JP2002538265A - 潤滑組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 潤滑組成物は層状格子構造を有し、そして７０ないし１００重量％の二硫化スズを含む固体潤滑剤を含有する。この潤滑組成物はすぐれた潤滑性および摩耗性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、潤滑組成物、特に二硫化スズ（ベルンドタイト、モザイク金、六方
晶系結晶）を唯一のもしくは主たる層状格子構造を有する固体潤滑剤として含ん
でいる液状もしくは半固状潤滑組成物に関する。

【０００２】 工業用途の潤滑剤においては、使用される固体潤滑成分は特に二硫化モリブデ
ン（ＭｏＳ₂ ）、黒鉛およびポリテトラフロロエチレン（ＰＴＦＥ）である。そ
れらは典型的にはグリース、ペースト、低摩擦コーティング、懸濁液、分散液、
鉱油および合成油、溶剤および水系冷却潤滑剤に使用される。固体潤滑剤は摩耗
からの比較的高い保護を確実にし、そして摩擦係数を改善しなければならない。

【０００３】 用途に依存して、これらの固体潤滑剤はその使用分野を制限する欠点を有する
。このため例えばＰＴＦＥは２５０℃までおよび二硫化モリブデンは約３５０℃
までのみに安定であるが、一方黒鉛は追加の分離効果を持たず、そして黒鉛およ
び二硫化モリブデンの両方はそれらの暗い色のため食品分野においては限られた
範囲においてのみ使用することができる。

【０００４】 他の重金属硫化物の使用も考えられている。このためＧＢ９５６５６８は、二
硫化モリブデンのような第１の硫化物に加え、３０重量％までの二硫化スズのよ
うな第２の硫化物を含む固体潤滑組成物を記載する。二硫化スズは二硫化モリブ
デンの摩耗および潤滑性を改善する。しかしながら二硫化スズは最適の添加剤で
はなく、二硫化モリブデンよりも貧弱な潤滑剤であることが強調されている。

【０００５】 ＣＨ６４４８９０は、黒鉛６０ないし９０重量％と、二硫化モリブデンまたは
二硫化スズのような金属硫化物１０ないし４０重量％の混合物を含有する潤滑剤
を記載する。黒鉛と二硫化モリブデンの混合物を約２００℃において使用する時
は摩擦係数が鋭く増加することが判明している。

【０００６】 ＥＰ１０８８９２Ａは、二硫化モリブデンまたは二硫化スズのような金属硫化
物２０ないし８０重量％と、黒鉛８０ないし２０重量％を含有する機械工学にお
いて使用のための良好な低摩擦性を有する固体構築材料を記載する。この構築材
料から製造した成形品は良好な低摩擦および腐食性を有する。

【０００７】 ＥＰ６５４６１６は、固体潤滑剤として硫化スズまたは二硫化スズを含有する
ブレーキおよびクラッチライニング用の摩擦ライニング混合物を記載する。硫化
スズの使用は係合する対の摩耗の改善と、摩擦ライニングの相手側のひび割れを
受け易さの減少と、そして４００℃以上の温度における潤滑機能の改善へ導く。
ＷＯ９９／５２９９７は複数の硫化スズ類の硫化スズマトリックスとその中に埋
められた黒鉛よりなる固体潤滑剤を記載する。この固体潤滑剤は摩擦ライニング
に使用される。

【０００８】 ＤＥ１５９４３６７Ａは、有機液体例えば炭化水素中で、黒鉛、イオウ、金属
粉混合物と、そしてイオウと共有またはイオン結合した金属硫化物との混合物を
１０ないし８００ｍ² ／ｇのＢＥＴ表面積へ粉砕することによる親油性固体潤滑
剤の製造方法を記載する。

【０００９】 ＥＰ１６６７８３３Ａは、硫化スズを空気の不存在下炭化水素のような有機液
体中で硫化スズがＢＥＴ表面積５ないし４００ｍ² ／ｇを持つまで粉砕すること
によって製造される親油性硫化スズを記載する。この親油性硫化スズは固体潤滑
剤として使用され、そして慣用のＳｎＳ₂ に比較して改良された荷重支持能力を
持っている。

