JP2002526552A - ジンクフィンガー反応性抗菌化合物 - Google Patents

ジンクフィンガー反応性抗菌化合物

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JP2002526552A JP2000574655A JP2000574655A JP2002526552A JP 2002526552 A JP2002526552 A JP 2002526552A JP 2000574655 A JP2000574655 A JP 2000574655A JP 2000574655 A JP2000574655 A JP 2000574655A JP 2002526552 A JP2002526552 A JP 2002526552A
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dna polymerase
zinc finger
zinc
polymerase
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ブラウン,ニール・シー
バーンズ,マージョリー・エイチ
ライト,ジョージ・イー
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Abstract

(57)【要約】 本発明は細菌DNAポリメラーゼのジンクフィンガー中の亜鉛と相互作用する抗菌化合物、そのような化合物のスクリーニング法、およびポリメラーゼ活性または細菌増殖を阻害するためにそのような化合物を使用する方法に関している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】技術分野 本発明はDNAポリメラーゼおよび抗菌化合物に関している。
【0002】背景技術 グラム陽性真正細菌(Gram−positive eubacteria)
には多くのヒト院内軟組織感染(human nosocomial soft
−tissue infections)の原因となる多数のヒト病原体(黄色
ブドウ球菌を含んで)が含まれる。他の普通の真正細菌と同様に、グラム陽性真
正細菌はその増殖および複製にDNAポリメラーゼIIIを絶対的に必要とする
【0003】 1972年に発見されているが、真正細菌DNAポリメラーゼIII(pol
III)はDNA複製に関与する主たるポリメラーゼ酵素であり、従って、細胞
分裂に必須である。二つのクラスのpolIIIが知られている。
【0004】 グラム陽性polIIIは最初にグラム陽性真正細菌枯草菌で発見されたので
そのように命名された。その後、グラム陽性polIIIはpolC遺伝子によ
りコード化されていることが認められた。polC遺伝子産物は一般的に約14
30−1460アミノ酸長のポリペプチドであり、3’−5’エキソヌクレアー
ゼ部位およびポリメラーゼ部位の両方を統合する。グラム陽性polIIIは”
HPUra”型と称される阻害性dGTP類似体に独特の感受性を持っている(
Brown,Proc.Natl.Acad.Sci.USA67:1454
,1970)。
【0005】 グラム陰性polIIIは最初にグラム陰性真正細菌大腸菌で発見されたので
そのように命名された。グラム陰性polIIIはdnaE遺伝子によりコード
化されており、典型的には1155−1165アミノ酸長であり、ポリメラーゼ
部位のみを含んでおり、HPUra様化合物には完全に不感性である。
【0006】 グラム陰性真正細菌のゲノムは明らかにdnaEを含んでいるがpolCを含
んでいない。グラム陽性真正細菌およびマイコプラズマはpolCおよびdna の両方を含んでいる。dnaE遺伝子産物はグラム陰性真正細菌ゲノムの複製
に必要とされ、一方、polC遺伝子産物はグラム陽性真正細菌およびマイコプ
ラズマゲノムの複製に必要とされる。グラム陽性細菌におけるdnaE遺伝子産
物の機能は明らかになっていない。発明の要約 本発明は、グラム陽性真正細菌およびマイコプラズマのDNAポリメラーゼI
IIがポリメラーゼ活性部位に隣接するジンクフィンガードメインを含んでおり
、ジンクフィンガーの完全性がポリメラーゼ活性に必要とされるという発見に基
づいている。
【0007】 従って、本発明はグラム陽性真正細菌およびマイコプラズマによる感染を阻害
する化合物を同定する方法および抗菌性化合物それ自体を特色としている。 一般的には、本発明はグラム陽性真正細菌およびマイコプラズマ感染を阻害す
るための化合物を特色としている。本化合物はジンクフィンガー反応性部分(z
inc finger−reactive moiety)、リンカー、および
リンカーを介してジンクフィンガー反応性部分に連結されたグラム陽性真正細菌
またはマイコプラズマDNAポリメラーゼIII活性部位結合部分を含んでいる
。本化合物は式: A−(L−B)m で表すことができ、式中、Bはジンクフィンガー反応性部分であり、Lはリンカ
ーであり、およびAはDNAポリメラーゼIII活性部位結合部分である。 A
の例には次の化合物が含まれ:
【0008】
【化7】
【0009】 式中、R1、R2、R3およびR4の少なくとも一つが−L−Bであるという条件で
;R1およびR2の各々は独立して、水素、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、
または−L−Bであり;R3およびR4の各々は独立して、水素、C1-3アルキル
、ハロ、C1-3ハロアルキル、または−L−Bであり;mは1または2であり;
およびnは0、1または2である。本発明は本発明の化合物の塩もまた含んでい
る。Lは直接結合またはC1-18アルキレン鎖でもよい。アルキレン鎖は任意に、
1から5のエーテル基、チオエーテル基、アミン基、エステル基、チオエステル
基またはアミド基を含んでいる。Bはアゾジ(ビス)尿素基、芳香族または脂肪
族ジスルフィド基、芳香族または脂肪族ニトロソ基、チオスルホナート基または
チアゾリドン基を含むことができる。
【0010】 Bの例には次の化合物が含まれ:
【0011】
【化8】
【0012】 式中、RaおよびRbの一つが−L−Aであり、RaおよびRbは同時には−L−A
ではないという条件で、RaおよびRbの各々は独立して、水素、C1-6アルキル
、フェニル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、アミンまたは−L
−Aであり;およびpは1、2、3または4である。本発明はまた任意の前記化
合物の塩も含んでいる。
【0013】 A、LおよびBの追加の例としては、Aとして次の化合物:
【0014】
【化9】
【0015】 Bとして:CH3CO−N=N−CO−L−A、CH3CH2CO−N=N−CO
−L−A、C65CO−N=N−CO−L−A、CH3−S−S−L−A、CH3 CH2−S−S−L−A、C65−S−S−L−A、CH3−SO2−S−L−A
、CH2CH2−SO2−S−L−A、C65−SO2−S−L−A、
【0016】
【化10】
【0017】 およびLとして:A−CH2CH2CH2CH2−B、A−CH2CH2OCH2CH2 −B、A−CH2CH2NHCH2CH2−B、A−CH2CH2CH2CH2CH2
2−B、A−(CH2CH2OCH2CH22−B、A−(CH2CH2NHCH2
CH22−B、A−CH2CH2CONHCH2CH2−B、A−CH2CH2NHC
OCH2CH2−B、A−(CH2CH2CONHCH2CH22−BまたはA−(
CH2CH2NHCOCH2CH22−Bが含まれる。
【0018】 別の態様において、化合物(例えば、本発明の化合物)がDNAポリメラーゼ
(例えば、枯草菌DNAポリメラーゼIIIのようなグラム陽性真正細菌DNA
ポリメラーゼIIIまたはマイコプラズマDNAポリメラーゼIII)中のジン
クフィンガーへ結合されている亜鉛イオンを除去または亜鉛イオンと相互作用す
るのに十分な条件下、DNAポリメラーゼを化合物に接触させることによりジン
クフィンガー含有DNAポリメラーゼのポリメラーゼ活性を阻害する方法を本発
明は含んでいる。
【0019】 本発明はまた、化合物(例えば、本発明の化合物)が細菌に入り込み、DNA
ポリメラーゼ(例えば、枯草菌DNAポリメラーゼIIIのようなグラム陽性真
正細菌DNAポリメラーゼIIIまたはマイコプラズマDNAポリメラーゼII
I)中のジンクフィンガーへ結合されている亜鉛イオンを除去または亜鉛イオン
と相互作用するのに十分な条件下、細菌を化合物に暴露することにより、ジンク
フィンガー含有DNAポリメラーゼを含んでいる細菌の細胞分裂速度を減少させ
る方法も含んでいる。
【0020】 さらに別の態様において、化合物が細菌(例えば、グラム陽性真正細菌および
マイコプラズマ)に入り込むのに十分な条件下、ジンクフィンガー含有DNAポ
リメラーゼを含んでいる細菌を化合物に暴露し、亜鉛イオン(例えば、65Znイ
オン)がDNAポリメラーゼのジンクフィンガーへ結合されているかどうかを決
定することにより、ジンクフィンガー含有DNAポリメラーゼを含んでいる細菌
の細胞分裂速度を化合物が減少させるかどうかを試験するための方法を本発明は
含んでいる(ここで、化合物不在下で亜鉛イオンはジンクフィンガーへ結合する
が、化合物存在下では結合しないことは、化合物が細菌の細胞分裂速度を減少さ
せることを示している)。
【0021】 ジンクフィンガー含有DNAポリメラーゼは配列ID番号:1と少なくとも7
0%相同または同一であろうし、下記の配列を含んでいる: Z−X2−Cys−X15-27−Cys−X2−Cys(配列ID番号:14) 式中、ZはHisまたはCysであり、X2は任意の2つの連続したアミノ酸で
あり、およびX15-27は任意の15から27の連続したアミノ酸である。例えば
、ジンクフィンガー含有DNAポリメラーゼは配列ID番号:2を含むことがで
きる。別の態様において、ジンクフィンガー含有DNAポリメラーゼは下記の配
列を含んでいる: Cys−X2−Cys−X19-21−Cys−X2−Cys(配列ID番号:15)
式中、X2は任意の2つの連続したアミノ酸であり、およびX19-21は任意の19
から21の連続したアミノ酸である。
【0022】 本発明は、ジンクフィンガー含有DNAポリメラーゼのジンクフィンガーを含
んでいるポリペプチドを含む混合物を提供すること;化合物がジンクフィンガー
に接触するのを可能にする十分な条件下、化合物と混合物を混合すること;およ
び亜鉛イオンがジンクフィンガーに結合されているかどうかを決定することによ
り化合物がジンクフィンガー含有DNAポリメラーゼを阻害するかどうかを試験
する方法も提供し、ここで化合物不在下で亜鉛イオンはジンクフィンガーへ結合
するが、化合物存在下では結合しないことは、化合物がDNAポリメラーゼを阻
害することを示している。いくつかの態様において、混合物はポリペプチド含有
細胞を含んでいる。
【0023】 異なった態様において、本発明は、ジンクフィンガー含有DNAポリメラーゼ
を含んでいる細菌を含む混合物を提供し;化合物が細菌内のDNAポリメラーゼ
と接触するのを可能にする十分な条件下、化合物と混合物を混合し(化合物はジ
ンクフィンガー中の亜鉛イオンと相互作用する基を含んでいる);および化合物
存在下でのDNAポリメラーゼのポリメラーゼ活性を測定することにより化合物
がジンクフィンガー含有DNAポリメラーゼを阻害するかどうかを決定する方法
を含んでおり、ここで化合物存在下でのポリメラーゼ活性が化合物不在下でのポ
リメラーゼ活性よりも低いことは化合物がDNAポリメラーゼを阻害しているこ
とを示している。
【0024】 さらに別の態様において、本発明はDNAポリメラーゼのポリメラーゼ活性が
阻害されるように、細菌内ジンクフィンガー含有DNAポリメラーゼ中の亜鉛と
相互作用するのに十分な化合物(例えば、本発明の化合物)量を哺乳動物に投与
することにより、望ましくないグラム陽性真正細菌またはマイコプラズマ感染に
感染しやすいまたは感染している哺乳動物を処置する方法を含んでいる。本発明
のこの方法は望ましくないグラム陽性真正細菌またはマイコプラズマ感染に感染
しやすいまたは感染している哺乳動物を処置するために特に有用である。
【0025】 本発明はまた、本発明の方法に有用なポリペプチドを含んでおり、それは配列
CX2CX19-21CX2C(配列ID番号:15)またはHX2CX2124CX2C(
配列ID番号:16)(式中、Cはシステインであり、Hはヒスチジンであり、
2は任意の2つの連続したアミノ酸であり、X19-21は任意の19から21の連
続したアミノ酸であり、およびX2124は任意の21から24の連続したアミノ
酸である)のジンクフィンガーを含み、および任意に図1に示したポリメラーゼ
ドメインを含むことができる。本発明のポリペプチドは天然に存在するグラム陽
性真正細菌またはマイコプラズマpolIIIよりも短い。
【0026】 新規抗菌化合物または抗菌剤は中性化合物または塩として存在することができ
る。例えば、アミン基は陽性に荷電でき、アニオンと塩を形成できる(例えば、
臭化物(bromide))。同様に、抗菌剤のアニオン性基はカチオン(例え
