JP2002530502A - 粒子の疎水化方法および分散物におけるその使用 - Google Patents

粒子の疎水化方法および分散物におけるその使用

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アーティ・オーガスト・コスキ
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Abstract

(57)【要約】 粒子を、アミノおよびシラン基を有する化合物を用いて処理することにより疎水化する。本発明は特に、親水性無機粒子の処理のために有用である。例えば、処理粒子をポリマーのための配合剤として使用することができる。多量の処理粒子および結合剤を含む予備分散物または濃縮物の製造および使用も記載されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 1つの要旨において本発明は、粒子、特に非水溶性無機化合物の疎水化に関す
る。もう1つの要旨において本発明は、処理粒子自体にも関する。処理粒子は、
ポリマー、特にゴムおよびプラスチックの配合に特に有用であるが、これにのみ
限定されるものではない。さらにもう1つの要旨において本発明は、ポリマー含
有マトリックス(結合剤)中の処理粒子の分散物およびそのような分散物の製造
方法に関する。
【0002】 (背景技術) 原料ポリマー(ゴムまたはプラスチックのいずれか)は、有用な製品を製造す
るために必要な物理的または化学的な固有特性を純粋状態で有することは稀であ
る。従って、ポリマーは追加の成分または「添加剤」と混合してさらに配合され
なければならない。ポリマー添加剤は、第2ポリマー、エキステンダー油、フィ
ラー、酸化防止剤、着色顔料、安定剤、難燃剤、加工助剤および他の補助的化学
剤を1つまたはそれ以上含み得る。ゴムについては、この一覧は、硬化剤(加硫
剤)(例えば、硫黄または有機過酸化物)、硬化促進剤(例えば、ジベンゾチア
ジルジスルフィド(MBTS)およびテトラメチルチウラムジスルフィド(TM
TD))および無機硬化活性剤(例えば、酸化亜鉛、酸化鉛(PbO、リサージ
)、鉛丹(Pb34))などを含むように広げることができる。改良が求められ
ているプラスチックまたはゴムの特性にかかわらず、最大の改良度が達成される
ために、選択された添加物質は、配合段階で完全に(均一分散物が得られるよう
に)ポリマーと混合されなければならない。通例この混合は、開放形ロール機、
混合押出機または密閉式ミキサー(例えば、ヘンシェル、ウェレックス(Welex
)、バンバリー型)で、1つまたはそれ以上の工程を経て所望の分散度が得られ
るまで通常行われる。
【0003】 多くの場合、ポリマー中の添加剤の満足いく分散は妥当な時間で達成すること
は困難であり、その結果、成形品において許容しがたい物理的特性または外観に
つながる不均一が生じる。分散性を改良するために、混合プラントにおける生産
性を低下させる、従って、望ましくない混合時間の延長または多段階混合サイク
ルを使用しなければならない。
【0004】 ゴム産業において用いられる無機活性剤のような無機化学剤の混合は、ポリマ
ーマトリックスに対するこれらの化学剤の固有の硬度および非常に高い粘度の故
に、混合するのが特に困難であることは産業界で既知である。
【0005】 工場においてポリマー配合物中への無機物質の混合および分散を促進する一般
的方法の1つは、非常に微細な粒度の無機物質を使用することである。しかしな
がらこれは、物質の取扱いおよび混合プロセスの両方で塵が発生することが避け
がたく、多くの場合この塵の粒子は有害であり、そうでなくとも作業者の健康の
観点から容認できない。塵の損失により、ベースポリマーに対する化学剤の比率
も本来意図したものから変化する。これは不十分な加工度または配合物における
不十分な最終特性につながる。いくつかの特別な場合(即ち、タルクを用いる場
合)では、微細粒子は滑剤として作用する場合があり、この場合、分散に必要な
剪断力を減少させることにより実際にバルクの不良混合を招く。他の場合、特に
極性成分を非極性ポリマー中に混合しなければならない場合は、粒子の凝集が混
合中に起こり、望ましくない不均一および満足できない物理的特性につながる場
合がある。
【0006】 上記の問題を緩和するために、予備分散した形態、例えば、低粘度媒体(また
は結合剤)(例えば、ポリマー若しくはオイルまたはそれらと他の添加剤との組
み合せ)中に結合させた微細粒子として、無機化学剤をベースポリマーに添加す
ることが当該分野で周知である。この無機化学剤の結合形態は、ゴム配合プラン
トにおける塵の問題を克服し、また、特に結合剤がベースポリマーと化学的に類
似し、かつ予備分散物の粘度が残りの配合物の粘度とよく適合する場合、ポリマ
ー配合物における無機物質の分散時間を大幅に短縮する。配合の観点から、分散
を容易にし、かつ加工中に塵も排除する最小量の結合剤を用いることが望ましい
【0007】 従って、この種の「濃縮物」または「分散物」は典型的に、適当な結合剤中に
約50〜95質量%の分散された活性無機化学剤を含有する(実地の上では、こ
れは結合剤100質量部につき100〜1900質量部の無機化学剤の範囲に対
応する)。多くのそのような物質は、多くの供給者からゴム業者へ商業的に入手
できる。ゴム産業において使用されるそのような商業的ポリマー結合物質の非限
定的な例は、RHENOGRAN(登録商標) ZnO-85(EPDM/EVA結合剤中に分散さ
れた85質量%の酸化亜鉛)、POLY-DISPERSION(登録商標) PLD-90(ポリイソブ
チレン中に分散された90質量%の酸化鉛)および RHENOGRAN(登録商標) Pb3O4 -90(EPDM/EVA中に分散された90質量%の鉛丹酸化物)(すべて Rhei
n-Chemie Corporation および Rhein Chemie Reinau GmbH から入手可能)であ
る。
【0008】 安価なオイルベース結合剤も使用し得る。オイルベース結合剤は、塵の問題に
対処するが、オイルの存在が混合時に無機物質の粉砕を起こすのに必要な摩擦を
低下させるので、良好なまたは急速な分散を提供することはない。オイルの存在
は、物理的特性(即ち、軟化性)または外観(色)において望ましくない他の変
化も引き起こし得る。後者の種類の分散物の例は、PolydexTM PPD (ZnO) 75(軽
質プロセスオイル中75質量%のZnOのブレンド、Polychem から入手可能)
である。
【0009】 プラスチック産業において、意図する最終用途のために加工可能にまたは好適
にするため、粘度(即ち、「メルトインデックス」)、硬度、色、耐光堅牢度お
よび/またはベースポリマーの他の特性を修正することがしばしば望まれる。こ
こでも、添加剤(化学剤)を純粋形態で加工(配合)段階中に直接バルクプラス
チックに添加し得るが、より良好な分散物および良好な加工制御を得るために、
液状またはペレットの形態の濃縮物として物質を使用することがより一般的であ
る。また、これらの濃縮物は、ベースポリマーと同様または同一であるか、他の
混和性ポリマーまたはポリマーとオイルの組み合わせであり得る適当なキャリヤ
ーまたは「結合剤」中の添加剤微細粒子分散物から構成される。また、他の配合
剤(例えば、石鹸、相溶化剤および分散助剤)は、結合剤のベース中に含まれ得
る。この濃縮物の形態はほとんど、添加剤の高硬度および高融点が分散の問題を
引き起こす場合にプラスチック中に無機着色剤を導入するためにのみ使用される
。現在、多くの会社がプラスチック産業に無機および有機添加剤濃縮物を提供し
ている。後者の物質の非限定的な例は、ComPETeTM、CELPROTM、HoloflakeTM、Ha
nna-FXTM(M.A. Hanna Color)、BARKOLENTM(SPUR(登録商標) a.s.)、POLYPLU
STM(PolyTech South Inc.)、CEK CONCENTRATESTM、COLORPLASTTM、CONCORDETM (C.E.K. Concentrates)などを含む。
【0010】 一般に、ゴムおよびプラスチック産業における使用のための無機添加剤の予備
分散物の形態は、配合剤の機械的なドライブレンドにより製造されている。即ち
、当該添加剤は、機械的に単純に結合剤物質と混合される。残念ながらこの方法
は、混合および塵の問題をゴム混合プラントから分散物の供給者の問題に移した
に過ぎない。さらに、これらの分散物で望まれる結合剤に対する無機物質の比較
的高い割合により、長い混合時間または高エネルギーの特殊な混合装置(HID
M)の使用がそのうえ必要となり、生産性が低下するか生産コストに加算される
。最も望ましいものは、本質的に無塵にし、ポリマー結合剤中へ無機補助物質を
分散するための混合エネルギーをほとんど必要としないことを可能にする分散物
の製造プロセスである。
【0011】 商業的に入手可能な、より粗大なものから微細粒度の物質を製造する既知で容
易な方法は、ボール、コロイドまたはスチームジェットミルまたは Ullmann's E
ncyclopedia of Industrial Chemistry 第B2巻第2版、第5〜36頁中の "Wet Grin
ding" (その内容を参照してここに引用。)に記載されているような他の装置の
いずれかを用いる湿式粉砕によるものである。製造される微細粒子は絶えず湿潤
状態にあるので、それらが空気中の塵となる傾向はほとんどない。しかしながら
、湿潤媒体中の微細粒子濃度は、十分な粉砕のための必要な流動性を維持するた
め必然的に低く、これ故に粒子は粉砕媒体に不溶でなければならない。粉砕プロ
セス中に水以外の媒体を用いる場合、追加の危険性(例えば、可燃性)を考慮し
なければならない。さらに、生ずる分散物は、結合剤中でさらに分散され得る前
に濃縮(即ち、溶媒除去)を一般的に必要とする。さらに、プロセス中の他の場
合に塵を発生させることなく、または乾燥工程中に凝集(粒子成長)を引き起こ
すことなくそのような微細粒子を乾燥させることは困難である。可能な場合、粒
子がなお湿潤状態で微分散しているうちに、適当な結合剤中におけるこれら粒子
のマスターバッチ、分散物および濃縮物を製造することが好ましい。また、粉砕
媒体が水であることが経済性および安全性の見地から好ましい。水を使用するさ
らなる利点は、分散物として販売される有機および無機添加剤の大半については
、一般に無溶剤品であることである。
【0012】 多くの先行技術文献が、水性状に分散した微細粒子を使用することにより、ポ
リマー中、フィラーの「マスターバッチ」および他の化学剤の「分散物」を製造
する方法を教示している。例えば、Burke(米国特許第 3,689,451 号、米国特許
第 3,689,452 号、米国特許第 3,700,690 号、米国特許第 3,716,513 号および
米国特許第 3,840,382 号)(各内容を参照してここに引用。)は、ネバードラ
イ(never-dried)アルカリシリカ顔料の水性分散物またはネバードライアルカ
リシリカ顔料の水性分散物、シリカおよびカーボンブラックの混合物を使用して
、ゴムマトリックス中に100phr未満のフィラーの水準でこれらのフィラー
の分散物を製造する方法を教示する。ゴムは水非混和性溶媒の溶液として使用し
なければならない。また、水性懸濁体から有機相へのシリカの移動を確保するた
めに、多量の補助化学剤を一般に用いなければならない。関連特許(米国特許第
3,686,219 号および米国特許第 3,694,398 号)(各内容を参照してここに引用
。)において、Burke は、水エマルションの形態のゴム(即ち、ラテックス)を
使用することによりシリカの微細(水性)分散粒子から同様の分散物を製造する
方法を教示する。それにもかかわらず、上記 Burke の特許のすべては、ネバー
ドライシリカまたはネバードライシリカおよびカーボンブラック(即ち、通例の
ゴム用フィラー)の組み合せを使用することに限定される。そのうえ、仕上げ乾
燥マスターバッチ中の無機物質の水準は低濃度に限定され、結合剤はエラストマ
ーに限定される。発明者の知る限りでは、Burke の方法により製造される商業的
マスターバッチは、現在入手できない。
【0013】 明らかに商業的に入手できないシリカのマスターバッチとは反対に、ポリマー
水性エマルション(即ち、乳化重合から得られるようなラテックス)およびポリ
マーの炭化水素溶液(即ち、ポリマーが重合媒体中に溶解するときに得られるよ
うな溶液)の両方から製造されるカーボンブラックとゴムのマスターバッチは、
長年いくつかの供給者から入手可能であった(Copolymer Div. of DSM、Bayer I
nc.、Goodyear など)。これらのマスターバッチは通常、水性湿潤状態でカーボ
ンブラックを粉砕し、次いでオイルを添加または無添加でブラックスラリーと溶
液ポリマー「セメント」またはエマルションポリマーラテックスを激しく混合し
、凝固および乾燥させることにより製造する。すべての商業的マスターバッチ製
品において、ブラックフィラーの水準は100phr未満である。
【0014】 ポリマーを水性エマルション(即ち、ラテックス)として入手できる場合、種
々の方法が分散物を形成するための補助化学剤を組み込むために利用できる。Le
o および Johansson の共沈法(米国特許第 4,110,240 号)を、ポリマー結合剤
中に有機または無機物のいずれかの補助化学剤(フィラーを除く)80〜99.
