JP2002524996A - 低周波オーディオエンハンスメントシステム - Google Patents

低周波オーディオエンハンスメントシステム

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、1対のオーディオ信号内の低周波情報の高調波をスペクトルで形成し、スピーカ(1606,1608)によって再生されるとき、聴者が、スピーカ(1606,1608)によって実際に供給される音響バンド幅よりも、スピーカ(1606,1608)が大きいバンド幅をもっているように知覚させるオーディオエンハンスメント装置(1604)および方法を提供する。追加のバンド幅の知覚は、低周波、とくにスピーカ(1606,1608)がより少ない音響出力エネルギーを生成する周波数でとりわけ顕著である。1つの実施形態では、本発明はさらに1つのオーディオ信号から別のオーディオ信号へシフトして、クリッピングを低減する。1つの実施形態では、本発明はさらに所望の高調波のスペクトルを形成するための結合された経路と、各対のオーディオ信号のためのフィードフォワード信号経路とを用意している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の属する技術分野 本発明は、サウンド再生の臨場感を向上するオーディオエンハンスシステムお
よびその方法に関する。とくに、本発明は音響トランスデューサ、例えばスピー
カ(ラウドスピーカ)によって生成される音響エネルギーの知覚される低周波成
分(low-frequency content)をエンハンスする装置および方法に関する。
【0002】 従来の技術 オーディオおよびマルチメディア産業は、再生されたサウンドの不完全性を克
服するために絶えず努力してきた。例えば、バス(低音)のような低周波サウン
ドを適切に再生することはしばしば困難である。低周波サウンドの出力を向上す
る種々の従来のアプローチには、より大きいコーン面積、より大きい磁気、より
大きいハウジング、またはより大きいコーンエクスカーション(cone excursion
)能力を備えたより高品質のスピーカを使用することを含む。加えて従来のシス
テムでは、スピーカの音響インピーダンスをこのスピーカを取り囲んでいるフリ
ースペース(自由空間)の音響インピーダンスに整合する共振チャンバおよびホ
ーンを備えた低周波サウンドを再生することを試行した。
【0003】 全てのシステムではないが、単により高価で、より強力なスピーカを使用して
、低周波サウンドを再生することができる。例えば、コンパクトオーディオシス
テムおよびマルチメディアコンピュータシステムのような従来のサウンドシステ
ムは、小型スピーカに依存している。加えて、コストを節約するために、多くの
オーディオシステムは精度の低いスピーカを使用している。このようなスピーカ
は一般的に、低周波サウンドを適切に生成する能力をもたず、その結果、一般的
に低周波サウンドをより正確に再生するシステムほど、サウンドは力強く(robu
st)ないか、または満足できるものではない。
【0004】 従来のエンハンスメントシステムは、サウンドをスピーカへ入力する前に低周
波信号を増幅することによって低品質の低周波サウンドの再生を補うことを試行
した。低周波信号を増幅すると、より多くの量のエネルギーがスピーカへ伝えら
れ、次にスピーカはより大きい力でドライブされる。しかしながらこのように低
周波信号の増幅を試行すると、スピーカをオーバードライブすることになる。都
合の悪いことに、スピーカのオーバードライブはバックグラウンドノイズを増加
し、歪んだ変形を生成し、スピーカを損傷することがある。
【0005】 さらに別の従来のシステムは、低周波の欠如を補償する試行において、望まし
くないサウンドの特色を加えるようなやり方でより高い周波数の再生を歪ませて
しまう。
【0006】 発明が解決しようとする課題 本発明は、低周波サウンドの知覚をエンハンスする独特の装置および方法を提
供する。本発明では、一定の低周波サウンドを再生しないスピーカにおいて、失
われている低周波サウンドが存在しているといった錯覚(イリュージョン)をお
こさせる。したがって聴者(リスナ)は、スピーカが実際に正確に再生できる周
波数よりも低い周波数を知覚する。この錯覚効果は、人間の聴覚系がサウンドを
どのように処理するかを独特のやり方で利用することによって達成される。
【0007】 本発明の1つの実施形態では、聴者が音楽または他のサウンドを心理的にどの
ように知覚するかを利用している。サウンド再生処理は、スピーカが音響エネル
ギーを再生することで終わらず、耳、聴神経、脳、および聴者の処理全てを含む
。ヒアリングは耳および聴神経系の反応から始まる。人間の耳は、音響の振動を
受け取る繊細な変換システムと考えられ、これらの振動を神経のインパルスへ変
換し、最後にサウンドの“感覚(sensation)”または知覚へ変換する。
【0008】 人間の耳は音響エネルギーに応答する際に非線形であることが知られている。
このヒアリング機構の非線形性は、実際のプログラム材料内には存在しない付加
的な上音(overtone)または高調波(harmonics)の形態で相互変調のひずみを生
成する。これらの非線形効果は、低周波においてとくに顕著であり、この非線形
効果は低周波サウンドがどのように知覚されるかについて明らかな効果をもつ。
【0009】 都合のよいことに、本発明のいくつかの実施形態では、どのように人間の耳が
低周波サウンドの上音および高調波を処理して、存在していない低周波サウンド
がスピーカから放出されているように知覚されているかを利用している。いくつ
かの実施形態ではより高い周波数バンドの周波数を選択的に処理して、低周波信
号と錯覚させる。いくつかの実施形態では、一定の高い方の周波数バンドは複数
のフィルタ機能で変更される。
【0010】 加えて、本発明のいくつかの実施形態では、音楽のような一般的なオーディオ
プログラム材料の低周波のエンハンスメントを向上するように設計されている。
大抵の音楽は高調波が豊かである。したがってこれらの実施形態では、人間の耳
が低周波サウンドをどのように処理するかを利用して、多様な音楽を変更するこ
とができる。都合のよいことには、既存の形式の音楽を処理して、所望の効果を
生成することができる。
【0011】 この新しいアプローチは、多数の重要な長所を生成する。聴者は、実際には存
在していない低周波サウンドを知覚するので、大型スピーカ、より大きいコーン
エクスカーション、または追加のホーンに対する必要は小さくなる。したがって
1つの実施形態では、小型スピーカがより大型のスピーカの低周波サウンドを放
出しているかのように思われる。予測できるように、この実施形態では、大型ス
ピーカには小さすぎるサウンド環境内でバスのような低周波オーディオを知覚す
ることができる。大型スピーカも同様に、エンハンスされた低周波サウンドを生
成しているように知覚される効果を得られる。
【0012】 加えて、本発明の1つの実施形態では、可搬形およびポータブル形サウンドシ
ステムの小型スピーカにおいてより満足できる低周波サウンドを知覚することが
できる。したがって聴者はポータブル形にすることによって低周波サウンドの品
質を犠牲にする必要はない。
【0013】 本発明の1つの実施形態では、低コストのスピーカで低周波サウンドを錯覚さ
せる。多くの低コストのスピーカでは低周波サウンドを適切に生成できない。1
つの実施形態では、高価なスピーカハウジング、高性能の構成要素および、大型
磁石を使用して低周波サウンドを実際に再生するのではなく、より高い周波数サ
ウンドを使用して、低周波サウンドと錯覚させる。その結果、低コストのスピー
カを使用して、より臨場感があり、力強いサウンドの聴音体験を実現することが
できる。
【0014】 さらに、1つの実施形態では、低周波サウンドの錯覚によりサウンドの臨場感
を増した向上したサウンドの聴音体験を生成する。したがって多くの低コストの
従来技術のシステムに存在していた濁ったまたは不安定な低周波サウンドの再生
の代わりに、本発明の1つの実施形態では、より正確でよりクリアに知覚される
サウンドを再生する。このような低コストのオーディオおよびオーディオ−ビジ
ュアルデバイスには、例えばラジオ、モバイルオーディオシステム、コンピュー
タゲーム、スピーカ、コンパクトディスク(compact disc, CD)プレーヤ、デ
ィジタル多用途ディスク(digital versatile disc, DVD)プレーヤ、マルチ
メディア表示デバイス、コンピュータサウンドカード、およびこれに類似するも
のを含むことができる。
【0015】 1つの実施形態において、低周波サウンドの錯覚を生じさせるのに必要なエネ
ルギーは、低周波サウンドを実際に再生するよりも少ない。したがって、バッテ
リまたは低電力環境で動作するシステムは、低周波サウンドを単に増幅またはブ
ーストするシステムほど多くの貴重なエネルギーを消費せずに低周波サウンドの
錯覚を生じさせることができる。
【0016】 本発明の別の実施形態では、特定の回路で低周波信号の錯覚を生じさせる。こ
れらの回路は従来技術の低周波増幅器よりも簡単であり、したがって製造コスト
は低減する。都合よいことには、これらの回路は、複雑な回路を追加する従来技
術のサウンドエンハンスメントデバイスよりもコストが低いことである。
【0017】 本発明のさらに別の実施形態では、開示された低周波エンハンスメント技術を
実行するマイクロプロセッサに依存している。いくつかの場合に、本発明の実施
形態の開示された独特の低周波信号エンハンスメント技術を備えるように、既存
のオーディオ処理構成要素を再プログラムしてもよい。その結果、既存のシステ
ムに低周波エンハンスメント技術を加えるコストは相当に低減した。
【0018】 1つの実施形態では、サウンドエンハンスメント装置は、ホストシステムから
入力信号を受け取り、代わってエンハンスした出力信号を生成する。とくに、2
つの入力信号が処理されて、1対のスペクトル的にエンハンスした出力信号を供
給する、すなわちスピーカ上で再生され、聴者によって聞き取られるとき、バス
が拡張された感覚を生む。1つの実施形態では、低周波オーディオ情報は、高周
波オーディオ情報とは異なるやり方で変更される。
【0019】 1つの実施形態では、サウンドエンハンスメント装置は入力信号を受け取り、
エンハンスした出力信号を生成する。とくに、入力信号は第1の周波数範囲の波
形と第2の周波数範囲の波形を含む。入力信号は、エンハンスした出力信号を供
給する、すなわちスピーカ上で再生され、聴者によって聞き取られるときに、バ
スが拡張された感覚を生むように処理される。加えて、この実施形態では第1の
周波数範囲内の情報を、第2の周波数範囲内の情報とは異なるやり方で変更する
ことができる。いくつかの実施形態では、第1の周波数範囲は所望のスピーカに
は低すぎるバス周波数であり、第2の周波数範囲はスピーカが再生できるミッド
バス(midbass)周波数である。
【0020】 1つの実施形態では、2つのチャンネルに共通していないエネルギーとは異な
るやり方で、2つのステレオチャンネルに共通のオーディオ情報を変更する。両
方の入力信号に共通のオーディオ情報は結合された信号と呼ばれる。1つの実施
形態では、エンハンスメントシステムは、結合された信号の位相および周波数の
振幅をスペクトル的に形成して、オーディオ情報がステレオである知覚を取り除
かずに高振幅の入力信号から生じるクリッピングを低減する。
【0021】 後でより詳しく記載するように、サウンドエンハンスメントシステムの1つの
実施形態では、結合された信号を種々のフィルタを使用してスペクトル的に形成
して、エンハンスされた信号を生成する。この実施形態では、結合された信号内
の選択された周波数バンドをエンハンスすることによって、スピーカのバンド幅
が実際のスピーカのバンド幅より広いと知覚される。
【0022】 サウンドエンハンスメント装置の1つの実施形態では、2つのステレオチャン
ネル用のフィードフォワード信号経路と、結合された信号経路用の4つの並列フ
ィルタを含む。4つの並列フィルタの各々は、3つの直列接続されたバイクワド
フィルタ(biquad filer)を含む6次のバンドパスフィルタを含む。これらの4
つのフィルタに対する伝達関数はとくに、オーディオ信号の低周波成分の種々の
高調波の位相および/または振幅形状を与えるように選択される。この形状は、
スピーカを通して再生されるときにオーディオ信号の知覚されるバンド幅を予期
せずに増加する。別の実施形態では、6次のフィルタはより低次のチェビシェフ
フィルタに置換される。
【0023】 スペクトルの形状は結合された信号上に現れ、次にフィードフォワード経路内
でステレオ情報と結合されるので、結合された信号の周波数は、両方のステレオ
チャンネルが影響されるように変更され、一定の周波数範囲内の信号は1つのス
テレオチャンネルから別のステレオチャンネルへ結合される。その結果、好まし
い実施形態は全体的に独特で、斬新で、予測しないやり方でエンハンスされたオ
ーディオサウンドを生成することができる。
【0024】 代わってサウンドエンハンスメント装置は、後続の信号処理段に接続される。
これらの後続段では、向上したサウンドステージまたは空間処理を行うことがで
きる。出力信号は、サウンドエンハンスメント装置の動作に影響を与えずに、録
音デバイス、電力増幅器、スピーカ、およびそれに類似するもののような他のオ
ーディオデバイスに方向付けることができる。
【0025】 さらに別の実施形態では、サウンドのエンハンスメントは第1の組の周波数を
もつ入力信号から第2の組の周波数を生成するように構成された信号プロセッサ
によって行われる。信号プロセッサは、(例えば、ディジタル信号プロセッサの
)ハードウエア、ソフトウエア、またはこの両者として構成することができる。
第2の組の周波数は、第2の組の周波数が第1の組の周波数の高調波の少なくと
も一部を含むと知覚されるように生成される。信号プロセッサは、単安定マルチ
バイブレータをドライブするゼロクロス(交差)検出器を使用して、一連のパル
スを供給する。パルスは、第1の組の周波数に対応する入力信号のゼロ交差によ
って生成される。信号プロセッサは、一連のパルスを1纏まりのバンドパスフィ
ルタに送ることによって第2の組の周波数を生成する。
【0026】 さらに別の実施形態では、サウンドエンハンスメントは、入力信号を1纏まり
のバンドパスフィルタを通して処理するように構成された信号プロセッサによっ
て供給される。選択されたバンドパスフィルタの出力は結合され、結合された信
号を生成する。結合された信号は、入力信号として自動利得制御(automatic ga
in control, AGC)増幅器のようなエキスパンダ(拡張器、拡大器)へ供給さ
れる。AGC増幅器は、増幅器の出力レベルを設定する制御入力をもつ。制御入
力は結合された信号のエンベロープに応答して設定される。
【0027】 さらに別の実施形態では、結合された信号はエキスパンダではなく、ピーク圧
縮器(コンプレッサ)へ供給される。ピーク圧縮器の出力は拡大期の入力へ供給
される。
【0028】 いくつかの実施形態では、入力信号は結合されて、結合信号を生成し、次にエ
ンハンスされて、エンハンスされた結合信号を生成する。エンハンスされた結合
信号は、元の入力信号の各々と結合されて、出力信号を生成する。別の実施形態
では、入力信号は結合されず、別々のまま維持される。別々の入力信号はそれぞ
れ別々にエンハンスされて、エンハンスされた出力信号を生成する。同じ信号処
理を使用して、結合された信号または別々の入力信号をエンハンスすることがで
きる。
【0029】 本発明のこれらの、および他の態様、長所、および斬新な特徴は、次の詳細な
記述を読み、添付の図面を参照するとき明らかになるであろう。
【0030】 発明の実施の形態 本発明は、オーディオ信号をエンハンスするための方法およびシステムに関す
る。サウンドエンハンスメントシステムは、独特のサウンドエンハンスメントプ
ロセスでサウンドの臨場感を向上する。一般的に、サウンドエンハンスメントプ
ロセスでは2つの入力信号、すなわち左側の入力信号および右側の入力信号を受
け取り、次に2つのエンハンスされた出力信号、すなわち左側の出力信号および
右側の出力信号を生成する。
【0031】 左側および右側の入力信号は1対の左側および右側の出力信号を供給するよう
に一括して処理される。とくに、エンハンスされたシステムの実施形態では、サ
ウンドの知覚されたバンド幅を広げて、エンハンスするやり方で2つの入力信号
間に存在する差を縮めて等化する。加えて、多くの実施形態では両方の入力信号
に共通しているサウンドレベルを調節して、クリッピングを低減する。都合のよ
いことには、いくつかの実施形態では簡素化された、低コストで、製造し易いア
ナログ回路で、ディジタル信号の処理を必要とせずにサウンドのエンハンスメン
トを達成する。
【0032】 ここでは好ましいエンハンスメントシステムを参照して実施形態を記載したが
、本発明はこれに制限されず、サウンドエンハンスメントシステムの異なる実施
形態を異なる情況に適応させることが望ましい種々の他のコンテキストで使用す
