JP2002536500A - アミラーゼ酵素含有液体食器洗浄用洗剤組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 優れたデンプン系汚れ除去性能を示す１種またはそれ以上のアミラーゼ酵素を含有する液体食器洗浄用洗剤組成物は、過酸化水素のようなある種のアミラーゼ酵素‐不安定化成分および約１．５より大きいＬｏｇＫ値をもつキレート剤を全く含まない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】

技術分野 本発明は、優れたグリース（油脂）状汚れ除去性能を示す、アミラーゼ酵素を
含有する液体食器洗浄用洗剤組成物に関する。これらの組成物は、ある種のアミ
ラーゼ酵素‐不安定化成分を含むものではない。

【０００２】

【従来の技術】

発明の背景 手作業食器（たとえば皿）洗浄に有用な軽質液体洗剤（ＬＤＬ）組成物または
ゲル質洗剤組成物は当業界で周知である。このような製品は、通常、多くの広範
囲に亘り異なる性能と感覚性と特徴とを備えるように処方されている。第１に、
何よりもまず、液体またはゲル食器洗浄用製品は、きれいにしようとする食卓用
具（食器類）から、食べ物汚れ、特にグリース（油脂）、脂肪および他の疎水性
汚れを、該食器洗浄用製品の水性液で許容できる可溶化と除去とを行う、それぞ
れ複数種と様々な量の界面活性剤と他のクリーニング補助剤と用いて処方しなけ
ればならない。

【０００３】 激しく汚れた食卓用具は、手洗い食器洗浄操作中に特殊な問題を起こすことが
ある。台所用具たとえば皿類、調理用具、ポット、平鍋、瀬戸物陶器などは、比
較的大量の食べ物の汚れや残留物、特に重合して焼き付いた油脂の汚れが、この
ような汚れた食卓用具を手洗い作業で洗浄する時に、食卓用具上に未だ付着して
残ると云う意味で、激しく汚れることがある。このような汚れ残留物は、食べ物
汚れがある結果、食卓用具表面に関連する性質の結果または汚れた食卓用具が受
けてきた調理操作タイプの結果、きれいにしようとする食卓用具の表面上に強固
に付着もしくは固着する。デンプン系汚れは、特に台所用品の側面に強固に付着
し易い。従って、ＬＤＬ（軽質液体洗剤）組成物中に追加成分を配合して改善さ
れたクリーニング効果、特に台所用品のクリーニングを骨の折れる作用となす困
難な、焼き付いたり焦げ付いたりした汚れの改善されたクリーニング効果を消費
者に与える、絶え間ない努力が液体食器洗浄用洗剤組成物の処方者によりなされ
ている。

【０００４】 強固に付着した汚れに対するクリーニング性能を改善できる１種の追加成分は
、アミラーゼ酵素である。液体食器洗浄用洗剤の成分としてアミラーゼ酵素は、
台所用具たとえば料理器具および食卓用具に付着したデンプン系汚れおよび残留
物を除くのに極めて有効であることができる。

【０００５】 アミラーゼ酵素は、優れたクリーニング効果を与えるが、しかし、アミラーゼ
酵素を液体食器洗浄用洗剤組成物中に首尾よく配合することは困難であった。こ
の理由は、アミラーゼ酵素は不安定であり、急速に分解して、充分なクリーニン
グ効果を発揮するには遥かに低くすぎる一定濃度で、組成物中のアミラーゼ酵素
を残留することになるからである。従って、長期貯蔵に際しては、アミラーゼ酵
素がデンプン‐クリーニング効果を発揮するには不充分な濃度にまで分解するに
つれて組成物のデンプン‐クリーニング性能は徐々に劣化する。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】

上述のようであるとすれば、改善されたアミラーゼ酵素安定性をもつ手作業食
器洗浄用組成物に対する要請が絶え間なく存続する。従って、優れたアミラーゼ
酵素安定性をもち、長期に貯蔵した後でさえも優れたクリーニング効果を発揮す
る液体食器洗浄用組成物を提供することが本発明の効果である。

【０００７】 本発明の概要 液体食器洗浄用洗剤組成物中に通常見られる種々の化学化合物の存在下では、
アミラーゼ酵素は不安定であること、および、液体洗剤組成物からこれらの化合
物を排除すること、或は組成物中のこれらの化合物の濃度をできるだけ低く保つ
こと、により改善されたアミラーゼ酵素安定性が達成されることが今般決定され
た。このようなアミラーゼ酵素不安定化化合物としては、過酸化水素（この過酸
化水素はアミンオキシド中の不純物として往々にして発見される）、およびキレ
ート剤（このキレート剤はアミラーゼのカルシウム結合定数に比べて比較的大き
いカルシウム結合定数をもつ）とが挙げられる。クエン酸およびその塩は、上記
キレート剤の例である。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

従って、アミラーゼ酵素を特に不安定化するある種の酵素不安定化成分は、組
成物から除去された。こうして、本発明は、（ａ）約０．０００１％〜約５％の
アミラーゼ酵素；と（ｂ）少なくとも約０．５％の起泡促進剤とを含有し、重度
に汚れた台所用具をクリーニングするのに使用した時に特に望ましい油脂汚れの
除去性能を備え、過酸化水素と、約３．０より大きいｌｏｇＫ値をもつキレート
剤とからなる群から選ばれた成分を実質上含まない、液体食器洗浄用洗剤組成物
に関するものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】

本発明で使用する全ての部、％および比は、他に特記しなければ重量部、重量
％および重量比である。本明細書で引用する全ての文献は、それらを参照するこ
とにより本明細書に援用する。他に記載しなければ、組成物に関して記載するす
べてのｐＨ値は、１０％水性溶液として測定した際の値である。

【００１０】 発明の詳細な記載 定義 本明細書で使用するとき、用語“軽質液体（ＬＤＬ）洗剤組成物”とは、手作
業（すなわち手による）食器用具洗浄に使用する洗剤組成物を意味する。

【００１１】 “台所用具”とは、料理器具類、平皿類、食卓用具類、銀食器類および台所に
おいて普通に見られ且つ食物の調製、摂取および給仕に使用する他の物品並びに
ミールまたは他の食料調理品を最後に片づけるのに使用する器具を意味する。

【００１２】 “カルシウム結合定数”とは、Ｃａ²⁺イオンに対する金属錯化平衡定数を意味
し、これらの定数値は、多くの標準関連研究において見出すことができ、下記に
より詳細に記載する。

【００１３】 “ＬｏｇＫ”とは、カルシウム結合定数値のｌｏｇ₁₀の値を意味する。

【００１４】酵素 本発明の洗剤組成物は、少なくとも１種のアミラーゼ酵素と、（望ましいなら
）クリーニング性能効果を供与する他の酵素を含有する。

【００１５】 アミラーゼ アミラーゼ（αおよび／またはβ）は、炭水化物系汚れを除去するのに本発明
の洗剤組成物に含ませることができる。好適なアミラーゼは、ターマミル（Term
amyl）（登録商標）[ノボ・ノルディスク社（Novo Nordisk）]、ファンガミル（
Fungamyl）（登録商標）およびバン（BAN）（登録商標）[ノボ・ノルディスク社
（Novo Nordisk）]である。酵素は、任意の適切な起源のもの、例えば植物、動
物、細菌、カビ（真菌）、および酵母からのものでもよい。アミラーゼ酵素は、
通常、洗剤組成物中に約０．０００１〜約２％、好適には約０．０００１〜約０
．５％、より好適には約０．０００５〜約０．１％の濃度で配合される。

【００１６】 本発明の一態様においては、アミラーゼ酵素は極めて低濃度：すなわち約０．
０００１〜約０．０５％、好適には約０．０００２〜約０．０２％の濃度で使用
される。他の酵素種に関する経験に基づけば、このような少量のアミラーゼ酵素
の使用は、クリーニング効力を増強しないように思われるが、本発明ではこれら
の低濃度でさえも明らかなクリーニング効果が得られることが決定された。