5質量%を含有する濃縮物を製造するために使用することができる。Kanou ら(
米国特許第 4,713,411 号)は、特殊な水溶性ポリマー結合剤(pH変化により
不溶性になるもの)を使用することにより顔料組成物を製造するための異なる共
沈法を詳細に説明する。しかしながら、多くのポリマー、特にプラスチックは溶
液重合法により製造され、ラテックス形態では容易に入手できない。
【0015】 従って、先行技術のこれまでの成果にもかかわらず、結合剤中の無機添加物質
の分散物または濃縮物(添加剤は、分散物または濃縮物の主成分として、即ち5
0質量%以上存在し、結合剤は、ラテックスの形態で容易に入手できないポリマ
ーである。)の有効な製造方法が要求されている。
【0016】 (発明の開示) (発明が解決しようとする技術的課題) 本発明の目的は、先行技術の上述の欠点の少なくとも1つを除去または緩和す
ることである。 本発明のもう1つの目的は、比較的疎水性の新規な粒状物質を提供することで
ある。 本発明の他の目的は、粒状物質を比較的疎水性にする新規な処理方法を提供す
ることである。 本発明の他の目的は、ポリマーと比較的疎水性の粒状物質を含む新規な分散物
を提供することである。 本発明の他の目的は、ポリマーと比較的疎水性の粒状物質を含む分散物の新規
な製造方法を提供することである。
【0017】 (その解決方法) 従って、1つの要旨において本発明は、粒子を疎水性にする処理方法を提供し
、その方法は次の工程を含む: 式(I):
【化35】 〔式中、 R1、R2およびR3の少なくとも1つ、好ましくはR1、R2およびR3の2つ、
最も好ましくはR1、R2およびR3は、ヒドロキシル基または加水分解性基であ
り、 R4は、Si-R4結合で耐加水分解性である2価の基であり、 R5は、水素、C1〜40アルキル基、C2〜40モノ、ジまたはトリ不飽和アルケ
ニル基、C6〜C40アリール基、次式で表される基:
【化36】 (式中、xは2〜10の整数であり、R8およびR9は同一のまたは異なったもの
であり、それぞれ水素、C1〜18アルキル基、C2〜18モノ、ジまたはトリ不飽和
アルケニル基、フェニル基から選ばれる。)、 次式で表される基:
【化37】 (式中、bは1〜10の整数である。)、 次式で表される基:
【化38】 (式中、cは1〜10の整数であり、窒素原子に対するα位に二重結合が無いこ
とを条件にR10およびR11は同一のまたは異なったものであり、それぞれ水素、
1〜10アルキル基またはC2〜10アルケニル基から選ばれる。) および次式で表される基:
【化39】 (式中、rは1〜6の整数であり、dは1〜4の整数である。) から選ばれ、 R6は、(i)R5およびR6が窒素原子に隣接する第3級炭素原子を有さないこ
と、かつ(ii)R5およびR6の少なくとも1つは、ヘテロ原子を介在させずに少
なくとも8個の炭素原子の鎖長である炭素鎖を有することを条件に、R5のため
に定義した基のいずれかであるか、またはR5およびR6は共同して次式で表され
る2価の基:
【化40】 (式中、Aは、-CHR基または-NR基〈式中、Rは水素またはC6〜40アルキ
ル基またはC6〜40アルケニル基である。〉、C6〜C40アリール基、酸素原子お
よび硫黄原子から選ばれ、tおよびvの合計が6を超えず、好ましくは4である
ことを条件にtおよびvはそれぞれ個々に1、2、3または4である。) を形成する。〕 で表される化合物またはその酸付加物またはその第4級アンモニウム塩と粒子を
接触させる工程。
【0018】 もう1つの要旨において本発明は、アミノ炭化水素シロキサン(例えば、(ア
ミノアルキル)シロキサン)部分、即ちケイ素および窒素の両方を有する炭化水
素部分と結合している粒子を含む処理粒状物質を提供する。
【0019】 好ましくは、アミノ炭化水素シラン部分が、次式
【化41】 〔式中、 Ra、RbおよびRcは同一のまたは異なったものであり、それぞれ-O-および
1つまたはそれ以上の酸素原子により任意に置換されていて良い-Cp2p-(式
中、pは1〜10の整数である。)から選ばれ、および R12は次式:
【化42】 (式中、 R4は、Si-R4結合で耐加水分解性である2価の基であり、 R5は、水素、C1〜40アルキル基、C2〜40モノ、ジまたはトリ不飽和アルケ
ニル基、C6〜C40アリール基、次式で表される基:
【化43】 〈式中、xは2〜10の整数であり、R8およびR9は同一のまたは異なったもの
であり、それぞれ水素、C1〜18アルキル基、C2〜18モノ、ジまたはトリ不飽和
アルケニル基、フェニル基から選ばれる。〉、 次式で表される基:
【化44】 〈式中、bは1〜10の整数である。〉、 次式で表される基:
【化45】 〈式中、cは1〜10の整数であり、窒素原子に対するα位に二重結合が無いこ
とを条件にR10およびR11は同一のまたは異なったものであり、それぞれ水素、
1〜10アルキル基またはC2〜10アルケニル基から選ばれる。〉 および次式で表される基:
【化46】 〈式中、rは1〜6の整数であり、dは1〜4の整数である。〉 から選ばれ、 R6は、(i)R5およびR6が窒素原子に隣接する第3級炭素原子を有さないこ
と、かつ(ii)R5およびR6の少なくとも1つは、ヘテロ原子を介在させずに少
なくとも8個の炭素原子の鎖長である炭素鎖を有することを条件に、R5のため
に定義した基のいずれかであるか、またはR5およびR6は共同して次式で表され
る2価の基:
【化47】 〈式中、Aは、-CHR基または-NR基{式中、Rは水素またはC6〜40アルキ
ル基またはC6〜40アルケニル基である。}、C6〜C40アリール基、酸素原子お
よび硫黄原子から選ばれ、tおよびvの合計が6を超えず、好ましくは4である
ことを条件にtおよびvはそれぞれ個々に1、2、3または4である。〉 を形成する。) で表される基またはその酸付加物である基またはその第4級アンモニウム塩であ
る基である。〕 で表される。
【0020】 他の要旨において本発明は、(i)アミノ炭化水素シロキサン(例えば、(アミ
ノアルキル)シロキサン)部分、即ちケイ素および窒素の両方を有する炭化水素
部分と結合しており、(ii)少なくとも約100°の接触角を有する粒子を含む
粒状物質を提供する。好ましくは、アミノ炭化水素シラン部分は、上述された式
を有する。粒子は、好ましくは少なくとも約110°、より好ましくは約115
°〜約160°の範囲、とりわけ好ましくは約120°〜約150°の範囲、最
も好ましくは約120°〜約140°の範囲の接触角を有する。対照的に、本方
法により処理していない粒子の接触角は、一般的に75°である。
【0021】 粒子の水との接触角は、次の手順に従って容易に測定することができる。 (i)両面テープをプローブ(例えば、あぶみ(stirrup))に接着させ、テー
プを粒状物質の試料中に沈めることにより、粒状物質で被覆する。 (ii)過剰の粉末を軽くたたき落とし、粉末の大きな塊を慎重にぬぐい取る。 (iii)粒状物質で被覆したプローブを蒸留水に浸し、通例の接触角分析装置
(例えば、Cahn Dynamic Contact Angle Analyzer)を100μm/秒の速度で使
用する。 この手順により、粒子の前進接触角を測定する。
【0022】 他の要旨において本発明は、 式(I):
【化48】 〔式中、 R1、R2およびR3の少なくとも1つ、好ましくはR1、R2およびR3の2つ、
最も好ましくはR1、R2およびR3は、ヒドロキシル基または加水分解性基であ
り、 R4は、Si-R4結合で耐加水分解性である2価の基であり、 R5は、水素、C1〜40アルキル基、C2〜40モノ、ジまたはトリ不飽和アルケ
ニル基、C6〜C40アリール基、次式で表される基:
【化49】 (式中、xは2〜10の整数であり、R8およびR9は同一のまたは異なったもの
であり、それぞれ水素、C1〜18アルキル基、C2〜18モノ、ジまたはトリ不飽和
アルケニル基、フェニル基から選ばれる。)、 次式で表される基:
【化50】 (式中、bは1〜10の整数である。)、 次式で表される基:
【化51】 (式中、cは1〜10の整数であり、窒素原子に対するα位に二重結合が無いこ
とを条件にR10およびR11は同一のまたは異なったものであり、それぞれ水素、
1〜10アルキル基またはC2〜10アルケニル基から選ばれる。) および次式で表される基:
【化52】 (式中、rは1〜6の整数であり、dは1〜4の整数である。) から選ばれ、 R6は、(i)R5およびR6が窒素原子に隣接する第3級炭素原子を有さないこ
と、かつ(ii)R5およびR6の少なくとも1つは、ヘテロ原子を介在させずに少
なくとも8個の炭素原子の鎖長である炭素鎖を有することを条件に、R5のため
に定義した基のいずれかであるか、またはR5およびR6は共同して次式で表され
る2価の基:
【化53】 (式中、Aは、-CHR基または-NR基〈式中、Rは水素またはC6〜40アルキ
ル基またはC6〜40アルケニル基である。〉、C6〜C40アリール基、酸素原子お
よび硫黄原子から選ばれ、tおよびvの合計が6を超えず、好ましくは4である
ことを条件にtおよびvはそれぞれ個々に1、2、3または4である。) を形成する。〕 で表される化合物またはその酸付加物またはその第4級アンモニウム塩と粒子を
接触させることにより製造される処理粒状物質を提供する。
【0023】 他の要旨において本発明は、ポリマーと処理粒状物質を含む分散物を提供し、
その分散物において、処理粒状物質はケイ素と窒素の両方を有するアミノ炭化水
素シロキサン部分と結合している粒子を含んでいる。
【0024】 本方法の生成物が疎水化無機粒子の水性懸濁液またはスラリーであるように、
好ましくは、粒状物質を処理する本方法は水性の溶液、懸濁液またはスラリー中
で行われる。
【0025】 1つの好ましい実施態様において、ポリマー/粒子分散物を形成するために、
本方法から生じ処理粒子を含有する懸濁液またはスラリーを次いでポリマーの炭
化水素溶液と混合し、次いで乾燥する。処理粒子の疎水性の故に、処理粒子はポ
リマー中によく分散する。この好ましい実施態様の結果として、ポリマーと処理
粒子を含む分散物がインサイチュー製造される。「インサイチュー製造」とは、
処理粒子を懸濁液に導入し、単離(即ち、懸濁液またはスラリーから分離し、次
いで乾燥)しないことを意味する。この好ましい実施態様は、ポリマー溶液から
製造された分散物であって、ポリマーと処理粒状物質(例えば、金属酸化物など
は以下でより詳細に説明する。)を含む分散物の最初のインサイチュー製造であ
ると考えられる。
【0026】 代わりに、後の使用のため(即ち、ポリマー溶液に添加する前)に、処理粒状
物質を懸濁液またはスラリーから分離し、次いで乾燥することもできる。
【0027】 この明細書において、用語「濃縮物」、「分散物」および「予備分散物」は、
本発明に関連して使用されるときは、粒状物質(即ち、配合目的のために用いら
れる添加剤)およびその結合剤を含み、粒状物質が組成物の主成分である組成物
(即ち、組成物は少なくとも約50質量%の粒状物質を含む)を意味すると解釈
される。組成物は、好ましくは約50〜約95、より好ましくは約60〜約95
、とりわけ約70〜約95質量%の粒状物質を含む。 本発明の実施態様は、添付図面を参照して説明される。
【0028】 この明細書中では、説明は粒子の処理についてなされる。本発明は非水溶性無
機化合物の処理に特に有用である。処理のために有用な非水溶性無機化合物は、
好ましくは酸素を含む化合物のようなものであり、より好ましくはさらに金属を
含む化合物のようなものである。好ましくは、金属は周期律表の第 II〜VIII 族
の元素(第II族の水酸化物および炭酸塩化合物)から選ばれる。有用な金属化合
