JP2013520395A - 治療、診断、g‐テトラド形成オリゴヌクレオシド及びアプタマーといった生物学的応用のための新規修飾を取り入れたアラ‐2’‐o‐メチル‐ヌクレオシド、当該ホスホラミダイト及びオリゴヌクレオチドの合成 - Google Patents
治療、診断、g‐テトラド形成オリゴヌクレオシド及びアプタマーといった生物学的応用のための新規修飾を取り入れたアラ‐2’‐o‐メチル‐ヌクレオシド、当該ホスホラミダイト及びオリゴヌクレオチドの合成 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013520395A JP2013520395A JP2011551073A JP2011551073A JP2013520395A JP 2013520395 A JP2013520395 A JP 2013520395A JP 2011551073 A JP2011551073 A JP 2011551073A JP 2011551073 A JP2011551073 A JP 2011551073A JP 2013520395 A JP2013520395 A JP 2013520395A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nucleoside
- ara
- methyl
- nucleosides
- gemcitabine
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07H—SUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
- C07H19/00—Compounds containing a hetero ring sharing one ring hetero atom with a saccharide radical; Nucleosides; Mononucleotides; Anhydro-derivatives thereof
- C07H19/02—Compounds containing a hetero ring sharing one ring hetero atom with a saccharide radical; Nucleosides; Mononucleotides; Anhydro-derivatives thereof sharing nitrogen
- C07H19/04—Heterocyclic radicals containing only nitrogen atoms as ring hetero atom
- C07H19/16—Purine radicals
- C07H19/19—Purine radicals with arabinosyl as the saccharide radical
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/70—Carbohydrates; Sugars; Derivatives thereof
- A61K31/7042—Compounds having saccharide radicals and heterocyclic rings
- A61K31/7052—Compounds having saccharide radicals and heterocyclic rings having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. nucleosides, nucleotides
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P3/00—Drugs for disorders of the metabolism
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07H—SUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
- C07H19/00—Compounds containing a hetero ring sharing one ring hetero atom with a saccharide radical; Nucleosides; Mononucleotides; Anhydro-derivatives thereof
- C07H19/02—Compounds containing a hetero ring sharing one ring hetero atom with a saccharide radical; Nucleosides; Mononucleotides; Anhydro-derivatives thereof sharing nitrogen
- C07H19/04—Heterocyclic radicals containing only nitrogen atoms as ring hetero atom
- C07H19/06—Pyrimidine radicals
- C07H19/09—Pyrimidine radicals with arabinosyl as the saccharide radical
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07H—SUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
- C07H21/00—Compounds containing two or more mononucleotide units having separate phosphate or polyphosphate groups linked by saccharide radicals of nucleoside groups, e.g. nucleic acids
Abstract
【選択図】図12
Description
従来法では、2’‐O‐メチルグアノシン誘導体は、2’,3’‐シス‐ジオール系をジアゾメタンを用いてモノメチル化することにより調整された。N2‐イソブチリル‐2’‐O‐メチルグアノシの合成は、ヨウ化メチルとAg20を用いて、N‐1イミノ基が保護されたN2‐イソブチリル5’,3’‐O‐TIPDSグアノシンとその誘導体上で試みられた。しかしながら、各反応において、塩基部分のメチル化は同時に起きた。
5’,3’‐TIPDSで保護されたグアノシン上での選択的な2’‐O‐メチル化は順調には起こり得ないので、グアノシンのメチル化は、ジアゾメタンを用いて5’NMT‐N2‐Ibu‐グアノシンのシス‐ジオール系上で起きた。
i)TIPS‐Cl/ピリジン、ii)CH3I/NaH/THF、iii)TBAF/THF、iv)DMT‐Cl/ピリジン、v)N,N‐ジイソプロピルアミノ‐シアノエチルホスホルアミド酸クロリド/DIPEA/THF
i)TIPS‐Cl/ピリジン、ii)CH3I/NaH/THF、iii)TBAF/THF、iv)DMT‐Cl/ピリジン、v)N,N‐ジイソプロピルアミノ‐シアノエチルホスホルアミド酸クロリド/THF、vi)NH3/ピリジン
i)TIPS‐Cl/ピリジン、ii)CH3I/NaH/THF、iii)TBAF/THF、iv)DMT‐Cl/ピリジン、v)N,N‐ジイソプロピルアミノ‐シアノエチルホスホルアミド酸クロリド/DIPEA/THF
i)無水酢酸/ピリジン、ii)POCl3/1,2,4‐トリアゾ‐ル/TEA/ACN、iii)メタノール/NH3、iv)TMS‐Cl/Bz‐Cl/ピリジン、v)DMT‐Cl/ピリジン、vi)N,N‐ジイソプロピルアミノ‐シアノエチルホスホルアミド酸クロリド/DIPEA/THF
高度に安定なグアニン四重鎖オリゴ及びグアニン四重鎖アプタマーをデザインするための新規修飾。それは染色体内のテロメアDNAにおいて非常に重要な役割を担い、多くの分野で非常に大きな可能性を発揮することが期待されている。
修飾されたアラヌクレオシドは、修飾ヌクレオシドの新規分類となる。そのような修飾ヌクレオシドをホスホラミダイトとすることで新規分類のオリゴの作製が期待され、また、高度に安定なグアニン四重鎖オリゴ及びアプタマーを創作するための多くの重要な種類のオリゴヌクレオチドが作製される可能性がある。
癌治療(1)、HIV阻害剤(2−4)、オリゴヌクレオチドの構造安定性の制御(5−8)、抗凝固アプタマー(9)、グアニン四重鎖を有するアプタマー設計(10)、ナノテクノロジー(11)、バイオセンサーの設計(12)。
(2)Phan,A.T., et.al., P.N.A.S.USA,102,634−639(2005).G−Tetrads as Potent HIV inhibitors.
(3)Ping,N.J., and Hogan,M.E., J.B.C.,273,34992−34999(1998).G tetrads as potent HIV inhibitors.
(4)Wyatt,J.R., et.al., P.N.A.S.USA,91,1356−1360(1994).Potent anti HIV drug.G−Quartet aptamers.
(5)Giusto,D.A.D., and King,G.C., J.B.C.,35(15),4977−4988(2007).
(6)Peng,C.G., and Damha,M.J., N.A.R.,35(15)、4977−4988(2007).
(7)Schultze,P.,Hud,N.V.,Smith,F.W., and Feigon,J., N.A.R.,27(2),3018−3028(1999).Conformation of Dimeric quadruplexes with G rich sequences.
(8)Dominick,P.K., and Jarstfer,M.B., J.Am.Chem.Soc.,126,18,5050−5051(2004).Folding topology of G−quadruplexes is controlled by conformational constrains.
(9)Padmanabhan,K.,et.al., J.B.C.,268,17651−17654(1993).Inhibition of Thrombin.
(10)Tang,C.F., and Shafer,R.H., J.Am.Chem.Soc.,128,5966−5973(2006).Engineering Guanosine Quadruplexes.
(11)Alberti,P., and Mergny,J.L., P.N.A.S.,100,1569−1573(2003).Nanotechnology.
(12)Ueyama,H.,Takagi,M.,Takenaka,S., J.A.C.S.,124,14286−14287(2001).Biosensor design.
R1は、置換又は非置換(C1−C12)アルキル基、置換又は非置換(C3−C20)シクロアルキル基、もしくは置換又は非置換(C3−C20)シクロアルキル(C1−C12)アルキル基で、前記アルキル又はシクロアルキル基は任意で介在する異種原子(NH、NR7、O及びSから独立して選ばれる)を含む。
R2は、置換又は非置換(C1−C12)アルキル基、置換又は非置換(C3−C20)シクロアルキル基、もしくは置換又は非置換(C3−C20)シクロアルキル(C1−C12)アルキル基で、前記アルキル又はシクロアルキル基は任意で介在する異種原子(NH、NR7、O及びSから独立して選ばれる)を含む。ないしは、R1及びR2は窒素原子とともに4−7員環の非芳香族ヘテロシクリルを形成し、当該ヘテロシクリルは任意で介在する異種原子(NH、NR7、O及びSから独立して選ばれる)を含んでもよい。
R3は、リン酸保護基である。
Bnは、水素、又は任意で置換した核酸塩基(環外アミンがアミン保護基で任意に官能基化)である。前記核酸塩基は、以下から選ばれる:N6、N6‐ジメチルアデニン、N6‐ベンゾイルアデニン、N‐1‐メチルアデニン、7‐デアザアデニン、7‐デアザ‐8‐アザアデニン、3‐デアザアデニン、エテノアデニン、イソグアニン、N1‐メチルグアニン、7‐ヨード‐7‐デアザグアニン、7‐デアザ‐7‐ヨードアデニン、7‐デアザ‐7‐ヨード‐6‐オキソプリン、5‐ヨード‐5‐メチル‐7‐デアザグアニン、−C≡C(CH2)1−8‐フタルイミドで置換された7‐デアザグアニン、7‐デアザ‐8‐アザグアニン、8‐メチルグアニン、8‐ブロモグアニン、8‐アミノグアニン、ヒポキサンチン、6‐メトキシプリン、7‐デアザ‐6‐オキソプリン、6‐オキソプリン、2‐アミノプリン、2、6‐ジアミノプリン、8‐ブロモプリン、8‐アミノプリン、8‐アルキルアミノプリン、8‐アルキルアミノプリン、チミン、N‐3メチルチミン、5‐アクロキシメチルシトシン、5‐アザシトシン、イソシトシン、N‐4(C1‐C6)アルキルシトシン、N‐3(C1−C6)アルキルシチジン、5‐プロピニルシトシン、5‐ヨード‐シトシン、5‐(C1−C6)アルキルシトシン、5‐アリル(C1−C6)アルキルシトシン、5‐トリフルオロメチルシトシン、5‐メチルシトシン、エテノシトシン、−CH=CH−C(=O)NH(C1−C6)アルキルで置換されたシトシン及びウラシル、−C≡C−CH2‐フタルイミドで置換されたシトシン及びウラシル、NH(C1−C6)アルキル、4‐チオウラシル、2‐チオウラシル、N3‐チオベンゾイルエチルウラシル、5‐プロピニルウラシル、5‐Oアセトキシメチルウラシル、5‐フルオロウラシル、5‐クロロウラシル、5‐ブロモウラシル、5‐ヨードウラシル、4‐チオウラシル、N‐3‐(C1−C6)アルキルウラシル、5‐(3‐アミノアリル)‐ウラシル、5‐(C1−C6)アルキルウラシル、5‐アリル(C1−C6)アルキルウラシル、5‐トリフルオロメチルウラシル、4‐トリアゾリル‐5‐メチルウラシル、2‐ピリドン、2‐オキソ‐5‐メチルピリミジン、2‐オキソ‐4‐メチルチオ‐5‐メチルピリミジン、2‐チオカルボニル‐4‐オキソ‐5‐メチルピリミジン、及び4‐オキソ‐5‐メチルピリミジン。
上記において、前記核酸塩基又は前記環外アミン内の置換可能な窒素原子はいずれも、任意でフルオレニルメチルオキシカルボニル、−C(=O)Oフェニル、−C(=O)(C1−C16)アルキル、−C(=O)(C2−C16)アルケキル[edertz1]、−C(=O)(C1−C16)アルキレン‐C(=O)OH、−C(=O)(C1−C16)アルキレン‐C(=O)O(C1−C16)アルキル、[edertz2]=CR8N(C1−C6)アルキル2、−C(=O)‐NR8‐(CH2)1−16NR8C(=O)CF3、−C(=O)−(CH2)1−16NR8C(=O)CF3、−C(=O)‐NR8(CH2)1−16NR8C(=O)‐フタルイミド、−C(=O)−(CH2)1−16‐フタルイミド、及び下記化学式で表される基に置換してもよい。
1.前記化合物が式1A及び式1Bで表される、前記段落で説明した化合物。
2.Zが非置換又は置換アリル基、非置換又は置換トリアリルメチル基、非置換又は置換トリチル基、非置換又は置換テトラヒドロピラニル基、又は非置換又は置換9‐フェニルキサンチル基である、前記段落の化合物。
