JP2002530362A - エステルの製造方法 - Google Patents

エステルの製造方法

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JP2002530362A
JP2002530362A JP2000583845A JP2000583845A JP2002530362A JP 2002530362 A JP2002530362 A JP 2002530362A JP 2000583845 A JP2000583845 A JP 2000583845A JP 2000583845 A JP2000583845 A JP 2000583845A JP 2002530362 A JP2002530362 A JP 2002530362A
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JP2000583845A
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マイケル、チャールズ、ミルナー、コックレム
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Tate and Lyle Ingredients Americas LLC
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Tate and Lyle Ingredients Americas LLC
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C67/00Preparation of carboxylic acid esters
    • C07C67/08Preparation of carboxylic acid esters by reacting carboxylic acids or symmetrical anhydrides with the hydroxy or O-metal group of organic compounds

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 エステルの製造方法は、(a)有機酸、アルコールおよび水からなる供給物を第一の容器へ供給して、そこで有機酸およびアルコールが反応してモノマーエステルおよび水を形成し、成分として少くとも一部のエステル、アルコールおよび水からなる第一の液体流出物が産出される(第一の液体流出物の成分は実質的に反応平衡にある);および(b)第一の液体流出物を第二の容器へ供給して、そこで蒸気産物ストリームおよび第二の液体流出物ストリームが産出される(蒸気ストリームはエステル、アルコールおよび水からなり、第二の容器は実質的に蒸気‐液体平衡で維持されるが、実質的に反応平衡にない)ステップからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】
本発明は、有機酸およびアルコールの反応からエステルを製造するためのプロ
セスに関する。
【0002】 エステルは、例えば溶媒および試薬として、かなり工業的に重要な有機化合物
である。エステルを形成する1つの手法では、下記反応(1)で示されるように
、有機酸をアルコールと反応させて、エステルおよび水を形成させる: R1‐COOH+R2‐CH2OH←→R1‐COO‐CH22+H2O 反応(1) 有機酸+アルコール←→エステル+水 多くのエステル化プロセスまたは系は、収率または変換を促進する上で、水の
除去に関心が集まっている。水の除去は、式(1)の右側で示される生成物の方
へ平衡を傾かせる。エステル化へ向けたこのアプローチは、広範囲の有機酸およ
びアルコールに適用されてきた。
【0003】 例えば、水と不均質共沸混合物を形成する長鎖アルコールが、反応オーバーヘ
ッド蒸気で水除去のために用いうる。水除去は、十分に高い沸点で、水にやや可
溶性の高級アルコールを用いることにより、容易に行える。加えて、過剰のアル
コールも反応を促進させるために用いうる。 一方、添加共沸剤も、エタノールおよびメタノールのような低級アルコールを
用いるエステル化の場合で、水を除去するために用いてよい。適切な共沸剤の一
例はベンゼンである。
【0004】 しかしながら、反応を促進する上で水を除去するこのアプローチは、脱水され
たときに、一方または双方の試薬成分がダイマー、オリゴマー、ポリマーまたは
副反応産物を形成しやすい系で、さほど成功しなかった。乳酸のエステル化が1
つのこのような例である。これらの場合に、水除去が反応(1)の平衡を促すた
めに必要でありながら、同時にこの水除去が様々なダイマーおよびオリゴマーま
たは乳酸の形成のような望ましくない脱水副反応も生じるという問題により、進
展が制限されてきた。これらは収率低下をもたらす。
【0005】 オリゴマー形成の問題は、これまで、ダイマーおよびオリゴマーの形成をもた
らす反応を抑制しやすい、かなり過剰なアルコールの添加で部分的に解消されて
きた。しかしながら、このアプローチは完全に成功したわけではなく、除去しな
ければならない高レベルの過剰アルコールのせいで、生成物の回収に高いコスト
がかかった。
【0006】 用いられてきたもう1つのアプローチは次のような単一リアクターであって、
乳酸または他の酸のバッチが脱水されるか、または最初に高濃度で存在して、ア
ルコールが容器に導入されたときに、エステル、過剰アルコールおよび反応で形
成された水が反応容器からフラッシュアウト(flash out)されるように加熱され
る。
【0007】 乳酸のエステル化の一例はGabrielら(US特許1,668,806)により
示されており、117℃で70%乳酸を過剰の1‐ブタノールで脱水し、HCl
触媒を加え、その後過剰1‐ブタノールを加えて還流およびエステル化し、オー
バーヘッドで1‐ブタノール水共沸混合物を抜き取ることにより、1‐ブチルラ
クテートを製造した。そのプロセスでは、エステル化ステップ前に、系の脱水お
よび水の除去を行った。
【0008】 Bannister(US特許2,029,694)は少くとも120℃の沸点を有す
るエステルの製造方法について記載している。乳酸および酸性触媒がリアクター
に入れられて、エステルの沸点までまたはこの温度より20℃以上低く加熱され
る。アルコールは、熱い部分的に脱水された酸の表面より下で、リアクターへ導
入される。エステル、反応の水および過剰アルコールがオーバーヘッドで取り出
される。例えば、メタノールを部分的脱水乳酸へ導入することにより、乳酸メチ
ルが130〜140℃の温度で形成される。オーバーヘッド留出物は8〜10重
量%水、42〜42%メタノールおよび50%乳酸メチルである。その系で生成
される乳酸メチル4.8モル毎に、全部で17.9モルのメタノールが系へ供給
される。オーバーヘッドで取り出される水(5.0モル)のほとんどまたはすべ
てが、エステル化反応により生じている。有効な供給水レベルは0.2モルであ
る。これは供給ストリームが本質的に無水であることを意味している。
【0009】 Weisberg,StimpsonおよびMiller(US特許2,465,772)は、実質的
に無水の乳酸を1〜3炭素原子の脂肪族アルコール3〜20重量部と混合して、
混合物を沸点以下で反応させてから、それより高い温度で混合物をフラッシング
(flashing)する。例えば、乳酸メチルの形成の場合には、メタノール:乳酸のモ
ル比は最少で8.5:1である。1モルの乳酸当たり56モルものメタノールで
でもよい。
【0010】 FilachioneおよびFisher(Industrial Engineering and Chemistry,Volume 38
,page 228,1946)はこのようなテクノロジーのもう1つの例を提案している。彼
らのスキームでは、メタノール蒸気のような熱い過剰アルコールをそのアルコー
ル沸点より高い温度で熱い部分的脱水乳酸溶液へ吹き込んでおり、こうして生成
されたラクテートエステルがアルコール蒸気および反応から生じた水と一緒に除
去される。約9モルのメタノールが82%溶液の乳酸1モル当たりで必要とされ
る。著しく多量のメタノールが、更に希薄な乳酸供給液では必要とされる。
【0011】 上記のこれら方法では、過剰アルコールおよび脱水乳酸の双方を典型的に要す
る。それらはエネルギー効率的でなく、しかもそれらは大型で高価な装置を要す
る。脱水乳酸が用いられる場合には、反応温度は典型的にはエステルの沸点近く
である。各場合に、反応は沸騰または物質移動と同じ温度で行われる。
【0012】 代わりのアプローチでは、最初に乳酸を脱水することなく反応を試みている。
下記2つの参考文献では、このようなアプローチを有効に利用するために行われ
た以前の試みについて示している。
【0013】 Wenker(US特許2,334,524)は、エステル化リアクターおよび隣接
する加水分解リアクターの双方が一般蒸留カラムへ蒸気を供給するプロセスにつ
いて記載している。アルコールはこのカラムの上から除去されて、エステル化リ
アクターへ戻される。主に水およびエステルからなるカラムのボトムから液体生
成物が加水分解リアクターへ供給される。エステルはそのリアクターで連続的に
加水分解されて、遊離酸を形成する。有機酸は70〜85%濃度であり、約1.