物の好適な群の例は、酸化物、水酸化物、ホウ酸塩、硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩
、リン酸塩、クロム酸塩などを含む群から選ばれ得る。好適な金属化合物の非限
定例は、酸化チタン、酸化第二鉄、水和酸化第二鉄、酸化第一鉄、酸化アンチモ
ン、炭酸バリウム、酸化亜鉛、ホウ酸亜鉛、酸化鉛(鉛丹酸化物を含む。)、二
塩基性リン酸鉛、ケイ酸鉛、三塩基性硫酸鉛およびこれらの混合物を含む群から
選ばれ得る。他の好適な金属化合物、特に非水溶性またはわずかに水溶性のもの
は、前記説明に基づいて当業者にとって容易に明らかである。例えば、特に好ま
しい本発明の適用は、プラスチック産業において一般に用いられる着色剤または
顔料粒子を疎水化することである。そのような好適粒子の非限定例は、α-Fe
OOH(針鉄鉱)、γ-FeOOH(鱗繊石)、α-Fe23(赤鉄鉱)、γ-F
23(磁赤鉄鉱)および-Fe34からなる群から選ばれ得る。
【0029】 好ましい実施態様において、処理は粒子の水性分散物またはスラリー中で行わ
れる。流動性懸濁液であるかぎり、一般にスラリーの組成は特に厳密には限定さ
れない。実施のうえでは、スラリーは好ましくは約60質量%まで、より好まし
くは約50質量%までの処理される粒子を含有する。処理される粒子の物理的性
質は特に厳密に限定されないが、粒子は、約0.1μm〜約100μm、好まし
くは約10μm〜約50μm、最も好ましくは約10μm〜約25μmの範囲の
平均凝集粒度を有することが好ましい。
【0030】 式(I)で表される化合物を粒子に添加する前に、分散物またはスラリーは、
6〜約8、より好ましくは約6.8〜約7.2の範囲のpHを有することが望ま
しい。pHを酸またはアルカリ(例えば、鉱酸、アルカリ金属水酸化物、アルカ
リ土類金属水酸化物、水酸化アンモニウムなど)を添加することにより調整する
ことができる。これらをそのまま、または水溶液として添加することができる。
【0031】 好ましくは、式(I)で表される化合物は、次式で表される化合物、その酸付
加物またはその第4級アンモニウム塩を含む:
【化54】 〔式中、 R1、R2およびR3の少なくとも1つは、好ましくはR1、R2およびR3の2つ
、最も好ましくはR1、R2およびR3は、ヒドロキシル基または加水分解性基で
あり、 R4は、Si-R4結合で耐加水分解性である2価の基であり、 R5は、水素、C1〜40アルキル基、C2〜40モノ、ジまたはトリ不飽和アルケ
ニル基、C6〜C40アリール基、次式で表される基:
【化55】 (式中、xは2〜10の整数であり、R8およびR9は同一のまたは異なったもの
であり、それぞれ水素、C1〜18アルキル基、C2〜18モノ、ジまたはトリ不飽和
アルケニル基、フェニル基から選ばれる。)、 次式で表される基:
【化56】 (式中、bは1〜10の整数である。)、 次式で表される基:
【化57】 (式中、cは1〜10の整数であり、窒素原子に対するα位に二重結合が無いこ
とを条件にR10およびR11は同一のまたは異なったものであり、それぞれ水素、
1〜10アルキル基またはC2〜10アルケニル基から選ばれる。) および次式で表される基:
【化58】 (式中、rは1〜6の整数であり、dは1〜4の整数である。) から選ばれ、 R6は、(i)R5およびR6が窒素原子に隣接する第3級炭素原子を有さないこ
と、かつ(ii)R5およびR6の少なくとも1つは、ヘテロ原子を介在させずに少
なくとも8個の炭素原子の鎖長である炭素鎖を有することを条件に、R5のため
に定義した基のいずれかであるか、またはR5およびR6は共同して次式で表され
る2価の基:
【化59】 (式中、Aは、-CHR基または-NR基〈式中、Rは水素またはC6〜40アルキ
ル基またはC6〜40アルケニル基である。〉、C6〜C40アリール基、酸素原子お
よび硫黄原子から選ばれ、tおよびvの合計が6を超えず、好ましくは4である
ことを条件にtおよびvはそれぞれ個々に1、2、3または4である。) を形成する。〕
【0032】 式(I)で表される化合物において、R1、R2およびR3基の3つすべてが容易
に加水分解可能であることが好ましい。好適なR1基は、ヒドロキシル基、アセ
テート基および式OCp2p+1(式中、pは1〜10の値を有する。)で表され
る加水分解性基を含む。例えば式CH3OCH2O-、CH3OCH2OCH2O-、
CH3(OCH2)4O-、CH3OCH2CH2O-、C25OCH2O-、C25OCH 2 OCH2O-またはC25OCH2CH2O-で表される基を与えるように、アルキ
ル鎖には酸素原子が介在し得る。他の好適な加水分解性基は、フェノキシ、アセ
トキシ、塩素、臭素、ヨウ素、ONa、OLi、OKまたはアミノ基またはモノ
若しくはジアルキルアミノ基(アルキル基は1〜30個の炭素原子を有する。)
を含む。
【0033】 R1、R2およびR3の1つだけが塩素、臭素またはヨウ素であることを条件に
、R2およびR3は、R1と同じものをとり得る。好ましくはR1、R2およびR3
1つだけまたは2つがヒドロキシル基、ONa、OLiまたはOKである。 加水分解可能ではないR2およびR3基の非限定例は、C1〜10アルキル基、C2 〜10 モノまたはジ不飽和アルケニル基およびフェニル基を含む。また、R2およ
びR3はそれぞれ、以下でさらに説明する-R4-NR56基であり得る。 R1、R2およびR3がすべて同一であり、CH3O-、C25O-またはC38
-であることが好ましい。最も好ましくは、それらすべてCH3O-である。
【0034】 2価の基R4は、好ましくはN-R4-Siが、式: N-(CH2)p(O)o(C64)n(CH2)m(CH=CH)k-Si 〔式中、k、m、n、oおよびpはすべて整数である。〕 で表されるようなものである。NまたはOのいずれもが、Siと直接結合しては
ならないこと以外は、NとSiの間の基の順序は特に限定されない。k、m、n
およびpの値の合計が少なくとも1であって20を超えないこと、およびoが1
ならば、pが1またはそれ以上であり、k、mおよびnの合計が1またはそれ以
上であること(即ちSi原子が炭素原子と直接結合していること)を条件に、k
の値は0または1であり、mの値は0と20を含めた0〜20であり、nの値は
0、1または2であり、oの値は0または1であり、pの値は0と20を含めた
0〜20である。ケイ素と窒素原子の間に加水分解可能な結合があってはならな
い。好ましくは、mは3であり、l、n、oおよびはpすべて0、即ちR4が-C
2CH2CH2-である。
【0035】 式(I)で表される好ましい化合物は、R5が水素であり、R6が、1つまたは
それ以上の不飽和部分を含む、大豆アルキル基、トール油アルキル基、ステアリ
ル基、獣脂アルキル基、2水素化獣脂アルキル基、ココアルキル基、ロジンアル
キル基、パルミチル基およびこれらの誘導基を含む群から選ばれるアルケニル基
である化合物を含む。式(I)で表されるこれら好ましい化合物は、例えば、国
際出願 PCT/CA98/0500 [Koski](その内容を参照してここに引用。)に記載され
ている方法により製造し得る。
【0036】 概して、上記の同時係属特許出願は、式(I)で表される次の好ましい化合物
【化60】 〔式中、 R1は、直鎖または分枝のC6〜C40アルキル若しくはアルケニル基、C6〜C4 0 アリール基、C7〜C40アラルキル基またはR5A(CH2)p基(式中、R5は直鎖
または分枝のC6〜C30アルキル基またはアルケニル基であり、pは2〜6の整
数であり、AはOまたはNHである。)であり、 R2は、C1〜C12アルキル基(好ましくはC1〜C5アルキル基)またはC3
12アルケニル基(好ましくはC3〜C5アルケニル基)であり、 R3は、C1〜C12アルキル基(好ましくはC1〜C5アルキル基)、C1〜C12
アルコキシ基(好ましくはC1〜C5アルコキシ基)、C2〜C12アルケニル基(
好ましくはC2〜C5アルケニル基)またはC3〜C12アルケニロキシ基(好まし
くはC3〜C5アルケニロキシ基)であり、 R4は、R3と同じ定義を有し、R3と同じものか、異なったものであり、 R6は、10個までの炭素原子を有する2価のアルキレン基であり、フェニレ
ン基が1、2または3回任意に介在して良く、 Xはアニオンである。〕 の製造方法に関し、 その方法は、 (a)式(II)で表される化合物: R1-NH2 (II) 〔式中、R1は上記で定義した通りである。〕 と式(III)で表される化合物:
【化61】 〔式中、R2、R3、R4、R6およびXは、上記で定義した通りである。〕 を溶媒の不存在下で反応させる工程、または (b)式(IV)で表される化合物: R1-X (IV) 〔式中、R1およびXは、上記で定義した通りである。〕 と式(V)で表される化合物:
【化62】 〔式中、R2、R3、R4およびR6は、上記で定義した通りである。〕 を溶媒の不存在下で反応させる工程 を含む。
【0037】 R4、R8およびR9の少なくとも1つは、ヘテロ原子を介在させないで、好ま
しくは少なくとも8個の炭素原子、より好ましくは少なくとも10個の炭素原子
の鎖を有する。
【0038】 式(I)で表される化合物は、遊離塩基として、またはその酸付加物または第
4級アンモニウム塩、即ち
【化63】 〔式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は上記で定義された通りであり、R 7 は水素、C1〜40アルキル基またはC2〜40モノ、ジ若しくはトリ不飽和アルケ
ニル基から選ばれ、Xはアニオンである。〕 の形態で使用することができる。Xは、好適には、アセテート、塩素、臭素また
はスルフェートであり、その中で塩素および臭素が好ましく、R7は好ましくは
水素である。
【0039】 式(I)で表される化合物の好適な塩の非限定例は、N-オレイル-N-[(3-ト
リエトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロリド、N-3-アミノプロピルメチ
ルジエトキシシランヒドロブロミド、(アミノエチルアミノメチル)フェニルトリ
メトキシシランヒドロクロリド、N-[(3-トリメトキシシリル)プロピル]-N-メ
チル-N,N-ジアリルアンモニウムクロリド、N-テトラデシル-N,N-ジメチル-
N-[(3-トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムブロミド、3[2-N-ベン
ジルアミノエチルアミノプロピル]トリメトキシシランヒドロクロリド、N-オク
タデシル-N,N-ジメチル-N-[(3-トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウム
ブロミド、N-[(トリメトキシシリル)プロピル]-N-トリ(n-ブチル)アンモニウ
ムクロリド、N-オクタデシル-N-[(3-トリエトキシシリル)プロピル]アンモニ
ウムクロリド、N-2-(ビニルベンジルアミノ)エチル-3-アミノプロピルトリメ
トキシシランヒドロクロリドおよびこれらの混合物を含む群から選ばれ得る。式
(I)で表される化合物の好ましい塩形態は、例えば、国際出願 PCT/CA98/0500
[Koski](その内容を参照してここに引用。)に記載されている方法により製造
し得る。 式(I)で表される化合物を塩の形態で用いることが好ましい。最も好ましい
化合物は、N-オクタデシル-N-[(3-トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウ
ムクロリドである。
【0040】 式(I)で表される化合物の量は、スラリー中無機粒子(乾燥物基準)が0.
