JP2002528215A - 歯の画像の処理方法とシステム - Google Patents

歯の画像の処理方法とシステム

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JP2002528215A JP2000579128A JP2000579128A JP2002528215A JP 2002528215 A JP2002528215 A JP 2002528215A JP 2000579128 A JP2000579128 A JP 2000579128A JP 2000579128 A JP2000579128 A JP 2000579128A JP 2002528215 A JP2002528215 A JP 2002528215A
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Abstract

(57)【要約】 歯科医術もしくは歯科矯正（学）で使用するための画像処理方法が提供される。歯の２つの画像、１つは二次元画像で１つは三次元画像、が組合されて、一方から他方へ向けて得られた情報の使用ができるようにするような方法で組合される。２つの画像を組合せるために、一組の基本ランドマークが一方の中で定義され、他方の中で識別同定されて、二つの画像が位置合せされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は一般に歯科医学の分野に係り、歯科医もしくは矯正歯科医によるツ
ール（道具）として有用な画像処理方法とシステムを提供するものである。
【０００２】
【従来の技術】
矯正歯科学の分野で日常業務、ルーチンとして使用されている作像技術（イメ
ージング技術）は広範な多様性のものがある。１つの重要な作像技術はいわゆる
Ｘ線撮影法（radiographic）の頭部測定法（cephalometric）技術である。Ｘ線
撮影法の頭部測定法画像がそこで頭部測定法解析用に使用される。このような解
析は骨格の、歯の、及び軟かい組織（soft tissue）の要素でクラニオフェーシ
ャルコンプレックス（頭蓋及び顔面の複合体）についてのものの間の関係を記述
するために設計されている。２つの頭部測定法画像で一般に使用されているもの
は横方向の（ラテラル）頭部測定法画像であり、これは主として矯正歯科学で使
用され、また正面の頭部測定法画像であり、これは幾分か重要性に乏しい。
【０００３】 頭部測定方法は頭蓋及び顔面複合体の骨格、歯、及び軟かい組織のある種のノ
ルム（標準）を定義することができる。そこで、頭部測定法による個人の測定は
、年齢、性別及び個体群（population group）についてのノルムと比較できる。
頭部測定法の結果であるセファログラムは実際には三次元の頭蓋及び顔面の構造
についての二次元表現である。したがって、このような画像について実行された
解析では、バイラテラルな（両側のある）構造間を区別してそれらを独立にトレ
ース（追跡）することはむづかしい。加えて、顔の外観（フェーシャルアスペク
ト）は完全には対称性がなく、これがこの種の解析に別な不正確さを加えること
になる。頭部測定法画像における誤差の別な発生源はフィルムからの距離と、頭
部測定法装置（セファロスタット）内での患者の不完全な位置どりとに依存して
、異なる外観（アスペクト）を違った拡大倍率とすることを含んでいる。これら
のすべてが頭部測定法でかなりの誤差を累積する。
【０００４】 矯正歯科医は、矯正歯科措置を始める前に、一般に歯型をとるが、これには石
膏モデル（模型）が作られて基礎とされる。また多数の作像技術が知られていて
、これが計算機環境内で歯の仮想三次元画像を得られるようにしている。このよ
うな技術は例えばWO 97/03622とDE-C-414311に記述されている。三次元の歯の画
像は頭部測定法解析により得られるものとは異なる情報を与える。とくに、仮想
の歯の画像は歯と、異なる相対的位置とについての三次元構造についてより評価
ができるようにしている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
矯正措置の適切な設計の目的にあたり、方法とシステムとして１つの形式の画
像から取得できる情報が他の形式の画像から得ることができる情報に転送された
り重畳（スーパーポジション）することができるようにするものをもつことは極
めて好都合である。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
この発明によると、新しい方法とシステムとが用意されていて、そこでは歯の
作像技術の一形式から得られた情報とデータとが他の種類の歯の作像技術により
得られた画像内に転送されて使用される。この情報の転送は歯科医もしくは矯正
