JP2002536105A - 生検管路の止血を容易とするためのデバイスおよび方法 - Google Patents

生検管路の止血を容易とするためのデバイスおよび方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明によるシステムは、アダプタ(12)とシリンジ(14)とを具備しており、湿潤状態でもって生体吸収可能スポンジ(20)を搬送することにより、生検管路または他の刺し傷の止血を容易とするために使用される。アダプタ(12)は、小径の套管(16)に対しての搬送のために、比較的大きな生体吸収性スポンジ(20)を湿潤させて圧縮するためのテーパー状管腔を備えている。本発明によるシステム(10)は、様々なベントキャップを備えることができる。スポンジ製ガーゼは、先端側横断面積よりも基端側横断面積の方が大きいものとされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、創傷閉塞デバイスに関するものであり、より詳細には、本発明は、
生体吸収可能スポンジの挿入によって、生検管路の止血や他の刺し傷の止血を容
易とするためのデバイスおよび方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
中実器官の経皮的針生検は、最も一般的な医学的処置手法のの1つである。米
国も含めて全世界において1年あたり、数百万回に及ぶ針生検が行われている。
経皮的生検は、様々な目的のための例えば皮膚の生検や肝臓の生検といったよう
な手術的生検に取って代わった安全な手法である。
【0003】 針生検において存在する煩雑さは、生検部位における出血である。出血量は、
針のサイズや組織試料のサイズや患者の凝固状態や生検部位の位置といったよう
な様々な要因に関連する。共通の生検ターゲットであるような例えば肝臓のよう
な脈管系器官の場合には、針生検後においてかなりの出血が発生する可能性があ
る。生検部位からの出血を最小化するために、典型的には、小寸法の針が使用さ
れる。しかしながら、小寸法の針は、あまり良好な試料をもたらすことがない。
それよりも、感覚的に安全さを確認できることから、それより寸法の大きな孔付
き針が好まれることが多い。生検後の内部出血の機会を最小化するために、外圧
が印加され、患者は、しばしば不快な体位を強要される。例えば、特に肝臓の生
検後には、何時間にもわたって、側面位を強要される。
【0004】 例えば Gelfoam(登録商標)といったような殺菌スポンジは、出血制御のため
に手術時に充填材料として使用される乾燥殺菌シート内において使用される。ス
ポンジシートは、止血のために手術後に手術部位内に埋設され、1〜6週間をか
けて生体内に吸収される。出血を最小化したり防止したりするためにこのような
生体吸収可能殺菌スポンジ材料によって生検管路を塞ぐに際しては、多数の手法
が使用される。生体吸収可能スポンジは、管路の機械的閉塞や凝固の促進をもた
らし、生検管路からの出血を最小化する。生検管路を閉塞するために生体吸収可
能スポンジを使用することの利点にもかかわらず、この技術は、スポンジ材料の
準備の困難さや生検管路内へのスポンジ材料の搬送の困難さのために、広く使用
されるには至っていない。
【0005】 膨張可能なスポンジを使用した生検創傷閉塞デバイスの一例は、米国特許明細
書第5,388,588号に開示されている。この文献においては、生体吸収可
能発泡材料からなる円形スポンジは、前もってカットされ、先端にスポンジを取
り付けたアプリケータロッドによって生検部位内へと挿入される。スポンジが埋
設された後には、スポンジは、血液を吸収して膨潤し、これにより、管路を充填
して、生検部位におけるさらなる出血を防止する。しかしながら、スポンジは、
搬送が困難であるとともに、搬送後の膨張が遅い。加えて、この搬送方法では、
限られたサイズのスポンジしか搬送することができず、そのため、要望されるほ
どの局所圧縮をもたらすことができず、対象部位の充填が不十分である。そのた
め、生検管路のうちの、スポンジが搬送されていない部分に沿って、出血が継続
する。
【0006】 したがって、簡単かつ信頼性のある方法で生検管路に対して生体吸収可能スポ
ンジを搬送し得るデバイスおよび方法が要望されていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、生体吸収可能スポンジを注入することによって、生検管路や他の刺
し傷の止血を容易とするためのデバイスおよび方法に関するものである。本発明
によるシステムによれば、生検針や他の套管を通して刺し傷部位にまで直接的に
湿潤状態で搬送することができる。
【0008】 本発明のある見地においては、組織内にスポンジを注入するためのシステムは
、先端側横断面積よりも基端側横断面積の方が大きいものとされているスポンジ
製ガーゼと;組織に対して、湿潤状態のガーゼを搬送するための套管と;ガーゼ
を湿潤させて套管に対してガーゼを搬送し得るよう、套管に対して連結可能とさ
れたアダプタと;を具備している。アダプタは、大径基端部と小径先端部とを有
したテーパー形状管腔を備えている。小径先端部は、套管に対して連結可能であ
る。
【0009】 本発明の付加的な見地においては、組織に対して搬送するためのスポンジガー
ゼを形成するための方法として、スポンジ材料からなるシートからスポンジスト
リップをカットし;ストリップを折り曲げることによって、第1横断面積を有し
た第1端部と、第2横断面積を有した折曲第2端部と、を有したガーゼを形成す
る。この場合、第2横断面積の方が、第1横断面積よりも大きい。
【0010】 本発明のさらなる見地においては、湿潤スポンジを作製して、この湿潤スポン
ジを套管に対して搬送し、さらに、組織に対して搬送するためのシステムであっ
て、アダプタとテンプレートとを具備している。アダプタは、長尺部材とルアー
コネクタとテーパー形状の管腔とを備えている。長尺部材は、第1端部と第2端
部とこれら第1端部および第2端部の間に延在する管腔とを有している。ルアー
コネクタは、套管に対する連結のために長尺部材の第2端部に設けられている。
管腔のテーパー形状部は、第1端部における第1直径から、この第1直径よりも
小さな、第2端部における第2直径にかけて延在するとともに、第2直径よりも
大きな幅を有した乾燥スポンジガーゼが湿潤されたときには第2端部を通過でき
るようにガーゼを圧縮することができる。テンプレートは、套管に対しての搬送
のために長尺部材内に受領され得るようなサイズへと、スポンジをカットし得る
よう構成されている。
【0011】 本発明の付加的な見地においては、組織に対して搬送することを目的として、
湿潤スポンジを套管に対して搬送するためのアダプタシステムは、長尺アダプタ
と着脱可能ベントキャップとを具備している。長尺アダプタは、先端部と、基端
部と、基端部における大径から先端部における小径までにわたって延在する管腔
テーパー形状部と、先端部に設置されたルアー連結具と、を有している。着脱可
能なベントキャップは、ルアー連結具に対して係合し得るよう構成されている。
ベントキャップは、アダプタからの流体の排出は許容しかつスポンジの飛び出し
は防止するような抜き穴を有している。
【0012】 本発明の他の見地においては、組織に対して搬送することを目的として、湿潤
スポンジを套管に対して搬送するためのアダプタシステムは、長尺アダプタとト
レイル中継チャンバとを具備している。長尺アダプタは、先端部と、基端部と、
基端部における大径から先端部における小径までにわたって延在する管腔テーパ
ー形状部と、先端部に設置されたルアー連結具と、を有している。トレイル中継
チャンバは、長尺アダプタから着脱可能なベントキャップまでの間にわたって延
在するように設けられている。着脱可能ベントキャップを貫通しさらにトレイル
中継チャンバ内へと延在するロッドが、設けられている。ロッドは、着脱可能ベ
ントキャップとは反対側に、係止部材を有している。係止部材は、トレイル中継
チャンバを通って延在する管腔に対しての界面適合をもたらす。係止部材は、ベ
ントキャップを通してのアダプタからの流体の排出は許容しつつもベントキャッ
プからのスポンジの飛び出しは防止する。
【0013】 本発明の他の見地においては、組織アクセス管路内へとスポンジを搬送するた
めの方法であり、組織アクセス管路内に配置された套管を通して湿潤スポンジガ
ーゼを、速度(E)でもって搬送するのと同時に、組織から速度(V)でもって
套管を引き戻し、これにより、スポンジガーゼを配置して組織アクセス管路をシ
ールする。この場合、速度(E)の方を、速度(V)以上とする。
【0014】 本発明の他の見地においては、組織に対して搬送することを目的として、湿潤
スポンジを作製して、この湿潤スポンジを套管に対して搬送するためのシステム
は、アダプタを具備してなり、このアダプタは、第1端部と第2端部とこれら第
1端部および第2端部の間に延在する管腔とを有した長尺部材を有している。取
付具が、套管に対する連結のために第2端部に設けられている。このため、テー
パー形状部は、第1端部における第1直径から、この第1直径よりも小さな、第
2端部における第2直径にかけて延在するとともに、第2直径よりも大きな幅を
有した乾燥スポンジガーゼが湿潤されたときには第2端部を通過できるようにガ
ーゼを圧縮することができる。視認可能透明チャンバは、長尺部材の第2端部に
設けられた取付具に対して連結可能に設けられている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に例示された好ましい実施形態を参照しつつ、より詳細に説明
する。複数の添付図面にわたっては、同様の部材には同じ符号が付されている。
【0016】 本発明によるシステムは、湿潤状態の生体吸収可能スポンジ材料を搬送し、こ
れにより、単純かつ安全な態様で、生体管路や他の刺し傷の止血を容易とする。
湿潤した生体吸収可能スポンジの搬送デバイスにつき、経皮的な針による生検後
における生検管路の処置に関連して、以下、説明する。しかしながら、本発明は
、他のタイプの刺し傷や組織アクセス管路の止血を容易とするためにも使用する
ことができ、これら傷からの出血を防止することができる。
【0017】 生検管路の止血を容易とするためのシステムは、生体吸収可能スポンジ材料か
らなるガーゼ(18)をシートの形態からカットするためのパンチ(10)と、
ガーゼを生検針(16)に対して搬送するためのアダプタ(12)と、ガーゼを
湿潤させてガーゼを注入するためのシリンジ(14)と、を備えている。アダプ
タ(12)は、比較的大きな生体吸収可能スポンジ材料製ガーゼを圧縮すること