1〜20質量%の間、好ましくは0.25〜10質量%の間、最も好ましくは0
.5〜2質量%の間であり得る。好ましくは、式(I)で表される化合物の使用
量は、無機粒子の寸法と逆に変化する。処理される粒子の化学的性質も、式(I
)で表される化合物の使用量に影響する。
【0041】 式(I)で表される化合物は、液状または固体状のいずれかの天然状態で粒子
の水性スラリーに添加し得る。しかしながら、分散を容易にするために、液状の
化合物を添加できる場合が好ましい。化合物の融点が95℃未満である場合、液
状化合物の温度が100℃を超えず、かつ化合物がこの温度条件で分解しないな
らば、融点より少なくとも5℃高い温度の溶融状態で化合物をスラリーに添加す
ることが好ましい。融点が95℃を超える場合、式(I)で表される化合物を溶
解する溶媒を用いることが最も好ましい。溶媒は、好ましくは水およびC1〜5
ルコール、最も好ましくはC1〜3アルコール(例えば、メタノール、エタノール
、n-プロパノール、イソプロパノールおよびこれらの混合物)である。
【0042】 式(I)で表される化合物がアルコキシシランである場合、溶媒アルコールの
最も好ましいアルコキシ基は、アルコキシシランのアルコキシ基と同じものであ
る。例えば、式(I)で表される化合物がメトキシシランである場合、好ましい
溶媒はメタノールである。溶媒中の式(I)で表される化合物の濃度は、好まし
くは約10〜約90質量%の範囲、より好ましくは約25〜約75質量%の範囲
、最も好ましくは約50質量%である。
【0043】 好ましくは、約0℃から溶媒の沸点よりも少なくとも10℃低い温度であって
、95℃までの範囲の温度で、溶液を調製し、スラリーに添加することができる
。化合物の分散は、都合の良いことには、混合により行い得る。
【0044】 添加する式(I)で表される特定の化合物に対して、当量バランス(EB)を
計算することが好ましい。EBは、鉱酸またはアルカリ金属水酸化物(またはそ
の溶液)のいずれを添加すべきかを決めるために用いられる。当量バランス(E
B)は、X(存在する場合)、R1、R2およびR3の基の値の合計の絶対値、X
(存在する場合)、R1、R2およびR3基の寄与の合計の大きさ並びに添加質量
および式(I)で表される化合物の分子量から、次の概要に従って計算され得る
。X=ClまたはX=Brのいずれかの場合のXの基の寄与は−1であり、従っ
て、Xが存在する場合、−1の値が加えられる。R1、R2およびR3それぞれの
基の寄与は、次の場合を除いて、すべての基に対して一般に0である。基がCH 3 COO、ClまたはBrである場合は−1であり、基がアミン(イミンを含む
。)、ONa、OKまたはOLiである場合は+1である。X、R1、R2および
3についての基の寄与の合計が0である場合、鉱酸またはアルカリ金属水酸化
物(またはその溶液)を用いて調整する必要はない。基の値の合計が正の整数で
ある場合は、鉱酸を用いて調整することが望ましく、それが負である場合は、ア
ルカリ金属水酸化物を用いて調整することが望ましい。
【0045】 例えば、R1=OCH3、R2=CH3、R3=ClおよびX=Brである場合、基
の値(g.v.)の合計は:
【数1】 である。
【0046】 合計の前にある負の符号はアルカリ金属水酸化物を用いる調整が望ましいこ
とを示す。必要なアルカリの当量数は、基の寄与の合計の絶対値(|Σ|)をスケ
ーリング因子として含む当量バランス(EB):
【数2】 により与えられる。
【0047】 例を続けると、本発明による方法が、分子量350g/molの式(I)で表
される化学剤6,000gを必要とするような規模でなされ、基の値の合計が−
2であると仮定すると、EBは次のように計算される: EB=−2×6000/350=−34.28グラム当量。
【0048】 従って、この例では、34.28グラム当量のアルカリ金属水酸化物が添加さ
れる。水酸化ナトリウムが好ましいアルカリ金属水酸化物である。水酸化ナトリ
ウムの質量は: 質量=(EB)×(NaOHの当量)=34.28×40.0=1371.2g
である。
【0049】 本発明にとって好ましい技術は、スラリーに溶液を添加する前に、約5〜約2
5質量%の範囲、最も好ましくは約5〜約10質量%の範囲の濃度が得られるよ
うに、アルカリ金属水酸化物または鉱酸を水に溶かすことである。
【0050】 従って、記載される本方法はさらに疎水化粒子の水性スラリーまたは分散物(
即ち、これらは充填されるポリマーまたは他の基材にまだ接触していないもの)
を提供し、これらはそのまま使用することができ、または濾過および乾燥するこ
とができる。
【0051】 疎水化粒子を、限定ではない次のもの(ポリマー、アルキドペイント、写真複
写に用いられるようなトナー、変性プラスチックおよび加硫ゴム)を含む多くの
物質中に配合剤として使用することができる。
【0052】 疎水化粒子の1つの特に有利な適用は、化学剤配合ポリマーの予備分散物また
は濃縮物を製造することに関するものである。これらの物質は、結合剤、好まし
くはポリマー物質中に高濃度(上記で説明したように少なくとも約50質量%)
で予備分散される対象の化学剤を一般に含み、ペレット、スラブなどの形態で供
給される。従って、ポリマーは対象の化学剤のための結合剤として働く。対象の
化学剤は、例えば、ポリマーベース製品の製造のために使用されるシリカフィラ
ー、着色剤、顔料、無機活性剤、安定剤および/または難燃剤であり得る。
【0053】 本発明の好ましい実施態様において、水性分散物またはスラリー中の疎水化粒
子を結合剤物質(例えば、ポリマー溶液またはセメントの形態のポリマー)に組
み込む。処理粒子のスラリーを、炭化水素または他の非水性溶液の結合剤と混合
する。プレブレンドを形成するために、結合剤が溶解している溶媒は、好ましく
は、水と混和しないか、またはほとんど混和しない。この結合剤溶液(例えば、
ポリマーセメント)は固体ポリマーを溶媒に溶かすことにより製造し得る。また
は溶液ポリマーの場合、結合剤溶液は溶媒中でモノマーを重合することから生じ
る溶液であり得る。
【0054】 好ましくは結合剤はポリマーである。しかしながら、結合剤は、擬似または非
ポリマー物質(例えば、ポリエチレンワックス、ロジン、脂肪酸、高分子量液体
など)またはポリマーとそのような擬似または非ポリマー物質の組み合せであり
得ることが当業者により認識される。
【0055】 ポリマーは、エラストマー(例えば、炭化水素ゴム)、少なくとも1つのエチ
レン性不飽和結合を有し、この不飽和結合により重合することができるモノマー
のグラフトポリマーまたはブロックポリマー、プラスチックなどであり得る。
【0056】 エラストマーは当業者に良く知られている。好適なエラストマーの非限定例は
、天然ゴム(NR)、解重合NR、シス-1,4-ポリイソプレンゴム(IR)、
ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、アクリロ
ニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、水素化アクリロニトリル-ブタジエンゴム
(HNBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(HIIR)、エ
チレン-プロピレンモノマー(EPM)ゴム、エチレン-プロピレン-ジエンモノ
マー(EPDM)ゴム、クロロプレン(ネオプレンTMとしても知られている。)
ゴム(CR)、エチレン-ビニルアセテート(EVM)ゴム、シリコーンゴム(
Q)、エピクロロヒドリン(ECO)ゴム、ウレタンゴム(AU EU)などを
含む群から選ばれ得る。
【0057】 プラスチックは当業者に良く知られている。好適なプラスチックの非限定例は
、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、アクリ
ロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)ポリマー、エチレン-ビニルアセテ
ート(EVA)プラスチック、ポリ塩化ビニル(PVC)、可塑化ポリ塩化ビニ
ル(PVC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、エピクロロヒドリン(
ECO)プラスチックなどを含む群から選ばれ得る。
【0058】 本発明においてなお有用である場合に前記物質を、モノマーの順序、モノマー
比、分子量(Mn、Mwなど)、分子量比などのようなパラメーターに関して変性
し得ることは、当業者は当然に理解し認識する。
【0059】 ポリマー結合剤溶液の製造のために適当な溶媒の選択は、当業者の理解し得る
範囲内であり、溶解させる特定のポリマーに依存する。好適な溶媒の非限定例は
、シクロヘキサン、クロロベンゼン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、ペンタン
などを含む群から選ばれ得る。任意に、プロセスオイル、酸化防止剤および当分
野で既知の他の化学剤を加工助剤としてスラリーとの混合前に炭化水素溶液に添
加し得る。またはスラリーとポリマー溶液との混合後にそれらを添加し得る。
【0060】 任意の配合剤を含有する最終ポリマー溶液(時にはポリマーセメントと称され
る。)の粘度は、好ましくは、処理粒子のスラリーの粘度とよく適合するような
ものであり、一般に1,000〜50,000cPの間である。この粘度は少なく
とも部分的に、スラリー中に分散する粒子の比重および/または粒度に左右され
得る。ポリマー溶液の温度は、好ましくは、スラリーの温度と同様のものである
。さらに、最終乾燥分散物が処理粒状物質を組成物の主成分として含有し得る(
即ち、分散物が少なくとも約50質量%の粒状物質を含む)ような量でポリマー
セメントを添加することが好ましい。分散物は、好ましくは約50〜約95質量
%、より好ましくは約60〜約95質量%、とりわけ好ましくは約70〜約95
質量%の粒状物質を含む。
【0061】 ポリマーセメントおよび任意にオイルと酸化防止剤を処理粒子のスラリーと、
混合物が均一になるまで混合する。これは色および/または固体の溶解の均一性
、即ち、実質的な単一相であるか(微量の水がこの段階で分離し得る)を評価す
ることにより確認する。 先に添加していない場合、または追加量を望む場合、次いでオイルおよび酸化
防止剤を添加することができ、オイルおよび酸化防止剤が連続相に組み込まれる
までさらに混合を続ける。
【0062】 プレブレンドから分離する水を、攪拌機を適当な時間止め、水相が混合槽中で
分離するようにし、次工程に進む前に混合槽から取り出すことにより、取り出し
、廃棄しまたはスラリーの構成のためにリサイクルし得る。攪拌を好ましくは水
層を除去した後に再開する。 酸化防止剤およびプロセスオイルを先に添加していない場合、または追加量を
望む場合、この段階でそれらを添加し、それらを分散するために攪拌し得る。
【0063】 次いでプレブレンドを、溶媒を除去し水中に懸濁するクラムの形態で分散物の
凝塊を生成するように、ポリマーセメントに使われている溶媒の沸点と等しいか
、または好ましくは沸点より高い温度に加熱した湯に添加する。プレブレンドを
添加する前の湯の温度は、好ましくは約50℃〜約100℃の範囲、より好まし
くは約90℃〜約95℃の範囲である。さらに、温度を実質的にその好ましい範
囲内に維持するような速度でプレブレンドを添加することが好ましい。攪拌は水
中で懸濁状態のクラムを維持するように十分速くするが、クラムが約5mmより
小さい粒子に再分割されるまでには速めない。
【0064】 蒸気を凝縮することにより凝固器から溶媒を回収し得る。次いで、懸濁クラム
を含有する物質を、湿潤組成物を回収するような大きさのフィルタースクリーン
に通し得る。この工程で濾過されたものを所望により、さらなるスラリー構成の
ためにリサイクルすることができる。
【0065】 湿潤クラムを、押込空気、流動床、マイクロ波または他の乾燥技術を使用する
などして乾燥する。マイクロ波または他の乾燥技術を用いる場合、約75℃〜約
135℃の範囲、好ましくは約85℃〜約120℃の範囲、最も好ましくは約8
5〜約105℃の範囲の温度で、適当に乾燥した分散物クラムが得られるまで乾
燥を行うことが好ましい。 乾燥クラムを、産業界または顧客の要求に従ってさらなる加工をすることがで
きる。