歯科医に対して、矯正措置を設計するための有力なツールを提供する。
【０００７】 この発明によると、画像処理方法が提供されていて、その構成は、 （ａ）少くとも第１の作像技術と第２の作像技術とを適用して歯の少くとも第
１の部分の第１の二次元画像と歯の少くとも第２の部分の第２の三次元仮想画像
とをそれぞれ取得し、該第１と第２の部分間には少くとも部分的な重畳があるよ
うにすること、及び、 （ｂ）該２つの画像のいずれか一方に基本ランドマークの組を定義し、該２つ
の画像の他方内に該組を置いて該組を２つの画像内で位置決めすることとを備え
ている。
【０００８】 この発明を別の観点からとらえると、画像処理システムであって、 （ｉ）少くとも第１の歯の部分の第１の二次元断面画像を表わす第１のデータ
を受領するための第１のユーティリティと、 （ii）少くとも第２の歯の部分の歯のモデルの第２の三次元仮想画像を表わす
第２のデータを受領するための第２のユーティリティと、 （iii)両画像内の基本ランドマークを定義し、かつそれを表わすデータを生成
するためのモジュールと、 （iv）前記第１と第２のユーティリティおよび前記モジュールと関係している
プロセッサであって、前記第１と第２のデータを受領し、かつ、２つの画像の一
方内の要素と該２つの画像の他方に前記基本ランドマークを表わすデータにより
マッピングするプロセッサとを備えているものが提供されている。
【０００９】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施形態によると、この作像方法とシステムとは、矯正歯科（学
）関連情報、すなわち矯正措置の枠組内で矯正歯科医によって使用されることに
なる情報を得るか、このような措置の設計のために使用される。この実施形態は
少くとも２つの画像の位置合せを含んでいて、一方は歯のモデル（模型）の三次
元仮想像であり、また他方は二次元画像であり、例えば頭部測定法画像である。
ときには、他の画像も位置合せに持ち込まれ、例えばいくつかの横方向の（側部
の）ビデオグラヒック画像、正面からのビデオグラヒック画像及び正面からの頭
部測定法画像で構成されている。
【００１０】 この発明の別な実施形態によると、この方法とシステムは歯の埋め込み（デン
タルインプラント）もしくは歯冠（クラウン）の適切な設計に使用される。イン
プラントを適切な位置でするためには、前もって注意深く骨頂を学習し、歯のイ
ンプラントを受入れられるかどうかを調べなければならない。歯のインプラント
の正確な位置と配向とは適切に前もって設計されなければならない。一般に、イ
ンプラントの適切な設計については、歯のモデルの三次元仮想画像が両方の横方
向頭部測定法画像と位置合せがされ、ときには、また正面の頭部測定法画像とも
位置合せがされる。これがあごの骨格内部にインプラントを受入れるやり方を適
切に予測する。
【００１１】 向後は、この発明が歯科矯正措置の設計目的についての作像を特に参照して記
述することになる。しかし、この発明は必要な変更を加えて歯のインプラントの
適切な設計の目的への応用に対しても適用されることは理解できよう。
【００１２】 第一の画像はＸ線画像が好ましく、一般にはＸ線撮影法技術によって得られた
頭部測定法画像がよい。このＸ線画像は横方向画像がよいが、場合によっては、
この画像は例えば正面画像といった他の配向からのものでもよい。頭部測定法画
像では、ある顔の輪郭（プロフィル）の外観も時たま見られることになる。しか
し一般には、歯科矯正措置前は、第３の顔の側部の立面ビューがＸ線撮影頭部測
定法画像が撮られたのと同じ方向からとるようにもされる。この発明の実施形態
によると、このような第３の画像で顔の外観の少くとも１つの輪郭を含んでいる
ものが得られて、この発明の作像技術で使用される。この側部立面像は例えばビ
デオ頭部測定法によって得ることができる。
【００１３】 “仮想三次元の歯の画像（virtual three-dimensional teeth image）”とい
う用語は、計算機環境内部で表わされた画像を言い、これは一方もしくは両方の
あご（上下顎骨と歯を含む）の歯で主として構成されている。例えば、仮想三次
元の歯の画像は石膏モデル（模型）の画像と似たやり方で表わすことができる。
仮想三次元画像は各種の技術によって得られ、例えば、上記の参考文献に記述さ
れたところである。とくに、三次元仮想画像はWO 97/03622に記述されている方
法によって得られ、この文献はここで、この発明の方法とシステムとで使用する
ための三次元仮想画像を得る方法の例として参考に組入れる。この発明は１つの
作像技術もしくは他の作像技術によって得られる特定形式の画像に限定されるも
のでないことは理解されなければならない。例えば、二次元画像は各種の異なる
