JP2002522548A - N−置換n−(ホスホノメチル)グリシンの酸化によるn−(ホスホノメチル)グリシン製造方法 - Google Patents

N−置換n−(ホスホノメチル)グリシンの酸化によるn−(ホスホノメチル)グリシン製造方法

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JP2002522548A JP2000564968A JP2000564968A JP2002522548A JP 2002522548 A JP2002522548 A JP 2002522548A JP 2000564968 A JP2000564968 A JP 2000564968A JP 2000564968 A JP2000564968 A JP 2000564968A JP 2002522548 A JP2002522548 A JP 2002522548A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、N−(ホスホノメチル)グリシン(即ち、「グリホサート」)、N−(ホスホノメチル)グリシンの塩およびN−(ホスホノメチル)グリシンのエステルを調製する改良された方法に関する。この方法は、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体を、貴金属触媒の存在下に、酸素と反応させることを含んでなる。N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体は、式(V) 【化1】 で示され、式中、RおよびRは、独立に、水素、ハロゲン、−PO1213、−SO14、−NO、ヒドロカルビル、および−CO15以外の置換ヒドロカルビルからなる群から選択され;R、R、R、R12、R13、R14およびR15は、独立に、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルおよび農学的に許容されるカチオンからなる群から選択される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン(「N−置換グリホサート
」と称することがある)、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンの塩およびN
−置換N−(ホスホノメチル)グリシンのエステルを、貴金属触媒酸化反応により
反応させて、N−(ホスホノメチル)グリシン(「グリホサート」と称することが
ある)、N−(ホスホノメチル)グリシンの塩およびN−(ホスホノメチル)グリシ
ンのエステルを生成する、改良された方法に関する。 特に本発明は、単一のN−カルボキシメチル官能基を有する、N−置換N−(
ホスホノメチル)グリシン、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンの塩および
N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンのエステルを用いたそのような反応に関
する。
【0002】 (背景技術) N−(ホスホノメチル)グリシンは、米国特許第3799758号(Franz)に
記載されており、下記の式:
【化26】 を有する。
【0003】 N−(ホスホノメチル)グリシンおよびその塩は、水性組成物の形で、発生後(
post-emergent)除草剤として都合よく適用される。これらは、非常に効果のあ
り、商業的に重要な、発芽種子、発生中の実生、成熟し定着した樹木および草本
植生および水性植物を含む非常に多数の植物を枯らし、または成長を調整するの
に有用な広スペクトル除草剤である。
【0004】 N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンからN−(ホスホノメチル)グリシンを
製造する種々の方法が、この技術分野で知られている。例えば、米国特許第39
56370号(Parryら)は、N−ベンジルグリシンをホスホノメチル化してN
−ベンジルN−(ホスホノメチル)グリシンを得、次いで、臭化水素酸またはよう
化水素酸と反応させてベンジル基を脱離し、それによりN−(ホスホノメチル)グ
リシンを製造することを開示している。米国特許第3927080号(Gaertner
)は、N−t−ブチルグリシンをホスホノメチル化してN−t−ブチルN−(ホ
スホノメチル)グリシンを生成し、次いで、酸加水分解によりN−(ホスホノメチ
ル)グリシンに変換することを開示している。N−(ホスホノメチル)グリシンは
、例えばヨーロッパ特許出願55695に記載されているように、水素化分解に
よりN−ベンジルN−(ホスホノメチル)グリシンから製造することもできる。 水素化分解によりN−ベンジルN−(ホスホノメチル)グリシンからN−(ホス
ホノメチル)グリシンを製造することに関する別の解説は、Maier, L., Phosphor
us, Sulfur and Silicon, 61, 65-7 (1991)に見出すことができる。このような
方法は、高い毒性の故に問題を引き起こすイソブチレンおよびトルエンのような
望ましくない副生物を生産するという点で問題がある。さらに、N−置換N−(
ホスホノメチル)グリシンの加水分解および水素化は、そのような反応を受けや
すいことが知られているt−ブチルおよびベンジル基のようなヒドロカルビル基
についてのみ報告されているが、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンの脱ア
ルキル化の一般的な方法はこれまで報告されていない。
【0005】 N−(ホスホノメチル)グリシンを製造する他の方法には、N−(ホスホノメチ
ル)イミノ二酢酸:
【化27】 (「PMIDA」と称することがある)の酸化的分解に向けられた方法が含まれ
る。PMIDAは、例えば、米国特許第4775498号(Gentilcore)に記載
されているように、三塩化燐、ホルムアルデヒド、およびイミノ二酢酸のジナト
リウム塩の水溶液から合成できる:
【化28】 この反応は、PMIDA生成物から塩化ナトリウムを除去する必要があるので
、複雑である。塩化ナトリウムは、共通イオン効果により、塩酸の存在下では溶
解度が低く、イミノ二酢酸およびPMIDAは共に塩酸および中性の水へは不溶
である。従って、塩の分離には、PMIDAを生成する反応が完了した後に、N
aClを溶解することが必要となる。これは、塩基により塩酸を中和し、次いで
全てのNaClが確実に溶解するように水を加えることにより行なわれる。この
ような大量の水は、回収中にPMIDAの著しい損失を招き、廃棄物の量を増す
ことになる。
【0006】 PMIDAをN−(ホスホノメチル)グリシンに変換する種々の方法が、この技
術分野で知られている。そのような方法には、以下のものが含まれる: 1.不均一接触酸化 この方法は、例えば米国特許第3950402号(Franz)に記載されている
。別の説明が、米国特許第4654429号(Balthazorら)に見られる。 2.均一接触酸化 この方法は、例えばRiley et al., J. Amer. Chem. Soc. 113, 3371-78 (1991
)に記載されている。別の説明が、Riley et al., Inorg. Chem., 30, 4191-97 (
1991)に見られる。 3.炭素電極を用いる電気化学的酸化 この方法は、例えば米国特許第3835000号(Frazierら)に記載されて
いる。
【0007】 これらの方法は、PMIDAの2つのカルボキシメチル基の1つを酸化的に除
去する。一般に、そのような酸化的脱カルボキシメチル化は、炭素ラジカルを形
成する二酸化炭素の損失を伴ったPMIDAの1電子酸化に依存している。次い
で、ラジカルは、後続の1電子工程においてN−(ホスホノメチル)グリシンに酸
化される。
【化29】
【0008】 一般に、酸化的脱カルボキシル化は、この技術分野では周知であり、特に電気
化学的酸化(コルベ(Kolbe)反応としても知られている)はそうである。コル
ベ反応は、炭素電極を用いると特に容易である。例えば、S. Torii及びH. Tanak
a, Organic Electrochemistry, 535-80 (H. Lund及びM. M. Baizer編, Marcel D
ekker, 第3版,1991)を参照することができる。
【0009】 PMIDAをN−(ホスホノメチル)グリシンに酸化するのに採用される方法が
、ただ1個のN−カルボキシメチル基を有するN−置換N−(ホスホノメチル)グ
リシン、すなわち下記の式中のR'がカルボキシメチル以外の基である化合物か
らN−(ホスホノメチル)グリシンを製造するのに有用であるとは報告されていな
い:
【化30】
【0010】 もしR'がカルボキシメチル以外であれば、典型的に、R'の除去には、2回の
連続した1電子酸化ではなく、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンの1回の
2電子酸化が必要である。
【0011】 (発明の開示) (発明が解決しようとする課題) 先に提示したように、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン並びにその塩お
よびエステル(これらをまとめて「N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応
体」と称することがある)を酸化して、N−(ホスホノメチル)グリシン並びにそ
の塩およびエステルを製造するより一般的な方法に対する要求が存在している。
そのような方法により、N−(ホスホノメチル)グリシン並びにその塩およびエス
テルを製造するための原料物質として、より広い範囲のN−置換グリシンおよび
その塩(これらをまとめて「N−置換グリシン反応体」と称することがある)を
使用することが可能になる。また、そのような方法により、N−メチルN−(ホ
スホノメチル)グリシン(「NMG」と称することがある)(PMIDAの炭素
触媒酸化からの望ましくない副生物)から、N−(ホスホノメチル)グリシンを製
造することも可能になる。さらに、そのような方法により、(イミノ二酢酸およ
びPMIDAとは異なり)塩酸に可溶であり、従ってPClおよびCHOを
N−置換グリシン塩のホスホノメチル化に使用した場合に生じる塩化物塩副生物
からより簡単に分離できる種々のN−置換グリシン反応体およびN−置換N−(
ホスホノメチル)グリシン反応体を使用することが可能になる。
【0012】 本発明は、上記のような要求を満足しようとするものである。とりわけ、本発
明は、1つのN−カルボキシメチル官能基を有するN−置換N−(ホスホノメチ
ル)グリシン反応体の酸化により、N−(ホスホノメチル)グリシン並びにその塩
およびエステルを製造する方法を提供するものである。また、本発明は、N−(
ホスホノメチル)グリシン並びにその塩およびエステルを製造するために使用さ
れる種々の出発物質を製造する方法をも提供するものである。さらに、本発明は
、酸化反応を触媒するのに使用される新規な触媒をも提供するものである。
【0013】 (その解決方法) 簡単に述べれば、N−(ホスホノメチル)グリシン、N−(ホスホノメチル)グリ
シンの塩またはN−(ホスホノメチル)グリシンのエステルを製造する方法に関す
る1つの態様において、方法は、ポリマー担体に担持された貴金属触媒の存在下
に、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体を酸素と組み合わせる(反応
させる)ことを含んでなる。N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体は、
式(V):
【化31】 (式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、−PO1213、−SO14、−NO、ヒドロカルビル、および−CO15
外の置換ヒドロカルビルからなる群から選択され;R、R、R、R12
13、R14およびR15は、それぞれ独立に、水素、ヒドロカルビル、置換
ヒドロカルビルおよび農学的に許容されるカチオンからなる群から選択される。
) を有する。
【0014】 N−(ホスホノメチル)グリシン、N−(ホスホノメチル)グリシンの塩またはN
−(ホスホノメチル)グリシンのエステルを製造する方法に関する別の態様におい
て、方法は、貴金属および助触媒を含んでなる触媒の存在下に、N−置換N−(
ホスホノメチル)グリシン反応体を酸素と組み合わせることを含んでなる。N−
置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体は、先に規定したように、式(V)を
有する。 助触媒は、アルミニウム、ルテニウム、オスミウム、インジウム、ガリウム、
タンタル、錫およびアンチモンからなる群から選択される金属を含んでなる。触
媒の少なくとも約0.05質量%が助触媒からなる。
【0015】 N−(ホスホノメチル)グリシン、N−(ホスホノメチル)グリシンの塩またはN
−(ホスホノメチル)グリシンのエステルを製造する方法に関する別の態様におい
て、方法は、最初に炭素担体の表面を酸化剤と接触させ、酸化された表面に貴金
属を堆積させて炭素担持酸化触媒を形成することを含む。次いで、炭素担持酸化
触媒の存在下に、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体を酸素と組み合
わせる。N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体は、(先に規定したよう
に)式(V)を有する。
【0016】 N−(ホスホノメチル)グリシン、N−(ホスホノメチル)グリシンの塩またはN
−(ホスホノメチル)グリシンのエステルを製造する方法に関する他の態様におい
て、方法は、酸化反応ゾーン中で貴金属触媒の存在下に、N−置換N−(ホスホ
ノメチル)グリシン反応体を含むN−置換N−(ホスホノメチル)グリシン混合物
を酸素と組み合わせて、N−(ホスホノメチル)グリシン、N−(ホスホノメチル)
グリシンの塩またはN−(ホスホノメチル)グリシンのエステルを含むN−(ホス
ホノメチル)グリシン混合物を生成することを含む。次いで、N−(ホスホノメチ
ル)グリシン混合物からN−(ホスホノメチル)グリシン、N−(ホスホノメチル)
グリシンの塩またはN−(ホスホノメチル)グリシンのエステルを分離して、分離
されたN−(ホスホノメチル)グリシン、N−(ホスホノメチル)グリシンの塩また
はN−(ホスホノメチル)グリシンのエステルを回収し、残留混合物を生成する。
その後、残留混合物を、リサイクル混合物と廃棄混合物とに分割し、リサイクル
混合物は酸化反応ゾーンにフィードバックする。この態様において、N−置換N
−(ホスホノメチル)グリシン反応体は、(先に規定したように)式(V)を有す
る。
【0017】 N−(ホスホノメチル)グリシン、N−(ホスホノメチル)グリシンの塩またはN
−(ホスホノメチル)グリシンのエステルを製造する方法に関するさらに別の態様
において、方法は、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体および貴金属
触媒の混合物に酸素を導入することを含む。ここで、酸素は、膜を通して混合物
に導入される。N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体は、(先に規定し
たように)式(V)を有する。
【0018】 N−(ホスホノメチル)グリシン、N−(ホスホノメチル)グリシンの塩またはN
−(ホスホノメチル)グリシンのエステルを製造する方法に関するさらに別の態様
において、方法は、貴金属触媒の存在下に、N−置換N−(ホスホノメチル)グリ
シン反応体を酸素とを組み合わせることにより反応混合物を生成することを含む
。この態様では、約10体積%を超えない反応混合物が未溶解酸素からなる。N
−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体は、(先に規定したように)式(V
)を有する。
【0019】 N−(ホスホノメチル)グリシン、N−(ホスホノメチル)グリシンの塩またはN
−(ホスホノメチル)グリシンのエステルを製造する方法に関するさらに別の態様
において、方法は、撹拌タンク反応器中でN−置換N−(ホスホノメチル)グリシ
ン反応体および貴金属触媒の混合物に酸素を導入することを含んでなる。この態
様において、酸素は、インペラーが通過する反応器の領域には実質的に気泡が入
らないようにして、気泡として混合物に導入される。N−置換N−(ホスホノメ
チル)グリシン反応体は、(先に規定したように)式(V)を有する。
【0020】 N−(ホスホノメチル)グリシン、N−(ホスホノメチル)グリシンの塩またはN
−(ホスホノメチル)グリシンのエステルを製造する方法に関するさらに別の態様
において、方法は、酸化反応ゾーン中で貴金属触媒の存在下に、N−置換N−(
ホスホノメチル)グリシン反応体を酸素と組み合わせて、(a)ケトンおよび(
b)N−(ホスホノメチル)グリシン、N−(ホスホノメチル)グリシンの塩または
N−(ホスホノメチル)グリシンのエステルを含む酸化生成物を生成することを含
む。次いで、ケトンは酸化生成物から分離し、N−置換N−(ホスホノメチル)グ
リシン反応体を生成するための出発物質として使用する。この反応体は、次いで
、貴金属触媒の存在下に酸化反応ゾーン中で酸素と組み合わせる。N−置換N−
(ホスホノメチル)グリシン反応体は、(RおよびRが、それぞれ独立に、ヒ
ドロカルビルおよび−CO15以外の置換ヒドロカルビルからなる群から選
択されること以外は、先に規定したように)式(V)を有する。
【0021】 更に本発明は、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンまたはその塩を製造す
る方法にも関する。1つの態様において、そのような方法は、最初にN−置換グ
リシン塩をN−置換グリシン遊離酸に変換することを含む。次いで、N−置換グ
リシン遊離酸をホスホノメチル化してN−置換N−(ホスホノメチル)グリシンま
たはその塩を生成する。その後、酸化反応ゾーン中で貴金属触媒の存在下にN−
置換N−(ホスホノメチル)グリシンまたはその塩を酸素と組み合わせる。 N−置換グリシン遊離酸は、式(XII):
【化32】 で示され、N−置換N−グリシン塩は、式(XIII):
【化33】 で示され、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンは、式(I):
【化34】 で示される。 この態様では、RおよびRは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、−PO 1213、−SO14、−NO、ヒドロカルビル、および−CO15以外の置換ヒドロカルビルからなる群から選択され;Rは、農学的に許
容されるカチオンであり;R12、R13およびR14は、それぞれ独立に、水
素、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルからなる群から選択され;R15 は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルおよび農学的に許容されるカチ
オンからなる群から選択される。
【0022】 本発明はまた、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンまたはその塩を製造す
る方法にも関する。1つの態様においては、方法は、最初に、反応ゾーン中でH PO源、CHO源およびN−置換グリシン塩を組み合わせて、(a)N−
置換N−(ホスホノメチル)グリシンまたはその塩および(b)塩沈澱物を含む第
1混合物を生成することを含む。第1混合物から沈澱物を分離して、N−置換N
−(ホスホノメチル)グリシンまたはその塩を含む第2混合物を生成する。第2混
合物に塩基を添加して、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンまたはその塩を
沈澱させる。その後、第2混合物から沈澱したN−置換N−(ホスホノメチル)グ
リシンまたはその塩を分離して、沈澱したN−置換N−(ホスホノメチル)グリシ
ンまたはその塩を回収し、かつ残留混合物を形成する。 N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンは、式(I)を有し、N−置換グリシ
ン塩は、式(XIII)を有する(これらの式はいずれも、先に規定されている)。
【0023】 N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンまたはその塩を製造する方法に関する
別の態様においては、方法は、反応ゾーン中でHPO源およびN−置換グリ
シン塩を組み合わせて、(a)N−置換グリシン遊離酸および(b)塩沈澱物を
含む第1混合物を生成することを含む。第1混合物から塩沈澱物を分離して、N
−置換グリシン遊離酸を含む第2混合物を生成する。第2混合物にホルムアルデ
ヒド源を添加して、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンまたはその塩を含む
第3混合物を生成する。第3混合物に塩基を添加して、N−置換N−(ホスホノ
メチル)グリシンまたはその塩を沈澱させる。その後、第3混合物から沈澱した
N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンまたはその塩を分離して、沈澱したN−
置換N−(ホスホノメチル)グリシンまたはその塩を回収し、かつ残留混合物を形
成する。 N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンは、式(I)を有し、N−置換グリシ
ン塩は、式(XIII)を有し、N−置換グリシン遊離酸は、式(XII)を有する(
これらの式はいずれも、先に規定されている)。
【0024】 また、本発明は、N−置換モノエタノールアミンの製造方法にも関する。1つ
の態様において、この方法は、金属含有触媒の存在下、本質的に非反応性溶媒を
含まない反応媒体の存在下に、ケトン、モノエタノールアミンおよび水素(H )を組み合わせることを含む。N−置換モノエタノールアミンは、式(XI):
【化35】 で示され、ケトンは、式(VIII):
【化36】 で示される。 ここで、RおよびRは、それぞれ独立に、ヒドロカルビルおよび置換ヒド
ロカルビルからなる群から選択される
【0025】 本発明はまた、貴金属およびN,N'−ビス−(3−メチルフェニル)−N,N'−
ジフェニルベンジジンを含んでなる酸化触媒にも関する。 加えて、本発明は、貴金属、電気活性分子種および助触媒を含んでなる酸化触
媒に関する。1つの態様において、触媒の少なくとも約0.05重量%は、助触
媒からなる。 さらに、本発明は、貴金属、電気活性種およびポリマー担体を含んでなる酸化
触媒に関する。 本発明の他の特徴は、一部には明瞭であり、また一部は以下で説明する。
【0026】 本発明は、N−(ホスホノメチル)グリシン並びにその塩およびエステルを製造
するための新規かつ有用な方法を提供する。このような化合物は、式(IV):
【化37】 (式中、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素、ヒドロカルビル、置
換ヒドロカルビルおよび農学的に許容されるカチオンからなる群から選択される
。より典型的には、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素および農学
的に許容されるカチオンからなる群から選択される。さらに典型的には、R
水素および農学的に許容されるカチオンからなる群から選択され、RおよびR は水素である。) で示される。
【0027】 本発明の方法は、貴金属触媒上で、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反
応体を酸素により酸化的に開裂(分解)することによりそのような化合物を調製
することに関する。このような方法によりN−置換N−(ホスホノメチル)グリシ
ン反応体からN−(ホスホノメチル)グリシンおよびその塩を調製することの利点
には、手順の簡潔さ、酸化剤の低コスト(例えば、空気または分子状酸素の使用
)、および触媒の耐久性(すなわち、数回のサイクルでも触媒はほとんどまたは
全く失活しない)が含まれる。
【0028】 本発明の方法は、PMIDA(2個のN−カルボキシメチル官能基を有する)
の酸化に限定されない。それよりも、本発明の方法は、ただ1個のN−カルボキ
シメチル官能基を有するN−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体を酸化的
に開裂することにより、N−(ホスホノメチル)グリシン、N−(ホスホノメチル)
グリシンの塩またはN−(ホスホノメチル)グリシンのエステルを調製するために
使用することができる。従って、本発明によれば、出発物質として、広い範囲の
N−置換グリシン反応体およびN−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体を
使用することができる。
【0029】 本発明は、PMIDAの炭素触媒酸化からの望ましくない副生物であるNMG
からN−(ホスホノメチル)グリシンを製造する方法を提供できるので、有利であ
る。更に、本発明は、塩酸(HCl)に可溶であり、従ってイミノ二酢酸および
PMIDAよりも塩化物から容易に分離できるN−置換グリシン反応体およびN
−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体を利用できるので、有利である。
【0030】 A.様々なN−置換グリシン反応体の調製 いくつかの方法を、N−置換グリシン反応体を調製するために使用することが
できる。下記の議論により、数例のそのような方法を説明する。
【0031】 本発明の1つの実施形態において、N−置換グリシン反応体は、シアン化水素
、ホルムアルデヒドおよびN−置換アミンを縮合し、その後、加水分解すること
によって調製される:
【化38】 この反応は、ストレッカー合成として知られている。ストレッカー合成は、この
分野ではよく知られており、Dyker, G.、Angewandte Chemie Int'l Ed. in Engl
ish、第36巻、第16号、1700〜2(1997)に記載されている(これは参照して本
明細書中に組み込む)。
【0032】 本発明の別の実施形態において、N−置換グリシンは、N−置換エタノールア
ミンを塩基(好ましくは、NaOH)の存在下に脱水素することによって調製さ
れる:
【化39】 この反応は、米国特許第5292936号(Franczyk)に記載されている(これ
は参照して本明細書中に組み込む)。この反応に対するさらに別の議論が、米国
特許第5367112号(Franczyk)に見出され得る(これは参照して本明細書
中に組み込む)。さらに別の議論が、米国特許第5627125号(Ebnerら)
に見出され得る(これは参照して本明細書中に組み込む)。N−置換エタノール
アミン前駆体は少なくとも2つの方法で調製することができる。第1の方法とし
て、ケトンを、水素、溶媒および貴金属触媒の存在下にモノエタノールアミンと
縮合することができる。この反応は、Cope, A.C.およびHancock, E.M.、J. Am.
