JP2002531468A - 新規核酸導入剤、前記核酸導入剤を含有する組成物及びその使用 - Google Patents

新規核酸導入剤、前記核酸導入剤を含有する組成物及びその使用

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JP2002531468A
JP2002531468A JP2000585434A JP2000585434A JP2002531468A JP 2002531468 A JP2002531468 A JP 2002531468A JP 2000585434 A JP2000585434 A JP 2000585434A JP 2000585434 A JP2000585434 A JP 2000585434A JP 2002531468 A JP2002531468 A JP 2002531468A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は新規導入剤、前記導入剤を含有する組成物、及び細胞に核酸をinvitro、in vivo又はex vivo導入するためのその使用に関する。より詳細には、本発明はポリカチオンと少なくとも1個の親水性置換基に化学的に結合した疎水性スペーサーを含む新規核酸導入剤に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は新規導入剤、前記導入剤を含有する組成物、及び細胞に核酸をin
vitro、in vivo又はex vivo導入するためのその使用に関す
る。
【0002】 バイオテクノロジーの発展に伴い、核酸を細胞に効率的に導入できることは多
数のバイオテクノロジー用途で基本技術となっている。例えば組換えタンパク質
の製造や、実験室で遺伝子発現の調節研究、遺伝子クローニング又は他の任意の
DNA操作を行うには核酸のin vitro細胞導入が必要である。また、例
えばワクチンの製造、標識試験又は治療アプローチには核酸のin vivo細
胞導入が必要である。更に、例えばトランスジェニック動物の創製には後で再投
与する目的で生物から抽出した細胞に遺伝子を導入する。
【0003】 現在、遺伝子を細胞に導入する手段として最も普及しているのはウイルスベク
ターの使用である。しかし、ウイルスベクターは全く危険がないとは言えないの
で、合成ベクターの使用に基づく他の数種の方法も提案されている。これらの合
成ベクターはトランスフェクトしようとする核酸を複合体化して圧縮する機能と
、細胞膜及び場合により2つの核膜の通過を助長する機能の2つの主機能をもつ
【0004】 例えばポリマーや(細胞レセプターに結合したカチオンタンパク質から構成さ
れる)生化学ベクター等の数種の合成ベクターが開発されているが、リポフェク
タント、より詳細にはカチオン脂質の開発に伴い、非ウイルストランスフェクシ
ョンは特に著しく進歩した。即ち、カチオン脂質は総体的に正電荷をもつため、
総体的に負電荷のDNAと自然反応し、細胞膜と融合することが可能な核脂質複
合体を形成し、こうしてDNAの細胞内遊離を可能にすることが判明した。
【0005】 種々のカチオン脂質が合成されており、第4級アンモニウム基を含む脂質(例
えばDOTMA、DOTAP、DMRIE、DLRIE等)、リポポリアミン(
例えばDOGS、DC−Chol又は特許出願WO97/18185に開示され
ているリポポリアミン)、第4級アンモニウム基とポリアミンの両方に結合した
脂質(例えばDOSPA)、又は種々の他のカチオン部分、特にアミジニウム基
を含む脂質(例えばADPDE、ADODE又は特許出願WO97/31935
の脂質)が挙げられる。実際に、カチオン脂質の構造多様性は構造−活性関係に
も反映する。
【0006】 しかし、これらの合成ベクターにはまだ多くの問題があり、効率を改善する必
要がある。特に、以下に述べる種々の理由により、非カチオン又は低カチオンベ
クターを入手できるならば望ましい。
【0007】 −核酸と導入剤により形成される複合体は総体正電荷をもつため、網内系に捕
獲され、失われ易い。
【0008】 −形成される複合体は総体正電荷をもつため、血漿タンパク質がその表面に吸
着する傾向があるのでトランスフェクション能が低下し易い。
【0009】 −局所注入の場合、高い総体正電荷が存在すると複合体が細胞外マトリックス
に吸着するので、投与部位から核酸複合体が拡散できない。従って、複合体は標
的細胞に到達できず、その結果、複合体の注入量に対する導入効率が低下する。
【0010】 −最後に、遺伝子の非ウイルストランスフェクション分野の多数の当業者はカ
チオン脂質又はポリマーには炎症作用があると指摘している。
【0011】 他方、今日までに開発されている合成ベクターを低電荷比で安全に処方するこ
とは一般に困難又は不可能であり、低電荷比では多くの場合には導入効率が低い
ことも認められている(Pitardら,PNAS USA,94,pp.14
412−14417,1997)。以下の文中で、「電荷比」とはDNAの負電
荷に対する導入剤の正電荷の比を意味する。この比はDNA1μg当たりの導入
剤nmolで表すことが多い。
【0012】 本発明者らは本発明の目的である新規トランスフェクタント剤を開発し、これ
らの問題を解決しようとするものである。実際に、その特殊な構造は核酸との複
合体の形成を可能にするポリカチオンと、非ウイルストランスフェクションに従
来使用されているカチオン脂質又はポリマーに対してこれらのトランスフェクタ
ント剤の見掛けの総体電荷密度を低下することが可能な少なくとも1個の親水性
ヘッドに結合した疎水性アンカーを形成する。少なくとも1個の親水性ヘッドの
存在は核酸と共に形成される複合体のゼータ電位の低下により一種の「電荷バリ
ヤー」を生成する。このため、前記複合体は生物に対して低カチオン性であり、
有益な効果が得られると思われる。更に、本発明のトランスフェクト剤は低電荷
比で核酸と接触させた場合に特に安定であるため、物理化学的観点から特に有利
であることも判明した。
【0013】 従って、本発明の第1の目的はポリカチオンと少なくとも1個の親水性置換基
に化学的に結合した疎水性スペーサーを含む新規核酸導入剤に関する。
【0014】 ポリカチオンは核酸のアニオン電荷との相互作用により核酸と複合体を形成す
ることができる。疎水性スペーサーには二重の機能がある。まず、細胞膜の通過
を可能にし、他方では核酸との間に形成された複合体を生体環境で生存可能にす
る。実際に、疎水性スペーサーは核酸を外部環境から保護できるように物理的制
約を複合体に加える。複合体が生存可能であるために必要な疎水性は通常の探索
法の適用や慣用試行錯誤法により当業者が容易に決定することができる。更に、
親水基の存在は形成される複合体のゼータ電位を低下させるため、前記複合体は
外部環境に対して低カチオン性になると思われる。
【0015】 本発明の意味では、ポリカチオンとは核酸と結合することが可能な直鎖又は分
枝鎖ポリカチオン分子のことである。本発明の意味では、核酸と結合とは例えば
共有結合、静電相互作用、イオン相互作用、水素橋等の任意型の結合を意味する
。ポリカチオンは直鎖又は分枝鎖ポリアミンであり、各アミノ基が1個以上のメ
チレン基により分離されていることが好ましい。場合により、ポリアミンは更に
例えばアミジニウム基、グアニジニウム基、環状グアニジン等の他のカチオン官
能基で置換されていてもよい。特に、例えば特許出願WO96/17823、W
O97/18185、WO97/31935、WO98/54130又はWO9
9/51581や、一般に当業者に公知のカチオン脂質構造に関する任意文献に
記載されているようなポリカチオンが挙げられる。本発明の好適側面によると、
ポリカチオンは一般式(II):
【0016】
【化7】 [式中、R、R及びRは相互に独立して水素原子又は(CHNR’
R”基を表し、qはR、R及びR基の間で独立して1〜6の整数であり、
但し、R、R及びRの少なくとも1個は水素原子以外のものであり、R’
及びR”は相互に独立して水素原子又は(CHNHを表し、qは上記と
同義であり、mは1〜6の整数を表し、n及びpは相互に独立して0〜6の整数
を表し、但し、nが2以上であるとき、mは種々の値をとることができ、R
一般式(II)中で種々の意味をもち、nが0であるとき、R及びR置換基
の少なくとも一方は水素原子以外のものである]のポリアミンに相当する。
【0017】 他の利用可能なポリカチオンとして、スペルミン、スペルミジン、カダベリン
、プトレシン、ヘキサメチレンテトラミン(ヘキサミン)、メタクリルアミドプ
ロピルトリメチルアンモニウムクロリド(AMBTAC)、3−アクリルアミド
−3−メチルブチルトリメチルアンモニウムクロリド(AMBTAC)、ポリビ
ニルアミン、ポリエチレンイミン又はイオネンから選択してもよい(Barto
nら,Comprehensive Organic Chemistry,V
ol.2,Pergamon Press編,p.90; Encyclope
dia of Polymer Science and Engineeri
ng,第2版,Wiley Interscience編,Vol.11,p.
489; MahlerとCordes,Biological Chemis
try,Harper International Edition,p.1
24)。
【0018】 疎水性スペーサーは核酸の保護と膜通過を可能にするために十分な疎水性を付
与するものであれば、非常に多様な構造をとることができる。この十分な疎水性
は通常の探索法を適用することにより当業者が容易に決定することができる。本
発明の好適態様によると、疎水性スペーサーは2又は3個の炭化水素直鎖脂肪鎖
から構成される(即ち鎖当たり炭素原子数10〜20、好ましくは鎖当たり炭素
原子数12、14、15、16、17又は18であり、各鎖は異なる鎖長でもよ
い)。別の態様によると、疎水性スペーサーは炭素原子数20〜50、好ましく
は40〜50、より好ましくは44〜50の非常に長い炭化水素直鎖脂肪鎖から
構成される。
【0019】 利用可能な親水性置換基は例えばヒドロキシ、アミノ、ポリオール、糖類又は
親水性ペプチドから選択される。ポリオールとは、少なくとも2個のヒドロキシ
官能基を含む直鎖、分枝鎖又は環状の任意炭化水素分子を意味する。例えば、グ
リセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトリトール、ペン
チトール、環状ペンチトール(クエルシトール)、ヘキシトール(例えばマンニ
トール、ソルビトール)、ズルシトール、環状ヘキシトール又はイノシトール等
が挙げられる(Stanekら,The Monosaccharides A
cademic Press,pp.621−655及びpp.778−855
)。
【0020】 有利な態様によると、本発明の導入剤は糖である少なくとも1個の親水性置換
基を含む。本発明の意味で「糖」なる用語は1個以上のサッカリドから構成され
る任意分子を意味する。ピラノース及びフラノース等の糖類の例としては、例え
ばグルコース、マンノース、ラムノース、ガラクトース、フルクトース、マルト
ース、ラクトース、サッカロース、スクロース、フコース、セロビオース、アロ
ース、ラミナリビオース、ゲンチオビオース、ソホロース、メリビオース等を挙
げることができる。糖はグルコース、マンノース、ラムノース、ガラクトース、
フルクトース、ラクトース、サッカロース及びセロビオースから選択することが
好ましい。更に、所謂「複合体」即ち相互に共有結合した数個の糖でもよく、各
糖は上記リストから選択することが好ましい。利用可能な多糖類としては、デキ
ストラン、α−アミロース、アミノペクチン、フルクタン、マンナン、キシラン
及びアラビナンを挙げることができる。例えば所定種のレクチンのように、好適
糖類には細胞レセプターとも相互作用できるものもある。
【0021】 より詳細には、本発明の導入剤は一般式(I):
【0022】
【化8】 [式中、Rはポリカチオンを表し、Zは水素原子又はフッ素原子を表し、各Zは
相互に独立しており、x及びyは相互に独立して10〜22の整数を表し、X及
びYは相互に独立して水素原子、−OAlk基(式中、Alkは炭素原子数1〜
4の直鎖又は分枝鎖アルキルを表す)、ヒドロキシ基、アミノ基、ポリオール、
糖、親水性もしくは非親水性ペプチド、又はオリゴヌクレオチドを表し、但し、
X及びY基の少なくとも一方はヒドロキシ、アミノ、ポリオール、糖類又は親水
性ペプチドから選択される親水基を表し、あるいは、xは0又は1であり、yは
20〜50の整数であり、Xは水素原子又は−OAlk基(式中、Alkは炭素
原子数1〜4の直鎖又は分枝鎖アルキルを表す)であり、Yはヒドロキシ、アミ
ノ、ポリオール、糖類又は親水性ペプチドから選択される親水基である]により
表すことができる。
【0023】 本発明の意味では、一般式(I)のポリカチオン、ポリオール及び糖類は上記
に定義した通りである。
【0024】 x及びy項は一般式(I)において10〜22、場合により20〜50の任意
値をとるように定義される。x及びyは相互に独立して12〜18であることが
好ましい。x及びyは相互に独立して14、15、16、17又は18であるこ
とがより好ましい。xが0又は1であるとき、yは30〜50又は40〜50が
好ましい。yは44〜50がより好ましい。
【0025】 本発明の意味では、「オリゴヌクレオチド」とはアデニン、グアニン、シトシ
ン、チミジン又はウラシルから選択され得る塩基の存在により相互に区別される
モノマー単位である1個以上のヌクレオチド、デオキシヌクレオチド、リボヌク
レオチド及び/又はデオキシリボヌクレオチドを含む鎖を意味する[Lehni
nger Biochimie,Flammarion Medecine S
ciences,第2版,p.305−329参照]。オリゴヌクレオチドは塩
基対を形成することができるため、例えばリンカー(結合分子)又はプローブと
して分子生物学で広く使用されている。また、オリゴヌクレオチドは結合形態で
使用してもよく、即ち異なる性質をもつ1個以上の他の分子に結合してもよい。
例えば、化学反応基、蛍光もしくは化学発光基、又は細胞に導入できるように分
子間相互作用を助長することが可能な基とオリゴヌクレオチドの結合を挙げるこ
ができる。このような結合体はBioconjugate Chemistry
[John Goodchild,Conjugates of Oligon
ucleotides and Modified Oligonucleot
ides: a Review of their Synthesis an
d properties,Vol.1,No.3,1990,pp.165−
187]に記載されており、例えば複合体の細胞導入を改善し、ヌクレアーゼに
よる分解率を低下させ、該当複合体の安定性を増し、生物におけるオリゴヌクレ
オチドの経路を追跡することができるなど、多数の用途と利点をもつ。例えば、
オリゴヌクレオチドを本発明の導入剤にグラフトすると、前記導入剤に付加的性
質(例えばターゲティング、標識等の性質)を付与することができる。
【0026】 オリゴヌクレオチドは当業者に公知の慣用方法により得ることができ、Bio
conjugate Chemistry,John Goodchild,C
onjugates of Oligonucleotides and Mo
dified Oligonucleotides: a Review of
their Synthesis and properties,Vol.
