JP2002532372A - 複合発泡体、物品および形成方法 - Google Patents

複合発泡体、物品および形成方法

Info

Publication number
JP2002532372A
JP2002532372A JP2000588093A JP2000588093A JP2002532372A JP 2002532372 A JP2002532372 A JP 2002532372A JP 2000588093 A JP2000588093 A JP 2000588093A JP 2000588093 A JP2000588093 A JP 2000588093A JP 2002532372 A JP2002532372 A JP 2002532372A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon
foam
skeleton
reticulated
liquid precursor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000588093A
Other languages
English (en)
Inventor
ロゼウスキ−,レイモンド,シー.
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Textron Systems Corp
Original Assignee
Textron Systems Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Textron Systems Corp filed Critical Textron Systems Corp
Publication of JP2002532372A publication Critical patent/JP2002532372A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D69/00Friction linings; Attachment thereof; Selection of coacting friction substances or surfaces
    • F16D69/02Composition of linings ; Methods of manufacturing
    • F16D69/023Composite materials containing carbon and carbon fibres or fibres made of carbonizable material
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B35/00Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products
    • C04B35/71Ceramic products containing macroscopic reinforcing agents
    • C04B35/78Ceramic products containing macroscopic reinforcing agents containing non-metallic materials
    • C04B35/80Fibres, filaments, whiskers, platelets, or the like
    • C04B35/83Carbon fibres in a carbon matrix