作像技術によって得ることができるのであって、これらの技術には磁気共鳴作像
（ＮＭＩ）、コンピュータトモグラフィ（ＣＴ）、各種の放射線作像技術等が含
まれる。同じように、三次元の歯の画像は利用可能とされる多数の作像技術のい
ずれか１つによって得ることができて、その中には前記の参考文献に開示されて
いるものとともに、走査形プローブ、各種の写真技術を使うもの、またブローブ
用光ビームによって歯が走査される技術等が含まれている。
【００１４】 ここで使用される“画像（image）”という用語は作像技術で取得されるよう
な画像だけを言うものと解してはならず、むしろ初期画像処理、例えば画像内の
各種オブジェクトの境界を定義することを意図した画像処理の結果もこれにあた
るとしてよい。したがって、用語“画像”は、例えば、歯、骨、顔の外観のプロ
フィル等のような、オブジェクトの境界についての、取得した画像を基にして作
った、表現を取り込んでいる。
【００１５】 しばしばこの発明による作像技術と解析とが第３の画像を使用することがあり
、この画像が上述した立面画像であったり、歯科矯正解析を改善するのに有用な
他の何らかの画像であったりする。したがって、例としては、前記第１の画像が
横方向の（側部）二次元画像であり、前記第３の画像が上述の横方向立面画像ま
たは正面のＸ線もしくはビデオグラヒック画像の一方もしくは両方であってよい
。
【００１６】 基本ランドマーク（標認点）で画像の２組を位置合せ（レジスタ）するために
使用されるものは、一般にある種の選ばれた歯のベースか頂点のいずれかの点と
して定義される。例えば門歯（incisor）か臼歯（molar）が選ばれる。このよう
な基本ランドマークはユーザによって選ばれてよいし、システムのプロセッサに
よって、例えば設定されたノルム（規準）に基づいて、自動的に選ばれてよい。
基本ランドマークを選んで、画像の１つの中でランドマークにマークを付けた後
に、このランドマークは他の画像の中でマークが付けられて、両方の画像が位置
合せができるようになる。用語“位置合せ（registering）”は２つの画像の物
理的な位置合わせを必ずしも意味しておらず、むしろその意味は１つの画像中の
各特徴の別なものの中での対応する特徴へのマッピング（写像）である。このよ
うな位置合せの結果は、一方の画像についてした何らかの操作が他方の画像内で
の対応する操作を生ずることになる。例えば、もし一方の画像が１つの歯を変位
（displace、位置を変える転置の意）によって操作されるとすると、他の画像の
中での同じ歯に対応する転置（変位）を生じさせることになる。
【００１７】 時には、一方が他方に重畳されたスクリーン上での両画像を眺めたいと希望さ
れることがある。重畳されなければならない２以上の画像は最初は異なるスケー
ル（目盛寸法）で呈示されてよいので、このシステムによってとられることが必
要とされる初期段階は、一方の画像のスケールを拡大か縮小して、２つの画像内
の基本ランドマークの本質的な完全な重なりがあるまでそれを行なうことである
。しかしながら、異なる画像の位置合せは必ずしも重畳を意味しなくてよく、む
しろ時には、２つの位置合わせされた画像が別個に、例えば横並みに呈示されて
もよい。位置合せ（レジスタリング）の動作の重要な結果は、画像の一方の上で
の操作が他方についてもまた影響を与えていることである。
【００１８】 以下では、この発明はとくにある実施形態について記述されて行くが、この実
施形態では第１の画像が頭部測定法画像であり、また第２の画像が仮想三次元画
像である。この特定の参照事項はこの発明がこれに限定されるという意味に解さ
れてはならない。逆に、この発明の一般的な教示を適用することによって、情報
が他の作像技術によって得られた画像間で転換されるのである。
【００１９】 この発明の一実施形態によると、ランドマークが三次元仮想画像と頭部測定法
画像との中で定義された後に、仮想三次元歯のモデルの正しい配向が決定されて
、それにより頭部測定法画像とそれが一致関係（conformity）をもつことができ
るようにしなければならない。このことは時にはかなり莫大な計算時間を必要と
する。しかしながら２つの画像の位置合せのプロセスはかなり加速できることが
見付かっていて、それには頭部測定法画像が仮想三次元歯の画像の中間口蓋面（
mid palatal plane）と重なるように定義することが行なわれ、それによって加
速がされる。換言すると、頭部測定法画像は中間口蓋面上に置かれるように定義
され、また頭部測定法画像はそこで調節されて、基本ランドマークが仮想三次元
画像の対応する基本ランドマークの中間口蓋面上への投影と一緒に重なるまで調
節がされる。
【００２０】 この発明は頭蓋及び顔面の複合体の各種の外観上での歯の転置の効果の解析も
