JP2002537765A - 家畜の排泄物の乾燥室および乾燥装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シンプルな設計で費用がかからなず、少ない体積の空気を用いて家禽類の糞を効率的に乾燥させることができる乾燥装置を提供する。 【解決手段】 乾燥室は新鮮な排泄物と乾燥した排泄物の混合物（Ｍ）を受け入れ、そのベース（６）は混合物（Ｍ）を保持するとともに空気（Ａ）の通気性を有し、このベースはエレメント（60、60'）の集合から構成され、このエレメントは排泄物を保持する手段を形成するとともに定期的に乾燥した排泄物の一部を乾燥室（１）の外へベース（６）を経由して移送する移送手段（Ｔ；Ｔ₁、Ｔ₂）を備え、前記移送手段（Ｔ；Ｔ₁、Ｔ₂）を水平部材（60、60'）からなる２つの平面（Ｐ₁、Ｐ₂）の間を水平に移動可能なスライドから構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、家畜の排泄物、特に家禽類の糞を乾燥させるための乾燥室および乾
燥装置に関する。

【０００２】 それらには大量に水分が含まれているので、家禽類の糞を乾燥させる数多くの
技術がすでに提案されているが、その主な目的は、脱水され脱臭された生成物を
得ることであり、次の用途に簡単に使用可能である。主な用途は肥料である。

【０００３】 最も簡単な方法は、育成舎の内部で、育成かごの下に位置して家禽類の排泄物
が落下するエンドレスベルトコンベヤの上部に、空気をブローすることから構成
される。しかしながら、その空気は、コンベヤ上に広がった糞の薄い層と接触す
る際に急速に通過するために、一部だけ湿気をたくさん含んでくる。もっと効率
を良くするためには、非常に大きい体積の空気を使い前記空気中に乱流を与えな
ければならず、エネルギーの点から非常に費用が高くつく。

【０００４】 ある場合には、このタイプの方法は育成舎の外側の、乾燥トンネル中で用いら
れる。このタイプの装置の主な欠点は、そのサイズと機械的な複雑さにある。

【０００５】 EP-B-O 210 196号公報には、鶏の肥料を乾燥、調整するための方法と装置が記
述されている。その方法は、肥料を微生物学的に変換するステップからなり、肥
料を確実に良好に乾燥させるために、全ての変換パラメータを綿密に監視するこ
とが必要とされる。さらに、その対応する装置は、必然的に複雑で高価である。

【０００６】 US-A-2679114号公報は、肥料を変換し堆肥化するための装置と方法に関するも
のである。その装置は、サイロの上部へ未加工の肥料を移送するコンベヤからな
る。そのサイロのベースは、２つの穿孔され収束する仕切から形成され、その仕
切の間に通路が広がっている。その通路の底部には、シュート中に配置されたコ
ンベヤが備えられている。コンベヤの上部には、ブレードを備えた２つの平行な
ロータリシャフトが伸びている。そのシャフトを回転駆動させると、いくらかの
肥料がコンベヤ上へ移送される。

【０００７】 圧力下で、湿気をたくさん含んでいる可能性のある空気は、サイロの下部を通
って、肥料の塊の中へ導かれ、その変換に備える。その空気は、肥料の後方で循
環し、その乾燥または変換の改善に寄与する。

【０００８】 DE-A-2723581号公報は、有機固体の好気性分解のための方法と装置に関するも
のである。その装置は、素材の前乾燥のための装置、貯蔵室、およびサイロから
構成され、そのサイロのベースには、前乾燥された生成物と乾燥生成物の完全な
混合物を製造するツインスクリューコンベヤが通じている。

【０００９】 その混合物はつぎに、バーチカルコンベヤを経て、可動ベースを有する分解反
応器へ移送される。その混合物は、乾燥塔へ選択的に導かれることが可能であり
、最終生成物は前述のサイロに蓄えられる。