ば、ナトリウムイオン、カリウムイオンまたはアンモニウムイオン)と塩を形成
できる。
【0027】 典型的なアルキル基は例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、イソブチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルおよびドデシル基である。ア
ルキレン鎖は2価のアルキル基である。
【0028】 ハロ基とはハロゲン基である、例えば、クロロ、ブロモまたはヨード。ハロア
ルキル中のハロ基はアルキル基の任意の炭素原子と結合できる。同様に、ヒドロ
キシアルキル中のヒドロキシ基はそのアルキル基の任意の炭素原子と結合できる
【0029】 エステル基、チオエステル基またはアミド基が新規抗菌化合物に存在している
場合、これらの基は両方向で連結できる。例えば、エステル基は−C(=O)−
O−または−O−C(=O)−として存在できる。
【0030】 アミンまたはアミドの窒素原子は水素またはC1-3アルキル基と結合できる。 ”ジンクフィンガー(zinc finger)”とはポリペプチド配列内で
(1)4つのCys残基、(2)3つのCys残基および1つのHis残基、ま
たは(3)2つのCys残基および2つのHis残基との配位により亜鉛を特異
的に結合したポリペプチド配列である。
【0031】 ”ジンクフィンガー反応性部分(zinc finger−reactive
moiety)”とは、ジンクフィンガーと接触することにより、ジンクフィ
ンガーを含んでいるポリペプチドの酵素活性(例えば、polIIIのポリメラ
ーゼ活性)が阻害されるように、ジンクフィンガーから亜鉛イオンを除去するか
、さもなくば亜鉛イオンと相互作用してジンクフィンガーの3次元構造を変化さ
せる化合物または化合物の一部分である。
【0032】 ”DNAポリメラーゼ”とは2’−デオキシリボヌクレオシド−5’−三リン
酸の多量化を触媒するタンパク質またはポリペプチドである。 ”阻害する(inhibiting)”または”阻害された(inhibit
ed)”とは部分的阻害または完全阻害を意味している。
【0033】 ”細菌”とは真正細菌またはマイコプラズマ目)order Mycopla
smatales)のメンバー(例えば、マイコプラズマ(Mycoplasm
a)、スピロプラズマ(Spiroplasma)、ウレアプラズマ(Urea
plasma)またはアコレプラズマ(Acholeplasma)属の種)で
ある。
【0034】 2つのアミノ酸配列または2つの核酸配列の”パーセント同一性(perce
nt identity)”を決定するため、配列は最適比較目的のために整列
される(例えば、第二のアミノまたは核酸配列との最適アラインメント(opt
ical alignment)のために、第一のアミノまたは核酸配列の配列
中にギャップが導入できる)。次に、対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド
位置でアミノ酸残基またはヌクレオチドが比較される。第一の配列の位置が対応
する第二の配列の位置と同じアミノ酸残基またはヌクレオチドにより占められて
いる場合、その位置では分子は同一である。2つの配列間のパーセント同一性は
配列により共有されている同一位置の数の関数である(即ち、%同一性=同一位
置の数/位置の総数x100)。
【0035】 2つの配列間の”パーセント相同性(percent homology)”
は数学的アルゴリズムを使用して決定できる。2つの配列の比較に利用される好
適かつ非限定的な数学的アルゴリズムの例は、Karlin et al., roc.Natl.Acad.Sci.USA90:5873−5877(1
993)で改良されているKarlin et al.,Proc.Natl. Acad.Sci.USA87:2264−2268(1990)のアルゴリ
ズムである。そのようなアルゴリズムはAltschul et al.,J. Mol.Biol .,215:403−410(1990)のNBLASTおよ
びXBLASTプログラムに取り込まれている。本発明のT139核酸分子のヌ
クレオチド配列相同体を得るため、BLASTヌクレオチドサーチがNBLAS
Tプログラムで実施できる、スコア=100、ワード長=12。本発明のT13
9タンパク質分子のアミノ酸配列相同体を得るため、BLASTタンパク質サー
チがXBLASTプログラムで実施できる、スコア=50、ワード長=3。比較
目的のためのギャップトアラインメント(gapped alignments
)を得るため、ギャップトBLASTがAltschul et al.,Nu cleic Acids Res .,25:3389−3402(1997)に
記載されているように利用できる。BLASTおよびギャップトBLASTプロ
グラムを利用する場合、各々のプログラム(例えば、XBLASTおよびNBL
AST)のデフォルトパラメーター(default parameters)
が使用できる。http://www.ncbi.nlm.nih.gov.を
参照されたい。配列の比較のために利用できる数学的アルゴリズムの別の好適な
非限定的例はMyers et al.,CABIOS(1989)のアルゴリ
ズムである。そのようなアルゴリズムは、GCG配列アラインメントソフトウェ
アーパッケージの一部であるALIGNプログラム(バージョン2.0)に取り
込まれている。アミノ酸配列を比較するためにALIGNプログラムを利用する
場合、PAM120重み残基表、ギャップ長ペナルティー12,およびギャップ
ペナルティー4が使用できる。
【0036】 2つの配列間のパーセント同一性は、ギャップを与えてまたは与えないで、上
に記載したものと類似の技術を使用して決定できる。パーセント同一性の計算に
は、正確な一致のみが計数された。
【0037】 特に記述しない限り、本明細書で使用されたすべての技術的および科学的用語
は、本発明が属する分野の当業者により共通して理解されている意味と同じ意味
を持っている。本発明の実施または試験に適した方法および材料が以下に説明さ
れるが、ここに説明した方法と類似または同等の他の方法および材料(当業者に
はよく知られている)もまた使用できる。ここに述べられているすべての出版物
、特許出願、特許および他の参考文献は全体として本明細書において援用される
。対立がある場合、本明細書(定義を含んで)が規制するであろう。加えて、材
料、方法および実施例は例示のためのみであり、制限を意図するものではない。
【0038】 利点の中でも、ポリペプチド内のジンクフィンガーから亜鉛イオンを除去する
、さもなくば相互作用する能力に基づいた抗菌剤という、以前には認識されてい
ない抗菌剤の介在様式(mode of intervention)を本発明
の方法は提供する。加えて、本発明の化合物は、DNAポリメラーゼIII活性
部位特異的化学基およびジンクフィンガー反応性化学基を結びつけることにより
、グラム陽性真正細菌およびマイコプラズマに対する強固な特異性(tight
specificity)を提供する。さらに、本発明はpolIIIに対す
るその独特のおよび非可逆的な阻害のため、多剤耐性(MDR)細菌に対して有
効であろう抗菌剤を提供する。
【0039】 本発明の他の特色および利点は以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明
らかになるであろう。詳細な説明 本発明はグラム陽性真正細菌およびマイコプラズマDNAポリメラーゼIII
中の独特のジンクフィンガーが新規抗菌化合物の薬剤標的として使用できるとい
う発見に関連している。ジンクフィンガーの破壊はポリメラーゼ活性を非可逆的
に阻害し、およびその活性は細菌増殖に必須であるので、ジンクフィンガーを特
異的に破壊する化合物は、抗菌剤の新しい異なったクラスを形成する。これらの
抗菌剤は、グラム陽性真正細菌およびマイコプラズマ感染の危険性がある、また
はすでに感染した哺乳動物(例えば、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ウシおよびブタ
)を処置するのに適した医薬組成物を処方するために使用できる。ポリメラーゼ
活性および従ってグラム陽性真正細菌およびマイコプラズマ増殖におけるジンク
フィンガーの重要性の認識はまた、潜在的抗菌化合物のための新規スクリーニン
グをもたらす。 I.真正細菌DNAポリメラーゼIIIおよびマイコプラズマDNAポリメラー
ゼのジンクフィンガーの発見 A)DNAポリメラーゼの産生および単離 本発明の方法で有用なpolC特異的DNAポリメラーゼには任意の天然に存
在するグラム陽性真正細菌またはマイコプラズマDNAポリメラーゼIIIが含
まれる。加えて、本発明は天然に存在するグラム陽性真正細菌またはマイコプラ
ズマpolIII内のアミノ酸残基の付加または置換を持っているポリペプチド
の使用を含んでいる。グラム陽性真正細菌polIIIポリペプチドの産生を容
易にするため、そのようなpolIIIをコード化しているpolCの全体また
は一部を含んでいる核酸が発現のために使用できる。例えば、枯草菌polII
Iをコード化している核酸配列はGenBank受け入れ番号第X52116号
として入手可能である。配列は以下のpolIIIアミノ酸配列をコード化して
いる:
【0040】
【化11】
【0041】 上記配列において、提案されたジンクフィンガーアミノ酸配列(下線部)はHY
VCPECQHSEFFNDGSVGSGFDLPDKTCPHC(配列ID番
号:2;図2参照)である。この配列の24アミノ酸C末端は保存アミノ酸配列
PDID(ボールド(太字)体)(配列ID番号:3)である。従って、ジンク
フィンガーはポリメラーゼ活性部位の一部であるようである。
【0042】 マイコプラズマpolIIIをコード化している核酸配列もまた入手可能であ
る。例えば、M.プルモニスDNAポリメラーゼ配列が受け入れ番号第U068
33号のGenBankプロフィールに記載されている。
【0043】 一般に、DNAポリメラーゼは標準法を用いてそれらの天然の細菌源から単離
できる。もしくは、DNAポリメラーゼは、適した発現担体中のDNAポリメラ
ーゼコード化DNA断片による宿主細胞の形質転換(トランスフェクション、ト
ランスダクションまたは感染)により産生できる。適した発現担体にはプラスミ
ド、ウイルス粒子およびファージが含まれる。昆虫細胞に対しては、バキュウロ
ウイルス発現ベクターが適している。全発現担体またはその一部を宿主細胞ゲノ
ム内へ組み込むことができる。いくつかの環境においては、誘導可能発現ベクタ
ーを用いることが望ましい、例えば、LACSWITCHTM誘導可能発現ベクタ
ー(Stratagene;LaJolla,CA)。
【0044】 分子生物学分野の当業者は、組換え体タンパク質を提供するために任意の広範
囲の発現系が使用できることを理解するであろう。使用される的確な宿主細胞は
本発明では決定的ではない。
【0045】 好適なDNAポリメラーゼは、通常の生理学的条件下で可溶性であるものであ
る。DNAポリメラーゼの一部(例えば、ジンクフィンガー)が関係のないタン
パク質またはポリペプチド(即ち、融合相手)に融合されて融合タンパク質を作
り出しているような融合タンパク質も本発明の範囲内である。融合相手は、精製
、検出または可溶化を容易にするために、またはいくつかの他の機能を提供する
ために選択された成分であろう。融合タンパク質は一般的に、DNAポリメラー
ゼのすべてまたは一部をコード化しているヌクレオチド配列が読み枠内で融合相
手をコード化しているヌクレオチド配列に連結されているハイブリッド遺伝子を
発現することにより産生される。例えば、発現ベクターpUR278(Ruth
er et al.,EMBO J.,:1791,1983)はlacZ融
合タンパク質を産生するために使用できる。pGEXベクターはグルタチオン
S−トランスフェラーゼ(GST)を含んでいる融合タンパク質として外来ポリ
ペプチドを発現するために使用できる。一般に、そのような融合タンパク質は可
溶性であり、グルタチオン−アガロースビーズに吸着させ、続いて遊離グルタチ
オン存在下で溶出することにより、細胞溶解物から容易に精製できる。pGEX
ベクターは、クローン化標的遺伝子産物がGST部分から遊離できるように、ト
ロンビンまたはファクターXaプロテアーゼ切断部位を含むように設計される。
【0046】 融合タンパク質は、発現されている融合タンパク質に特異的な抗体により容易
に精製できる。例えば、Janknecht et al.,Proc.Nat l.Acad.Sci.USA ,88:8972(1981)に記載されている
系は、ヒト細胞株で発現された未変性融合タンパク質の容易な精製を可能にして
いる。この系において、問題とする遺伝子は、遺伝子の読み取り枠が翻訳的に6
つのヒスチジン残基から成るアミノ末端タグへ融合されるように、ワクシニア組
換えプラスミド内へサブクローン化される。細胞からの抽出物を組換え体ワクシ
ニアウイルスで感染させ、Ni2+ニトリロ酢酸−アガロースカラムに加え、ヒス
チジンタグ付けしたタンパク質をイミダゾール含有緩衝液で選択的に溶出させる