Chem. Soc.、64、1503〜6(1942)に記載されている(これは参照して本明細書
中に組み込む)。N−置換エタノールアミン前駆体はまた、モノ置換アミン(メ
チルアミンなど)およびエチレンオキシドを反応させて、モノ置換エタノールア
ミンにすることによって調製され得る。この反応は、Y. Yoshidaにより日本国特
許出願第95−141575号に記載されている(これは参照して本明細書中に
組み込む)。
【0033】 本発明の別の実施形態において、N−置換アミド、ホルムアルデヒドおよび一
酸化炭素を触媒(例えば、コバルトを含む触媒)の存在下に反応させる。その後
、このアミドは、N−置換グリシンを得るために加水分解される。この反応をま
とめると、下記のようになる:
【化40】 このようなアミドを生成するこの縮合反応(すなわち、「カルボキシメチル化」
)は、Bellerらにより欧州特許出願第0680948号に記載されている。この
反応はまた、Knifton, J.F.、Applied Homogeneous Catalysis、159〜68(B. Co
rnilsら編、VCH、Weinheim、ドイツ、1996年)による別の議論に記載されてい
る(これは参照して本明細書中に組み込む)。
【0034】 本発明のさらなる実施形態において、N−置換グリシン反応体は、カルボニル
化合物、グリシンおよびHを触媒の存在下に反応させることにより達成される
グリシンの還元的アルキル化によって調製される:
【化41】 この反応は、米国特許第4525294号(Sartoriら)に記載されている(こ
れは参照して本明細書中に組み込む)。
【0035】 B.N−置換グリシン反応体からの様々なN−(ホスホノメチル)グリシン反応
体の調製 本発明の方法に従ってN−(ホスホノメチル)グリシン並びにその塩およびエス
テルを得るために酸化され得るN−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体は
、一般に下記の式(V)を有する:
【化42】 (式中、好ましくは、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、−
PO31213、−SO314、−NO2、ヒドロカルビル、および−CO215
外の置換ヒドロカルビルからなる群から選択され;R7、R8、R9、R12、R13
、R14およびR15は、それぞれ独立して、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカ
ルビル、および農学的に許容されるカチオンからなる群から選択される。) R1およびR2はまた、一緒になって環を形成し得ることを認識しなければなら
ない。この環は、炭化水素環または複素環のいずれかであり得るが、環の少なく
とも1個の水素は、置換ヒドロカルビル官能基に関して下記に規定されているよ
うに置換され得る。
【0036】 好ましい実施形態において、R1は水素であり;R7、R8およびR9は水素また
は農学的に許容されるカチオンであり;R2は、約19個までの炭素原子を含有
する直鎖、分枝鎖または環状のヒドロカルビルである。より好ましい実施形態に
おいて、R7、R8およびR9は水素または農学的に許容されるカチオンであり;
−CHR12は、メチル(すなわち、R1およびR2は水素である)、エチル(す
なわち、R1は水素であり、R2は−CH3である)、イソプロピル(すなわち、
1およびR2はそれぞれ−CH3である)、ベンジル(すなわち、R1は水素であ
り、R2はフェニルである)、およびn−ペンチル(すなわち、R1は水素であり
、R2は4個の炭素の直鎖ヒドロカルビルである)からなる群から選択される。
【0037】 本発明において使用するのに好適な多くのN−置換N−(ホスホノメチル)グリ
シンは、例えば、下記の反応により、対応するN−置換グリシンをホスホノメチ
ル化することによって調製することができる:
【化43】 2級アミンのホスホノメチル化は、この分野では一般によく知られており、Redm
ore, D.、Topics in Phosphorous Chemistry、第8巻、515〜85(E.G. Griffith &M. Grayson編、John Wiley & Sons、1976年)に詳しく記載されている(これ
は参照して本明細書中に組み込む)。この反応はまた、別途、Mastalerz, P.著H
andbook of Organophosphorus Chemistry(277〜375、Robert Engel編、Marcel
Dekker、1992年)の“α−substituted phosphonates”と題された章において詳
しく議論されている(これは参照して本明細書中に組み込む)。2級アミンのホ
スホノメチル化の一例は、PMIDAを得るためのイミノ二酢酸のホスホノメチ
ル化であり、これは、米国特許第5688994号(Baysdonら)に開示されて
いる(これは参照して本明細書中に組み込む)。
【0038】 ホスホノメチル化反応は、好ましくは高温で行われる。好ましい温度範囲は、
約100℃〜約150℃である。好ましい反応時間は約10分〜約120分であ
り、より好ましい反応時間は約20分〜約60分である。好ましくは、この反応
に使用される水の量は、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンの回収を最適化
するために最小限にされる。
【0039】 ホスホノメチル化反応において使用されるホルムアルデヒドは、典型的には、
任意のホルムアルデヒド源から誘導され得る。好適なホルムアルデヒド源には、
例えば、ホルムアルデヒド自身、ホルマリンおよびパラホルムアルデヒドが含ま
れる。
【0040】 ホスホノメチル化反応において使用されるリン酸(H3PO3)はまた、典型的
には、任意のリン酸源から誘導され得る。好適なリン酸源は、例えば、リン酸そ
のもの、三塩化リン、三臭化リン、リン酸エステル、クロロホスホン酸、リン酸
エステル、クロロホスホン酸、およびクロロホスホン酸のエステルが含まれる。
1つの好ましい供給源は三塩化リン(PCl3)であり、これは、N−置換グリ
シン出発物質が塩である場合には特に好ましい。PCl3が水と反応すると、P
Cl3は加水分解されて、H3PO3および3当量のHClを生成する(PCl3
添加速度は、好ましくは、反応で発生するHClガスを安全に除くことができる
速度によって決定される)。この加水分解反応は、この分野ではよく知られてお
り、例えば、G. Bettermann、W. Krause、G. RiessおよびT. Hofmann、Ullmann'
s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第A19巻、527頁〜43頁(B. Elvers
、S. Hawkins & G. SCHulz編、VCH、Weinheim、第5版、1991年)に記載さ
れている(これは参照して本明細書中に組み込む)。N−置換グリシンナトリウ
ム塩の下記の反応は、PCl3を使用するN−置換グリシン塩反応体のホスホノ
メチル化の例示である:
【化44】 (式中、好ましくは、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、−
PO31213、−SO314、−NO2、ヒドロカルビル、および−CO215
外の置換ヒドロカルビルからなる群から選択され;R12、R13、R14およびR15 は、それぞれ独立して、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、および農
学的に許容されるカチオンからなる群から選択される。) ナトリウム塩以外の他の塩を使用することができ、農学的に許容されるカチオ
ンを含む塩が好ましい。N−置換グリシンのアルカリ金属塩が特に好ましい。な
ぜなら、そのような塩はコスト的に有利であり、アンモニウム塩(よく知られて
いる別の塩)は、ホスホノメチル化の際に望ましくない副反応を生じさせる可能
性があるからである。
【0041】 CH2OおよびPCl3をN−置換グリシン塩の溶液に加える順序は、(特に、
N−置換グリシン反応体およびN−置換N−(ホスホノメチル)グリシン生成物の
両方がHClの存在下に溶解し得る場合には)重要ではなく、それらは、同じ反
応槽において、あるいは別々の反応槽において加えることができる(すなわち、
「反応ゾーン」は、1つまたは2つ以上の反応槽を含むことができる)。さらに
、CH2Oは、(再度ではあるが、特に、N−置換グリシン反応体およびN−置
換N−(ホスホノメチル)グリシン生成物の両方がHClの存在下に溶解し得る場
合には)塩化物塩の沈澱が除かれる前、あるいはその後で混合物に加えることが
できる。多くの場合、PCl3を加え、そして塩化物の塩を除いた後、CH2Oを
加えることが最も好ましい。
【0042】 好ましくは、ほぼ等モル量のH3PO3およびN−置換グリシン反応体が、少な
くとも等モル量のCH2Oと、pKaが約1.0以下である強酸の存在下に一緒に
される。溶液における強酸の濃度は、好ましくは、H3PO3の濃度よりも大きく
、反応混合物に加えられるCH2Oのモル数は、好ましくは、H3PO3およびN
−置換グリシン反応体のいずれかのモル数よりも少なくとも10%多く、より好
ましくは約15%〜約25%多い。CH2Oは、好ましくは、約37%〜約50
%のCH2Oを含む水溶液として約3分間〜約20分間にわたって溶液に加えら
れる。しかし、それよりも低い濃度および高い濃度の両方も使用することができ
る。
【0043】 本発明の特に好ましい実施形態において、N−置換グリシン反応体、および得
られるN−置換N−(ホスホノメチル)グリシンのホスホノメチル化生成物は、H
Clの存在下に溶解し得る。そのようなN−置換グリシンおよびN−置換N−(
ホスホノメチル)グリシンは、PCl3が溶液に加えられた後に沈澱するNaCl
または他の塩化物塩から、(例えば、任意の都合のよい濾過方法を使用して)容
易に分離することができる。これにより、そのような化合物のホスホノメチル化
は、PCl3が使用されるイミノ二酢酸のPMIDAへのホスホノメチル化より
も困難にならない(「発明の背景」の節で上記に議論されているように、イミノ
二酢酸およびPMIDAはともにHClの存在下に実質的に不溶性であり、この
ため、塩の分離はより費用のかかるようになる)。特に好ましい実施形態におい
て、N−置換グリシン反応体は、サルコシン(すなわち、N−メチルグリシン)
およびN−エチルグリシンからなる群から選択され、サルコシンが最も好ましい
【0044】 図1には、N−置換グリシン塩、CH2O、PCl3および水を一緒にすること
によってN−置換N−(ホスホノメチル)グリシンを調製するために使用され得る
実施形態が概略的に示されている。説明目的のために、N−置換グリシン塩はナ
トリウムサルコシナート(すなわち、ナトリウムN−メチルグリシン)である。
この実施形態において、PCl3は、好ましくは、CH2OおよびナトリウムN−
メチルグリシンの撹拌されている水性混合物を含む加水分解反応槽1に導入され
る。生じる反応により、所望するN−メチルN−(ホスホノメチル)グリシン(「
NMG」)に加えて、副生物として、HClが生成し、NaClが沈澱する。N
aClの沈殿物は、好ましくは、例えば、フィルター2を使用して、混合物から
除かれる。塩の沈澱物が溶液から除かれた後、NMGは、好ましくは、塩基(好
ましくは、NaOH)を溶液に加えること、および水を溶液から(好ましくは、
蒸発器/結晶化装置3を使用して)除くことの両方によって沈澱させられる。塩
基の添加から生じるさらなる塩(例えば、NaCl)が沈澱するほど多量の水を
除くことは好ましくない。塩基は、水を除く前に、あるいはそれと同時に、ある
いその後に加えることができる。加えられる塩基の量は、好ましくは、溶液に存
在するHClを実質的に中和するために必要とされる量である。NMGを沈澱さ
せた後、NMGは、好ましくは、例えば、遠心分離器4を使用して溶液から回収
される。実施例18には、このようなホスホメチル化法がさらに例示されている。
【0045】 この方法は広範囲に変化させることができることに留意しなければならない。
例えば、上記に記載されているように、この方法は、単一の反応容器で行うこと
ができ、あるいは例えば、CH2OおよびPCl3が別々の反応容器でN−置換グ
リシン塩の溶液に加えられるように連続した2つ以上の反応容器で行うことがで
きる。N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンは、反応混合物を冷却することに
よって少なくとも一部を沈澱させることもできる。さらに、この方法は、回分式
、半回分式あるいは連続様式で行うことができる。本発明の特に好ましい実施形
態において、(NMGを除いた後に残る)溶液の少なくとも一部が、溶液に依然
として存在する未反応のN−メチルグリシン反応体を利用するために、そして沈
澱していないNMGの損失を少なくするために加水分解反応槽1に戻される。図
1に示されている実施形態には、そのようなリサイクル流が含まれる。
【0046】 本発明の特定の実施形態は、下記の式(XIII)を有するN−置換グリシン塩の
ホスホノメチル化に関する。
【0047】
【化45】 (式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、−PO3121 3 、−SO314、−NO2、ヒドロカルビル、および−CO215以外の置換ヒド
ロカルビルからなる群から選択され;R6は農学的に許容されるカチオンであり
;R12、R13およびR14は、それぞれ独立して、水素、ヒドロカルビル、置換ヒ
ドロカルビルからなる群から選択され;R15は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒ
ドロカルビル、および農学的に許容されるカチオンからなる群から選択される。
) この実施形態において、塩はN−置換グリシン遊離酸に変換され、その後、ホ
スホノメチル化される。遊離酸は、下記の式(XII)を有する:
【化46】 (式中、R1およびR2は、N−置換グリシン塩に関して上記に定義されている通
りである。) この実施形態により、N−置換グリシン塩が直接ホスホノメチル化されるとき
に形成されるR6の塩に伴う困難を避ける手段が得られる。
【0048】 N−置換グリシン塩をその対応する遊離酸に変換するために特に好ましい方法
には、カチオン交換膜を使用して、塩を含む溶液を中和することが含まれる。よ
り詳しく記載すると、N−置換グリシン塩を含む溶液はカチオン交換膜の一方の
面と接触させられ、膜の反対側は、塩を中和し得る強酸を含む溶液に同時に接触
させられる。この2つの溶液は、N−置換グリシンのナトリウム塩を含む溶液お
よび任意の酸(「HA」)を含む溶液に関して下記に概略的に示されているよう
に、膜をはさんで相互に中和する:
【化47】
【0049】 N−置換グリシン遊離酸を含む流れ、およびHAのナトリウム塩を含む流れが得
られる。膜の閉塞を避けるために、N−置換グリシン塩の濃度は、好ましくは、
中和温度における対応するN−置換グリシン遊離酸の溶解度よりも低い。さらに
、使用される酸の量は、好ましくは、N−置換グリシン塩を完全に中和するため
に十分な量であるが、この量を実質的に超えない。強酸は、好ましくは、pKa
が約1.0以下である。ハロゲンを含有しない酸(例えば、メタンスルホン酸、ト
ルエンスルホン酸、硝酸、硫酸)を使用して、膜が裂けたときに、ハロゲンがN
−置換グリシン遊離酸の流れに混入しないようにすることが特に好ましい。その
ような混入の危険性を減らすことは、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンを
N−(ホスホノメチル)グリシンに変換するためにホスホノメチル化の後で使用さ
れる酸化触媒に対してハロゲンが有する有害な作用のために望ましい。
【0050】 好ましくは、カチオン交換膜は、反応条件下で物理的に安定であり(例えば、
膜は、好ましくは、少なくとも約50℃の温度で分解しない)、N−置換グリシ
ンの塩および遊離酸を膜の反対側に漏出させない。好適なカチオン交換膜の例は
、Electrosynthesis Company(Lancaster、PA)から得られるESC7000膜およびSy
bron MC3470膜;Gelman Sciencesから得られるICE-450膜、およびTokoyama Soda
Co. Ltd.(東京、日本)から得られるNeoseptaカチオン交換膜;Pall Specialt
y Materials(Port Washington、NY)から得られるIonclad膜およびRaipore膜;
並びにDupont Corporationにより製造され、Electrosynthesis CompanyおよびAl
drich Chemical Co.(Milwaukee、WI)から得られるNafion 117、350および450
の膜である。イオン交換による中和(「ドナン透析」として知られている)は、
一般にこの分野ではよく知られており、例えば、K. Scott、Handbook of Indust
rial Membranes、705頁(Elsevier、New York、1995年)に記載されている(こ
れは参照して本明細書中に組み込む)。
【0051】 電気的加水分解は、N−置換グリシン塩を対応する遊離酸に変換する別の手段
である。酸の塩を電気的加水分解によってその遊離酸に変換すること(「電気透
析」としても知られている)は、この分野ではよく知られている。一般的な方法
が、例えば、H.P. Gregor、Encyclopedia of Chemical Processing and Design
、17頁、349〜63(J.J. McKetta & W.A. Cunnighams編、Marcel Dekker、New Y
ork、NY、1983年)に記載されている(これは参照して本明細書中に組み込む)
。アミノ酸の塩を電気的加水分解によってその対応する遊離酸に変換する例が、
米国特許第3330749号(Kuwataraら)に見出され得る(これは参照して本
明細書中に組み込む)。電気分解は塩の遊離酸への変換度に関する制御があまり
得られない傾向を有するために、電気的加水分解は、イオン交換中和ほど好まし
くない。
【0052】 N−置換グリシン遊離酸が、イオン交換中和、電気的加水分解、または別の好
適な方法で一旦得られると、N−置換グリシン遊離酸は、好ましくは、ホスホノ
メチル化され、下記の式(I)を有するN−置換N−(ホスホノメチル)グリシン
またはその塩にされる:
【化48】 (式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、−PO3121 3 、−SO314、−NO2、ヒドロカルビル、および−CO215以外の置換ヒド
ロカルビルからなる群から選択され;R12、R13およびR14は、それぞれ独立し
て、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルからなる群から選択され;R15 は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、および農学的に許容されるカ
チオンからなる群から選択される。) ホスホノメチル化は、好ましくは、N−置換グリシン遊離酸、水、CH2O源
、pKaが約1.0以下の強酸、およびH3PO3源を反応させること含むプロセス
によって行われる。H3PO3源はPCl3であってもよく、これは、例えば、N
−置換グリシン遊離酸を含む溶液に直接加えることができる。あるいは、H3
3源は、例えば、ハロゲンを含まないものであり得るが、H3PO3そのもの、
またはH3PO3を含む水溶液が特に好ましい。H3PO3を含む溶液は、例えば、
アルキルホスファイトを加水分解し、その後、アルコールを留去することによっ
て得ることができる。特に好ましい実施形態において、そのような溶液は、N−
置換グリシン遊離酸を含む溶液とは別個の容器でPCl3を水中で加水分解する
ことによって得られる。PCl3を加水分解したときには約3当量のHClが生
成するが、実質的にすべてのHClは気相に移行し、従って、加水分解反応混合
物から容易に分離することができる。その後、HClガスは水と一緒にされ、H
Cl水溶液にされる。従って、ほとんど困難を伴うことなく、下記の2つの溶液
を得ることができる:(1)HCl含有溶液、および(2)ハロゲン(すなわち、
塩化物)濃度が低いH3PO3含有溶液。このHCl溶液は、次に、N−置換グリ
シンの塩溶液をイオン交換で中和するための酸源として使用することができる。
【0053】 H3PO3源がハロゲンを含まない場合、ホスホノメチル化反応の酸源もハロゲ
ンを含まないことが特に好ましい。この場合、H2SO4が特に好ましい。上記の
ように、ハロゲンを含まないそのような酸源の使用が、N−置換N−(ホスホノ
メチル)グリシン反応体をN−(ホスホノメチル)グリシンに変換するためにホス
ホノメチル化の後で使用される酸化触媒に対するハロゲンの有する有害な作用の
故に、望ましい。
【0054】 一般には、ホスホノメチル化反応の完了時に、強酸を中和することが好ましい
。中和は、典型的には、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンの回収を助ける
。中和はまた、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンを使用して、N−(ホス
ホノメチル)グリシン、N−(ホスホノメチル)グリシンの塩、またはN−(ホスホ
ノメチル)グリシンのエステルを合成する場合には、強酸の存在に伴う問題を低
減させる傾向を有する。強酸は、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンのN−
(ホスホノメチル)グリシンへの酸化を阻害する傾向があるからである。
【0055】 好ましい実施形態において、ホスホノメチル化反応混合物は、ホスホノメチル
化反応における出発物質として引き続き使用されるN−置換グリシン遊離酸に(
上記のカチオン交換膜法で)N−置換グリシンの塩を変換するための酸源として
混合物中に存在する強酸を使用することによって中和される。この場合、ホスホ
ノメチル化反応混合物はカチオン交換膜の一方の面と接触され、膜の反対側の面
は、N−置換グリシンの塩を含む溶液に同時に接触される:
【化49】 実施例29には、この実施形態がさらに例示されている。
【0056】 あるいは、ホスホノメチル化反応混合物は、ホスホノメチル化反応が実質的に
完了した後、反応混合物に塩基を単に加えることによって中和することができる