1,No.3,1990,pp.165−187又はTetrahedron,
Beaucageら,The Syntehsis of Modified
Oligonucleotides by the Phosphoramid
iteb Approach and Their Applicaion,V
ol.49,No.28,pp.6123−6194,1993に記載の方法に
従って修飾オリゴヌクレオチドを合成することもできる。
【0027】 本発明の意味では、「ペプチド」とはペプチド性結合により相互に結合した1
個以上のアミノ酸を含む鎖を意味する[Lehninger Biochimi
e,Flammarion Medecine Sciences,第2版]。
タンパク質の組成に一般に含まれる20種の「古典的」アミノ酸(アラニン、バ
リン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン
、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン
、グリシン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グル
タミン酸)を挙げることができ、又は所謂「稀」アミノ酸(例えば4−ヒドロキ
シプロリン、デスモシン、5−ヒドロキシリジン、N−メチルリジン、3−メチ
ルヒスチジン、イソデスモシン等)でもよい。更には、種々の細胞又は種々の組
織中に遊離又は結合形態で出現し、一般にα−アミノ酸から誘導されるアミノ酸
(例えばβ−アラニン、γ−アミノ酪酸、ホモシステイン、オルニチン、カナバ
ニン、ジェンコール酸、β−シアノアラニン等)でもよい。このようなペプチド
は例えば所定細胞型のターゲティングが可能である。この点では、例えばRGD
又はNLSペプチドを挙げることができる。標識性をもつペプチド配列、即ち例
えば分析技術(例えば蛍光分光法、赤外分光法、核磁気共鳴(NMR)等)によ
り認識できるペプチドでもよい。この例としては、例えばインテグリン型接着タ
ンパク質の一次及び/又は二次レセプターの認識エピトープArg−Gly−A
sp(アルギニン−グリシン−アスパラギン酸)を含む直鎖又は環状ペプチド又
はプソイドペプチド配列を挙げることができる。本発明のペプチドは更に1個以
上の官能基のレベル、例えばαカルボキシル、αアミン基及び/又はアミノ酸の
各々の側鎖の官能基のレベルを置換されていてもよい。例えば炭素原子数1〜2
4の飽和又は不飽和の直鎖、分枝鎖又は環状脂肪族基(例えばコレステリル、ア
ラキドニル又はレチノイル基)、あるいはモノ又はポリ芳香族基(例えば置換さ
れていてもいなくてもよいベンジルオキシカルボニル、ベンジルエステル又はロ
ーダミニル誘導体)による置換を挙げることができる。このような置換は例えば
標識の目的で前記ペプチドの化学的及び場合により生化学的性質を改変する場合
に有利である。
【0028】 上記ペプチドを親水性置換基として使用する場合には、親水性ペプチド即ち親
水性アミノ酸のみから構成されるペプチド又は一部が親水性アミノ酸から構成さ
れ、組成が総体的に親水性であるペプチドから選択する。
【0029】 本発明の好適態様によると、Z基は全て水素原子を表す。
【0030】 本発明の特に有利な側面によると、導入剤は一般式(III):
【0031】
【化9】 (式中、Rはポリカチオンを表し、x及びyは相互に独立して10〜22の整数
を表し、X及びYは相互に独立して水素原子又は糖を表し、但し、X及びY基の
少なくとも一方は糖を表し、あるいは、xは0又は1であり、yは20〜50の
整数であり、Xは水素原子であり、Yは糖である)により表される。
【0032】 本発明の意味では、一般式(III)におけるポリカチオン、糖類並びにx及
びyは一般式(I)について上記に定義した通りである。
【0033】 特に好ましい導入剤は一般式(III)中、x及びyが相互に独立して10〜
22の整数を表し、X及びYの一方が水素原子を表し、他方が糖を表す。別の有
利な態様によると、本発明の導入剤は一般式(III)中、xが0であり、yが
40〜50の整数であり、Xが水素原子を表し、Yが糖である。
【0034】 当然のことながら、本発明は存在する場合には一般式(I)の生成物の異性体
とその混合物又はその塩にも関する。
【0035】 特に、本発明の化合物は医薬的に許容可能な非毒性塩の形態をとることができ
る。これらの非毒性塩は鉱酸(塩酸、硫酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸)、有機
酸(酢酸、プロピオン酸、コハク酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、安息
香酸、フマル酸、メタンスルホン酸又は蓚酸)、無機塩基(水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム)又は有機塩基(トリエチ
ルアミン等の第3級アミン、ピペリジン、ベンジルアミン)と共に形成される塩
を含む。
【0036】 本発明によると、一般式(I)の生成物は下記段階を実施することにより製造
される。
【0037】 1)まず、対応するラクトンの開環によりヒドロキシ官能基とエステル官能基
を含む炭素原子数x(xは上記と同義である)のアルキル鎖を製造する。反応は
一般にアルコール中、塩基性pHで−10℃〜周囲温度の温度で実施される。例
えば、アルコールはメタノール又はエタノールとすることができる。
【0038】 2)次に、上記段階で得られた2官能性アルキル鎖にX基を固定する。Xが糖
を表す場合には、塩素系溶媒(例えばジクロロメタン又はクロロホルム)中でル
イス酸の存在下に−5℃〜10℃の温度で縮合を実施する。ルイス酸は例えば塩
化錫、塩化鉄、p−トルエンスルホン酸(tsOH)、トリメチルシリルトリフ
ルオロメタンスルホン酸(TMStf)、三フッ化ホウ素エーテラート等から選
択することができる[Kazunobu Toshimaら,Recent P
rogress in O−glcosilation Methods an
d its Application to Natural Product
s Syntehsis,Chem.Rev.1993,Vol.93,pp.
1503−1531]。
【0039】 Xが親水性又は非親水性ペプチド基を表す場合には、慣用方法(Bodans
ki M.,Principles and Practices of Pe
ptides Synthesis,Springe−Verlag編)に従う
か、又は当業者に公知の任意類似方法によりペプチド結合を実施する。特に、反
応は一般に非求核性塩基の存在下に適当な非プロトン溶媒中で0〜100℃の温
度でpHを9〜11に調節して実施される。例えば、クロロホルム、ジメチルホ
ルムアミド、メチルピロリドン、アセトニトリル、ジクロロメタン、トルエン又
はベンゼンを溶媒として使用することができる。使用する非求核性塩基は第3級
アミン、炭酸カルシウム又は重炭酸ナトリウムが好ましい。使用する塩基は例え
ばトリエチルアミン(TEA)やN−エチルジイソプロピルアミン等の第3級ア
ミンがより好ましい。ペプチド結合は0〜50℃、好ましくは10〜30℃で実
施すると有利である。
【0040】 Xがヒドロキシ基を表すことが所望される場合には、この段階は実施しない。
【0041】 Xがアミノ基を表す場合には、反応はアルコールからアミンを得るための当業
者に公知の慣用方法に従って求核置換により実施される。
【0042】 Xが−OAlk基を表す場合には、当業者に公知の慣用方法又は類似方法に従
ってアルコール官能基のアルキル化により実施される。例えば、一般式Alk−
のジアゾ化合物を場合によりHBF等の触媒又はシリカゲルの存在下に反
応させればよい。ウィルアムソン反応条件下で操作し、塩基性媒体中でアルコー
ル官能基をもつ鎖に一般式Alk−Hal(式中、Halは塩素、臭素又はヨウ
素等のハロゲン原子を表す)の化合物を反応させてもよい。
【0043】 Xがポリオールを表すことが所望される場合にも、同一のウィルアムソン型反
応を実施すればよい。
【0044】 更に、Xがオリゴヌクレオチドを表す場合には、公知慣用方法に従って2官能
鎖に結合してオリゴヌクレオチドを共有グラフトする。例えば、適当なリンカー
(結合分子)を介して前記オリゴヌクレオチドをグラフトすることができる。
【0045】 3)第3段階として、2官能鎖に存在するエステル官能基を公知方法により酸
に応じて加水分解する。例えば、塩基性媒体で高沸点アルコール中、50℃〜反
応混合物の還流温度の温度で操作すればよい。
【0046】 4)次に、前段階で得られた化合物に一般式(IV): HN−(CH−Y (IV) (式中、y及びYは上記と同義である)の置換又は非置換アルキルアミン鎖を慣
用ペプチド結合方法(Bodanski M.,Principles and
Practices of Peptides Synthesis,Spr
inge−Verlag編)又は当業者に公知の任意類似方法により結合する。
【0047】 特に、反応は一般に適当な非プロトン性溶媒中、非求核性塩基の存在下に0〜
100℃の温度でpHを9〜11に調節して実施される。例えば、クロロホルム
、ジメチルホルムアミド、メチルピロリドン、アセトニトリル、ジクロロメタン
、トルエン又はベンゼンを溶媒として使用することができる。使用する非求核性
塩基は第3級アミン、炭酸カルシウム又は重炭酸ナトリウムが好ましい。使用す
る塩基は例えばトリエチルアミン(TEA)やN−エチルジイソプロピルアミン
等の第3級アミンがより好ましい。ペプチド結合は0〜50℃、好ましくは10
〜30℃で実施すると有利である。
【0048】 一般式(IV)の基は市販品でもよいし、上記2)と同様の方法により対応す
る非置換アルキルアミン上でYを縮合することによっても得られる。
【0049】 5)前段階で得られたアミドを次にアミンに還元する。このためには、当業者
に公知の慣用方法に従って操作する。例えば、無水テトラヒドロフラン等の無水
有機溶媒中で水素化アルミニウムリチウム(LiAlH)の作用により操作す
る。例えばボラン、ジメチルスルフィド中ボラン(BH−SMe)、ホウ水
素化ナトリウム/四塩化チタン(NaBH,TiCl)、亜鉛担持塩化酸化
リン(POCl/Zn)、ラネーニッケル担持五硫化リン(P10)等の
他の還元剤も利用できる[Richard C.Larock,Compreh
ensive Organic Transformations,VCH P
ublishers Inc.,1989]。触媒水素化により操作してもよい
。無水テトラヒドロフラン中、混合物の還流温度で水素化アルミニウムリチウム
LiAlHの作用により還元を実施すると有利である。
【0050】 こうして一般式(V):
【0051】
【化10】 (式中、X、Y、x及びyは上記と同義である)の化合物が得られる。
【0052】 6)最後に、最終段階で上記に定義したポリカチオンRに対応する酸誘導体を
慣用ペプチド結合方法(Bodanski M.,Principles an
d Practices of Peptides Synthesis,Sp
ringe−Verlag編)に従うか、又は当業者に公知の任意類似方法によ
り、前段階で得られた一般式(IV)の化合物に結合する。
【0053】 特に、反応は一般に非求核性塩基の存在下に適当な非プロトン溶媒中で0〜1
00℃の温度でpHを9〜11に調節して実施される。例えば、クロロホルム、
ジメチルホルムアミド、メチルピロリドン、アセトニトリル、ジクロロメタン、
トルエン又はベンゼンを溶媒として使用することができる。使用する非求核性塩
基は第3級アミン、炭酸カルシウム又は重炭酸ナトリウムが好ましい。使用する
塩基は例えばトリエチルアミン(TEA)やN−エチルジイソプロピルアミン等
の第3級アミンがより好ましい。ペプチド結合は0〜50℃、好ましくは10〜
30℃で実施すると有利である。
【0054】 ポリカチオンに対応する酸誘導体は市販されている。
【0055】 別の態様によると、本発明のトランスフェクタント剤は次のように操作して製
造することができる。
【0056】 1)まず、対応するラクトンの開環によりヒドロキシ官能基とエステル官能基
を含む炭素原子数x(xは上記と同義である)のアルキル鎖を製造する。反応は
一般にアルコール中、塩基性pHで−10℃〜周囲温度の温度で実施される。例
えば、アルコールはメタノール又はエタノールとすることができる。
【0057】 2)次に、この2官能アルキル鎖に一般式(IV): HN−(CH−Y (IV) (式中、y及びYは一般式(I)について上記に定義した通りである)の置換又
は非置換アルキルアミン鎖を結合する。反応は減圧下又は非減圧下に各生成物の
融点よりも高い温度で実施される。アルコール溶媒の存在下に還流温度で反応を
実施してもよい。例えば、溶媒はメタノール又はエタノールとすることができる
。例えば45℃〜60℃の温度で操作する。
【0058】 溶媒としてメタノール等のアルコールの存在下に混合物の還流温度で反応を実
施してもよい。別法として、一般式(IV)の化合物をラクトンと直接結合して
もよい(この場合には第1段階のラクトン開環は不要である)。
【0059】 一般式(IV)の基は市販品でもよいし、上記と同様の方法により対応する非
置換アルキルアミン上でYを縮合することによっても得られる。
【0060】 3)得られた2官能性2鎖アミドを次にアミンに還元する。このためには、慣
用方法に従って操作する。例えば、無水テトラヒドロフラン等の無水有機溶媒中
で水素化アルミニウムリチウム(LiAlH)の作用により操作する。例えば
ボラン、ジメチルスルフィド−水素化ホウ素(BH−SMe)、ホウ水素化
ナトリウム/四塩化チタン(NaBH,TiCl)、亜鉛担持塩化酸化リン
(POCl/Zn)、ラネーニッケル担持五硫化リン(P10)等の他の
還元剤も利用できる[Richard C.Larock,Comprehen
sive Organic Transformations,VCH Pub
lishers Inc.,1989]。触媒水素化により操作してもよい。無
水テトラヒドロフラン中、混合物の還流温度で水素化アルミニウムリチウムLi
AlHの作用により還元を実施すると有利である。
【0061】 こうして一般式(VI):
【0062】
【化11】 (式中、Y、x及びyは上記と同義である)の化合物が得られる。
【0063】 4)次に、前段階で得られた一般式(VI)のアミンにX基を縮合する。縮合
は第1合成経路について上述したと同様の方法により実施される。
【0064】 5)最後に、最終段階で上記に定義したポリカチオンRに対応する酸誘導体を
慣用ペプチド結合方法(Bodanski M.,Principles an
d Practices of Peptides Synthesis,Sp
ringe−Verlag編)に従うか、又は当業者に公知の任意類似方法によ
り、前段階で得られた一般式(VI)の化合物に結合する。
【0065】 特に、反応は一般に非求核性塩基の存在下に適当な非プロトン溶媒中で0〜1
00℃の温度でpHを9〜11に調節して実施される。例えば、クロロホルム、
ジメチルホルムアミド、メチルピロリドン、アセトニトリル、ジクロロメタン、
トルエン又はベンゼンを溶媒として使用することができる。使用する非求核性塩
基は第3級アミン、炭酸カルシウム又は重炭酸ナトリウムが好ましい。使用する
塩基は例えばトリエチルアミン(TEA)やN−エチルジイソプロピルアミン等
の第3級アミンがより好ましい。ペプチド結合は0〜50℃、好ましくは10〜
30℃で実施すると有利である。
【0066】 ポリカチオンに対応する酸誘導体は市販されている。
【0067】 当然のことながら、X、Y及び/又はポリカチオンの置換基が反応を妨げる恐