3.Zがジ‐p‐アニシルフェニルメチル、p‐フルオロフェニル‐1‐ナフチルフェニルメチル、p‐アニシル‐1‐ナフチルフェニルメチル、ジ‐O‐アニシル‐1‐ナフチルメチル、ジ‐O‐アニシルフェニルメチル、p‐トリルジフェニルメチル、ジ‐p‐アニシルフェニルメチル、ジ‐O‐アニシル‐1‐ナフチルメチル、ジ‐p‐アニシルフェニルメチル、ジ‐O‐アニシルフェニルメチル、ジ‐p‐アニシルフェニルメチル、又はp‐トリルジフェニルメチルである、前述の化合物。
4.Zが下記構造式で表される前述の化合物。
6.前記核酸塩基内又は前記環外アミン内の置換可能な窒素原子が任意で以下の化学式で表される基、
=CHN(CH3)2、−C(=O)CH(CH3)2、−C(=O)CH3、=C(CH3)N(CH3)2、−C(=O)Oフェニル、‐C(=O)CH2CH2CH=CH2、‐C(=O)CH2CH2−C(=O)O(C1−C6)アルキル、−C(=O)−NR8‐(CH2)1−16NR8C(=O)CF3、−C(=O)‐(CH2)1−16NR8C(=O)CF3、−C(=O)‐NR8(CH2)1−16NR8C(=O)‐フタルイミド、−C(=O)−(CH2)1−16‐フタルイミド、
又は以下の化学式で表される基に置換された前記化合物。
R3が−CH2CH2CN、である前記化合物。
上記において、a)、b)、c)、d)、又はe)基における核酸塩基又は環外アミン内の置換可能な窒素原子はいずれも任意で、イソブチリル、フェノキシアセチル、tert‐ブチルフェノキシアセチル、イソプロピルフェノキシアセチル、アセチル、−C(O)OCH3、ジ(C1−C6)アルキルホルムアミジン、p‐クロロベンゾイル、o‐クロロベンゾイル、o‐ニトロベンゾイル、p‐ニトロベンゾイル、フルオレニルメチルオキシカルボニル、ニトロフェニルエチル、フタロイル、ベンジル(Bn)基、p‐メトキシベンジル(PMB)、3,4‐ジメトキシベンジル(DMPM)、p‐メトキシフェニル(PMP)基、及び=CR15N((C1−C6)アルキル)2、
R14又はR15はそれぞれ、独立して置換又は非置換された(C1−C6)アルキル基、置換又は非置換の(C2−C6)アルケニル基、又は置換又は非置換の(C2−C6)アルキニル基、及び、
各々におけるmは独立して0〜12の値を取る。
分子モデリング実験より、我々は、オリゴヌクレオチド中の2’‐O‐メチル‐アラ‐グアノシン残基が当該糖に固い2’‐エンド配座(サウス/イースト)を取らせることを見出した。前記グアノシンユニットは、塩基と2’‐アラ‐O‐メチル基の強い立体反発を有している。
アラ‐2’‐O‐メチル‐アデノシン、シトシン、ウラシルのようなヌクレオシド塩基は、アンチ配座を好むようである。
(2’)‐O‐メチル‐アラビノヌクレオシドの前記潜在的能力に加えて、本解析のヌクレオシドは、ヌクレオシドに基づいた治療応用への潜在的可能性を有している。それ故、N‐9‐[β‐D‐アラビノフラノシル]グアニン(アラG)は、B‐リンパ芽球よりもT‐リンパ芽球において高い効率を示すグアノシンヌクレオシドアナログである。アラGはプリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP)による分解に対して比較的耐性で、T‐リンパ芽球における前記選択的細胞毒性は、PNP活性非存在下でのデオキシグアノシンによる細胞毒性と同程度である。このデオキシグアノシン及びその類縁アナログによる細胞腫特異的細胞毒性の分子メカニズムについては、ほとんどわかっていない。しかしながら、最近の研究により、dGTPのミトコンドリア内蓄積及びDNA損傷修復阻害による、このメカニズムにおけるミトコンドリアの役割が示唆されている。アラGの当該三リン酸塩へのリン酸化における律速段階は、当該一リン酸塩への最初のリン酸化である。この最初のリン酸化反応は、前記ミトコンドリアのマトリックスに局在するデオキシグアノシンキナーゼ(dGK)及び前記核のサイトゾルに局在するデオキシシチジンキナーゼ(dCK)という2つの異なる酵素によって触媒される。細胞抽出液中のアラGリン酸化活性だけでなく、精製したdCK及びdGKを用いた研究により、dGKはアラG濃度が低いときの主たるアラGリン酸化酵素であり、dCKはアラG濃度が高いときにより重要なリン酸化酵素であることが示唆されている。これらの結果は、アラG濃度が低いときにはミトコンドリアDNAに優先的に取り込まれる結果と整合している。臨床試験におけるネララビン、アラGの投与毒性は、神経毒性である。また、副作用には、筋疾患、骨髄抑制、及びpe感受性の喪失といったミトコンドリア毒性薬による症状と似た症状が含まれる。
我々の発明によるヌクレオシド(式2A及び2B)は、癌やウィルス感染症といった多くの疾患を治療するための治療薬として用いられることが期待できるので、ヌクレオシドをベースとした抗代謝拮抗剤の分野で現在用いられている多くのテクノロジーについて議論することは適切である。前記概説がヌクレオシド抗代謝拮抗剤とそれらの癌化学療法における有効性の概要を説明し、抗ウィルス剤については以下に説明する。
前記概説がヌクレオシド抗代謝拮抗剤とそれらの癌化学療法における有効性の概要を説明し、抗ウィルス剤については以下に説明する。
(13)DMDCの抗増殖活性はシチジンデアミナーゼの阻害により調節される。
Cancer Research,58,1165−1169,March 15(1998),Hiroyuki Eda,Masako Ura,Kaori F.−Ouchi,Yutaka Tanaka,Masanori Miwa, and Hideo Ishitsuka.
要旨:新規の2’‐デオキシシチジン(2’‐dCyd)アナログ、2’‐デオキシ‐2’‐メチリデンシチジン(DMDC)、ヌクレオシド抗代謝剤は、多種の癌細胞株において抗癌剤として非常に前途有望であることが明らかとなった。研究は作用モード及び作用メカニズムを確立するために行われた。さらに、ゲムシタビンと他の修飾ヌクレオシドであるテトラヒドロウリジンを用いた併用化学療法も評価され、期待がもてることがわかった。
S.A.Johnson, Expert Opin.Pharmacother.,2(6),929−943,June 1(2001).
要旨:この論文は、種々のヌクレオシド抗代謝剤を細胞毒として総括している。シタラビン、クラドリビン、フルダラビン、ゲムシタビン、ネララビン、クロファラビン、及びトロキサシタビンといった多くの例が治療特性の詳細/目録として選ばれている。前記抗癌剤の多くが本来は免疫抑制的であるとの指摘が興味深い。
A.Matsuda,A.Dan,N.Minakawa,S.J.Tregear,S.Okazaki,Y.Sugimoto, and T.Sasaki, J.Med.Chem.,36(26),4190−4194,December 24(1993),Nucleosides and nucleotides,123.
要旨:この論文は、ヌクレオシド抗代謝剤であるβ‐D‐アラビノフラノシルシトシン、ヌクレオシド抗代謝剤であるβ‐D‐アラビノフラノシルウラシル、及びヌクレオシド抗代謝剤であるβ‐D‐アラビノフラノシルチミンに関連した種々のヌクレオシドの新規化学的修飾の合成について詳細に説明している。中程度の抗腫瘍活性のみ認められた。
G.H.Elegemeie, Curr.Pharm.Des.,9(31),2627−2642,January 1(2003).
要旨:この論文は、既知のプリン−ベース抗代謝剤、及びチオプリン−ベースのヌクレオシド抗代謝剤の種々の修飾を総括している。前記チオプリン−ベースのヌクレオシド抗代謝剤の多くの有害副作用を踏まえて、安全な治療薬としての他の手法及び修飾について議論している。
G.C.Daher,B.E.Harris, and R.B.Diasio, Pharmacol.Ther.,48(2),189−222,January 1(1990).
要旨:この論文では、ヌクレオシド抗代謝剤、特にピリミジンヌクレオシド代謝剤の作用モード、及びそれらがどうやって細胞内環境で細胞毒性を発揮するかについて議論している。最もよく知られた4つのピリミジン−ベースヌクレオシド抗代謝剤、すなわち、フルオロウラシル、フルオロデオキシウリジン、シトシンアラビノシド、及びアザシチジン。
V.L.Damaraju,S.Damaraju,J.D.Young,S.A.Baldwin,J.Mackey,M.B.Sawyer, and C.E.Cass, Oncogene,22(47),7524−7536,October 20(2003).細胞内での抗代謝剤、及び種々の可能なメカニズムの概要。
要旨:この論文は、ヌクレオシド抗代謝剤の細胞内への輸送メカニズムについて議論し、hENTs、hCNTsといった種々の因子と、それらのヌクレオシド剤(有害な化学療法)の輸送における役割について概説している。この理解は、より優れたヌクレオシド抗代謝剤デザインのために非常に重要である。
H.Hattori,M.Tanaka,M.Fukushima,T.Sasaki, and A.Matsuda, Nucleosides and nucleotides,158,39(25),5055−5011,December 6(1996).
要旨:この論文は、多機能性抗腫瘍ヌクレオシド抗代謝剤の開発戦略としての新規修飾(1‐(3‐C‐エチニル‐β‐D‐リボ‐ペントフラノシル)ウラシル、EUrd)の合成について説明している。著者は、“生化学的に活性な”エチニル基をウラシルヌクレオシドに導入し、修飾ウリジン(ベータ‐D‐リボ‐ペントフラノシル)ウラシル)とした。しかしながら、中程度の生物学的活性のみが認められた。
Y.Shimamoto,A.Fujioka,H.Kazuno,Y.Murakami,H.Ohshima,T.Kato,A.Matsuda,T.Sasaki, and M.Fukushima, Jpn.J.Cancer Res.,92(3),343−351,March 1(2001).
要旨:この論文は、シトシンヌクレオチドの3‐C‐エチニル修飾の合成を説明した先行論文と同様である。この修飾により、癌化学療法に有益な抗腫瘍活性と強い細胞毒性を有し、副作用がより少ないことが明らかな修飾ヌクレオシド抗代謝剤が得られる。
R.S.McElhinney,J.E.McCormick,M.C.Bibby,J.A.Double,M.Radacic, and P.Dumont, J.Med.Chem.,39(7),1403−1412,March 29(1996).Nucleoside analogs,14.
要旨:この論文は、ヌクレオシド抗代謝剤である5‐フルオロウラシルとN‐(2‐クロロエチル)‐N‐ニトロソウレア部の結合による組み合わせに由来する修飾ヌクレオシドを説明している。ある程度の抗腫瘍活性が認められた。
J.Pressacco,J.S.Wiley,G.P.Jamieson,C.Erlichman, and D.W.Hedley, Br.J.Cancer,72(4),939−942,October 1(1995).
要旨:この研究は、デノボのヌクレオシド合成経路の当該段階における感受性の高いヌクレオシドトランスポーター(es)の活性の測定及び調節と、それによるヌクレオシド抗代謝剤の制御を目的として行われた。ヒドロキシウレア及び5‐フルオロウラシル(5‐FU)といったDNA前駆体のデノボ合成を阻害するDNA合成阻害剤はesの発現増加を引き起こしたのに対し、別のヌクレオシド抗代謝剤であるシトシンアラビノシド(アラ‐C)はes発現レベルの有意な増加は引き起こさなかった。
要旨:ヌクレオシド輸送阻害剤はヌクレオシド抗代謝剤の生物活性を調節する。この論文では、ヌクレオシド輸送を担う酵素と結合しうるニトロベンジルチオイノシン(NBMPR)及びジピリダモールといったヌクレオシド輸送阻害剤の効果が研究されている。
N.J.Curtin,K.J.Bowman,R.N.Turner,B.Huang,P.J.Loughlin,A.H.Calvert,B.T.Golding,R.J.Griffin, and D.R.Newell, Br.J.Cancer,80(11),1738−1746,August 1(1999).
要旨:本著者によって、ヌクレオシド輸送阻害剤を開発することにより、当該ヌクレオシド抗代謝剤の生物活性を促進する新規手法が用いられた。多くのジピリダモールが、ヌクレオシドの取り込みを阻害しうる活性を有し、それによりDNA合成を阻害しうることが示された。
S.Grant,A.Turner,P.Nelms, and S.Yanovich, Leukemia,9(5),808−814,May 1(1955).
要旨:抗癌剤に伴う重要な問題の一つに、化学療法中に生じる多剤耐性(MDR)がある。この論文では、著者はヌクレオシドアナログ代謝剤である1‐β‐D‐アラビノフラノシルシトシン(アラ‐C)を用いた場合のMDRのメカニズムについて研究を行った。これらのヌクレオシドのモノリン酸塩の形成及び当該リン酸化を担う酵素が、耐性をコントロールする因子のようである。
A.Sternberg, Curr.Opin.Investig.Drugs,4(12),1479−1487,December 1(2003).
要旨:この論文では、種々の型の腫瘍及び種々の型の癌の治療に有望な新規の修飾ヌクレオシド代謝剤であるクロファラビンについて議論している。
G.S.Stoica,H.E.Greenberg, and L.J.Rossoff(Division of Pulmonary and Critical Care Medicine,Long Island Jewish Medical Center,New Hyde Park,New York,11042−1101,USA.),Oncol.,25(4),340−341,August 1(2002).
要旨:修飾ヌクレオシド(フリーの5’‐ヒドロキシル基を有する)のみがヌクレオシド抗代謝剤ではなく、これらヌクレオシドの当該5’‐一リン酸塩もヌクレオシド抗代謝剤であり、前記フリーの5’‐ヒドロキシル基を有するヌクレオシドと同様の原理、すなわち、DNA合成時に取り込まれて(その結果として)DNA合成を止めることにより作用する。2位にフルオロ基を有するフルダラビンは、既知のヌクレオシド抗代謝剤であるアラ‐A(9‐β‐D‐アラビノフラノシルアデニン、ビダラビン)にフッ素を導入することにより開発された。本論文は、このヌクレオシド抗代謝剤の臨床的効用データ及び毒性への寄与について報告している。
R.L.Heideman,C.McCully,F.M.Balis, and D.G.Poplack, Invest.New Drugs,11(2−3),135−140,May 1(1993).
要旨:5‐アザ‐2’‐デオキシシチジン及び5‐アザ‐シチジンは大変強力な抗癌剤で、現在癌の化学療法に用いられている。新規ヌクレオシド抗代謝剤であるアラビノシル‐5‐アザシトシン(AAC)は構造的に5‐アザ‐2’‐デオキシシチジン及び5‐アザ‐シチジンに似ており、強い抗腫瘍活性も示す。本論文は、霊長類における臨床的評価について報告している。
T.J.Melink,G.Sarosy,A.R.Hanauske,J.L.Phillips,J.H.Bayne,M.R.Grever,H.N.Jayaram, and D.D.Von Hoff, Sel.Cancer Ther.,6(1),51−61,March 1(1990).