。この実施形態おいて、N−置換グリシン遊離酸をホスホノメチル化の出発物質
として使用した場合、NaOHが、典型的には、中和するための好ましい塩基で
ある。これに対して、N−置換グリシンの塩を出発物質として使用した場合、一
般に好ましい塩基は、N−置換グリシンの塩におけるのと同じカチオンの水酸化
物である。例えば、ナトリウムN−置換グリシネートを使用した場合、NaOH
が好ましい塩基である。
【0057】 ホスホノメチル化反応混合物を中和することに関する上記のプロセスは、組み
合わせることもできる。そのような組合せを使用することは、カチオン交換膜法
で達成される中和度が、混合物中の強酸のすべてを実質的に中和するために必要
とされる中和度よりも低い場合には好ましい。この場合、十分な塩基が、好まし
くは、カチオン交換膜法を終えた後で強酸を実質的に中和するために加えられる
【0058】 多くの状況のもとでは、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンをホスホノメ
チル化後に固体として回収することが好ましい。これは、例えば、N−置換N−
(ホスホノメチル)グリシンが沈澱するように、過飽和濃度のN−置換N−(ホス
ホノメチル)グリシンを含有する反応混合物を(ホスホノメチル化時あるいはホ
スホノメチル化後のいずれかに)得ることによって達成され得る。そのような実
施形態の使用は、N−メチルN−(ホスホノメチル)グリシンなどのN−置換N−
(ホスホノメチル)グリシンが過飽和条件で容易に沈澱する場合には特に好ましい
。このような過飽和は、例えば、(1)高濃度のN−置換グリシン反応体を使用
すること(およびハロゲン含有塩の沈澱を除いた後にCH2O源を加えること)
によって、あるいは(2)ホスホノメチル化およびハロゲン含有塩の沈澱の除去
を行った後、反応混合物から水を除くこと、塩基を反応混合物に加えること、お
よび/または反応混合物の温度を下げることによって達成され得る。N−置換N
−(ホスホノメチル)グリシンを沈澱させることは、多くの場合、N−置換N−(
ホスホノメチル)グリシンを回収するための中和工程の必要性が低下する連続的
な反応系でホスホノメチル化が行われたときには特に好ましい。この場合、N−
置換N−(ホスホノメチル)グリシンは、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン
が沈澱した反応混合物から濾過され、濾液はホスホノメチル化反応槽に戻される
。そのような系において、好ましくは、反応混合物の水の一部が除かれる。これ
により、一定の容量をホスホノメチル化反応ゾーンにおいて維持することができ
る。この除去は、例えば、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンを濾過した後
、蒸発させることによって行うことができる。しかし、特に好ましい実施形態に
おいて、水の少なくとも一部は、より多くの量のN−置換N−(ホスホノメチル)
グリシンを沈澱させるために、濾過する前の反応混合物から(例えば、蒸発によ
って)除かれる。
【0059】 ある状況では、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンをホスホノメチル化後
に固体として回収することはあまり好ましくない。NMGとは異なり、いくつか
のN−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体(例えば、N−イソプロピルN
−(ホスホノメチル)グリシン)は、過飽和な条件でさえ、容易に沈澱しない。こ
のような場合、ホスホノメチル化反応混合物を中和し、N−置換N−(ホスホノ
メチル)グリシンを固体として単離することなく、中和混合物に対するその後の
接触酸化を直接行うことが好ましいことが多い。そのような方法のもとでは、反
応混合物はハロゲンを含まないことが望ましい。なぜなら、上記のように、ハロ
ゲンは、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体を酸化するために使用さ
れる貴金属触媒に対する有害な作用を有する傾向があるからである。従って、そ
のような状況では、ホスホノメチル化反応は、PCl3とは異なり、ハロゲンを
含有しないH3PO3源を使用することが好ましい。同様に、ハロゲンを含有しな
い酸をホスホノメチル化反応時に使用することが好ましい(H2SO4が特に好ま
しい)。
【0060】 上記のホスホノメチル化方法は、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応
体を得ることができる唯一の方法ではないことに留意しなければならない。例え
ば、NMGは、PMIDAの炭素触媒酸化からの望ましくない副生物として製造
される。
【0061】 C.N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体を酸化することによるN−
(ホスホノメチル)グリシン並びにその塩およびエステルの調製 N−(ホスホノメチル)グリシン並びにその塩およびエステルは、N−置換N−
(ホスホノメチル)グリシン反応体を酸化することにより本発明に従って調製され
る。この酸化は、通常、不均一触媒反応である。好ましくは、N−置換N−(ホ
スホノメチル)グリシン反応体を含有する溶液が、酸素含有ガスまたは溶存酸素
を含む液体とともに反応槽に導入される。貴金属触媒(すなわち、貴金属を含む
触媒)の存在下において、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体はN−
(ホスホノメチル)グリシンおよび様々な副生物に酸化的に変換される:
【化50】 (式中、好ましくは、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、−
PO31213、−SO314、−NO2、ヒドロカルビル、および−CO215
外の置換ヒドロカルビルからなる群から選択され;R3、R4、R5、R7、R8
9、R12、R13、R14およびR15は、それぞれ独立して、水素、ヒドロカルビ
ル、置換ヒドロカルビル、および農学的に許容されるカチオンからなる群から選
択される。) 好ましくは、触媒は、次いで濾過により分離され、その後、N−(ホスホノメ
チル)グリシンが、例えば、一部の水を蒸発させて冷却し、沈澱させることによ
って単離される。
【0062】 貴金属触媒は、好ましくは、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)
、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)および金(Au)からなる群から選択され
る貴金属を含む。一般に、白金およびパラジウムがより好ましく、白金が最も好
ましい。白金が最も好ましいので、下記の議論の多くは白金の使用に関している
。しかし、同じ議論が、一般に、それ以外の貴金属およびその組合せに適用でき
ることを理解しなければならない。
【0063】 貴金属触媒は、非担持型であってもよく、例えば、Aldrich Chemical Co.(Mi
lwaukee、WI)、Engelhard Corp.(Iselin、NJ)およびDegussa Corp.(Rodgefi
eld Park、NJ)などの様々な会社から市販されている白金黒であり得る。
【0064】 あるいは、触媒は、炭素、アルミナ(Al2O3)、シリカ(SiO2)、チタニア(T
iO2)、ジルコニア(ZrO2)、シロキサンまたは硫酸バリウム(BaSO4)などの担
体の表面に貴金属を含むことができる。担持された金属は、この分野では一般的
であり、様々な供給元から市販品を入手することができる:例えば、5%白金担
持活性炭、Aldrichカタログ番号20,593−1;白金担持アルミナ粉末、Aldrichカ
タログ番号31,132−4;パラジウム担持硫酸バリウム(還元型)、Aldrichカタロ
グ番号27,799−1;および5%パラジウム担持活性炭、Aldrichカタログ番号20,56
8−0。担体上に貴金属を含む触媒はまた、この分野でよく知られている様々な方
法のいずれかを使用して担体の表面に貴金属を堆積させることによって調製する
ことができる。そのような方法には、反応堆積技術(例えば、貴金属化合物の還
元による堆積、および貴金属化合物の加水分解による堆積)、イオン交換技術、
過剰溶液含浸、および初期湿潤含浸などの液相法;物理的蒸着および化学的蒸着
などの気相法;沈殿化;電気化学的堆積;および無電解堆積が含まれる。金属の
堆積方法は、例えば、Cameron、D.S.、Cooper、S.J.、Dodgson、I.L.、Harrison
、B.およびJenkins、J.M.、“Carbons as Supports for Precious Metal Cataly
sts”、Catalysis Today、7、113〜137(1990)に記載されている(これは参照
して本明細書中に組み込む)。金属の堆積方法はまた、Stiles、A.B.、Catalyst
Supports and Supported Catalysts, Theoretical and Applied Concept(Butt
erworths、Boston、MA、1987年)(これは参照して本明細書中に組み込む)にお
ける別の議論に記載されている。金属を担体表面に堆積させる様々な方法のさら
に別の議論が、Experimental Methods in Catalytic Research(R.B. Anderson
& P.T. Dawson編、Academic Press、New York、NY、1976年)におけるR.L Moss
による章(第2巻、第2章、43頁〜94頁)に見出され得る(これは参照して本明細
書中に組み込む)。
【0065】 炭素担体が使用される場合、担体は、好ましくは、グラファイトであり(その
ような担体は、より大きなN−(ホスホノメチル)グリシン選択性を有する傾向が
ある)、あるいは貴金属を表面に堆積させる前に、強い酸化剤で酸化された表面
を有する。後者のタイプに関して、担体の酸化は、例えば、H22を含む沸騰し
た溶液に担体を浸漬することによって行うことができる。好ましくは、溶液の少
なくとも約10%(すなわち、10重量%)はH22である。より好ましくは、
溶液の少なくとも約20wt%はH22である。さらにより好ましくは、溶液の少
なくとも約30wt%はH22である。担体は、好ましくは、少なくとも約15分
間、より好ましくは少なくとも約30分間、さらにより好ましくは少なくとも約6
0分間、沸騰した溶液に浸漬される。
【0066】 本発明の別の特に好ましい実施形態において、貴金属は、ポリマー担体(すな
わち、ポリマーを含む担体)に担持される。ポリマー担体は、好ましくは、反応
条件下において物理的に安定である(例えば、ポリマーは、好ましくは、強度を
保ち、かつ摩耗、熱分解、加水分解および酸攻撃に対して耐性である)。さらに
、ポリマーは、好ましくは、触媒の取り扱い、反応混合物における分散、および
反応後の濾過を容易にする架橋されたビーズの形態である。好ましくは、ビーズ
は多孔性であり、少なくとも約10m2/gの表面積を有し、貴金属がその表面に
十分に分散されている。特に好ましい実施形態において、ポリマーはまた、塩基
性であり(すなわち、ポリマーは、好ましくは、酸性貴金属化合物によりプロト
ン化され得る)、その結果、ポリマーは、酸性貴金属化合物(例えば、H2Pt
Cl6)を使用して貴金属(例えば、白金)で容易に含浸され得る。様々なポリ
アミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリウレアおよびポリエステルをその
ようなポリマーとして使用することができる。好ましくは、ポリマーは、ポリエ
チレンイミン、ポリアクリル酸の塩、ポリスチレン、ポリアミノスチレン、ジメ
チルアミン基で置換されたポリスチレン、スルホン化ポリスチレン、およびポリ
ビニルピリジン(「PVP」)からなる群から選択される。より好ましくは、ポ
リマーは、PVPおよびスルホン化ポリスチレンからなる群から選択される。い
くつかの実施形態においては、PVPが最も好ましい。
【0067】 貴金属は、担体の表面に貴金属を堆積させる様々なよく知られている方法(上
記参照)のいずれかを使用してポリマー担体に堆積させることができる。特に好
ましい実施形態において、貴金属は白金であり、H2PtCl6を含む溶液を使用
して担体の表面に堆積される。貴金属を担体上に堆積させた後、担体および貴金
属は、好ましくは、還元性環境(好ましくは、ホウ水素化ナトリウムを含む水溶
液)で処理される。実施例20および21には、この方法がさらに例示されている。
【0068】 貴金属の担体表面での濃度は、広い限界内で変化させることができる。好まし
くは、その濃度は、約0.5wt%〜約20wt%([貴金属の質量÷触媒の総質量
]x 100%)の範囲であり、より好ましくは約3wt%〜約15wt%の範囲内であ
り、さらにより好ましくは約5wt%〜約10wt%の範囲内である。濃度が約20
wt%よりも大きい場合には、貴金属の層および塊が形成されやすい。従って、使
用された貴金属の総量あたりの表面貴金属原子はより少なくなる。これは、触媒
の活性を低下させる傾向があり、高価な貴金属の経済的な使用ではない。
【0069】 反応混合物における貴金属対N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体の
重量比は、好ましくは約1:500〜約1:5である。より好ましくは、その比は約1
:200〜約1:10であり、さらにより好ましくは約1:50〜約1:10である。
【0070】 本発明の好ましい実施形態において、触媒は、貴金属および助触媒を含むこと
ができる。助触媒は、担持されていない貴金属の表面上に、あるいは担持された
貴金属触媒の場合には、貴金属および/または担体の表面上に存在し得る。助触
媒を含む貴金属触媒は、多くの場合、助触媒を伴うことなく貴金属からなる貴金
属触媒を上回る増大した選択性を示す傾向がある。好ましくは、助触媒は、アル
ミニウム(Al)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、インジウム(In)、ガ
リウム(Ga)、タンタル(Ta)、錫(Sn)およびアンチモン(Sb)からなる群か
ら選択される金属を含む。より好ましくは、助触媒は、ガリウム、インジウム、
ルテニウムおよびオスミウムからなる群から選択される金属を含む。
【0071】 助触媒は様々な供給源に由来し得る(例えば、触媒は、助触媒を本来含有する
担体を含むことができる)が、助触媒は、典型的には、貴金属の表面に添加され
る(触媒が担体を含む場合、助触媒は、典型的には、貴金属の表面、担体の表面
、またはその両方に添加されることを認識しなければならない)。助触媒を堆積
させるために使用される方法は、一般にこの分野では知られており、上記に記載
された担体に貴金属を堆積させるために使用され得る同じ方法を含む。特に好ま
しい実施形態においては、助触媒のハロゲン化合物の溶液が使用され、その溶液
中で触媒を撹拌することによって助触媒を堆積させる。助触媒を堆積させるため
に使用され得る好適なハロゲン化合物の例を下記に示す:インジウムの場合には
InBr3であり;ガリウムの場合にはGaBr3であり;鉄の場合にはFeCl 3 ・6H2Oであり;錫の場合にはSnCl2・2H2Oである。実施例25には、助
触媒のハロゲン化合物を含む溶液を使用して助触媒を堆積させることが記載され
ている。
【0072】 使用される助触媒の量(貴金属、貴金属を堆積させた担体、あるいはその両方
と組み合わせたとしても)は、使用する助触媒に部分的には依存するものの広い
限界内で変化させることができる。好ましくは、助触媒の重量パーセントは少な
くとも約0.05%である([助触媒の質量÷触媒の総質量]X 100%)。好ま
しい実施形態において、助触媒は、最大量の助触媒を触媒の表面に堆積させるよ
うに、過剰な助触媒に触媒前駆体を曝すことによって触媒に加えられる。
【0073】 本発明の別の好ましい実施形態において、貴金属触媒は、電気活性分子種(す
なわち、電子移動により可逆的に酸化または還元され得る分子種)を含む。好ま
しくは、このような電気活性分子種は貴金属の表面に存在する(触媒が担体を含
む場合、電気活性分子種は、好ましくは、貴金属の表面、担体の表面、またはそ
の両方に存在する)。貴金属触媒の選択率および/または転化率が、特に、NM
Gを酸化して、N−(ホスホノメチル)グリシンを得るために触媒が使用される場
合には、電気活性分子種が存在することによって改善され得ることが、本発明に
より発見された。この場合、電気活性分子種は、好ましくは疎水性であり、SC
E(飽和カロメル電極)に対して少なくとも約0.3ボルトの酸化電位(E1/2
)を有する。
【0074】 電気活性分子種はまた、N−(ホスホノメチル)グリシンを得るためにN−イソ
プロピルN−(ホスホノメチル)グリシンを酸化する場合にも有用である。そのよ
うな状況においては、触媒が貴金属および電気活性分子種をグラファイト炭素担
体上に含むことが特に好ましい。グラファイト担体または酸化された活性炭担体
が存在する場合、電気活性分子種は、貴金属触媒のN−(ホスホノメチル)グリシ
ン選択性が増大することが本発明により見出された。
【0075】 一般に好適な電気活性分子種の例には、トリフェニルメタン;N−ヒドロキシ
フタルイミド;5,10,15,20−テトラキス(ペンタフルオロフェニル)−21H,23H
−ポルフィン鉄(III)塩化物(「Fe(III)TPFPP塩化物」と略される);2,4,7
−トリクロロフルオレン;トリアリールアミン、たとえばN,N'−ビス(3−メチ
ルフェニル)−N,N'−ジフェニルベンジジン(「TPD」と呼ばれることがある
)およびトリス(4−ブロモフェニル)アミンなど;2,2,6,6−テトラメチルピペ
リジンN−オキシド(「TEMPO」と呼ばれることがある);5,10,15,20−テ
トラフェニル−21H,23H−ポルフィン鉄(III)塩化物(「Fe(III)TPP塩化物」
と呼ばれることがある);4,4'−ジフルオロベンゾフェノン;5,10,15,20−テト
ラフェニル−21H,23H−ポルフィンニッケル(II)(「Ni(II)TPP」と呼ばれる
ことがある);およびフェノチアジンが含まれる。貴金属触媒が、NMGをN−
(ホスホノメチル)グリシンへの酸化を触媒するために使用される場合、特に好ま
しい電気活性分子種は、トリアリールアミン;N−ヒドロキシフタルイミド;T
EMPO;Fe(III)TPP塩化物;およびNi(II)TPPである。多くの実
施形態において、トリアリールアミン(特に、TPD)が最も好ましい電気活性
分子種である。例えば、反応温度が約130℃よりも高い場合、最も好ましい電
気活性分子種はTPDである。
【0076】 電気活性分子種の酸化電位は文献に見出すことができる。非常に多くの電気活
性分子種の酸化電位および可逆性を示す編集物を、Encyclopedia of Electroche
mistry of the Elements(A. BardおよびH. Lund編、Marcel Dekker、New York
、発行日は巻ごとに異なる)に見出すことができる(これは参照して本明細書中
に組み込む)。例えば、トリフェニルメタンの酸化電位は、Perichon, J.、Herl
em, M.、Bobilliart, F.およびThiebault, A.、Encyclopedia of Electrochemis
try of the Elements、第11巻、163頁(A. BardおよびH. Lund編、Marcel Dekk
er、New York、NY、1978年)に見出すことができる。酸化電位に関する他の出典
には、例えば、下記が含まれる: 1.N−ヒドロキシフタルイミドの酸化電位は、Masui, M.、Ueshima, T.、Os
aki, S.、J. Chem. Soc. Chem. Commun.、479〜80(1983)に見出すことができ
る(これは参照して本明細書中に組み込む)。 2.トリアリールアミンの酸化電位は、Dapperheld, S.、Steckhan, E.、Brin
khaus, K.、Chem. Ber.、124、2557〜67(1991)に見出すことができる(これは
参照して本明細書中に組み込む)。トリアリールアミンの酸化電位に関する別の
出典は、Koene, B.E.、Loy, D.E.およびThompson, M.E.、Chem. Mater.、10、22
35〜50(1998)に見出すことができる(これは参照して本明細書中に組み込む)
。 3.2,2,6,6−テトラメチルピペリジンN−オキシドの酸化電位は、Semmelhac
k, M.、Chou, C.およびCortes, D.、J. Am. Chem. Soc.、105、4492〜4(1983)
に見出すことができる。 4.5,10,15,20−テトラキス(ペンタフルオロフェニル)−21H,23H−ポルフ
ィン鉄(III)塩化物の酸化電位は、Dolphin, D.、Traylor T.およびXie, L.、A
cc. Chem. Res.、30、251〜9(1997)に見出すことができる(これは参照して本
明細書中に組み込む)。 5.様々なポルフィリンの酸化電位は、Fuhrhop, J.H.、Porphyrins and Meta
lloporphyrins、593(K. Smith編、Elsevier、New York、1975)に見出すことが
できる(これは参照して本明細書中に組み込む)。 6.フェノチアジンの酸化電位は、D. Alagli、G. Bazan、M. Wrightonおよび
R. Schrock、J. Am. Chem. Soc.、114、4150〜58(1992)に見出すことができる
(これは参照して本明細書中に組み込む)。
【0077】 電気活性分子種は、触媒を酸化反応混合物に加える前に貴金属触媒上に堆積さ
せることができる。この分野で一般に知られている様々な方法をこの堆積化のた
めに使用することができる。例えば、電気活性分子種を、液相堆積または気相蒸
着を使用して触媒に吸着させることができる。実施例8には、電気活性分子種を
堆積させるために液相堆積を使用することが例示されている。
【0078】 あるいは、電気活性分子種は、貴金属触媒とは別に、酸化反応混合物に直接加
えることができる。例えば、2,2,6,6−テトラメチルピペリジンN−オキシド(
「TEMPO」)は、実施例13に例示されているように、最初に貴金属触媒上に