【００１０】 固体潤滑剤として二硫化モリブデンまたは黒鉛を含む潤滑組成物は、低温と同
様に高温においてそれらの摩耗に対する抵抗が満足でないという欠点を持ってい
る。さらにそれらの使用はしばしば望ましくない非常に暗色の組成物へ導く。他
の金属硫化物の使用は潤滑性がしばしば不満足である潤滑組成物をもたらす。

【００１１】 本発明の目的は、良好な潤滑性と高い耐摩耗性の両方を有する潤滑組成物を提
供することである。さらに、この潤滑組成物は潤滑剤ベースよりも実質上暗黒で
あってはならない。

【００１２】 我々は、もし固体そして特に液状もしくは半固状潤滑組成物において固体潤滑
剤として二硫化スズを７０ないし１００重量％使用するならば、この目的が達成
されることを発見した。

【００１３】 それ故本発明は、層状格子構造を有し、そして層状格子構造を有する固体潤滑
剤の総重量を基準にして、７０ないし１００重量％の非親油性二硫化スズを含む
固体潤滑剤を含有する潤滑組成物に関する。

【００１４】 二硫化スズ（ＳｎＳ₂ ）は、ＳｎＳ、Ｓｎ₂ Ｓ₃ （スズ（II）および（IV）混
合硫化物）、およびＳｎ₃ Ｓ₄ のような少なくとも１種の他の硫化スズとの混合
物として存在してもよい。ＳｎＳ₂ とＳｎＳとの混合物、ＳｎＳ₂ とＳｎ₂ Ｓ₃ との混合物、およびＳｎＳ₂ 、ＳｎＳおよびＳｎ₂ Ｓ₃ の混合物が好ましい。他
の硫化スズとの混合物中のＳｎＳ₂ は、一般に混合物の全重量を基準にして７０
ないし９９．５重量％である。潤滑剤組成物は好ましくは炭素不含である。

【００１５】 好ましくは、層状格子構造を有する固体潤滑剤は、各場合層状格子構造を有す
る固体潤滑剤を基準にして、８０ないし１００重量％，特に好ましくは９０ない
し１００重量％の二硫化スズまたは前記混合物を含んでいる。

【００１６】 この新規な潤滑組成物は、固体形例えば粉末として、半固体形例えばペースト
として、または液状形例えば分散液もしくは懸濁液として存在することができる
。液体または半固体潤滑組成物が好ましい。

【００１７】 潤滑組成物中の層状構造を有する固体潤滑剤の量は組成物の形および用途に依
存して変動する。液体潤滑組成物の場合、この量は組成物の全重量を基準にして
一般に０．５ないし２０重量％、特に１ないし１０重量％である。半固体潤滑組
成物の場合、この量は一般に１５ないし８０重量％、特に２０ないし７０重量％
である。固体潤滑組成物の場合、この量は一般に組成物の１０ないし１００重量
％、好ましくは２０ないし１００重量％または５０ないし１００重量％である。

【００１８】 この新規な液体潤滑組成物は意図する用途に従って選ばれた液体中の懸濁もし
くは分散した二硫化スズを含んでいる。そのような液体（潤滑剤ベース）は当業
者には既知であり、そして例えばＵｌｍａｎｎ’ｓ Ｅｎｃｙｃｌｏｐｅｄｉａ
ｏｆ Ｉｎｄｕｓｔｒｉａｌ Ｃｈｅｍｉｓｔｒｙ，５ｔｈ Ｅｄ．，Ｖｏｌ
．Ａ１５，４２９−４４３，１９９０に記載されている。そのような液体の例は
、 −鉱油、 −合成油、例えばポリオレフィン油のような合成炭化水素、塩素化炭化水素ま たはハイドロクラッキングによって得られる炭化水素オイル（イソパラフィ ン）、ポリエーテル油、エステル油、リン酸エステル、シリコーンオイル等 、 −ナタネ油またはアマニ油のような植物油 である。

