう
な種々の炎症性皮膚障害に関連している(Ho et al.,J.Am.Ac ad.Dermatol .,1990,22,64;Griffiths et
al.,Am.J.Pathology,1989,135,1045;Li
sby et al.,Br.J.Dermatol.,1989,120,4
79;Shiohara et al.,Arch.Dermatol.,19
89.125,1371;Regezi et al.,Oral Surg. Oral Med.Oral Pathol .,1996,81,682)。さ
らに、ICAM−1に対するモノクローナル抗体の腹腔内投与はマウスにおいて
皮膚へのオブアルブミン誘導好酸球浸潤を減少させた(Hakugawa et
al.,J.Dermatol.,1997,24,73)。ICAM−1を
標的とするアンチセンス化合物が米国特許第5,514,788および5,59
1,623号および1998年1月20日および1998年4月17日に出願さ
れた各々同時係属中の米国特許出願番号09/009,490および09/06
2,416(すべてBennett et.al.,による)に記載されている
【0091】 皮膚炎症性障害のための別のアンチセンス標的はVCAM−1およびPECA
M−1である。VCAM−1に対するモノクローナル抗体の腹腔内投与はマウス
において皮膚へのオブアルブミン誘導好酸球浸潤を減少させた(Hakugaw
a et al.,J.Dermatol.,1997,24,73)。VCA
M−1を標的とするアンチセンス化合物が米国特許第5,514,788および
5,591,623号に記載されている。PECAM−1蛋白質は糖蛋白質であ
り、種々の細胞型の表面上に発現されている(総説として、Newman,J. Clin.Invest .,1997,99,3およびDeLisser et
al.,Immunol.Today,1994,15,490を参照された
い)。細胞−細胞相互作用での直接的関与に加え、PECAM−1はまた明らか
に細胞性相互作用に関与する他の分子の活性および/または発現を制御し(Li
twin et al.,J.Cell Biol.,1997,139,21
9)、およびいくつかの細胞−細胞相互作用の鍵となるメディエーターである。
PECAM−1を標的とするアンチセンス化合物はBennett et.al
.,により1998年3月19日に出願された同時係属中の米国特許出願番号0
9/044,506に記載されている。
【0092】 オリゴヌクレオチドの興味ある別の型の治療的指示には皮膚の種々の癌が含ま
れる。代表的な皮膚癌には良性腫瘍(いぼ、黒あざなど)および例えば、基底細
胞癌腫、扁平上皮癌、悪性メラノーマ、ページェット病、カポジ肉腫などのよう
な悪性腫瘍が含まれる(The Merck Manual of Diagn osis and Therapy ,15th Ed.,pp.2301−23
10,Berkow et al.,eds.,Rahway,N.J.,19
87)。腫瘍発生、過増殖状態の維持および転移に関与している多数の分子標的
が、皮膚癌を防止または阻害するため、または他の組織へ拡がることを防止する
ために標的化される。
【0093】 ras腫瘍遺伝子はグアニン結合蛋白質であり、例えば、一般にヒト腫瘍の約
30%で活性化ras腫瘍遺伝子が観察された事実から癌に関係があるとされて
いる;この数字は膵臓外分泌部の癌腫では100%に達している(総説としてD
ownward,Trends in Biol.Sci.,1990,15,
469を参照されたい)。H−rasおよびK−rasを標的としたアンチセン
ス化合物がLimaらによる米国特許第5,582,972号、Moniaらに
よる5,582,986号およびCookらによる5,661,134号、およ
び公開されたPCT出願WO94/08003、に記載されている。
【0094】 プロテインキナーゼ(PKC)蛋白質もまた腫瘍発生に関係するとされている
。プロテインキナーゼ(PKC)蛋白質を標的としたアンチセンス化合物がCo
okらによる米国特許第5,620,963およびBoggsらによる5,68
1,747号に記載されている。また興味を持たれるのは特に、腫瘍発生および
転移における役割に関係してAP−1サブユニットおよびJNK蛋白質である。
転移の過程には一連の出来事が含まれている(1)癌細胞がその細胞外マトリッ
クスから離れる、(2)離れた癌細胞がしばしば循環系を経て動物の体の別の部
分に移動する、および(3)遠位および不適当な細胞外マトリックスへ結合し、
それにより細胞増殖巣を作りだし、そこから第二の腫瘍が生じうる。正常細胞は
侵襲または転移能力を持っておらず、もしそのようなことが起こればアポトーシ
ス(プログラムされた細胞死)を受ける(Ruoslahti,Sci.Ame
r.,1996,275,72)。しかしながら、多くのヒト腫瘍は一つまたは
それ以上のマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)の上昇したレベルの活
性を持っている(Stetler−Stevenson et al.,Ann u.Rev.Cell Biol .,1993,9,541;Bernhard
et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.(U.S.A.),
1994,91, 4293)。MMPは細胞外マトリックスの成分を分解する
能力を持っている酵素のファミリーである(Birkedal−Hansen, Current Op.Biol .,1995,7,728)。特に、このファ
ミリーの一つの構成酵素、マトリックスメタロプロテイナーゼ−9(MMP−9
)はしばしば腫瘍および他の疾患組織のみで発現されているのが観察されている
(Himelstein et al.,Invasion & Metast asis ,1994,14,246)。
【0095】 いくつかの研究はMMP−9遺伝子の制御がAP−1転写因子により調節され
るであろうことを示している(Kerr et al.,Science,19
88,242,1242;Kerr et al.,Cell,1990,61
,267;Gum et al.,J.Biol.Chem.,1996,27
1,10672;Hua et al.,Cancer Res.,1996,
56,5279)。AP−1機能の阻害はMMP−9発現を弱くすることが示さ
れた(米国特許出願番号08/837,201)。AP−1は二つのサブユニッ
トを持つヘテロ二量体タンパク質であり、fosおよびjunの遺伝子産物であ
る。c−fosおよびc−junを標的化したアンチセンス化合物はDean
et.al.,により1997年3月14日に出願された同時係属中の米国特許
出願番号08/837,201に記載されている。
【0096】 さらに、AP−1はある種の環境下、Jun N末端キナーゼ(JNK)によ
りJunサブユニットのアミノ末端位のリン酸化によりそれ自身が活性化される
。従って、一つまたはそれ以上のJNKの阻害はAP−1活性の減少を生じるこ
とが期待され、その結果としてMMP発現を減少させる。JNKを標的化したア
ンチセンス化合物はDean et al.、により1997年8月13日に出
願された同時係属中の米国特許出願番号08/910,629に記載されている
【0097】 皮膚の感染性疾患はウイルス、細菌または真菌因子により起こされる。ライム
病の場合、そのダニ媒介原因因子、スピロヘータ ボレリア ブルグドルフェリ 、はインビトロにおいて内皮細胞上のICAM−1、VCAM−1およびELA
M−1の発現を上方制御する(Boggemeyer et al.,Cell Adhes.Comm .,1994,2,145)。さらに、抗炎症剤プレド
ニゾロンによる疾患の仲介は一部この接着分子の上方制御の仲介によることが提
案されている(Hurtenbach et al.,Int.J.Immun opharmac .,1996,18,281)。従って、ライム病の治療的仲
介(または予防)のための可能性のある標的にはICAM−1、VCAM−1お
よびELAM−1が含まれる(上記文献)。
【0098】 本発明の組成物および方法を使用して治療に扱いやすい皮膚の他の感染性疾患
には細菌、ウイルスまたは真菌因子の感染により生じる障害が含まれる(The Merck Manual of Diagnosis and Thera py ,15th Ed.,pp.2263−2277,Berkow et a
l.,eds.,Rahway,N.J.,1987)。真菌因子によリ起こさ
れる皮膚の感染に関して、米国特許第5,691 ,461号はカンジダ アル ビカンス の増殖を阻害するアンチセンス化合物を提供している。
【0099】 ウイルス因子によリ起こされる皮膚の感染に関して、米国特許第5,166,
195、5,523,389および5,591,600号はヒト免疫不全ウイル
ス(HIV)のオリゴヌクレオチド阻害剤を提供している。米国特許第5,00
4,810号はヘルペス単純ウイルスVmw65 mRNAへハイブリダイズで
きその複製を阻害するオリゴマーを提供している。米国特許第5,194,42
8および5,580,767号はインフルエンザウイルスに対して抗ウイルス活
性を持っているアンチセンス化合物を提供している。米国特許第4,806,4
63号はHTLV−III複製を阻害するアンチセンス化合物およびそれらを用
いる方法を提供している。米国特許第4,689,320、5,442,049
、5,591,720および5,607,923号はサイトメガロウイルス(C
MV)に特異的な抗ウイルス剤としてのアンチセンス化合物に関している。米国
特許第5,242,906号は潜在性エプスタイン−バールウイルス(EBV)
感染の処置に有用なアンチセンス化合物を提供している。米国特許第5,248
,670、5,514,577または5,658,891号はヘルペスウイルス
感染の処置に有用なアンチセンス化合物を提供している。米国特許第5,457
,189および5,681,944号はパピローマウイルス感染の処置に有用な
アンチセンス化合物を提供している。これらの特許(本明細書において援用され
る)に開示されているアンチセンス化合物は示された病原性因子により起こされ
るまたは悪化される疾患からの予防的、軽減的または治療的救済を達成するため
に本発明の組成物と使用されるであろう。
【0100】 本発明の組成物で用いられるアンチセンスオリゴヌクレオチドは、疾患に対す
る体の性質、機能および種々の遺伝子成分の潜在的関係または動物の体の状態を
決定するためにも使用されるであろう。従来、遺伝子の機能は主として遺伝子中
に機能を失った突然変異の構築により(即ち”ノックアウト”突然変異)動物で
試験されてきた(例えば、トランスジェニックマウス)。そのような仕事は困難
であり、時間がかかりおよび動物発生に必須な遺伝子では”ノックアウト”突然
変異は致死的表現型を生み出すので達成できなかった。さらに、機能を失った表
現型は動物の生活環の特定の部分または疾患状態の間に一時的に導入できない;
”ノックアウト”突然変異は常に存在する。”アンチセンスノックアウト”即ち
、直接的な遺伝子操作というよりもむしろアンチセンスオリゴヌクレオチドによ
る遺伝子発現の選択的調節は、これらの制限(例えば、Albert et a
l.,Trends in Pharmacological Science s,1994,15,250)を克服している。加えて、いくつかの遺伝子は別
のスプライシングのような過程の結果として種々のmRNA転写体を産生する;
”ノックアウト”突然変異は典型的にはそのような遺伝子により産生されるすべ
ての形のmRNA転写体を除去し、従って、特定のmRNA転写体の生物学的役
割を試験するために使用できない。アンチセンスオリゴヌクレオチドが神経死に
おけるN−メチル−D−アスパラギン酸レセプターの役割を研究するためにラッ
トに、プロテインキナーゼC−aの生物学的役割を調べるためにマウスに、およ
び不安における神経ペプチドY1レセプター役割を試験するためにラットに全身
投与された(各々Wahlestedt et al.,Nature,199
3,363:260;Dean et al.,Proc.Natl.Acad .Sci.U.S.A .,1994,91:11762;およびWahlest
edt et al.,Science,1993,259:528)。関連す
る蛋白質の複雑なファミリーが研究されている例では、”アンチセンスノックア
ウト”(即ち、アンチセンスオリゴヌクレオチドの全身投与による遺伝子の阻害
)はファミリーの特定のメンバーを調べるための最も正確な手段であろう(一般
的には、Albert et al.,Trends Pharmacol.S ci .,1994,15,250を参照されたい)。オリゴヌクレオチドおよび
その他の核酸の単純な非非経口送達のための組成物および方法を提供することに
より、本発明はこれらおよびその他の欠点を克服する。
【0101】 本発明のオリゴヌクレオチドを含んでいる治療または医薬組成物の投与は当業
者にまかせられると思われる。一般には、治療または予防を必要としている患者
に、通常医薬として受容可能な担体と一緒に、患者の年齢および処置されている
障害または疾患状態の重度に依存して、体重kg当たり0.01μgから100
gの用量範囲で本発明の化合物を含んでいる組成物が投与される。投与量は処置
すべき疾患状態の重度および応答性に依存して、数日から数ヶ月続く処置過程の
、または治癒が達成されるまでまたは疾患状態の軽減または防止が達成されるま
で続く。最適投与計画は患者体内の薬剤蓄積の測定から計算できる。当業者は容
易に最適投与量、投与方法および反復率を決定できる。最適投与量は個々のアン
チセンス化合物の相対的効力に依存して変化するであろうし、一般的にはインビ
トロおよびインビボ動物モデルで達成されたEC50に基づいて見積もることがで
きる。
【0102】 本発明の文脈において、用語”処置計画”とは本発明の一つまたはそれ以上の
組成物の投与による治療的、軽減的および予防的療法を包含している。特別の処
置計画は、特定の疾患または障害の質、その重度および患者の全体的状態に依存
して変化するであろう期間継続され、1日1回から20年毎に1回までの範囲で
あろう。処置に続いて、患者はその状態の変化、障害または疾患状態の徴候の軽
減がモニターされる。組成物の投与量は、患者が現在の投与量レベルに有意に応
答していなければ増加させ、もし障害または疾患状態の徴候の軽減が観察される
と、またはもし障害または疾患状態がなくなると投与量を減少させる。
【0103】 最適投与スケジュールが本発明のオリゴヌクレオチドの治療的有効量を送達す
るように使用される。本発明の目的のためには、用語”治療的有効量”とは望ま
しくない副作用を起こさず(毒性、刺激またはアレルギー性応答)に意図する目
的を達成するのに有効なオリゴヌクレオチド含有医薬組成物量を意味している。
個々の必要量は変化するけれども、医薬組成物有効量の最適範囲の決定は当業者
が行えるであろう。ヒト投与量は動物研究から外挿できる(Katocs et
al.,27章:Remington’s Pharmaceutical Sciences ,18版,Gennaro,編,Mack Publishi
ng Co.,Easton,PA,1990)。一般的には、医薬組成物の有
効量を提供するために必要な投与量は(当業者が調節できる)、年齢、健康状態
、身体状態、体重、受容者の疾患または障害の型および程度、処置の頻度、同時
に行う治療の性質(もしあれば)および望まれる効果(単数又は複数)の質およ
び範囲に依存して変化するであろう(Nies et al.,3章:Good man & Gilman’s The Pharmacological B asis of Therapeutics ,9版,Hardman et a
l.,編,McGraw−Hill,New York,NY,1996)。
【0104】 処置が成功した後、疾患状態の再発を防止するために患者は維持治療を受ける
のが望ましく、そこでは体重kg当たり0.01μgから100gの投与量範囲
で、1日1回から20年毎に1回まで、生物活性薬剤が維持投与量で投与される
。例えば、自己免疫または炎症状態になりやすいことが解っているまたは疑われ
る個体の場合、体重kg当たり0.01μgから100gの投与量範囲で、1日
1回から20年毎に1回まで、予防的投与量の投与により予防効果が達成される
であろう。同様の様式で、いくつかの医学処置、例えば、細胞、組織または器官
の個体内への移植により生じる移植片対宿主疾患、の結果として起こることが予
測される炎症状態へなりにくい個体にする。
【0105】 高危険性個体のための予防的療法もまた本発明に包含されている。本明細書で
使用される場合、用語”高危険性個体”とは、例えば、個人のまたは家族の歴史
または遺伝子試験により、疾患または障害の発生または再発を起こしやすい可能
性が正常よりも有意に高いことが決定されている個体を意味している。例えば、
実験動物は、特定の疾患または障害の頻繁な発生を含む個体および/または家族
歴史を持つことができる。別の例としては、実験動物は本分野で知られている技
術に従った遺伝子スクリーニングにより決定されたそのような感受性を持ってい
る可能性がある(例えば、U.S.Congress,Office of T
echnology Assessment,5章:Genetic Moni
toring and Screening in the Workplac
e,OTA−BA−455,U.S.Government Printing
Office,Washington,D.C.,1990,ページ75−9
9)。高危険性個体の処置計画の一部として、個体は疾患または障害の発生また
は再発を防ぐため、予防的に処置できる。用語”予防的有効量”とは、疾患また
は障害の発生または再発の防止が観察される効果を生み出す医薬組成物の量を示
すことを意味している。医薬組成物の予防的有効量は典型的には、その効果を活
性成分が欠けた第二の医薬組成物を同様の状態の個体に投与した場合に観察され
た効果と比較して決定される。
【0106】 治療的使用のためには、いくつかの蛋白質により調節された疾患を患っている
動物へオリゴヌクレオチド類似体が投与される。そのような疾患を患っていると
疑われる患者にその疾患の総体的徴候を減少させるのに有効であるオリゴヌクレ
オチド類似体量を投与するのが好適である。当業者はそのような処置計画のため
の最適投与量および処置スケジュールを決定できる。
【0107】 蛋白質により調節された疾患での使用では、その形成または活性が調節される
べき蛋白質をコード化しているDNAまたはRNAの一部が標的化される。用い
られるべき組成物の標的化部分は、それ故、前もって選択されたDNAまたはR
NAの一部と相補的であるように選択され、その部分のためのアンチセンスオリ
ゴヌクレオチドであるべきである。
【0108】 本発明に従った治療薬は経口、静脈内、筋肉内のように内部に投与されるのが
一般的に好適である。経皮、局所または病巣内のような他の形の投与もまた有用
である。座剤への封入も有用であろう。医薬として受容可能な担体もまたいくつ
かの態様で好適である。
【0109】 本発明はまた研究および診断目的のためのRNAの選択的結合法にも関してお
り、そこでは酵素的RNaseH切断を利用して鎖切断を達成するのが有用であ
り、結合親和性および/またはヌクレアーゼ耐性の調節が同時に達成される。そ
のような選択性はそのようなRNAまたはDNAと、分解性ヌクレアーゼに耐性
でありおよび既知のオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド類似体よりも
強くおよびより高い適合度でハイブリダイズする本発明の組成物と相互作用させ
ることにより達成される。
【0110】 本発明に従ったオリゴヌクレオチドは溶液中でまたは固相反応により、例えば
、本発明に従ったヌクレオシド、ホスホロアミダイトおよび誘導体化制御孔ガラ
ス(CPG)および/または標準ヌクレオチド前駆体を利用して適したDNA合
成機で組み立てることができる。本発明の新規修飾を含んだヌクレオシドに加え
、オリゴヌクレオチド内の他のヌクレオシドはさらに2’位に他の修飾を持つよ
うにさらに修飾してもよい。そのような追加の修飾を形成するために使用される
前駆体ヌクレオシドおよびヌクレオチド前駆体は2’かまたは3’位に置換基を
持っているであろう。そのような前駆体は少なくとも1つの遊離の2’または3
’ヒドロキシル基を持っている適切に保護されたヌクレオシドを、アルコキシア
ルキルハライド、アルコキシアルキルスルホナート、ヒドロキシアルキルハライ
ド、ヒドロキシアルキルスルホナート、アミノアルキルハライド、アミノアルキ
ルスルホナート、フタールイミドアルキルハライド、フタールイミドアルキルス
ルホナート、アルキルアミノアルキルハライド、アルキルアミノアルキルスルホ
ナート、ジアルキルアミノアルキルハライド、ジアルキルアミノアルキルスルホ
ナート、ジアルキルアミノオキシアルキルハライド、ジアルキルアミノオキシア
ルキルスルホナート、およびその適切な保護体のような(これらに限定されるわ
けではない)適切なアルキル化剤と反応させることにより本発明に従って合成さ
れる。アルキル化反応に使用された好適なハライドには塩素、臭素、フッ素およ
びヨウ素が含まれる。アルキル化反応に使用された好適なスルホナート脱離基に
はベンゼンスルホナート、メチルスルホナート、トシラート、p−ブロモベンゼ
ンスルホナート、トリフラート、トリフルオロエチルスルホナート、および(2
,4−ジニトロアニリノ)ベンゼンスルホナートが含まれる(これらに限定され
るわけではない)。
【0111】 適切に保護されたヌクレオシドは既知の技術に従ってオリゴヌクレオチドへ組
み立てることができる。例えば、Beaucage et al.,Tetra hedron ,1992,48,2223、を参照されたい。
【0112】 相補標的鎖に結合するオリゴヌクレオチドの能力は、オリゴヌクレオチドおよ