【0066】 図1に、上記の本方法を行うために適当なシステムの概略図が説明されている
。図1中の符号は、次の通りである。
【0067】 R1: バランス搭載移動式ペイントポット(呼称容量120L)。ポット
は底部 Strahman(ピストン)バルブ(Vs)、特大の空気圧式モーター、シン
グルシャフト上に6インチの半径流アジテーター(上部)1つと10インチのマ
リンインペラー(底部)1つ、および加熱用外部蒸気コイル(J)が備え付けら
れている。下方のインペラーは、R1の底から約2インチの隙間を有する。上部
のインペラーは9インチ上方の位置に取り付けられている。バルブ付き化学剤添
加用ポート(P1)は取外し可能な蓋を用いて利用でき、ポットは、内容物の移
動が必要なときに、もう1つのポート(N1)を通じて窒素パージされ得る。水
用ラインはさらなるポート(W)とつながっている。移動式排出用シュノーケル
(E)は不安定な化学放出物の除去のために近くに利用できる状態にある。R1
はスラリーの構成のため、および疎水化粒子のスラリーを製造するために式(I
)で表される化合物とカップリング剤(使用する場合)の上述の添加を行うため
の容器として使用される。
【0068】 T1: ガラスラインド化学反応器(呼称500USG)。T1はセメント
の構成と貯蔵および凝固前の処理粒子とポリマーセメントのスラリーのための混
合容器として用いられる。ポリマーの溶解を加速するために200rpm空気式
駆動装置、マリンインペラーおよび加熱ジャケットが備え付けられている。次の
ものを含む種々の添加用ポートがある。Mはポリマー、オイルまたは他の化学剤
導入用の小さなマンホール。P2は溶媒添加用ポート。N2は、バルブ(V2)
を有する底部の大きなドレインを通じて内容物を圧送するための窒素ライン用ポ
ートである。底部のバルブは配管中のデッドスペースを減少させるためにタンク
の底から近い距離に配置されている。
【0069】 H: 外装フレックスホース。直径2インチ。スラリーおよびセメントの移
動用。 V1: フローの方向を調整するための3方バルブ
【0070】 T2: 蒸気凝固器(呼称容量400L)。底部近くに蒸気散布用ポートお
よび水供給用接続部が備え付けられている。オーバーフロー用ポート(P3)お
よびオーバーフロー用通路が生成物の取り出しができるように上部近くに配置さ
れている。上部の大きな導管により溶媒蒸気がコンデンサー(C)に導かれる。
タンクは空気圧式モーターおよび直径8インチのマリンインペラーにより攪拌さ
れる。
【0071】 S: 直径24インチの SwecoTM 振動式ふるい(100メッシュ)。 C: 凝固物からの溶媒回収用コンデンサー。バルブ(V4)を通じて冷却
用プロセス水と接続する。 T3: リサイクル溶媒の貯蔵および水分離のための溶媒デカンター(約2
50USG)。バルブ(V3)により試料採取および水の排出ができる。 T4: 微細物沈殿用プラスチック製タンク(60L)。 G: 生成物の脱水および乾燥用孔あきトレイ。 Ex:短時間(長さ24秒、直径3インチのスクリュー)脱水押出機「Rock
et」(動力源:変速ギヤーボックスを介する防爆モーター)。
【0072】 (実施例) 実施例1−SBR結合剤中酸化アンチモン分散物 結合剤溶液(「セメント」)を、Buna VSL 5025-0 溶液 SBR(Bayer AG 製、
84.7g)および Sundex 8125 高級芳香族プロセスオイル(Sun Oil Co. 製
、40.3g)を2Lジャグ中にある混合ヘキサン480gに溶かすことにより
調製した。
【0073】 三酸化アンチモン(Amspec Chemical Corp. 製 Sb2O3、500g)および1L
の水を4Lガラスビーカーに入れた。機械的に攪拌することにより、固体を均一
に分散させた。得られたスラリーを、攪拌を続けながらホットプレートにより5
5℃に加熱した。
【0074】 次いで、無水メタノール(5.3g)中N-オレイル-N-(3-トリメトキシシ
リル)プロピルアンモニウムクロリド(5.3g)の溶液を、攪拌されているス
ラリーに5分間で滴加した。水酸化ナトリウム(0.6g)を10mlの水に溶
かし、次いで、その溶液を処理酸化アンチモンのスラリーに5分間で滴加した。
【0075】 酸化アンチモンのスラリーをホットプレートから取り外し、攪拌せずに周囲温
度まで放置冷却した。次いで、結合剤溶液をスラリーに添加し、塊をスパチュラ
で3分間混合し、この時点で少量の透明な水がバルクから分離した。攪拌を、さ
らに12分間続けた。
【0076】 次いで全混合物を、混合ヘキサンを除去するため通風室内で適切に、激しく攪
拌しながら30分間で10Lの湯(生蒸気を用いて90〜95℃に維持)に添加
した。物質が無溶媒となったとき、40℃に放置冷却し、次いでクラムとして湿
潤生成物を回収するために1mmのスクリーンに通した。凝固しょう液(濾液)
は、白色で、懸濁固体の無い水であることが観測された。湿潤生成物クラムを、
80℃で温調している強制空気流オーブンに移し、1晩乾燥して、615gの粘
着性分散物を得た。
【0077】 実施例2−NBR結合剤中二酸化チタン分散物 安定化結合剤溶液(「セメント」)を、Krynac 34:35 アクリロニトリル-ブタ
ジエンコポリマー(NBR、Bayer AG 製、200g)、トリス(ノニルフェニル
)ホスファイト(Polygard 2.1g)および Irganox 1076(Ciba-Geigy 製1.
0g)を2Lジャグ中のトルエン1133.3gに溶かすことにより調製した。
【0078】 二酸化チタン(DuPont 製「Ti-Pure」ルチル型、800g)および1.6Lの
水を4Lガラスビーカーに入れた。機械的に攪拌することにより、固体を均一に
分散させた。得られたスラリーを、攪拌を続けながらホットプレートにより35
℃に温めた。
【0079】 次いで、無水メタノール(8.5g)中N-オレイル-N-(3-トリメトキシシ
リル)プロピルアンモニウムクロリド(8.5g)の溶液を、攪拌されているス
ラリーに5分間で滴加した。水酸化ナトリウム(0.74g)を10mlの水に
溶かし、次いで、その溶液を処理二酸化チタンのスラリーに5分間で滴加した。
【0080】 スラリーをホットプレートから取り外し、攪拌せずに周囲温度まで放置冷却し
た。次いで、スラリーを6Lステンレススチール製ビーカーに定量的に移した。
次いで、結合剤溶液のバルクをスラリーに添加した。次いで、結合剤溶液の瓶を
200mlのトルエンですすぎ、洗液をスラリーに添加した。塊を空気式駆動イ
ンペラーで15分間激しく混合し、この時点で少量の透明な水がバルクから分離
した。攪拌を、さらに5分間続けた。
【0081】 次いで上記のクリーム状の塊を、溶媒を除去するため通風室内で適切に、激し
く攪拌しながら30分間で10Lの湯(生蒸気を用いて90〜95℃に維持)に
添加した。溶媒除去後、生成物を40℃に放置冷却し、次いで湿潤生成物クラム
を回収するために1mmのスクリーンに通した。凝固しょう液(濾液)は、透明
で澄んでおり、懸濁固体が無いことが観測された。湿潤生成物クラムを、80℃
で温調している強制空気流オーブンに移し、乾燥し、1018gの粘着性白色固
体を得た。
【0082】 実施例3−EP結合剤中酸化鉄分散物 結合剤混合物を、EP306 エチレン-プロピレンコポリマー(Bayer AG 製、87
g)、液状パラフィン(重質鉱油、U.S.P.、43.0g)、イソステアリン酸(
Emersol 875、Henkel 製、28.45g)、Bayferrox 720N(赤色酸化鉄顔料、
Bayer AG 製、5.3g)および493.0gのシクロヘキサンを2Lガラス瓶
に添加し、均一混合物が得られるまで攪拌することにより調製した。
【0083】 Bayferrox 720N 赤色酸化鉄顔料(Bayer AG 製、836.25g)および16
73mlの水を6Lステンレススチール製ビーカーに入れた。機械的に攪拌する
ことにより、固体を均一に分散させた。得られたスラリーを、攪拌を続けながら
ホットプレートにより55℃に温めた。
【0084】 次いで、無水メタノール(8.5g)中N-オレイル-N-(3-トリメトキシシ
リル)プロピルアンモニウムクロリド(8.5g)の溶液を、攪拌されているス
ラリーに5分間で滴加した。水酸化ナトリウム(0.74g)を10mlの水に
溶かし、次いで、その溶液を処理顔料スラリーに5分間で滴加した。
【0085】 次いで、スラリーをホットプレートから取り外し、攪拌せずに周囲温度まで放
置冷却した。次いで、結合剤混合物のバルクをスラリーに添加した。次いで、結
合剤混合物の瓶を200mlのシクロヘキサンですすぎ、洗液をスラリーに添加
した。塊を空気式駆動インペラーで9分間激しく混合し、この時点で相が分離し
始めた。合計25分間の攪拌後、相は完全に分離し、赤味がかった粘着性の塊と
少量の透明で澄んだ水性しょう液を得た。
【0086】 次いで上記の総量を、溶媒を除去するため通風室内で適切に、激しく攪拌しな
がら30分間で10Lの湯(生蒸気を用いて90〜95℃に維持)に添加した。
溶媒が無くなった後、室温まで放置冷却し、次いで湿潤生成物クラムを回収する
ために1mmのスクリーンに通した。凝固しょう液(濾液)は、透明無色で、懸
濁固体が無いことが観測された。湿潤生成物クラムを、80℃で温調している強
制空気流オーブンに移し、乾燥し、984gの粘着性赤色固体を得た。
【0087】 実施例4−EP結合剤中酸化亜鉛分散物 結合剤混合物を、EP306 エチレン-プロピレンコポリマー(Bayer AG 製、87
g)、Sunthene 310 ナフテン性プロセスオイル(Sun Oil 製、43.0g)、
イソステアリン酸(Emersol 875、Henkel 製、29.5g)、フレンチプロセス
酸化亜鉛(4.23g)および493.0gのシクロヘキサンを2Lガラス瓶に
添加し、均一混合物が得られるまで攪拌することにより調製した。
【0088】 フレンチプロセス酸化亜鉛(837g)および1674mlの水を6Lステン
レススチール製ビーカーに入れた。機械的に攪拌することにより、固体を均一に
分散させた。
【0089】 次いで、無水メタノール(8.5g)中N-オレイル-N-(3-トリメトキシシ
リル)プロピルアンモニウムクロリド(8.5g)の溶液を、攪拌されているス
ラリーに5分間で滴加した。水酸化ナトリウム(0.74g)を10mlの水に
溶かし、次いで、その溶液を処理顔料スラリーに5分間で滴加した。
【0090】 スラリーをさらに30分間攪拌した。次いで、結合剤混合物のバルクをスラリ
ーに添加した。次いで、結合剤混合物の瓶を100mlのシクロヘキサンですす
ぎ、洗液をスラリーに添加した。塊を、濃厚なペーストの混合を高めるために、
断続的に手動(スパチュラ)で攪拌しながら、空気式駆動インペラーで10分間
激しく混合した。
【0091】 次いで上記の総量を、溶媒を除去するため通風室内で適切に、激しく攪拌しな
がら30分間で10Lの湯(生蒸気を用いて90〜95℃に維持)に添加した。
溶媒が無くなった後、凝固器の内容物を室温まで放置冷却し、次いで湿潤生成物
クラムを回収するために1mmのスクリーンに通した。凝固しょう液(濾液)は
、透明無色で、懸濁固体が無いことが観測された。湿潤生成物クラムを、90℃
で温調している強制空気流オーブンに移し、乾燥し、910gの固い白色ペース
トを得た。
【0092】 実施例5−EP結合剤中群青分散物 群青顔料(225g)および1020mlの水を4Lガラスビーカーに入れた
。機械的に攪拌することにより、固体を均一に分散させた。得られたスラリーを
攪拌を続けながら、ホットプレートを用いて80℃に加熱した。
【0093】 次いで、無水メタノール(6.38g)中N-オレイル-N-(3-トリメトキシ
シリル)プロピルアンモニウムクロリド(6.38g)の溶液を、攪拌されてい
るスラリーへ一度に添加した。水酸化ナトリウム(0.55g)を10mlの水
に溶かし、次いで、その溶液を処理顔料スラリーに5分間で滴加した。次いで、
スラリーを室温に冷却した。
【0094】 次いで、10質量% EP306 エチレン-プロピレンコポリマー(Bayer AG 製)
シクロヘキサン溶液850gをスラリーに添加した。次いで、混合を高めるため
に断続的に手動(スパチュラ)で攪拌しながら空気式駆動インペラーで数分間混
合した。
【0095】 次いで、そのように調製した混合物を、溶媒を除去するため通風室内で適切に