【００１０】 前記公報のような、可動ベースは、ロータリシャフトの集合から構成されるこ
とに注目すべきであり、その周囲には指状突起またはブレードが備えられている
。このタイプの通気性の可動ベースは深刻な欠点を有している。

【００１１】 これはなぜなら、乾燥した排泄物が土の塊に良く似た塊の形状で集められたと
き、これが著しく硬い素材だからである。シャフトを回転させるための駆動力は
、その塊を破壊に成功し、２つの隣接したシャフトの指状突起またはブレードの
間に位置する隙間へそれらを通過させるために、著しく高くなければならない。
このような動力の増加は、エネルギーの点から費用が高くつく。

【００１２】 さらに、シャフトが停止中のとき、すなわち回転していないとき、上述の隙間
は乾燥した素材の最も流動性のある一部分のみを必然的にろ過させるが、それは
望ましくない。

【００１３】 最後に、WO-A-97/02222号公報を通じて、家畜の排泄物の乾燥装置が知られて
おり、ベースが可動で通気性のある乾燥室から構成されている。

【００１４】 このベースは、連結式の押出し成形からなる多数のエレメントから形成される
が、排泄物の一部分が流れることができるようにするために同時に振動可能であ
る。

【００１５】 このタイプの装置は、操作に関しては申し分がない。しかしながら、振動操作
は、相当なエネルギー消費を必要とする。

【００１６】 本発明は、これらの問題点を克服することを目的とする。

【００１７】 より正確には、シンプルな設計で費用のかからない乾燥装置であって、少ない
体積の空気を用いて家禽類の糞を効率的に乾燥させることができる乾燥装置を提
供することである。ほとんどエネルギーを使わず、一方湿気に関して高度に飽和
した使用済みの空気を回収し、この目的を達成することを目的とする。

【００１８】 さらに、通気性のある可動ベースが上述した欠点を有しないような装置を提供
することを目的とする。

【００１９】 本発明の第１の特徴によれば、家畜の排泄物の乾燥装置に関し、新鮮な排泄物
と乾燥した排泄物の混合物の受け入れに適合し、そのベースは通気性がある一方
その混合物を保持するように備えられ、このベースは排泄物を保持する手段を形
成することと定期的に乾燥した排泄物の一部を室外へこのベースを通って移送す
ることを可能にする手段を有することが可能なエレメントの集合から構成される
。

【００２０】 それは主に、前記エレメントが、２つの平行な平面が重なって編成された２組
の水平部材からなり、これら水平部材はベースが垂直方向に連続した障害を有し
ないように配置され、前記移送手段はこれら２つの平面の水平部材の間の水平に
移動可能な少なくとも１つのスライドから構成されるという事実によって、この
スライドの縦方向の動作は、一端から他端まで前記ベースの表面の全体を掃引可
能であり、下方の平面の水平部材の上部に蓄積された排泄物を押して、ゆえにそ
れは重力によって室外に落ちる。

【００２１】 このように、「通気性のあるベース」は、唯一の単独タイプの動作部分、すな
わちスライドを有する。これは、乾燥室の構造を大いに単純化し、スライドの動
作に供されるエネルギーの消費を減少させることを可能にする。

【００２２】 さらに、この装置のその他の好都合な限定されない特徴によれば： −側面から見ると、水平部材は互い違いの列に配置され、上方の平面の水平部材
の端部は、下方の平面の水平部材と部分的に重なり合っており； −上方の平面の水平部材は穿孔されており； −乾燥室は長方形の２つのスライドを有し、その幅はベースの幅の半分に等しく
、この２つのスライドは反対方向に移動可能であり； −前記スライドを駆動させる手段は、第１のケーブルと第２のケーブルからなり
、第１のケーブルは、全く同じ側面から向けられた２つのスライドの横方向の端
部に接続し、このケーブルは一組のプーリ上を通過し、少なくともその１つは駆
動プーリであり、第２のケーブルは第１のケーブルとは反対の２つのスライドの
横方向の端部に接続し、このケーブルは一組の戻りプーリ上を通過し、ゆえに、
駆動プーリの駆動によって、１つのスライドが一方向に移動し、一方第２のスラ
イドがその逆方向に移動し； −それらは第１のケーブルの両端を常に張力下に置くように構成され、第１のケ
ーブルはそれぞれ第１のスライドと第２のスライドに連結され； −それは縦方向に移動可能な運搬手段を有し、前記混合物を受け入れて前記べー
ス上に一様にそれを分布させることが可能であり； −前記運搬手段は下方に向いた一組の指状突起を有し、それは前記ベース上に排
出された混合物の層を平坦にすることが可能であり； −前記一組の指状突起は乾燥室の端部で引っ込めることができる。