堆積させることなく反応混合物に加えることができる。いずれの特定に理論にも
とらわれることなく、そのような実施形態においては、電気活性分子種が反応混
合物中の貴金属触媒上に堆積すると考えられる。
【0079】 N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体の反応媒体における初期濃度は
広範囲に変化させることができる。典型的には、濃度は約1wt%〜約80wt%で
ある([N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体の質量÷全反応質量]X
100%)。より好ましくは、濃度は約5wt%〜約50wt%であり、さらにより好
ましくは約20wt%〜約40wt%である。
【0080】 酸化反応の酸素源は、例えば、任意の酸素含有ガスまたは溶存酸素を含む液体
であり得る。好ましくは、酸素源は酸素含有ガスである。本明細書中で使用され
ているように、「酸素含有ガス」は、分子状酸素を含み、かつ酸素、反応体およ
び生成物との反応性を反応条件下で有しない1つまたは2つ以上の希釈剤を必要
に応じて含み得る任意のガス状混合物である。そのようなガスの例には、空気、
純粋な分子状酸素、あるいはヘリウム、アルゴン、ネオン、窒素、または分子状
酸素を含有しない他のガスで希釈された分子状酸素が含まれる。好ましくは、酸
素含有ガスの少なくとも約20容量%が分子状酸素である。より好ましくは、酸
素含有ガスの少なくとも約50%が分子状酸素である。
【0081】 酸素は、好ましくは、溶存酸素濃度を有限のレベルで維持するために十分な速
度で反応混合物に供給される。反応温度が約125℃以下の場合、酸素は、溶存
酸素濃度が約2.0ppm以下で、しかし、所望する反応速度を持続するために十
分に高い濃度で維持されるのに十分な速度で供給される。
【0082】 酸素は、反応混合物中の溶存酸素濃度が所望するレベルで維持される様式で、
任意の便利な手段により反応媒体に導入することができる。酸素含有ガスが使用
される場合、ガスと反応液との接触を最大にする様式で反応媒体に導入すること
が好ましい。そのような接触は、例えば、(好ましくは、その最大直径が約20
μm以下であり、より好ましくはその最大直径が約1μm以下である細孔を有する
)多孔性のガラスフリットまたは金属フリットなどの拡散器を介してガスを分散
させ、同時に、液体−ガスの接触および酸素の溶解を改善するために反応槽内容
物の振とうまたは撹拌を行うことによって得ることができる。酸素を導入するこ
とに関して、好適ではあるが、あまり好ましくない別の方法には、例えば、(1
)反応槽の上部空間に酸素を導入し、その後、インペラーによって生成される渦
流を使用して酸素を反応混合物に引き込むこと(この方法は、逆混合操作と記載
されることがある);あるいは(2)触媒が充填され、反応媒体もまた通過する
管状反応槽に酸素を通すことが含まれる。
【0083】 過度な量の酸素含有ガス気泡(すなわち、未溶解の酸素)は反応の選択性を低
下させ得ることが、本発明により発見された。従って、溶液中の未溶解酸素量を
最小限にすることが好ましく、貴金属触媒と接触する未溶解酸素の量を最小限に
することが特に好ましい。これを達成する1つの方法は、溶液と接触している膜
を通して酸素を導入することである。気泡を含まないガス移動のために膜を使用
することは、例えば、Semmens, M.J.およびGantzer, C.J.、FED、第187巻、Aer
ation Technology、書籍番号G00865、51頁〜8頁(R.E.A. ArndtおよびA. Prospe
retti編、1994年)において一般的に議論されている(これは参照して本明細書
中に組み込む)。この膜は、好ましくは、反応条件下で安定である(すなわち、
分解しない)。
【0084】 特に好ましい実施形態において、反応は、回転するインペラーが用いられ、か
つ酸素含有ガス気泡が溶液の上面より下の反応液に導入される撹拌槽型反応槽で
行われる。酸素含有気泡による選択性の低下を避けるために(あるいは少なくと
も軽減するために)、インペラーの速度は、好ましくは、酸素含有気泡が溶液に
導入されたときに、酸素含有気泡が溶液の表面に直接上昇しないようにするため
に必要な速度を超えない。あるいは、酸素含有気泡はインペラーから離れたとこ
ろにおいて溶液に導入することができ、その結果、本質的にいかなる気泡も、イ
ンペラーが通過する反応槽の領域に進入しないようにされ、より好ましくは、イ
ンペラーが通過する反応槽の領域にいかなる気泡も進入しないようにされる。例
えば、酸素は、液体の上面のすぐ下で、インペラーの十分上方に導入することが
でき、それにより、インペラーの周りに気/液の乱流域を形成させないで、気泡
を上部空間に逃すことができる。実施例27には、反応液面のすぐ下において撹拌
槽型反応槽に酸素を導入することがさらに例示されている。
【0085】 未溶解酸素の有害な作用はまた、多くの場合、反応混合物の約10容量%以下が
未溶解の酸素からなるような様式で酸素を反応混合物に導入することによって回
避または軽減され得る。より好ましい実施形態においては、反応混合物の約4容
量%以下が未溶解の酸素からなる。最も好ましくは、反応混合物の約1容量%以
下が未溶解の酸素からなる。
【0086】 反応液における未溶解酸素の有害な作用はまた、多くの場合、上記に記載され
ているように、電気活性分子種を含む貴金属触媒を使用することによって回避ま
たは軽減され得る。電気活性分子種(特に、N,N'−ビス(3−メチルフェニル)
−N,N'−ジフェニルベンジジン)の存在は、NMGのN−(ホスホノメチル)グリ
シンへの酸化に特に有益であることが見出された。実施例27には、未溶解酸素の
有害な作用を減らすためにN,N'−ビス(3−メチルフェニル)−N,N'−ジフェ
ニルベンジジンを使用することがさらに例示されている。
【0087】 好ましくは、酸化反応は、約50℃から約200℃の温度で行われる。より好
ましくは、反応は約100℃〜約190℃の温度で行われる。さらにより好まし
くは、約125℃から約160℃の温度で行われる。
【0088】 酸化が行われているときの反応槽の圧力は、部分的には使用温度に依存する。
好ましくは、圧力は、反応混合物が沸騰しないようにするために十分な圧力であ
る。酸素含有ガスが酸素源として使用される場合、その圧力はまた、好ましくは
、所望する反応速度を持続するために十分な速度で反応混合物に酸素を溶解させ
るために十分なものである。そのような圧力は、大気圧と少なくとも等しい。好
ましくは、酸素分圧は約5psig〜約500psigである。より好ましくは、温度が
約125℃から約160℃の範囲内にある場合、酸素分圧は約50psig〜約20
0psigである。
【0089】 酸化反応は、広範囲の回分式反応槽系、半回分式反応槽系または連続反応槽系
を使用して行うことができる。そのような系はまた、少なくとも一部のN−(ホ
スホノメチル)グリシン生成物が反応生成物混合物から除かれた後に残留した残
留溶液をリサイクルすることを含む。残留溶液をリサイクルすることによって、
未反応のN−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体を利用して、反応生成物
混合物中の沈澱しなかったN−(ホスホノメチル)グリシン生成物の回収を高める
ことができる。
【0090】 連続系に関する本発明の実施形態においては、残留溶液の一部のみがリサイク
ルされ、残りは除かれる。この実施形態は、混入物が残留溶液に存在する反応系
の場合には特に有用である。そのような混入物は、例えば、N−置換グリシン生
成物のホスホノメチル化後に強酸が中和されたときに生成する塩副生物であり得
る。残留溶液のすべてが酸化反応ゾーンに戻されるなら、反応混合物中の塩の混
入濃度は時間とともに蓄積する。最終的には、そのような蓄積は、N−(ホスホ
ノメチル)グリシン生成物に混入する塩の沈澱をもたらす。混入物の蓄積速度を
低下させるために、残留溶液の一部を除くことができる(この除かれた部分は、
「廃棄溶液」と呼ばれることがある)。残りの部分(「リサイクル溶液」と呼ば
れることがある)が酸化反応ゾーンに戻される。除去は、例えば、残留溶液を加
圧して、廃棄溶液を得るために混入物を選択的に通過させ、同時に、リサイクル
溶液を得るために、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体および沈澱し
なかったN−(ホスホノメチル)グリシン生成物を保持する膜と接触させることに
よって達成され得る。膜は混入物を選択的に通過させ、N−置換N−(ホスホノ
メチル)グリシン反応体および沈澱しなかったN−(ホスホノメチル)グリシン生
成物を保持するので、廃棄溶液(「透過液」とも呼ばれる)は、リサイクル溶液
よりも大きな濃度の混入物を含有し、かつリサイクル溶液よりも低い濃度のN−
置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体および沈澱しなかったN−(ホスホノ
メチル)グリシン反応体を含有する。好ましくは、膜は、約1,000ダルトン未
満の分子量カットオフを有し、反応条件下で物理的に安定である。市販されてい
る好適な膜の例には、LCI Corporation(Charlotte、NC)から得られるSelRO膜
、MPF-34およびMPF-36が含まれる。この実施形態は実施例30にさらに記載されて
いる。
【0091】 本発明の別の実施形態において、酸化反応は、N−置換N−(ホスホノメチル)
グリシン反応体の完全な転化が得られる前に中断される。触媒の活性および選択
性は、酸化反応が完了に近づくほど低下する傾向があることが、本発明により発
見された。しかし、多くのN−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体(NM
GおよびN−イソプロピルN−(ホスホノメチル)グリシンを含む)はN−(ホス
ホノメチル)グリシン自体(あるいはその塩またはエステル)よりも可溶性であ
るので、活性および選択性の低下は、酸化が完了する前に、N−(ホスホノメチ
ル)グリシン、N−(ホスホノメチル)グリシンの塩またはN−(ホスホノメチル)
グリシンのエステルを取り出すことによって克服できることが、さらに発見され
た。これは、例えば、転化が完了する前に、触媒を(例えば、濾過で)除き、反
応混合物中の水の一部を蒸発させ、反応混合物を冷却することによって達成する
ことができる。蒸発工程および冷却工程により、溶液中のN−(ホスホノメチル)
グリシン生成物の多くを沈澱させ、それにより、N−(ホスホノメチル)グリシン
生成物を反応液から取り出すことができる。未反応のN−置換N−(ホスホノメ
チル)グリシンを含む残留溶液は、その後、酸化反応槽に戻される。
【0092】 好ましくは、約20%〜約95%のN−置換N−(ホスホノメチル)グリシンが
消費されたときに、N−(ホスホノメチル)グリシンが沈澱され、取り出される。
より好ましくは、約50%〜約90%のN−置換N−(ホスホノメチル)グリシン
が消費されたときに、さらにより好ましくは、約50%〜約80%のN−置換N
−(ホスホノメチル)グリシンが消費されたときに、最も好ましくは、約50%〜
約70%のN−置換N−(ホスホノメチル)グリシンが消費されたときに、N−(
ホスホノメチル)グリシンが沈澱され、取り出される。これよりも低い転化は、
望ましくない大きなリサイクル率をもたらし、一方、(上記に議論されているよ
うに)これよりも大きな転化には、悪化した触媒活性および低下した選択性が伴
う。
【0093】 この実施形態が用いられる好適な反応系が図2に概略的に示されている。図2で
は、例示のために、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンはNMGである。N
MGの水溶液が不均一な貴金属触媒と一緒にされ、N−(ホスホノメチル)グリシ
ンへの(上記の)所望する転化が達成されるまで、酸化反応槽1において酸素の
存在下に加熱される。所望する転化が達成されたとき、触媒を、例えば、濾過ま
たは遠心分離によって除き、濾液を蒸発器2で部分的に蒸発させて、少なくとも
一部のN−(ホスホノメチル)グリシン生成物を析出させる。その後、N−(ホス
ホノメチル)グリシンの析出物を、例えば、遠心分離器3での遠心分離によって濾
液から分離して、N−(ホスホノメチル)グリシンを回収し、そして第2の濾液を
得る。第2の濾液は、その後、酸化反応槽1において酸素の存在下に貴金属触媒と
再び一緒にされ、第2の濾液中に依然として残留しているNMGの酸化反応が続
けられる。連続プロセスの場合、好ましくは、濾液の一部のみが酸化反応槽に戻
される。残りの部分はシステムから除かれて、反応系の純度が維持される。
【0094】 N−(ホスホノメチル)グリシンまたはその塩を製造するための特に有用な方法
には、二級アルキル基を置換基として有するN−置換N−(ホスホノメチル)グリ
シン反応体が酸化されたときに副生物として得られるケトンをリサイクルするこ
とが含まれる:
【化51】 (式中、好ましくは、R1およびR2は、それぞれ独立して、ヒドロカルビル、お
よび−CO215以外の置換ヒドロカルビルからなる群から選択され;R3、R4
、R5、R7、R8、R9およびR15は、それぞれ独立して、水素、ヒドロカルビル
、置換ヒドロカルビル、および農学的に許容されるカチオンからなる群から選択
される。) この実施形態において、ケトン副生物は、N−置換グリシン反応体をさらに合
成するための出発物質として使用される。このN−置換グリシン反応体は、N−
(ホスホノメチル)グリシンまたはその塩にするために、次いでホスホノメチル化
され、その後、酸化され得る。ケトンを出発物質として使用するよく知られてい
る数多くのN−置換グリシンの合成経路をこの目的のために使用することができ
る。典型的には、ケトンは、この分野でよく知られている反応である還元的アル
キル化または還元的アミン化によってアミンに結合される。一般的には、A. Str
eitwieser, Jr.およびC.H. Heathcock、Introduction to Organic Chemistry、
748(Macmillan、New York、NY、第2版、1981年)を参照のこと(これは参照し
て本明細書中に組み込む)。
【0095】 本発明の好ましい実施形態において、ケトンは、貴金属触媒(好ましくは、白
金またはパラジウム)の存在下にのグリシンの還元的アルキル化によって対応す
るN−置換グリシン反応体を得るための出発物質として使用される:
【化52】 (式中、好ましくは、R1およびR2は、それぞれ独立して、ヒドロカルビル、お
よび−CO215以外の置換ヒドロカルビルからなる群から選択され;R15は、
水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、および農学的に許容されるカチオ
ンからなる群から選択される。) この反応は、例えば、米国特許第4525294号(Sartoriら)に記載され
ている(これは参照して本明細書中に組み込む)。
【0096】 本発明の特に好ましい実施形態において、ケトンは、金属含有触媒の存在下に
H2およびアンモニアと反応させて1級アミンにされる。この1級アミンは、この
分野で知られているいくつかの方法のいずれかによってN−置換グリシンに変換
することができる。このような反応の多くは、Dyker, G.、Angewandte Chimie I
nt'l Ed. in English、第36巻、第16号、1700〜2(1997)に記載されている(
これは参照して本明細書中に組み込む)。2つの特に有用な方法を下記に示す:
(1)ストレッカー反応(上記)。この反応において、1級アミンはCH2Oのお
よびHCNの水溶液と反応させられ、その後、加水分解される;および(2)ワ
カマツ反応、この反応において、アミンは最初に対応するアミドに変換され、そ
の後、コバルト触媒またはパラジウム触媒の存在下にCH2OおよびCOと反応
させ、続いて加水分解される。
【0097】 本発明のさらなる特に好ましい実施形態において、ケトンは、固体の金属含有
触媒の存在下にモノエタノールアミンおよびH2と反応され、N−置換モノエタノ
ールアミンにされる。これは、固体の銅含有触媒の存在下に強塩基(好ましくは
、NaOH)と一緒にすることによって対応するN−置換グリシンの塩に変換す
ることができる。
【0098】
【化53】 (式中、好ましくは、R1およびR2は、それぞれ独立して、ヒドロカルビル、お
よび−CO215以外の置換ヒドロカルビルからなる群から選択され;R15は、
水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、および農学的に許容されるカチオ
ンからなる群から選択される。) 最初の工程に関して、実施例28(下記)には、金属含有触媒の存在下における
ケトンおよびH2によるモノエタノールアミンのそのような還元的アルキル化が例
示されている。この反応は、エタノールを溶媒として使用することによって非常
に選択的であることが明らかにされている。Cope, A.C.およびHancock, E.M.、J
. Am. Chem. Soc.、64、1503〜6(1942)を参照のこと(これは参照して本明細
書中に組み込む)。実施例28には、この反応はまた、PtまたはPdを含む触媒の存
在下に、本質的にはエタノールまたは任意の他の非反応性溶媒の不存在下(すな
わち、反応混合物は、本質的には非反応性溶媒を含まず、より好ましくは、非反
応性溶媒を含まない)で実施できることが明らかにされている。上記反応におけ
る第2工程に関して、アルコールから対応するカルボン酸の塩への銅触媒による
脱水素化が、この分野では知られており、米国特許第5292936号(Francz
yk)に記載されている(これは参照して本明細書中に組み込む)。このような脱
水素化は、別途、米国特許第5367112号(Franczyk)に記載されている(
これは参照して本明細書中に組み込む)。このような脱水素化は、さらに別途、
米国特許第5627125号(Ebner)に記載されている(これは参照して本明
細書中に組み込む)。
【0099】 上記のケトン副生物からN−置換グリシン反応体を合成するために使用される
経路に関わらず、N−置換グリシン反応体は、N−置換グリシン反応体をホスホ
ノメチル化することに関する以前の説明に従って、ホスホノメチル化され、その
対応するN−置換N−置換グリシン反応体にすることができる。
【0100】 本発明の方法により、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体が、N−
(ホスホノメチル)グリシンを調製するために従来知られている方法が行われると
きに生じ得る他の化学種の存在下に酸化され得ることに留意しなければならない
。例えば、このような方法により、NMGを、リン酸の存在下、および/または
PMIDAの炭素触媒による酸化生成物であるホスホノメチル化化学種(アミノ
メチルホスホン酸(「AMPA」)、メチルアミノメチルホスホン酸(「MAM
PA」)およびN−(ホスホノメチル)グリシンなど)の存在下に酸化することが
できる。
【0101】 (定義) 別途述べられていない限り、下記の定義が使用される。
【0102】 用語「ヒドロカルビル」は、炭素および水素のみからなる基として定義される
。ヒドロカルビルは、分枝状または非分枝状であってよく、飽和または不飽和で
あってよく、そして1個または2個以上の環を含むことができる。好適なヒドロ
カルビル基には、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基およびアリール基が
含まれる。ヒドロカルビル基はまた、他の脂肪族ヒドロカルビル基または環状ヒ
ドロカルビル基で置換されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基およびア
リール基が含まれ、アルカリール、アルケンアリール、アルキンアリールなどが
含まれる。
【0103】 用語「置換ヒドロカルビル」は、少なくとも1個の水素原子が水素以外の原子
または原子団で置換されているヒドロカルビルとして定義される。例えば、水素
原子はハロゲン原子(塩素原子またはフッ素原子など)で置換され得る。あるい
は、水素原子は酸素原子で置換され、例えば、ヒドロキシ基、エーテル、エステ
ル、無水物、アルデヒド、ケトン、またはカルボン酸にされ得る。水素原子はま
た、窒素原子で置換され、例えば、アミド官能基またはニトロ官能基にされ得る
が、アミン官能基またはニトリル官能基を形成する窒素による置換は避けること
が好ましい。さらに、水素原子はイオウ原子で置換され、例えば、-SO3Hにさ
れ得るが、チオールを形成するイオウによる置換は避けることが好ましい。
【0104】 用語「農学的に許容されるカチオン」は、N−(ホスホノメチル)グリシンアニ
オンの農業的および経済的に有用な除草剤活性を可能にするカチオンとして定義
される。農学的に許容されるカチオンは、例えば、アルカリ金属カチオン(例え
ば、Naイオン)、アンモニウムイオン、イソプロピルアンモニウムイオン、テ
トラアルキルアンモニウムイオン、トリアルキルスルホニウムイオン、プロトン
化1級アミン、プロトン化2級アミン、またはプロトン化3級アミンであり得る
【0105】 (実施例) さらに本発明を説明するために、いくつかの実施例を以下に示す。
【0106】 全般 以下の実施例で議論される反応で生じた生成物の分析のために、イオン交換分
離を用いる高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)を使用した。リンモリ
ブデン酸塩錯体を形成するポストカラム反応の後でUV/可視光検出を使用する
ことにより検体を検出した。この方法は、NMG、グリホサートおよびリン酸を
識別することができるが、AMPAとMAMPAとを識別することができない。
なぜならAMPAとMAMPAは共溶出するからである。それにもかかわらず、
AMPAとMAMPAとは同じ応答因子(モル基準)を有するので、AMPAと
MAMPAとの濃度合計は確実に検出できる。この値は、以下の実施例で(M)A
MPAとして報告する。
【0107】 実施例1 この実施例は、NMGの典型的な合成を説明する。 約89.09gのサルコシン(1.00mol)、82.0gの亜リン酸(1
.0mol)および110gの濃塩酸を混合し、130℃オイルバスで還流した
。次いで、89.3gの37%ホルマリン(1.1mol)を20分かけて滴加
し、さらに85分間反応を続けた。この時点でNMRは、次の生成物分布(モル
基準)を示した:89.9%NMG、2.1%亜リン酸、1.9%リン酸、0.