ができ、湿潤状態で生検管路内に挿入することができる。止血を容易とするため
に使用する生体吸収可能スポンジ材料は、湿潤時に変形することにより生検針や
他の套管内を流体圧力によって搬送され得るような任意の生体吸収可能スポンジ
とすることができる。
【0018】 本発明を詳細に説明するに先立って、いくつかの用語を定義しておく。
【0019】 『ガーゼ』とは、生検針や他の套管内を湿潤状態で注入され得るようなサイズ
とされた全体的に長尺形状をなす、生体吸収可能スポンジの一部を意味している
【0020】 『スポンジ』とは、湿潤することができるとともに湿潤状態において弾性圧縮
可能であるような生体適合性材料を意味している。好ましくは、スポンジは、非
抗原性であり、生体吸収可能であるかもしれないし生体吸収不可能であるかもし
れない。
【0021】 『生体吸収可能スポンジ』とは、人体や哺乳類の体内に埋設されたときに、生
体によって吸収されるスポンジを意味している。
【0022】 『湿潤』とは、例えば生理的食塩水や水や造影剤やトロンビンや治療剤等とい
ったような流体でもって部分的にまたは完全に浸されることを意味している。
【0023】 生体吸収可能スポンジ材料の『鍛錬』とは、スポンジ材料の形状を圧縮したり
広げたりあるいは変化させたりしてスポンジ材料の拡張応答特性を改良させるよ
うな、乾燥状態でもまたは湿潤状態でのスポンジ材料に対しての操作を意味して
いる。
【0024】 図1は、ダイカッターとも称されるパンチ(10)の一例を示している。パン
チ(10)は、生体吸収可能スポンジシート(20)を、生検管路に対しての搬
送に際して適切なサイズのガーゼ(18)へと、カットするためのものである。
パンチ(10)は、ハンドル(26)付きのプレート(24)に対して固定され
た矩形ブレード(22)を備えている。パンチ(10)を、市販の生体吸収可能
スポンジからなるフラットシート(20)に対して押圧することにより、適切な
サイズのガーゼ(18)がカットされる。ガーゼ(18)の作製に際しては、図
1に示すようなパンチ(10)の他にも、例えばハサミタイプのハンドパンチや
自動パンチ機械やテンプレートおよびナイフといったような他のカットデバイス
を使用することができる。代替可能なガーゼ形成システムについては、図11〜
図13を参照して後述することとする。
【0025】 図2は、本発明によるアダプタ(12)を示しており、アダプタ(12)内に
は、湿潤して生検針(16)を通して搬送されるためのガーゼ(18)が配置さ
れている。アダプタ(12)は、比較的大きな横断面積の複数個の生体吸収可能
スポンジ材料を、ずっと小さな横断面積の生検針(26)を通して、より容易に
搬送することを可能とする。アダプタ(12)は、また、ガーゼ(18)から空
気を除去し得るよう機能する。
【0026】 湿潤ガーゼ(18)を針(16)に対して供給するアダプタ(12)は、シリ
ンジ(14)との連結のための環状リップ(32)またはメス型ルアー取付具を
有した第1端部(30)を有している。アダプタ(12)の第2端部(34)は
、生検針(16)または他の套管に対しての連結のためのオス型ルアー取付具(
36)を有している。ルアー取付具(36)は、テーパー形状の外面(38)と
、生検針の環状リップを受領し得る内部ネジ山付きの保持リング(40)と、を
備えている。アダプタ(12)は、内部管腔を有しており、第1端部(30)に
おける内部管腔の内径は、第1内径D1 とされており、第2端部(34)におけ
る内部管腔の内径は、第2内径D2 とされている。アダプタ(12)の第1端部
と第2端部との間においては、テーパー部(42)が、生検針(16)および針
ハブ(28)を通して注入するに先立って湿潤ガーゼ(18)を押圧するための
漏斗形状をもたらしている。
【0027】 アダプタ(12)は、プラスチック材料の成型といったような任意の公知手段
によって形成することができる。好ましくは、アダプタ(12)は、アダプタ越
しにガーゼ(18)を見ることができて、ガーゼをアダプタ内に導入する際にさ
らにガーゼを針内へと搬送する際に、視覚的に観測し得るよう、透明体とされる
。アダプタの管腔には、搬送特性を向上させ得るよう、摩擦低減コーティングを
施すことができる。また、搬送流体は、ガーゼ(18)の外面を湿潤させること
によって摩擦を低減させ、これによっても、搬送特性が改良される。
【0028】 シリンジ(14)は、オス型ルアー取付具(46)と、流体チャンバ(48)
と、プランジャー(50)と、を備えている。アダプタ(12)の第1端部(3
0)は、従来のシリンジ(14)のルアー取付具(46)に対して連結すること
ができる。シリンジ(14)には、所定量の流体をシリンジ(14)内に自動的
に充填するための、スプリング(52)を設けることができる。これに代えて、
シリンジは、少量の流体を正確に注入するための図7に示すようなネジ付きシリ
ンジプランジャーを備えることができる。シリンジ容積は、ガーゼの湿潤と生体
針(16)を通してのガーゼ(18)の搬送とに必要な流体量に応じて、変更さ
れることとなる。
【0029】 本発明において使用するための生検針(16)は、好ましくは、例えば2軸生
検針や3軸生検針といったような同軸生検針である。同軸生検針は、外側針また
は套管を備えている。この外側針を通して、組織すくい取り器具や他の生検器具
とともに組織試料が取り出される。組織試料の取出後には、外側套管は、図6に
示すように患者の体内に残ったままとされる。スポンジガーゼの搬送用の套管を
生検針として上述したけれども、套管は、カテーテルやシースや他の任意のタイ
プの套管とすることができる。
【0030】 生検管路の止血を容易とするための好ましい方法について、図4を参照して説
明する。図4は、アダプタ(12)内におけるガーゼ(18)の導入および湿潤
を示している。ガーゼ(18)は、上述のようにしてカットされ、アダプタの第
1端部(30)からアダプタ(12)内へと配置される。シリンジ(14)には
、例えば生理的食塩水といったような所定量の流体が充填される。シリンジは、
ルアー取付具(46)によってアダプタ(12)の第1端部(30)に対して連
結される。そして、シリンジ(14)のプランジャ(50)をゆっくりと押し込
むことにより、流体がアダプタ(12)内へと進入し、ガーゼ(18)を湿潤さ
せ、アダプタ内を所定量の流体でもって充填する。このとき、アダプタの第2端
部(34)からガーゼが飛び出してしまわないように、流体をゆっくりと注入す
るよう注意すべきである。好ましくは、使用者は、アダプタ(12)内への流体
の注入後にガーゼ(18)が適切に湿潤してガーゼ上に滑り性表面が形成される
まで、数秒待つ。ガーゼ(18)は、アダプタ内において拡張し、アダプタの管
腔を充填するあるいはほぼ充填することができる。湿潤したガーゼ(18)が基
端部材内に収容した状態のアダプタ(12)は、生検管路内の止血を容易とし得
るよう生検管路内へとガーゼを注入するための、待受状態となっている。アダプ
タ(12)は、生検手術の開始前に導入することができる。
【0031】 生検手術が完了した後においても、それを通しての生検試料の採取が既に行わ
れた生検針(16)の外側シースは、図6に示すように生検管路内の所定位置に
維持される。生検針(16)は、生体吸収可能スポンジ生体吸収可能スポンジ製
ガーゼ(18)の搬送のための搬送部位の目標位置を既に確立している。アダプ
タ(12)のルアー取付具(36)は、図6に示すように、生検針ハブ(28)
に対して連結される。生検針(16)が生検管路に沿って1〜20mmといった
ようなわずかな距離だけ引き戻される。これにより、ガーゼ(18)の受領のた
めのスペースが、生検管路内に形成される。さらなる流体がシリンジによって急
速に注入され、これにより、ガーゼ(18)が生検針(16)内へと駆動される
。アダプタ内において既に湿潤している湿潤ガーゼ(18)によってアダプタ管
腔が既に閉塞されている場合には、さらなる流体の注入が、アダプタのテーパー
部(42)を通してガーゼを押し込むこととなる。アダプタ管腔が未だ完全には
ガーゼ(18)によって閉塞されていない場合には、ベンチュリ効果によって、
アダプタのテーパー部(42)に向けてのガーゼの移動が補助される。ガーゼ(
18)が生体針(16)へと移動した後には、シリンジ(14)によるさらなる
流体の急速注入によって、ガーゼ(18)が針(16)から生検管路内へと搬送
される。搬送されたときには、湿潤ガーゼ(18)は、急速に拡張(膨張)し、
生検管路内の空きスペースを充填し、止血を容易として、局所圧縮をもたらす。
【0032】 図7の側断面図に示すように、針ハブ(28)の一例は、アダプタ(12)の
先端部(34)における内径(D2 )よりも大きい内径(D3 )を有している。
内径が大きな針ハブ(28)により、アダプタのテーパー部(42)によって既
に圧縮されている湿潤ガーゼ(18)は、針管腔内において再度圧縮されるより
も前に、針ハブ内において膨張することができる。湿潤生体吸収可能スポンジ材
料のこのような圧縮と膨張とは、湿潤ガーゼの搬送にとって不利な影響をもたら
すものではなく、実際は、詳細に後述するように、搬送されるスポンジ材料の膨
張特性を改良する。
【0033】 針ハブ(28)の管腔と針管腔との間における円滑なテーパー状遷移領域は、
ガーゼ(18)の挿入を容易とする。しかしながら、針ハブ(28)と針(16
)との間に存在する内部段部を有している針が使用されたにしても、ガーゼ(1
8)は、うまく注入される。本発明による代替可能な実施形態においては、針ハ
ブ(28)は、アダプタの先端部(34)のところにおける内径(D2 )とほぼ
同じ内径を有するように構成されている。
【0034】 好ましくは、ガーゼのサイズやアダプタ(12)の寸法や針(16)の寸法や
針ハブ(28)の寸法に応じた各処理手順を行い得るように、特定に測定された
量の流体が使用される。ガーゼ(18)は、流体によって生検管路内へと完全に
搬送されるべきであり、搬送に使用する外来流体の量は、最小とすべきである。
例えば、針の内部に配置されたガーゼ(18)は、使用する針(16)のサイズ
に応じて、0.02〜1.5mlという量の流体でもって搬送することができる
。より多くの量の流体を注入すると、生検管路を膨張させたり、あるいは、器官
内におけるガーゼの位置をずらせてしまったり、しかねない。
【0035】 一例においては、市販されている Gelfoam(登録商標)製の約1.5mm厚さ
のシートからカットされた20mm×2mmというサイズのガーゼ(18)は、
湿潤した上で、18ゲージという規格の約15cm長さの生検針を通して、0.