要旨:本論分は、他のヌクレオシド抗代謝剤であるチアゾフリン(2‐B‐D‐リボフラノシルチアゾール‐4‐カルボキサミド、NSC286193)を用いた薬理学的及び生化学的研究を報告している。プリンヌクレオシドそのものの合成の生合成経路に作用する別クラスのヌクレオシド抗代謝剤もある。このことは、DNA合成を阻害と抗腫瘍活性をもたらす。しかしながら、この化合物は、かなりのレベルの細胞毒性を伴うことがわかった。
Aleskog,R.Larsson,M.Hoglund,C.Sundstrom, and J.Kristensen, Eur.J.Haematol.,62(5),293−299,May 1(1999).
要旨:この論文は、(CdA)、シタラビン(アラC)、及びゲムシタビンといった確立されている数少ないピリミジン抗代謝剤を用いた臨床研究データを報告している。細胞毒性について行った実験により、非ホジキンリンパ腫(NHL)、軽度NHL、及び急性白血病に対する有効性が明らかとなった。ゲムシタビン及びアラCは軽度NHLに対して有望であることが示された。
G.Del,Bino,X.Li,F.Traganos, and Z.Darzynkiewicz, Leukemia,8(2),281−288,February 1(1994).
要旨:この研究では、細胞周期を変化させる薬剤又は化学物質が先に投与されていると(S‐期やアポトーシスの間)、化学療法薬(放射線を含む)、ヌクレオシド抗代謝剤の有効性が減少するようであることが示された。反対に、細胞周期を変化させる薬剤又は化学物資を前記とは逆の順番で投与した場合には、細胞死又はアポトーシスの促進が期待される。
L.Novotny,A.Vachalkova, and A.Piskala, Bioenerg.,48(1),129−134,February 1(1999).
要旨:一群のヌクレオシド代謝剤から選んだ一連の天然、合成ヌクレオシドについて、潜在的発癌性が研究された。種々のヌクレオシド代謝剤が発癌性を有することは特筆すべき興味深いことである。
要旨:多くのプリン及びピリミジン抗代謝剤を網羅するこの論文は、E.Michich(Roswell Park Memorial Cancer Institute,Buffalo,NY)によって編集された本の章の一部であり、多くの著名な科学者(概して抗癌化学療法の分野を含む)によって書かれたものである。抗癌剤と特に修飾プリン及びピリミジンからなるヌクレオシド抗代謝剤に対する交差耐性は、早期から認識されていた重要な議題である。この現象のさまざまな機構が研究された。ヌクレオシド抗代謝剤は癌化学療法において非常に有望で効果的だが、この章では概して有意な細胞毒性だけでなく深刻な非有効性を取り上げている。この論文は前記欠点を解消するための種々の取り組みを提示している。
E.Lech−Maranda、A.Korycka, and T.Robak, Haematologica,85(6),588−594.
背景と目的:ゲムシタビン(dFdC)はデオキシシチジンよりなる新規のヌクレオシド抗代謝剤であり、当該構造と代謝の両面においてシタラビン(アラ‐C)と類似している。単独投与、他の薬剤との併用投与のいずれにも関わらず、血液悪性腫瘍におけるdFdCの有効性についてはほとんどわかっていない。本研究では、我々はアラ‐Cの細胞毒性がdFdCと併用した場合に増強されるかについて明らかにすることを試みた。
研究方法:本研究のインビボ実験として、L1210又はP388白血病を有するマウスにdFdCとアラ‐Cを投与した。前記薬剤は、以下の投与計画に従い単独及び併用で投与した。アラ‐CとdFdCの同時投与、アラ‐Cの前にdFdCを投与、及び、dFdCの前にアラ‐Cを投与。白血病に対する当該治療の有効性(生存期間の増加、ILS、と定義)は、前記投与群(T)の生存期間の中間値(MST)の当該コントロール群(C)の当該中間値に対する割合で評価した:ILS=[(MST(C)/MST(T)−1]×100。
本研究のインビトロ実験としては、正常な顆粒細胞‐マクロファージ コロニー形成ユニット(CFU−GM)細胞を、慢性骨髄性白血病(CML)患者由来のCFU−GM細胞と同様に、dFdC又はアラ‐Cのいずれか、もしくは適正濃度で組み合わせたこれら薬剤とともに培養した。
結果:前記インビボ実験から、解析した2種類の白血病において、dFdCをアラ‐Cの前に投与、及びdFdCをアラ‐Cと同時に投与した併用治療は、dFdC又はアラ‐Cの単独投与よりも効果的であることが明らかとなった。他の投与計画(dFdCの前にアラ‐Cを投与)では、前記投与群マウス(L1210又はP388白血病を有する)の生存期間はdFdC単独投与群に比べて有意には増加しなかった。
前記インビトロ実験からは、アラ‐Cと併用したdFdCは、CML CFU−GM細胞だけでなく正常細胞に対しても相加的に作用することが明らかとなった。さらに、前記併用投与した薬剤は、CML CFU−GM細胞が形成するコロニーの増殖を、正常CFU−GM細胞よりも顕著に阻害した。この違いは、最も高濃度で薬剤を併用した場合には統計的に有意であった。
解釈と結論:ゲムシタビンはアラ‐Cの活性を増加させる。これらの薬剤はDNAに取り込まれてDNA鎖の伸長を阻害し、さらにdFdCはアラ‐Cの細胞毒性に影響を与えるので、我々の結果は前記薬剤がこのようなレベルで作用することにより説明できる。アラ‐Cと併用したdFdCは、CML及び他の血液悪性腫瘍の治療において、将来重要な意義を有するかもしれない。ゲムシタビンを含有する投薬計画は、進行性非小細胞肺癌、膵臓癌、又は膀胱癌の標準的治療方法の範疇のものである。ゲムシタビンはヌクレオチドアナログであり、その細胞毒性はゲノムDNAへの取り込みとその結果引き起こされるDNA合成阻害と相関している。しかしながら、ゲムシタビンの取り込みがどのような機構により細胞死を導くのかについては未だ不明である。
実験系のデザイン:我々は、ゲムシタビンの取り込みがトポイソメラーゼI(topI)活性に及ぼす効果を調べるために、精製オリゴデオキシヌクレオチドを用いて、ゲムシタビン‐誘発性細胞毒性におけるtopI中毒の役割を癌細胞において解析した。
結果:我々は、ゲムシタビンがtopI切断部位の3’側から取り込まれると、topIが媒介するDNA切断が非切断鎖上で促進されることを見出した。この部位特異的促進効果は、topIによるDNA切断の増加に起因すると考えられ、ゲムシタビンによって誘発される構造変化と静電効果を原因とするようであった。ゲムシタビンはカンプトセシンによって誘発される切断複合体も促進する。また、我々は、ゲムシタビン処理したヒト白血病CEM細胞においてtopI切断複合体が検出されること、及び、topI欠損P388/CPT45細胞ではゲムシタビンに対する耐性が5倍増加することを検出しており、これらの結果はtopIの毒性がゲムシタビンの抗腫瘍活性に貢献できることを示している。
結論:本結果は、我々の最近の発見、すなわち、1‐β‐D‐アラビノフラノシルシトシンのDNAへの取り込みによりtopI切断複合体を誘発できること(P.Pourquier,et.al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA,97,1885−1890(2000))を発展させたものである。カンプトセシンによって誘発されるtopI切断複合体の促進は、少なくともある程度は、ヒト乳癌又は肺癌細胞において、トポテカン及びイリノテカンと併用した際のゲムシタビンの相乗的又は相加的効果に寄与するかもしれない。
M.V.Cronauer,H.Klocker,H.Talasz,F.H.Geisen,A.Hobisch,C.Radmayr,G.Bock,Z.Culig,M.Schirmer,A.Reissigl,G.Bartsch, and G.Konwalinka,(Department of Urology,University of Innsbruck,Austria), Prostate,28(3),172−181,March 1(1996).
ゲムシタビン(2’,2’‐ジフルオロ‐2’‐デオキシシチジン、dFdC)は、細胞のピリミジンヌクレオシド代謝の合成抗代謝剤である。初期のインビトロ実験では、前記薬剤は、アンドロゲン感受性ヒト腫瘍細胞株であるLNCaPならびにアンドロゲン非感受性細胞株であるPC‐3及びDU‐145の増殖及びコロニー形成に対して強力な効果を示した。最大阻害効果は、dFdCを30nMの低濃度で投与することで得られた。前立腺癌患者の転移性病変部位に由来する細胞株とは対照的に、正常な前立腺上皮の初代細胞では、濃度を100nMまで上げても抑制効果は全く認められなかった。ゲムシタビンの効果は、その天然アナログであるデオキシウリジンを10−100マイクロM共投与することで打ち消された。この抗腫瘍剤を将来的に進行性前立腺癌に臨床応用することを考慮して、我々は、前立腺癌細胞と骨髄顆粒球系−マクロファージ前駆細胞に対するゲムシタビンの効果を比較した。なぜならば、好中球減少症はゲムシタビン投与に共通した副作用だからである。2種類の細胞に対する作用のタイムコースは顕著に異なっていた。腫瘍細胞のコロニー形成の2分の3は、約3.5nMのゲムシタビンによって阻害された。同様の効果を顆粒球系−マクロファージ前駆細胞で得るには9nMを要した。ゲムシタビンを投与した腫瘍細胞の培養系にデオキシシチジンを共投与すると、ゲムシタビンの前記効果は完全に打ち消された。一方、ゲムシタビン投与から48時間後にデオキシシチジンを投与しても、前記腫瘍細胞に及ぼすゲムシタビンの作用を阻害することはできなかった。これとは対照的に、半数以上の骨髄顆粒球系−マクロファージ前駆細胞は、48時間後のデオキシシチジンの投与によってもまだ救済することができた。これらの発見及び前立腺の腫瘍細胞と正常細胞における前記感受性の顕著な違いは、ゲムシタビンが有望な物質であること、すなわち、進行性前立腺癌に投与した際の効用のさらに評価すべきで物質であることを示唆している。
Knut Breistol1,Jan Balzarini,Marit Liland Sandvold,Finn Myhren,Marita Martinsen,Erik De Clercq, and Oystein Fodstad, Cancer Research,59,2944−2949,June 1(1999).
P−4055、シタラビンの5’‐エライジン酸(C18:1、不飽和脂肪酸)エステル、血液悪性腫瘍の治療において汎用されるヌクレオシド抗代謝剤、の抗腫瘍効果を数種類のヒト癌インビトロモデル系において解析した。
ヌードマウスを用いた最初の投与量決定試験では、P−4055の効果は毎日連続で投与した場合が最も高かった。ラジ バーキット軟膜リンパ腫癌腫症のヌードラットモデルでは、コントロールのシタラビン投与及び生理食塩水投与動物(各群ごとに5匹)では生存期間の中央値が13.2日であったのに対し、P−4055を投与した動物では5匹のうち3匹が長寿であった(>70日)。全身性ラジ白血病のヌードマウスモデルでは、P−4055を投与した動物10匹のうち8匹がシタラビン投与動物(生存期間の中央値、34.2日)と比べてより長く生存した(>80日)。
s.c.異種移植モデルにおいて、ボーラス投与、点滴、注射を毎日5日間行い、4週にわたって最大耐性容量のP−4055とシタラビンを投与して、7種類の腫瘍(3種類の黒色腫、1種類の肺腺癌、1種類の乳癌、及び2種類の骨肉腫)に対する当該効果を解析した。P−4055は、3種類の悪性黒色腫すべてに対してと同様に、前記肺腺癌においても腫瘍の部分的又は完全な退縮を引き起こした。2種類の黒色腫では、当該活性はシタラビンの活性よりも優れていた。P−4055とシタラビンはいずれも、前記同じ腫瘍モデルを用いて過去に試験され、臨床的に確立されている数種類の薬剤よりも概して効果的であった。インビトロの研究では、ヌクレオシド担体に依存した輸送の阻害剤であるニトロベンジルメルカプトプリン リボシド及びジピリダモールが、細胞のシタラビン感受性は強力に低下させるが、P−4055に対する感受性は低下させない。このことは、P−4055は、シタラビンが細胞に取り込まれるメカニズムとは異なる/付加的なメカニズムを用いていることを示している。これらの結果は、少なくとも部分的には前記2種類の化合物間で認められたインビトロでの効率の違いを説明するものであり、また、当該データはP−4055の臨床研究での評価を強く支持するものである。
S.W.Hansen, Int.J.Gynecol.Cancer,11,Suppl.1,39−41,January 1(2001).
ゲムシタビンは、数種類の固形癌に対する活性が確立しているヌクレオシド抗代謝剤である。当該薬剤の卵巣癌患者における活性は、単独投与及び併用化学療法を受けた患者の両方において試験されている。ゲムシタビン単独投与の場合の奏効率は、過去に投与経験のある患者と投与経験のない患者の両方において13〜24%の範囲である。ゲムシタビン−シスプラチン又はゲムシタビン−パクリタキセルからなる二重投与では、投与経験のある患者においては、53%及び40%の奏効率をそれぞれ誘導した。3つの研究において、シスプラチンとゲムシタビンの併用を第一段階で行うことにより53%〜71%の患者において寛解が誘導された。ゲムシタビン及びパクリタキセルに加えてシスプラチン又はカルボプラチンのいずれかを含む三重投与が投与経験のある患者に対して行われ、100%の奏効率が観察された。投与経験のない患者には、毒性プロフィールがより良好となるのことから、ゲムシタビン、パクリタキセル、及びカルボプラチンの組み合わせが推奨される。この組み合わせによる活性は、患者全員において奏効が認められたが、特に25人の評価可能患者において非常に高かった。前記患者の60%において腫瘍の完全な退縮が認められ、40%において部分的退縮が認められた。これらの有望なデータに基づき、ゲムシタビン、パクリタキセル、及びカルボプラチンからなる三重投与が、USとヨーロッパでのランダム化試験に含まれている。
S.W.Hansen,M.K.Tuxen, and C.Sessa, Ann.Onc,10,Suppl.1,51−53,January 1(1999).