びその相補鎖とのハイブリダイゼーション複合体の融解温度(Tm)を決定する
ことにより比較される。融解温度(Tm)、二重らせんの特徴的物理特性、は5
0%らせん(ハイブリダイズした)対コイル(ハイブリダイズしていない)形が
存在する温度(摂氏度で)を意味している。Tmはハイブリダイゼーション複合
体の形成および分解(融解)を決定するためにUVスペクトルを使用して測定さ
れる。ハイブリダイゼーション間に起こる塩基積み重ねはUV吸収の減少(淡色
効果)を伴っている。従って、UV吸収の減少はより高いTmを示している。Tm がより高いと鎖間の結合の強度がより強い。多数の核酸修飾の構造−安定性相関
が概説されている(Freier and Altmann,Nucl.Aci ds Research ,1997,25,4429−443)。
【0113】 本発明のオリゴヌクレオチドの相対結合能力が文献(Freier and
Altmann,Nucl.Acids Research,1997,25,
4429−443)に記載されているプロトコールを使用して決定された。典型
的吸収対温度曲線は、4μMオリゴヌクレオチドを含む100mM Na+、1
0mMリン酸、0.1mM EDTA、および4μM相補的、長さ一致RNAを
含んでいる試料を使用して決定された。
【0114】 オリゴヌクレオチドのインビボ安定性は、オリゴヌクレオチド治療薬の開発で
考慮すべき重要な因子である。ヌクレアーゼ、ホスホジエステラーゼおよびその
他の酵素による分解に対するオリゴヌクレオチドの耐性が決定される。本発明の
オリゴヌクレオチド安定性の典型的なインビボ評価は、5mg/kgのオリゴヌ
クレオチドのリン酸緩衝化生理食塩液を1回量でBALB/cマウスに投与する
ことにより実施される。投与後、特定の時間間隔で血液を採取し、循環系に残っ
ている無傷のオリゴヌクレオチド量および分解生成物の性質を決定するためにH
PLCおよびキャピラリーゲル電気泳動(CGE)で分析する。
【0115】 本発明に従ったヘテロ環式塩基には天然に存在するおよび天然には存在しない
核酸塩基およびヘテロ環式の両方が含まれる。代表的なリストにはアデニン、グ
アニン、シトシン、ウリジン、およびチミン、ならびにキサンチン、ヒポキサン
チン、2−アミノアデニン、アデニンおよびグアニンの6−メチルおよびその他
のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2−プロピルおよびその他のアル
キル誘導体、5−ハロウラシルおよびシトシン、6−アゾウラシル、シトシンお
よびチミン、5−ウラシル(プソイドウラシル)、4−チオウラシル、8−ハロ
、オキサ、アミノ、チオール、チオアルキル、ヒドロキシル、および他の8−置
換アデニンおよびグアニン、5−トリフルオロメチルおよび他の5−置換ウラシ
ルおよびシトシン、7−メチルグアニンのような他の合成および天然の核酸塩基
が含まれる。さらに別のヘテロ環式塩基には米国特許第3,687,808号に
記載されているもの、Concise Encyclopedia Of Po lymer Science And Engineering ,ページ858
−859,Kroschwitz,J.I.,編.John Wiley &
Sons,1990に記載されているもの、およびEnglisch,et a
l.,Angewandte Chemie,International E dition 1991,30,613に記載されているものが含まれる。
【0116】 本発明の追加の目的、利点および新規特色は以下の、制限は意図されていない
実施例に従った試験により当業者には明らかになるであろう。すべてのオリゴヌ
クレオチドは左から右へ標準の5’から3’で掲げられている。
【0117】 実施例1 5’−O−DMT−2’−O−(メトキシエチル)−5−メチルウリジンと5’
−O−DMT−3’−O−(2−メトキシエチル)−5−メチルウリジン 2’,3’−O−ジブチルスタニレン 5−メチルウリジン(345g)(W
agner等,J.Org.Chem.,1974,39,24に従って製造)
を70℃においてDMF(3L)中、テトラブチルアンモニウムヨージド(23
5g)の存在下で2−メトキシエチルブロミド(196g)によってアルキル化
して、ほぼ1:1の異性体比率で2’−O−(2−メトキシエチル)−5−メチ
ルウリジンと3’−O−(2−メトキシエチル)−5−メチルウリジンとの混合
物(150g)を得た。この混合物をピリジン(1L)中のDMTクロリド(1
10g,DMT−Cl)によって処理して、5’−O−DMT−ヌクレオシドの
混合物を得た。標準的な仕上げ処理後に、異性体をシリカゲルカラム・クロマト
グラフィーによって分離した。2’−異性体が最初に溶出し、次に3’−異性体
が溶出した。
【0118】 実施例2 5’−O−DMT−3’−O−(2−メトキシエチル)−5−メチルウリジン−
2’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピル)ホスホロアミダイト 5’−O−DMT−3’−O−(2−メトキシエチル)−5−メチルウリジン
(5g,0.008mol)をCH2Cl2(30ml)中に溶解して、この溶液
に、アルゴン下で、ジイソプロピルアミノテトラゾリド(0.415g)と2−
シアノエトキシ−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト(3.9ml)と
を加えた。この反応を一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカカラムに供
給し、酢酸エチルによって溶出して、3.75gの標題化合物を得た。
【0119】 実施例3 5’−O−DMT−3’−O−(2−メトキシエチル)−N4−ベンゾイル−5
−メチル−シチジン 5’−O−DMT−3’−O−(2−メトキシエチル)−5−メチルウリジン(
15g)を150mlの無水ピリジンと4.5mlの無水酢酸とによって、アル
ゴン下で、処理し、一晩撹拌した。ピリジンを蒸発させ、残渣を200mlの飽
和NaHCO3溶液と200mlの酢酸エチルとに分配した。有機層を乾燥させ
(無水MgSO4)、蒸発させて、16gの2’−アセトキシ−5’−O−(D
MT)−3’−O−(2−メトキシエチル)−5−メチルウリジンを得た。
【0120】 トリエチルアミン(50ml)とアセトニトリル(150ml)中のトリアゾ
ール(19.9g)の氷冷溶液に、機械的に撹拌しながら、9mlのPOCl3
を滴加した。添加後に、氷浴を除去し、混合物を30分間撹拌した。2’−アセ
トキシ−5’−O−(DMT)−3’−O−(2−メトキシエチル)−5−メチ
ルウリジン(50ml CH3CN中16g)を、受容フラスコを氷浴温度に維
持しながら、上記溶液に滴加した。2時間後に、TLCはより迅速に移動するヌ
クレオシド、C−4−トリアゾール誘導体を示した。反応フラスコを蒸発させ、
ヌクレオシドを酢酸エチル(500ml)とNaHCO3(500ml)とに分
配した。有機層を飽和NaCl溶液によって洗浄し、乾燥させ(無水NgSO4
)、蒸発させて、15gのC−4−トリアゾール・ヌクレオシドを得た。次に、
この化合物をNH4OH/ジオキサン(100ml:200ml)の2:1混合
物中に溶解し、一晩撹拌した。TLCは出発物質の消失を示した。この溶液を蒸
発させて、メタノール中に溶解して、9.6gの5’−O−(DMT)−3’−
O−(2−メトキシエチル)−5−メチルシチジンを析出させた。
【0121】 5’−O−(DMT)−3’−O−(2−メトキシエチル)−5−メチルシチ
ジン(9.6g,0.015mol)を50mlのDMF中に溶解して、7.3
7gの無水安息香酸によって処理した。24時間撹拌した後に、DMFを蒸発さ
せ、残渣をシリカカラムに負荷し、1:1ヘキサン:酢酸エチルによって溶出し
て、所望のヌクレオシドを得た。
【0122】 実施例4 5’−O−DMT−3’−O−(2−メトキシエチル)−N4−ベンゾイル−5
−メチル−シチジン−2’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピル
)ホスホロアミダイト 上記ヌクレオシドから、対応メチル−ウリジン誘導体に関して述べたホスフィ
チル化プロトコール(phosphitylation protocol)を用いて、5’−O−DMT−
3’−O−(2−メトキシエチル)−N4−ベンゾイル−5−メチル−シチジン
−2’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピル)ホスホロアミダイ
トを得た。
【0123】 実施例5 N6−ベンゾイル−5’−O−(DMT)−3’−O−(2−メトキシエチル)
アデノシン 5℃の乾燥ジメチルホルムアミド(800ml)中のアデノシン(42.74
g,0.16mol)の溶液を水素化ナトリウム(8.24g,ヘキサンによっ
て予め3回洗浄した油中60%,0.21mol)によって処理した。30分間
撹拌した後に、2−メトキシエチルブロミド(0.16mol)を20分間にわ
たって加えた。反応を5℃において8時間撹拌してから、Celiteに通して
濾過した。濾液を減圧下で濃縮した後に、トルエン(2x100ml)と共に共
沸蒸発させた(coevaporated)。残渣をシリカゲル(100g)に吸着させ、クロ
マトグラフィーした(800g,クロロホルム−メタノール9:14:1)。選
択した画分を減圧下で濃縮した、残渣は2’−O−(2−メトキシエチル)アデ
ノシンと3’−O−(2−メトキシエチル)アデノシンとの4:1の比率での混
合物であった。
【0124】 ピリジン(100ml)中の上記混合物(0.056mol)を減圧下で蒸発
乾燥させた。残渣をピリジン(560ml)中に再溶解し、氷水浴中で冷却した
。塩化トリメチルシリル(36.4ml,0.291mol)を加え、反応を5
℃において30分間撹拌した。塩化ベンゾイル(33.6ml,0.291mo
l)を加えて、反応を25℃に2時間温度上昇させ、次に5℃に冷却した。反応
を冷水(112ml)によって希釈し、15分間撹拌した後に、濃水酸化アンモ
ニウム(112ml)を加えた。30分間後に、反応を減圧下で濃縮し(30℃
未満)、次にトルエン(2x100ml)と共に共沸蒸発させた。残渣を酢酸エ
チル−メタノール(400ml,9:1)中に溶解し、望ましくないシリル副生
成物を濾過によって除去した。濾液を減圧下で濃縮してから、シリカゲル(80
0g,クロロホルム−メタノール9:1)上でクロマトグラフィーした。選択し
た画分を一緒にし、減圧下で濃縮して、25℃/0.2mmHgにおいて2時間
乾燥させて、純粋なN6−ベンゾイル−2’−O−(2−メトキシエチル)アデ
ノシンと純粋なN6−ベンゾイル−3’−O−(2−メトキシエチル)アデノシ
ンとを得た。
【0125】 ピリジン(100ml)中のN6−ベンゾイル−3’−O−(2−メトキシエ
チル)アデノシン(11.0g,0.285mol)の溶液を減圧下で蒸発させ
て、油状物を得た。残渣を乾燥ピリジン(300ml)中に再溶解し、DMT−
Cl(10.9g,95%,0.31mol)を加えた。この混合物を25℃に
おいて16時間撹拌してから、氷水(500ml)中の炭酸水素ナトリウム(2
0g)の溶液上に注入した。生成物を酢酸エチル(2x150ml)によって抽
出した。有機層をブライン(50ml)によって洗浄し、硫酸ナトリウム(粉状
)上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた(40℃未満)。残渣をシリカゲル(40
0g,酢酸エチル−アセトニトリル−トリエチルアミン99:1:195:5:
1)上でクロマトグラフィーした。選択した画分を一緒にし、減圧下で濃縮し、
25℃/0.2mmHgにおいて乾燥させて、16.8g(73%)の標題化合
物を泡状物として得た。TLCは均質であった。
【0126】 実施例6 [N6−ベンゾイル−5’−O−(DMT)−3’−O−(2−メトキシエチル
)アデノシン−2’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピル)ホス
ホロアミダイト 実施例5の標題化合物から出発することによって、実施例2及び4の5−メチ
ル−シチジン及び5−メチルウリジン類似体と同様な方法で標題化合物を製造し
た。クロマトグラフィー溶離剤として酢酸エチル−ヘキサン−トリエチルアミン
(59:40:1)を用いた精製は67%収率の標題化合物を固体泡状物として
生成した。TLCは均質であった。31P−NMR(CDCl3,H3PO4std
.)δ147.89;148.36(ジアステレオマー)。
【0127】 実施例7 5’−O−(DMT)−N2−イソブチリル−3’−O−(2−メトキシエチル
)グアノシン A.2,6−ジアミノプリンリボシド 2Lステンレス鋼Parrボンベに、グアノシン水和物(100g,0.35
mol,Aldrich)と、ヘキサメチルジシラザン(320ml,1.52
mol,4.4当量)と、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(
8.2ml)と、トルエン(350ml)とを加えた。このボンベをシールし、
油浴(170℃;内部T 150℃;150psi)中に5日間部分的に沈めた
。ボンベをドライアイス/アセトン浴中で冷却して、開けた。内容物をメタノー
ル(300ml)によってフラスコに移し、溶媒を減圧下で蒸発させた。水性メ
タノール(50%,1.2L)を加えた。生じた褐色懸濁液を5時間加熱還流さ
せた。メタノールの大部分を除去するために、懸濁液を減圧下で1/2量まで濃
縮した。水(600ml)を加え、溶液を加熱還流させ、木炭(charcoal)(5g
)によって処理し、高温状態でCeliteに通して濾過した。溶液を25℃に
冷却させた。生じた沈殿を回収して、水(200ml)によって洗浄し、90℃
/0.2mmHgにおいて5時間乾燥させて、87.4g(89%)の黄褐色、
結晶質固体の一定重量に達した;mp 247℃(収縮),255℃(実際に分
解(dec,lit.),(1)mp 250−252℃);TLC均質(Rf0.50,
イソプロパノール−水酸化アンモニウム−水16:3:1);PMR(DMSO
),δ5.73(d,2,2−NH2),5.78(s,1,H−1),6.8
3(brs,2,6−NH2). B.2’−O−(2−メトキシエチル)−2,6−ジアミノプリンリボシドと
3’−O−(2−メトキシエチル)−2,6−ジアミノプリンリボシド アルゴン雰囲気下、0℃の乾燥ジメチルホルムアミド(350ml)中の2,
6−ジアミノプリンリボシド(10.0g,0.035mol)の溶液に、水素
化ナトリウム(油中60%,1.6g,0.04mol)を加えた。30分間後
に、2−メトキシエチルブロミド(0.44mol)を1度に加え、反応を25
℃において16時間撹拌した。メタノール(10ml)を加え、混合物を減圧下
で濃縮して、油状物(20g)を得た。4:1の比率の2’/3’異性体を含有
する粗生成物をシリカゲル(500g,クロロホルム−メタノール 4:1)上
でクロマトグラフィーした。適当な画分を一緒にして、減圧下で濃縮して、半固
体(12g)を得た。これにメタノール(50ml)を加えて磨砕して、白色吸
湿性固体を得た。この固体を40℃/0.2mmHgにおいて6時間乾燥させて
、純粋な2’生成物と純粋な3’異性体とを得て、これらをNMRによって確認
した。
【0128】 C.3’−O−2−(メトキシエチル)グアノシン 迅速に撹拌しながら、3’−O−(2−メトキシエチル)−2,6−ジアミノ
プリンリボシド(0.078mol)を25℃の一塩基性リン酸ナトリウム緩衝
液(0.1M,525ml,pH7.3−7.4)中に溶解した。アデノシンデ
アミナーゼ(SigmaタイプII,1単位/mg,350mg)を加えて、反
応を25℃において60時間撹拌した。混合物を5℃に冷却し、濾過した。固体
を水(2x25ml)によって洗浄し、60℃/0.2mmHgにおいて5時間
乾燥させて、10.7gの第1回収物を得た。母液を減圧下で125mlまで濃
縮し、5℃に冷却し、固体を回収し、冷水(2x20ml)によって洗浄し、上
記のように乾燥させることによって、第2回収物を得て、6.7gの付加的物質
を得て、総重量15.4g(グアノシン水和物から31%)の淡黄褐色固体とし
た;TLC純度97%。
【0129】 D.N2−イソブチリル−3’−O−2−(メトキシエチル)グアノシン ピリジン(300ml)中の3’−O−2−(メトキシエチル)グアノシン(
18.1g,0.0613mol)の溶液に、塩化トリメチルシリル(50.4
ml,0.46mol)を加えた。反応を25℃において16時間撹拌した。塩
化イソブチリル(33.2ml,0.316mol)を加えて、反応を25℃に
おいて4時間撹拌した。この反応を水(25ml)によって希釈した。30分間
撹拌した後に、水酸化アンモニウム(濃縮,45ml)をpH6に達するまで加
えた。この混合物を水浴中で30分間撹拌してから、減圧下で蒸発させて、油状
物を得た。この油状物を酢酸エチル(600ml)と水(100ml)との混合
物中に溶液が形成されるまで懸濁させた。この溶液を25℃において17時間放
置した。生じた沈殿を回収し、酢酸エチル(2x50ml)によって洗浄し、6
0℃/0.2mmHgにおいて5時間乾燥させて、16.1g(85%)の黄褐
色固体を得た;TLC純度98%。
【0130】 E.5’−O−(DMT)−N2−イソブチリル−3’−O−(2−メトキシ
エチル)グアノシン ピリジン(150ml)中のN2−イソブチリル−3’−O−2−(メトキシ
エチル)グアノシン(0.051mol)の溶液を減圧下で蒸発乾燥させた。残
渣をピリジン(300ml)中に再溶解して、10〜15℃に冷却した。DMT
−Cl(27.2g,95%,0.080mol)を加えて、反応を25℃にお
いて16時間撹拌した。この反応を減圧下で蒸発させて、油状物を得て、最少量
の塩化メチレン中に溶解して、シリカゲルカラム(500g)上に供給した。生
成物を塩化メチレン−トリエチルアミン(99:1)から塩化メチレン−メタノ
ール−トリエチルアミン(99:1:1)までの勾配によって溶出した。選択し
た画分を一緒にし、減圧下で濃縮して、40℃/0.2mmHgにおいて2時間
乾燥させて、15g(グアノシン水和物から15.5%)の黄褐色泡状物を得た
;TLC純度98%。
【0131】 実施例8 [5’−O−(DMT)−N2−イソブチリル−3’−O−(2−メトキシエチ
ル)グアノシン−2’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピル)ホ
スホロアミダイト 実施例7からの保護ヌクレオシド(0.0486mol)をTeflon撹拌
バーを含有する乾燥1 L丸底フラスコに入れた。フラスコをアルゴンによって
パージした。無水塩化メチレン(400ml)をフラスコ中にカニューレで挿入
して、ヌクレオシドを溶解した。予め真空乾燥させたN,N−ジイソプロピルア
ミノヒドロテトラゾリド(3.0g,0.0174mol)をアルゴン下で加え
た。撹拌しながら、ビス−N,N−ジイソプロピル−アミノシアノエチル−ホス
ホロアミダイト(18.8g,0.0689mol)を注射器を介して1分間に
わたって加えた(発熱は認められなかった)。反応を25℃においてアルゴン下
で16時間撹拌した。TLCによって反応の完成を立証した後に、反応を分液ロ
ート(1 L)に移した。反応フラスコを塩化メチレン(2x50ml)によっ
てすすぎ洗いした。一緒にした有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200
ml)によって、次にブライン(200ml)によって洗浄した。有機層を硫酸
ナトリウム(50g,粉状)上で2時間乾燥させた。溶液を濾過し、減圧下で濃
縮し、粘性な油状物を得た。生じたホスホロアミダイトをシリカゲル・フラッシ
ュクロマトグラフィー(800g,酢酸エチル−トリエチルアミン 99:1)
によって精製した。選択した画分を一緒にし、減圧下で濃縮して、25℃/0.
2mmHgにおいて16時間乾燥させて、18.0g(46%,グアノシン水和
物から3%)のTLC均質な固体泡状物を得た。31P−NMR(CDCl3,H3 PO4std.)δ147.96;148.20(ジアステレオマー)。
【0132】 実施例9 5’−O−DMT−3’−O−(2−メトキシエチル)−5−メチル−ウリジン
−2’−O−スクシネート 5’−O−DMT−3’−O−(2−メトキシエチル)−チミジンを最初に2
’−位置においてスクシニル化した。チミジンヌクレオシド(4mmol)を1
0.2mlのジクロロエタン、615mg(6.14mmol)の無水コハク酸
、570μl(4.09mmol)のトリエチルアミン及び251mg(2.0
5mmol)の4−ジメチルアミノピリジンと反応させた。反応物を溶解するま
で渦流させ、55℃の加熱ブロック(heating block)に約30分間入れた。反応
の完成を薄層クロマトグラフィー(TLC)によってチェックした。反応混合物
を冷10%クエン酸によって3回洗浄し、続いて水によって3回洗浄した。有機
相を取り出し、硫酸ナトリウム下で乾燥させた。スクシニル化ヌクレオシドを真
空オーブン内、P25下で一晩乾燥させた。
【0133】 実施例10 5’−O−DMT−3’−O−メトキシエチル−5−メチル−ウリジン−2’−
O−スクシノイル結合LCA CPG 5’−O−DMT−3’−O−(2−メトキシエチル)−2’−O−スクシニ
ル−チミジンを制御多孔質ガラス(controlled pore glass)(CPG)に結合さ
せた。1.09g(1.52mmol)のスクシネートを真空オーブン内で4−
ジメチルアミノピリジン(DMAP)、2,2’−ジチオビス(5−ニトロ−ピ
リジン)(dTNP)、トリフェニルホスフィン(TPP)及び予め酸洗浄した
CPG(制御多孔質ガラス)と共に一晩乾燥させた。約24時間後に、該スクシ
ネートにDMAP(1.52mmol,186mg)とアセトニトリル(13.