4%ヒドロキシメチル亜リン酸、および5.7%の未知生成物(NMR:トリプ
レット、8.59ppm)。室温まで冷却後に40gのNaOHを加え、続いて
250gの水を加えた。これにより白色沈殿物が形成し、引き続いて、沈殿物を
濾過により回収し、HPLCにより分析した。NMGの全回収収率は、使用した
サルコシンおよび亜リン酸の量に対して、70.5%であった。 他のN-アルキルグリホサートもまた、同様の方法で合成し得る。
【0108】 実施例2 この実施例は、Pt触媒および酸素を用いて、NMGをグリホサートへ転化す
ることを説明する。 約10.0gのNMG、140gの水、および1gの白金黒(Aldrich Chemic
al Co., Inc.、Milwaukee, WI)を、150℃のオイルバスに浸した水冷還流冷
却器付丸底フラスコに入れた。溶液を攪拌しながら、酸素を4時間通気した。こ
の時間の最後にHPLC分析を行って、次の生成物分布(モル基準)を得た:8
6.4%グリホサート、8.7%NMG、2.2%(M)AMPA、および2.7
%リン酸。室温まで冷却すると、グリホサートは溶液から沈殿した。
【0109】 第2の実験では、10.0gのNMG、2.0gの白金黒、および混合物の全
体積を200mlとするのに十分な水との混合物を、酸素を1atmで混合物に
通気しながら、80℃で2.7時間攪拌した。反応混合物の分析は、次の生成物
分布(モル基準)を示した:85.4%グリホサート、8.1%リン酸、および
6.5%の未知成分。NMGは検出されなかった。
【0110】 実施例3 この実施例は、Pt触媒および酸素を用いて、N-イソプロピルグリホサート
をグリホサートへ転化することを説明する。約1.0gのN-イソプロピルグリ
ホサート、10gの水、および0.3gの白金黒(Aldrich Chemical Co., Inc.
、Milwaukee, WI)を、丸底フラスコ(水冷還流冷却器付き)に入れ、80℃の
オイルバスに浸した。溶液を攪拌しながら、酸素気流を溶液表面に18時間流し
た。この時間の最後に31P NMRを行って、次の生成物分布(モル基準)を得
た:91%グリホサート、1%アミノホスホン酸、6%リン酸、および2%未知
生成物(15.0ppm)。室温まで冷却すると、グリホサートは溶液から沈殿
した。
【0111】 実施例4 さまざまなN-アルキルグリホサートを実施例3記載の条件と同じ条件で使用
して、グリホサートを製造した。言い換えれば、唯一の変化させたパラメーター
は次の式においてのR'である。
【化54】 表1に、使用したアルキル基(即ち、R')、転化率およびグリホサート選択
率を示す。
【0112】
【表1】 グリホサート調製のためのさまざまなN-アルキルグリホサートの使用
【0113】 実施例5 この実施例は、非担持白金および白金を非炭素質担体上に分散させたさまざま
な触媒を用いて、NMGをグリホサートへ転化することを説明する。 約1.0gのNMG、10gの水、および2.0gの5%白金担持硫酸バリウ
ムを、丸底フラスコ(水冷還流冷却器付き)に入れ、95℃のオイルバスに浸し
た。溶液を攪拌しながら、酸素を、反応中23時間通気した。この時間の最後に
HPLC分析を行って、次の生成物分布(モル基準)を得た:78.2%グリホ
サート、2.4%NMG、9.4%(M)AMPA、および10%リン酸。室温ま
で冷却すると、グリホサートは溶液から沈殿した。 別の実験では以下の手順により、表2中のデータが得られた。1gのNMG、
20mlの水、および5mgの白金金属を含有する十分な量の触媒を含む混合物
を磁石で攪拌しながら、還流冷却器付丸底フラスコ内で加熱還流した。酸素を、
針を用いて5時間通気した。次いで、触媒を濾過により取り除き、濾液をHPL
Cで分析した。 表2に示すように、2種の白金黒触媒を試験した。Engelhard V2001 触媒(Eng
elhard Corp.、Iselin, NJ)は、Aldrich 白金黒触媒(Aldrich Chemical Co., I
nc.、Milwaukee, WI)と比べて表面積が非常に小さい。表2の結果から示される
ように、Engelhard V2001 触媒は、Aldrich 触媒(即ち、5mg)に対して30
倍量のEngelhard 触媒(即ち、150mg)を使用しても、より低い選択率およ
び転化率しか有さなかった。
【0114】
【表2】 NMG酸化での非担持および担持Ptの使用
【0115】 第3の実験を行った。この実験で、酸化アルミニウムおよびシロキサン(Delo
xan、Degussa Corp.、Ridgefield Park, NJ)を、金属触媒の担体として使用し
得ることを説明する。1gのNMG、10mlの水、および0.1gの白金金属
に相当する十分な量の触媒を使用し、95℃および1atmで一晩、実験を行っ
た。酸素を、針を通して50sccm(即ち、標準cm3/分)で導入した。得
られた溶液を濾過し、HPLCで分析した。溶解白金濃度を、誘導結合高周波プ
ラズマ/マススペクトロメトリーにより分析した。結果を表3に示す。
【0116】
【表3】 NMG酸化での非担持および担持Ptの使用
【0117】 実施例6 この実施例は、白金の代わりにNMGをグリホサートへ酸化するための触媒と
してのパラジウムの使用を説明する。 3.0gのNMG、0.3gのパラジウムブラック、および57gの水を含む
溶液を、大気中、水冷還流冷却器を用いながら週末の間還流した。NMR分析は
、次の生成物分布(モル基準)を示した:97.2%NMG、2.8%グリホサ
ート、および0.05%リン酸。
【0118】 実施例7 この実施例は、非黒鉛状炭素を含む触媒、中度黒鉛状炭素を含む触媒、および
黒鉛状炭素を含む触媒を使用して、転化率および選択率を比較する。この実施例
は、NMGの酸化について黒鉛状炭素を含む触媒が、より良いグリホサート選択
率を有する傾向があることを示す。 商業的に入手できる炭素担体上に分散させた白金を含む3つの異なった触媒を
、別々にNMGの酸化に使用した。 1.5%Pt/F106 炭素(エタノール洗浄物) F106 炭素およびPt/F106 炭素は、Degussa Corp.(Ridgefield Park, NJ)
から入手できる。F106 炭素は、非黒鉛状である。 2.3%Pt/Sibunit 炭素 Sibunit 炭素は、Surovikin 等の米国特許第 4,978,649 号(参照して、ここ
に引用)の記載に従って製造され、ロシア Novosibirsk 在 Boreskov Institute
of Catalysis から購入し得る(同様に、Sibunit 炭素上に担持させた白金触媒
も購入可能)。この炭素は、中度の黒鉛状である(即ち、F106 炭素より高度の
黒鉛状であり、かつ Vulcan SC-72R 炭素より低度の黒鉛状)。特にここで使用
した触媒は、炭素に白金塩を含浸し、次いで水素化ホウ素ナトリウムを用いて還
元することにより調製した。炭素担体上白金の一般的な調製法は、この分野で周
知であり、例えば、Stiles, A.B.、Catalyst Supports and Supported Catalyst
s, Theoretical and Applied Concepts(Butterworths, Boston, MA 1987年)に
記載される。炭素担体上Ptの一般的な調製法に関する別の議論は、R.L. Moss
による Experimental Methods in Catalytic Research、第2巻、第2章、第43〜9
4頁(R.B. Anderson & P.T. Dawson 編、Academic Press、New York, NY 1976年
)で見ることができる(参照して、ここに引用)。 3.20%Pt/Vulcan LX-72R 炭素 この触媒は黒鉛状炭素を含む。これは、Johnson-Matthey により製造され、Al
fa/Aesar(Ward Hill, MA)を通じて購入し得る。
【0119】 NMG酸化において、約100mgの触媒(注記されているものを除く)、1
0mlの水、および1gのNMGを、酸素を針を通じて通気しながら5時間還流
した。次いで、反応混合物を濾過し、HPLCで分析した。表4に結果を示す。
【0120】
【表4】 NMG酸化での黒鉛状炭素を含む担体の使用
【0121】 実施例8 この実施例は、貴金属および電気活性種を含む触媒を使用して得られた選択率
を示す。この実験で、白金黒上に堆積させたすべての電気活性分子種は、電子移
動によって酸化還元される。そこで、電気活性分子種およびそれらの酸化性前駆
体の両方による白金黒の処理をここに例示する。
【0122】 有機物処理された各触媒(即ち、N-ヒドロキシフタルイミド、トリス(4-ブ
ロモフェニル)アミン、TEMPO、トリフェニルメタン、または4,4'-ジフ
ルオロベンゾフェノンを含む触媒)の調製のために、0.5gの白金黒(Aldric
h Chemical Co., Inc.、Milwaukee, WI)を、50mlの無水アセトニトリル中
25mgの電気活性分子種溶液に加えた。混合物を4日間、三角フラスコ内で封
止して放置した(ただし、4,4'-ジフルオロベンゾフェノン触媒のみは、1日
間だけ溶液にさらした)。引き続いて、触媒を濾過により回収し、アセトニトリ
ルおよびジエチルエーテルですすいで、一晩風乾した。
【0123】 2,4,7-トリクロロフルオレン触媒を、次のように調製した。0.3gの白
金黒と、(室温で蒸発させる)アセトニトリル/1%CH2Cl2溶液(電気活性
分子種の溶解促進のために使用)中834.5ppmの2,4,7-トリクロロフ
ルオレンを含む30mlの溶液とを使用した。引き続いて、触媒をエタノールで
洗浄し、風乾した。
【0124】 無機物処理された各触媒を、次のように調製した。0.50gの白金黒、50
mlのテトラヒドロフラン、および25または100mgのいずれかの無機電気
活性分子種を混ぜ合わせ、密閉した125ml三角フラスコ内で一晩、室温で攪
拌した。触媒を濾過により回収し、ジエチルエーテルで洗浄し、一晩風乾した。
使用した無機種は、すべて Aldrich Chemical(Milwaukee, WI)から入手でき、
それらを以下に示す: 1. 5,10,15,20-テトラキス(ペンタフルオロフェニル)-21H,23H-
ポルフィン鉄(III)クロリド(表5中では、「Fe(III)TPFPP クロリト゛」と略称)。 触媒調製のために、約25mg使用した。 2. 5,10,15,20-テトラフェニル-21H,23H-ポルフィン鉄(III)クロ
リド(表5中では、「Fe(III)TPP クロリト゛」と略称)。触媒調製のために、約25 mg使用した。 3. 5,10,15,20-テトラフェニル-21H,23H-ポルフィンニッケル(II
)(表5中では、「Ni(II)TPP」と略称)。触媒調製のために、約25mg使用
した。 4. ルテニウム-トリス(2,2'-ビピリジン)ジクロリド(表5中では、「[Ru(bp
y)3]Cl2」と略称)。触媒調製のために、約100mg使用した。 5. フェロセン。触媒調製のために、約100mg使用した。
【0125】 それぞれの酸化を、次のように行った。1gのNMG、20mlの水、および
50mgの白金金属を含有する触媒を含む混合物を、磁石で攪拌しながら、還流
冷却器付丸底フラスコ内で加熱還流した。酸素を、針を用いて5時間混合物に通
気した。次いで、触媒を濾過により取り除き、濾液をHPLCで分析した。
【0126】 表5に結果を示す。入手できた場合は、電気活性分子種の酸化電位(E1/2)の
文献データを表5に示す。この実施例は、以下のことを示す。比較的水に溶ける
電気活性分子種(例えば、フェロセンおよび[Ru(bpy)3]Cl2)は、グリホサート
選択率を高める効果が低い傾向があった。疎水性電気活性分子種は、触媒の選択
率を上昇させる傾向があった。約+0.3V(対SCE)より負の酸化電位を有
する電気活性分子種は、転化率を減少させる傾向があった。従って、NMG酸化
の選択率および転化率を高めるために好ましい電気活性分子種は、有機物または
無機物のどちらでも良いが、好ましくは疎水性であり、かつ約+0.3V(対S
CE)より正の酸化電位を有する。
【0127】
【表5】
【0128】 実施例9 商業的に入手できる Vulcan XC-72R 炭素担持20%Pt触媒(Johnson-Matth
ey 製、Alfa/Aesar(Ward Hill, MA)から入手可能)を用いたN-イソプロピル
グリホサートの白金触媒酸化における電気活性分子種の効果を、この実施例で説
明する。工業用触媒と、N-ヒドロキシフタルイミドを含む触媒およびトリフェ
ニルメタンを含む触媒とを比較した。
【0129】 これらの触媒を、前記の実施例の方法によりN-イソプロピルグリホサートを
酸化するために使用した(約1gのN-イソプロピルグリホサートを、NMGの
代わりに用いた)。電気活性分子種は、この反応での炭素担持白金触媒の選択率
を改良した。より低い正の酸化電位を有する変性剤(トリフェニルメタン)は、
より高い正の酸化電位を有する変性剤(N-ヒドロキシフタルイミド)よりも有
効であった。表面に白金を有する黒鉛状担体は、NMG酸化の場合(実施例7参
照)と比べて、N-イソプロピルグリホサートの酸化中の望まない副反応の抑止
に関して効果が低かった。
【0130】
【表6】
【0131】 実施例10 この実施例は、溶存酸素濃度を最小限にすることにより、選択率と転化率の両
方を改善させ得ることを示す。 300mgの316ステンレススチールオートクレーブ反応器内で、145g
の脱イオン水に、4.4gのNMGと1gの白金黒とを混ぜ合わせた。反応混合
物を60psigで70℃まで加熱し、混合物を激しく混合しながら4時間窒素
/酸素混合気を混合物に通気した。溶存酸素濃度を、オービスフィア(Orbisphe
re)溶存酸素プローブを用いて測定し、70℃/60psigの空気飽和状態で
2が26.4ppmと読み取れるように較正し、およびN2/O2混合比を変え
ることにより制御した。二つの実験を溶存O2濃度を2〜3ppmおよび10p
pmに保持して行った。2時間および4時間での反応混合物のHPLC分析から
得たデータを表7に示す。
【0132】
【表7】 NMG酸化での溶存酸素濃度の最小化
【0133】 実施例11 この実施例は、N-置換基が炭素または水素以外の原子を含むN-置換グリホサ
ートの白金触媒酸化を説明する。特に、グリシンおよびN-ヒドロキシエチルグ
リシンそれぞれとCH2OおよびH3PO3亜リン酸とを、強酸存在下で加熱して
反応することによって調製されるグリホシン(-HO2CCH2N(CH2PO32) 2 )およびN-ヒドロキシエチルグリホサートの酸化を、この実施例は記載する。
ホスホノメチル化反応は一般に、例えば、Redmore, D.、Topics in Phosphorous
Chemistry、第8巻、第515〜585頁(E.G. Griffith & M. Grayson 編、John Wil
ey & Sons 1976年)に記載されている(参照して、ここに引用)。ホスホノメチ
ル化反応はまた一般に、例えば、Mastalerz, P.、Handbook of Organophosphoru
s Chemistry、第277〜375頁(Robert Engel 編、Marcel Dekker 1992年)におい
て、"α-substituted Phosphonates" と題される章中の別の議論において、記載
されている(参照して、ここに引用)。
【0134】 約1gの基質、20mlの水、および50mgの白金黒を丸底フラスコ内で混
ぜ合わせた。実施例8でのNMG酸化に用いたのと同じ手順に従って、酸化を行
った。生成物分布は、31P NMRにより分析した。
【0135】 約74.9%のグリホシンが、50.2%のグリホサート選択率で酸化された
。他の主生成物は、ビス(ホスホノメチル)アミン(-HN(CH2PO32)2
であり、酸化されたグリホシンの39.1%の割合を占めた。少量のAMPAお
よび未特定生成物も検出された。実施例8で記載したトリス(4-ブロモフェニ
ル)アミンを用いて処理した白金黒を使用することにより、転化率が86.8%
まで上昇したが、選択率に変わりはなかった。
【0136】 約46.7%のN-ヒドロキシエチルグリホサートが酸化された。生成物分布
(モル基準)は、61.2%グリホサート、22.4%N-ヒドロキシエチル-ア
ミノメチルホスホン酸、および16.3%リン酸であった。
【0137】 実施例12 この実施例は、白金黒上125℃でNMG酸化を行うことにより得られた速度
および選択率を説明する。ここで、7サイクルでは、触媒の失活は検出できなか
った。
【0138】 300mlガラス耐圧瓶に、熱電対および焼結フィルターを備え付けた。フィ
ルターの一つは、瓶底部の中央から約半インチ上部に設置し、ガス分散のために
使用した。第2のフィルターは、底部から約1インチの位置に中心を合わせずに
設置し、液体の抜き出しのために使用した。圧力を50psigに保持するよう
に据え付けた背圧調整器につながれたガス排出ラインも準備した。約60gのN
MGを、3gの白金黒(Aldrich Chemical(Milwaukee, WI)製)および180
mlの水と一緒に容器に充填した。瓶をオイルバスに浸し、磁石で攪拌し(攪拌
棒使用)、ゆっくりと窒素を流しながら内部温度が125℃に達するまで加熱し
、均一溶液を得た。次いで、酸素および窒素を30分間、それぞれ1.5および
0.5slpm(即ち、標準リットル/分)の速度で反応混合物に通気した。酸
素および窒素の両方を1slpmの流速で使用して、反応をさらに30分間続け
た。次いで、1.5slpmの窒素流速および0.5ppmの酸素流速で使用し
て、反応をさらに30分間続けた。攪拌を続け、混合物は全90分間を通じて均
一であった。次いで、圧力を保持するために、ゆっくりとした窒素フローを導入
した。瓶の中身を液体回収フリットから回収し、触媒を瓶中に残した。約100
mlの水をフリットから注入し、次いで反応系から残渣を取り除くために回収し
た。次いで、瓶を放冷した。それぞれ60gのNMGおよび180mlの水を使
用して、サイクルを更に6回繰り返した。結果を表8に示す。
【0139】 誘導結合高周波プラズママススペクトロメトリーにより測定したところ、実験
の終了時での溶液中の白金濃度は、最初のサイクル後に0.3から1.1ppm
まで変化した。最初のサイクルの間に多量の白金が溶液中に溶脱する(即ち、溶
解白金濃度は4.2ppm)が、大部分の失われた白金は、主として白金黒表面
上の未還元白金であると考えられる。
【0140】
【表8】 125℃での白金黒上NMGの繰り返し酸化
【0141】 実施例13 この実施例は、低速の酸素供給、適度の転化率、および電気活性分子種(即ち
、2,2,6,6-テトラメチルピペリジンN-オキシド)を用いたN-置換グリホサ
ートの酸化について得られた選択率、転化率、および貴金属損失を示す。電気活
性分子種を直接、反応混合物に加えた、そのため電気活性分子種を用いた触媒の
前処理はなかった。
【0142】 約60gのNMG、180mlの水、3gの白金黒(Aldrich Chemical、Milw
aukee, WI)、および40mgのTEMPO(1mlのアセトニトリルに溶解)
を、実施例12で記載した耐圧反応器内で混ぜ合わせた。混合物を、50psi
gでの窒素雰囲気下で攪拌しながら、125℃まで加熱し、均一混合物を形成し
た。窒素/酸素混合気(75体積%窒素、25体積%酸素)を、圧力を50ps
igに保持しながら、1slpmの流速で90分間混合物に通気した。次いで、
反応混合物を焼結フィルターから回収し、触媒をそのまま残した。続いて、さら
に60gのNMG、180mlの水、および40mgのTEMPO(1mlのア
セトニトリル溶液)をフラスコに加え、サイクルを繰り返した。全体で4サイク
ル行った。すべての場合に、(M)AMPA濃度は、痕跡量は検出されたが、定量
限界以下であった。検出された唯一の定量可能副生物はリン酸であった。4サイ
クルそれぞれの最終時点での転化率および選択率を表9に示す。
【0143】 実施例12と同様に、溶解白金濃度を、それぞれの実験の最終時点で誘導結合
高周波プラズママススペクトロメトリーにより測定した。サイクル2、3および
4においては、溶解白金濃度は0.1ppm未満であった。これは、実施例12
で観測された溶脱量よりも少ない。ここでも大部分の失われた白金は、主として
白金黒表面上の未還元白金であると考えられるが、実施例12と同様に最初のサ
イクルの間に多量の白金が溶液に溶脱した(即ち、溶解白金濃度は8.3ppm
である)。
【0144】
【表9】 TEMPO存在下125℃90分間でのNMGの酸化
【0145】 実施例14 この実施例は、サルコシン自体ではなくサルコシンアミド(例えば、N-アセ
チルサルコシンおよびN-プロピオニルサルコシンまたは無水サルコシン)の直
接ホスホノメチル化によりNMGを調製したときに得られた選択率を示す。
【0146】 約20.0gのN-アセチルサルコシン(152.5mmol)、12.5g
の亜リン酸(152.4mmol)、および37.6gの濃塩酸を混合し120
℃のオイルバスで還流した。約13.6gの37%ホルマリン(167.6mm
ol)を20分かけて滴加した。反応を、さらに19時間続けた。HPLC分析
によれば、用いたモルに対してNMGの収率は99%であることが分かった。
【0147】 同じ条件で、11.3gの亜リン酸(137.8mmol)、10.0gの濃
塩酸、および12.3gの37%ホルマリン(152.1mmol)を使用して
、20.0gのN-プロピオニルサルコシン(137.8mmol)をNMGに
転化した。HPLC分析によれば、用いたN-プロピオニルサルコシンのモルに
対してNMGの収率は96.6%であることが分かった。
【0148】 また同じ条件で、2.38gの亜リン酸(29.02mmol)、5.7gの
濃塩酸、および2.6gの37%ホルマリン(32.02mmol)を使用して
、2.06gの無水サルコシン(14.50mmol)をNMGに転化した。H
PLC分析によれば、用いた無水サルコシンのモルに対してNMGの収率は97
.2%であることが分かった。
【0149】 さらなる実験において、2.0gのN-アセチルサルコシン(15.3mmo
l)および1.25gの亜リン酸(15.3mmol)を3.1gの濃硫酸およ
び1.7gの水と混合し、次いで120℃のオイルバスで還流した。約1.4g
の37%ホルマリン(16.7mmol)を20分かけて滴加した。反応をさら
に18時間続けた。31P NMR分析によれば、用いたN-アセチルサルコシンの
モルに対してNMGの収率は98%の収率であることが分かった。
【0150】 実施例15 この実施例は、化学量論量以下の塩基が反応混合物中に存在する以外は、実施
例12とほとんど同様の条件下でのNMG酸化を説明する。 約60gのNMG、9.6gの28〜30%水酸化アンモニウム(0.25当
量)、および170mlの水を、実施例12で記載した器具内で混ぜ合わせ、5
0psigの圧力で0.75slpmの純酸素を混合物に通気しながら、125
℃の内部温度で1時間攪拌した。反応混合物のHPLC分析は、23.5%のN
MGが酸化され、グリホサート選択率が35.7%であったことを示した。(M)
AMPAおよびH3PO4選択率は、それぞれ21.1%および13.2%であっ
た。 結果が示すように、転化率および選択率は、塩基が存在しない場合に得られる