ることができる。サウンドエンハンスメントシステムの概要 図1はサウンドエンハンスメントシステム104を含むサウンドエンハンスメン
トシステム100のブロック図である。サウンドエンハンスメントシステム100はサ
ウンド源102、サウンドエンハンスメントシステム104、オプションの信号処理シ
ステム106、オプションの増幅器108、スピーカ110、および聴者112を含む。サウ
ンド源102の出力はサウンドエンハンスメントシステム104の入力に与えられる。
サウンドエンハンスメントシステム104の出力はオプションの処理システム106の
入力に与えられる。オプションの信号処理システム106の出力は増幅器システム1
08の入力に与えられる。増幅器システム108の出力はスピーカシステム110の入力
に与えられる。スピーカシステム110の音響出力は聴者112に与えられる。
【0033】 信号源102には、例示的にステレオ受信機、ラジオ、コンパクトディスクプレ
ーヤ、ビデオカセットレコーダ(video cassette recorder, VCR)、オーデ
ィオ増幅器、シアターシステム、テレビジョン、レーザディスクプレーヤ、ディ
ジタル多用途ディスク(DVD)プレーヤ、録音および予め録音されたオーディ
オの再生用デバイス、マルチメディアデバイス、コンピュータゲーム、およびそ
れに類似するものを含むことができる。信号源102は一般的に1組のステレオ信号
を生成し、一方で信号源102はステレオ信号に制限されないことを理解すべきで
ある。したがって他の実施形態では、信号源102はモノフォニックまたはマルチ
チャンネル信号を生成するオーディオシステムのような多様なオーディオ信号を
生成することができる。
【0034】 信号源102は信号(例えば、左側および右側のステレオチャンネル)をサウン
ドエンハンスメントシステム104へ供給する。サウンドエンハンスメントシステ
ム104は低周波オーディオ情報を左側および右側チャンネルを変更することによ
ってエンハンスする。他の実施形態では、左側および右側のチャンネルの入力信
号はステレオ信号を必要とせず、多様なオーディオ信号を含むことができ、この
このようなオーディオ信号には、例えばドルビー研究所のプロロジックシステム
(Dolby Laboratories Pro-Logic System)があり、これはマトリックス化方式
を使用して、4以上の別々のオーディオチャンネルを2つのみのオーディオ録音
トラック上に記憶する。オーディオ信号にはサラウンドサウンドシステムも含む
ことができ、サラウンドサウンドシステムでは別々の前方および後方のオーディ
オチャンネルを完全に伝えることができる。1つのこのようなシステムはドルビ
ー研究所の“AC−3”と呼ばれている5チャンネルディジタルシステムである
【0035】 1つの実施形態では、左側および右側チャンネルの和を含むオーディオ情報は
結合された情報、または結合された信号と呼ばれる。1つの実施形態では、結合
された信号における周波数のスペクトル高調波を形成し、次に形成された結合さ
れた信号の一部を左側および右側のチャンネルへ挿入して、一方または他方のチ
ャンネルにおける低周波で高い振幅の入力信号を生成するクリッピングを生成す
る。
【0036】 オプションのオーディオ処理システム106は、例えばデコーディング、エンコ
ーディング、等化、サラウンドサウンド処理、などを含む他のオーディオ処理を
行うことができる。増幅器システム108はチャンネルを増幅し、増幅された信号
をスピーカシステム110へ供給する。スピーカシステムは1以上のスピーカを含む
【0037】 図2は典型的なマルチメディアコンピュータシステム200を示し、これは本発
明の実施形態を使用して、1対の小型のデスクトップコンピュータのスピーカ210
によって生成されるオーディオパフォーマンスを向上することができる。スピー
カ210はコンピュータユニット204内のプラグインカード206に接続されている。
プラグインカード206は一般的に図5に示したサウンドカードのようなサウンド
カードであるが、オーディオ出力を生成するコンピュータインターフェイスカー
ドであってもよく、コンピュータインターフェイスカードには無線カード、テレ
ビジョンチューナーカード、PCMCIAカード、内部モデム、プラグインディ
ジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor, DSP)カード、などを含
む。コンピュータのユーザ202は、コンピュータ204を使用して、プラグインカー
ド206によってオーディオ信号を生成し、このオーディオ信号はスピーカ210によ
って音響波へ変換されるコンピュータプログラムを実行する。
【0038】 マルチメディアコンピュータシステムによって使用されるスピーカ210は一般
的に、小型で廉価であるように設計された小型のデスクトップユニットであり、
したがって低周波の相当な音圧を生成する能力をもたない。マルチメディアコン
ピュータに使用される一般的な小型スピーカシステムは約200ヘルツでロール
オフする音響出力応答をもつ。図3は、人間の耳の周波数応答にほぼ対応する曲
線306を示す。図3はさらに、高周波数を再生する高周波ドライバ(ツイータ)
と、中および低域音の周波数を再生する4インチミッドバスドライバ(ウーファ
)とを使用する一般的な小型コンピュータスピーカシステムの測定された応答30
8を示している。2つのドライバを使用するこのようなシステムは、しばしばツ
ーウエイシステムと呼ばれる。2以上のドライバを使用するスピーカシステムは
当業者に知られており、本発明の実施形態で使用する。単一のドライバを使用す
るスピーカシステムも知られており、これも本発明で使用する。応答308は長方
形のグラフ上に示され、このグラフにおいてX軸は20ヘルツないし20キロヘ
ルツの周波数を示している。この周波数バンドは正規の人間の聴覚範囲に対応し
ている。図3のY軸は0デシベルないし50デシベルの正規の振幅応答を示して
いる。曲線308は約2キロヘルツないし10キロヘルツの中間の範囲の周波数バ
ンドにおいて比較的に平坦であり、10キロヘルツ以上ではロールオフを示して
いる。低周波の範囲では、曲線308は低周波のロールオフを示しており、この低
周波のロールオフは約200ヘルツないし2キロヘルツのミッドバスバンドで始
まり、したがって200ヘルツ未満ではスピーカシステムは音響出力をほとんど
生成しない。
【0039】 図3に示した周波数バンドの位置は、例として用いたものであり、制限するた
めに使用するものではない。ディープバスバンド(deep bass band)、ミッドバ
スバンド(midbass band)、ミッドレンジバンド(midrange band)の音響周波数の
範囲はスピーカ、およびスピーカが使用されている応用にしたがって変化する。
ディープバスという用語は一般的に、スピーカが、高周波数でスピーカの出力と
比較して、例えばミッドバスバンドにおいて、より精度の低い出力を生成すると
きに、バンド内の周波数を指すのに使用される。ミッドバスバンドという用語は
一般的に、ディープバスバンドより高い周波数を指すのに使用される。ミッドレ
ンジという用語は一般的に、ミッドバスバンドよりも高い周波数を指すのに使用
される。
【0040】 多くのコーンタイプのドライバは、コーンの直径が音響サウンドウエーブの波
長よりも小さい場合に低周波の音響エネルギーを生成するときに非常に非効率的
である。コーンの直径が波長よりも短いとき、コーンから均一の音圧レベルの音
響出力を維持するには、周波数がドロップする各オクターブ(2のファクタ)に
対して4のファクタだけ増加するコーンエクスカーションを必要とする。ドライ
バの最大の許容可能なコーンエクスカーションは、ドライバへ供給される電力を
単にブーストすることによって低周波応答を向上することを試行するとき、素早
く達成される。
【0041】 したがってドライバの低周波出力は一定の制限値を越えて増加できず、したが
って大抵の小型スピーカシステムの低周波サウンドの品質は低くなる。曲線308
は、直径約4インチの低周波ドライバを使用する最も小型のスピーカシステムの
典型である。大型ドライバを備えたスピーカシステムは、曲線308に示した周波
数よりも幾分低い周波数の測定可能な音響出力を生成し易く、より小型の低周波
ドライバを備えたシステムは一般的に、曲線308に示したほど低い出力を生成し
ない。
【0042】 上述のように、最近ではシステムの設計者は、低周波応答を拡張したスピーカ
システムを設計するときにほとんど選択肢をもたない。既知の解決案はコスト高
であり、生成されるスピーカはデスクトップには大きすぎる。低周波の問題に対
する1つの一般的な解決案は、サブウーファの使用であり、サブウーファは普通
コンピュータシステム近くのフロア上に置かれている。サブウーファは適切な低
周波出力を供給できるが、コスト高であり、廉価なデスクトップのスピーカと比
較して比較的に一般的でない。
【0043】 本発明の実施形態では、直径の大きいコーンのもつドライバ、またはサブウー
ファを使用するのではなく、人間の聴覚系の特徴を使用して、小型システムの低
周波の限界を克服し、低周波音響エネルギーがスピーカシステムによって生成さ
れないときでも、このようなエネルギーを知覚する。
【0044】 人間の聴覚系は非線形であることが知られている。非線形システムは、単独で
置かれおり、システムにおいて入力が増加しても、出力は比例して増加しない。
したがって、例えば、耳において音響の音圧レベルを2倍にしても、サウンド源
の音量を2倍にされたと知覚されない。事実、人間の耳は、第1の近似において
、音響エネルギーの強度ではなく、電力に応答する2乗デバイスである。このよ
うに聴覚機構が非線形であるので、音響波の実際の周波数の上音または高調波と
して聞き取られる相互変調周波数を生成する。
【0045】 人間の耳の非線形性の相互変調効果は図4Aに示し、これは2つの純音(ピュ
アトーン)の理想的な振幅スペクトルを示している。図4Aのスペクトル図にお
いて、第1のスペクトルライン404は、スピーカドライバ(例えばサブブーファ)
によって50ヘルツで生成される音響エネルギーに対応する。第2のスペクトル
ライン402は、60ヘルツで示した。ライン404および402は、ドライバによって
生成される実際の音響エネルギーに対応する実際のスペクトルラインであり、他
の音響エネルギーは存在しないと仮定する。それにも関わらず、人間の耳は、本
質的に非線形であるために、2つの実際のスペクトル周波数の和と2つの周波数
スペクトル間の差とに対応する相互変調の積を生成する。
【0046】 例えば、スペクトルライン404および402によって表わされる音響エネルギーを
聴いている人は音響エネルギーを、音響ライン406によって示したように50ヘ
ルツで、スペクトルライン406によって示したように60ヘルツで、スペクトル
ライン410で示したように110ヘルツで知覚する。スペクトルライン410は、ス
ピーカによって生成された実際の音響エネルギーに対応しないが、むしろ耳の非
線形性によって耳の内側に生成されたスペクトルラインに対応する。ライン410
は、2つの実際のスペクトルラインの和である110ヘルツ(110ヘルツ=5
0ヘルツ+60ヘルツ)の周波数で現れる。耳の非線形性は、10ヘルツ(10
ヘルツ=60ヘルツ−50ヘルツ)の異なる周波数でもスペクトルラインを生成
するが、このラインは人間の聴覚のラインよりも低いので知覚されないことに注
意すべきである。
【0047】 図4Aは、人間の耳の相互変調のプロセスを示しているが、実際のプログラム
材料(マテリアル)、例えば音楽と比較すると、幾分簡素化されている。音楽の
ような一般的なプログラム材料は、高調波において豊富であり、とても豊富であ
るので、大抵の音楽は図4Bに示したようにほとんどの連続するスペクトルを示
す。図4Bは、図4Aに示したように実際の音響エネルギーと知覚された音響エ
ネルギーとの同じタイプの比較を示しているが、図4Bの曲線は連続的なスペク
トルで示されていることが異なる。図4Bは実際の音響エネルギー曲線420と対
応する知覚されたスペクトル430とを示す。
【0048】 大抵の非線形のシステムでは、システムが大きいエクスカーション(例えば、
大きい信号レベル)を行うときに、小さいエクスカーションを行うときよりも耳
の非線形性は顕著である。したがって人間の耳において、鼓膜および耳の他の要
素が比較的に大きい機械的エクスカーションを行うとき、より低い音量レベルで
も、非線形性は低周波においてより顕著である。したがって、図4Bは実際の音
響エネルギー420と知覚される音響エネルギー430との間の差は、低周波範囲にお
いて最大になり易く、より高い周波数範囲において比較的に小さくなることを示
している。
【0049】 図4Aおよび4Bに示したように、多数の音または周波数を含む低周波の音響
エネルギーが生成され、ミッドバスレンジの音響エネルギーは実際に存在するよ
りも多くのスペクトル成分を含む。人間の脳は、情報が失われていると考えられ
る情況に直面するとき、下意識レベルで失われている情報を“穴埋めする(fill
in)”試行をする。この穴埋め現象は、多くの光学的錯覚の基本である。本発
明の1つの実施形態では、実際には存在しない低周波情報で穴埋めして、この低
周波情報のミッドバス効果を脳に与えることによって脳を錯覚させることができ
る。
【0050】 言い換えると、低周波の音響エネルギー(例えば、スペクトルライン410)が
存在していたとして、耳によって生成された高調波を脳が送られたとすると、右
側の情況下では、脳が存在しているに違いない(“must”)と考える低周波
スペクトルライン406および408を下意識で穴埋めすることになる。この穴埋めプ
ロセスは、検出器効果として知られている人間の耳の非線形性の別の効果によっ
て増補される。
【0051】 人間の耳の非線形性によって、耳は、振幅変調(Amplitude Modulation, AM
)受信機のダイオード検出器に類似する検出器のようにも働く。ミッドバスレン
ジの高調波はディープバス音によって変調されるAMであるとき、耳は変調され
たミッドバスのキャリアを復調して、ディープバスのエンベロープを再生成する
。図4Cおよび4Dは、変調および復調された信号をグラフ上で示している。図
4Cは、時間軸上に、ディープバス信号によって変調されるより高い周波数キャ
リア信号(例えば、ミッドバスキャリア)を含む変調信号を示す。
【0052】 より高い周波数信号の振幅は、より低い周波数の音によって変調され、したが
ってより高い周波数信号の振幅はより低い周波数音の周波数にしたがって変化す
る。耳の非線形性は信号を部分的に復調して、その結果耳はより高い周波数信号
の低周波のエンベロープを検出し、実際の音響エネルギーがより低い周波数で生
成されても、低周波音を知覚する。既に記載した相互変調効果に関して、ミッド
バスの周波数範囲、一般的に100ないし200ヘルツの下限と500ヘルツの
上限との間の範囲における信号の適切な信号処理によって検出器の効果をエンハ
ンスすることができる。適切な信号処理を使用することによって、使用するスピ
ーカが低周波の音響エネルギーを生成できないか、または能力が不十分であって
も、このような低周波の音響エネルギーを知覚するサウンドエンハンスメントシ
ステムを設計することができる。
【0053】 スピーカによって生成される音響エネルギーに存在する実際の周波数を知覚す
ることは、1次の効果であると考えられる。このような高調波が相互変調の歪み
または検出によって生成されても、されなくても、実際の音響周波数内に存在し
ない追加の高調波を知覚することは、2次の効果であると考えられる。
【0054】 サウンドエンハンスメントシステムにおいて使用される実際の信号処理の詳細
を記述する前に、参考としてシステムのいくつかの構成を検討する。サウンドエ
ンハンスメントシステムはマルチメディアコンピュータシステムに制限されず、
オーディオ信号の多くの源および多くの異なるタイプのスピーカ、例えばブーム
ボックス、ミニコンポステレオシステム、テレビジョンシステム、ラジオ、およ
び家庭用または商用のより大型のスピーカで使用することができる。しかしなが
ら不適切なスピーカを備えたマルチメディアコンピュータシステムが普及してお
り、サウンドエンハンスメントシステムをマルチメディアコンピュータをアップ
グレードするソフトウエアとして構成できるので、マルチメディアコンピュータ
および他の廉価なシステムは、本発明のいくつかの実施形態の魅力的なプラット
フォームになる。
【0055】 図5は、一般的なマルチメディアコンピュータシステム500がサウンドカード5
10、スピーカシステム512、およびサウンドスピーカシステム514を備えているこ
とを示すブロック図である。コンピュータシステム500は、データメモリ媒体506
、プロセッサ502、およびサウンドカード510を含み、これらは全て入力/出力(
I/O)バス508に接続されている。プログラムおよびデータを記憶するための
主メモリ504は、一般的に別々のメモリバスによってプロセッサ502に接続される
。サウンドカード510はI/O制御モジュール520を含み、I/O制御モジュール
520はデータバス508に接続され、データバス508と通信するのに必要な機能を用
