JP2002522494A - 視覚および記憶疾患のためのn−複素環式カルボン酸および等配電子体の尿素およびカルバメート - Google Patents

視覚および記憶疾患のためのn−複素環式カルボン酸および等配電子体の尿素およびカルバメート

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ロス,ダグラス,ティ.
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スタイナー,ジョセフ,ピー.
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ジーピーアイ エヌアイエル ホールディングス, インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明は、N−複素環式カルボン酸および等配電子体の尿素およびカルバメートを使用する動物における視覚疾患を治療し、視覚を改善し、記憶障害を治療しまたは記憶能力を増強するための医薬組成物および方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明の背景 1.発明の分野 本発明は、低分子量の小分子誘導体を使用して、視覚喪失を治療する、視覚変
性を予防する、および視覚再生(“ネオプシス(neopsis)”)を促進する医薬組
成物および方法に関する。
【0002】 2.関連技術の説明 視覚系は、眼、眼球付属器および視覚路から構成される。該視覚系の機能不全
は、永続的または一時的な視覚障害、即ち、眼の一つまたはそれ以上の機能にお
ける正常からの逸脱に導き得る。視覚障害はそれ自身様々な様相で発現し、そし
て広範囲の視覚の機能不全および障害を含む。制限無しに、これらの機能不全お
よび障害は、部分的または完全な視覚の喪失、近距離および遠距離の物体のため
の視力の矯正についての必要、視野の喪失、複視(二重視)を伴わない障害を受
けた眼の運動性、損傷を受けたまたは歪められた色覚、明所および暗所への制限
された適応、減ぜられた調節、変視症の歪み、損傷を受けた両眼視、調節の不全
麻痺、虹彩麻痺、内反、外反、流涙症、兎眼および傷付きを含む。Physicians'
Desk Reference (PDR) for Ophthalmology, 16th Edition, 6:47 (1988)参照。
視覚系は、制限無しに、遺伝性疾患;[非遺伝性疾患;]加齢に関連した疾患ま
たは変性性疾患;外力から生じた眼、頭部または身体の他の部分への物理的損傷
に相互関係のある疾患;環境的要因から生じた疾患;広範囲にわたる疾病から生
じた疾患;および上記のあらゆる組み合わせを含む様々な眼科学的な疾患、疾病
、損傷、および合併症により不利に影響を受け得る。
【0003】 視覚系は、多数の要素から構成される複雑な系である。視覚障害は、状況の厳
密な性質に依存して、全体の視覚系、いずれか一つの要素、または要素のあらゆ
る組み合わせに影響することができる。眼は水晶体から構成され、該水晶体はチ
ン小帯に吊られ、そして毛様体により焦点を定められる。毛様体はまた房水を分
泌し、該房水は後眼房を満たし、瞳孔を通過して前眼房中に入り、その後シュレ
ム管を介して主に流出する。虹彩は、その中央の開口部である瞳孔の寸法を調製
することにより、眼に進入する光量を調節する。視像は網膜上に焦点を定められ
、網膜の中心窩が最も鮮明な視力の網膜分野である。結膜は眼瞼および眼球に沿
って並ぶ粘膜であり、そして角膜に重なる結膜の縁部で不意に終わる。角膜は透
明で透き通った眼の前面部分の繊維状被膜であり、光の屈折に重要で、また結膜
上皮とは多くの観点で異なる上皮で覆われている。
【0004】 網膜は最も内側の光を感受する眼の部分であり、より明るい光における色覚の
原因である錐状体と、薄暗い光における視覚の原因であるが色は知覚しない杆状
体である二種類の光受容体を含む。光が角膜、レンズ系および硝子体液を通過し
た後、内側から網膜に進入し、即ち、網膜の外側付近でかつ最も外側の色素上皮
層の直ぐ内側に位置する光受容体の層に最終的に到達する前に、ガングリオン細
胞および神経繊維、内側および外側の網状層、内側および外側の核層、並びに内
側および外側の境界膜を通過する。色素上皮層の細胞は、眼の外側に位置する液
および物質に対する解剖学的障壁として作用して、“血液−網膜”障壁を形成し
、そして栄養、酸素、ビタミンAのような機能的に有用な物質の供給源、および
光受容体細胞への分解生成物の食細胞活動を与える。色素上皮層と光受容体層と
の間には解剖学的な接続は存在せず、いくつかの病理学的状態における層の分離
を可能にする。
【0005】 杆状体または錐状体が光により興奮させられると、信号が網膜自身の中の連続
するニューロンを通して、視神経繊維中に、そして結局は大脳皮質に伝達される
。杆状体および錐状体の双方は、光への暴露で分解し、その過程で眼から導かれ
る神経繊維を興奮させる分子を含む。杆状体中の該分子はロドプシンである。集
合的にヨードプシンと呼ばれる錐状体中の三種類の感光性分子は、ロドプシンの
ものとは僅かにのみ異なる構成を有し、そして、それぞれ赤色光、青色光、また
は緑色光により最大に興奮させられる。
【0006】 杆状体および錐状体はいずれも活動電位を生じない。むしろ、杆状体細胞また
は錐状体細胞の外側の感光性部位において生じる光誘発膜過分極が、それ自身の
電気電圧の直接伝導である電子伝導と呼ばれる過程により、外側部位から内側部
位を通してシナプス体に伝達される。シナプス体では、膜電位が未知の伝達物質
分子の放出を制御する。弱い光では、杆状体および錐状体の細胞膜は分極し、そ
して伝達物質の放出比率は最も大きい。光誘発過分極は、伝達物質分子の放出に
おける顕著な減少を引き起こす。
【0007】 杆状体または錐状体の細胞により放出された伝達物質は、双極ニューロンおよ
び水平細胞における信号を誘発する。これら双方の細胞中の信号はまた、電子伝
導によって、そして活動電位によらずに伝達される。
【0008】 杆状体双極ニューロンは50個にも及ぶ杆状体細胞と接続し、一方、小双極細
胞および拡散双極細胞は1個または数個の錐状体細胞と接続する。脱分極してい
る双極細胞は、その接続する杆状体または錐状体が光に暴露されたときに刺激さ
れる。伝達物質分子の放出は脱分極している双極細胞を阻害する。従って、暗所
において、杆状体または錐状体が大量の伝達物質分子を分泌するとき、脱分極し
ている双極細胞は阻害される。明所において、杆状体または錐状体からの伝達物
質分子の放出の減少は上記双極細胞の阻害を減じて、興奮されるようになること
を可能にする。このようにして、正信号および負信号の双方は、異なる双極細胞
を通して、杆状体または錐状体から無軸索およびガングリオンの細胞に伝達され
ることができる。
【0009】 その名前が示すように、水平細胞は網膜中に水平に突出し、そこでそれらは、
杆状体、錐状体、他の水平細胞、または細胞種の組み合わせとシナプスを形成す
る。光受容体の信号発信の収斂における幾つかの機構は仮定されているけれども
、水平細胞の機能は不明である。
【0010】 全ての種類の双極細胞はガングリオン細胞と接続し、該ガングリオン細胞は二
つの主要な型からなる。A−型ガングリオン細胞は主に杆状体双極細胞と接続し
、一方、B−型ガングリオン細胞は主に小双極細胞および拡散双極細胞と接続す
る。A−型ガングリオン細胞は、コントラスト、光強度、および運動の知覚を感
知しうると思われ、一方、B−型ガングリオン細胞は、色覚および視力の鋭敏さ
に関連していると思われる。
【0011】 水平細胞のように、無軸索細胞は、幾つかないし多くの他の細胞、この場合は
双極細胞、ガングリオン細胞、および他の無軸索細胞と水平にシナプスを形成す
る。無軸索細胞の機能もまた不明である。
【0012】 ガングリオン細胞の軸索は眼の神経繊維層中に信号を運び、ここで軸策は、視
神経乳頭でさらに収束する繊維中に収束し、それらは視神経として眼から出て行
く。ガングリオン細胞は、視神経細胞繊維を通して脳に、活動電位の形態でそれ
らの信号を伝達する。これらの細胞は、刺激を受けないときでさえ、約1秒当り
5の平均ベースライン比率で、連続した神経インパルスを伝達する。視覚信号は
、このガングリオン細胞刺激のベースライン水準に重ねられる。ベースライン比
率より上に増加した数のインパルスを有する興奮信号、またはベースライン比率
より下に減少した数の神経インパルスを有する阻害信号のいずれであることもで
きる。
【0013】 中枢神経系の一部として、眼はある意味では脳の延長であるが、それ自身では
、再生について制限された能力を有する。この制限された再生能力は、視覚を改
善すること、視覚系の機能不全を解決すること、および/または眼科学的な疾患
を治療または予防することからなる作業に挑むことをさらに複雑にする。網膜光
性損傷、網膜虚血誘発眼性損傷、年齢関連性黄斑変性、遊離ラジカル誘発眼性損
傷、並びに数々の他の疾患のような目の多くの疾患は、完全に治療不可能である
と見なされている。他の眼科学的な疾患、例えば、永続的な視覚障害を引き起こ
す疾患は、成功の度合いが一定でない眼科的な装置および/または手術の使用に
よってのみ矯正されている。
【0014】 免疫抑制剤FK506、ラパマイシン、およびシクロスポリンは、有力なT−
細胞特異的免疫抑制剤として良く知られており、そして自己免疫、移植または移
植片の拒絶、炎症、アレルギー性反応、他の自己免疫性または免疫介在性の疾病
、および感染症に対して有効である。シクロスポリン、FK506、ラパマイシ
ン、ブスピロン、スピペロン、および/またはそれらの誘導体の適用が、これら
の型の幾つかの眼科学的な疾患を治療することにおいて有効であることは開示さ
れている。幾つかの眼科学的な疾患または視覚の問題は、自己免疫性または免疫
介在性の活性と関連することが既知であり、それ故、免疫調節化合物が、それら
の型の眼科学的な疾患または視覚の問題を治療するために効力を示すことが期待
される。
【0015】 眼科学的な疾病を治療することにおけるFK506、ラパマイシン、および関
連する薬剤の効果は、幾つかの合衆国特許に開示される(ゴウレット(Goulet)等
の米国特許第5,532,248号;モチズキ等の米国特許第5,514,68
6号;リュリー(Luly)等の米国特許第5,457,111号;ルッソ(Russo)等