。同じ方法が細菌培養物にも使用できる。
【0047】 もしくは、DNAポリメラーゼまたはその一部はイムノグロブリンFcドメイ
ンに融合できる。そのような融合タンパク質はアフィニティーカラムを使用して
容易に精製できる。
【0048】 DNAポリメラーゼの天然に存在するおよび組み換え体型の両方が、本発明の
方法に使用するために単離できる。分泌形は培養培地から単離でき、一方、非分
泌形は宿主細胞から単離できる。さらなる精製はアフィニティークロマトグラフ
ィーにより達成できる。一つの実施例において、枯草菌polIIIのヘキサヒ
スチジンタグ付け誘導体(本明細書に記載された通りに産生される)が大腸菌で
発現された。細菌を溶解し、溶解物は使用説明書に従って調製されたNi荷電I
MAC−アガロースカラム(Sigma)を通過させる。次に組換え体ポリメラ
ーゼをイミダゾール濃度勾配(imidazole gradient)を使用
して溶出する。分画を集め、ポリメラーゼ活性でアッセイする。活性分画をプー
ルすると、ポリメラーゼを含んでいる混合物が得られる。
【0049】 一度単離されたら、必要に応じ、さらなる処理がポリメラーゼ活性を減じない
限り(本明細書に記載した方法を使用して測定できる)、DNAポリメラーゼは
さらに精製および/または濃縮できる。超遠心および/または沈殿(例えば、硫
酸アンモニウム)、マイクロ濾過(例えば、0.45μm酢酸セルロースフィル
ター)、限外濾過(例えば、サイズ分け膜および再循環濾過)、ゲル濾過(例え
ば、Sepharose CL−6B、CL−4B、CL−2B、6Bまたは2
B、Sephacryl S−400またはS−300、Superose6ま
たはUltrogel A2、A4またはA6;すべてPharmaciaから
入手可能)、ファーストタンパク質液体クロマトグラフィー(FPLC)、およ
び高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を含む精製および濃縮のための種々
の方法が当該技術分野で知られている(例えば、Fisher,Laborat
ory Techniques In Biochemistry And M
olecular Biology,eds.,Work and Burdo
n,Elsevier 1980を参照されたい)。
【0050】 B)DNAポリメラーゼの亜鉛含量の定量 DNAポリメラーゼの亜鉛含量は生化学分野の当業者にはよく知られている方
法により定量できる。例えば、上記の任意の方法で産生および単離されたDNA
ポリメラーゼは、非特異的結合亜鉛を捕捉するのに十分長い時間、EDTA含有
水溶液中で透析できる。ジンクフィンガーに結合されている亜鉛イオンはEDT
Aでは容易には除去できないことが知られている(Klug et al., ASEB J .,:597−604,1995)。分析のためにメタロプロテ
イン(metalloprotein)を調製する標準法(ジンクフィンガーを
含んでいるものを含んで)がVallee et al.,Physiol.R ev .,73:79−118(1993)に記載されている。そのような方法は
メタロプロテイン分析で使用するガラス器具を他の実験室のガラス器具から分離
することを含んでいる。そのようなガラス器具は蒸留、脱イオン水でのみ洗浄し
なければならない。単離されたDNAポリメラーゼは亜鉛含量を決定するために
原子吸光スペクトル法にかけられる。
【0051】 C)ジンクフィンガーの探索 亜鉛イオンを含んでいることが見いだされたDNAポリメラーゼはジンクフィ
ンガーを含んでいるかもしれない。ジンクフィンガーはその配列が非常に多様で
あり、少なくとも10の連続するアミノ酸の広がりに、亜鉛イオンの配位のため
のただ4つのアミノ酸残基の存在を必要としている。4つのアミノ酸は4つのシ
ステイン、3つのシステインと1つのヒスチジン、または2つのシステインと2
つのヒスチジンである。ジンクフィンガーはKlug et al.(上記文献
)により詳しく説明されている。広範囲のタンパク質がジンクフィンガーを含ん
でいるが、グラム陽性真正細菌DNApolIII以外のDNAポリメラーゼが
この構造を含んでいることは最終的に見いだされていない。
【0052】 グラム陽性真正細菌およびマイコプラズマpolIIIがジンクフィンガーを
含んでいることが発見された。これらの細菌間のジンクフィンガー配列は高度に
相同的であり(図1)、CX2CXl9-2lCX2C(配列ID番号:15)または
HX2CX2l-24CX2C(配列ID番号:16)ジンクフィンガー構造のどちら
かに対応している(式中、Xは任意のアミノ酸を表し、下つき数字は連続してい
るアミノ酸数を表している)。枯草菌polIIIでのこれら2つの例は図2に
示されている。本発明の方法で有用なDNAポリメラーゼには、一般配列式:Z
2CX15-27CX2C(配列ID番号:14)またはZX2CX18-24CX2C(配
列ID番号:17)(式中、ZはCysまたはHisである)が含まれる。この
一般式に含まれる例はCX2CX19-21CX2C(配列ID番号:15)およびH
2CX2l-24CX2C(配列ID番号:16)である。
【0053】 最初の評価のように、DNAポリメラーゼのアミノ酸配列は以前に記載されて
いるジンクフィンガー配列(例えば、Braithwaite et al.,
前記文献、を参照されたい)または本明細書に記載されているジンクフィンガー
配列とアライン(align)できる。ポリメラーゼ配列および既知のジンクフ
ィンガー配列間に著しい相同性が観察され、本明細書に記載した一般配列の環境
内に決定的な4つのアミノ酸が同定されたとしたら、任意の決定的アミノ酸(例
えば、アラニン)を突然変異させるために部位特異的突然変異発生が使用できる
。ポリメラーゼジンクフィンガーが確実であり、および酵素の機能に決定的であ
れば、任意の決定的アミノ酸の置換は酵素のポリメラーゼ活性に影響しなければ
ならない。
【0054】 機能性(即ち、ポリメラーゼ活性に必要とされる)ジンクフィンガーが病原性
生物体の必須DNAポリメラーゼに存在することを確認することで、その病原体
の増殖を阻害するための新規薬剤標的(new drug target)が提
供される。II.DNAポリメラーゼ中のジンクフィンガーを破壊するための一般的方法論 A)ジンクフィンガー反応性部分 DNAポリメラーゼ中の機能性ジンクフィンガーを同定することにより、当業
者はジンクフィンガーの構造を変化させることで(例えば、亜鉛を追い出すこと
により)ポリメラーゼを阻害でき、それにより、複製をDNAポリメラーゼに依
存している生物体の増殖を阻害する。ジンクフィンガー構造の変化は、ジンクフ
ィンガーとジンクフィンガーと反応または相互作用することが知られている化合
物を接触させることにより誘導できる。もしくは、化合物は、最初はジンクフィ
ンガー構造を変化させることは知られていないが、この活性ついて本発明のジン
クフィンガーに対してスクリーニングされた化合物のライブラリーから選択され
る。そのような化合物は、以下に記載されているものを含んで当該技術分野では
よく知られている;Rice et al.,J.Med.Chem.,39
3606−3616(1996);Otsuka et al.,J.Med. Chem .,37:4267−4269(1994);Otsuka et a
l.,J.Med.Chem.,38:3264−3270(1995);Fu
jita et al.,J.Med.Chem.,39:503−507(1
996);Loo et al.,J.Med.Chem.,39:4313−
4320(1996);Jaffe et al.,J.Biol.Chem
259:5032−5036(1984);およびLouie et al.
Proc.Natl.Acad.Sci.USA95:6663−6668
(1998)。亜鉛追い出しのより詳細な議論は以下に示される。
【0055】 B)DNAポリメラーゼ活性部位へのジンクフィンガー反応性部分の標的化 グラム陽性真正細菌またはマイコプラズマpolIIIに対するジンクフィン
ガー反応性部分の特異性を高めるため、ここに記載した任意のジンクフィンガー
反応性部分が、これらのDNAポリメラーゼのポリメラーゼ活性部位へ結合する
ことが知られている化合物(例えば、米国特許第5,516,905号に開示さ
れているようなHPUra様化合物)と連結できる(例えば、共有結合での連結
)。活性部位結合成分を介してジンクフィンガーのそのようなごく近くに接近し
たジンクフィンガー反応性部分は本発明の抗菌化合物の特異性または有効性を増
加させることが期待される。
【0056】 例えば、HPUra様化合物はポリメラーゼ活性部位の一部に結合することに
よりグラム陽性真正細菌およびマイコプラズマDNApolIIIを特異的に標
的とするウラシルに基づいた抗菌剤の種類である(図1)。この部分は、ここで
同定されたジンクフィンガードメインのC末端とは24アミノ酸未満しか離れて
おらず、ジンクフィンガーと空間的にごく近くに存在する。
【0057】 従って、HPUra様化合物をジンクフィンガーと反応することが知られてい
る化合物と連結させることにより、グラム陽性真正細菌およびマイコプラズマに
特異的な、新しい種類の抗菌剤が製造される。これらの新規抗菌剤合成について
のさらなる詳細は以下に与えられている。III.抗菌化合物候補のスクリーニング 確実なジンクフィンガーがグラム陽性真正細菌およびマイコプラズマpolI
IIに存在するという認識により、これらの微生物に対する抗菌剤の新しい種類
に対する根拠が形成された。従って、候補化合物(例えば、化学ライブラリーか
らの化合物)は、代わりの活性として比較的安価でマイクロアレイ可能な亜鉛結
合または放出を使用することにより、抗菌活性を最初にスクリーニングできる。
いくつかのスクリーニング法は以下に説明されている。
【0058】 A)DNAポリメラーゼから放出された亜鉛の測定 候補抗菌剤は、DNAポリメラーゼから亜鉛を追い出す能力を種々の方法によ
り試験できる。例えば、本発明の方法で有用なDNAポリメラーゼを産生する細
菌を、放射性65Znを補給した環境亜鉛を含まない培地で増殖させることができ
る。
【0059】 亜鉛を含まない培地は、最初に培地内へ十分量のChelex−Na(Bio
−Rad)を環境亜鉛を除去するのに十分な時間混合する。Chelexを培地
から除去し、約0.5から2μCi/ml培地まで培地へ[65Zn]Cl2を加
える。細菌をこの標識化培地中で増殖させ、放射活性亜鉛標識DNAポリメラー
ゼを前記の方法を使用して単離および精製する。好適には、DNAポリメラーゼ
へ非特異的に結合されている亜鉛を前記の透析法により除去する。
【0060】 候補抗菌化合物は、ポリメラーゼのジンクフィンガーおよび化合物間の接触を
可能にする条件下、単離された亜鉛標識DNAポリメラーゼの水性混合物または
溶液へ添加できる。測定を容易にするため、ポリメラーゼは随意に固形支持体(
例えば、セファロースビーズ)へ結合されている。もし、化合物がジンクフィン
ガーからの亜鉛の追い出しに有効であれば、放射活性は溶液内へ放出され、タン
パク質から失われる。タンパク質の放射活性レベルまたはタンパク質を含まない
溶液の放射活性が計数でき、化合物が有効かどうかが決定される。もし、化合物
により特異的に結合されている亜鉛の少なくとも25%が除去されたとしたら、
化合物は亜鉛の追い出しに有効であると考えられる。好適には亜鉛の少なくとも
50%(例えば、少なくとも75%、90%または95%)が除去される。
【0061】 B)ポリメラーゼおよびエキソヌクレアーゼ活性の測定 最初のスクリーニングを通過した後、候補抗菌化合物はDNAポリメラーゼ活
性を阻害する能力でもスクリーニングできる。エキソヌクレアーゼ活性、ならび
にポリメラーゼ活性に対する化合物の影響が測定できる。
【0062】 ポリメラーゼ活性は当該技術分野でよく知られている多くの方法により測定で
きる、例えば、Barnes et al.,Meth.Enzymol., 62 :35−42(1995)に記載されている方法。簡単には、酵素の適当な
希釈液の5マイクロリットルを20μlのポリメラーゼアッセイ混合物(18.
75mMトリス[pH7.5]、12.5mM酢酸マグネシウム、31.25μ
M dATP、31.25μM dCTP、31.25μM dGTP、12.
5μM[メチル−3H]dTTP[1.5μCi/μmol]、1.25mM
DTT、20%グリセロール、および0.5mg/ml活性化DNA)と迅速に
混合し、30℃で10分間インキュベートする。反応は、0.5mlの冷10%
トリクロロ酢酸(TCA)含有10mMピロリン酸ナトリウムを添加することに
より停止させる。0℃で約10分後、試料はWhatman GF/Aフィルタ
ーで濾過し、最初に冷1M HCl含有100mMピロリン酸ナトリウム、続い
て冷エタノールで洗浄する。フィルターを乾燥させ、その放射活性を液体シンチ
レーション計数により定量する。
【0063】 DNAに対するポリメラーゼのミカエリス(Michaelis)定数(KM
)を決定するため、アッセイ間の活性化ウシ胸腺DNAの濃度を0.0から0.