意している。サウンドカード510内では、双方向データ経路はI/O制御モジュ
ール520をデータルータ522へ接続して、サウンドカードおよびI/O制御モジュ
ール520の種々の内部データ経路からデータの多重化(マルチプレックス)およ
び多重分離(デマルチプレックス)を行う。
【0056】 ルータ522の第1の出力は、データを第1の合成(シンセシス)モジュール524
へ与え、通常はFM合成またはウエーブテーブル合成(シンセシス)の何れかに
よってサウンドを生成する。第1の合成モジュール524の出力は、第1の利得制御
534を通って第1のミキサ(加算器)528へ与える。ルータ522の第2の出力は第1
のディジタル信号プロセッサ(Digital Control Processor, DSP)525の入力
へデータを供給する。第1のDSP525の出力は、第1のディジタル−アナログ
コンバータ(digital-to-analogue converter, DAC)526の入力へ与える。D
SP525はオプションであり、全てのサウンドカード上で見られるわけではない
。DSP525をもたないカード上では、ルータ522の出力は第1のディジタル−ア
ナログコンバータ526の入力に直接に接続することができる。第1のDAC526の
出力は、利得制御536を介してミキサ528の入力へ接続される。ミキサ258の出力
は利得制御530を介して第1の電力増幅器520へ接続される。第1の電力増幅器52
0の出力はスピーカシステム512へ与えられる。
【0057】 ルータ522の第3の出力は、第2の合成モジュール544へデータを与える。第2
の合成モジュール544の出力は利得制御554を介して第2のミキサ548へ供給され
る。ルータ522の第3の出力は第2のディジタル信号プロセッサ(Digital Signa
l Processor, DSP)545の入力へデータを与える。第2のDSP545の出力は
第2のDAC526の入力へ与えられる。DSP545はオプションであり、用意され
ていないときは、ルータ522の出力は第2のDAC526の入力へ与えられる。DS
P545はオプションであり、用意されていないときは、ルータ522の出力は第2の
DACコンバータ546の入力へ直接に接続することができる。いくつかのサウン
ドカードには、DSP525とDSP545とを結合した単一のDSPを用意してもよ
い。第2のDAC546の出力は、利得制御556を介してミキサ548の入力へ接続さ
れる。ミキサ548の出力は利得制御550を介して第2の電力増幅器540へ接続され
る。電力増幅器540の出力はスピーカシステム514へ与えられる。
【0058】 サウンドカード510の内部構造は簡素化され、サウンドカードを使用して、本
発明の種々の実施形態および特徴を実行することをより効果的に示している。サ
ウンドカードは、アナログ−ディジタルコンバータ(analog-to-digital conver
ters, ADC)(図示されていない)に接続され、ユーザがサンプル取りされた
ディジタルデータをアナログディジタル源から生成できるようにする入力として
追加の能力をもつこともできる。サウンドカード510はさらに、ジョイスティッ
クに接続するための入力/出力ポート、およびMDIポートをもつ楽器に接続す
るためのMDI入力/出力ポートを用意してもよい。サウンドカード510は、ラ
イン入力ポート、ライン出力ポート、さらにCDプレーヤおよびディジタルオー
ディオテープ(Digital Audio Tape, DAT)ドライブのようなデバイスからオ
ーディオ入力用の入力ポートを用意している。サウンドカード510にはさらに、
合成器(シンセサイザ)524および544の動作をプログラムするDSP能力を用意
してもよい。合成器524および544は、DSP525および544を使用することによっ
てプログラムすることができるか、またはサウンドカード510は合成器524および
544の動作をプログラムする他のDSP資源を用意してもよい。本発明のいくつ
かの実施形態は、図5に示したように、サウンドカード510によって用意された
DSPプロセッサ上で実行するソフトウエアを含んでもよい。その代わりに、全
体的なサウンドカードの機能は、パーソナルコンピュータのマザーボード上で見
られるディジタル信号プロセッサのような単一のチップで実現することができ、
データバス、メモリバス、マルチメディアバス、ユニバーサルシリアルバス、フ
ァイバワイヤバス、または他の入力/出力バスに直接に接続することができる。
【0059】 メモリ504にロードされ、プロセッサ502上で実行されるマルチメディアプログ
ラムはサウンドカード510を使用して、スピーカ512および514によってサウンド
(音響エネルギー)に変換されるオーディオ信号を生成する。オーディオ信号は
、合成器524および544へ命令を送ることによって生成することができる。第1の
合成器524によって生成されるオーディオ信号は、利得制御段534、ミキサ528、
利得制御530、電力増幅器520を通り、次にスピーカ512によって音響エネルギー
へ変換される。利得制御556と550、ミキサ548、および電力増幅器540を含む同様
の信号処理経路は、第2の合成器544によって生成されるオーディオ信号に対し
て与えられる。
【0060】 マルチメディアプログラムはさらに、DAC526および546を使用して、直接的
なディジタル−アナログ変換によってディジタル化されたオーディオデータから
オーディオ信号を生成することができる。ディジタル化されたオーディオデータ
は、記憶媒体506、または主メモリ504上に記憶することができる。記憶媒体506
は、データを記憶する装置、例えばディスクドライブ、コンパクトディスク(C
D)、DVD、DATドライブ、などであってもよい。メモリ媒体上に記憶され
るディジタル化されたオーディオデータは、パルスコード変調(Pulse Code Mod
ulation, PCM)を含む生の形態か、または適応パルスコード変調(Adaptive
Pulse Code Modulation, ADPCM)を含む圧縮された形態で記憶することが
きる。マイクロソフトウインドウズのオペレーティング環境のもとでファイルシ
ステムを提供するハードディスクまたは他のメモリ媒体(例えば、CD−ROM
)上に記憶されるディジタル化されたオーディオデータは一般的に*.wav(なお
”はワイルドカードのファイル名を示す)というファイル名をもつ“wave”
ファイルとして当業者の間で知られているファイルフォーマット内に記憶される
【0061】 図6Aは、サウンド源600からサウンドを生成するプロセスを生成するブロッ
ク図である。ディジタル源600は、例えばアナログ−ディジタルコンバータ、D
SP、コンパクトディスクプレーヤ、レーザディスクプレーヤ、ディジタル多用
途ディスク(DVD)プレーヤ、録音および予め録音されたオーディオの再生用
デバイス、マルチメディアデバイス、コンピュータプログラム、波動(ウエーブ
)ファイル、コンピュータゲーム、およびそれに類似するものを含むディジタル
化されたオーディオ源であってもよい。ディジタルデータは、ディジタル源600
によってディジタル−アナログコンバータ602へ与えられ、ディジタル−アナロ
グコンバータ602はこのディジタルデータを出力アナログ信号へ変換する。コン
バータ602は出力アナログ信号を、電力増幅器、スピーカ、他の信号プロセッサ
、などのような他のアナログデバイスへ与える。
【0062】 図6Bは、本発明の1つの実施形態にしたがうサウンドエンハンスメントシス
テムを示すブロック図である。図6Bにおいて、ディジタル源600からのデータ
はサウンドエンハンスメントブロック601へ供給されて、ディジタル化されたサ
ウンドに対して信号処理を行ない、ディジタル化されたサウンドを変更して、ス
ピーカの知覚された低周波応答を向上する。変調されたディジタルデータはサウ
ンドエンハンスメントブロック601からディジタル−アナログ変換ブロック602へ
送られ、ここでディジタルデータはアナログ信号へ変換される。アナログ信号は
ブロック602から、他のアナログデバイス、例えばスピーカ、電力増幅器、あま
たは他の信号処理デバイスへ供給される。ブロック601における信号処理の実行
は、汎用ディジタルコンピュータ、例えばプロセッサ502によって、またはDS
P525および545のようなDSPによって行われる。
【0063】 例えば、処理はコンピュータのメモリにロードされたソフトウエア、Texas In
struments Inc.によって製造されたDSP(例えば、TMS320xxシリーズ
)、他の製造者によって供給されたDSP、Chromatic Research Inc.によって
供給されたMPACTマルチメディアプロセッサのようなマルチメディアプロセ
ッサ、またはペンティアム(登録商標)プロセッサ、ペンティアムプロプロセッ サ、8051プロセッサ、MIPSプロセッサ、パワーPCプロセッサ、ALP HAプロセッサ、などのようなプロセッサで達成することができる。
【0064】 1つの実施形態では、信号処理ブロック601はプロセッサ502上のソフトウエア
内に全体的に実行されている。プロセッサ502上で実行されているコンピュータ
プログラムによって生成されるディジタルデータ(例えば、ウエーブファイルか
らのデータ)は、ブロック601によって表わされる機能性を用意した別々の信号
処理プログラムに与えられる。別々の信号処理プログラムはディジタルデータを
変更して、変更されたディジタルデータを、ディジタル−アナログコンピュータ
ブロック602へ供給し、ディジタル−アナログコンピュータブロック602はサウン
ドカード510の一部であってもよい。この純粋なソフトウエアの実施形態は、マ
ルチメディアコンピュータシステム上のユーザ、例えば図2に示したユーザ202
に低コストの方法を用意して、マルチメディアコンピュータへ取り付けられたス
ピーカの明らかな低周波応答を拡張する。
【0065】 別のソフトウエアの実施形態では、ブロック601によって表わされる処理は、
コンピュータに取り付けられたサウンドカード内においてDSPによって行われ
る。したがって例えば、信号処理ブロック601によって表わされる処理は図5に
示したサウンドカード510内のDSP525およびDSP545によって実行される。
DSP525およびDSP545によって表わされる機能性は、単一のDSP内で結合
される。本発明のソフトウエアの実施形態は、ほとんどコストをかけないで実行
できるので魅力的である。
【0066】 しかしながらハードウエアの実施形態も本発明の技術的範囲内に含まれる。図
7は本発明のハードウエアの実施形態のブロック図であり、サウンドエンハンス
メント機能はサウンドエンハンスメントユニット704によって用意される。サウ
ンドエンハンスメントユニット704は信号源702からオーディオ信号を受け取る。
信号源702は、図1に示した信号源102、または図5に示したサウンドカード510
を含む信号源である。サウンドエンハンスメントユニット704は、信号処理を行
ない、受け取ったオーディオ信号を変更し、オーディオ出力を生成し、これはス
ピーカ、増幅器、または他の信号処理デバイスへ供給される。信号処理 図8は、図7に示したサウンドエンハンスメントユニット704、図6Bに示し
たサウンドエンハンスメントブロック601、および図1に示したサウンドエンハ
ンスメントシステム104のような種々の信号処理ブロックによって実行される低
周波のエンハンスメント信号処理の実施形態のブロック図800である。図8は、
本発明の実施形態の信号処理動作を実行するDSPまたは他のプロセッサを実行
するプログラムを記述したフローチャートとしても使用される。
【0067】 図8は2つの入力、すなわち左側のチャンネル入力802および右側のチャンネ
ル入力804を示している。図8に示した信号処理の2つのチャンネルは、正規の
左側および右側チャンネルにしたがって左側チャンネルおよび右側チャンネルと
いう用語で記載されることが好都合であるが、本発明はこのように制限されず、
2以上のチャンネルをもつシステム、およびチャンネルがステレオの左側および
右側チャンネルに対応しないシステムを含む。
【0068】 入力802および804の両方は、加算器806へ与えられ、加算器806が生成する出力
は、2つの入力の組合せであり、2つの入力の線形の和である。加算器806の出
力は増幅器808へ与えられる。増幅器808の利得は所望の値に調節することができ
る。加算器806および増幅器808はさらに、単一の加算増幅器へ結合されて、こ
れには2つの入力および利得の和を与えることができる。
【0069】 増幅器808の出力は、ローパスフィルタ810へ供給される。ローパスフィルタ81
0の出力は、第1のバンドパスフィルタ812、第2のバンドパスフィルタ813、第
3のバンドパスフィルタ814、および第4のバンドパスフィルタ815に与えられる
。各バンドパスフィルタ812ないし815の出力は、それぞれ増幅器816ないし819へ
与えられ、各バンドパスフィルタは1つの増幅器をドライブする。各増幅器816
ないし819の出力は加算器820へ接続されて、増幅器の出力の和である出力を生成
する。
【0070】 増幅器820の出力は左側チャンネルの加算器824の第1の出力へ与えられ、増幅
器820の出力は右側チャンネル加算器832の第1の入力へ与えられる。左側チャン
ネルの入力802は左側チャンネルの加算器824の第2の入力へ与えられ、右側チャ
ンネルの入力804は右側チャンネルの加算器832の第2の入力へ与えられる。左側
チャンネルの加算器824と右側チャンネルの加算器832の出力はそれぞれ、信号処
理ブロック図800の左側および右側チャンネルの出力である。
【0071】 ローパスフィルタ810のロールオフの周波数およびレートは、マルチメディア
スピーカによって合理的に生成できる最低周波よりも高い適切な数のミッドバス
の高調波を供給するように選択される。バンドパスフィルタ812ないし815はロー
パスフィルタ810によって生成される信号のスペクトルを形成して、スピーカに
よって適切に再生されない低周波信号の高調波を強調するように選択される。1
つの実施形態では、ローパスフィルタ810は2次のチェビシェフフィルタであり
、12デシベル/オクターブのロールオフは200ヘルツのロールオフ周波数を
もつ。一般的に、バンドパスフィルタは100ヘルツ、150ヘルツ、200ヘ
ルツ、および250ヘルツの周波数にスタガー同調される。1つの実施形態では
、バンドパスフィルタ812ないし815は、図9に示したように構成される第2のチ
ェビシェフフィルタである。
【0072】 図9は、入力902および出力918をもつ2次のチェビシェフフィルタの回路図で
ある。入力902はレジスタR1 904の第1の端末に与えられている。レジスタR
1 904の第2の端末は、レジスタR2 906の第1の端末、入力キャパシタ912
の第1の端末、およびフィードバックキャパシタ910の第1の端末に与えられて
いる。入力キャパシタ912の第2の端末は演算増幅器(オペアンプ)914の反転入
力およびレジスタR3 908の第1の端末へ接続される。オペアンプ914の非反転
入力は接地接続されている。オペアンプ918の出力はフィードバックキャパシタ9
10の第2の端末、フィードバックレジスタ908の第2の端末、および出力918へ接
続されている。1つの実施形態において、入力キャパシタ912およびフィードバ
ックキャパシタ910の両者は0.1マイクロファラドキャパシタである。
【0073】 表1は、図9に示した回路にしたがうバンドパスフィルタ812ないし815に使用
される中心周波数および回路の値を記載している。図10は、バンドパスフィル
タの伝達関数の全体的な形状を示している。図10は、それぞれバンドパスフィ
ルタ812ないし815に対応するバンドパス伝達関数1002、1004、1006、および1008
を示している。
【0074】
【表1】
【0075】 増幅器816、817、818、および819は2の利得に設定される。したがってミキサ
820の出力、および信号821は、約100ヘルツないし250ヘルツの範囲内でフ
ィルタにかけられて、処理される左側および右側のステレオチャンネルの和を含
むオーディオ信号である。この処理された信号は、それぞれミキサ824および832
によって左側および右側のステレオチャンネルのフィードフォワード経路へ加え
られる。信号821は左側および右側の両方のチャンネル情報を含むので、信号821
を加えて、左側および右側チャンネルへ戻すことにより、一部の左側チャンネル
のオーディオ信号を右側チャンネルへ導き、またこの逆を行うことになる。した
がって、2つのチャンネルを幾分等価する効果がある。
【0076】 図11は、サウンドエンハンスメントシステムの別の信号処理の実施形態を示
している。図11に示した実施形態は、多くの様式において図8の実施形態に類
似しているが、図11の実施形態では、4つのバンドパスフィルタがゼロ交差検
出器1110によってトリガされる単安定マルチバイブレータ1112によってドライブ
されることが異なる。図11は、2つの入力、左側チャンネルの入力1103、およ
び右側チャンネルの入力1101を示す。図8において、図11に示した信号処理の