値より小さいが、NMG酸化は進行する。
【0151】 実施例16 この実施例は、グリホサートおよび類似化合物の存在下で、NMGは選択的に
グリホサートに酸化され得ることを説明する。1gの白金黒を、約6%NMG並
びにより少量のグリホサート、AMPA、MAMPA、ホルムアルデヒド、ギ酸
、および塩化ナトリウムを含む300gの溶液と混ぜ合わせた。混合物を、70
psigの圧力で反応器内に酸素を通じながら、150℃で4時間加熱した。反
応終結時でのNMRおよびHPLC分析は、ほとんどのNMGはグリホサートに
転化したことを示した。
【0152】 実施例17 この実施例は、ガス導入用および液体回収用焼結管付300ml攪拌オートク
レーブ反応器内でのNMGの酸化に、Ptを添加することの効果を示す。液体回
収フリットは攪拌機より下に設置し、ガス導入フリットは攪拌機の側方の上部に
設置した。
【0153】 約160gのNMG懸濁水(25wt%NMG)を、さまざまな量の白金黒(
Aldrich Chemical、Milwaukee, WI)と混ぜ合わせた。反応器を密閉し、N2を用
いて85psigまで加圧し、1000rpmで攪拌しながら150℃まで加熱
した。温度が安定したときに、ガスを400sccmの酸素および窒素の25/
75混合気(モル基準)に切り替えた。反応を約80分間続けた。
【0154】 表10に結果を示す。選択率が低下する最小の触媒添加量の場合を除いて、選
択率は触媒添加量にほんの弱く依存した。触媒添加量の上昇に伴い、急激とはい
えないが、転化率は上昇した。
【0155】
【表10】 150℃での白金黒上25%NMG酸化についての添加量の効果
【0156】 実施例18 この実施例は、H3PO3、HCl、サルコシン、および沈殿NaClを形成す
るPCl3とサルコシンナトリウム塩水溶液との間の反応を記載する。濾過によ
り、ほぼ定量的にNaClが除去されることも説明する。
【0157】 約200.5gのサルコシンおよび90.03gのNaOH(即ち、それぞれ
2.25mol)を209.4gの水と混ぜ合わせ、500mlのサルコシンナ
トリウム塩50wt%溶液を作った。324.7gのPCl3を連続的に溶液表
面より下の溶液中に61分かけてポンプで注入しながら、溶液をガラス容器内で
機械的に攪拌した。PCl3添加が完了したとき、混合物温度は109℃であっ
た。添加している間に、塩化ナトリウムは結晶化した。混合物を、PCl3添加
完了後直ちに、2つのガラス焼結ブフナー漏斗を用いて濾過し、塩ケークをすす
ぎをせずにフィルター上で吸引乾燥した。
【0158】 ケークは、6.8wt%のH3PO3、および等モル数のサルコシンを含んでい
た。濾過ケークの塩化物含有量を、試料を水に溶かし硝酸銀を用いて滴定するこ
とによって測定した。分析は、ケークの85wt%がNaClであり、これは乾
燥質量で133.2gのNaCl(2.28mol)に相当すること示した。そ
れゆえ、反応で形成したほぼすべてのNaClは濾過により除去された。
【0159】 実施例19 この実施例は、激しい酸化にさらした活性炭上にPtを堆積させることにより
調製した炭素担持Pt触媒の使用を示す。この実施例はまた、さまざまな金属ハ
ロゲン化物を用いてこの触媒を処理することによって得られた結果も示す。
【0160】 約15〜20gの KB-FF 炭素(Norit Americas Inc.、Atlanta, GA)を50
0ml三角フラスコ内に入れた。炭素をゆっくりと30%H22で湿らした。最
少量の熱が発生した。懸濁液の体積がほぼ150mlになるまで、さらに30%
22を加えた。次いで、H22溶液を、ホットプレート上で約2時間沸騰させ
た。その後、ホットプレートを切り、炭素をH22溶液中に一晩放置した。翌日
、炭素をガラスフリットで濾過し、脱イオン水ですすぎ、100℃減圧オーブン
内で乾燥させた。
【0161】 約4.6gの炭素を三角フラスコ内に入れた。少なくとも30:1(水対炭素
)の炭素希釈液を作るように、脱イオン水を加えた。pHをKOH水溶液を用い
て6.5に調整した。約2.335gのH2PtCl6を別のビーカー内で160
mlの水に溶かし、pHを45%KOH水溶液を用いて11に調整した。Pt溶
液を、10〜20mlに分割し5時間かけて、攪拌している炭素にゆっくりと加
えた。pHを、45wt%KOHを用いて定期的に、8〜8.5に調整した。混
合物を一晩攪拌した。朝にpHを10.3に調整し、45%KOHを用いてpH
を10.2に保持しながら、さらに2時間攪拌を続けた。次いで、混合物を急速
に85℃まで加熱し、5mlの37%CH2O溶液を加えた。溶液を、できるだ
け急速に沸騰させた。10分間の沸騰後、さらに5mlの37%CH2Oを加え
た。沸騰の間にpHを数回確認し、8.5〜10の間に調整した。1時間沸騰後
、混合物を冷却し、ガラスフリットで濾過した。触媒を脱イオン水を用いて洗浄
し、減圧オーブン内で乾燥した。この方法により18.9%Pt/C触媒を生じ
た。
【0162】 0.3〜0.5gの触媒を使用したことを除いて、実施例25の手順に従い金
属ハロゲン化物を用いて、触媒試料をさらに変性させた。20mlの水中1.0
gのNMGを酸化してグリホサートを形成するために、それぞれ約100mgの
触媒を使用した。水冷還流冷却器付50ml丸底フラスコ内で、それぞれの実験
を5時間行った。全5時間の還流中、酸素を反応混合物に通気した。それぞれの
実験の完了時に、触媒を除去するため、反応混合物を濾過した。
【0163】 表11に結果を示す。GaBr3は選択率および転化率の両方を向上させた。
AlBr3は転化率を低下させたが、選択率には重大な影響を及ぼさなかった。
NbCl5は選択率にとって有害であった。
【表11】 30%H22を用いた酸化 Norit KB-FF 炭素担持Pt触媒のNMG酸化活性
スクリーニング
【0164】 実施例20 この実施例は、PVP担持Pt触媒の調製および使用を記載する。この実施例
において、PVP担体を、表面積を増大させるために配合機内で粉砕し、Ptは
主として、PVPの表面上に堆積させた。
【0165】 25gの湿潤 Reillex HP ポリマー(Reilly Industries、Indianapolis, IN
製)を100mlの水に懸濁させ、20分間配合機内で粉砕した。37.5wt
%以上の公称白金金属含有量を有する約1.56gのH2PtCl6(Aldrich Ch
emical、Milwaukee, WI)を250ml丸底フラスコ中のポリマー懸濁液に加え
た。H2PtCl6の淡黄色が、1分以内で完全に樹脂に移り、PVP樹脂にH2
PtCl6が完全に取り込まれたことを示した。次いで、14molarのNa
OH中12wt%NaBH4(Aldrich Chemical)を3g加えた。NaBH4がP
tを還元したため、樹脂が直ちに黒色に変わった。1時間攪拌後、混合物を濾過
し、固体を水で洗浄した。次いで、触媒を減圧下105℃で乾燥させた。約7.
25gの触媒が回収された。ICP-MS分析は、触媒は3.5wt%がPtで
あることを示した。
【0166】 さまざまな触媒添加量を、20mlの水中1.0gのNMGを酸化しグリホサ
ートを形成するために使用した。それぞれの実験は、水冷還流冷却器付50ml
丸底フラスコ内で5時間行った。全5時間の還流中、酸素を反応混合物に通気し
た。それぞれの実験完了時点で、触媒を除去するために、反応混合物を濾過した
。比較のために、触媒として白金黒(Aldrich Chemical)を使用した別の実験も
、同じ反応条件下で行った。
【0167】 結果を表12に示す。PVP担持触媒は、1gのPtにつき、白金黒よりも活
性であったが、一方、白金黒のものとほとんど近似する選択率を示した。
【0168】
【表12】
【0169】 実施例21 この実施例は、実施例20に記載の触媒が、125および150℃でのNMG
のグリホサートへの酸化に対して、活性でかつ選択的な触媒であることを説明す
る。この実施例はまた、異なる酸素濃度に対する転化率および選択率も比較する
【0170】 約4.501gの実施例20に記載の触媒を、ガス導入用および液体回収用焼
結管付300ml攪拌オートクレーブ内で、116.6gの水、40.06gの
NMG、および0.65mlのアセトニトリル中0.0041g/mlのTEM
PO溶液と混ぜ合わせた。液体回収フリットは攪拌機より下に設置し、ガス導入
フリットは攪拌機の側方の上部に設置した。反応器を密閉し、窒素を用いて85
psigまで加圧し、1000rpmで攪拌しながら125℃まで加熱した。温
度が安定したときに、ガスを400sccmの酸素および窒素の25/75混合
気(モル基準)に切り替えた。37分後に、温度設定値を150℃まで上昇させ
た。8分後に、反応器は150℃に達した。1時間続行し、ガス混合気の組成を
、同じ全流速で窒素中37.5%酸素に変えた。
【0171】 結果を表13に示す。実験のそれぞれ15分間隔での転化率および選択率を示
す。温度を150℃とし、25%酸素の400sccm流速を用いた45〜60
分の間に、最も高い選択率は得られた。より低い温度(125℃)で、またはよ
り高い酸素濃度で、より低い選択率が得られた。
【0172】
【表13】 Pt/粉砕PVPによる25%NMGの酸化
【0173】 実施例22 PVP樹脂を酸または酸混合物で前処理し、次いで非水溶媒、典型的にはアル
コール中で中和および還元することを含む方法を使用するPVP担持Pt触媒の
調製を、この実施例で記載する。酸前処理の目的は、Ptをポリマービーズの外
表面ではなく、ポリマービーズの内部に主として堆積させることによりPtの分
散を改良することである。NaBH4還元剤を破壊しないようにするために酸を
、好ましくは還元前に中和する。非水溶媒の使用は、この工程のために好ましい
。なぜならH2PtCl6を含浸させたPVPを塩基性水溶液で処理するとほとん
どのPtが樹脂から溶脱するからである。代わりとしてエタノール、メタノール
、または類似溶媒を使用すると、Ptの溶脱は起こらない。
【0174】 この実施例において、69.3wt%の含水率を有する Reillex HP PVPを
、Reilly Industries(Indianapolis, IN)から入手して、使用した。6つの 32.6gの湿潤樹脂(10.0g乾燥質量)試料を、別々の攪拌棒付丸底フラ
スコ内で100mlの水と混ぜ合わせた。約0.105molの酸を、それぞれ
の懸濁液に加えた。使用した酸を、表14中に示す。
【0175】
【表14】 PVP樹脂前処理に使用した酸
【0176】 酸-樹脂混合物を80分間攪拌した後、約1.35gのH2PtCl6(Aldrich
Chemical、Milwaukee, WI)を加えた。1時間攪拌後、白金処理樹脂を濾過によ
り回収し、150mlの水を用いて3回洗浄し、減圧下120℃で68時間乾燥
した。次いで、136gの25wt%ナトリウムメトキシドメタノール溶液と4
50mlのメタノールとを混合することにより形成した100mlの混合液中に
、それぞれの試料を懸濁させた。懸濁液を1分間攪拌後、14molarのNa
OH中12wt%NaBH4を6.5g加えた。懸濁液を90分間攪拌し、次い
で16時間放置した。固体を濾過により回収し、150mlの水を用いて3回洗
浄し、減圧下120℃で一晩乾燥した。
【0177】 ビーズの表面上および内部のPt相対量は、光学顕微鏡検査法により定性的に
測定した。この方法を用いることにより、触媒2および3(それぞれ、トリフル
オロ酢酸および硝酸を用いて処理)では、Ptが内部深くに堆積していることが
明らかとなった。硝酸(より強い酸)(触媒3)を用いた場合に、より深い浸透
が観測された。酢酸および酢酸とより強い酸との混合物を使用した触媒1および
4〜6では、ビーズ表面ではないが、ほとんど表面近くにPtが堆積した。
【0178】 NMG酸化に対する触媒の活性および選択率は、実施例8記載の反応条件下で
測定した。表15に結果を示す。一般に、酸で前処理をしない触媒(例えば、実
施例20および21参照)と比べると、酸で前処理した触媒の転化率は劣ってい
る。このことは、Ptを主としてPVPビーズ内部に有する触媒は、ビーズ表面
にPtがほとんど存在する触媒より、N-置換グリホサート酸化に対する活性が
低いことを示す。さらに、データをより詳細に考察すると、白金をより深い粒子
中に堆積させるより強い酸の使用は、次第に触媒の活性および選択性をより低く
する傾向があることが明らかである。従って、N-置換グリホサート酸化のため
の好ましいPVP担持Pt触媒は、Ptが主として担体表面上に堆積したもので
ある。
【0179】
【表15】
【0180】 実施例23 この実施例は、異なったポリマー担体、すなわちスルホン化ポリスチレンに担
持させたPt触媒の調製を記載する。カチオン交換樹脂に転化するため、樹脂は
スルホン化され、卑金属(好ましくは鉄)が堆積され、Ptのためのインサイチ
ュー還元剤として用いるために還元される。明細な調製手順は以下の通りである
【0181】 A.スルホン化 このプロセスの間にSO3が放出されるために、次の工程は換気フード内で行
った。 約20gのポリスチレン樹脂(Amberlite XAD-16, Sigma Chemical, St. Loui
s, MO)をビーカーに入れた。ピペットを用いてゆっくりと樹脂にクロロスルホ
ン酸を加えることにより、樹脂をスルホン化した。反応が激しいので、少量を段
階的に加えた。かろうじて樹脂を覆うのに十分なクロロスルホン酸を加えて、ペ
ースト様の軟度を得た。樹脂を、時折スパチュラでかき混ぜながら、約2時間ク
ロロスルホン酸中に放置した。樹脂はこの手順の間に黒色に変わった。別のビー
カーにおいて、約300mlの硫酸ナトリウム冷飽和溶液を調製し、数mlの濃
硫酸をそれに加えた。次いで、樹脂を硫酸ナトリウム溶液に注いだ。その後、樹
脂を濾過し、飽和硫酸ナトリウム溶液を用いてガラスフリット上ですすいだ。最
後に樹脂を脱イオン水ですすぎ、減圧オーブン中100℃で乾燥した。
【0182】 B.卑金属処理 樹脂上の鉄は空気中で比較的不安的であるので、好ましくはこの手順は、でき
る限りすばやく行われるか、または不活性雰囲気中で行われる。 約1.01gの乾燥スルホン化 XAD-16 樹脂および60mlの水を攪拌プレー
ト上のビーカー内で混ぜ合わせた。過剰(3〜4g)の塩化第二鉄を、攪拌しな
がら溶液に加えた。次いで、樹脂を濾過し、脱イオン水を用いてガラスフリット
上で洗浄した。樹脂をビーカーに戻し、さらに脱イオン水を加え、鉄を還元する
ためにNaBH4を加えた。樹脂をガラスフリット上で濾過し、更に水を加える
ことができるようにビーカーに戻した。
【0183】 C.樹脂へのPtの堆積 XAD-16 を60mlの水に再懸濁させ、30mlの水に溶かした0.32gの
2PtCl6を加えた。H2PtCl6の量は、樹脂の質量および最終触媒の所望
Pt含有量に基づいた。攪拌しながら、この溶液を数回に分けて卑金属樹脂に加
えた。約20分間攪拌後、樹脂を濾過しガラスフリット上で脱イオン水を用いて
すすいだ。次いで、樹脂をNaBH4により還元した。Ptを還元した後、残留
鉄を取り除くために10〜30%硫酸を用いて、触媒を数回洗浄した。触媒を濾
過し脱イオン水を用いてすすぎ、次いで減圧オーブン中100℃で乾燥した。こ
れにより、約10%Ptを含有する触媒を製造した。 D.触媒性能 20mlの水中1.0gのNMGを酸化しグリホサートを形成させるために、
約100mgの触媒を使用した。それぞれの実験を、水冷還流冷却器付50ml
丸底フラスコ内で約5時間行った。全5時間の還流中、酸素を反応混合物に通気
した。それぞれの実験完了時点で、触媒を除去するために、反応混合物を濾過し
た。比較のために、約100mgのスルホン化樹脂および非スルホン化樹脂も、
同じ反応条件下で試験した。
【0184】 結果を表16に示す。Ptを有しない樹脂は不活性であり、スルホン化樹脂担
持Ptの選択率は、白金黒およびPVP担持Ptのものと同様であった。
【0185】
【表16】 NMGのグリホサートへの酸化のためのポリスチレン樹脂担持触媒の使用
【0186】 実施例24 この実施例は、酸性親水性ポリマービーズ担体(即ち、H+型スルホン化架橋
ポリスチレン)担持白金触媒の調製および使用を説明する。
【0187】 約20gのH+型スルホン化ポリスチレンビーズ(Amberlyst 15、 Rohm & Haas、Philadelphia, PA)を、120ml無水エタノールおよび80m
l水中2.7gのH2PtCl6(37.5%Pt、Pt1.0g当量、Aldrich
Chemical、Milwaukee, WI)を含む溶液と混ぜ合わせた。溶液を、攪拌しながら
95℃オイルバス中で40時間還流した。その後、樹脂は黒色で、溶液は澄んで
いた。触媒を濾過により回収し、水ですすぎ、-SO3H基を脱プロトン化するた
め200gの20%Na2SO4中に1時間、攪拌せずに浸した。触媒を再び、濾
過により回収し水で洗浄したが、乾燥しなかった。
【0188】 続いて、NMGを酸化してN-(ホスホノメチル)グリシンを形成するために
触媒を使用した。酸化を行うために、実施例17に記載の300mlオートクレ
ーブ反応器に105.4mlの水および47.1gのNMGと一緒に、触媒を入
れた。135℃の温度、66psigの圧力、および100sccmの酸素流速
で2時間反応を行った。表17に、得られた選択率および転化率を示す。
【0189】
【表17】 +型スルホン化ポリスチレンビーズ担持白金を使用したNMGの酸化 増分選択率。
【0190】 実施例25 この実施例は、無機変性剤(「助触媒」とも称される)と結合したPt触媒の
調製および使用を記載する。この実施例において、さまざまな金属化合物(大半
は金属ハロゲン化物)を、白金黒の変性のために使用した。白金黒およびすべて
の金属化合物は、Aldrich Chemical Co.、Milwaukee, WI から入手した。試験に
供した金属化合物を、表18に列挙した。
【0191】 すべての金属化合物は感湿性であるので、加水分解以外のすべての操作をN2
雰囲気下乾燥グローブボックス内で行った。グローブボックスの外で白金黒をい
くつかに分割し(0.15〜0.25g)、テフロン(登録商標)処理された隔 膜を有する40mlバイアルに入れた。それぞれの分割分を、処理のために使用 する金属化合物に割り当てた。すべての材料を乾燥グローブボックスに移し、実 際のグローブボックスでの処置の前に、空気を取り除くように注意した。少量の 金属化合物(約1g)を、グローブボックス中で割り当てた40mlバイアルに 入れた。クロロベンゼン(約40ml)をそれぞれの金属化合物に加えた。それ ぞれのバイアルに蓋をし溶解させるため混合した。固体金属化合物がバイアルの 底に残っていることにより示されるように、すべての溶液は飽和であった。未溶 解の金属化合物を加えないように注意しながら、金属化合物溶液(3〜5ml) を白金黒を含む割り当てたバイアルに注いだ。それぞれの白金黒を含むバイアル に蓋をし、グローブボックス内で振って混合した。次いで、バイアルの蓋を開け 、グローブボックス内で1時間放置した。次いで、白金黒を含むバイアルに蓋を し、グローブボックスから取り出し、フード内に置いた。金属化合物塩を加水分 解するために、脱イオン水(約20ml)をそれぞれのバイアルに注意して加え た。次いで、それぞれの触媒をガラスフリットフィルターで濾過し、多量の水を 用いて洗浄し、減圧下で一晩乾燥した。
【0192】 20mlの水中1.0gのNMGを酸化しグリホサートを形成させるため、約
30mgの各調製触媒を使用した。それぞれの実験を、水冷還流冷却器付50m
l丸底フラスコ内で約5時間行った。全5時間の還流中、酸素を反応混合物に通
気した。それぞれの実験完了時点で触媒を除去するために、反応混合物を濾過し
た。比較のために、未変性白金黒対照試料も、同じ条件でNMGを酸化させるた
めに使用した。
【0193】 表18に、試験した金属化合物およびそれらの選択率への効果を列挙した。ガ
リウム、インジウム、ルテニウム、およびオスミウム化合物は、選択率の向上に
関して有効であった。
【0194】
【表18】 金属化合物処理白金黒触媒のスクリーニング
【0195】 実施例26 この実施例は、より高い温度および酸化速度でのN-置換グリホサートの酸化
において、攪拌速度の選択率への影響を説明する。
【0196】 3つの実験それぞれにおいて、約4.501gの触媒を、ガス導入用および液
体回収用焼結管付300ml攪拌オートクレーブ内で、116.6gの水、40
.06gのNMG、および0.65mlのアセトニトリル中0.041g/ml
のTEMPO溶液と混ぜ合わせた。液体回収フリットは攪拌機より下に設置し、
ガス導入フリットは攪拌機の側方の上部に設置した。反応器を密閉し、窒素を用
いて85psigまで加圧し、125℃まで加熱した。
【0197】 以下の表19、20、および21に、3つの実験においての各間隔での攪拌速
度と、間隔中に得られた選択率および平均酸化速度を示した。攪拌速度が明らか
な最適条件である1000rpmに達するまで、速度および選択率の両方は向上
することが分かる。報告した速度は、1リットル1時間につき酸化されたNMG
のモル量により表現される。第2の実験中で、攪拌を1200rpmまで上昇さ
せると、選択率は減少した。1200rpmでの選択率は、第3の実験の開始時
点でさえ最低となった。
【0198】 記載した反応器において、ガスがインペラーのつくる渦中に引き込まれ、かつ
表面であわ立ち未反応となることを妨げる度合いは、攪拌速度が約950rpm
に達するまで上昇し、この段階では、実際すべてのガスがインペラーのまわりの
乱流部に引き込まれる。しかしながら、攪拌速度がさらに上昇すると、約150
0rpmの段階まで、インペラーのまわりの気液混合の乱流部が広がり、液体体
積のほとんどを満たす。以下のデータは、NMGの好気性酸化に対する最適攪拌
速度は、ガスを溶液に導入したときに、気泡が直接溶液表面上に浮かび上がるこ
とを実質的に阻止するためにちょうど十分な速度であることを示す。好適値より
もかなり小さい攪拌速度は、より低い反応速度および選択率をもたらす傾向があ
り、一方、好適値よりもかなり大きい攪拌速度はまた、より広い乱流部をつくり
、より低い選択率をもたらす傾向がある。
【0199】
【表19】 NMG酸化での攪拌速度の効果、実験1
【0200】
【表20】NMG酸化での攪拌速度の効果、実験2
【0201】
【表21】NMG酸化での攪拌速度の効果、実験3
【0202】 実施例27 この実施例は、本発明に従って、反応溶液中に未溶解の酸素の悪影響を減少さ
せるために使用するさまざまな方法を説明する。
【0203】 3つの実験を行った。それぞれにおいて、白金黒(Aldrich Chemical Co.、Mi
lwaukee, WI)触媒を用いて、NMGをN-(ホスホノメチル)グリシンに酸化し
た。1000rpmの攪拌速度を用いて、実施例17において使用した攪拌反応
器中で反応を行った。
【0204】 最初の実験では、触媒表面上にN,N'-ビス-(3-メチルフェニル)-N,N'-
ジフェニルベンジジン(「TPD」)を堆積させることにより、白金黒触媒を変
性させた。この触媒を、0.70gの白金黒を7mgの溶解TPDを含む20m
lの塩化メチレン中に懸濁させることにより調製した。触媒を、40.1gのN
MGおよび113gの水と一緒に、反応器内に導入した。圧力を90psigに
保持した。溶液が反応温度(150℃)に達するとすぐに、約200sccmの
酸素を混合物に通気した。32分後では、転化率が60.4%であり、選択率が
