JP2002524259A - 作動下部テーブル付きプレスブレーキ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 金属板を曲げるための曲げプレスであって、可動上部パネル（１）と固定下部パネル（２）とから成るタイプであり、上記下部パネルが２つのノッチ（３ａ、３ｂ）により区画された自由上部（２２）と固定下部（２１）とを有するプレートから成り、上記ノッチが上記下部パネルの中央横断面に関して対称的に同一であり、各ノッチが背壁によって相互接続された上部壁（３１ａ、３１ｂ）と下部壁（３２ａ、３２ｂ）とを有すると共に上記プレートの対応する側縁に開口を有する。この曲げプレスの特徴は、各ノッチ（３ａ，３ｂ）が上記下部パネルの自由上部（２２）と固定下部（２１）とを相互接続する変位部材（６ａ，６ｂ）を備え、これにより上記ノッチの上部壁を下部壁方向へ移動して上記下部パネルの自由上部の変形曲線を変更制御することである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、金属板を曲げるための曲げプレスに関する。この曲げプレスは上部
パネルを下部パネルの上に配置して構成するタイプであり、下部パネルはその端
部が固定支持され、上部パネルは可動であって垂直面において駆動部材により駆
動され、これら駆動部材は上部パネルの２つの端部に同じように配置される。

【０００２】 上記駆動部材は、金属板や積層板を曲げるために必要な力を送り出し、二枚の
パネルの対向する変形を引き起こす。

【０００３】 この種の構造において、曲げ力を作用させると、パネルの長手変形曲線（各曲
線は単一の弧状）は、パネルの分離面に関して実質的に対称である。このためパ
ネル間の最大分離は、スラスト点（駆動部材および固定支持）間の中間付近で発
生し、各パネルの最大変形の２倍に相当する。

【０００４】 上部パネルと下部パネル間の最大分離は、曲げの精度および品質に関する基本
的なパラメータである。上記例では、二つのパネルは両端よりも中央での分離が
大きいため、曲げは両端よりも中央での開きが大きくなろう。

【０００５】 この欠点を緩和するため、実用新案第２，５５８，９２８号が提案する解決方
法の曲げプレスは、可動上部パネルと固定下部パネルとを有する。この下部パネ
ルは、均一な厚さのプレートで構成され、２つのノッチを有する。これらノッチ
は、下部パネルの中央横断面に関して対称的に同一である。

【０００６】 各ノッチは、背壁によって相互接続した上部壁と下部壁とを有し、下部パネル
の対応する側縁に開口を有する。

【０００７】 このように下部パネルは、ノッチの上下に、上部と下部とを有する。好ましく
は、下部パネルの下部は２枚の側板に固定する。これら側板は上部パネルも支持
する。下部パネルの上部、より正確には下部パネルの端部は、垂直面において自
由に移動する。

【０００８】 このような条件において曲げ力を加えると、上部パネルおよび下部パネルの２
つの加工縁部に長手変形曲線が得られる。これら加工縁部は、可能な限り平行で
あり、可能な限り接近する。

【０００９】 この実用新案は、各ノッチに移動部材を設けることを説明している。この移動
部材は、その位置をノッチ内において手動または自動で調整可能であり、各ノッ
チの上部壁および下部壁に直接接触する。移動部材を動かすことにより、ノッチ
の対応する深さを減らすことができる。移動部材を開口端部に近づけるに従い、
下部パネルの弾性は減じる。

【００１０】 残念ながらこの種の曲げプレスを使用しても、下部パネルと上部パネルの対向
縁部の変形曲線を正確に平行にすることはできない。

【００１１】 下部パネルの自由上部に加わる圧力は、駆動部材が上部パネルに加える力、す
なわち曲げようとする金属シートに加わる力のみの関数である。このような条件
では、上記圧力に任意の動作を加えることは不可能である。すなわち下部パネル
の上部における変形に任意の動作を加えて、上部パネルの変形と正確に平行にす
ることは不可能である。

【００１２】 さらに移動部材がノッチの背壁と実質的に同じ高さにあり、かつ該部材の作用
部が印加する力が大きい場合、下部パネルの変形曲線は最大となる。この時、下
部パネルの上部の固有弾性は、修復不能の損傷を受ける。

