JP2002530351A - 神経幹細胞もしくは始原細胞に影響する症状を処置するための医療製品および方法 - Google Patents

神経幹細胞もしくは始原細胞に影響する症状を処置するための医療製品および方法

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JP2002530351A JP2000583558A JP2000583558A JP2002530351A JP 2002530351 A JP2002530351 A JP 2002530351A JP 2000583558 A JP2000583558 A JP 2000583558A JP 2000583558 A JP2000583558 A JP 2000583558A JP 2002530351 A JP2002530351 A JP 2002530351A
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Abstract

(57)【要約】 投与した際に、たとえば成長ホルモン、その機能上均等な同族体または内生成長ホルモンの放出を増大させる物質など成長ホルモンの増加濃度をもたらす物質の使用につき開示し、この物質は神経幹細胞、始原細胞および/または神経幹細胞もしくは始原細胞に由来する細胞に影響する異常症状(特にオリゴデンドログリア、アストログリアおよび/または神経細胞に影響する症状)を処置するための医薬製品を製造すべく使用される。線状決定を誘発させ、始原細胞、幹細胞および/または成長ホルモンの濃度を増加させる物質を細胞に投与して前記細胞から得られる細胞からのニューロン、オリゴデンドロサイト、アストログリア細胞の発生を誘発および/または誘発もしくは維持するインビトロおよびインビボの方法も開示される。さらに、始原細胞もしくは幹細胞からのオリゴデンドロサイト、ニューロン、アストログリア細胞の発生を減少させるべく、成長ホルモンまたはその機能上均等な同族体の減少濃度をもたらす医薬上有効量の物質を前記患者に投与する方法についても開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、患者に投与した際に医療製品を製造するための成長ホルモンの増加
濃度をもたらす物質の使用に関するものである。
【0002】 さらに本発明は、神経幹細胞または始原細胞に影響する異常症状の処置方法に
も関するものである。
【0003】 発明の背景 人間の中枢神経系(CNS)に対する外傷性、アゾフィキシャル(asfyx
ial)、低酸素性、虚血性、毒性、感染性、変質性もしくは代謝性障害の結果
は、数種の異なる細胞種類における或る程度の損傷に関与しうる。外傷、アズフ
ィキシア、毒素、虚血症もしくは感染による脳への損傷はしばしば神経学的およ
び認識的欠損をもたらす。変質病は細胞の特定細胞集団の喪失をもたらしうる。
たとえばパーキンソン氏病は黒質におけるドーパミン作動性ニューロンの特異的
喪失を伴う。同様に、多発性硬化症はミエリンおよびオリゴデンドロサイトの喪
失に関連する。特定種類のニューロンの選択的喪失により生ずる変質障害の他の
例は、コリン作動性ニューロンの喪失に関連したアルツハイマー病である。CN
S障害もしくは病気がオリゴデンドログリア、アストログリアもしくは神経細胞
に損傷をもたらしうる多くの他の場合も存在する。
【0004】 さらにCNS白色メイター(mater)トラクトにおける軸索に対する障害
および脊髄に対する障害の後の軸索再生および急速発生は、オリゴデンドロサイ
トにより発現される表面分子により抑制されることが示されている。
【0005】 始原細胞は表皮成長因子(EGF)のような成長因子により成長かつ増殖して
おり、この成長因子はGHとは異なる種類に属する物質である。
【0006】 一般に、変質もしくは損傷に続くニューロンの補充は哺乳動物脳の特性でない
。すなわちニューロン喪失は永久的であると考えられる。長期にわたる出生後の
ニューロン発生が海馬構成の顆粒細胞層にて記載されている[J.アルトマンお
よびG.D.ダス、J.Comp.Neurol、第124巻、第319〜33
5頁(1965);J.アルトマンおよびG.D.ダス、ネイチャー、第214
巻、第1098〜1101頁(1967);V.S.カビネス・ジュニヤ、J.
Comp.Neurol、第151巻、第113〜120頁(1973);G.