の米国特許第5,441,937号;クルカルニ(Kulkarni)等の米国特許第5,
387,589号;アサクラ等の米国特許第5,368,865号;ゴウレット
等の米国特許第5,258,389号;アーミステッド(Armistead)等の米国特
許第5,192,773号;ゴウレット等の米国特許第5,189,042号;
およびファー(Fehr)等の米国特許第5,011,844号。)。これらの特許は
、FK506またはラパマイシンに関連した化合物を特許請求し、そしてFK5
06およびラパマイシンの既知の免疫抑制効果と関連した眼科学的な疾患の治療
におけるFK506またはラパマイシンに関連した化合物の既知の使用を開示す
る。これらの特許において開示された化合物は比較的大きい。さらに、引用した
特許は、自己免疫もしくは関連した疾病、または免疫介在性疾病であって、FK
506およびラパマイシンの効力が良く知られている疾病を治療することに制限
された免疫調節化合物に関している。
【0016】 他の米国特許は、眼科学的な疾病の治療において使用するための、シクロスポ
リン、スピペロン、ブスピロン、それらの誘導体、および他の免疫抑制化合物の
使用を開示する(シャープ(Sharp)等の米国特許第5,703,088号;シャ
ープ等の米国特許第5,693,645号;サリバン(Sullivan)の米国特許第5
,688,765号;サリバンの米国特許第5,620,921号;シャープ等
の米国特許第5,574,041号;エベール(Eberle)の米国特許第5,284
,826号;シャープ等の米国特許第5,244,902号;チオウ(Chiou)等
の米国特許第5,198,454号および第5,194,434号;およびカス
ワン(Kaswan)の米国特許第4,839,342号。)。これらの特許はまた、自
己免疫疾病を治療するために有用な化合物にも関し、そして眼の炎症および他の
免疫介在性眼科学的疾病を治療することにおけるシクロスポリン、スピペロン、
ブスピロン、それらの誘導体、および他の免疫抑制化合物の既知の使用を引用し
ている。
【0017】 従来技術に開示される免疫抑制化合物は、定義によれば、免疫系を抑制し、そ
してまた他の有毒な副作用も示す。従って、非免疫抑制性の小分子化合物であっ
て、視覚を改善すること、視覚障害のまたは視覚系の機能不全を予防、治療、お
よび/または回復すること、並びに眼科学的な疾患を予防、治療、および/また
は解決することにおいて有用な化合物、並びにそのような化合物の使用のための
組成物および方法についての必要が存在する。
【0018】 非免疫抑制性化合物について、傷(傷害または手術による)の治療を可能にす
るかまたは促進する;眼内圧(しばしば、緑内障により生じる)の調節;網膜ニ
ューロンに対する傷害または損傷、網膜ガングリオン細胞に対する傷害または損
傷、および黄斑変性を含む神経変性性眼性疾患を制御する;神経突起成長を刺激
する;遊離ラジカルにより引き起こされる酸化傷害を予防または減少する;およ
び低血流により生じる、障害のある酸素および栄養の供給、並びに障害のある廃
棄物除去を治療するための使用方法を開示する多数の特許もまた存在する。これ
らの非免疫抑制性物質は、二つのうちの一つの一般的な部門である、タンパク質
、糖タンパク質、ペプチド、ホルモン、および成長因子のような自然発生分子、
および合成分子に入る。
【0019】 自然発生非免疫抑制分子の群の中では、幾つかのホルモン、成長因子、および
信号分子が、そのような分子の自然発生量に対する補足としての使用について、
並びに成熟した固体中では特別な分子が自然に発生しない特定の細胞を目標とす
ることについて特許とされている。これらの特許は、一般に、眼性疾病の症状を
軽減もしくは予防するか、または視覚喪失を阻止もしくは逆転するための使用方
法を特許請求している。
【0020】 特に、ルイス(Louis)等の米国特許第5,736,516号および第5,64
1,749号は、緑内障、または他の変性性もしくは外傷性の網膜の疾病もしく
は損傷により引き起こされた、網膜ニューロン(即ち、光受容体)および網膜ガ
ングリオン細胞の変性を停止または逆転するための、グリア細胞系由来神経栄養
因子(GDNF)の使用を開示する。オブライエン(O'Brien)等の米国特許第5
,714,459号および第5,700,909号は、神経突起成長を刺激する
および髄鞘形成を促進するための、糖タンパク質、サポシン、およびその誘導体
の使用を開示する。網膜ニューロンの変性を停止または逆転するために、ラバイ
ル(Lavail)等の米国特許第5,667,968号は、脳由来神経栄養因子、毛様
体神経栄養因子、ニューロトロフィン−3またはニューロトロフィン−4、酸性
または塩基性のフィブロブラスト成長因子、インターロイキン、腫瘍壊死因子−
α、インシュリン状成長因子−2および他の成長因子を含む様々な神経栄養タン
パク質の使用を開示する。ワン(Wong)等の米国特許第5,632,984号は、
出血を減じ、そして新血管形成を制限することにより黄斑変性の症状を治療する
ための、インターフェロン、特にインターフェロンα−2aの使用を開示する。
最後に、ウォーレス(Wallace)等の米国特許第5,441,937号は、毛様体
ガングリオンおよび副交感神経ニューロン細胞の機能を維持するための、肺由来
神経栄養因子(NTF)の使用を開示する。
【0021】 特定の細胞系から誘導された因子の鍵となる特徴は、特定の細胞系または組織
へのそれらの局在化にあるが、これらの分子による全身性の治療は、これらの分
子をコード化する遺伝子が不活性である細胞系において、意図しないそして潜在
的に危険な効果についてかなりの危険を冒すことになろう。同様に、ホルモンお
よび成長因子はしばしば、多くの細胞系で多数の遺伝子を活性化するがこれもま
た、これらの分子の非局在的な適用は、不適当でそして潜在的に危険な反応を引
き起しかなり危険を冒すことになろう。
【0022】 合成分子の部門の中で、特許となっているほとんどの分子は免疫抑制性であり
、そして、上記したように、炎症、自己免疫およびアレルギー性反応を治療する
ことにおける使用を開示する。幾つかの他のものは非免疫抑制性であり、そして
、ほとんど多くの場合それらの酸化防止特性に関連した細胞変性を治療し、およ
びある場合には細胞再生を促進する能力を特許請求する。
【0023】 特に、ツソ(Tso)等の米国特許第5,527,533号は、遊離ラジカルの存
在から生じる光受容体傷害を予防または軽減するための、カロチノイド酸化防止
剤であるアスタキサンシンの使用を開示する。同様に、バブコック(Babcock)等
の米国特許第5,252,319号は、酸化的傷害への耐性を増大することによ
り眼の疾病および損傷を治療するための、酸化防止剤アミノステロイドの使用を
開示する。フリーマン(Freemann)等の米国特許第5,468,752号は、異常
に増加した眼内圧を減ずるための、抗ウイルス性ホスホニルメトキシアルキルシ
トシンの使用を開示する。
【0024】 ハミルトン(Hamilton)およびスタイナー(Steiner)は、米国特許第5,614
,547号において、イムノフィリンFKBP12に結合しそして神経成長を刺
激するが、免疫抑制効果を欠いた新規ピロリジンカルボキシレート化合物を開示
する。意外にも、これらの非免疫抑制化合物が視覚の改善を促進し、そして眼科
学的な疾患を解決することが見出された。その上、それらの新規な小分子構造お
よび非免疫抑制特性は、従来技術において見出されたFK506および関連する
免疫抑制化合物からそれらを区別する。
【0025】 さらに、これらの化合物は、それらの新規な小分子構造およびそれらの一般的
な全身性の効果の欠如により、視覚疾患を治療するために使用される非免疫抑制
性化合物から区別され得る。自然発生ホルモン、成長因子、サイトカイン、およ
び信号分子は一般に多機能であり、そして多様な細胞系において多くの遺伝子を
活性化する。本発明の化合物はそれをせず、それ故、全身性の使用の予期されな
いそして潜在的に危険な副作用を回避する。同様に、本発明の化合物はまた、細
胞系に特有の分子をそれらが自然に発生しない他の細胞系に導入することによる
潜在的な予期されない副作用をも回避する。
【0026】発明の要約 本発明は、N−複素環式カルボン酸またはその等配電子体の尿素またはカルバ
メートが動物における視覚疾患を治療し、視覚を改善し、記憶障害を治療し、記
憶能力を増強するために役立ち得るという驚くべき発見に関するものである。方
法であって、前記動物にの有効量を投与することからなる方法。従って、N−複
素環式カルボン酸またはその等配電子体の尿素またはカルバメートを使用する新
規な組成物および方法を提供する。本発明の化合物の好ましい特徴はそれらがい
かなる有意な免疫抑制活性をも発揮しないということである。 好ましい本発明の具体例は式(I)
【化5】 [式中、 nは1〜3を表し; XはOまたはSのいずれかを表し; R1およびAは、水素原子、直鎖または分枝鎖の炭素原子数1ないし9のアルキ
ル基、炭素原子、直鎖または分枝鎖の炭素原子数2ないし9のアルケニル基、ア
リール基、ヘテロアリール基、炭素環基または複素環基よりなる群から独立して
選択され; Dは直接結合、または直鎖または分枝鎖の炭素原子数1ないし10のアルキル基
、炭素原子数2ないし10のアルケニル基または炭素原子数2ないし10のアル
キニル基を表し; R2はカルボン酸またはカルボン酸等配電子体を表し; ここで、前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロア
リール基、炭素環基、または複素環基は、所望によりR3から選択された1また
はそれ以上の置換基で置換されており、 R3は水素原子、ヒドロキシ基、ハロ基、ハロアルキル基、チオカルボニル基
、アルコキシ基、アルケノキシ基、アルキルアリールオキシ基、アリールオキシ
基、アリールアルキルオキシ基、シアノ基、ニトロ基、イミノ基、アルキルアミ
ノ基、アミノアルキル基、スルフヒドリル基、チオアルキル基、アルキルチオ基
、スルホニル基、直鎖または分枝鎖の炭素原子数1ないし6のアルキル基、直鎖
または分枝鎖の炭素原子数2ないし6のアルケニル基またはアルキニル基、アリ
ール基、ヘテロアリール基、炭素環基、複素環基、またはCO24(ここで、R 4 は水素原子または直鎖または分枝鎖の炭素原子数1ないし9のアルキル基また