9mlという量の流体でもって注入することができる。この例におけるアダプタ
は、約0.38cmという第1直径(D1 )と、約0.14cmという第2直径
(D2 )と、約3.80cmという全体長さと、約45°というテーパー角度と
、を有している。約0.3mlの流体をゆっくりと注入することにより、ガーゼ
(18)を湿潤させ、所定量の流体でもってアダプタを充填する。その後、約0
.3mlの流体を注入することにより、アダプタ(12)から生検針(16)内
へとガーゼ(18)が注入される。最後に、約0.3mlの流体を注入すること
により、ガーゼ(18)を、生検管路内へと搬送する。アダプタ(12)から針
(16)内へのガーゼの導入、および、針から生検管路へのガーゼ(18)の搬
送は、約0.6mlという量の流体を注入することによって、1ステップでもっ
て行うことができる。最少の外来流体を使用してのガーゼの正確かつ完全な注入
は、このような容量注入技術によって得られる。
【0036】 図5に示すアダプタの代替可能な実施形態においては、ガーゼ(18)の導入
時に流体を抜くための抜き穴(44)が、アダプタ(12)の第2端部(34)
のところにおいて先端からわずかに離間した位置において、壁を貫通して延在し
ている。図5に示すように、使用者は、アダプタ(12)の第2端部(34)の
開口を指で押さえる。これにより、アダプタからのガーゼの飛び出しが防止され
る。シリンジ(14)のプランジャ(50)をゆっくりと押圧することにより、
流体がアダプタ(12)内へと進入し、ガーゼを湿潤させる。好ましくは、アダ
プタ(12)内へと流体が進入してからガーゼ(18)が湿潤されるまで、数秒
間だけ待つ。ガーゼ(18)が湿潤された後には、さらなる流体を、アダプタ(
12)内へと急速に注入する。これにより、ガーゼ(18)は、アダプタの第1
端部(30)からアダプタの第2端部(34)に向けて、移動する。ガーゼ(1
8)がアダプタ(12)のテーパー部(42)によって圧縮される際には、空気
や流体は、抜き穴(44)を通ってアダプタから抜けることができる。ガーゼ(
18)が、図5に示すような第2端部(34)に対しての隣接位置にまで移動し
たときには、流体注入が停止される。湿潤ガーゼ(18)が先端部内に配置され
た状態のアダプタ(12)は、生検管路内の止血を容易とし得るよう生検針を通
してガイドワイヤを挿入することの待受状態となっている。
【0037】 テーパー部(42)を通してのガーゼ(18)の前進時にアダプタ(12)の
先端部を指で押さえる代わりに、着脱可能なキャップを使用することができる。
また、抜き穴(44)を省略して、スクリーン、または、スクリーンを有したキ
ャップを使用することによって、ガーゼ(18)の飛び出しをスクリーンによっ
て防止しつつも、スクリーンを通して流体を通すことができる。ベントキャップ
(抜き穴付きキャップ)の一例については、図14および図15を参照して詳細
に後述する。
【0038】 搬送システムの代替可能な実施形態が、図7に示されている。この場合、アダ
プタ(12)には、ガーゼの注入を観測するための圧力指示器(64)が設けら
れている。好ましくは、圧力指示器(64)は、アダプタ(12)の側面上に形
成されたルアー取付具(66)のところに、着脱可能に取り付けられる。圧力指
示器(64)は、アダプタ(12)内の圧力に依存して、図7に示すような凸形
状に膨出した状態と、フラット状態と、の間にわたって移行可能とされている。
ガーゼ(18)が生検針から生検管路内へと押し出されたときには、生検針(1
6)とアダプタ(12)とシリンジ(14)との内部圧力が、低下することとな
る。これにより、圧力ドーム(68)は、図7に示すような凸状態から、フラッ
ト状態へと、移行する。これにより、ガーゼの搬送が完了したことを認識するこ
とができる。
【0039】 図8は、アダプタの代替可能な実施形態(12a)を示している。このアダプ
タ(12a)においては、テーパー部(42a)が短く、急峻である。図2や図
8におけるアダプタの特定のサイズおよび形状は、生検針のサイズや組織試料の
サイズや、搬送すべきガーゼのサイズに応じて、変更することができる。18ゲ
ージの生検針を通して生体吸収可能スポンジ製ガーゼ(18)を搬送する場合の
図8のアダプタ(12a)の一例は、第1アダプタ直径(D1 )が約0.25c
mあるいはそれ以上であり、好ましくは0.30〜0.80cmであり、第2ア
ダプタ直径(D2 )が約0.25cmあるいはそれ以下であり、好ましくは0.
05〜0.23cmである。テーパー部(42a)の壁がアダプタ(12a)の
長さ方向軸に対してなす角度は、5°〜90°にわたって変更することができ、
好ましくは30°〜60°である。テーパー部(42a)は、断面視において実
質的に直線状の内面を有するものとして図示されている。しかしながら、テーパ
ー部(42a)は、断面視において、凸状面や凹状面を有することもできる。ア
ダプタ(12a)に関して上述した寸法は、肝臓の生検において最も一般的に使
用されている18ゲージの生検針に対して適切なものである。皮膚や肺に対して
使用されるより大径の生検針または套管のいくつかに対しては、アダプタ寸法を
、それらに応じて大きいものとすることができる。
【0040】 また、図8は、アダプタの基端が、標準的なシリンダ取付具よりも大径である
場合に、アダプタ(12)とシリンジ(14)とを連結するためのコネクタ(7
0)を示している。コネクタ(70)は、シリンジ(14)に対しての連結のた
めの第1端部(72)と、アダプタ(12)に対しての連結のための第2端部(
74)と、を有している。
【0041】 本発明において使用するのに好適な生体吸収可能スポンジ材料の1つのタイプ
は、Upjohn社によって製造されている Gelfoam(登録商標)である。Gelfoam は
、多孔質の柔軟な架橋されたゼラチン材料であり、予圧縮したスポンジとしてま
たは非圧縮のスポンジとして、シートの形態で市販されている。この材料は、ガ
ーゼ(18)として予成形することができる、あるいは、パンチ(10)やステ
ンシルやテンプレートやナイフを使用して、上述のようにガーゼとして形成する
ことができる。湿潤後には、ガーゼ(18)は、容易に圧縮することができ、ガ
ーゼの元々の横断面積よりも小さな横断面積を有した管腔内に適応することがで
きる。加えて、搬送時の湿潤ガーゼの鍛錬は、Gelfoam 内に拘束されている空気
を追い出して流体と置換することを推進し、これにより、搬送時の急速な膨張を
可能とする。予圧縮された Gelfoamからなるガーゼ(18)が湿潤されて搬送時
に鍛錬された(空気が追い出された)ときには、ガーゼは、吸収能力を有するこ
ととなり、搬送時に、元々の乾燥時容積の数倍(例えば、3倍あるいはそれ以上
)へと急速に膨張することができる。非圧縮の Gelfoamからなるガーゼ(18)
が湿潤されて搬送時に鍛錬された(空気が追い出された)ときには、ガーゼは、
吸収能力を有することとなり、搬送時に急速に膨張することができる。これらの
特性は、Gelfoam 製スポンジ材料を、生検部位の止血を容易とするに際して、特
に有効なものとする。
【0042】 アダプタ(12)内におけるまたアダプタ(12)と針(16)との間におけ
る急峻な管腔内径の変化は、生体吸収可能スポンジ材料の『鍛錬』を改良して生
体吸収可能スポンジ材料の湿潤を改良する。これにより、湿潤状態で搬送される
生体吸収可能スポンジの膨張特性が改良される。図9および図10に示すアダプ
タの代替可能な実施形態においては、アダプタの管腔内には、拡径領域や凹所領
域や不規則形状領域が、設けられている。これにより、生体吸収可能スポンジ材
料に対して付加的な鍛錬作用がもたらされ、スポンジの膨張特性をさらに改良す
る。
【0043】 図9のアダプタ(12b)は、管腔に、2つの拡径領域(72)を備えている
。生体吸収可能スポンジ製ガーゼ(18)がアダプタ(12b)の管腔を通って
移動したときには、アダプタによってスポンジ材料が膨張と圧縮とを繰り返すこ
ととなり、ガーゼの鍛錬が増強される。図10は、アダプタの他の代替可能な実
施形態(12c)を示している。このアダプタ(12c)は、生体吸収可能スポ
ンジ製ガーゼ(18)の鍛錬度合いを改良し得るよう、複数のジグザグ状の不規
則形状部(74)を備えている。不規則形状部(74)は、好ましくは、比較的
円滑な表面とされていて、生体吸収可能スポンジ材料が不規則部に引っ掛かって
しまうことを防止する。
【0044】 図11は、アダプタの代替可能な実施形態(112)を示しており、アダプタ
には、ガーゼ形成テンプレート(122)が取り付けられている。図11に示す
ように、アダプタ(112)は、メス型ルアー(132)を有した基端部(13
0)と、オス型ルアー(136)を有した先端部(134)と、を備えている。
ガーゼ(118)は、基端部(130)内に挿入されている。アダプタ(112
)内には、ガーゼ(118)を生検針内へと圧入するためのテーパー部(142
)が設けられている。
【0045】 生体吸収可能スポンジ材料製ガーゼ(118)の搬送時に際しては、最少の流
体量でもって所望量のスポンジ材料を搬送することが重要である。最少量の流体
でもってスポンジ材料を搬送し得るいくつかのデバイスおよび方法においては、
図11に示すようなガーゼ配置と、図14および図15に示すようなガーゼ係止
用ベントキャップと、を使用し、図16に示すように、搬送時に生検針を引き抜
く。
【0046】 基端側の横断面積方が大きいガーゼ(118)の方が、横断面積が一定のガー
ゼや基端側の横断面積の方が小さいガーゼよりも、より容易に搬送される。図1
1は、基端側の横断面積が先端側の横断面積のほぼ2倍であるようなガーゼ(1
18)を図示している。ガーゼ(118)の先端部における質量が小さいことに