5モルのアルコールが有機酸1モル当たりで用いられる。反応時間はこの系で1
2〜16時間である。分別カラムは2つのリアクターのすぐ上におかれる。この
プロセスは比較的低レベルのアルコールを用いるようであるが、これは現実には
非定常状態系へ初期に付される。その系はバッチエステル化のみに適している。
バッチの最後に、エステル化リアクターにおけるメタノール対乳酸の比率は20
:1以上と非常に高くなる。これは、バッチ中に、酸がエステル化リアクターか
ら徐々に除去されて、アルコールがラン中に連続的に戻されるからである。バッ
チの中間および最後の方で、多量のメタノールまたはアルコールをオーバーヘッ
ド中へ移行させる必要性があるため、そのプロセスはかなりエネルギー集約的で
ある。そのため、このプロセスは大規模な連続的な効率的操作に適さない。この
プロセスが連続操作を行えるような配列で多数の容器でランされるならば、メタ
ノール対乳酸の有効平均比は10:1近くになるであろう。有効な大過剰のメタ
ノールが、この装置およびプロセス配列で高収率を得るために必要とされる。
【0014】 Franke,GabschおよびThieme(1984年1月25日付の東ドイツ特許206
373)は、C1、C2およびC3アルコールの乳酸エステルの形成に関する類
似プロセスについて記載しており、その反応および蒸発は双方とも改良真空再循
環エバポレーターで低い圧力および温度で行う。彼らはアルコールの沸点以下の
温度で装置を操作するために真空を用い、触媒として高レベルの硫酸を用いてい
る。例えば、それらの例2で、彼らは50Torr圧力で2.0リットルの濃硫酸を
15リットルの80%粗製乳酸中に入れている。これは初期乳酸中で15%w/w
を超える硫酸である。その系は真空下で60℃に加熱され、その後15〜20リ
ットルのメタノールが表面下でゆっくりと連続的に加えられる。メタノールが乳
酸と接触するとすぐに、それは乳酸と反応し、蒸発して、熱い酸‐アルコール‐
エステル混合物をリアクターの加熱チューブ部分およびリアクターのフラッシュ
部分へと運ぶ傾向がある。リアクターの全部で3つの部分‐加熱、蒸発および供
給ゾーン‐が本質的に同様の圧力となり、各エリアの温度が類似するか、または
おそらくフラッシュエリアの温度が入熱のためにリザーバーの場合よりも高くな
るように、系が混合および操作される。リザーバー中の液体は熱交換器から蒸気
室への対流により上方へ抜き取られる。液体はリザーバー中へ重力により戻る。
その室では、リザーバー中へ引き戻される液体、および蒸気を生じる。得られた
オーバーヘッド凝縮物は50重量%乳酸メチルである。液体が重力により戻るた
め、蒸発室およびリザーバーは同様の圧力でなければならない。蒸発室が減圧下
にあるならば、液体はリザーバーへ戻らないであろう。そのため、系は単一加熱
リアクターと本質的に同じに操作する。他のこのような系も考えられ、例えば熱
が外部再循環ループ、内部コイルまたはジャケットで適用される。各場合に、蒸
気はこの特許で示されたようにオーバーヘッドで抜き取られる。
【0015】 この発明はC1‐C3アルコール、低圧および低反応温度に限定されている。
これらの低反応温度では、リアクター容量を経済的サイズに保つために、記載さ
れた非常に高レベルの硫酸を要する。しかしながら、高レベルの硫酸は、低温で
あっても、アルコールから誘導されるジアルキルエーテルのような脱水副反応産
物、更には硫酸の存在下で乳酸の分解から様々な生成物を生じうる。これら低温
時におけるこれら副反応の相対度は不明であるが、その特許で報告された収率が
長期のランで96〜98%となることからそれらはわずかであろう。
【0016】 酢酸エチルの例では、系温度は78℃を超えないであろう。この系は、アルコ
ール混合物が乳酸混合物中へ表面下で導入されて、水、エステルおよびアルコー
ルの混合物がオーバーヘッド蒸気として除去されるという点で、前記の参考文献
とよく似ている。彼らの請求項2で、彼らは15〜50mmHgの系圧力および40
〜65℃の温度が好ましいと述べている。彼らの請求項3、4および5では、改
良真空再循環エバポレーターが半連続(即ち、半バッチ)式で彼らのプロセスの
操作にどれほど有利に用いられるかを示している。ここでは系に乳酸のバッチを
入れてから、系にアルコールを連続供給して操作する。ある程度のランタイム後
に、乳酸がリアクター装置から枯渇して、新たなバッチが加えられる。この装置
には熱サイホン熱交換器(2)もあり、これは液体をリアクターから蒸気‐液体
放出室(3)へ抜き取るもので、そこから液体がリアクター(1)へ戻される。
バルブ(9)は熱交換器への流量を調節している。温度、圧力、濃度、ホールド
アップ(holdup)時間および触媒濃度のバランスをとる必要性も、うまい操作を確
実に行う上で十分な水の必要性も記載されていない。
【0017】 このプロセスでメタノール対乳酸のモル比は典型例から計算することができる
。15〜20リットルのメタノールの供給物が80%w/w乳酸と接触される。こ
れら供給物の密度を考えると、これは3.3:1.0〜2.5:1.0のアルコ
ール:酸のモル比を表わす。水対乳酸の供給モル比は約1.24:1である。
【0018】 Frankeプロセスにおけるメタノール供給は、リアクターへではなく、むしろエ
バポレーター/熱交換器に供給する立ち上がり管の内側へであることに留意する
ことが重要である。メタノールは熱い乳酸と接触して、フラッシュしやすくなり
、メタノールおよび乳酸蒸気および液体の熱い混合物を水および乳酸メチルと一
緒に熱交換器からフラッシュチャンバーへと上方に運ぶ。こうして、主に、メタ
ノールが蒸発して、熱い沸騰混合物を反応パイプで熱交換器からフラッシュエリ
アへと運ぶように加えられると、メタノールとの反応が生じる。フラッシュユニ
ットおよびリアクターユニットにおける滞留時間および温度は似ている。Franke
プロセスとFilachioneおよびWenkerの場合との重大な差異は、液体および沸騰蒸
気が上方の熱交換器中へ運ばれるようにメタノールを導入する、この装置および
方式である。
【0019】 彼らの装置はアルコールの標準沸点より高い温度では操作を行わず、触媒を分
離するいかなる手段も有さず、著しく高レベルの触媒‐15%w/w硫酸を用いて
いる。オーバーヘッド蒸気は乳酸メチルの形で50%w/w乳酸ベースである。こ
れはオーバーヘッド蒸気中で高レベルの乳酸メチルである。しかしながら、その
プロセスは操作の範囲に限界がある。
【0020】 DattaおよびTsai(US特許5,723,639)は、過蒸発または蒸気透過
を用いて脱水を行う、更に現代的なアプローチを提案している。リアクター、水
透過系およびエステル透過系からなる3段階系が用いられている。過蒸発膜がリ
アクターで形成された水を透過させるために用いられている。水は減圧蒸気スペ