2つのチャンネルは、便宜上、左側チャンネルおよび右側チャンネルに関して記
載したが、これに制限されない。
【0077】 加算器1102には入力1103および1101の両者が用意されており、加算器1102が生
成する出力は、2つの入力の組合せであり、2つの入力の線形の和である。加算
器1102の出力は、1の利得をもつ増幅器1103へ供給される。しかしながら増幅器
1103の利得は、所望の値に調節することができる。増幅器1103の出力はローパス
フィルタ1104へ与えられ、約100ヘルツの周波数を遮断する。ローパスフィル
タ1104の出力は、ピーク増幅器1106、および約0.05の利得をもつ増幅器1108
に与えられる。ピーク検出器1106は0.25ミリ秒の減衰値定数をもつ。増幅器
1108の出力は、ゼロ交差検出器(zero crossing detector, ZCD)1110へ与え
られる。ZCD1110の出力は単安定マルチバイブレータ1112のトリガ入力へ与え
られて、単安定マルチバイブレータ1112は、ローパスフィルタ1404の出力がゼロ
になるたびにトリガされる。
【0078】 トリガされると、単安定マルチバイブレータ1112は150ミリ秒のパルスを生
成する。単安定マルチバイブレータ1112の非反転出力はマルチプライヤ1114の第
1の入力、および単極単投(single-pole single-throw, SPST)電圧制御
スイッチ1116の制御入力へ与えられ、その結果スイッチ1116は単安定バイブレー
タ1112の非反転出力が高いときはいつでも閉じられる。マルチプライヤの第2の
入力はピーク検出器1106の出力によって与えられる。マルチプライヤ1114の出力
はスイッチ1114の第1の端末に与えられる、スイッチ1114の第2の端末は第1の
バンドパスフィルタ1118、第2のバンドパスフィルタ1119、および第3のバンド
パスフィルタ1120、および第4のバンドパスフィルタ1121へ与えられる。各バン
ドパスフィルタ1118ないし1121の出力はそれぞれ増幅器1126ないし1129の入力へ
与えられ、各バンドパスフィルタは1つの増幅器をドライブし、各増幅器は効果
的に2の利得をもつ。各増幅器1126ないし1129の出力はミキサ1134へ与えられ、
増幅器1126ないし1129の増幅器の出力の和である出力を生成する。ミキサ1134の
出力は約200ヘルツの周波数を遮断するローパスフィルタ1136の入力へ与えら
れる。ハイパスフィルタ1142および1144の両者は約125ヘルツの周波数を遮断
する。
【0079】 ミキサ1134の出力は、左側チャンネルの加算器1140の第1の入力および右側チ
ャンネルの加算器1144の第1の入力に与えられる。左側チャンネルの入力1103は
右側チャンネルの加算器1140の第2の入力へ与えられ、右側チャンネルの入力11
01は右側チャンネルの加算器1144の第2の入力へ与えられる。左側チャンネルの
加算器1140の出力はハイパスフィルタ1142の入力へ与えられ、ハイパスフィルタ
1142の出力は左側チャンネルの出力1150へ与えられる。右側チャンネル加算器11
44の出力はハイパスフィルタ1146の入力へ与えられ、ハイパスフィルタ1146の出
力は左側チャンネル1148の出力へ与えられる。
【0080】 図11のシステムはローパスフィルタ1104の出力のゼロ交差に基いてパルスを
生成する。パルスはフィルタ1118ないし1121へ与えられ、それによってフィルタ
に“リング(ring)”を生じさせて、主として100ないし300ヘルツの範囲
の高調波周波数を生成する。パルスは入力ローパスフィルタにかけられた入力信
号のゼロ交差によって生成されるので、フィルタ1118ないし1121によって生成さ
れる高調波は入力波形の低周波成分の高調波である。したがって図11のシステ
ムは、低周波の情報が音響エネルギーに変換されたときに、人間の耳によって生
成されるものに類似した高調波成分を生成する。生成された高調波は加算器1140
および1144によって正規の左側および右側チャンネルの情報と混合され、ハイパ
スフィルタにかけられて、残りの低周波信号を取除き、スピーカへ送られる。加
算された高調波は、聴者の脳によって音響波内の低周波成分に対応すると解釈さ
れる。
【0081】 本発明のさらに別の実施形態では、バンドパスフィルタによってドライブされ
る増幅器(例えば、図8の増幅器816ないし819)は自動利得制御ブロックと置換
され、自動利得制御ブロックは入力オーディオ信号の低周波成分の大きさによっ
て制御される。前記利得制御を達成するのに使用される信号処理要素を調べる前
に、最初に入力および出力オーディオ信号上の利得制御の効果を検討して、処理
をより良く理解することが有用である。この実施形態は2つのやり方でミッドバ
スの高調波(例えば、約100ヘルツないし250ヘルツの高調波)をエンハン
スする。この範囲内のスペクトルは、話し手が再生するには低すぎる周波数(例
えば、100ヘルツ以下の周波数)の入力信号のエネルギー量にしたがって、リ
フトされ、フラットにされる。100ヘルツ以下の周波数内にエネルギーがほと
んどないときは、スペクトルはほとんど変更されない。100ヘルツ以下の周波
数内に多くのエネルギーがあるときは、スペクトルはミッドバスレンジ内で相当
にリストされ、フラットにされることになる。リフティングおよびフラットニン
グは、音響利得制御(automatic gain control, AGC)回路を使用して生成さ
れるエンハンスメントファクタによって達成される。ミッドバスレンジを含む周
波数は変化し、ここに与えられた周波数範囲は例示的に与えられたものであり、
制限することを意図されていないことに注意すべきである。
【0082】 図12Aは、大きい低周波成分をもつ入力信号1202が存在するとき、スタガー
同調されたバンドパスフィルタの利得の制御を使用して、エンハンスメントファ
クタ1220を生成し、どのようにしてこの目的を達成するかを示す。周波数ドメイ
ン内に示された例示的な入力信号1202は40ヘルツ近くで最大ピークとなる(例
えば、バスギターの最も低い音符(lowest note))。1202のスペクトルの振幅
は次第に小さい値に低下し、振幅は増加する。4つのバンドパスの曲線1204、12
06、1208、および1210を使用して、約100ヘルツ、150ヘルツ、200ヘル
ツ、および250ヘルツに同調される4つのバンドパスフィルタの伝達関数を表
わす。各バンドパスフィルタの利得(曲線1204、1206、1208、および1210の高さ
によって表わされる)は、別々のAGCによって制御されると仮定される。次に
各AGCは、(サブバンドレンジにおいて)100ヘルツ以下の曲線1202の振幅
によって制御される。
【0083】 周波数範囲において、入力オーディオスペクトルが、サブバンドレンジの振幅
とほぼ同じ振幅をもつとき、AGC利得は、曲線1204から分かるようにほぼ均一
である。周波数範囲において、入力オーディオスペクトルがサブバスレンジより
も相当に少ない振幅をもつときは、AGC利得は、曲線1210から分かるように増
加する。エンハンスメントファクタ1220は本質的に、曲線1204、1206、1208、お
よび1210によって表わされる複合伝達関数である。図12Bは、エンハンスされ
たファクタ1220を入力波形1202へ適用して、エンハンスされた波形1240を生成す
る効果を示している。波形1202は大きいサブバス振幅をもつので、エンハンスさ
れた波形1240は、入力波形1202と比較して、ミッドバスレンジ内に相当にリフト
およびフラットされる。
【0084】 図13Aおよび13Bは、図12Aおよび12Bに示したのと同じプロセスを
示しているが、エンハンスメントファクタ1270は入力波形1252から生成される。
波形1202とは異なり、波形1252は低周波エネルギーをほとんどもたず、したがっ
てエンハンスメントファクタ1270はより小さくなる。図13Bに示した出力波形
1280は、エンハンスメントファクタ1280が非常に小さいので、入力波形とほぼ同
一である。
【0085】 図14は、AGCを使用してエンハンスメントファクタを生成する低周波エン
ハンスメント処理システムの1つの実施形態のブロック図1300である。図14は
、本発明の1つの実施形態の信号処理動作を実行するDSPまたは他のプロセッ
サ上で実行されるプログラムを記載するフローチャートとしても使用することが
できる。図14は、2つの入力、すなわち左側チャンネルの入力1302および右側
チャンネルの入力1304を示している。既に記載した実施形態では、便宜的に左側
および右側という表現を使用したが、これに制限されない。加算器1306には入力
1302および1304の両方が与えられ、加算器1306が生成する出力は2つの入力の組
合せである。
【0086】 加算器1306の出力は、1の利得をもつ増幅器1308の入力に与えられる。増幅器
1308の出力は、約400ヘルツの周波数を遮断するローパスフィルタ1310に与え
られている。ローパスフィルタ1310の出力は、ポテンシオメータ1352の第1の端
末、第1のバンドパスフィルタ1312、第2のバンドパスフィルタ1313、第3のバ
ンドパスフィルタ1314、および第4のバンドパスフィルタ1315に与えられる。各
バンドパスフィルタ1312ないし1315の出力はAGC1316ないし1319のオーディオ
信号入力へそれぞれ与えられ、その結果各バンドパスフィルタは1つのAGCを
ドライブする。AGC1316ないし1319の各出力は加算器1320へ接続され、加算器
1320は、増幅器の出力の和である出力を生成する。
【0087】 ポテンシオメータ1352の第2の端末は接地接続され、ポテンシオメータのワイ
パはピーク検出器1350へ接続される。ピーク検出器1350の出力は、AGC1316な
いし1319の各制御入力へ与えられる。
【0088】 増幅器1320の出力は左側チャンネルの加算器1324の第1の入力へ与えられ、増
幅器1320の出力は右側チャンネルの加算器1332の第1の入力へ与えられる。左側
チャンネルの入力1302は左側チャンネルの加算器1334の第2の入力へ与えられ、
右側チャンネルの入力1304は右側チャンネルの加算器1332の第2の入力へ与えら
れる。左側チャンネルの加算器1324および右側チャンネルの加算器1332の出力は
それぞれ、信号処理ブロック1300の左側チャンネルの出力1323および右側チャン
ネルの出力1333である。1つの実施形態では、バンドパスフィルタ1312ないし13
15は、図9および表1に示したバンドパスフィルタ812ないし815にほぼ等しい。
【0089】 AGC1316(およびAGC1317ないし1319)は本質的に、内部のサーボフィー
ドバックループをもつ線形増幅器である。サーボは自動的に出力信号の振幅を調
節して信号の振幅を制御入力に整合させる。したがって、増幅器の信号入力では
なく、制御入力が、出力信号の平均振幅を判断する。入力信号の振幅が低減され
ると、サーボはAGC1316のフォワード利得を増加して、出力信号レベルを一定
に維持する。
【0090】 図15Aは、AGC1318ないし1319の1つの実施形態のブロック図であり、オ
ーディオ入力1403、制御入力1402、およびオーディオ出力1404を含む。オーディ
オ入力1403は利得制御増幅器1414の入力に与えられる。負のピーク検出器の出力
は加算器1418の第1の入力へ与えられ、制御入力1402は加算器1418の第2の入力
へ与える。加算器1418の出力は積分器1416の入力へ与えられ、積分器1416の出力
は増幅器1414の利得制御入力へ与えられる。加算器1418と積分器1416とは一緒に
加算積分器1410を形成している。
【0091】 図15Bは、図15Aに示したAGCの回路図の1つの実施形態である。図1
5Bに示したように、利得制御増幅器1414は、表2に記載した信号ピン2ないし
8をもつNE572コンパンダ1439を含む。オーディオ入力1403は入力キャパシ
タ1442の第1の端末へ与えられる。入力キャパシタの第2の端末はコンパンダ14
39のピン7へ接続されている。入力キャパシタ1442は2.2ミクロファラドのキ
ャパシタと0.01ミクロファラドのキャパシタとを並列接続して構成されてい
る。コンパンダ1403のピン2は、10.0ミクロファラドのキャパシタ1443を介
して接地接続されている。コンパンダ1403のピン4は1.0ミクロファラドのキ
ャパシタ1444を介して接地接続されている。コンパンダ1439のピン8は接地接続
されている。コンパンダ1439のピン6は1.0キロオームの抵抗器1445Aの第1
の端末へ接続され、抵抗器1445の第2の端末は2.2ミクロファラドのキャパシ
タ1446、オペアンプ1447の非反転入力、およびオペアンプ1452の非反転入力へ接
続される。キャパシタ1446の第2の端末は接地されている。コンパンダ1439のピ
ン5はオペアンプ1447の反転入力、17,4キロオームのフィードバック抵抗器
1449の第1の端末、および17.4キロオームの入力抵抗器1450の第1の端末に
接続されている。オペアンプ1447の出力はフィードバック抵抗器1449の第2の端
末および出力キャパシタ1448の第1の端末へ接続される。オペアンプ1452の出力
は入力抵抗器1450の第2の端末へ接続される。10.0キロオームのフィードバ
ック抵抗器はオペアンプ1452の反転入力と出力との間に接続される。10.0キ
ロオームの入力抵抗器はオペアンプ1452の反転入力を接地接続する。
【0092】 増幅器1414の利得制御入力は3.0キロオームの入力抵抗器1440の第1の端末
へ与えられる。抵抗器1440の第2の端末は、2N2222のような小型信号トラ
ンジスタ1441のエミッタへ接続される。トランジスタのベースは接地接続され、
トランジスタ1441のコレクタはコンパンダ1439のピン3へ接続される。
【0093】 負のピーク検出器1412はオペアンプ1438およびダイオード1437を含む。負のピ
ーク検出器1412の入力はオペアンプ1438の非反転入力へ接続される。オペアンプ
1438の出力はダイオード1437の陰極へ接続される。ダイオード1437の陽極はオペ
アンプ1437の反転入力およびピーク検出器1412の出力へ接続される。図14に示
したピーク検出器1350は、負のピーク検出器1412に類似したやり方で構成されて
いるが、ダイオード1437がピーク検出器1350に対して反転されることが異なる。
【0094】 加算積分器1410の第1の入力は、100.0キロオームの抵抗器1431および4
.7ミクロファラドのキャパシタ1432との並列接続部の第1の入力へ与えられる
。加算積分器1410の第2の入力は、100.0キロオームの抵抗器1433および4
.7ミクロファラドのキャパシタ1434との並列接続部の第1の端末へ与えられる
。両並列接続部の第2の端末はオペアンプ1435の反転入力へ接続される。オペア
ンプ1435の非反転入力は接地され、0.33ミクロファラドのフィードバックキ
ャパシタ1436はオペアンプ1435の反転入力とオペアンプ1435の出力との間に接続
される。オペアンプ1435の出力は、加算積分器1410の出力である。
【0095】 NE572は、デュアルチャンネルの高性能利得制御回路であり、ここでは各
チャンネルをダイナミックレンジの圧縮または拡張に使用することができる。各
チャンネルは全波整流器をもち、入力信号の平均値、線形で温度を補償する可変
利得セル、およびダイナミックな時定数のバッファを検出する。バッファは、最
小の外部構成要素および向上した低周波利得制御リップル変形においてダイナミ
ックなアタックおよび回復時間を独立制御することができる。NE572に対す
るピンアウトを表2に記載した(表2において、n,mはチャンネルA,Bを示
す)。この実施形態においてNE572は、廉価で、ノイズが低く、歪みの少な
い利得制御増幅器として使用されている。当業者は他の利得制御増幅器も同様に
使用できることが分かるであろう。
【0096】
【表2】
【0097】 図16は、選択可能な周波数範囲を用意した低周波のエンハンスメントシステ
ムの1つの実施形態の信号処理システム1500である。図16は、本発明の実施形
態の信号処理動作を実行するDSPまたは他のプロセッサ上で実行されるプログ
ラムを記載したフローチャートとしても使用することができる。システム1500に
おいて実現される選択可能な周波数範囲の特徴は、既に記載した実施形態の全て
に適用できる。しかしながら、簡単にするために、システム1500は、図14に示
した信号処理システム1300の変形として示されており、したがってここではシス
テム1300とシステム1500との間の違いのみを記載することにする。システム1500
では、システム1300のように、バンドパスフィルタ1315の出力はAGC1319の入
力へ直接に接続されないが、バンドパスフィルタ1315の出力は、単極双投接(si
ngle pole double throw, SDPT)スイッチ1562の第1のスロー(throw)に
与えられる。スイッチ1562のポール(pole)はAGC1319の信号入力へ与えられる
。バンドパスフィルタ1560の入力はバンドパスフィルタ1315の入力へ接続され、