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Composite Materials (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Mechanical Operated Clutches (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 複合構造体は、1またはいくつかの被膜を連続セル発泡体骨格上に蒸着させて高密度複合発泡体を形成することにより形成される。本発明の一局面によれば、複合発泡体は、急速高密度化工程により形成されるカーボン/カーボン複合体でありうる。複合構造体は、例えば、クラッチおよびブレーキ装置に使用される摩擦材としての使用に適する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 関連出願 本出願は、1998年12月18日に出願された米国特許仮出願第60/11
2,704号の恩典を主張するものであり、その全内容は参照により本明細書に
取り込まれる。
【0002】 発明の背景 比較的高密度のカーボン/カーボン複合体は、さまざまな構造体への適用に非
常に有用であることがわかっている。高強度、高剛性、軽量、高温耐久性および
有利な摩擦特性などのある特定の特性のため、これらの複合体は、例えば、航空
宇宙産業や自動車のブレーキパッド産業における用途に望ましく適応される。そ
れらは、高級自動車の変速機における使用には好適であるが、高いコストが広範
な利用を妨げている。
【0003】 高密度カーボン/カーボン複合構造体は、典型的には、カーボン繊維マトリッ
クスを含み、繊維マトリックス内の隙間は、少なくとも部分的には蒸着させたカ
ーボンで充填されている。カーボン繊維は強度が高く、典型的には織布または不
織布またはマットの形状である。いずれの場合においても、カーボン繊維は、構
造的に強化された複合体を提供する。
【0004】 カーボン布にさらにカーボンを充填するために、典型的には、繊維をチャンバ
内に入れ、そこで加熱してカーボンベースの蒸気に曝す。これにより、蒸気から
のカーボンを化学蒸着法によって加熱された布上に蒸着させる。
【0005】 カーボンを蒸着させるための代替方法では、液状前駆体(例えば、シクロヘキ
サン)で満たしたチャンバ内に繊維布を入れ、繊維を加熱して布の表面で液状前
駆体を熱分解する。前駆体の熱分解により、布の繊維上にカーボンを蒸着させる
蒸気を生じる。このプロセスを「急速高密度化」といい、Thurstonらに
付与された米国特許第5,389,152号明細書により詳細に記載されている
【0006】 上述の方法により、高品質の複合構造体が製造されることが知られているが、
カーボン繊維、加工およびエネルギー消費のコストが高いことにより、これらの
構造体の商業的適用は限られている。したがって、自動車の製造などの量産産業
へのこれらの方法の適用は、経済的実行可能性により、このように非常に制限さ
れている。さらに、繊維の軸方向に細長い構造のために、複合体特性は、一般に
非等方性であり、繊維の配向に大きく依存する。
【0007】 発明の概要 本発明は、一般に、複合発泡体の形成方法、複合発泡体、およびクラッチおよ
びブレーキ構成部品などの複合発泡体から形成される物品に関する。
【0008】 本発明の方法では、複合発泡体は、1またはいくつかの被膜層を、連続気泡発
泡体の網状骨格上に蒸着させることにより形成される。被膜は金属性、セラミッ
ク、カーボン質などのものでありうる。
【0009】 本発明の方法の一局面によれば、網状発泡体骨格(reticulated
foam skeleton)を液状前駆体と接触させる。網状発泡体骨格を加
熱して液状前駆体を熱分解し、液状前駆体の熱分解生成物を網状発泡体骨格上に
蒸着させ、それにより、出発材料よりも高い密度の複合発泡体を形成する。それ
ぞれの層を構成する材料の種類の順序は変わりうる。
【0010】 本発明の方法の別の局面によれば、ポリマー発泡体を熱分解することにより網
状カーボン骨格を形成する。次いで、カーボン骨格上にカーボンを蒸着させて固
体密度が30%より大きいカーボン/カーボン複合発泡体を形成する。
【0011】 上述の方法により形成しうる本発明のカーボン発泡体は、三次元的に相互連結
した気泡の網状構造を形成する炭素結合体(carbon ligament)
の連続格子(open lattice)と、該連続格子上の熱分解性カーボン
被膜とを有する。カーボン発泡体の固体密度は30%より大きい。
【0012】 カーボン発泡体で形成された物品には、相対的な回転および係合のために設け
られた一対の部材を有するクラッチまたはブレーキ装置が含まれる。カーボン発
泡体は、該部材とともに回転可能であり、かつ対向する面を有する摩擦部材とし