可能とする。例えば、歯は歯のモデルの仮想三次元画像上で変位されてよく、そ
のやり方は矯正措置を行なう際にシフトされると期待されるところによる。した
がって、例えば、変位された歯について各種のランドマークをマーク付けし、ま
た頭部測定法モデル内で同じランドマークをマーク付けしたりまたそれから転置
したりすることによって、両方の画像をチェックして、矯正措置がある受入れ可
能なノルムに整合する結果を達成するかどうか、あるいはこのようなノルムを達
成するにはどんな変更をすべきかを見る。例えばもし修正を加えた頭部測定法画
像（いわゆる歯の転置後の頭部測定法画像である）で眺めたところの所望の結果
が所望の結果と整合していないとすると、仮想三次元歯のモデルに戻って、シミ
ュレーションを進行し、それから頭部測定法画像上に結果をマップする等のこと
をすることは可能である。
【００２１】 例を挙げると、１つの画像の中で同じ程度の変位を達成するためには、転置さ
れるオブジェクトと関係しているあるランドマークをシフトすることが次にある
基本ランドマークと比較され、転置と同じ関係が他の画像と関係付けられる。
【００２２】 このようなシミュレーションによって行うことができる解析の１つの特定例は
、軟かな顔の組織、とくに外側の顔の組織上でのこのような転置の効果を判断す
ることである。これは個人のエステティック（美的）外観についての矯正措置の
効果の推定を可能にする。
【００２３】 この措置のシミュレーションと、それに続く頭部測定法画像への結果の変換は
またあごのような各種の要素内でのシフトが生理学的なあるいは美的な許される
限界の中にあるかどうかを判断することができるようにする。矯正措置での歯と
かあごについての制御できないシフトは各種の生理学的及び機能上の問題を生じ
させかねない。
【００２４】 この発明はある特定の、限定することとしない実施例について、ときに添付の
図面を参照しながら、記述される。
【００２５】 実施例 この発明によると、画像が取得され、そこには少くとも１つの二次元の歯の画
像と、少くとも１つの三次元の歯の画像とが含まれていて、両方が組合され、そ
の目的は各種のパラメータについて矯正措置の効果を予測する矯正歯科医の能力
を改良することとされる。この組合せは矯正歯科医にとって矯正措置の結果につ
いてその者の理解の深さをかなり大きくすることができるようにする。これまで
は、頭部測定法画像上で行なわれる解析はすぐに矯正歯科医にとって利用可能な
他のツールに変換することができなかった。これは三次元の歯のモデルであって
、一般には石膏モデルであった。逆に言うと、矯正歯科医によって三次元の歯の
モデルを研究することから得られた情報は頭部測定法画像にすぐには変換できな
かった。腕ききの職人には良く知られているように、画像の各々は限定された範
囲の解析を許し、解析ができても、真の解析は画像の２つの形式に基づいた完全
な解析からのみ得ることができる。
【００２６】 適切な解析が現実に可能とされるのはこの発明によってのみとされる。
【００２７】 画像は、一旦取得されて計算機環境内部での呈示に変換されると、操作処置が
できるようになり、例えば何本かの歯とあご全体といったある要素を変位するこ
とによりそれができる。頭部測定法画像は若干の要素間での相互関係を眺められ
るようにし、例えばある生理学的もしくは機能的パラメータと並んでエステティ
ックパラメータについて措置の効果を試験するために使用できる。しかしながら
著しい欠点が存在していて、それはこの情報が三次元の実生活環境には完全に変
換することが不可能ということである。この発明は要素の変位の効果の適切な解
析を許し、あるいはどのように変化が実生活状態に効果を与えているかについて
一層の理解ができるようにする。
【００２８】 先ず、図１Ａと１Ｂとを参照するが、この図はそれぞれ頭部測定法Ｘ線撮影と
、三次元仮想の歯の画像を示している。仮想の歯の画像で図１Ｂに示してあるも
のは、石膏の歯のモデル（模型）と似せて表わされている。腕のある職人によっ
て疑いもなく評価されることとなるように、これは単に例であって、二次元もし
くは仮想三次元歯の画像は別なやり方で表わされてもよい。
【００２９】 この発明の前には、こういった異なる画像の各々が別個に呈示されていた。三
次元仮想画像は石膏モデルとしてか、あるいは計算機環境内で三次元仮想表現と
して表わされていた。この発明によると、２つの異なる画像は、一方が例えば頭
部測定法Ｘ線撮影写真である二次元画像であり、それが三次元歯の画像と組合わ
されている。２つのこのような画像の重畳が例として図２に示されている。見て
分るように頭部測定法画像は三次元の仮想の歯の画像と組合されて、それが三次
元の仮想の歯の画像の中間口蓋面上に置かれている。２つの画像の相対的な位置