【００１７】 酵素を液体食器洗浄用組成物中で極めて低濃度で使用する場合に、このような
少量の酵素が急速に不安定化され破壊されるのを阻止するためには、ある種の酵
素不安定化成分（以下に詳細に検討する）を液体食器洗浄用組成物から排除する
ことが好ましい。

【００１８】 アミラーゼ酵素としては、ＷＯ９５／２６３９７号およびノボ・ノルディスク
による同時関連出願ＰＣＴ／ＤＫ９６／０００５６号に記載のアミラーゼ酵素も
含まれる。従って、本発明の洗剤組成物に使用する他の具体的アミラーゼ酵素に
は下記のものが含まれる： （ａ）ファーデバス（Phadebas）（登録商標）α‐アミラーゼ活性検定法によ
り測定して、２５℃〜５５℃の温度範囲、８〜１０のｐＨ値範囲で、ターマミル
（登録商標）[Termamyl（登録商標）]の比活性度より少なくとも２５％高い比活
性度をもつことを特徴とするα‐アミラーゼ。このようなファーデバス（Phadeb
as）（登録商標）α‐アミラーゼ活性検定法は、ＷＯ９５／２６３９７号の第９
−１０頁に記載されている；

【００１９】 （ｂ）上記引用文献中のＳＥＱ ＩＤリストに示すアミノ酸配列からなる（ａ
）によるα‐アミラーゼ、またはＳＥＱ ＩＤリストに示すアミノ酸配列と少な
くとも８０％相同性のα‐アミラーゼ；

【００２０】 （ｃ）Ｎ‐末端において下記のアミノ酸配列：His-His-Asn-Gly-Thr-Asn-Gly-
Thr-Met-Met-Gln-Tyr-Phe-Glu-Trp-Tyr-Leu-Pro-Asn-Aspからなる好アルカリ性
バチルス（Bacillus）種から得られる（ａ）によるα‐アミラーゼ。

【００２１】 サイエンス（Science）２２７（１９８５年１４３５頁）にリップマン（Lipma
n）とパールソン（Pearson）とによる記載のようなアルゴリズムにより行ったそ
れぞれのアミノ酸配列の比較がＸ％の同一性を示す場合には、ポリペプチドは親
アミラーゼにＸ％相同性であると考えられる。

【００２２】 （ｄ）α‐アミラーゼが、好アルカリ性バチルス（Bacillus）種、特に菌株Ｎ
ＣＩＢ １２２８９、ＮＣＩＢ １２５１２、ＮＣＩＢ １２５１３およびＤＳＭ
９３５の任意の菌株から得られる（ａ−ｃ）によるα‐アミラーゼ。

【００２３】 本発明に関しては、“から得られる”とは、バチルス（Bacillus）菌株により
産生されるアミラーゼを示すだけでなく、上記のようなバチルス（Bacillus）菌
株から単離されたＤＮＡ配列によりコードされ、該ＤＮＡ配列を用いて形質転換
された宿主微生物中から産生されるアミラーゼをも意図するものである。

【００２４】 （ｅ）（ａ−ｄ）のα‐アミラーゼにそれぞれ対応するアミノ酸配列をもつα
‐アミラーゼに抗して育生された抗体と陽性の免疫交差反応性を示すα‐アミラ
ーゼ；

【００２５】 （ｆ）（ｉ）（ａ−ｅ）のα‐アミラーゼにそれぞれ対応して示されるアミノ
酸配列の一つをもつ親α‐アミラーゼの、または（ii）上記アミノ酸配列の一つ
またはそれ以上と少なくとも８０％相同性を示す親α‐アミラーゼか、および／
または上記アミノ酸配列の一つをもつα‐アミラーゼに抗して育生された抗体と
免疫交差反応性を示す親α‐アミラーゼか、および／または上記アミノ酸配列の
一つをもつα‐アミラーゼをコードするＤＮＡ配列と同じプローブを用いてハイ
ブリッド化するＤＮＡ配列によりコードされた親α‐アミラーゼの、それぞれ変
異体、

【００２６】 但し上記変異体は、 １．親α‐アミラーゼの少なくとも１個のアミノ酸残基が、削除されているか
；および／または ２．親α‐アミラーゼの少なくとも１個のアミノ酸残基が、別のアミノ酸残基
に置換されているか；および／または ３．少なくとも１個のアミノ酸残基が、親α‐アミラーゼに比して挿入されて
おり；α‐アミラーゼ活性をもち、且つ該親α‐アミラーゼに関する下記の性質
の少なくとも一つを示す変異体である：（イ）増大した熱安定性、（ロ）増大し
た酸化安定性、（ハ）低下したＣａイオン依存性、（ニ）中性ないし比較的高い
ｐＨ値で増大した安定性および／またはα‐デンプン加水分解活性、（ホ）比較
的高い温度で増大したα‐デンプン加水分解活性、および（ヘ）増大または低下
した等電点（ｐＩ）をもち、その結果中位のｐＨに対しα‐アミラーゼ変異体に
対するｐＩ値とよく適合する。これらの変異体は、ＰＣＴ／ＤＫ９６／０００５
６号特許明細書に記載されている。

【００２７】 本発明で適切な他のアミラーゼには、例えばＧＢ１，２９６，８３９号[ノボ
（Novo）]に記載されたα‐アミラーゼ、ラピダーゼ（登録商標）[RAPIDASE（登
録商標）] [インターナショナル・バイオ−シンセティックス社（International
Bio-Synthetics）]、およびターマミル（登録商標）[TERMAMYL(登録商標)]（No
vo）があり、ファンガミル（登録商標）[FUNGAMYL（登録商標）]（Novo）が特に
有用である。改善された安定性、たとえば酸化安定性に対する酵素工学は、既知
であり、たとえばジャナール・バイオロジカル・ケミストリ（J.Biological Che
m.）第２６０巻、No.１１、１９８５年６月、６５１８−６５２１頁を参照され
たい。本発明組成物のある種の好適な態様、たとえば自動式食器洗浄タイプは、
洗剤中の改善された安定性をもつアミラーゼを使用でき、特に１９９３年に工業
的に使用されたターマミル（登録商標）[TERMAMYL(登録商標)]の標準段階に対し
て測定された改善された酸化安定性をもつアミラーゼを利用できる。本発明で好
適なこれらのアミラーゼは、“安定性−増強”アミラーゼであるという特徴、す
なわちそれぞれ上述の標準段階のアミラーゼに対して測定された、たとえばｐＨ
９−１０に緩衝した溶液中で過酸化水素／テトラアセチルエチレンジアミンに対
する酸化安定性；たとえば普通の洗濯温度、たとえば約６０℃での熱的安定性；
またはたとえばｐＨ約８〜１１でのアルカリ安定性；の一つまたはそれ以上にお
いて測定できるほどに改善されたものにより、最少限特徴付けられるアミラーゼ
の特徴を共有する。

【００２８】 安定性は当該技術分野で開示された技術的試験の任意の試験法を使用して測定
できる。たとえば、ＷＯ９４０２５９７号に開示された文献を参照されたい。安
定性−増強アミラーゼは、ノボ社（Novo）またはジェネンコア インターナショ
ナル社（Genencor International）から入手できる。本発明で高度に好適なアミ
ラーゼの一つのクラスは、１つ、２つまたは多数のアミラーゼ菌株が直接の前駆
体であるか否かに関係なく、バチルス（Bacillus）アミラーゼの１種または２種
以上、特にバチルスα‐アミラーゼから位置指定突然変異誘発を使用して誘導さ
れるという共有性をもつ。上述の標準アミラーゼに対し酸化安定性−増強アミラ
ーゼは、特に漂白用に、より好適には塩素漂白と全く別個の、酸素漂白用に本発
明の洗剤組成物に使用するのに好適である。このような好適なアミラーゼとして
は、