8mg/mlまで変化させる。dGTPに対するKMを決定するためには、[3
]dTMPの取り込みがdGTP濃度(例えば、0.0から0.5mM)の関数
として追跡でき、取り込みの値はdGTPに依存しないバックグラウンド取り込
みで補正される。
【0064】 エキソヌクレアーゼ活性もまたBarnes et al.前記文献、に記載
されている方法を含んで、当該技術分野でよく知られている方法により測定でき
る。例えば、酵素の適当な希釈液の5マイクロリットルを45μlのエキソヌク
レアーゼアッセイ混合物(33.3mMトリス[pH7.5]、7.4mM塩化
マグネシウム、3.3mM DTT、11.1%グリセロール、および3H−標
識変性DNA[0.05−0.2μg/μl;約70,000cpm/アッセイ
])と迅速に混合し、30℃で10分間インキュベートする。反応は、0.5m
lの10%TCA含有10mMピロリン酸ナトリウムを添加することにより停止
させる。共沈殿物として50μlのウシ血清アルブミンの10mg/ml溶液を
加えた。0℃で約10分後、試料を15,000gで20分遠心分離する。40
0μlの上清を採り、2mlの水性シンチレーション剤中で放射活性をアッセイ
した。もし、反応における化合物の存在がエキソヌクレアーゼ活性の実質的な減
少を導いたとしたら、候補化合物はエキソヌクレアーゼ活性の阻害に有効である
【0065】 エキソヌクレアーゼ基質に対するKMを決定するため、一本鎖DNAの濃度を
0.0から0.2mg/mlまで変化させた。 C)殺菌活性の測定 候補抗菌化合物は細菌の細胞分裂速度を減少させる能力でスクリーニングでき
る(静菌および/または殺菌活性)。細胞分裂速度を測定する方法は当該技術分
野でよく知られている。例えば、細胞分裂速度は二つの時間点での細胞数の相違
を計数し、その相違のlog2をとり、その値を二つの時間点間に経過した時間
で割ることにより測定できる。化合物存在下で増殖した細菌の測定された細胞分
裂速度が化合物不在下よりも実質的に遅かったならば、候補化合物は細胞分裂速
度を減少させるのに有効である。
【0066】 一次スクリーニングの例として、候補抗菌化合物は滅菌DMSOに溶解され、
ミリリットル当たり約106コロニー形成単位(cfu)で対数増殖期のメチシ
リン感受性黄色ブドウ球菌(ATCC番号29213号)を含んでいるミュラー
−ヒントンブロス(Mueller−Hinton broth)(MHB;D
ifco)内へ100倍に希釈する(1%の最終DMSO濃度)。対照培養物は
1%DMSOのみを含んでいる。化合物および対照培養物は37℃でインキュベ
ートし、続いての24時間の間の特定の時点で培養物から試料を採取する。各々
の試料はMHBに希釈し、LB寒天プレートに播種することにより、cfu/m
lで細菌をアッセイする。もし、化合物存在下において、関連した試料のcfu
/mlが化合物不在下と比較して少なくとも50%減少していたら、候補化合物
は殺菌活性を持っているといわれる。
【0067】 化合物暴露細菌が抗菌化合物に対する耐性を発生させたかどうかを決定するた
め、少なくともいくらかの増殖を可能にする化合物濃度を含んでいる培地中で細
菌を3日間増殖させた。この細菌は二次殺菌活性アッセイ(前記と同一の方法)
で使用された。もし、二次アッセイにおいて観察されたcfu/mlの減少が一
次アッセイにおいて観察されたcfu/mlの減少より実質的に少なかったら耐
性が示される。もしくは、108cfuの細菌を抗菌化合物の3X、10Xまた
は30X MICを含んでいる150mmのペトリ皿上に播種する。37℃で3
日間インキュベーション後、コロニーを計数し、播種した細胞数と関係付けると
、突然変異頻度の概算が得られる。
【0068】 D)最小阻止濃度(MIC) 候補抗菌化合物の最小阻止濃度を決定するため、対数期細菌培養物を、1%D
MSO含有LB培地で約104/mlに希釈する。0.5mlの懸濁液を48ウ
ェルマイクロタイタープレートの各々のウェルに加える。化合物の200、10
0、50、25、12.5、6.25、3.125、1.575または0ミリモ
ル濃度が達成されるようにウェルに化合物を加える。プレートは37℃で24時
間インキュベートし、ウェルを目で検査して読みとる。最小阻止濃度(MIC)
は、視覚的に細菌増殖が明らかでない最も低い阻害剤の濃度として定義されてい
る。
【0069】 もしくは、MICは以下のように決定できる。48、24、12、6、3、1
.5、0.75、0.375および0.19μg/mlの化合物濃度が達成され
るように、1.4%寒天を含んでいる液体LB培地の個々の容器へ60℃で化合
物の貯蔵溶液を加える。LB寒天をペトリプレート上に注いで固化させる。約5
00から1000cfuの100μlを各々のペトリプレート上へ播種する(化
合物なしの対照プレートを含んで)。プレートは37℃で24時間インキュベー
トする。MICはコロニー形成が観察されない最も低い濃度として決定される。
【0070】 E)インビトロ細胞毒性スクリーニング 候補抗菌化合物はまたインビトロ細胞毒性でスクリーニングできる。種々の濃
度で、化合物を対数的に増殖している哺乳動物細胞(例えば、ヒーラS3)の小
撹拌培養液に加える。続いての48時間の間に8時間間隔で培養液から試料を採
取して細胞数を標準技術(例えば、コールターカウンターで)により計数する。
好適には、化合物はMIC濃度(前記)の3Xおよび10Xで評価される。
【0071】 F)インビボ致死保護スクリーニング 候補抗菌化合物が致死的細菌感染から動物を保護できるかどうかを決定するた
め、メチシリン感受性黄色ブドウ球菌”スミス(Smith)”株の単一腹腔内
(ip)注射により(0.5ml生理学的食塩水;4x107cfu/マウス)
、20グラムのメスSwiss−Websterマウスを感染させた。1時間後
、マウスに種々の溶液/懸濁液を個々に注射した。陰性対照マウスには0.1m
lの生理学的食塩水を注射した。陽性対照マウスには4mg/mlのバンコマイ
シン食塩溶液を0.1ml注射した(これは20mg/kg体重の用量に相当す
る)。試験マウスには約1から10mg/kgの化合物を適切な希釈剤を用いて
注射した。もし化合物希釈液が食塩水でない場合、第二陰性対照として別のマウ
スに化合物希釈液が注射された。各々のマウスは3日間にわたって生存がモニタ
ーされた。もし、化合物またはバンコマイシンを注射されたマウスは生きている
が、希釈液を受けたマウスが観察期間の最後に死んでいたら、化合物はこの致死
的感染を防いだといわれる。
【0072】 保護スクリーニングは市販のサブコントラクター(例えば、MDS Panl
abs,Inc)によっても実施できる。 G)インビボ急性毒性スクリーニング 候補抗菌化合物のインビボ急性毒性が決定できる。種々の濃度の化合物がマウ
スの尾静脈へ投与された。各々のマウスは25、50、100または150mg
化合物/kg体重を含む0.05から0.2mlの接種物を受け取った。マウス
は嗜眠、震え、不動性状態になる傾向または猫背のような急性毒性の徴候を12
時間密に観察する。一時的不快以上のことを起こす用量に注目する。研究に使用
されたすべての動物は、観察期間の終了時に断頭により安楽死させる。
【0073】 H)インビボ半減期 候補抗菌化合物の静脈内インビボ半減期を見積もることができる。マウスに尾
静脈を通して、急性毒性を起こさない最も高い投与量(前記参照)を注射する。
注射10、30、45、90および150分後、2匹のマウスを断頭し、瀉血に
より滅菌試験管内へ血液を集める。血液試料は遠心分離して血漿を集める。0.
2mlの血漿をHPLC分析に使用して、注射後の示された時間における血液中
の化合物量を決定する。
【0074】 半減期は、血液化合物レベルが特定の時間に認められた前量の50%に到達す
るのに必要な時間を注目することにより決定され、ただし、時間点は血液化合物
レベルの衰退期にとられる。別の言葉で言えば、最大血液化合物レベルは、半減
期を決定する目的で時間を指定された試料が採取される前に達成される。
【0075】 もしくは、血液以外の他の組織で投与後の化合物レベルが評価できる。例えば
、殺したマウスから血液を集める代わりに肝臓を採取し、ホモジナイズし、透明
化し、化合物レベルをアッセイする。種々の組織における化合物レベルおよび半
減期は、化合物の組織分布、および一つの投与方法における血液化合物レベルと
他の組織でのレベル間の変異を決定するために有用である。
【0076】 そのような結果はまた、特定の投与経路に関連する薬理学的相違の決定に重要
である。例えば、化合物は皮下で投与された場合より吸入で投与された場合に肺
において劇的に高い生物利用能を持つことができた。
【0077】 I)大腿感染マウスモデルを使用したインビボ効能スクリーニング インビボ効能スクリーニングはまた、以下に記載される大腿感染モデルを使用
しても実施できる。このモデルは合理的で、融通性があり、比較的安価であり再
現性がよい。それは当該技術分野で記載されている(例えば、Gudmunds
son et al.,J.Antimicrob.Chemother., :177−191,1993、を参照されたい)。
【0078】 大腿感染マウスモデルにおいて、マウスは広範囲の細菌による感染に対して感
受性を高くするために好中球を減少させる(例えば、マウスにシクロホスファミ
ドを投与することにより)。マウスは次に、大腿への試験細菌(一つまたはそれ
以上の種)の筋肉内(im)注射により感染させる。感染マウスは典型的には少
なくとも3群に分割される。第一の群は候補抗菌化合物による処置を受ける。第
二の群は既知の有効な抗生物質(例えば、バンコマイシン)を注射される。第三
の群は、もし希釈剤が両方の場合で同一であれば、化合物を送達するために使用
された希釈剤のみが注射される。もし、化合物のために使用された希釈剤がバン
コマイシンに使用されたものと異なっていれば、第二の希釈剤の影響を試験する
ために別の対照群が必要とされるであろう。
【0079】 処置を始める直前に、および注射後の前もって決められた時間に動物を殺す。
細菌が注射された大腿の一部を取り出し、滅菌食塩水中でホモジナイズし、希釈
し、細菌含量をcfu/mlで決定するために標準細菌寒天プレート上に播種す
る。
【0080】 典型的には、実験観察期間に非処置動物の死亡を避けるように感染は計画され
る。非処置感染動物の大腿中の細菌が対数で2から3(two to thre
e logs)を超えない程度で増殖するように、接種物および観察期間が選択
されるならば、死亡を避けることができる。化合物の有効性は典型的には、この
増殖を防止するために、および細菌負荷を希釈剤処置動物に存在する細菌負荷の
50%より低くするように与えられた投与量の能力に基づいている。このアッセ
イにおいて、4時間毎に静脈内に投与された40mg/kgバンコマイシンは、
対照大腿と比較して黄色ブドウ球菌増殖を対数で2から4の範囲で減少させた。
【0081】 希釈剤および投与経路の選択は、各々の候補化合物の物理的特性により主とし
て規定されるであろう。水に著しい溶解性を持っている化合物に対しては、任意
の経路による食塩水での溶解および投与が可能である。より疎水性の化合物は、
腹腔内投与のためのDMSOおよび水の混合物(例えば、80%DMSO[v/
v])または90%ピーナッツ油を含むDMSOが必要とされるであろう。皮下
投与のために、ほとんど不溶性の化合物がグリセロール、ポリエチレングリコー
ルおよび水の混合物中にミクロ化/可溶化できる。 IV.医薬組成物およびその投与 本発明の抗菌化合物は動物、特にヒトに投与するために適した医薬組成物に処
方できる。
【0082】 A)新規抗菌化合物 新規抗菌化合物は典型的には3つの成分を含んでいる:グラム陽性真正細菌ま
たはマイコプラズマDNAポリメラーゼIII活性部位結合部分(”A”)、ジ
ンクフィンガー反応性部分(”B”)、およびpolIII活性部位結合部分お
よびジンクフィンガー反応性部分を一緒に連結するリンカー(”L”)。新規抗
菌化合物は一般式:A−(L−B)mにより表される。新規抗菌化合物は2まで
のジンクフィンガー反応性部分を持つことができるので、mは正の整数1または
2であろう。
【0083】 polIII活性部位結合部分は、そのような活性部位へ結合することが知ら
れている化合物から改変されるであろう、例えば、以下に示した式を持っている
化合物:
【0084】
【化12】
【0085】 R1、R2、R3およびR4の少なくとも一つが−L−Bであるという条件で;R1
およびR2の各々は独立して、水素、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、また
は−L−Bである。R3およびR4の各々は独立して、水素、C1-3アルキル、ハ
ロ、C1-3ハロアルキル、または−L−Bであり;およびnは0、1または2で
ある。
【0086】 リンカーは直接結合のように短いか、またはC18アルキレン鎖のように長くて