はアルケニル基を表す。)を表す。]で表される化合物、またはその医薬的に許
容可能な塩、エステルまたは溶媒和物を含む方法および組成物を包含する。
【0027】 本発明の特に好ましい具体例は、R2が下記の群:
【化6】 [式中、前記環構造R2の原子は、所望により1またはそれ以上の位置において
、R3によって置換されており、 R3は水素原子、ヒドロキシ基、ハロ基、ハロアルキル基、チオカルボニル基、
アルコキシ基、アルケノキシ基、アルキルアリールオキシ基、アリールオキシ基
、アリールアルキルオキシ基、シアノ基、ニトロ基、イミノ基、アルキルアミノ
基、アミノアルキル基、スルフヒドリル基、チオアルキル基、アルキルチオ基、
スルホニル基、直鎖または分枝鎖の炭素原子数1ないし6のアルキル基、直鎖ま
たは分枝鎖の炭素原子数2ないし6のアルケニル基またはアルキニル基、アリー
ル基、ヘテロアリール基、炭素環基、複素環基、またはCO24(ここで、R4
は水素原子または直鎖または分枝鎖の炭素原子数1ないし9のアルキル基または
アルケニル基を表す。)を表す。]から選択される、ものである。
【0028】 本発明の他の好ましい具体例は、R2が−COOH、−SO3H、−SO2HN
3、−PO2(R32、−CN、−PO3(R32、−OR3、−SR3、−NH
COR3、−N(R32、−CON(R32、−CONH(O)R3、−CONH
NHSO23、−COHNSO23、および−CONR3CNよりなる群から選
択されるものである。
【0029】図面の簡単な説明 図1A,B,Cは、GPI1046が網膜虚血後の変性に対し網膜ガングリオ
ン細胞を保護することを示す。 図2は、GPI1046が網膜虚血後の視神経軸索およびミエリンの変性を予
防することを示す。 図3は、GPI1046が、視神経離断後の網膜ガングリオン細胞死亡に対す
る中程度の保護を与えることを示す。 図4は、GPI1046治療期間が離断後の視神経軸索の変性の過程に有意に
影響することを示す。 図5は、GPI1046治療がガングリオン細胞本体よりも視神経軸索につい
てより大きい影響を生じることを示す。 図6は、視神経離断後28日間のGPI1046治療が近位断端におけるミエ
リン変性を予防することを示す。 図7は、FKBP−12免疫組織化学が視神経繊維束の間に位置するミエリン
を産生する寡突起膠細胞(繊維状突起を有する大きい暗い細胞)およびまた幾つ
かの視神経軸索を標識することを示す。 図8は、視神経離断後28日間のGPI1046治療が遠位断端におけるミエ
リン変性を予防することを示す。 図9は、ストレプトゾトシン誘発糖尿病の発症8週間後に始めたGPI104
6治療での28日間治療は、内側および外側の網膜における血管新生の程度を低
下させ、そして内核層(INL)およびガングリオン細胞層(GCL)中のニュ
ーロンを変性から保護することを示す。
【0030】発明の詳細な説明 定義 「眼」はヒトおよび他の動物の視覚に必要な解剖学的構造に関するものであり
、以下の解剖学的構造を限定することなく包含する:水晶体、硝子体、毛様体、
後眼房、前眼房、瞳孔、角膜、虹彩、シュレム管、チン小帯、角膜縁、結膜、脈
絡膜、網膜、網膜の中心血管、視神経、中心窩、黄斑および強膜。
【0031】 「アルキル基」は記した数の炭素原子を含む分枝したもしくは分枝してない飽
和炭化水素鎖を意味する。例えば、炭素原子数1ないし6の直鎖または分枝鎖の
アルキル炭化水素鎖は、1ないし6個の炭素原子を含み、そして置換基、例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、
第三ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等を非限定的に包含する。本発
明の範囲内においては「アルキル基」はまた、前記アルキル基のいずれかの炭素
原子が所望により、O、NH、S、またはSO2によって置換される炭化水素鎖
をも示すことを企図している。例えば、n−ペンチル基の2位の炭素原子をOで
置換することによってプロピルオキシメチル基を形成することができる。
【0032】 「アルケニル基」は記した数の炭素原子を含む分枝したもしくは分枝してない
不飽和炭化水素鎖を意味する。例えば、炭素原子数2ないし6の直鎖または分枝
鎖のアルケニル炭化水素鎖は、少なくとも1つの二重結合を有する2ないし6個
の炭素原子を含み、そして置換基、例えば、エテニル基、プロペニル基、イソプ
ロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、第三ブテニル基、n−ペンテニル基
、n−ヘキセニル基等を非限定的に包含する。本発明の範囲内においては「アル
ケニル基」はまた、前記アルケニル基のいずれかの炭素原子が所望により、O、
NH、S、またはSO2によって置換される不飽和炭化水素鎖をも示すことを企
図している。例えば、4−ペンテン基の2位の炭素原子をOで置換することによ
って(2−プロペン)オキシメチル基を形成することができる。
【0033】 「アルコキシ基」は基−ORを意味し、ここでRは上記て定義したアルキル基
を表す。好ましくは、Rは分枝したもしくは分枝してない1ないし6個の炭素原
子を含む飽和炭化水素鎖である。
【0034】 アリール基、ヘテロアリール基、炭素環基または複素環基は、環状または縮合
環状の環であり、そして単環、二環もしくは三環の、炭素環式または複素環式の
環を含み、ここで、該環は未置換であるか、1もしくはそれ以上の位置において
水素原子、ヒドロキシ基、カルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、イソ
シアノ基、ニトロ着、ニトロソ基、ニトリロ基、イソニトリロ基、イミノ基、ア
ゾ基、ジアゾ基、スルホニル基、スルフヒドリル基、スルホキシ基、チオ基、チ
オカルボニル基、チオシアノ基、ホルムアニリド基、チオホルムアミド基、スル
フヒドリル基、ハロ基、ハロアルキル基、トリフルオロメチル基、アルコキシ基
、アルケノキシ基、アルキルアリールオキシ基、アリールオキシ基、アリールア
ルキルオキシ基、アルキルアミノ基、アミノアルキル基、チオアルキル基、アル
キルチオ基、炭素原子数1ないし6の直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基、炭素原
子数2ないし6の直鎖もしくは分枝鎖のアルケニル基またはアルキニル基、アリ
ール基、ヘテロアリール基、炭素環基、複素環基、またはCO24(式中、R4
は水素原子または炭素原子数1ないし9の直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基およ
び炭素環および複素環部分を表す。)により置換されており; 前記個々の環の大きさは5ないし8員であり;前記複素環式の環はO、Nまたは
Sよりなる群から選択された1ないし4のヘテロ原子を含み;芳香族または第三
級アルキルアミンは所望により酸化されて相当するN−オキシドになっている。
有用なアルキル基の例はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブ
チル基、第三ブチル基、n−ペンチル基、2−メチルペンチル基等を非限定的に
含む。有用な炭素環部分および複素環部分の例はフェニル、ベンジル、ナフチル
、インデニル、アズレニル、フルオレニル、アントラセニル、インドリル、イソ
インドリル、インドリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インダゾリ
ル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、テトラヒドロフラニル、テトラヒ
ドロピラニル、ピリジル、ピロリル、ピロリジニル、ピリジニル、ピリミジニル
、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、キノリジ
ニル、フリル、チオフェニル、イミダゾリル、オキサゾリル、ベンズオキサゾリ
ル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソトリアゾリル、オキサジアゾリル、トリ
アゾリル、チアジアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリア
ジニル、トリチアニル、インドリジニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリ
ジニル、チエニル、テトラヒドロイソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル
、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリ
ル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノオキサジニル、お
よびアダマンチルを非限定的に含む。
【0035】 「ハロ基」は少なくとも1つのフルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード部分
を意味する。
【0036】 用語 “医薬的許容可能な塩、エステルもしくは溶媒和物”は、望ましい薬理
活性を有し、そして生物学的にもその他にも望ましくなくない目的化合物の塩、
エステルもしくは溶媒和物である。塩、エステルまたは溶媒和物は、無機酸また
は有機酸と、例えば、アセテート、アジペート、アルギネート、アスパルテート
、ベンゾエート、ベンゼンスルホネート、ビスルフェート、ブチレート、シトレ
ート、カンホレート、カンファースルホネート、シクロペンタンプロピオネート
、ジグルコネート、ドデシルスルフェート、エタンスルホネート、フマレート、
グルコヘプタノエート、グルコネート、グリセロホスフェート、ヘミスルフェー
ト、ヘプタノエート、ヘキサノエート、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ヒド
ロヨージド、2−ヒドロキシエタンスルホネート、ラクテート、マレエート、メ
タンスルホネート、ナフチレート、2−ナフタレンスルホネート、ニコチネート
、オキサレート、スルフェート、チオシアネート、トシレートおよびウンデカノ
エートを形成できる。塩基性塩、エステルまたは溶媒和物の例は、アンモニウム
塩、アルカリ金属塩、例えばリチウム、ナトリウムおよびカリウム塩、アルカリ