グエノー、A.プリバート、J.ドラウエットおよびL.コート、Dev.Ne
urosci.、第5巻、第345〜358頁(1982);M.F.エッケン
ホッフおよびP.J.ラキック、ジャーナル・ニューロサイエンス、第8巻、第
2729〜2747頁(1988)]。神経発生は人間にて成人まで良好に持続
することが最近示された[P.S.エリクソン、E.ペルフィリエバ、T.ブヨ
ルク・エリクソン、A.アルボーン、C.ネルドボルグ、D.A.ピーターソン
、F.H.ゲージ、ネイチャー・メジスン出版中]。神経始原細胞は、連続的に
増殖して顆粒細胞層中へ移行すると共に顆粒細胞中へ分化する歯状回のサブ顆粒
帯域(SGZ)に存在する[H.クーン、H.ディキンソン・アンソンおよびF
.H.ゲイジ、ジャーナル・ニューロサイエンス、第16巻、第2027〜20
33頁(1996);H.A.カメロン、C.S.ウーリー、B.S.マックエ
ベンおよびE.ゴールド、ニューロサイエンス、第56巻、第337〜344頁
(1993);T.セキおよびY.アライ、ジャーナル・ニューロサイエンス、
第13巻、第2351〜2358頁(1993)]。顆粒細胞層における、これ
ら新生ニューロンは分化ニューロンのマーカーを発現すると共に、分化顆粒細胞
に対応する形態学的特徴を有する[M.S.カプランおよびD.H.ベル、ジャ
ーナル・ニューロサイエンス、第4巻、第1429〜1441頁(1998);
H.A.カメロン、C.S.ウーリー、B.S.マックエベンおよびE.ゴ−ル
ド、ニューロサイエンス、第56巻、第337〜344頁(1993);H.A
.カメロン、C.S.ウーリーおよびE.ゴ−ルド、ブレイン・リサーチ、第6
11巻、第342〜346頁(1993)]。さらに、彼らは苔状繊維通路への
軸索プロセスを確認すると共に、海馬CA3におけるその標的に対するシナプシ
ス接続を形成する[T.セキおよびY.アライ、ジャーナル・ニューロサイエン
ス、第13巻、第2351〜2358頁(1993);B.B.スタンフィール
ドおよびJ.E.トライス、エキスペリメンタル・ブレイン・リサーチ、第72
巻、第399〜406頁(1988)]。海馬体は空間的な学習および記憶に関
連する[R.K.マックナマラおよびR.W.スケルトン、ブレイン・リサーチ
・レビュー、第18巻、第33〜49頁(1993)]。始原細胞の増殖はn−
メチル−d−アスパルテート(NMDA)リセプタ拮抗剤の投与により、或いは
副腎の除去により影響を受けうる[H.A.カメロンおよびE.ゴールド、ニュ
ーロサイエンス、第61巻、第203〜209頁(1994);H.A.カメロ
ン、P.タナパットおよびE.ゴールド、ニューロサイエンス、第82巻、第3
49〜354頁(1998)]。柔軟性は年齢の増加と共に減少し、最近の研究
が示した所では始原細胞の増殖も減少するが、年齢と共に完全には駄目にならな
い[H.クーン、H.ジキンソン・アンソンおよびF.H.ゲージ、ジャーナル
・ニューロサイエンス、第16巻、第2027〜2033頁(1996)]。成
体囓歯動物脳から摘出された幹細胞が成体動物の脳に最近移植されたおり、これ
らは神経特性を有する細胞まで分化する[J.O.スホネン、D.A.ピーター
ソン、J.レイおよびF.H.ゲージー、ネイチャー、第383巻、第624〜
627頁(1996)]。
【0007】 さらに、若いマウスの歯状回における神経発生は豊富環境により促進されるこ
とも示されている。豊富環境への露呈は増加数の新規に形成された生存顆粒細胞
ニューロンおよび歯状回における増加合計数ニューロンをもたらすことが示され
た[G.ケンペルマン、H.G.クーンおよびF.H.ゲージー、ネイチャー、
第386巻、第4963〜495頁(1997)]。
【0008】 発明の概要 成長ホルモンもしくはその同族体または増加濃度の成長ホルモンもしくはその
同族体をもたらす他の物質を使用することにより、成体CNSからの神経幹細胞
および始原細胞の増殖および/または分化を調整しうることが突き止められた。
従って本発明は、増殖細胞発生の改変および/または中枢神経系における神経幹
細胞もしくは始原細胞の分化により主としてオリゴデンドログリア、アストログ
リアもしくは神経細胞に影響する中枢神経系の障害もしくは病気を処置する新規
な可能性を提供する。
【0009】 さらに幹細胞、始原細胞およびニューロン、アストロサイトもしくはオリゴデ
ンドロサイトを発生する能力を持った他の細胞(特に中枢神経系に由来する細胞
)のインビトロにおける増殖を調整しうることも突き止められた。この種の細胞
は、たとえば患者における治療目的に使用することができる。