【００１３】 本発明の目的は、上記技術的問題を納得の行く方法で解決することである。

【００１４】 この目的を達成するため本発明は、金属板を曲げるための曲げプレスであって
、上部パネルを下部パネルの上に配置して構成するタイプの曲げプレスを提供す
る。上記下部パネルはその端部が固定支持され、上記上部パネルは可動であって
垂直面において駆動部材により駆動され、これら駆動部材は同じように端部に配
置され、上記下部パネルは２つのノッチにより区画された自由上部と固定下部と
を有するプレートから成り、これらノッチは上記下部パネルの中央横断面に関し
て対称的に同一であり、各ノッチは背壁によって相互接続した上部壁と下部壁と
を有すると共に上記プレートの対応する側縁に開口を有する。この曲げプレスの
特徴は、各ノッチが上記下部パネルの自由上部と固定下部とを相互接続する変位
部材を備え、これによりノッチの上部壁を下部壁方向へ移動して下部パネルの自
由上部の変形曲線を変更制御することである。

【００１５】 他の特徴は、各変位部材が、第１に上記ノッチの下部壁に接続した固定部と、
第２に該ノッチの上部壁に取り付けた移動部とを備えることである。

【００１６】 他の特徴は、各変位部材が、対応するノッチの開口に配置され、該ノッチの上
部壁の自由端を正確に移動できることである。

【００１７】 他の特徴は、上記曲げプレスが制御装置を含み、この制御装置が、上記下部パ
ネルの自由上部の各端部に与えられる曲線の関数として、各変位部材を独立に制
御することである。

【００１８】 他の有利な特徴は、上記制御装置が次の手段を備えることである。

【００１９】 すなわち上記下部パネルの自由上部に与えられる曲線に関する曲線情報を受け
取る手段と、 上記曲線情報を上記変位部材用の制御情報に変換する手段とである。

【００２０】 さらに他の有利な特徴は、上記制御装置が、上記下部パネルの自由上部の実曲
線に関する情報を取得するための測定手段と、プログラムした曲線とをさらに備
えることである。

【００２１】 このため本発明の変位部材は、上記下部パネルの自由上部の変形曲線を、信頼
性の高い方法で監視し調整できる。この時、上記下部パネルの弾性限界を超える
恐れはない。

【００２２】 さらに下部パネルの変形曲線は、上部パネルに対して駆動部材が印加する力の
関数ではなくなるため、上部パネルと曲げようとする金属シートとに関する強度
および構造計算を実行するだけで、変位部材を正確に調整できる。すなわちノッ
チの上部壁を下部壁に向けて移動する距離を正確に調節でき、上部パネルと下部
パネルの変形曲線を正確に平行にできる。

【００２３】 本発明は、以下の説明および図面を読むことにより、より良く理解されよう。

【００２４】 図１および図２は本発明の曲げプレスを示す。

【００２５】 この曲げプレスは、フレームに搭載した上部パネル１と下部パネル２とを備え
る。このフレームは、交差ビーム（図示せず）によって結合した２枚の端板９ａ
および９ｂから成る。

【００２６】 上部パネル１と下部パネル２は、共通垂直面内にある。上部パネル１は、案内
手段８ａおよび８ｂの助けによって、端板９ａおよび９ｂに対して摺動する。上
記案内手段は、例えば２つの油圧作動装置から成る。

【００２７】 上記上部パネルおよび下部パネルの作業縁は、曲げパンチＰとそれに対応する
母型Ｍを有する。

【００２８】 金属シートまたは積層板を曲げる角度は、パンチＰを母型Ｍに進入させる距離
による。従って曲げの全長に渡って一定角度を得るためには、その全長に渡って
上記進入を同一にする必要がある。

【００２９】 下部パネル２は、２つのノッチ３ａおよび３ｂを有するプレートから成る。こ
れらノッチは、図１の線ＩＩ−ＩＩが示すように、下部パネルの中央横断面に関
して対称的に同一である。

【００３０】 ノッチ３ａおよび３ｂは、上部壁３１ａおよび３１ｂと下部壁３２ａおよび３
２ｂを有する。これら上部壁および下部壁は、下部パネル２を構成するプレート
の横方向に延びる。

【００３１】 各ノッチは、背壁をさらに有する。各背壁は、下部パネルの中央領域において
、対応する上部壁３１ａ,３１ｂおよび下部壁３２ａ,３２ｂを相互接続する。各
ノッチの開口は、下部パネル２の対応する側縁に位置する。

【００３２】 上部壁３１ａおよび３１ｂは、水平に延びる下部壁３２ａおよび３２ｂに対し
、ある角度を持って傾斜する。当然この角度は、ノッチに取り付けた変位部材に
応じて、あるいは使用する曲げプレス範囲に応じて変わる。