90.8%であった。56分後では、転化率が77.2%であり、選択率が83
.1%であった。
【0205】 第2の実験では、反応器に、0.70gの白金黒、40.0gのNMG、およ
び113.3gの水を添加した。圧力を90psigに保持した。反応溶液の表
面近く(即ち、約15.2cmの全液深を有する反応混合物の表面から約1.3
cm)に位置したフリットを通じて酸素を導入し、本質的にすべての酸素の気泡
が、最初にインペラーに接触することなく上部空間に逃れることができるように
、実施例17で使用した反応器を変更した(変更前は、フリットの位置は反応混
合物中のより低いところにあり、その結果、かなりの量の酸素の気泡がインペラ
ーと接触していた)。溶液が反応温度(150℃)に達するとすぐに、約200
sccmの酸素を混合物に通気した。30分後では、転化率は59.6%であり
、選択率が92.0%であった。60分後では、転化率が80.5%であり、選
択率が81.8%であった。
【0206】 第3の実験では、第2の実験とフリットが同じ位置にある反応器に、47.2
gのNMG、103.7mlの水、および2.00gの白金黒を添加した。圧力
を66psigに保持した。溶液が反応温度(135℃)に達したときに、酸素
を、100sccmの流速で溶液に通気した。表22に、反応中の転化率および
増分選択率を示す。
【0207】
【表22】 インペラーから離れて位置するフリット使用時のNMG酸化 増分選択率。
【0208】 実施例28 この実施例は、モノエタノールアミンとアセトンとがN-イソプロピルモノエ
タノールアミン(「IMEA」と略称)を形成する還元的カップリングを記載す
る。
【0209】 一連の実験は、さまざまなPt含有およびPd含有触媒を利用して行った。そ
れぞれの実験において、触媒を攪拌棒付ガラス耐圧瓶内で25mlのアセトンに
懸濁させた。次いで、約6.1g(0.1mol)のモノエタノールアミンを耐
圧瓶に加え、混合物を攪拌し、そして5〜10分間放置した。少量の熱が放出さ
れた。次いで、瓶をH2を用いて90psigまで加圧し、同じ圧力下室温で一
晩攪拌した。引き続いて瓶の圧力を下げ、モノエタノールアミン、N-イソプロ
ピルモノエタノールアミン、およびN,N-ジイソプロピルエタノールアミンの相
対比を、ガスクロマトグラフィーにより測定した。
【0210】 表23に示した触媒は、反応のために好ましい触媒であることが分かった。炭
素担持ロジウム(表23に不掲載)は、アセトンおよびモノエタノールアミンの
還元的アルキル化を促進することが分かったが、主としてジアルキル化生成物を
生ずる。ラネーニッケル(表23に不掲載)は、所望の反応に対して低い活性を
示した(<40%転化率、0.205gの5%Rh/C使用時)。
【0211】 いかなる特定の理論にもとらわれることなく、表23中に定量値が示されるア
セトン誘導体は、次の式により示されるようなアルコール縮合の結果物であると
考えられる。
【化55】
【0212】 反応に好ましい触媒を示したことに加え、この実施例はまた、アセトンが溶媒
および試薬の両方として使用でき、エタノールまたはすべての他の非反応性溶媒
(即ち、反応条件下で反応体および所望生成物と反応しないすべての溶媒)を使
用する必要性を通例の実験計画段階で排除しうることも説明する。
【0213】
【表23】 90psigH2下でアセトンを用いたモノエタノールアミンの室温還元的ア
ルキル化
【0214】 実施例29 この実施例は、イオン交換膜を媒介とするサルコシンナトリウム塩の中和を説
明する。中和は、2つのガラス部分から構成される器具内で行われた。下方の部
分は、44mmのO-リングと内接する溝を有する頂部のフランジを除いてはボ
ウル型であった。上方の部分は、下方の部分のものと同一のフランジを底部に有
する円筒であった。操作の間、Viton O-リングを上方のフランジに置き、膜部
分を下方部分のフランジとO-リングとの間にはさんだ。2つの部分は、クラン
プを用いてしっかりと結合させた。
【0215】 器具の使用準備のために、37.5g(0.205mol)のNMG、20.
9gの濃硫酸(1当量)、16.6gの37%ホルマリン(0.20当量)、お
よび212.3gの水を混ぜ合わせることにより調製したホスホノメチル化混合
物(27ml)で器具の下方部分を満たした。このようにして、典型的なホスホ
ノメチル化混合物である、硫酸およびホルマリンを合わせたものを含む15%N
MG溶液を得た。
【0216】 下方部分をホスホノメチル化混合物で完全に満たした後、器具を組み立てる前
に膜を頂部に置いた。ホスホノメチル化混合物と膜との間に気泡が入らないよう
に注意を払った。器具を組み立てるとすぐに、50mlの5%サルコシンナトリ
ウム塩水溶液を上方(円筒)部分に加えた。pHプローブをサルコシンナトリウ
ム塩溶液に挿入し、2つの溶液の磁石による攪拌を始めた。中和が進行するにつ
れて、上方の溶液のpHが減少した。
【0217】 上記の装置および実験計画を用いて、以下の膜を試験した:Nafion 117(DuPo
nt Co.、Wilmington, DE 製、 Aldrich Chemical、Milwaukee, WI から入手可能
)、Ionclad EDS R4010 膜(Pall Specialty Materials、Port Washington, NY )、並びに Raipore R1010、Ionac、およびESC 7000 膜(The Electrosynthesis
Company、East Amherst, NY から入手可能)。すべての膜は、中和を媒介する
ことに関して有効であった。R4010 膜は最も早く、0.03A/cm2のプロト
ン流束を示した。
【0218】 実施例30 この実施例は、NMG、グリホサート、および二水素リン酸塩も含む模擬物か
ら硫酸水素イオンを除去するためのナノ濾過膜の使用を説明する。模擬物中のこ
れらの成分比は、次の方法において典型的なものであり、その方法とは、N-置
換グリホサートをH2SO4触媒ホスホノメチル化により調製し、次いでH2SO4 中和後、まずN-置換グリホサートを固体として単離せずにグリホサートに酸化
する方法である。実施例は、1000ダルトン以下の分子量分離は、この応用の
ために好ましいことを示す。
【0219】 模擬物の組成は、水中(pH=1.4)、1.0%NMG、0.2%グリホサ
ート、2.7%NaHSO4・H2O、および0.3%NaH2PO4・H2Oであっ
た。混合物は室温で均一であった。約100mlの模擬物を、SepaST 攪拌膜テ
ストセル(Osmonics Laboratory and Specialty Products Group、Livermore, C
A)に充填した。セルは、試験される膜の45mm円盤を保持した。ヘリウムで
模擬物がある小室に圧力をかけ、浸透液を採集し、並びに浸透液を、NMG、グ
リホサート、およびリン酸塩濃度についてはHPLCにより、硫酸塩含有量につ
いてはイオンクロマトグラフィーにより分析した。
【0220】 表24に2種の低分子量カットオフナノ濾過膜についての結果を示す。最初の
一組は、Nova 1k、3k、および 5k 膜である(Pall Gelman、Ann Arbor, MI)。
これらの膜は、それぞれ1000、3000、および5000ダルトンの分子量
分離能を有するよう製造されたことを特徴とする。もう一組は、2つの SelRO
膜、MPF-34 および MPF-36(LCI Corporation、Charlotte, NC)である。製造業
者は、分子量分離能を明らかにしていないが、膜は、蔗糖(分子量=342)を
それぞれ、95%および50%排除することを示す。従って、分子量分離の順序
は、Nova 5k > Nova 3k > Nova 1k > SelRO MPF-36 > SelRO MPF-34 である
【0221】 表24に、NMGおよびグリホサートに対する排除効率並びにNMGに関して
の硫酸塩およびリン酸塩に対する膜の相対的選択率を示す。1.0の選択率の値
は、膜が選択的ではないことを意味する。SelRO 膜は、1よりかなり大きい選択
率を示し、ゆえに、この応用のために有効である。
【0222】
【表24】 NMGおよびグリホサートから硫酸塩およびリン酸塩の分離についての膜選択
【0223】 上記の好適な実施例の記載は、他の技術専門家に本発明、その原理、およびそ
の実際的な応用を知らせることだけを意図し、そうして他の技術専門家は、特定
の使用要求に最も適応させ得る多数の形態に、本発明を適合および応用させるこ
とができる。従って、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、さまざま
に変更され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 N−置換グリシンのホスホノメチル化の好ましい態様の概略流れ
図である。
【図2】 (1)酸化が完了する前に酸化反応ゾーンから反応混合物を取り
出し、(2)混合物中のN−(ホスホノメチル)グリシン生成物を沈澱させて回収
し、(3)混合物の一部を反応ゾーンに戻す、N−置換N−(ホスホノメチル)グ
リシンを酸化する好ましい態様の概略流れ図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 31/22 B01J 31/22 Z 32/00 32/00 37/02 101 37/02 101A C07C 213/02 C07C 213/02 215/08 215/08 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,GE,G H,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,Z W (72)発明者 ロバート・オース アメリカ合衆国63016ミズリー州シーダ ー・ヒル、ヒッコリー・ヒル・レイン7205 番 (72)発明者 デイビッド・オバーン アメリカ合衆国63135ミズリー州ファーガ ソン、ウォード・ドライブ329番 (72)発明者 シンディ・ラドウィッグ アメリカ合衆国63146ミズリー州セント・ ルイス、ドーテル・レイン1412番 (72)発明者 ワン・カム−ト アメリカ合衆国63011ミズリー州マンチェ スター、ロイヤル・ビレッジ・ドライブ 358番 (72)発明者 ジョン・エム・ゼニティス アメリカ合衆国63105ミズリー州セント・ ルイス、ノースムーア・ドライブ7260番 Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 BA08A BA08B BA21A BA21B BA22A BA22B BA27B BC16A BC17A BC18A BC22A BC26A BC32A BC33A BC56A BC66A BC66B BC68A BC68B BC69A BC70A BC70B BC73A BC75B BE01B BE05A BE08A BE13A BE14A BE21A BE33A BE33B BE34A BE37A BE37B CB75 DA08 FA01 FA02 FB14 FB17 FC08 4H006 AA02 AC52 BA09 BA11 BA12 BA13 BA22 BA23 BA25 BA26 BA51 BA55 BE20 BN10 BU32 4H039 CA19 CA71 CD10 CD40 CD90 4H050 AC40 AC50 AC80 AD19 BA09 BA11 BA12 BA13 BA17 BA47 BA51 BA55 BD32 BD52 BE30 【要約の続き】 れる。

Claims (91)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマー担体に担持された貴金属を含んでなる触媒の存在下
    に、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体を酸素と組み合わせることを
    含んでなる、N−(ホスホノメチル)グリシン、N−(ホスホノメチル)グリシンの
    塩またはN−(ホスホノメチル)グリシンのエステルを製造する方法であって、N
    −置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体は、式(V): 【化1】 (式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、−PO1213、−SO14、−NO、ヒドロカルビル、および−CO15
    外の置換ヒドロカルビルからなる群から選択され;R、R、R、R12
    13、R14およびR15は、それぞれ独立に、水素、ヒドロカルビル、置換
    ヒドロカルビルおよび農学的に許容されるカチオンからなる群から選択される。
    ) で示される方法。
  2. 【請求項2】 ポリマー担体は塩基性ポリマーからなる請求項1に記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 ポリマー担体は、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネー
    ト、ポリウレアおよびポリエステルからなる群から選択される請求項1に記載の
    方法。
  4. 【請求項4】 ポリマー担体は、ポリエチレンイミン、ポリアミノスチレン
    、スルホン化ポリスチレン、ポリビニルピリジンおよびポリアクリル酸の塩から
    なる群から選択される請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 ポリマー担体はポリスチレンからなる請求項1に記載の方法
  6. 【請求項6】 ポリマー担体はスルホン化ポリスチレンからなる請求項1に
    記載の方法。
  7. 【請求項7】 ポリマー担体はポリビニルピリジンからなる請求項1に記載
    の方法。
  8. 【請求項8】 ポリマー担体はジメチルアミン基により置換されたポリスチ
    レンからなる請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 触媒は、さらに疎水性電気活性分子種をさらに含む請求項1
    に記載の方法。
  10. 【請求項10】 触媒および2,2,6,6−テトラメチルピリジンN−オキ
    シドの存在下に、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体を酸素と組み合
    わせる請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 触媒は、さらに、トリフェニルメタン、N−ヒドロキシフ
    タルイミド、5,10,15,20−テトラキス(ペンタフルオロフェニル)−21
    H,23H−ポルフィン鉄(III)クロリド、2,4,7−トリクロロフルオレン、ト
    リアリールアミン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジンN−オキシド、5,1
    0,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィン鉄(III)クロリド、
    4,4'−ジフルオロベンゾフェノン、5,10,15,20−テトラフェニル−2
    1H,23H−ポルフィンニッケル(II)およびフェノチアジンからなる群から選
    択される化合物を含む請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】 触媒はさらにトリアリールアミンを含む請求項1に記載の
    方法。
  13. 【請求項13】 触媒はさらにトリス(4−ブロモフェニル)アミンを含む請
    求項1に記載の方法。
  14. 【請求項14】 触媒はさらにN,N'−ビス−(3−メチルフェニル)−N,
    N'−ジフェニルベンジジンを含む請求項1に記載の方法。
  15. 【請求項15】 貴金属および助触媒を含んでなる触媒の存在下に、N−置
    換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体を酸素と組み合わせることを含んでなる
    、N−(ホスホノメチル)グリシン、N−(ホスホノメチル)グリシンの塩またはN
    −(ホスホノメチル)グリシンのエステルを製造する方法であって、N−置換N−
    (ホスホノメチル)グリシン反応体は、式(V): 【化2】 (式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、−PO1213、−SO14、−NO、ヒドロカルビル、および−CO15
    外の置換ヒドロカルビルからなる群から選択され;R、R、R、R12
    13、R14およびR15は、それぞれ独立に、水素、ヒドロカルビル、置換
    ヒドロカルビルおよび農学的に許容されるカチオンからなる群から選択される。
    ) で示され、 助触媒は、アルミニウム、ルテニウム、オスミウム、インジウム、ガリウム、
    タンタル、錫およびアンチモンからなる群から選択される金属を含んでなり、 触媒の少なくとも約0.05質量%が助触媒からなる 方法。
  16. 【請求項16】 助触媒はインジウムを含んでなる請求項15に記載の方法
  17. 【請求項17】 助触媒はガリウムを含んでなる請求項15に記載の方法。
  18. 【請求項18】 助触媒はルテニウムを含んでなる請求項15に記載の方法
  19. 【請求項19】 助触媒はオスミウムを含んでなる請求項15に記載の方法
  20. 【請求項20】 RおよびRは、それぞれ独立に、水素、ヒドロカルビ
    ル、および−CO15以外の置換ヒドロカルビルからなる群から選択され、
    、RおよびRは、それぞれ独立に、水素および農学的に許容されるカチ
    オンからなる群から選択される請求項15に記載の方法。
  21. 【請求項21】 貴金属および助触媒は担体上に担持されている請求項15
    に記載の方法。
  22. 【請求項22】 担体はグラファイトカーボンからなる請求項21に記載の
    方法。
  23. 【請求項23】 担体はポリマーからなる請求項21に記載の方法。
  24. 【請求項24】 炭素担体の表面を酸化剤と接触させ、 酸化された表面に貴金属を堆積させて炭素担持酸化触媒を形成し、 炭素担持酸化触媒の存在下に、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体
    を酸素と組み合わせることを含んでなる、N−(ホスホノメチル)グリシン、N−
    (ホスホノメチル)グリシンの塩またはN−(ホスホノメチル)グリシンのエステル
    を製造する方法であって、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体は、式
    (V): 【化3】 (式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、−PO1213、−SO14、−NO、ヒドロカルビル、および−CO15
    外の置換ヒドロカルビルからなる群から選択され;R、R、R、R12
    13、R14およびR15は、それぞれ独立に、水素、ヒドロカルビル、置換
    ヒドロカルビルおよび農学的に許容されるカチオンからなる群から選択される。
    ) で示される方法。
  25. 【請求項25】 酸化剤は過酸化水素を含んでなる請求項24に記載の方法
  26. 【請求項26】 (a)炭素担持酸化触媒はさらに助触媒を含み、(b)触
    媒の少なくとも約0.05質量%は助触媒からなる請求項24に記載の方法。
  27. 【請求項27】 助触媒はインジウムを含んでなる請求項26に記載の方法
  28. 【請求項28】 助触媒はガリウムを含んでなる請求項26に記載の方法。
  29. 【請求項29】 助触媒はルテニウムを含んでなる請求項26に記載の方法
  30. 【請求項30】 助触媒はオスミウムを含んでなる請求項26に記載の方法
  31. 【請求項31】 酸化反応ゾーン中で貴金属触媒の存在下に、N−置換N−
    (ホスホノメチル)グリシン反応体を酸素と組み合わせて、N−(ホスホノメチル)
    グリシン、N−(ホスホノメチル)グリシンの塩またはN−(ホスホノメチル)グリ
    シンのエステルを含むN−(ホスホノメチル)グリシン混合物を生成し、 N−(ホスホノメチル)グリシン混合物からN−(ホスホノメチル)グリシン、N
    −(ホスホノメチル)グリシンの塩またはN−(ホスホノメチル)グリシンのエステ
    ルを分離して、分離されたN−(ホスホノメチル)グリシン、N−(ホスホノメチ
    ル)グリシンの塩またはN−(ホスホノメチル)グリシンのエステルを回収し、残
    留混合物を生成し、 残留混合物の少なくとも一部を酸化反応ゾーンに戻す ことを含んでなる、N−(ホスホノメチル)グリシン、N−(ホスホノメチル)グリ
    シンの塩またはN−(ホスホノメチル)グリシンのエステルを製造する方法であっ
    て、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体は、式(V): 【化4】 (式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、−PO1213、−SO14、−NO、ヒドロカルビル、および−CO15
    外の置換ヒドロカルビルからなる群から選択され;R、R、R、R12
    13、R14およびR15は、それぞれ独立に、水素、ヒドロカルビル、置換
    ヒドロカルビルおよび農学的に許容されるカチオンからなる群から選択される。
    ) で示される方法。
  32. 【請求項32】 N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン混合物中に最初に
    存在するN−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体の約20〜約95%が消
    費された時点で、N−(ホスホノメチル)グリシン混合物からN−(ホスホノメチ
    ル)グリシン、N−(ホスホノメチル)グリシンの塩またはN−(ホスホノメチル)
    グリシンのエステルを分離して、分離されたN−(ホスホノメチル)グリシン、N
    −(ホスホノメチル)グリシンの塩またはN−(ホスホノメチル)グリシンのエステ
    ルを回収し、残留混合物を生成する請求項31に記載の方法。
  33. 【請求項33】 N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン混合物中に最初に
    存在するN−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体の約50〜約90%が消
    費された時点で、N−(ホスホノメチル)グリシン混合物からN−(ホスホノメチ
    ル)グリシン、N−(ホスホノメチル)グリシンの塩またはN−(ホスホノメチル)
    グリシンのエステルを分離する請求項32に記載の方法。
  34. 【請求項34】 N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン混合物中に最初に