て利用できる。
【0013】 本発明の方法および装置は数多くの利点を提供する。例えば、カーボン発泡体
のコストは、一般にカーボン繊維よりも低い。したがって、本発明の方法は、実
質的に高密度のカーボン/カーボン複合発泡体を形成するコストを有意に削減す
ることができる。したがって、今やカーボン/カーボン複合体の使用に対するよ
り広範の適用が経済的に正当化されうる。さらに、得られる発泡体は、繊維を使
用する多くの材料と比べて、実質的に等方性で、かつ連続的な多孔性構造を有し
うる。複合体は実質的に等方性であるため、本発明の発泡体を含んでなる摩擦面
の性能は、摩擦面が磨耗したときも、より均一で一定である傾向にある。セラミ
ック複合発泡体もまた、比較的高い透過性を有し、それにより、多くの湿式摩擦
への適用における油圧液(hydraulic fluid)の流動が容易とな
る。さらに、等方性構造により加工に由来するゆがみが低減され、それにより、
加工された摩擦面の平面性および平行性が向上する。本発明の方法はまた、連続
多孔性を維持したまま、固体密度が50%を超える非常に高密度な構造体を製造
するのに使用することができる。
【0014】 一般にカーボン骨格はカーボン繊維と比べて低い強度を有するが、蒸着された
マトリックスが充分な構造的完全性(integrity)を付与し、この場合
、カーボン骨格の連続多孔性および等方性が湿式摩擦への適用のための優れた構
造を提供する。内部の(there through)の細孔の分布は、実質的
に均一であり、油圧液が内部を流動しうる溝の絡み合った(interlace
d)網状構造を提供する。さらに、この構造の性質はまた、構造全体において相
互連結した細孔を維持したまま、極めて高い高密度化レベル(例えば、90%ま
で)を可能にする。カーボン骨格における強度の欠如は、熱分解性カーボン、ま
たは湿式摩擦などの適用に必要とされる構造の強化を発泡体に付与する他の沈着
物で補う。
【0015】 発明の詳細な説明 本発明の方法の特徴および他の詳細を、添付の図面を参照しながらより具体的
に記載し、特許請求の範囲に示す。本発明の特定の態様は、本発明の例示を意図
して示したものであって、本発明を限定するものとして示したものではないこと
を理解されたい。本発明の主な特徴は、本発明の範囲から逸脱せずに種々の態様
に用いることができる。
【0016】 本発明の方法では、高密度化複合発泡体は、連続気泡網状発泡体骨格上に被膜
を蒸着させることにより形成される。
【0017】 本方法の一態様において、発泡体骨格は結合体(ligament)の連続格
子の形態のカーボンを含有し、格子により画定される(define)相互連結
した細孔は、約0.5〜約1.0mmの径を有する。格子は、1インチあたり約
100細孔の微視的多孔性、約0.04g/cm3 の嵩密度、および約1.6m 2 /gの表面積を有する。別の態様では、格子は1インチあたり約60細孔の微
視的多孔性を有する。発泡体骨格は、ポリマー発泡体を熱分解することにより形
成される。ポリマー発泡体は、例えば、ポリウレタン、フェノール樹脂(phe
nolics)またはポリイミドの熱硬化性ポリマー発泡体プリフォームから形
成される。ポリマー発泡体は、三次元的に相互連結した気泡の網状構造を形成す
る炭素結合体の連続格子の形態である。カーボン繊維と比べ、ポリマー発泡体は
、所望の形態に形づくることは比較的容易である。
【0018】 ポリマー発泡体にカーボン含有樹脂を液体浸透(liquid infilt
rate)させ、およそ600℃から1200℃で真空中または不活性雰囲気も
しくは減圧雰囲気中で熱分解して全てカーボンの網状発泡体骨格を形成する。カ
ーボン発泡体骨格は、ポリマー発泡体プリフォームの形態の本質的に非結晶性の
構造を有する。ポリマー発泡体を熱分解してカーボン発泡体骨格を形成するため
の代替法として、カーボン発泡体骨格をウルトラメット(Ultramet)(
パコイマ(Pacoima)、カリフォルニア州、米国)またはビトレ・セル社
(Vitre−Cell,Inc.)(エセックスビル(Essexville
)、ミシガン州、米国)から市販品として購入することができる。
【0019】 上述した非結晶性カーボン骨格の代替物として、結晶性発泡体骨格を使用する
こともできる。例えば、微孔質黒鉛質発泡体は、ポリアクリロニトリル(PAN
)またはメソフェーズピッチなどの熱可塑性カーボン繊維前駆体材料の熱分解お
よび黒鉛化により形成される。発泡工程により、黒鉛面が各結合(ligame
nt)軸に沿って整列し、強度および剛性がより高くなる。これらの発泡体は、
例えば、ライト・マテリアルズ・リサーチ社(Wright Material
s Research Co.)(デイトン、オハイオ州、米国)から入手可能
でありうる。