【0010】 従って本発明は、神経幹細胞および/または始原細胞に影響する異常症状を処
置する医療製品を製造するための増加濃度の成長ホルモンもしくはその機能上均
等な同族体を患者に投与した際にもたらす物質の使用に関するものである。
【0011】 さらに本発明は、神経幹細胞および/または始原細胞に影響する異常症状の処
置方法にも関するものであり、ここでは増加濃度の成長ホルモンもしくはその機
能上均等な同族体をもたらす医薬上活性量の物質を患者に投与する。
【0012】 さらに本発明は、線状測定を誘起させ、ニューロン、オリゴデンドロサイト、
始原細胞からのアストログリア細胞、幹細胞および/または前記細胞に由来する
細胞を増殖および/または誘発またはその発生を維持する方法にも関し、この方
法は有効量の成長ホルモンもしくはその機能上均等な同族体を幹細胞、始原細胞
、ニューロンアストログリア細胞および/またはオリゴデンドロサイトにインビ
トロで投与することを特徴とする。
【0013】 他面において本発明は、CNSにおける高過ぎる濃度の成長ホルモンに基づく
CNSにおける異常症状にも関するものである。
【0014】 従って本発明は、患者に投与した際に幹細胞、始原細胞および/または幹細胞
もしくは始原細胞に由来する細胞に影響する異常症状を処置する医療製品を製造
するための減少濃度の成長ホルモンもしくはその機能上均等な同族体をもたらす
物質の使用にも関するものであり、さらに患者の中枢もしくは末梢神経系に存在
または由来する始原細胞もしくは幹細胞からのオリゴデンドロサイト、ニューロ
ン、アストログリア細胞の発生を減少させる方法にも関するものであり、ここで
は減少濃度の成長ホルモンもしくはその機能上均等な同族体をもたらす医薬上有
効量の物質を前記患者に投与する。
【0015】 本発明の特徴は、以下の説明および特許請求の範囲から明らかとなるであろう
【0016】 発明の詳細 ヒト脳を含め哺乳動物の脳は、或る種の脳領域にて全寿命にわたりニューロン
を発生する能力を保持する。新たなニューロンおよびアストログリア細胞、並び
にオリゴデンドロサイトは幹細胞もしくは始原細胞から細胞発生により発生する
。本発明に到る研究に際し、成長ホルモン(以下GHと称する)は成体脳におけ
る始原/幹細胞からの細胞発生の増加をもたらすことが判明した。さらに、海馬
体における増加数の新規な細胞は学習および記憶の改善に関連することも判明し
た。これら知見は、たとえば記憶および学習欠損のような患者における神経学的
欠損を、特に細胞を包囲する環境に存在するGHの量を操作して処理可能である
と言う洞察をもたらす。
【0017】 従ってニューロン、アストログリア細胞およびオリゴデンドロサイトを含め幹
細胞もしくは始原細胞由来の細胞の個数を増加させることにより、障害後のCN
S損傷もしくは欠損を処置しうることが判明した。
【0018】 さらに、患者におけるGHの濃度を増加させて細胞発生における同時的増加と
共に幹細胞の増殖および/または分化を誘発させることにより患者におけるニュ
ーロン、アストログリア細胞およびオリゴデンドロサイトを含め幹細胞もしくは
始原細胞由来の細胞の個数を増大させてCNS損傷後に受けた神経損失を処置し
うることも判明した。
【0019】 最後に、患者におけるGHの濃度を増加させて細胞発生における同時的増加と
共に幹細胞の増殖および/または分化を誘発させることにより、インビトロにて
さらに拡大させると共に患者中へ同時的に再移植すべく前記細胞を含有する脳組
織の小試料を外科剔出する単離を容易化させて、患者におけるニューロンおよび
/またはアストログリア細胞および/またはオリゴデンドロサイトを含め幹細胞
もしくは始原細胞由来の細胞の個数を増大させ、CNS損傷後に受けた神経喪失
を処置しうることも判明した。
【0020】 従って本発明は、患者に投与した際に神経幹細胞、始原細胞および/または神
経幹細胞もしくは始原細胞に由来する細胞に影響する異常症状を処置する医薬製
品を製造するための増加濃度の成長ホルモンもしくはその同族体をもたらす物質
の使用に関するものであり、さらに神経幹細胞、始原細胞および/または神経幹
細胞もしくは始原細胞に由来する細胞に影響する異常症状の処置方法にも関する
ものであり、この方法は増加濃度の成長ホルモンをもたらす医薬上活性量の物質
を患者に投与する。
【0021】 増加濃度の成長ホルモンもしくはその同族体をもたらす物質は、たとえば成長
ホルモン自身またはその機能上均等な同族体とすることができる。「機能上均等
な同族体」という用語は、患者に投与した際にGHと実質的に同じ生物学的およ
び医薬的作用を示す全ての物質を意味する。この種の同族体はたとえば合成GH