ース中へ透過される。第二の膜分離系が反応で形成されたエステルを選択的に除
去するために用いられている。これ以前のテクノロジーのように、反応は脱水ス
テップで行われる。
【0021】 上記特許で有効に扱われていない問題は、(1)ダイマー、オリゴマーおよび
ポリマーのような望ましくない副産物の生産を最少に抑え、(2)エネルギー使
用量を最少に抑え、および(3)低い資本費の設備で有効に連続操作を行いなが
ら、どのように反応を高変換レベルにするかということである。有機酸のエステ
ルを製造する改良プロセスについて長年のニーズがある。
【0022】
【発明の要旨】
本発明はタイムスケール(time scale)の分離に関する。その発見では、選択さ
れた条件下において、物質移動が生じるような装置で反応が最少に抑えられて、
ダイマーおよびオリゴマーのような望ましくない副反応産物の形成が避けられる
ことを示している。
【0023】 本発明の一面は、(a)有機酸、アルコールおよび水からなる供給物を第一の
容器へ供給して、そこで有機酸およびアルコールが反応してモノマーエステルお
よび水を形成し、成分として少くとも一部のエステル、アルコールおよび水から
なる第一の液体流出物が産出される(第一の液体流出物の成分は実質的に反応平
衡にある);および(b)第一の液体流出物を第二の容器へ供給して、そこで蒸
気産物ストリームおよび第二の液体流出物ストリームが産出される(蒸気ストリ
ームはエステル、アルコールおよび水からなり、第二の容器は実質的に蒸気‐液
体平衡で維持されるが、実質的に反応平衡にない)ステップからなる、エステル
の製造方法である。
【0024】 本発明の一態様では、第一の容器が圧力Pで操作され、第二の容器が圧力P で操作され、PおよびPが実質的に同一であって、第一の容器における供
給物の平均滞留時間が、第二の容器における第一の液体流出物の平均滞留時間よ
り少くとも10倍長い。 もう1つの態様では、第一の容器が温度Tで操作され、第二の容器は、第二
の容器の内容物が実質的に反応平衡へ近づかないように、Tより十分低い第二
の温度Tで操作される。 更にもう1つの態様では、第一の容器が約30〜500psigの圧力Pで操作
され、第二の容器が約1〜14psiaの圧力Pで操作される。 更に別の態様では、触媒がエステルの形成を触媒するために十分な量で第一の
容器に加えられて、その触媒のうち少くとも一部が第二の容器へ入る前に第一の
液体流出物から除去されるため、第二の容器の内容物は実質的に反応平衡へ近づ
かない。そのプロセスのこの態様におけるある特別なバージョンでは、触媒は第
一の容器で不均質であって、第二の容器では実質的に存在しない。別法では、触
媒は第一の容器で均質であり、第二の容器の前に洗浄で実質的に除去される。
【0025】 タイムスケールの必要な分離を行えるプロセスの様々な態様の特徴として、以
下がある: 第一の容器における温度および圧力は双方とも第二の容器の場合よりも大きい
; 第二の容器は大気よりも大きな圧力下で操作されるが、但し短い滞留時間(例
えば、約1〜10分間)である; 第一の容器は150〜220℃の液体温度で操作され、第二の容器は30〜1
00℃の流出蒸気温度で操作される; 第一の容器は大気圧よりも大きな圧力下で操作される;または 第一の容器は、いかなる触媒も加えることなく、実質的に蒸発を抑えうるほど
十分な圧力、および220℃以内の温度で、実質的に液相で操作される。これら
のうち後の系では、有機酸(例えば、乳酸)自体がその反応で触媒として作用す
る。
【0026】 1つの好ましい態様において、有機酸は3〜8炭素原子を有するモノ、ジおよ
びトリカルボン酸からなる群より選択される。 もう1つの好ましい態様において、有機酸は酢酸、コハク酸、クエン酸、リン
ゴ酸、乳酸、ヒドロキシ酢酸、ピルビン酸、イタコン酸、ギ酸、シュウ酸、プロ
ピオン酸、β‐ヒドロキシ酪酸およびそれらの混合物からなる群より選択される
。 アルコールは、好ましくは1〜20炭素原子を有する脂肪族アルコール、最も
好ましくは1〜12炭素原子を有する脂肪族アルコールである。現在特に好まし
いアルコールには、i‐ブタノール、t‐ブタノール、n‐ブタノール、i‐プ
ロパノール、n‐プロパノール、エタノールおよびメタノールがある。
【0027】 第一の容器向けの供給は、単一混合ストリームをその容器へ供給することによ
り行える。代わりに、複数のストリームを供給してもよく、各々が供給混合物用
に1種以上の成分を含有している。例えば、1つの供給ストリームは本質的に水
からなる。 好ましくは、その供給物は、第一の液体流出物および第二の流体流出物で乳酸
オリゴマーおよび酢酸エチルオリゴマーの形成を実質的に抑制する上で、十分な
水を含んでいる。本発明の1つの態様において、第一の液体流出物は実質的に液
体である。好ましくは、第二の容器からの蒸気産物ストリームは各々少くとも5
重量%の酢酸エチル、エタノールおよび水を含んでいる。 第二の液体流出物は、場合により第一の容器へリサイクルされる。
【0028】 供給物は様々な形態をとりうる。例えば、供給物は乳酸、乳酸オリゴマーおよ
びエタノールを含有する。別な例として、供給混合物は1種以上のポリ乳酸、ポ
リラクチド、ポリヒドロキシブチレート、あるいは純粋または混合αまたはβ‐
ヒドロキシ酸を実質的にベースにした1種以上の他のポリエステルを含有し、更
には水を含有することがある。更に別な例として、供給物は2種以上のアルコー
ルまたは有機酸を含有してもよく、その結果として混合エステルが形成される。
しかしながら、この態様において、アルコール、エステルおよび水の沸点は、好
ましくは、最低から最高の沸点まで範囲が110℃以内である。
【0029】 本発明は発酵プロセスと組み合わせるとかなり有用であり、そのため供給物は
酸性pHのストリームを形成するように処理された糖の発酵物から誘導される粗
製または部分精製ブロスを含有してもよい。その状況では、供給混合物は典型的
には無機塩、タンパク質フラグメント、糖残渣、ケトンおよび金属イオンからな
る群より選択される1種以上の不純物も含有する。 1つの特別な態様において、供給混合物は実質上光学的に純粋な、即ち少くと
も90%光学的に純粋な、理想的には99%以上光学的に純粋な乳酸を含有して
いる。
【0030】 単一の第一の容器および単一の第二の容器を用いる代わりに、そのプロセスで
はその一方または双方を複数で連続的に操作して用いてもよい。例えば、一態様
において、第二の容器は連続的に操作されるいくつかのサブ容器に分けられ、各
々において、それらが実質的に反応平衡にない蒸気および液体流出ストリームで
操作されるような、しかも各サブ容器からの蒸気産物ストリームが後のサブ容器
の蒸気産物ストリームよりもアルコールおよび水に富むような温度、圧力、触媒
および平均滞留時間で操作してよい。
【0031】 供給物がポリ乳酸を含有しているならば、その供給物は第一の容器へ入る前に