7ml)とを加えた。混合物をアルゴン雰囲気下で、マグネチックスターラーを
用いて撹拌した。別のフラスコにおいて、dTNP(1.52mmol,472
mg)をアセトニトリル(9.6ml)とジクロロメタン(4.1ml)中にア
ルゴン下で溶解した。この反応混合物を次に該スクシネートに加えた。もう1つ
の別のフラスコにおいて、TPP(1.52mmol,399mg)をアセトニ
トリル(37ml)中にアルゴン下で溶解した。この反応混合物を次に該スクシ
ネート/DMAP/dTNP反応混合物に加えた。最後に、12.23gの予め
酸洗浄したLCA CPG(負荷=115.2μmol/g)を主要反応混合物
に加え、短時間渦流させ、シェーカー(shaker)上に約3時間載せた。3時間後に
、混合物をシェーカーから取り出し、負荷(loading)をチェックした。CPGの
小サンプルを多量のアセトニトリルと、ジクロロメタンと、次にエーテルとによ
って洗浄した。最初の負荷は63μmol/gであると判明した(3.9mgの
CPGをトリクロロ酢酸によって切断し、放出されたトリチルカチオンの吸収を
分光光度計上で503nmにおいて読み取って、負荷を判定した)。次に、全C
PGサンプルを上述したように洗浄して、真空オーブン内、P25下で一晩乾燥
させた。翌日、このCPGをシェーカー上で25mlのCAP A(テトラヒド
ロフラン/無水酢酸)と25mlのCAP B(テトラヒドロフラン/ピリジン
/1−メチルイミダゾール)によって約3時間キャップした。濾過し、ジクロロ
メタンとエーテルとによって洗浄した。CPGを真空オーブン内、P25下で一
晩乾燥させた。乾燥させた後、12.25gのCPGを90μmol/gの最終
負荷と共に単離した。
【0134】 実施例11 3’−O−メトキシエチル−5−メチル−N−ベンゾイル−シチジン−2’−O
−スクシネート 5’−O−DMT−3’−O−(2−メトキシ)エチル−N−ベンゾイル−シ
チジンを最初に2’−位置においてスクシニル化した。シチジンヌクレオシド(
4mmol)を10.2mlのジクロロエタン、615mg(6.14mmol
)の無水コハク酸、570μl(4.09mmol)のトリエチルアミン及び2
51mg(2.05mmol)の4−ジメチルアミノピリジンと反応させた。反
応物を溶解するまで渦流させ、55℃の加熱ブロックに約30分間入れた。反応
の完成を薄層クロマトグラフィー(TLC)によってチェックした。反応混合物
を冷10%クエン酸によって3回洗浄し、続いて水によって3回洗浄した。有機
相を取り出し、硫酸ナトリウム下で乾燥させた。スクシニル化ヌクレオシドを真
空オーブン内、P25下で一晩乾燥させた。
【0135】 実施例12 5’−O−DMT−3’−O−メトキシエチル−5−メチル−N−ベンゾイル−
シチジン−2’−O−スクシノイル結合LCA CPG 5’−O−DMT−3’−O−(2−メトキシエチル)−2’−O−スクシニ
ル−N4−ベンゾイル−シチジンを制御多孔質ガラス(CPG)に結合させた。
1.05g(1.30mmol)のスクシネートを真空オーブン内で4−ジメチ
ルアミノピリジン(DMAP)、2,2’−ジチオビス(5−ニトロ−ピリジン
)(dTNP)、トリフェニルホスフィン(TPP)及び予め酸洗浄したCPG
(制御多孔質ガラス)と共に一晩乾燥させた。翌日、該スクシネートにDMAP
(1.30mmol,159mg)とアセトニトリル(11.7ml)とを加え
た。混合物をアルゴン下で、マグネチックスターラーによって“混合した”。別
のフラスコにおいて、dTNP(1.30mmol,400mg)をアセトニト
リル(8.2ml)とジクロロメタン(3.5ml)中にアルゴン下で溶解した
。この反応混合物を次に該スクシネートに加えた。もう1つの別のフラスコにお
いて、TPP(1.30mmol,338mg)をアセトニトリル(11.7m
l)中にアルゴン下で溶解した。この混合物を次に該スクシネート/DMAP/
dTNP反応混合物に加えた。最後に、10.46gの予め酸洗浄したLCA
CPG(負荷=115.2μmol/g)を主要反応混合物に加え、短時間渦流
させ、シェーカー上に約2時間載せた。2時間後に、一部をシェーカーから取り
出し、負荷をチェックした。CPGの小サンプルを多量のアセトニトリルと、ジ
クロロメタンと、次にエーテルとによって洗浄した。最初の負荷は46μmol
/gであると判明した(3.4mgのCPGをトリクロロ酢酸によって切断した
)。放出されたトリチルカチオンの吸収を分光光度計上で503nmにおいて読
み取って、負荷を判定した。次に、全CPGサンプルを上述したように洗浄して
、真空オーブン内、P25下で一晩乾燥させた。翌日、このCPGをシェーカー
上で25mlのCAP A(テトラヒドロフラン/無水酢酸)と25mlのCA
P B(テトラヒドロフラン/ピリジン/1−メチルイミダゾール)によって約
3時間キャップした。この物質を濾過し、ジクロロメタンとエーテルとによって
洗浄した。CPGを真空オーブン内、P25下で一晩乾燥させた。乾燥させた後
、10.77gのCPGを63μmol/gの最終負荷と共に単離した。
【0136】 実施例13 5’−O−DMT−3’−O−メトキシエチル−N6−ベンゾイル−アデノシン
−2’−O−スクシネート 5’−O−DMT−3’−O−(2−メトキシエチル)−N6−ベンゾイル−
アデノシンを最初に2’−位置においてスクシニル化した。3.0g(4.09
mmol)のアデノシンヌクレオシドを10.2mlのジクロロエタン、615
mg(6.14mmol)の無水コハク酸、570μl(4.09mmol)の
トリエチルアミン及び251mg(2.05mmol)の4−ジメチルアミノピ
リジンと反応させた。反応物を溶解するまで渦流させ、55℃の加熱ブロックに
約30分間入れた。反応の完成を薄層クロマトグラフィー(TLC)によってチ
ェックした。反応混合物を冷10%クエン酸によって3回洗浄し、続いて水によ
って3回洗浄した。有機相を取り出し、硫酸ナトリウム下で乾燥させた。スクシ
ニル化ヌクレオシドを真空オーブン内、P25下で一晩乾燥させた。
【0137】 実施例14 5’−O−DMT−3’−O−(2−メトキシエチル)−N6−ベンゾイル−ア
デノシン−2’−O−スクシノイル結合LCA CPG スクシニル化後、5’−O−DMT−3’−O−(2−メトキシエチル)−2
’−O−スクシニル−N6−ベンゾイル−アデノシンを制御多孔質ガラス(CP
G)に結合させた。3.41g(4.10mmol)のスクシネートを真空オー
ブン内で4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、2,2’−ジチオビス(5
−ニトロ−ピリジン)(dTNP)、トリフェニルホスフィン(TPP)及び予
め酸洗浄したCPG(制御多孔質ガラス)と共に一晩乾燥させた。翌日、該スク
シネートにDMAP(4.10mmol,501mg)とアセトニトリル(37
ml)とを加えた。混合物をアルゴン下で、マグネチックスターラーによって“
混合した”。別のフラスコにおいて、dTNP(4.10mmol,1.27g
)をアセトニトリル(26ml)とジクロロメタン(11ml)中にアルゴン下
で溶解した。この反応混合物を次に該スクシネートに加えた。もう1つの別のフ
ラスコにおいて、TPP(4.10mmol,1.08g)をアセトニトリル(
37ml)中にアルゴン下で溶解した。この混合物を次に該スクシネート/DM
AP/dTNP反応混合物に加えた。最後に、33gの予め酸洗浄したLCA
CPG(負荷=115.2μmol/g)を主要反応混合物に加え、短時間渦流
させ、シェーカー上に約20時間載せた。20時間後に、シェーカーから取り出
し、負荷をチェックした。CPGの小サンプルを多量のアセトニトリルと、ジク
ロロメタンと、次にエーテルとによって洗浄した。最初の負荷は49μmol/
gであると判明した(2.9mgのCPGをトリクロロ酢酸によって切断した)
。放出されたトリチルカチオンの吸収を分光光度計上で503nmにおいて読み
取って、負荷を判定した。次に、全CPGサンプルを上述したように洗浄して、
真空オーブン内、P25下で一晩乾燥させた。翌日、このCPGをシェーカー上
で50mlのCAP A(テトラヒドロフラン/無水酢酸)と50mlのCAP
B(テトラヒドロフラン/ピリジン/1−メチルイミダゾール)によって約1
時間キャップした。この物質を濾過し、ジクロロメタンとエーテルとによって洗
浄した。CPGを真空オーブン内、P25下で一晩乾燥させた。乾燥させた後、
33.00gのCPGが66μmol/gの最終負荷を有して得られた。
【0138】 実施例15 5’−O−DMT−3’−O−(2−メトキシエチル)−N2−イソブチリル−
グアノシン−2’−O−スクシネート 5’−O−DMT−3’−O−(2−メトキシエチル)−N2−イソブチリル
−グアノシンを2’−糖位置においてスクシニル化した。3.0g(4.20m
mol)のグアノシンヌクレオシドを10.5mlのジクロロエタン、631m
g(6.30mmol)の無水コハク酸、585μl(4.20mmol)のト
リエチルアミン及び257mg(2.10mmol)の4−ジメチルアミノピリ
ジンと反応させた。反応物を溶解するまで渦流させ、55℃の加熱ブロックに約
30分間入れた。反応の完成を薄層クロマトグラフィー(TLC)によってチェ
ックした。反応混合物を冷10%クエン酸によって3回洗浄し、続いて水によっ
て3回洗浄した。有機相を取り出し、硫酸ナトリウム下で乾燥させた。スクシニ
ル化ヌクレオシドを真空オーブン内、P25下で一晩乾燥させた。
【0139】 実施例16 5’−O−DMT−3’−O−メトキシエチル−N2−イソブチリル−グアノシ
ン−2’−O−スクシノイル結合LCA CPG スクシニル化後、5’−O−DMT−3’−O−(2−メトキシエチル)−2
’−O−スクシニル−N2−ベンゾイル−グアノシンを制御多孔質ガラス(CP
G)に結合させた。3.42g(4.20mmol)のスクシネートを真空オー
ブン内で4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、2,2’−ジチオビス(5
−ニトロ−ピリジン)(dTNP)、トリフェニルホスフィン(TPP)及び予
め酸洗浄したCPG(制御多孔質ガラス)と共に一晩乾燥させた。翌日、該スク
シネートにDMAP(4.20mmol,513mg)とアセトニトリル(37
.5ml)とを加えた。混合物をアルゴン下で、マグネチックスターラーによっ
て“混合した”。別のフラスコにおいて、dTNP(4.20mmol,1.4
3g)をアセトニトリル(26ml)とジクロロメタン(11ml)中にアルゴ
ン下で溶解した。この反応混合物を次に該スクシネートに加えた。もう1つの別
のフラスコにおいて、TPP(4.20mmol,1.10g)をアセトニトリ
ル(37.5ml)中にアルゴン下で溶解した。この混合物を次に該スクシネー
ト/DMAP/dTNP反応混合物に加えた。最後に、33.75gの予め酸洗
浄したLCA CPG(負荷=115.2μmol/g)を主要反応混合物に加
え、短時間渦流させ、シェーカー上に約20時間載せた。20時間後に、シェー
カーから取り出し、負荷をチェックした。CPGの小サンプルを多量のアセトニ
トリルと、ジクロロメタンと、次にエーテルとによって洗浄した。最初の負荷は
64μmol/gであると判明した(3.4mgのCPGをトリクロロ酢酸によ
って切断した)。放出されたトリチルカチオンの吸収を分光光度計上で503n
mにおいて読み取って、負荷を判定した。次に、CPGを上述したように洗浄し
て、真空オーブン内、P25下で一晩乾燥させた。翌日、このCPGをシェーカ
ー上で50mlのCAP A(テトラヒドロフラン/無水酢酸)と50mlのC
AP B(テトラヒドロフラン/ピリジン/1−メチルイミダゾール)によって
約1時間キャップした。この物質を濾過し、ジクロロメタンとエーテルとによっ
て洗浄した。CPGを真空オーブン内、P25下で一晩乾燥させた。乾燥させた
後、33.75gのCPGが72μmol/gの最終負荷を有して単離された。
【0140】 実施例17 5’−O−DMT−3’−O−[ヘキシル−(6−フタルイミド)]−ウリジン 2’,3’−O−ジブチルスタニレン−ウリジンをWagner等,J.Or
g.Chem.,1974,39,24の方法に従って合成した。この化合物を
真空下、P25上で12時間乾燥させた。200mlの無水DMF中のこの化合
物(29g,42.1mmol)の溶液に、16.8g(55mmol)の6−
ブロモヘキシルフタルイミドと4.5gのヨウ化ナトリウムとを加え、混合物を
アルゴン下、130℃において16時間加熱した。反応混合物を蒸発させ、トル
エンと共に1回共沸蒸発させ、ガム状タール残渣をシリカカラム(500g)上
に供給した。カラムを2LのEtOAcによって洗浄し、続いて10%メタノー
ル(MeOH):90%EtOAcによって溶出した。生成物、O−ヘキシル−
6−N−フタルイミドウリジンの2’−異性体と3’−異性体が分離不能な混合
物(EtOAc中10%MeOHにおいて、Rf=0.64)として溶出した。1 3 C NMRによって、異性体比率は約55%の2’異性体と約45%の3’異
性体であった。一緒にした収量は9.2g(46.2%)であった。この混合物
を真空下で乾燥させ、ピリジンと共に2回再蒸発させた。これを150mlの無
水ピリジン中に溶解して、7.5gのDMT−Cl(22.13mmol)と5
00mgのジメチルアミノピリジン(DMAP)とによって処理した。2時間後
に、薄層クロマトグラフィー(TLC;6:4 EtOAc:ヘキサン)は出発
物質の完全な消失と、2’異性体と3’異性体との良好な分離(2’異性体に対
してはRf=0.29、3’異性体に対してはRf=0.12)を示した。反応混
合物を5mlのCH3OHの添加によってクエンチし、減圧下で蒸発させた。残
渣を300mlのCH2Cl2中に溶解し、飽和NaHCO3によって、続いて飽
和NaCl溶液によって連続的に洗浄した。これをMgSO4上で乾燥させ、蒸
発させて、15gの褐色泡状物を得て、これをシリカゲル(500g)上で精製
して、6.5gの2’異性体と3.5gの3’異性体を得た。
【0141】 実施例18 5’−O−DMT−3’−O−[ヘキシル−(6−フタルイミド)]−ウリジン
−2’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピル)ホスホロアミダイ
ト 5’−DMT−3’−O−[ヘキシル−(6−フタルイミド)]−ウリジン(
2g,2.6mmol)を20mlの無水CH2Cl2中に溶解した。この溶液に
、ジイソプロピルアミノテトラゾリド(0.2g,1.16mmol)と2.0
mlの2−シアノエチル−N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロア
ミダイト(6.3mmol)とを撹拌しながら一晩加えた。TLC(1:1 E
tOAc/ヘキサン)は出発物質の完全な消失を示した。反応混合物をCH2
2によって移し、飽和NaHCO3(100ml)によって、続いて、飽和Na
Cl溶液によって洗浄した。有機層を無水Na2SO4上で乾燥させ、蒸発させて
、3.8gの粗生成物を得て、これを1:1 ヘキサン/EtOAcを用いてシ
リカカラム(200g)で精製して、1.9g(1.95mmol,74%収率
)の所望のホスホロアミダイトを得た。
【0142】 実施例19 5’−O−DMT−3’−O−[ヘキシル−(6−フタルイミド)]−ウリジン
−2’−O−スクシノイル−アミノプロピルCPG スクシニル化され、キャップされたアミノプロピル制御多孔質ガラス(CPG
;500Å孔径,アミノプロピルCPG,1.0g,Damha等,NuCl.
Acids Res.1990,18,3813に従って製造)を、100ml
の丸底フラスコ中の12mlの無水ピリジンに加えた。1−(3−ジメチルアミ
ノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド(DEC;0.38g,2.0mm
ol)]と、トリエチルアミン(TEA;100μl,CaH2上で蒸留したも
の)と、ジメチルアミノピリジン(DMAP;0.012g,0.1mmol)
と、ヌクレオシド5’−O−DMT−3’−O−[ヘキシル−(6−フタルイミ
ド)]ウリジン(0.6g,0.77mmol)とをアルゴン下で加え、混合物
を24時間機械的に振とうした。追加のヌクレオシド(0.2g)を加え、混合
物を24時間振とうした。CPGを濾別し、ジクロロメタン、トリエチルアミン
及びジクロロメタンによって連続的に洗浄した。次に、CPGを真空下で乾燥さ
せ、10mlのピペリジン中に懸濁させ、15分間振とうした。CPGを濾別し
、ジクロロメタンによって完全に洗浄し、再度、真空下で乾燥させた。負荷度(
498nmにおいて0.3M p−トルエンスルホン酸中のDMTカチオンの分
光測光アッセイによって測定)は約28μmol/gであった。5’−O−(D
MT)−3’−O−[ヘキシル−(6−フタルイミド)]ウリジン−2’−O−
スクシニル−アミノプロピル制御多孔質ガラスを用いて、ABI380B DN
A合成装置においてホスホロアミダイト化学標準条件によってオリゴマーを合成
した。4塩基オリゴマー5’−GACU*−3’を用いて、オリゴヌクレオチド
中に導入された3’−O−ヘキシルアミン・テザーの構造をNMRによって確認
した。予想したように、1H NMRにおいて1.0〜1.8ppm間に多重線
シグナルが観察された。
【0143】 実施例20 5’−O−DMT−3’−O−[ヘキシルアミノ]−ウリジン 5’−O−(DMT)−3’−O−[ヘキシル−(6−フタルイミド)]ウリ
ジン(4.5g,5.8mmol)を500mlのフラスコ中の200mlのメ
タノール中に溶解する。ヒドラジン(1ml,31mmol)を撹拌反応混合物
に加える。この混合物を油浴中で60〜65℃に加熱し、14時間還流させる。
溶媒を真空下で蒸発させ、残渣をジクロロメタン(250ml)中に溶解し、等
量のNH4OHによって2回抽出する。有機層を蒸発させて、NMRが完全には
純粋でないことを示す粗生成物を得る。100%酢酸エチル中でRf=0.この
生成物をさらに精製せずに次の反応に用いる。
【0144】 実施例21 3’−O−[プロピル−(3−フタルイミド)]−アデノシン 5℃の乾燥ジメチルホルムアミド(550ml)中のアデノシン(20.0g
,75mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(60%油,4.5g,112m
mol)を加えた。1時間後に、N−(3−ブロモプロピル)フタルイミド(2
3.6g,86mmol)を加え、温度を30℃に高めて、16時間維持した。
氷を加えて、溶液を真空下で蒸発させて、ガム状物を得る。このガム状物を水と
酢酸エチル(4x300ml)に分配した。有機相を分離し、乾燥させ、真空下
で蒸発させ、生じたガム状物をシリカゲル(95/5 CH2Cl2/MeOH)
上でクロマトグラフィーして、白色固体(5.7g)の2’−O−(プロピルフ
タルイミド)アデノシンを得た。3’−O−(プロピルフタルイミド)アデノシ
ンを含有する3画分をシリカゲル上で同じ溶媒系を用いて再度クロマトグラフィ
ーした。
【0145】 メタノールからの2’−O−(プロピルフタルイミド)アデノシン画分の結晶
化は結晶質固体、m.p.123−124℃を生じた。
【0146】
【数1】
【0147】 H2Oからの3’−O−(プロピルフタルイミド)アデノシン画分の結晶化は
分析サンプル、m.p.178−179℃を生じた。1H NMR(400MH
Z:DMSO−d6)δ5.86(d,1H,H−1’). 実施例22 3’−O−[プロピル−(3−フタルイミド)]−N6−ベンゾイル−アデノシ
ン 3’−O−(3−プロピルフタルイミド)アデノシンを塩化ベンゾイルによっ
て、Gaffney等,Tetrahedron Lett.1982,23,
2257の方法と同様な方法で処理する。シリカゲル(酢酸エチル−メタノール
)上でのクロマトグラフィーによる粗生成物の精製は、標題化合物を生じる。
【0148】 実施例23 3’−O−[プロピル−(3−フタルイミド)]−5’−O−DMT−N6−ベ
ンゾイル−アデノシン ピリジン(250ml)中の3’−O−(プロピル−3−フタルイミド)−N 6 −ベンゾイルアデノシン(4.0g)の溶液に、DMT−Cl(3.3g)を
加える。この反応を16時間撹拌する。この反応を氷/水/酢酸エチルに加え、
有機層を分離し、乾燥させ、真空下で濃縮し、生じるガム状物をシリカゲル(酢
酸エチル−メタノール トリエチルアミン)上でクロマトグラフィーして、標題
化合物を得る。
【0149】 実施例24 3’−O−[プロピル−(3−フタルイミド)]−5’−O−DMT−N6−ベ
ンゾイル−アデノシン−2’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピ
ル)ホスホロアミダイト 3’−O−(プロピル−3−フタルイミド)−5’−O−DMT−N6−ベン
ゾイル−アデノシンをSeela等,Biochemistry 1987,2
6,2233の方法と同様な方法で(β−シアノエトキシ)クロロ−N,N−ジ
イソプロピル)アミノホスファンによって処理する。シリカゲル(EtOAc/
ヘキサン)上でのクロマトグラフィーは標題化合物を白色泡状物として生じる。
【0150】 実施例25 3’−O−(アミノプロピル)アデノシン 3’−O−(プロピル−3−フタルイミド)アデノシン(8.8g,19mm
ol)と、95%エタノール(400ml)と、ヒドラジン(10ml,32m
mol)との溶液を室温において16時間撹拌する。反応混合物を濾過し、濾液
を真空下で濃縮する。水(150ml)を加え、酢酸によってpH5.0に酸性
化する。水溶液をEtOAc(2x30ml)によって抽出し、水相を真空下で
濃縮して、標題化合物をHOAc塩として得る。
【0151】 実施例26 3’−O−[3−(N−トリフルオロアセトアミド)プロピル]−アデノシン メタノール(50ml)とトリエチルアミン(15ml,108mmol)中
の3’−O−(プロピルアミノ)アデノシンの溶液をエチル トリフルオロアセ
テート(18ml,151mmol)によって処理する。この反応を16時間撹
拌してから、真空下で濃縮して、生じるガム状物をシリカゲル(9/1,EtO
Ac/MeOH)上でクロマトグラフィーして、標題化合物を得る。
【0152】 実施例27 N6−ジベンゾイル−3’−O−[3−(N−トリフルオロアセトアミド)プロ
ピル]−アデノシン 3’−O−[3−(N−トリフルオロアセトアミド)プロピル]−アデノシン
を実施例22により、仕上げ処理において水酸化アンモニアの代わりにテトラブ
チルアンモニウムフルオリドを用いるJones改変法(modification)を用いて
処理する。粗生成物をシリカゲル・クロマトグラフィー(EtOAc/MeOH
1/1)を用いて精製して、標題化合物を得る。
【0153】 実施例28 N6−ジベンゾイル−5’−O−DMT−3’−O−[3−(N−トリフルオロ
アセトアミド)プロピル]−アデノシン 室温においてピリジン(100ml)中のN6−(ジベンゾイル)−3’−O
−[3−(N−トリフルオロアセトアミド)プロピル]−アデノシンの溶液にD
MT−Cl(3.6g,10.0mmol)を加え、16時間撹拌する。この溶
液を真空下で濃縮し、シリカゲル(EtOAc/TEA 99/1)上でクロマ
トグラフィーして、標題化合物を得る。
【0154】 実施例29 N6−ジベンゾイル−5’−O−DMT−3’−O−[3−(N−トリフルオロ
アセトアミド)プロピル]−アデノシン−2’−O−(2−シアノエチル−N,
N−ジイソプロピル)ホスホロアミダイト 乾燥CH2Cl2中のN6−(ジベンゾイル)−5’−O−(DMT)−3’−
O−[3−(N−トリフルオロアセトアミド)プロピル]−アデノシンの溶液を
ビス−N,N−ジイソプロピルアミノシアノエチルホスフィット(1.1当量)
とN,N−ジイソプロピルアミノテトラゾリド(触媒量)とによって室温におい
て16時間処理する。反応を真空下で濃縮し、シリカゲル(EtOAc/ヘキサ
ン/TEA 6/4/1)上でクロマトグラフィーして、標題化合物を得る。
【0155】 実施例30 3’−O−(ブチルフタルイミド)−アデノシン 標題化合物を実施例21によって、1−ブロモプロパンの代わりにN−(4−
ブロモブチル)フタルイミドを用いて製造する。シリカゲル(EtOAc−Me
OH)上でのクロマトグラフィーによって、標題化合物を得る。
【0156】
【数2】
【0157】 実施例31 N6−ベンゾイル−3’−O−(ブチルフタルイミド)−アデノシン 実施例22による3’−O−(ブチルフタルイミド)アデノシンのベンゾイル
化によって、標題化合物を得る。
【0158】 実施例32 N6−ベンゾイル−5’−O−DMT−3’−O−(ブチルフタルイミド)−ア
デノシン 標題化合物を3’−O−(ブチル−フタルイミド)−N6−ベンゾイルアデノ
シンから実施例22によって製造する。
【0159】 実施例33 N6−ベンゾイル−5’−O−DMT−3’−O−(ブチルフタルイミド)−ア
デノシン−2’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピル)ホスホロ
アミダイト 標題化合物を3’−O−(ブチルフタルイミド)−5’−O−DMT−N6
ベンゾイルアデノシンから実施例24によって製造する。
【0160】 実施例34 3’−O−(ペンチルフタルイミド)−アデノシン 標題化合物を実施例21によってN−(5−ブロモペンチル)フタルイミドを
用いて製造する。抽出からの粗物質をシリカゲル上でCHCl3/MeOH(9
5/5)を用いてクロマトグラフィーして、2’異性体と3’異性体を得る。2
’異性体をEtOH/MeOH 8/2から再結晶する。母液をシリカゲル上で
再クロマトグラフィーして、3’異性体を得る。 2’−O−(ペンチルフタルイミド)アデノシン:m.p.159−160℃.