より、アダプタ(112)内へのガーゼの挿入が容易とされている。ガーゼの先
端部が細いことにより、套管を通してのガーゼの搬送に抵抗性をもたらす大きな
背圧を生成することなく、搬送套管または生検針を通過することができる。ガー
ゼ(118)の基端部が大きいことにより、アダプタ(112)および套管(1
6)の内部において良好なシールがもたらされる。これにより、ガーゼの推進の
ために、最少量の流体を使用するだけで良い。ガーゼ(118)の基端部におけ
る質量の大きさは、生検管路に対して搬送されるスポンジ材料の量を多くする。
【0047】 基端部の横断面積が大きいガーゼ(118)は、様々な方法で作製することが
できる。例えば、スポンジ材料製シートからガーゼ(118)が形成される場合
には、基端部における大きな質量は、基端部が大きくなるようにしてガーゼをカ
ットすることにより、得ることができる。これに代えて、ガーゼ(118)は、
折曲や、巻付(ローリング)や、圧縮や、あるいは、スポンジ材料を所望形状へ
と変更するその他の手法によって、形成することができる。ガーゼの基端側質量
は、また、ガーゼの基端部に対して別の材料片を追加することによっても、増大
させることができる。この追加的な材料は、層状化や巻付や巻回や他の任意の方
法によって、ガーゼに対して取り付けることができる。ガーゼは、また、モール
ド成型やバンプ押出やディッピング等によって、形成することもできる。基端部
における大きな横断面積は、一般に、先端部の横断面積の1.2〜4倍とされる
。加えて、横断面積の大きな基端部は、好ましくは、ガーゼの全体長さの1/8
〜3/4という割合の長さとされる。
【0048】 図11に示すガーゼ(118)は、図13に示すようなテンプレート(122
)を利用することによって、生体吸収可能スポンジ製シート(20)から材料ス
トリップをカットすることにより形成されたものである。ストリップがカットさ
れた後に、ストリップの基端部を折り曲げてストリップ自身の上に重ねることに
より、基端部の横断面積と質量とが大きいガーゼ(118)が形成された。20
ゲージの生検針または套管内の搬送に適した Gelfoam製ガーゼの好ましい実施形
態の一例は、2.54×38.1×1.524mm(0.1×1.5×0.06
インチ)というサイズであり、全体長さが22.86mm(0.9インチ)とな
るように、図11の示すような形態に折り重ねられている。3.175mm(0
.125インチ)という最大内径のアダプタ(112)内にこのガーゼ(118
)を配置することにより、ガーゼを、20ゲージのまたはこれよりも大きな生検
針に対して搬送することができる。他の共通の生検手順においては、わずかに大
きなガイド套管を通して18ゲージのまたはこれよりも大きな生検針を使用し、
この生検針内にやや大きめのガーゼを受領する。コア試料を採取しガイド套管か
ら生検針を引き抜いた後には、ガーゼ(118)は、生検部位にまで套管を通し
て搬送することができる。18ゲージのまたはこれよりも大きな生検針を使用し
ているシステムにおいて使用するためのガーゼ(118)は、2.794〜3.
048mm(0.11〜0.12インチ)という幅と79.375mm(3.1
25インチ)という長さと1.524mm(0.06インチ)という厚さとを有
したストリップから形成することができ、全体長さが55.88mm(2.2イ
ンチ)となるように折り重ねることができる。一重厚さの先端部と二重厚さの基
端部とを有してなるガーゼは、最大内径が約3.175mm(0.125インチ
)であるようなアダプタから、搬送することができる。
【0049】 テンプレート(122)を利用して、大きな基端部を有したガーゼ(118)
を形成するための一方法が、図13に示されている。テンプレート(122)は
、全体的にはフラットプレートであって、テンプレートの1つまたは複数のエッ
ジに沿って、凹所(124)を有している。これら凹所(124)は、ガーゼと
して好ましい幅および長さに対応した、幅および長さとされている。凹所(12
4)は、ガーゼを折り曲げるべきところに、隆起バー(126)を形成している
。テンプレートが、生体吸収可能スポンジ材料からなるシート(20)上に押し
付けられたときには、バー(126)が、スポンジ材料に凹みまたはグルーブを
形成する。使用者は、ブレードでもって、テンプレート(122)の側方エッジ
(128)および端部エッジ(29)に沿ってカットする。これにより、スポン
ジ材料からなるストリップが形成される。その後、ストリップを、バー(126
)により形成されたグルーブまたは折り目に沿って折り曲げる。これにより、ガ
ーゼ(118)が形成される。カット時には、テンプレート(122)に対して
下向き圧力を印加することによってスポンジシートを固定的に保持することが重
要である。これは、スポンジ材料の裂けや破断を防止するためである。ガーゼを
形成しようとしてスポンジ材料製ストリップを折り曲げる前に、ストリップを、
テンプレートのフラット面でもって押圧することができる。これにより、スポン
ジを圧縮して、アダプタ(112)内へのガーゼ導入を容易とすることができる
【0050】 アダプタ(112)に対して取り付けられたプレートとしてテンプレート(1
22)が図示されているけれども、テンプレートを別部材とし得ることは、理解
されるであろう。加えて、テンプレート(122)は、様々なサイズの生検針を
通しての搬送に好適であるよう様々なサイズのガーゼを形成するためのガイドを
もたらすことができる。テンプレート(122)には、折り目形成バー(126
)を設けてもあるいは設けなくても良い。テンプレート(122)は、透明体と
することも不透明体とすることもできる。不透明体の形態においては、凹所(1
24)のエッジを使用して、スポンジシート(20)のエッジに対してのテンプ
レートの位置合わせを行うことができる。一方、テンプレートが透明体である場
合には、凹所を省略することができて、スポンジシートのエッジとテンプレート
との位置合わせの補助をなす視覚的表示すなわちラインを設けることができる。
【0051】 図14および図15は、アダプタ(112)と関連して使用するための好まし
いベントキャップ(抜き穴付きキャップ)(70)を示している。図5を参照し
て上述したように、抜き穴を使用することによって、アダプタ内におけるガーゼ
の湿潤および前進を補助することができる。特に、抜き穴は、搬送を行うに先立
って、アダプタ(112)内の好ましい軸方向位置にまで移動させることができ
る。加えて、抜き穴は、搬送に先立っての、ガーゼへの流体注入とガーゼからの
空気抜きとを可能とする。図14に示すベントキャップ(70)は、メス型ルア
ー連結具(72)を備えている。メス型ルアー連結具(72)フランジ(74)
を有しており、このフランジは、アダプタ(112)のオス型ルアー(136)
に受領される。ベントキャップ(70)は、さらに、円錐形状部(76)を備え
ている。この円錐形状部は、アダプタ(112)の先端部(134)内へと進入
し得るように構成されている。円錐形状部(76)は、1つまたは複数の流体通
路すなわち抜き穴(78)を有している。抜き穴(78)は、ベントキャップを
通しての空気および流体の通過を可能としつつも、生体吸収可能スポンジ製ガー
ゼ(118)のベントキャップを通しての通過は阻止することができる。これに
代えて、抜き穴は、ベントキャップ(70)とアダプタ(112)との間に配置
することもできる。好ましくは、円錐形状部(76)の外面は、アダプタ(11
2)の先端部においてアダプタ(112)の管腔に対してのシールを形成する。
抜き穴(78)の内径は、0.127〜0.508mm(0.005〜0.02
インチ)とされ、好ましくは0.254mm(0.01インチ)とされる。この
小さな抜き穴(78)は、アダプタ(112)のパージ、および、アダプタ(1
12)からの流体や空気の抽出を可能とする。しかしながら、例えば34.5k
Pa(5psi)あるいはそれ以上といったような高圧がかかったとしても、抜
き穴を通してガーゼを通過させることはない。ベントキャップ(70)を使用す
ることにより、シリンジによって高圧を印加して、ガーゼを湿潤させることがで
きる。高圧によって流体がガーゼを移動させ、これにより、スポンジ材料の湿潤
が急速に行われる。シリンジによって流体パルスを繰り返すことにより、より完
全なガーゼの湿潤がもたらされる。
【0052】 ベントキャップ(70)は、さらに、ガーゼ(118)を、図15に示すよう
なアダプタ(112)の先端近傍という好ましい軸方向位置に配置する。アダプ
タの先端からは離間しているというガーゼ(118)の図示のような配置は、ア
ダプタ(112)と、アダプタの先端に対して取り付けられている生検針ハブ(
28)と、の間にガーゼが引っ掛かることを防止する。加えて、ガーゼを湿潤さ
せ終わってベントキャップ(70)を取り外したときには、スポンジ材料は、膨
張することによって、アダプタ(112)の先端から飛び出そうとする傾向があ
る。したがって、ベントキャップ(70)の円錐形状部(76)は、好ましくは
、アダプタ(112)内へと、0.254〜2.54mm(0.01〜0.1イ
ンチ)だけ進入する、より好ましくは、0.254〜0.762mm(0.01
〜0.03インチ)だけ進入する。
【0053】 本発明においては、ベントキャップ(70)のうちの、アダプタ(112)の
管腔内へと進入する部分は、例えばドーム形状や円筒形状やあるいは他の形状と
いったように、任意の所望の形状とすることができる。
【0054】 上述したように、ガーゼは、生検針または套管(16)を静止状態に保持した
まま生検管路へと搬送することができ、生検針を通してガーゼを注入することが