もよい。リンカーがアルキレン鎖である場合、それは任意にエーテル、チオエー
テル、アミン、エステル、チオエステルまたはアミドを含むことができる。例え
ば、アルキレン鎖は多(例えば、1−5)アミン基を含むことができる。適した
例は−(CH22−NH−(CH23−NH−(CH2)−基であろう。リンカ
ーは分岐鎖アルキレン鎖でもよい、例えば、−CH(−(CH23−)−O−(
CH23−O−(CH22−基、これは1つ以上のジンクフィンガー反応性部分
を結合できる。エーテル、チオエーテル、アミン、エステル、チオエステルまた
はアミド基はまたリンカーの末端にも存在でき、従って、別に2つの残基をリン
カーへ連結する。
【0087】 ジンクフィンガー反応性部分は当該技術分野でよく知られているジンクフィン
ガー反応性部分から改変される、例えば、アゾジ(ビス)尿素基、芳香族または
脂肪族ジスルフィド基、芳香族または脂肪族ニトロソ基、チオスルホナート基ま
たはチアゾリドン基。そのような残基は、亜鉛イオンと直接的に結合を形成する
ことにより、または亜鉛イオンに配位しているアミノ酸残基(例えば、システイ
ンまたはヒスチジン残基)と結合することによりジンクフィンガーから亜鉛イオ
ンを追い出す、さもなくば相互作用する。ここで用語”結合”とは共有結合、イ
オン結合または水素結合のような結合の任意の形でありうることに注意されたい
。例えば、Rice et al.,J.Med.Chem.,39:3606
−3616(1996);Otsuka et al.,J.Med.Chem .,37:4267−4269(1994);Otsuka et al., .Med.Chem .,38:3264−3270(1995);Fujita
et al.,J.Med.Chem.,39:503−507(1996)
;Loo et al.,J.Med.Chem.,39:4313−4320
(1996);Jaffe et al.,J.Biol.Chem.,259 :5032−5036(1984);およびLouie et al.,Pro c.Natl.Acad.Sci.USA95:6663−6668(199
8)を参照されたい。
【0088】 新規抗菌化合物は以下に示した一般法に従って製造できる。 B)新規抗菌化合物を製造する方法 新規抗菌化合物の製造のためには多くの異なった経路が存在する。以下の一般
法に制限されるわけではない。
【0089】 新規抗菌化合物の製造はpolIII活性部位結合部分(”A”)をリンカー
(”L”)とカップリングさせることから始めることができる。3−置換ピリミ
ジンおよび7−および9−置換プリンの製造法は各々米国特許第5,516,9
05号および5,646,155号に詳細に記載されている。置換基はさらに修
飾でき、ジンクフィンガー反応性部分(”B”)へカップリングするためにその
末端に官能性基を含むリンカー部分を形成する。適したリンカー末端官能性基に
は置換反応のための典型的脱離基、例えば、ハライド;活性化カルボン酸誘導体
(例えば、酸ハライド)とアミド結合を形成するためのアミン基;または他のチ
オ含有化合物とジスルフィド結合を形成するためのチオ基が含まれる。以下のス
キームは種々の新規抗菌化合物の製造を例示している。
【0090】 Bへのカップリングのために適した末端官能性基を持つL−Aの製造 前記のように、残基Lは修飾してBへのカップリングのための官能性基が形成
される。そのような官能性基の3つの例が以下に例示されている、即ち、−I(
化合物I)、−SH(化合物II)および−NH(化合物III)。
【0091】
【化13】
【0092】BへのL−Aのカップリング 残基L上の官能性基は、例えば、アルキル化のようなカップリング反応により
Bとカップリングされ、新規抗菌化合物を得る。例示のカップリング反応が以下
に説明されている。反応A 反応Aにおいて、化合物Iは求核置換を進行させ、A−LおよびB間のアミン
結合を達成し、ヨウ素を脱離基として置き換える。
【0093】
【化14】
【0094】反応B 反応Bにおいて、化合物IIのチオール基はメチルスルホニル基を置き換え、
最終抗菌化合物中にジスルフィド結合を形成する。同様に、反応Cにおいてはク
ロリドが化合物IIのチオ基により置き換えられてスルホナートチオ結合が生成
物に形成される。
【0095】 反応B
【0096】
【化15】
【0097】 反応C
【0098】
【化16】
【0099】反応D、EおよびF 反応D、EおよびFにおいて、化合物IIIのアミン基は酸クロリドと反応し
、アミド結合を形成する。反応Eのアミドの窒素原子はさらに残基Bのジスルフ
ィド結合を攻撃し、環の形成を生じる。
【0100】 反応D
【0101】
【化17】
【0102】 反応E
【0103】
【化18】
【0104】 反応F
【0105】
【化19】
【0106】 C)処方(Formulation) 組成物は液剤、懸濁剤、座剤、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル、軟膏またはク
リーム剤として処方できる。これらの組成物の処方においては、少なくとも一つ
の医薬担体が含まれるであろう。医薬担体の例には、溶剤(例えば、水または生
理学的食塩水)、可溶化剤(例えば、エタノール、ポリソルベートまたはCre
mophor EL(登録商標))、等張性を作るための薬剤、保存剤、抗酸化
剤、賦形剤(例えば、ラクトース、デンプン、結晶性セルロース、マンニトール
マルトース、リン酸水素カルシウム、軽無水ケイ酸または炭酸カルシウム)、結
合剤(例えば、デンプン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはアラビアゴム)、滑
沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたは硬化油)または安定化
剤(例えば、ラクトース、マンニトール、マルトース、ポリソルベート、マクロ
ゴルまたはポリオキシエチレン硬化ビーバー油)が含まれる。必要に応じ、グリ
セリン、ジメチルアセトアミド、70%乳酸ナトリウム、界面活性剤または水酸
化ナトリウム、エチレンジアミン、エタノールアミン、炭酸水素ナトリウム、ア
ルギニン、メグルミンまたはトリスアミノメタンのような塩基性物質が加えられ
る。もし組成物のゆっくりした放出が必要とされるならば、ポリ−D,L−ラク
チド−コ−グリコチドまたはポリグリコチドのような生分解性ポリマーがバルク
マトリックスとして使用できる(例えば、米国特許第5,417,986、4,
675,381および4,450,150号を参照されたい)。液剤、錠剤、顆
粒剤またはカプセルのような医薬処方はこれらの成分で形成できる。もし、組成
物が経口で投与されるならば、芳香剤および着色剤が添加されるであろう。
【0107】 本発明の組成物中の化合物濃度は、投与される剤形および投与経路を含む多く
の因子に依存して変化するであろう。 D)投与 本発明の化合物および組成物は、例えば、静脈内、皮下、筋肉内、眼窩内、眼
、脳室内、頭蓋内、嚢内、髄腔内、槽内、腹腔内、局所、鼻孔内、エアロゾル、
乱切による非経口投与、および経口、口腔内、直腸、膣内または局所投与により
投与できる。本発明の組成物はまた、本発明の化合物を放出する手術的移植物の
使用によっても投与されるであろう。
【0108】 一般的には、本発明の化合物は、典型的には患者がグラム陽性真正細菌または
マイコプラズマ感染に感受性があるまたは持っているかどうかを決定した後、非
経口投与のために約0.1から10%w/vの化合物を含んでいる水性生理学的
緩衝溶液の形で提供できる。一般的投与量範囲は1日当たり、体重kg当たりで
約0.01mgから約1gであり;好適な投与量範囲は1日当たり、体重kg当
たりで約5mgから約100mgである。投与されるべき好適な投与量は取り扱
われている感染の型、進行の程度、患者全体の健康度、および投与経路に依存す
るであろう。局所および経口投与には、処方および用量は他の抗生物質(例えば
、エリスロマイシンまたはバンコマイシン)で使用されるものと同様であろう。実施例 本発明を以下の実施例によりさらに説明するが、それは特許請求の範囲で定義
されている本発明の範囲を制限するものではない。 実施例1:グラム陽性真正細菌polIIIの各々の分子は亜鉛1分子を含んで いる 図1はグラム陽性真正細菌DNAポリメラーゼIIIのドメイン構造を図解し
たものである。ポリメラーゼ活性部位(pol)のN末端部分中の高度に保存さ
れたアミノ酸配列はジンクフィンガー構造を形成する能力を持っている。種々の
グラム陽性真正細菌polIII(枯草菌(Bacillus subtili
s)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、クロ
ストリジウム アセトブチリクム(Clostridium acetobut
yricum)、ストレプトコッカス ピオゲネス(Streptococcu
s pyogenes)、ストレプトコッカス ニューモニエ(Strepto
coccus pneumoniae)、エンテロコッカス フェカーリス(E
nterococcus faecalis)およびテルモトガ マリチマ(T
hermotoga maritima))および種々のマイコプラズマ(マイ
コプラズマ プルモニス(Mycoplasma pulmonis)、マイコ
プラズマ ゲニタリウム(Mycoplasma genitalium)およ
びマイコプラズマ ニューモニエ(Mycoplasma pneumonia
e))のこの領域からの配列のアラインメントは、提案されるジンクフィンガー
が亜鉛イオン配位のための4つのシステイン、または1つのヒスチジンおよび3
つのシステインを含んでいることを示している(四角で囲った配列)。枯草菌配
列で具体的に表現された、これら二つの潜在的ジンクフィンガー構造が表2に示
されている。前記の配列分析に基づき、亜鉛イオンがのジンクフィンガーへ強固
に結合されていることを確認する試みが行われた。
【0109】 図2に提案されたようなジンクフィンガー構造は典型的には、亜鉛:EDTA
錯体の親和性定数を超える定数で単一原子の亜鉛を結合している。従って、枯草
菌polIIIにおける強固に結合されている(EDTA抵抗性)亜鉛の存在が
試験された。
【0110】 polIIIの二つの形が試験された。一つ(いわゆる野生型polIII)
は枯草菌で観察される天然の酵素と同一であった。他の形は、精製を容易にする
ためにそのN末端にヘキサヒスチジン親和性タグを取り込んでいた。
【0111】 枯草菌polIIIの両方の形は組換え体プラスミドベクターからの枯草菌 olC 遺伝子の誘導可能発現により大腸菌中で発生させた。二つの異なったプラ
スミド系が発現に使用された。一つはプラスミドpKC30および大腸菌AR1
20に基づいており、Hammond et al.,Prot.Expres s.Purif .,:65−70,1992、に記載されている。他の系はプ
ラスミドpSGA04に基づいており、発現プラスミドは除去可能N末端ヘキサ
ヒスチジンタグを持つ組換えタンパク質を発生するように設計されている(Gh
osh et al.,Gene176:249−255,1996)。po lC 配列のpSGA04内への遺伝子工学処理は以下の工程を必要とする:(1
)前もって1246位にXhoI部位を含むように遺伝子工学処理されている olC 形のヌクレオチド16での新規HpaI制限部位の導入(PCRによる)
(Barnes et al.,Gene165:45−50,1995);
(2)生じる1228bp HpaI−XhoI断片の切り出し;(3)ベクタ
ーpKC30中の完全野生型構築物内への後者の断片の再クローニング(Ham
mond et al.,Prot.Express.Purif.,:65
−70,1992);(4)最初の15塩基を欠くpolC遺伝子のHpaI− BamHI 断片としての切り出し;および、クレノーによる処理により満たされ
た付着末端を持ち、続いてBamHIで切断されているEcoRI−切断pSG
A04内への後者断片の挿入。この組換えpolCベクターは、最初の6つのア
ミノ酸が以下の19残基配列:NH2−M G H(6) S G L F K R H M S R I(配列ID番号:4)により置き換えられている枯草菌p
olIII形をコード化および発現した。下線を付けたアミノ酸はプロテアーゼ
Kex−2の切断部位を示している。
【0112】 前記プラスミドの両方が細菌を形質転換するために使用された。細菌はLB発
現培地(0.5%酵母抽出物、1%トリプトン、0.5%NaClおよび0.1
5mg/mlアンピシリン)で増殖させた。
【0113】 野生型枯草菌polIIIは、pKC30 polCプラスミドで大腸菌AR
120を形質転換して発現させた。発現の誘導および均質な酵素の精製はHam
mond et al.、前記文献、に記載されているように実施された。
【0114】 形質転換によりpSGA04が大腸菌SG101(Ghosh et al.