    存在するN−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体の約50〜約80%が消
    費された時点で、N−(ホスホノメチル)グリシン混合物からN−(ホスホノメチ
    ル)グリシン、N−(ホスホノメチル)グリシンの塩またはN−(ホスホノメチル)
    グリシンのエステルを分離する請求項32に記載の方法。
  35. 【請求項35】 N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン混合物中に最初に
    存在するN−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体の約50〜約70%が消
    費された時点で、N−(ホスホノメチル)グリシン混合物からN−(ホスホノメチ
    ル)グリシン、N−(ホスホノメチル)グリシンの塩またはN−(ホスホノメチル)
    グリシンのエステルを分離する請求項32に記載の方法。
  36. 【請求項36】 残留混合物からの汚染物質は選択的に透過し、(a)N−
    置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体および(b)N−(ホスホノメチル)グ
    リシン、N−(ホスホノメチル)グリシンの塩またはN−(ホスホノメチル)グリシ
    ンのエステルは保持する膜に、残留混合物を加圧して接触させることにより、リ
    サイクル混合物と廃棄混合物とに分割し、 廃棄混合物は、膜を通過した残留混合物のあらゆる部分を含み、 リサイクル混合物は、(a)膜を通過しなかった残留混合物のあらゆる部分を
    含み、(b)酸化反応ゾーンに戻される残留混合物のあらゆる部分を含む 請求項31に記載の方法。
  37. 【請求項37】 汚染物質は塩である請求項36に記載の方法。
  38. 【請求項38】 残留混合物を、約1000ダルトン未満の分子量カットオ
    フを有する膜に加圧して接触させることにより、リサイクル混合物と廃棄混合物
    とに分割し、 廃棄混合物は、膜を通過した残留混合物のあらゆる部分を含み、 リサイクル混合物は、(a)膜を通過しなかった残留混合物のあらゆる部分を
    含み、(b)酸化反応ゾーンに戻される残留混合物のあらゆる部分を含む 請求項31に記載の方法。
  39. 【請求項39】 N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体および貴金
    属触媒の混合物に酸素を導入することを含んでなるN−(ホスホノメチル)グリシ
    ン、N−(ホスホノメチル)グリシンの塩またはN−(ホスホノメチル)グリシンの
    エステルの製造方法であって、 酸素は、膜を通して混合物に導入し、 N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体は、式(V): 【化5】 (式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、−PO1213、−SO14、−NO、ヒドロカルビル、および−CO15
    外の置換ヒドロカルビルからなる群から選択され;R、R、R、R12
    13、R14およびR15は、それぞれ独立に、水素、ヒドロカルビル、置換
    ヒドロカルビルおよび農学的に許容されるカチオンからなる群から選択される。
    ) で示される方法。
  40. 【請求項40】 貴金属触媒の存在下に、N−置換N−(ホスホノメチル)グ
    リシン反応体を酸素とを組み合わせることにより反応混合物を生成することを含
    んでなるN−(ホスホノメチル)グリシン、N−(ホスホノメチル)グリシンの塩ま
    たはN−(ホスホノメチル)グリシンのエステルの製造方法であって、 約10体積%を超えない反応混合物は未溶解酸素からなり、 N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体は、式(V): 【化6】 (式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、−PO1213、−SO14、−NO、ヒドロカルビル、および−CO15
    外の置換ヒドロカルビルからなる群から選択され;R、R、R、R12
    13、R14およびR15は、それぞれ独立に、水素、ヒドロカルビル、置換
    ヒドロカルビルおよび農学的に許容されるカチオンからなる群から選択される。
    ) で示される方法。
  41. 【請求項41】 約4体積%を超えない反応混合物が未溶解酸素からなる請
    求項40に記載の方法。
  42. 【請求項42】 約1体積%を超えない反応混合物が未溶解酸素からなる請
    求項40に記載の方法。
  43. 【請求項43】 撹拌タンク反応器中でN−置換N−(ホスホノメチル)グリ
    シン反応体および貴金属触媒の混合物に酸素を導入することを含んでなるN−(
    ホスホノメチル)グリシン、N−(ホスホノメチル)グリシンの塩またはN−(ホス
    ホノメチル)グリシンのエステルの製造方法であって、 酸素は、インペラーが通過する反応器の領域には実質的に気泡が入らないよう
    にして、気泡として混合物に導入し、 N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体は、式(V): 【化7】 (式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、−PO1213、−SO14、−NO、ヒドロカルビル、および−CO15
    外の置換ヒドロカルビルからなる群から選択され;R、R、R、R12
    13、R14およびR15は、それぞれ独立に、水素、ヒドロカルビル、置換
    ヒドロカルビルおよび農学的に許容されるカチオンからなる群から選択される。
    ) で示される方法。
  44. 【請求項44】 N−(ホスホノメチル)グリシン、N−(ホスホノメチル)グ
    リシンの塩またはN−(ホスホノメチル)グリシンのエステルの製造方法であって
    、 酸化反応ゾーン中で貴金属触媒の存在下に、N−置換N−(ホスホノメチル)グ
    リシン反応体を酸素と組み合わせて、(a)ケトンおよび(b)N−(ホスホノ
    メチル)グリシン、N−(ホスホノメチル)グリシンの塩またはN−(ホスホノメチ
    ル)グリシンのエステルを含む酸化生成物を生成し、 酸化生成物からケトンを分離してケトンを回収し、 回収されたケトンを、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体を生成す
    るための出発物質として使用し、 ケトンから誘導されたN−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体を、貴金
    属触媒の存在下に酸化反応ゾーン中で酸素と組み合わせる ことを含んでなり、 N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン反応体は、式(V): 【化8】 で示され、ケトンは、式(VIII): 【化9】 で示され、 RおよびRは、それぞれ独立に、ヒドロカルビル、および−CO15
    外の置換ヒドロカルビルからなる群から選択され;R、R、RおよびR は、それぞれ独立に、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルおよび農学
    的に許容されるカチオンからなる群から選択される 方法。
  45. 【請求項45】 R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素および農
    学的に許容されるカチオンからなる群から選択される請求項44に記載の方法。
  46. 【請求項46】 Rはメチルであり、Rはメチルおよびエチルからなる
    群から選択される請求項44に記載の方法。
  47. 【請求項47】 金属含有触媒の存在下にケトンを水素およびグリシン反応
    体と組み合わせて、N−置換グリシン反応体を生成し、 N−置換グリシン反応体を、ホスホノメチル化してN−置換N−(ホスホノメ
    チル)グリシン反応体を生成する請求項44に記載の方法であって、 グリシン反応体は、式(IX): 【化10】 で示され、N−置換グリシン反応体は、式(II): 【化11】 で示され、 RおよびR11は、それぞれ独立に、水素および農学的に許容されるカチオン
    からなる群から選択される 方法。
  48. 【請求項48】 金属含有触媒は、白金およびパラジウムからなる群から選
    択される請求項47に記載の方法。
  49. 【請求項49】 金属含有触媒の存在下にケトンを水素およびアンモニアと
    組み合わせて1級アミンを生成し、 1級アミンをHCNおよびCHO源と組み合わせてニトリルを生成し、 ニトリルを加水分解してN−置換グリシン反応体を生成し、 N−置換グリシン反応体を、ホスホノメチル化してN−置換N−(ホスホノメ
    チル)グリシン反応体を生成し、 N−置換グリシン反応体は、式(II): 【化12】 で示され、 Rは、水素および農学的に許容されるカチオンからなる群から選択される 請求項44に記載の方法。
  50. 【請求項50】 金属を含む第1触媒の存在下にケトンを水素およびアンモ
    ニアと組み合わせて1級アミンを生成し、 1級アミンをアミドに変換し、 コバルトおよびパラジウムからなる群から選択される金属を含む第2触媒の存
    在下に、アミドをCOおよびCHO源と組み合わせてN−置換グリシンアミド
    を生成し、 N−置換グリシンアミドを、加水分解してN−置換グリシン反応体を生成し、 N−置換グリシン反応体をホスホノメチル化してN−置換N−(ホスホノメチ
    ル)グリシン反応体を生成する ことを含んでなり、 N−置換グリシン反応体は、式(II): 【化13】 で示され、 Rは、水素および農学的に許容されるカチオンからなる群から選択される 請求項44に記載の方法
  51. 【請求項51】 金属含有触媒の存在下にケトンを水素およびモノエタノー
    ルアミンと組み合わせてN−置換モノエタノールアミンを生成し、 銅含有触媒の存在下にN−置換モノエタノールアミンを強塩基と組み合わせて
    N−置換グリシン反応体を生成し、 N−置換グリシン反応体を、ホスホノメチル化してN−置換N−(ホスホノメ
    チル)グリシン反応体を生成し、 N−置換モノエタノールアミンは、式(XI) 【化14】 で示され、 N−置換グリシン反応体は、式(II): 【化15】 で示され、 Rは、水素および農学的に許容されるカチオンからなる群から選択される 請求項44に記載の方法。
  52. 【請求項52】 塩基はNaOHである請求項51に記載の方法。
  53. 【請求項53】 ケトン、モノエタノールアミンおよび水素を、本質的に非
    反応性溶媒の不存在下で組み合わせる請求項51に記載の方法。
  54. 【請求項54】 ケトンはアセトンである請求項53に記載の方法。
  55. 【請求項55】 N−置換グリシン塩をN−置換グリシン遊離酸に変換し、 N−置換グリシン遊離酸をホスホノメチル化してN−置換N−(ホスホノメチ
    ル)グリシンを生成し、 酸化反応ゾーン中で貴金属触媒の存在下にN−置換N−(ホスホノメチル)グリ
    シンまたはその塩を酸素と組み合わせる ことを含んでなるN−(ホスホノメチル)グリシンまたはその塩の製造方法であっ
    て、N−置換グリシン遊離酸は、式(XII): 【化16】 で示され、N−置換グリシン塩は、式(XIII): 【化17】 で示され、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンは、式(I): 【化18】 で示され、 RおよびRは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、−PO1213
    −SO14、−NO、ヒドロカルビル、および−CO15以外の置換
    ヒドロカルビルからなる群から選択され;Rは、農学的に許容されるカチオン
    であり;R12、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素、ヒドロカルビ
    ルおよび置換ヒドロカルビルからなる群から選択され;R15は、水素、ヒドロ
    カルビル、置換ヒドロカルビルおよび農学的に許容されるカチオンからなる群か
    ら選択される 方法。
  56. 【請求項56】 N−置換グリシン塩を含む混合物をカチオン交換膜の第1
    面と接触させ、同時にカチオン交換膜の第2面を、(a)N−置換N−(ホスホ
    ノメチル)グリシンまたはその塩および(b)約1.0を超えないpKaを有す
    る強酸を含むN−置換N−(ホスホノメチル)グリシン混合物に接触させることに
    より、N−置換グリシン塩をN−置換グリシン遊離塩に変換する請求項55に記
    載の方法。
  57. 【請求項57】 強酸が硫酸である請求項56に記載の方法。
  58. 【請求項58】 カチオン交換膜の第2面に接触させた後、酸化反応ゾーン
    中で貴金属の存在下に、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン混合物を酸素と
    組み合わせる請求項56に記載の方法。
  59. 【請求項59】 Rはメチルであり、Rはメチルおよびエチルからなる
    群から選択される請求項58に記載の方法。
  60. 【請求項60】 N−置換N−(ホスホノメチル)グリシン混合物はハロゲン
    を含んでいない請求項58に記載の方法。
  61. 【請求項61】 N−置換グリシン塩を含む混合物をカチオン交換膜の第1
    面と接触させ、同時にカチオン交換膜の第2面を、約1.0を超えないpKaを
    有する強酸を含む混合物に接触させることにより、N−置換グリシン塩をN−置
    換グリシン遊離塩に変換する請求項55に記載の方法。
  62. 【請求項62】 PClおよび水を組み合わせて、HPOおよびHC
    lを含むPCl加水分解混合物を生成し、 PCl加水分解混合物からHClを分離してHPO含有混合物およびH
    Cl含有混合物を生成し、 HCl含有混合物をカチオン交換膜の第1面に接触させ、同時にカチオン交換
    膜の第2面をN−置換グリシン塩を含む混合物に接触させる ことを含む方法により、N−置換グリシン塩をN−置換グリシン遊離酸に変換す
    る請求項55に記載の方法。
  63. 【請求項63】 RおよびRは水素である請求項62に記載の方法。
  64. 【請求項64】 反応ゾーン中でHPO源、CHO源およびN−置換
    グリシン塩を組み合わせて、(a)N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンまた
    はその塩および(b)塩沈澱物を含む第1混合物を生成し、 第1混合物から沈澱物を分離して、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンま
    たはその塩を含む第2混合物を生成し、 第2混合物に塩基を添加して、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンまたは
    その塩を沈澱させ、 第2混合物から沈澱したN−置換N−(ホスホノメチル)グリシンまたはその塩
    を分離して、沈澱したN−置換N−(ホスホノメチル)グリシンまたはその塩を回
    収し、かつ残留混合物を形成する ことからなるN−置換N−(ホスホノメチル)グリシンまたはその塩の製造方法で
    あって、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンは、式(I): 【化19】 で示され、N−置換グリシン塩は、式(XIII): 【化20】 で示され、 RおよびRは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、−PO1213
    −SO14、−NO、ヒドロカルビル、および−CO15以外の置換
    ヒドロカルビルからなる群から選択され;Rは、農学的に許容されるカチオン
    であり;R12、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素、ヒドロカルビ
    ルおよび置換ヒドロカルビルからなる群から選択され;R15は、水素、ヒドロ
    カルビル、置換ヒドロカルビルおよび農学的に許容されるカチオンからなる群か
    ら選択される 方法。
  65. 【請求項65】 HPO源はPClを含む請求項64に記載の方法。
  66. 【請求項66】 塩沈澱物は塩素を含む請求項64に記載の方法。
  67. 【請求項67】 RおよびRは水素である請求項64に記載の方法。
  68. 【請求項68】 Rはメチルであり、Rは水素である請求項64に記載
    の方法。
  69. 【請求項69】 Rはメチルであり、Rはメチルおよびエチルからな
    る群から選択される請求項64に記載の方法。
  70. 【請求項70】 残留混合物の少なくとも一部を反応ゾーンにリサイクルす
    る請求項64に記載の方法。
  71. 【請求項71】 貴金属触媒の存在下、回収されたN−置換N−(ホスホノ
    メチル)グリシンまたはその塩を酸素と組み合わせることを含む方法によりN−(
    ホスホノメチル)グリシンまたはその塩を製造することをさらに含む請求項64
    に記載の方法。
  72. 【請求項72】 反応ゾーン中でHPO源およびN−置換グリシン塩を
    組み合わせて(a)N−置換グリシン遊離酸および(b)塩沈澱物を含む第1混
    合物を生成し、 第1混合物から塩沈澱物を分離して、N−置換グリシン遊離塩を含む第2混合
    物を生成し、 第2混合物にCHO源を加えて、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンま
    たはその塩を含む第3混合物を生成し、 第3混合物に塩基を添加して、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンまたは
    その塩を沈澱させ、 第3混合物から沈澱したN−置換N−(ホスホノメチル)グリシンまたはその塩
    を分離して、沈澱したN−置換N−(ホスホノメチル)グリシンまたはその塩を回
    収し、かつ残留混合物を形成する ことからなるN−置換N−(ホスホノメチル)グリシンまたはその塩の製造方法で
    あって、N−置換N−(ホスホノメチル)グリシンは、式(I): 【化21】 で示され、N−置換グリシン塩は、式(XIII): 【化22】 で示され、N−置換グリシン遊離酸は、式(XII): 【化23】 で示され、 RおよびRは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、−PO1213
    −SO14、−NO、ヒドロカルビル、および−CO15以外の置換
    ヒドロカルビルからなる群から選択され;Rは、農学的に許容されるカチオン
    であり;R12、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素、ヒドロカルビ
    ルおよび置換ヒドロカルビルからなる群から選択され;R15は、水素、ヒドロ
    カルビル、置換ヒドロカルビルおよび農学的に許容されるカチオンからなる群か
    ら選択される 方法。
  73. 【請求項73】 HPO源はPClを含む請求項72に記載の方法。
  74. 【請求項74】 塩沈澱物は塩素を含む請求項72に記載の方法。
  75. 【請求項75】 RおよびRは水素である請求項72に記載の方法。
  76. 【請求項76】 Rはメチルであり、Rは水素である請求項72に記載
    の方法。
  77. 【請求項77】 残留混合物の少なくとも一部を反応ゾーンにリサイクルす
    る請求項72に記載の方法。
  78. 【請求項78】 貴金属触媒の存在下に、回収されたN−置換N−(ホスホ
    ノメチル)グリシンまたはその塩を酸素と組み合わせる方法によりN−(ホスホノ
    メチル)グリシンまたはその塩を製造することをさらに含む請求項72に記載の
    方法。
  79. 【請求項79】 金属含有触媒の存在下、本質的に非反応性溶媒の不存在下
    に、ケトン、モノエタノールアミンおよび水素を組み合わせることを含んでなる
    N−置換モノエタノールアミンの製造方法であって、 N−置換モノエタノールアミンは、式(XI): 【化24】 で示され、ケトンは、式(VIII): 【化25】 で示され、 RおよびRは、それぞれ独立に、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビル
    からなる群から選択される 方法。
  80. 【請求項80】 金属含有触媒は、パラジウムおよび白金からなる群から選
    択される金属を含んでなる請求項79に記載の方法。
  81. 【請求項81】 ケトンはアセトンである請求項79に記載の方法。
  82. 【請求項82】 貴金属およびN,N'−ビス(3−メチルフェニル)−N,N'
    −ジフェニルベンジジンを含んでなる酸化触媒。
  83. 【請求項83】 貴金属、電気活性分子種および助触媒を含んでなる触媒で
    あって、触媒の少なくとも約0.05質量%が助触媒からなる酸化触媒。
  84. 【請求項84】 助触媒は、アルミニウム、ルテニウム、オスミウム、イン
    ジウム、ガリウム、タンタル、錫およびアンチモンからなる群からから選択され
    る金属を含む請求項83に記載の触媒。
  85. 【請求項85】 貴金属、電気活性分子種およびポリマー担体を含んでなる
    酸化触媒。
  86. 【請求項86】 ポリマー担体は、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネ
    ート、ポリウレアおよびポリエステルからなる群からから選択されるポリマーを
    含む請求項85に記載の酸化触媒。
  87. 【請求項87】 担体は、ポリエチレンイミン、ポリアミノスチレン、スル
    ホン化ポリスチレン、ポリビニルピリジンおよびポリアクリル酸の塩からなる群
    からから選択されるポリマーを含む請求項85に記載の酸化触媒。
  88. 【請求項88】 担体はポリスチレンを含む請求項85に記載の酸化触媒。
  89. 【請求項89】 担体はジメチルアミン基により置換されたポリスチレンを
    含む請求項85に記載の酸化触媒。
  90. 【請求項90】 担体はスルホン化ポリスチレンを含む請求項85に記載の
    酸化触媒。
  91. 【請求項91】 担体はポリビニルピリジンを含む請求項85に記載の酸化
    触媒。
JP2000564968A 1998-08-12 1999-05-10 N−置換n−(ホスホノメチル)グリシンの酸化によるn−(ホスホノメチル)グリシン製造方法 Pending JP2002522548A (ja)

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