れがある場合には、分子の残余を変化させずに付加及び脱離することが可能な適
合可能な基で予め保護することが好ましい。このためには、当業者に公知の慣用
方法、特に、T.W.GREENE,Protective Groups i
n Organic Synthesis,第2版,Wiley−Inters
cience、McOMIE,Protective Groups in O
rganic Chemistry,Plenum Press(1973)、
又はPhilip J Kocienski,Protecting Grou
ps Thiemeに記載されている方法に従って操作する。
【0068】 更に、場合によっては製造方法の各段階後に得られた化合物の分離精製段階を
当業者に公知の方法に従って実施してもよい。
【0069】 本発明の有利な核酸導入剤の例としては、下記化合物を挙げることができる。
【0070】
【化12】
【0071】 本発明の別の目的は上記核酸導入剤と、核酸を含む組成物に関する。各成分の
夫々の量は使用する導入剤、核酸及び所期用途(特にトランスフェクトする細胞
型)に応じて当業者が容易に調節することができる。
【0072】 本発明の意味では「核酸」とはデオキシリボ核酸とリボ核酸を意味する。核酸
は天然配列でも人工配列でもよく、特にゲノムDNA(gDNA)、相補的DN
A(cDNA)、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA(
tRNA)、リボソームRNA(rRNA)、ハイブリッド配列、合成又は半合
成配列、修飾又は非修飾オリゴヌクレオチドが挙げられる。これらの核酸はヒト
、動物、植物、細菌、ウイルス等の起源とすることができる。これらの核酸は当
業者に公知の任意方法により得られ、特にバンクスクリーニング、化学合成、又
はバンクスクリーニングにより得られた配列の化学もしくは酵素修飾を含む混合
法により得られる。核酸は化学的に修飾することができる。
【0073】 特にデオキシリボ核酸については、1本鎖でも2本鎖でもよいし、短いオリゴ
ヌクレオチドでも長い配列でもよい。特に、核酸はプラスミド、ベクター、エピ
ソーム、発現カセット等から構成すると有利である。これらのデオキシリボ核酸
は標的細胞で機能的又は非機能的な複製起点と、1個以上のマーカー遺伝子と、
転写又は複製の調節配列と、着目治療遺伝子と、修飾又は非修飾アンチセンス配
列と、他の細胞成分との結合領域等を含むことができる。
【0074】 核酸は調節配列(例えば標的細胞で活性な1種以上のプロモーターと転写ター
ミネーター)の制御下におかれた1種以上の着目治療遺伝子を含むことが好まし
い。
【0075】 本発明の意味では、着目治療遺伝子とは特に治療効果をもつタンパク性物質を
コードする任意遺伝子を意味する。このようにコードされるタンパク性物質は特
にタンパク質又はペプチドであり得る。このタンパク性物質は標的細胞に対して
同種の外来又は内因物質、即ち標的細胞が疾病をもたないときに標的細胞で正常
に発現される物質とすることができる。この場合には、タンパク質が発現される
と、例えば細胞で不十分な発現や修飾により不活性になったり、活性が低下して
いるタンパク質の発現を補ったり、このようなタンパク質を過剰に発現すること
ができる。着目治療遺伝子は安定性の増加、活性の変化等を示す細胞タンパク質
の突然変異体をコードするものでもよい。タンパク性物質は標的細胞に対して異
種でもよい。この場合には、発現されるタンパク質は例えば細胞に欠失している
活性を補充又は付加し、疾病に対抗できるようにしたり、免疫応答を刺激したり
することができる。
【0076】 本発明の意味での治療物質としては、酵素、血液誘導体、ホルモン、リンホカ
イン(インターロイキン、インターフェロン、TNF等(FR92/03120
))、増殖因子、神経伝達物質又はその前駆物質もしくは合成酵素、栄養因子(
BDNF、CNTF、NGF、IGF、GMF、aFGF、bFGF、NT3、
NT5、HARP/プレイオトロフィン等)、アポリポタンパク質(ApoAI
、ApoAIV、ApoE等、FR93/05125)、ジストロフィン又はミ
ニジストロフィン(FR91/11947))、膵臓線維症に関連するタンパク
質CFTR、腫瘍抑制遺伝子(p53、Rb、Rap1A、DCC、k−rev
等、FR93/04745)、凝血に関与する因子(VII、VIII、IX因
子)をコードする遺伝子、DNAの修復に関与する遺伝子、自殺遺伝子(チミジ
ンキナーゼ、シトシンデアミナーゼ)、ヘモグロビン又は他のタンパク質輸送体
の遺伝子、代謝酵素、同化酵素等を特に挙げることができる。
【0077】 着目治療核酸は更に、標的細胞で発現されると遺伝子発現又は細胞mRNA転
写を調節することが可能なアンチセンス遺伝子又は配列でもよい。このような配
列は、例えば特許EP140308に記載の技術に従って、標的細胞で細胞mR
NAの相補的RNAに転写され、こうしてそのタンパク質翻訳を阻止することが
できる。治療遺伝子は更に、標的RNAを選択的に破壊することが可能なリボソ
ームをコードする配列も含む(EP321201)。
【0078】 上述のように、核酸は更に、ヒト又は動物で免疫応答を発生することが可能な
抗原ペプチドをコードする1個以上の遺伝子を含んでいてもよい。従って、この
特定態様によると、本発明はヒト又は動物で特に微生物、ウイルス又は癌に対す
るワクチン又は免疫治療を実現することができる。特に、エプスタイン・バール
ウイルス、HIVウイルス、B型肝炎ウイルス(EP185573)、偽狂犬病
ウイルス、シンシチウム形成ウイルス、他のウイルスの特異的抗原ペプチド又は
腫瘍特異的抗原ペプチド(EP259212)を挙げることができる。
【0079】 好ましくは、核酸は更に所望細胞又は臓器において着目治療遺伝子及び/又は
抗原ペプチドをコードする遺伝子の発現を可能にする配列も含む。このような配
列としては、これらの配列が感染細胞で機能できるときに該当遺伝子の発現に天
然に関与する配列が挙げられる。異なる起源の配列でもよい(他のタンパク質の
発現に関与する配列でもよいし、あるいは合成配列でもよい)。特に、真核又は
ウイルス遺伝子のプロモーター配列が挙げられる。例えば、感染させたい細胞の
ゲノムに由来するプロモーター配列が挙げられる。また、ウイルスのゲノムに由
来するプロモーター配列でもよい。この点では、例えばE1A、MLP、CMV
、RSV等の遺伝子のプロモーターを挙げることができる。更に、活性化配列や
調節配列等を付加してこれらの発現配列を修飾してもよい。誘導又は抑制プロモ
ーターでもよい。
【0080】 更に、核酸は特に着目治療遺伝子の上流に合成治療物質を標的細胞の分泌経路
に導くシグナル配列も含むことができる。このシグナル配列は着目治療物質の天
然シグナル配列でもよいし、他の任意の機能的シグナル配列又は人工シグナル配
列でもよい。核酸は更に合成治療物質を特定細胞区画に導くシグナル配列も含む
ことができる。
【0081】 本発明の組成物は更に、導入剤/核酸複合体に結合してトランスフェクト能を
改善することが可能な1種以上のアジュバントを含むことができる。従って、別
の態様において本発明は核酸と、上記核酸導入剤と、導入剤/核酸複合体に結合
してトランスフェクト能を改善することが可能な少なくとも1種のアジュバント
を含む組成物に関する。この種のアジュバント(例えば脂質、ペプチド又はタン
パク質)が存在すると、導入能を増加できるという利点がある。この点で、本発
明の組成物はアジュバントとして1種以上の中性脂質を含むことができる。
【0082】 より好ましくは、本発明の範囲内で使用する中性脂質は2個の脂肪鎖をもつ脂
質である。生理的条件下で両性イオン性又はイオン電荷をもたない天然又は合成
脂質を使用すると特に有利である。脂質は特にジオレオイルホスファチジルエタ
ノールアミン(DOPE)、オレオイルパルミトイルホスファチジルエタノール
アミン(POPE)、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン、ジパル
ミトイルホスファチジルエタノールアミン、ジミリストイルホスファチジルエタ
ノールアミン及びその1〜3倍N−メチル化誘導体、ホスファチジルグリセロー
ル、ジアシルグリセロール、グリコシルジアシルグリセロール、セレブロシド(
例えば特にガラクトセレブロシド)、スフィンゴ脂質(例えば特にスフィンゴミ
エリン)又はアシアロガングリオシド(例えば特にアシアロGM1及びGM2)
から選択することができる。
【0083】 これらの種々の脂質は当業者に周知の慣用技術により合成するか又は臓器(例
えば脳)もしく胎児から抽出することにより得られる。特に、天然脂質の抽出は
有機溶剤を用いて実施することができる(Lehninger,Biochem
istry参照)。
【0084】 ごく最近になって本発明者らは特許出願WO96/25508に記載したよう
に、前記核酸の圧縮レベルに直接又は間接的に作用する化合物をアジュバントと
して使用すると特に有利であることも立証した。本発明の組成物中にこのような
化合物が存在すると、トランスフェクタント化合物の量を低減でき、トランスフ
ェクタント活性を損なわずに毒物学的面で有益な効果が得られる。核酸の圧縮レ
ベルに作用する化合物とは、核酸を直接又は間接的に圧縮する化合物として定義
される。より詳細には、この化合物はトランスフェクトしようとする核酸のレベ
ルに直接作用するか、又はこの核酸の圧縮に直接関与する付加化合物のレベルに
作用することができる。核酸のレベルに直接作用するものが好ましい。特に、予
備圧縮剤は任意ポリカチオン、例えばポリリジンとすることができる。好適態様
によると、核酸の圧縮レベルに作用するこの物質は全体又は一部がプロタミン、
ヒストン又はヌクレオリン及び/又はそれらの誘導体の1種から誘導される。こ
のような物質は全体又は一部をペプチドモチーフ(KTPKKAKKP)及び/
又は(ATPAKKAA)から構成してもよく、モチーフ数は2〜10とするこ
とができる。本発明による化合物の構造において、これらのモチーフは連続又は
不連続的に反復し得る。従って、これらのモチーフは生化学的結合(例えば1個
以上のアミノ酸により)又は化学的結合により分離することができる。
【0085】 好ましくは、本発明の組成物は核酸1当量当たりアジュバント0.01〜20
、より好ましくは0.5〜5モル/モル当量を含む。
【0086】 特に有利な実施態様では、本発明の組成物は更に核酸の導入を誘導することが
可能なターゲティングエレメントを含む。このターゲティングエレメントは所望
の所定細胞型又は所定組織(腫瘍細胞、肝細胞、造血細胞等)へのDNAの導入
を誘導することが可能な細胞外ターゲティングエレメントとすることができる。
所定の優先細胞区画(ミトコンドリア、核等)への核酸の導入を誘導することが
可能な細胞内ターゲティングエレメントでもよい。ターゲティングエレメントは
上述のように本発明の核酸導入剤又は核酸に結合することができる。ターゲティ
ングエレメントを式(I)の核酸導入剤に結合する場合には、置換基X又はYの
一方を構成することが好ましい。
【0087】 本発明の範囲で利用可能なターゲティングエレメントとしては、糖、ペプチド
、タンパク質、オリゴヌクレオチド、脂質、神経伝達物質、ホルモン、ビタミン
又はその誘導体が挙げられる。糖、ペプチド又はタンパク質(例えば抗体又は抗
体フラグメント、細胞レセプター又はそのフラグメントのリガンド、レセプター
又はレセプターフラグメント等)が好ましい。特に、増殖因子レセプター、サイ
トカインレセプター、細胞レクチン型レセプター又は接着タンパク質レセプター
(例えばインテグリン)に対して親和性をもつRGD配列をもつリガンドが挙げ
られる。トランスフェリン、HDL及びLDLのレセプター又は葉酸の輸送体も
挙げることができる。ターゲティングエレメントはアシアログリコプロテイン又
はシアリド(例えばシアリルルイスX)に対するレセプター等のレクチンをター
ゲティングすることが可能な糖や、Fab抗体フラグメント又は1本鎖抗体(S
cFv)でもよい。
【0088】 ターゲティングエレメントと核脂質複合体の結合は、当業者に公知の任意方法
により実施することができ、例えば疎水性部分又は本発明の導入剤の核酸と相互
作用する部分又は本発明の導入剤もしくは核酸と相互作用する基と結合すること
により実施することができる。該当相互作用は好適態様によるとイオン性又は共
有性である。
【0089】 本発明は更にポリヌクレオチド(より一般にはポリアニオン)を細胞にin
vitro、in vivo又はex vivo導入するための上記化合物の使
用にも関する。より詳細には、本発明は特にタンパク性又は核物質の欠失に起因
する疾病の治療用医薬の製造のための上記化合物の使用に関する。前記医薬に含
まれるポリヌクレオチドは前記タンパク性もしくは核物質をコードするか、又は
前記核物質を構成し、前記疾病をin vivoまたは ex vivo治療す
ることができる。
【0090】 例えば遺伝子調節研究、疾病動物モデルの作製又は治療にin vivo使用
するには、本発明の組成物を局所、皮膚、経口、直腸、膣、非経口、鼻腔内、静
脈内、筋肉内、皮下、眼内、経皮、気管内、腹腔内等の経路で投与するように処
方することができる。本発明の組成物は特に所望臓器のレベルに直接注射するた
めの注射用製剤又は局所投与(皮膚及び/又は粘膜)用として医薬的に許容可能
なキャリヤーを含有することが好ましい。このようなキャリヤーとしては、特に
等張滅菌溶液又は場合に応じて滅菌水もしくは生理的血清を加えると注射可能な
溶質を構成することが可能な乾燥組成物、特に凍結乾燥組成物が挙げられる。注
射に使用する核酸の用量及び投与回数は種々のパラメーター、特に使用する投与
方法、該当疾病、発現させようとする遺伝子、又は所望治療期間に応じて選択で
きる。特に投与方法については、組織(例えば腫瘍レベル)又は循環経路への直
接注射や、培養細胞処理後の注射又は移植によるin vivo再移植が挙げら
れる。本発明の範囲に該当する組織は例えば筋肉、皮膚、脳、肺、肝臓、脾臓、
骨髄、胸腺、心臓、リンパ、血液、骨、軟骨、膵臓、腎臓、膀胱、胃、腸、精巣
、卵巣、直腸、神経系、眼、腺、結合組織等である。
【0091】 本発明の別の目的は、 (1)核酸を上記導入剤と接触させて複合体を形成する段階と、 (2)(1)で形成された複合体とヒト又は動物の細胞を接触させる段階を含む
ヒト又は動物の治療方法に関する。
【0092】 本発明は更に、 (1)核酸を上記導入剤と接触させて複合体を形成する段階と、 (2)(1)で形成された複合体と細胞を接触させる段階を含む核酸の細胞導入
方法にも関する。
【0093】 細胞と複合体の接触は、細胞をこの複合体と共にインキュベートする(in
vitro又はex vivo使用)か、複合体を生物に注入する(in vi
vo使用)ことにより実施することができる。インキュベーションは例えば細胞
10個当たり核酸0.01〜1000μgの存在下に実施すると好ましい。i
n vivo投与では、例えば0.01〜10mgの核酸用量を使用することが
できる。
【0094】 本発明の組成物が更に上述のような1種以上のアジュバントを含む場合には、
アジュバントを本発明の導入剤及び/又は核酸に予め混合しておく。
【0095】 従って、本発明はin vivo核酸導入、特に疾病治療に特に有利な方法を
提供するものであり、タンパク質をコードする核酸又は前記疾病を治療すること
が可能な核酸に転写可能な核酸を上記条件下で一般式(I)の化合物に結合して
in vivo又はin vitro投与することからなる。
【0096】 本発明の核酸導入剤は初代細胞又は樹立系に核酸を導入するのに特に有用であ
る。このような細胞としては、分化又は多能性(前駆物質)形態の繊維芽細胞、
筋細胞、神経細胞(ニューロン、星状細胞、グリア細胞)、肝細胞、造血系細胞