その結果バンドパスフィルタ1560および1315は同じ入力信号を受け取る。バンド
パスフィルタ1560の出力はSDPTスイッチ1562の第2のスローへ与えられる。
【0098】 バンドパスフィルタ1560は、100ヘルツ以下、例えば60ヘルツの周波数に
同調されることが望ましい。スイッチ1562が、第1のスローに対応する第1の位
置にあるとき、スイッチ1562はバンドパスフィルタ1315を選択し、100、15
0、200、および250ヘルツに設定して、システム1500をシステム1300と同
様に動作させる。スイッチ1562が、第2のスローに対応する第2の位置にあると
き、スイッチ1562はバンドパスフィルタ1315を選択解除して、バンドパスフィル
タ1560を選択し、バンドパスフィルタを、例えば60、100、150、および
200ヘルツに設定する。
【0099】 したがってスイッチ1562は、ユーザが周波数範囲をエンハンスされるように選
択できるようにすることが望ましい。ユーザは一般的に、小型ウーファ、例えば
直径3ないし4インチのウーファを用意したスピーカシステムを使用して、それ
ぞれ100、150、200、および250ヘルツに同調されるバンドパスフィ
ルタ1312ないし1315によって用意される周波数範囲の上限を選択する。ユーザは
通常、幾分より大きいウーファ、例えば直径約5インチのウーファを用意したス
ピーカシステムを使用して、それぞれ60、100、150、および200ヘル
ツのバンドパスフィルタ1560、および1312ないし1314によって用意される周波数
範囲の下限を選択する。当業者は、より多くのバンドパスフィルタおよびより多
くの周波数範囲を選択できるより多くのスイッチを用意できることを認識するで
あろう。バンドパスフィルタは廉価であり、異なるバンドパスフィルタは単投形
スイッチで選択できるので、異なる周波数範囲を与える異なるバンドパスフィル
タを選択するのは望ましい技術である。I.バス(低音,ベース)エンハンスメント エキスパンダ 図17はサウンド(音響)システムのブロック図であり、ここではサウンドエ
ンハンスメント機能がバスエンハンスメントユニット1604により用意されて
いる。バスエンハンスメントユニット1604は信号源1602からオーディオ
信号を受領する。信号源1602はどんな信号源でもよく、その中には図1に示
した信号源102、もしくは図5に示したサウンドカード510が含まれる。バ
スエンハンスメントユニット1604は信号処理を実行して受領したオーディオ
信号を修正してオーディオ出力信号を作る。オーディオ出力信号はラウドスピー
カ、増幅器もしくは他の信号処理デバイスに送られる。
【0100】 図18Aは2チャンネルバスエンハンスメントユニット1644についてのト
ポロジィのブロック図であり、このユニットには第1の入力1609と、第2の
入力1611と、第1の出力1617と第2の出力1619とがある。第1の入
力1609と第1の出力1617とは第1のチャンネルに相当する。第2の入力
1611と第2の出力1619とは第2のチャンネルに相当する。第1の入力1
609はコンバイナ(結合器)1610の第1の入力と信号処理ブロック161
3の入力とに送られる。信号処理ブロック1613の出力はコンバイナ1614
の第1の入力に送られる。第2の入力1611はコンバイナ1610の第2の入
力と信号処理ブロック1615の入力とに送られる。信号処理ブロック1615
の出力はコンバイナ1616の第1の入力に送られる。コンバイナ1610の出
力は信号処理ブロック1612の入力に送られる。信号処理ブロック1612の
出力はコンバイナ1614の第2の入力とコンバイナ1616の第2の入力とに
送られる。コンバイナ1614の出力は第1の出力に送られる。第2のコンバイ
ナ1616の出力は第2の出力1619に送られる。
【0101】 第1と第2の入力1609,1611からの信号は組合せがされて処理される
ことが信号処理ブロックにより行なわれ、このブロック1612の出力はそれぞ
れ信号処理ブロック1613,1615の出力と組合されるときはバスエンハン
ストがされた出力1617,1619を作る。
【0102】 図18Bは2チャンネルバスエンハンスメントユニット1604についての別
のトポロジィのブロック図である。図18Bでは第1の入力1609が信号処理
ブロック1621の入力と信号処理ブロック1622の入力とに向けて送られる
。信号処理ブロック1621の出力はコンバイナ1625の第1の入力に向けて
送られ、また信号処理ブロック1622の出力はコンバイナ1625の第2の入
力に向けて送られる。第2の入力1611は信号処理ブロック1623の入力と
、信号処理ブロック1624の入力とに向けて送られる。信号処理ブロック16
23の出力はコンバイナ1626の第1の入力に向けて送られ、信号処理ブロッ
ク1624の出力はコンバイナ1626の第2の入力に向けて送られる。コンバ
イナ1625の出力は第1の出力1617に向けて送られ、第2のコンバイナ1
626の出力は第2の出力1619に向けて送られる。
【0103】 図18Aに示したトポロジィとは違って、図18Bに示したトポロジィは2つ
の入力信号1609と1611とを組合せないで、むしろ2つのチャンネルが別
々に保たれて、バスエンハンスメント処理が各チャンネル上で行なわれる。
【0104】 図19は図17に示したバスエンハンスメントシステム1604の一実施例の
ブロック図1700である。バスエンハンスメントシステム1700はバスパン
チユニット1720を用いて時間依存のエンハンスメントファクタ(因子)を生
成する。図19はまたフローチャートとして使用されてもよく、DSP上あるい
は他のプロセッサでこの発明の実施例の信号処理動作を実施する他のプロセッサ
上で実行されているプログラムを記述するのにあてられる。前の実施例では左と
右とが便宜上使用されているが、限定としては使用されない。入力1702と1
704とはともに加算器1706に送られて、そこで2つの入力の組合せである
出力が作られる。
【0105】 加算器17036の出力は第1のバンドパスフィルタ1712、第2のバンド
パスフィルタ1713、第3のバンドパスフィルタ1714、第4のバンドパス
フィルタ1715、及び第5のバンドパスフィルタ1711に向けて送られる。
バンドパスフィルタ1715の出力は単極双投(SPDT)スイッチ1716の
第1の側(スロウ)に向けて送られる。バンドパスフィルタ1711の出力はS
PDTスイッチ1716の第2側に送られる。スイッチ1716の極(ポール)
は加算器1718の入力に向けて送られる。各バンドパスフィルタ1712〜1
714の出力は加算器1718の別個の入力に向けて送られる。
【0106】 加算器1718の出力はバスパンチユニット1720の入力に向けて送られる
。バスパンチユニット1720の出力はSPDTスイッチ1722の第1の側に
向けられる。SPDTスイッチ1722の第2の側は接地に向けられる。SPD
Tスイッチ1722のこの側は左チャンネル加算器1724第1の入力と右チャ
ンネル加算器1732の第1の入力とに送られる。左チャンネル入力1702は
左チャンネル加算器1724の第2の入力に送られる。右チャンネル入力170
4は右チャンネル加算器1732の第2の入力に送られる。左チャンネル加算器
1724と右チャンネル加算器1732の出力はそれぞれ左チャンネル出力17
30と右チャンネル出力1733(いずれも信号処理ブロック1700のもの)
となっている。スイッチ1722と1716とはオプションであって、固定接続
で置換できる。
【0107】 フィルタ動作でフィルタ1711〜1715とコンバイナ1718によって用
意されていて、この動作は図19で示したように複合フィルタ1707に結合さ
れる。例えば、別な実施例では、フィルタ1711〜1715はほぼ40Hzな
いし250Hzから延びた通過域(パスバンド)を有する単一のバンドパスフィ
ルタに結合される。バス周波数を処理するために、複合フィルタ1707の通過
域は低い方の端で約20ないし100Hzにわたって、また高い方の端ではほぼ
150〜350Hzにわたって延びているのがよい。複合フィルタ1707は同
じように他のフィルタ伝達関数をもっていてよく、例えば高域フィルタ、シェル
ビング(ゆるい勾配の、棚状の)フィルタなどでよい。複合フィルタはまたグラ
ヒック等化器と同じようなやり方で動作し通過域内の若干の周波数を他の周波数
に対して減衰するように構成されてよい。
【0108】 図19に示したように、この図はほぼ図18Aに示したトポロジィに対応して
いて図18Aでは信号処理ブロック1613と1615とが1(単位量)の伝達
関数をもち、信号処理ブロック1612は複合フィルタ1707とバスパンチユ
ニット1720とを備えている。しかし、図19の信号処理は図18Aに示した
トポロジィに限定されない。図19の素子は図18Bに示したトポロジィ内で使
用することもでき、このトポロジィでは信号処理ブロック1621と1623と
が1の伝達関数をもち、信号処理ブロック1622と1624とは複合フィルタ
1707とバスパンチユニット1720を備えている、図19には示していない
が、信号処理ブロック1613,1615,1621及び1623は追加の信号
処理を用意し、例えば高域通過フィルタのような動作であり低域バス周波数を除
去するのにあて、またバスパンチユニット1702によって処理された周波数を
除去するための高域通過フィルタ動作であり、高い周波数の音響をエンハンスす
る高い周波数エンハンスであり、バスパンチ回路を補充する追加の中間バス処理
であるといった動作である。他の組合せもまた予想できる。
【0109】 図20は周波数ドメインプロットで、バンドパスフィルタ1711〜1715
の伝達関数の一般的形状を示している。図20は帯域通過伝達関数1801〜1
805を示し、それぞれバンドパスフィルタ1711〜1715に対応している
。伝達関数1801〜1805はそれぞれ50,100,150,200,25
0Hzに中心がある帯域通過機能を示している。
【0110】 一実施例では、バンドパスフィルタ1711は50Hzといった100Hz以
下の周波数に同調している。スイッチ1761が第1の側(スロー)に対応して
いる第1の位置にあると、それがバンドパスフィルタ1711を選択し、バンド
パスフィルタ1715の選択を解除し、それによって50,100,150及び
200Hzでバンドパスフィルタを用意する。スイッチ1716が第2の位置で
第二の側に対応するところにあると、それがバンドパスフィルタ1711の選択
を解除して、バンドパスフィルタ1715を選択し、これによってバンドパスフ
ィルタを100,150,200及び250Hzで用意する。
【0111】 こうして、スイッチ1716はユーザがエンハンスされることになる周波数範
囲を選ぶことが好ましいことにできるようにしている。ラウドスピーカシステム
を備えたユーザは一般に100,150,200,250Hzにそれぞれ同調さ
れているバンドパスフィルタ1712〜1715によって用意される上側の周波
数範囲を選ぶことになり、このラウドスピーカシステムは3ないし4インチの直
径のウーファのような小形ウーファを用意している。約5インチよりも大きい直
径のウーファのような何がしか大きなウーファを与えるラウドスピーカシステム
を備えたユーザは一般に50,100,150,200Hzにそれぞれ同調され
ているバンドパスフィルタ1711〜1714によって用意される低い方の周波
数範囲を選択することになる。当業者はもっとスイッチが用意できて、もっと多
くのバンドパスフィルタともっと多くの周波数範囲の選択するようにできること
を認識することになろう。異なるバンドパスフィルタを異なる周波数範囲を用意
するために選ぶことは望ましい技術であり、その理由はバンドパスフィルタは高
価でないこと及び異なるバンドパスフィルタが単投スイッチで選ぶことができる
ことによる。
【0112】 一実施例では、バスパンチユニット1720は自動利得制御(AGC)を用い
ており、AGCは内部サーボ帰還ループを備えた線形増幅器を備えている。この
サーボは出力信号の平均振幅を自動的に調節して制御入力上の信号の平均振幅と
整合するようにする。制御入力の平均振幅は一般に制御信号のエンベロープを検
出することにより得られる。制御信号は他の方法により得られるようにもでき、
この方法には例えば低域フィルタ動作、帯域通過フィルタ動作、ピーク検出、R
MS平均、平均値平均化などが含まれる。
【0113】 バスパンチユニット1720の入力に向けて送られる信号のエンベロープの振
幅の増加に応答して、サーボループはバスパンチユニット1720の前送り利得
を増加する。逆に、バスパンチユニット1720の入力に向けて送られる信号エ
ンベロープの振幅の減少に応答して、サーボループはバスパンチユニット172
0の前送り利得を増加する。一実施例では、バスパンチユニット1720の利得
は利得減少よりももっと急速に増加する。図21は時間ドメインプロットであっ
て単位ステップ入力に応答したバスパンチユニット1720の利得を示している
。当業者は図21が時間の関数としての利得のプロットであって、時間の関数と
しての出力信号のプロットでないことを理解するであろう。大部分の増幅器は固
定の利得を有し、従って利得がプロットされるのは希なことである。しかし、自
動利得制御(AGC)はバスパンチユニット1720では入力信号のエンベロー
プに応答してバスパンチユニット1720の利得を変える。
【0114】 単位ステップ入力はカーブ1909としてプロットされていて、利得はカーブ
1902としてプロットされている。入力パルス1909の先端に応答して、利
得はアタック時定数に対応する期間1904中に上昇する。この時間期間190
4の終りには、利得1902は定常状態利得Aに到達する。入力パルス190
9の尾部のエッジに応答して、利得は減衰時定数1906に対応した期間190
6の間にゼロに戻るように降下する。
【0115】 アタック時定数1904と減衰時定数1906とは望み通りに選択されてバス
周波数のエンハンスメントを与えるようにし、増幅器とラウドスピーカのような
システムの他の部品をオーバードライブすることがないようにしてエンハンスで
きるようにする。図22は時間ドメインプロットを典型的なバス音符(ノート)
でギターとかバス(ベース)ドラムとかシンセサイザなどの楽器(インスツルメ
ント)で演奏したものである。プロット2000は高い方の周波数部分2004
を示し、それが変調エンベロープ2042をもつ低い方の周波数部分によって振
幅変調されている。エンベロープ2042はアタック部分2046を有し、それ
が減衰部分2047によって続き、保持(サステイン)部分2048により続き
、最後にレリーズ(解放)部分2049により続いている。プロット2000の
一番大きな振幅はピーク2050であり、これが生ずるのはアタック部分204
6と減衰部分2047との間の時点である。
【0116】 既述のように、波形2044は大部分でないとしても数多くの楽器の典型であ
る。例えばギターの弦はそれが引張られたり緩められたりすると、最初は大きな
振幅の振動を作り、次に多少定常状態となった振動に落着いて、この振動が長時
間かけて減衰して行く。最初の大きなゆれのギター弦の振動はアタック部分20
46と減衰部分2047とに対応している。ゆっくりと減衰して行く振動は支持
部分2048とレリーズ部分2049とに対応している。ピアノの弦もピアノ鍵
盤に取付けられたハンマにより叩かれるときは同じ仕方で動作する。
【0117】 ピアノの弦はもっと著しい遷移を支持部分2048からレリーズ部分2049
までにもっていて、それはハンマがキーが解放されるまでは弦上に置かれるとこ
ろまで戻らないことによる。ピアノ鍵盤が解放されるときには、フエルトで覆わ
れたハンマが鍵盤上で休止するところまできて、急速に弦の振動を減衰させるこ
とをレリーズ期間2049で行なう。
【0118】 同じように、ドラムヘッドは、打たれると、アタック部分2046と減衰部分
2047とに対応している大きなゆれの振動の初期の組を作り出す。この大きな
ゆれの振動が下火になると(減衰部分2017の終りに対応している)ドラムヘ
ッドは支持部分2048とレリーズ部分2049とに対応する時間期間について
振動を続ける。多くの楽器音響は期間2046〜2049の長さを制御すること
だけによって作り出すことができる。
【0119】 図4Cに関係して記述したように、高い方の周波数信号の振幅は低い方の周波
数トーン(エンベロープ)によって変調され、こうして高い方の周波数信号の振
幅は低い方の周波数トーンの周波数に従って変化する。耳の非線形は部分的に信
号を復調して、耳が高い方の周波数信号の低い周波数エンベロープを検出するよ
うにし、これが低い周波数トーンの知覚を作ることを、たとえ実際の音響エネル
ギーが低い方の周波数で作られなかったとしても行なう。検出器効果は中間周波
数範囲(一般には範囲の低端で50〜150Hzと高端で200〜500Hzの
間である)で信号の適切な信号処理によってエンハンスできる。適当な信号処理
を用いることにより、サウンドエンハンスメントシステムを設計することができ
て、それが低い周波数の音響エネルギーの知覚を作り出し、たとえこのようなエ