【００２３】 本発明はまた、家畜の排泄物を乾燥する装置に関わる。

【００２４】 それは、それが構成された事実によって本質的に特徴付けられ： −新鮮な排泄物を乾燥した排泄物と混合する手段； −前述した特徴の１つまたは他ものに従った乾燥室； −前記ベースを通って、前記乾燥室内に空気をブローする手段。

【００２５】 本発明の他の特徴と長所は、好ましくあっても限定されるものではない実施例
の、下記の詳細な説明を読むことによって明らかになるだろう。この説明は、添
付する図面を参照して与えられ： −図１は、本発明による乾燥室を含む装置の高度に図式的な説明図であり、それ
を構成する異なるエレメントを示しており、図の下方部分は普通に上方部分と連
続しており； −図２は、本発明による乾燥室に排泄物を供給可能にする手段の側面図であり、
ベースは縦方向の垂直面を通って切断されており； −図３は、乾燥室の通気性を有するベースを構成する水平部材の部分上面図であ
り； −図４は、排泄物供給手段を備えた、乾燥室の単純化した上面図であり； −図５は、乾燥室が備えた可動スライドを駆動させる手段の上面図であり； −図６は、スライドと駆動ケーブルと戻りプーリの概略上面図であり； −図７は、プーリと駆動ケーブルの詳細図であり； −図８は、一組の平坦化指状突起を備えた乾燥室に排泄物を供給するための運搬
手段との側面図であり； −図９は、引っ込んだ位置における、１つの指状突起の詳細図である。

【００２６】 図１に描かれた装置は、本質的に、乾燥室１、アルキメデススクリューコンベ
ヤ２および３の集合、新鮮な排泄物フィードコンベヤＢ、乾燥室１内への空気ブ
ロー手段Ａから構成される。

【００２７】 後で示すように、乾燥室１の下部には乾燥排泄物Ｓの受け入れピット８が備え
てあり、その中へアルキメデススクリューコンベヤ２の上流の端部が傾斜してお
り；その下流の端部は、乾燥室１の外部へ延び、第２のアルキメデススクリュー
３の第１の部位30に覆いかぶさっている。

【００２８】 この第１の部位は、２つの回転方向を有し、第１の方向においてはそれが有す
るスクリューが物体を乾燥室１へ導き、第２の方向においてはスクリューが物体
をその逆方向へ導く。

【００２９】 シュート300はコンベヤ２を部位30に連結する。その後端はその上、シュート3
00に近接して開口しており、この開口部は新鮮な排泄物フィードムービングベル
トコンベヤＢのまさに直下に位置している。

【００３０】 さらに、部位30の下流端は、第２の部位31の上流端と接続しているが、それも
また、アルキメデススクリューを有している。このスクリューは、唯一の回転方
向を有し、物体を第１の部位とは反対の、開かれた下流端ヘ向けて導くことがで
きる。

【００３１】 したがって、部位30と31のアルキメデススクリューが同じ方向に駆動されると
（図示しない駆動手段によって）、ピットから取得された乾燥した排泄物は堆積
Ｓへ排出される。

【００３２】 部位30のスクリューがその逆方向へ駆動されると、第２の部位は動作しなくな
り、コンベヤＢが始動する。そして、部位30において、下記で分かるように、乾
燥室１内へ導かれる新鮮な排泄物と乾燥した排泄物の完全な混合物Ｍが生じる。