ミメチックとすることができる。さらに、患者に投与した際に高められた活性濃
度のGHもしくは天然産GH同族体もしくはその中間体を患者のCNSにもたら
す化合物を使用することもでき、たとえば内生GHの増大放出をもたらす。たと
えばGH放出性物質、成長ホルモン放出性ペプチド(GHRP)およびその同族
体などGHの積極的調整性結合蛋白質を使用することができる。
【0022】 本発明による医療製品は、好ましくはたとえば当業界で知られたような薬理学
上許容しうるキャリヤもしくは希釈剤に活性物質を含む。
【0023】 本発明により使用される医療製品もしくは物質は、好ましくは静脈末梢輸液を
介し或いは患者への筋肉内もしくは皮下注射により投与される。さらに、医薬製
品もしくは医薬上活性な物質を外科挿入された回路を介し患者の脳室に投与する
こともできる。
【0024】 好ましくは医薬上活性な物質の皮下投与の投与量範囲は患者の体重1kg当た
り毎週約0.01〜1 IEである。
【0025】 ここで用いる「患者」という用語は、本発明による処置を必要とする任意のヒ
トまたは非ヒト哺乳動物を意味する。
【0026】 ここで用いる「処置」という用語は、病気もしくは症状を治癒もしくは軽減さ
せるための処置および病気もしくは症状の進展を防止する処置の両者を意味する
。さらに「処置」という用語は、CNSもしくはPNS(末梢神経系)における
神経、オリゴデンドログリアもしくはグリア細胞の喪失のいずれかの後にニュー
ロンおよび/またはグリア細胞の発生を誘発させることによる幹細胞もしくは始
原細胞からの細胞発生の作用、或いはCNSもしくはPNSにおける正常な年齢
関連劣化の防止を意味し、この用語はさらに患者におけるCNSもしくはPNS
に同時移植するための幹細胞もしくは始原細胞の培養をも意味する。処置は急性
的または慢性的に行うことができる。
【0027】 上記したように、医薬上活性な本発明により使用する物質は神経幹細胞、始原
細胞および/または神経幹細胞もしくは始原細胞に由来する細胞に影響する異常
症状の処置に適する。従って、これは中枢神経経(CNS)の損傷、病気もしく
は欠損を予防、処置もしくは軽減させるべく使用することができる。本発明によ
り使用される医薬上活性な物質は、オリゴデンドログリア、アストログリアおよ
び/または神経の各細胞に作用する症状の処置につき特に適している。この種の
症状はたとえばCNS損傷もしくは欠損、神経細胞喪失もしくは記憶喪失とする
ことができる。この種の症状は多くの異なる因子もしくは病気、たとえば多発性
硬化症、低酸素障害、虚血障害、外傷性障害、パーキンソン氏病および脱髄障害
により生ずることがある。
【0028】 本発明により使用される医薬活性な物質の作用は細胞発生、増殖および/また
は始原細胞由来細胞の中枢神経系における細胞発生、増殖および/または分化を
誘発させる能力に基づいている。
【0029】 本発明の他の具体例によれば、組織培養または細胞培養にて始原細胞もしくは
幹細胞または他の神経細胞を増殖させるべく、成長ホルモンもしくはその機能上
均等な同族体を使用することができる。その後、この種の細胞は神経細胞喪失ま
たはこの種の内生細胞の欠損に基づく症状に罹患した患者に細胞移植すべく使用
することもできる。培養を開始させるべく使用される細胞は、患者自身に或いは
ヒトもしくは動物ドナーに由来することができる。
【0030】 細胞をインビトロにて作成すべく患者から除去せねばならない場合は、先ず最
初に患者における始原細胞の個数を増加させるのが有利である。患者からの前記
細胞のその後の単離をこのように容易化させれば、患者からの前記細胞のその後
の単離を容易化させる。始原細胞の個数は、本発明による方法もしくは医療製品
の使用により、すなわち患者に投与した際に増加濃度の成長ホルモンまたはその
機能上均等な同族体をもたらす物質を用いて増加される。
【0031】 成長ホルモンまたはその機能上均等な同族体は単独で或いはたとえば表皮成長
因子(EGF)もしくは繊維芽成長因子2(FGF2)のようなCNSもしくは
PNSにおける細胞発生または増殖を誘発させるよう設計された他の薬物もしく
は成長因子と組み合わせて使用することができる。成長ホルモンまたはその機能
上均等な同族体は単独で或いは他の薬物、ペプチド、成長因子、ステロイド、脂
質、グリコシル化蛋白質もしくはペプチドと一緒に同時的または順次に使用する
ことができ、細胞発生またはインビボもしくはインビトロにおける特定細胞種類
の発生を容易化させるべく使用することができる。さらに、これを用いて活性な