できる。さらなるガーゼの搬送が要望されたときには、さらなるガーゼを収容し
得る距離だけ生検針を引き出し、その後、さらなるガーゼを注入することができ
る。
【0055】 本発明の代替可能な実施形態においては、生検管路内へとガーゼを搬送する方
法として、ガーゼ(18)の搬送時に生検針または套管(16)を引き抜き、生
検管路へとつながる長尺トレイル内においてガーゼを搬送することができる。生
検管路全体を充填しているトレイル内への生体吸収可能スポンジ材料の配置は、
生検管路全体にわたった止血をもたらすというさらなる利点がある。これは、肝
臓や腎臓や脾臓や他の脈管系器官といったような過度の出血を起こす傾向のある
器官内の生検管路の出血を停止させるという点において、特に有効である。
【0056】 生検管路内において生体吸収可能スポンジ材料のトレイルを得るために、本発
明のある方法においては、所定量の流体によって生検針内へのガーゼの搬送を行
う。その後、生検針が速度(V)でもって引き抜かれ、一方、ガーゼ材料は、生
検針に対しての速度(E)でもって生検針から放出される。生検針が引き抜かれ
る速度(V)は、生体吸収可能スポンジ材料が搬送される速度(E)と等しいか
あるいは速度(E)よりも小さい速度とされる。生検管路内における生体吸収可
能スポンジ材料のための所望トレイルを得るために、流体注入および針の引き抜
きの制御は、注入制御デバイスによって制御することができる。
【0057】 図16に示されている本発明の代替可能な実施形態においては、アダプタを使
用して生検針(16)内へとガーゼを搬送し、その後、アダプタを生検針から取
り外すことができる。その次に、生検針の挿入のために通常生検針(16)に設
けられているプランジャーすなわちスタイレット(80)を使用することにより
、生検針からガーゼが搬送される。図16に示すように、生検針は、組織(84
)を貫通しており、組織コアの採取のために、器官(86)内へと進入している
。生検後には、ガーゼが針(16)内へと注入され、プランジャー(80)が、
プランジャの先端がガーゼ(118)の基端に当接するようにして、生検針内に
配置される。そして、プランジャー(80)を静止状態に維持したまま、生検針
(16)が、生検部位から引き抜かれる。プランジャー(80)は、生検管路を
充填しているトレイル(88)内へとガーゼ(118)を押し出す。トレイル(
88)は、好ましくは、器官(86)の表面のところにまであるいは器官表面を
超えたところにまで、生検管路全体にわたって延在している。生体吸収可能スポ
ンジ材料からなるトレイル(88)の搬送は、生体吸収可能スポンジ材料からな
る複数の個別の断片を搬送することと比較して、利点をもたらす。なぜなら、ト
レイルは、管路全体にわたっての止血をもたらすことができるからである。これ
とは逆に、生体吸収可能スポンジ材料からなる断片が、器官の表面から1〜2c
mの深さのところにおいて管路内へと搬送された場合には、この1〜2cmの生
検管路は、かなりの出血を続けてしまうこととなる。
【0058】 トレイルとしてのガーゼ搬送の変形例として、ガーゼは、プラグとして搬送す
ることができる。プラグを搬送するためには、プランジャー(80)を針(16
)内へと前進させ、針の先端を静止状態に維持しつつ、針の先端からガーゼを押
し出す。また、プラグとトレイルとの搬送の組合せを使用することもできる。ガ
ーゼ材料は、単一の解剖学的構造内へと全体的に搬送することができる、あるい
は、例えば器官とこの器官を囲む組織や表層といったような2つのまたはそれ以
上の解剖学的構造にまたがって搬送することができる。
【0059】 本発明は、生体吸収可能スポンジの搬送を主として意図するものではあるけれ
ども、本発明によるデバイスやシステムや方法においては、生体吸収不可能なス
ポンジを搬送することもできる。生体吸収不可能なスポンジは、手術後に生検部
位または生検管路に配置する必要がある場合には、望ましい。
【0060】 ガーゼ(18)は、矩形横断面を有するものとして図示され説明されたけれど
も、他の形状のガーゼを使用することもできる。例えば、ガーゼは、例えば矩形
横断面や円形横断面といったような任意の形状に予成形することができる、また
、ガーゼは、生体吸収可能スポンジ材料からなる薄いシートから丸めることがで
きる。ガーゼ(18)は、複数の横断面形状や、星形横断面や、折畳み横断面を
有するものとすることができ、乾燥ガーゼ内には、貫通孔やブラインドホールを
形成することができる。加えて、ガーゼのサイズおよび形状は、特定の搬送部位
のサイズおよび形状に適合したものとすることができる。例えばフィンといった
ような特徴物が設けられることによって表面積が増大されたガーゼ形状であると
、より急速に湿潤を行うことができる。
【0061】 生体吸収可能スポンジ製ガーゼ(18)がなす連続構造は、ペーストや液体と
比較して、より固定的でありかつより信頼性の高い配置をもたらし、搬送済みガ
ーゼの部分的引き戻しや取出や移動さえも可能とする。しかしながら、場合によ
って、ある種の細い針を使用してガーゼが搬送され、搬送済みガーゼを生検管路
内においていくつかの部分としたときには、ガーゼが、剪断したりあるいは裂け
たりあるいは破断したりする可能性がある。図17に示すようなトレイル中継チ
ャンバ(150)を使用すれば、生検針や他の套管内にガーゼを搬送するに先立
って、延伸したガーゼを視覚的に観測することができる。
【0062】 トレイル中継チャンバ(150)は、長尺の搬送チューブ(152)を備えて
おり、搬送チューブは、アダプタ(12)に対しての連結のための基端取付具(
154)と、生検針または套管に対しての連結のための先端取付具(158)と
、を有している。先端取付具(158)に対して連結可能なベントキャップ(1
56)を、使用することもできる。ベントキャップ(156)は、アダプタ(1
2)からトレイル中継チャンバ(150)へのガーゼの搬送時に、ガーゼの連続
性の維持能力を増大させる。
【0063】 使用時には、ガーゼが、流体の注入によってアダプタ(12)からトレイル中
継チャンバ(150)へと搬送され、ガーゼの先端部がベントキャップ(156
)に当接した状態とされる。延伸されたガーゼは、中継チャンバ(150)内に
おいて視認することができ、これにより、ガーゼの連続性が維持されているかど
うかを決定することができる。ギャップとか空隙とかが観測されたときには、ベ
ントキャップ(156)を取り外してガーゼを追い出すことによって、そのガー
ゼは、廃棄される。その後、新たなガーゼが、中継チャンバ(150)内へと注
入される。中継チャンバ(150)内においてガーゼの連続性が確認された後に
、ベントキャップ(156)が取り外され、中継チャンバには、生検套管が連結
される。そして、上述のようにして、生検管路に対してガーゼが搬送される。ベ
ントキャップ(156)は、アダプタと関連して使用し得るよう上述したような
様々な構造とすることができる。ベントキャップに代えて、抜き穴を使用するこ
ともできる。
【0064】 ガーゼの不連続性は、多くの場合、ガーゼの前進を制御していないことの結果
である。ガーゼの不連続性により、ガーゼの一部が裂けてしまったり、ガーゼが
分裂したりする。ベントキャップ(156)は、アダプタ(12)からトレイル
中継チャンバ(150)へのガーゼ搬送時に、ガーゼの連続性の維持を補助する
。ある実施形態においては、ベントキャップ(156)には、ガーゼがアダプタ
からトレイル中継チャンバ(150)へと搬送される際に十分な背圧または抵抗
性が得られるようなサイズの抜き穴が形成されている。ガーゼがトレイル中継チ
ャンバ(150)へと搬送される際には、ガーゼは、ガーゼの前方側の媒体を移
動させる。移動された媒体は、抜き穴を通して流出する。抜き穴によって形成さ
れた抵抗性は、アダプタ(12)からトレイル中継チャンバ(150)へのガー
ゼの部分的な望ましくない急激な前進を効果的に制限するためのダンパとして機
能する。したがって、ガーゼの不連続性が最小化される、あるいは、除去される
【0065】 当業者には、媒体として非圧縮性流体または粘性流体を使用することにより、
アダプタ(12)からトレイル中継チャンバ(150)へのガーゼの搬送時に、
ガーゼに対してのさらなるダンピング効果が得られることは、明らかであろう。
【0066】 図18〜図24を参照して、ベントキャップの代替可能な実施形態について説
明する。ベントキャップは、開状態と閉状態との間にわたって移行可能とされて
いるバルブ部材を備えている。バルブ部材は、閉状態においては、アダプタ(1
2)からのガーゼの搬送時に、トレイル中継チャンバ(150)内においてガー
ゼに対する背圧または抵抗性を生成し得るものとして、構成されている。バルブ
部材に対して所定以上の力が印加されたときには、バルブ部材は、閉状態から開
状態へと移行する。開状態においては、ガスおよび/または流体は、ベントキャ
ップを通して流出することができる。
【0067】 例えば、ベントキャップの代替可能な実施形態が、図18に示されている。こ
の場合、ベントキャップ(256)は、抜き穴(255)とスプリング(257
)とを備えている。スプリング(257)は、ボールバルブ(258)を付勢し
ている。抜き穴(255)は、ベントキャップ(256)を貫通して延在してお
り、一連の開口から形成されている。一連の開口とは、基端側開口(255a)
と、先端側開口(255b)と、これら基端側開口および先端側開口の間に位置
した中間開口(255c)と、である。図示の状況では、ボールバルブ(258
)は、閉状態であって、スプリング(257)がボールバルブを付勢して、先端
側開口(255b)を閉塞している。
【0068】 動作時には、湿潤ガーゼ(118)が、アダプタ(12)からトレイル中継チ