【００３３】 乾燥室１は、細長い直角の平行六面体の形状であって、その頂部を開口してい
る。その上方の部分には、縦方向の垂直な壁の１つに近接して、ムービングベル
トコンベヤ４が設けられ、その上方および下方のベルトは水平に、互いに平行に
延びている。

【００３４】 このコンベヤは、単一の回転方向を有し；この方向は、図１を参照して、上方
のベルトが左から右へ動くものである。それの上流端は、わずかに乾燥室１の外
側に置かれ、アルキメデススクリュー部位30の下流外側によって上から吊るされ
ている。

【００３５】 図４に示されるように、コンベヤ４は乾燥室の幅の極めて小さな部分を占めて
いる。

【００３６】 乾燥室はまた、その上方の部位において、ケーシングの形状をした可動な運搬
手段５を備えており、それは乾燥室の縦方向の壁に備えられれた案内通路に置か
れているローラー55によって縦方向の並進運動の動作が案内されている。

【００３７】 この運搬手段は、コンベヤ４の上方のベルトに置かれるスクレーパブレード51
を備えている。それはまた、水平および横方向の回転軸を有するアルキメデスス
クリュー50を備えており、それはコンベヤ４の下方のベルトの平面の下方に位置
する平面に置かれている。それが中で動作する容器の底は、部分的に開口してい
る。

【００３８】 あとで分かるように、コンベヤ４によって受け入れられた糞は、ブレード51に
よってこすられ、運搬手段５の中へ排出され、スクリュー50によって乾燥室の全
幅にわたって分配される。

【００３９】 例えば光電セルを有する、図示しない電気的または電子的手段は、排泄物の存
在がアルキメデススクリューにおいて検知されるとすぐに、運搬手段を自動的に
進めることを可能にする。

【００４０】 乾燥室１のベースは、通常６の符号が付され、長方形に収めている。

【００４１】 それは２組の水平部材60と60'から構成され、水平に配置され、２つの重なっ
た平行な面Ｐ₁とＰ₂として編成されている。水平部材の配置は、ベース６が垂直
方向に連続した障害を有しないような配置である。換言すると、これは、上記ま
たは下記で分かるように、ベースが１つおよび唯一の連続した板から構成されて
いるという印象を与えることを意味する。水平面上におけるベースの投影は、し
たがって、連続した外見（開口部が欠けている）を形成する。

【００４２】 水平部材は概して平坦で、非常に厚くはなく、長方形の部位を有している。そ
れらは例えば金属製である。

【００４３】 より詳細に図２および図３で示されるように、上方の平面Ｐ₁の水平部材60は
、それらの横方向の端部601が下方の平面Ｐ₂の水平部材60'に部分的に覆いかぶ
さるように配置されている。

【００４４】 上方の平面Ｐ₁の水平部材60は、横方向に配置された矩形の開口部600を備えて
いる。このような特徴の重要性は、詳細な説明の後半で説明される。

【００４５】 水平部材60と60'の２つの平面Ｐ₁とＰ₂を分けている空間には、少なくとも１
つの水平に移動可能なスライドＴが存在する。これは厚みが小さい長方形の板で
あり、その幅はベースの幅に一致する。このスライドは、下記で分かるように、
乾燥室の外へ排泄物を除去するために、下方の平面の水平部材60'上に蓄積され
た排泄物を押す機能を有する。

【００４６】 それは、ベースの全面を、一端から他端へ掃引することができる。

【００４７】 １つの特に有利な問題解決手段に相当する図６の実施例においては、乾燥室は
長方形の板の形状をした２つのスライドＴ₁とＴ₂を有し、その幅は乾燥室の幅の
およそ半分に相当する。

【００４８】 これらのスライドは、水平部材の２つの平面の間の縦方向の並進運動の動作を
可能にする手段が備えられており、１つは一方向へ、一方他はその反対方向へ動
作する。