ゲムシタビンは、固形癌に対する活性が確立している新規のヌクレオシド抗代謝剤である。過去に投与経験のある患者では、前記薬剤を単独で投与した場合の奏効率は13%程度であった。8名の投与経験のある患者に対して行ったパイロットテストではすべての患者で寛解が得られ、投与経験のない患者でも評価可能患者(臨床的又はCA125の減少測定により評価)全員で寛解が得られた。用量制限毒性は主に血液学的である。
W.R.Waud,K.S.Gilber,G.B.Grindey, and J.F.Worzalla, Pharmacol.,38(2),178−180,January 1(1996).
新規ピリミジン抗代謝剤であるゲムシタビンは、数種類の腫瘍(乳癌、小細胞及び非小細胞肺癌、膀胱癌、膵臓癌、及び卵巣癌)に対する臨床的抗腫瘍活性を有することが示されている。我々は、ゲムシタビンのさらなる治験のための患者選出に有益なガイドラインの作製及びゲムシタビンと組み合わせても非交差性となる薬剤の同定を目的として、8種類の薬剤耐性P388白血病を用いてゲムシタビン薬剤耐性プロファイルを調べた。多剤耐性P388白血病(ドキソルビシン及びエトポシド耐性の白血病)は、ゲムシタビンに交差耐性を示さなかった。ビンクリスチン(非多剤耐性)、シクロホスファミド、メルファラン、シスプラチン及びメトトレキサート耐性の白血病もゲムシタビン交差耐性ではなかった。1-β-D-アラビノフラノシルシトシン耐性白血病だけがゲムシタビン交差耐性だった。この結果は、(1)1-β-D-アラビノフラノシルシトシン投与経験のある患者は除外又は要注意観察を行う必要があること、(2)ゲムシタビン交差耐性の欠如はゲムシタビンを他薬剤と併用した際に治療上の相乗効果として寄与するかもしれないこと、を示唆している。
S.Okuno,J.Edmonson,M.Mahoney,J.C.Bucker,S.Frytak, and E.Galanis, Cancer,94(12),3225−3229,June 1(2002).
背景:進行性肉腫患者に対する治療はもっぱら一次しのぎである。ヌクレオシド抗代謝剤であるゲムシタビンはデオキシシチジンのアナログであり、数種類の腫瘍に対する抗腫瘍活性が示されている。本研究の目的は、肉腫患者におけるゲムシタビンの臨床的活性を明らかにすることであった。
方法:本著者は、組織化学的に肉腫と確認された患者に対するゲムシタビンを、化学療法の前に1回投与することで評価した。非病変部位に投与する際には放射線治療も行った。治療はゲムシタビン1250mg/m(2)を30分以上かけて静脈内投与し、各週×3、のサイクルをq28日繰り返した。
結果:30名の患者のうち29名が評価可能であった。1名の患者は治験の開始を拒否した。年齢の中央値は50歳(22−81歳の範囲)、59%は男性で、35%は米国東海岸癌臨床試験グループの一般状態が0(vs.1又は2)であった。患者は組織化学的に平滑筋肉腫(7名は胃腸、4名は後腹膜、2名は下大静脈閉塞、3名は四肢で2名は子宮)、滑膜(2名)、悪性線維性組織球腫(2名)、線維肉腫(1名)、骨肉種(2名)、脂肪肉腫(1名)、血管肉腫(1名)、又は巨細胞(1名)である。患者は平均して2サイクル(1−8の範囲)投与された。患者の83%が病状進行のため継続を中断し、14%は毒性/拒絶のため中断した。血液学的毒性>又は=グレード3は患者の32%において認められ、白血球減少症と血小板減少症であった。食欲不振(6名でグレード1/2、1名でグレード3)、吐き気(7名でグレード1/2、1名でグレード3)、及び無気力(19名でグレード1/2)が非血液学的毒性として最も多く見られたものであった。1名はグレード3の浮腫と筋梗塞を呈した。別患者1名は、不可解な胸の痛み(グレード3)を呈した。子宮平滑筋肉腫では、少なくとも3ヶ月持続する部分的奏効が観察された。全体での奏効率は3%(95%信頼区間[CI]:0−95)だった。無増悪機関の中央値は2.1ヶ月(95%CI:1.8−3.0)であった。
結論:現行のゲムシタビン投与計画は許容可能な毒性レベルであることが証明されたが、この研究を発展させるのに必要な数の奏効を生じさせることができなかった。この投与計画は、進行性肉腫には推奨できない。
M.Barton−Burke, Cancer Nurs.,22(2),176−183,April 1(1999).
過去数年において、抗癌治療の分野では画期的な新発展があった。そのような治療の一つにゲムシタビン(GemzarR)を用いるものがある。ゲムシタビンは、局所進行性(切除不能ステージII又はステージIII)又は転移性(ステージIV)膵腺癌の第一次治療薬として、1996年に食品医薬品局(FDA)に承認された抗代謝剤である。この新規のヌクレオシドアナログは天然のピリミジンヌクレオシドデオキシシチジンに似ているが、固有の作用機序を有している。ゲムシタビンを用いた臨床研究により、膵臓癌、非小細胞肺癌、乳癌、膀胱癌、卵巣癌、及び小細胞肺癌における抗癌活性が示されている。膵臓癌患者に対する臨床試験では、ゲムシタビンの疾患関連症状に及ぼす効果を評価するために、臨床上有益効果(CBR)と呼ばれる新しい研究評価項目が用いられた。前記CBRは一般状況、痛み、及び体重増加からなる総合評価である。研究の結果、ゲムシタビンは、主たる容量制限毒性として骨髄抑制を伴う、比較的マイルドで安全性の高いプロファイルを有することが示された。本総括の目的は、この薬剤の投与を受ける患者の看護上の留意点はもちろん、ゲムシタビンの薬理学的総括に基づいた癌看護学、画期的な臨床治験評価基準、及び臨床パフォーマンスを供することである。
Domine,V.Casado,L.G.Estevez,A.Leon,J.I.Martin,M.Castillo,G.Rubio, and F.Lobo, Semin. Oncol.,28(3,Suppl.,10),4−9,June 1(2001).
進行性非小細胞肺癌患者の生存は依然として良くない。シスプラチンに基づいた化学療法では、最良の看護を行った場合と比べて、生存についてある程度の効果が得られる。新規ヌクレオシドであるゲムシタビン(Gemzar,Eli Lilly and Company,インディアナポリス、IN)は、活性がありよく許容されている。ゲムシタビン/シスプラチンの組み合わせは、シスプラチン単独よりも、奏効率と生存の有意な改善をもたらすことが示されている。ゲムシタビン/シスプラチンの効果を従来の組み合わせ(シスプラチン/エトポシド又はマイトマイシン/イホスファミド/シスプラチン)による効果と比較した第3相試験により、ゲムシタビン/シスプラチンの方が活性がより高いことが示された。しかしながら、これらの最善の組み合わせ方法については不明のままである。加えて、3週投与計画ではより少ない毒性でより高い用量強度が得られ、4週投与計画でも同様の効果であった。カルボプラチンを新規薬剤と組み合わせた場合の効果については目下検討中である。ゲムシタビン/カルボプラチンは、投与量が変更可能で非血液学的毒性が低い、良い選択肢のようである。前記4週投与計画では、ある研究においては、頻繁なグレード3/4の好中球減少症及び血小板減少症が引き起こされた。ゲムシタビンを1、8日目に投与し、カルボプラチンを1日目に投与する前記3週投与計画は、簡便で許容しやすい投与計画である。当該毒性プロファイルも深刻な症状もなく許容可能である。この投与計画は標準的投与計画の優れた選択肢として考慮することができる。
S.Dadan,B.Wolczynski,B.Sawicki,L.Chyczewski,A.Azzadin,J.Dzieciol, and Z.Puchalski, Cytobiol.,39(2),187−188,January 1(2001).
甲状腺髄様癌(MTC)治療の選択肢は、甲状腺の全摘出である。MTCの発症率が低いために、化学療法による効用の評価は難しい。ゲムシタビンは、1996年以来癌治療に用いられている抗代謝ヌクレオシドグループに属する新薬である。本研究の目的は、MTC由来ヒトTT細胞株の増殖及び神経内分泌活性に与えるゲムシタビンの影響を評価することであった。前記細胞は、10、25、及び50マイクログラム/mlの濃度のゲムシタビンに24時間暴露した。Hsu,et.al.,によるカルシトニン、クロモグラニンA、シナプトフィジン、及び神経特異的エノラーゼをTT細胞内で検出するためのアビジン-ビオチン過酸化物複合体(ABC)法に従い、免疫細胞化学的実験を行った。TT細胞の増殖活性に対するゲムシタビンの濃度依存的な阻害作用が観察された。また、前記免疫染色も、特に神経特異的エノラーゼにおいて低下していた。カルシトニンを検出する反応だけが持続的に促進されていた。
TT細胞の増殖活性に対するゲムシタビンの濃度依存的な阻害作用が観察された。また、前記免疫染色も低下していた。DMDCと同様の作用機序は、前記酵素の発現量が高い腫瘍において少しだけ活性化していた。本研究では、我々は、前記2種類の2’-dCyd抗代謝剤の抗腫瘍活性におけるCydデアミナーゼの役割を、13種類のヒト癌細胞株において解析した。Cydデアミナーゼの阻害剤であるテトラヒドロウリジンは、DMDCの抗増殖活性を低下させた(p=0.0015)。さらに、ヒトCydデアミナーゼの遺伝子を導入された腫瘍細胞は、インビトロとインビボの両方においてDMDCに対してより感受性となった。これらの結果は、CydデアミナーゼがDMDC活性に実質的に必須であることを示している。これとは対照的に、ゲムシタビンの抗腫瘍活性は、特にCydデアミナーゼが高い腫瘍細胞株において、テトラヒドロウリジンによってある程度にまで増加した(p=0.0277)。このことは、Cydレベルが高いとゲムシタビンが不活性化されることを示唆している。
解析したヌクレオシドとデオキシヌクレオシドのなかで、Cydデアミナーゼ及びdCydキナーゼの本来の基質であるdCydだけが、DMDCの抗腫瘍活性を150倍も抑制した。dCydキナーゼに対するDMDCのVmaxKmはdCydの値よりも8倍低いので、dCydキナーゼによるDMDCのDMDC一リン酸塩(DMDCMP)への活性化はdCydによって拮抗的に阻害されるかもしれない。加えて、ヒト癌異種移植片におけるdCyd濃度はCydデアミナーゼ活性のレベルと逆相関していた。それゆえ、Cydデアミナーゼのレベルが高いと、腫瘍では内在性dCydの細胞内濃度が下がり、結果としてdCydキナーゼによるDMDCからDMDCMPへの活性化が効率良く起きることが示唆される。これらの結果は、DMDCの効率は治療開始前の腫瘍組織でのCydデアミナーゼ活性を測定することで予測できるかもしれないこと、及びDMDCは新規治療様式に利用できるかもしれないことを示している。
Hiroyuki Eda,Masako Ura,Kaori F.−Ouchi,Yutaka Tanaka,Masanori Miwa, and Hideo Ishitsuka,Cancer Research,58,1165−1169,March 15(1998).
我々は、新規の2’-デオキシシチジン(2’-dCyd)アナログ抗代謝剤2’-デオキシ-2’-メチリデンシチジン(MDMC)の効率は、ヒト癌異種移植片モデルにおいてシチジン(Cyd)デアミナーゼの腫瘍レベルと良く相関していることを明らかにした。DMDCはCydデアミナーゼレベルが高い腫瘍で活性が高いが、レベルが低いとわずかな活性しか生じなかった。これとは対照的に、DMDCと似た作用機序を有するゲムシタビン(2’,2’-ジフルオロデオキシシチジン)は、前記酵素のレベルが高い腫瘍においてのみ、わずかに活性を生じる。本研究では、我々は、前記2種類の2’-dCyd抗代謝剤の抗腫瘍活性におけるCydデアミナーゼの役割を、13種類のヒト癌細胞株において解析した。Cydデアミナーゼの阻害剤であるテトラヒドロウリジンは、DMDCの抗増殖活性を低下させた(p=0.0015)。さらに、ヒトCydデアミナーゼの遺伝子を導入された腫瘍細胞は、インビトロとインビボの両方においてDMDCに対してより感受性となった。これらの結果は、CydデアミナーゼがDMDC活性に実質的に必須であることを示している。これとは対照的に、ゲムシタビンの抗腫瘍活性は、特にCydデアミナーゼが高い腫瘍細胞株において、テトラヒドロウリジンによってある程度にまで増加した(p=0.0277)。このことは、Cydレベルが高いとゲムシタビンが不活性化されることを示唆している。
解析したヌクレオシドとデオキシヌクレオシドのなかで、Cydデアミナーゼ及びdCydキナーゼの本来の基質であるdCydだけが、DMDCの抗腫瘍活性を150倍も抑制した。dCydキナーゼに対するDMDCのVmaxKmはdCydの値よりも8倍低いので、dCydキナーゼによるDMDCのDMDC一リン酸塩(DMDCMP)への活性化はdCydによって拮抗的に阻害されるかもしれない。加えて、ヒト癌異種移植片におけるdCyd濃度はCydデアミナーゼ活性のレベルと逆相関していた。それゆえ、Cydデアミナーゼのレベルが高いと、腫瘍では内在性dCydの細胞内濃度が下がり、結果としてdCydキナーゼによるDMDCからDMDCMPへの活性化が効率良く起きることが示唆される。これらの結果は、DMDCの効率は治療開始前の腫瘍組織でのCydデアミナーゼ活性を測定することで予測できるかもしれないこと、及びDMDCは新規治療様式に利用できるかもしれないことを示している。
S.A.Johnson, Expert Opin.Pharmacother.,2(6),929−943,June 1(2001).