【0020】 次いで、本態様では、熱分解性カーボンまたは黒鉛でカーボン骨格を被覆して
発泡体の密度を増加させ、強度を向上させ、それにより、例えば湿式摩擦適用に
おける使用に適するようにする。ある特定の方法では、カーボン骨格を「急速高
密度化」として知られる工程により熱分解性カーボンで被覆する。この例では、
カーボン骨格を液状前駆体中に浸漬し、加熱する。カーボン骨格の熱により液状
前駆体が熱分解され、それにより、ガス状生成物が生じ、接触すると、これがカ
ーボンを骨格上に蒸着させ、被膜を形成する。急速高密度化工程の具体的内容お
よび実施に必要な装置を、以下に図を参照しながらより詳細に記載する。
【0021】 本発明の方法を実施するのに好適な装置の例を図に示す。装置の動作の一般的
な記載は、1995年2月14日にThurstonらに付与された米国特許第
5,389,152号明細書(その教示は参照によりすべて本明細書に取り込ま
れる)および1984年9月18日にHoudayerらに付与された米国特許
第4,472,454号明細書(その教示も参照によりすべて本明細書に取り込
まれる)に記載されている。反応器100は、1995年3月14日にCarr
ollらに付与された米国特許第5,397,595号明細書および1996年
8月20日にScaringellaらに付与された米国特許第5,547,7
17号明細書に記載されている。両明細書の教示は参照によりすべて本明細書に
追加として取り込まれる。誘導コイル104により該骨格を加熱する場合、反応
器100は、好ましくは、アルミニウム、石英、ガラス、ステンレス鋼、セラミ
ックまたはその組み合わせなどの非磁性の材質で構成される。
【0022】 図に示すように、反応器100は、本発明の方法に従って1種またはそれ以上
のカーボン発泡体骨格(図示せず)を高密度化して複合発泡体を形成する空洞部
102を画定する。作動中、空洞部102は、少なくとも骨格を覆うのに十分な
液状前駆体で満たされる。液状前駆体は、骨格が加熱されうる温度で気化し、骨
格内で分解されて前駆体の分解生成物を蒸着させる液体である。液状前駆体の組
成に応じ、分解生成物は、カーボン、炭化ケイ素、窒化ケイ素または別の物質で
ありうる。液状前駆体はまた、誘電性であるべきである。好ましくは、液状前駆
体の誘電率は、0.5を超えるべきであり、より好ましくは1を超えるべきであ
り、最も好ましくは1.5を超えるべきである。発泡体内にカーボンを蒸着させ
るために、シクロヘキサン、n−ヘキサンまたはベンゼンなどの適切な沸点を有
する炭化水素を使用する。あるいはまた、メチルトリクロロシラン、ジメチルジ
クロロシラン、メチルジクロロシランまたは他のオルガノシランまたはオルガノ
シラン混合物を使用して炭化ケイ素を蒸着させる。また、液状前駆体は、物質を
同時蒸着(co−deposit)させるために選択することができる。例えば
、炭化ケイ素と窒化ケイ素との混合物を、トリス−n−メチルアミノシランまた
は他のシラン化合物を用いて蒸着させることができる。
【0023】 1またはそれ以上の誘導コイル104を空洞部102内に配置し、誘導コイル
104のごく付近でカーボン発泡体骨格を液状前駆体中に浸漬させる。特定の態
様において、発泡体骨格を反応器100およびコイル104に関して固定された
位置にしっかりと保持するために支持固定具内に配置する。固定具の正確な形状
は、骨格の形状に適合させる。かかる固定具は、リップ132上などの任意の簡
便な方法により支持しうる。さらに、コイル104の大きさおよび形状は、好ま
しくはカーボン骨格の大きさおよび形状に適合させる。誘導コイル104は、加
熱したときでも液状前駆体と反応しない、銅または他の高導電性の材質で形成さ
れうる。一態様では、誘導コイル104は、リッツ線コイルである。標準的な一
本鎖コイルとは対照的に、リッツ線コイルは、電話線と同様の外観を有する。す
なわち、リッツ線コイルは、相互に撚り合わせた絶縁コードの束を含み、より効
率的な誘導結合(coupling)を提供する。
【0024】 誘導コイル104は、コネクタ134でバス(buss)106に連結されて
いる。コネクタ134は、一部バス106により画定される電気回路内のリンク
を提供する。これは、チャネル105により形成される水流回路内のリンクも提
供する。特定の態様では、コネクタ134は、スクリュー(図示せず)の固定点
により誘導コイル104の基部をバス106に保持させることを可能にする金属
ブロックである。水流回路内の継手は、可撓性のOリングまたはいくつかの他の
簡便な様式でシールされうる。材質は、水および液状前駆体の両方における分解
に耐久性であるべきである。E.I.デュポン社(E.I.DuPont de
Nemours & Co.)のViton(登録商標)フルオロエラストマ
ー、またはシリコーンゴムを本目的に使用することができる。溝穴および溝また