【００２９】 （ａ）先に本明細書に組入れたＷＯ９４０２５９７号（ノボ（Novo）、１９９
４年２月３日）によるアミラーゼ[これはアラニンまたはスレオニン、好適には
スレオニンを使用してB.リヒェニフォルミス（B.licheniformis）α‐アミラー
ゼの１９７位置に存在するメチオニン残基を置換させた突然変異体により説明さ
れ、ターマミル（登録商標）［TERMAMYL（登録商標）］として知られる]、また
は同様な親アミラーゼの相同性位置変異体、たとえばB．amyloliquefaciens、 B .ズブチリス（B.subtilis ）またはB.stearothermophilusが挙げられる;

【００３０】 (ｂ)“耐酸化性α−アミラーゼ（Oxidatively Resistant alpha-Amylases)”
と題する報文にジェネンコア・インターナショナル（Genencor International）
により記載された安定性−増強アミラーゼ[この報文は１９９４年３月１３〜１
７日に開催された第２０７回米国化学協会全国会議（207th American Chemical
Society National Meeting）にC.Mitchinsonにより提出された]を挙げることが
できる。自動式食器洗浄用洗剤中の漂白剤は、α‐アミラーゼを不活性化するが
、しかし、改善された酸化安定性アミラーゼがジェネンコア社（Genencor）によ
りB.リヒェニフォルミス（B.licheniformis）ＮＣＩＢ８０６１から製造されて
いることを言及する。メチオニン（Met）は、修飾されるべき最も期待できそう
な残基であるとして同定された。Metは、同時に８位置、１５位置、１９７位置
、２５６位置、３０４位置、３６６位置および４３８位置で置換されて特異的突
然異変体を生成し、特にＭ１９７Ｌ変異体およびＭ１９７Ｔ変異が重要であり、
Ｍ１９７Ｔ変異体が最も安定に発現する変異体である。安定性は、CASCADE(登録
商標)およびSUNLIGHT(登録商標)で測定される；

【００３１】 （ｃ）本発明で特に好適な酸化安定性増強アミラーゼには、ＷＯ９５１０６０
３Ａ号に記載された直接的親の追加改変アミラーゼ変異体が挙げられ、譲受人ノ
ボ（Novo）からデュラミル（DURAMYL）（登録商標）として入手できる。他の特
に好適な酸化安定性増強アミラーゼとしては、ＷＯ９４１８３１４号[ジェネン
コア・インターナショナル社(Genencor International）許与]公報およびＷＯ９
４０２５９７号[ノボ社（Novo）に許与]公報に記載された酸化安定性増強アミラ
ーゼが挙げられる。任意の他の酸化安定性増強アミラーゼも使用でき、たとえば
入手できるアミラーゼ類のキメラ、ハイブリッド（交雑）または単純な突然変異
体親形から既知の位置指定突然変異誘発により得られた酸化安定性増強アミラー
ゼも使用できる。他の好適な酵素修飾体（改変体）も容易に許容できる。ＷＯ９
５０９９０９Ａ（ノボによる）を参照されたい。

【００３２】 他の酵素 アミラーゼ酵素は、洗剤組成物に含ませると優れたクリーニング効果を生ずる
けれども、アミラーゼ酵素はプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ
（cutinase）および／またはセルラーゼなどの従来使用されてきた酵素の混合物
の一部として使用するのが好適である。本発明組成物に酵素が存在する場合には
、酵素は洗剤組成物の約０．０００１〜約５重量％の活性酵素で存在する。本発
明で使用するのに適した他の酵素には、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペルオキ
シダーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ（cutinases）、ペクチナーゼ
、キシラナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ（phen
oloxidases）、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、
ペントサナーゼ、マラナーゼ（malanases）、β‐グルカナーゼ、アラビノシダ
ーゼまたはそれらの混合物が挙げられる。好適なタンパク質分解酵素は、アルカ
ラーゼ（Alcalase）(登録商標)［ノボ・工業Ａ／Ｓ（Novo Industri A/S）］、
ＢＰＮ′、プロテアーゼＡおよびプロテアーゼＢ［ジェネンコア（Genencor）］
、およびそれらの混合物からなる群から選ばれる。プロテアーゼＢが、最も好適
である。

【００３３】 適切で且つ好適な酵素の更なる非限定例は、米国特許第５，９９０，０６５号
[ビンソン（Vinson）ら、１９９９年１１月２３日発行]に記載され、この記載は
これを参照することにより本明細書に援用する。

【００３４】 酵素安定性およびＨ₂Ｏ₂不純物 極めて少量の過酸化水素さえも液体洗剤組成物中の酵素の安定性を損なうから
、液体洗剤組成物中における過酸化水素の濃度もしくは量をできるだけ低く保つ
ことが重要である。従って、本発明組成物は、好ましくは０．０２％未満の過酸
化水素、より好ましくは０．００５％未満の過酸化水素を含み、そして最も好ま
しくは過酸化水素を全く含まないことであろう。本発明組成物では、該組成物の
成分原料中の過酸化水素の量を可能な最大限度減少させることにより本発明組成
物中の過酸化水素の量を最小化することが好ましい。しかし、他の過酸化水素の
量最少化法は、組成物に酸化防止剤を添加することである。これらの酸化防止剤
は、過酸化水素の量を低減させる。従来洗剤組成物に使用されてきた任意の酸化
防止剤を使用でき、たとえば２，６−ジ−ｔ−ブチル−４−メチルフェノ−ル（
ＢＨＴ）、カルバミド酸エステル（または塩）、アスコルビン酸エステル（また
は塩）、チオ硫酸エステル（または塩）、モノエタノールアミン（ＭＥＡ）、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミンなどを使用できる。下記に詳述するジ
アミン化合物の任意の化合物もまた好適である。酸化防止剤が組成物中に存在す
る時は、酸化防止剤の量は約０．００１％〜約５重量％であるのが好適である。

【００３５】 過酸化水素の量を減少させるのに酸化防止剤を使用する場合には、アミラーゼ
酵素を添加する前に酸化防止剤を添加してできるだけ多量の過酸化水素を組成物
から除去させて、従って過酸化水素との相互反応により分解されるアミラーゼ酵
素の量を減少させることが重要である。

【００３６】 不純物として過酸化水素がしばしば見出される原料成分の１つは、アミンオキ
シドおよびアミンオキシド界面活性剤ペーストであり、これら原料成分は軽質液
体（ＬＤＬ）洗剤中に添加されて界面活性剤としての機能と起泡促進剤としての
機能との両者の機能を果たす。上述したように、過酸化水素不純物は、アミンオ
キシドまたはアミンオキシド界面活性剤ペーストから除去して、それらアミンオ
キシドまたはアミンオキシド界面活性剤ペースト中の過酸化水素量ができるだけ
少ないことが望ましい。アミンオキシドから過酸化水素を除去することが不可能
であるか、望ましくない時は、酸化防止剤を直接アミンオキシドに添加して、製
造中の液体洗剤組成物にアミンオキシドを添加する前に過酸化水素を除去するこ
とができる。この場面において、アミンオキシドは約０．０１〜約０．７％、好
適には約０．０５〜約０．２％の酸化防止剤を含むことが好ましい。しかし、過
酸化水素除去方法またはタイプは、本発明の一態様では過酸化水素含有アミンオ
キシドが製造されることは重要ではなく、過酸化水素が次いでアミンオキシドか
ら除去されることが重要である。

【００３７】 アミラーゼ酵素は、過酸化水素の存在下では他のタイプの酵素よりも安定性が
低くさえあることが本発明で決定された。（過酸化水素の存在下では他のタイプ
のアミラーゼ酵素よりも安定性が低くさえある１つのアミラーゼ酵素は、ファー
デバス（Phadebas）（登録商標）α‐アミラーゼ活性検定法により測定した、２
５〜５５℃の温度範囲および８〜１０のｐＨ値範囲でのターマミル（Termamyl）
（登録商標）の比活性度より少なくとも２５％高い比活性度をもつα‐アミラー
ゼ酵素である）。

【００３８】 ジオールを添加しても液体食器洗浄用組成物の酵素安定性を改善できる。本発
明で使用するのに適したジオールは、下記の式で表される：

【００３９】

【化１】

【００４０】 （式中、ｎは０〜３、Ｒ₇＝Ｈ、メチル基またはエチル基、およびＲ₈＝Ｈ、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基およびイソブチル基で
ある）。好適なジオールとしては、プロピレングリコール、１,２‐ヘキサンジ
オール、２‐エチル‐１,３‐ヘキサンジオールおよび２,２,４‐トリメチル‐
１,３‐ペンタンジオールが挙げられる。ジオールが存在する時はジオールの量
は