約240℃の温度および500psig以内の圧力で熱水で前処理してもよい。 蒸気産物ストリームを脱水および精製して、そのストリームからエステルおよ
びアルコールを分離させるステップをそのプロセスに含めることが、通常望まし
い。
【0032】 本発明のプロセスおよび装置は、脱水されたときに望ましいエステル生成物の
収率を減少させる望ましくないダイマー、オリゴマーおよびポリマーを供給酸、
アルコールまたは双方が形成しやすい反応系にとって、効率がよい。二段階プロ
セスおよび装置は、反応平衡および物質移動平衡向けにタイムスケールの分離を
行いながら、望ましくないオリゴマー形成を抑制する上で必要な高い水レベルを
維持するために用いられる。この発明は、エステル生成物が供給有機酸よりも揮
発性である場合に有利である。
【0033】 適切なリサイクルリアクター系は2つの容器または容器グループを含むことが
できる。第一の容器は実質的に反応平衡へ近い生成物を生じるように操作される
。第二の容器は蒸気‐液体平衡および相変化を伴い、実質的に反応平衡ではない
液体反応流出物を生じる。第二の容器から除去された蒸気は水、エステルおよび
アルコールを含有している。リサイクルストリームは、第二の容器グループから
第一の容器、装置またはグループへ戻すことができる。
【0034】 成功した操作のためには、第一の容器またはグループにおける温度、圧力、ホ
ールドアップ時間、試薬濃度および触媒レベルの条件は反応平衡へ近づくように
すべきであり、その一方で第二の容器またはグループにおける条件は液体流出物
で反応平衡へ実質的に近づかないようにすべきである。
【0035】 本発明の場合、十分な水がエステル化反応への供給物の一部として要される。
系への原料として用いられるアルコールおよび酸の水分が低すぎると、水を加え
ねばならない。エステル化反応が水の除去で通常促進されることから、これは珍
しいことである。供給物中に水を要することに加えて、アルコールおよび酸供給
物の比率の適切なバランスが最良の操作のためには必要である。 本発明のプロセスおよび装置は、良好なエネルギー効率および良好な収率で、
反応系において高レベルの水で操作することができる。
【0036】 本発明は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソ
ブタノール、tert‐ブタノール、1‐ブタノールまたはペンタノールを、下記の
うちいずれかの有機酸: ● 2〜10炭素原子を有する脂肪族α‐ヒドロキシモノカルボン酸、 例えばヒドロキシ酢酸、乳酸およびα‐ヒドロキシ酪酸; ● 2〜10炭素原子を有する脂肪族β‐ヒドロキシモノカルボン酸、 例えばβ‐ヒドロキシプロピオン酸および2‐ヒドロキシ酪酸; ● γおよびδ‐ヒドロキシ酸; ● 酸およびアルコール基を双方とも有した他の多官能性化合物 と反応させることにより作られるエステルで、特に有益である。
【0037】 本発明は、より広範囲のアルコール、高い温度、少ないアルコールおよび多い
水を用いうる能力のように、いくつかの点で従来のプロセスとは異なる。本発明
ではエステル化系で容器の分離を利用して、温度、ホールドアップ時間、再循環
率、圧力、蒸気フラクション、触媒レベルおよび供給物比を個別にコントロール
している。供給物脱水ステップは本発明で不要である。
【0038】
【実例態様の説明】
下記定義がこの特許で用いられる: 反応平衡:化学種が液相のような単一の所定相内で反応平衡にある状態 蒸気‐液体平衡:1つは蒸気および1つは液体の2層で存在して、それらの間で
物理的平衡にある状態 乳酸:よくみられるようなモノマー遊離乳酸は希水溶液である。
【0039】 “88%乳酸”および“商業用乳酸”は典型的な市販乳酸であり、これは現実
にはモノマー乳酸、直鎖ダイマー乳酸またはラクトイル乳酸、短鎖乳酸オリゴマ
ー、水および少量の環式ダイマー乳酸またはラクチドの混合物である。この乳酸
が大過剰の水で希釈されたとき、それは全モノマー形の乳酸へゆっくり加水分解
または変換される。
【0040】 エチルラクトイルラクテート:乳酸エチルがエステル化反応で乳酸と反応して
、1分子の水が脱離したときに、この種が形成される。エチルラクトイルラクテ
ートは、2つのエステル基および1つの二級アルコール基を含めて、3つの官能
基を有している。エチルラクトイルラクテート種は、ラクトイル乳酸とエタノー
ルとのエステル化反応および水の脱離によっても形成される。
【0041】 乳酸エチル:このエステルは乳酸およびエタノールの反応により形成される。 ラクトイル乳酸:2つの乳酸分子がエステル化反応で反応して、1分子の水が
脱離したときに、この種が形成される。ラクトイル乳酸は、3つの官能基‐二級
アルコール基、エステルおよび有機酸を有している。
【0042】 ラクテートオリゴマー:乳酸をベースにした短鎖ポリエステル。ここで言及さ
れている最小分子はラクトイルラクトイル乳酸であって、これは乳酸の直鎖トリ
マーエステルである。そのシリーズで次はラクトイルラクトイルラクトイル乳酸
であって、これは乳酸の直鎖テトラマーである。各乳酸分子は鎖中においてエス
テル結合で次に連結されている。すべてのラクテートオリゴマーは1つの末端遊
離有機酸、1つの遊離二級アルコール基および2以上のエステル結合を有してい
る。追加の乳酸分子がポリエステル鎖へ加えられる毎に、1分子の水が脱離され
る。そのため、水の除去に有利な条件がこれらオリゴマーの形成を促進する。逆
に、水の添加は反応平衡をモノマー乳酸の方へ戻す傾向がある。
【0043】 乳酸エチルオリゴマー:これらはラクテートオリゴマーと類似した短鎖ポリエ
ステルに関するが、遊離有機酸基はエタノールと反応して追加のエステル結合を
形成している。そのため、乳酸エチルオリゴマーはいかなる遊離有機酸基も有し
ていない。乳酸エチルオリゴマーは、乳酸とそれより短鎖の乳酸エチルオリゴマ
ーまたは乳酸エチルとの連続反応によっても形成される。
【0044】 この発明にとり重要なことは、反応して脱水でオリゴマーまたはポリマーを形
成しがちな混合物のエステル化で、タイムスケール分離がかなり有利に用いうる
という、これまで考慮されていなかった概念である。このようなタイムスケール
分離を行うために、反応平衡および蒸気‐液体平衡のプロセスが物理的に分離さ
れねばならない装置を用いる。反応平衡は1つの容器または容器グループで生じ
、その一方で蒸気‐液体平衡がもう1つの容器または容器グループで生じる。第
一の容器または容器グループは、反応平衡のみならず、蒸気‐液体平衡も包含す
る。しかしながら、第二の容器または容器グループは実質的に反応平衡ではない
液体流出物を有する。第二の容器または容器セットからのこの液体流出物は、第
一の容器または容器セットへリサイクルすることができる。
【0045】 2つの容器でのタイムスケールの分離は様々な手法で行える。 本発明の一態様では、第一および第二の容器が同一の圧力で操作されるが、第