ネルギーを作り出すことができないようなラウドスピーカを用いる場合でもそれ
ができるようにする。
【0120】 このラウドスピーカで作られる音響エネルギー内にある実際の周波数の知覚は
第一次効果と考えられる。実際の音響周波数内に存在していない追加の高調波(
ハーモニックス)の知覚はこのような高調波が中間変調ひずみとか検出で作られ
るかどうかは別として、第二次効果と考えられる。
【0121】 しかしピーク2050の振幅が大きすぎると、スピーカ(及び恐らくは電力増
幅器)がオーバードライブとなる。ラウドスピーカをオーバードライブすること
はかなりのひずみを生じさせてラウドスピーカを損傷しかねない。
【0122】 バスパンチユニット1720は中間バス領域でエンハンスしたバス(低音)を
望むように作り出し、しかもピーク2050のオーバードライブ効果を低減する
ことである。アタック時定数1904でバスパンチユニット1720で作られる
ものはバスパンチユニット1720を介して利得の上昇時間を制限する。バスパ
ンチユニット1720のアタック時定数は長いアタック期間2046(遅いエン
ベロープ上昇時間)をもつ波形には比較的影響が小さく、また短いアタック期間
2046(早いエンベロープ上昇時間)については比較的大きな効果をもってい
る。
【0123】 図23は長いアタック期間2046を備えた入力波形のエンベロープ2104
と関係してバスパンチユニット1720の利得についての時間ドメインプロット
を示す。当業者は入力波形のエンベロープだけが図23に示されていて、実際の
波形でない(図4Cと22との関係で論じた実際の波形とそのエンベロープとの
間の関係でない)ことを理解すると思う。エンベロープ2104を有する入力波
形がバスパンチユニット1720に対して用意され、バスパンチユニット172
0はエンベロープ2106をもつ出力波形を作っている。参考のために、図24
Aはバスパンチユニット1720の利得の時間ドメインプロットである。図23
Aの時間軸は図24Aの時間軸と整列していて、エンベロープ2104のアタッ
ク期間はバスパンチユニット1720のアタック時間と比較すると長いことをさ
らに示すようにしている。
【0124】 バスパンチユニット1720の利得の増加はアタック時間により制御されるも
のであり、これが入力エンベロープ2104のアタック部分と“歩調をとる(ke
ep up)”ことができて、バスパンチユニット1720は比較的僅かな整形効果
を、若干の利得を与える以外に、エンベロープ2104の上昇時間にもっている
。したがって、出力エンベロープ2106は入力エンベロープ2104と似てい
るが、増加した利得を備えている。その結果、出力エンベロープ2106に対応
している実際の出力信号は入力エンベロープ2104に対応する実際の入力信号
と似てはいるが利得は増している。
【0125】 図23Bは短いアタック時間をもつ入力エンベロープ2114の時間ドメイン
プロットである。入力エンベロープ2114はベースパンチユニット1720に
対して用意され、バスパンチ回路1720は出力エンベロープ2116を作る。
図24Aの時間軸は図23Aと23Bの時間軸と整列していて、エンベロープ2
104のアタック時間がバスパンチユニット1720のそれと比較して短いこと
をさらに示している。
【0126】 バスパンチユニット1720の利得の増加には、アタック時間によって制御さ
れるものであり、入力エンベロープ2114のアタック部分と“歩調をとる(ke
ep up)”できず、出力エンベロープ2116の上昇時間は入力波形2114の
上昇時間と似ている。したがって、出力波形2116の最大振幅は入力エンベロ
ープ2114の最大振幅と似ている。出力エンベロープ2116はアタック時間
によって制限されていて、望ましいのはパンチユニット1720によって加えら
れた増加した利得を含まないことであり、その理由は入力波形のアタック期間が
バスパンチユニット1720にとって追跡するのに早すぎることによる。これが
パンチユニット1720によって用意された増加した利得が増幅器またはラウド
スピーカをオーバードライブすることになる可能性を最小としている。しかし、
入力エンベロープ2116が多少とも定常状態値に、支持期間2048内で、到
達する時刻までには、パンチユニット1720の利得は入力エンベロープで捕ら
えられ(caught up)てしまい、これにより支持期間内では、出力エンベロープ
2116の振幅が入力エンベロープ2114の振幅よりも大きくなる。
【0127】 図23Bに示すように、バスパンチユニット1720の動作は長期間利得では
比較的大きな利得を与えながら、短期間利得では比較的小さな利得を望ましいこ
とに与えて、ラウドスピーカをオーバードライブすることになる入力信号内の過
剰増幅過渡現象やパルスの生ずる機会を減らすのにあてられている。図23Bは
ラウドスピーカ(及び/又は電力増幅器)をオーバードライブすることになる振
幅に対応している振幅ライン2118を示す。入力エンベロープ2114のピー
ク振幅はライン2118に似ているが、その理由はアタック時間期間中にバス1
720の利得がその最大値にしていないことによる。
【0128】 図24Bはバスエンハンスメント回路1700の振幅応答の周波数ドメインプ
ロットを示す。フィルタ1711〜1715により用意される周波数選択はバス
パンチユニット1720の動作をパンチ周波数領域に制限し、この領域は主とし
て低い方の周波数fと高い方の周波数fとで仕切られている。f以下の周
波数領域はロールオフ領域である。ロールオフ領域では、バスエンハンスメント
回路1700が1に近い伝達関数を与える。これがロールオフ領域と呼ばれるの
であり、一般的な小形ラウドスピーカがこの領域では殆んど音響出力を作らない
ことを理由としている。周波数fよりも上の領域はパスバンド領域であり、こ
こではバスエンハンスメント回路が1に近い伝達関数を与えている。
【0129】 パンチ領域では、バスエンハンスメント回路1700は時間依存の利得を用意
し、バスパンチ回路1720の時間依存利得が寄与している。図24Bパンチ周
波数領域内の利得曲線の群を示していて、異なるエンベロープ上昇時間をもつ入
力信号に対応している。比較的高速のエンベロープ上昇時間をもつ入力信号につ
いてはバスエンハンスメント回路1700の利得はパンチ周波数領域内ではゆっ
くりと変化する(ほぼ定常状態の)エンベロープをもつ信号についての利得より
も小さい。
【0130】 図25はバスエンハンスメント回路1700の一実施例を示す回路図である。
入力1702,1704が第1と第2の加算器(1706)端子に加えられる。
直流阻止キャパシタが入力1702,1704と直列に結ばれていて、バスエン
ハンスメント回路1700の入力での直流ブロックとなっている。
【0131】 加算器1706の第1の端子は抵抗器2202の第1の端子に対応し加算器1
706の第2の端子は抵抗器2204の第1の端子に対応している。抵抗器22
02の第2の端子と抵抗器2204の第2の端子とはオペアンプ2208の反転
入力を与えている。オペアンプ2208の非反転入力は接地されている。このオ
ペアンプの出力は帰還抵抗器2206の第1の端子に加えられる。帰還抵抗器2
206の第2の端子はオペアンプ2208の反転入力に与えられる。オペアンプ
2206の出力は加算器1706の出力に対応している。
【0132】 一実施例では、直流阻止キャパシタは4.7μFのキャパシタであり、抵抗器
2202,2204,2206は100kΩ抵抗器である。
【0133】 フィルタ1711〜1715は図9に示したトポロジィを使用し、そこではT
L074オペアンプ(Texas Instruments Inc製)と表3に示した抵抗器値のも
のを採用している。
【0134】
【表3】
【0135】 バンドパスフィルタ1711の出力は抵抗器2210の第1の端子に与えられ
る。バンドパスフィルタ1715の出力は抵抗器2211の第1の端子に与えら
れる抵抗器2210の第2の端子はSPDTスイッチ1716の第1の側に与え
られ、抵抗器2211の第2の端子はこのスイッチ1716の第2の側に与えら
れる。加算器1718の第3の入力は抵抗器2214の第1の端子に対応してい
る。加算器1718の第4の入力は抵抗器2216の第1の端子に対応している
。抵抗器2210,2212,2214,及び2216の各々の第2の端子はオ
ペアンプ2220の反転入力に与えられる。オペアンプ2220の出力は帰還抵
抗器2218の第1の端子に与えられる。帰還抵抗器2218の第2の端子はオ
ペアンプ2220の反転入力に与えられる。オペアンプ2220の非反転入力は
接地に接続されている。オペアンプ2220の出力は加算器1718の出力に対
応している。加算器1718は例えばディジタル信号処理(DSP)、トランジ
スタなどを用いて実現されてよい。バンドパスフィルタ1711〜1715と加
算器1718とはフィルタ(例えばバンドパスフィルタ)でバンドパスフィルタ
1711〜1715の応答を加算することにより得られた伝達関数と同じ伝達関
数をもつものを用意することで組合がされてもよい。
【0136】 一実施例では、抵抗器2211,2212,2214,2216が100kΩ
抵抗器で、抵抗器2210が69.8kΩ抵抗器である。オペアンプ2220は
TL074で帰還抵抗器2218は13.0kΩ抵抗器である。当業者は加算器
1718が重み付けした和を与え、そこではフィルタ1712〜1715の出力
がすべて約0.13の重み付けを有し、フィルタ1711の出力が約0.186
の重み付けを有していることを認識すると思う。フィルタ1711からの周波数
は中心周波数が50Hzであり、大きな低い周波数の信号で小さなスピーカをオ
ーバードライブするのを避けるためにより小さな振幅が与えられている。他の重
み付けも同じように使用できて、例えば、不均一の重み付け機能とか、均一の重
み付けとか等である。重み付け機能はバンドパスフィルタを用いるか、加算器と
組合せた重み付け伝達関数をもつ他のフィルタを用いるかによって達成すること
もできる。
【0137】 SPDTスイッチ1722の極が左チャンネル加算器1724の第1の入力と
右チャンネル加算器1732の第1の入力とのために用意されている。左チャン
ネル加算器の第1の入力は抵抗器2230の第1の端子に対応している。左チャ
ンネル加算器の第2の入力は抵抗器2232の第1の端子に対応している。抵抗
器2230の第2の端子と抵抗器2232の第2の端子とはオペアンプ2236
の反転入力に向けて送られる。オペアンプ2236の非反転入力は接地に接続さ
れている。オペアンプ2236の出力はキャパシタ2238の第1の端子と、キ
ャパシタ2240の第1の端子と、帰還抵抗器2234の第1の端子とに送られ
る。帰還抵抗器2234の第2の端子はオペアンプ2236の非反転入力に向け
て与えられている。キャパシタ2238の第2の端子と、キャパシタ2240の
第2の端子とは出力抵抗器2242の第1の端子に向けられている。この出力抵
抗器の第1の端子は左チャンネル出力1730に向けられている。出力抵抗器2
242の第2の端子は接地に向けられている。
【0138】 左チャンネル加算器の第1の入力は抵抗器2250の第1の端子に対応してい
る。右チャンネル加算器の第2の入力は抵抗器2252の第1の端子に対応して
いる。抵抗器2250の第2の端子と抵抗器2252の第2の端子とはオペアン
プ2256の反転入力に向けられている。オペアンプ2256の非反転入力は接
地に結ばれている。オペアンプ2256の出力はキャパシタ2258の第1の端
子と、キャパシタ2260の第1の端子と、帰還抵抗器2254の第1の端子と
に結ばれている。帰還抵抗器2254の第2の端末はオペアンプ2256の反転
入力に結ばれている。キャパシタ2258の第2の端子とキャパシタ2260の
第2の端子は抵抗器2262の第1の端子と結ばれている。出力抵抗器2262
の第1の端子は右チャンネル出力1733に結ばれている。出力抵抗器2262
の第2の端子は接地に結ばれている。
【0139】 一実施例では、抵抗器2232,2234,2252,2254は100kΩ
抵抗器であり、抵抗器2230と2250とは33.2kΩ抵抗器であり、抵抗
器2242と2262は10kΩ抵抗器である。キャパシタ2238と2258
とは4.7μFキャパシタであり、キャパシタ2240,2260は0.01μ
Fキャパシタである。オペアンプ2236と2256とはTL074である。当
業者は加算器1724と1732とがそれぞれ重み付けした和を作り、ここでは
各加算器の第1の入力(この入力はバスパンチユニット1720により用意され
る)がほぼ3.01の重み付けを有し、また各加算器の第2の入力がほぼ1.0
の重み付けを有していることを認識すると思う。
【0140】 バスパンチユニット1720の一実施例の構成図はブロック図2300として
図26に示されていて、対応する回路図は図27に示されている。図26では、
入力2303が固定利得振幅器2306の第1の入力と可変利得増幅器2305
の第1の入力とポテンショメータ2308の第1の固定端子とに向けて用意され
ている。ポテンショメータ2308の第2の固定端子が接地に接続され、ポテン
ショメータ2308のワイパ端子がエンベロープ検出器2312の入力に対して
用意されている。エンベロープ検出器2312の出力はアタック/遅延バッファ
2310に向けて用意されている。アタック/遅延バッファ2310の出力は利
得制御された増幅器2305の利得制御入力に向けて送られる。固定利得増幅器
2306の出力は出力加算器2307の第1の入力に向けて与えられ、可変利得
増幅器2305の出力は出力加算器2307の第2の入力に送られる。出力加算
器2307の出力はバスパンチ出力2304に送られる。
【0141】 固定利得増幅器2306は単位利得フィードフォワード経路と出力加算器23
07に対して用意している。したがって、たとえ利得制御された利得2308が
ゼロであるとしても、フィードフォワード経路はバスパンチ回路23で最小利得
が1.0のものを用意することになる。ポテンショメータ2308は入力信号の
一部分を選ぶために電圧分割器として接続されている。選ばれた部分がエンベロ
ープ検出器2312のために用意されている。エンベロープ検出器の出力は入力
信号のエンベロープを近似する信号である。エンベロープ信号はアタック/減衰
バッファに向けられる。エンベロープ信号が正の勾配を持っている(上昇エッジ
)のときには、アタック/減衰バッファはアタック時定数により与えられるレー
トで利得制御された増幅器の利得を増すために信号を与える。エンベロープ信号
が負の勾配(下降エッジ)をもつときは、アタック/減衰バッフアは減衰時間定
数によって与えられるレートで利得制御された増幅器の利得を減少させるために
信号を与える。
【0142】 図26に示したバスパンチユニット2300は、ユニット230の利得したが
って出力レベルが入力信号により制御されることが理由となってエキスパンダで
ある。入力の平均振幅の増大に合わせて利得が増大される。逆に、平均入力信号
レベルが減少すると利得が減少する。入力信号の最大拡大はポテンショメータ2
308の位置がすべての入力信号について選択がされてエンベロープ検出器23
12に与えられるような位置のときに作られる。最小の拡張が生じて、利得が1
に落ちるのは、ポテンショメータ2308の位置が入力信号のいずれもが選ばれ
ないようなところにあるとき、すなわちエンベロープ検出器2312の入力が接
地されているときである。拡張の量を増すことはバス(低音)の知覚を増すこと
になるが、これはまたラウドスピーカのオーバードライブの機会を増す。ポテン
ショメータ2308の望ましい位置どりは入力信号に対して十分な拡張を与えて
ラウドスピーカのオーバードライブの機会をいたずらに増やすことなくバスの知
覚をエンハンスするようにすることである。
【0143】 図27ではバスパンチユニット2300の一実施例を示す回路図である。図2
7では、入力2303はキャパシタ2442とポテンショメータ2308の第1
の固定端子とに与えられる。ポテンショメータ2308の第2の固定端子は接地
され、ポテンショメータ2308のワイパ端子はキャパシタ2406の第1の端
子に接続されている。キャパシタ2406の第2の端子には抵抗器2408の第
1の端子が備えられ、抵抗器2408の第2の端子は利得制御回路2449のエ
ンベロープ検出器入力(ピン3)に備えられている。一実施例では、利得制御回
路2449はNE572であり、図15と表2と関係して論じた通りである。ア
タックタイミングキャパシタ2443の第1の端子は利得制御回路2449のア
タック制御入力(ピン4)に向けられ、またアタックタイミングキャパシタ24
43の第2の端子は接地に向けられている。減衰タイミングキャパシタ2444
の第一の端子は利得制御回路2449の減衰制御入力(ピン2)に接続され、減
衰タイミングキャパシタ2444の第2の端子は接地に接続されている。
【0144】 キャパシタ2442の第2の端子は利得制御回路2779のVin端子(ピン7
)と抵抗器2410の第1の端子とに接続されている。抵抗器2410の第2の
端子は利得制御回路2449のVout 端子(ピン5)とオペアンプ2447の反
転入力とに接続されている。オペアンプ2447の非反転入力は接地されたキャ