土類金属塩、例えばカルシウムおよびマグネシウム塩、有機塩基との塩、例えば
ジシクロヘキシルアミン塩、N−メチル−D−グルカミン、およびアミノ酸、例
えばアルギニン、リジンその他との塩を含む。また、塩基性窒素含有基は、1)
メチル、エチル、プロピルおよびブチルクロリド、ブロミドおよびヨージドのよ
うな低級アルキルハライド;2)ジメチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミル
スルフェートのようなジアルキルスルフェート;3)クロリド、ブロミドおよび
ヨージドのような1またはそれ以上のハライドで置換された、デシル、ラウリル
、ミリスチルおよびステアリルのような長鎖アルキル;および4)ベンジルおよ
びフェネチルブロミド等のようなアリールまたはアラルキルハライド等、のよう
な試薬と四級化されることができる。
【0037】 本発明の化合物は少なくとも1つの不斉中心をもち、そのため立体異性体の混
合物、または個々のエナンチオマーもしくはジアステレオマーとして生成するこ
とができる。
【0038】 個々の立体異性体は、光学活性出発材料を使用することによって、合成の幾つ
かの適当な段階における中間体のラセミまたは非ラセミ混合物の分割によって、
または式(I)で表される化合物の分割によって得ることができる。個々の立体
異性体ならびに、立体異生体の混合物(ラセミおよび非ラセミ混合物)は本発明
の範囲に包含される。式Iの1位原子におけるS−立体異性体は本発明の最も好
ましい実施態様である。
【0039】 「立体異性体」は原子が空間に配置される手段のみが異なる異性体である。 「異性体」は同じ分子式をもち、および(イソ)インドールのような環状異性
体および環状部分の他の異性体の形態を含む種々の化合物である。 「エナンチオマー」は互いの重なり合わない鏡像となる立体異性体の1対であ
る。 「ジアステレオマー」は互いに鏡像とならない立体異性体である。 「ラセミ混合物」は個々のエナンチオマーの等しい部を含む混合物を意味する
。「非ラセミ混合物」は個々のエナンチオマーまたは立体異性体の等しくない部
を含む混合物である。 「等配電子体(isostere)」は、異なる分子式をもつが、同じまたは類似の特性を
示す異なる化合物である。例えば、それらの両方が非常に異なる分子式であるに
もかかわらずカルボン酸の特性を模するから、テトラゾールはカルボン酸の等配
電子体である。テトラゾールはカルボン酸に対する多くの可能な等配電子体置換
体のうちの1つである。本発明によって企図される他のカルボン酸の等配電子体
は−COOH、−SO3H、−SO2HNR3、−PO2(R3)2、−CN、−PO3 (R3)2、−OR3、−SR3、−NHCOR3、−N(R32、−CON(R32 、−CONH(O)R3、−CONHNHSO23、−COHNSO23および
−CONR3CNを含む。 さらに加えて、カルボン酸等配電子体は5ないし7員の化学的に安定な酸化状
態でCH2、O、S、またはNのいずれかの組合せで含む炭素環または複素環で
あって、前記環構造のいずれかの前記原子が所望により1またはそれ以上の位置
で置換されているものを含む。以下の構造は、本発明により企図される好ましい
炭素環式および複素環式等配電子体の非限定的な例である。
【化7】 (式中、前記環構造の原子は、所望により、R3によって1もしくはそれ以上の
位置において置換されていても良い。) 本発明は、化学的置換基がカルボン酸等配電子体に加えられたときには、本発
明はカルボン酸等配電子体の化合物の特性を保持することを企図している。 本発明は、カルボン酸の等配電子体が所望によりR3から選択された1または
それ以上の部分によって置換されたときには、該置換は本発明の化合物のカルボ
ン酸等配電子体特性を排除できないことを企図している。本発明は、炭素環式ま
たは複素環式カルボン酸等配電子体上の1またはそれ以上のR3置換基を置くこ
とはこのような置換基が本発明の化合物のカルボン酸等配電子体特性を破壊する
場合には、本発明の化合物のカルボン酸等配電子体特性を維持するかまたはそれ
に不可欠である1またはそれ以上の原子において、許されるべきではないことを
企図している。 この明細書において特に例示されずまたは記載されない他のカルボン酸等配電
子体もまた本発明の企図するところにある。
【0040】 本明細書において、用語「治療」は、動物、特にヒトにおける疾病および/ま
たは状態のいかなる治療も包括し、および (i) 疾病および/またはその状態に罹りやすいかもしれないが未だその状態に
あるとは診断されない対象における病気および/またはその状態の発症を予防す
ること; (ii) 疾病および/またはその状態を阻害すること、すなわちその進行を抑制す
ること;または (iii) 疾病および/またはその状態を軽減すること、すなわち疾病および/ま
たはその状態を退縮させること を含む。
【0041】 一例としての式Iで表される化合物を使用して、本発明の化合物を示すのに使
用されるシステムは以下に示される。 本発明の化合物、特に式中、nが1を表し、XがOを表し、Dが直接結合を表
し、R1が1,1−ジメチルプロピル基を表しおよびR2が−CNを表す式Iの化
合物は(2S)−1−(1,2−ジオキソ−3,3−ジメチルペンチル)−2−
ピロリジンカルボニトリルと命名されるものである。
【0042】 「記憶能力の増強」は過去の経験、知識、観念、感覚、思考もしくは印象を登
録し、保持し、または想起する精神的能力を改善しまたは増強することを示す。 「記憶障害」は過去の経験、知識、観念、感覚、思考もしくは印象の、低下し
た精神登録、保持、または想起を示す。記憶障害は、短期及び長期情報保持、空
間的関係の容易さ、記憶(リハーサル)戦略、および言語的検索および提示に影
響を及ぼしうる。記憶障害の通常の原因は老化、激烈な頭部外傷、脳無酸素症、
または虚血、アルコール性栄養性疾病および薬物中毒症である。非限定的な記憶
障害の例は、良性の忘却症、健忘症および記憶欠損があるいずれかの障害、例え
ばコルサコフ健忘精神病、痴呆および学習障害である。 「ネオプシック因子(neopsic factor)」または「ネオプシックス(neopsics)
」とは視覚喪失を治療し、視覚変性を予防し、または視覚再生を促進させるのに
有用な化合物を示す。 「ネオプシス(neopsis)」は視覚喪失を治療し、視覚変性を予防し、または視
覚再生を促進させる方法を示す。 「眼科学的」とは眼についてのまたは眼に関するいずれかを非限定的に示し、
および「眼に関する(ocular)」、「眼の(ophthalmic)」、「眼科学的(ophthal
mological)」および他の同様の用語を非限定的に交換可能に使用する。
【0043】 「視覚変性を予防すること」とは、視覚に影響を及ぼす変性性疾病をもつと新
たに診断された患者、または視覚に影響を及ぼす新たな変性性疾病を進行させる
危険にある患者における視覚の変性を予防する能力、ならびに既に視覚に影響を
及ぼす変性性疾病にかかりもしくは症状をもつ患者のさらなる視覚の変性を予防
する能力をいう。 「視覚再生を促進すること」とは、眼科学的疾患、疾病または損傷のいずれか
の存在もしくは不在において、視覚を改善しまたは強化するように、視覚系の1
またはそれ以上の成分の回復を維持し、改善し、刺激しまたは促進するか、ある
いはそれらに活力を与えることをいう。
【0044】 「治療」は、 (i) 疾病および/またはその状態に罹りやすいかもしれないが未だその状態に
あるとは診断されない対象における疾病および/またはその状態の発症を予防す
ること; (ii) 疾病および/またはその状態を阻害すること、すなわちその進行を抑制す
ること;または (iii) 疾病および/またはその状態を軽減すること、すなわち病気および/ま
たはその状態を退縮させること、をいう。
【0045】 「視覚(vision)」は、ヒトおよび他の動物における像を形成する能力を言い
、 「視力(sight)」、「見ること(seeing)」および他の用語を非限定的に交
換可能に使用する。 「視覚疾患」は視覚障害、眼窩の疾患、涙器の疾患、眼瞼の疾患、結膜の疾患
、角膜の疾患、白内障、眼球血管膜の疾患、網膜の疾患、視神経または視覚路の
疾患、遊離ラジカル誘発性疾患もしくは疾病、免疫介在性の眼疾患および疾病、
眼の損傷、ならびに眼の疾病、眼の疾患または眼の損傷の症状および合併症を非
限定的に包含する視覚に影響を及ぼしまたは関連するあらゆる疾患をいう。 「視覚障害」は視覚(例えば、両眼の、中心の、辺縁の、暗順応の)、近くお
よび遠くの物に対する視力、視野、眼球運動、色彩知覚、明暗への順応、調節、
屈折調整および流涙における障害および低減を非限定的に含む、視覚のあらゆる
機能障害をいう。Physicians' Desk Reference (PDR) for Ophthalmology, 16th
Edition, 6:47(1988)を参照。
【0046】本発明の方法 本発明は動物における、視覚疾患を治療し、視覚を改善し、記憶障害を治療し
または記憶能力を増強する方法であって、前記動物に誘導体の有効量を投与する
ことからなる。 本発明の方法は、視覚疾患、疾病、損傷および合併症、遺伝的な疾患;老化ま
たは変性性視覚疾病に関連する疾患;外部の力に起因する眼、頭、または体の他
の部分への外傷に相関をもつ視覚疾患;環境学的因子に起因する視覚疾患;広範
囲の疾病に起因する視覚疾患;並びに上記のいずれかの組合せを非限定的に含む
、様々な眼性疾患を治療するのに特に有用である。
【0047】 特に、本発明の組成物および方法は、視覚を改善し、または視覚の(眼に関す
る)障害または永続的なおよび一時的な視覚障害を非限定的に含む視覚系の機能
不全を矯正し、治療し、または予防する。本発明はまた、眼科学的な疾病および
疾患を予防しおよび治療し、損傷しおよび外傷を受けた眼を治療し、および視覚
欠損、視覚喪失または見ることまたは像形成の減少した能力、ならびにこれらに
起因する症状および合併症を生じる疾病、疾患および損傷を予防しおよび治療す
るために有用である。本発明の組成物および方法によって治療されまたは予防さ
れる眼の疾病および疾患は、前記疾病または疾患の原因に関するものに限られな
い。従って、本発明の組成物および方法は、疾病または疾患が遺伝学的または環
境学的因子、ならびにいずれかの他の影響によって引き起こされるかどうかのい
ずれにせよ適用可能である。本発明の組成物および方法は非限定的に下記に示す