(リンパ球、CD34、樹状細胞等)、上皮細胞等が挙げられる。
【0097】 上記構成に加え、本発明は以下の実施例及び図面に示す他の特徴及び利点も含
むが、以下の実施例及び図面は例示に過ぎず、発明の範囲を制限するものではな
い。特に、本発明者らは一般式(I)の導入剤を製造するために使用可能な種々
の操作プロトコールと反応中間体を非限定的に提案する。当然のことながら、当
業者はこれらのプロトコール又は中間生成物に基づいてこれらの同一化合物を得
るための類似方法に想到しよう。また、当業者は上記各特許出願(WO96/1
7823、WO97/18185、WO97/31935等)に記載されている
合成方法から一般式(I)に含まれるポリカチオンRの合成方法に想到しよう。
【0098】 図面 図1:DNAの細胞導入実験で使用したプラスミドpXL2774の模式図。
【0099】 図2:補助脂質の不在下又は補助脂質としてコレステロールの存在下及びDO
PEの存在下に本発明の化合物2から形成した複合体のHeLa細胞へのin
vitro遺伝子導入活性。縦軸はルシフェラーゼの発現(pg/ウェル)を示
す。横軸はトランスフェクタント剤/DNA比(nmol/μgDNA)を示す
【0100】 図3:DOPE(1:1)の存在下に本発明の化合物2から形成した複合体を
マウス前脛骨筋に直接注入後のin vivo遺伝子導入活性。縦軸はルシフェ
ラーゼの発現(pg/筋肉)を示す。横軸は化合物2/DNA比(nmol/μ
gDNA)を示す。
【0101】 実施例 A\材料と方法 a)材料 ・スペルミジン、スペルミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、フェニレ
ンジアミン、ジアミノアルカン等の出発ポリアミンは市販品でもよいし、(例え
ば市販アミンをシアノエチル化して分枝鎖ポリアミンを得ることにより)慣用方
法により合成してもよい。
【0102】 ・例えばトリエチルアミン、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジ
メチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、クロロギ
酸ベンジル、11−ブロモウンデカノール等の多数の化合物は市販品である。
【0103】 ・アンバーライトIR120は市販イオン交換樹脂である(BDHカタログ)
【0104】 ・ジメチルスルホキシド(DMSO)は水酸化カリウムで予め処理し、水素化
カルシウムで蒸留した後、4Åモレキュラーシーブで保存した。
【0105】 ・ジクロロメタンは五酸化リンで蒸留した後、4Åモレキュラーシーブで保存
した。
【0106】 ・テトラヒドロフラン(THF)はベンゾフェノンの存在下にナトリウムで蒸
留した。
【0107】 ・無水条件を必要とする反応では、全ガラス器具を窒素流下に火炎乾燥した。
【0108】 b)方法 −分光分析 核磁気共鳴(NMR)スペクトルはスペクトロメーターBrucker MS
L30でプロトン300MHz、炭素75MHzの波長で記録した。全化学シフ
トはテトラメチルシラン(TMS)の周波数又は溶媒に対するppmとして報告
する。スペクトルはTMS又は内部標準として溶媒の残留シグナルを使用するこ
とにより記録した。シグナルの多重度は以下の略号で表す。s(一重項)、d(
二重項)、t(三重項)、q(四重項)及びm(多重項)。
【0109】 −クロマトグラフィー法 ・反応速度は蛍光インジケーターを含むシリカゲル(Merck Silic
agel 60 F254)を支持体として用いて薄層クロマトグラフィー(T
LC)により追跡した。クロマトグラムはアニスアルデヒドのアルコール溶液噴
霧により展開した。
【0110】 ・全カラムクロマトグラフィーは固定相としてシリカゲル60(0.05〜0
.02mm)を使用して圧縮空気加圧下に実施した。使用した移動相は合成の型
により異なる(中圧クロマトグラフィー)。
【0111】 ・HPLC(高性能液体クロマトグラフィー)分析はApplied Bio
systemから市販されているC4型分析カラム(長さ3cm及び直径0.4
6cmのステンレス鋼製“Brownlee Columns”)と220nm
検出器“Waters 486”を備えるWaters LC4000装置で実
施した。固定相は7ミクロンブチルアクアポアとし、移動相はトリフルオロ酢酸
(2.5cm)を加えた脱イオン水(2500cm)又はアセトニトリル(
2500cm)とした。流速は1ml/分とした。
【0112】 B\トランスフェクション剤の合成 実施例1:(3−[4−(3−アミノプロピルアミノ)ブチルアミノ]メチレ
ンカルバモイル)−15−ペンタデカニル−16−オクタデシルα−D−マンノ
ピラノシド(化合物1)の合成 a)3−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピル−ter
t−ブトキシカルボニルアミノ)ブチル−tert−ブトキシカルボニルアミノ
]酢酸(FRM375)の合成 スペルミン(5g;24.96mmol)のメタノール(125ml)溶液に
シアノホウ水素化ナトリウムNaBHCN(0.548g;8.74mmol
)を加えた。次に、溶液を激しく撹拌した。等圧フラスコによりグリオキシル酸
(2.34g;25.46mmol)のメタノール(80ml)溶液を100分
間加えた。一晩後、テトラヒドロフラン(55ml)に可溶化したトリエチルア
ミン(3.86ml;27.71mmol)とジ−tert−ブチルジカーボネ
ート(27.67g;129.79mmol)を混合物に加えた。一晩後、ロー
タリーエバポレーターで濃縮した後、酢酸エチル(63ml)にとり、硫酸水素
カリウムとブラインで洗浄した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した
。得られた生成物をクロマトグラフィー(CHCl/MeOH9:1)によ
り精製した。収率は30%であった。
【0113】 H NMR(CDCl):δ(ppm)1.42(s,36H,C(CH ),1.45(m,4H,CH),1.60(m,4H,CH),3
.04−3.33(m,12H,CH),3.91(s,2H,NCHCO
O)。
【0114】 b)メチル15−ヒドロキシペンタデカノエートの合成 メタノール41.60cm中ペンタデカラクトン10g(41.60mmo
l)に2Nナトリウムメチラート6.66cm(13.31mmol)を0℃
で加えた。
【0115】 9時間後に酢酸9.24cmを加え、15分間撹拌した。その後、溶液を減
圧蒸発乾涸し、次いでジクロロメタンにとり、重炭酸ナトリウムで洗浄した。得
られた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒をロータリーエバポレーターで
蒸発させた。ヘキサン/酢酸エチル6:4混合物で精製した。メチル1−オール
ペンタデカノエートが得られた(収率80%)。
【0116】 H NMR(CDCl):δ(ppm)1.26(m,12H,(CH10),1.5−1.6(m,4H,H−2及びH−13),2.30(t,
2H,J=7.60Hz,H−14),3.64(t,1H,J=5.84Hz
,H−1),3.67(s,3H,H−16)。
【0117】 c)メチルペンタデカノエート2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−
D−マンノピラノシドの合成 0℃で塩化錫5.26cm(44,94mmol)をジクロロメタン56c
中ペンタアセチル化マンノース8.72g(22.47mmol)に30分
間加えた。次に、上記a)で得られたメチル1−オールペンタデカノエート7.
34g(26.96mmol)を加えた。2時間後に反応混合物をエチルエーテ
ルで希釈し、リン酸水素ナトリウム(NaHPO)溶液に注入した。水相をジ
エチルエーテルで抽出し、有機相を炭酸ナトリウム溶液、ブラインで順次洗浄し
た後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧蒸発乾涸後に得られた生成物をヘプタ
ン/酢酸エチル7:3混合物で中圧クロマトグラフィーにより精製した。収率は
53%であった。
【0118】 H NMR(CDCl):δ(ppm)1.26(m,20H,(CH10),1.59(m,4H,OCH CH 及びH−13),2.01,2
.05,2.12及び2.17(s,3H,OCOCH ),2.29(t,2
H,J=7.62Hz,H−14),3.40(m,1H,J=7.89Hz,
CH CH),3.66(m,1H,J=7.89Hz,OCH CH
,3.67(s,3H,COOCH ),4.05(ddd,1H,J=9.5
6Hz及び5.57Hz,H−5),4.1(dd,1H,J=5.57Hz及
び12.32Hz,H−6a),4.29(dd,1H,J=5.57Hz及び
12.32Hz,H−6b),4.8(d,1H,J=1.85Hz,H−1)
,5.23(dd,1H,J=1.85Hz及び3.23Hz,H−2),5.
27(dd,1H,J=9.97Hz及び9.56Hz,H−4),5.35(
dd,1H,J=9.97Hz及び3.23Hz,H−3)。
【0119】 d)メチルペンタデカノエートα−D−マンノピラノシドの合成 前段階で得られた生成物3.63g(6.01mmol)をメタノール12c
に溶かし、2Nナトリウムメチラート3cm(6.01mmol)で処理
した。反応が完了したらアンバーライトIR120(1当量/容量)で中和し、
濾過し、減圧蒸発乾涸した。
【0120】 H NMR(CDCl):δ(ppm)1.28(m,20H,(CH10),1.59(m,4H,OCH CH 及びH−13),2.34(t
,2H,J=7.62Hz,H−14),3.41(m,1H,J=6.71H
z,OCH CH),3.74(m,1H,J=6.71Hz,OCH CH ),3.67(s,3H,CH OCO),3.5−3.82(m,6H,H
−2,H−3,H−4,H−5及びH−6),4.75(d,1H,J=1.8
2Hz,H−1)。
【0121】 e)メチルペンタデカノエート2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−α−
D−マンノピラノシドの合成 前段階d)で得られた生成物2g(4.56mmol)を無水ジメチルホルム
アミド(DMF)20cmに溶かし、ヨウ化カリウム4.54g(27.36
mmol)、60%水素化ナトリウム1.09g(27.36mmol)及び臭
化ベンジル3.25cm(27.36mmol)を順次加えた。12時間後に
飽和塩化アンモニウム溶液18.24cmを加え、10分間撹拌した。次に水
洗し、有機相を酢酸エチルで抽出した。次に、これを水とブラインで洗浄し、最
後に硫酸マグネシウムで乾燥した。更に飽和チオ硫酸ナトリウム溶液で追加洗浄
し、ヨウ化物イオンを除去した。減圧蒸発し、得られた油状物をヘプタン/酢酸
エチル9:1混合物で精製した。生成物は収率60%で得られた。
【0122】 H NMR(CDCl):δ(ppm)1.28(m,20H,(CH10),1.49(m,2H,OCH CH ),1.59(m,2H,H−
13),2.31(t,2H,J=7.62Hz,H−14),3.34(m,
1H,J=6.71Hz,OCH CH),3.63(m,1H,J=6.7
1Hz,OCH CH),3.67(s,3H,CH OCO),3.75(
m,1H,J=8.97Hz及び6.21Hz,H−5),3.78(s,2H
CH Phe),3.90(dd,1H,J=6.2Hz及びJ=11.82
Hz,H−6a),3.97(dd,1H,J=6.21Hz及びJ=11.8
2Hz,H−6b),4.07(s,2H,CH Phe),4.52(dd,
J=2.91Hz及び7.83Hz,H−3),4.57(s,2H,CH
he),4.63(s,2H,CH Phe),4.69(dd,1H,J=2
.52Hz及び2.91Hz,H−2),4.74(1H,J=2.52Hz,
H−1),4.85(dd,1H,J=7.83Hz及び8.97Hz,H−4
),7.35(m,20H,Phe)。
【0123】 f)ペンタデカン酸2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−α−D−マンノ
ピラノシドの合成 前段階e)で得られた生成物0.50g(0.73mmol)をメタノール7
cmに溶かし、これに25%水酸化ナトリウム溶液4.68cmを加えた。
反応混合物を30分間加熱還流した。次に、混合物を5%塩酸溶液で低温中和し
た。有機相を酢酸エチルで抽出し、減圧蒸発乾涸した。ヘプタン/酢酸エチル4
:6混合物で精製した。生成物は収率62%で得られた。
【0124】 H NMR(CDCl):δ(ppm)1.28(m,20H,(CH10),1.49(m,4H,OCH CH ),1.59(m,2H,H−
13),2.34(t,2H,J=7.62Hz,H−14),3.34(m,
1H,J=6.71Hz,OCH CH),3.63(m,1H,J=6.7
1Hz,OCH CH),3.75(m,1H,J=8.97Hz及び6.2
1Hz,H−5),3.78(s,2H,CH Phe),3.90(dd,1
H,J=6.2Hz及びJ=11.82Hz,H−6a),3.97(dd,1
H,J=6.21Hz及びJ=11.82Hz,H−6b),4.07(s,2
H,CH Phe),4.52(dd,J=2.91Hz及び7.83Hz,H
−3),4.57(s,2H,CH Phe),4.63(s,2H,CH
he),4.69(dd,1H,J=2.52Hz及び2.91Hz,H−2)
,4.74(1H,J=2.52Hz,H−1),4.85(dd,1H,J=
7.83Hz及び8.97Hz,H−4),7.35(m,20H,Phe)。
【0125】 g)N−オクタデシル−15−カルバモイルペンタデカニル2,3,4,6−
テトラ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシドの合成 前段階f)で得られた生成物0.29g(0.37mmol)をクロロホルム
5cmに溶かした溶液にBOP0.23g(0.52mmol)、ジイソプロ
ピルエチルアミン0.21cm(1.48mmol)及びオクタデシルアミン
0.12g(0.44mol)を順次加えた。反応が完了したら、ジクロロメタ
ンで希釈し、水洗した。次に、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧蒸発乾涸した。
得られた生成物をヘプタン/酢酸エチル6:4混合物で中圧クロマトグラフィー
により精製した。生成物は収率98%で得られた。
【0126】 H NMR(CDCl):δ(ppm)0.88(t,3H,J=6.3
6Hz,H−33),1.27(m,50H,(CH25),1.47(m
,4H,OCH CH 及びH−17),1.58(m,2H,H−13),2
.13(t,2H,J=7.92Hz,H−14),3.23(m,1H,H−
16),3.34(m,1H,J=6.71Hz,OCH CH),3.63
(m,1H,J=6.71Hz,OCH CH),3.75(m,1H,J=
8.97Hz及び6.21Hz,H−5),3.78(s,2H,CH Phe
),3.90(dd,1H,J=6.2Hz及びJ=11.82Hz,H−6a
),3.97(dd,1H,J=6.21Hz及びJ=11.82Hz,H−6
b),4.07(s,2H,CH Phe),4.52(dd,J=2.91H
z及び7.83Hz,H−3),4.57(s,2H,CH Phe),4.6
3(s,2H,CH Phe),4.69(dd,1H,J=2.52Hz及び
2.91Hz,H−2),4.74(1H,J=2.52Hz,H−1),4.