【0161】
【数3】
【0162】 実施例35 N6−ベンゾイル−3’−O−(ペンチルフタルイミド)−アデノシン 3’−O−(ペンチルフタルイミド)アデノシンのベンゾイル化を実施例22
の方法によって達成して、標題化合物を得る。
【0163】 実施例36 N6−ベンゾイル−5’−O−DMT−3’−O−(ペンチルフタルイミド)−
アデノシン 標題化合物を実施例23の方法によって3’−O−(ペンチル−フタルイミド
)−N6−ベンゾイルアデノシンから製造する。シリカゲル(酢酸エチル、ヘキ
サン、トリエチルアミン)上でのクロマトグラフィーによって、標題化合物を得
る。
【0164】 実施例37 N6−ベンゾイル−5’−O−DMT−3’−O−(ペンチルフタルイミド)−
アデノシン−2’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピル)ホスホ
ロアミダイト 標題化合物を得るための実施例24の方法によって、3’−O−(ペンチル−
フタルイミド)−5’−O−(DMT)−N6−ベンゾイルアデノシンから標題
化合物を製造する。
【0165】 実施例38 3’−O−(プロピルフタルイミド)ウリジン 乾燥DMF(150ml)中のウリジン−スズ錯体(48.2g,115mm
ol)とN−(3−ブロモプロピル)フタルイミド(46g,172mmol)
との溶液を130℃において6時間加熱した。粗生成物をシリカゲルCHCl3
/MeOH 95/5上で直接クロマトグラフィーした。精製した混合物の異性
体比率は2’/3’ 81/19であった。2’異性体をMeOHからの結晶化
によって回収した。濾液をシリカゲル上でCHCl3CHCl3/MeOH(95
/5)を用いて、再クロマトグラフィーして、3’異性体を泡状物として得た。
2’−O−(プロピルフタルイミド)ウリジン:MeOHから再結晶した分析サ
ンプル、m.p.165.5−166.5℃.
【0166】
【数4】
【0167】 実施例39 3’−O−(アミノプロピル)−ウリジン 標題化合物を実施例25の方法によって製造する。
【0168】 実施例40 3’−O−[3−(N−トリフルオロアセトアミド)プロピル]−ウリジン 3’−O−(プロピルアミノ)ウリジンを実施例26の方法によって処理して
、標題化合物を得る。
【0169】 実施例41 5’−O−DMT−3’−O−[3−(N−トリフルオロアセトアミド)プロピ
ル]−ウリジン 3’−O−[3−(N−トリフルオロアセトアミド)プロピル]ウリジンを実
施例28の方法によって処理して、標題化合物を得る。
【0170】 実施例42 5’−O−DMT−3’−O−[3−(N−トリフルオロアセトアミド)プロピ
ル]−ウリジン−2’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピル)ホ
スホロアミダイト 5’−O−(DMT)−3’−O−[3−(N−トリフルオロアセトアミド)
プロピル]ウリジンを実施例29の方法によって処理して、標題化合物を得る。
【0171】 実施例43 3’−O−(プロピルフタルイミド)−シチジン 標題化合物を実施例21の方法によって製造した。
【0172】 2’−O−(プロピルフタルイミド)シチジン:1H NMR(200MHZ
,DMSO−d6)δ5.82(d,1H,C1'H). 3’−O−(プロピルフタルイミド)シチジン:1H NMR(200MHZ
,DMSO−d6)δ5.72(d,1H,C1'H). 実施例44 3’−O−(アミノプロピル)−シチジン 3’−O−(プロピルフタルイミド)シチジンを実施例25の方法によって処
理して、標題化合物を得る。
【0173】 実施例45 3’−O−[3−(N−トリフルオロアセトアミド)プロピル]−シチジン 3’−O−(プロピルアミノ)シチジンを実施例26の方法によって処理して
、標題化合物を得る。
【0174】 実施例46 N4−ベンゾイル−3’−O−[3−(N−トリフルオロアセトアミド)プロピ
ル]−シチジン 3’−O−[3−(N−トリフルオロアセトアミド)プロピル]シチジンを実
施例27の方法によって処理して、標題化合物を得る。
【0175】 実施例47 N4−ベンゾイル−5’−O−DMT−3’−O−[3−(N−トリフルオロア
セトアミド)プロピル]−シチジン N4−(ベンゾイル)−3’−O−[3−(N−トリフルオロアセトアミド)
プロピル]シチジンを実施例28の方法によって処理して、標題化合物を得る。
【0176】 実施例48 N4−ベンゾイル−5’−O−DMT−3’−O−[3−(N−トリフルオロア
セトアミド)プロピル]−シチジン−2’−O−(2−シアノエチル−N,N−
ジイソプロピル)ホスホロアミダイト N4−(ベンゾイル)−5’−O−(DMT)−3’−O−[3−(N−トリ
フルオロアセトアミド)プロピル]シチジンを実施例29の方法によって処理し
て、標題化合物を得る。
【0177】 実施例49 オリゴヌクレオチド合成の一般的方法 オリゴヌクレオチドをPerseptive Biosystems Exp
edite 8901核酸合成系で合成した。各オリゴヌクレオチドに関して、
多重1−μmol合成を行なった。トリチル基をトリクロロ酢酸(975μl、
1分間にわたって)によって除去し、アセトニトリル洗浄を行なった。全ての標
準アミダイト(0.1M)をサイクルにつき2回結合させた(総結合時間(total
coupling time)は約4分間であった)。全ての新規なアミダイトを乾燥アセト
ニトリルに溶解して(100mgのアミダイト/1mlのアセトニトリル)、約
0.08〜0.1M溶液を得た。総結合時間は約6分間であった(105μlの
アミダイトをデリバーした)。アセトニトリル中の1−H−テトラゾールを活性
化剤(activating agent)として用いた。過剰なアミダイトはアセトニトリルによ
って洗い流した。(1S)−(+)−(10−カンファースルホニル)オキサジ
リジン(CSO,1.0g CSO/8.72ml 乾燥アセトニトリル)を用
いて、ホスホジエステル結合を酸化し(4分間待ち工程(wait step))、3H−
1,2−ベンゾジチオール−3−オン−1,1−ジオキシド(Beaucage
試薬,3.4g Beaucage試薬/200ml アセトニトリル)を用い
て、ホスホロチオエート結合を酸化した(1分間待ち工程)。未反応官能基(unr
eacted functionalities)に50:50混合物のテトラヒドロフラン/無水酢酸
とテトラヒドロフラン/ピリジン/1−メチルイミダゾールによってキャップし
た。この合成の期間中、トリチル収率(yields)をトリチルモニターによって追跡
した。最終的DMT基は完全な状態で残された。オリゴヌクレオチドを1mlの
28.0〜30%水酸化アンモニウム(NH4OH)中で、55℃において約1
6時間にわたって脱保護した。オリゴヌクレオチドをより大きい規模(20μm
ol/合成)でも製造した。トリチル基を8mlをやや超える量のトリクロロ酢
酸によって除去した。全ての標準アミダイト(0.1M)をサイクルにつき2回
結合させた(13分間結合工程)。全ての新規なアミダイトもサイクルにつき4
回結合させたが、結合時間は約20分間に増加した(480μlのアミダイトを
デリバーリング)。酸化時間は同じに留まったが、酸化剤のデリバリーはサイク
ルにつき約1.88mlに増加した。オリゴヌクレオチドを切断し、5mlの2
8.0〜30%のNH4OH中で55℃において約16時間にわたって脱保護し
た。
【0178】
【表4】
【0179】 実施例50 オリゴヌクレオチド精製の一般的方法 切断及び脱保護工程後に、粗オリゴヌクレオチド(例えば、実施例49で合成
されたもの)をGelman0.45μmナイロンアクロディスク・シリンジフ
ィルター(nylon acrodisc syringe filter)を用いてCPGから濾過した。過剰
なNH4OHをSavant AS160自動スピードバク(automatic speed va
c.)において蒸発させた。Hewlett Packard 8452A Di
ode Array分光光度計で260nmにおいて粗収率を測定した。次に、
粗サンプルをHewlett Packard エレクトロスプレイ質量分析計
での質量分析法(MS)とBeckmann P/ACEシステム5000での
毛管ゲル電気泳動(CGE)とによって分析した。トリチル−オン オリゴヌク
レオチドを逆相分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって精製した
。HPLC条件は次の通りであった:991デテクター付きWaters 60
0E;Waters Delta Pak C4カラム(7.8X300mm)
;Solvent A:50mMトリエチルアンモニウムアセテート(TEA−
Ac),pH7.0;Solvent B:100%アセトニトリル;2.5m
l/分流量;勾配:最初の5分間の5%Bから次の55分間にBが60%まで直
線的に増加。より大きな20μmol合成からのより大きな収量はより大きなH
PLCカラム(Waters Bondapak HCl8HA)上で精製し、
流量を5.0ml/分に増加させた。適当な画分を回収し、溶媒をスピードバク
中で乾燥させた。オリゴヌクレオチドを80%酢酸中で約45分間脱トリチル化
して、再度凍結乾燥させた。脱トリチル化オリゴヌクレオチドをSephade
x G−25(サイズ排除クロマトグラフィー)に通して、適当なサンプルをP
harmaciaフラクションコレクターに通して回収することによって、遊離
トリチルと過剰な塩とを除去した。溶媒を再びスピードバクにおいて蒸発させた
。次に、精製されたオリゴヌクレオチドをCGE、HPLC(流量:1.5ml
/分;Waters Delta Pak C4カラム、3.9X300mm)
及びMSによって純度に関して分析した。最終収量を260nmにおいて分光光
度計によって測定した。
【0180】
【表5】
【0181】 実施例51 修飾オリゴヌクレオチドに関するTm研究 実施例49と50において合成したオリゴヌクレオチドをそれらの融解温度(
m)の測定によって、それらの相補的核酸に対するそれらの相対的結合能力に
関して評価した。融解温度(Tm)、二重らせん(double helices)の特徴的な物
理的な性質は、コイル(非ハイブリッド形成(unhybridized))形に対して50%
のらせん(ハイブリッド形成(hybridized))形が存在する温度(摂氏度)を意味
する。UVスペクトルを用いて、Tmを測定して、ハイブリダイゼーション複合
体の形成と破壊(融解)を判定する。ハイブリダイゼーション中に生じる塩基重
層はUV吸収の減少(浅色効果)を付随する。その結果、UV吸収の減少は高い
mを意味する。Tmが高ければ高いほど、鎖の間の結合の強度は大きくなる。
【0182】 選択した試験オリゴヌクレオチドとそれらの相補的核酸とを、緩衝液(100
mM NaCl、10mM リン酸ナトリウム、pH7.0、0.1mM ED
TA)中で各オリゴヌクレオチドの4μMの標準濃度においてインキュベートし
た。サンプルを90℃に加熱し、初期吸光度をGuilford Respon
se II分光光度計(Corning)を用いて測定した。次に、サンプルを
15℃に徐々に冷却してから、熱変性処置中に加熱しながら260nmにおける
吸光度の変化をモニターした。温度を1℃/吸光度読取りによって上昇させ、変
性プロフィルを融解曲線の一次導関数(Ist derivative)を用いて分析した。デー
タを二状態線形回帰分析を用いても分析して、Tm=sを測定した。実施例49
と50からのオリゴヌクレオチドの幾つかに関するこれらの試験結果を以下の表
IIIに示す。
【0183】
【表6】
【0184】 実施例52 3’,5’ヌクレオチド間結合対2’,5’ヌクレオチド間結合と、NMRによ
る2’−置換対3’−置換との修飾オリゴヌクレオチド比較に関するNMR実験 オリゴマーd(GAU2 *CT)[式中、U2 *=2’−O−アミノヘキシルウリ
ジン]の400MHz 1H スペクトルは、8個の芳香族プロトンに対応する
8シグナルを7.5〜9.0ppm間に示した。さらに、U*のアノマー・プロ
トンはJ1',2'=7.5Hzによって5.9ppmに二重線として出現し、C2
’−エンド糖パッカリング(C2'-endo sugar puckering)を実証する。対応する2
’−5’結合異性体はJ1',2'=3.85Hzによって5.75ppmに同様な
構造を示し、mRNAターゲットへのハイブリダイゼーションのために好都合な
新規な修飾部位におけるRNA型糖パッカリングを実証する。オリゴマーd(G
ACU3 *)[式中、U3 *=3’−O−ヘキシルアミン]のプロトン・スペクトル
は、J1',2'=4.4Hzによって7.5〜9.0ppm間の予想7芳香族プロ
トンシグナルと、5.9ppmにおけるアノマー・プロトン二重線とを示した。
このことは、3’−O−アルキルアミノ化合物のC3’−エンドパッカリングが
それらの2’類似体に比べて大きいことを示唆する。これらのオリゴヌクレオチ
ドの31P NMRは、それぞれ、d(GAU*CT)とd(GACU*)に関する
ヌクレオチド間リン酸結合(internucleotide phosphate linkages)からの予想4
シグナルと3シグナルを示した。3’−5’結合対2’−5’結合はRP HP
LCにおいて異なる保持時間を有し、それ故、異なる親脂性(lipophilicities)
を有し、これは細胞膜との可能性として異なる相互作用度を意味する。
【0185】 実施例53 2’,5’−結合オリゴヌクレオチド対3’,5’−結合オリゴヌクレオチドの
m分析 標準的な文献方法によって、加熱溶融(thermal melt)を行なった。オリゴヌク
レオチド同定は次の通りである: オリゴヌクレオチドAは、配列d(GGCTGU*CTGCG)[式中、*は2’
−アミノリンカーの付着部位を示す]の正常な3’−5’結合ホスホジエステル
オリゴデオキシリボヌクレオチドである。オリゴヌクレオチドBは、配列d(G
GCTGU*CTGCG)[式中、*は2’−アミノリンカーの付着部位を示す]
の正常な3’−5’結合ホスホジエステルオリゴリボヌクレオチドである。*
換基を有するリボヌクレオチドを除いた、オリゴヌクレオチドの各リボヌクレオ
チドは2’−O−メチルリボヌクレオチドである。オリゴヌクレオチドCは*
置における3’−アミノリンカーの他に、この部位に2’−5’結合を有する。
残りのオリゴヌクレオチドは、配列d(GGCTGU*CTGCG)のホスホジ
エステルオリゴデオキシリボヌクレオチドである。基本(base)オリゴヌクレオチ
ド(2’−アミノリンカーなし)はこの研究に含めなかった。
【0186】
【表7】
【0187】 2’−5’結合はDNAターゲットに比べてRNAターゲットに対してより高
い融解温度を示した。 実施例54 オリゴヌクレオチド安定性に関するヘビ毒ホスホジエステラーゼと肝臓ホモジ
ネート実験 下記オリゴヌクレオチドを実施例49の方法に従って合成した。
【0188】
【表8】
【0189】 オリゴヌクレオチドを実施例50の方法に従って精製し、それらの構造に関し
て分析した。
【0190】
【表9】
【0191】 1星印を有する全てのヌクレオシドは3’−O−(2−メトキシエチル)を含
有する。#を有する全てのヌクレオシドは2’−O−(2−メトキシ)エチルを
含有する。2条件:デテクター991付きのWaters600E;Water
s C4カラム(3.9X300mm);溶媒A:50mM TEA−Ac,p
H7.0;溶媒B:100%アセトニトリル;1.5ml/分流量;勾配:最初
の5分間5%B、次の55分間にBを60%まで直線的に増加させる。
【0192】 実施例55 3’−O−アミノプロピル修飾オリゴヌクレオチド オリゴヌクレオチドの合成に関して上記に例示した方法に従って、慣用的なア
ミダイトの他に修飾3’−アミダイトを用いて、表VIとVIIに列挙したオリ
ゴヌクレオチドを製造した。用いたヌクレオシドはN6−ベンゾイル−3’−O
−プロピルフタルイミド−A−2’−アミダイト、2’−O−プロピルフタロイ
ル−A−3’−アミダイト、2’−O−メトキシエチル−チミジン−3’−アミ
ダイト(RIC,Inc.)、2’−O−MOE−G−3’−アミダイト(RI
Chemical)、2’−O−メトキシエチル−5−メチルシチジン−3’
−アミダイト、2’−O−メトキシエチル−アデノシン−3’−アミダイト(R
I Chemical)、及び5−メチルシチジン−3’−アミダイトを包含す
る。3’−プロピルフタルイミド−Aと2’−プロピルフタルイミド−AをLC
A−CPG固体サポートとして用いた。必要量のアミダイトを乾燥したバイアル
に入れ、アセトニトリル中に溶解して(非修飾ヌクレオシドは1M溶液にしたが
、修飾ヌクレオシドは100mg/mlであった)、Millipore Ex
pediteTM核酸合成系上の適当なポート(ports)に連結させた。固体サポー
ト樹脂(60mg)を2X1μmole規模合成用の各カラムに用いた(各オリ
ゴに対して2カラムを用いた)。ホスホロチオエート・バックボーンと、ホスホ
ジエステル用のCSO−8とに対してIBP−PS(1μmole)結合プロト
コールを用いて合成を行なった。トリチル報告は正常な結合結果を示した。
【0193】 合成後に、オリゴヌクレオチドを、40%メチルアミン溶液(aq)10%を
含有する濃水酸化アンモニウム(aq)によって55℃において約16時間脱保
護した。次に、これらをSavant AS160 Automatic Sp
eed Vacを用いて蒸発させ(アンモニアを除去するため)、濾過して、C
PG樹脂を除去した。粗サンプルをMS、HPLC及びCEによって分析した。
次に、これらをWaters C4 Prep.規模カラム(Alice C4
Prep.)と下記溶媒:溶媒A:50mM TEA−Ac,pH7.0及び
溶媒B:アセトニトリルとを用いる991デテクター付きWaters 600
E HPLC系上で、AMPREP2@方法によって精製した。精製後に、オリ
ゴヌクレオチドを蒸発乾燥させてから、室温において80%酢酸によって約30
分間脱トリチル化した。次に、これらを蒸発させた。
【0194】 オリゴヌクレオチドを濃水酸化アンモニウム中に溶解して、Sephadex G−25含有カラムに通して溶媒としての水とPharmacia LKB
SuperFracフラクションコレクターとを用いて処理した。得られた精製
オリゴヌクレオチドを蒸発させ、MS、CE及びHPLCによって分析した。
【0195】
【表10】
【0196】
【表11】
【0197】 実施例56 修飾オリゴヌクレオチドのin vivo安定性 実施例49と55において合成された、選択した修飾オリゴヌクレオチドのi
n vivo安定性をBALB/cマウスにおいて評価した。5mg/kgのオ
リゴヌクレオチドを単回i.v.投与した後に、種々な時間間隔で血液サンプル
を採取し、CGEによって分析した。試験した各オリゴヌクレオチドに対して、
9匹の雄BALB/cマウス、体重約25g(Charles River,W
ilmington,MA)を用いた。1週間順化させた後に、これらのマウス
にリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)、pH7.0中で投与したオリゴヌクレオ
チド(5mg/kg)の単回尾静脈注射を受けさせた。一方の眼窩後方出血(one
retro-orbital bleed)(投与後0.25、0.5、2若しくは4時間のいずれ
か)と末梢出血(terminal bleed)(投与後1、3、8若しくは24時間のいずれ
か)とを各グループから回収した。末梢出血(約0.6〜0.8ml)はケタミ
ン/キシラジン麻酔後の心臓穿刺によって回収した。血液をEDTA被覆回収管
(collection tube)に移し、遠心分離して血漿を得た。終了時に、各マウスから
肝臓と腎臓を回収した。血漿と組織ホモジネートとを分析に用いて、完全なオリ
ゴヌクレオチドの含量をCGEによって判定した。全てのサンプルは回収後直ち
にドライアイス上で凍結させ、分析まで−80℃において貯蔵した。
【0198】 CEG分析は、ISIS 11061(表III、実施例51)(マウスc−
rafをターゲットとする、均質な2’−デオキシ−ホスホロチオエートオリゴ
ヌクレオチド)に比較した2’,5’−結合オリゴマーの相対的ヌクレアーゼ耐
性を示した。3’−メトキシエトキシ置換基が存在して、さらにヌクレアーゼ保
護を与えるという事実と結びつけて考えられる、2’,5’−結合のヌクレアー
ゼ耐性のために、オリゴヌクレオチドISIS 17176、ISIS 171
77、ISIS 17178、ISIS 17180、ISIS 17181及
びISIS 21415は血漿中で比較的安定であることが判明しが、ISIS
11061(表III)は安定ではなかった。同様な観察が腎臓及び肝臓組織
において認められた。このことは、3’−メトキシエトキシ置換基を有する2’
,5’−結合が血漿、腎臓及び肝臓において5’−エキソヌクレアーゼ及び3’
−エキソヌクレアーゼに対する優れたヌクレアーゼ耐性を与えることを意味する
。したがって、2’,5’−結合と3’−メトキシエトキシ・モチーフの両方を
オリゴヌクレオチドの構造に組み入れることによって、より長い作用期間を有す
るオリゴヌクレオチドを設計することができる。2’,5’−ホスホロチオエー
ト結合が2’,5’−ホスホジエステル結合よりも安定であることも観察された
。5mg/kgオリゴヌクレオチドのi.v.ボラスの投与後1時間に血漿中に
完全な状態で留まる全長オリゴヌクレオチドの%のプロットを図4に示す。
【0199】 5mg/kgオリゴヌクレオチドのi.v.ボラスの投与後24時間に組織中
に完全な状態で留まる全長オリゴヌクレオチドの%のプロットは図5に示す。 24時間後のマウス肝臓サンプルとマウス腎臓サンプルの両方における試験オ
リゴヌクレオチドと標準ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドとのCGEトレ
ースを図6に示す。これらのトレースから明らかであるように、パネルAに見ら
れる標準に比べて、本発明のオリゴヌクレオチドではより多量の完全な状態のオ
リゴヌクレオチドが存在する。パネルBに示したオリゴヌクレオチドはホスホロ
チオエート・オリゴヌクレオチドの5’末端と3’末端の各々に本発明の1置換
基を包含するが、パネルCに見られるホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは
5’末端に1置換基と3’末端に2置換基とを包含した。パネルDのオリゴヌク
レオチドはその5’末端と3’末端の両方において2’,5’ホスホロジエステ
ル結合に組み入れられた本発明の置換基を包含する。これはパネルBとCに見ら
れるオリゴヌクレオチドよりも低い安定性であるが、パネルAの全長ホスホロチ
オエート標準オリゴヌクレオチドよりも大きく安定性である。
【0200】 実施例57 修飾オリゴヌクレオチドを用いる、bEND細胞におけるc−rafメッセージ
の制御 幾つかのオリゴヌクレオチドの活性を評価するために、bEND細胞における
c−raf発現の細胞レベルを測定するin vitro細胞培養アッセイを用
いた。
【0201】 細胞と試薬 bEnd.3細胞系、脳内皮腫はDr.Werner Risau(Max−
Planck Institute)から入手した。Opti−MEM、トリプ
シン−EDTAと、高グルコースを有するDMEMとはGibco−BRL(G
rand Island,NY)から購入した。DulbeccoのPBSはI
rvine Scientific(Irvine,CA)から購入した。無菌
の12穴組織培養プレートとFacsflow溶液とはBecton Dick
inson(Mansfield,MA)から購入した。超純粋なホルムアルデ
ヒドはPolysciences(Warrington,PA)から購入した
。NAP−5カラムはPharmacia(Uppsala,Sweden)か
ら購入した。
【0202】 オリゴヌクレオチド処理 4.5g/Lグルコースと10%FBSとを含有するDMEMを含む12穴プ
レートにおいて、細胞を約75%集密度まで増殖させた。細胞を37℃に予め温
めたOpti−MEMによって3回洗浄した。オリゴヌクレオチドにカチオン性
脂質(Lipofectin試薬、GIBCO/BRL)をプレミックスし、所
望の濃度まで連続的に希釈し、37℃において4時間インキュベーションするた
めに洗浄済み細胞上に移した。次に、mRNAのノーザンブロット分析のために
培地を取り出し、標準増殖培地と24時間交換した。
【0203】 ノーザンブロット分析 ノーザンブロット分析によってmRNAレベルを測定するために、オリゴヌク
レオチド処理の開始後24時間に、グアニジンイソチオシアネート方法(Mon
ia等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1996,93,1
5481−15484)によって、細胞から総RNAを調製した。CsClクッ
ション上での細胞溶解物(cell lysates)の遠心分離によって、総RNAを単離し