【００４１】 ある種のクエン酸の有害な作用はそれほど厳しいものではないが、ビルダー物
質の項で以下に検討するように、酵素の安定性はクエン酸およびその塩（クエン
酸塩）により悪影響を受ける。

【００４２】界面活性剤 本発明の組成物は、約５〜約９０重量％、より好適には約２５〜約７０重量％
の界面活性剤を含有する。

【００４３】 アニオン界面活性剤 本発明で有用なアニオン界面活性剤は、好適には線状（直鎖）アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩、α‐オレフィンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、アル
キルエステルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルアルコキシ硫酸塩、アル
キルスルホン酸塩、アルキルアルコキシカルボン酸塩、アルキルアルコキシル化
硫酸塩、サルコシン塩、タウリン塩、およびそれらの混合物からなる群から選ば
れる。本発明では有効量のアニオン界面活性剤、典型的には約０．５〜約９０重
量％、好適には約５〜約５０重量％、より好適には約１０〜約３０重量％のアニ
オン界面活性剤を使用できる。

【００４４】 アニオン界面活性剤の適切な例は、チャンドリカ カスチュリ（Chandrika Kas
turi）らによる“ポリマー起泡増進剤含有液体洗剤組成物（Liquid Detergent C
ompositions Comprising Polymeric Suds Enhancers）”と題する、１９９７年
１１月２１日同時仮特許出願番号第６０／０６６，３４４号（プロクター・アン
ド・ギャンブル社（Ｐ＆Ｇ）事件番号第６９３８Ｐ号）に見出すことができ、こ
この記載は本明細書に援用される。適当なアニオン界面活性剤の更なる例は“界
面活性剤および洗剤（Surface Active Agents and Detergents）”Vol. Iおよび
II、[シュワルツ、ペリーおよびバーチ（Schwartz, Perry and Berch)による]に
記載されている。種々のこのような界面活性剤はまた、米国特許第３，９２９，
６７８号［１９７５年１２月３０日発行［ラウリン（Laughlin）ら］］、第２３
欄５８行〜第２９欄２３行にも通常開示されている。適当なアニオン界面活性剤
は、更に米国特許第５，４１５，８１４号［１９９５年５月１６日発行［オーホ
ス−アサンテ（Ofosu-Asante）ら］］にも見出すことができ、これらの全ての文
献の記載は、本明細書に援用される。

【００４５】 両性界面活性剤 本発明で有用な両性界面活性剤は、アミンオキシド界面活性剤から選ばれるの
が好ましい。アミンオキシドは、半‐極性非イオン界面活性剤であり、約１０個
〜約１８個の炭素原子をもつ１個のアルキル部分と、約１個〜約３個の炭素原子
のアルキル基とヒドロキシアルキル基とからなる群から選ばれた２つの部分とを
含む水溶性アミンオキシドが挙げられ；また他の両性界面活性剤として、約１０
個〜約１８個の炭素原子をもつ１個のアルキル部分と、約１個〜約３個の炭素原
子のアルキル基とヒドロキシアルキル基とからなる群から選ばれた２つの部分と
を含む水溶性ホスフィンオキシド；および約１０個〜約１８個の炭素原子をもつ
１個のアルキル部分と、約１個〜約３個の炭素原子のアルキル基とヒドロキシア
ルキル基とからなる群から選ばれた１つの部分とを含む水溶性スルホオキシドが
ある。

【００４６】 アミンオキシド界面活性剤を始めとする半‐極性両性界面活性剤は、米国特許
第５，１６７，８７２号［パンチェリ（Pancheri）らに許与、１９９２年１２月
１日発行］において詳細に説明している。これらのアミンオキシド界面活性剤は
、特にＣ₁₀〜Ｃ₁₈アルキルジメチルアミンオキシドおよびはＣ₈〜Ｃ₁₂アルコキ
シエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドを含む。

【００４７】 また、アミンオキシドは、例えば下記式で表されるプロピルアミンオキシドも
好適である：

【００４８】

【化２】

【００４９】 （式中、Ｒ₁はアルキル基、２‐ヒドロキシアルキル基、３‐ヒドロキシアルキ
ル基または３‐アルコキシ‐２‐ヒドロキシプロピル基で、ここにアルキル基お
よびアルコキシ基は、それぞれ約８個〜約１８個の炭素原子をもち、Ｒ₂および
Ｒ₃は各々がメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、２‐ヒドロキ
シエチル基、２‐ヒドロキシプロピル基または３‐ヒドロキシプロピル基であり
、ｎは０〜約１０の値である）。

【００５０】 本発明で有用な、他の適当な両性界面活性剤の非限定例としては、アミドプロ
ピルベタインおよび脂肪族もしくは複素環式第２級および第３級（３元）アミン
の誘導体を挙げることができ、前記アミン誘導体における前記脂肪族部分は、直
鎖または分枝鎖のものであることができ、またアミンの脂肪族置換基の１つは、
約８個〜約２４個の炭素原子を含み、少なくとも１個の脂肪族置換基はアニオン
性水可溶化基を含む。

【００５１】 適切な両性界面活性剤の更なる例は、“界面活性剤および洗剤（Surface Acti
ve Agents and Detergents）”Vol．IおよびII[シュワルツ、ペリーおよびバー
チ（Schwartz, Perry and Berch)による]に記載されている。この文献の記載は
これを引用することにより本明細書に援用する。

【００５２】 両性界面活性剤は、本発明組成物に有効量で存在するのが好適であり、より好
適には約０．１〜約２０重量％、更に好適には約０．１〜約１５重量％、なお更
に好適には約０．５〜約１０重量％の量で存在する。

【００５３】 非イオン界面活性剤 本発明で有用な非イオン界面活性剤の例は、１９７５年１２月３０日発行のラ
ウリン（Laughlin）らによる米国特許第３，９２９，６７８号、第１３欄１４行
〜第１６欄６行にも開示され、この特許明細書の開示はこれを引用することによ
り本明細書に援用する。これらには下記のものが含まれる： （ｉ） アルキルフェノールとポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオ
キシドおよびポリブチレンオキシドとの縮合物； （ii） 脂肪族アルコールと約１〜約２５モルのエチレンオキシドとの縮
合生成物であって、下記一般式で表されるアルコールエトキシレート：

【００５４】

【化３】 Ｒ(ＯＣＨ₂ＣＨ₂)_nＯＨ

【００５５】 (iii) 非イオン界面活性剤成分中のポリヒドロキシ脂肪酸アミドと併用
するのに適し、エチレンオキシド‐プロピレンオキシドブロックコポリマーから
なり、ポリマー界面活性剤として機能する、他のタイプの非イオンコ‐界面活性
剤（これらは、溶媒の欄の上部でも別として説明する）； (iv) プロピレンオキシドとプロピレングリコールとの縮合により形成さ
れる疎水性基礎物質とエチレンオキシドとの縮合物； (ｖ) 米国特許第４，５６５，６４７号［レナード（Llenado）に許与、
１９８６年１月２１日発行］に開示され、約６個〜約３０個の炭素原子、好適に
は約１０個〜約１６個の炭素原子を含む疎水性基とポリサッカリドとをもつアル
キルポリサッカリド。

【００５６】 補助界面活性剤 補助洗浄性界面活性剤は、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン
界面活性剤およびそれらの混合物からなる群から選ぶことができる。洗浄性界面
活性剤の種類と量とを選択することにより、本発明洗剤組成物はここに記載の他
の補佐成分と共に、洗濯クリーニング用、または特に食器洗浄用を始めとする他
の種々のクリーニング用途に関連して使用し得るように処方できる。従って、使
用する個々の界面活性剤は、意図する個々の最終用途に応じて広範囲に変化でき
る。適当な補助界面活性剤は、本明細書に援用するチャンドリカ カスチュリ（C
handrika Kasturi）らによる“ポリマー起泡増進剤含有液体洗剤組成物（Liquid
Detergent Compositions Comprising Polymeric Suds Enhancers）”と題する
、同時仮特許出願番号第６０／０６６,３４４号（Ｐ＆Ｇ事件番号第６９３８Ｐ
号）に詳細に記載されている。