一の容器での滞留時間は反応平衡アプローチへ95%達する上で十分な程度でよ
く、第二の容器での滞留時間は第一の容器の場合の1/10以下である。
【0046】 本発明のもう1つの態様では、液体ストリームのホールドアップ時間に第二の
容器で平衡へ実質的に近づかないほど十分に液体流出物の温度が低くなるように
、第二の容器で圧力を下げることにより、タイムスケールの分離が行われる。こ
の態様は、反応温度が第一の容器で高く保たれて、反応速度が第一の容器で高く
なるように、第一の容器が30〜500psigのような実質的圧力下で操作される
ならば、通常最も好ましい。次いで第二の容器が例えば1〜14psiaの圧力下で
操作される。この場合にはエネルギー使用上少し違った効率をもたらす。
【0047】 本発明の更に別な態様では、第一および第二の容器で異なるレベルの触媒の使
用によりタイムスケール分離を行う。反応平衡へ実質的に近づくために、第一の
容器では十分な触媒がなければならない。この容器で用いられる触媒は、その容
器の内側に位置するか、または再循環ループで第一の容器に付随した、イオン交
換樹脂のような不均質触媒の形態をとってもよい。固相触媒は反応液を第二のリ
アクターへ供給する前に除去される。代わりに、第一の容器で硫酸のような均質
触媒を用いて、この触媒が第二の容器へ供給する前に沈降またはイオン交換によ
り除去されてもよい。
【0048】 これらのアプローチは、エステル化に用いられるある一般的なアプローチ、物
質移動および反応が単一の蒸留カラムで組み合わされるいわゆる触媒蒸留とは正
反対である。 本発明の更に別の態様では、タイムスケールの望ましい分離を行うために、ホ
ールドアップ時間、温度または圧力、および触媒レベルに関する上記アプローチ
のうち2以上を組み合わせる。
【0049】 本発明の一態様は図1で示されており、第一の容器4および第二の容器10を
連続的に配列している。 反応はいくつかの方法のうち1以上で触媒される。不均質触媒は、抜取ライン
31、ポンプ32、ストリーム33、不均質触媒床34および戻りライン35か
らなる外部再循環ループに保持させてよい。均質触媒は供給ライン36またはリ
サイクルライン14を経て第一の容器4へ供給してよい。反応は、試薬供給物の
うち1つ、有機酸供給物1の酸性のおかげで、自触媒することもできる。
【0050】 他の供給ストリームにはアルコール2および場合により水3がある。供給物が
本質的に脱水されているならば、十分な水を加える必要があることに留意すべき
である。最適の操作のためには、有機酸供給物1、アルコール供給物2、水供給
物3およびリサイクルストリーム14の比率は、第一の容器4の反応条件と第二
の容器10の物質移動条件とのバランスを正しく調整しておく必要があることに
も留意すべきである。
【0051】 第一の容器4の圧力および温度は、好ましくは、液体温度、蒸気圧および場合
により蒸気温度も示すゲージ41でモニターされる。第一の容器4の液体レベル
6は、液体流出物反応産物5がその容器から抜き取られるポイントより上である
【0052】 第一の容器4からの反応産物5は、任意の触媒除去ユニット37および任意の
バルブ7を経て、第二の容器10へ入る。触媒除去ユニット37として、不均質
触媒の場合には、フィルター、遠心機または他の固体‐液体もしくは固体‐蒸気
分離装置がある。均質触媒の場合には、触媒除去装置として、均質触媒を除去す
るための弱塩基性陰イオン交換床、冷水洗浄ステップまたは他のステップがある
。本発明の好ましい態様において、タイムスケール分離が温度、圧力およびホー
ルドアップ時間の変動要素の使用により行われるときには、このような装置は用
いられない。
【0053】 ストリーム38は減圧バルブ7へ入り、減圧されたストリーム8は第二の容器
10へ入る。この容器における液体レベル18または存在する液体の量は、ホー
ルドアップ時間を最少に抑えるために、最適には低レベルで維持される。第一の
容器4での反応が主に液相であるならば、当業界で周知の手段により第二の容器
10でその液体に加熱してもよい。例えば、液体ストリーム11がポンプ12へ
入って、ストリーム13がストリーム14およびストリーム15に分割される、
リサイクルループが示されている。ストリーム15は熱交換器16で加熱され、
加熱されたストリーム17は第二の容器10へ戻る。当業界でよく知られた容器
10で液体に加熱するいかなる他の手段も用いうる。 第二の容器10は、好ましくは、温度および圧力測定装置42も含む。
【0054】 第一の容器4の反応が主に蒸気相であるならば、第二の容器10は部分蒸発の
代わりに部分凝縮を伴うことがある。容器10の液体ストリームからの除熱は、
当業界で知られたいかなる手段によってもよい。それは図1で示されていない。 第二の容器10から除去される蒸気は、1つまたは複数の異なる蒸気ストリー
ムでもよい。これらの蒸気ストリーム19は、形成されたエステル生成物、水お
よびいずれか過剰のアルコールを含有している。その蒸気は、蒸気相浸透、部分
凝縮、吸収、吸着、蒸留、抽出蒸留、または凝縮および過蒸発のような様々な分
離プロセスステップ20のうちいずれかへ入る。これら様々なプロセス20の目
的は、アルコールおよび水ストリームから、形成されたエステル生成物を分離す
ることである。これらプロセスのうちいずれかからの1つのストリーム21は、
ある種の任意の凝縮系22、おそらくレシーバー容器25へ入る。生成物ストリ
ーム27は、レシーバー25から、最終的には真空または圧力コントロール系2
8へと移される。この系28は、それが容器10でその後の圧力をコントロール
するという点で、重要である。容器10における圧力のコントロールは、容器1
0で温度、ひいては反応速度をコントロールする上で重要である。 レシーバー容器25は、好ましくは、温度および圧力測定装置43を含む。ボ
トムストリームはレシーバー25からも抜き取れる。
【0055】 上記のように、タイムスケール分離は、容器10からの液相流出物14が反応
平衡へ実質的に近づくことなく物質移動が生じるほど、第二の容器10の反応速
度が十分に低いことを要する。 連続的にランされる系の事象において、1または複数の供給ストリームが塩、
糖または他の不揮発性不純物を含有しているかもしれないことに留意すべきであ
る。容器4および10間のリサイクルループが長期間にわたり操作されると、そ
の系におけるこれら不純物の濃度は、それらが吸着、沈降、濾過などのようなプ
ロセス方法で一部または代わりにパージストリーム51として除去される必要が
あるところまで上昇するであろう。
【0056】 単一の第一の容器4および単一の第二の容器10で示されているが、そのプロ
セスでは代わりに複数のこのような容器を用いてもよい。例えば、連続的に配列
された複数の第一の容器があって、そのうち最後からの液体流出物が、やはり連