た。ノーザンブロット分析、RNA定量及びG#PDHmRNAレベルへの標準
化を、報告された方法(DeanとMcKay,Proc.Natl.Acad
.Sci.USA,1994,91,11762−11766)に従って行なっ
た。bEND細胞では、2−,5−結合−3’−O−メトキシエチルオリゴヌク
レオチドはc−rafメッセージ活性の減少を濃度の関数として示した。これら
の修飾オリゴヌクレオチドが活性を保持したという事実は、in vivoヌク
レアーゼ耐性の上昇をも示すこれらのオリゴヌクレオチドによる投与頻度の減少
を見込みあるもとする。全ての2’,5’−結合オリゴヌクレオチドは親110
61(表III)オリゴヌクレオチドの活性を保持し、この活性をさらに一層改
良した。bEND細胞におけるc−raf発現に対する本発明のオリゴヌクレオ
チドの効果(対照に比較)のグラフを図7に示す。
【0204】 実施例58 MMI含有オリゴヌクレオチドの合成 a.ビス−2’−O−メチルMMIビルディングブロック MMI(即ち、R=CH3)ダイマー・ビルディングブロックの合成は既に述
べられている(例えば、Swayze等,Synlett 1997,859;
Sanghvi等,Nucleosides & Nucleotides 1
997,16907;Swayze等,Nucleosides & Nucl
eotides 1997,16,971;Dimock等,Nucleosi
des & Nucleotides 1997,16,1626参照)。一般
に、3:1 MeOH/THF中の1当量のBH3ピリジン/1当量のピリジニ
ウム パラ−トルエンスルホネート(PPTS)を用いて、5’−O−(4,4
’−ジメトキシトリチル)−2’−O−メチル−3’−C−ホルミルヌクレオシ
ドを5’−O−(N−メチルヒドロキシアミノ)−2’−O−メチル−3’−O
−TBDPSヌクレオシドと縮合させた。得られたMMIダイマーブロックを次
にTHF中の15当量のEt3N−2HFによって、糖の下部において脱保護し
た。このようにして、T*iBuダイマー単位を合成し、ホスフィチル化して、T * G(MMI)ホスホロアミダイトを得た。同様なやり方で、ABZ*T(MMI)
ダイマーを合成し、スクシニル化して、制御多孔質ガラスに付着させた。
【0205】 b.オリゴヌクレオチド合成 オリゴヌクレオチドをPerseptive Biosystems Exp
edite 8901核酸合成系上で合成した。各オリゴヌクレオチドに対して
多重1−μmol合成を行なった。A* MMIT固体サポートをカラムに装填した。
トリチル基をトリクロロ酢酸(1分間にわたって975μl)によって除去し、
アセトニトリル洗浄した。改変チオエート・プロトコールを用いて、オリゴヌク
レオチドを構築した。このプロトコールでは、標準アミダイトを3分間にわたっ
てデリバーした(210μl)。T* MMIGアミダイトを210μlを用いて全体
で20分間にわたって二重結合させた(double coupled)。酸化剤、3H−1,2
−ベンゾジチオール−3−オン−1,1−ジオキシド(Beaucage試薬、
3.4g Beaucage試薬/200ml アセトニトリル)の量は225
μlであった(1分間待ち工程)。未反応ヌクレオシドを50:50混合物のテ
トラヒドロフラン/無水酢酸とテトラヒドロフラン/ピリジン/1−メチルイミ
ダゾールによってキャップした。合成期間中、トリチル・モニターによってトリ
チル収量を追跡した。最終DMT基は完全な状態で残された。合成後に、合成カ
ートリッジの内容(1μmole)をPyrexバイアルに移して、5mlの3
0%水酸化アンモニウム(NH4OH)を用いて、55℃において約16時間制
御多孔質ガラス(CPG)からオリゴヌクレオチドを切断した。
【0206】 c.オリゴヌクレオチド精製 脱保護工程後に、Gelman0.45μmナイロンアクロディスク・シリン
ジフィルター(nylon acrodisc syringe filter)を用いて、サンプルをCPGか
ら濾別した。Savant AS160自動SpeedVacにおいて、過剰な
NH4OHを蒸発させた。Hewlett Packard 8452A Di
ode Array分光光度計上で260nmにおいて粗収量を測定した。次に
、粗サンプルをHewlett Packardエレクトロスプレイ質量分析計
上での質量分析法(MS)によって分析した。トリチル−オン オリゴヌクレオ
チドを逆相分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって精製した。H
PLC条件は次の通りであった:991デテクター付きWaters 600E
;Waters Delta Pak C4カラム(7.8X300mm);S
olvent A:50mMトリエチルアンモニウムアセテート(TEA−Ac
),pH7.0;Solvent B:100%アセトニトリル;2.5ml/
分流量;勾配:最初の5分間の5%Bから次の55分間にBが60%まで直線的
に増加。所望の生成物を含有する画分(DMT−ON−16314に関しては保
持時間=41分間;DMT−ON−16315に関しては保持時間=42.5分
間)を回収し、溶媒をSpeedVac中で乾燥させた。オリゴヌクレオチドを
80%酢酸中で約60分間脱トリチル化して、再度凍結乾燥させた。脱トリチル
化オリゴヌクレオチドをSephadex G−25(サイズ排除クロマトグラ
フィー)に通して、適当なサンプルをPharmaciaフラクションコレクタ
ーに通して回収することによって、遊離トリチルと過剰な塩とを除去した。溶媒
を再びSpeedVacにおいて蒸発させた。次に、精製されたオリゴヌクレオ
チドをCGE、HPLC(流量:1.5ml/分;Waters Delta
Pak C4カラム、3.9X300mm)及びMSによって純度に関して分析
した。最終収量を260nmにおいて分光光度計によって測定した。
【0207】 合成オリゴヌクレオチドとそれらの物理的特徴とをそれぞれ表VIIIとIX
に示す。星印を有するヌクレオシドの全てはMMI結合を含有する。
【0208】
【表12】
【0209】
【表13】
【0210】 HPLC条件:991デテクター付きWaters 600E;Waters C4カラム(3.9X300mm);Solvent A:50mM TEA
−Ac,pH7.0;Solvent B:100%アセトニトリル;1.5m
l/分流量;勾配:最初の5分間の5%Bから次の55分間にBが60%まで直
線的に増加。
【0211】 実施例59 Sp末端オリゴヌクレオチドの合成 a.3’−O−t−ブチルジフェニルシリル−チミジン(1) 5’−O−ジメトキシトリチルチミジンをDMF溶媒中の1当量のt−ブチル
ジフェニルシリルクロリド(TBDPSCl)と2当量のイミダゾールによって
、室温において、シリル化する。CH2Cl2中3%ジクロロ酢酸によって処理す
ることによって、5’−保護基を除去する。
【0212】 b.5’−O−ジメトキシトリチル−チミジン−3’−O−イル−N,N−ジ
イソプロピルアミノ(S−ピバロイル−2−メルカプトエトキシ)ホスホロアミ
ダイト(2) Guzaev等,Bioorganic & Medicinal Chem
istry Letters 1998,8,1123が述べているように、5
’−O−ジメトキシトリチルチミジンをCH2Cl2/CH3CN中のビス−(N
、N−ジイソプロピルアミノ)−S−ピバロイル−2−メルカプトエトキシホス
ホロアミダイトとテトラゾールによって処理して、標題化合物を得る。
【0213】 c.5’−O−ジメトキシトリチル−2’−デオキシ−アデノシン−3’−O
−イル−N,N−ジイソプロピルアミノ(S−ピバロイル−2−メルカプトエト
キシ)ホスホロアミダイト(3) 5’−O−ジメトキシトリチル−N−6−ベンゾイル−2’−デオキシ−アデ
ノシンを先行実施例におけるようにホスフィチル化して、所望のアミダイトを得
る。
【0214】 d.3’−O−t−ブチルジフェニルシリル−2’−デオキシ−N2−イソブ
チリル−グアノシン(4) 5’−O−ジメトキシトリチル−2’−デオキシ−N2−イソブチリル−グア
ノシンをDMF中のTBDPSClとイミダゾールによってシリル化する。次に
、5’−DMTをCH2Cl2中の3%DCAによって除去する。
【0215】 e.T(Sp)GダイマーとT(S)ホスホロアミダイト 化合物4と2とをCH3CN溶媒中の1H−テトラゾールを用いて縮合させた
(1:1当量)後に、Beaucage試薬(例えば、Iyer等,J.Org
.Chem.1990,55,4693参照)を用いて硫化(sulfurization)す
る。ダイマー(TG)をカラムクロマトグラフィーによって分離し、t−ブチル
アンモニウムフルオリド/THFを用いて、シリル基を脱保護して、TSGのR
pとSpダイマーを得る。少量のこれらのダイマーを完全に脱保護して、P1ヌ
クレアーゼ又はヘビ毒ホスホジエステラーゼのいずれかによって処理する。R異
性体はP1ヌクレアーゼに耐性であり、SVPDによって加水分解される。S異
性体はSVPDに耐性であり、P1ヌクレアーゼによって加水分解される。完全
に保護されたTSGダイマーのSp異性体をホスフィチル化して、DMT−T−
Sp−G−ホスホロアミダイトを得る。
【0216】 f.A,Tダイマーと、固体サポート含有AspTダイマー 化合物3と1とをCH3CN溶媒中の1H−テトラゾールを用いて縮合させた
後に、硫化してATダイマーを得る。これらのダイマーをカラムクロマトグラフ
ィーによって分離し、TBAF/THFを用いて、シリル基を脱保護する。一般
的に先行実施例におけるように、配置割当て(configurational assignments)を
行なう。次に、Sp異性体を標準方法によって制御多孔質ガラスに付着させて、
末端にキラル純粋なSpダイマーを有するDMT−ASP−T−CPGオリゴマー
(oligomerization)を得る。
【0217】 g.オリゴヌクレオチド合成 配列T*GCATCCCCCAGGCCACCA*Tを有するオリゴヌクレオチ
ドを合成する、この場合T*GとA*Tは上述したキラルSpダイマーブロックを
表す。DMT−ASP−T−CPGを合成カラムに入れ、次の16b残基を標準ホ
スホロチオエート・プロトコールと、硫化剤としての3H−1,2−ベンゾジチ
オール−3−オン 1,1−ジオキシドとを用いて構築する。この18マー単位
を構築し、最終的に脱トリチル化した後に、5’−DMT−TSP−Gアミダイト
のキラルSpダイマーホスホロアミダイトを結合させて、所望のアンチセンスオ
リゴヌクレオチドを得る。次に、この化合物を30%NH4OH中で16時間に
わたって脱保護して、オリゴマーをHPLCにおいて精製し、Sephader
G−25カラムで脱塩する。最終オリゴマーは5’−末端と3’−末端にSp
配置を有し、内部はRp配置とSp配置とのジアステレオマー混合物を有する。
【0218】 実施例60 MMIキャップしたオリゴヌクレオチドのin vivo安定性の評価 マウス実験方法 試験した各オリゴヌクレオチドに対して、9匹の雄BALB/cマウス、体重
約25g(Charles River,Wilmington,MA)を用い
た。1週間順化させた後に、これらのマウスにリン酸緩衝化生理食塩水(PBS
)、pH7.0中で投与したオリゴヌクレオチド(5mg/kg)の単回尾静脈
注射を受けさせた。一方の眼窩後方出血(投与後0.25、0.5、2若しくは
4lvのいずれか)と末梢出血(投与後1、3、8若しくは24時間のいずれか
)とを各グループから回収した。末梢出血(約0.6〜0.8ml)はケタミン
/キシラジン麻酔後の心臓穿刺によって回収した。血液をEDTA被覆回収管に
移し、遠心分離して血漿を得た。終了時に、各マウスから肝臓と腎臓を回収した
。血漿と組織ホモジネートとを分析に用いて、完全なオリゴヌクレオチドの含量
をCGEによって判定した。全てのサンプルは回収後直ちにドライアイス上で凍
結させ、分析まで−80℃において貯蔵した。
【0219】 毛管ゲル電気泳動分析は、ISIS 3082(均質な2’−デオキシ−ホス
ホロチオエート)に比較したMMIキャップしたオリゴマーの相対的ヌクレアー
ゼ耐性を示した。MMI結合のヌクレアーゼ耐性のために、化合物16314は
血漿中で安定であることが判明したが、3082は安定ではなかった。しかし、
腎臓及び肝臓においては、化合物16314はある程度の分解をも示した。この
ことは、3’−エキソヌクレアーゼが血漿中では重要であるが、5’−エキソヌ
クレアーゼ又はエンドヌクレアーゼが組織中では活性でありうることを意味する
。これらの2つの可能性を区別するために、16315からのデータを分析した
。組織(肝臓及び腎臓)中と同様に血漿中では、この化合物は種々な時点(1,
3及び24時間)において安定であった。分解が検出されなかったという事実は
、組織中では5’−エキソヌクレアーゼと3’−エキソヌクレアーゼとが優勢で
あり、エンドヌクレアーゼは活性ではないことを実証した。その上、単結合(M
MI又はSpチオエート結合)はヌクレアーゼに対するゲートキーパーとして十
分である。
【0220】 ICAM−1発現細胞の対照と試薬 bEnd.3細胞系、脳内皮腫はDr.Werner Risau(Max−
Planck Institute)の親切な贈り物であった。Opti−ME
M、トリプシン−EDTAと高グルコースを有するDMEMとはGibco−B
RL(Grand Island,NY)から購入した。DulbeccoのP
BSはIrvine Scientific(Irvine,CA)から購入し
た。無菌の12穴組織培養プレートとFacsflow溶液とはBecton
Dickinson(Mansfield,MA)から購入した。超純粋なホル
ムアルデヒドはPolysciences(Warrington,PA)から
購入した。組換えヒトTNF−aはR&D Systems(Minneapo
lis,MN)から購入した。マウス インターフェロン−γはGenzyme
(Cambridge,MA)から購入した。Fraction V,BSAは
Sigma(St.Louis,MO)から購入した。マウスICAM−1−P
E、VCAM−1−FITC、ハムスターIgG−FITC及びラットIgG2a −PE抗体はPharmingen(San Diego,CA)から購入した
。Zeta−Probeナイロン・ブロッティング膜はBio−Rad(Ric
hmond,CA)から購入した。QuickHyb溶液はStratagen
e(La Jolla,CA)から購入した。cDNAラベリングキット、Pr
ime−a−GeneはProMega(Madison,WI)から購入した
。NAP−5カラムはPharmacia(Uppsala,Sweden)か
ら購入した。
【0221】 オリゴヌクレオチド処理 4.5g/Lグルコースと10%FBSとを含有するDMEMを含む12穴プ
レートにおいて、細胞を約75%集密度まで増殖させた。細胞を37℃に予め温
めたOpti−MEMによって3回洗浄した。オリゴヌクレオチドにOpti−
MEMをプレミックスし、所望の濃度まで連続的に希釈し、37℃において4時
間インキュベーションするために洗浄済み細胞上に移した。次に、培地を取り出
し、5ng/mlのTNF−αと200U/mlのインターフェロン−γを含む
又は含まない標準増殖培地と交換し、mRNAのノーザンブロット分析のために
2時間又は細胞表面タンパク質発現のサイトメトリー分析のために一晩インキュ
ベートした。
【0222】 フローサイトメトリー オリゴヌクレオチド処理後に、細胞をプレートから短時間トリプシン−EDT
A処理(1〜2分間)によって脱離させた。細胞を12x75mmポリスチレン
管に移し、4℃においてD−PBS中の2%BSA、0.2%アジ化ナトリウム
によって洗浄した。細胞をBeckman GPR遠心分離機において1000
rpmで遠心分離し、次に上澄み液をデカントした。ICAM−1、VCAM−
1及び対照抗体を0.3mlの上記緩衝液中の1μg/mlで加えた。抗体を細
胞と共に、暗所で穏やかに撹拌しながら、4℃において30分間インキュベート
した。細胞を再び上記と同様に洗浄してから、0.5%超純粋ホルムアルデヒド
を含むFacsFlow緩衝液 0.3ml中に再懸濁させた。細胞をBect
on Dickinson FACScan上で分析した。結果は対照発現の%
として表す、これは次のように算出した:[((オリゴヌクレオチド処理サイト
カイン誘導細胞のCAM発現)−(基底CAM発現))/((サイトカイン誘導
CAM発現)−(基底CAM発現))]x100.カチオン性脂質を包含する実
験のためには、基底対照細胞とサイトカイン処理対照細胞の両方をLipofe
ctinによってオリゴヌクレオチドの不存在下で4時間、前処理した。
【0223】 これらの結果は次のことを明らかにする:(1)Isis 3082は予想さ
れた用量反応(25〜200nM)を示した;(2)Isis 13001は、
ミスマッチ化合物から予想されるようにICAM−1発現を阻害するその能力を
失い、したがってアンチセンス機構を実証した;(3)3’−MMIキャップし
たオリゴマー16314は3082の活性を改良し、200nM濃度において、
3082のほぼ2倍活性であった;(4)5’−及び3’−MMIキャップした
オリゴマーは最も強力な化合物であり、100nM及び200nM濃度において
親化合物よりもほぼ4〜5倍有効である。したがって、改良されたヌクレアーゼ
耐性はアンチセンスオリゴヌクレオチドの効力を高めた。
【0224】 実施例61 H−ras発現の制御 H−rasメッセージをターゲットとするアンチセンスオリゴヌクレオチドを
、T−24細胞におけるH−ras mRNAの産生を阻害するそれらの能力に
関して試験した。これらの試験のために、T−24細胞を6穴プレートで平板培
養し(plated)、100nM オリゴヌクレオチドにつき2.5μg/ml Li
pofectinの比率でのカチオン性脂質(Lipofectin,GIBC
O)の存在下で、種々な上昇する濃度のオリゴヌクレオチドによって処理した。
オリゴヌクレオチド処理は無血清培地中で4時間にわたって実施した。処理後1
8時間に、総RNAを回収し、H−ras mRNAと対照遺伝子(control gen
e)G3PDHに関してノーザンブロットによって分析した。データは、図8と9
に、G3PDHシグナルに対して標準化した対照%として棒グラフで表す。見る
ことができるように、隣接領域の各々に単MMI結合を有するオリゴヌクレオチ
ドはH−ras mRNAの顕著な減少を示した。
【0225】 実施例62 5−リポキシゲナーゼ分析とアッセイ A.治療薬 治療用途に関して、5−リポキシゲナーゼの過剰な又は異常な供給を特徴とす
る疾患を有すると疑われる動物を本発明の化合物を投与することによって治療す
る。通常に熟練した人々は最適投与量、投与方法及び反復速度を容易に決定する
ことができる。このような治療は一般に、治癒が生じるか又は症状の軽減が達成
されるまで続けられる。幾つかの疾患に対しては、長期間治療が適当である。
【0226】 B.研究試薬 本発明のオリゴヌクレオチドは、粗細胞溶解物中又は部分的若しくは完全な精
製RNA製剤中の5−リポキシゲナーゼmRNAを切断する又は他のやり方でモ
ジュレートするために用いる場合に、研究試薬(research reagents)としても有
用である。本発明のこの適用は、例えば、細胞を標準方法によって溶解し、RN
Aを最適に抽出してから、これを、例えば、50mmリン酸塩、約4〜10の範
囲のpHから成る緩衝液中の総RNA 10Mgにつき約100〜約500ng
の範囲の濃度の組成物によって、約30〜約50℃の温度において処理すること
によって達成される。切断した5−リポキシゲナーゼRNAをアガロースゲル電
気泳動と、放射性標識DNAプローブとのハイブリダイゼーションとによって、
又は他の標準方法によって分析することができる。
【0227】 C.診断薬 本発明のオリゴヌクレオチドは診断用途にも、特に、種々な組織中の特異的m
RNA種の発現又は異常な若しくは突然変異RNA種の発現を判定するために有
用である。この実施例では、マクロ分子は異常な配列に相補的に設計されること
によって異常なmRNAをターゲットにするが、これらは正常なmRNAにハイ
ブリダイズしない。組織サンプルはホモジナイズすることができ、RNAを標準
方法によって抽出することができる。粗ホモジネート又は抽出物を例えばターゲ
ットRNAの切断が生じるように処理することができる。次に、生成物を、切断
部位の5’側の領域に相補的な結合オリゴヌクレオチドを含有する固体サポート
にハイブリダイズさせることができる。mRNAの正常な5’領域と異常な5’
領域の両方が固体サポートに結合すると考えられる。切断される、異常なRNA
の3’領域はサポートに結合しないので、正常なmRNAから分離されると考え
られる。
【0228】 モジュレーションのためのターゲットmRNA種は5−リポキシゲナーゼに関
連する;しかし、本発明がこれに限定されず、一般的に適用可能であることを当
業者は理解するであろう。酵素5−リポキシゲナーゼの産生の阻害又はモジュレ
ーションは、疾患の治療分野に有意な治療的利益をもたらすと期待される。組成
物の有効性を評価するために、アッセイ又は一連のアッセイが必要である。
【0229】 D.in vitroアッセイ 5−リポキシゲナーゼに関する細胞アッセイは好ましくは、ヒト前骨髄球性白
血病細胞系HL−60を用いる。これらの細胞は種々な既知作用剤によって、単
球様細胞又は好中球様細胞のいずれかに分化するように誘導されうる。1.3%
ジメチルスルホキシド、DMSOによる細胞の処理が細胞の好中球への分化を促
進することが知られている。基底HL−60細胞が検出可能なレベルの5−リポ
キシゲナーゼタンパク質を合成しない又はロイコトリエン(5−リポキシゲナー
ゼの下流産物)を分泌しないことが、現在判明している。DMSOによるこれら
の細胞の分化が、DMSOの添加後48時間に、5−リポキシゲナーゼタンパク
質及びロイコトリエンの生合成を出現させる。したがって、これらの細胞におけ
る5−リポキシゲナーゼ合成を妨害するオリゴヌクレオチドの分析のための試験
系として、5−リポキシゲナーゼタンパク質合成の誘導を利用することができる
。オリゴヌクレオチドの第2試験系は、5−リポキシゲナーゼが、基質との反応
時にそれ自体を不活化することから、“自殺”酵素であるという事実を利用する
。 分化したHL−60又は5−リポキシゲナーゼを発現する他の細胞の、10μM
A23187、カルシウムイオノホアによる処理は、細胞質ゾルから膜への5
−リポキシゲナーゼのトランスロケーションを促進し、その後の酵素の活性化を
付随する。活性化及び数ラウンドの触媒作用後に、この酵素は触媒的に不活性に
なる。したがって、カルシウムイオノホアによるこれらの細胞の処理は内因性5
−リポキシゲナーゼを不活化する。ロイコトリエンB4を合成するこれらの細胞
の能力によって判定すると、これらの細胞がA23187処理から回復するには
約24時間を要する。5−リポキシゲナーゼに対して向けられるマクロ分子を、
2つのHL−60モデル系における活性に関して、下記定量アッセイを用いて試
験することができる。これらのアッセイは、完全な状態の細胞における5−リポ
キシゲナーゼタンパク質合成の阻害の最も直接的な測定から、例えば、完全な状
態の細胞における5−リポキシゲナーゼ活性の測定のような、より下流のイベン
トまで述べられている。
【0230】 オリゴヌクレオチドが完全な状態の細胞に及ぼすことができ、容易に定量され
ることができる直接的効果は、5−リポキシゲナーゼタンパク質合成の特異的な
阻害である。この技法を実行するためには、細胞を35S−メチオニン(50μC
i/ml)によって37℃において2時間標識して、新たに合成されたタンパク
質を標識することができる。細胞を抽出して、総細胞タンパク質を可溶化し、5
−リポキシゲナーゼを5−リポキシゲナーゼ抗体によって免疫沈降させてから、
プロテインA Sepharoseビーズから溶離した。免疫沈降したタンパク
質をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分解して、オートラジオ
グラフィーに暴露させる。免疫沈降した5−リポキシゲナーゼの量を走査デンシ
トメトリーによって定量する。これらの実験からの予測結果は次の通りである。
対照細胞からの免疫沈降5−リポキシゲナーゼタンパク質の量を100%に標準
化する。本発明のマクロ分子の1μM、10μM及び30μMによる48時間の
細胞処理は、免疫沈降5−リポキシゲナーゼをそれぞれ対照の5%、25%及び
75%減少させると考えられる。
【0231】 細胞ホモジネート中の5−リポキシゲナーゼ酵素活性の測定は、ロイコトリエ
ンを合成することができる、存在する酵素量を定量するために用いることもでき
る。現在、放射分析は、逆相HPLCを用いて、細胞ホモジネート中の5−リポ
キシゲナーゼ酵素活性の定量のために発展している。プロテアーゼ阻害剤とED
TAとを含有する緩衝液中での音波処理によって、細胞を破壊する。細胞ホモジ