パシタ2446の端子と、オペアンプ2452の非反転入力と、抵抗器2445
の第1の端子とに接続されている。抵抗器2445の第2の端子は利得制御回路
2449のTHD端子(ピン6)に接続されている。
【0145】 オペアンプ2447の出力は帰還抵抗器2449の第1の端子と出力2304
とに接続されている。帰還抵抗器2449の第2の端子はオペアンプ2447の
反転入力に接続されている。
【0146】 オペアンプ2452の反転入力は接地された抵抗器2453の端子と、帰還抵
抗器2451の第1の端子とに接続されている。帰還抵抗器2451の第2の端
子はオペアンプ2452の出力と抵抗器2450の第1の端子とに接続されてい
る。抵抗器2450の第2の端子はオペアンプ2447の反転入力に接続されて
いる。
【0147】 一実施例では、ポテンショメータ2308は1.0kΩ線形ポテンショメータ
である。キャパシタ2442,2406,及び2446は2.2μFキャパシタ
である。アタックタイミングキャパシタは1.0μFキャパシタで減衰タイミン
グキャパシタ2444は10μFキャパシタである。抵抗器2408は3.1k
Ω抵抗器であり、抵抗器2445は1.0kΩ抵抗器である。抵抗器2453と
2451とは10kΩ抵抗器であり、抵抗器2410,2449,及び2450
は17.4kΩ抵抗器である。
【0148】 利得制御回路2449はエンベロープ検出器2461と、アタック/減衰バッ
ファ2462と、利得素子2463とを含んでいる。図26内のブロック図にあ
るように、エンベロープ検出器2461の出力はアタック/減衰バッファ246
2に送られ、アタック/減衰バッファ2462の出力は利得素子2463を制御
する。アタックと減衰との時定数は抵抗とキャパシタとの(RC)回路網により
制御される。アタック/減衰バッファ2462は内部の10kΩ抵抗器をアタッ
クRC回路網用に用意し、また内部の10kΩ抵抗器を減衰RC回路網について
用意する。1.0μFのアタックキャパシタ2443は約40ms(ミリ秒)の
アタック時定数を作る。10μFの減衰キャパシタ2444は減衰時定数400
msを作る。別の実施例では、アタック時定数は5msないし400msで、減
衰時定数は100msないし1000msの範囲でよい。
【0149】 利得素子2463は電子的に可変の抵抗器と同じで、オペアンプ2447の帰
還回路と一緒に使用されてオペアンプ2447の利得を変える。オペアンプ24
52は直流バイアスを作る。単位利得のフィードフォワード経路が抵抗器241
0により用意されている。
【0150】 バスパンチユニット1720はまた若干の低い周波数のサウンドの高調波をエ
ンハンスすることにより、また他の低い周波数のサウンドの基本波をエンハンス
することによってオーディオ波形を修正するように動作する。若干の低い周波数
のサウンドの高調波をエンハンスすることによって、バスパンチユニット172
0は人間の耳がオーバートーンと低い周波数のサウンドの高調波とを処理して低
い周波数のサウンドがラウドスピーカから放出されているとの知覚を作り出すよ
うなやり方を高めている。バスパンチユニット1720はラウドスピーカが多数
の低い周波数サウンドの知覚を作り、ラウドスピーカによって貧弱にしか再生さ
れたい低い周波数のサウンドについてもそれを行なう。加えて、バスパンチユニ
ット1720の動作は比較的大きな利得を長期間利得で与えながら短期間利得で
は望ましいことに比較的低い利得を与えてラウドスピーカをオーバードライブす
ることになる入力信号内の過渡現象とパルスとの過剰増幅の機会を減らしている
。時間にわたる入力信号の増加に応答して、バスパンチユニット1720の利得
はアタック時定数によって増大する。時間にわたる入力信号の減衰に応答して、
バスパンチユニットの利得は減衰時定数により増大する。アタック時定数と減衰
時定数との動作は入力信号内の短時間増加の振幅を減らすように作用して、これ
によりスピーカのオーバードライブの機会を減らしている。
【0151】 II.ピーク圧縮(コンプレッション)を伴うバスパンチ 図22と23Bとに示したように、ベース(低音)楽器(例えばベースギター
)により演奏されるノートのアタック部分はしばしば比較的大きな振幅の初期パ
ルスで始まることになる。このピークは、ある場合には、増幅器もしくはラウド
スピーカをオーバードライブして、ひずんだサウンドを生じさせ、ラウドスピー
カとか増幅器を損傷させる可能性もある。バスエンハンスメントプロセッサはバ
ス信号内のピークを平坦化して、バス信号内のエネルギーを増大させて、それに
より全体の低音の知覚を増大させる。
【0152】 信号内のエネルギーは信号の振幅と信号の継続期間との関数である。別な言い
方をすると、このエネルギーはその信号のエンベロープの下側の面積を比例する
。低音ノートの初期パルスは比較的大きな振幅をもっているけれども、このパル
スはそれが短期間であるから、僅かなエネルギーを含むことがしばしばである。
従って初期パルスでエネルギーを殆んどもっていないものは、しばしば低音の知
覚に著しく貢献しない。したがって、初期パルスは通常は低音の知覚に著しい影
響を与えることなく振幅を減らすのが通常である。
【0153】 図28はバスエンハンスメントシステム2500の信号処理ブロック図であり
、これがパルス(初期パルスとか低音ノート)の振幅を制御するためにピークコ
ンプレッサ(圧縮器)を用いてバスエンハンスメントを提供している。このシス
テム2500では、ピークコンプレッサ2502がコンバイナ1718とパンチ
ユニット1720との間に置かれている。コンバイナ1718の出力はピークコ
ンプレッサ2502の入力に送られ、またピークコンプレッサ2502の出力は
バスパンチユニット1720の入力に送られる。
【0154】 図19に関係した図18A,図18Bについての上述のコメントは図28に示
したトポロジィについても同じように適用される。例えば、図28は、示した通
り、図18Aに示したトポロジィとほぼ対応していて、信号処理ブロック161
3と1615とが1の伝達関数を有し、信号処理ブロック1612は複合フィル
タ1707と、ピークコンプレッサ2502と、バスパンチユニット1720と
を備えている。しかし、図28に示した信号処理は図18Aに示したトポロジィ
に限定されない。図28の素子もまた図18Bに示したトポロジィで使用できる
。図28には示していないが、信号処理ブロック1613,1615,1621
,及び1623は追加の信号処理を提供できて、例えば低いバス周波数を除去す
るハイパスフィルタ動作、バスパンチユニット1702とコンプレッサ2502
によって処理された周波数を除去するためのハイパスフィルタ動作、高い周波数
のサウンドをエンハンスする高周波エンハンス、バスパンチ回路1720とピー
クコンプレッサ2502とを補助する追加の中間バス処理などが含まれる。他の
組合せも同様に取上げることができる。
【0155】 ピーク圧縮ユニット2502はその入力において用意される信号のエンベロー
プを“平坦化”する。大きな振幅をもつ入力信号に対して圧縮ユニット2502
の見かけの(アパーレントな)利得は増大される。こうして圧縮ユニットは入力
信号のエンベロープのピークを低減(し、また入力信号のエンベロープ内の溝(
トラフ)を充填)する。圧縮ユニット2502の入力に用意される信号に拘わら
ず、エンベロープ(例えば、平均振幅)で圧縮ユニット2502からの出力信号
についてのものは比較的均一な振幅を有している。
【0156】 図29は比較的大きな振幅の初期パルスを備えたエンベロープについてのピー
ク圧縮器(コンプレッサ)の効果を示す時間ドメインプロットである。図29は
初期の大きな振幅のパルスに続く低い方の振幅信号でより長い期間のものが続い
ている入力エンベロープ2614の時間ドメインプロットを示す。出力エンベロ
ープ2616は入力エンベロープ2614についてのバスパンチユニット172
0の効果を示す(ピーク圧縮器2502はない場合である)。出力エンベロープ
2617はピーク圧縮器2502とパンチユニット1720との両方を通って入
力信号2614を通過させることの効果を示す。
【0157】 図29に示すように、入力信号2614の振幅は増幅器もしくはラウドスピー
カをオーバードライブするのに十分であると仮定すると、バスパンチユニットは
入力信号2614の最大振幅を制限せず、したがって出力信号2616もまた増
幅器またはラウドスピーカをオーバードライブするのに十分となる。
【0158】 しかし、パルス圧縮ユニット2502で信号2617と関係して使用されてい
るものは、大きな振幅のパルスを圧縮(その振幅を低減)する。圧縮ユニット2
502は入力信号2614の大きな振幅のゆれを検出し、最大振幅を圧縮(低減
)してそれにより出力信号2617が増幅器またはラウドスピーカをオーバード
ライブすることがないようにしている。
【0159】 圧縮ユニット2502は信号の最大振幅を低減するので、出力信号2617が
増幅器もしくはラウドスピーカをオーバードライブする確率を十分に減らすこと
なしにパンチユニット1720により用意される利得を増すことが可能である。
信号2617はバスパンチユニット1720の利得が増大されている実施形態に
対応している。したがって、長い減衰部分の間に信号2617はカーブ2616
よりも大きな振幅をもっている。
【0160】 上述のように、信号2614,2616,2617内のエネルギーは各信号を
表わしている曲線の下の面積に比例している。信号2617はより多くのエネル
ギーをもっており、その理由はそれが小さい方の最大振幅をもってはいるが、信
号2617を表わしている曲線の下の方が信号2614もしくは2616のいず
れよりも大きな面積を有していることによる。信号2617は余計にエネルギー
を含んでいるので、聴者(リスナ)は信号2617で余計にバス(低音)を知覚
することになる。
【0161】 このようにして、バスパンチユニット1720と組合せてピークコンプレッサ
(圧縮器)を使用することが低音信号内に余分にエネルギーをバスエンハンスメ
ントシステムが与えられるようにし、しかもエンハンスされたバス信号が増幅器
とラウドスピーカをオーバードライブする可能性を減らしている。
【0162】 ピークコンプレッサはこの分野で既知である。例えば、上述したNE572の
データシートは圧縮回路(やや複雑な回路ではあるが)を開示している。
【0163】 図30は入力2703と出力2704とを有するピーク圧縮器回路2700の
一実施形態のブロック図である。出力2704における信号は入力2703にお
ける信号の圧縮版(バージョン)である。新しい組合せでは、ピーク圧縮器27
00はエキスパンダ(拡大器)を用いることによって圧縮を提供している。圧縮
器(コンプレッサ)2700で使用されるエキスパンダはバスパンチ回路230
0で使用されるエキスパンダと同種のものである。
【0164】 エキスパンダ(図27で示したエキスパンダのようなもの)では、全体のすな
わち拡大した出力信号は入力信号に拡大信号を加えたものである。入力信号の振
幅が増大すると、そのときは拡大信号の振幅が増加して、それにより2つの和で
ある出力が増す。対象的なのがコンプレッサ2700の出力信号が入力信号マイ
ナス拡大信号となることである。入力信号が一層大きくなると、拡大信号もまた
大きくなるが、2つの間の差であるコンプレッサ出力はより小さくなる。これが
コンプレッサの性質であり、入力信号が大きくなるときのものであり、コンプレ
ッサの見かけの利得は減少している。比較的小さな振幅をもつ入力信号に対して
は、コンプレッサは比較的大きな利得を有している。しかし、比較的大きな振幅
をもつ入力信号については、コンプレッサは比較的小さな利得を有している。
【0165】 図30では、入力2703が反転エキスパンダ(拡大器)2708の入力と抵
抗器2716の第1の端子とに与えられている。反転拡大器2708の出力は抵
抗器2718の第1の端子に加えられている。
【0166】 抵抗器2716の第2の端子と抵抗器2718の第2の端子とは共にオペアン
プ2720の反転入力に加えられる。帰還抵抗器2722はオペアンプ2720
の反転入力とオペアンプ2720の出力との間に接続されている。オペアンプ2
720の非反転入力は接地されている。オペアンプ2720の出力は出力270
4に接続されている。
【0167】 反転エキスパンダ2708はエキスパンダ入力と、エキスパンダ入力に関して
反転された(マイナスとした)エキスパンダ出力とを有するエキスパンダである
非反転エキスパンダも同様に使用できて、それには反転増幅器を通ってエキスパ
ンダの入力(もしくは出力)を通過することが行なわれる。アタックと減衰との
時定数はバスパンチユニット1720のアタックと遅延との時定数と同じである
のが好い。一実施例では、エキスパンダ2708は図27に示したエキスパンダ
2300を備えている。
【0168】 オペアンプ2720の反転入力は実際には加算接合であり、そこでは入力信号
(抵抗器2716を通して与えられる)が拡大された信号(抵抗器2718を通
して与えられる)に“加算”される。この加算接合では減算も発生するが、それ
はエキスパンダ2708の出力が増すパンダの入力に対してマイナスとされてい
ることによる。コンプレッサ2700の出力はこうして入力信号(抵抗器271
6により重み付けされている)から拡大した信号(抵抗器2718により重み付
けされている)を減算した重み付け和となっている。抵抗器2716をR1と、
抵抗器2718をR2と書くと、一般にはR1はR2よりも大きくなければなら
ない。
【0169】 他の実施例 この発明のある特定の実施例を記述してきたが、これらの実施例は例としての
目的で呈示したものであり、この発明の思想範囲を限定しようとしたものではな
い。例えば、この発明は入力チャンネルが組合せチャンネルを作るために組合さ
れて、それが後に修正を加えられてエンハンスした低音(バス)を作るという実
施例に限定されていない。チャンネルの組合せは求められておらず、またエンハ
ンスメント信号処理は別個の入力チャンネル上で実行されてよい。いろいろな実
施例がバイクァッド及びチェビチェフフィルタを用いているが、しかし、この発
明はこういったフィルタ整列例に制限されない。さらにまた、フィルタ動作は低
域通過と高域通過フィルタの組合せを用いて達成でき、ここに記述した帯域通過
フィルタでなくてもよい。したがって、この発明の広がりと技術的思想の範囲と
は添付の特許請求の範囲とその等価なものとにのみ従い定義されるものとなるべ
きである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を使用するのに適したオーディオシステムのブロック図。
【図2】 サウンドカードおよびスピーカをもつマルチメディアコンピュータシステムの
ブロック図。
【図3】 一般的な小型スピーカシステムの周波数応答グラフ。
【図4】 信号の実際のスペクトルと知覚されたスペクトルを2つのディスクリートな周
波数によって表わしたグラフ(図4A)と、信号の実際のスペクトルと知覚され
たスペクトルを周波数の連続するスペクトルによって表わしたグラフ(図4B)
と、変調されたキャリアの波形を時間的に示したグラフ(図4C)と、検出器に
よる検出後の波形を時間的に示したグラフ(図4D)。
【図5】 サウンドカードおよびスピーカを含む一般的なコンピュータシステムのブロッ
ク図。
【図6】 ディジタルサウンドシステムのブロック図(図6A)と、サウンドエンハンス
メント処理を使用するディジタルサウンドシステムのブロック図(図6B)。
【図7】 サウンドエンハンスメントユニットがサウンドエンハンスメント機能を備えて
いる本発明のハードウエアの実施形態のブロック図。
【図8】 入力信号のスペクトルを形成して、低周波サウンドの知覚をエンハンスするの
に使用される信号処理の1つの実施形態を示す図。
【図9】 本発明のいくつかの実施形態で使用されるバンドパスフィルタの回路図。
【図10】 図8に示した信号処理ダイヤグラムにおいて使用されるバンドパスフィルタの
伝達関数のグラフ。
【図11】 ゼロ交差検出器を使用する知覚されるエンハンスメントシステムの信号処理ブ
ロック図。
【図12】 図8に示したバンドパスフィルタに接続された多数の自動利得制御回路を使用
して生成されたエンハンスメント伝達関数のグラフであり、相当な低周波エネル
ギーをもつ入力信号に対応するエンハンスメント伝達関数を示すグラフ(図12
A)と、図12Aに示したエンハンスメント伝達関数によって生成される合計ス
ペクトルを示すグラフ(図12B)。
【図13】 図8に示したバンドパスフィルタに接続された多数の自動利得制御回路を使用
して生成されたエンハンスメント伝達関数のグラフであって、非常に小さい低周
波エネルギーをもつ入力信号に対応するエンハンスメント伝達関数を示すグラフ
(図13A)と、図13Aに示したエンハンスメント伝達関数によって生成され
た合計スペクトルを示すグラフ(図13B)。
【図14】 図12および13に示したエンハンスメント伝達関数を生成するシステムの信
号処理ブロック図。
【図15】 自動利得増幅器のブロック図(図15A)と、図15Aに示したブロック図に
対応する自動利得制御増幅器の回路図(図15B).