【００１９】 使用し得るポリオレフィン油は特にＣ₈ −Ｃ₁₂α−オレフィンのポリマーであ
る。

【００２０】 ポリエーテル油は、ポリ（アルキレングリコール）、例えばポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコールおよびその共重合体のような脂肪族ポリエー
テル油、そのモノ−およびジエーテル類、エステル−エーテル類およびエーテル
類を含む。水溶性および水不溶性タイプが適している。脂肪族ポリエーテル油は
ペルフルオロポリアルキルエーテル類を含む。好ましいポリエーテル油はポリフ
ェニルエーテルである。

【００２１】 エステル油は特に以下のエステルタイプである。 ａ）分枝一級アルコールと直鎖ジカルボン酸とのエステル； ｂ）分枝モノカルボン酸と直鎖ジオールもしくはポリ（アルキレングリコール）
とのエステル； ｃ）直鎖一級アルコールと分枝ジカルボン酸とのエステル；および ｄ）ネオペンチルポリオールとモノカルボン酸とのエステル。

【００２２】 特に重要なものは上のエステルａ）と、そしてカルボン酸もしくはモノアルコ
ール末端基を持つジカルボン酸とグリコールもしくはポリグリコールのいわゆる
複合エステル類である。分枝一級アルコールは特に、２−エチルヘキサノールお
よびＣ₇ −，Ｃ₈ −，およびＣ₉ −オキソアルコールのような、オキソ合成また
はアルドール縮合によって得られるアルコールである。特に好ましいジカルボン
酸は、セバシン酸、アゼライン酸およびアジピン酸である。好ましいポリ（アル
キレングリコール）は１００ないし６００の分子量を有するポリ（エチレングリ
コール）である。

【００２３】 ネオペンチルポリオールのエステルは、特にネオペンチルグリコール、トリメ
チロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールおよびそれら
のエトキシル化および／またはプロポキシル化物のエステルである。

【００２４】 エステル油およびポリエーテル油が本発明に従って好ましい。

【００２５】 新規な液体潤滑組成物の例は、モーターオイル、ギヤオイル、タービンオイル
、油圧オイル、ポンプオイル、熱移動媒体、絶縁オイル、ドリリングオイル、チ
ェーンオイル、ガラス機械オイル、モールドオイル、コンプレッサーオイル、切
削オイル、兵器等、シリンダーオイル、溶剤系または水系低摩擦コーティング（
担体液体の蒸発前）、冷却潤滑剤等である。

【００２６】 半固体の新規な潤滑組成物は一般に鉱物系または合成グリースと、そして適当
な増粘剤と組合せた鉱油もしくは合成油（上に述べたような）を基本とする。半
固形の新規な潤滑組成物の例は、グリース、ペースト、架台グリース、ローラー
軸受およびスライド軸受グリース等である。

【００２７】 適当な増粘剤は以下のものである。 −ポリウレアおよびポリウレタンのような純有機増粘剤、 −無定形もしくは疎水性シリカ、 −疎水性とすることができるベントナイトのようなシート状ケイ酸塩、 −金属塩、酸化物、水酸化物および関連する化合物、特にステアリン酸または１
２−ヒドロキシステアリン酸のような脂肪酸の金属塩。脂肪酸の金属塩は酢酸ま
たは安息香酸のような短鎖カルボン酸の金属塩との混合物として使用することが
できる。使用し得る陽イオンは、例えばＬｉ⁺ ，Ｎａ⁺ ，Ｋ⁺ ，Ｃａ²⁺，Ｂａ²⁺ ，Ａｌ³⁺，〔Ａｌ（ＯＨ）₂ 〕⁺ ，〔Ａｌ（ＯＨ）〕²⁺およびＴｉＯ²⁺である。

【００２８】 固体潤滑組成物の例は、活性状態すなわち担体液体の蒸発後において低摩擦コ
ーティング（溶剤系または水系）、軸受、プラグ接続、電球等のためのコーティ
ング、および例えば摩擦ライニングまたは自己潤滑性プラスチックのための添加
物として役立つ固体潤滑剤である。