特定進展プログラム並びに上記細胞における特定遺伝子に対し未成熟または多能
性の細胞を誘発させることもできる。
【0032】 上記の「細胞発生」とはたとえばニューロン、オリゴデンドロサイト、シュワ
ン細胞およびアストログリア細胞のような、成人CNSもしくはPNS内にて或
いはインビトロにて多能細胞、始原細胞もしくは幹細胞から新規な細胞を発生さ
せることを意味する。
【0033】 さらに本発明は、患者における活性GHもしくはGHの天然同族体の量を減少
させ、従って脊髄もしくは髄索障害を有する患者におけるオリゴデンドロサイト
の発生を減少させる物質の治療用途にも関するものである。この種の物質の例は
マイナス調節性結合蛋白質、GH−リセプタ拮抗剤、薬物もしくは抗体または化
合物もしくはペプチドである。軸索再生および脊髄障害は、オリゴデンドロサイ
トにより発現される或る種の分子により抑制されることが示されている。さらに
、内生ペプチドを増加させる薬物もしくは抗体または化合物もしくはペプチド、
或いは内生GHの生物学的活性を減少させる蛋白質も使用することができる。
【0034】 以下、実施例を参照して本発明は一層充分理解されるであろうが、これは本発
明を決して限定すると考えてはならない。
【0035】 以下の実施例においては添付図面を参照する。
【0036】 実施例 この実施例においては、本発明により成長ホルモン(GH)、コルチゾル(C
)およびL−チロキシン(T)で処理された下垂体切除(HX)ラットの歯状回
におけるBrdU−陽性細胞の密度を、コルチゾル(C)およびL−チロキシン
(T)で処理された下垂体切除ラットの歯状回におけるBrdU−陽性細胞の密
度および未処理の非手術比較群における同じ細胞の密度と比較する。
【0037】 50日令における完全もしくは下垂体切除されたフィッシャー・ラット(ハー
ラン・スプラグ・ドーリー種)を温度(24〜26℃)、湿度(50〜60%)
、並びに0500〜1900時間の光照射を伴う標準条件下に維持した。
【0038】 ラットは標準的実験餌および水に自由に近づけた。ホルモン処理を下垂体切除
の7〜10日後に開始した。下垂体切除ラットには全てコルチゾル燐酸塩(40
0μg/kg/1日;ソル−コルテフ、アップジョン社、プュールス、ベルギー
國)およびL−チロキシン(10μg/kg/1日;シグマ社、USA)を毎日
の皮下注射(0800hにおける)として塩水に希釈して投与した。組換ウシG
H(bGH)を1.6%のグリセリンおよび0.02%のナトリウムアジドを含
む0.05Mの燐酸塩緩衝液(pH8.6)に希釈した。GH1mg/kg/1
日を24時間間隔にて1日1回の皮下注射として投与した。処理を7日間にわた
り持続した。その後、ラットを殺して脳を摘出すると共に免疫組織化学につき準
備した。
【0039】 10匹の下垂体切除ラットをコルチゾルおよびL−チロキシンのみで処理した
。15匹の下垂体切除ラットをコルチゾル、L−チロキシンおよびGHで処理し
た。体重120gの10匹のラットを比較群に割り付けた。7日間の処理期間に
際し、動物には全てブロモデオキシウリジン(BrdU、シグマ社)の毎日の腹
腔内注射(50mg/kg体重)を与えた。チミジン同族体BrdUを有糸分裂
に際し遺伝子材料に組み込み、その後得られた細胞にて免疫組織化学的に検出す
ることができる。20日目に全動物を致死量の麻酔薬により殺し、4%パラホル
ムアルデヒドを経心的に還流させた。各脳を除去すると共に、4%パラホルムア
ルデヒドに24時間にわたり事後固定し、その後に30%蔗糖溶液に貯蔵した。
冠状凍結マイクロトームセクション(40μm)を凍結保護剤(25%エチレン
グリコール、25%グリセリン、0.05M燐酸塩緩衝液)に−20℃にて、免
疫組織化学もしくは免疫フルオレッセンスにつき処理するまで貯蔵した。
【0040】 海馬体の歯状回におけるBrdU−陽性細胞の個数を非バイヤス計数技術によ
り計数した。組織セクションにおけるBrdU標識核を検出するため、次のDN
A変性工程に先立ちマウス抗−BrdU抗体1:400(ベーリンガー・マンハ
イム社)と共に培養した:50%ホルムアミド/2X SSC(0.3M Na
Cl、0.03Mクエン酸ナトリウム)において2h培養を65℃で5分間。2
xSSCでの濯ぎ、37℃における2N HClでの30分間の培養、0.1M
硼酸での濯ぎ(pH8.5)。染色は全て自由浮遊40mmセクションにて行っ
た。自由浮遊セクションをトリス緩衝塩水(TBS)(0.15M NaCl、
0.1Mトリス−HCl、pH7.5)における0.6%Hで30分間処
理して、内生ペルオキシダーゼを封鎖した。次いでTBSにおける数回の濯ぎを