ャンバ(150)へと前進駆動される。その場合、ガーゼは、ガーゼよりも前方
側に位置したガスおよび/または流体(すなわち、媒体)を、追い出す。このよ
うな媒体の追出によって、トレイル中継チャンバ(150)がパージされる。媒
体がボールバルブ(258)に打ち勝つほど十分な力を印加したときには、ボー
ルバルブが、閉状態から開状態へと移行し、これにより、媒体は、先端側開口(
255b)を通過することができる。したがって、スプリングによって付勢され
たボールバルブ(258)は、一方向バルブとして機能し、ガスまたは流体を、
抜き穴(255)を通過させることができる。
【0069】 図19に示すようなベントキャップの他の実施形態においては、ベントキャッ
プ(356)は、抜き穴(355)とフラッパバルブ(358)とを備えている
。フラッパバルブ(358)は、閉状態で図示されている。抜き穴(355)は
、ベントキャップ(356)を貫通して延在しており、基端側開口(355a)
と、先端側開口(355b)と、を有している。図18の実施形態の場合と同様
に、ガーゼが、媒体を追い出したときには、フラッパバルブ(358)に対して
力を印加する。媒体がフラッパバルブ(358)に対して十分な力を印加したと
きには、フラッパバルブは、閉状態から開状態へと移行し、これにより、媒体は
、先端側開口(355b)を通過することができる。したがって、フラッパバル
ブ(358)は、一方向バルブとして機能し、ガスまたは流体を、抜き穴(35
5)を通過させることができる。
【0070】 図20に示すようなベントキャップのさらに他の実施形態においては、ベント
キャップ(456)は、指(457)をバルブ部材として機能させる点を除いて
は、図19の実施形態と実質的に同様である。指(457)が抜き穴(455)
を閉塞しているときには、指は、アダプタ(12)からのガーゼの搬送時にトレ
イル中継チャンバ(150)内においてガーゼに対しての背圧または抵抗性をも
たらす。
【0071】 図21および図22には、ベントキャップの代替可能な実施形態が、図示され
ている。この場合、ベントキャップ(556)は、抜き穴(555)とネジ山部
(557)と少なくとも1つの排出穴(558)とを備えている。ニードルバル
ブ(559)は、針状長尺部材(560)と、ベントキャップ(556)のネジ
山部(557)と螺合するネジ山部(561)と、を有している。抜き穴(55
5)は、基端側開口(555a)と、先端側開口(555b)と、を有している
。図21に示すようにニードルバルブ(559)が閉状態にあるときには、針状
長尺部材(560)は、先端側開口(555b)を貫通している。これにより、
この先端側開口を閉塞しているとともに、排出穴(558)を閉塞している。ニ
ードルバルブ(559)を回転させることにより、ニードルバルブの位置を変え
ることができる。特に、ニードルバルブは、矢印Aの向きに移動させることがで
き、これにより、図21に示す閉状態から図22に示す開状態へと移行させるこ
とができる。開状態においては、針状長尺部材(560)は、先端側開口(55
5b)を閉塞しておらず、そのため、ガスまたは流体は、先端側開口(555b
)を通過しさらに排出穴(558)を通過して、ベントキャップ(556)から
排出される。
【0072】 図23および図24に示すような、ベントキャップのさらに他の実施形態にお
いては、ベントキャップ(656)は、ベントキャップを貫通する抜き穴(65
5)を備えている。抜き穴(655)は、基端側開口(655a)と先端側開口
(655b)とを有している。ストップコックバルブ(657)は、通路(65
8)を有したものであって、ハンドル(659)に対して連結されている。スト
ップコックバルブ(657)は、ベントキャップ(656)内において、基端側
開口(655a)と先端側開口(655b)との間に、回転可能に取り付けられ
ている。図23においては、ストップコックバルブ(657)は、閉塞状態であ
り、通路(658)が妨害されるような配置とされている。図24においては、
ストップコックバルブ(657)は、スライド可能であって、ハンドル(659
)によって矢印(B)で示す向きにストップコックバルブを回転させることによ
って、ストップコックバルブが図23に示す閉塞状態から開状態へと移行する。
ストップコックバルブ(657)が、開状態にあるときには、ガスおよび/また
は流体は、先端側開口(655b)を通過することができ、さらに、通路(65
8)を通過することができて、ベントキャップ(656)から排出される。また
、ストップコックバルブ(657)は、ベントキャップ(656)に対してのシ
ールを形成し、これにより、ストップコックバルブが閉塞状態にあるときには、
ガスや流体の漏洩が防止される。
【0073】 当業者であれば、手動バルブや自己駆動型バルブや調節可能なバルブといった
ような多くのタイプのバルブを使用することは、容易である。これに代えて、バ
ルブ部材としては、任意の適切な手段を使用することができる。限定するもので
はないものの、例えば、Touhy-borst バルブや、あるいは、アダプタ(12)か
らトレイル中継チャンバ(150)へのガス流または流体流を制御し得るような
他の手段を使用することができる。これら任意の態様を、トレイル中継チャンバ
の先端部との界面に配置したりあるいはトレイル中継チャンバの先端部内に組み
込み得ることは、明瞭であろう。
【0074】 図25および図26に示すような代替可能な実施形態においては、例えばロッ
ドといったような機械的インターフェース(758)が、ガーゼの一部が不用意
に急激に突出することを制限するためのダンパとして機能する。ロッド(758
)は、ベントキャップ(756)の抜き穴(755)を貫通しており、ベントキ
ャップ(756)に対してスライド可能に移動可能である。また、ロッド(75
8)は、トレイル中継チャンバ(750)の長尺透明チューブ(752)に対し
てスライド可能に適合するように、構成されている。ベントキャップ(756)
は、トレイル中継チャンバ(750)の先端部(760)に対して連結すること
ができる。ロッド(758)は、長尺透明チューブ(752)の管腔(762)
のうちの少なくとも一部を占めるようにして延在する。好ましくは、管腔(76
2)の長さ全体を占めるようにして延在する。ロッド(758)は、さらに、ト
レイル中継チャンバ(750)内の所望先端側位置においてガーゼを係止するた
めの係止部材(764)を備えている。係止部材(764)が、長尺透明チュー
ブ(752)の管腔(762)に対してスライド可能に適合することは、理解さ
れるであろう。係止部材(764)は、係止部材と、長尺透明チューブ(752
)の管腔(762)と、の間の引っ掛かり(グリップ)を容易とするよう、粗面
化された表面を有することができる。粗面化された表面は、面どうしの間の摩擦
を増大させる。粗面化表面は、限定するものではないが例えばグルーブやリッジ
やリブといったような任意の適切な手段を有することができる。
【0075】 代替可能な実施形態においては、ロッド(758’)は、ロッドをベントキャ
ップに対して移動させるに際して、媒体から所定軸方向力を受ける必要があるよ
うに、ベントキャップ(756’)に対して界面適合する。この界面適合度合い
は、ベントキャップ(756’)に調節可能な圧縮リングを設けることによって
、あるいは、ベントキャップ内に調節ネジを設けることによって、調節すること
ができる。
【0076】 他の実施形態においては、係止手段(764”)は、長尺透明チューブ(75
2”)の管腔(762”)に対しての界面適合される。この構成においては、係
止手段(764”)とロッド(758”)とを、長尺透明チューブ(752”)
に対して移動させるためには、媒体から印加された力といったような所定の軸方
向力が要求される。この実施形態においては、ベントキャップ(756”)を省
略することができる。
【0077】 図27に示すさらに別の実施形態においては、例えばスプリング(860)に
よってロッド(858)に対して外部からの軸方向力が印加される。このスプリ
ング(860)は、ベントキャップ(856)と、ロッド(858)の一端と、
を連結している。あるいは、他の代替可能な実施形態においては、スプリング(
860)に代えて、ダッシュポット機構を使用することができる。
【0078】 ロッドに対して外力を印加するための任意の手段が、アダプタ(12)からト
レイル中継チャンバ(150)へとガーゼを搬送するに際して、ガーゼに対して
の抵抗性またはダンピング機能をもたらすことは、当業者であれば理解されるで
あろう。例えば、操作者の指によってロッドに対しての外力を印加する場合であ
っても、適切な印加であれば、上述の実施形態と同様の所望の背圧または抵抗性
が生成される。
【0079】 生検管路へとガーゼ材料からなる連続トレイルを搬送し得ることは、ある種の
生検においては非常に重要であり、他の生検においてはそれほど重要ではない。
例えば、肺の生検を行うに際しては、ガーゼ材料の搬送が不連続的であると、気
胸や血胸が起こり得る。気胸は、胸膜空間内にガスが集積することによって起こ
り、血胸は、胸膜空間内に血液が集積することによって起こる。
【0080】 透明チューブ(152)の内径は、アダプタの最大内径(D1 )よりも小さく
、好ましくは、アダプタの最小内径(D2 )と針または套管の内径との中間であ
る。透明チューブ(150)の長さは、搬送すべきガーゼ材料製トレイルの長さ
に応じて変更される。
【0081】 トレイル中継チャンバ(150)の好ましい実施形態は、透明または半透明で
あるけれども、中継チャンバの内径が、アダプタの内径(D2 )と針の内径との
中間である場合には、余分の連続トレイルが、視覚によらなくてもトレイル中継