、激しく攪拌しながら30分間で10Lの湯(生蒸気を用いて90〜95℃に維
持)に添加した。溶媒が無くなった後、凝固器の内容物を室温まで放置冷却し、
次いで湿潤生成物クラムを回収するために1mmのスクリーンに通した。凝固し
ょう液(濾液)は、ほんのわずかに青色がかった透明であることが観測された。
湿潤生成物クラムを、80℃で温調している強制空気流オーブンに移し、乾燥し
、326gの紺青色破砕性固体を得た。
【0096】 実施例6−EP結合剤中赤色酸化鉄 Bayferrox 720N 赤色酸化鉄顔料(Bayer AG 製、255g)および510ml
の水を4Lガラスビーカーに入れた。機械的に攪拌することにより、固体を均一
に分散させた。得られたスラリーを攪拌を続けながら、ホットプレートを用いて
60℃に加熱した。
【0097】 次いで、無水メタノール(6.38g)中N-オレイル-N-(3-トリメトキシ
シリル)プロピルアンモニウムクロリド(6.38g)の溶液を、攪拌されてい
るスラリーに5分間で滴加した。スラリー粘度の明らかな減少が認められた。水
酸化ナトリウム(0.55g)を10mlの水に溶かし、次いで、その溶液を処
理顔料スラリーに5分間で滴加した。水酸化ナトリウム溶液を添加した故にスラ
リーが増粘した。次いで、スラリーを室温に冷却した。
【0098】 次いで、10質量% EP306 エチレン-プロピレンコポリマー(Bayer AG 製)
シクロヘキサン溶液850gをスラリーに添加した。次いで、空気式駆動インペ
ラーで5分間混合した。
【0099】 次いで、そのように調製した混合物を、溶媒を除去するため通風室内で適切に
、激しく攪拌しながら15分間で10Lの湯(生蒸気を用いて90〜95℃に維
持)に添加した。凝固中に大きな塊が形成する明らかな傾向があり、スパチュラ
を用いて手動でつぶす必要があった。溶媒が無くなった後、凝固器の内容物を室
温まで放置冷却し、次いで湿潤生成物クラムを回収するために1mmのスクリー
ンに通した。凝固しょう液(濾液)は、ほんのわずかに赤味がかった透明である
ことが観測された。湿潤生成物クラムを、80℃で温調している強制空気流オー
ブンに移し、乾燥し、317gの赤色粘着性固体を得た。
【0100】 実施例7−EP結合剤中二酸化チタン 二酸化チタン(DuPont 製「Ti-Pure」ルチル型、255g)および510ml
の水を4Lガラスビーカーに入れた。機械的に攪拌することにより、固体を均一
に分散させた。得られたスラリーを攪拌を続けながら、ホットプレートを用いて
60℃に加熱した。
【0101】 次いで、無水メタノール(6.38g)中N-オレイル-N-(3-トリメトキシ
シリル)プロピルアンモニウムクロリド(6.38g)の溶液を、攪拌されてい
るスラリーに5分間で滴加した。スラリー粘度の明らかな減少が認められた。水
酸化ナトリウム(0.55g)を10mlの水に溶かし、次いで、その溶液を処
理顔料スラリーに5分間で滴加した。水酸化ナトリウム溶液を添加した故にスラ
リーが非常に増粘した。次いで、スラリーを室温に冷却した。
【0102】 次いで、10質量% EP306 エチレン-プロピレンコポリマー(Bayer AG 製)
シクロヘキサン溶液850gをスラリーに添加した。次いで、空気式駆動インペ
ラーで合計5分間混合した。2分後に少量の透明な水がバルクから分離し始めた
【0103】 次いで、そのように調製した混合物を、溶媒を除去するため通風室内で適切に
、激しく攪拌しながら15分間で10Lの湯(生蒸気を用いて90〜95℃に維
持)に添加した。凝固中に微細クラムが形成する明らかな傾向があり、攪拌速度
を低下させる必要があった。溶媒が無くなった後、凝固器の内容物を室温まで放
置冷却し、次いで湿潤生成物クラムを回収するために1mmのスクリーンに通し
た。凝固しょう液(濾液)は、透明であることが観測された。湿潤生成物クラム
を、80℃で温調している強制空気流オーブンに移し、乾燥し、326gの白色
粘着性固体を得た。
【0104】 実施例8−特殊ポリマー結合剤中炭酸バリウム 炭酸バリウム(800g)および1600mlの水を6Lステンレススチール
製ビーカーに入れた。機械的に攪拌することにより、固体を均一に分散させた。 次いで、無水メタノール(8.5g)中N-オレイル-N-(3-トリメトキシシ
リル)プロピルアンモニウムクロリド(8.5g)の溶液を、攪拌されているス
ラリーに5分間で滴加した。スラリー粘度の明らかな増加が認められた。
【0105】 上記スラリーに次のものを以下に示す順序で添加した: 10質量% Hydrin T3100 ECO(日本ゼオン製)トルエン溶液680g、 10質量% EP306 エチレン-プロピレンコポリマー(Bayer AG 製)シクロ
ヘキサン溶液319g、 塩素化ポリエチレン(Tyrin CM 0136)31.9g、 イソステアリン酸(Emersol 875、Henkel 製)4.0g、 液状パラフィン(重質鉱油、U.S.P.)8.0g、および 塩素化パラフィンワックス(Chlorowax 40)64.0g。
【0106】 次いで、スラリーと特殊成分の混合物を、空気式駆動インペラーで5分間攪拌
した。ほぼ直ちに透明で澄んだ水相がバルクから分離した。 次いで、そのように調製した混合物を、溶媒を除去するため通風室内で適切に
、激しく攪拌しながら30分間で10Lの湯(生蒸気を用いて90〜95℃に維
持)に添加した。凝固中に大きな塊が形成する明らかな傾向があり、スパチュラ
を用いて手動でつぶす必要があった。溶媒が無くなった後、凝固器の内容物を室
温まで放置冷却し、次いで湿潤生成物クラムを回収するために1mmのスクリー
ンに通した。凝固しょう液(濾液)は、透明で澄んでいることが観測された。湿
潤生成物クラムはやや粘着性であった。それを、80℃で温調している強制空気
流オーブンに移し、乾燥し、1000gの白色粘着性固体を得た。
【0107】 実施例9−EPDM/EVA結合剤中ホウ酸亜鉛分散物 2つの別の結合剤溶液(「セメント」)を2Lジャグ中で(1)EP5465 エチ
レン-プロピレンターポリマー(Bayer AG 製、110g)を890gのシクロヘ
キサンに溶かすことにより、および(2)EVAコポリマー(Levaprene 450、B
ayer AG 製、50g)と塩素化パラフィンワックス(Chlorowax 40、Oxychem Co
rp. 製、40g)を910gのトルエンに溶かすことにより調製した。
【0108】 ホウ酸亜鉛(ZB-45、The Polymer Additives Group、800g)および120
0gの水道水を6Lステンレススチール製ビーカーに入れた。内容物を攪拌し、
ホットプレートを用いて50℃に温めた。次いで、均一な分散を確保するため、
混合物を Gifford-Wood ホモジナイザーを用いて5分間激しく剪断した。容器の
内側面を、少量(100ml)の冷却水を用いて固体が残らないように洗浄した
【0109】 上記スラリーに、50質量%のN-オレイル-N-(3-トリメトキシシリル)プロ
ピルアンモニウムクロリド無水メタノール溶液17.0gを5分間で滴加した。
スラリーをさらに5分間攪拌し、次いで水10ml中水酸化ナトリウム0.55
gの溶液を処理ホウ酸亜鉛スラリーに1分間で滴加した。水酸化ナトリウム添加
後、スラリーは著しい粘度の増加を示した。
【0110】 次いで、上記スラリーを周囲温度まで放置冷却した。次いで、EPDMシクロ
ヘキサン溶液を瓶から直接注ぐことによりスラリーに添加した。EVA/塩素化
パラフィンのトルエン溶液を同様に添加した。EPDMが残っている瓶を100
gのシクロヘキサンですすぎ、洗液を混合物に添加した。次いで、スチール製ビ
ーカー内の混合物を、空気圧式アキシアルインペラーを用いて250rmpで激
しく剪断し、濃厚なペーストを得た。分離水は観測されなかった。
【0111】 通風室内で溶媒を除去するため、低圧(15psi)蒸気用可撓管を容器に差
し込み、攪拌を続けながら内容物を加熱した。溶媒の臭気が無くなった後、蒸気
を止め、物質を放置冷却した。凝固物からの水相は透明で澄んでいた。 固体クラムを1mmのスクリーンを通して濾過することにより回収した。次い
で、それを90℃で温調している強制空気流オーブンに移し、6時間乾燥し、1
〜2mmの容易に変形する白色偏球の形態の生成物952gを得た。
【0112】 本発明を、好ましい実施態様および実施例に関して記載したが、本発明の意図
および範囲から外れることなく、これらの好ましい実施態様および実施例に対す
る種々の変形ができることを、当業者は当然に理解するであろう。例えば、処理
粒子の水性懸濁液およびポリマーセメント/溶液を組み合せた後、薄膜蒸発機ま
たは脱蔵押出機(即ち、水を使用しないでポリマーから溶媒を除去する装置)を
使用することにより溶媒を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法を行うために有用なシステムの概要を説明する図。
【符号の説明】
R1:バランス搭載移動式ペイントポット Vs:Strahman(ピストン)バルブ J:加熱用外部蒸気コイル P1:化学剤添加用ポート N1:窒素用ポート W:水用ポート E:移動式排出用シュノーケル T1:ガラスラインド化学反応器 M:ポリマー等の導入用マンホール P2:溶媒添加用ポート N2:窒素用ポート H:外装フレックスホース P3:オーバーフロー用ポート S:振動式ふるい C:コンデンサー T3:溶媒デカンター T4:微細物沈殿用タンク G:孔あきトレイ Ex:脱水押出機 V1〜V4:バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 9/06 C08K 9/06 4J002 C08L 101/00 C08L 101/00 4J037 C09D 17/00 C09D 17/00 // C01B 13/14 C01B 13/14 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4G002 AA12 AB05 AE05 4G042 DA01 DB27 DC03 DE03 4G047 CA02 CA10 CB05 CB08 CC03 4G072 AA41 BB05 GG03 HH14 HH28 QQ07 RR12 UU09 4G076 AA16 AB09 BA24 BF01 CA02 DA21 4J002 AC011 AC031 AC061 AC071 AC081 AC091 AC111 BB031 BB061 BB121 BB151 BB181 BB241 BC031 BD041 BG061 BN151 CH041 CK021 CP031 DE106 DE116 DE126 DE146 DE156 DE236 DH046 DJ006 DK006 FB096 FD016 HA06 4J037 AA08 AA09 AA11 AA13 AA15 AA18 AA22 CB01 CB23 CC06 CC12 CC13 CC14 CC15 CC16 CC18 CC25 CC26 CC28 DD23 EE28 EE43 FF15

Claims (45)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子を疎水性にする処理方法であって、式(I): 【化1】 〔式中、 R1、R2およびR3の少なくとも1つは、ヒドロキシル基または加水分解性基
    であり、 R4は、Si-R4結合で耐加水分解性である2価の基であり、 R5は、水素、C1〜40アルキル基、C2〜40モノ、ジまたはトリ不飽和アルケ
    ニル基、C6〜C40アリール基、次式で表される基: 【化2】 (式中、xは2〜10の整数であり、R8およびR9は同一のまたは異なったもの
    であり、それぞれ水素、C1〜18アルキル基、C2〜18モノ、ジまたはトリ不飽和
    アルケニル基、フェニル基から選ばれる。)、 次式で表される基: 【化3】 (式中、bは1〜10の整数である。)、 次式で表される基: 【化4】 (式中、cは1〜10の整数であり、窒素原子に対するα位に二重結合が無いこ
    とを条件にR10およびR11は同一のまたは異なったものであり、それぞれ水素、
    1〜10アルキル基またはC2〜10アルケニル基から選ばれる。) および次式で表される基: 【化5】 (式中、rは1〜6の整数であり、dは1〜4の整数である。) から選ばれ、 R6は、(i)R5およびR6が窒素原子に隣接する第3級炭素原子を有さないこ