85(dd,1H,J=7.83Hz及び8.97Hz,H−4),5.37(
バンド,1H,HNCO),7.35(m,20H,Phe)。
【0127】 h)15−オクタデシルアミノペンタデカニル2,3,4,6−テトラ−O−
ベンジル−α−D−マンノピラノシドの合成 前段階g)で得られた生成物0.77g(0.75mmol)を無水テトラヒ
ドロフラン(THF)15cmに溶かし、これに水素化リチウムアルミニウム
AlLiH0.056g(1.50mmol)を加えた。10分間加熱還流し
た。次に、反応混合物を氷浴で冷却し、水56μl、次いで10分後に2N水酸
化ナトリウム112μlを加え、更に10分後に再び水56μlを加えた。濾過
し、減圧蒸発乾涸した。得られた生成物をジクロロメタン/メタノール/28%
アンモニア9:2:0.5混合物で精製した。生成物は収率86%で得られた。
【0128】 H NMR(CDCl):δ(ppm)0.88(t,3H,J=6.3
6Hz,H−33),1.27(m,50H,(CH25),1.4−1.
6(m,9H,OCH CH ,H−17,H−14,H−17及びNH),2
.57(t,4H,J=7.92Hz,H−15及びH−16),3.34(m
,1H,J=6.71Hz,OCH CH),3.63(m,1H,J=6.
71Hz,OCH CH),3.75(m,1H,J=8.97Hz及び6.
21Hz,H−5),3.78(s,2H,CH Phe),3.90(dd,
1H,J=6.2Hz及びJ=11.82Hz,H−6a),3.97(dd,
1H,J=6.21Hz及びJ=11.82Hz,H−6b),4.07(s,
2H,CH Phe),4.52(dd,J=2.91Hz及び7.83Hz,
H−3),4.57(s,2H,CH Phe),4.63(s,2H,CH Phe),4.69(dd,1H,J=2.52Hz及び2.91Hz,H−2
),4.74(1H,J=2.52Hz,H−1),4.85(dd,1H,J
=7.83Hz及び8.97Hz,H−4),7.35(m,20H,Phe)
【0129】 i)(3−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピル−te
rt−ブトキシカルボニルアミノ)ブチル−tert−ブトキシカルボニルアミ
ノ]メチレンカルバモイル)−15−ペンタデカニル−16−オクタデシル2,
3,4,6−テトラ−O−ベンジル−α−D−マンノピラノシドの合成 前段階h)で得られた生成物0.63g(0.61mmol)をクロロホルム
10cmに溶かした溶液にBOP0.38g(0.85mmol)、ジイソプ
ロピルエチルアミン0.425cm(2.44mmol)及び段階a)で得ら
れた(3−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピル−ter
t−ブトキシカルボニルアミノ)ブチル−tert−ブトキシカルボニルアミノ
]酢酸(FRM375)0.48g(0.73mmol)を順次加えた。4時間
後にジクロロメタンで希釈し、水洗した。硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧蒸発
乾涸した。得られた生成物をヘプタン/酢酸エチル6:4混合物で中圧クロマト
グラフィーにより精製した。生成物は収率80%で得られた。
【0130】 H NMR(CDCl):δ(ppm)0.88(t,3H,J=6.3
6Hz,H−33),1.27(m,50H,(CH25),1.4−1.
6(m,17H,OCH CH ,H−17,H−14,H−17,H−37,
H−40,H−41及びH−44),1.46(m,36H,Boc),2.8
−2.9(m,6H,H−15,H−16及びH−35),3.09−3.33
(m,12H,H−36,H−38,H−39,H−42,H−43及びH−4
5),3.34(m,1H,J=6.71Hz,OCH CH),3.63(
m,1H,J=6.71Hz,OCH CH),3.75(m,1H,J=8
.97Hz及び6.21Hz,H−5),3.78(s,2H,CH Phe)
,3.90(dd,1H,J=6.2Hz及びJ=11.82Hz,H−6a)
,3.97(dd,1H,J=6.21Hz及びJ=11.82Hz,H−6b
),4.07(s,2H,CH Phe),4.52(dd,J=2.91Hz
及び7.83Hz,H−3),4.57(s,2H,CH Phe),4.63
(s,2H,CH Phe),4.69(dd,1H,J=2.52Hz及び2
.91Hz,H−2),4.74(1H,J=2.52Hz,H−1),4.8
5(dd,1H,J=7.83Hz及び8.97Hz,H−4),7.35(m
,18H,Phe)。
【0131】 j)(3−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピル−te
rt−ブトキシカルボニルアミノ)ブチル−tert−ブトキシカルボニルアミ
ノ]メチレンカルバモイル)−15−ペンタデカニル−16−オクタデシルα−
D−マンノピラノシドの合成 前段階i)で得られた生成物0.63g(0.38mmol)をメタノール5
cmに溶かし、これに炭素担持10%パラジウム(0.027g)を加えた。
溶液を周囲温度で水素加圧下に撹拌した。6時間後に濾過後、減圧蒸発乾涸した
。反応は定量的であった。
【0132】 H NMR(CDOD):δ(ppm)0.88(t,3H,J=6.3
6Hz,H−33),1.27(m,50H,(CH25),1.4−1.
6(m,17H,OCH CH ,H−17,H−14,H−17,H−37,
H−40,H−41及びH−44),1.46(m,36H,Boc),2.8
−2.9(m,6H,H−15,H−16及びH−35),3.09−3.33
(m,12H,H−36,H−38,H−39,H−42,H−43及びH−4
5),3.34(m,1H,J=6.71Hz,OCH CH),3.5−3
.82(m,6H,H−2,H−3,H−4,H−5及びH−6),3.63(
m,1H,J=6.71Hz,OCH CH),4.72(1H,J=2.5
2Hz,H−1)。
【0133】 k)(3−[4−(3−アミノプロピルアミノ)ブチルアミノ]メチレンカル
バモイル)−15−ペンタデカニル−16−オクタデシルα−D−マンノピラノ
シド(化合物1)の合成 前段階j)で得られた生成物0.37g(0.28mmol)に希テトラヒド
ロフラン(TFA)21.50cmを加えた。1時間後に反応混合物を低温濃
縮し、凍結乾燥した。「材料と方法」の部に記載したようにHPLCによりメタ
ノール溶液中の生成物の純度を確認した。
【0134】 H NMR(CDOD):δ(ppm)0.88(t,3H,J=6.3
6Hz,H−33),1.27(m,14H,(CH25),1.4−1.
6(m,17H,OCH CH ,H−17,H−14,H−17,H−37,
H−40,H−41及びH−44),2.8−2.9(m,6H,H−15,H
−16及びH−35),2.92(m,2H,H−45),2.92−3.17
(m,12H,H−36,H−38,H−39,H−42,H−43),3.3
4(m,1H,J=6.71Hz,OCH CH),3.5−3.82(m,
6H,H−2,H−3,H−4,H−5及びH−6),3.63(m,1H,J
=6.71Hz,OCH CH),4.72(1H,J=2.02Hz,H−
1)。
【0135】 実施例2:(3−[4−(3−アミノプロピルアミノ)ブチルアミノ]メチレ
ンカルバモイル)−15−ペンタデカニル−16−オクタデシル6−デオキシ−
α−L−マンノピラノシド(化合物2)の合成 a)3−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピル−ter
t−ブトキシカルボニルアミノ)ブチル−tert−ブトキシカルボニルアミノ
]酢酸(FRM375)の合成 スペルミン(5g;24.96mmol)のメタノール(125ml)溶液に
シアノホウ水素化ナトリウムNaBHCN(0.548g;8.74mmol
)を加えた。次に、溶液を激しく撹拌した。等圧フラスコによりグリオキシル酸
(2.34g;25.46mmol)のメタノール(80ml)溶液を100分
間加えた。一晩後、テトラヒドロフラン(55ml)に可溶化したトリエチルア
ミン(3.86ml;27.71mmol)とジ−tert−ブチルジカーボネ
ート(27.67g;129.79mmol)を混合物に加えた。一晩後、ロー
タリーエバポレーターで濃縮した後、酢酸エチル(63ml)にとり、硫酸水素
カリウムとブラインで洗浄した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した
。得られた生成物をクロマトグラフィー(CHCl/MeOH9:1)によ
り精製した。収率は30%であった。
【0136】 H NMR(CDCl):δ(ppm)1.42(s,36H,C(CH ),1.45(m,4H,CH),1.60(m,4H,CH),3
.04−3.33(m,12H,CH),3.91(s,2H,NCHCO
O)。
【0137】 b)メチル15−ヒドロキシペンタデカノエートの合成 メタノール41.60cm中ペンタデカラクトン10g(41.60mmo
l)に2Nナトリウムメチラート6.66cm(13.31mmol)を0℃
で加えた。9時間後に酢酸9.24cmを加え、15分間撹拌した。その後、
溶液を減圧蒸発乾涸し、次いでジクロロメタンにとり、重炭酸ナトリウムで洗浄
した。得られた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒をロータリーエバポレ
ーターで蒸発させた。ヘキサン/酢酸エチル6:4混合物で精製した。メチル1
−オールペンタデカノエートが得られた(収率80%)。
【0138】 H NMR(CDCl):δ(ppm)1.26(m,12H,(CH10),1.5−1.6(m,4H,H−2及びH−13),2.30(t,
2H,J=7.60Hz,H−14),3.64(t,1H,J=5.84Hz
,H−1),3.67(s,3H,H−16)。
【0139】 c)メチルペンタデカノエート2,3,4−トリ−O−アセチル−6−デオキ
シ−α−L−マンノピラノシドの合成 0℃で塩化錫2.49cm(21.30mmol)をジクロロメタン27c
中テトラアセチル化ラムノース3.55g(10.65mmol)に30分
間加えた。次に、上記で得られたメチル1−オールペンタデカノエート3.48
g(12.78mmol)を加えた。2時間後に反応混合物をエチルエーテルで
希釈し、リン酸ナトリウム(NaPO)溶液に注入した。水相をジエチルエ
ーテルで抽出し、有機相を炭酸ナトリウム溶液、ブラインで順次洗浄した後、硫
酸マグネシウムで乾燥した。減圧蒸発乾涸後にヘプタン/酢酸エチル7:3混合
物で中圧クロマトグラフィーにより精製した。生成物は収率60%で得られた。
【0140】 H NMR(CDCl):δ(ppm)1.20(d,3H,J=6.4
5Hz,H−6),1.26(m,20H,(CH10),1.59(m,
4H,OCH CH 及びH−13),1.98,2.04及び2.16(s,
3H,OCOCH ),2.29(t,2H,J=7.62Hz,H−14),
3.40(m,1H,J=6.71Hz,OCH CH),3.66(m,1
H,J=6.71Hz,OCH CH),3.67(s,3H,COOCH ),3.88(m,1H,J=6.45及び9.97Hz,H−5),4.70
(d,1H,J=1.72Hz,H−1),5.06(dd,1H,J=9.9
7Hz及び9.97Hz,H−4),5.22(dd,1H,J=1.72Hz
及び3.52Hz,H−2),5.30(dd,1H,J=3.52Hz及び9
.97Hz,H−3)。
【0141】 d)メチルペンタデカノエートα−デオキシ−L−6−マンノピラノシドエー
トの合成 段階c)で得られた生成物5.08g(9.34mmol)をメタノール20
cmに溶かし、2Nナトリウムメチラート9.34ml(18.68mmol
)で処理した。反応が完了したら、反応混合物をアンバーライトIR120で中
和し、濾過し、減圧蒸発乾涸した。
【0142】 H NMR(CDCl):δ(ppm)1.20(d,3H,J=6.4
5Hz,H−6),1.26(m,20H,(CH10),1.59(m,
4H,OCH CH 及びH−13),2.29(t,2H,J=7.62Hz
,H−14),3.40(m,1H,J=6.71Hz,OCH CH),3
.66(m,1H,J=6.71Hz,OCH CH),3.67(s,3H
CH OCO),3.6−3.9(m,4H,H−2,H−3,H−4及びH
−5),4.70(d,1H,J=1.72Hz,H−1)。
【0143】 e)メチルペンタデカノエート2,3,4−トリ−O−ベンジル−6―デオキ
シ―α−L−マンノピラノシドの合成 前段階d)で得られた生成物2.09g(5.00mmol)を無水ジメチル
ホルムアミド(DMF)30cmに溶かし、ヨウ化カリウム3.32g(20
.00mmol)、60%水素化ナトリウム0.80g(20.00mmol)
及び臭化ベンジル2.38cm(20.00mmol)を順次加えた。12時
間後に飽和塩化アンモニウム溶液20cmを加え、10分間撹拌した。次に水
で希釈し、有機相を酢酸エチルで抽出した。次に水とブラインで洗浄した後、硫
酸マグネシウムで乾燥した。
【0144】 更に飽和チオ硫酸ナトリウム溶液で追加洗浄し、ヨウ化物イオンを除去した。
減圧蒸発乾涸し、得られた油状物をヘプタン/酢酸エチル9:1混合物で精製し
た。生成物は収率60%で得られた。
【0145】 H NMR(CDCl):δ(ppm)1.28(m,20H,(CH10),1.33(d,3H,J=6.21Hz,H−6),1.59(m,
4H,OCH CH 及びH−13),2.31(t,2H,J=7.62Hz
,H−14),3.40(m,1H,J=6.71Hz,OCH CH),3
.61(dd,1H,J=8.96Hz及び9.5Hz,H−4),3.66(
m,1H,J=6.71Hz,OCH CH),3.67(s,3H,CH OCO),3.68(m,1H,J=9.5Hz及び6.21Hz,H−5),
3.75(dd,1H,J=2.01Hz及び3.02Hz,H−2),3.8
8(dd,J=3.02Hz及び8.96Hz,H−3),4.64(s,6H
CH Phe),4.73(1H,J=2.01Hz,H−1),7.35(
m,15H,Phe)。
【0146】 f)ペンタデカン酸2,3,4−トリ−O−ベンジル−6―デオキシ―α−L
−マンノピラノシドの合成 前段階e)で得られた生成物0.50g(0.73mmol)をメタノール7
cmに溶かし、25%水酸化ナトリウム4.68mlを加えた。反応混合物を
30分間加熱還流した。次に、混合物を5%塩酸溶液で低温中和した。有機相を
酢酸エチルで抽出し、減圧蒸発乾涸した。ヘプタン/酢酸エチル4:6混合物で
精製した。生成物は収率72%で得られた。
【0147】 H NMR(CDCl):δ(ppm)1.28(m,20H,(CH10),1.33(d,3H,J=6.21Hz,H−6),1.59(m,
4H,OCH CH 及びH−13),2.34(t,2H,J=7.62Hz
,H−14),3.40(m,1H,J=6.71Hz,OCH CH),3
.61(dd,1H,J=8.96Hz及び9.5Hz,H−4),3.66(
m,1H,J=6.71Hz,OCH CH),3.68(m,1H,J=9
.5Hz及び6.21Hz,H−5),3.75(dd,1H,J=2.01H
z及び3.02Hz,H−2),3.88(dd,J=3.02Hz及び8.9
6Hz,H−3),4.64(s,6H,CH Phe),4.73(1H,J
=2.01Hz,H−1),7.35(m,20H,Phe)。
【0148】 g)N−オクタデシル−15−カルバモイルペンタデカニル2,3,4−トリ
−O−ベンジル−6−デオキシ−α−L−マンノピラノシドの合成 前段階f)で得られた生成物0.70g(1.04mmol)をクロロホルム
13cmに溶かした溶液にBOP0.69g(1.56mmol)、ジイソプ
ロピルエチルアミン0.72cm(4.16mmol)及びオクタデシルアミ
ン0.34g(1.25mmol)を順次加えた。反応が完了したら、ジクロロ
メタンで希釈し、水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧蒸発乾涸した。得ら
れた生成物をヘプタン/酢酸エチル6:4混合物で中圧クロマトグラフィーによ
り精製した。生成物は収率84%で得られた。
【0149】 H NMR(CDCl):δ(ppm)0.88(t,3H,J=6.3
6Hz,H−33),1.27(m,50H,(CH25),1.33(d
,3H,J=6.21Hz,H−6),1.47(m,4H,OCH CH
びH−17),1.58(m,2H,H−13),2.13(t,2H,J=7
.92Hz,H−14),3.23(m,2H,H−16),3.40(m,1
H,J=6.71Hz,OCH CH),3.61(dd,1H,J=8.9
6Hz及び9.5Hz,H−4),3.66(m,1H,J=6.71Hz,O CH CH),3.68(m,1H,J=9.5Hz及び6.21Hz,H−
5),3.75(dd,1H,J=2.01Hz及び3.02Hz,H−2),
3.88(dd,J=3.02Hz及び8.96Hz,H−3),4.64(s
,6H,CH Phe),4.73(1H,J=2.01Hz,H−1),5.