ヌクレオシドアナログは抗代謝細胞毒の1グループであり、概してDNAに取り込まれる前に当該ヌクレオチドに代謝されなくてはならないものである。シタラビンは急性白血病の治療薬として確立されているものであり、基本的に分裂中の細胞に作用する。新規処方には、長期外来患者に適した髄腔内用リポソームでカプセル化された産物、及び経口用シタラビンオクホスファートが含まれる。ペントスタインはデオキシヌクレオチドの蓄積を引き起こすことで作用し、有毛細胞白血病に対しては効果的だが、寛容性の低さと関わっている。クラドリビンとフルダラビンは、慢性白血病(CLL)と軽度の非ホジキンリンパ腫(NHL)の治療に優れた効果を有している。フルダラビンは前記2つのうちでより精力的に研究されており、近年CLLとNHLの併用治療に開発され、また、シタラビンとの併用治療は急性骨髄性白血病の治療として開発された。フルダラビンの免疫抑制効果は、非骨髄破壊的幹細胞移植を行う患者のコンディショニングに利用できる。ゲムシタビンは多くの固形癌の治療薬として確立されており、また、投与計画を延長することで血液悪性腫瘍においても効果的である。ネララビン、クロファラビン、及びトロキサシタビンを含むより新しい薬剤は現在臨床的評価を行っており、有望な活性を示している。
A.Matsuda,A.Dan,N.Minakawa,S.J.Tregear,S.Okazaki,Y.Sugimoto, and T.Sasaki, J.Med.Chem.,36(26),4190−4194,December 24(1993),Nucleosides and nucleotides,123.
2’-デオキシ-2-イソシアノ-β-D-アラビノフラノシルシトシン(8,NCDAC)は、当該2’-アジド-2’-デオキシ-1-β-D-アラビノフラノシルウラシル派生体2a由来の強力な抗腫瘍抗代謝剤である。ウラシルとチミンアナログ6a及び8の6bも調整した。2’-デオキシ-2-イソシアノシチジン(14b)を合成する試みは、当該2’-αイソシアノ基を2’,3’-オキサゾリン派生体15bを供する当該3’-OH基への挿入により失敗した。イソシアノ派生体6a及び2’,3’-オキサゾリン派生体15aの塩基性及び酸性条件下での安定性を解析した。6a内のイソシアノ基は塩基性条件下で安定だが、弱い酸性条件下でも不安定で当該2’-βホルムアミド派生17を供した。化合物15aは室温でのH2O処理によって容易に当該2’-αホルムアミド派生体16に加水分解された。マウスとヒトの腫瘍細胞における8、6a、及び6bの細胞毒性をインビトロで解析し、アラ-Cの当該毒性と比較した。これらのヌクレオシドのうち、8はこれらの細胞株に対してある程度毒性であった。また、8のインビトロでのルイス肺癌に対する抗腫瘍活性を解析し、8は腫瘍サイズをある程度抑制することがわかった。
G.H.Elegemeie, Curr.Pharm.Des.,9(31),2627−2642,January 1(2003).
メルカプトプリン(6MP)及び6-チオグアニン(6TG)は天然プリンであるヒポキサンチン及びグアニンのアナログである。メルカプトプリン及び6-チオグアニンはいずれもヒポキサンチン-グアニン ホスホリボシルトランスフェラーゼの基質であり、当該リボヌクレオチドである6-チオグアノシン一リン酸塩(6-チオGMP)及び6-チオイノシン一リン酸塩(T-IMP)にそれぞれ変換される。これらの一リン酸塩の蓄積は、いくつかの必須代謝反応を阻害する。今日、これらのチオプリン塩基は、骨髄性及び急性リンパ球性白血病患者における寛解の誘導及び維持に重要な薬剤である。これらの臨床的に証明された重要性にも関わらず、6MP及び6TGはある臨床上の欠点を有しており、このことがプリン派生体の治療効果促進のための研究を促している。前記抗腫瘍活性が改善された他の新規のメルカプトプリン及びチオグアニンアナログ、ならびにそれらのヌクレオシドを調整するために大変な努力が行われた。これらのチオプリンのある腫瘍細胞株に対する効果により、これらのメルカプトプリンアナログ及びこれらのヌクレオシドは、これらが正常細胞よりも腫瘍細胞に選択的な効果を示すか、あるいは、これらが6MPと6TGに耐性となった疾患を有する患者に対しても有効か、について検討する必要があることが示唆された。本総括では、抗代謝剤としてのメルカプトプリンアナログ及びそれらのヌクレオシドに焦点を当てる。
G.C.Daher,B.E.Harris, and R.B.Diasio, Pharmacol.Ther.,48(2),189−222,January 1(1990).
前記ピリミジン抗代謝剤は、天然に存在するピリミジンであるウラシル、チミン、及びシトシンの塩基及びヌクレオシドアナログから構成される。典型的な抗代謝剤であるので、これら薬剤は内在性の核酸前駆体と構造的に非常に類似している。前記構造上の相違点は、通常、ピリミジン環内炭素のうちの1つの炭素の置換、あるいはピリミジン又は糖環(リボース又はデオキシリボース)に結合する水素部位における置換である。上述した相違点にも関わらず、これらのアナログは細胞内に依然として取り込まれ、内在性ピリミジンに用いられる同化又は異化経路を介して代謝される。細胞毒性は、前記抗代謝剤が前記天然に存在するピリミジン代謝物の代わりに重要な分子(例としてRNA、又はDNA)に取り込まれた場合、あるいは、重要な酵素に対して前記天然に存在するピリミジン代謝物と競合した場合に生じる。近年、4種類のピリミジン抗代謝剤が、癌の臨床治療に頻繁に用いられている。これらには、前記フルオロピリミジン フルオロウラシル及びフルオロデオキシウリジン、ならびに前記シトシンアナログ、シトシンアラビノシド及びアザシチジンが含まれる。
V.L.Damaraju,S.Damaraju,J.D.Young,S.A.Baldwin,J.Mackey,M.B.Sawyer, and C.E.Cass, Oncogene,22(47),7524−7536,October 20(2003).細胞内での抗代謝剤、及び種々の可能なメカニズムの概要。
ヌクレオシド抗癌剤の臨床的効果は、ヌクレオシド薬剤の細胞内への移動を担うトランスポーター、薬剤を細胞内区画から排出する機構、及び活性代謝物での細胞内代謝の複雑な相互作用に依存している。ヌクレオシドトランスポーター(NTs)は使用済みヌクレオシドのサルベージにおける重要な決定因子であり、ヌクレオチド抗代謝剤の標的細胞への取り込みを媒介する。本書評の焦点は、前記2種類のヒトヌクレオシドトランスポーター(hENTs、hCNTs)と、細胞毒性を有するヌクレオシド化学療法薬の輸送におけるそれらの役割である。ヌクレオシド抗癌剤に対する耐性は、NTsを用いる際の臨床上の主たる問題である。薬剤トランスポーターにおける単一ヌクレオチド多型(SNPs)は、ヌクレオシド薬に対する個人間の反応性の差異に寄与している。この書評で我々は、ヒトNTsの機能及び分子特性ならびにヌクレオシド薬剤耐性におけるそれらの潜在的役割を総括し、薬剤耐性解明に向けたNTsの遺伝的多型解析の潜在的有用性を議論している。
H.Hattori,M.Tanaka,M.Fukushima,T.Sasaki, and A.Matsuda, Nucleosides and nucleotides,158,39(25),5055−5011,December 6(1996).
我々は以前、潜在的多機能抗腫瘍ヌクレオシド抗代謝剤として、1-(3-C-エチニル-β-D-リボ-ペントフラノシル)ウラシル(EUrd)を設計した。それは種々のヒト腫瘍細胞に対して、インビトロ及びインビボにおいて、強力で広域な抗腫瘍活性を示した。当該構造-活性相関を調べるために、5-フルオロウラシル、チミン、シトシン、5-フルオロシトシン、アデニン、及びグアニン派生体といった種々のEUrdヌクレオシドアナログを、1-O-アセチル-2,3,5-トリ-O-ベンゾイル-3-C-エチニル-α-,β-D-リボ-ペントフラノース(6)と当該パートリメチルシリル化核酸塩基をルイス酸としてSnCl4又はTMSOTf存在下でCH3CN中で縮合させ、続いて脱ベンゾイル化させることにより合成した。これらの3’-C-エチニルヌクレオシドのマウス白血病L1210及びヒト鼻咽頭KB細胞に対するインビトロでの腫瘍細胞増殖阻害活性は、1-(3-C-エチニル-β-D-リボ-ペントフラノシル)シトシン(ECyd)及びEUdが、前記シリーズ中最も強い阻害剤(各々、L1210細胞に対するIC50値は0.016及び0.13マイクロM、KB細胞に対しては0.028及び0.029マイクロM)であることを示した。5-フルオロシトシン、5-フルオロウラシル、及びアデニンヌクレオシドはより低い活性を示した(IC50値が0.4−2.5マイクロM)が、チミン及びグアニンヌクレオシドは300マイクロMまで上げても活性を全く示さなかった。我々は次に、ECyd及びEUrdの36種類のヒト腫瘍細胞株に対する腫瘍細胞増殖阻害活性をインビトロで評価し、それらがこれらの細胞株に対して非常に効果的(IC50値がナノM〜マイクロMの範囲)であることを見出した。これらのヌクレオシドは阻害スペクトラムが類似していた。3つの胃癌、3つの大腸癌、2つの膵臓癌、1つの腎臓癌、1つの乳癌、及び1つの胆管癌を含む11のヒト腫瘍異種移植断片に対するECyd及びEUrdのインビトロでの抗腫瘍活性を、5-フルオロウラシルの当該活性と比較した。ECyd及びEUrdは、0.25及び2.0mg/kgで10日間連続で髄腔内投与した場合には、ヒト腫瘍11種類のうちの9種類、11種類のうちの8種類でそれぞれ高い腫瘍抑制率(コントロールに対して73−92%抑制)を示した。一方、5-フルオロウラシルは1種類の腫瘍に対してのみ、高い抑制効果を示した。そのような優れた抗腫瘍活性は、ECyd及びEUrdをヒト癌治療に用いることを検討する価値があることを示唆している。
Y.Shimamoto,A.Fujioka,H.Kazuno,Y.Murakami,H.Ohshima,T.Kato,A.Matsuda,T.Sasaki, and M.Fukushima, Jpn.J.Cancer Res.,92(3),343−351,March 1(2001).
我々は、新規ヌクレオチド抗代謝剤である1-(3-C-エチニル-β-D-リボ-ペントフラノシル)シトシン(ECyd、TAS−106)の最適投与計画を決定するために、当該処方計画が抗腫瘍活性に与える影響をインビトロ及びインビボにおいて解析した。TAS−106のヒト腫瘍に対するインビトロでの細胞毒性を、3通りの薬剤投与期間で評価した。TAS−106はわずか4時間の投与でも非常に強い細胞毒性を示し、24及び72時間の投与で細胞毒性はほぼ頭打ちした。これらの結果は、TAS−106の細胞毒性が最大となるのに長期間投与は必要ないことを示唆している。TAS−106のインビボでの抗腫瘍活性を、ヒト腫瘍を有するヌードラットモデルにおいて、週1回、週3回、及び週5回で2又は4週間続けるという3通りの投与計画で比較した。TAS−106は3通り全ての投与計画において深刻な細胞毒性もなく強力な抗腫瘍活性を示したが、前記抗腫瘍活性はこれらのモデルでは顕著な投与計画依存性は示さなかった。腫瘍を有するヌードラットに[(3)H]TAS−106を単回髄腔内投与を行った場合には、腫瘍組織の放射能活性は種々の正常組織の当該活性と比べて長期にわたって高いままであった。さらに、TAS−106の前記腫瘍における代謝を調べたところ、TAS−106ヌクレオシド(当該活性代謝物、TAS−106の三リン酸塩を含む)が長期にわたって高濃度のままであることがわかった。TAS−106のこのような薬効学的特性は(ヒト腫瘍を有するヌードラットモデルでは)、断続的投与計画でみられたような、深刻な毒性を伴わない強い抗腫瘍活性を説明しているのかもしれない。それゆえ、我々はTAS−106を、固形癌を有する患者においてさらに解析する価値のある有望な化合物と考えている。
R.S.McElhinney,J.E.McCormick,M.C.Bibby,J.A.Double,M.Radacic, and P.Dumont, J.Med.Chem.,39(7),1403−1412,March 29(1996).Nucleoside analogs,14.