    と、かつ(ii)R5およびR6の少なくとも1つは、ヘテロ原子を介在させずに少
    なくとも8個の炭素原子の鎖長である炭素鎖を有することを条件に、R5のため
    に定義した基のいずれかであるか、またはR5およびR6は共同して次式で表され
    る2価の基: 【化6】 (式中、Aは、-CHR基または-NR基〈式中、Rは水素またはC6〜40アルキ
    ル基またはC6〜40アルケニル基である。〉、C6〜C40アリール基、酸素原子お
    よび硫黄原子から選ばれ、tおよびvの合計が6を超えないことを条件にtおよ
    びvはそれぞれ個々に1、2、3または4である。) を形成する。〕 で表される化合物またはその酸付加物またはその第4級アンモニウム塩と粒子を
    接触させる工程を含む方法。
  2. 【請求項2】 R1、R2およびR3のそれぞれがヒドロキシル基または加水
    分解性基である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 加水分解性基が式OCp2p+1(式中、pは1〜10の値を
    有する。)で表される請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 2価の基R4が式: -(CH2)p(O)o(C64)n(CH2)m(CH=CH)k- 〔式中、k、m、n、oおよびpはすべて整数であり、NまたはOのいずれもが
    式(I)で表される化合物においてSiと直接結合していないこと以外は、基の
    順序は限定されない。〕 で表される請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 R5がC8〜20モノ不飽和アルケニル基である請求項1〜4の
    いずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 R5がC16〜18モノ不飽和アルケニル基である請求項1〜4
    のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 R6が水素である請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 R5が水素であり、R6が、1つまたはそれ以上の不飽和部分
    を含む、大豆アルキル基、トール油アルキル基、ステアリル基、獣脂アルキル基
    、2水素化獣脂アルキル基、ココアルキル基、ロジンアルキル基、パルミチル基
    およびこれらの誘導基からなる群から選ばれるアルケニル基である請求項1〜7
    のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 式(I)で表される化合物が、次式: 【化7】 〔式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は上記で定義された通りであり、R 7 は水素、C1〜40アルキル基、C2〜40モノ、ジまたはトリ不飽和アルケニル基
    から選ばれ、Xはアニオンである。〕 で表される塩の形態で使用される請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 Xが、アセテート、塩素、臭素およびスルフェートからな
    る群から選ばれる請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 R7が水素である請求項9または10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 式(I)で表される化合物の塩が、N-オレイル-N-[(3-
    トリエトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロリド、N-3-アミノプロピルメ
    チルジエトキシシランヒドロブロミド、(アミノエチルアミノメチル)フェニルト
    リメトキシシランヒドロクロリド、N-[(3-トリメトキシシリル)プロピル]-N-
    メチル-N,N-ジアリルアンモニウムクロリド、N-テトラデシル-N,N-ジメチ
    ル-N-[(3-トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムブロミド、3[2-N-ベ
    ンジルアミノエチルアミノプロピル]トリメトキシシランヒドロクロリド、N-オ
    クタデシル-N,N-ジメチル-N-[(3-トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウ
    ムブロミド、N-[(トリメトキシシリル)プロピル]-N-トリ(n-ブチル)アンモニ
    ウムクロリド、N-オクタデシル-N-[(3-トリエトキシシリル)プロピル]アンモ
    ニウムクロリド、N-2-(ビニルベンジルアミノ)エチル-3-アミノプロピルトリ
    メトキシシランヒドロクロリドおよびこれらの混合物からなる群から選ばれる請
    求項9に記載の方法。
  13. 【請求項13】 式(I)で表される化合物の塩がN-オクタデシル-N-[(3
    -トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロリドである請求項9に記載の
    方法。
  14. 【請求項14】 粒子が非水溶性無機化合物を含む請求項1〜13のいずれ
    かに記載の方法。
  15. 【請求項15】 非水溶性無機化合物が酸素を含有する化合物を含む請求項
    14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 非水溶性無機化合物が酸素および金属を含有する化合物を
    含む請求項14に記載の方法。
  17. 【請求項17】 金属が周期律表の第 II〜VIII 族の元素から選ばれる請求
    項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 非水溶性無機化合物が第 II 族の水酸化物および炭酸塩化
    合物から選ばれる請求項14に記載の方法。
  19. 【請求項19】 非水溶性無機化合物が酸化物、水酸化物、ホウ酸塩、硫酸
    塩、炭酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、クロム酸塩およびこれらの混合物からなる群
    から選ばれる金属含有化合物である請求項14に記載の方法。
  20. 【請求項20】 粒子が、酸化チタン、酸化第二鉄、水和酸化第二鉄、酸化
    第一鉄、酸化アンチモン、炭酸バリウム、酸化亜鉛、ホウ酸亜鉛、酸化鉛(鉛丹
    酸化物を含む。)、二塩基性リン酸鉛、ケイ酸鉛、三塩基性硫酸鉛およびこれら
    の混合物からなる群から選ばれる請求項1〜19いずれかに記載の方法。
  21. 【請求項21】 粒子がシリカを含む請求項1〜19のいずれかに記載の方
    法。
  22. 【請求項22】 式(I)で表される化合物の使用量が、粒子の約0.1〜
    約20質量%の範囲である請求項1〜21のいずれかに記載の方法。
  23. 【請求項23】 処理粒子をポリマー溶液と混合し、混合物をポリマー分散
    物に形成する工程をさらに含む請求項1〜22のいずれかに記載の方法。
  24. 【請求項24】 処理粒子スラリーをポリマー溶液と混合し、混合物をポリ
    マー分散物に形成する工程をさらに含む請求項1〜22のいずれかに記載の方法
  25. 【請求項25】 ポリマー溶液がポリマーと溶媒を含む請求項23または2
    4に記載の方法。
  26. 【請求項26】 ポリマーが、エラストマー、少なくとも1つのエチレン性
    不飽和結合を有し、この不飽和結合により重合することができるモノマーのグラ
    フトポリマーまたはブロックポリマー、プラスチックおよびこれらの混合物から
    なる群から選ばれる請求項24に記載の方法。
  27. 【請求項27】 エラストマーが、天然ゴム(NR)、シス-1,4-ポリイ
    ソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエンゴ
    ム(SBR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、水素化アクリロ
    ニトリル-ブタジエンゴム(HNBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブ
    チルゴム(HIIR)、エチレン-プロピレンモノマー(EPM)ゴム、エチレ
    ン-プロピレン-ジエンモノマー(EPDM)ゴム、クロロプレンゴム(CR)、
    エチレン-ビニルアセテート(EVM)ゴム、シリコーンゴム(Q)、エピクロ
    ロヒドリン(ECO)ゴム、ウレタンゴム(AU EU)およびこれらの混合物
    からなる群から選ばれる請求項26に記載の方法。
  28. 【請求項28】 プラスチックが、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロ
    ピレン、塩素化ポリエチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS
    )ポリマー、エチレン-ビニルアセテート(EVA)プラスチック、ポリ塩化ビ
    ニル(PVC)、可塑化ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメチルメタクリレート
    (PMMA)、エピクロロヒドリン(ECO)プラスチックおよびこれらの混合
    物からなる群から選ばれる請求項26に記載の方法。
  29. 【請求項29】 溶媒が水と実質的に非混和性である請求項25に記載の方
    法。
  30. 【請求項30】 溶媒が、シクロヘキサン、クロロベンゼン、ヘキサン、ベ
    ンゼン、トルエン、ペンタンおよびこれらの混合物からなる群から選ばれる請求
    項25に記載の方法。
  31. 【請求項31】 式(I): 【化8】 〔式中、 R1、R2およびR3の少なくとも1つは、ヒドロキシル基または加水分解性基
    であり、 R4は、Si-R4結合で耐加水分解性である2価の基であり、 R5は、水素、C1〜40アルキル基、C2〜40モノ、ジまたはトリ不飽和アルケ
    ニル基、C6〜C40アリール基、次式で表される基: 【化9】 (式中、xは2〜10の整数であり、R8およびR9は同一のまたは異なったもの
    であり、それぞれ水素、C1〜18アルキル基、C2〜18モノ、ジまたはトリ不飽和
    アルケニル基、フェニル基から選ばれる。)、 次式で表される基: 【化10】 (式中、bは1〜10の整数である。)、 次式で表される基: 【化11】 (式中、cは1〜10の整数であり、窒素原子に対するα位に二重結合が無いこ
    とを条件にR10およびR11は同一のまたは異なったものであり、それぞれ水素、
    1〜10アルキル基またはC2〜10アルケニル基から選ばれる。) および次式で表される基: 【化12】 (式中、rは1〜6の整数であり、dは1〜4の整数である。) から選ばれ、 R6は、(i)R5およびR6が窒素原子に隣接する第3級炭素原子を有さないこ
    と、かつ(ii)R5およびR6の少なくとも1つは、ヘテロ原子を介在させずに少
    なくとも8個の炭素原子の鎖長である炭素鎖を有することを条件に、R5のため
    に定義した基のいずれかであるか、またはR5およびR6は共同して次式で表され
    る2価の基: 【化13】 (式中、Aは、-CHR基または-NR基〈式中、Rは水素またはC6〜40アルキ
    ル基またはC6〜40アルケニル基である。〉、C6〜C40アリール基、酸素原子お
    よび硫黄原子から選ばれ、tおよびvの合計が6を超えないことを条件にtおよ
    びvはそれぞれ個々に1、2、3または4である。) を形成する。〕 で表される化合物またはその酸付加物またはその第4級アンモニウム塩と粒子を
    接触させ、その処理粒子をポリマー溶液と混合しポリマー分散物を形成する工程
    を含む方法により製造されるポリマー分散物。