全てに関連する眼の問題または視覚喪失または欠損のために特に有用である:老
化、細胞的もしくは生理学的変性、中枢神経系または神経学的疾患、脈管の欠陥
、筋肉の欠陥および不利な環境状態または物質への曝露。
【0048】 本発明の組成物および方法は視覚障害を矯正し、治療しまたは改善することに
特に制限なく有用である。(1)遠くおよび近くにおける物への視力;(2)視
野;および(3)複視のない眼球運動を含む、眼の1またはそれ以上の機能にお
ける正常から偏向の存在下では、程度の変化する視覚障害が生じる。 Physicians' Desk Reference (PDR) for Ophthalmology, 16th Edition, 6:47(1
988)を参照。視覚は全ての3つの調和した機能なしには不完全である。Id 前記組成物および方法の使用はまた、色彩知覚、明暗への順応、調節、変視症
、および両眼視覚を、非限定的に含むその他の眼の機能を矯正し、治療しまたは
改善することに有用である。本発明の組成物および方法の使用は調節不全麻痺、
虹彩麻痺、内反、外反、流涙病、兎眼、瘢痕、硝子体、混濁、非反応性瞳孔、角
膜または他の媒体の光散乱障害、および眼窩の永続的変形を制限なく含む、眼性
障害を矯正し、治療しまたは改善する。
【0049】 本発明の組成物および方法の使用はまた視覚を改善しおよび視覚喪失を治療す
ることにおいて非常に有用である。僅かな喪失ないし完全な喪失までの範囲の視
覚喪失は前記組成物および方法の使用を用いて治療しまたは予防される。視覚は
本発明の組成物および方法を使用して眼の疾患、疾病および損傷を治療すること
による改善される。しかし、本発明の組成物および方法の使用を用いることによ
る視覚の改善は、それに限定されることなくおよびこのような疾患、疾病または
損傷のいずれもがなくとも生じる。
【0050】 本発明の組成物および方法はまた、以下の非限定的に例示する疾病および疾患
、ならびにそれらに起因する症状および合併症の治療および予防にも有用である
【0051】 視覚疾患は以下のものを非限定的に含む: 低減した近くや遠くの物体に対する視力、視野 及び眼球運動等の視覚障害; 眼窩蜂巣炎, 眼窩周囲蜂巣炎、海面静脈洞血栓、眼球突出症(眼球前方転位
)等の眼窩疾患;涙管閉鎖、先天性涙管閉鎖症及び涙嚢炎(急性又は慢性)等の
涙器管の疾患;眼瞼水腫、眼瞼炎、下垂症、ベル麻痺、眼瞼痙攣、麦粒腫(もの
もらい)、外麦粒腫、内麦粒腫(マイボーム腺麦粒腫)、さん粒腫、眼瞼内反(
眼瞼の内転)、眼瞼外反(眼瞼の外転)、腫瘍(良性及び悪性)、黄色腫、基底
細胞癌腫、扁平上皮細胞癌腫、マイボーム腺癌腫、黒色腫等の眼瞼疾患;瞼裂斑
、翼状片や他の部位の腫瘍、急性結膜炎、慢性結膜炎、成人淋菌性結膜炎、新生
児結膜炎、トラコーマ(顆粒性結膜炎 又はエジプト眼炎)、封入体結膜炎(封
入体膿漏又はプール性結膜炎)、新生児封入体結膜炎、成人封入体結膜炎、春季
角結膜炎、乾性角結膜炎(乾性角膜炎又はドライアイ症)、上強膜炎、強膜炎、
瘢痕性類天疱瘡(眼球瘢痕性類天疱瘡又は良性粘膜性天疱瘡)、及び結膜下出血
等の結膜疾患;表在性点状角膜炎、角膜潰瘍、無痛潰瘍、再発性角膜糜爛、角膜
上皮基底膜ジストロフィー、角膜内皮細胞ジストロフィー、単純ヘルペス性角膜
炎(ヘルペス・シンプレックス角結膜炎)、樹状角膜炎、円板状角膜炎、眼性ヘ
ルペス帯状疱疹、水疱性角結膜炎(水疱性又は湿潤性結膜炎)、間質性角膜炎(
実質性角膜炎)、辺縁部潰瘍性角膜炎(辺縁部角膜剥離又は近縁部リュウマチ様
潰瘍形成)、角膜軟化症(乾性角膜炎)、眼球乾燥症、円錐角膜、水疱性角膜症
等の角膜の疾患;発育性又は先天性白内障、若年又は成人性白内障、核性白内障
、後部皮膜下白内障等の白内障;ぶどう膜炎(ぶどう膜路又は網膜の炎症)、前
部ぶどう膜炎、中間部ぶどう膜炎、後部ぶどう膜炎、虹彩炎、毛様体炎、脈絡膜
炎、強直性脊椎炎、ライター症候群、毛様体輪炎、トキソプラズマ症、サイトメ
ガロウイルス(CMV)、急性網膜壊死、トキソカラ症、散弾状脈絡膜症、ヒスト
プラズマ症(推定眼ヒストプラズマ病症候群)、ベーチェット症候群、交感性眼
炎、フォークト―小柳―原田症候群、サルコイドーシス、細網肉腫、大細胞リン
パ腫、梅毒、結核、若年性関節リュウマチ、眼内炎、および脈絡膜の悪性黒色腫
等の眼球血管膜の疾患;脈管性網膜症(例えば動脈硬化性網膜症及び高血圧性網
膜症)、網膜中心及び枝動脈閉塞、網膜中心及び枝静脈閉塞、糖尿病性網膜症(
例えば増殖性網膜症及び非増殖性網膜症)、老人性黄斑変性(加齢性黄斑変性又
は老年性黄斑変性)、血管新生黄斑変性、網膜剥離、色素性網膜炎、光性網膜損
傷、網膜虚血誘発眼性損傷、緑内障(例えば一次性緑内障、慢性開放隅角緑内障
、急性又は慢性閉鎖隅角緑内障、先天性(乳児性)緑内障、二次性緑内障及び絶
対緑内障)等の網膜の疾患;乳頭水腫(鬱血乳頭)、乳頭炎(視神経炎)、眼後
視神経炎、虚血性視神経障害、毒性弱視、視神経萎縮病、高次視覚路損傷、眼球
運動疾患、第三脳神経麻痺、第四脳神経麻痺、第六脳神経麻痺、核間性眼筋麻痺
及び注視麻痺等の視神経又は視覚路の疾患;遊離ラジカル誘発眼疾患及び疾病;
およびグラーブス眼病、円錐角膜、角膜上皮性異栄養症、角膜白斑、眼性天疱瘡
、モーレン潰瘍、強膜炎及びサルコイドーシス等の免疫系が関与する眼の疾患及
び疾病 (Merck Manual, Sixteenth Edition, 217:2365-2397 (1992)及びThe Eye
Book, Cassel, Billig and Randall, The Johns Hopkins University Press (1
998)参照)。
【0052】 本発明の組成物および方法は、下記の非限定な目の損傷、及び損傷に伴う症状
及び合併症の治療にも又有用である:異物による結膜及び角膜の損傷、角膜剥離
、眼内異物による損傷、裂傷、眼瞼裂傷、挫傷、眼瞼打撲傷(眼瞼皮下出血)、
眼球外傷、虹彩の裂傷、白内障、水晶体転置、緑内障、硝子体出血、眼窩床骨折
、網膜出血又は剥離、及び眼球の裂開、眼前房出血(外傷による前房出血)、熱
傷、眼瞼熱傷、化学薬品による熱傷、角膜及び結膜の化学薬品による熱傷、及び
紫外線による熱傷(日焼け)(Merck Manual, Sixteenth Edition, 217:2364-236
5 (1992)参照)。
【0053】 本発明の配合物及び使用方法は、下記の典型的な眼性疾病、眼性疾患又は眼性
損傷の非限定的な症状及び合併症の治療及び/又は予防に有用である:結膜下出
血、硝子体出血、網膜出血、蚊飛症、網膜剥離、羞明症、眼性疼痛、暗点(虚性
及び実性)、屈折異常、正常視、屈折異常症、遠視(遠視)、近視(近視)、乱
視、屈折左右不同視症、不等像視症、老視、出血、再発性出血、交感神経性眼炎
、炎症、腫脹、目の充血、眼過敏、角膜潰瘍形成及び痕跡化、虹彩毛様体炎、眼
球の穿孔、眼瞼奇形、眼球突出、眼球の運動障害、眼瞼腫脹、結膜浮腫、部分的
及び全盲を含む視覚喪失、視神経炎、発熱、倦怠、血栓性静脈炎、海面静脈洞血
栓、汎眼球炎、髄膜及び脳の感染症、乳頭浮腫、強烈な大脳関与の症状(頭痛、
認識度減少及び痙攣)、脳神経麻痺、流涙症(慢性又は持続性流涙)、粘液又は
膿の過剰逆流、濾胞性結膜下過形成症、角質血管新生、結膜、角膜及び眼瞼の瘢
痕形成、パンヌス、前房蓄膿、兎眼、小水疱症、虹彩ルベオ−シス、両耳側半音
、及び周側性半盲 (The Merck Manual, Sixteenth Edition, 217:2362-2363 (19
92)参照)。
【0054】 誘導体は視覚疾患を治療し、視覚を改善し、記憶障害を治療しまたは記憶能力
を増強させること等に有用である1またはそれ以上の因子(因子類)の有効量と
を組み合わせて投与しても良い。
【0055】 好ましい態様においては、誘導体と組み合わせられる因子(因子類)は、自己
免疫、炎症性及び免疫関与の疾患の治療のための免疫抑制薬;障害又は外科治療
に由来する損傷の治療のための創傷治療薬;異常に高い眼内圧の治療のための抗
緑内障薬;神経変性の治療や神経突起成長の刺激のための神経栄養因子及び成長
因子;黄斑変性症の治療のための出血または血管新生の制限又は予防に有効な化
合物;及び眼組織に対する酸化損傷の治療のための抗酸化薬よりなる群から選択
される。
【0056】本発明の医薬組成物 本発明はまた、 (i)動物において、視覚障害を治療し、視覚を改善し、記憶障害を治療しまた
は記憶能力を増強するための有効量の誘導体と、 (ii)医薬的に許容可能なキャリア を含む医薬組成物に関する。 前記誘導体は視覚障害を治療し、視覚を改善し、記憶障害を治療しまたは記憶
能力を増強するのに有用な1またはそれ以上の因子(因子類)の有効量と配合し
て投与できる。
【0057】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【0058】 FKBP12に対する親和性 本発明の方法および医薬組成物に使用される化合物は、FK506結合タンパ
ク質、特にFKBP12に対して親和性を有する。FKBPのプロリルペプチジ
ル シス−トランスイソメラーゼ活性の阻害はこの親和性の尺度として測定され
うる。
【0059】 i 試験方法 本発明の方法および医薬組成物に使用される化合物のペプチジル−プロリルイ
ソメラーゼ(ロタマーゼ)活性の阻害は文献(Harding 等, Nature, 1989, 34
1: 758-760; Holt等, J. Am. Chem. Soc. 115: 9923-9938)に記載の公知方法に
より評価され得る。これらの値は見掛けのKi’として得られ、そして表Iに代
表的な化合物に関して提示されている。 モデル基質、N−スクシニル−Ala−Ala−Pro−Phe−p−ニトロ
アニリド中のアラニン−プロリン結合のシス−トランス異性化は、基質のトラン
ス体からパラニトロアニリドを放出するキモトリプシン結合アッセイにおいて分
光光度法により追跡される。異なる濃度の阻害剤の添加により引き起こされるこ
の反応の阻害が決定され、そしてデータは阻害剤濃度の関数としての1次速度定
数における変化として分析されて、見掛けのKi値が得られる。
【0060】 プラスチック製キュベット中に、氷冷アッセイ緩衝液(25mM HEPES
,pH7.8,100mM NaCl)950ml、FKBP(10mMトリス
−Cl pH7.5,100mM NaCl,1mMジチオトレイトール中2.