はクリップなどの他の取付け構成を使用することもできる。
【0025】 バス106は、電気エネルギーを誘導コイル104に供給し、銅などの高導電
性の材質で構成される。発泡体を加熱するのに充分な出力を提供するために、数
百アンペアから数千アンペア程度の電流が好ましく使用される。電流量が大きい
ため、バス106は、過熱を回避するのに充分な断面を有するべきである。バス
106は、バス106および誘導コイル104を介して冷却水を運搬するための
水流路105を含みうる。
【0026】 別の態様では、バス106を、誘導コイル104にでなく、加熱したマンドレ
ルに連結させる。次いで、急速高密度化に供する発泡体のチューブ内にマンドレ
ルを挿入する。マンドレルは、主にカーボンから形成され、表面上に窒化ホウ素
などの離型剤を含みうる。一態様では、マンドレルをサスセプター(susce
ptor)として用い、誘導的に加熱してカーボン発泡体内に伝導する熱を発生
させる。あるいはまた、マンドレルを物理的に電圧源と連結させ、抵抗加熱に供
してカーボン発泡体内に伝導する熱を発生させる。実際、幾何学が一様な加熱に
貢献する場合は、抵抗加熱により基材を直接加熱することができる。
【0027】 バス106は、シリコーンゴムシール107を介してチャンバ内に入る。バス
106は、AC電力源(図示せず)に連結されている。誘導コイル104の電圧
、電流、周波数および形状は、公知の技術を用い、発泡体の形状、幾何学および
電気的特性により決定する。
【0028】 以下により詳細に記載するように、本明細書に記載の急速高密度化工程では、
発泡体の中心部を周辺部よりも高い温度で加熱する。典型的には、AC電力源に
より供給される初期電力は、より周辺の領域を蒸着が制限される比較的低い温度
を超える温度で加熱することなく、発泡体を誘導的に加熱し、前駆体を熱分解し
、かつ分解生成物を蒸着させるのに充分高い温度が発泡体の中心部に生じるレベ
ルである。対照的に、電力、それに伴う蒸着速度が高すぎる場合、発泡体の内部
は蒸着により、および周辺領域での分解生成物の蓄積によりシールされ、それに
より、高密度化が不均一になる。したがって、電流レベルは、正確なレベルは発
泡体の断面積に依存するが、本方法の特定の態様では数千アンペア程度である。
高密度化中心、必ずしもそうではないが典型的には発泡体の中心では、温度は、
典型的には約850℃〜約2,000℃の範囲である。好ましい温度は、約85
0℃〜約1,000℃の範囲である。
【0029】 上述の方法による蒸着の動力学は、CVDのものとはかなり異なる。CVDは
、高密度化の間に分解生成物をプリフォーム(preform)全体に蒸着させ
るが、上述の方法では、典型的にはプリフォームの中心から始まり、表面に向か
って進行するという高密度化プロフィルになる。このプロフィルが存在するのは
、液状前駆体およびその煮沸が発泡体の外表面を冷却する作用をし、それにより
発泡体の厚み内に温度勾配を生じるためと考えられる。したがって、温度勾配は
、発泡体において表面よりも高密度化中心の方が高くなるようにする。蒸着速度
は温度上昇に伴って増加するため、発泡体の温度が上昇すると、高密度化は中心
から表面へ進行する。さらに、分解生成物の蒸着が進行すると、発泡体の導電性
が増大し、電界との結合が向上する。その結果、発泡体の加熱に必要な電流は少
なくなり、最終電力が、発泡体の端部へと高密度化するのに必要な電力の約25
%削減される、改良した加熱サイクルを用いて発泡体を処理することができる。
【0030】 図に戻って、熱分解され、発泡体内に蒸着される液状前駆体は、バルブ110
を介して前駆体投入口108から反応器100に供給される。最初に、発泡体を
覆うのに充分な量の液状前駆体でチャンバ102を満たす。作動中は、液状前駆
体を蒸着反応で消費するか、または蒸気として反応器100から放出することが
できる。したがって、反応器100の作動中、前駆体投入口108を利用して放
散される液状前駆体を補充することができる。
【0031】 高密度化の間、液状前駆体は雲状(clouded)となりうる。この場合、
バルブ114を開放して液状前駆体を反応器100およびリターン(retur
n)112を通してフィルター116に流動させ、そこで液状前駆体は濾過され
、ポンプにより反応器100に戻される。フィルター116は、多孔性セラミッ
クスクリーンまたは、より好ましくは炭などの任意の適当なフィルターでありう
る。あるいはまた、いったん液状前駆体が雲状になれば、液状前駆体を反応器1
00から取り出し、次いで、1または複数の高密度化サイクルの後に蒸留する。
【0032】 本明細書で使用する液状前駆体は、潜在的に引火性である。したがって、高密
度化操作は、好ましくは不活性雰囲気にて行う。例えば、窒素ガスを使用するこ
とができる。チャンバ102の空気をパージするため、バルブ120を開放し、