続的に配列された一連の第二の容器のうち最初のものへ供給される。多数容器を
用いた他の配列も可能である。その容器には、例えば、1つの連続攪拌タンクリ
アクター(CSTR)、パイプラインまたはプラグフローリアクター(PFR)
、あるいは取扱う液体または蒸気相反応に適したいずれか他の普通容器または容
器グループがある。
【0057】 本発明は下記例から更に理解することができる。例1:容器2の蒸気‐液体平衡 ガラス容器へ表1で示されたような乳酸、水、乳酸エチルおよびエタノールの
混合物を入れた。それを沸点まで加熱して、攪拌した。オーバーヘッド蒸気をオ
ーバーヘッド蒸気ラインからコンデンサーへ抜き取った。表1で示されたような
エタノール、乳酸エチルおよび水の混合物を、表面下液体添加ラインから、5時
間44分にわたり連続的に供給した。容器加熱割合はその容器で一定レベルとな
るように調整した。ポット中における液体の温度は約105℃、蒸気は101〜
103℃であった。 ラン中に採取されたオーバーヘッド蒸気の3つのサンプルを分析したところ、
類似した濃度を示した。第二のこのようなサンプルの組成は表1で示されている
。最終ポット液も表1で示されている。 この実験では、表面下供給物が乳酸を含有していないことに留意すべきである
。この試験は、蒸気‐液体平衡条件を試験して、乳酸エチルに富むオーバーヘッ
ド蒸気が徐反応または非反応ブロスから除去しうるかどうかを調べるためであっ
た。
【0058】 オーバーヘッド蒸気中における全エチル基対全ラクチル基のモル比は、この場
合に約6:1であることがわかった。その液は2.80のK値で反応平衡にあり
、ここでKはモル濃度比K=〔乳酸エチル〕〔水〕/(〔エタノール〕〔乳
酸〕)である。ここで〔〕はモル/リットルを意味する。これは既に報告された
テクノロジーの限界を表わすもので、蒸気‐液体平衡および反応平衡が同容器で
生じるならば、比較的高いエタノール/乳酸比が用いられねばならない。より効
率的なエタノール使用、より低いスチームおよびエネルギーコストを得るために
は、より有効な方法が反応および蒸気‐液体平衡プロセスを行う上で必要である
【0059】 この例も例2も商業的に用いうるプロセスではないことに留意すべきである。
これは、双方の例における供給物が酢酸エチル、エタノールおよび水のみを含有
した混合物だからである。このストリームは蒸気‐液体平衡条件の研究の一部と
して容器へ供給する。これら研究の結果は、容器1の反応平衡および容器2の蒸
気‐液体平衡を組み合わせたプロセスの計算モデルに用いられる。
【0060】
【表1】
【0061】例2:容器2の蒸気‐液体平衡 この例は、容器をより熱い状態でランし、供給混合物をより高い割合で供給し
たという点で、例1の場合とは異なる。実験の全経過時間は3時間2分であった
。 触媒はこの混合物へ加えず、そのため反応容器で不均質触媒を用いてこの反応
混合物を調製するプロセスをシミュレートした。 この反応によるサンプルの分析結果は表2で示されている。ボトムは4.74
のK比を有しており、非反応平衡状態において、オーバーヘッドで蒸気‐液体平
衡にある液体がボトムで得られることを示した。平均ポット温度は117℃、平
均オーバーヘッド蒸気は110℃であった。オーバーヘッド蒸気中における全エ
チル基対全ラクチル基の比率は、この場合に5.05:1.0であった。 同様に、この例は蒸気‐液体平衡を示しているが、操作しうるプロセスを示し
てはおらず、その理由は、例1の場合のように、供給混合物が酢酸エチル、エタ
ノールおよび水のみの混合物であって、乳酸を含有していないからである。
【0062】
【表2】 この例は、最終容器液体が反応平衡にないならば、オーバーヘッド蒸気でエチ
ル基対ラクチル基のより好ましい比率が得られることを示している。
【0063】例3:リサイクルおよび2容器のシミュレートプロセス 蒸気‐液体平衡データを用いて、リサイクルとつなげた2つの容器のシミュレ
ーションモデルを作成した。第一の容器は、液体流出物が実質的に反応平衡とな
るほど十分な温度、圧力、ホールドアップ時間および触媒レベルで、そのシミュ
レーションで操作した。第二の容器は、容器2からの液体流出物が反応平衡へ近
づかないように、温度、ホールドアップ時間または触媒レベルのうち1以上を、
第一の容器より低いレベルで操作した。
【0064】 90%エタノールおよび10%水を含有した湿潤エタノールストリーム68,
229lb/hrの供給物を、表示上80%乳酸および20%水の溶液28,120l
b/hrと一緒に、容器1へ供給した。一方または双方のストリームが実質的不純物
を含有していることもあるが、それらはこの例ではそのようにモデル化されてい
ない。加えて、容器1へ容器2からリサイクルストリームを供給した。このスト
リームは、次の例で示されるような範囲のフローレート(flowrates)のうちいず
れであってもよい。この例では、フローレートを59,500lb/hrとなるよう
に選択した。3つの供給ストリームを組み合わせた。組合せ供給ストリームのモ
ル反応K比は1.96であった。これは2.85の平衡値より低く、そのため反
応は第一の容器で乳酸エチルを形成する方向へ進むことができた。
【0065】 容器1はプラグフローリアクター(plug flow reactor)として作用し、反応平
衡へ達した。エタノール、乳酸エチル、乳酸および水が反応平衡にあった。平衡
定数はエタノールのレベル、温度および水のレベルに依存する。これらの条件下
、説明目的で、モル反応平衡定数について2.85の値を選択した。容器1から
の液体流出物は概算で次からなっていた:エタノール52,908lb/hr、水1
8,446lb/hr、乳酸エチル69,494lb/hrおよび乳酸15,000lb/hr
。この例示では、乳酸または乳酸エチルのダイマーまたはオリゴマーを考慮して
いない。しかしながら、後の例で、我々はこれが結果の一般性にさほど影響をあ
たえないことを知るようになる。
【0066】 この例では蒸気‐液体平衡の計算上の概算値を用いた。容器1からの流出物を
容器2へ供給した。十分な熱および/または真空を容器2へ適用して、下記組成
のオーバーヘッド蒸気を除去した:エタノール49,900lb/hr、水16,9
00lb/hr、乳酸エチル29,500lb/hrおよび少量の乳酸。容器2の液体残留
物はその物質の残部である:エタノール3000lb/hr、水1500lb/hr、乳酸
エチル40,000lb/hrおよび乳酸15,000lb/hr。この液体残留物が、第
一の容器へリサイクルされる59,500lb/hrを形成していた。このストリー
ムのモル反応K比は59.37であった。これは2.85の平衡値よりかなり高
く、容器2が反応平衡に近くないことを示している。
【0067】 容器2で生じる蒸気液体平衡プロセスをここでは大まかにモデル化したため、