、前記文献)内へ導入された。個々の形質転換体は15μg/mlカナマイシン
を含んでいるLB発現培地中、約1.0の吸光度(600nm,1cm光路長)
まで30℃で増殖させた。培養物は次に約18℃へ冷却し、1mMまでIPTG
を加え、18℃で振盪しながら約18時間インキュベーションを続けた。細胞を
0℃に冷却し、遠心分離し、1mM PMSFを含んでいるリン酸緩衝化塩溶液
(0.15M NaClおよび50mMリン酸カリウム[pH7.6])で一度
洗浄し、各々の1リットルの培養物に対して30mlの緩衝液(50mMリン酸
カリウム[pH7.5]、2mMβ−メルカプトエタノール、20%グリセロー
ル、および1mM PMSF)に再懸濁した。
【0115】 誘導培養物1リットルからのヘキサヒスチジンタグ付けpolIIIの精製は
4℃で実施された。細胞はフレンチプレスで砕き、約27,000xgで2時間
遠心分離した。得られた粗上清をIMACカラム緩衝液(50mMリン酸カリウ
ム[pH7.5]、2mMβ−メルカプトエタノールおよび20%グリセロール
)で平衡化したNi+2−荷電IMAC−アガロース(Sigma;使用説明書に
従って調製)の12.5mlのカラムに加えた。カラムは2容量のIMACカラ
ム緩衝液で洗浄し、10%グリセロールを含んでいる同一の緩衝液の0−200
mMイミダゾール濃度勾配(250mlの全濃度勾配容量)で溶出した。分画を
集め、ポリメラーゼ活性のアッセイを行い、ピーク分画をプールした。
【0116】 ポリメラーゼ活性は、鋳型として活性化ウシ胸腺DNA(Worthingt
on)および基質としてプライマーおよび[3H]dTTPを用い、Barne
s et al.,Meth.Enzymol.,262:35−42,199
5、に記載されているように決定された。1単位のポリメラーゼ活性とは、30
℃、10分間で1ナノモルの[3H]dTMPの取り込みを触媒する活性として
定義されている。DNAに対するポリメラーゼのKMを決定するため、活性化ウ
シ胸腺DNAの濃度をアッセイの間に0−0.8mg/mlに変化させた。dG
TPに対するポリメラーゼのKMを決定するため、[3H]dTMPの取り込みが
dGTP濃度(0−0.5mM)の関数として追跡され、取り込みの値はdGT
P非依存性バックグラウンド取り込みで補正された。
【0117】 エキソヌクレアーゼ活性は、基質としてその3’末端が[3H]dTMPで標
識されている一本鎖ウシ胸腺DNAを使用し、Barnes et al.、前
記文献、に記載されているようにアッセイされた。1単位のエキソヌクレアーゼ
活性とは、30℃、10分間で1ナノモルの全ヌクレオチドの放出を触媒する活
性として定義されている。基質に対するポリメラーゼのKMを決定するため、一
本鎖DNAの濃度を0−0.2mg/mlで変化させた。
【0118】 プールしたIMAC分画は、60mlの緩衝液 (50mMリン酸カリウム[
pH7.5]、5mMβ−メルカプトエタノール、10%グリセロール)で洗浄
した20mlのMonoQ FPLCカラム(Pharmacia)に加え、同
一緩衝液の0.1−0.6M NaCl濃度勾配で溶出した。全濃度勾配容量は
240mlであった。2ミリリットルづつの分画を集め、前記のようにDNAポ
リメラーゼ活性でアッセイした。均質なピーク分画をプールし、続いての分析で
使用した。その比活性、活性化DNAおよびdNTPに対するそのKM、および
阻害性dGTP類似体TMAUに対するその親和性に関しては、タグ付けpol
IIIはpKC30から発現された野生型polIIと区別が付かなかった。こ
の結果は、polIIIのN末端修飾はpolIII機能には影響しないことを
示している。従って、N末端タグセグメントは実験での使用に先立ってはタグ付
けpolIIIから除去されなかった。
【0119】 タンパク質の各々の形は95%均一以上に精製され、Filtron 10K
を使用して30−50μMの濃度に達するまで容量を減少させた。野生型および
polIIIのタグ付け型の両方とも、濃縮後に元々のポリメラーゼおよびエキ
ソヌクレアーゼ活性の80%以上を保持していた。
【0120】 大きなタンパク質、特に高システイン含量のタンパク質は亜鉛およびその他の
微量金属を非特異的に結合できることが知られている(Cornell et
al.,Anal.Biochem.,47:203−208,1972)。こ
の非特異的結合亜鉛を除去するため、各々のpolIII調製試料はEDTA透
析緩衝液(100mM NaCl、10mMβ−メルカプトエタノール、10m
M EDTAおよび10mM HEPES[pH7.5])に対する大規模な透
析が行われた。すべての透析過程は0℃で、金属を含まないプラスチック容器お
よび金属枯渇透析チューブを使用し、金属分析のためのメタロチオネイン調製に
ルーチン的に用いられる方法で実施した(Valle et al.,Phys iol.Rev .,73:79−118,1993)。
【0121】 精製されたpolIIIは透析緩衝液で0.5−5μMの濃度に調整され、1
00容量の透析緩衝液に対して12時間透析された。この過程は透析緩衝液を使
用して5回、0.01mMのβ−メルカプトエタノールを含んでいるがEDTA
を含んでいない透析緩衝液を使用して6回繰り返された。次に試料は亜鉛を含ま
ない濃縮器中(Filtron 10K)遠心分離により濃縮し、20−30μ
Mの酵素を含んでいる溶液が得られた。野生型およびタグ付けpolIII酵素
の両方とも、この透析および濃縮操作後に、元々のポリメラーゼおよびエキソヌ
クレアーゼ活性の80%以上を日常的に保持していた。
【0122】 枯草菌polIIIの化学量論的亜鉛含量はEDTA−透析polIIIの1
0−60μM溶液をPerkin−Elmer 2280フレーム装置を使用し
た原子吸光分光法にかけた。すべての測定は、適当な透析物対照の金属含量の決
定および差し引きを組み込んでいた。
【0123】 5つの独立して誘導されたpolIII試料が分析された。4つの野生型形お
よび1つのタグ付け形。EDTA処理に先立っては、5つの試料は各々タンパク
質モル当たり5つ以上の亜鉛原子を含んでおり、亜鉛捕捉チオール基に富んだ大
きな非透析タンパク質では予想されるレベルであった(枯草菌polIIIは1
5システイン残基を含んでいる)。10mM EDTAに対する5日の透析はこ
の非特異的結合亜鉛を酵素から除去し、さらに3日まで透析期間を延長してもさ
らに減少しないレベルへ亜鉛含量を減少させた。
【0124】 4つの透析polIII試料および1つのタグ付けpolIIIで、この骨の
折れる透析計画後に得られたEDTA抵抗性亜鉛含量の代表的な値は、各々モル
タンパク質当たり1.2、1.2、1.0、0.8および1.1グラム原子であ
った。これらの値は、polIII分子当たり1原子に等しい化学量論で亜鉛が
polIIIに固く結合されていることを強く示唆している。 実施例2:polIII亜鉛は求電子試薬MMTSにより追い出される 枯草菌polIII中、一つのEDTA抵抗性亜鉛原子の存在は、図2に示し
た2つのジンクフィンガー構造の1つでのその配位と一致する。これらの仮定的
ジンクフィンガーの両方において亜鉛はシステインに配位しているので、メチル
メタンチオ−スルホネート(MMTS)修飾に対するジンクフィンガーの感受性
が試験された。MMTSは受け入れ可能なシステインに基づくジンクフィンガー
から亜鉛を追い出すために広く使用されてきたチオール特異的試薬である(Sm
ith et al.,Biochem.,14:766−771,1975お
よびJaffe et al.,J.Biol.Chem.,259:5032
−5036,1984)。MMTSは強い求電子試薬であり、配位しているシス
テインのチオレートをその各々のメチルジスルフィドへ変換し(構造CH3−S
−S−CH2−タンパク質を形成する)、それにより亜鉛へ配位するジンクフィ
ンガーの能力を破壊して亜鉛を追い出す。
【0125】 polIIIは65Zn存在下、前記のpolIII発現プラスミドで形質転換
された増殖細菌により標識された。LB発現培地を0.3容量のChelex−
Na(Bio−Rad)と0℃で24時間混合することによりLB培地の二価の
微量金属を枯渇させた。枯渇培地には次にpolIII発現と合致する大腸菌増
殖レベルを支えるために0.1mM MgCl2を補給した。pKC30/po
lCベクターで形質転換した大腸菌AR120は、このマグネシウム補給培地中
、30℃で増殖させた。培養が0.5の吸光度に達した時(600nM、1cm
光路長)、10mlの培養物を、さらに1.1μCi/ml培地の放射活性レベ
ルまでの[65Zn]Cl2(New England Nuclear;2.7
mCi/μモルの比活性)が含まれている1リットルの亜鉛枯渇、マグネシウム
補給培地に加えた。インキュベーションは培養物が0.75の吸光度に到達する
まで続けた。次に前記実施例1に説明したように培養物が誘導され、polII
Iが製造された。
【0126】 非特異的結合65Znおよび外因性チオールを除去するため、polIIIは前
記実施例1に説明したように透析し、標識タンパク質は外因性チオールを除去す
るためさらにHNE緩衝液(10mM HEPES[pH7.6]、100mM
NaClおよび0.1mM EDTA)で透析した。タンパク質濃度はNHE
緩衝液で約1μMに調整した。試料当たり約25,000カウント/分を持って
いる100μlの試料をMMTS不在下、または0.01、0.03、0.10
または0.3mMのMMTS存在下、0℃でインキュベートした。60分後、各
々の試料は遊離ZnCl2からタンパク質を分離できる検定されたSephad
ex G−25カラムに加えた(1.0mlベッド容量、0.38ml空隙容量
;NHE緩衝液で平衡化)。カラムは0.05mlステップで溶出した。各々の
ステップで溶出された分画は、タンパク質結合65Zn量(空隙容量)および遊離 65 Zn量(含有容量)を決定するために液体シンチレーション計数により分析し
た。
【0127】 MMTS不在下、すべての65Zn放射活性は期待されるようにタンパク質に結
合されて残っていた。0.01mM MMTS存在下、約50%の標識が放出さ
れた。3つのより高い濃度では実質的に完全に放出された(95%以上)。これ
らの結果は、亜鉛イオンはpolIIIシステインにより強く配位されているこ
とを示唆しており、亜鉛がpolIIIジンクフィンガーにより結合されている
という仮説と一致する。 実施例3:polIII亜鉛は鉄またはコバルトで置き換え可能である 図2に提案されているようなジンクフィンガー中、四面体型で配位している亜
鉛はしばしばZn+2以外の金属イオンを収容することが知られている(Vall
e et al.,Proteins:94−128,1970)。枯草菌
polIIIの亜鉛結合部位がこの性質を共有しているかどうかを決定するため
に、鉄原子でpolIII亜鉛を置き換える能力が試験された。
【0128】 鉄が特別に豊富な培地中での組換えpolIIIの発現に基づいた間接法が代
替法として使用された。前記実施例2の65Zn標識酵素を発生させるために使用
された微量金属欠如培地を利用して、添加金属無し、およびZn+2、Co+2およ
びFe+2の各々の塩化物存在下(各々0.1mM濃度で)でpolIIIを産生
した。各々の培養からの細胞を採取し、粗抽出物が調製されpolIIIの比活
性を決定するために分析された。
【0129】 各々の抽出物のポリメラーゼ比活性が決定され、通常のLB発現培地でpol
IIIを発現するように誘導された細胞の同一対照抽出物の比活性に規格化され
た。金属補給無しでは、規格化比活性は0.2であった。亜鉛の添加では比活性
は1.1であり、期待されるように対照と同じであった。鉄およびコバルトの補
給は各々1.2および1.0の比活性であり、鉄およびコバルトの両方ともpo
lIIに結合されている亜鉛に対して機能的に置換できることを示している。
【0130】 前記抽出物のSDS−PAGE分析は亜鉛−、鉄−およびコバルト−補給培養
は対照培養と等しい160kD枯草菌polIIIポリペプチドレベルを産生し
たことを示している。従って、比活性で観察された相違および類似性はタンパク
質発現レベルの相違によるものではあり得ないであろう。
【0131】 鉄置換polIIIはさらに特徴付けされた。この酵素は精製プロファイル、
ポリメラーゼ活性、エキソヌクレアーゼ活性、基質親和性,TMAUへの感受性
、およびEDTA透析間の安定性に関して対照酵素と同一に振る舞った。均質な
、EDTA−透析鉄−polIIIの一つの試料の原子吸光分光分析(その方法
は実施例1を参照されたい)はモルタンパク質当たり1.05グラム原子の鉄含
量およびモルタンパク質当たり0.2グラム原子未満の亜鉛含量を示した。この
結果は、polIII亜鉛結合部位は図2の提案されたジンクフィンガー構造の
構成と一致する構成を持っていることを示している。 実施例4:polIIIからの亜鉛の除去はポリメラーゼ活性を完全に破壊する 実施例3に議論したように、亜鉛を含まない培地での枯草菌polIIIの産
生は天然polIIIのポリメラーゼ活性の20%しか持っていない実質的に能
力の劣る酵素を生じた。最適polIII活性のための亜鉛の機能的必要性を確
認するため、polIIIからの亜鉛の直接的除去の影響が試験された。
【0132】 キレート化合物での処理による亜鉛の除去。多数の強力な金属キレート剤が合
成され、ジンクフィンガー破壊活性が試験されている(Otsuka et a
l.,J.Med.Chem.,38:3264−3270,1995)。Ot
suka et al.,J.Med.Chem.,39:503−507(1
996)で化合物20と記載されている一つの関連するキレート剤が、放射活性 65 Znで標識された均質枯草菌polIIIを利用する以下の実験で使用された
。同一の対照実験は化合物20の不在下で実施された。
【0133】 0.2ナノモルのpolIIIを0.3mMの化合物20を含んでいる0.1
mlのHNE緩衝液(10mM HEPES、100mM NaClおよび10
%グリセロール[pH7.6])と混合し、25℃で1時間インキュベートした
。Sephadex G−25スピンカラムを通過させることにより化合物20
からpolIIIを取り除き、酵素のポリメラーゼ活性およびその放射活性亜鉛
の含量をアッセイした(前に説明した方法を参照されたい)。化合物存在下でイ
ンキュベートしたpolIII試料は対照polIII活性の1%未満、および
対照の放射活性亜鉛含量の2%未満を示した。
【0134】 亜鉛欠損不活性ポリメラーゼを再構築するため、polIIIが前記のように
化合物から分離され、0.01mMジチオスレイトール(DTT)存在下または
不在下で、0.01mM ZnCl2と25℃で12時間インキュベートされた