【図16】 選択可能な周波数応答を使用して図12および13に示したエンハンスメント
伝達関数を与えるシステムの信号処理ブロック図。
【図17】 バスエンハンスメント処理を使用するサウンドシステムのブロック図。
【図18】 多数のチャンネルを単一のバスチャンネルへ結合するバスエンハンスメントプ
ロセッサのブロック図(図18A)と、多数のチャンネルを別々に処理するバス
エンハンスメントプロセッサのブロック図(図18B)。
【図19】 選択可能な周波数応答をバスエンハンスメントに与えるシステムの信号処理ブ
ロック図。
【図20】 図19に示した信号処理ブロック図で使用されるバンドパスフィルタの伝達関
数のグラフ。
【図21】 パンチ回路の時間−振幅応答を示す時間−ドメインのグラフ。
【図22】 楽器によって演奏される一般的なバスの楽譜の信号およびエンベロープ部分を
示し、エンベロープがアタック、減衰、維持、およびレリース部分を示す時間−
ドメインのグラフ。
【図23】 アタックが遅いエンベロープ上のバスパンチ回路の効果を示す時間−ドメイン
のグラフ(図23A)と、アタックが早いエンベロープ上のバスパンチ回路の効
果を示す時間−ドメインのグラフ(図23B)。
【図24】 図23Aおよび23Bと関連するアタック時間の時間−ドメインのグラフ(図
24A)と、図23A,Bおよび24A,Bに示したバスパンチ伝達関数を含む
図19に示したバスエンハンスメントシステムの振幅応答曲線を示す周波数−ド
メインのグラフ(図24B)。
【図25】 図19に示したバスエンハンスメントシステムを構成する回路図の1つの実施
形態を示す図。
【図26】 バスパンチ回路の1つの実施形態のブロック図。
【図27】 図26に示したバスパンチ回路の1つの構成の回路図。
【図28】 ピーク圧縮器およびバスパンチ回路を使用してバスをエンハンスするシステム
の信号処理ブロック図。
【図29】 第1のアタックをもつエンベロープ上のピーク圧縮器の効果を示す時間−ドメ
インのグラフ。
【図30】 ピーク圧縮器の1つの実施形態の回路図。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年10月12日(2000.10.12)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CR, CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI,G B,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL ,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN,Y U,ZA,ZW

Claims (42)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左側および右側のスピーカによって再生されることを意図さ
    れたオーディオ情報を含む左側および右側のステレオ信号を処理するオーディオ
    システムであって、前記左側および右側のスピーカはバス周波数よりもミッドバ
    スおよびより高い周波数をより正確に再生することができ、前記オーディオシス
    テムは、前記左側および右側のスピーカによってバス情報の再生をエンハンスす
    るように構成されており: 左側のオーディオ信号および右側のオーディオ信号と; 前記左側および右側のオーディオ信号を結合して、1組のバス周波数および1
    組のミッドバス周波数をもつモノ信号を生成する第1の電子加算器と; 前記第1の電子加算器と通信し、前記ミッドバス周波数を選択するように構
    成された第1のフィルタと; 前記第1のフィルタと通信し、前記ミッドバス周波数の振幅を制御するよう
    に構成された圧縮器と; 前記圧縮器と通信して、変更されたモノ信号を生成する前記ミッドバス周波
    数を形成するように構成されたバスパンチユニットであり、前記変更されたモノ
    信号が、前記ミッドバス周波数が右側および左側のスピーカ上で再生されるとき
    に前記システムの知覚されたバスをエンハンスするように構成されているバスパ
    ンチユニットと; 前記変更されたモノ信号と前記左側のオーディオ信号とを結合して、変更さ
    れた左側の出力信号を生成する第2の電子加算器と; 前記変更されたモノ信号と前記右側のオーディオ信号とを結合して、変更さ
    れた右側の出力信号を生成する第3の電子加算器であって、前記変更された右側
    の出力信号および前記変更された左側の出力信号が前記左側および右側のスピー
    カをドライブする第3の電子加算器とを含むオーディオシステム。
  2. 【請求項2】 前記第1のフィルタが複数のバンドパスフィルタを含む請求
    項1記載のオーディオエンハンスメントシステム。
  3. 【請求項3】 2以上の前記バンドパスフィルタの出力が結合される請求項
    2記載のオーディオエンハンスメントシステム。
  4. 【請求項4】 前記バスパンチユニットがオーディオ利得制御を含む請求項
    2記載のオーディオエンハンスメントシステム。
  5. 【請求項5】 前記バスパンチユニットの利得が前記ミッドバス周波数のエ
    ンベロープに応答する請求項1記載のオーディオエンハンスメントシステム。
  6. 【請求項6】 前記バスパンチユニットが前記エンベロープに応答して前記
    ミッドバス周波数を変更する請求項5記載のオーディオエンハンスメントシステ
    ム。
  7. 【請求項7】 オーディオをエンハンスする装置であって: 入力信号と; エンベロープ部分と変調された部分とをもつ前記入力信号の選択された部分
    を選択するフィルタと; 前記エンベロープ部分に応答して前記変調された部分を変更して、変更され
    た信号を生成するように構成された信号プロセッサと; 前記変更された信号と前記入力信号とを結合して、出力信号を生成する結合
    器とを含む装置。
  8. 【請求項8】 オーディオをエンハンスする装置であって: 第1の信号の少なくとも一部分と第2の信号の少なくとも一部分とを結合し
    て、結合された信号を生成する第1の結合器と; 前記結合された信号の一部分を選択して、選択された信号を生成するように
    構成された第1の信号プロセッサと; 前記選択された信号のエンベロープに応答して前記選択された信号を変更し
    て、変更された信号を生成するように構成された第2の信号プロセッサと; 前記変更された結合された信号を前記第1の信号と結合して、出力信号を生
    成する第2の結合器とを含む装置。
  9. 【請求項9】 前記第2の信号プロセッサが自動利得制御を含む請求項8記
    載の装置。
  10. 【請求項10】 前記第2の信号プロセッサが、第1の周波数範囲内の周波
    数に対して前記第2の周波数範囲内の周波数をエンハンスする請求項8記載の装
    置。
  11. 【請求項11】 前記第1の信号プロセッサが複数のフィルタを含む請求項
    8記載の装置。
  12. 【請求項12】 前記第1の信号プロセッサが複数のバンドパスフィルタを
    含む請求項8記載の装置。
  13. 【請求項13】 前記第2の信号プロセッサが、アタック時定数に関係する
    レートで増加する利得をもつエキスパンダを含む請求項8記載の装置。
  14. 【請求項14】 前記利得が、減衰時定数に関係するレートで低減する請求
    項13記載の装置。
  15. 【請求項15】 前記アタック時定数が前記減衰時定数よりも長い請求項1
    4記載の装置。
  16. 【請求項16】 前記アタック時定数が約5ないし50ミリ秒である請求項
    14記載の装置。
  17. 【請求項17】 前記第2の信号プロセッサがエキスパンダを含む請求項8
    記載の装置。
  18. 【請求項18】 前記第2の信号プロセッサが圧縮器を含む請求項8記載の
    装置。
  19. 【請求項19】 前記圧縮器がエキスパンダを含む請求項18記載の装置。
  20. 【請求項20】 前記圧縮器がさらに結合器を含み、前記結合器が前記エキ
    スパンダの出力と前記エキスパンダの入力とを結合して、圧縮された信号を生成
    するように構成された請求項19記載の装置。
  21. 【請求項21】 前記第2の信号プロセッサが、圧縮器およびエキスパンダ
    を含む請求項8記載の装置。
  22. 【請求項22】 前記第1の信号プロセッサがスイッチを含み、前記スイッ
    チが第1の位置および第2の位置をもち、前記第1の位置が前記結合された信号
    の少なくとも第1の部分を選択して、前記選択された信号を生成するように構成
    されており、前記第2の位置が前記結合された信号の少なくとも第2の部分を選
    択して、前記選択された信号を生成するように構成されている請求項8記載の装
    置。
  23. 【請求項23】 オーディオをエンハンスする装置であって: 前記第1の信号プロセッサが、バンドパスフィルタの出力を選択して、前記
    選択された信号の一部分を生成するように構成されたスイッチを含む請求項8記
    載の装置。
  24. 【請求項24】 オーディオをエンハンスする装置であって: 第1のオーディオデータ流の少なくとも一部分と第2のオーディオデータ流
    の少なくとも一部分とを結合して、第1の組の周波数と第2の組の周波数とをも
    つ結合されたデータ流を生成する第1の結合器モジュールと; 前記結合されたデータ流を処理して第1の処理されたデータ流を生成するよ
    うに構成された第1の処理モジュールと; 前記第1の処理されたデータ流を変更して、バスのエンハンスされたデータ
    流を生成するように構成されたバス処理モジュールと; 前記バスのエンハンスされたデータ流と前記第1のオーディオデータ流とを
    結合して、出力データ流を生成する第2の結合器モジュールとを含む装置。
  25. 【請求項25】 前記第1のオーディオデータ流と前記バスのエンハンスさ
    れたデータ流とを結合する前に、前記第1のオーディオデータ流を処理するよう
    に構成された第2の処理モジュールをさらに含む請求項24記載の装置。
  26. 【請求項26】 前記第2の処理モジュールがハイパスフィルタを含む請求
    項25記載の装置。
  27. 【請求項27】 前記第2の処理モジュールがローパスフィルタを含む請求
    項25記載の装置。
  28. 【請求項28】 前記第2の処理モジュールがバンドパスフィルタを含む請
    求項25記載の装置。
  29. 【請求項29】 前記第1の処理モジュールがハイパスフィルタを含む請求
    項24記載の装置。
  30. 【請求項30】 前記第1の処理モジュールがローパスフィルタを含む請求
    項24記載の装置。
  31. 【請求項31】 前記第1の処理モジュールがバンドパスフィルタを含む請
    求項24記載の装置。
  32. 【請求項32】 前記第1の処理モジュールがアナログフィルタを含む請求
    項24記載の装置。
  33. 【請求項33】 前記第1の処理モジュールがディジタルフィルタを含む請
    求項24記載の装置。
  34. 【請求項34】 前記第1のオーディオデータ流がアナログ信号を含む請求
    項24記載の装置。
  35. 【請求項35】 オーディオをエンハンスする装置であって: 第1の信号の少なくとも一部分と第2の信号の少なくとも一部分とを結合し
    て、第1の組の周波数と第2の組の周波数とをもつ結合された信号を生成するよ
    うに構成された第1の結合器と; 前記結合された信号内の前記第2の組の周波数を変更して、変更された結合
    された信号を生成し、この信号から前記第2の組の周波数が前記第1の組の周波
    数の少なくとも一部分を含むことを知覚することができるように構成された信号
    プロセッサであり、前記結合された信号のエンベロープに応答して利得の制御さ
    れた増幅器をドライブする複数のバンドパスフィルタを含む信号プロセッサと; 前記変更された結合された信号と前記第1の信号とを結合して、出力信号を
    生成する第2の結合器とを含む装置。
  36. 【請求項36】 オーディオ信号を供給する動作と; 前記オーディオ信号の低周波成分を分離する動作と; 前記低周波成分をフィルタ処理して、フィルタ処理された信号を生成する動
    作と; 利得制御増幅器の利得が前記フィルタ処理された信号のエンベロープに関係
    している前記利得制御増幅器において前記フィルタ処理された信号を増幅して、
    増幅された信号を増幅する動作と; 前記オーディオ信号と前記増幅された信号とを一緒に結合することによって
    シミュレートされる動作とを含むオーディオ信号においてバスをエンハンスする
    方法。
  37. 【請求項37】 前記フィルタ処理する段階が、複数のバンドパスフィルタ
    において前記低周波の成分をフィルタ処理する段階を含む請求項36記載の方法
  38. 【請求項38】 前記フィルタ処理する動作が、前記バンドパスフィルタの
    各々の出力を重み付けすることを含む請求項37記載の方法。
  39. 【請求項39】 前記増幅する段階が、前記フィルタ処理された信号を圧縮
    することを含む請求項37記載の方法。
  40. 【請求項40】 前記増幅する段階が、前記フィルタ処理された信号を拡大
    することをさらに含む請求項39記載の方法。
  41. 【請求項41】 オーディオ信号においてバスをエンハンスする方法であっ
    て: オーディオ信号を供給する動作と; 前記オーディオ信号の低周波成分を選択して、フィルタ処理された信号を生
    成する動作と; 前記フィルタ処理された信号を圧縮して、圧縮された信号を生成する動作と
    ; 前記圧縮された信号を拡大して、拡大された信号を生成する動作と; 前記オーディオ信号と前記拡大された信号とを一緒に結合することによって
    シミュレートされた低周波信号を生成する動作とを含む方法。
  42. 【請求項42】 オーディオ信号の低周波 成分を選択して、フィルタ処理された信号を生成する選択手段と; 前記フィルタ処理された信号を拡大して、拡大された信号を生成する拡大手
    段と; 前記オーディオ信号と前記拡大された信号とを一緒に結合することによって
    シミュレートされた低周波信号を生成する結合手段とを含むバスエンハンスメン
    トシステム。
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