当該“糖”部としてN-(2-クロロエチル)-N-ニトロソウレア基を有する2-炭素(C2)側鎖を有する5-フルオロウラシル(5-FU)セコ-ヌクレオシドを、抗代謝剤とアルキル化剤の分子的組み合わせとして設計した。しかし、フリー5-FUの加水分解による切り離しは、マウスの大腸癌及び乳癌に対して示された当該高い活性に十分寄与できるほど早くなかった。前記反応性がより高いC3セコ-ヌクレオシドの合成に係る本研究では、当該前駆体であるフタルイミドの中心アルデヒドに結合する種々の基のうち、前記アルコキシ/ウラシル-1-イルタイプだけが標準的方法によって都合よく得られることが明らかになった。前記メチルチオ/ウラシル-1-イルタイプアナログは比較的大量のメタンチオール試薬を要し、アルキルメチルサルファイドのα-塩素化又は当該S-酸化物のプメラー転移、もしくはイソチオウロニウムの完璧な加水分解及びメチル化を含む代替物の探索では失望させられる結果となった。前記アルコキシ/ウラシル-1-イル化合物を効率よく調整するために、C2ホモログに用いた前記手段にかなりの実験的変更を行うことが必要であった。これらのO,N‐及びS,N‐アセタールに加えて、2つの5‐FU残基を有するN,N‐アセタールを調整した。前記新規薬剤は、マウスにおいて一連の実験的腫瘍パネルを用いて試験した。これらのC3セコ‐ヌクレオシドでさえインビトロで非常にゆっくりと5‐FUを放出することは平行研究から明らかだが、これらのうちのいくつかのものでは素晴らしい抗癌活性が認められた。より早い分子的組み合わせにおけるこれらの特性を評価すると、7つの短いリスト[B.4151(6)、B.4015(5)、B.4030(10)、B.3999(4)、B.3995(2)、B.4083(3)、及びB.3996(1のN‐3置換アナログ)]はさらに解析されるべきである。このことは、クロロエチル化試薬の作用機所についての現時点での理解を考慮すると大変適切である。制限された選択的作用に起因するニトロソウレアを用いた増大しつつある臨床的切望を受けて、これらの強力な薬剤は、O6‐ベンジルグアニン及び他のより効果的な修復酵素阻害剤(現在開発中のO6‐アルキルグアニン‐DNA‐アルキルトランスフェラーゼのような)との組み合わせで益々研究されるので、新しい時代が確実に期待される。
J.Pressacco,J.S.Wiley,G.P.Jamieson,C.Erlichman, and D.W.Hedley, Br.J.Cancer,72(4),939−942,October 1(1995).
前記平衡的S‐(p‐ニトロベンジル)‐6‐チオイノシン(NBMPR)‐感受性ヌクレオシドトランスポーター(es)、ヌクレオシドサルベージ経路の構成要素、の発現を、増殖を抑制しない濃度の種々の抗代謝剤に暴露後、増殖非抑制下で測定した。前記プローブ5‐(SAENTA‐x8)‐フルオレセインは、アデノシンにフルオレセイン分子が導入された、高度に修飾された形態である。それは、前記(es)ヌクレオシドトランスポーターに1:1の化学量論で高親和性及び高特異性で結合し、フローサイトメトリーを用いたes発現量の信頼性の高い推測を可能にする。前記重要なDNA染色剤であるヘキスト‐33342及び5‐(SAENTA‐x8)‐フルオレセインを組み合わせた二重ラベリング技術を用いることで、我々はesの細胞表面での発現量は細胞周期のG1期とG2+M期の間で約2倍に増えることを明らかにした。esの発現はDNA前駆体のデノボ合成を阻害する薬剤に暴露した細胞内部で調節できるのかという問いに答えるために、細胞を種々の作用機序を有する抗代謝剤に暴露した。DNA前駆体のデノボ合成を阻害するヒドロキシウレア及び5‐フルオロウラシル(5‐FU)は、es発現の増加を引き起こした。対照的に、DNA合成を直接阻害するシトシンアラビノシド(アラ‐C)及びアフィディコリンは、es発現の有意な増加を引き起こさなかった。リボヌクレオシド還元酵素のアロステリック阻害剤であり、dTTPプールは充足させるがdATP、dCTP及びdGTPプールを枯渇させるチミジン(TdR)は、es発現に有意な効果を及ぼさなかった。これらの結果は、細胞表面でのesヌクレオシドトランスポーターの発現量は、デオキシヌクレオチドの供給に感受性を示す機構によって制御されていることを示唆している。5‐FU(dTTPプールを特異的に枯渇させる)は発現の大幅な増加を引き起こすのに対し、TdR(dTTP以外の全ての前駆体を枯渇させる)が引き起こさないことから、このメカニズムはdTTPプールにとりわけ感受性なのかもしれない。
ヒドロキシウレア、ヌクレオシド抗代謝剤である5-FU及び5-FUdRのインビトロにおける効果は、細胞株技術を用いた実験系において精力的に研究されている。本研究において我々は、これらの薬剤がラベル化ヌクレオチドのDNAへの取り込みレベルに与える効果を、インタクトなラット結腸粘膜の外植片の組織培養系を用いて解析した。ヌクレオシド輸送阻害剤であるニトロベンジルチオイノシン(NBMPR)及びジピリダモール(これらは抗代謝細胞毒性の調節剤である)の、トリチル化チミジン([3H]TdR)のDNAへの取り込みに及ぼす効果も解析した。前記トリチル化TdRのDNAへの取り込みはヒドロキシウレアによって減少したが、5‐FU又は5‐FUdRのいずれによっても変化しなかった。前記トリチル化デオキシウリジンのレベルは5‐FU及び5‐FUdRによって独立実験系において減少し、このことはチミジル酸合成酵素阻害と合致している。また、NBMPR及びジピリダモールは3H‐TdRのDNAへの取り込みを減少させた。これらの結果は、これらの薬剤の既知の作用機序によって説明することができる。それゆえ、この実験モデルは、インタクトな結腸粘膜における抗代謝剤及びヌクレオシド輸送阻害剤の効果の解析に有用である。
N.J.Curtin,K.J.Bowman,R.N.Turner,B.Huang,P.J.Loughlin,A.H.Calvert,B.T.Golding,R.J.Griffin, and D.R.Newell, Br.J.Cancer,80(11),1738−1746,August 1(1999).
ジピリダモールは、ヌクレオシドトランスポートの抑制を介して抗代謝抗癌剤の活性を促進することがインビトロで示されている。しかしながら、ジピリダモールの臨床的潜在能力については、当該薬剤が細胞膜タンパクであるα1‐酸性糖タンパク(AGP)に強固に結合するために、理解されていない。AGP存在下で強いヌクレオシドトランスポート阻害活性を保持しているジピリダモールアナログを説明し、チミジル酸合成酵素(TS)阻害剤の増殖阻害効果及び細胞毒性効果を促進するこれらアナログの能力を評価した。3種類のジピリダモールアナログ(NU3026、NU3059、及びNU3060)は、TS阻害剤CB3717の増殖抑制活性を促進することが示され、L1210細胞においてチミジンの救済をブロックした。アナログ濃度を一定(10マイクロM)にした場合の促進の程度は、チミジン取り込み阻害の強さと相関していた。さらなるアナログNU3076は、チミジン取り込み阻害のKi値(0.1マイクロM)において、ジピリダモール(0.28マイクロM)よりも強力であることがわかった。ジピリダモールとの顕著な違いとして、NU3076によるチミジン取り込み阻害はAGP(5mg ml(−1))の存在によって有意には影響されない。NU3076及びジピリダモールは、L1210細胞内で両化合物ともLC90が有意に減少し(サルベージ可能なピリミジンの非存在下で>3倍)、非古典的抗葉酸TS阻害剤であるノラトレキセドとほぼ同等の強さの細胞毒性を生じた。L1210細胞のノラトレキセド細胞毒性からのチミジン救済は、1マイクロMのNU3076及び1マイクロMのジピリダモールの両方によって部分的に阻害された。また、NU3076はL1210細胞内でFU細胞毒性を有意に増幅した。これらの研究は、AGPが前記ジピリダモール活性基と結合しない条件下でヌクレオシドトランスポート阻害が維持され得ること、及び、そのようなアナログはTS阻害剤の細胞毒性を促進し得ることを証明している。
S.Grant,A.Turner,P.Nelms, and S.Yanovich, Leukemia,9(5),808−814,May 1(1955).
我々は、既に解析した多剤耐性(MDR)ヒト赤白血病細胞株(K562R)の前記ヌクレオシドアナログ抗代謝剤1-β-D-アラビノフラノシルシトシン(アラ-C)に対する反応について調べた。この細胞株は、当該最初の単離過程において、アラ-Cでなくダウノルビシン断続的投与による選択圧を受けている。当該親株(K562S)と比べて、K562R株は、3H-dThdの取り込み、MTT染色剤還元、及びクローン形成能で調べたところ、アラ-Cに対して約15倍耐性であった。10マイクロMのアラ-Cに4時間暴露後、K562S株は当該耐性株と比較して約7倍以上のアラ-CTPを蓄積し、約250%以上のアラ-CをDNAに取り込んだ。各細胞株での細胞内アラ-C産生は、前記シチジンデアミナーゼ阻害剤THU又は前記デオキシシチジレートデアミナーゼ阻害剤dTHU(各々1mM)によって、有意には影響されなかった。リボヌクレオチド及びデオキシリボヌクレオチド三リン酸塩の細胞内レベルと同様に、アラ-C脱リン酸化速度は感受性及び耐性株で同等であった。しかしながら、K562S株と比べて、K562R株は前記ピリミジンサルベージ経路の酵素、デオキシシチジンキナーゼ(dCK)の活性レベルの有意な減少(すなわち、70%)を示した。U937白血病細胞とは対照的に、10マイクロMのアラ-Cに6時間暴露されたK562S及びK562Rから抽出したDNAは、アガロースゲル電気泳動において、薬剤誘導アポトーシスに典型的なヌクレオソーム内DNA切断の特徴を示さなかった。最後に、ノザン解析によって、前記2種類の細胞株におけるdCKメッセージのレベルは同等であることが示された。K562R株は、前記抗代謝剤アラ-Cに対する自然発生的な交差耐性を示す古典的多剤耐性ヒト白血病細胞株の例外であり、インビボで併用化学療法投与計画(前記多剤耐性現象と古典的には関連していない薬剤を含む)に暴露されたヒト白血病性骨髄芽球が生存できるメカニズムの理解に努める意義を証明している。
A.Sternberg, Curr.Opin.Investig.Drugs,4(12),1479−1487,December 1(2003).
クロファラビンは、バイオエンビジョン(サザンリサーチインスチチュートから許可取得)/ILEXにより、固形癌、急性骨髄性白血病、非ホジキン性リンパ腫、及び急性リンパ芽球性及び慢性リンパ球性白血病の潜在的治療のために開発されたプリンヌクレオチド抗代謝剤である。2003年9月にバイオエンビジョンはヨーロッパにおいて小児急性リンパ芽球白血病の第2相試験を開始し、2003年10月にはILEXが小児急性白血病のためのローリングNDAの基部をFDAに提出した。
G.S.Stoica,H.E.Greenberg, and L.J.Rossoff(Division of Pulmonary and Critical Care Medicine,Long Island Jewish Medical Center,New Hyde Park,New York,11042−1101,USA.),Oncol.,25(4),340−341,August 1(2002).
フルダラビン一リン酸塩は、リンパ球増殖性疾患及び慢性リンパ球性白血病の治療に有用なプリンヌクレオチド抗代謝剤である。それは9-β-D-アラビノフラノシルアデニン(アラ-A、ビダラビン)の2-フルオロ,5’-リン酸塩誘導体であり、当該作用機序はDNA合成阻害及びエンドヌクレアーゼ非依存アポトーシスの誘導を介した細胞毒性である。
R.L.Heideman,C.McCully,F.M.Balis, and D.G.Poplack, Invest.New Drugs,11(2−3),135−140,May 1(1993).
新規ヌクレオチド抗代謝剤であるアラビノシル-5-アザシトシン(AAC)は、前臨床腫瘍スクリーニング試験において広域効果的である。この薬剤の髄腔内投与の可能性を探るべく、我々は、非ヒト霊長類に髄腔内及び腹腔内投与した際の当該毒性及び薬理動態を解析した。4匹の成人アカゲザル(オス)にAAC10mgを髄腔内(n=1)及び腹腔内(n=3)に単回投与し、当該急性毒性と薬理動態パラメーターを決定した。さらに3匹に10mgを各週で4週間髄腔内投与し、慢性投与に付随する全身性の神経毒性を解析した。当該能脊髄液(CSF)からの消失はバイエクスポネンシャルで、CSFクリアランセは0.2ml/分とCSF全体の流速より5倍も早かった。前記濃度×タイムカーブの10mgの腹腔内投与により得られたCSF濃度のピーク値及び部位は100で、先行実験として200mg/kg(1500−2400mg)の腹腔内投与後に得られた当該値よりもそれぞれ50倍大きかった。前記単回投与群又は週ごと×4回投与群のいずれにおいても、臨床的に顕著な神経毒性は認められなかった。軽微で一過的なCSF髄液細胞増加とCSFタンパクの増加が観察された。全身性の毒性は週ごと×4回投与群の1匹に限られており、当該動物はヘマトクリット値又は血小板数の変化を伴わずに末梢白血球数の軽微で一過的な減少を呈した。非霊長類でのこれらの研究は、AACの全身投与に対する髄腔内投与の薬理動態的観に際立った利点を証明している。このことは、全身投与によって得られる値に比べて1/200量の髄腔内及び腹腔内投与でCSFが50倍高い薬剤濃度に暴露されたことにより証明される。(要旨は250文字で欠失)。
T.J.Melink,G.Sarosy,A.R.Hanauske,J.L.Phillips,J.H.Bayne,M.R.Grever,H.N.Jayaram, and D.D.Von Hoff, Sel.Cancer Ther.,6(1),51−61,March 1(1990).