【００２９】 新規な潤滑組成物は、二硫化スズに加え、３０重量％までの二硫化モリブデン
、三硫化アンチモン、二硫化タングステン、三硫化ビスマス、硫化鉛、黒鉛等の
層状格子構造を有する他の固体潤滑剤を含んでも良い。さらにそれらはポリテト
ラフルオロエチレンのようなさらなる固体潤滑剤を含むことができる。

【００３０】 この新規な固体潤滑剤は、抗酸化剤、粘度改良剤、流動点降下剤、界面活性剤
および分散剤（ＨＤ添加剤）、およびＥＰ（極圧）添加剤のような慣用の添加剤
、摩擦調節剤、消泡剤、デマルシファィアー、腐食阻害剤、乳化剤等を含むこと
ができる。それぞれの組成物に使用し得る添加物およびそれらの使用は、例えば
Ｕｌｌｍａｎｎ’ｓ Ｅｎｃｙｃｌｏｐｅｄｉａ ｏｆ Ｉｎｄｕｓｔｒｉａｌ
Ｃｈｅｍｉｓｔｒｙ，５ｔｈ Ｅｄ．，Ｖｏｌｕｍｅ １５，ｐａｇｅ ４４
６等に記載されている。

【００３１】 使用する二硫化スズは任意の商業的に入手し得る二硫化スズか、または既知方
法によって製造された二硫化スズであることができる。

【００３２】 好ましい具体例によれば、沈澱および後続の加熱により、またはもし要すれば
不活性ガス下で、ハロゲン含有物質の添加なしに、３５０ないし７５０℃におい
てスズ（II）化合物または金属スズと硫化物との反応によって製造された二硫化
スズが使用される。出発原料として使用し得るスズ（II）化合物は、例えばＳｎ
Ｓ，ＳｎＣｌ₂ ，ＳｎＳＯ₄ ，およびギ酸スズ（II）およびシュウ酸スズ（II）
のようなスズ（II）カルボン酸塩である。得られる二硫化スズは均質な黄金色粉
末であり、比較的高い温度においてさえも変色しない。

【００３３】 ＳｎＳ₂ ，ＳｎＳおよび／またはＳｎ₂ Ｓ₃ の混合物は、例えばＷＯ９９／５
２９９７に記載されたプロセスによって製造することができる。

【００３４】 新規な潤滑組成物の調製は、慣用の混合装置の助けにより、二硫化スズを前記
液体、半固体または固体化合物中へ混合することによって実施される。

【００３５】 新規な潤滑組成物はすぐれた潤滑性と、そして高温および低温の両方において
すぐれている摩耗に対する抵抗を有する。摩耗は他の固体潤滑剤を含む潤滑組成
物と比較して特に負荷のもとでそして比較的高い温度（例えば１５０ないし２５
０℃）において実質的に改善され、一方摩擦係数は少なくとも同等である。これ
らの積極的な性質はまた、他の潤滑剤との組合せにおいて二硫化スズが層状格子
構造を有する固体潤滑剤の支配的割合（５０ないし１００重量％）を構成しても
得られる。

【００３６】 以下の実施例は本発明をそれに限定することなく例証する。

【００３７】 実施例１ 二硫化スズ１００ｇを鉱油１９００ｇ（例えばシェル、エッソまたはトータル
によって販売されているＢｒｉｇｈｔ Ｓｔｏｃｋ溶剤１２％＋Ｍｏｕｖｍｅｎ
ｔ４６の８８％）中へ混合装置の助けにより混合した。得られた潤滑組成物の摩
耗に対する抵抗は、二硫化スズの代りに同じ重量の二硫化モリブデンを含んでい
る潤滑組成物と比較して、２０℃および１５０℃において測定された。摩耗に対
する抵抗は、摩擦摩耗テスターおよび試験オイル中に浸漬した回転リングを使用
して決定された。このリングは、例えばＭｏｌｙｋｏｔｅによる単行本（Ｚｅｃ
ｈｅｌ ｅｔ ａｌ．，１９９１，５５２ Ｓ）に記載されているＲｅｉｃｈｅ
ｒｔ試験の場合におけるリングと類似の幾何形状を有していた。潤滑組成物を所
望の温度へ加熱した後、リングは徐々に負荷され、そして摩耗キャップが測定さ
れた。得られた結果を以下の表１に掲げる。