【００４９】 これを行うために、それぞれのスライドは、通常９の符号を有する１組の戻り
プーリと協力する第１のケーブル92の端部へその横方向の面の１つによって取り
付けられている。

【００５０】 より正確には、図５を参照して、乾燥室の縦方向の中央軸にマスタープーリ90
が配置され、その回転軸は、垂直に配置され、図示しないモータからなる手段に
よって駆動される。これは溝付きプーリであって、都合良く台形の側面を有して
いる。このプーリは、２つの補助的なプーリ90Aと90Bと連合しており、これら３
つのプーリにわたるケーブル92の進行は、おおよそギリシャ文字のオメガ（Ω）
の形状を与える。

【００５１】 そのシステムはまた、第２の戻りプーリまたはコーナープーリ91の対を備えて
おり、それぞれは実質的にスライドＴ₁とＴ₂の縦方向の中央軸に沿って配置され
ている。

【００５２】 前とは逆のスライドの横方向の面に関しては、スライドＴ₁とＴ₂の縦方向の中
央軸に沿って配置された一対の戻りプーリまたはコーナープーリ94と連合する第
２のケーブル93が接続している。

【００５３】 ４つのコーナープーリ91と94は、架空の長方形の角に配置され、その大きい側
面に沿ってスライドは駆動される。一方向または他方向におけるプーリ90の駆動
は、スライドＴ₁を一方向に動作させ、同時にスライドＴ₂をその逆方向へ動作さ
せることになることを理解すべきである。

【００５４】 図示しないスライドに対応するケーブル92の端部が弛むか緩むということが原
因で、動作において急に引くことを避けるために、図７に示すように、２つのプ
ーリ90Aと90Bがクランプに固定して取り付けられ、それ自体マスタープーリ90へ
固定して取り付けられるという対策がなされている。

【００５５】 したがって、ケーブルに働く力に依存して、ケーブルを張力下に置くように、
プーリ90、90A、90Bの集合は、いわゆる弛んだケーブル端の方向に適応する。

【００５６】 このシステムは、システムの正しい運転を継続して監視することを不要にする
ことができる。

【００５７】 もちろん、スライドＴ₁とＴ₂がそれぞれ乾燥室１の一端に達したとき、プーリ
90を駆動するモータは回転方向が反転するように制御される。これを行うために
、終点検出装置を用いることが可能である。

【００５８】 もちろん、ケーブルの材質は、十分に強いものを選ばなければならない。それ
らは例えばプラスチック被覆された鋼のケーブルであってもよい。

【００５９】 図８を参照すると、これは排泄物供給運搬手段を図示しており、その前面の部
分において、揺動垂直アーム54を備え、その下方の端部は１組の曲がった指状突
起52を備えており、指状突起52はベースの方へ向いており、角では排泄物の方向
に向いている。

【００６０】 これら指状突起の機能は、水平部材の上方の平面上に、下方の平面が損傷する
ほど排泄物が蓄積することを防ぐことができるように、水平部材の一面に排泄物
を一様に分配することである。

【００６１】 図９に示されるように、この指状突起システムは、乾燥室の端部10において、
前記指状突起システムが引っ込むように、接続部53に関して揺れるように設けら
れている。これは、指状突起によって妨げられることなく、乾燥室のベースへ都
合良く運搬手段５が移動することを可能にする。

【００６２】 ベース６の下方には、既知のタイプのスクレーパシステム７が設けられ、それ
は、あとで説明されるように、通気性を有するベース６を通過した乾燥した排泄
物をピット８へ戻すようになっている。ある特定の実施例において、多数のスク
レーパを備えることが可能である。

【００６３】 最後に、装置は、例えば装置に近接して置かれた育成舎から来た空気Ａを取り
込む手段を備えている。

【００６４】 この空気は、ベースの下側から取り込まれ、例えばファンＶからなる手段によ
って、前記ベースを底部から頂部へ通過させられる。

【００６５】 本発明の装置および乾燥室の使用方法を、添付した図面を参照して説明する。

【００６６】 予備的なステップにおいて、新鮮な排泄物、例えば糞は、通気性を有するほぐ
れた混合物を得るために、乾燥した糞と混合される。この段階の目的は、非常に
取扱と処理が厄介な半流動体となる新鮮な糞の塊とは対照的に、扱いやすい生成
物を得ることである。