行った後、TBS/0.25%トリトンX−100/3%ノルマル・ウマ血清(
TBS−TS)にて30分間にわたり培養すると共に、TBS−TSにおける一
次抗体と共に4℃にて1晩培養した。TBS−TSにて濯いだ後、各セクション
をビオチニル化ウマ抗マウスIgG、すなわち1:160の二次抗体(ベクター
・ラボラトリーズ社、USA)と共に3時間にわたり培養した。TBS濯ぎの後
、アビジン−ビオチン−ペルオキシダーゼ複合体を1時間にわたり施した後、5
分間にわたりペルオキシダーゼ検出した(0.25mg/ml、ジアミノベンジ
ジン、0.01%H、0.04%NiCl)。
【0041】 免疫フルオレッセンスにつき、各セクシヨンを上記のようにDNA変性のため
処理し、次いでTBS−TS中で30分間培養した。その後、各セクションをマ
ウス−抗カルビンジン−D28K、1:2000(シグマ社)と共に4℃にて1
6時間にわたり培養し、テキサスレッド結合ロバ抗−マウスIgGで検出した。
BrdUをFITC結合ウサギ抗−BrdU抗体で検出した。フルオレッセンス
信号を検出すると共にコンフォーカル走査レーザー顕微鏡(ビオラドMRC10
24、リッチモンド、CA)を用いて処理した。
【0042】 顆粒細胞層、サブ顆粒層、並びに門細胞およびその対応試料の各容積における
BrdU陽性細胞の合計数を7〜9個の冠状セクション(240mm離間)にて
測定し、これは歯状回を含んだ。細胞計数を光学ジセクタ法により行って過度の
試料採取誤差を回避した。
【0043】 結果を図1に示す。7日間後、歯状回における新生細胞の個数は、コルチゾル
およびチロキシンのみで処理した動物と比較してGH、コルチゾンおよびチロキ
シンで処理された下垂体切除動物にて顕著に増大した。さらに、増殖の速度もコ
ルチゾルおよびL−チロキシンで処理された下垂体切除動物と比べGH投与後に
顕著に増大し、これは処理の1週間後に定量された。これら結果が明らかに示す
ように、GHは海馬体における歯状回の始原細胞の増殖速度を増大させる。
【0044】 さらに、増殖の速度はコルチゾルおよびL−チロキシンでの処理の1週間後に
定量された下垂体切除動物に比べGHの投与後に顕著に増大した。この結果は、
GHが海馬体の歯状回における始原細胞の増殖速度に影響することを示唆する。
【0045】 さらに、正常比較と対比しかつ1週間にわたり処理された後に3週間にわたり
処理しなかった下垂体切除動物と対比して、GHにより1週間処理を受けた正常
動物にて増殖が増大した。BrdU−陽性細胞の個数を、コルチゾンとL−チロ
キシンまたはコルチゾンとL−チロキシンとGHとによる処理の1ヶ月後に推定
した。この結果を図2に示す。これら結果が示唆するように、GHは歯状回にお
ける神経細胞始原増殖から生ずる細胞の増殖もしくは生存を直接的もしくは間接
的に促進する。
【0046】 これら結果が示唆するように、GHは歯状回における神経細胞始原増殖から生
ずる細胞の増殖もしくは生存を直接的もしくは間接的に促進する。
【0047】 本発明者等は、初めて成長ホルモンが成人脳におけるニューロンの増殖および
その後の発生を調整しうることを示した。
【0048】 増加数の新生細胞を有するラットを試験すると共に、より少数の始原細胞を有
するラットと連続4日間にわたりBrdU注射の4週間後に比較した。これらラ
ットを水メイズにてビデオ−トラッキングシステムで試験した。プラットフォー
ムに達する時間(潜在時間)を監視した。逸脱プラットフォームを固定位置にて
水の表面の1cm以内に隠蔽した。乾燥ミルク粉末を水に添加することにより水
を不透明にした。水温度を試験全体にわたり22℃に一定保持した。各動物を毎
日4回試験した。各試験は45秒間持続させた。45秒以内に隠蔽プラットフォ
ームを見出しえなかった動物を、45−s潜伏性を有すると称し、プラットフォ
ームに載せて、そこに15秒間にわたり留まらせた。
【0049】 水メイズ試験にてプラットフォームを見出す際の潜在性を2−方向ANOVA
で分析し、各監視時間間隔にて反復ポスト比較試験をシェッフF−試験により行
った。その結果を図3に示す。泳動速度にて顕著な差は存在しなかった。増加数
の新生細胞を歯状回に有する動物は本発明での処理に基づき空間的学習作業にて
顕著に良好に挙動したことが明らかである。これら動物群は、図にて○印で示し
たデータを示す。より少数の新生細胞を有するラットのデータを図面にて●印で
示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、コルチゾルCおよびL−チロキシンTのみで処理された下垂体切除ラ