【００３８】 表 １ ┌─────┬───────────────────────────┐ │ │ 摩耗（ｍｍ² ） │ │荷重（Ｎ）├──────┬──────┬──────┬──────┤ │ │ Ａ │ Ｂ │ Ｃ │ Ｄ │ ├─────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │ ５００ │ ０．７９│ ０．６９│ ０．７５│ ０．６３│ │１０００ │ １．８４│ １．３１│ １．８７│ １．４７│ │１５００ │ ２．９４│ １．３９│ ２．４７│ １．７１│ │２０００ │ １１．４４│ １．４６│ １３．０１│ １．８４│ │２５００ │ １８．８４│ １．６１│ ２７．６７│ ４．５２│ │３０００ │ ２０．４１│ １．７１│＞３５ │ ３０．２２│ └─────┴──────┴──────┴──────┴──────┘ 組成物Ａ：鉱油＋５％ＭｏＳ₂ ，２０℃ 組成物Ｂ：鉱油＋５％ＳｎＳ₂ ，２０℃ 組成物Ｃ：鉱油＋５％ＭｏＳ₂ ，１５０℃ 組成物Ｄ：鉱油＋５％ＳｎＳ₂ ，１５０℃

【００３９】 新規な組成物は、２０℃と１５０℃の両方において、二硫化モリブデンを含む
組成物よりも有意に良好な摩耗値を驚くほど与えることが明らかである。負荷の
増加に伴う差は特に顕著である。

【００４０】 摩擦係数は同じ組成物を使用し、そして同じ温度において決定された。結果は
以下の表２に含まれている。

【００４１】 表 ２ ┌─────┬───────────────────────────┐ │ │ 摩擦係数 │ │荷重（Ｎ）├──────┬──────┬──────┬──────┤ │ │ Ａ │ Ｂ │ Ｃ │ Ｄ │ ├─────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │ ５００ │ ０．１００│ ０．１４０│ ０．１２０│ ０．０９８│ │１０００ │ ０．０９６│ ０．１１０│ ０．０８９│ ０．０９３│ │１５００ │ ０．０９３│ ０．１１０│ ０．０８９│ ０．０８９│ │２０００ │ ０．０８９│ ０．０９２│ ０．０８９│ ０．０７１│ │２５００ │ ０．０９２│ ０．０９２│ ０．０９１│ ０．０９９│ │３０００ │ ０．０９５│ ０．０９５│ ０．２９０│ ０．２５０│ └─────┴──────┴──────┴──────┴──────┘

【００４２】 ＳｎＳ₂ を含む潤滑組成物の摩擦係数は、１５０℃においてまたは２０００Ｎ
からの荷重においてＭｏＳ₂ を含む対応する組成物の摩擦係数に匹敵する。Ｓｎ
Ｓ₂ のモル量は１４％高い分子量のためＭｏＳ₂ よりも低いことを注意すべきで
ある。

【００４３】 実施例２ 比較テストシリーズにおいて、ＳｎＳ₂ ５重量％を含むペルフルオロ化アルキ
ルポリエーテル（４０℃における粘度５００ｍｍ² ／ｓ）がＳｎＳ₂ の代りに同
量のＭｏＳ₂ ，ＰＴＦＥまたは黒鉛を含む同じ潤滑剤と比較された。このテスト
シリーズは２５０℃において実施された。