チャンバを使用することによって改良される。よって、不透明なトレイル中継チ
ャンバ(150)を使用することもできる。
【0082】 いくつかの例においては、とりわけ長い生検管路の場合においては、生検管路
に沿って互いに離間して配置された複数のガーゼを搬送することが要望されるこ
ともある。追加のガーゼを搬送するためには、追加のガーゼ(18)を収容する
だけのスペースを十分にもたらし得るだけ、生検針(16)が引き戻され、追加
のガーゼについて(あるいは、追加の複数のガーゼについて)上述の注入手順が
繰り返される。特に大きな生検部位すなわちキャビティの場合には、キャビティ
が充填されるまで、初めに注入されたガーゼに加えて、追加の複数のガーゼ(1
8)を注入することができる。
【0083】 生検は、最も一般的には、生検針によって行われるけれども、生検は、例えば
カテーテルや長尺針や内視鏡等といったような他の套管によっても行うことがで
きる。本発明による処置手順は、針やカテーテルや内視鏡等といったような様々
なタイプの套管を使用しての、刺し傷の止血の補助のために使用することができ
る。加えて、本発明による処置手順やシステムは、他の処置における生体吸収可
能スポンジまたは生体吸収不可能スポンジの搬送のために使用することができる
。例えば、スポンジを、化粧や整形用埋設のために、あるいは、他の一時的なま
たは恒久的な脈管内塞栓形成のために搬送することができる。
【0084】 生体吸収可能スポンジ製ガーゼ(18)を使用することにより、例えば造影剤
やトロンビンや放射治療剤等といったような有効な薬剤を搬送することができる
。また、ガーゼを使用することによって、例えば腫瘍の局所的治療のための放射
活性同位体や抗ガン剤や抗転移剤等といったような治療剤を搬送することができ
る。抗ガン剤の例としては、5-fluorouracil や、cisplatin や、prednisone や
、米国特許明細書第4,619,913号に記載されているような抗ガン剤があ
る。この文献は、参考のためここに組み込まれる。生体吸収可能スポンジ製ガー
ゼ(18)は、生検管路に対しての搬送のために有効な薬剤に予め含浸させてお
くことができる。これに代えて、ガーゼ(18)は、有効な液体薬剤でもって湿
潤させることができる。あるいは、生検管路内にガーゼを配置した後にガーゼに
対して薬剤を搬送することができる。
【0085】 市販されている Gelfoam(登録商標)材料から形成されるガーゼは、1〜6週
間でもって生体によって吸収される。しかしながら、ガーゼ材料は、様々な生体
吸収速度をもたらすように構成することができる。例えば、Gelfoam は、架橋度
合いを変更することによって、吸収速度を様々に変更することができる。好まし
くは、ガーゼは、1ヶ月以内に吸収されるように構成される。
【0086】 止血を容易とするよう生体吸収可能スポンジからなるガーゼ(18)を湿潤さ
せて注入するという生検管路の処置は、外圧法と比較して快適であるという実質
的な利点をもたらす。加えて、本発明は、アプリケータによる乾燥状態での生体
吸収可能スポンジ材料の挿入と比較して、利点をもたらす。特に、アダプタ(1
2)により、比較的大きなガーゼを圧縮することができて、湿潤状態で生検管路
内に挿入することができる。注入されたガーゼ(18)の形状は、生検管路の形
状に迅速に適合し、血液流の流出防止を即座に開始することができる。これに対
し、乾燥状態のスポンジ材料であると、生検管路の特定サイズにカットしなけれ
ばならず、血液がスポンジ材料内に十分に含浸されるまでは十分に膨張すること
ができす、管路を迅速に塞ぐことができない。そのため、かなりの時間がかかる
とともに、局所的に不適切な圧縮しかもたらさない。
【0087】 本発明のいくつかの好ましい実施形態を参照して本発明について詳細に説明し
てきたけれども、本発明の範囲を逸脱することなく様々な修正や変更を加えたり
また均等物を使用したりすることができることは、当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ガーゼを形成するためのパンチを示す斜視図である。
【図2】 ガーゼを針に対して搬送するためのアダプタを示す側断面図であ
る。
【図3】 アダプタに対して連結するためのシリンジを示す側断面図である
【図4】 ガーゼがアダプタ内に配置された状態での、アダプタとシリンジ
との組合せを示す側断面図である。
【図5】 ガーゼが湿潤されて既にアダプタの小径端部内に配置されている
代替可能な実施形態における、アダプタとシリンジとの組合せを示す側断面図で
ある。
【図6】 生検針に対しての連結のための待受状態とされた、アダプタとシ
リンジとの組合せを示す側断面図である。
【図7】 生検針に対して連結されたアダプタとシリンジとの代替可能な実
施形態を示す側断面図である。
【図8】 アダプタの代替可能な実施形態を示す側断面図である。
【図9】 ガーゼを鍛錬するための管腔内に拡径部が形成されているような
アダプタの代替可能な実施形態を示す側断面図である。
【図10】 ガーゼを鍛錬するための管腔内に不規則形状部が形成されてい
るようなアダプタの代替可能な実施形態を示す側断面図である。
【図11】 ガーゼを搬送するためのアダプタの代替可能な実施形態を示す
側断面図であって、アダプタには、テンプレートが取り付けられている。
【図12】 図11のアダプタとテンプレートとを示す底面図である。
【図13】 生体吸収可能スポンジシートからガーゼをカットするために使
用する際のテンプレートを示す平面図である。
【図14】 アダプタを示す側断面図であって、アダプタの先端部には、ベ
ントキャップが取り付けられている。
【図15】 ガーゼがアダプタ内に配置されている状態での、図14のアダ
プタとベントキャップとを示す側断面図である。
【図16】 器官の一部と、この器官内の生検管路内にガーゼを搬送するた
めのシステムと、を示す側断面図である。
【図17】 本発明において使用するためのトレイル中継デバイスを示す斜
視図である。
【図18】 ベントキャップの代替可能な実施形態を示す側断面図である。
【図19】 ベントキャップの代替可能な実施形態を示す側断面図である。
【図20】 ベントキャップの代替可能な実施形態を示す側断面図である。
【図21】 ベントキャップの代替可能な実施形態を示す側断面図であって
、閉塞状態を示している。
【図22】 ベントキャップの代替可能な実施形態を示す側断面図であって
、開放状態を示している。
【図23】 ベントキャップの代替可能な実施形態を示す側断面図であって
、閉塞状態を示している。
【図24】 ベントキャップの代替可能な実施形態を示す側断面図であって
、開放状態を示している。
【図25】 トレイル中継デバイスを一部を破断して示す分解斜視図であっ
て、ロッドが、本発明において使用されるトレイル中継デバイス内に延在してい
る。
【図26】 ベントキャップの代替可能な実施形態を示す側断面図であって
、ベントキャップを貫通して延在するロッドを有している。
【図27】 ベントキャップの代替可能な実施形態を示す側断面図であって
、ベントキャップを貫通して延在するロッドを有している。
【符号の説明】
10 パンチ 12 アダプタ 12a アダプタ 14 シリンジ 16 生検針 18 ガーゼ 20 生体吸収可能スポンジシート 26 生検針 30 第1端部 34 第2端部 42 テーパー部 42a テーパー部 44 抜き穴 48 流体チャンバ 50 プランジャー 52 スプリング 70 コネクタ 112 アダプタ 118 スポンジガーゼ 122 テンプレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 60/159,406 (32)優先日 平成11年10月14日(1999.10.14) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD ,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL, PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,S L,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 マーク・アシュビー アメリカ合衆国・カリフォルニア・ 92677・ラグナ・ニゲル・ベロ・プレイ ス・80012 Fターム(参考) 4C060 DD02 DD05 DD32 DD48 MM24 MM26

Claims (46)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組織内にスポンジを注入するためのシステムであって、 先端側横断面積よりも基端側横断面積の方が大きいものとされているスポンジ
    製ガーゼと; 前記組織に対して、湿潤状態の前記ガーゼを搬送するための套管と; 前記ガーゼを湿潤させて前記套管に対して前記ガーゼを搬送し得るよう、前記
    套管に対して連結可能とされたアダプタと; を具備してなり、 前記アダプタが、大径基端部と小径先端部とを有したテーパー形状管腔を備え
    、 前記小径先端部に対して、前記套管が連結可能とされていることを特徴とする
    システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシステムにおいて、 前記ガーゼが、スポンジ材料製シートを折り曲げて基端側横断面積が比較的大
    きくなるようにしたものとされていることを特徴とするシステム。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のシステムにおいて、 前記ガーゼの前記基端側横断面積が、前記ガーゼの前記先端側横断面積の1.