【００６７】 このため、新鮮な糞は、ムービングベルトコンベヤＢによって前述のコンベヤ
の部位30へ移送される。

【００６８】 これら２つの生成物の完全な混合物は、コンベヤのスクリューの内側で作成さ
れ、その全体は乾燥室１の上方の部分に備えられたムービングベルトコンベヤ４
上へ排出される。

【００６９】 運搬手段５のベルト４に関連した動作によって、乾燥室の内側のベース６上へ
混合物が排出され、移送される。指針として、混合物Ｍは例えば重量で約50％の
乾燥品から構成される。

【００７０】 排出に先立って、空気Ａをブローする手段が始動され、ゆえに前記空気は乾燥
室１内で生じ、優先的に、水平部材60と60'の間に位置する空間を通過する。空
気の一部はまた、水平部材60の開口部600を通過することによって流れ出す。

【００７１】 それは乾燥室のベースから頂部へ進行するので、空気は湿気をたくさん抱えて
きて（最大95％）、糞の混合物Ｍを次第に完全に乾燥させる。

【００７２】 もちろん、ベース６に最も近接した混合物の層が最初に乾燥する。

【００７３】 定期的に、水平部材の２つの平面60と60'の間で反対向きに縦方向の動作をス
ライドＴ₁とＴ₂がするように、プーリ90のモータが起動される。

【００７４】 この操作の間、水平部材60'の頂部に蓄積した乾燥した排泄物の一部は、押さ
れて乾燥室の下方の部分に存在する地面へ重力によって落下する。

【００７５】 上方の平面Ｐ₁の水平部材における矩形の穴600の存在は、そこに累積した糞の
部分の乾燥を早める目的を有しているが、それは、この領域では、糞は優先的に
通過する空気Ａの流れを有していないためである。

【００７６】 通気性のあるベース６を通ってそれぞれ糞の一部が移送されることによって、
水平部材６の上方の平面の上部に糞の円錐体が形成される。この現象を防止する
ために、運搬手段５に平坦化用の指状突起52が設けられている。この方法で、ベ
ース６上の糞の層は絶え間なく平坦化される。

【００７７】 受け入れピット８中へ乾燥した糞を移送するために、スクレーパ７がケーブル
システムによって定期的に始動される。ここで、それらはアルキメデススクリュ
ーコンベヤ２によって回収されて、その後の使用を意図して堆積Ｓへ全量移送さ
れるか、または、新たに到着した新鮮な糞と部分的に混合される。

【００７８】 この過程の全体が連続的に実行され、乾燥した糞の一部が乾燥室から定期的に
取り出されることは全く明らかである。糞の湿度測定の自動的な測定を可能にす
る手段が、可動ベースのわずか上方に実装されている。

【００７９】 １つの実施例において、図示しないが、スライドが４つの押出し成形の部品、
すなわち２つの縦方向の押出し成形品と２つの横方向の押出し成形品を溶接して
構成した枠から形成され、それらが区切った内部空間は空である。

【００８０】 この場合、ベース６の下方の水平部材60'に累積した排泄物を押すのは、２つ
の横方向の押出し成形品の垂直な面である。好ましくは、２つの横方向の押出し
成形品の間の間隔は、２つの隣接した水平部材の間の間隔より大きく決められる
。例えば、それは75cmであり、２つの水平部材の間の間隔は50cmである。このよ
うに、１つの押出し成形品が排泄物を押すとき、他の押出し成形品は作用せず、
逆もまた同様である。このことは、スライドを駆動するのに必要な動力の範囲を
定めることを可能にする。