37(バンド,1H,HNCO),7.35(m,15H,Phe)。
【0150】 h)15−オクタデシルアミノペンタデカニル2,3,4−トリ−O−ベンジ
ル−6−デオキシ−α−L−マンノピラノシドの合成 前段階g)で得られた生成物0.81g(0.86mmol)を無水テトラヒ
ドロフラン(THF)15cmに溶かし、水素化リチウムアルミニウムAlL
iH0.065g(1.72mmol)を加え、10分間加熱還流した。次に
、反応混合物を氷浴で冷却し、水65μl、次いで10分後に2N水酸化ナトリ
ウム130μlを加え、更に10分後に再び水65μlを加えた。濾過し、減圧
蒸発乾涸した。ジクロロメタン/メタノール/28%アンモニア9:2:0.5
混合物で精製した。生成物は収率93%で得られた。
【0151】 H NMR(CDCl):δ(ppm)0.88(t,3H,J=6.3
6Hz,H−33),1.27(m,50H,(CH25),1.33(d
,3H,J=6.21Hz,H−6),1.4−1.6(m,9H,OCH ,H−17,H−14,H−17及びNH),2.57(t,4H,J=7
.92Hz,H−15及びH−16),3.40(m,1H,J=6.71Hz
,OCH CH),3.61(dd,1H,J=8.96Hz及び9.5Hz
,H−4),3.66(m,1H,J=6.71Hz,OCH CH),3.
68(m,1H,J=9.5Hz及び6.21Hz,H−5),3.75(dd
,1H,J=2.01Hz及び3.02Hz,H−2),3.88(dd,J=
3.02Hz及び8.96Hz,H−3),4.64(s,6H,CH Phe
),4.73(1H,J=2.01Hz,H−1),7.35(m,15H,P
he)。
【0152】 i)(3−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピル−te
rt−ブトキシカルボニルアミノ)ブチル−tert−ブトキシカルボニルアミ
ノ]メチレンカルバモイル)−15−ペンタデカニル−16−オクタデシル2,
3,4−トリ−O−ベンジル−6−デオキシ−α−L−マンノピラノシドの合成 前段階h)で得られた生成物0.78g(0.86mmol)をクロロホルム
7cmに溶かした溶液にBOP0.53g(1.20mmol)、ジイソプロ
ピルエチルアミン0.30cm(1.72mmol)及び段階a)で得られた
FRM375 0.62g(0.95mmol)を順次加えた。4時間後にジク
ロロメタンで希釈し、水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧蒸発乾涸した。
得られた生成物をヘプタン/酢酸エチル6:4混合物で「フラッシュ」クロマト
グラフィーにより精製した。生成物は収率72%で得られた。
【0153】 H NMR(CDCl):δ(ppm)0.88(t,3H,J=6.3
6Hz,H−33),1.27(m,50H,(CH25),1.33(d
,3H,J=6.21Hz,H−6),1.4−1.6(m,17H,OCH CH ,H−17,H−14,H−17,H−37,H−40,H−41及びH
−44),1.46(m,36H,Boc),2.8−2.9(m,6H,H−
15,H−16及びH−35),3.09−3.33(m,12H,H−36,
H−38,H−39,H−42,H−43及びH−45),3.40(m,1H
,J=6.71Hz,OCH CH),3.65(s,2H,CH Phe)
,3.66(m,1H,J=6.71Hz,OCH CH),3.68(m,
1H,J=9.5Hz及び6.21Hz,H−5),3.99(s,2H,CH Phe),4.02(dd,1H,J=8.96Hz及び9.5Hz,H−4
),4.32(s,2H,CH Phe),4.57(dd,1H,J=2.0
1Hz及び3.02Hz,H−2),4.73(1H,J=2.01Hz,H−
1),4.82(dd,J=3.02Hz及び8.96Hz,H−3),7.3
5(m,18H,Phe)。
【0154】 j)(3−[4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノプロピル−te
rt−ブトキシカルボニルアミノ)ブチル−tert−ブトキシカルボニルアミ
ノ]メチレンカルバモイル)−15−ペンタデカニル−16−オクタデシル6−
デオキシ−α−L−マンノピラノシドの合成 前段階i)で得られた生成物0.74g(0.48mmol)をメタノール1
0cmに溶かし、炭素担持10%パラジウム(0.034g)を加えた。溶液
を周囲温度で水素加圧下に撹拌した。4時間後に濾過後、減圧蒸発乾涸した。反
応は定量的であった。
【0155】 H NMR(CDOD):δ(ppm)0.88(t,3H,J=6.3
6Hz,H−33),1.20(d,3H,J=6.45Hz,H−6),1.
27(m,14H,(CH25),1.4−1.6(m,17H,OCH CH ,H−17,H−14,H−17,H−37,H−40,H−41及びH
−44),1.46(m,36H,Boc),2.8−2.9(m,6H,H−
15,H−16及びH−35),3.09−3.33(m,12H,H−36,
H−38,H−39,H−42,H−43及びH−45),3.40(m,1H
,J=6.71Hz,OCH CH),3.66(m,1H,J=6.71H
z,OCH CH),3.6−3.9(m,4H,H−2,H−3,H−4及
びH−5),4.73(1H,J=2.01Hz,H−1)。
【0156】 k)(3−[4−(3−アミノプロピルアミノ)ブチルアミノ]メチレンカル
バモイル)−15−ペンタデカニル−16−オクタデシル6−デオキシ−α−L
−マンノピラノシド(化合物2)の合成 前段階j)で得られた生成物0.40g(0.31mmol)に希テトラヒド
ロフラン(TFA)24cmを加えた。1時間後に反応混合物を凍結乾燥した
後、凍結乾燥した。メタノール溶液中の生成物の純度をHPLCにより確認した
【0157】 H NMR(CDOD):δ(ppm)0.88(t,3H,J=6.3
6Hz,H−33),1.20(d,3H,J=6.45Hz,H−6‘),1
.27(m,14H,(CH25),1.4−1.6(m,17H,OCH CH ,H−17,H−14,H−17,H−37,H−40,H−41及び
H−44),2.8−2.9(m,6H,H−15,H−16及びH−35),
2.92(m,2H,H−45),2.92−3.17(m,12H,H−36
,H−38,H−39,H−42,H−43),3.40(m,1H,J=6.
71Hz,OCH CH),3.66(m,1H,J=6.71Hz,OCH CH),3.6−3.9(m,4H,H−2,H−3,H−4及びH−5)
,4.73(1H,J=2.01Hz,H−1)。
【0158】 実施例3:1−[−(3−[4−(3−アミノプロピルアミノ)ブチルアミノ
プロピルアミノ]メチレンカルバモイル)−15−ペンタデカニル−16−オク
タデカニル6−デオキシ―β―L−ガラクトピラノシド(化合物3)の合成 a){3−[4−(3−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピルベンジルオ
キシカルボニルアミノ)ブチルベンジルオキシカルボニルアミノ]プロピルアミ
ノ}酢酸の合成 スペルミン(10g;49.91mmol)のメタノール(200ml)溶液
にシアノホウ水素化ナトリウムNaBHCN(1.10g;17.47mmo
l)を加えた。次に、溶液を激しく撹拌した。等圧フラスコによりグリオキシル
酸(4.59g;49.91mmol)のメタノール(120ml)溶液を10
0分間加えた。一晩後、反応混合物を氷浴に入れ、2N水酸化ナトリウム(34
ml)及びクロロギ酸ベンジル(14.25ml;99.82mmol)を10
回に分けて順次加えた。浴を5℃〜10℃に維持しながら激しく混合した。周囲
温度で2時間後に混合物をエーテルで抽出し、5N塩酸溶液で中和した。次に、
有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。得
られた生成物をクロマトグラフィー(100%CHCl次いでCHCl /MeOH9:1)により精製した。収率は52%であった。
【0159】 H NMR(CDCl):δ(ppm)1.28(s,4H,CH),
1.60(m,4H,CH),3.04−3.33(m,12H,CH),
3.49(s,2H,NCHCOO),5.07(s,8H,CH),7.
27(m,20H,Phe)。
【0160】 b)メチル15−ヒドロキシペンタデカノエートの合成 メタノール(41.6ml)中ペンタデカラクトン(10g;41.6mmo
l)を0℃で2Nナトリウムメチラート(6.656ml;13.31mmol
)で処理した。9時間後に酢酸9.24mlを加え、15分間撹拌した。その後
、溶液を濃縮し、得られた油状物をジクロロメタンに溶かし、重炭酸ナトリウム
で洗浄した。デカント後、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。ヘ
キサン/酢酸エチル(AcOEt)6:4混合物で精製すると、メチル15−ヒ
ドロキシペンタデカノエートが得られた(収率80%)。
【0161】 H NMR(CDCl):δ(ppm)1.29(m,20H,(CH10),1.5−1.6(m,4H,H−2及びH−13),2.30(t,
2H,J=7.60Hz,H−14),3.64(t,1H,J=5.84Hz
,H−1),3.67(s,3H,H−16)。
【0162】 c)N−オクタデシル−15−ヒドロキシペンタデカナミドの合成 前段階b)で得られたメチル15−ヒドロキシペンタデカノエート10g(3
6.85mmol)とオクタデシルアミン19.86g(73.70mmol)
を150℃で減圧溶融させた。24時間後に混合物を冷却し、ジクロロメタンで
希釈した。得られた沈殿をブフナー漏斗で濾過した。次に、得られた固体をメタ
ノールで再結晶させると、N−オクタデシル−15−ヒドロキシペンタデカナミ
ドが得られた(収率100%)。
【0163】 H NMR(CDCl):δ(ppm)0.88(t,3H,J=6.9
6Hz,H−33),1.26(m,54H,(CH27),1.4−1.
6(m,6H,H−2,H−13及びH−17),2.30(t,2H,J=7
.60Hz,H−14),3.25(m,2H,H−16),3.64(t,2
H,J=5.84Hz,H−1),5.39(バンドNHCO)。
【0164】 13C NMR(CDCl):δ(ppm)14.48(C−33),25
.3及び26.3(C−2及びC−13),29.72((CH27)),
36.7及び34.8(C−14及びC−16),63.6(C−1),174
.31(CO)。
【0165】 d)15−オクタデシルアミノペンタデカノールの合成 前段階c)で得られたN−オクタデシル−15−ヒドロキシペンタデカナミド
20g(39.22mmol)の無水テトラヒドロフラン(250ml)溶液に
水素化アルミニウムリチウムLiAlH2.98g(78.44mmol)を
加えた。反応体を10時間還流させた。反応混合物を冷却後、水(2.98ml
)と2N水酸化ナトリウム(2.98ml)を順次加えた。10分後に水(2.