投入バルブ118を介して窒素などの不活性ガスを流入させる。バルブ124を
より速やかに開放し、蒸気回収システム130を効果的にパージすることができ
る。いったん、チャンバ102内の雰囲気が窒素ガスなどの不活性ガスで置き換
えられると、バルブ128を開放して窒素を直接通気孔スタック136に供給す
ることができる。この窒素ガスの流れは、空気が反応チャンバ102に達するこ
とを妨げ、バルブ120および124を閉鎖することができる。バルブ120お
よび124の閉鎖により、蒸気回収システム130を通るガスの流れが減少する
。蒸気回収システム130は、したがって、より効率的に作動しうる。
【0033】 蒸気回収システム130は、気化した液体を回収するための当該技術分野で公
知のタイプのシステムである。かかるシステムは、この工程で生じる廃物の量お
よび前駆体の使用量を低減する。さらに、蒸気回収システム130は、気化によ
る液状前駆体のかなりの容積の損失を防ぐ。
【0034】 本発明の方法の具体的な態様は、発泡体の密度を予備的に増大させ、かつ急速
高密度化工程中の初期高密度化速度を増大させるため、急速高密度化の前にCV
Dを行う工程をさらに含む。
【0035】 別の任意の工程では、上述の方法により複合発泡体を高密度化させた後にCV
Dを行うことができる。状況によっては、上述の方法により、周辺部よりも内部
の密度がより高い発泡体を製造することができる。このような場合、次いで、C
VDを用いて高密度化を完了し、発泡体の表面付近に蒸着被膜を選択的に蓄積さ
せることにより発泡体に対してより均一な密度を付与することができる。
【0036】 本発明の産物に関して、本発明のカーボン発泡体は、三次元的に相互連結した
気泡の網状構造を形成する炭素結合体の連続格子を含む。固体密度が30%より
大きい発泡体を製造するため、連続格子を結晶性カーボン被膜で被覆する。
【0037】 具体的な態様では、本発明のカーボン/カーボン複合発泡体は、上述の方法に
より形成される。その構造は、少なくとも巨視的には本質的に等方性である。湿
式摩擦適用のために設計する場合、複合構造体は、好ましくは固体密度が少なく
とも約40%である。さらに、適用分野によっては、固体密度が少なくとも約5
0%になるまで複合構造体を急速高密度化に供する。さらにまた、より高密度化
を行うと、密度が67%、76%および82%の連続多孔性発泡構造体が得られ
た。ポリマー発泡体プリフォームの孔径および/または分布を変えることにより
、または蒸着条件を変えることにより多孔度を制御することができる。具体的な
態様では、複合発泡体は、油圧液が発泡体中を流動することを可能にする、相互
連結した細孔の構造を画定する。
【0038】 したがって、発泡体を適当な形状に鋳造し、充分に高密度化して、相対回転お
よび摩擦係合のために対向し合うように複合体が設けられる、例えば自動車のク
ラッチまたはブレーキの湿式摩擦材としての使用のための複合体を形成すること
ができる。
【0039】 さらにまた、航空機のブレーキ、自動車のピストン、ミサイルのノーズコーン
、サスセプター/結晶引上げ法のための耐火クレードルおよび低熱膨張係数の宇
宙用構造体などの構造体への適用における使用のために、充分に、またはほぼ充
分に高密度である構造体を形成することができる。
【0040】 さらなる態様では、抗酸化性の向上のための表面被覆、樹脂含浸、またはさま
ざまなマトリックス材料で細孔を(例えば、塗装またはワッキングにより)充填
することによる局所の硬化などの高密度化後処理に複合発泡体を供する。部分的
に高密度化された発泡体の表面はまた、RD処理の最後の温度を急上昇させるこ
とによって全体をシールし、剛性、軽量化、多孔性構造を有する固体表面を得る
ことができる。
【0041】 均等物 本発明を、その好ましい態様に関して具体的に示し、記載したが、当業者であ
れば、特許請求の範囲により規定される本発明の趣旨および範囲を逸脱せずに、
本明細書において形態および詳細における種々の変更を行いうることが理解され
よう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の方法によりセラミック発泡体を高密度化するのに適した反応
器の一部を切断した概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 35/52 G 35/54 A E (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 3J056 AA31 BA01 BC01 BC03 BE06 BE17 EA16 EA17 EA22 EA26 EA28 EA30 GA01 GA12 3J058 GA29 GA55 GA92 GA93 4G032 AA13 AA14 AA33 BA02 BA03 GA20