【００５７】 ジアミン ジアミンは本発明洗剤組成物では、洗浄性界面活性剤と組合わせてクリーニン
グ性能における有力な改善を達成する量と比率（これらについては以下にさらに
述べる）で使用される。手作業食器洗浄用組成物では、上述のような“使用量”
は、汚れやシミの種類や激しさだけでなく洗浄水温度、洗浄水体積および食卓用
具を洗浄水と接触させる時間の長さとに応じて変えることができる。

【００５８】 洗剤組成物の使用者の習慣や実施方法にはかなりの違いがあるから、組成物は
ジアミンを組成物の好適には少なくとも約０．１重量％、より好適には少なくと
も約０．２重量％、更に好適には少なくとも約０．２５重量％、更になお好適に
は少なくとも約０．５重量％の量で含有される。また、組成物はジアミンを組成
物の好適には約１５重量％以下の量、より好適には約１０重量％以下の量、更に
好適には約６重量％以下の量、なお好適には約５重量％以下の量、更になお好適
には約１．５重量％以下の量で含有する。

【００５９】 本発明の幾つかの面の一つでは、本発明はジアミンを界面活性剤と併用するこ
とによりグリース状汚れ／油汚れの除去性を増進する手段を提供するものである
。“日常の”グリース状汚れ／油汚れは、トリグリセリド、脂質、複合ポリサッ
カリド、脂肪酸、無機塩および蛋白質性物質の混合物である。

【００６０】 従って、以下に述べる特定の比率における両性界面活性剤およびアニオン界面
活性剤と併用したジアミンは、本発明の組成物処方の好適な態様における２価イ
オン量を除去または減少させる改善されたグリース（油脂）クリーニングと粘ば
ついた食物汚れのクリーニングを達成する効果がある。この改善されたクリーニ
ング性は、食器洗浄用組成物のアルカリ度を高める緩衝剤としてのジアミンの素
質の結果である。

【００６１】 本発明で使用するジアミンは、不純物を実質上含まないことが好ましい。すな
わち、“実質上含まない”とは、ジアミンが９５％以上純粋であること、すなわ
ち、好適には９７％、より好適には９９％、更に好適には９９．５％不純物を含
まないことを意味する。商業的に供給されるジアミン中に存在することがある不
純物の例には、２‐メチル‐１,３‐ジアミノブタンおよびアルキルヒドロピリ
ミジンがある。更に、ジアミンの分解およびアンモニアの生成を避けるためにジ
アミンは、酸化性反応剤を含むべきではないと考えられる。

【００６２】 以下に詳細に述べるように、組成物が酵素を含有する場合には過酸化水素を含
まない組成物を造ることが重要である。これは少量の過酸化水素さえも酵素含有
組成物と問題を引起こすことができるからである。しかし、ジアミンは存在する
如何なる過酸化物とも反応して酵素安定剤としても働き、酵素が過酸化水素と反
応するのを阻止できる。ジアミンによる酵素のこの安定化の唯一の欠点は、生成
した窒素化合物がジアミン含有組成物中に存在し得る悪臭を発すると考えられる
ことである。ジアミンを過酸化水素に対する酵素安定剤として作用させてしまう
と、ジアミンが組成物に対して元々発揮できた有益効果、すなわちグリース（油
脂）のクリーニング、起泡作用、溶解、および低温安定性効果をジアミンが組成
物に供与することができなくなる。従って、本発明組成物は、過酸化水素発生の
可能性があるから、酵素安定剤としての成分を実質上含まないで使用することに
より、および／またはジアミンが悪臭化合物として働き、主要な役割を果たすた
めに存在するジアミンの有効量が減少するので、非ジアミン酸化防止剤を使用す
ることにより、該組成物中に不純物として存在する過酸化水素の量を最少にする
ことが好適である。

【００６３】 好適な有機ジアミンは、ｐＫ１およびｐＫ２が約８．０〜約１１．５の範囲、
好適には約８．４〜約１１の範囲、更に好適には約８．６〜約１０．７５の範囲
にある有機ジアミンである。性能と供給上の理由から好適な物質は、１,３‐ビ
ス（メチルアミン)‐シクロヘキサン（ｐＫａ＝１０〜１０．５）；１,３‐プロ
パンジアミン（ｐＫ１＝１０．５；ｐＫ２＝８．８）；１,６‐ヘキサンジアミ
ン（ｐＫ１＝１１；ｐＫ２＝１０）；１,３‐ペンタンジアミン[ダイテックEP(D
ytek EP)]（ｐＫ１＝１０．５；ｐＫ２＝８．９）；２‐メチル‐１，５‐ペン
タンジアミン[ダイテック A(Dytek A)]（ｐＫ１＝１１．２；ｐＫ２＝１０．０
）である。他の好適な物質は、Ｃ４〜Ｃ８の範囲のアルキレンスペーサーを有す
る一級／一級ジアミンである。一般に、一級ジアミンは、二級ジアミンおよび三
級ジアミンより好適であると考えられる。

【００６４】 ｐＫ１およびｐＫ２の定義 本発明で使用する“ｐＫａ１”および“ｐＫａ２”は、総称して“ｐＫａ”と
して当業者に既知のタイプの量である。ｐＫａは、化学技術の当業者に共通に既
知である同様の方法で本発明で使用される。本発明の標準値は、文献、例えばス
ミス（Smith）とマーテル（Martel）による“臨界安定性定数：２巻、アミン類
（Critical Stability Constants : Volume 2, Amines）”（１９７５年、プレ
ナムプレス（Plenum Press）発行、ＮＹおよびロンドン）から得ることができる
。ｐＫａの追加的な資料は、関連会社の文献から、例えばジアミン類の供給会社
のデュポン社（Dupont）から供給された資料から得ることができる。

【００６５】 本発明で実施上の定義として、ジアミンのｐＫａは、２５℃で、０．１〜０．
５Ｍのイオン強度に対して、全水性溶液において規定される。ｐＫａは、温度お
よびイオン強度によって変化し得る平衡定数である。従って、文献に報告された
ｐＫａ値は、測定方法および条件に左右されるので時々一致しない。不明瞭を無
くすために、本発明のｐＫａに対して使用する適切な条件および／または文献は
、本明細書で定義するか、または“臨界安定性定数：２巻、アミン類（Critical
Stability Constants : Volume 2, Amines）”において定義される。一つの典
型的な測定方法は、水酸化ナトリウムを用いる酸の電位差滴定であり、適当な方
法によるｐＫａの決定は、シュガー（Shugar）およびディーン（Dean）による
“化学者の手近な参考文献ハンドブック（The Chemist's Ready Reference Hand
book）”（１９９０年、マグローヒル（McGraw Hill）、ＮＹ）に記載され参照
される。

【００６６】 約８．０を下回る低いｐＫ１およびｐＫ２への置換体および構造改変体は、望
ましくなく、性能に劣化が生ずることが決定されている。これは、エトキシル化
ジアミン、ヒドロキシエチル置換ジアミン、スペーサー基中の窒素に対しβ位に
（およびβ位より少ないがγ位に）酸素をもつジアミン（例えば、ジェファミン
（Jeffamine）ＥＤＲ １４８）を生ずる置換体が挙げられる。さらに、エチレン
ジアミン系物質は不適当である。

【００６７】 本発明で有用なジアミンは、下記の構造により定義され得る：

【００６８】

【化４】

【００６９】 式中、Ｒ_2〜5は、独立してＨ、メチル、−ＣＨ₃ＣＨ₂およびエチレンオキシド
から選ばれ、Ｃ_xおよびＣ_vは、独立してメチレン基または分枝アルキル基から選
ばれ、ｘ＋ｖは約３〜約６であり、Ａは適宜存在し、ジアミンのｐＫａ値を所望
の範囲に合わせるのに選ばれた電子供与基または電子求引基から選ばれる。Ａが
存在する場合、ｘおよびｖは、両者とも１またはそれより大きくなければならな
い。