98ml)を再び加えた。形成された沈殿をブフナー漏斗で濾過し、濾液をロー
タリーエバポレーターで濃縮すると、15−オクタデシルアミドペンタデカノー
ルが得られた。
【0166】 H NMR(CDCl):δ(ppm)0.88(t,3H,J=6.9
6Hz,H−33),1.26(m,54H,(CH27),1.43−1
.59(m,7H,H−2,H−14,H−17及びバンドNH),1.5−1
.6(m,4H,H−2及びH−13),2.60(t,4H,J=6.50H
z,H−15及びH−16),3.64(t,2H,J=5.84Hz,H−1
)。
【0167】 13C NMR(CDCl):δ(ppm)14.48(C−33),25
.3及び26.3(C−2及びC−14),29.72((CH27)),
51.7(C−15及びC−16),63.6(C−1)。
【0168】 e)N−[ベンジルオキシカルボニル]−15−オクタデシルアミノペンタデ
カノールの合成 前段階d)で得られた15−オクタデシルアミノペンタデカノール(13.7
1g;27.63mmol)とトリエチルアミン(7.7ml;55.26mm
ol)の無水ジクロロメタン(150ml)溶液を0℃に冷却し、クロロギ酸ベ
ンジル7.89ml(55.26mmol)を滴下した。10分後に混合物のp
Hを確認した。次に、反応混合物を一晩かけて周囲温度にした。次に、溶液を水
洗し、硫酸マグネシウム(MgSO)で乾燥し、濃縮した。反応混合物をクロ
マトグラフィー(ヘプタン/AcOEt6:4)により精製した。N−[ベンジ
ルオキシカルボニル]−15−オクタデシルアミノペンタデカノールが得られた
(収率70%)。
【0169】 H NMR(CDCl):δ(ppm)0.88(t,3H,J=6.9
6Hz,H−33),1.26(m,54H,(CH27),1.43−1
.59(m,6H,H−2,H−14,H−17),3.20−3.22(m,
4H,H−15及びH−16),3.64(t,2H,J=5.84Hz,H−
1),5.12(s,2H,OCHPhe),7.34(m,5H,Phe)
【0170】 13C NMR(CDCl):δ(ppm)14.48(C−33),25
.8,26.9及び31.94(C−2,C−14及びC−17),29.72
((CH27)),47.26−48.04(C−15及びC−16),6
3.08(C−1),66.79(OCH),128.40(Phe)。
【0171】 f)15−[N−(ベンジルオキシカルボニル)オクタデシルアミノ]ペンタ
デカニル2,3,4−トリ−O−アセチル−6−デオキシ−β−L−カラクトピ
ラノシドの合成 テトラアセチル化フコース1.5g(4.52mmol)を無水アセトニトリ
ル(50ml)中で四塩化錫0.634ml(5.42mmol)と30分間反
応させた。次に、前段階e)で得られたN−[ベンジルオキシカルボニル]−1
5−オクタデシルアミノペンタデカノール3.132g(4.97mmol)を
加えた。5時間後に反応混合物を抽出し、得られた生成物をクロマトグラフィー
(ヘプタン/酢酸エチル6:4)により精製した。収率は69%であった。
【0172】 H NMR:δ(ppm)0.87(t,3H,J=6.96Hz,H−3
3),1.2(d,3H,J=6.51Hz,H−6),1.25(m,54H
,(CH27),1.52(m,6H,OCH CH ,H−14及びH−
17),1.95,2.05及び2.15(s,3H,OCOCH ),3.1
4−3.25(m,4H,H−15及びH−16),3.44(m,1H,O CH),3.63(m,1H,OCH CH),3.79(m,1H,
H−5),4.41(d,1H,J=7.98Hz,H−1),4.99(dd
,1H,J=3.52Hz及び10.46Hz,H−3),5.09(s,2H
,OCH Phe),5.16(dd,1H,J=7.98Hz及び10.46
Hz,H−2),5.23(dd,J=3.52Hz及び3.31Hz,H−4
),7.32(m,5H,Phe)。
【0173】 13C NMR(CDCl):δ(ppm)14.68(C−33),17
.31(C−2),20.75(CH COO),27.29(C−6),29
.72((CH27)),25.89−31.98(OCH CH ,C−
14,C−17),47.25−48.04(C−15及びC−16),66.
91(CH Phe),69.63(OCH CH),69.45(C−2)
,70.57(C−5),70.85(C−4),71.44(C−3),96
.25(C−1),128.43(Phe),156.21及び171.30(
CO)。
【0174】 g)15−オクタデシルアミノペンタデカニル2,3,4−トリ−O−アセチ
ル−6−デオキシ−β−L−カラクトピラノシドの合成 前段階f)で得られた15−[N−(ベンジルオキシカルボニル)オクタデシ
ルアミノ]ペンタデカニル2,3,4−トリ−O−アセチル−6−デオキシ−β
−L−カラクトピラノシド(2.72g;4.23mmol)のメタノール(1
00ml)溶液に水素加圧下に活性炭担持10%パラジウム(0.5g)を加え
た。反応は定量的であった。
【0175】 H NMR:δ(ppm)0.87(t,3H,J=6.96Hz,H−3
3),1.2(d,3H,J=6.51Hz,H−6),1.25(m,54H
,(CH27),1.52(m,6H,OCH CH ,H−14及びH−
17),1.88−1.93(バンドNH),1.95,2.05及び2.15
(s,3H,OCOCH ),2.64(m,4H,H−15及びH−16),
3.46(m,1H,OCH CH3),3.63(m,1H,OCH CH ),3.79(m,1H,H−5),4.41(d,1H,J=7.98Hz
,H−1),4.99(dd,1H,J=3.52Hz及び10.46Hz,H
−3),5.16(dd,1H,J=7.98Hz及び10.46Hz,H−2
),5.23(dd,J=3.52Hz及び3.31Hz,H−4)。
【0176】 13C NMR(CDCl):δ(ppm)14.68(C−33),17
.31(C−2),20.75(CH COO),27.29(C−6),29
.72((CH27)),25.89−31.98(OCH CH ,C−
14,C−17),47.75−48.04(C−15及びC−16),69.
63(OCH CH),69.45(C−2),70.57(C−5),70
.85(C−4),71.44(C−3),96.25(C−1),171.3
0(CO)。
【0177】 h)(3−[4−(3−アミノプロピルアミノ)ブチルアミノプロピルベンジ
ルオキシカルボニルアミノ]メチレンカルバモイル)−15−ペンタデカニル−
16−オクタデカニル2,3,4−トリ−O−アセチル−6−デオキシ−β−L
−カラクトピラノシドの合成 前段階g)で得られた化合物0.60g(0.94mmol)のクロロホルム
(15ml)溶液にジイソプロピルアミン(0.491ml;2.82mmol
)、BOP(0.457g;1.03mmol)及び段階a)で得られた{3−
[4−(3−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピルベンジルオキシカルボニ
ルアミノ)ブチルベンジルオキシカルボニルアミノ]プロピルアミノ}酢酸(0
.748g;0.94mmol)を順次加えた。得られた油状物をクロマトグラ
フィー(ヘプタン/酢酸エチル4:6)により精製した。(3−[4−(3−ア
ミノプロピルアミノ)ブチルアミノプロピルベンジルオキシカルボニルアミノ]
メチレンカルバモイル)−15−ペンタデカニル−16−オクタデカニル2,3
,4−トリ−O−アセチル−6−デオキシ−β−L−カラクトピラノシドが得ら
れた (収率45%)。
【0178】 H NMR:δ(ppm)0.87(t,3H,J=6.96Hz,H−3
3),1.2(d,3H,J=6.51Hz,H−6),1.24(m,54H
,(CH27),1.39−1.67(m,15H,OCH CH ,H−
14,H−17,NH,CH),1.95,2.05及び2.15(s,3H
,OCOCH),3.05−3.35(m,18H,H−15,H−16及び CH N),3.43(m,1H,OCH CH),3.67(m,1H,J
=6.74Hz,OCH CH),3.79(m,1H,H−5),4.41
(d,1H,J=7.98Hz,H−1),4.99(dd,1H,J=3.5
2Hz及び10.46Hz,H−3),5.05(s,8H,CH Phe),
5.16(dd,1H,J=7.98Hz及び10.46Hz,H−2),5.
23(dd,J=3.52Hz及び3.31Hz,H−4),5.47(バンド
CONH,1H),7.32(m,20H,Phe)。
【0179】 13C NMR(CDCl):δ(ppm)14.68(C−33),20
.75(CH COO),27.29(C−6‘),29.72((CH )),25.89−31.98(OCH CH ,C−14,C−17及びC
),37.87−46.87(C−15,C−16及びC−N),66.8
4(CH Phe),68.63(OCH CH),69.45(C−2),
70.57(C−5),70.85(C−4),71.44(C−3),96.
25(C−1),128.31(Phe),157.01及び171.30(C
O)。
【0180】 i)1−[−(3−[4−(3−アミノプロピルアミノ)ブチルアミノプロピ
ルベンジルオキシカルボニルアミノ]メチレンカルバモイル)−15−ペンタデ
カニル−16−オクタデカニル6−デオキシ−β−L−カラクトピラノシドの合
成 前段階h)で得られた生成物(0.60g;0.94mmol)を含有するメ
タノール溶液(3ml)に飽和アンモニアメタノール溶液(1ml)を加えた。
1時間後に濃縮した。
【0181】 H NMR:δ(ppm)0.87(t,3H,J=6.96Hz,H−3
3),1.2(d,2H,J=6.51Hz,H−6),1.24(m,54H
,(CH27),1.39−1.67(m,15H,OCH CH ,H−
14,H−17,NH,CH),3.05−3.35(m,18H,H−15
,H−16及びCH N),3.4−3.7(m,6H,OCH CH,H−
3,H−4,H−5,H−2),4.73(d,1H,J=7.98Hz,H−
1),5.05(s,8H,CH Phe),5.47(バンドCONH,1H
),7.32(m,20H,Phe)。
【0182】 j)1−[−(3−[4−(3−アミノプロピルアミノ)ブチルアミノプロピ
ルアミノ]メチレンカルバモイル)−15−ペンタデカニル−16−オクタデカ
ニル6−デオキシ―β―L−ガラクトピラノシド(化合物3)の合成 前段階i)で得られた生成物(0.072g;0.05mmol)の溶液にメ
タノール中炭素担持10%パラジウム(0.032g)を加えた。一晩後にガラ
ス繊維紙で濾過し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。その後、生成物をC
−4型分取カラムでHPLCにより精製した。
【0183】 H NMR:δ(ppm)0.87(t,3H,J=6.96Hz,H−3
3),1.2(d,3H,J=6.51Hz,H−6),1.24(m,54H
,(CH27),1.39−1.67(m,15H,OCH CH ,H−
14,H−17,CH),2.92−3.19(m,18H,H−15,H−
16及びCH N),3.4−3.7(m,6H,OCH CH,H−3,H
−4,H−5,H−2),4.73(d,1H,J=7.98Hz,H−1)。
【0184】 C\本発明の導入剤の使用 実施例4:化合物2を用いた導入剤/核酸複合体の製造及びその寸法測定 本実施例では本発明の導入剤と核酸の複合体を製造し、その後、その寸法を測
定した。
【0185】 本実施例及び以下の実施例で使用した糖脂質は化合物2であり、クロロホルム
に濃度10mg/mlで溶かした。場合により、予め中性補助脂質(コレステロ
ール又はDOPE)を化合物2に混合した。
【0186】 脂質溶液は次のように調製した。所望量の試料を採取し、溶媒をアルゴン流下
に蒸発させ、1時間乾燥させる。次に、5%デキストロースと10mM塩化ナト
リウムを含有する溶液で脂質を4℃で丸一晩再水和する。翌日、脂質溶液を5分
間60℃に加温した後、1分間超音波にかける。脂質粒度が安定するまで操作を
繰り返す。
【0187】 使用したDNAはプラスミドpXL3031(図1)であり、5%デキストロ
ースと10mM塩化ナトリウムの混合物に濃度0.5mg/ml又は1.0mg
/mlで溶かした。このプラスミドはサイトメガロウイルスのP/E CMVプ
ロモーターの制御下にルシフェラーゼをコードするluc遺伝子を含む。その寸
法は3671bpである。このプラスミドのスキームを図1に示す。プラスミド
pXL3031は特許出願WO97/35002に記載されている方法に従って
精製した。
【0188】 (所望電荷比に応じて)適当な容量のプラスミドDNA溶液と化合物2を周囲
温度で迅速に混合することにより化合物2/DNA複合体を調製した。トランス
フェクタント剤の量は0.25nmol/μgDNA〜12nmol/μgDN
Aとした。
【0189】 Coulter N4Plus装置を使用して動的レーザー光散乱により流体
力学的直径を測定することにより複合体の寸法を分析した。試料は5%デキスト
ロースと20mM塩化ナトリウムを含有する溶液で20倍に希釈し、多重拡散を
避けるようにした。
【0190】 3nmol脂質/μgDNA比で以下の結果が得られた。
【0191】
【表1】
【0192】 「ミセル」なる用語は中性補助脂質を加えずに化合物2を単独で使用したため
にミセル溶液を形成しているものを意味する。
【0193】 上記表から明らかなように、得られた複合体は約130nm〜150nmの寸
法であり、医薬用途、特に注射に適合可能である。
【0194】 実施例5:種々の電荷比で化合物2から形成した複合体の挙動 本実施例は電荷比を変えた場合の本発明の導入剤/核酸複合体の挙動を示す。
補助脂質(コレステロール又はDOPE)添加の効果も示す。
【0195】 一般に、導入剤/DNA比を増すと、3種の物理化学相が区別される(B.P
itardら,Virus−sized self−assembling l
amellar complexes between plasmid DN
A and cationic micelles promote gene
transfer,PNAS,Vol.94,pp.14412−14417
,1997)。これらの3相は導入剤の治療能を決定する。
【0196】 電荷比が小さいと、DNAは導入剤により飽和されない。複合体化しないDN
Aが残り、複合体は総体的に負に帯電しており、小寸法である。この相は安定し
ており、「A相」と呼ばれる。
【0197】 DNAが導入剤により完全に飽和されないという事実は、DNAが完全に保護
されないことを意味する。従って、DNAはヌクレアーゼ分解を受ける可能性が
ある。また、複合体は総体的に負であるので、細胞膜通過は困難である。これら
の理由から、A相の核脂質複合体は比較的不活性である。
【0198】 中間の電荷比では、DNAは導入剤により完全に飽和され、複合体は総体的に
中性又は僅かに正である。この相はイオン反発が最小であり、凝集現象が生じる
可能性があるので不安定である。粒子寸法は動的レーザー光散乱による検出限界
を優に上回る(3μmよりも著しく大きい)。この不安定な相は「B相」と呼ば
れる。複合体のこのような寸法は注射用に適していないが、これは複合体がB相
で不活性であるという意味ではなく、単に医薬目的では注射に適さない製剤形態
であるという意味である。
【0199】 電荷比が高いと、DNAは導入剤により過飽和され、複合体は総体的に正とな
る。正電荷間の反発力が強いため、この相は安定している。この相は「C相」と