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)網状発泡体骨格を液状前駆体と接触させる工程、および
    b)網状発泡体骨格を加熱して液状前駆体を熱分解し、液状前駆体の熱分解生成
    物を網状発泡体骨格上に蒸着させ、それにより高密度化複合発泡体を形成する工
    程 を含む、高密度化複合発泡体の形成方法。
  2. 【請求項2】 網状発泡体骨格がカーボンを含む請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 網状発泡体骨格を液状前駆体中に浸漬させる請求項2記載の
    方法。
  4. 【請求項4】 ポリマー発泡体を熱分解して網状発泡体骨格を形成する工程
    をさらに含む請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】 ポリマー発泡体が、ポリウレタン、フェノール樹脂およびポ
    リイミドからなる群より選ばれる熱硬化性ポリマーを含む請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 網状発泡体骨格を液状前駆体中に浸漬させる前に、化学蒸着
    法を用いて網状発泡体骨格上に被膜を蒸着させる工程をさらに含む請求項4記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 蒸着した被膜がカーボンを含む請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 液状前駆体を熱分解して網状発泡体骨格上に蒸着させた後に
    、化学蒸着法を用いて高密度化複合発泡体上に被膜を蒸着させる工程をさらに含
    む請求項4記載の方法。
  9. 【請求項9】 a)ポリマー発泡体を熱分解して網状カーボン骨格を形成す
    る工程、および b)熱分解性カーボンを網状カーボン骨格上に蒸着させて固体密度が30%より
    大きいカーボン−カーボン複合発泡体を形成する工程 を含む、カーボン−カーボン複合発泡体の形成方法。
  10. 【請求項10】 ポリマー発泡体が、ポリウレタン、フェノール樹脂および
    ポリイミドからなる群より選ばれる熱硬化性ポリマーを含む請求項9記載の方法
  11. 【請求項11】 カーボン−カーボン複合発泡体を少なくとも約40%の固
    体密度に高密度化する請求項9記載の方法。
  12. 【請求項12】 カーボン−カーボン複合発泡体を少なくとも約50%の固
    体密度に高密度化する請求項9記載の方法。
  13. 【請求項13】 a)三次元的に相互連結した気泡の網状構造を形成する炭
    素結合体の連続格子、および b)炭素結合体の連続格子上の熱分解性カーボン被膜 を含有し、30%より大きい固体密度を有してなるカーボン−カーボン複合発泡
    体。
  14. 【請求項14】 油圧液がカーボン−カーボン複合発泡体中を流動すること
    を可能にする、相互連結した細孔の構造体を画定する請求項13記載のカーボン
    −カーボン複合発泡体。
  15. 【請求項15】 本質的に等方性構造を有してなる請求項14記載のカーボ
    ン−カーボン複合発泡体。
  16. 【請求項16】 炭素結合体の連続格子が、本質的に非結晶性カーボンから
    なる請求項13記載のカーボン−カーボン複合発泡体。
  17. 【請求項17】 少なくとも約40%の固体密度を有してなる請求項13記
    載のカーボン−カーボン複合発泡体。
  18. 【請求項18】 少なくとも約50%の固体密度を有してなる請求項13記
    載のカーボン−カーボン複合発泡体。
  19. 【請求項19】 相対的な回転および係合のための少なくとも2つの部材が
    設けられており、該部材は、ともに回転可能な摩擦材を有してなり、該部材の摩
    擦材は対向する面を有してなり、摩擦材が30%より大きい固体密度を有し、 a)三次元的に相互連結した気泡の網状構造を形成する炭素結合体の連続格子、
    および b)炭素結合体の連続格子上の熱分解性カーボン被膜 を含有してなることを特徴とする改良されたクラッチまたはブレーキの装置。
  20. 【請求項20】 油圧液が摩擦材中を流動することを可能にする、相互連結
    した細孔の構造を画定する請求項19記載の改良されたクラッチまたはブレーキ
    の装置。
  21. 【請求項21】 摩擦材が本質的に等方性構造を有してなる請求項20記載
    の改良されたクラッチまたはブレーキの装置。
  22. 【請求項22】 炭素結合体の連続格子が本質的に非結晶性カーボンからな
    る請求項19記載の改良されたクラッチまたはブレーキの装置。
JP2000588093A 1998-12-18 1999-12-17 複合発泡体、物品および形成方法 Pending JP2002532372A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US11270498P 1998-12-18 1998-12-18
US60/112,704 1998-12-18
PCT/US1999/030140 WO2000035828A1 (en) 1998-12-18 1999-12-17 Composite foam, articles, and methods of formation