    2〜4倍とされていることを特徴とするシステム。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のシステムにおいて、 前記ガーゼのうちの、比較的横断面積の大きな基端部が、前記ガーゼの全体長
    さの1/8〜3/4という長さにわたって延在していることを特徴とするシステ
    ム。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のシステムにおいて、 前記スポンジが、生体吸収可能スポンジ材料であることを特徴とするシステム
  6. 【請求項6】 湿潤スポンジを作製して、この湿潤スポンジを套管に対して
    搬送し、さらに、組織に対して搬送するためのシステムであって、 アダプタを具備してなり、 このアダプタが、 第1端部と第2端部とこれら第1端部および第2端部の間に延在する管腔とを
    有した長尺部材と; 套管に対する連結のために前記第2端部に設けられた取付具と; 前記第1端部における第1直径から、この第1直径よりも小さな、前記第2端
    部における第2直径にかけて延在する、前記管腔のテーパー形状部であるととも
    に、前記第2直径よりも大きな幅を有した乾燥スポンジガーゼが湿潤されたとき
    には前記第2端部を通過できるように前記ガーゼを圧縮することができる、テー
    パー形状部と; 前記套管に対しての搬送のために前記長尺部材内に受領され得るようなサイズ
    へと、前記スポンジをカットするために使用するよう構成されたテンプレートと
    ; を備えていることを特徴とするシステム。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のアダプタにおいて、 前記テンプレートが、スポンジからなる長尺形状ストリップを形成し得るよう
    なサイズおよび形状とされていることを特徴とするアダプタ。
  8. 【請求項8】 請求項6記載のアダプタにおいて、 前記テンプレートが、スポンジストリップを形成するためのブレードに沿って
    カットを行うためのカットエッジと、前記ストリップを横切る方向に折り目を形
    成するための折り目形成バーと、を有していることを特徴とするアダプタ。
  9. 【請求項9】 請求項6記載のアダプタにおいて、 前記テンプレートが、前記長尺部材に対して取り付けられていることを特徴と
    するアダプタ。
  10. 【請求項10】 組織に対して搬送することを目的として、湿潤スポンジを
    套管に対して搬送するためのアダプタシステムであって、 先端部と、基端部と、前記基端部における大径から前記先端部における小径ま
    でにわたって延在する管腔テーパー形状部と、前記先端部に設置されたルアー連
    結具と、を有した長尺アダプタと; 前記ルアー連結具に対して係合し得るよう構成された着脱可能なベントキャッ
    プであって、前記アダプタからの流体の排出は許容しかつ前記スポンジの飛び出
    しは防止するような抜き穴を有したベントキャップと; を備えていることを特徴とするアダプタシステム。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のアダプタにおいて、 前記ベントキャップが、前記スポンジの先端部を、前記アダプタに対しての所
    定長さ方向位置に位置させ得るように、構成されていることを特徴とするアダプ
    タ。
  12. 【請求項12】 請求項6記載のアダプタにおいて、 前記所定長さ方向位置が、前記アダプタの先端部近傍であることを特徴とする
    アダプタ。
  13. 【請求項13】 請求項10記載のアダプタにおいて、 前記ベントキャップが、前記アダプタの先端部内に突出し得るよう構成された
    円錐形状部を有していることを特徴とするアダプタ。
  14. 【請求項14】 請求項13記載のアダプタにおいて、 前記抜き穴が、前記円錐形状部の先端に形成されていることを特徴とするアダ
    プタ。
  15. 【請求項15】 組織に対して搬送することを目的として、湿潤スポンジを
    作製して、この湿潤スポンジを套管に対して搬送するためのシステムであって、 アダプタを具備してなり、 このアダプタが、 第1端部と第2端部とこれら第1端部および第2端部の間に延在する管腔とを
    有した長尺部材と; 套管に対する連結のために前記第2端部に設けられた取付具と; 前記第1端部における第1直径から、この第1直径よりも小さな、前記第2端
    部における第2直径にかけて延在する、前記管腔のテーパー形状部であるととも
    に、前記第2直径よりも大きな幅を有した乾燥スポンジガーゼが湿潤されたとき
    には前記第2端部を通過できるように前記ガーゼを圧縮することができる、テー
    パー形状部と; 前記長尺部材の前記第2端部に設けられた前記取付具に対して連結可能とされ
    た視認可能透明チャンバと; を備えていることを特徴とするシステム。
  16. 【請求項16】 請求項15記載のシステムにおいて、 前記視認可能透明チャンバが、長さ全体にわたって一定の直径とされた長尺チ
    ャンバであることを特徴とするシステム。
  17. 【請求項17】 請求項15記載のシステムにおいて、 前記視認可能透明チャンバの内径が、前記アダプタの前記管腔の前記第2直径
    とほぼ等しいかあるいはそれよりも小さいことを特徴とするシステム。
  18. 【請求項18】 湿潤スポンジを作製しこの湿潤スポンジを套管へと搬送し
    さらに組織へと搬送するためのシステムであって、 第1端部における第1直径から、この第1直径よりも小さな、第2端部におけ
    る第2直径にかけて延在する、管腔テーパー形状部を有するアダプタと; 該アダプタの前記第2端部に対して着脱可能に連結可能とされるとともに、前
    記アダプタの管腔の前記第2直径と等しいかあるいはその第2直径よりも小さい
    ような実質的に一定の直径を有した管腔を備えている、トレイル中継チャンバと
    ; を具備していることを特徴とするシステム。
  19. 【請求項19】 請求項18記載のシステムにおいて、 前記トレイル中継チャンバが、透明であることを特徴とするシステム。
  20. 【請求項20】 請求項18記載のシステムにおいて、 前記アダプタが、套管またはチャンバに対しての連結のための先端部に第1ル
    アー連結具を備え、前記アダプタまたはシリンジに対しての連結のための基端部
    に第2ルアー連結具を備えていることを特徴とするシステム。
  21. 【請求項21】 套管の連結具に対して係合し得るよう構成された着脱可能
    なベントキャップであって、 前記套管の前記連結具に対して係合し得るコネクタボディと; 前記套管の前記連結具から外部までにわたって前記コネクタボディを貫通する
    通路と; 前記套管の前記連結具から外部への前記コネクタボディを通っての流体流出を
    規制するための手段と; を具備していることを特徴とする着脱可能ベントキャップ。
  22. 【請求項22】 請求項21記載の着脱可能ベントキャップにおいて、 前記套管の前記連結具から外部への前記コネクタボディを通っての流体流出を
    規制するための前記手段が、バルブであることを特徴とする着脱可能ベントキャ
    ップ。
  23. 【請求項23】 請求項22記載の着脱可能ベントキャップにおいて、 前記バルブが、スプリングによって付勢されたボールバルブであることを特徴
    とする着脱可能ベントキャップ。
  24. 【請求項24】 請求項22記載の着脱可能ベントキャップにおいて、 前記バルブが、フラッパバルブであることを特徴とする着脱可能ベントキャッ
    プ。
  25. 【請求項25】 請求項22記載の着脱可能ベントキャップにおいて、 前記バルブが、ニードルバルブであることを特徴とする着脱可能ベントキャッ
    プ。
  26. 【請求項26】 請求項22記載の着脱可能ベントキャップにおいて、 前記バルブが、ストップコックバルブであることを特徴とする着脱可能ベント
    キャップ。
  27. 【請求項27】 請求項21記載の着脱可能ベントキャップにおいて、 前記套管の前記連結具から外部への流体流出を規制するための前記手段が、指
    によってシールすることができるようなサイズの開口であることを特徴とする着
    脱可能ベントキャップ。
  28. 【請求項28】 組織に対して搬送することを目的として、湿潤スポンジを
    作製して、この湿潤スポンジを套管に対して搬送するためのシステムであって、 アダプタを具備してなり、 このアダプタが、 第1端部と第2端部とこれら第1端部および第2端部の間に延在する管腔とを
    有した長尺部材と; 套管に対する連結のために前記第2端部に設けられた取付具と; 前記第1端部における第1直径から、この第1直径よりも小さな、前記第2端
    部における第2直径にかけて延在する、前記管腔のテーパー形状部であるととも
    に、前記第2直径よりも大きな幅を有した乾燥スポンジガーゼが湿潤されたとき
    には前記第2端部を通過できるように前記ガーゼを圧縮する、テーパー形状部と
    ; 前記長尺部材の前記第1端部に対して連結可能とされた着脱可能ベントキャッ
    プと; を備えていることを特徴とするシステム。
  29. 【請求項29】 請求項28記載のシステムにおいて、 さらに、前記着脱可能ベントキャップに対して連結可能な視認可能透明チャン
    バを具備していることを特徴とするシステム。
  30. 【請求項30】 請求項28記載のシステムにおいて、 前記着脱可能ベントキャップが、 前記アダプタに対して連結され得るコネクタボディと; 該コネクタボディを貫通する通路と; 前記アダプタから外部への前記通路を通っての流体流出を規制するための手段
    と; を具備していることを特徴とするシステム。
  31. 【請求項31】 請求項30記載のシステムにおいて、 さらに、第2の着脱可能なベントキャップを具備し、 該第2着脱可能ベントキャップが、 前記視認可能透明チャンバに対して係合し得るコネクタボディと; 前記視認可能透明チャンバから外部へと前記コネクタボディを貫通する通路と
    ; 前記視認可能透明チャンバから外部への流体流出を規制するための手段と; を具備していることを特徴とするシステム。
  32. 【請求項32】 請求項28記載のシステムにおいて、 さらに、前記着脱可能ベントキャップ内に適合するサイズとされた延出部材を
    具備していることを特徴とするシステム。
  33. 【請求項33】 請求項32記載のシステムにおいて、 前記延出部材が、前記着脱可能ベントキャップ内においてスライド可能に取り
    付けられていることを特徴とするシステム。
  34. 【請求項34】 請求項33記載のシステムにおいて、 前記延出部材が、前記長尺部材の前記管腔内において界面適合していることを
    特徴とするシステム。
  35. 【請求項35】 組織に対して搬送するためのスポンジガーゼを形成するた
    めの方法であって、 スポンジ材料からなるシートからスポンジストリップをカットし; 前記ストリップを折り曲げることによって、第1横断面積を有した第1端部と
    、前記第1横断面積よりも大きな第2横断面積を有した折曲第2端部と、を有し
    たガーゼを形成する; ことを特徴とする方法。
  36. 【請求項36】 請求項35記載の方法において、 前記ストリップを、テンプレートを使用してカットすることを特徴とする方法
  37. 【請求項37】 請求項36記載の方法において、 前記テンプレートを、前記ガーゼを湿潤させて搬送するための前記デバイスに
    対して取り付けることを特徴とする方法。
  38. 【請求項38】 請求項35記載の方法において、 前記テンプレートによるカット時に前記ストリップに折り目を形成し、 この折り目に沿って前記ストリップを折り曲げることを特徴とする方法。
  39. 【請求項39】 組織アクセス管路内へとスポンジを搬送するための方法で
    あって、 組織アクセス管路内に配置された套管を通して湿潤スポンジガーゼを、速度(
    E)でもって搬送するのと同時に、前記組織から速度(V)でもって套管を引き
    戻し、これにより、スポンジガーゼを配置して組織アクセス管路をシールし、 この場合、速度(E)の方を、速度(V)以上とすることを特徴とする方法。
  40. 【請求項40】 請求項39記載の方法において、 前記速度(E)を、流体の注入によってもたらすことを特徴とする方法。
  41. 【請求項41】 請求項39記載の方法において、 前記速度(E)を、プランジャーによってもたらすことを特徴とする方法。
  42. 【請求項42】 請求項39記載の方法において、 充填される組織アクセス管路の一部を、2つ以上の解剖学的構造にまたがった
    ものとすることを特徴とする方法。
  43. 【請求項43】 刺し傷内に套管を通してスポンジを注入することによって
    、刺し傷の止血を容易とするための方法であって、 テーパー形状管腔を有したアダプタ内にスポンジガーゼを挿入し; 前記アダプタに視認可能透明チャンバを連結して、前記アダプタから前記視認
    可能チャンバ内へと前記ガーゼを注入し; 視認可能チャンバ内におけるガーゼを目視検査し、これにより、ガーゼの状態
    を決定し; 前記視認可能チャンバを套管に対して連結し; 前記套管を通して前記ガーゼを搬送し、これにより、刺し傷の止血を行う; ことを特徴とする方法。
  44. 【請求項44】 請求項43記載の方法において、 前記アダプタを通る際にまた前記視認可能透明チャンバ内において、前記ガー
    ゼが延伸されることを特徴とする方法。
  45. 【請求項45】 請求項43記載の方法において、 前記視認可能透明チャンバに対して前記ガーゼを搬送するに先立って、前記ア
    ダプタ内において前記ガーゼを湿潤させることを特徴とする方法。
  46. 【請求項46】 請求項43記載の方法において、 前記刺し傷が生検管路であり、前記スポンジガーゼを通す前記套管は、生検針
    によって搬送されることを特徴とする方法。
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