【００３３】 このように下部パネル２は、２つのノッチ３ａおよび３ｂの上下に上部２２と
下部２１とを有する。

【００３４】 図２に示すように、下部パネル２の下部２１は、その両端が端板９ａおよび９
ｂに固定される。これら端板は、曲げプレスのフレームを形成する。

【００３５】 下部２１は、溶接あるいは他の手段で固定できる。

【００３６】 下部パネル２の上部２２は、ノッチ３ａおよび３ｂの２枚の背壁間に位置する
中央領域だけを介して、下部２１に接続する。

【００３７】 従って下部パネル２の上部２２は、垂直面において自由度を有し、それによっ
てその自由端は下部２１の固定端に対して移動可能である。

【００３８】 本発明において、ノッチ３ａおよび３ｂは、変位部材６ａおよび６ｂを備える
。これら変位部材は、下部パネル２の上部２２と下部２１とを接続する。

【００３９】 図１および図３に示す実施例において、変位部材６ａおよび６ｂは、油圧作動
装置から成る。

【００４０】 油圧作動装置６ａおよび６ｂは各々、対応するノッチの下部壁３２ａまたは３
２ｂに固定したシリンダ４ａまたは４ｂと、ネジまたは他の手段で上部壁３１ａ
または３１ｂに接続したピストンロッド５ａまたは５ｂとを備える。

【００４１】 これら油圧作動装置６ａおよび６ｂは、上記ノッチの開口に近接配置し、ノッ
チ３ａおよび３ｂの上部壁３１ａおよび３１ｂの自由端を、以下に詳述するよう
に正確に移動させる。

【００４２】 これら油圧作動装置は収縮動作し、それによって上部壁３１ａおよび３１ｂを
対応する下部壁３２ａおよび３２ｂに近づける。これにより下部パネル２の自由
上部２２の変形曲線を変更制御する。その後に曲げ作業が行われる。すなわち上
部パネル１が垂直移動される。

【００４３】 図３を参照すると、制御装置１３は、油圧作動装置６ａおよび６ｂのピストン
ロッド５ａおよび５ｂの行程を個別に制御する。この制御は、下部パネル２の上
部２２の各端部に与えられる曲線の関数として行う。

【００４４】 制御装置１３により操作者は、下部パネル２の自由上部の各１／２部分に関す
る要求変形曲線を入力できる。これら２つの１／２部分は、下部パネル２の中央
横断面に対して定義される。

【００４５】 制御装置１３は処理装置１１を備える。この処理装置は、例えばマイクロプロ
セッサから成る。制御装置はキーボード１０をさらに備える。このキーボードを
介して処理装置１１は、下部パネル２の上部２２の各１／２部分に適用される変
形曲線のパラメータを受け取る。

【００４６】 キーボード１０は、他のデータ取得手段に置き換えることもできる。処理装置
１１はプログラムメモリ１２に接続する。メモリ１２は、特に対応表を保持する
。この対応表は、各実行可能変形曲線のパラメータと、油圧作動装置６ａおよび
６ｂのピストンロッド５ａおよび５ｂに適用すべき変位との対応を示す。

【００４７】 操作者は、キーボード１０を用いることにより、曲げようとする金属シートの
性質、厚さ、長さ、曲げの特徴（曲げ角度、工具寸法）等に関するデータを制御
装置に入力できる。

【００４８】 これら表および操作者によるデータ入力により、処理装置１１は、作動装置６
ａおよび６ｂに対し、変位コマンドを送ることができる。これにより作動装置は
、上部壁３１ａおよび３１ｂを対応する下部壁３２ａおよび３２ｂの方向に移動
させる。これにより下部パネル２の上部２２の変形曲線は、金属シート曲げ段階
において、上部パネル１の変形曲線に正確に平行となる。また作動装置６ａおよ
び６ｂは、金属シートが曲げられている間、各位置に固定される。

【００４９】 処理装置が変位コマンドを作動装置６ａおよび６ｂに対して発行できるよう、
処理装置１１の入力ＡおよびＢは、ポンプ（図示せず）により駆動される２個の
サーボ制御弁１４ａおよび１４ｂに接続できる。これら弁１４ａおよび１４ｂは
、処理装置１１から制御信号を受け取り、作動装置６ａおよび６ｂに油圧を直接
供給する。

【００５０】 このように制御装置１３は、作動装置６ａおよび６ｂを独立に制御する。これ
により、下部パネル２の一方の１／２部分のみに載置した金属シートに偏心曲げ
を実行することが可能になる。あるいは下部パネル２の全長に渡る曲げを実行す
ることが可能になる。この場合、作動装置６ａおよび６ｂは、同一変位命令を受
け取る。