【００７０】 本発明に使用するのに特に適当なジアミンは、ビンソン（Vinson）らの米国特
許第５,９９０,０６５号（１９９９年、１１月２３日発行）に詳細に述べられて
おり、それらを参照することにより本明細書に援用する。

【００７１】 アニオン界面活性剤：両性界面活性剤：ジアミンの比率 本発明の好適な態様において、ＬＤＬ（軽質液体洗剤）組成物は、アニオン界
面活性剤：両性界面活性剤：ジアミンのモル比が、約１００：４０：１〜約９：
０．５：１のモル比で、好適には約２７：８：１〜約１１：３：１のモル比で、
アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、およびジアミンを含む。この特定の比率
範囲でアニオン界面活性剤、両性界面活性剤およびジアミンを含む洗剤組成物は
、改善された低温度安定性を提供し、より良好な油脂除去および強固な食べ物ク
リーニング効果を発揮し、並びに改善された硬水クリーニングを発揮することが
判明した。

【００７２】 カルシウムまたはマグネシウムイオン カルシウムおよび／またはマグネシウム（２価）イオンの存在は、種々の組成
物、即ちアルキルエトキシカルボキシレートおよび／またはポリヒドロキシ脂肪
酸アミドを含有する組成物に対する、油脂汚れのクリーニングを改善する。これ
は、組成物を少量の２価のイオンを含有する軟水で使用する場合に、とりわけ当
てはまる。カルシウムおよび／またはマグネシウムイオンが、油／水の境界面で
界面活性剤の包込みが増加し、それによって界面張力を減少させ、改善された油
脂クリーニングをもたらすことが考えられる。

【００７３】 マグネシウムおよび／またはカルシウムイオンを含有する本発明の組成物は、
良好な油脂除去を示し、皮膚にマイルドで、良好な貯蔵安定性を提供する。

【００７４】 マグネシウムまたはカルシウムイオンは、本発明の組成物に水酸化物、塩化物
、酢酸塩、ギ酸塩、酸化物または硝酸塩として添加するのが好適である。

【００７５】 本発明の組成物中に存在するカルシウムまたはマグネシウムイオンの量は、ア
ルキルエトキシカルボキシレートおよびポリヒドロキシ脂肪酸アミドの量をはじ
めとして、本発明で存在する全界面活性剤の量に左右されるであろう。カルシウ
ムイオンが本発明の組成物に存在する場合に、カルシウムイオン：全アニオン界
面活性剤のモル比は、本発明の組成物に対して約０．２５：１〜約２：１である
。

【００７６】 アルカリ性ｐＨマトリックスにこのような２価イオン含有組成物を配合するこ
とは、２価イオン、特にマグネシウムイオンが水酸化イオンと非相溶性のために
困難であり得る。２価イオンおよびアルカリ性ｐＨとの両者を本発明の界面活性
剤混合物と組合せる場合には、油脂クリーニングは、アルカリ性ｐＨ単独または
２価イオン単独により得られる油脂クリーニング効果より優れた油脂クリーニン
グ効果が達成される。まださらに、貯蔵期間中の本発明組成物の安定性は、水酸
化物の沈殿の形成により劣悪となる。従って、以下に説明するキレート剤もまた
必要である。

【００７７】 ２価イオンは、約０．１〜４重量％、好適には約０．３〜３．５重量％、より
好適には約０．５〜１重量％の活性レベルで本発明組成物中に存在する。

【００７８】 従って、２価イオンの何れかの種は洗剤組成物中に含有した時に効果を生ずる
が、好適には本発明の洗剤組成物中にはカルシウムイオンを含有しないことが好
ましい。

【００７９】 溶媒 本発明の液体洗剤組成物は、ジオールまたはグリコールポリマーまたはジオー
ルおよびグリコールポリマーの混合物（グリコールポリマーは、エチレンオキシ
ド（ＥＯ）およびプロピレンオキシド（ＰＯ）基からなる）のいずれかを含む。
ジオールおよびグリコールポリマーに加えて、種々の他の水混和性液体、例えば
低級アルカノール類、ジオール類、他のポリオール類、エーテル類、アミン類な
どを本発明で使用してもよい。特に好適な溶媒は、Ｃ１〜Ｃ４アルカノールであ
る。適当な溶媒は、カーク（Clarke）らの“改善された食器洗浄用洗剤組成物用
ジオールおよびグリコールポリマー（Diols and Polymeric Glycols for Improv
ed Dishwashing Detergent Compositions）”と題する、１９９９年２月８日出
願に係る仮特許出願番号第６０／１１９,０４４号（Ｐ＆Ｇ事件番号第７４０８
号）に詳細に説明されており、それらを参照することにより本明細書に援用する
。

【００８０】 本発明の組成物の場合は、組成物の、好適には少なくとも約０．０１重量％、
より好適には少なくとも約０．５重量％、さらに好適には少なくとも約１重量％
の溶媒を含むであろう。また、組成物は、組成物の、好適には約２０重量％以下
、より好適には約１０重量％以下、さらに好適には約８重量％以下の溶媒を含む
であろう。

【００８１】 組成物のｐＨ 本発明の食器洗浄用組成物は使用時に、すなわち希釈されて皿などの食器類に
使用された時に、食物の汚れにより造り出される酸性の負荷（作用）に曝される
であろう。７より高いｐＨをもつ組成物がより有効であるとするなら、好ましく
は組成物に、および希釈溶液に通常よりアルカリ性のｐＨを与えることのできる
緩衝剤を含有するべきである。従って、本発明の食器洗浄用組成物は、約０．１
〜約１５重量％、好適には約１〜約１０重量％、最も好適には約２〜約８重量％
の緩衝剤を含有すべきである。この緩衝剤のｐＫａ値は、（上述のようにして測
定して）組成物の所望のｐＨ値より約０．５〜約１．０ｐＨ単位低くするべきで
ある。好適には緩衝剤のｐＫａは、約７〜約１２にするべきである。これらの条
件下では、緩衝剤は最少量の使用により、最も効果的にｐＨを制御できる。

【００８２】 好適な無機緩衝剤／アルカリ度供給源物質としては、アルカリ金属炭酸塩、ア
ルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムが挙げられる。

【００８３】 緩衝剤は、それ自体の性質において活性な洗剤であることができるか、または
アルカリ性ｐＨを維持するだけのために組成物中に使用される低分子量の有機ま
たは無機物質である。本発明の組成物に対し好適な緩衝剤は、窒素含有物質であ
る。幾つかの例は、アミノ酸たとえばリシン、低級アルコールアミンたとえばモ
ノ−、ジ−およびトリ−エタノールアミンである。先に詳述したジアミンもまた
緩衝剤として作用し且つ好適な緩衝剤である。本発明の洗剤組成物に使用する好
適な緩衝剤系は、０．５％のジアミンと２．５％のクエン酸塩との併用系、およ
び０．５％のジアミンと０．７５％の炭酸カリウムと１．７５％の炭酸ナトリウ
ムとの併用系が挙げられる。他の好適な窒素含有緩衝剤は、トリ-（ヒドロキシ
メチル）アミノメタン[(ＨＯＣＨ₂)₃ＣＮＨ₃](ＴＲＩＳ)、２-アミノ-２-エチル
-１,３-プロパンジオール、２-アミノ-２-メチルプロパノール、２-アミノ-２メ
チル-１,３-プロパノール、グルタミン酸二ナトリウム塩、Ｎ-メチルジエタノー
ルアミド、１,３-ジアミノ-プロパノール、Ｎ,Ｎ′-テトラメチル-１,３-ジアミ
ノ-２-プロパノール、Ｎ,Ｎ-ビス（２-ヒドロキシエチル）グリシン[ビシン(bic
ine)]およびＮ-トリス（ヒドロキシメチル）メチルグリシン[トリシン（tricine
）]である。上記緩衝剤の任意のものの混合物もまた許容できる。更なる追加的
緩衝剤については、マックカッチェオン（McCutcheon）の“乳化剤および洗剤（
EMULSIFIERS AND DETERGENTS）”［MC Publishing Co. kirk のMcCutcheon Divi
sion、北米版、１９９７］およびＷＯ９５／０７９７１(上記両者を本明細書に
援用)参照。