ネートを10,000xgにおいて30分間遠心分離して、上澄み液を5−リポ
キシゲナーゼ活性に関して分析する。細胞質ゾルタンパク質を10μM14C−ア
ラキドン酸、2mM ATP、50μM遊離カルシウム、100μg/mlホス
ファチジルコリン及び50mMビス−Tris緩衝液、pH7.0と共に37℃
において5分間インキュベートする。反応を当量のアセトンの添加によってクエ
ンチし、脂肪酸を酢酸エチルによって抽出する。基質と反応生成物とをNova
pak C18カラム(Waters Inc.Millford,MA)上で
の逆相HPLCによって分離する。放射性ピークをBeckmanモデル171
ラジオクロマトグラフィー・デテクターによって検出する。アラキドン酸の量を
di−HETE’sに転化し、mono−HETE’sを5−リポキシゲナーゼ
活性の尺度として用いる。
【0232】 1μM、10μM及び30μMの本発明の有効なマクロ分子による72時間の
DMSO分化HL−60細胞の処理に関する予測結果は次の通りである。対照細
胞は200pmolアラキドン酸/5分間/106細胞を酸化する。1μM、1
0μM及び30μMの有効オリゴヌクレオチドによって処理した細胞は、それぞ
れ、195pmol、140pmol及び60pmolのアラキドン酸/5分間
/106細胞を酸化すると考えられる。
【0233】 細胞中の総5−リポキシゲナーゼタンパク質の測定のための定量的競合エンザ
イムイムノアッセイ(enzyme linked immunosorbant assay)(ELISA)が開
発されている。大腸菌(E.coli)中に発現され、抽出、Q−Sephar
ose、ヒドロキシアパタイト及び逆相HPLCによって精製されたヒト5−リ
ポキシゲナーゼを標準として及びマイクロタイタープレートに塗布するための一
次抗原として用いる。精製した5−リポキシゲナーゼ(25ng)をマイクロタ
イタープレートに4℃において一晩結合させる。150mM NaCl(TBS
)の存在下の20mM Tris/HCl緩衝液、pH7.4中で希釈した5%
ヤギ血清によって、穴を90分間ブロックする。細胞抽出物(0.2%Trit
on X−100,12,000xg,30分間)又は精製5−リポキシゲナー
ゼをマイクロタイター穴中で総量100μlにおいて5−リポキシゲナーゼポリ
クローナル抗体の1:4000希釈物と共に90分間インキュベートした。精製
ヒト組換え5−リポキシゲナーゼによってウサギを免疫性にすることによって、
抗体を調製する。穴を0.05%Tween 20を含有するTBS(TBST
)によって洗浄してから、ペルオキシダーゼ共役ヤギ抗ウサギIgG(Capp
el Laboratories,Malvern,PA)の1:1000希釈
物 100μlと共に25℃において60分間インキュベートする。穴をTBS
Tによって洗浄し、オキシダーゼ標識二次抗体の量をテトラメチルベンジジンに
よって展開させて、測定する。
【0234】 1μM、10μM及び30μMにおいて30マーのオリゴヌクレオチドを用い
た、このようなアッセイからの予測結果は、それぞれ、106細胞につき30n
g、18ng及び5ngの5−リポキシゲナーゼであり、非処理細胞は約34n
gの5−リポキシゲナーゼを含有する。5−リポキシゲナーゼ生合成の阻害の正
味効果は、刺激された細胞から放出されるロイコトリエン量の減少である。DM
SO分化HL−60細胞はカルシウムイオノホアA23187によって刺激され
たときにロイコトリエンB4を放出する。細胞培地中に放出されるロイコトリエ
ンB4は商業的に入手可能な診断キット(New England Nucle
ar,Boston,MA)を用いるラジオイムノアッセイによって定量するこ
とができる。ロイコトリエンB4産生は、細胞を好中球様細胞に分化させるDM
SOの添加後48時間に、HL−60細胞中で検出することができる。細胞(2
x105細胞/ml)を上昇する濃度のマクロ分子によって1.3%DMSOの
存在下で48〜72時間処理する。細胞を洗浄し、2x106細胞/mlの濃度
で、1%脱脂ウシ血清アルブミンを含有するDulbeccoのリン酸緩衝化生
理食塩水中に再懸濁させる。細胞を10μMカルシウムイオノホアA23187
によって15分間刺激して、5x105細胞から産生されるLTB4量を製造者
が述べているようにラジオイムノアッセイによって測定する。
【0235】 このアッセイを用いると、5−LOmRNAに向けられるオリゴヌクレオチド
によって次の結果が得られうる。細胞を1μM、10μM又は30μMのマクロ
分子のいずれかによって1.3%DMSOの存在下で72時間処理する。5x1
5細胞から産生されるLTB4量は、それぞれ、約75pg、50pg及び35
pgであり、非処理分化細胞は75pgのLTB4を産生すると予想される。
【0236】 E.in vivoアッセイ マウスにおける5−リポキシゲナーゼ産生の阻害は下記プロトコールによって
実証することができる。アラキドン酸の局所塗布が皮膚におけるロイコトリエン
4、ロイコトリエンC4及びプロスタグランジンE2の迅速な産生と、それに続
く浮腫と細胞浸潤を生じる。5−リポキシゲナーゼのある一定の阻害剤はこのア
ッセイにおいて活性を示すことが知られている。アッセイのために、2mgのア
ラキドン酸をマウスの耳に塗布し、対側の耳は対照として用いる。アラキドン酸
の投与後1時間に、バイオプシーから採取されたホモジネート中のミエロペルオ
キシダーゼ活性によって、多形核細胞浸潤を分析する。耳厚さの測定と穿刺バイ
オプシーの湿重量とによって、浮腫反応を定量する。バイオプシー試験片(speci
men)中に産生されたロイコトリエンB4の測定を、組織における5−リポキシゲ
ナーゼ活性の直接の測定として行なう。化合物の最適の活性を可能にするために
アラキドン酸投与前12〜24時間に、両耳にオリゴヌクレオチドを局所塗布す
る。アラキドン酸によるチャレンジ前に0.1μmol、0.3μmol又は1
.0μmolのマクロ分子によって両耳を24時間前処理する。数値は濃度当り
の3動物の平均値として表す。0.1μmol、0.3μmol及び1μmol
での多形核細胞浸潤の阻害は、それぞれ、対照活性の約10%、75%及び92
%であると予想される。浮腫の阻害はそれぞれ約3%、58%及び90%である
と予想され、ロイコトリエンB4産生の阻害はそれぞれ約15%、79%及び9
9%であると予想される。
【0237】 実施例63 5’−O−DMT−2’−デオキシ−2’−メチレン−5−メチルウリジン−3
’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピル)ホスホロアミダイト 2’−デオキシ−2’−メチレン−3’,5’−O−(テトライソプロピルジ
シロキサン−1,3−ジイル)−5−メチルウリジンを、対応するウリジン誘導
体に関して報告された方法(Hansske,F.;Madej,D.;Rob
ins,M.J.,Tetrahedron(1984)40,125;Mat
suda,A.;Takenusi,K.;Tanaka,S.;Sasaki
,T.;Ueda,T.,J.Med.Chem.(1991)34,812;
さらに、Cory,A.H.;Samano,V.;Robins,M.J.;
Cory,J.G.,“培養中のL1210細胞増殖の阻害剤としてのアデノシ
ン、グアノシン、ツベルシジン、シチジン及びウリジンの2’−デオキシ−2’
−メチレン誘導体”,Biochem.Pharmacol.(1994),4
7(2),365−71も参照)に従って合成する。
【0238】 これをTHF中のIM TBAFによって処理して、2’−デオキシ−2’−
メチレン−5−メチルウリジンを得る。これをピリジン中に溶解して、DMT−
Clによって処理し、撹拌して、5’−O−DMT−2’−デオキシ−2’−メ
チレン−5−メチルウリジンを得る。この化合物を2−シアノエチル−N,N−
ジイソプロピルホスホロアミダイトとジイソプロピルアミノテトラゾリドとによ
って処理する。同様な方法で、対応するN−6−ベンゾイルアデノシン、N−4
−ベンゾイルシトシン、N−2−イソブチリルグアノシンホスホロアミダイト誘
導体が合成される。
【0239】 実施例63 3’−O−4’−C−メチレンリボヌクレオシドの合成 5’−O−DMT−3’−O−4’−C−メチレンウリジンと5−メチルウリ
ジンを合成して、Obika等の方法(Obika等,Bioorg.Med.
Chem.Lett.(1999)9,515−158)によってホスフィチル
化する。アミダイトを上記プロトコールを用いて、オリゴヌクレオチドに組み入
れる。
【0240】 実施例64 2’−メチレンホスホロアミダイトの合成 5’−O−DMT−2’−(メチル)−3’−O−(2−シアノエチル−N,
N−ジイソプロピルアミン)−5−メチルウリジン−ホスホロアミダイト、5’
−O−DMT−2’−(メチル)−N−6−ベンゾイルアデノシン(3’−O−
2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ)ホスホロアミダイト、5’
−O−DMT−2’−(メチル)−N2−イソブチリルグアノシン−3’−O−
(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ)ホスホロアミダイト及び
5’−O−DMT−2’−(メチル)−N−4−ベンゾイルシチジン−3’−O
−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ)ホスホロアミダイトを
対応ヌクレオシドのホスフィチル化によって得た。これらのヌクレオシドをIr
ibarren,Adolfo M.;Cicero,Daniel O.;N
euner,Philippe J.“(2’S)−2’−デオキシ−2’−C
−メチルオリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ分解耐性,新規な可能アンチセンス
プローブ”Antisense Res.Dev.,(1994)、4(2)、
95−8;Schmit,Chantal;Bevierre,Marc−Ol
ivier;De Mesmaeker,Alain;Altmann,Kar
l−Heinz,“オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション及び安定性に
及ぼす2’−及び3’−アルキル置換基の効果”,Bioorg.Med.Ch
em.Lett.(1994),4(16),1969−74によって述べられ
ている合成した。
【0241】 ホスフィチル化はビスアミダイト方法を用いて実施する。 実施例65 2’−S−メチルホスホロアミダイトの合成 5’−O−DMT−2’−S−(メチル)−3’−O−(2−シアノエチル−
N,N−ジイソプロピルアミン)−5−メチルウリジン−ホスホロアミダイト、
5’−O−DMT−2’−S−(メチル)−N−6−ベンゾイルアデノシン(3
’−O−2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ)ホスホロアミダイ
ト、5’−O−DMT−2’−S−(メチル)−N2−イソブチリルグアノシン
−3’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ)ホスホロア
ミダイト及び5’−O−DMT−2’−S−(メチル)−N−4−ベンゾイルシ
チジン−3’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ)ホス
ホロアミダイトを対応ヌクレオシドのホスフィチル化によって得た。ヌクレオシ
ドはFraser等が述べている方法(Fraser,A.;Wheeler,
P.;Cook,P.D.;Sanghvi,Y.S.,J.Heterocy
cl.Chem.(1993)31,1277−1287)によって合成した。
ホスフィチル化はビスアミダイト方法を用いて実施する。
【0242】 実施例66 2’−O−メチル−β−D−アラビノフラノシル化合物の合成 2’−O−メチル−β−D−アラビノフラノシル−チミジン含有オリゴヌクレ
オチドはGotfredson等の方法(Gotfredson,C.H.等,
Tetrahedron Lett.(1994)35,6941−6944;
Gotfredson,C.H.等,Bioorg.Med.Chem.(19
96)4,1217−1225)に従って合成した。5’−O−DMT−2’−
ara−(O−メチル)−3’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロ
ピルアミン)−5−メチルウリジン−ホスホロアミダイト、5’−O−DMT−
2’−ara−(O−メチル)−N−6−ベンゾイルアデノシン(3’−O−2
−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ)ホスホロアミダイト、5’−
O−DMT−2’−ara−(O−メチル)−N2−イソブチリルグアノシン−
3’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ)ホスホロアミ
ダイト及び5’−O−DMT−2’−ara−(O−メチル)−N−4−ベンゾ
イルシチジン−3’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ
)ホスホロアミダイトを対応ヌクレオシドのホスフィチル化によって得る。ヌク
レオシドはGotfredson,C.H.等,Tetrahedron Le
tt.(1994)35,6941−6944;Gotfredson,C.H
.等,Bioorg.Med.Chem.(1996)4,1217−1225
が述べている方法に従って合成する。ホスフィチル化はビスアミダイト方法を用
いて実施する。
【0243】 実施例67 2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル化合物の合成 2’−フルオロ−β−D−アラビノフラノシルオリゴヌクレオチドは、Koi
s,P.等,Nucleosides Nucleotides 12,109
3,1993とDamha等,J.Am.Chem.Soc.,120,129
76,1998及びこれらに引用された参考文献による方法に従って合成する。
5’−O−DMT−2’−ara−(フルオロ)−3’−O−(2−シアノエチ
ル−N,N−ジイソプロピルアミン)−5−メチルウリジン−ホスホロアミダイ
ト、5’−O−DMT−2’−ara−(フルオロ)−N−6−ベンゾイルアデ
ノシン(3’−O−2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ)ホスホ
ロアミダイト、5’−O−DMT−2’−ara−(フルオロ)−N2−イソブ
チリルグアノシン−3’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルア
ミノ)ホスホロアミダイト及び5’−O−DMT−2’−ara−(フルオロ)
−N−4−ベンゾイルシチジン−3’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイ
ソプロピルアミノ)ホスホロアミダイトは、対応ヌクレオシドのホスフィチル化
によって得る。これらのヌクレオシドはKois,P.等,Nucleosid
es Nucleotides 12,1093,1993とDamha等,J
.Am.Chem.Soc.,120,12976,1998が述べている方法
によって合成する。ホスフィチル化はビスアミダイト方法を用いて実施する。
【0244】 実施例68 2’−ヒドロキシル−β−D−アラビノフラノシル化合物の合成 2’−ヒドロキシル−β−D−アラビノフラノシルオリゴヌクレオチドは、R
esminiとPfleiderer,Helv.Chim.Acta,76,
158,1993;Schmit等,Bioorg.Med.Chem.Let
t.4,1969,1994;Resmini,M.;Pfleiderer,
W.,“アラビノ核酸(tANA)の合成”,Bioorg.Med.Chem
.Lett.(1994),16,1910;Resmini Matthia
s;Pfleiderer,W.,“ヌクレオシド パートLV. アラビノグ
アノシン構築ブロックの効果的な合成”(Helv.Chim.Acta,(1
994),77,429−34とDamha等,J.Am.Chem.Soc.
,1998,120,12976及びこれらに引用されている参考文献)が述べ
ている方法に従って合成する。
【0245】 5’−O−DMT−2’−ara−(ヒドロキシ)−3’−O−(2−シアノ
エチル−N,N−ジイソプロピルアミン)−5−メチルウリジン−ホスホロアミ
ダイト、5’−O−DMT−2’−ara−(ヒドロキシ)−N−6−ベンゾイ
ルアデノシン(3’−O−2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ)
ホスホロアミダイト、5’−O−DMT−2’−ara−(ヒドロキシ)−N2
−イソブチリルグアノシン−3’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプ
ロピルアミノ)ホスホロアミダイト及び5’−O−DMT−2’−ara−(ヒ
ドロキシ)−N−4−ベンゾイルシチジン−3’−O−(2−シアノエチル−N
,N−ジイソプロピルアミノ)ホスホロアミダイトは、対応ヌクレオシドのホス
フィチル化によって得る。これらのヌクレオシドはKois,P.等,Nucl
eosides Nucleotides 12,1093,1993とDam
ha等,J.Am.Chem.Soc.,120,12976,1998が述べ
ている方法によって合成する。ホスフィチル化はビスアミダイト方法を用いて実
施する。
【0246】 実施例69 ジフルオロメチレン化合物の合成 5’−O−DMT−2’−デオキシ−2’−ジフルオロメチレン−5−メチル
ウリジン−3’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダ
イト)、5’−O−DMT−2’−デオキシ−2’−ジフルオロメチレン−N−
4−ベンゾイル−シチジン、5’−O−DMT−2’−デオキシ−2’−ジフル
オロメチレン−N−6−ベンゾイルアデノシン及び5’−O−DMT−2’−デ
オキシ−2’−ジフルオロエチレン−N2−イソブチリルグアノシンは、Usm
an等(米国特許5639649,1997年6月17日)が述べている方法に
従って合成する。
【0247】 実施例70 5’−O−DMT−2’−デオキシ−2’−β−(O−アセチル)−2’−α−
メチル−N6−ベンゾイル−アデノシン−3’−(2−シアノエチル−N,N−
ジイソプロピル)ホスホロアミダイトの合成 5’−O−DMT−2’−デオキシ−2’−β−(OH)−2’−α−メチル
アデノシンは、化合物 5’−3’−保護−2’−ケト−アデノシンから合成す
る(Rosenthal,Sprinzl及びBaker,Tetrahedr
on Lett.4233,1970;核酸関連化合物も参照)。2’−及び3
’−ケトヌクレオシドを合成するための便利な方法は、Hansske等,De
p.Chem.,Univ.Alberta,Edmonton,Can.,T
etrahedron Lett.(1983),24(15),1589−9
2が、THF溶媒中のMeMgIのGrigand添加、その後の異性体分離に
よって示している。2−β−(OH)はアセテートとして保護される。5’−3
’−アセタール基を除去し、5’−位置ジメトキシをトリチル化し、N−6位置
をベンゾイル化し、次に3’−位置をホスフィチル化して、5’−O−DMT−
2’−デオキシ−2’−β−(O−アセチル)−2’−α−メチル−N6−ベン
ゾイル−アデノシン−3’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピル)ホ
スホロアミダイトを得る。
【0248】 実施例71 5’−O−DMT−2’−α−エチニル−N6−ベンゾイル−アデノシン−3’
−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピル)ホスホロアミダイトの合成 5’−O−DMT−2’−デオキシ−2’−β−(OH)−2’−α−エチニ
ル−アデノシンは、化合物 5’−3’−保護−2’−ケト−アデノシン(Ro
senthal,Sprinzl及びBaker,Tetrahedron L
ett.4233,1970)から、THF溶媒中のエチニル−MgIのGri
gand添加、その後の異性体分離によって合成する。2’−β−(OH)をR
obinsの脱酸素方法(Robins等,J.Am.Chem.Soc.(1
983),105,4059−65)によって除去する。5’−3’−アセター
ル基を除去し、5’−位置をジメトキシトリチル化し、N−6位置をベンゾイル
化し、次に3’−位置をホスフィチル化して、標題化合物を得る。
【0249】 実施例72 2’−O−(グアイアコリル)−5−メチルウリジン 100mlボンベにおいてテトラヒドロフラン中のボランの溶液(1M,10
ml,10mmol)に撹拌しながら、2−メトキシフェノール(6.2g,5
0mmol)を徐々に加えた。固体が溶解するにつれて水素ガスが発生した、O
−2,2’−アンヒドロ−5−メチルウリジン(1.2g,5mmol)と炭酸
水素ナトリウム(2.5mg)を加え、ボンベをシールし、油浴に入れ、155
℃に36時間加熱した。ボンベを室温に冷却して、開けた。粗溶液を濃縮し、残
渣を水(200ml)とヘキサン(200ml)とに分配した。過剰なフェノー
ルをヘキサン中に抽出した。水層を酢酸エチル(3x200ml)によって抽出
し、一緒にした有機層を水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃
縮した。残渣を溶離剤としてメタノール:塩化メチレン(1/10,v/v)を
用いるシリカゲル・フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。画
分を回収して、ターゲット画分を濃縮して、490mgの純粋な生成物を白色固
体として得た。CH2Cl2/CH3OH(10:1)中でRf=0.545.C1 720N27としてのMS/ES,364.4;実測364.9. 実施例73 5’−ジメトキシトリチル−2’−O−(2−メトキシフェニル)−5−メチル
ウリジン−3’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ)ホ
スホロアミダイト 2’−O−(グアイアコリル)−5−メチル−ウリジンをピリジン中の1.2
当量のジメトキシトリチルクロリド(DMT−Cl)によって処理して、5’−
O−ジメトキシトリチル化ヌクレオシドを得る。ピリジンを蒸発させ、仕上げ処
理(CH2Cl2/飽和NaHCO3溶液)した後に、化合物をシリカゲルカラム
で精製する。5’−保護ヌクレオシドを無水塩化メチレン中に溶解し、アルゴン
雰囲気下で、N,N−ジイソプロピルアミノヒドロテトラゾリド(0.5当量)
とビス−N,N−ジイソプロピルアミノ−2−シアノエチル−ホスホロアミダイ
ト(2当量)とをシリンジから1分間かけて加える。反応混合物をアルゴン下、
室温において16時間撹拌してから、シリカカラムに供給する。ヘキサン:酢酸
エチル(25:75)によって溶出して、標題化合物を得る。
【0250】 実施例74 5’−ジメトキシトリチル−2’−O−(2−メトキシフェニル)−5−メチル
ウリジン−3’−O−スクシネート 実施例73からの5’−保護ヌクレオシドをピリジン中の2当量の無水コハク
酸と0.2当量の4−N,N−ジメチルアミノピリジンによって処理する。2時
間後に、ピリジンを蒸発させ、残渣をCH2Cl2中に溶解し、100mlの10
%クエン酸溶液によって3回洗浄する。有機層を無水MgSO4上で乾燥させて
、所望のスクシネートを得る。次に、このスクシネートを確立された方法を用い
て、制御多孔質ガラス(CPG)に付着させる(Pon,R.T.,“オリゴヌ
クレオチド合成のための固相サポート”,Protocols for Oli
gonucleotides and Analogs,S.Agrawal(
編集),Humana Press:Totawa,NJ,1993,465−
496)。
【0251】 実施例75 5’−ジメトキシトリチル−2’−O−(トランス−2−メトキシシクロヘキシ
ル)−5−メチルウリジン 2’−3’−O−ジブチルスタニル−5−メチルウリジン(Wagner等,
J.Org.Chem.,1974,39,24)をトランス−2−メトキシシ
クロヘキシルトシラートによってDMF中、70℃においてアルキル化する。こ
の反応では、2’−O−(トランス−2−メトキシシクロヘキシル)−5−メチ
ルウリジンと3’−O−(トランス−2−メトキシシクロヘキシル)−5−メチ
ルウリジンとの1:1混合物が得られる。DMF溶媒を蒸発させた後に、粗混合
物をピリジン中に溶解し、ジメトキシトリチルクロリド(DMT−Cl)(1.