ットおよび比較群と対比した成長ホルモン(GH)並びにコルチゾル(C)およ
びL−チロキシン(T)により本発明で処理された下垂体切除(Hx)ラットの
歯状回における7日間後のBrdU−陽性細胞の密度を示す。
【図2】 図2は、本発明によりコルチゾン、チロキシンおよびGHにより処理された動
物が、コルチゾンおよびチロキシンのみで最後のBrdU注射が下垂体切除動物
に注入された4週間後に処理された下垂体切除動物よりも顕著に多量の顆粒細胞
ニューロンを有したことを示す。
【図3】 図3は、本発明による増加個数の新生細胞を有する動物(○)が、比較群(●
)よりも空間的性能を評価べく使用されたウオーター・メイズ・タスクの隠蔽プ
ラットフォーム試験にて顕著に良好に挙動したことを示す。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年2月12日(2001.2.12)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【請求項31】 前記障害が、振とう症により生ずる軸索損傷、頭部外傷に
より生ずる軸索損傷、CNSにおける小血管病により生ずる軸索損傷、病気もし
くは外傷後の脊髄に対する損傷よりなる群から選択される因子の結果である請求
項30に記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】平成13年6月1日(2001.6.1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 神経幹細胞、始原細胞および/または幹細胞もしくは始原細
    胞に由来する細胞に影響する異常症状を処置する医療製品を製造するための成長
    ホルモンもしくはその機能上均等な同族体の増加濃度を患者に投与した際にもた
    らす物質の使用。
  2. 【請求項2】 前記物質が成長ホルモンまたはその機能上均等な同族体であ
    る請求項1に記載の使用。
  3. 【請求項3】 投与した際に前記物質が内生成長ホルモンの放出を増大させ
    る請求項1に記載の使用。
  4. 【請求項4】 前記症状がオリゴデンドログリア、アストログリアおよび/
    または神経細胞に影響する請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
  5. 【請求項5】 前記症状が非コリン作動性神経細胞、コリン作動性神経細胞
    もしくはグリア細胞に影響する請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。
  6. 【請求項6】 前記症状がCNS損傷もしくは欠損である請求項1〜5のい
    ずれか一項に記載の使用。
  7. 【請求項7】 前記症状が神経細胞喪失である請求項1〜6のいずれか一項
    に記載の使用。
  8. 【請求項8】 前記症状が記憶喪失である請求項1〜7のいずれか一項に記
    載の使用。
  9. 【請求項9】 前記症状が多発性硬化症、低酸素障害、虚血障害、外傷性障
    害、パーキンソン氏病および/または脱髄障害により生ずる請求項1〜8のいず
    れか一項に記載の使用。
  10. 【請求項10】 前記医療製品が静脈内輸液、筋肉内注射または皮下注射に
    つき処方される請求項1〜9のいずれか一項に記載の使用。
  11. 【請求項11】 前記医療製品が、患者に投与された際に活性物質を患者脳
    の脳室中へ移行させるよう処方される請求項1〜10のいずれか一項に記載の使
    用。
  12. 【請求項12】 前記医療製品が、患者に投与された際に活性物質を患者の
    脳髄液中へ移行させるよう処方される請求項1〜11のいずれか一項に記載の使
    用。
  13. 【請求項13】 中枢神経系に影響する異常症状を処置する医療製品を製造
    するための成長ホルモンもしくはその機能上均等な同族体の減少濃度を患者に投
    与した際にもたらす物質の使用。
  14. 【請求項14】 前記物質がマイナス調整性成長ホルモン結合タンパク質、
    その機能上均等な同族体、成長ホルモンに対する抗体、生物学上活性な成長ホル
    モンリセプタ抑制剤および/または内生成長ホルモン放出の抑制剤である請求項
    13に記載の使用。
  15. 【請求項15】 前記異常状態が振とう症により生ずる軸索損傷、頭部外傷
    により生ずる軸索損傷、CNSにおける小血管病により生ずる軸索損傷、病気お
    よび/または外傷後の脊髄に対する損傷の結果である請求項13または14に記
    載の使用。