5mM)10ml、キモトリプシン(1mM HCl中50mg/ml)25m
lおよびジメチルスルホキシド中に種々の濃度にある試験化合物10mlを添加
する。反応は基質(スクシニル−Ala−Phe−Pro−Phe−パラ−ニト
ロアニリド,トリフルオロエタノール中の2.35mM LiCl中5mg/m
l)5mlの添加により開始される。 時間に対する390nmでの吸光度が分光光度計を用いて90秒間追跡され、
そして速度定数が時間データファイルに対する吸光度から決定される。
【0061】 投与ルート 効果的に視覚喪失を治療するために、または視覚再生を促進するために、本発
明の方法および医薬組成物に使用される化合物は、迅速に標的の領域に効果を及
ぼさなければならない。 皮膚への局所的塗布のため、上記化合物は適当な軟膏に配合され得、それは例
えば以下:鉱物油、液体ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレン化合物、乳化されたワックスおよび水の一
種もしくはそれより多くよりなる混合物中に分散または溶解された上記化合物を
含んでいる。他に、化合物は適当なローションまたはクリームに配合され得、そ
れは例えば以下:鉱物油、ソルビタンモノステアレート、ポリソルベート60、
セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、
ベンジルアルコールおよび水の一種もしくはそれより多くよりなる混合物中に分
散または溶解された上記活性化合物を含んでいる。 医薬分野で公知である他の投与ルートも、本発明で企図される。
【0062】 投与量 活性成分化合物の約0.1mgないし約10000mgの位の投与量レベルは
、上記状態の治療に有用であり、好ましくは約0.1mgないし約1000mg
のレベルである。いずれかの特定の患者に対する特定の投与量レベルは、使用さ
れる特定化合物の活性;患者の年齢、体重、一般的健康状態、性別および食生活
;投与時間;排泄率;薬剤配合;治療される特定疾病の重症度;ならびに投与の
形態を含む種々の因子に依存して変化するであろう。典型的に、試験管内におけ
る投与量効果の結果は、患者への投与に関する適切な投与量について有用な指示
を提供する。動物モデルにおける研究も有用である。適切な投与量レベルの決定
に関する考慮は、当該分野ではよく知られている。
【0063】 上記化合物は視覚喪失を治療し、視覚変性を予防し、または視覚再生を促進す
る他の薬剤とともに投与され得る。このような他の薬剤に関する特定の投与量レ
ベルは、前述の因子および薬剤配合の効果に依存するであろう。
【0064】 以下の実施例は、本発明の好ましい具体例を説明するものであり、本発明をそ
れに限定することと解釈するべきではない。全てのポリマー分子量は平均分子量
である。他に言及されない限り、すべての百分率は最終デリバリーシステムまた
は製剤に基づくものであり、およびすべての全量は100重量%に等しい。
【0065】 実施例 本発明の化合物は確立された化学的変換を利用する種々の合成順序により合成
することができる。本発明を合成するための具体例としての一般的経路をスキー
ムIに示す。
【化8】
【0066】 実施例1(化合物1) (2S)−1−(N−シクロヘキシルカルバモイル)−ピロリジン−2−カル ボン酸の合成 a. メチル(2S)−1−(N−シクロヘキシルカルバモイル)−ピロリジン
−2−カルボキシレート 塩化メチレン(150mL)中の、シクロヘキシルイソシアナート(3.88
g;31ミリモル)、L−プロリンエステル・ヒドロクロライド(5.0g;3
0.19ミリモル)ならびにトリエチルアミン(9mL)の混合物を室温で一晩
中撹拌した。反応混合物を1N HCLの100ml×2回および水の100m
l×1回で洗浄した。有機相を乾燥し、濃縮しそしてシリカゲルカラム(50%
EtOAc/ヘキサン)を用いて精製して、濃厚な油状物として上記尿素を得た
1 H NMR(CDCl3, 400MHz):d 1.09-1.15(m, 3H); 1.33(m, 2H); 1.68 (m, 3H); 1,9
3-2.05(m, 6H); 3.33(m, 1H); 3,43(m, 1H); 3.46(m, 1H); 3.73(s, 3H); 4.39(
m, 1H); 4.41(m, 1H)
【0067】 b.(2S)−1−(N−シクロヘキシルカルバモイル)−ピロリジン−2−カ
ルボン酸 メチル(2S)−1−(N−シクロヘキシルカルバモイル)−ピロリジン−2
−カルボキシレート(3.50g)をメタノール(60ml)に溶解し、0℃に
冷却し、そして2N LiOH(20ml)で処理した。一晩中撹拌後、混合物
をエーテルと水とに分配した。エーテル層を捨て、そして水層を1N HClで
酸性(pH 1)にし、および塩化メチレンで抽出した。乾燥および溶媒の除去
により白色固体としての生成物2.20gが得られた。1 H NMR(CDCl3, 400MHz):d 1.14-1.18(m, 3H); 1.36-1.38(m, 2H); 1.71-1.75 (m
, 3H); 1,95-2.04(m, 5H); 2.62(m, 1H); 3,16(m, 1H); 3.30-3.33(m, 1H); 3.6
7 (m, 1H); 4.38(br, 1H) ; 4.46(m, 1H)
【0068】 実施例2 3−フェニル−1−プロピル(2S)−1−(3,3−ジメチル−1,2−ジ オキソペンチル)−2−ピロリジンカルボキシレートの合成 (1) メチル(2S)−1−(1,2−ジオキソ−2−メトキシエチル)−2−ピロ リジンカルボキシレート 乾燥塩化メチレン中のL−プロリンメチルエステル・ヒドロクロライド(3.
08g、18.60ミリモル)の溶液を0℃に冷却し、そしてトリエチルアミン
(3.92g、38.74ミリモル、2.1当量)で処理した。窒素雰囲気下で
15分間、形成されたスラリーを攪拌後、塩化メチレン(45mL)中のメチル
オキサリルクロライド(3.20g、26.12ミリモル)の溶液を滴下添加し
た。得られた混合物を0℃で1.5時間攪拌した。固形分を除去するために濾過
した後、有機相を水で洗浄し、MgSO4 上で乾燥し、そして濃縮した。粗残
渣をヘキサン中の50%酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムにより精製して
、赤みを帯びた油状物として生成物3.52g(88%)を得た。シス−トラン
スアミド回転異性体の混合物。 得られたトランス回転異性体に対するデータ; 1 H−NMR(CDCl3 ):d 1.93(dm,2H);2.17(m
,2H);3.62(m,2H);3.71(s,3H);3.79,3.84
(s,3H全体);4.86(dd,1H,J=8.4,3.3)
【0069】 メチル(2S)−1−(1,2−ジオキソ−3,3−ジメチルペンチル)−2 −ピロリジンカルボキシレート テトラヒドロフラン(THF)30mL中の(2S)−1−(1,2−ジオキ
ソ−2−メトキシエチル)−2−ピロリジンカルボキシレート(2.35g、1
0.90ミリモル)の溶液を−78℃に冷却し、そしてTHF中の1,1−ジメ
チルプロピルマグネシウムクロライドの1.0M溶液14.2mLで処理した。
得られた均質混合物を−78℃で3時間攪拌後、この混合物を飽和塩化アンモニ
ウム(100mL)に注ぎ、そして酢酸エチル中に抽出した。有機相を水で洗浄
し、乾燥し、そして濃縮し、そして溶媒を除去して得られた粗物質を、ヘキサン
中の25%酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムにより精製して、無色油状物
としてオキサメート2.10g(75%)を得た。 1 H−NMR(CDCl3 ):d 0.88(t,3H);1.22,1.
26(s,3H各々);1.75(dm,2H);1.87−2.10(m,3
H);2.23(m,1H);3.54(m,2H);3.76(s,3H);
4.52(dm,1H,J=8.4,3.4)
【0070】 (2S)−1−(1,2−ジオキソ−3,3−ジメチルペンチル)−2−ピロ リジンカルボン酸の合成 メチル(2S)−1−(1,2−ジオキソ−3,3−ジメチルペンチル)−2
−ピロリジンカルボキシレート(2.10g、8.23ミリモル)、1N Li
OH(15mL)及びメタノール(50mL)の混合物を0℃で30分間、次い
で室温で一晩攪拌した。この混合物を1N HClでpH1に酸性化し、水で希
釈し、そして塩化メチレン100mL中に抽出した。有機抽出物をブラインで洗
浄し、そして濃縮して、更に精製することを必要としないスノーホワイトの固体
1.73g(87%)を得た。 1 H−NMR(CDCl3 ):d 0.87(t,3H);1.22,1.