  32. 【請求項32】 ケイ素および窒素の両方を有するアミノ炭化水素シロキサ
    ン部分と結合している粒子を含む処理粒状物質。
  33. 【請求項33】 アミノ炭化水素シラン部分が、次式 【化14】 〔式中、 Ra、RbおよびRcは同一のまたは異なったものであり、それぞれ-O-および
    1つまたはそれ以上の酸素原子により任意に置換されていて良い-Cp2p-(式
    中、pは1〜10の整数である。)から選ばれ、および R12は次式: 【化15】 (式中、 R4は、Si-R4結合で耐加水分解性である2価の基であり、 R5は、水素、C1〜40アルキル基、C2〜40モノ、ジまたはトリ不飽和アルケ
    ニル基、C6〜C40アリール基、次式で表される基: 【化16】 〈式中、xは2〜10の整数であり、R8およびR9は同一のまたは異なったもの
    であり、それぞれ水素、C1〜18アルキル基、C2〜18モノ、ジまたはトリ不飽和
    アルケニル基、フェニル基から選ばれる。〉、 次式で表される基: 【化17】 〈式中、bは1〜10の整数である。〉、 次式で表される基: 【化18】 〈式中、cは1〜10の整数であり、窒素原子に対するα位に二重結合が無いこ
    とを条件にR10およびR11は同一のまたは異なったものであり、それぞれ水素、
    1〜10アルキル基またはC2〜10アルケニル基から選ばれる。〉 および次式で表される基: 【化19】 〈式中、rは1〜6の整数であり、dは1〜4の整数である。〉 から選ばれ、 R6は、(i)R5およびR6が窒素原子に隣接する第3級炭素原子を有さないこ
    と、かつ(ii)R5およびR6の少なくとも1つは、ヘテロ原子を介在させずに少
    なくとも8個の炭素原子の鎖長である炭素鎖を有することを条件に、R5のため
    に定義した基のいずれかであるか、またはR5およびR6は共同して次式で表され
    る2価の基: 【化20】 〈式中、Aは、-CHR基または-NR基{式中、Rは水素またはC6〜40アルキ
    ル基またはC6〜40アルケニル基である。}、C6〜C40アリール基、酸素原子お
    よび硫黄原子から選ばれ、tおよびvの合計が6を超えないことを条件にtおよ
    びvはそれぞれ個々に1、2、3または4である。〉 を形成する。) で表される基またはその酸付加物である基またはその第4級アンモニウム塩であ
    る基である。〕 で表される請求項32に記載の処理粒状物質。
  34. 【請求項34】 式(I): 【化21】 〔式中、 R1、R2およびR3の少なくとも1つは、ヒドロキシル基または加水分解性基
    であり、 R4は、Si-R4結合で耐加水分解性である2価の基であり、 R5は、水素、C1〜40アルキル基、C2〜40モノ、ジまたはトリ不飽和アルケ
    ニル基、C6〜C40アリール基、次式で表される基: 【化22】 (式中、xは2〜10の整数であり、R8およびR9は同一のまたは異なったもの
    であり、それぞれ水素、C1〜18アルキル基、C2〜18モノ、ジまたはトリ不飽和
    アルケニル基、フェニル基から選ばれる。)、 次式で表される基: 【化23】 (式中、bは1〜10の整数である。)、 次式で表される基: 【化24】 (式中、cは1〜10の整数であり、窒素原子に対するα位に二重結合が無いこ
    とを条件にR10およびR11は同一のまたは異なったものであり、それぞれ水素、
    1〜10アルキル基またはC2〜10アルケニル基から選ばれる。) および次式で表される基: 【化25】 (式中、rは1〜6の整数であり、dは1〜4の整数である。) から選ばれ、 R6は、(i)R5およびR6が窒素原子に隣接する第3級炭素原子を有さないこ
    と、かつ(ii)R5およびR6の少なくとも1つは、ヘテロ原子を介在させずに少
    なくとも8個の炭素原子の鎖長である炭素鎖を有することを条件に、R5のため
    に定義した基のいずれかであるか、またはR5およびR6は共同して次式で表され
    る2価の基: 【化26】 (式中、Aは、-CHR基または-NR基〈式中、Rは水素またはC6〜40アルキ
    ル基またはC6〜40アルケニル基である。〉、C6〜C40アリール基、酸素原子お
    よび硫黄原子から選ばれ、tおよびvの合計が6を超えないことを条件にtおよ
    びvはそれぞれ個々に1、2、3または4である。) を形成する。〕 で表される化合物またはその酸付加物またはその第4級アンモニウム塩と粒子を
    接触させる工程を含む方法により製造される、ケイ素および窒素の両方を有する
    アミノ炭化水素シロキサン部分と結合している粒子を含む処理粒状物質。
  35. 【請求項35】 R5が水素であり、R6が、1つまたはそれ以上の不飽和部
    分を含む、大豆アルキル基、トール油アルキル基、ステアリル基、獣脂アルキル
    基、2水素化獣脂アルキル基、ココアルキル基、ロジンアルキル基、パルミチル
    基およびこれらの誘導基からなる群から選ばれるアルケニル基である請求項34
    に記載の処理粒状物質。
  36. 【請求項36】 式(I)で表される化合物が、次式: 【化27】 〔式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は上記で定義された通りであり、R 7 は水素、C1〜40アルキル基、C2〜40モノ、ジまたはトリ不飽和アルケニル基
    から選ばれ、Xがアニオンである。〕 で表される塩の形態で使用される請求項34に記載の処理粒状物質。
  37. 【請求項37】 式(I)で表される化合物の塩が、N-オレイル-N-[(3-
    トリエトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロリド、N-3-アミノプロピルメ
    チルジエトキシシランヒドロブロミド、(アミノエチルアミノメチル)フェニルト
    リメトキシシランヒドロクロリド、N-[(3-トリメトキシシリル)プロピル]-N-
    メチル-N,N-ジアリルアンモニウムクロリド、N-テトラデシル-N,N-ジメチ
    ル-N-[(3-トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムブロミド、3[2-N-ベ
    ンジルアミノエチルアミノプロピル]トリメトキシシランヒドロクロリド、N-オ
    クタデシル-N,N-ジメチル-N-[(3-トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウ
    ムブロミド、N-[(トリメトキシシリル)プロピル]-N-トリ(n-ブチル)アンモニ
    ウムクロリド、N-オクタデシル-N-[(3-トリエトキシシリル)プロピル]アンモ
    ニウムクロリド、N-2-(ビニルベンジルアミノ)エチル-3-アミノプロピルトリ
    メトキシシランヒドロクロリドおよびこれらの混合物からなる群から選ばれる請
    求項36に記載の処理粒状物質。
  38. 【請求項38】 式(I)で表される化合物の塩がN-オクタデシル-N-[(3
    -トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロリドである請求項36に記載
    の処理粒状物質。
  39. 【請求項39】 ポリマーおよび処理粒状物質を含むポリマー分散物であっ
    て、処理粒状物質がケイ素および窒素の両方を有するアミノ炭化水素シロキサン
    部分と結合している粒子を含む、ポリマー分散物。
  40. 【請求項40】 アミノ炭化水素シラン部分が、次式 【化28】 〔式中、 Ra、RbおよびRcは同一のまたは異なったものであり、それぞれ-O-および
    1つまたはそれ以上の酸素原子により任意に置換されていて良い-Cp2p-(式
    中、pは1〜10の整数である。)から選ばれ、および R12は次式: 【化29】 (式中、 R4は、Si-R4結合で耐加水分解性である2価の基であり、 R5は、水素、C1〜40アルキル基、C2〜40モノ、ジまたはトリ不飽和アルケ
    ニル基、C6〜C40アリール基、次式で表される基: 【化30】 〈式中、xは2〜10の整数であり、R8およびR9は同一のまたは異なったもの
    であり、それぞれ水素、C1〜18アルキル基、C2〜18モノ、ジまたはトリ不飽和
    アルケニル基、フェニル基から選ばれる。〉、 次式で表される基: 【化31】 〈式中、bは1〜10の整数である。〉、 次式で表される基: 【化32】 〈式中、cは1〜10の整数であり、窒素原子に対するα位に二重結合が無いこ
    とを条件にR10およびR11は同一のまたは異なったものであり、それぞれ水素、
    1〜10アルキル基またはC2〜10アルケニル基から選ばれる。〉 および次式で表される基: 【化33】 〈式中、rは1〜6の整数であり、dは1〜4の整数である。〉 から選ばれ、 R6は、(i)R5およびR6が窒素原子に隣接する第3級炭素原子を有さないこ
    と、かつ(ii)R5およびR6の少なくとも1つは、ヘテロ原子を介在させずに少
    なくとも8個の炭素原子の鎖長である炭素鎖を有することを条件に、R5のため
    に定義した基のいずれかであるか、またはR5およびR6は共同して次式で表され
    る2価の基: 【化34】 〈式中、Aは、-CHR基または-NR基{式中、Rは水素またはC6〜40アルキ
    ル基またはC6〜40アルケニル基である。}、C6〜C40アリール基、酸素原子お
    よび硫黄原子から選ばれ、tおよびvの合計が6を超えないことを条件にtおよ
    びvはそれぞれ個々に1、2、3または4である。〉 を形成する。) で表される基またはその酸付加物である基またはその第4級アンモニウム塩であ
    る基である。〕 で表される請求項39に記載のポリマー分散物。
  41. 【請求項41】 物質が少なくとも約100°の接触角を有する請求項40
    に記載のポリマー分散物。
  42. 【請求項42】 物質が少なくとも約110°の接触角を有する請求項40
    に記載のポリマー分散物。
  43. 【請求項43】 ポリマーが、エラストマー、少なくとも1つのエチレン性
    不飽和結合を有し、この不飽和結合により重合することができるモノマーのグラ
    フトポリマーまたはブロックポリマー、プラスチックおよびこれらの混合物から
    なる群から選ばれる請求項40に記載のポリマー分散物。
  44. 【請求項44】 エラストマーが、天然ゴム(NR)、解重合NR、シス-
    1,4-ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン-
    ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、水
    素化アクリロニトリル-ブタジエンゴム(HNBR)、ブチルゴム(IIR)、
    ハロゲン化ブチルゴム(HIIR)、エチレン-プロピレンモノマー(EPM)
    ゴム、エチレン-プロピレン-ジエンモノマー(EPDM)ゴム、クロロプレンゴ
    ム(CR)エチレン-ビニルアセテート(EVM)ゴム、シリコーンゴム(Q)
    、エピクロロヒドリン(ECO)ゴム、ウレタンゴム(AU EU)およびこれ
    らの混合物からなる群から選ばれる請求項43に記載のポリマー分散物。
  45. 【請求項45】 プラスチックが、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロ
    ピレン、エピクロロヒドリン(ECO)プラスチック、塩素化ポリエチレン、ア
    クリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)ポリマー、エチレン-ビニルア
    セテート(EVA)プラスチック、ポリ塩化ビニル(PVC)、可塑化ポリ塩化
    ビニル(PVC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、およびこれらの混
    合物からなる群から選ばれる請求項44に記載のポリマー分散物。
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