は固定されて、２つの画像中で定義された基本ランドマークが一致するようにさ
れている。このことは後に詳述する。
【００３０】 この発明の別な実施構成は例にあげた図３Ａと３Ｂとで見ることができる。こ
れらの図では、三次元の仮想の歯の画像が個人の横方向もしくはプロフィル（輪
郭）映像と重畳されている。図３Ａと３Ｂとのプロフィル映像はそれぞれが僅か
ずつ異なる配向からのものであり、したがって図３Ｂにおける仮想三次元の歯の
モデルは図３Ａにおけるモデルの配向に対して回転している。
【００３１】 頭部測定法画像と三次元仮想モデルを組合せるためには、基本ランドマークが
両方の画像内で定義されてマーク付けがされねばならない。これら基本ランドマ
ークはユーザによって手操作で入力されてよいが、代って計算機によって自動的
に生成されてよく、それには標準的な画像解析方法に基づくか、先にしたユーザ
の入力に基づくかによる生成がされる。一般に、このような基本ランドマークは
任意のランドマークであるか、矯正歯科学関連ランドマークかであってよく、ラ
ンドマークは後に頭部測定法解析で使用できてそのために受け入れることができ
るノルムの１つに従って解析に使用される。（頭部測定法解析についてはRediog
raphic Cephalometry, From Basics to Video imaging, Jocobson A.et al., Qu
intessence Publishing Co., Inc., Chicago, Berlin, 1995を見よ）。
【００３２】 頭部測定法Ｘ線撮影写真と三次元はのモデルとで同一個人からのものが図４Ａ
と４Ｂとに示されている。これらの図では二つの基本ランドマークがマークされ
ていて、Ｌ１とＬ２となっている。こういったランドマークがマークされた後に
、２つの画像が位置合せされて、その結果図５で見ることができるように重畳が
される（同じ２つのランドマークＬ１とＬ２とがここでも見える）。図４Ａ，４
Ｂ及び５で示したやり方での位置合せは２つの定義したランドマークを用いて実
行される。明らかに、時にはもっと多くのランドマークをこの目的のために使用
して位置合せの精度を増すことが可能である。
【００３３】 計算時間を短縮するために、（仮想的感覚で）頭部測定法画像を中間石膏面上
におくことによって、Ｘ線撮影写真が三次元仮想の歯の画像と組合されている。
適切な位置合せのために２つの画像のスケールは調節されなければならず、その
後に一方の画像が他方に対してシフトされて、歯のモデルの三次元仮想画像の基
本ランドマークの中間石膏面への投影が頭部測定法画像内の対応するランドマー
クと位置合せされるまでシフトされる。
【００３４】 ここで示した頭部測定法Ｘ線撮影写真と頭部測定法ビデオグラフは利用した作
像技術によって取得された画像である。しかしながら、時には最初に画像の表現
、例えば、画像内部で関心のあるオブジェクトの境界のグラヒカルな表現を作る
のが好都合である。例えば、完全な頭部測定法画像ではなくて、ある主たる骨格
といくつかの歯、例えば第１と第２の臼歯と門歯の境界を含んでいる表現である
。こういった上記の歯は頭部測定法解析のためには通常は重要な歯であり、その
理由はその位置が比較的歯とあごの変位に感じ易いからである。さらに、これら
の歯の位置は各種の機能上のまたエステティックな顔の外観に対する歯の位置が
もつ効果を研究しあるいは測定するための重要なマーカーである。
【００３５】 ある画像の、とくに頭部測定法画像の、若干の外観についてのグラヒカル表現
を作ることはその画像内での歯の仮想変位の目的にとって非常に有用であり、そ
れによって、一般に本質的に知られているように機能的もしくは顔のエステティ
ックパラメータについての措置の効果を研究するようにする。
【００３６】 この発明の実施例によるシステムは図６で見ることができる。これは３つの入
力ユーティリティ２２，２４，２６をもつ中央計算機処理ユニット２０を備えて
いて、これがモジュール２８の内部で一体化されている。これらのユーテイリテ
ィは、一般に本質的に知られているように、データエントリィポートと必要とさ
れるデータ転送ソフトウェアを備えることができる。さらに、データエントリィ
ポートを介してデータをとり込むものではなく、こういったユーテイリティへの
データは記憶媒体もしくは情報キャリヤ例えば磁気または光ディスクから取り入
れることができる。無論さらに理解されるように、モジュール２８は画像を走査
するスキャナを備えることもよいし、直接画像取得用カメラを備えてよい。
【００３７】 このシステムはまたさらにモジュール３０を備えていて、これがユーザ入力イ
ンターフェース３２である、例えばキーパッド、カーソルドライバ等に接続され
ている。インターフェース３２によって、ユーザはランドマークを定義できるし