【００５１】 さらに制御装置１３は、２つのノッチ３ａおよび３ｂの開口に配置した測定手
段７ａおよび７ｂを有する。これら測定手段は、下部パネル２の下部２１の固定
端から、上部２２の自由端までの距離を測定する。これによって下部パネル２の
変形曲線を監視する。

【００５２】 測定手段７ａおよび７ｂが取得した測定値は、入力ＣおよびＤを介して処理装
置が受け取る。これら下部パネル２の各１／２部分の変形曲線の測定値は、処理
装置に最初に入力した曲線と比較される。

【００５３】 測定手段７ａおよび７ｂが取得した変形曲線がプログラムした曲線に一致しな
ければ、処理装置は、誤差訂正命令を作動装置６ａおよび６ｂに送る。

【００５４】 当然ながら処理装置１１は、他の測定手段に接続することもできる。他の測定
手段は力センサである。この力センサは、実際に印加される曲げ力と、プレスの
対称面に対するその曲げ力の分布を連続的に測定する。また、他の測定手段は位
置センサである。この位置センサは、上部パネル１と下部パネル２の各端部の相
対位置を連続的に測定する。

【００５５】 下部パネルおよび上部パネルが金属シートの曲げ加工中に平行を失った場合、
制御装置は、誤差訂正命令を連続的に変位部材６ａおよび６ｂに送ることができ
る。

【００５６】 当然ながら本発明は、いかなる意味でも上記実施例に限定されるものではない
。上記実施例は例示に過ぎない。特に変位部材６ａおよび６ｂは、手動、電動、
あるいは技術的に等価な他のあらゆる手段で駆動できる。

【００５７】 また各ノッチの上部壁および下部壁は、互いに平行でも良い。この場合、上記
変位部材の固定部を、各ノッチの下部壁に形成した凹部に配置することが好まし
い。

【図面の簡単な説明】

【図１】 変位部材を備えた本発明の曲げプレスを示す概略図である。

【図２】 図1のＩＩ−ＩＩ線に沿った縦断面図である。

【図３】 上記変位部材を制御するための制御装置を示すブロック図である。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属板を曲げる曲げプレスであって、上部パネル（１）を下
   部パネル（２）の上に配置して構成するタイプであり、上記下部パネル（２）の
   端部が固定支持され、上記上部パネル（１）が可動であり垂直面において駆動部
   材（８ａ，８ｂ）により駆動され、上記駆動部材が同じように端部に配置され、
   上記下部パネルが２つのノッチ（３ａ、３ｂ）により区画された自由上部（２２
   ）と固定下部（２１）とを有するプレートから成り、上記ノッチが上記下部パネ
   ルの中央横断面に関して対称的に同一であり、各ノッチが背壁によって相互接続
   された上部壁（３１ａ、３１ｂ）と下部壁（３２ａ、３２ｂ）とを有すると共に
   上記プレートの対応する側縁に開口を有し、 各ノッチ（３ａ，３ｂ）が上記下部パネルの自由上部（２２）と固定下部（２
   １）とを相互接続する変位部材（６ａ，６ｂ）を備え、これにより上記ノッチの
   上部壁を下部壁方向へ移動して上記下部パネルの自由上部の変形曲線を変更制御
   することを特徴とする曲げプレス。
2. 【請求項２】 各変位部材（６ａ，６ｂ）が、第１に上記ノッチの下部壁（
   ３２ａ，３２ｂ）に接続した固定部（４ａ，４ｂ）と、第２に該ノッチの上部壁
   （３１ａ，３１ｂ）に取り付けた移動部（５ａ，５ｂ）とを備えることを特徴と
   する請求項１記載の曲げプレス。
3. 【請求項３】 各変位部材（６ａ，６ｂ）が、対応するノッチの開口に配置
   され、該ノッチの上部壁の自由端を正確に移動できることを特徴とする請求項１
   記載の曲げプレス。
4. 【請求項４】 上記下部パネルの自由上部の各端部に与えられる曲線の関数
   として各変位部材を独立に制御するための制御装置（１３）を含むことを特徴と
   する請求項１乃至３記載の曲げプレス。
5. 【請求項５】 上記制御装置（１３）が、 上記下部パネルの自由上部に与えられる曲線に関する曲線情報を受け取る手段
   （１０）と、 上記曲線情報を上記変位部材（６a,６ｂ）用の制御情報に変換する手段（１１
   ）とを備えることを特徴とする請求項４記載の曲げプレス。
6. 【請求項６】 上記制御装置が、上記下部パネルの自由上部の実曲線に関す
   る情報を取得するための測定手段（７ａ，７ｂ）と、プログラムした曲線とをさ
   らに備えることを特徴とする請求項５記載の曲げプレス。