呼ばれる。A相と異なり、得られる複合体はDNAがヌクレアーゼに対して十分
に保護される形態であり、これらの複合体は総体的に正電荷であるため、アニオ
ン性細胞膜に固定してこの膜を通過し易い。従って、C相の複合体は核酸の細胞
導入用に特に適している。
【0200】 導入剤として本発明の化合物2を使用してこれらの3ゾーンA、B及びCを調
べた。
【0201】
【表2】
【0202】 上記表から明らかなように、不安定ゾーンであるBゾーンは特に小さく、非常
に小さい電荷比に位置する。Cゾーンは化合物2を補助脂質(コレステロール又
はDOPE)と併用する場合には脂質2nmol/μgDNAから開始し、化合
物を単独使用する場合には脂質3nmol/μgDNAから開始する。上述のよ
うに、医薬用途にはこのゾーンが特に有利である。
【0203】 比較として、特許出願WO97/18185に開示されているカチオン脂質を
用いると、Cゾーンは溶液の塩化ナトリウム濃度に応じて少なくとも2以上の電
荷比で形成され始めることが示されている(B.Pitardら,PNAS U
SA,94,pp.14412−14417,1997の図3A参照)。
【0204】 このように、化合物2は小さい電荷比で安定しているので特に有利な導入剤で
あり、少量の糖脂質と安定した複合体を形成することができ、毒性面で有益な効
果がある。
【0205】 実施例6:DNAのin vitro導入のための化合物2の使用 本実施例は本発明の導入剤が中性補助脂質(コレステロール又はDOPE)の
不在下及び存在下に種々の電荷比でDNAを細胞にin vitro導入できる
ことを示す。
【0206】 24ウェルマイクロプレートにHeLa細胞60000個/ウェルを播種し、
一晩増殖させた。一晩後即ちトランスフェクション時の細胞数は100000個
/ウェルであった。 化合物2から形成し、無血清DMEM培地(Gibco/BRL)0.5ml中
にプラスミドDNA1μgを含む複合体と各ウェルを接触させた。細胞を37℃
で5時間インキュベートした。その後、複合体を含む培地を捨て、10%ウシ胎
児血清を加えたDMEM培地に交換した。その後、細胞を再び24時間培養した
。最後に、細胞を溶解し、ルシフェラーゼテストキット(Promega)とD
ynex MLXルミノメーターを使用して試験した。
【0207】 得られた結果を図2のヒストグラムに示す。導入効率はルシフェラーゼの発現
(pg/ウェル)により表す。最大トランスフェクションは約500pg/ウェ
ルであることが認められる。
【0208】 従って、DNAを細胞にin vitro導入することが可能な複合体を形成
するために本発明の化合物2を使用できることが本実施例から明らかである。
【0209】 実施例7:DNAのin vivo導入のための化合物2の使用 本実施例は本発明の導入剤がDNAを細胞にin vivo導入できることを
示す。
【0210】 Balb/Cマウスに気管内、静脈内及び筋肉内投与によりin vivo遺
伝子導入した。
【0211】 筋肉内注射の場合には、各マウスの前脛骨筋にプラスミドDNA15μgを含
有する製剤30μlを投与した。注射から7日後に組織を回収し、冷凍し、−8
0℃で保存し、ルシフェラーゼ活性試験まで待機した。
【0212】 静脈内注射の場合には、各マウスにプラスミドDNA50μgを含有する製剤
200μlを投与した。注射から24時間後に組織を回収した後、上記と同様に
冷凍保存した。
【0213】 図3は化合物2から形成した複合体の筋肉内in vivo遺伝子導入活性を
示す。これらの結果は、本発明の化合物2とDNAから複合体を形成すると前記
DNAを細胞にin vivo導入できることを明示している。
【0214】 同様に、任意型の組織の細胞にDNAを導入するための本発明に記載する任意
導入剤を使用することができる。
【0215】
【図面の簡単な説明】
【図1】 DNAの細胞導入実験で使用したプラスミドpXL2774の模式図である。
【図2】 補助脂質の不在下又は補助脂質としてコレステロールの存在下及びDOPEの存
在下に本発明の化合物2から形成した複合体のHeLa細胞へのin vitr
o遺伝子導入活性。縦軸はルシフェラーゼの発現(pg/ウェル)を示す。横軸
はトランスフェクタント剤/DNA比(nmol/μgDNA)を示す。
【図3】 DOPE(1:1)の存在下に本発明の化合物2から形成した複合体をマウス
前脛骨筋に直接注入後のin vivo遺伝子導入活性。縦軸はルシフェラーゼ
の発現(pg/筋肉)を示す。横軸は化合物2/DNA比(nmol/μgDN
A)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AU,BA,BB,BG, BR,CA,CN,CR,CU,CZ,DM,GD,G E,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KP ,KR,LC,LK,LR,LT,MA,MG,MK, MN,MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SG,S I,SK,SL,TR,TT,TZ,UA,US,UZ ,VN,YU,ZA (72)発明者 ジアコパン,クリストフ フランス国、エフ−91700・サント・ジユ ヌビエブ・デ・ボワ、リユ・ドユ・ボア・ デ・ロシユ、11 (72)発明者 シエルマン,ダニエル フランス国、エフ−75012・パリ、リユ・ エラール、10 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA08 AA20 CA01 EA10 GA11 4C084 AA03 AA13 BA44 DC23 MA56 MA63 MA66 NA10 ZC192 4C086 AA01 AA02 EA16 MA02 MA03 MA05 MA56 MA63 MA66 NA10 ZC19

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカチオンと少なくとも1個の親水性置換基に化学的に結
    合した疎水性スペーサーを含むことを特徴とする核酸導入剤。
  2. 【請求項2】 前記疎水性スペーサーが各々異なる鎖長でもよい鎖当たり炭
    素原子数10〜20の2もしくは3個の炭化水素直鎖脂肪鎖から構成されるか、
    又は前記疎水性スペーサーが炭素原子数20〜50の非常に長い炭化水素直鎖脂
    肪鎖から構成されることを特徴とする請求項1に記載の核酸導入剤。
  3. 【請求項3】 親水性置換基がヒドロキシ基、アミノ基、ポリオール、糖又
    は親水性ペプチドから選択されることを特徴とする請求項1に記載の核酸導入剤
  4. 【請求項4】 親水性置換基の少なくとも1個が糖であることを特徴とする
    請求項1又は3に記載の核酸導入剤。
  5. 【請求項5】 存在する場合にはその異性体形態、混合物又は塩でもよい一
    般式(I): 【化1】 [式中、Rはポリカチオンを表し、Zは水素原子又はフッ素原子を表し、各Zは
    相互に独立しており、x及びyは相互に独立して10〜22の整数を表し、X及
    びYは相互に独立して水素原子、−OAlk基(式中、Alkは炭素原子数1〜
    4の直鎖又は分枝鎖アルキルを表す)、ヒドロキシ基、アミノ基、ポリオール、
    糖、親水性もしくは非親水性ペプチド、又はオリゴヌクレオチドを表し、但し、
    X及びY置換基の少なくとも一方はヒドロキシ、アミノ、ポリオール、糖又は親
    水性ペプチドから選択される親水基を表し、あるいは、xは0又は1であり、y
    は20〜50の整数であり、Xは水素原子又は−OAlk基(式中、Alkは炭
    素原子数1〜4の直鎖又は分枝鎖アルキルを表す)であり、Yはヒドロキシ、ア
    ミノ、ポリオール、糖又は親水性ペプチドから選択される親水基である]の請求
    項1に記載の核酸導入剤。
  6. 【請求項6】 存在する場合にはその異性体形態、混合物又は塩でもよい一
    般式(III): 【化2】 (式中、Rはポリカチオンを表し、x及びyは相互に独立して10〜22の整数
    を表し、X及びYは相互に独立して水素原子又は糖を表し、但し、X及びY置換
    基の少なくとも一方は糖を表し、あるいは、xは0又は1であり、yは20〜5
    0の整数であり、Xは水素原子であり、Yは糖である)の請求項1又は5に記載
    の核酸導入剤。
  7. 【請求項7】 x及びyが相互に独立して10〜22の整数を表し、X及び
    Yの一方が水素原子を表し、他方が糖を表すことを特徴とする請求項6に記載の
    核酸導入剤。
  8. 【請求項8】 前記ポリカチオンが直鎖又は分枝鎖ポリアミンであり、各ア
    ミノ基が1個以上のメチレン基により分離されていることを特徴とする請求項1
    及び5から7のいずれか一項に記載の核酸導入剤。
  9. 【請求項9】 前記ポリカチオンが一般式(II): 【化3】 [式中、R、R及びRは相互に独立して水素原子又は(CHNR’
    R”基を表し、qはR、R及びR基の間で独立して1〜6の整数であり、
    但し、R、R及びRの少なくとも1個は水素原子以外のものであり、R’
    及びR”は相互に独立して水素原子又は(CHNHを表し、qは上記と
    同義であり、mは1〜6の整数を表し、n及びpは相互に独立して0〜6の整数
    を表し、但し、nが2以上であるとき、mは種々の値をとることができ、R
    一般式(II)中で種々の意味をもち、nが0であるとき、R及びR置換基
    の少なくとも一方は水素原子以外のものである]により表されることを特徴とす
    る請求項8に記載の核酸導入剤。
  10. 【請求項10】 前記ポリカチオンがスペルミン、スペルミジン、カダベリ
    ン、プトレシン、ヘキサメチレンテトラミン(ヘキサミン)、メタクリルアミド
    プロピルトリメチルアンモニウムクロリド(AMBTAC)、3−アクリルアミ
    ド−3−メチルブチルトリメチルアンモニウムクロリド(AMBTAC)、ポリ
    ビニルアミン、ポリエチレンイミン又はイオネンから選択されることを特徴とす
    る請求項1及び5から7のいずれか一項に記載の核酸導入剤。
  11. 【請求項11】 糖が単糖、オリゴ糖又は多糖であることを特徴とする請求
    項3から7のいずれか一項に記載の核酸導入剤。
  12. 【請求項12】 前記糖がグルコース、マンノース、ラムノース、ガラクト
    ース、フルクトース、マルトース、ラクトース、サッカロース、スクロース、フ
    コース、セロビオース、アロース、ラミナリビオース、ゲンチオビオース、ソホ
    ロース、メリビオース、デキストラン、α−アミロース、アミノペクチン、フル
    クタン、マンナン、キシラン及びアラビナンから選択されることを特徴とする請
    求項11に記載の核酸導入剤。
  13. 【請求項13】 前記オリゴヌクレオチドが場合により異なる性質をもつ1
    個以上の分子に結合した1個以上のヌクレオチド、デオキシヌクレオチド、リボ
    ヌクレオチド及び/又はデオキシリボヌクレオチドを含む鎖であることを特徴と
    する請求項5に記載の核酸導入剤。
  14. 【請求項14】 前記ペプチドがペプチド性結合により相互に結合した1個
    以上のアミノ酸を含み、場合により飽和又は不飽和で直鎖、分枝鎖又は環式のい
    ずれでもよい1個以上の脂肪族基で置換された鎖であることを特徴とする請求項
    5に記載の核酸導入剤。
  15. 【請求項15】 式: 【化4】 の請求項1に記載の核酸導入剤。
  16. 【請求項16】 式: 【化5】 の請求項1に記載の核酸導入剤。
  17. 【請求項17】 式: 【化6】 の請求項1に記載の核酸導入剤。
  18. 【請求項18】 請求項1から17のいずれか一項に記載の核酸導入剤と核
    酸を含むことを特徴とする組成物。
  19. 【請求項19】 前記核酸がデオキシリボ核酸又はリボ核酸であることを特
    徴とする請求項18に記載の組成物。
  20. 【請求項20】 前記核酸が調節配列の制御下にある1個以上の治療遺伝子
    を含むことを特徴とする請求項18又は19に記載の組成物。
  21. 【請求項21】 前記核酸がアンチセンス遺伝子又は配列であることを特徴
    とする請求項18から20のいずれか一項に記載の組成物。
  22. 【請求項22】 1種以上のアジュバントを更に含むことを特徴とする請求
    項18に記載の組成物。
  23. 【請求項23】 アジュバントが1種以上の中性脂質であることを特徴とす
    る請求項22に記載の組成物。
  24. 【請求項24】 中性脂質が2個の脂肪鎖をもつ脂質であることを特徴とす
    る請求項23に記載の組成物。
  25. 【請求項25】 中性脂質が生理的条件下で両性イオン性であるか又はイオ
    ン電荷をもたない天然又は合成脂質であり、例えばジオレオイルホスファチジル
    エタノールアミン(DOPE)、オレイルパルミトイルホスファチジルエタノー
    ルアミン(POPE)、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン、ジパ
    ルミトイルホスファチジルエタノールアミン、ジミリストイルホスファチジルエ
    タノールアミン及びその1〜3倍N−メチル化された誘導体、ホスファチジルグ
    リセロール、ジアシルグリセロール、グリコシルジアシルグリセロール、セレブ
    ロシド(例えば特にガラクトセレブロシド)、スフィンゴ脂質(例えば特にスフ
    ィンゴミエリン)又はアシアロガンガリオシド(例えば特にアシアロGM1及び
    GM2)から選択されることを特徴とする請求項23又は24に記載の組成物。
  26. 【請求項26】 前記アジュバントが核酸の縮合に直接又は間接的に関与す
    る化合物であることを特徴とする請求項22に記載の組成物。
  27. 【請求項27】 前記アジュバントが、全部又は一部がプロタミン、ヒスト
    ン又はヌクレオリン及び/又はその誘導体から誘導されるか、あるいは全部又は
    一部が単位数2〜10で連続又は不連続に反復するペプチド単位(KTPKKA
    KKP)及び/又は(ATPAKKAA)から構成されることを特徴とする請求
    項26に記載の組成物。
  28. 【請求項28】 注射用製剤として医薬的に許容可能なキャリヤーを含むこ
    とを特徴とする請求項18から27のいずれか一項に記載の組成物。
  29. 【請求項29】 皮膚及び/又は粘膜投与に医薬的に許容可能なキャリヤー
    を含むことを特徴とする請求項18から27のいずれか一項に記載の組成物。
  30. 【請求項30】 疾病治療用医薬を製造するための請求項1から17のいず
    れか一項に記載の核酸導入剤の使用。
  31. 【請求項31】 (1)請求項1から17のいずれか一項に記載の核酸導入
    剤と核酸を接触させて、複合体を形成する段階と、 (2)段階(1)で形成された複合体とヒト又は動物の細胞を接触させる段階を
    含むヒト又は動物の治療方法。
  32. 【請求項32】 (1)前記核酸導入剤と核酸を接触させて、複合体を形成
    する段階と、 (2)段階(1)で形成された複合体と細胞を接触させる段階を含むことを特徴
    とする核酸の細胞導入方法。
  33. 【請求項33】 前記核酸導入剤及び/又は前記核酸を請求項22から27
    のいずれか一項に記載の1種以上のアジュバントと予め混合することを特徴とす
    る請求項31又は32に記載の核酸の細胞導入方法。
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