この例は真の挙動に近いが正確なものではなかった。そのモデルのモル蒸気‐液
体平衡K値は次のとおりであった:乳酸エチル0.5、水1.0およびエタノー
ル3.8。上記例1と類似した条件下で、乳酸エチル0.49、水1.05およ
びエタノール3.80という真の実験K値が観察された。
【0068】例4:様々なリサイクル比 例3と類似した例を、リサイクル割合を変えてモデル化した。エタノール供給
物は15トン/hrの90%エタノールおよび10%水であった。乳酸供給物は、
重量ベースで、5.6トン/hrの80%乳酸表示品および20%水表示品であっ
た。容器2から容器1へのリサイクルストリームは、5トン/hrから1000ト
ン/hrもの多くへと変えた。
【0069】 11トン/hr未満のリサイクル割合では、容器1で前進反応が生じるには不十
分な乳酸であることがわかった。そのためリサイクルが不十分ならば、反応は進
行しえない。10トン/hrのリサイクル割合では、容器1の反応平衡定数は反応
がとにかく進行する上で3.091となる必要があろう。これはこの系で2.5
6〜2.85の真の値よりも高い。リサイクル割合が80トン/hrへ増すと、試
薬供給容器1の反応K比は2.061へ下がった。この比率のとき、容器1にお
ける反応の平均速度が最大になる。
【0070】 80トン/hrを超えるリサイクル割合では、K比は再び増加しはじめることが
わかった。そのため平均反応率としては、80トン/hrのリサイクル割合が最適
であった。しかしながら、リサイクル比が増すほどリアクターを通る物質フロー
レートを増しやすいことに留意すべきである。最適のリアクターサイズは、割合
におよぼすリサイクル比の効果および物質割合におよぼすリサイクル比の効果の
組合せにより決まる。この組の条件にとり最適なものは、20〜50トン/hrで
ある。これは1ポンド/時間の全供給ストリーム当たり0.97〜2.43ポン
ド/時間のリサイクルに相当するリサイクル割合を表わす。
【0071】例5 乳酸エチル、乳酸、水およびエタノールの混合物を0.1%w/w硫酸と共に大
気圧下で一夜(12時間)還流することにより、乳酸、乳酸エチル、エタノール
および水の混合物を調製した。この混合物のサンプルは次を含有することが分析
された:エタノール19.53%w/w、水9.68%w/w、遊離乳酸モノマー16
.4%w/wおよび乳酸エチル48.95%w/w。このサンプル上で平衡中に集めら
れた少量の蒸気サンプルは次を含有していた:エタノール80.41%w/w、水
19.56%w/w、遊離乳酸モノマー0.018%w/wおよび乳酸エチル5.34
%w/w。これは、これらの条件下で沸騰反応平衡混合物上の蒸気が比較的低レベ
ルの乳酸エチルを含有することを示している。この還流は反応容器1を表わして
いる。
【0072】 液体混合物を、260mmHg絶対圧力で操作するワイプド(wiped)フィルムエバ
ポレーターへ、10g/minで供給した。発熱体は、集められたオーバーヘッド凝
縮物対液体ボトム液で1:1.98物質比を得るように調整した。これは1ポン
ド/時間の全供給ストリーム当たり1.98ポンド/時間のリサイクルに相当す
るリサイクル割合を表わす。この場合のワイプドフィルムエバポレーターは容器
2である。液体流出物は乳酸エチル形成で反応平衡になかったことに留意すべき
である。乳酸ダイマーの形成およびエチルラクチルラクテートオリゴマーの形成
について計算された2つの他の定数も、ワイプドフィルムエバポレーターからの
ボトムで著しく増加したことに、留意すべきである。これらは、系がこの容器2
を出るとき反応平衡になかったことを示している。触媒は液体から除去されなか
ったことに留意すべきである。120rpmのワイパー速度をワイプドフィルム
蒸留器で用いた。
【0073】
【表3】
【0074】例6 先の例の場合と類似した実験を行ったが、ボトムは、蒸気‐液体分離装置また
はワイプドフィルムエバポレーターの容器2から、反応平衡容器の容器1へと、
ここでラン1、2、3および4として特定されているように、連続的に4回リサ
イクルした。各リサイクル時に、新鮮エタノールおよび88%乳酸を容器1で加
熱および反応前にボトムへ加えた。触媒を、後のサイクル向けではなく、第一サ
イクル向けに加えた。各サイクルにおいて容器1リアクターで処理される物質の
総量は、ラン1〜4で、各々3386g、3083g、2987gおよび283
0gであった。次いでこの物質を容器2へ供給した。各場合に集められたオーバ
ーヘッド蒸気の量は1524、1445、1357および1349gであった。
これは4リサイクル試験で合計約20時間の操作に相当した。同様に、我々は最
終容器2サンプルからの液体についてK値を計算してみると、反応平衡には程遠
いことをみいだすであろう。各場合におけるオーバーヘッド蒸気は、望ましい生
成物、乳酸エチルに富んでいる。
【0075】
【表4】
【0076】 本発明の具体的態様の先の記載は、本発明のすべての可能な態様の完全なリス
トではない。当業者であれば、本発明の範囲内に属するここで記載された具体的
な態様へ修正を加えてもよいことがわかるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の一態様に関するプロセスフロー図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4H006 AA02 AC48 AC81 BA36 BA66 BB14 BC10 BC11 BC14 BC18 BC19 BD33 BD52 BN10 KA06 KC12 4H039 CA66 CD10 CD30

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)有機酸、アルコールおよび水からなる供給物を第一の容器へ供給して、
    そこで有機酸およびアルコールが反応してモノマーエステルおよび水を形成し、
    成分として少くとも一部のエステル、アルコールおよび水からなる第一の液体流
    出物が産出される(第一の液体流出物の成分は実質的に反応平衡にある);およ
    び (b)第一の液体流出物を第二の容器へ供給して、そこで蒸気産物ストリーム
    および第二の液体流出物ストリームが産出される(蒸気ストリームはエステル、
    アルコールおよび水からなり、第二の容器は実質的に蒸気‐液体平衡で維持され
    るが、実質的に反応平衡にない) ステップからなる、エステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 第一の容器が圧力Pで操作され、第二の容器が圧力Pで操作され、P
    よびPが実質的に同一であって、第一の容器における供給物の平均滞留時間が
    、第二の容器における第一の液体流出物の平均滞留時間より少くとも10倍長い