25(s,3H各々);1.77(dm,2H);2.02(m,2H);2.
17(m,1H);2.25(m,1H);3.53(dd,2H,J=10.
4,7.3);4.55(dd,1H,J=8.6,4.1)
【0071】 3−フェニル−1−プロピル(2S)−1−(3,3−ジメチル−1,2−ジ オキソペンチル)−2−ピロリジンカルボキシレート(1) 塩化メチレン(20mL)中の(2S)−1−(1,2−ジオキソ−3,3−
ジメチルペンチル)−2−ピロリジンカルボン酸(600mg、2.49ミリモ
ル)、3−フェニル−1−プロパノール(508mg、3.73ミリモル)、ジ
シクロヘキシルカルボジイミド(822mg、3.98ミリモル)、カンファス
ルホン酸(190mg、0.8ミリモル)及び4−ジメチルアミノピリジン(1
00mg、0.8ミリモル)の混合物を、窒素雰囲気下で一晩攪拌した。固形分
を除去するために、この反応混合物をセライトを通して濾過し、そして真空下で
濃縮し、そして粗物質をフラッシュ・カラム(ヘキサン中の25%酢酸エチル)
上で精製して、無色油状物として実施例1の化合物720mg(80%)を得た
1 H−NMR(CDCl3 ):d 0.84(t,3H);1.19(s,
3H);1.23(s,23);1.70(dm,2H);1.98(m,5H
);2.22(m,1H);2.64(m,2H);3.47(m,2H);4
.14(m,2H);4.51(d,1H);7.16(m,3H);7.26
(m,2H)
【0072】 図1.GPI 1046は、網膜虚血後の変性に対して網膜ガングリオン細胞
を保護する。 網膜ガングリオン細胞は、アダルト・ラットの外側膝状核中にフルオロゴール
ド(fluoro gold)を両側注射することにより、アダルト・ラットに逆行標識され
た。健常ラット網膜中の標識されたガングリオン細胞は、暗い背景に対して白い
輪郭として示される(図1A)。眼内圧が動脈の血圧を超えるまで、通常の生理
食塩水溶液を各々の眼の網膜の硝子体腔に注入することにより、完全な網膜性虚
血が生じた。虚血性エピソード28日後に、網膜ガングリオン細胞の広範囲な変
性は、フルオロゴールドにより標識された細胞の密度の大きい低下によって証明
された(図1B)。前記虚血性エピソードの1時間前及び続く4日間の10mg
/kg/日でのGPI 1046の皮下注投与(10mg/kg,s.c.)は
、傷つき易いガングリオン細胞群の大きな比率の顕著な保護を生じさせた。
【0073】 図2.GPI 1046は、網膜虚血後の視神経軸索及びミエリンの変性を予
防する。 同一の網膜虚血からの視神経の観察は、GPI 1046が虚血性変性からの
視神経エレメントの劇的な保護を生じさせることを明示した。エポンに包埋され
た視神経の横断面のトルイジン・ブルー染色は、健常ラット視神経のミエリン鞘
(白色環)及び視神経軸索(黒色中心)を詳細に示す。1時間網膜虚血性エピソ
ード後に28日間試験されたビヒクル処理ケースからの視神経は、視神経軸索の
低下した密度及び多数の変性したミエリン像の外観(明るい白色で満たされた環
)を特徴とする。GPI 1046を用いる治療は、変性から視神経軸索の大部
分を保護し、そして、変性したミエリン像の密度を劇的に減少させた。
【0074】 図3.GPI 1046は、視神経離断後の網膜ガングリオン細胞死に対して
中程度の保護を与える。 眼球から5mm後の視神経の完全な離断は、傷害90日後には健常ガングリオ
ン細胞群の>87%の損失を示すような網膜ガングリオン細胞の大きい変性を生
じさせる(表1)。ほんの少数の助かったフルオロゴールドで予備標識されたガ
ングリオン細胞(大きい白色の像)が、変性細胞の残骸を消化し且つフルオロゴ
ールド標識を取り込む多数の小さいミクログリア細胞群の間のビヒクル処理ケー
スに存在する(図3A)。14日間のGPI 1046治療は、離断後90日生
存した網膜ガングリオン細胞の密度における小さく統計上有意差のない増加をも
たらしたが(表1)、しかし、離断後最初の28日間のGPI 1046治療は
、傷つき易いガングリオン細胞群の12.6%に中程度であるが統計上有意差の
ある保護を生じさせた(表1,図3B)。
【0075】 図4.GPI 1046治療の期間は、離断後の視神経軸索の変性の過程に大
きな影響を及ぼす。 前記同一ケースからの視神経の近位断端における視神経軸索密度の観察は、G
PI 1046治療により得られる一層劇的な保護を示した。離断90日後に、
僅かなガングリオン細胞軸索が視神経内に残り(図4B)、正常の細胞群の5.
6%のみを示した。軸索の損失は、網膜ガングリオン細胞の死及び僅かに生存し
ているガングリオン細胞群の約70%の軸索が網膜それ自体への後退又は“退化
”の両方を反映している(表1)。視神経離断後の最初の14日間のGPI 1
046治療は、視神経軸索の小さいが統計上有意差のある5.3%の保護を生じ
たが(図4D,表1)、しかし、28日間のGPI 1046の同一投与量を用
いた治療は、生残った網膜ガングリオン細胞の大部分(81.4%)に対し視神
経軸索の保護を与えた(図4C,表1)。
【0076】 図5.GPI 1046治療は、ガングリオン細胞体よりも視神経軸索に対し
て一層大きな効果を生じさせる。 この事をまとめた図は、図3のガングリオン細胞保護からのデータ及び視神経
軸索保護の一層高倍率の顕微鏡写真に示される(図5A及び図5B,上部パネル
)。GPI 1046を用いる28日治療は、大きい、そして特に中程度及び小
さい径の視神経軸索の密度の満足できる増加を生じさせる(図5C及び図5D,
下部パネル)。
【0077】 図6.視神経離断後の28日間のGPI 1046治療は、近位断端における
ミエリン変性を阻害する。 ミエリン塩基性蛋白質免疫組織化学は、正常視神経中のミエリン化された軸索
の束(より暗く標識された’島’)を標識する(図6A,上部左)。離断90日
後に、束組織の損失及び多数の大きい密な変性ミエリン像の外観を特徴とする、
ミエリンの広範囲な変性が、ビヒクル治療ケースにおいて示される(図6B,上
部右)。視神経離断後の最初の14日間のGPI 1046を用いる治療は、ミ
エリン変性のパターンを変化させず(図6C,下部左パネル)、そしてミエリン
密度における統計上有意差のない1.6%の定量的回復を与えた(表1)。視神
経離断後の最初の28日間にわたるGPI 1046治療コースの延長は、視神
経の近位断端におけるミエリン塩基性蛋白質に対する束染色パターンの劇的な保
護を生じさせ、そして変性ミエリン像の密度を減少させ(図6D,下部右パネル
)、ミエリン密度の70%の回復を示した(表1)。
【0078】 図7.FKBP−12免疫組織化学は視神経繊維束の間に位置するミエリンを
産生する寡突起膠細胞(繊維状突起を有する大きい暗い細胞)およびまた幾つか
の視神経軸索を標識する。
【0079】 図8.視神経離断後の28日間のGPI 1046治療は、遠位断端における
ミエリン変性を阻害する。 視神経の完全な離断は、遠位セグメント(ガングリオン細胞体から分離された
軸索フラグメント)の変性、及びそれらのミエリン鞘の変性を導く。離断90日
後に(図8B)、ミエリン塩基性蛋白質免疫組織化学は、束組織(正常視神経中
に存在する,図8A)のほぼ全体の損失及び多数の密の変性ミエリン像の存在を
示す。定量化は、離断された遠位断端の断面積の31%収縮、及びそのミエリン
のほぼ1/2の損失を示す(表1)。離断後の最初の14日間のGPI 104
6を用いる治療は遠位断端の収縮を保護しなかったが、しかし、変性ミエリン像
の密度は高いまま残されたけれども、ミエリンの密度を僅かに増加させた(図8
C,表1)。最初の28日間にわたるGPI 1046治療は、ミエリン標識の
束パターンの劇的な保護を生じさせ、変性ミエリン像の密度を減少させ、離断さ
れた神経の遠位断端の断面収縮を阻止し、そしてミエリンのレベルを健常レベル
の約99%に維持した(図8D,表1)。
【0080】 図9.ストレプトゾトシン(streptozotocin)誘発糖尿病の発症8週間後に始ま
るGPI 1046治療を用いる28日間の治療は、内側及び外側の網膜におけ
る血管新生の程度を低下させ、そして、内核層(INL)及びガングリオン細胞
層(GCL)中の神経を変性から保護する。 クレシル・バイオレットで染色された周縁網膜セクションの陰画は、三つの細
胞層における核周辺を示す(図9A)。ビヒクルのみを投与されたストレプトゾ
トシン治療動物の網膜(図9B)は、ONL及びINLからの細胞損失、外部網
状層(outer plexiform layer)(ONLとINLとの間の暗い領域)の厚さの減
少、及びINL,OPL,ONL及び光受容体層(PR,ONLの上の灰色の不
明確な領域)における網膜血管(大きい黒い環状の外形)の寸法及び密度の劇的
な増加を示した。GPI 1046治療は、PR,ONL,OPL及びINLに
おける血管新生を減少させた(即ち、血管増殖の防止)。GPI 1046はO
NLにおける神経損失に対する保護を示さなかったけれども、ストレプトゾトシ
ン/ビヒクル治療対照と比較して、INL及びGCLの両方における神経損失を
減少させることが示された。
【0081】 実施例3 生体内網膜ガングリオン細胞および視神経軸索試験 視神経に対する機械的損傷をシュミレーションするために、手術による視神経
離断を利用している視力損失モデルにおいて、網膜ガングリオン細胞および視神
経軸索における変性の減少または予防の程度を決定した。網膜ガングリオン細胞
神経保護および視神経軸索密度に及ぼす幾つかのニューロイムノフィリンFKB
Pリガンドの効果は、14日および28日のニューロイムノフィリンFKBPリ
ガンド治療を比較することで実験的に決定された。網膜ガングリオン細胞および
視神経軸索に及ぼすニューロイムノフィリンFKBPリガンドによる治療効果は
