JP2002533593A - 分かれたピンを有する車両ヒンジ用の車両ドア支柱クリップ - Google Patents

分かれたピンを有する車両ヒンジ用の車両ドア支柱クリップ

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Abstract

(57)【要約】 分かれたピンを有する車両ヒンジ用の、車両ドアヒンジマウント支柱クリップであって、波状にうねる外周エッジを規定する第１および第２の妨害ローブを有し、該妨害ローブは、ドアが閉位置から開位置に向かって第１および第２の軸ヒンジピンの周りを回転するときに、該ヒンジの一部分に、順次リリース可能に接触するように適合されており、該接触が、別個にまたは同時に、リリース可能に該妨害ローブを押し付け、そして該ドアを部分的なまたは完全な開位置で解放可能に保持するのに十分な摩擦抵抗を発生するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 （発明の分野） 本発明は、車両ドアを、開位置に位置決めしかつそこに保持するためのクリッ
プに関する。
【０００２】 （発明の背景） 一般的に、車両の製造プロセスにおいては、車両ボディとドアとは同時に塗装
される。これは、ボディとドアの色を確実に一致させるために必要であり、ドア
を別個に塗装したならば、色の一致は保証され得ないだろう。従って、ドア組立
体は、ドアヒンジにはめ込まれ、車両の適切な配置（オリエンテーション）に位
置決めされる。続いて、塗装プロセスの間、塗装装置で塗装されるべき全ての表
面へのアクセスが可能となるように、ドア組立体は繰り返し開閉される。これら
の操作のいくつかを行う間、車両ドアを、開位置に位置決めしかつ保持しなけれ
ばならない。あるいは、他の操作では、車両ドアを、閉位置に位置決めしかつ保
持する必要がある。従って、ドア組立体は、ドアを開位置または閉位置に解放可
能に位置決めしかつ保持するための手段を備えていなければならない。
【０００３】 これまで、ドア組立体に適切な戻り止め機構、特に別個の止め具（チェック）
を備えつけることは困難であった。特に、塗料の過剰噴霧および他の悪い環境状
態のために、プロダクションチェックストラップ組立体を利用することができな
いのである。従って、一時的なチェックストラップ取付具が利用されている。特
に、複数ピースのチェックストラップ組立体が、ドア組立体に固定されかつ車両
ボディに操作可能に連結される。一時的なチェックストラップ取付具は、開位置
と閉位置との間の、ドア組立体の戻り止めを提供する。塗装プロセスが完了する
と、一時的なチェックストラップ取付具がボディから連結解除され、ドア組立体
が車両ボディから取り外され、次いで、一時的なチェックストラップ取付具がド
ア組立体から取り外される。各一時的なチェックストラップ取付具は、かなり高
価であるので、該取付具から過剰の塗料を除去して再調整され、他の車両ボディ
に再使用するためにリサイクルされる。このように、この一時的なチェックスト
ラップ取付具は、設計、設置およびメンテナンスにおいて高価である。
【０００４】 加えて、ヒンジにネジ止めされる機構または特定タイプのヒンジの使用を必要
とする戻り止め機構が提案されており、これらは、「３つの直径のヒンジピン」
と題する米国特許第５，５７７，２９５号に示されるような、取り外し可能なヒ
ンジピンを有する。ネジ締めタイプの機構は、締め具の費用、ボディブラケット
への穴開けとネジ山のタップ立て、および取り外しの費用のせいで、ドア塗装プ
ロセスにかなりの費用追加となる。ヒンジピンの取り外しを必要とする機構は、
そのタイプのヒンジを使用する用途に限定される。
【０００５】 （発明の要旨） 先行技術の不都合な点は、絞め具なしで容易に設置されかつ容易に取り外され
る車両ドア支柱クリップを設けることによって克服され得る。
【０００６】 主たる態様では、本発明は、分かれたピンを有する車両ヒンジ用の、車両ドア
ヒンジマウント支柱クリップを含んでおり、該車両ドアヒンジマウント支柱クリ
ップは、波状にうねる外周エッジを規定する第１および第２の妨害（インターフ
ェアレンス）ローブ（丸い突出部：ｌｏｂｅ）を有し、該妨害ローブは、ドアが
閉位置から開位置に向かって第１および第２の軸ヒンジピンの周りを回転すると
きに、該ヒンジの一部分に、順次リリース可能に接触するように適合されており
、該接触が、別個にまたは同時に、リリース可能に該妨害ローブを押し付け、そ
して該ドアを部分的なまたは完全な開位置で解放可能に保持するのに十分な摩擦
抵抗を発生するものである。
【０００７】 さらなる態様では、当該支柱クリップが、第１のヒンジピンにマウントされる
ように適合された円筒状スリーブ本体と、該本体から半径方向に延びる、扇形の
形状とされたフランジと、ボディ側の部分とドア側の部分とを有するヒンジの一
部分に、当該支柱クリップを固定関係に維持するための維持手段と、第１および
第２の妨害ローブのための変形ゾーンを規定するための、該フランジにある第１
および第２の孔穴とを有する。
【０００８】 さらなる態様では、維持手段がフランジの切除部分を有し、ヒンジのボディ側
の部分とドア側の部分との間に共通の回転軸に沿って回転可能にマウントされて