    、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 第一の容器が温度Tで操作され、第二の容器は、第二の容器の内容物が実質
    的に反応平衡へ近づかないように、Tより十分低い第二の温度Tで操作され
    る、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 第一の容器が約30〜500psigの圧力Pで操作され、第二の容器が約1〜
    14psiaの圧力Pで操作される、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 触媒がエステルの形成を触媒するために十分な量で第一の容器に加えられて、
    その触媒のうち少くとも一部が第二の容器へ入る前に第一の液体流出物から除去
    され、そのため第二の容器の内容物が実質的に反応平衡へ近づかない、請求項1
    に記載の方法。
  6. 【請求項6】 触媒が第一の容器で不均質であって、第二の容器には実質的に存在していない
    、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 触媒が第一の容器で均質であり、洗浄で第二の容器前に実質的に除去される、
    請求項5に記載の方法。
  8. 【請求項8】 第一の容器における温度および圧力が双方とも第二の容器の場合よりも大きい
    、請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 第二の容器が大気よりも大きな圧力下で操作されるが、但し短い滞留時間であ
    る、請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 第一の容器が大気圧よりも大きな圧力下で操作される、請求項1に記載の方法
  11. 【請求項11】 第一の容器が、いかなる触媒も加えることなく、実質的に蒸発を抑えうるほど
    十分な圧力、および220℃以内の温度で、実質的に液相で操作される、請求項
    1に記載の方法。
  12. 【請求項12】 第一の容器が150〜220℃の液体温度で操作され、第二の容器が30〜1
    00℃の流出蒸気温度で操作される、請求項1に記載の方法。
  13. 【請求項13】 有機酸が、3〜8炭素原子を有するモノ、ジおよびトリカルボン酸からなる群
    より選択される、請求項1に記載の方法。
  14. 【請求項14】 有機酸が酢酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、ヒドロキシ酢酸、ピル
    ビン酸、イタコン酸、ギ酸、シュウ酸、プロピオン酸、β‐ヒドロキシ酪酸およ
    びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  15. 【請求項15】 アルコールが、1〜20炭素原子を有する脂肪族アルコールである、請求項1
    に記載の方法。
  16. 【請求項16】 脂肪族アルコールが1〜12炭素原子を有する、請求項8に記載の方法。
  17. 【請求項17】 アルコールがi‐ブタノール、t‐ブタノール、n‐ブタノール、i‐プロパ
    ノール、n‐プロパノール、エタノールおよびメタノールからなる群より選択さ
    れる、請求項1に記載の方法。
  18. 【請求項18】 2以上の供給ストリームが第一の容器へ供給され、1つの供給ストリームが本
    質的に水からなる、請求項1に記載の方法。
  19. 【請求項19】 第一の液体流出物が実質的に液体である、請求項1に記載の方法。
  20. 【請求項20】 有機酸が乳酸である、請求項1に記載の方法。
  21. 【請求項21】 第二の容器からの蒸気産物ストリームが、酢酸エチル、エタノールおよび水を
    各々少くとも5重量%で含んでいる、請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 供給物が、第一の液体流出物および第二の流体流出物で乳酸オリゴマーおよび
    乳酸エチルオリゴマーの形成を実質的に抑制する上で十分な水を含有している、
    請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 第二の液体流出物の少くとも一部が第一の容器へリサイクルされる、請求項1
    に記載の方法。
  24. 【請求項24】 供給物が乳酸、乳酸オリゴマーおよびエタノールを含有している、請求項1に
    記載の方法。
  25. 【請求項25】 供給物が、酸性pHのストリームを形成するように処理された糖の発酵物から
    誘導される粗製または部分精製ブロスを含有している、請求項1に記載の方法。
  26. 【請求項26】 供給物が、無機塩、タンパク質フラグメント、糖残渣、ケトンおよび金属イオ
    ンからなる群より選択される1種以上の不純物を含有している、請求項1に記載
    の方法。
  27. 【請求項27】 供給物が、実質上光学的に純粋な乳酸を含有している、請求項1に記載の方法
  28. 【請求項28】 第二の容器が連続的に操作されるいくつかのサブ容器に分けられ、各々におい
    て、それらが実質的に反応平衡にない蒸気および液体流出ストリームで操作され
    るような、しかも各サブ容器からの蒸気産物ストリームが後のサブ容器の蒸気産
    物ストリームよりもアルコールおよび水に富むような温度、圧力、触媒および平
    均滞留時間で操作される、請求項1に記載の方法。
  29. 【請求項29】 供給物が1種以上のポリ乳酸、ポリラクチド、ポリヒドロキシブチレートを含
    有し、供給物が更に水を含有している、請求項1に記載の方法。
  30. 【請求項30】 供給物が、純粋または混合αもしくはβ‐ヒドロキシ酸を実質的にベースにし
    た1種以上のポリエステルを含有し、供給物が更に水を含有している、請求項1
    に記載の方法。
  31. 【請求項31】 供給物がポリ乳酸を含有しており、第一の容器へ入る前に約240℃の温度お
    よび500psig以内の圧力で熱水で前処理される、請求項1に記載の方法。
  32. 【請求項32】 蒸気産物ストリームを脱水および精製して、そのストリームからエステルおよ
    びアルコールを分離させるステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
  33. 【請求項33】 供給物が2種以上のアルコールまたは有機酸を含有して、混合エステルが形成
    されるが、但しアルコール、エステルおよび水の沸点が最低から最高の沸点まで
    110℃以内の範囲である、請求項1に記載の方法。
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