【００８４】 起泡促進剤 本発明の組成物に含ませることができる他の成分は、起泡安定化界面活性剤（
起泡促進剤）であり、この起泡安定化界面活性剤（起泡促進剤）は少なくとも約
０．５％、好適には少なくとも約２％、より好適には少なくとも約５％の量で含
まれる。本組成物はまた、約２０％以下、好適には約１５％以下、より好適には
約１０％以下の起泡促進剤を含有する。

【００８５】 本発明組成物で使用できる起泡安定化界面活性剤は、下記から選ばれる：スル
タイン（商品名）、錯化ベタイン、ベタイン、エチレンオキシド縮合物、脂肪酸
アミド、アミンオキシド半極性非イオン界面活性剤およびカチオン界面活性剤。
また、適当な起泡促進剤としては、ポリマー起泡安定剤が挙げられ、このポリマ
ー起泡安定剤は“改善された食器洗浄用洗剤組成物用ジオールおよびグリコール
ポリマー（Diols and Polymeric Glycols for Improved Dishwashing Detergent
Compositions）”と題する、１９９９年２月８日出願に係る仮特許出願番号第
６０／１１９，０４４号（Ｐ＆Ｇ事件番号第７４０８号）に開示されており、そ
れらを参照することにより本明細書に援用する。

【００８６】 ビルダー（キレート剤） 本発明組成物は、更にビルダーを含有することができる。ここで使用するとき
はビルダーとは、水を硬水化するカチオンすなわちカルシウムおよびマグネシウ
ムカチオンを除去し封鎖するキレート剤である。ある種のビルダーおよびキレー
ト剤たとえばクエン酸およびクエン酸塩は、軽質液体洗剤（ＬＤＬ）組成物中の
アミラーゼ酵素の安定性を損なうから、ビルダーは注意深く選択しなけらばなら
ない。理論により規制することを意図するものではないが、この不安定性はカル
シウム原子に対する競合性の結果であると信じられる。アミラーゼ酵素は、カル
シウム原子に引き付けられるが、アミラーゼ酵素はカルシウム原子に結合するか
、またはカルシウム原子に結合できるときが最も安定である。しかし、クエン酸
およびクエン酸塩もまたカルシウムに引き付けられ、カルシウムと結合できるか
ら、クエン酸およびクエン酸塩は酵素が結合するのに利用できるカルシウム原子
の数を減少させ、従って酵素の安定性を低下させると考えられる。

【００８７】 従って、本発明組成物は、比較的高いカルシウム結合定数をもつキレート剤お
よびビルダーを含むべきではない。具体的には、本発明洗剤組成物は、カルシウ
ム結合定数のｌｏｇ₁₀（ｌｏｇＫ）が３．０より大きいキレート剤またはビルダ
ーを含まない。好ましくは本発明組成物は、カルシウム結合定数のｌｏｇ₁₀が１
．５より大きいキレート剤またはビルダーを含まない。例えば下記は洗剤組成物
中で広く使用されているキレート剤の既知のｌｏｇ₁₀カルシウム結合定数値を表
示したものである。

【００８８】

【表１】

【００８９】 （※測定は２０℃で行った。これらの値は下記文献から採用した：臨界安定性定
数（Critical Stability Constants）第３巻：他の有機配位子（Other Organic
Ligands）１１３頁、１２５頁および１６１頁[エイ.イー.マーテルおよびアール
.エム.スミス( A.E.Martell & R.M.Smith）著 ]。）

【００９０】 こうして、本発明の組成物は、アミラーゼのカルシウム結合定数に比して相対
的に高いカルシウム結合定数をもつキレート剤およびビルダーを含むべきではな
い。アミラーゼ酵素のカルシウム結合定数をＣａ_bindで表わすとすると、本発明
の洗剤組成物はＣａ_bindに等しいか、Ｃａ_bindより大きいカルシウム結合定数を
もつキレ−ト剤を含まないことが望ましく、本発明の洗剤組成物はアミラーゼ酵
素のカルシウム結合定数の値の７５％より大きい（すなわち０．７５×Ｃａ_bind より大きい）カルシウム結合定数をもつキレート剤を含まないことが好ましい。
本組成物中にアミラーゼ酵素の種々の種が存在する場合には、Ｃａ_bindには最低
のカルシウム結合定数値が選定される。

【００９１】 本発明の一態様においては、洗剤組成物はビルダー物質を含まない。ビルダー
を使用することが望ましいなら、カルシウム結合定数に関する上述の制限により
選択されたビルダーが極めて好適である。マレイン酸塩は、このような物質の一
つの例である。

【００９２】 ビルダー物質の一般的記載は、米国特許第５，９９０，０６５号[ビンソン（V
inson）ら、１９９９年１１月２３日発行]に記載され、この特許明細書の記載は
これを引用することによりここに援用する。

【００９３】 洗剤ビルダー塩を含む場合には、ビルダー塩は組成物の０．５〜５０重量％、
好適には５〜３０重量％、最も普通には５〜２５重量％の量で含まれる。

【００９４】 他の成分 洗剤組成物は、好適には更に下記から選ばれる洗剤補佐剤の１種またはそれ以
上含有する：汚れ剥離ポリマー、ポリマー分散剤、ポリサッカリド、研磨剤、殺
菌剤および他の抗菌剤、変色防止剤、ビルダー、酵素、染料、緩衝剤、防黴剤ま
たは白黴抑制剤、防虫剤、香料、ヒドロトロープ（向水性物質）、増粘剤、加工
助剤、光沢（増白）剤、防食助剤、安定剤、酸化防止剤およびキレート剤。他の
活性成分、キャリヤー、ヒドロトロープ、酸化防止剤、加工助剤、染料または顔
料、液体組成物用溶媒、棒状組成物用固体充填材などを始めとする洗剤組成物に
有用な種々の他の成分を本発明組成物に配合することができる。高起泡性を所望
するなら、起泡促進剤たとえばＣ₁₀−Ｃ₁₆アルカノールアミドを典型的には１〜
１０％の量で組成物中に配合することができる。Ｃ₁₀−Ｃ₁₄モノエタノールアミ
ドまたはＣ₁₀−Ｃ₁₄ジエタノールアミドは、この種の起泡促進剤の代表的部類の
ものである。このような起泡促進剤を高起泡補佐剤界面活性剤たとえば先に述べ
たアミンオキシド、ベタインおよびスルタイン（商品名）と共に使用することも
有利である。

【００９５】組成物形態および使用方法 組成物形態 本発明の液体食器洗浄用洗剤組成物は、マイクロエマルションの形態か、或は
二連続マイクロエマルション（bicontinuous microemulsion）の形態をなすこと
ができる。“マイクロエマルション”または“従来のマイクロエマルション”と
は、不連続ドメインが連続ドメイン中に懸濁してなる、油と水との熱力学的に安
定な混合物を意味する。この不連続ドメインは、１００〜１０００オングストロ
ーム（Ａ）の半径をもつ球状の液滴の形態をなす。この不連続ドメインが油で、
連続ドメインが水である場合には、これは水中油型マイクロエマルションである
。不連続ドメインが水で、連続ドメインが油である場合、これは油中水型マイク
ロエマルションである。界面活性剤の科学シリーズ（Surfactant Science Serie
s）第６巻、エマルションおよびエマルション テクノロジー 第１部（Emulsions
and Emulsion Technology Part 1）[ケネス ジェイ リサント（Kenneth J. Lis
sant）著]、第１２７頁、［マーセル デッカー(Marcel Dekker)社発行、ニュー
ヨーク(１９７４)］；界面活性剤の科学シリーズ（Surfactant Science Series
）第６６巻、エマルションの工業的応用（Industrial Applications of Emulsio
ns）[コンキタ ソランス（Conxita Solans）ら著]、第２頁、［マーセル デッカ
ー(Marcel Dekker)社発行、ニューヨーク(１９９７)］参照。