、あるいは各種の動作モードにシステムが入るように誘導でき、このモードのい
くつかは以下に説明される。
【００３８】 モジュール３０とユーテイリティ２８とは画像処理のためにプロセッサ４０に
接続されて、例えば以下に記述されるように２つの画像を組合せるようにする。
プロセッサ４０はモニタ５０に接続することができて、また他の表示手段、例え
ばプリンタに接続されてよい。
【００３９】 三次元仮想の歯のモデルと頭部測定法画像との間のリンキングの仕方の実施例
についての流れ図が図７Ａと７Ｂとに示されている。図７Ａはユーザ対話（相互
作用）段階についての流れ図であり、また図７Ｂは２つの画像を組合せるやり方
についてのソフトウェア機能性流れ図である。第１の段階１００では、このシス
テムは三次元仮想の歯のモデルを表わすデータの入力を受領する。次に段階１１
０では、基本ランドマークが画像１１１内に表わされているように三次元仮想の
歯のモデル内で認識可能なオブジェクト上でマーク（が付）される。このような
基本ランドマークは、例えば歯冠と上下の第１の臼歯の歯根上の点（画像１１１
のランドマーク１〜４）であり、上下のセントラル（中心部）の歯冠上と歯根（
画像１１１のランドマーク５〜８）も同様である。ランドマーク１と４、またラ
ンドマーク５と８は歯根のおおよその位置をマークしている。実際の歯根の位置
はこのようなモデルでは見ることができないが、矯正歯科医は経験に基づいて比
較的正確にそれらの歯根位置をマークできる。
【００４０】 次の段階１２０では、同一患者の頭部測定法画像がこの画像上に入力されて、
同じキーポイントがそこでマークされる（１３１を見よ）。次に、２つの画像が
整合をとられて、上述したように重畳によって整合され、スクリーン上にそれが
表わされるか、一方の画像内の各位置が他方の画像上に各位置に写像される他の
方法によって整合される。
【００４１】 次の段階１４０では三次元モデル内の歯とあごとは三次元モデル上で転置（変
位）されて所望の結果を受ける。そこで図７Ｂに示したように、ソフトウェアは
次の段階１５０，１６０で骨格要素と歯とをそれぞれ動かすことを、ユーザが三
次元仮想の歯のモデル上で実行した動きに従って、行なう。次に段階１７０では
、頭部測定法解析が修正された（変位後の）頭部測定法画像上で行なうことがで
きて、所望の比例測定がこのような歯の変位（転置）で到達できたかどうか、あ
るいは何らかの薬物療法がされねばならないかどうかを見ることになる。
【００４２】 操作の逆のシーケンス、すなわち頭部測定法画像からの各点を三次元仮想モデ
ルに向けてするマッピング（写像）は図８Ａと８Ｂとで見ることができる。図８
Ａと８Ｂとでは、各段階２００〜２７０は図７Ａと７Ｂの段階１００〜１７０に
準じた対応がとれている。これが最終的には頭部測定法画像内の各点を三次元仮
想の歯のモデルの対応する位置へマッピングして前の画像上で実行された変位を
後のものへと変換できるようにしている。
【図面の簡単な説明】
【図１】 （Ａ）はＸ線撮影頭部測定法画像を示し、（Ｂ）は歯の仮想三次元画像を、石
膏の歯のモデルに似せたやり方で表わした図。
【図２】 三次元歯のモデルと頭部測定法画像の重畳を示す図。
【図３】 （Ａ）と（Ｂ）とは三次元モデルとビデオ頭部測定法画像の重畳の二例を示す
図。
【図４】 （Ａ）は頭部測定法画像を示し、その上に若干の基本ランドマークがマークさ
れており、（Ｂ）は（Ａ）の頭部測定法画像に示したのと同じ歯の三次元仮想画
像を示し、その上に同じ基本ランドマークがマークされている図。
【図５】 二つの画像の重畳を示す図。
【図６】 この発明によるシステムのブロック図。
【図７】 （Ａ）と（Ｂ）とは頭部測定法画像へ三次元仮想の歯のモデルからの要素のマ
ッピングのやり方を示す流れ図であり、（Ａ）はユーザの対話モジュールを示し
、（Ｂ）は頭部測定法画像へ三次元仮想の歯のモデルからの変位の実行と変位の
マッピングのやり方の下にあるソフトウェア機能を示す図。
【図８】 （Ａ）と（Ｂ）とは三次元仮想の歯のモデルへの頭部測定法画像からの要素の
マッピングのやり方を示す流れ図であって、（Ａ）はユーザの対話モジュールを
示し、（Ｂ）は仮想の三次元歯のモデルへの頭部測定法画像からの変位の実行と
変位のマッピングとのやり方の下にあるソフトウェア機能性を示す図。
【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成１３年１月２９日（２００１．１．２９）
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】０００４
【補正方法】変更
【補正内容】
【０００４】 矯正歯科医は、矯正歯科措置を始める前に、一般に歯型をとるが、これには石
膏モデル（模型）が作られて基礎とされる。また多数の作像技術が知られていて