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002532372A true JP2002532372A (ja) 2002-10-02

Family

ID=22345422

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000588093A Pending JP2002532372A (ja) 1998-12-18 1999-12-17 複合発泡体、物品および形成方法

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP1144335A1 (ja)
JP (1) JP2002532372A (ja)
AU (1) AU2194000A (ja)
CA (1) CA2356191C (ja)
WO (1) WO2000035828A1 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2516914B1 (fr) * 1981-11-26 1986-03-14 Commissariat Energie Atomique Procede de densification d'une structure poreuse
JP3182212B2 (ja) * 1991-05-21 2001-07-03 アブコウ・コーポレイション 高密度化多孔質ビレットを製造する方法及び多孔質予備成形体の高密度化方法
DE69319284T2 (de) * 1992-07-23 1998-12-17 Lorraine Carbone Kohlenstoff/Kohlenstoff Verbundstoffreibungsmaterial mit aufgeteilter Porosität
US5389152A (en) * 1992-10-09 1995-02-14 Avco Corporation Apparatus for densification of porous billets
US6077464A (en) * 1996-12-19 2000-06-20 Alliedsignal Inc. Process of making carbon-carbon composite material made from densified carbon foam

Also Published As

Publication number Publication date
WO2000035828A1 (en) 2000-06-22
AU2194000A (en) 2000-07-03
CA2356191C (en) 2009-05-19
EP1144335A1 (en) 2001-10-17
CA2356191A1 (en) 2000-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6726962B1 (en) Method for forming composite articles
US5389152A (en) Apparatus for densification of porous billets
US10227696B2 (en) Swirled flow chemical vapor deposition
WO2015183369A2 (en) Process for fabricating carbon-carbon composites
JP4069974B2 (ja) 多孔性構造体の膜沸騰による高密度化の改良
CN114645449B (zh) 一种聚酰亚胺树脂碳改性C/C-SiC摩擦材料的制备方法
JP2002502798A (ja) 液体の前駆体を用いた予備成形体の緻密化
JP2002532372A (ja) 複合発泡体、物品および形成方法
AU2003262110B2 (en) Composite foam, articles, and methods of formation
EP1054847B1 (en) Partially densified carbon preform
EP1112989A1 (en) Densification
JPH0292886A (ja) 耐酸化性を有する炭素繊維強化複合材料の製造法
JP3548597B2 (ja) 炭素繊維強化炭素複合材の耐酸化処理方法
AU714371B2 (en) Method for densification of porous billets
JPH1029881A (ja) 耐酸化性c/c複合材の製造方法
JP2024032606A (ja) 炭化ケイ素系複合体の製造方法
Golecki Recent Advances in Rapid Vapor‐Phase Densification of High‐Temperature Fiber‐Matrix Composites
Yuan et al. Preparation and characteristics of C/C composite brake disc by multi-cylindrical chemical vapor deposition processes
JP2002145675A (ja) 炭素繊維強化炭素材の製造方法
JPH06247782A (ja) 耐酸化性c/c複合材の製造方法
JPH0412078A (ja) 炭素繊維強化炭素材の耐酸化処理法
JPH03159962A (ja) 炭素材料の製造法
JPH03223179A (ja) 繊維強化無機系材料の製造方法
JPH0442878A (ja) 炭素繊維強化炭素材の耐酸化処理法
Pruett Carbon Matrices

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20040622

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060920

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090911

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100223