5当量)によって処理する。得られた混合物をシリカゲル・フラッシュカラムク
ロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を得る。
【0252】 実施例76 5’−ジメトキシトリチル−2’−O−(トランス−2−メトキシシクロヘキシ
ル)−5−メチルウリジン−3’−O−(2−シアノエチル−N、N−ジイソプ
ロピルアミノ)ホスホロアミダイト 5’−ジメトキシトリチル−2’−O−(トランス−2−メトキシシクロヘキ
シル)−5−メチルウリジンを上記方法によってホスフィチル化して、所望のホ
スホロアミダイトを得る。
【0253】 実施例77 5’−ジメトキシトリチル−2’−O−(トランス−2−メトキシシクロヘキシ
ル)−5−メチルウリジン−3’−O−(スクシニル−アミノ)CPG 5’−ジメトキシトリチル−2’−O−(トランス−2−メトキシシクロヘキ
シル)−5−メチルウリジンをスクシニル化して、制御多孔質ガラスに付着させ
て、固相サポート結合ヌクレオシドを得る。
【0254】 実施例78 トランス−2−ウレイド−シクロヘキサノール トランス−2−アミノ−シクロヘキサノール(Aldrich)を塩化メチレ
ン中のトリホスゲン(1/3当量)によって処理する。得られた溶液に、過剰な
水酸化アンモニウムを加えて、仕上げ処理後、標題化合物を得る。
【0255】 実施例79 2’−O−(トランス−2−ウレイド−シクロヘキシル)−5−メチルウリジン 10mlボンベにおいてテトラヒドロフラン中のボランの溶液(1M,10m
l,10mmol)に撹拌しながら、トランス−2−ウレイド−シクロヘキサノ
ール(50mmol)を加える。反応物が溶解するにつれて水素ガスが発生する
。O−2,2’−アンヒドロ−5−メチルウリジン(5mmol)と炭酸水素ナ
トリウム(2.5mg)をボンベに加え、シールする。次に、これを140に7
2時間加熱する。ボンベを室温に冷却して、開ける。粗物質を上記で例示したよ
うに仕上げ処理し、次に、シリカゲル・フラッシュカラムクロマトグラフィーに
よって精製して、標題化合物を得た。
【0256】 実施例80 5’−O−(ジメトキシトリチル)−2’−O−(トランス−2−ウレイド−シ
クロヘキシル)3’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピル)ウリ
ジンホスホロアミダイト 実施例2に例示した方法に従って、2’−O−(トランス−2−ウレイド−シ
クロヘキシル)−5−メチルウリジンを5’−OHにおいてトリチル化し、3’
−OHにおいてホスフィチル化して、標題化合物を得る。
【0257】 実施例81 5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O−(トランス−2−ウレイド−シクロ
ヘキシル)−5−メチル−3’−O−(スクシニル)−アミノCPGウリジン 上述したように、5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O−(トランス−2
−ウレイド−シクロヘキシル)−5−メチルウリジンをスクシニル化し、CPG
に付着させる。
【0258】 実施例82 2’−O−(トランス−2−メトキシ−シクロヘキシル)アデノシン トランス−2−メトキシシクロペンタノール、トランス−2−メトキシシクロ
ヘキサノール、トランス−2−メトキシ−シクロペンチルトシラート及びトラン
ス−2−メトキシ−シクロヘキシルトシラートを報告された方法(Robert
s,D.D.,Hendrickson,W.,J.Org.Chem.,19
67,34,2415−2417;J.Org.Chem.,1997,62,
1857−1859)によって製造する。5℃において乾燥ジメチルホルムアミ
ド(800ml)中のアデノシン(42.74g,0.16mol)の溶液を水
素化ナトリウム(8.24g,ヘキサンによって3回予め洗浄した油中60%,
0.21mol)によって処理する。30分間撹拌した後、トランス−2−メト
キシシクロヘキシルトシラート(0.16mol)を5℃において20分間にわ
たって加える。反応を室温において48時間撹拌してから、Celiteに通し
て濾過する。濾液を減圧下で濃縮して、トルエン(2x100ml)と共に共沸
蒸発させて、標題化合物を得る。
【0259】 実施例83 N6−ベンゾイル−2’−O−(トランス−2−メトキシシクロヘキシル)アデ
ノシン ピリジン(100ml)中の2’−O−(トランス−2−メトキシ−シクロヘ
キシル)アデノシン(0.056mol)の溶液を減圧下で蒸発乾燥させる。残
渣をピリジン(560ml)中に再溶解して、氷水浴中で冷却する。トリメチル
シリルクロリド(36.4ml,0.291mol)を加えて、反応を5℃にお
いて30分間撹拌する。塩化ベンゾイル(33.6ml,0.291mol)を
加えて、反応を25℃に2時間温度上昇させてから、5℃に冷却する。反応を冷
水(112ml)によって希釈し、15分間撹拌した後に、濃水酸化アンモニウ
ム(112ml)を加える。30分間後に、反応を減圧下で濃縮し(30℃未満
)、次にトルエン(2x100ml)と共に共沸蒸発させる。残渣を酢酸エチル
−メタノール(400ml,9:1)中に溶解し、望ましくないシリル副生成物
を濾過によって除去する。濾液を減圧下で濃縮してから、シリカゲルフラッシュ
カラムクロマトグラフィー(800g,クロロホルム−メタノール9:1)によ
って精製する。選択した画分を一緒にし、減圧下で濃縮して、25℃/0.2m
mHgにおいて2時間乾燥させて、標題化合物を得る。
【0260】 実施例84 N6−ベンゾイル−5’−O−(ジメトキシトリチル)−2’−O−(トランス
−2−メトキシシクロヘキシル)アデノシン ピリジン(100ml)中のN6−ベンゾイル−2’−O−(トランス−2−
メトキシシクロヘキシル)アデノシン(0.285mol)の溶液を減圧下で蒸
発させて、油状物を得る。残渣を乾燥ピリジン(300ml)中に再溶解し、4
,4’−ジメトキシトリフェニルメチルクロリド(DMT−Cl,10.9g,
95%,0.31mol)を加える。この混合物を25℃において16時間撹拌
してから、氷水(500ml)中の炭酸水素ナトリウム(20g)の溶液上に注
入する。生成物を酢酸エチル(2x150ml)によって抽出する。有機層をブ
ライン(50ml)によって洗浄し、硫酸ナトリウム(粉状)上で乾燥させ、減
圧下で蒸発させる(40℃未満)。残渣をシリカゲル(400g,酢酸エチル−
ヘキサン1:1)上でクロマトグラフィーする。選択した画分を一緒にし、減圧
下で濃縮し、25℃/0.2mmHgにおいて乾燥させて、標題化合物を得た。
【0261】 実施例85 [N6−ベンゾイル−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2’−O
−(トランス−2−メトキシシクロヘキシル)アデノシン−3’−O−イル]−
N,N−ジイソプロピルアミノ−シアノエトキシホスホロアミダイト N6−ベンゾイル−5’−O−(ジメトキシトリチル)−2’−O−(トラン
ス−2−メトキシシクロヘキシル)アデノシンのホスフィチル化を上記で例示し
たように行なって、標題化合物を得た。
【0262】 実施例86 キメラC3’−エンド及びC2’−エンド修飾オリゴヌクレオチド合成の一般的
方法 オリゴヌクレオチドをPerseptive Biosystems Exp
edite 8901核酸合成系で合成する。各オリゴヌクレオチドに関して、
多重1−mmol合成を行なう。固体サポートを含有する3’−エンドヌクレオ
シドをカラムに負荷する。トリチル基をトリクロロ酢酸(975μl、1分間に
わたって)によって除去し、続いてアセトニトリル洗浄を行なう。修飾ジエステ
ル(P=O)又はチオエート(P=S)プロトコールを用いて、オリゴヌクレオ
チドを構築する。
【0263】 ホスホジエステルプロトコール 全ての標準アミダイト(0.1M)を1.5分間の時間枠にわたって結合させ
る、105μl物質をデリバーする。全ての新規なアミダイトを乾燥アセトニト
リルに溶解して(100mgのアミダイト/1mlのアセトニトリル)、約0.
08〜0.1M溶液を得る。2’−修飾アミダイト(リボモノマーとアラビノモ
ノマーの両方)を210μlを用いて全体で5分間にわたって2回結合させる。
総結合時間は約5分間である(210mlのアミダイトをデリバーする)。アセ
トニトリル中の1−H−テトラゾールを活性化剤として用いる。過剰なアミダイ
トはアセトニトリルによって洗い流す。(1S)−(+)−(10−カンファー
スルホニル)オキサジリジン(CSO,1.0g CSO/8.72ml 乾燥
アセトニトリル)を用いて、酸化し(3分間待ち工程)、約375μlの酸化剤
をデリバーする。標準アミダイトを3分間にわたってデリバーする(210μl
)。
【0264】 ホスホロチオエートプロトコール 2’−修飾アミダイトを、210μlを用いて全体で5分間にわたって2回結
合させる。酸化剤、3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン−1,1−ジオ
キシド(Beaucage試薬,3.4g Beaucage試薬/200ml
アセトニトリル)の量は225μlである(1分間待ち工程)。未反応ヌクレ
オシドに50:50混合物のテトラヒドロフラン/無水酢酸とテトラヒドロフラ
ン/ピリジン/1−メチルイミダゾールによってキャップする。この合成の期間
中、トリチル収率をトリチルモニターによって追跡する。最終的DMT基は完全
な状態で残される。合成後に、合成カートリッジの内容(1mmole)をPy
rexバイアルに移し、30%水酸化アンモニウム(NH4OH,5ml)を5
5℃において約16時間用いて、オリゴヌクレオチドを制御多孔質ガラス(CP
G)から切断する。
【0265】 オリゴヌクレオチドの精製 脱保護後に、サンプルをGelman0.45μmナイロンアクロディスク・
シリンジフィルターを用いてCPGから濾別する。過剰なNH4OHをSava
nt AS160自動スピードバクにおいて蒸発させる。Hewlett Pa
ckard 8452A Diode Array分光光度計で260nmにお
いて粗収率を測定する。次に、粗サンプルをHewlett Packard
エレクトロスプレイ質量分析計での質量分析法(MS)によって分析する。トリ
チル−オン オリゴヌクレオチドを逆相分取高速液体クロマトグラフィー(HP
LC)によって精製する。HPLC条件は次の通りである:991デテクター付
きWaters 600E;Waters Delta Pak C4カラム(
7.8X300mm);Solvent A:50mMトリエチルアンモニウム
アセテート(TEA−Ac),pH7.0;Solvent B:100%アセ
トニトリル;2.5ml/分流量;勾配:最初の5分間の5%Bから次の55分
間にBが60%まで直線的に増加。所望の生成物(product/s)を含有する画分(
DMT−ON−16314では保持時間=41分間;DMT−ON−16315
では保持時間=42.5分間)を回収し、溶媒をスピードバクにおいて乾燥させ
る(dried off)。オリゴヌクレオチドを80%酢酸中で約60分間脱トリチル化
し、再び凍結乾燥させる。次に、脱トリチル化したオリゴヌクレオチドをSep
hadex G−25(サイズ排除クロマトグラフィー)に通し、Pharma
ciaフラクションコレクターに通して適当なサンプルを回収することによって
、遊離トリチルと過剰な塩を除去する。溶媒をスピードバクにおいて再び蒸発さ
せる。精製されたオリゴヌクレオチドを次にCGE、HPLC(流量:1.5m
l/分;Waters Delta Pak C4カラム、3.9X300mm
)及びMSによって純度に関して分析する。最終収量を260nmにおいて分光
光度計によって測定する。
【0266】 方法 方法1 ICAM−1発現 HUVECSのオリゴヌクレオチド処理 37℃に予め温めたOpti−MEM(Life Technologies
,Inc.)によって、細胞を3回洗浄した。オリゴヌクレオチドにOpti−
MEM中の10g/ml Lipofectin(Life Technolo
gies,Inc.)をプレミックスし、所望の濃度まで連続的に希釈し、洗浄
済み細胞に供給した。基底対照細胞と非処理(オリゴヌクレオチド含まず)対照
細胞もLipofectinによって処理した。細胞を37℃において4時間イ
ンキュベートし、この時点で培地を取り出し、5mg/mlのTNF−α7&D
Systemsを含む又は含まない標準増殖培地と交換した。37℃における
インキュベーションは指定時間まで続けた。
【0267】 蛍光活性化セルソーターによるICAM−1タンパク質発現の定量 PBS中の0.25%トリプシンによる短時間のトリプシン処理によって、プ
レート表面から細胞を取り出した。トリプシンの活性をPBS(+Mg/Ca)
中の2%ウシ血清アルブミンと0.2%アジ化ナトリウムの溶液によってクエン
チした。細胞を遠心分離(1000rpm,Beckman GPR遠心分離機
)によってペレット化し、PBS中に再懸濁させ、3l/105細胞のICAM
−1特異性抗体、CD54−PE(Pharmingin)によって染色した。
暗所で4℃において、穏やかに撹拌しながら、抗体を細胞と共に30分間インキ
ュベートした。細胞を遠心分離方法によって洗浄してから、0.5%ホルムアル
デヒド(Polysciences)を含むFacsFlow緩衝液(Bect
on Dickinson)0.3ml中に、再懸濁させた。次に、細胞表面I
CAM−1の発現をBecton Dickinson FACScanを用い
てフローサイトメトリーによって測定した。対照ICAM−1発現の%を次のよ
うに算出した:[(オリゴヌクレオチド処理ICAM−1値)−(基底ICAM
−1値)/(非処理ICAM−1値)−(基底ICAM−1値)]。(Bake
r,Brenda等,“2’−O−(2−メトキシ)エチル修飾抗細胞間接着分
子1(ICAM−1)オリゴヌクレオチドは、ヒト臍静脈内皮細胞中で、ICA
M−1mRNAレベルを選択的に増加させ、ICAM−1翻訳開始複合体の形成
を阻害する”,THe Journal of Biological Che
mistry,272,11994−12000,1997)。
【0268】 本発明のキメラC3’−エンド及びC2’−エンド修飾オリゴヌクレオチドの
ICAM−1発現を、処理したHUVEC細胞におけるICAM−1レベルの減
少によって測定する。これらのオリゴヌクレオチドはRNアーゼH切断機構によ
って作用すると考えられる。適当なスクランブル対照(scrambled control)オリ
ゴヌクレオチドを対照として用いる。これらは試験配列と同じ塩基組成を有する
【0269】 以下の表Xに列挙されたような、キメラC3’−エンド(2’−MOE)及び
C2’−エンド(下記修飾:2’−S−Me、2’−Me、2’−ara−F、
2’−ara−OH、2’−ara−O−Meの1つ)を含有する配列を調製し
て、上記アッセイにおいて試験する。配列番号:43、C−rafターゲットオ
リゴヌクレオチド(targeted oligonucleotide)を対照として用いる。
【0270】
【表14】
【0271】 太字の全てのヌクレオシドは2’−O−(メトキシエチル)であり;下付き文
字sはホスホロチオエート結合を意味し;下線付きヌクレオシドは2’−S−M
e−修飾を意味する。C上の上付き文字m(Cm)は5−メチル−Cを意味する
【0272】
【表15】
【0273】 太字の全てのヌクレオシドは2’−O−(メトキシエチル)であり;下付き文
字sはホスホロチオエート結合を意味し;下線付きヌクレオシドは2’−メチル
修飾を意味する。C上の上付き文字m(Cm)は5−メチル−Cを意味する。
【0274】
【表16】
【0275】 太字の全てのヌクレオシドは2’−O−(メトキシエチル)であり;下付き文
字sはホスホロチオエート結合を意味し;下線付きヌクレオシドは2’−ara
−(フルオロ)修飾を意味する。C上の上付き文字m(Cm)は5−メチル−C
を意味する。
【0276】
【表17】
【0277】 太字の全てのヌクレオシドは2’−O−(メトキシエチル)であり;下付き文
字sはホスホロチオエート結合を意味し;下線付きヌクレオシドは2’−ara
−(OH)修飾を意味する。C上の上付き文字m(Cm)は5−メチル−Cを意
味する。
【0278】
【表18】
【0279】 太字の全てのヌクレオシドは2’−O−(メトキシエチル)であり;下付き文
字sはホスホロチオエート結合を意味し;下線付きヌクレオシドは2’−ara
−(OMe)修飾を意味する。C上の上付き文字m(Cm)は5−メチル−Cを
意味する。
【0280】 方法2 2’−O−修飾オリゴヌクレオチドの酵素分解 以下の表2に示すように3’−末端に修飾を組み入れた3種類のオリゴヌクレ
オチドを合成する。これらの修飾オリゴヌクレオチドをヘビ毒ホスホジエステラ
ーゼ作用にさらす。
【0281】 オリゴヌクレオチド(30ナノモル)を50mM Tris−HCl pH8
.5、14mM MgCl2及び72mM NaClを含有する緩衝液 20m
l中に溶解する。この溶液に、0.1単位のヘビ毒ホスホジエステラーゼ(Ph
armacia,Piscataway,NJ)、23単位のヌクレアーゼP1
(Gibco LBRL,Gaithersberg、MD)及び24単位のウ
シ腸ホスファターゼ(Boehringer Mannheim,Indian
apolis,IN)を加え、この反応混合物を37℃において100時間イン
キュベートする。HPLC分析をWatersモデル715自動インジェクター
、モデル600Eポンプ、モデル991デテクター及びAltech(Allt
ech Associates,Inc.,Deerfield,IL)ヌクレ
オシド/ヌクレオチドカラム(4.6x250mm)を用いて、行なう。全ての
分析は室温において実施する。用いた溶媒はA:水と、B:アセトニトリルであ
る。ヌクレオシド組成物の分析は下記勾配:0〜5分、2%B(イソクラチック
);5〜20分:2%B〜10%B(直線);20〜40分:10%B〜50%
Bで達成される。ヌクレオシド標準を用いて、ナノモル当りの積分面積を算出す
る。積分面積をモル値に換算し、全ての値をチミジンに比較することによって、
相対的なヌクレオシド比率を算出する、チミジンは各オリゴマーに関してその予
想値に設定される。
【0282】
【表19】
【0283】 方法3 Ha−rasをターゲットとするキメラC3’−エンド及びC2’−エンド修飾
オリゴヌクレオチドの一般的評価方法 肉腫、神経芽腫、白血病及びリンパ腫を含めた、種々なタイプのヒト腫瘍はら
s遺伝子ファミリーの活性腫瘍遺伝子を含有する。Ha−rasは小分子量GT
Pアーゼのファミリーであり、このファミリーの機能は、rasの構成性活性化
を生じるシグナルを伝達することによって細胞増殖と分化を調節することであり
、多様なヒト癌の高い割合に関連する。したがって、rasは抗癌性治療方法の
魅力的なターゲットである。
【0284】 配列番号:46は、ヒトHa−rasの翻訳領域の開始をターゲットとする2
0塩基ホスホロチオエートオリゴデオキシヌクレオチドであり、これはスクリー
ニングアッセイに基づくと、細胞培養におけるHa−rasの強力なアイソタイ
プ特異性阻害剤である(IC50=45nm)。配列番号:46によるin vi
troでの細胞の処理は、Ha−ras mRNA及びタンパク質合成の迅速な
減少と、活性化Ha−ras突然変異を含有する細胞の増殖の阻害とを生じる。
配列番号:46は、1日1回腹腔内注入(IP)によって25mg/kg以下の
投与量で投与すると、種々な腫瘍異種移植片モデルにおいて強力な抗腫瘍活性を
示すが、ミスマッチ対照は抗腫瘍活性を示さない。配列番号:46は、マウス異
種移植片研究(Cowsert,L.M.,Anti−cancer drug
design,1997,12,359−371)において、肺、胸部、膀胱
及び膵臓を含めた、種々な腫瘍タイプに対して活性であることが判明している。
この配列の5’末端と3’末端(“wings”)を2’−メトキシエチル(M
OE)修飾によって修飾し、バックボーンをホスホロチオエートとして維持した
、配列番号:46の第2世代類似体(表XV、配列番号:52)は細胞培養アッ
セイにおいて15nmのIC50を示す、したがって、このキメラ類似体から3倍
の効力改良が観察される。2’−MOEホスホロチオエートの改良されたヌクレ
アーゼ耐性のために、配列番号:52はin vitroでアンチセンス効果の
持続期間を高める。これは癌患者に対するこの薬物の投与頻度に関連する。配列
番号:52は現在、ras依存性腫瘍モデルにおいて評価中である(Cowse
rt,L.M.,Anti−cancer drug design、1997
,12,359−371)。親化合物、配列番号:46は、全身注入(systemic
infusion)によって固体腫瘍に対するPhase I臨床試験中である。
【0285】 2’−Me修飾を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドを調製して、活性の
測定に関して述べた方法で上記アッセイにおいて試験する。 キメラC3’−エンド及びC2’−エンド修飾を有するHa−rasアンチセ
ンスオリゴヌクレオチドと、それらの対照
【0286】
【表20】
【0287】 方法7 in vivoヌクレアーゼ耐性 キメラC3’−エンド及びC2’−エンド修飾オリゴヌクレオチドのin v
ivoヌクレアーゼ耐性を、マウスの血漿と組織(腎臓と肝臓)において研究す
る。このために、C−rafオリゴヌクレオチド系列配列番号:54を用いて、
以下の表に列挙した下記5ヌクレオチドを相対的ヌクレアーゼ耐性に関して評価
する。
【0288】
【表21】
【0289】
【表22】
【0290】
【表23】
【0291】
【表24】
【0292】
【表25】
【0293】 方法8 in vivoヌクレアーゼ耐性に関する動物研究 研究すべき各オリゴヌクレオチドに対して、9匹の雄BALB/cマウス(C
harles River,Wilmington,MA)、体重約25gを用
いる(Crooke等,J.Pharmacol.Exp.Ther.,199
6,277,923)。1週間の順化後に、マウスにリン酸緩衝化生理食塩水(
PBS)、pH7.0中で投与されるオリゴヌクレオチド(5mg/kg)の単
回尾静脈注射を受けさせる。投与溶液中のオリゴヌクレオチドの最終濃度はPB
S製剤に対して(5mg/kg)である。一方の眼窩後方出血(投与後0.25
、9.05、2若しくは4のいずれか)と末梢出血(投与後1、3、8若しくは
24時間のいずれか)とを各グループから回収する。末梢出血(約0.6〜0.