、これが計算機環境内で歯の仮想三次元画像を得られるようにしている。このよ
うな技術は例えばWO 97/03622とDE-C-414311に記述されている。三次元の歯の画
像は頭部測定法解析により得られるものとは異なる情報を与える。とくに、仮想
の歯の画像は歯と、異なる相対的位置とについての三次元構造についてより評価
ができるようにしている。 EP-A-0 488 987は動いている物体（身体）を表示するためのプロセスを開示し
ている。ここでは身体の画像がカメラにより取得され、カメラは磁場源（コイル
）に対して正確に位置決めされている。カメラに対して身体を正確に位置付ける
ために、磁気応答アッセンブリィが身体に取付けられ、磁気的なスタイラスが使
用されて、身体上の３つの測定点をマーク付けするのにあてる。これがカメラに
よっては作像はされない身体上の点の表示を可能としている。 EP-A-0 741 994はモデルによって患者のあごの領域内での外科的介入を計画す
るための技術を開示している。この技術は患者の口腔（oral cavity）内に挿入
された位置判断用装置を利用する。この位置決め装置は口腔の少くとも１つの画
像内に置かれることになるマーキング点と一緒に形成されている。
【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成１３年２月１９日（２００１．２．１９）
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【請求項２３】 軟かな顔面組織の頭部測定法画像内の歯の変位の効果を予
測するための規則の組を定義するモジュールを備えた請求項２２記載のシステム
。
【手続補正書】
【提出日】平成１３年７月２７日（２００１．７．２７）
【手続補正１】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図５
【補正方法】変更
【補正内容】
【図５】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ )，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ， ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ， ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，Ｃ Ｒ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ， ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，Ｋ Ｚ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ， ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，Ｓ Ｋ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ Ｆターム(参考） 4C038 VA04 VB06 VB08 4C093 AA26 CA23 DA05 FF37 FF42 5B057 AA08 BA03 CA08 CA13 CA16 CB08 CB13 CB16 CE10 DA07 DB02 DB09 DC30

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 （ａ）少くとも第１の作像技術と第２の作像技術とを適用して歯の少くとも第
    １の部分の第１の二次元画像と歯の少くとも第２の部分の第２の三次元仮想画像
    とをそれぞれ取得し、該第１と第２の部分間には少くとも部分的な重畳があるよ
    うにすること、及び、 （ｂ）該２つの画像のいずれか一方に基本ランドマークの組を定義し、該２つ
    の画像の他方内に該組を置いて該組を２つの画像内で位置決めすることとを備え
    た画像処理方法。
  2. 【請求項２】 前記第１の画像はたて方向断面画像である請求項１記載の方法。
  3. 【請求項３】 前記第１の作像技術はＸ線撮影法Ｘ線技術である請求項２記載の方法。
  4. 【請求項４】 前記第１の画像は頭部測定法画像である請求項３記載の方法。
  5. 【請求項５】 前記段階（ａ）は第３の作像技術を適用して少くとも顔面外観のプロフィルを
    備えている第３の画像を取得することを備えた請求項１ないし４のいずれか１項
    記載の方法。
  6. 【請求項６】 前記三次元画像は、実質的に少くとも１つのあごのすべての歯を含み、また前
    記二次元画像は、該三次元画像の中央口蓋面上に置かれている請求項１ないし４