いるリンクに、ぴったりフィットするように、該切除部分が適合されている。
【０００９】 さらなる態様では、スリーブの回転軸と、第１および第２の妨害ローブの外周
領域との間の半径方向の距離が、ピンの回転軸と、ヒンジのボディ側の部分の中
間部分との間の距離をわずかに超えており、該中間部分に該ローブが順次または
同時に接触するように適合されている。
【００１０】 さらなる態様では、当該クリップが、第１または第２のヒンジピンのいずれも
取り外すことなく、ヒンジから取り外すことができるものである。
【００１１】 さらなる態様では、当該クリップが、可撓性の熱可塑性材料を含み、該材料は
無機物強化ナイロン樹脂であってもよい。
【００１２】 図面では、本発明の好適な実施態様を例示している。
【００１３】 （発明の説明） 図１を参照すると、支柱クリップ１０およびドアヒンジ１２が示されている。
ドアヒンジ１２は、車両に固定されたボディブラケット１４とＵ字形ブリッジ１
６、およびボルトまたは溶接プロセスによって車両のドア２０に固定されたドア
ブラケット１８を有する。ドアブラケット１８は、ボディブラケット１４のピン
２２および２３に、ピボット回転するようにマウントされる。
【００１４】 ドアヒンジ１２は、従来の設計および製造によるものである。このようなヒン
ジは、シボレー シルヴァラード（ＳＩＬＶＥＲＡＤＯ）ＴＭに見ることができ
る。
【００１５】 図２を参照すると、ボディブラケット１４は、概してＵ字形であり、中間部分
２４とそこから延びる２つの脚部２６、２８を有する。脚部２６、２８は、それ
ぞれピン２３、２２をマウントするための開口を有する。ピン２３、２２は、上
方に延びている。脚部２６は、ヒンジ１２のスイングの停止限界を与える、成形
（ｆｏｒｍｅｄ）ディンプル３０を有する。脚部２８もまた、Ｕ字形ブリッジ１
６の停止限界を与えるピン３２を有する。ボディブラケット１４は、当該分野に
おいてよく知られた方法にて車両フレームに溶接されている。
【００１６】 ヒンジ１２は、Ｕ字形ブリッジすなわちサイドリンク１６を有する。サイドリ
ンク１６は、脚部２６と２８との間にフィットするように構成されており、かつ
ピン２３、２２に同軸状にマウントされている。リンク１６の中間部分は、ボル
ト３４を受け入れるための開口を有する。
【００１７】 ドアブラケット１８は、概してＵ字形であり、中間部分３６とそこから延びる
２つの脚部３８、４０を有する。脚部３８、４０は、ピン２２、２３の頂部にか
ぶせて、ピボット回転するようマウントされるように構成されており、該ピン２
２、２３を受け入れるための開口を有する。脚部３８および４０の末端部は、そ
れぞれ、止め部３０および３２と接するように構成されている。中間部分３６は
、タブ（ｔａｂ）４２を有し、このタブはねじ切りされた貫通孔４４を有する。
ドアブラケット１８がピン２２、２３にマウントされてドア２０を車両に保持し
た後、ねじ切りされた孔４４は、リンク１６を通してボルト３４を受け入れる。
ドアブラケット１８は、当該分野においてよく知られた方法にて車両のドア２０
に溶接される。
【００１８】 図１を参照すると、ドア支柱クリップ１０は、円筒状スリーブ本体４６を有し
、このスリーブ本体は、そこから半径方向に延びる扇形の形状とされたフランジ
４８を有する。該扇形のフランジ４８は、矩形の切除部分５０と、波状にうねる
外周エッジ５６を規定している２つの妨害ローブ５２および５４とを有している
。円筒状スリーブ本体４６の回転軸と、切除部分５０との間の半径方向の距離は
、ピン２２、２３の回転軸とリンク１６（図２）との間の距離と同じである。こ
のように、クリップ１０は、ピン２２にマウントされるスリーブ本体４６と、リ
ンク１６をぴったりフィットして受け入れる切除部分５０とにより、ヒンジ１２
にマウントされるように構成されている。スリーブ４６の回転軸と、妨害ローブ
５２および５４の外周領域との間の半径方向の距離は、ピン２２、２３の回転軸
と車両ブラケット１４の中間部分２４との間の距離よりもわずかに大きい。好ま
しくは、支柱クリップ１０は、無機物強化ナイロン樹脂から作製され、約５１０
０ＭＰａの曲げ係数（ｆｌｅｘ ｍｏｄｕｌｕｓ）を有する。
【００１９】 図３を参照すると、ドア支柱クリップ１０は、ドア閉位置でヒンジ１２にマウ
ントされている。該ドア支柱クリップ１０は、リンク１６とピン２２との間にぴ
ったりフィットしている。塗装目的のために、クリップ１０の被覆範囲を最小限
にするため、扇形フランジ４８はドアブラケット１８の脚部４０から間隔を置い
て配置されている（図２）。
【００２０】 ドア２０およびドアブラケット１８が開けられると、ボディブラケット１４の
中間部２４は、妨害ローブ５２と摩擦をもって係合する（図４）。クリップ１０
によって発生する押し付け力および摩擦力に打ち勝つために、いくらかの作用力
が必要である。
【００２１】 ドアがさらに半開放位置まで開けられると（図５）、ボディブラケット１４の
中間部２４は、妨害ローブ５２を横切って移動しており、今や、妨害ローブ５２
および５４の両方と係合し、そのことが今、ドア２０の移動を制限してドア２０
を半開放位置に保持している。ドアがさらに開けられると（図６）、ボディブラ