8ml)はケタミン/キシラジン麻酔後の心臓穿刺によって回収する。血液をE
DTA被覆回収管に移し、遠心分離して血漿を得る。終了時に、各マウスから肝
臓と腎臓を回収する。血漿と組織ホモジネートとを分析に用いて、完全なオリゴ
ヌクレオチドの含量をCGEによって判定する。全てのサンプルは回収後直ちに
ドライアイス上で凍結させ、分析まで−80℃において貯蔵する。
【0294】 方法9 ヌクレアーゼ耐性キャップを有する及び有さない、キメラC3’−エンド及びC
2’−エンド修飾オリゴヌクレオチドによるRNアーゼH研究 オリゴヌクレオチドの32P標識 オリゴリボヌクレオチド(センス鎖)を[32P]ATP、T4ポリヌクレオチ
ドキナーゼ及び標準方法を用いて32Pによって5’−末端標識した(Ausub
el,F.M.,Brent,R.,Kingston,R.E.,Moore
,D.D.,Seidman,J.G.,Smith,J.A.及びStruh
l,K.,Current Protocols in Molecular
Biology,John Wiley,New York(1989))。標
識したRNAを12%変性PAGE上での電気泳動によって精製した(Samb
rook,J.,Frisch,E.F.及びManiatis,T.,Mol
ecular Cloning:A Laboratory Manual,C
old Spring Harbor Laboratory Press,P
lainview(1989))。標識オリゴヌクレオチドの比活性は約600
0cpm/fmolであった。
【0295】 RNアーゼH切断パターンの測定 750nMアンチセンスオリゴヌクレオチド、500nMセンスオリゴリボヌ
クレオチド及び100,000cpm32P標識センスオリゴリボヌクレオチドを
含有する反応緩衝液[20mM Tris−HC(pH7.5)、20mM K
Cl、10mM MgCl2、0.1mM DTT]120μl中でのハイブリ
ダイゼーション反応を用意した。反応を90℃において5分間加熱し、1単位の
Inhibit−ACEを加えた。サンプルを37℃において一晩インキュベー
トした。ハイブリダイゼーション反応を初期速度測定のために1.5x10.8 -8 mgの大腸菌(E.coli)RNアーゼH酵素と共に、37℃においてイン
キュベートしてから、特定の時点においてクエンチした。サンプルをトリクロロ
酢酸(TCA)アッセイによって又は変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動によ
って既述されたように分析した[Crooke,S.T.,Lemonidis
,K.M.、Neilson,L.,Griffey,R.,Lesnik,E
.A.及びMonia,B.P.,大腸菌RNアーゼH1の動力学的特徴:種々
なアンチセンスオリゴヌクレオチド−RNA二本鎖の切断,Biochem.J
.,312,599(1995);Lima,W.F.とCrooke,S.T
.,Biochemistry 36,390−398,1997]。
【0296】 当業者は、本発明の好ましい実施態様に対して非常に多様な変更と修飾がなさ
れうること、及びこのような変更と修飾が本発明の要旨から逸脱せずになされう
ることを理解するであろう。それ故、特許請求の範囲はこのような同等の変化の
全てを、本発明の要旨及び範囲内に入るものとして包含するように意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明のオリゴヌクレオチドのB形部分(C2’エンド/C4’エン
ド部分)に用いるためのヌクレオチドフラグメントの好ましいグループを例示す
る。
【図2】 図2は、本発明のオリゴヌクレオチドのA形部分(C3’エンド部分)に用い
るためのヌクレオチドフラグメントの好ましいグループを例示する。
【図3】 図3は、本発明のオリゴヌクレオチドの3’末端のA形部分に用いるためのヌ
クレオチドフラグメントの好ましいグループを例示する。
【図4】 図4は、5mg/kgオリゴヌクレオチドのi.v.ボラスの投与後1時間に
血漿中に完全な状態で残留する全長オリゴヌクレオチドの%のプロットである。
【図5】 図5は、5mg/kgオリゴヌクレオチドのi.v.ボラスの投与後24時間
に組織中に完全な状態で残留する全長オリゴヌクレオチドの%のプロットである
【図6】 図6は、24時間後のマウス肝臓サンプルとマウス腎臓サンプルの両方におけ
る試験オリゴヌクレオチドと標準ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドのCG
Eトレースを示す。
【図7】 図7は、bEND細胞におけるC−raf発現に及ぼす本発明のオリゴヌクレ
オチドの効果のグラフ(対照と比較)である。
【図8】 図8は、特定の化合物による治療後18時間のG3PDHシグナルに対して標
準化した対照%としての棒グラフを示す。
【図9】 図9は、特定の化合物による治療後18時間のG3PDHシグナルに対して標
準化した対照%としての棒グラフを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 15/09 ZNA C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 モーハン,ベンカトラマン アメリカ合衆国カリフォルニア州92009, カールズバッド,ビア・カバナ 7042 Fターム(参考) 4B024 AA01 CA05 HA12 HA17 4C057 AA18 BB04 DD03 LL29 MM02 4C084 AA13 BA35 CA59 MA66 ZB212 ZB262 ZB272

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドであって、 該複数のヌクレオチドの第一部分は、B型立体配座幾何学形状を有し、しかも
    連続配列中で互いに結合していて、該第一部分の該ヌクレオチドの少なくとも二
    つは、リボヌクレオチドまたはアラビノヌクレオチドであり;そして 該複数のヌクレオチドの追加部分は、A型立体配座幾何学形状を有するリボヌ
    クレオチドであり、しかも少なくとも一つの連続配列中で互いに結合しているオ
    リゴヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 前記第一部分のヌクレオチドが、それぞれ独立して、2’−
    SCH3リボヌクレオチド、2’−NH2リボヌクレオチド、2’−NH(C1
    2アルキル)リボヌクレオチド、2’−N(C1−C2アルキル)2リボヌクレオ
    チド、2’−CF3リボヌクレオチド、2’=CH2リボヌクレオチド、2’=C
    HFリボヌクレオチド、2’=CF2リボヌクレオチド、2’−CH3リボヌクレ
    オチド、2’−C25リボヌクレオチド、2’−CH=CH2リボヌクレオチド
    または2’−C≡CHリボヌクレオチドである請求項1に記載のオリゴヌクレオ
    チド。
  3. 【請求項3】 前記第一部分の前記ヌクレオチドがそれぞれ、リン酸基結合
    、ホスホロチオエート結合、ホスホロジチオエート結合またはボラノホスフェー
    ト結合によって前記連続配列中で互いに結合している請求項1に記載のオリゴヌ
    クレオチド。
  4. 【請求項4】 前記追加部分のヌクレオチドが、それぞれ独立して、2’−
    フルオロヌクレオチド、または式IまたはII 【化1】 (式中、Eは、C1−C10アルキル、N(Q1)(Q2)またはN=C(Q1)(Q 2 )であり; Q1およびQ2は、それぞれ独立して、H、C1−C10アルキル、ジアルキルア
    ミノアルキル、窒素保護基、束縛されたまたは束縛されていない結合基、固体支
    持体へのリンカーであり、または Q1およびQ2は、一緒になって、窒素保護基中、またはNおよびOより選択さ
    れる少なくとも1個の追加のヘテロ原子を含むことができる環構造中で結合して
    いて; R3は、OX、SXまたはN(X)2であり; Xは、それぞれ独立して、H、C1−C8アルキル、C1−C8ハロアルキル、C
    (=NH)N(H)Z、C(=O)N(H)ZまたはOC(=O)N(H)Zで
    あり; Zは、HまたはC1−C8アルキルであり; L1、L2およびL3は、約4〜約7個の炭素原子を有する、または約3〜約6
    個の炭素原子および酸素、窒素および硫黄より選択される1個または2個のヘテ
    ロ原子を有する環系を形成し、そしてここにおいて、該環系は、脂肪族、不飽和
    脂肪族、芳香族、または飽和または不飽和の複素環式であり; Yは、1〜約10個の炭素原子を有するアルキルまたはハロアルキル、2〜約
    10個の炭素原子を有するアルケニル、2〜約10個の炭素原子を有するアルキ
    ニル、6〜約14個の炭素原子を有するアリール、N(Q1)(Q2)、O(Q1
    )、ハロ、S(Q1)またはCNであり; q1は、それぞれ独立して、2〜10であり; q2は、それぞれ独立して、0または1であり; mは、0、1または2であり; pは、1〜10であり;そして q3は、1〜10であり、但し、pが0である場合、q3は1より大であるとい
    う条件付である) を有する2’−置換基を有するヌクレオチドである請求項1に記載のオリゴヌク
    レオチド。
  5. 【請求項5】 前記追加部分の前記ヌクレオチドが、それぞれ独立して、2
    ’−Fリボヌクレオチド、2’−O−(C1−C6アルキル)リボヌクレオチド、
    または2’−O−(C1−C6置換アルキル)リボヌクレオチドであって、その置
    換がC1−C6エーテル、C1−C6チオエーテル、アミノ、アミノ(C1−C6アル
    キル)またはアミノ(C1−C6アルキル)2であるものである請求項1に記載の
    オリゴヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 前記追加部分の前記ヌクレオチドの全部が、3’−5’ホス
    ホジエステル結合、2’−5’ホスホジエステル結合、ホスホロチオエート結合
    、Spホスホロチオエート結合、Rpホスホロチオエート結合、ホスホロジチオ
    エート結合、3’−デオキシ−3’−アミノホスホロアミデート結合、3’−メ
    チレンホスホネート結合、メチレン(メチルイミノ)結合、ジメチルヒドラジノ
    結合、アミド3結合、アミド4結合またはボラノホスフェート結合によって連続
    配列中で互いに結合している請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 前記追加部分の前記ヌクレオチドの少なくとも二つが、前記
    複数のヌクレオチドの前記第一部分の前記連続配列に3’位である連続配列中で
    互いに結合している請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  8. 【請求項8】 前記追加部分の前記ヌクレオチドの少なくとも二つが、前記
    第一部分の前記連続配列に5’位である連続配列中で互いに結合している請求項
    1に記載のオリゴヌクレオチド。
  9. 【請求項9】 前記追加部分の前記ヌクレオチドの少なくとも二つが、前記
    第一部分の前記連続配列に3’位である連続配列中で互いに結合していて、前記
    追加部分の少なくとも二つが、前記第一部分の前記連続配列に5’位である連続
    配列中で互いに結合している請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  10. 【請求項10】 前記第一部分のヌクレオチドが、それぞれ独立して、2’
    −SCH3リボヌクレオチド、2’−NH2リボヌクレオチド、2’−NH(C1
    −C2アルキル)リボヌクレオチド、2’−N(C1−C2アルキル)2リボヌクレ
    オチド、2’=CH2リボヌクレオチド、2’−CH3リボヌクレオチド、2’−
    25リボヌクレオチド、2’−CH=CH2リボヌクレオチドまたは2’−C
    ≡CHリボヌクレオチドである請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  11. 【請求項11】 前記第一部分のヌクレオチドが、それぞれ独立して、2’
    −SCH3リボヌクレオチド、2’−NH2リボヌクレオチド、2’−NH(C1
    −C2アルキル)リボヌクレオチド、2’−N(C1−C2アルキル)2リボヌクレ
    オチドまたは2’−CH3リボヌクレオチドである請求項1に記載のオリゴヌク
    レオチド。
  12. 【請求項12】 前記第一部分のヌクレオチドが、それぞれ独立して、2’
    −SCH3リボヌクレオチド、2’−NH2リボヌクレオチドまたは2’−CH3
    リボヌクレオチドである請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  13. 【請求項13】 前記第一部分のヌクレオチドがそれぞれ、2’−SCH3
    リボヌクレオチドである請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  14. 【請求項14】 前記第一部分のヌクレオチドが、それぞれ独立して、2’
    −CNアラビノヌクレオチド、2’−Fアラビノヌクレオチド、2’−Clアラ
    ビノヌクレオチド、2’−Brアラビノヌクレオチド、2’−N3アラビノヌク
    レオチド、2’−OHアラビノヌクレオチド、2’−O−CH3アラビノヌクレ
    オチドまたは2’−デヒドロ−2’−CH3アラビノヌクレオチドである請求項
    1に記載のオリゴヌクレオチド。
  15. 【請求項15】 前記第一部分のヌクレオチドが、それぞれ独立して、2’
    −Fアラビノヌクレオチド、2’−OHアラビノヌクレオチドまたは2’−O−
    CH3アラビノヌクレオチドである請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  16. 【請求項16】 前記第一部分のヌクレオチドが、それぞれ独立して、2’
    −Fアラビノヌクレオチドまたは2’−OHアラビノヌクレオチドである請求項
    1に記載のオリゴヌクレオチド。
  17. 【請求項17】 前記第一部分のヌクレオチドがそれぞれ、2’−Fアラビ
    ノヌクレオチドである請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  18. 【請求項18】 前記第一部分のヌクレオチドが、それぞれ独立して、2’
    −SCH3リボヌクレオチド、2’−NH2リボヌクレオチド、2’−NH(C1
    −C2アルキル)リボヌクレオチド、2’−N(C1−C2アルキル)2リボヌクレ
    オチド、2’−CH3リボヌクレオチド、2’−CH=CH2リボヌクレオチドま
    たは2’−C≡CHリボヌクレオチドであり;そして 前記追加部分のヌクレオチドが、それぞれ独立して、2’−Fリボヌクレオチ
    ド、2’−O−(C1−C6アルキル)リボヌクレオチド、または2’−O−(C 1 −C6置換アルキル)リボヌクレオチドであって、その置換がC1−C6エーテル
    、C1−C6チオエーテル、アミノ、アミノ(C1−C6アルキル)またはアミノ(
    1−C6アルキル)2であるものである請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  19. 【請求項19】 前記第一部分のヌクレオチドが、それぞれ独立して、2’
    −CNアラビノヌクレオチド、2’−Fアラビノヌクレオチド、2’−Clアラ
    ビノヌクレオチド、2’−Brアラビノヌクレオチド、2’−N3アラビノヌク
    レオチド、2’−OHアラビノヌクレオチド、2’−O−CH3アラビノヌクレ
    オチドまたは2’−デヒドロ−2’−CH3アラビノヌクレオチドであり;そし
    て 前記追加部分のヌクレオチドが、それぞれ独立して、2’−Fリボヌクレオチ
    ド、2’−O−(C1−C6アルキル)リボヌクレオチド、または2’−O−(C 1 −C6置換アルキル)リボヌクレオチドであって、その置換がC1−C6エーテル
    、C1−C6チオエーテル、アミノ、アミノ(C1−C6アルキル)またはアミノ(
    1−C6アルキル)2であるものである請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  20. 【請求項20】 前記第一部分のヌクレオチドが、それぞれ独立して、2’
    −Fアラビノヌクレオチドまたは2’−OHアラビノヌクレオチドであり;そし
    て 前記追加部分のヌクレオチドがそれぞれ、2’−O−(C1−C6置換アルキル
    )リボヌクレオチドであって、その置換がC1−C6エーテル、C1−C6チオエー
    テル、アミノ、アミノ(C1−C6アルキル)またはアミノ(C1−C6アルキル) 2 であるものである請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  21. 【請求項21】 前記追加部分が、前記オリゴヌクレオチドの3’末端に位
    置する連続配列中で互いに結合した少なくとも二つのヌクレオチドを含む請求項
    1に記載のオリゴヌクレオチド。
  22. 【請求項22】 前記追加部分が、前記オリゴヌクレオチドの5’末端に位
    置する連続配列中で互いに結合した少なくとも二つのヌクレオチドを含む請求項
    1に記載のオリゴヌクレオチド。
  23. 【請求項23】 前記追加部分が、前記オリゴヌクレオチドの3’末端に位
    置する連続配列中で互いに結合した少なくとも二つのヌクレオチド;および 前記オリゴヌクレオチドの5’末端に位置する連続配列中で互いに結合した少
    なくとも二つのヌクレオチドを含む請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
  24. 【請求項24】 前記互いに結合した少なくとも二つのヌクレオチドが、2
    ’−5’ホスホジエステル結合、3’−メチレンホスホネート結合、Spホスホ
    ロチオエート結合、メチレン(メチルイミノ)結合、ジメチルヒドラジノ結合、
    3’−デオキシ−3’−アミノホスホロアミデート結合、アミド3結合またはア
    ミド4結合によって互いに結合したヌクレオチドを含む請求項21に記載のオリ
    ゴヌクレオチド。
  25. 【請求項25】 前記二つのヌクレオチドが、2’−5’ホスホジエステル
    結合、3’−メチレンホスホネート結合、Spホスホロチオエート結合またはメ
    チレン(メチルイミノ)結合によって互いに結合している請求項24に記載のオ
    リゴヌクレオチド。
  26. 【請求項26】 前記互いに結合した少なくとも二つのヌクレオチドが、2
    ’−5’ホスホジエステル結合、3’−メチレンホスホネート結合、Spホスホ
    ロチオエート結合、メチレン(メチルイミノ)結合、ジメチルヒドラジノ結合、
    3’−デオキシ−3’−アミノホスホロアミデート結合、アミド3結合またはア
    ミド4結合によって互いに結合したヌクレオチドを含む請求項22に記載のオリ
    ゴヌクレオチド。
  27. 【請求項27】 前記二つのヌクレオチドが、2’−5’ホスホジエステル
    結合、3’−メチレンホスホネート結合、Spホスホロチオエート結合またはメ
    チレン(メチルイミノ)結合によって互いに結合している請求項26に記載のオ
    リゴヌクレオチド。
  28. 【請求項28】 前記互いに結合し且つ前記3’末端に位置した少なくとも
    二つのヌクレオチドが、2’−5’ホスホジエステル結合、3’−メチレンホス
    ホネート結合、Spホスホロチオエート結合、メチレン(メチルイミノ)結合、
    ジメチルヒドラジノ結合、3’−デオキシ−3’−アミノホスホロアミデート結
    合、アミド3結合またはアミド4結合によって互いに結合したヌクレオチドを含
    み;そして 前記互いに結合し且つ前記5’末端に位置した少なくとも二つのヌクレオチド
    が、2’−5’ホスホジエステル結合、3’−メチレンホスホネート結合、Sp
    ホスホロチオエート結合、メチレン(メチルイミノ)結合、ジメチルヒドラジノ
    結合、3’−デオキシ−3’−アミノホスホロアミデート結合、アミド3結合ま
    たはアミド4結合によって互いに結合したヌクレオチドを含む請求項23に記載
    のオリゴヌクレオチド。
  29. 【請求項29】 前記3’末端で互いに結合した前記二つのヌクレオチドお
    よび前記5’末端で互いに結合した前記二つのヌクレオチドが、独立して、2’
    −5’ホスホジエステル結合、3’−メチレンホスホネート結合、Spホスホロ
    チオエート結合またはメチレン(メチルイミノ)結合によって互いに結合してい
    る請求項28に記載のオリゴヌクレオチド。
  30. 【請求項30】 前記互いに結合した二つのヌクレオチドの少なくとも一つ
    が、2’−アルキルアミノ置換ヌクレオチドである請求項21に記載のオリゴヌ
    クレオチド。
  31. 【請求項31】 前記互いに結合した二つのヌクレオチドの少なくとも一つ
    が、2’−アルキルアミノ置換ヌクレオチドである請求項22に記載のオリゴヌ
    クレオチド。
  32. 【請求項32】 前記3’末端で互いに結合した前記二つのヌクレオチドの
    少なくとも一つが、2’−アルキルアミノ置換ヌクレオチドであり、そして 前記5’末端で互いに結合した前記二つのヌクレオチドの少なくとも一つが、
    2’−アルキルアミノ置換ヌクレオチドである請求項23に記載のオリゴヌクレ
    オチド。
  33. 【請求項33】 複数の結合したヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドで
    あって、 該ヌクレオチドの少なくとも一つが、C3’エンド型パッカーを有し;そして 該複数のヌクレオチドの少なくとも二つが、連続配列中で互いに結合していて
    且つC2’エンド型パッカーまたはO4’エンド型パッカーを有し、但し、該ヌ
    クレオチドは、2’−デオキシエリスロペントフラノシルヌクレオチドではない
    という条件付であるオリゴヌクレオチド。
  34. 【請求項34】 前記C3’エンド型パッカーを有する前記ヌクレオチドが
    、前記C2’エンド型パッカーまたはO4’エンド型パッカーを有するヌクレオ
    チドの前記連続配列に3’位である連続配列中で互いに結合している請求項33
    に記載のオリゴヌクレオチド。
  35. 【請求項35】 前記C3’エンド型パッカーを有する前記ヌクレオチドが
    、前記C2’エンド型パッカーまたはO4’エンド型パッカーを有するヌクレオ
    チドの前記連続配列に5’位である連続配列中で互いに結合している請求項33
    に記載のオリゴヌクレオチド。
  36. 【請求項36】 前記C3’エンド型パッカーを有する前記ヌクレオチドの
    少なくとも二つが、前記C2’エンド型パッカーまたはO4’エンド型パッカー
    を有する前記ヌクレオチドの前記連続配列に3’位である連続配列中で互いに結
    合していて;そして 前記C3’エンド型パッカーを有する前記ヌクレオチドの少なくとも二つが、
    前記C2’エンド型パッカーまたはO4’エンド型パッカーを有する前記ヌクレ
    オチドの前記連続配列に5’位である連続配列中で互いに結合している請求項3
    3に記載のオリゴヌクレオチド。
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