【００８１】 スライドの幅が２メートルであるとすると、それぞれの押出し成形品は、水平
部材を「掃引」するたびに、約１ｍ²の表面積の糞を移動させる（0.5ｍ×２ｍ）
。

【００８２】 水平部材の２つの平面の間の間隔は、例えば25mmのオーダーである。

【００８３】 したがって、スライドが通過するたびに除去される乾燥した排泄物の量はたい
へん多いものではない。

【００８４】 したがって、本発明による技術は、単純な手段を用いて殆どエネルギーを消費
せずに、定期的に一定の、しかしたいへん多くはない、均一な乾燥した糞の層、
すなわち湿気のレベルが完全に同じものを回収することを可能にする。

【００８５】 さらに、この作業を実行するために、400kgのオーダーのケーブル92の牽引力
を開発することが必要であるが、それは750ワットのオーダーの動力に相当する
。

【００８６】 ベースの表面積が200ｍ²のオーダーであり、１ｍ²の表面積の掃引がそれぞれ
可能な200のスライドを動かす必要があるとすると、明らかになった相当する動
力は、150キロワットである（0.750×200）。

【００８７】 最後に、本発明を家禽類の糞を例に挙げて説明したが、他のタイプの排泄物も
処理可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明による乾燥室を含む装置の高度に図式的な説明図であり、それを構成す
る異なるエレメントを示しており、図の下方部分は普通に上方部分と連続してい
る。

【図２】 本発明による乾燥室に排泄物を供給可能にする手段の側面図であり、ベースは
縦方向の垂直面を通って切断されている。

【図３】 乾燥室の通気性を有するベースを構成する水平部材の部分上面図である。

【図４】 排泄物供給手段を備えた乾燥室の単純化した上面図である。

【図５】 乾燥室が備えた可動スライドを駆動させる手段の上面図である。

【図６】 スライドと駆動ケーブルと戻りプーリの概略上面図である。

【図７】 プーリと駆動ケーブルの詳細図である。

【図８】 一組の平坦化指状突起を備えた乾燥室に排泄物を供給するための運搬手段との
側面図である。

【図９】 引っ込んだ位置における１つの指状突起の詳細図である。

【符号の説明】

１ 乾燥室 ５ 運搬手段 ６ ベース 30 混合手段 52 指状突起 60、60' 水平部材（エレメント） 90 駆動プーリ 92 第１のケーブル 93 第２のケーブル 94 戻りプーリ 601 端部 Ａ 空気 Ｍ 混合物 Ｐ₁、Ｐ₂ 平面 Ｔ、Ｔ₁、Ｔ₂ スライド（移送手段） Ｖ ブロー手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ )，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ， ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ， ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，Ｃ Ｒ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ， ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，Ｋ Ｚ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ， ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，Ｓ Ｋ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ Ｆターム(参考） 2B101 AA07 CA01 CB06 CC10 DA06 EC04 3L113 AA02 AB03 AC36 AC40 AC67 BA38 DA02 4D004 AA02 AB01 CA42 CB42 CB45 CC02