ケット１４の中間部２４は、妨害ローブ５４を超えて移動しており、ドアを全開
位置に保持している。妨害ローブ５４は圧縮されておらず、それで、クリップ１
０を容易に取り外すことができる。
【００２２】 図７を参照すると、ドアは、妨害ローブ５４を押し付けるようにわずかに閉め
られている。妨害ローブ５４によって発生する押し付け力および摩擦力が、ドア
を塗装プロセスのための位置に保持する。
【００２３】 ほとんどの用途では、塗装プロセス後にクリップ１０を取り外すことが望まし
い。図２を参照すると、クリップ１０の扇形フランジ４８と、脚部４０の末端部
との間に通常のねじ回しを挿入することによって、クリップ１０を取り外すこと
ができる。次いで、クリップ１０を、ピン２２から取り外すことができる。
【００２４】 特定の実施態様を参照して本発明を説明したが、本発明の範囲から逸脱するこ
となく特定の変更ができることを、当業者は認識し得る。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明のドア支柱クリップとドアヒンジを組み込んだ車両の斜視図である。
【図２】 図１のドアヒンジおよび支柱クリップの斜視図である。
【図３】 閉状態にあるドアヒンジの上面図である。
【図４】 最初の開位置にある図３のドアヒンジの上面図である。
【図５】 中間開位置にある図３のドアヒンジの上面図である。
【図６】 開位置にある図３のドアヒンジの上面図である。
【図７】 塗装位置にある図３のドアヒンジの上面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＡＴ，ＢＲ，Ｄ Ｅ，ＥＳ，ＧＢ，ＩＮ，ＪＰ，ＫＲ，ＳＥ，ＵＳ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 分かれたピンを有する車両ヒンジ用の、車両ドアヒンジマウ
    ント支柱クリップであって、 波状にうねる外周エッジを規定する第１および第２の妨害ローブを有し、該妨
    害ローブは、ドアが閉位置から開位置に向かって第１および第２の軸ヒンジピン
    の周りを回転するときに、該ヒンジの一部分に、順次リリース可能に接触するよ
    うに適合されており、該接触が、別個にまたは同時に、リリース可能に該妨害ロ
    ーブを押し付け、そして該ドアを部分的なまたは完全な開位置で解放可能に保持
    するのに十分な摩擦抵抗を発生するものである、 該車両ドアヒンジマウント支柱クリップ。
  2. 【請求項２】 当該支柱クリップが、 （ａ）第１のヒンジピンにマウントされるように適合された円筒状スリーブ本体
    と、 （ｂ）該本体から半径方向に延びる、扇形の形状とされたフランジと、 （ｃ）ボディ側の部分とドア側の部分とを有するヒンジの一部分に、当該支柱ク
    リップを固定関係に維持するための維持手段と、 （ｄ）第１および第２の妨害ローブのための変形ゾーンを規定するための、該フ
    ランジにある第１および第２の孔穴とを有する、 請求項１記載の支柱クリップ。
  3. 【請求項３】 維持手段がフランジの切除部分を有し、ヒンジのボディ側の
    部分とドア側の部分との間に共通の回転軸に沿って回転可能にマウントされてい
    るリンクに、ぴったりフィットするように、該切除部分が適合されている、請求
    項２記載の支柱クリップ。
  4. 【請求項４】 スリーブの回転軸と、第１および第２の妨害ローブの外周領
    域との間の半径方向の距離が、ピンの回転軸と、ヒンジのボディ側の部分の中間
    部分との間の距離をわずかに超えており、該中間部分に該ローブが順次または同
    時に接触するように適合されている、請求項２記載の支柱クリップ。
  5. 【請求項５】 当該クリップが、第１または第２のヒンジピンのいずれも取
    り外すことなく、ヒンジから取り外すことができるものである、請求項１記載の
    支柱クリップ。
  6. 【請求項６】 当該クリップが可撓性の熱可塑性材料を含む、請求項１記載
    の支柱クリップ。
  7. 【請求項７】 当該クリップが無機物強化ナイロン樹脂を含む、請求項１記
    載の支柱クリップ。
JP2000589800A 1998-12-21 1999-12-20 分かれたピンを有する車両ヒンジ用の車両ドア支柱クリップ Expired - Lifetime JP4465118B2 (ja)

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US11317998P 1998-12-21 1998-12-21
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US09/466,878 US6334236B1 (en) 1998-12-21 1999-12-20 Vehicle door prop clip for a vehicle hinge with split pins
US09/466,878 1999-12-20

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