    のいずれか１項記載の方法。
  7. 【請求項７】 （ｃ）少くとも１つの歯を前記画像の少くとも一方で変位して、その変位の仕
    方は前記少くとも１つの歯が実生活の歯科矯正措置でシフトできる仕方と類似し
    ているようにすること、及び、 （ｄ）一方の画像内の各要素が他方の画像内の対応する要素にマップされる規
    則の組を適用することにより、前記他方の画像内の前記少くとも１つの歯を変位
    することとの段階を備えた請求項１記載の方法。
  8. 【請求項８】 前記規則の組は、前記一方の画像内で前記少くとも１つの歯の少くとも１つの
    目的と関係したランドマークを定義すること、前記目的と関係したランドマーク
    を位置決めすること、及び前記目的と関係したランドマークを前記他方の画像内
    で前記一方の画像内のその動きに比例して変位することを備えている請求項７記
    載の方法。
  9. 【請求項９】 前記基本ランドマークは固定され、前記一方の画像内の前記少くとも１つの目
    的と関係したランドマークの変位が前記基本ランドマークに従って定義され、ま
    た、前記の少くとも１つの目的と関係したランドマークは前記他方の画像内の基
    本ランドマークに関して同じ相対的変位で移動される請求項８記載の方法。
  10. 【請求項１０】 前記一方の画像は歯のモデルの仮想三次元画像であり、また前記他方の画像は
    横方向画像である請求項７ないし９のいずれか１項記載の方法。
  11. 【請求項１１】 前記横方向画像は頭部測定法画像である請求項１０記載の方法。
  12. 【請求項１２】 （ｅ）前記少くとも１つの歯の変位によって生ずる軟かい顔面組織の転置を定
    義する規則の組を適用することにより、前記横方向画像内の軟かい顔面組織画像
    上で前記仮想三次元画像内で前記少くとも１つの歯の転置の効果を予測する段階
    を備えた請求項１１記載の方法。
  13. 【請求項１３】 前記軟かな組織の変位は、少くとも顔面外観のプロフィルの第３の画像を用い
    て予測される請求項１２記載の方法。
  14. 【請求項１４】 （ｉ）少くとも第１の歯の部分の第１の二次元断面画像を表わす第１のデータ
    を受領するための第１のユーティリティと、 （ii）少くとも第２の歯の部分の歯のモデルの第２の三次元仮想画像を表わす
    第２のデータを受領するための第２のユーティリティと、 （iii)両画像内の基本ランドマークを定義し、かつそれを表わすデータを生成
    するためのモジュールと、 （iv）前記第１と第２のユーティリティおよび前記モジュールと関係している
    プロセッサであって、前記第１と第２のデータを受領し、かつ、２つの画像の一
    方内の要素と該２つの画像の他方に前記基本ランドマークを表わすデータにより
    マッピングするプロセッサとを備えた画像処理システム。
  15. 【請求項１５】 前記第１の画像は頭部測定法画像である請求項１４記載のシステム。
  16. 【請求項１６】 少くとも顔面外観のプロフィルを含む第３の画像を表わす第３のデータを受領
    するための第３のユーティリティを備えた請求項１５記載のシステム。
  17. 【請求項１７】 前記第１、第２、および第３のユーテイリティが統合されている請求項１３な
    いし１６のいずれか１項記載のシステム。
  18. 【請求項１８】 前記第２のユーティリティは、前記第２の、仮想三次元画像を表わすデータを
    前記プロセッサに転送するためのデータ転送モジュールを備えている請求項１３
    ないし１７のいずれか１項記載のシステム。
  19. 【請求項１９】 画像の１つの中で少くとも１つの仮想の歯の表現を変位するための規則の組を
    定義するモジュールを備えている請求項１３ないし１８のいずれか１項記載のシ
    ステム。
  20. 【請求項２０】 前記規則の組は実生活の歯科矯正措置で少くとも１つの歯のシフトの仕方を表
    わしている変位を定義する請求項１９記載のシステム。
  21. 【請求項２１】 前記プロセッサは前記画像の一方における前記少くとも１つの仮想の歯の表現
    の変位を他方の画像における対応する歯の転置に変換する請求項１９記載のシス
    テム。
  22. 【請求項２２】 前記画像の一方は歯のモデルの仮想三次元画像であり、また前記他方の画像は
    頭部測定法画像である請求項２１記載のシステム。
  23. 【請求項２３】 軟かな顔面組織の頭部測定法画像内の歯の変位の効果を予測するための規則の
    組を定義するモジュールを備えた請求項２２記載のシステム。
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