チアゾフリン(2‐B‐D‐リボフラノシルチアゾール-4-カルボキサミド、NSC286193)は、IMPデハイドロゲナーゼの強力な阻害剤として作用し、グアニンヌクレオチドの枯渇を引き起こすヌクレオシド抗代謝剤である。肝臓癌を有するラットを用いたインビボでの最近の生化学的観察より、グアニンヌクレオチドの枯渇と抗腫瘍活性は相関していることが示唆された。本第1相試験では、週×3ボーラス点滴による投与計画が5週間繰り返された。GTP及びdGTPの生化学的測定は、患者において各投与レベルごとに行った。12名の患者に、1100〜2050mg/m2、週ごと×3、の範囲で16通りの当該薬剤を投与した。当該用量制限毒性は心膜炎で、臨床的症状は一般的な漿膜炎(胸と腹の痛み)であることを示唆していた。他の毒性には、CPK(MMバンドのみ)及びSGOTの可逆的上昇、吐き気、嘔吐、及び関節痛が含まれていた。神経毒性は概して穏やかで、頭痛、不安、及び不快感が含まれた。チアゾフリンの生化学的活性が認められた6名の患者のうち1名だけに、グアニンヌクレオチドプールの持続的枯渇が認められた。抗腫瘍活性は認められなかった。この週ごと×3の断続的投与計画でのチアゾフリンの最大許容量は1650mg/m2であった。臨床的に可能な投与量での毒性及び生化学的・生物学的効果の欠如は、この薬剤の週単位投与でのさらなる臨床的評価を妨げるかもしれない。我々の研究で観察された前記毒性は、非常に高い投与量を毎日×5投与計画で行った第1相試験で報告されたものと同様であった。
Aleskog,R.Larsson,M.Hoglund,C.Sundstrom, and J.Kristensen, Eur.J.Haematol.,62(5),293−299,May 1(1999).
プリンアナログであるフルダラビン及びクラドリビン(CdA)は、軽度のホジキンリンパ腫(NHL)に対して有効な治療であることが近年確立された。ピリミジンアナログであるシタラビン(アラ-C)は急性白血病の治療において重要な地位にあり、ゲムシタビンは固形癌に対する臨床的効果が示された新規のピリミジン抗代謝剤である。我々は、フルオレセイン二酢酸塩(FDA)の細胞内加水分解によって生じる蛍光測定に基づいた、半自動フルオメトリックミクロ培養細胞毒性アッセイ(FMCA)を用いてこれらの薬剤を研究した。
軽度のNHLを有する60名の患者に由来する80のサンプルを解析した。急性リンパ性白血病(ALL)の患者由来50のサンプル、及び、急性骨髄性白血病(AML)患者由来118サンプルを比較のために用いた。当該結果は、解析したプリン及びピリミジンヌクレオシドアナログは、急性白血病と同様に軽度NHLに対しても効果的かもしれないことが示された。軽度NHLでは、アラ-CはCdA(p=<0.0001)及びフルダラビン(p=0.001)よりも効果的のようだった。非投与患者は、投与歴のある患者よりもより薬剤感受性であった。ゲムシタビンがアラ-C(0.90)と最も高い相関を示したのに対し、CdAはフルダラビン(0.84)と最も高い相関を示した。これらの結果に基づき、我々はアラ-C及びゲムシタビンが軽度NHLの治療に一定の役割を果たすかもしれないことを提案する。
G.Del,Bino,X.Li,F.Traganos, and Z.Darzynkiewicz, Leukemia,8(2),281−288,February 1(1994).
ヒト前骨髄球性白血病HL-60細胞が、抗腫瘍剤、特にDNAトポイソメラーゼ阻害剤で処理された際に、アポトーシスを起こさずに分化することが報告された。S期にある細胞はこれらの薬剤に選択的に感受性であり、また分化過程ではS期にある細胞の割合が減少するため、前記の報告されたアポトーシス細胞数の減少は単に当該培養系における感受性細胞の減少を反映したものと考えられる。我々は、アポトーシスと細胞周期を関連付けられるサイトメトリック法を用いて、HL-60細胞のアポトーシス反応性を対数増殖期とジメチルスルホキシド(DMSO)によって誘導される骨髄分化後において比較した。前記細胞は、(i)前記DNAトポイソメラーゼ阻害剤、カンプトテシン(CAM)、当該薬剤はS期の細胞選択的にアポトーシスを誘導する、(ii)前記ヌクレオシド抗代謝剤、5-アザシチジン(AZC)及び温熱療法、両方ともG1期の細胞優先的に作用する、及び(iii)ガンマ線照射、G2+M期の細胞優位にアポトーシスを誘導する、によって処理した。1.4%DMSOに24時間又は48時間暴露した細胞は、当該試薬の性質にも関わらず、且つ、当該細胞の細胞周期にも関わらず、アポトーシスによる反応に対して顕著により耐性であった。それゆえ、分化誘導は、アポトーシスによりダメージを与える種々の試薬に対する細胞の反応性を下げ、この効果は細胞周期の時期とは無関係である。加えて、前記反応性に対する違いは、アポトーシス調節タンパクであるbcl‐2の発現とは関係なく、当該発現はDMSOに暴露後24時間は不変だった。一方、前記細胞を低濃度のCAM又はAZCで前処理し、洗って当該試薬を除去し、その後DMSOで処理した場合には、アポトーシスに向かう細胞数は薬剤で処理した後にDMSOなしの培地に戻した細胞と比べて顕著に増加した。本データは、アポトーシス誘導とリンクした前記薬剤誘導障害スクリーニング機構が増殖期の細胞により適している一方で、アポトーシスのエフェクターは分化に向かった細胞内でより多く発現していることを示しているのかもしれない。また、このデータは、仮に分化誘導試薬が併用化学療法に用いられ、当該試薬が最初に投与された場合には、化学療法薬又は放射線療法の効果は減少するかもしれないことも示唆している。しかしながら、前記分化誘導試薬が逆の順序で投与された場合には、アポトーシスの促進が期待される。
L.Novotny,A.Vachalkova, and A.Piskala, Bioenerg.,48(1),129−134,February 1(1999).
非プロトン性条件下及び9種類の天然及び合成ピリミジンと6種類の合成1,3,5‐トリアジン(5‐アザ)ヌクレオシドからなるα‐リポ酸の存在下におけるポーラログラフ的に決まるポーラログラフ還元及び潜在的発癌性の指標tgαを、8種類の合成1,3,6‐トリアジン(5‐アザ)ヌクレオシドの当該還元と比較した。ヌクレオシドが核酸構造において果たす役割の重要性、及び当該アナログの抗代謝的及び細胞毒性/抗白血病的特性により、ヌクレオシドは興味深い。前記解析した化合物のポーラログラフ還元は、6‐アザ<5‐アザ<ピリミジンヌクレオシドの順番で徐々に増加することが示された。一方、解析した化合物の潜在的発癌性は、通常のピリミジン<6‐アザ<<5‐アザヌクレオシドの順番で増加した。本研究で顕著な潜在的発癌性が同定されたのは、前記5‐アザ(1,3,5‐トリアジン)抗代謝剤シリーズ−アラビノシル‐5‐アザシトシン(0.275)、5‐アザ‐シチジン(0.295)及び5‐アザ‐ウラシル(0.400)‐及び2,2‘‐アンヒドロウリジン(0.260)から選ばれる1つであった。本研究で得られたデータとヌクレオシドの生物学的活性の関係について議論している。
プリンアナログ耐性の例は、LawとBoyle(1951)により、L1210マウス白血病での8‐アザグアニンについて初めて示された。化学療法に有益な他の全抗腫瘍剤とともに、前記実験系での活性報告後ほどなく、6‐MPに耐性を示す腫瘍及び他のモデル系が記載された(Hutchison,(1963))。生物学的レベルでは、Brockman(1963a,b)及びBalis(1968)によって、プリンアナログ耐性の生物システムに係る初期研究について書評及び総括された。プリンアナログ耐性変異と当該野生型親株との信頼性の高い比較研究により、野生型システムのみが利用できた場合に比べて、プリン生合成及び代謝を理解する上でのより多くの情報が供された。
メトトレキサート、アザセリン、及びマイトマイシンCに感受性であることが報告(Hutchison,et.al,(1962))されているL1210/MP(III)細胞株は、前記抗生剤であるネオカルチノスタチン、前記アルキル化剤であるカルバジルキノン、及び3種類の新規抗葉酸剤にも付帯感受性であることが示されている。それは、6‐MeMPR及びアラ‐Cに対する感受性も保持している。
L1210株のチオグアニン耐性株を用いたRutman et.al.(1962)及びRutman(1964)は、シトキサンへの反応は不変だが6種類のアルキル化剤に対する付随的な感受性を報告した。L1210/MP(III)と異なり、L1210/TG/Rのメトトレキサートとアザセリンに対する感受性は不変で、当該親株と同程度であった。
2種類のチオグアニン耐性エーリッヒ腹水細胞株を6‐MeMPRで処理した化学療法の結果も同様であった(表6)。
チオグアニンと6‐MPに耐性株が6‐MeMPRに交差耐性を示すのは、これらの細胞株が6‐MeMPRを6‐MeMPR‐5’‐一リン酸塩に酵素的に変換できることに起因すると考えられる。しかしながら、前記6‐MeMPR耐性株は、酵素的にある程度の6‐MPヌクレオシドを作ることができる。前記化学療法のデータと、エーリッヒ腹水細胞の前記種々のプリンアナログ耐性の相対的生化学的活性は矛盾しないものである。
Heidelberger,et.al.,(1958)によって、フルオロピリミジンに対する耐性が初めて報告された。それ以来、フルオロピリミジン耐性の動物腫瘍及び他の生物システムが数多く記載された(Hutchison,(1963),(1965))。それらの全ては概して、他のフルオロ‐ピリミジンアナログに対しても交差耐性だが、抗葉酸剤、プリンアナログ、及びアルキル化剤に対する感受性は保持していた。
ピリミジンアナログとその結果であるアラ‐C(Walwick,et.al.,(1959))及び1β‐D‐アラビノフラノシル‐5‐フルオロシトシン(アラ‐C)(Fox,et.al.,(1966))の合成について興味深いこととして、Burchenal,et.al.,(1966)は、5‐フルオロウラシル(FU)に耐性なP815細胞株が、両シトシンアナログに対して当該P815親株と同様の感受性を保持していることを見出した。
フッ素化ピリミジンに対する耐性とそれらの開発の歴史は総括されている(Hutchison,(1963),(1965))。最近の研究は先行結果にほとんど追加していない。
a:α アラ‐C‐1β‐D‐アラビノフラノシルシトシン、アラ‐FC‐1β‐アラビノフラノシル‐5‐フルオロシトシン、No.300024‐1‐ビス(β‐クロロエチル)アミノ‐2‐ジメチルアミノエタン、DCM‐3’,5’‐ジクロロメトプテリン、MGGH‐メチルグリオキサールビス(グアニルヒドラゾン)、DDUG‐4’,4’‐ジアセチルジフェニルウレアビス(グアニルヒドラゾン)、BCNU‐1,3‐ビス(2‐クロロエチル)‐1‐ニトロソウレア、TSC‐ピリジン‐2‐カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン、チオ‐TEPA‐トリエチレンチオホスホラミド、F3TdR‐5‐トリフルオロメチル‐2’‐デオキシウリジン、AzCdR‐5‐アザ‐2’‐デオキシシチジン、L‐PAM‐L‐フェニルアラニンマスタードメタノール、A‐139‐2,5‐ビス(1‐アジリジニル)‐3,6‐ビス(2‐メトキシエトキシ)‐p‐ベンゾキノン、No.30020‐6‐ヒドロキシ‐9‐{3‐[ビス(2”‐クロロエチル)アミノ}プリン、No.30025‐1ビス(β‐クロロエチル)アミノ‐4‐アミノペンタン、No.30035‐1‐ビス(β‐クロロエチル)アミノ‐2‐アミノエタン。
bカッコ内の数字は各基中の化合物の数を示す。
以下の略語は、下記の実験報告の文中で用いられるものである。
Ac:アセチル、CAN:アセトニトリル、Bz:ベンゾイル、DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン、DMT:4,4’‐ジメトキシトリチル、Et:エチル、EtOAc:酢酸エチル、Hex:ヘキサン、Ibu:イソブチル、Me:メチル、MeOH:メタノール、TIPDS:テトライソプロピルジシロキサン、ODR:光学密度比。
N6‐Bz‐9‐[3,5‐O‐β‐D‐アラビノフラノシル]アデニン(化合物9):2’‐アラ‐アデノシンの塩化ベンゾイル反応によって得られる化合物で、続いて部分的アルカリ加水分解を受ける。
前記粗産物は、クロロホルム:ヘキサン:アセトン(50:30:20)‐1%及び2%メタノールを溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製した。収率は12グラム、60.3%である。化合物はTLC、UVスペクトル解析により分析した。
Claims (16)
- アラ‐O‐メチルを当該構造の一部として含むヌクレオシド。
- 請求項1に記載のヌクレオシドにおいて、
N6、N6‐ジメチルアデニン、N6‐ベンゾイルアデニン、N‐1‐メチルアデニン、7‐デアザアデニン、7‐デアザ‐8‐アザアデニン、3‐デアザアデニン、エテノアデニン、イソグアニン、N1‐メチルグアニン、7‐ヨード‐7‐デアザグアニン、7‐デアザ‐7‐ヨードアデニン、7‐デアザ‐7‐ヨード‐6‐オキソプリン、5‐ヨード‐5‐メチル‐7‐デアザグアニン、−C≡C(CH2)1−8‐フタルイミドで置換された7‐デアザグアニン、7‐デアザ‐8‐アザグアニン、8‐メチルグアニン、8‐ブロモグアニン、8‐アミノグアニン、ヒポキサンチン、6‐メトキシプリン、7‐デアザ‐6‐オキソプリン、6‐オキソプリン、2‐アミノプリン、2、6‐ジアミノプリン、8‐ブロモプリン、8‐アミノプリン、8‐アルキルアミノプリン、8‐アルキルアミノプリン、チミン、N‐3メチルチミン、5‐アクロキシメチルシトシン、5‐アザシトシン、イソシトシン、N‐4(C1‐C6)アルキルシトシン、N‐3(C1−C6)アルキルシチジン、5‐プロピニルシトシン、5‐ヨード‐シトシン、5‐(C1−C6)アルキルシトシン、5‐アリル(C1−C6)アルキルシトシン、5‐トリフルオロメチルシトシン、5‐メチルシトシン、エテノシトシン、−CH=CH−C(=O)NH(C1−C6)アルキルで置換されたシトシン及びウラシル、−C≡C−CH2‐フタルイミドで置換されたシトシン及びウラシル、NH(C1−C6)アルキル、4‐チオウラシル、2‐チオウラシル、N3‐チオベンゾイルエチルウラシル、5‐プロピニルウラシル、5‐Oアセトキシメチルウラシル、5‐フルオロウラシル、5‐クロロウラシル、5‐ブロモウラシル、5‐ヨードウラシル、4‐チオウラシル、N‐3‐(C1−C6)アルキルウラシル、5‐(3‐アミノアリル)‐ウラシル、5‐(C1−C6)アルキルウラシル、5‐アリル(C1−C6)アルキルウラシル、5‐トリフルオロメチルウラシル、4‐トリアゾリル‐5‐メチルウラシル、2‐ピリドン、2‐オキソ‐5‐メチルピリミジン、2‐オキソ‐4‐メチルチオ‐5‐メチルピリミジン、2‐チオカルボニル‐4‐オキソ‐5‐メチルピリミジン、及び4‐オキソ‐5‐メチルピリミジン、
からなる基から選ばれる環外アミン保護基を取り込んだヌクレオシド。 - 請求項2に記載のヌクレオシドにおいて、さらに5’‐又は3’‐4,4’‐ジメトキシトリチルを取り込んだヌクレオシド。
- 請求項2に記載のヌクレオシドにおいて、さらに5’‐又は3’‐4,4’,4”‐トリメトキシトリチルからなる基のいずれかを取り込んだヌクレオシド。
- 請求項2に記載のヌクレオシドにおいて、さらにホスホラミダイト基を取り込んだヌクレオシド。
- 請求項5に記載のヌクレオシドにおいて、前記ホスホラミダイトがリン酸保護基としてシアノエチル基からなるヌクレオシド。
- 請求項6に記載のヌクレオシドにおいて、前記ホスホラミダイトがn,n‐ジイソプロピルアミノ基からなるヌクレオシド。
- 請求項2に記載のヌクレオシドにおいて、さらに5’‐又は3’‐4’‐モノメトキシトリチルを取り込んだヌクレオシド。
- 請求項5、6、又は7に記載のヌクレオシドを構成要素として合成されたオリゴヌクレオチド。
- 請求項9に記載のオリゴヌクレオチドにおいて、さらに修飾塩基を取り込んだオリゴヌクレオチド。
- 請求項10に記載のオリゴヌクレオチドにおいて、特定のタンパク又はペプチドを標的とするアプタマーを含むように設計されたオリゴヌクレオチド。
- 請求項11に記載のオリゴヌクレオチドにおいて、テロメラーゼ、及び安定なグアニン四重鎖構造を形成することが知られているテロメラーゼ結合活性を標的として設計されたオリゴヌクレオチド。
- 請求項11に記載のオリゴヌクレオチドにおいて、ウィルス内に存在する特定のタンパクを標的として合成されたオリゴヌクレオチド。
- 請求項13に記載のオリゴヌクレオチドにおいて、前記標的タンパクがウィルスの生活環に関わるタンパクであるオリゴヌクレオチド。
- 請求項11に記載のオリゴヌクレオチドにおいて、ヒト又は動物において抗代謝剤として重要な特定のタンパクを標的として合成されたオリゴヌクレオチド。
- 請求項1に記載のヌクレオシドにおいて、治療用として合成されたヌクレオシド。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US20828709P | 2009-02-22 | 2009-02-22 | |