  16. 【請求項16】 線状決定を誘発させ、ニューロン、オリゴデンドロサイト
    、始原細胞からのアストログリア細胞、幹細胞および/または有効量の成長ホル
    モンもしくはその機能上均等な同族体を幹細胞、始原細胞、ニューロンアストロ
    グリアおよび/またはオリゴデンドロサイトにインビトロで投与して前記細胞か
    ら生ずる細胞の発生を増殖および/または誘発または維持させる方法。
  17. 【請求項17】 線状決定を誘発させ、または患者の中枢もしくは末梢神経
    系またはそれに由来する始原細胞もしくは幹細胞からのニューロン、オリゴデン
    ドロサイト、アストログリア細胞の発生を誘発もしくは維持させる方法において
    、成長ホルモンもしくはその機能上均等な同族体の増加濃度をもたらす医薬上有
    効量の物質を前記患者に投与することを特徴とする方法。
  18. 【請求項18】 前記物質が成長ホルモンまたはその機能上均等な同族体で
    ある請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記物質が内生成長ホルモンの放出を増大させる物質であ
    る請求項17に記載の方法。
  20. 【請求項20】 患者の神経系に影響する異常症状を処置するための請求項
    17に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記症状がオリゴデンドログリア、アストログリアおよび
    /または神経細胞に影響する請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記症状が非コリン作動性神経細胞、コリン作動性神経細
    胞またはグリア細胞に影響する請求項22に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記症状がCNS損傷もしくは欠損である請求項20に記
    載の方法。
  24. 【請求項24】 前記症状が神経細胞喪失である請求項23に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記症状が記憶損傷である請求項23に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記症状が多発性硬化症、低酸素障害、虚血障害、外傷性
    障害、パーキンソン氏病および脱髄障害よりなる群から選択される少なくとも1
    種の因子により生ずる請求項23に記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記物質を静脈内輸液、筋肉内注射もしくは皮下注射によ
    り投与する請求項17に記載の方法。
  28. 【請求項28】 脳細胞を前記投与の後に患者から除去し、前記脳細胞を次
    いでインビトロで増殖させた後、得られた細胞を患者の脳に移植して戻す請求項
    17に記載の方法。
  29. 【請求項29】 有効量の成長ホルモンもしくはその機能上均等な同族体を
    インビトロ増殖に際し前記脳細胞に投与する請求項28に記載の方法。
  30. 【請求項30】 患者の中枢もしくは末梢神経系またはそれに由来する始原
    細胞もしくは幹細胞からのオリゴデンドロサイト、ニューロン、アストログリア
    細胞の発生を減少させる方法において、成長ホルモンもしくはその機能上均等な
    同族体の減少濃度をもたらす医薬上有効量の物質を前記患者に投与することを特
    徴とする方法。
  31. 【請求項31】 前記物質を前記患者の末梢もしくは中枢神経系に投与する
    請求項30に記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記物質がマイナス調整性成長ホルモン結合蛋白質、その
    機能上均等な同族体、成長ホルモンに対する抗体、生物学上活性な成長ホルモン
    リセプタ抑制剤および内生GH放出の抑制剤よりなる群から選択される請求項3
    0に記載の方法。
  33. 【請求項33】 中枢神経系障害を処置するための請求項30に記載の方法
  34. 【請求項34】 前記障害が振とう症により生ずる軸索損傷、頭部外傷によ
    り生ずる軸索損傷、CNSにおける小血管病により生ずる軸索損傷、病気もしく
    は外傷後の脊髄に対する損傷よりなる群から選択される因子の結果である請求項
    33に記載の方法。
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