。30分間隔で試料を採取し、pol活性をアッセイした。残余バックグラウン
ドを超えるpol活性の再活性化が観察されないばかりか、同一条件下、DTT
存在下または不在下でZnCl2とインキュベートされた非処理対照polII
Iで有意なポリメラーゼ活性の不活性化が観察された。
【0135】 MMTSによる配位しているチオレート処理による亜鉛の追い出し。化合物M
MTSは前記実施例2に説明されている。0.2ナノモルの65Zn標識枯草菌p
olIIIを、0.2mM MMTSを含むまたは含まないHNE緩衝液と1時
間インキュベートし、化合物20で処理したpolIIIで説明したように試料
をアッセイした。MMTS存在下でインキュベートしたpolIII試料は対照
polIII活性の1%未満、および対照の放射活性亜鉛含量の2%未満を示し
た。
【0136】 不活性ポリメラーゼを再構築するため、酵素を0.01mM ZnCl2およ
び0.01mM DTTを含んでいる溶液と25℃で12時間インキュベートし
た。30分間隔で試料を採取し、pol活性をアッセイした。残余バックグラウ
ンドを超えるpol活性の再活性化が観察されないばかりか、同一条件下、亜鉛
およびDTTとインキュベートされた対照polIIIで有意なポリメラーゼ活
性の不活性化が観察された。
【0137】 上記の結果は、亜鉛の除去はグラム陽性真正細菌polIIIのポリメラーゼ
活性を著しく阻害し(95%以上の阻害)、そのような除去および酵素的不活性
化は不可逆的であったことを示している。 実施例5:重要なジンクフィンガー残基の位置指定突然変異誘発はpolIII 活性に影響する 図2に提案されたジンクフィンガー構造の一つは確実であることをさらに確認
するため、提案された配位しているシステインまたはヒスチジンの各々をアラニ
ンへ突然変異させるために位置指定突然変異誘発が使用された。
【0138】 オリゴヌクレオチドに基づいた系(Altered Sites,Prome
ga)が推定ジンクフィンガーをコード化しているpolCセグメント内へ突然
変異を導入するために使用された。突然変異はpZF−150、polCヌクレ
オチド2410−2899を包含し、および特異的制限部位SalIおよびCl aI (前者は位置指定突然変異誘発により作り出された)により閉ざされている
サブクローン化断片内へ導入された。各々の突然変異誘発オリゴヌクレオチドは
、突然変異が標的内に特有の診断的制限部位を同時に作り出すように設計された
。pZF−150の突然変異体形は、SalIおよびClaI部位を使用して olC 配列内へ再クローン化された。各々の突然変異体polC構築物は次に(
1)関連SalIClaI断片のBluescriptプラスミド(Stra
tagene)中のSalIClaI切断野生型構築物内への再クローニング
;および(2)XhoIClaI Bluescrlpt断片のXhoI laI −切断pSGA04内へのサブクローニングによりpSGA04 his
6発現プラスミド内へ組み込まれた。
【0139】 各々の残基がアラニンへ突然変異され、亜鉛配位チオレート側鎖を中性メチル
基で置き換えた。もしこれら5つの配位体が密接に亜鉛配位に関与しているなら
ば、メチル基によるその置換は、亜鉛に対する酵素の親和性を著しく弱める(効
果的に破壊しないにしても)と期待されるであろう。
【0140】 タグ付け野生型およびpolIIIの突然変異形は前記実施例1の方法を使用
して95%以上の相同性で得られた。タンパク質は次にEDTAに基づいた透析
にかけられ、実施例1に記載したように亜鉛含量が分析された。結果は下記表1
の最も左の欄に要約されている。
【0141】
【表1】
【0142】 表1のデータは前記実施例1で説明した方法により得られた。”*”は全po
lドメイン(即ち、aa1000−1437)が欠けている端が切り取られたタ
ンパク質を示している。”nd”は検出不能を意味している。”−−”はパラメ
ーターまたは値が決定されなかったことを意味している。
【0143】 表1で注目されるように、5つの突然変異体酵素の内の2つ、H909Aおよ
びC937Aは亜鉛分析を行うことができなかった。H909A酵素は完全長タ
ンパク質として発現されているが、金属分析には十分な量で容易に産生されなか
った。110kDの端が切り取られたタンパク質として精製されたC937A酵
素もまた収率が悪かった。この端が切り取られたpolIIIはジンクフィンガ
ー内の翻訳の中断により発生されたようであった。いずれにしても、端が切り取
られたタンパク質は完全長タンパク質との比較のための正当な候補とは考えられ
なかった。
【0144】 3つの完全長突然変異体の各々は(C912A、C915AおよびC940A
)、野生型酵素との比較で亜鉛に対する親和性の減少を示した(亜鉛含量)。C
915Aタンパク質は親和性で野生型に最も近く、約40%を保持していた。C
940AおよびC912Aタンパク質は著しく害されており、各々野生型亜鉛含
量の10%および7%のみしか保持していなかった。
【0145】 表1の5つの精製突然変異体酵素の各々が、その天然の、非透析形で直接的に
分析され、(1)エキソヌクレアーゼおよびポリメラーゼ活性;(2)エキソヌ
クレアーゼおよびポリメラーゼ基質に対する親和性;および(3)グラム陽性真
正細菌のpolIIIを阻害するdGTP類似体、TMAUに対するポリメラー
ゼ活性の感受性(Wright et al.,Pharmac.Therap .,47:447−497,1990)に対する各々の突然変異の影響が評価さ
れた。結果は表1に要約されている。
【0146】 各々の突然変異はエキソヌクレアーゼおよびポリメラーゼ活性の両方を減少さ
せた。しかしながら、減少は著しくポリメラーゼ特異的であって、4つの関連す
る場合でポリメラーゼの相対的減少はエキソヌクレアーゼ活性の減少よりも大き
かった。突然変異体で観察された最も低いエキソヌクレアーゼ活性は野生型の2
0%であったが、一方、ポリメラーゼ活性は、野生型酵素と合理的に比較可能な
4つの完全長突然変異体で野生型の10%から0.1%未満の範囲であった。
【0147】 アッセイされた4つの突然変異体タンパク質のどれも(端が切り取られたC9
37Aタンパク質を含んで)一本鎖基質DNAに対して親和性を示さず、それは
野生型と著しく異なっていた。突然変異C915AおよびC940Aのどちらも
dGTP基質親和性およびTMAU感受性には影響しなかった。DNAおよび酵
素またはdGTPおよび酵素のKMは野生型の値の2倍未満で変化した。TMA
Uに対するIC50値は2倍未満の変化であった。
【0148】 これらの結果は、図2のジンクフィンガー構造のどちらが天然のタンパク質で
働いているのかを区別する助けにはならなかった。しかしながら、突然変異分析
はpolII機能において、これらの鍵となる残基の決定的な役割を明瞭に確立
している。従って、この結果はグラム陽性真正細菌polIII中のジンクフィ
ンガー構造と一致および支持している。 実施例6:6−(メタ−ジスルフィドメチルアニリノ)ウラシルの製造 6−クロロウラシル(lmmol)およびメタ−アミノベンジルアルコール(
2.5mmol)を10mlの2−メトキシエタノールに溶解して反応混合物を
形成させた。混合物は10時間加熱環流して、86%の収率で6−(メタ−ヒド
ロキシメチルアニリノ)ウラシルを形成させた。ヒドロキシメチルアニリノ−ウ
ラシル(0.5mmol)と30%HBrの酢酸溶液(10ml)を反応させる
ことによりヒドロキシ基をブロモ基で置き換え、90%の収率で6−(メタ−ブ
ロモメチルアニリノ)ウラシルが形成された。ブロモ基は、0.4mmolの6
−(メタ−ブロモメチルアニリノ)ウラシルと2mmolのKSCNを反応させ
ることによりチオシアナート基によりさらに置き換えられ、80%の収率で6−
(メタ−メルカプトシアノメチルアニリノ)ウラシル(mMCMAU)を形成さ
せた。mMCMAUは5mLの2N NaOH中で6−(メタ−チオメチルアニ
リノ)ウラシルへ加水分解した。最終生成物、6−(メタ−ジスルフィドメチル
アニリノ)ウラシルは6−(メタ−チオメチルアニリノ)ウラシルを2モル過剰
のメチルメタンチオスホナートと反応させることにより定量的に形成された。 実施例7:polIIIから亜鉛を除去する化合物のスクリーニング 65Zn−標識枯草菌polIIIは実施例2に記載したように製造および精製
された。約25,000cpmの放射能を含んでいる標識polIIIの100
μg/ml溶液の100マクロリットルを1マイクログラムの候補抗菌化合物と
25 ℃で1時間混合した。混合物は次にSephadex G−25スピンカ
ラムを通過させ、溶出物(タンパク質)をシンチレーションカウンターで計数し
た。溶出液の分当たりのカウントを、化合物の代わりに混合物へ関連対照溶媒の
みが加えられた対照反応と比較した。化合物により放出された放射能が、反応へ
溶媒単独を加えたものより多かったら、化合物は抗菌剤として有効であろうこと
を示している。陽性結果を確認するため、統計的に有意な決定が行われるまで本
過程を繰り返す。 実施例8:polIIIポリメラーゼ活性を阻害する化合物のスクリーニング 枯草菌polIIIの適当な希釈液の5マイクロリットルを候補抗菌化合物を
含むまたは含まない20μlのポリメラーゼアッセイ混合物(18.75mMト
リス[pH7.5]、12.5mM酢酸マグネシウム、31.25μm dAT
P、31.25μm dCTP、31.25μm dGTP、12.5μm[メ
チル−3H]dTTP[1.5μCi/μmol]、1.25mM DTT、2
0%グリセロール、および0.5mg/ml活性化DNA)と迅速に混合し、3
0℃で10分間インキュベートする。反応は、0.5mlの冷10%トリクロロ
酢酸(TCA)含有10mMピロリン酸ナトリウムを添加することにより停止さ
せる。0℃で約10分後、試料はWhatman GF/Aフィルターで濾過し
、最初に冷1M HCl含有100mMピロリン酸ナトリウム、続いて冷エタノ
ールで洗浄する。フィルターを乾燥させ、計数した。もし、候補抗菌化合物の存
在がポリメラーゼ活性の少なくとも25%阻害を導いたら、化合物はポリメラー
ゼ活性の阻害剤であるとみなされる。
【0149】 すぐ上のスクリーニングアッセイで試験陽性の阻害剤は、細菌DNA合成を選
択的に阻害する能力が評価された(即ち、細菌RNA合成を有意に阻害すること
なく)。各々の阻害剤は、対数的に増殖している枯草菌中のDNAおよびRNA
内への放射性標識アデニン(DNAおよびRNA塩基)の取り込みを阻害する能
力でアッセイされる(Brown,Proc.Natl.Acad.Sci.U SA67:1454−1460,1970)。このアッセイにおいて、もし候
補阻害剤が放射性アデニンのDNA内への取り込みの少なくとも50%の阻害、
およびRNA内への放射性アデニン取り込みの15%未満の阻害を達成できたら
、候補阻害剤はDNA選択的とみなされる。 実施例9:殺菌化合物のスクリーニング 候補抗菌化合物は滅菌DMSOに溶解され、ミリリットル当たり約106コロ
ニー形成単位(cfu)で対数増殖期のメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(AT
CC番号29213号)を含んでいるミュラー−ヒントンブロス(MHB;Di
fco)内へ100倍に希釈する。対照培養物にはDMSOのみが加えられる。
化合物および対照培養物は37℃でインキュベートし、続いての24時間の間の
3時間毎に培養物から試料を採取する。各々の試料は10Xおよび100XでM
HBに希釈し、LB寒天プレートに播種することにより、細菌量(cfu/ml
で)をアッセイする。候補化合物が6時間の時点およびその後、少なくとも50
%細菌量を減少させると、化合物は殺菌剤であることが示される。 実施例10:インビボで細菌感染を減少させる化合物のスクリーニング 試験細菌で感染させる前に、6匹の6週齢の病原体を持たないICR/Swi
ssマウスは、シクロホスファミドの腹腔内注射による2回投与で好中球を減少
させる(血液ミリリットル当たり100好中球未満)。最初の注射は細菌感染の
4日前に150mg/kgで行われ、第二の注射は細菌感染の1日前に100m
g/kgで行われる。好中球減少は、広範囲の細菌が続いての感染で使用できる
ように誘導される。
【0150】 各々のマウスに対する細菌感染は100μlの培地中の106cfuメチシリ
ン感受性黄色ブドウ球菌(ATCC番号第29213号)を右大腿筋内へ接種す
ることにより実施される。化合物および対照混合物は、感染2、6、12および
18時間後、動物の尾静脈内へ静脈内で投与される。2匹のマウスには各々の時
間点で生理学的食塩水の陰性対照混合物、50μlが注射された。別の対のマウ
スは各々の時間点で40mg/kg体重バンコマイシン食塩水の陽性対照混合物
が注射された。最後の2匹のマウスは各々の時間点で40mg/kg体重候補化
合物食塩水が注射された。
【0151】 感染24時間後、すべての動物を殺し、各々のマウスの右大腿筋を取り出した
。筋肉は次にポリトロン組織ホモジナイザーを用い、10mlの冷滅菌食塩水中
でホモジナイズする。100X希釈ホモジネートをLB寒天プレート上に播種す
る。37℃で24時間インキュベートした後、各々のプレート上のコロニー数を
計数する。化合物処置マウスからの両方の筋肉試料は50コロニーまたはそれ未
満であったが、一方、陰性対照(食塩水のみを注射)からの筋肉試料は各々のプ
レートで約500コロニーが得られた。バンコマイシン処置マウスからの筋肉試
料は各々のプレートで約40コロニーが得られた。化合物処置は細菌量の50%
以上の減少を導いたので、化合物は有効な殺菌剤であるといわれる。他の態様 本発明はその詳細な記述に関連して説明されてきたが、前記の記述は例示を意
図しており、特許発明の範囲で定義される本発明の範囲を制限するものではない
ことを理解されたい。他の態様、利点および変形も特許請求の範囲内に含まれて
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は枯草菌のモデルグラム陽性真正細菌DNAポリメラーゼIIIの構成図
であり、3’−5’エキソヌクレアーゼ(3’−5’Exo;黒く塗りつぶされ
たボックス)およびポリメラーゼ(pol;オープンボックス)ドメインを示し
ている。polドメイン内の斜線を付けた部分はジンクフィンガーの位置を示し
ており、点を付けた部分はHPUra様化合物(米国特許第5,516,905
号に記載されている)の結合領域を示している。本図はまた選択されたグラム陽
性真正細菌およびマイコプラズマpolIIIからのジンクフィンガー配列(上
から下の順序で配列ID番号:5から12)、ならびに構成図の下に共通配列(
配列ID番号:13)のアラインメントを示している。ジンクフィンガー配列は