【００９６】 “二連続マイクロエマルション（bicontinuous microemulsion）”とは、一つ
の連続ドメインと一つの不連続ドメインがあるのではなくて、界面活性剤の境界
面により分離された連続相互絡ドメインと別の分離したドメインとの２つのドメ
インが存在する、油と水との熱力学的に安定な混合物を意味する。二連続マイク
ロエマルションは、ウインザー型III（Winsor Type III）マイクロエマルション
として分類される［ピー. エイ. ウインザー著、ケミカル レビュー(P.A. Winso
r, Chem. Rev.)６８、３−６頁（１９６８）；界面活性剤の科学シリーズ（Surf
actant Science Series）第６巻、エマルションおよびエマルション テクノロジ
ー 第１部（Emulsions and Emulsion Technology Part 1）[ケネス ジェイ リサ
ント著]、第１９１-９２頁、[マーセル デッカー社発行、ニューヨーク(１９９
７)]；界面活性剤の科学シリーズ（Surfactant Science Series）第６６巻、エ
マルションの工業的応用（Industrial Applications of Emulsions）[コンキタ
ソランスら著]、第１５８頁、［マーセル デッカー社発行、ニューヨーク(１９
９７)］。

【００９７】 洗剤組成物がマイクロエマルションまたは二連続マイクロエマルションの形態
にある場合には、それら洗剤組成物は（上述の成分の選択に付加して）（ａ）マ
イクロエマルション形成用溶媒；（ｂ）液体炭化水素成分；および（ｃ）水性液
体キャリヤーを含有するであろう。これらの成分の各々の適切な例、並びに全体
の処方の方向性は、“マイクロエマルション形態の軽質液体食器洗浄用組成物（
Light Duty Liquid Dishwashing Compositions）”と題する、マーク エル. カ
ッチャー（Mark L. Kacher）らの１９９９年４月８日出願に係る仮特許出願番号
第６０／１２８，３５１号（Ｐ＆Ｇ事件番号第７５０４Ｐ号）（本明細書に援用
）において検討されている。

【００９８】 使用方法 本発明組成物は、手作業食器洗浄作業に使用する水性洗浄溶液の調製に使用で
きる。一般に、上記組成物の有効量を水に添加して上記のような水性クリーニン
グ溶液または浸漬溶液を造る。こうして造った水性溶液を次いで食卓用具、陶器
、磁器、銀器などの食卓用器具、料理器具と接触させる。

【００９９】 水に添加して水性クリーニング溶液を造る際の本発明洗剤組成物の有効量とは
、水性溶液中約５００〜２０,０００ｐｐｍの組成物となすのに充分な量からな
る。更に好適には約８００〜５,０００ｐｐｍの本発明洗剤組成物が水性クリー
ニング溶液中に供与される。

【０１００】 下記に実施例を掲げて本発明を説明するが、本発明の範囲をこれら実施例に制
限もしくは規定することを意味するものではない。ここに使用するすべての部、
％および比は他に特記しなければいずれも重量部、重量％または重量比を表わす
。

【０１０１】

【表２】

【０１０２】 １：平均０．６個のエトキシ基を含有するＣ_12-13アルキルエトキシスルホン 酸塩； ２：Ｃ₁₂−Ｃ₁₄アミンオキシド； ３：非イオン性とは９個のエトキシ基含有Ｃ₁₁アルキルエトキシル化界面活性 剤または８個のエトキシ基含有Ｃ₁₀アルキルエトキシル化界面活性剤； ４：１,３-ビス（メチルアミン）-シクロヘキサン； ５：ポリマーとは（Ｎ,Ｎ-ジメチルアミノ）エチルメタクリレートホモポリマー
。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ )，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ， ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ， ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，Ｃ Ｒ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ， ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，Ｋ Ｚ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ， ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，Ｓ Ｋ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者 フォリー，ピーター ロバート アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナチ、 グレンハースト、プレイス 3326 Ｆターム(参考） 4H003 AB31 AC08 AC15 BA12 CA15 DA17 EA21 EB02 EB04 EB30 EB34 EC01 ED02 FA07 FA16 FA28 FA47

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液体食器洗浄用洗剤組成物であって、 （ａ）０．０００１％〜５％のアミラーゼ酵素；と （ｂ）少なくとも０．５％の起泡促進剤； とを含有し、重度に汚れた台所用具をクリーニングするのに使用する時に特に望
   ましい油脂汚れ除去性能を有し、且つ過酸化水素および３．０より大きいＬｏｇ
   Ｋ値をもつキレート剤からなる群から選ばれた成分を実質上含まないことを特徴
   とする、液体食器洗浄用洗剤組成物。
2. 【請求項２】 組成物が、更にアミンオキシドを実質上含まない、請求項１
   記載の組成物。
3. 【請求項３】 組成物が、アミンオキシドから実質上すべての過酸化水素を
   除去してあって、その結果アミンオキシドは０．０２％未満の過酸化水素を含む
   のに過ぎないアミンオキシドであることを更に特徴とする、請求項１または２記
   載の組成物。
4. 【請求項４】 アミラーゼ酵素が、ファーデバス（登録商標）［Phadebas（
   登録商標）］のα‐アミラーゼ活性検定法により測定して、２５〜５５℃の温度
   範囲および８〜１０のｐＨ値範囲でのターマミル（登録商標）［Termamyl（登録
   商標）］の比活性度より少なくとも２５％高い比活性度をもつ、請求項１ないし
   ３のいずれか１項記載の組成物。
5. 【請求項５】 下記の工程： （ａ） 洗剤成分の少なくとも１つは過酸化水素であることを特徴とする２種
   または３種以上の洗剤成分を用意する工程； （ｂ） 上記２種または３種以上の洗剤成分を一緒に混ぜ合わせて、洗剤プレ
   ミックスを造る工程； （ｃ） 得られた洗剤プレミックスに酸化防止剤を添加して、過酸化物を中性
   化した洗剤プレミックスを生成させる工程；および （ｄ） 過酸化物を中性化した洗剤プレミックスに、アミラーゼ酵素および適
   宜、１種またはそれ以上の、実質上過酸化水素を含まない洗剤補佐剤を添加する
   工程 を特徴とする、実質上過酸化水素を含まない液体食器洗浄用洗剤組成物の製法。
6. 【請求項６】 洗剤成分が、アミンオキシドを含むことを特徴とし、アミン
   オキシドが不純物として存在する過酸化水素を含む、請求項１ないし５のいずれ
   か１項記載の製法。
7. 【請求項７】 下記の工程： （ａ） 過酸化水素を含むアミンオキシドを用意する工程； （ｂ） 上記アミンオキシドに酸化防止剤の充分量を添加して、アミンオキシ
   ド量中の過酸化水素の量が０．０２％未満である洗剤プレミックスを生成させる
   工程； （ｃ） 得られた洗剤プレミックスに、アミラーゼ酵素および適宜、１種また
   はそれ以上の、実質上過酸化水素を含まない洗剤補佐剤を添加する工程 を特徴とする、実質上過酸化水素を含まない液体食器洗浄用洗剤組成物の製法。
8. 【請求項８】 組成物が、１．５より大きいｌｏｇＫ値をもつキレート剤を
   実質上含まない、請求項１ないし７のいずれか１項記載の組成物。
9. 【請求項９】 アミラーゼ酵素が、あるカルシウム結合定数Ｃａ_bindをもち
   、組成物が０．７５Ｃａ_bindより大きいカルシウム結合定数をもつキレート剤を
   実質上追加的に含まない、請求項１ないし８のいずれか１項記載の組成物。
10. 【請求項１０】 組成物が、０．０００１％〜０．０５％のアミラーゼ酵素
    を含むことを特徴とする、請求項１ないし９のいずれか１項記載の組成物。