【００４４】 結果は以下の表３に含まれている。

【００４５】 表 ３ ┌─────┬───────────────────────────┐ │ │ 摩耗（ｍｍ² ） │ │荷重（Ｎ）├──────┬──────┬──────┬──────┤ │ │ ＳｎＳ₂ │ ＭｏＳ₂ │ ＰＴＦＥ │ 黒鉛 │ ├─────┼──────┼──────┼──────┼──────┤ │ ５００ │ １．０ │ ０．９ │ ２．１ │ １．８ │ │１０００ │ ２．８ │ ３．３ │ ３．５ │ ３．３ │ │１５００ │ ２．９ │ ４．５ │ ４．５ │ ４．４ │ │２０００ │ ３．１ │ ５．８ │ ５．８ │ ６．４ │ │２５００ │ ５．０ │ ６．２ │ ２６．５ │ １０．２ │ └─────┴──────┴──────┴──────┴──────┘

【００４６】 すべての他の固体潤滑剤と比較して、ＳｎＳ₂ はより良好な摩耗値を有し、こ
れは特に荷重１０００Ｎからにおいて非常に明瞭である。

【００４７】 実施例３ ２５０℃以上までの高温度範囲においてチェーンを潤滑するためのチェーンオ
イルとして使用される合成油（エステル）中に、ＳｎＳ₂ ２重量％が使用された
。摩擦係数の増大につれ増大する動力消費は潤滑後なお１．８５ｋＷｈ／ｈであ
る。４８時間後、動力消費はもしＳｎＳ₂ を使用しなければ潤滑の損失のため１
．９５ないし２ｋＷｈ／ｈまたはそれ以上へ上昇する。この新規な組成物での潤
滑後では、動力消費は４８時間後さえも１．８５ｋＷｈ／ｈにとどまった。これ
は実際において新規な潤滑剤の相当の重要性を例証する。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｃ１０Ｍ 105/76 Ｃ１０Ｍ 105/76 107/02 107/02 107/34 107/34 // Ｃ１０Ｎ 10:08 Ｃ１０Ｎ 10:08 20:02 20:02 20:06 20:06 Ｚ 30:06 30:06 40:00 40:00 Ａ Ｚ 40:04 40:04 40:08 40:08 40:13 40:13 40:16 40:16 40:22 40:22 40:25 40:25 40:30 40:30 40:32 40:32 50:08 50:08 50:10 50:10 (72)発明者 グール，ディーター ドイツ連邦共和国Ｄ−67346、シュパイヤ ー、ナッハティガーレンベック 99 Ｆターム(参考） 4H104 AA19A BA02A BA06A BB31A BH03A CA01A CB14A CJ02A DA02A EA02A FA04 LA03 PA02 PA05 PA07 PA09 PA12 PA20 PA22 PA37 PA41 PA50 QA11 QA18

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 層状格子構造を有し、そして非親油性二硫化スズを７０ないし１００重量％（
   固体潤滑剤の全重量を基準にして）含む固体潤滑剤を含んでいる炭素不含固体潤
   滑組成物。
2. 【請求項２】 層状格子構造を有し、そして非親油性二硫化スズまたは二硫化スズと少なくと
   も１種の他の硫化スズとの混合物を７０ないし１００重量％含む固体潤滑剤を含
   んでいる液体または半固体形の潤滑組成物（パラフィン油中もしくは６０℃にお
   けるレッドウッド粘度１６０ｓｅｃとそして粘度指数９５を有する鉱油中に二硫
   化スズを含有する組成物を除く。）
3. 【請求項３】 固体潤滑剤は、二硫化スズ８０ないし１００重量％を含む請求項１または２の
   組成物。
4. 【請求項４】 固体潤滑剤として、ＳｎＳ₂ とＳｎ₂ Ｓ₃ 、そしてもし必要ならばＳｎＳとさ
   らなる硫化スズの混合物を含む請求項１ないし３のいずれかの組成物。
5. 【請求項５】 混合物は、混合物全重量を基準にして、８０ないし９９重量％のＳｎＳ₂ を含
   む請求項４の組成物。
6. 【請求項６】 固体潤滑剤は合成油中に懸濁している請求項２ないし５のいずれかの組成物。
7. 【請求項７】 合成油は、エステル油、ポリエーテル油、リン酸エステル、シリコーン油およ
   び合成炭化水素から選ばれる請求項６の組成物。