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 家畜の排泄物、特に家禽類の糞の乾燥室であって、この乾燥
   室は新鮮な排泄物と乾燥した排泄物の混合物（Ｍ）を受け入れ、その乾燥室のベ
   ース（６）は混合物（Ｍ）を保持するとともに空気（Ａ）の通気性を有し、この
   ベースはエレメント（60、60'）の集合から構成され、このエレメントは排泄物
   を保持する手段を形成するとともに定期的に乾燥した排泄物の一部を乾燥室（１
   ）の外へベース（６）を経由して移送する移送手段（Ｔ；Ｔ₁、Ｔ₂）を備えた、
   家畜の排泄物の乾燥室において、前記エレメントは２つの重ね合わさった平行な
   平面（Ｐ₁、Ｐ₂）に編成される２組の水平部材（60、60'）から構成され、これ
   ら水平部材（60、60'）はベース（６）が垂直方向に連続した障害を有しないよ
   うに配置され、前記移送手段（Ｔ；Ｔ₁、Ｔ₂）は水平部材（Ｔ；Ｔ₁、Ｔ₂）から
   なる２つの平面（Ｐ₁、Ｐ₂）の間を水平に移動可能な少なくとも１つのスライド
   から構成されるとともに、このスライドの縦方向の移動によって、前記ベースの
   全表面が一端から他端まで掃引され、下方の平面（Ｐ₂）の水平部材（60'）の頂
   部に蓄積された排泄物が押されて重力によって乾燥室の外に落ちるように構成し
   たことを特徴とする家畜の排泄物の乾燥室。
2. 【請求項２】 側面から見て、水平部材（60、60'）は互い違いの列に配置
   され、上方の平面（Ｐ₁）の水平部材（60）の端部（601）は下方の平面（Ｐ₂）
   の水平部材（60'）と部分的に重なり合うように構成したことを特徴とする請求
   項１に記載の家畜の排泄物の乾燥室。
3. 【請求項３】 上方の平面（Ｐ₁）の水平部材（60）は穿孔されていること
   を特徴とする請求項１または請求項２に記載の家畜の排泄物の乾燥室。
4. 【請求項４】 前記乾燥室は２つのスライド（Ｔ₁、Ｔ₂）を有し、そのスラ
   イドの幅はベース（６）の幅の半分に等しく、その２つのスライド（Ｔ₁、Ｔ₂）
   が反対方向に移動するように構成したことを特徴とする請求項１〜３のいずれか
   １項に記載の家畜の排泄物の乾燥室。
5. 【請求項５】 前記スライド（Ｔ₁、Ｔ₂）を駆動させる駆動手段は第１のケ
   ーブル（92）と第２のケーブル（93）からなり、第１のケーブル（92）は、全く
   同じ側面から向けられた２つの前記スライドの横方向の端部に接続し、このケー
   ブルは一組のプーリ上を通過し、少なくともその１つ（90）は駆動プーリであり
   、第２のケーブル（93）は第１のケーブルとは反対の２つの前記スライドの横方
   向の端部に接続し、このケーブルは一組の戻りプーリ（94）上を通過し、前記駆
   動プーリ（90）の駆動によって、１つのスライド（Ｔ₁）が一方向に移動し、第
   ２のスライド（Ｔ₂）がその逆方向に移動するように構成したことを特徴とする
   請求項４に記載の家畜の排泄物の乾燥室。
6. 【請求項６】 前記駆動手段はケーブル（92）の両端を常に張力下に置き、
   ケーブル（92）はそれぞれ第１のスライド（Ｔ₁）と第２のスライド（Ｔ₂）に連
   結されることを特徴とする請求項５に記載の家畜の排泄物の乾燥室。
7. 【請求項７】 前記乾燥室は縦方向に移動する運搬手段（５）を有し、その
   運搬手段は前記混合物（Ｍ）を受け入れて前記べース（６）上に一様に分布させ
   るように構成したことを特徴とする請求項１〜６にいずれか１項に記載の家畜の
   排泄物の乾燥室。
8. 【請求項８】 前記運搬手段（５）は下方に向いた一組の指状突起（52）を
   有し、その指状突起は前記ベース（６）上に排出された混合物（Ｍ）の層を平坦
   にするように構成したことを特徴とする請求項７に記載の家畜の排泄物の乾燥室
   。
9. 【請求項９】 前記前記一組の指状突起（52）は揺れるように設けられ、そ
   の指状突起は乾燥室（１）の端部で引っ込められるように構成したことを特徴と
   する請求項８に記載の家畜の排泄物の乾燥室。
10. 【請求項１０】 家畜の排泄物、特に家禽類の糞の乾燥装置において、新鮮
    な排泄物を乾燥した排泄物と混合する混合手段（30）と、請求項１〜９のいずれ
    か１項による乾燥室（１）と、前記ベース（６）を通って、前記乾燥室（１）内
    に空気（Ａ）をブローするブロー手段（Ｖ）とから構成されることを特徴とする
    家畜の排泄物の乾燥装置。