PCT/US2010/000524 WO2010096201A2 (en) | 2009-02-22 | 2010-02-23 | Synthesis of ara-2'-o-methyl-nucleosides, corresponding phosphoramidites and oligonucleotides incorporating novel modifications for biological application in therapeutics, diagnostics, g- tetrad forming oligonucleotides and aptamers |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013520395A true JP2013520395A (ja) | 2013-06-06 |
Family
ID=42634386
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011551073A Pending JP2013520395A (ja) | 2009-02-22 | 2010-02-23 | 治療、診断、g‐テトラド形成オリゴヌクレオシド及びアプタマーといった生物学的応用のための新規修飾を取り入れたアラ‐2’‐o‐メチル‐ヌクレオシド、当該ホスホラミダイト及びオリゴヌクレオチドの合成 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20120149888A1 (ja) |
EP (1) | EP2398815A4 (ja) |
JP (1) | JP2013520395A (ja) |
WO (1) | WO2010096201A2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100998365B1 (ko) * | 2009-06-29 | 2010-12-06 | 압타바이오 주식회사 | 치료 효능이 있는 변형핵산 및 구아노신을 함유하는 올리고뉴클레오티드 변형체 |
WO2014022357A1 (en) * | 2012-07-30 | 2014-02-06 | Isis Pharmaceuticals, Inc. | Combination therapy for the treatment of cancer |
CN110643609B (zh) * | 2019-09-20 | 2023-03-07 | 上海交通大学 | 一种核苷类似物药物分子构建的药物适配体及其制备方法和应用 |
CN117343111B (zh) * | 2023-12-04 | 2024-02-06 | 康羽生命科学技术(苏州)有限公司 | 核苷修饰物n2-异丁酰-2'-甲氧基鸟苷的制备方法 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001085751A1 (en) * | 2000-05-09 | 2001-11-15 | Reliable Biopharmaceutical, Inc. | Polymeric compounds useful as prodrugs |
JP2002543215A (ja) * | 1999-05-03 | 2002-12-17 | アイシス・ファーマシューティカルス・インコーポレーテッド | A−dna型およびb−dna型立体配座幾何学形状を有するオリゴヌクレオチド |
JP2004522695A (ja) * | 2000-09-01 | 2004-07-29 | サーナ・セラピューティクス・インコーポレイテッド | ヌクレオシド,ヌクレオシド誘導体および非ヌクレオシド誘導体を合成する方法 |
WO2005020885A2 (en) * | 2003-05-21 | 2005-03-10 | Isis Pharmaceuticals, Inc. | Compositions and methods for the treatment of severe acute respiratory syndrome (sars) |
WO2005100375A1 (en) * | 2004-04-19 | 2005-10-27 | Avecia Biotechnology Inc. | Process for the removal of exocyclic base protecting groups |
JP2009511003A (ja) * | 2005-10-04 | 2009-03-19 | マクギル ユニバーシティ | アラビノース修飾ヌクレオチドを含有するアプタマー |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0942000B1 (en) * | 1989-10-24 | 2004-06-23 | Isis Pharmaceuticals, Inc. | 2'-Modified oligonucleotides |
US7101993B1 (en) * | 1990-01-11 | 2006-09-05 | Isis Pharmaceuticals, Inc. | Oligonucleotides containing 2′-O-modified purines |
US20040033973A1 (en) * | 2002-08-16 | 2004-02-19 | Muthiah Manoharan | Compounds and oligomeric compounds comprising novel nucleobases |
ATE346918T1 (de) * | 1998-06-19 | 2006-12-15 | Univ Mcgill | Auf beta-arabinose, und dessen analogen, basierte antisense oligonukleotide |
US6610842B1 (en) * | 1999-05-06 | 2003-08-26 | Isis Pharmaceuticals, Inc. | Processes for the synthesis of oligomers using phosphoramidite compositions |
US6331399B1 (en) * | 2000-05-16 | 2001-12-18 | Isis Pharmaceuticals, Inc. | Antisense inhibition of tert expression |
US20020150936A1 (en) * | 2000-09-01 | 2002-10-17 | Leonid Beigelman | Methods for synthesizing nucleosides, nucleoside derivatives and non-nucleoside derivatives |
-
2010
- 2010-02-23 JP JP2011551073A patent/JP2013520395A/ja active Pending
- 2010-02-23 EP EP10744082.8A patent/EP2398815A4/en not_active Withdrawn
- 2010-02-23 US US13/138,465 patent/US20120149888A1/en not_active Abandoned
- 2010-02-23 WO PCT/US2010/000524 patent/WO2010096201A2/en active Application Filing
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002543215A (ja) * | 1999-05-03 | 2002-12-17 | アイシス・ファーマシューティカルス・インコーポレーテッド | A−dna型およびb−dna型立体配座幾何学形状を有するオリゴヌクレオチド |
WO2001085751A1 (en) * | 2000-05-09 | 2001-11-15 | Reliable Biopharmaceutical, Inc. | Polymeric compounds useful as prodrugs |
JP2004522695A (ja) * | 2000-09-01 | 2004-07-29 | サーナ・セラピューティクス・インコーポレイテッド | ヌクレオシド,ヌクレオシド誘導体および非ヌクレオシド誘導体を合成する方法 |
WO2005020885A2 (en) * | 2003-05-21 | 2005-03-10 | Isis Pharmaceuticals, Inc. | Compositions and methods for the treatment of severe acute respiratory syndrome (sars) |
WO2005100375A1 (en) * | 2004-04-19 | 2005-10-27 | Avecia Biotechnology Inc. | Process for the removal of exocyclic base protecting groups |
JP2009511003A (ja) * | 2005-10-04 | 2009-03-19 | マクギル ユニバーシティ | アラビノース修飾ヌクレオチドを含有するアプタマー |
Non-Patent Citations (5)
Title |
---|
JPN6014024609; MONTGOMERY,J.A. et al: 'Arabinonucleosides' Journal of Heterocyclic Chemistry Vol.16, No.2, 1979, pp.353-357 * |
JPN6014024612; GOTFREDSEN,C.H. et al: Bioorganic & Medicinal Chemistry Vol.4, No.8, 1996, pp.1217-1225 * |
JPN6014024615; CHARLOTTE,H.G. et al.: 'Structure of a DNA Duplex Containing a Single 2'-O-Methyl-beta-D-araT: Combined Use of NMR, Restrained' Bioconjugate Chemistry Vol.7, 1996, pp.680-688 * |
JPN6014024618; DARZYNKIEWICZ,E. et al: Acta Biochimica Polonica Vol.21, No.3, 1974, pp.305-322 * |
JPN6014024621; DARZYNKIEWICZ,E. et al: 'Preparation and properties of the O'-methyl derivatives of 9-beta-D-arabinofuranosyladenine' Cancer Biochemistry Biophysics Vol.1, No.4, 1976, pp.203-209 * |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP2398815A2 (en) | 2011-12-28 |
WO2010096201A2 (en) | 2010-08-26 |
WO2010096201A3 (en) | 2011-01-13 |
EP2398815A4 (en) | 2013-10-16 |
US20120149888A1 (en) | 2012-06-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Pankiewicz | Fluorinated nucleosides | |
Brito-Arias | N-glycosides | |
Périgaud et al. | Nucleoside analogues as chemotherapeutic agents: a review | |
Matsuda et al. | Antitumor activity of sugar‐modified cytosine nucleosides | |
Simons | Nucleoside mimetics: their chemistry and biological properties | |
US6140496A (en) | Precursors for deoxyribonucleotides containing non-standard nucleosides | |
US6025335A (en) | L-Nucleoside Dimer Compounds and therapeutic uses | |
DE69934227T2 (de) | Auf Beta-Arabinose und dessen Analoga basierte Antisense-Oligonukleotide | |
WO2004080466A1 (en) | Cytidine analogs and methods of use | |
WO2006121820A1 (en) | Phosphoramidate prodrugs for treatment of viral infection | |
Ni et al. | Review of α-nucleosides: from discovery, synthesis to properties and potential applications | |
WO2001085751A1 (en) | Polymeric compounds useful as prodrugs | |
WO2008029619A1 (fr) | Oligonucléotide antisens ena ayant une action spécifique de la séquence | |
JPH0898700A (ja) | 遺伝子発現を検出及び変調する糖修飾されたオリゴヌクレオチド | |
KR20060123707A (ko) | 치료제로서의 신규 트리시클릭 뉴클레오시드 또는뉴클레오티드 | |
JP2013520395A (ja) | 治療、診断、g‐テトラド形成オリゴヌクレオシド及びアプタマーといった生物学的応用のための新規修飾を取り入れたアラ‐2’‐o‐メチル‐ヌクレオシド、当該ホスホラミダイト及びオリゴヌクレオチドの合成 | |
Brito-Arias | N-glycosides | |
EP1214331B1 (en) | 2-azapurine compounds and their use | |
Lien et al. | Novel and unusual nucleosides as drugs | |
WO2021173812A1 (en) | Methods and compositions for targeting pd-l1 | |
WO2021173811A1 (en) | Methods and compositions for targeting pd-l1 | |
CA2322494A1 (en) | Novel nucleoside analogs and uses in treating disease | |
AU2005268775A1 (en) | Prodrugs activated by RNA-dependent DNA-polymerases | |
Mieczkowski et al. | Potential and perspectives of cyclonucleosides | |
EP2854813B1 (en) | Pyrazolotriazolyl nucleoside analogues and oligonucleotides comprising them |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130221 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140617 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20140827 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20140903 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20141008 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20141016 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20141107 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20141114 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20141217 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20150331 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150731 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20150914 |
|
A912 | Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20151009 |