四角で囲まれており、polドメイン中のジンクフィンガーに対してすぐのC末
端側の触媒アスパラギン酸は2つのアステリスクにより示されている。
【図2】 図2は枯草菌polIIIのジンクフィンガー(配列ID番号:2)により形
成される2つの可能なジンクフィンガー構造を描いたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 31/04 A61P 31/04 C07D 239/54 C07D 417/12 417/12 473/16 473/16 473/18 473/18 C12N 9/99 C12N 9/99 C12Q 1/02 C12Q 1/02 1/48 Z 1/48 C12N 9/12 ZNA // C12N 9/12 ZNA C07D 239/54 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C U,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD ,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN, IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,L K,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK ,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO, RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,T M,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN ,YU,ZA,ZW (72)発明者 バーンズ,マージョリー・エイチ アメリカ合衆国マサチューセッツ州01545, シュルーズベリ,レイクサイド・ドライブ 66 (72)発明者 ライト,ジョージ・イー アメリカ合衆国マサチューセッツ州01602, ウースター,ハイランド・アベニュー 298 Fターム(参考) 4B050 CC07 DD02 HH01 KK01 LL03 4B063 QA06 QQ06 QQ28 QR08 QR50 QR75 QS24 QX01 4C063 AA01 BB07 BB09 CC62 CC67 DD31 EE01 4C086 AA01 AA03 BC42 BC43 CB07 MA04 NA14 ZB35

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グラム陽性真正細菌またはマイコプラズマ感染を防止するた
    めの化合物であって、該化合物は ジンクフィンガー反応性部分; リンカー;および リンカーを介してジンクフィンガー反応性部分に連結されたグラム陽性真
    正細菌またはマイコプラズマDNAポリメラーゼIII活性部位結合部分を含ん
    でいる前記化合物。
  2. 【請求項2】 次式: A−(L−B)m (式中、 Bはジンクフィンガー反応性部分であり; Lはリンカーであり、および Aが化1 【化1】 式中、R1、R2、R3およびR4の少なくとも一つが−L−Bであるという条件で
    ;R1およびR2の各々は独立して、水素、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、
    または−L−Bであり;R3およびR4の各々は独立して、水素、C1-3アルキル
    、ハロ、C1-3ハロアルキル、または−L−Bであり;mは1または2であり;
    およびnは0、1または2である; から成る群より選択されるDNAポリメラーゼIII活性部位結合部分である。
    ) を有する請求項1に記載の化合物またはその塩。
  3. 【請求項3】 Aが次式 【化2】 (式中、R1、R3およびR4の少なくとも一つが−L−Bであるという条件で;
    1は水素、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、または−L−Bであり;R3
    よびR4の各々は独立して、水素、C1-3アルキル、ハロ、C1-3ハロアルキル、
    または−L−Bであり;およびnは0、1または2である) である請求項2の化合物またはその塩。
  4. 【請求項4】 R1が−L−Bである請求項3に記載の化合物;またはその
    塩。
  5. 【請求項5】 Aが式 【化3】 (式中、R1、R3およびR4の少なくとも一つが−L−Bであるという条件で;
    1は水素、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、または−L−Bであり;R3
    よびR4の各々は独立して、水素、C1-3アルキル、ハロ、C1-3ハロアルキル、
    または−L−Bであり;およびnは0、1または2である。) である請求項2の化合物またはその塩。
  6. 【請求項6】 R1が−L−Bである請求項5に記載の化合物;またはその
    塩。
  7. 【請求項7】 Aが式 【化4】 (式中、R1、R2、R3およびR4の少なくとも一つが−L−Bであるという条件
    で;R1およびR2の各々は独立して、水素、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル
    、または−L−Bであり;R3およびR4の各々は独立して、水素、C1-3アルキ
    ル、ハロ、C1-3ハロアルキル、または−L−Bであり;mは1または2であり
    ;およびnは0、1または2である。) である請求項2の化合物またはその塩。
  8. 【請求項8】 R1およびR2の各々が独立して−L−Bである請求項7に記
    載の化合物またはその塩。
  9. 【請求項9】 Aが式 【化5】 (式中、R1、R2、R3およびR4の少なくとも一つが−L−Bであるという条件
    で;R1およびR2の各々は独立して、水素、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル
    、または−L−Bであり;R3およびR4の各々は独立して、水素、C1-3アルキ
    ル、ハロ、C1-3ハロアルキル、または−L−Bであり;mは1または2であり
    ;およびnは0、1または2である。) である請求項2の化合物またはその塩、
  10. 【請求項10】 R1およびR2の各々が独立して−L−Bである請求項9に
    記載の化合物またはその塩。
  11. 【請求項11】 Lが直接結合かまたはC1-18アルキレン鎖であり;アルキ
    レン鎖は任意に1から5のエーテル基、チオエーテル基、アミン基、エステル基
    、チオエステル基またはアミド基を含んでいる請求項2の化合物、またはその塩
  12. 【請求項12】 Bがアゾジ(ビス)尿素基、芳香族または脂肪族ジスルフ
    ィド基、芳香族または脂肪族ニトロソ基、チオスルホナート基またはチアゾリド
    ン基を含んでいる請求項2の化合物、またはその塩。
  13. 【請求項13】 Bが化6 【化6】 (式中、RaおよびRbの一つが−L−Aであり、RaおよびRbは同時には−L−
    Aではないという条件で、RaおよびRbの各々は独立して、水素、C1-6アルキ
    ル、フェニル、C1-6ヒドロキシアルキル、C1-6ハロアルキル、アミンまたは−
    L−Aであり;およびpは1、2、3または4である。) から成る群より選択される請求項12に記載の化合物、またはその塩。
  14. 【請求項14】 ジンクフィンガー含有DNAポリメラーゼのポリメラーゼ
    活性を阻害する方法であって、該方法はDNAポリメラーゼ中のジンクフィンガ
    ーに結合している亜鉛イオンを化合物が除去するのに十分な条件下、DNAポリ
    メラーゼを化合物と接触させることを含んでおり、それによりポリメラーゼ活性
    を阻害することを含む前記方法。
  15. 【請求項15】 化合物が ジンクフィンガー反応性部分; リンカー;および リンカーを介してジンクフィンガー部分に連結されたグラム陽性真正細菌
    またはマイコプラズマDNAポリメラーゼIII活性部位結合部分を含んでいる
    請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 ジンクフィンガー含有DNAポリメラーゼがグラム陽性真
    正細菌DNAポリメラーゼIIIである請求項14に記載の方法。
  17. 【請求項17】 ジンクフィンガー含有DNAポリメラーゼが枯草菌DNA
    ポリメラーゼIIIである請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 ジンクフィンガー含有DNAポリメラーゼがマイコプラズ
    マDNAポリメラーゼIIIである請求項14に記載の方法。
  19. 【請求項19】 ジンクフィンガー含有DNAポリメラーゼを含んでいる細
    菌の細胞分裂速度を減少させる方法であって、該方法は化合物が細菌に入り込み
    、DNAポリメラーゼ中のジンクフィンガーへ結合している亜鉛イオンと相互作
    用するのに十分な条件下、細菌を化合物に暴露することを含んでおり、それによ
    り細胞分裂速度を減少させることを含む前記方法。
  20. 【請求項20】 化合物が ジンクフィンガー反応性部分; リンカー;および リンカーを介してジンクフィンガー部分に連結されたグラム陽性真正細菌
    またはマイコプラズマDNAポリメラーゼIII活性部位結合部分を含んでいる
    請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 ジンクフィンガー含有DNAポリメラーゼがグラム陽性真
    正細菌DNAポリメラーゼIIIである請求項19に記載の方法。
  22. 【請求項22】 ジンクフィンガー含有DNAポリメラーゼがマイコプラズ
    マDNAポリメラーゼIIIである請求項19に記載の方法。
  23. 【請求項23】 化合物がジンクフィンガー含有DNAポリメラーゼを含ん
    でいる細菌の細胞分裂速度を減少させるかどうかを試験する方法であって、該方
    法は 化合物が細菌に入り込むのに十分な条件下、ジンクフィンガー含有DNAポリ
    メラーゼを含んでいる細菌を化合物に暴露すること;および 亜鉛イオンがDNAポリメラーゼのジンクフィンガーに結合されているかどう
    かを決定すること; を含み、 ここで化合物不在下で亜鉛イオンはジンクフィンガーへ結合するが、化合物存
    在下では結合しないことは、化合物が細菌の細胞分裂速度を減少させることを示
    している、上記方法。
  24. 【請求項24】 細菌がグラム陽性真正細菌である請求項23に記載の方法
  25. 【請求項25】 細菌がマイコプラズマである請求項23に記載の方法。
  26. 【請求項26】 亜鉛イオンが65Znイオンである請求項23に記載の方法
  27. 【請求項27】 ジンクフィンガー含有DNAポリメラーゼが配列: Z−X2−Cys−X15-27−Cys−X2−Cys(配列ID番号:14)
    (式中、ZはHisまたはCysであり、X2は任意の2つの連続したアミノ酸
    であり、およびX15-27は任意の15から27の連続したアミノ酸である。) を含む請求項23に記載の方法。
  28. 【請求項28】 ジンクフィンガー含有DNAポリメラーゼが配列ID番号
    :1と少なくとも70%同一である請求項27に記載の方法。
  29. 【請求項29】 ジンクフィンガー含有DNAポリメラーゼが配列ID番号
    :2を含む請求項28に記載の方法。
  30. 【請求項30】 ジンクフィンガー含有DNAポリメラーゼが配列: Cys−X2−Cys−X19-21−Cys−X2−Cys(配列ID番号:15)
    (式中、X2は任意の2つの連続したアミノ酸であり、およびX19-21は任意の1
    9から21の連続したアミノ酸である。) を含む請求項27に記載の方法。
  31. 【請求項31】 化合物がジンクフィンガー含有DNAポリメラーゼを阻害
    するかどうかを試験する方法であって、該方法は: ジンクフィンガー含有DNAポリメラーゼのジンクフィンガーを含んでいるポ
    リペプチドを含む混合物を提供すること; 化合物がジンクフィンガーに接触するのを可能にするのに十分な条件下、化合
    物と該混合物を混合すること;および 亜鉛イオンがジンクフィンガーに結合されているかどうかを決定すること、 を含み、 ここで化合物不在下で亜鉛イオンはジンクフィンガーへ結合するが、化合物存
    在下では結合しないことは、化合物がDNAポリメラーゼを阻害することを示し
    ている、前記方法。
  32. 【請求項32】 混合物が該ポリペプチドを含んでいる細胞を含む請求項3
    1に記載の方法。
  33. 【請求項33】 化合物がジンクフィンガー含有DNAポリメラーゼを阻害
    するかどうかを決定する方法であって、該方法は: ジンクフィンガー含有DNAポリメラーゼを含んでいる細菌を含む混合物を提
    供すること; 化合物が細菌内のDNAポリメラーゼと接触するのを可能にするのに十分な条
    件下、化合物と混合物を混合すること(化合物はジンクフィンガー中の亜鉛と相
    互作用する基を含んでいる);および 化合物存在下でのDNAポリメラーゼのポリメラーゼ活性を測定する、 ここで化合物存在下でのポリメラーゼ活性が化合物不在下でのポリメラーゼ活
    性よりも低いことは化合物がDNAポリメラーゼを阻害していることを示してい
    る、前記方法。
  34. 【請求項34】 望ましくないグラム陽性真正細菌またはマイコプラズマ感
    染に感染しやすいまたは感染している哺乳動物を処置する方法であって、該方法
    はDNAポリメラーゼのポリメラーゼ活性が阻害されるように、細菌内ジンクフ
    ィンガー含有DNAポリメラーゼ中の亜鉛と相互作用するのに十分な化合物量を
    哺乳動物に投与し、それにより哺乳動物を処置することを含む、前記方法。
  35. 【請求項35】 化合物が ジンクフィンガー反応性部分; リンカー;および リンカーを介してジンクフィンガー部分に連結されたグラム陽性真正細菌
    またはマイコプラズマDNAポリメラーゼIII活性部位結合部分を含んでいる
    請求項34に記載の方法。
  36. 【請求項36】 感染がグラム陽性真正細菌感染である請求項34に記載の
    方法。
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