相関した。
【0082】 手術手順 成熟オス スプラグ ダウレイ(Sprague Dawley)ラット(生後3ヶ月、225
ないし250グラム)はケタミン(87mg/kg)およびキシラジン(13m
g/kg)混合物を用いて麻酔をかけられた。網膜ガングリオン細胞は、LGN
d(4.5ミリメートル 後位β,3.5ミリメートル 外側,4.6ミリメート
ル 硬膜下)の座標において、蛍光逆移送マーカー、フルオロ−ゴールド(FG
,生理食塩水中2.5%溶液 0.5マイクロリットル)の両側定位注入により
前ラベルされた。4日後、FGラベルされたラットに、眼窩の4ないし5ミリメ
ートル後方の両側眼窩内視神経離断の顕微手術による2回目の手術を行った。
【0083】 実験動物は、1グループにつき6匹のラット(目12個)からなる6つの実験
グループに分割された。一つのグループは、ニューロイムノフィリンFKBPリ
ガンド(1日当たり、1キロ当たり皮下へPEGビヒクル(20%プロピレング
リコール、20%エタノールおよび60%生理食塩水)中10ミリグラム)を1
4日間受けた。二つ目のグループは同様のニューロイムノフィリンFKBPリガ
ンド投与を28日間受けた。それぞれ治療されたグループは、相当する14また
は28日投与をビヒクルのみにより受ける、相当する擬似/手術および離断対照
グループを有する。 全動物は、視神経離断90日後に安楽死され、ホルマリンにより心膜から灌流
された。全ての目および視神経断端を除去した。視神経脈管構造が損傷している
場合、またはFGラベルが網膜上に存在しない場合は、試験から除外された。
【0084】 網膜ガングリオン細胞数 網膜は眼から除去され、全載分析のために準備された。それぞれのグループに
関して、20倍率対物レンズを使用する定量分析のために、濃密で強いFGラベ
ルを有する5つの目が選ばれた。デジタルイメージは、中心網膜の5箇所の領域
(視神経頭部に対して3ないし4ミリメートル 外側)から得られた。FGラベ
ルされた大(>18μm)、中(12ないし16μm)および小(<10μm)
ガングリオン細胞およびミクログリアは、1ケースにつき5箇所の400μm×
400μmの領域、1グループにつき5ケースで数えられた。
【0085】 視神経の観察 近位の、および遠位の視神経断端は確認され、測定され、そして30%スクロ
ース生理食塩水に移動される。5つの神経の近位断端はブロックされ、チャック
(chuck)に貼り付けられ、そして10ミクロンの横断面がクリオスタットで切断
され、一セットにつき、10断面のうちの一つが取っておかれた。眼窩の裏側の
1ないし2mmの領域を含む断面はRT97ニューロフィラメント免疫組織化学
に対して反応された。視神経軸索密度の分析は、63倍率オイル浸漬レンズ、デ
イジ(Dage)81カメラ、およびシンプルイメージアナリシス(Simple Image Anal
ysis)プログラムを使用して行われた。RT97陽性視神経軸索は、一つの神経
につき、3箇所の200μm×200μmの領域で数えられた。また、それぞれ
の場合について、神経の領域は10倍率で決定される。
【0086】 表IおよびIIに図示されているように、ニューロイムノフィリンFKBPリ
ガンドによる治療14日コースは、視神経離断28日後に観測される網膜ガング
リオン細胞の中程度の神経保護を提供した。しかしながら、離断90日後では、
ガングリオン細胞細胞群の5%のみが生存できる状態で残っていた。 視神経離断90日後に、視神経の近位断端おいて生存している軸索数は、ビヒ
クルのみで受けるか、またはニューロイムノフィリンFKBPリガンドによる治
療14日コースの動物の群で生存しているガングリオン細胞数の約2分の1であ
った。これらの結果は、離断ガングリオン細胞軸索の半分以上は視神経頭部の後
部まで退縮すること、そして視神経離断後最初の14日間ニューロイムノフィリ
ンFKBPリガンドで治療することは、この退縮を阻止するめに充分ではないこ
とを示している。
【0087】 表IおよびIIに図示されているように、治療28日コースの間のニューロイ
ムノフィリンFKBPリガンドによる、より延長された治療は、網膜ガングリオ
ン細胞神経保護における中程度の増加をもたらした。攻撃を受けやすい網膜ガン
グリオン細胞群のおよそ12%が保護された。同じような比率の(50%まで)
視神経軸索密度の救助についても観測された。これらの結果は、ニューロイムノ
フィリンFKBPリガンドによる治療期間を離断後28日まで延長することは、
本質的に、網膜ガングリオン細胞の生存している細胞群全体に対し、損傷を受け
た軸策の退縮を完全に阻止するという驚くべき結果を実証する。 付加的な結果は表IIIおよびIVに記載されている。
【0088】 表I 視神経離断後90日の網膜ガングリオン細胞生存、視神経軸索保護およびミエ
リン形成に及ぼす、延長されたGPI1046治療の効果
【表8】 *有意性 P<0.0011 400μm×400μm試料グリッド領域におけるフルオロ−ゴールドでラベ
ルされた網膜ガングリオン細胞(RGC)の、平均密度+SEM2 焦点になっている200μm×200μm領域におけるRT97ニューロフィ
ラメント抗体でラベルされた視神経(ON)軸索の、平均密度+SEM* 正常ラットの視神経では200μm×200μm領域に正常のラットの視神経
、120,000RGC軸索があると仮定し、その場合の平均横断面積は0.6
30mm2平均横断面積であると測定されたことに対する評価3 視神経直径に対して調製された4 軸索密度をON面積と掛け算することにより算出された5 視神経横断面の面積範囲%の20倍分析から決定された
【0089】 表II 視神経離断後の網膜ガングリオン細胞におけるGPI1046の神経保護効果
【表9】
【0090】 表III 視神経離断および14または28日GPI1046治療の90日後に救助され
た網膜ガングリオン細胞および視神経軸索の相関
【表10】
【0091】 表IV GPI1046は離断後の近位断端における視神経軸索を保護する
【表11】
【0092】 実施例4 患者は、黄斑変性を患っている。上記で認識された誘導体、単独または他のネ
オプシック(neopsic)因子の一つもしくはそれより多くとの組み合わせ、あるい
は同様のものを含む医薬組成物は、該患者に投与することができる。視覚損失の
軽減、視覚変性の予防、および/または視覚再生の促進が治療後に生じることが
期待される。 実施例5 患者は、緑内障を患っており、視神経円板の杯状形成および神経繊維の損傷が
生じている。上記で認識された誘導体、単独または他のネオプシック因子の一つ
もしくはそれより多くとの組み合わせ、あるいは同様のものを含む医薬組成物は
、該患者に投与することができる。視覚損失の軽減、視覚変性の予防、および/
または視覚再生の促進が治療後に生じることが期待される。
【0093】 実施例6 患者は、手術を必要とする白内障を患っている。手術の後、上記で認識された
誘導体、単独または他のネオプシック因子の一つもしくはそれより多くとの組み
合わせ、あるいは同様のものを含む医薬組成物は、該患者に投与することができ
る。視覚損失の軽減、視覚変性の予防、および/または視覚再生の促進が治療後
に生じることが期待される。 実施例7 患者は、糖尿病性網膜症、虚血性視神経障害または網膜動脈もしくは静脈の閉
塞に関連した網膜血行障害または閉塞を患っている。上記で認識された誘導体の
単独、または他のネオプシック因子の一つもしくはそれより多くとの組み合わせ
、あるいは同様のものを含む医薬組成物は、該患者に投与することができる。視
覚損失の軽減、視覚変性の予防、および/または視覚再生の促進が治療後に生じ
ることが期待される。
【0094】 実施例8 患者は、網膜剥離を患っている。上記で認識された誘導体の単独、または他の
ネオプシック因子の一つもしくはそれより多くとの組み合わせ、あるいは同様の
ものを含む医薬組成物は、該患者に投与することができる。視覚損失の軽減、視
覚変性の予防、および/または視覚再生の促進が治療後に生じることが期待され
る。 実施例9 患者は、ブドウ膜炎または結膜炎に関連する炎症により引き起こされた組織損
傷を患っている。上記で認識された誘導体の単独、または他のネオプシック因子
の一つもしくはそれより多くとの組み合わせ、あるいは同様のものを含む医薬組
成物は、該患者に投与することができる。視覚損失の軽減、視覚変性の予防、お
よび/または視覚再生の促進が治療後に生じることが期待される。
【0095】 実施例10 患者は、紫外線への慢性または急性暴露により引き起こされた光受容体損傷を
患っている。上記で認識された誘導体の単独、または他のネオプシック因子の一
つもしくはそれより多くとの組み合わせ、あるいは同様のものを含む医薬組成物
は、該患者に投与することができる。視覚損失の軽減、視覚変性の予防、および
/または視覚再生の促進が治療後に生じることが期待される。 実施例11 患者は、視神経炎を患っている。上記で認識された誘導体の単独、または他の
ネオプシック因子の一つもしくはそれより多くとの組み合わせ、あるいは同様の
ものを含む医薬組成物は、該患者に投与することができる。視覚損失の軽減、視
覚変性の予防、および/または視覚再生の促進が治療後に生じることが期待され
る。
【0096】 実施例12 患者は、“ドライアイ”疾患に関連する組織損傷を患っている。上記で認識さ
れた誘導体の単独、または他のネオプシック因子の一つもしくはそれより多くと
の組み合わせ、あるいは同様のものを含む医薬組成物は、該患者に投与すること
ができる。視覚損失の軽減、視覚変性の予防、および/または視覚再生の促進が
治療後に生じることが期待される。
【0097】 実施例13 網膜ガングリオン細胞軸索を視神経離断後の変性から保護することにおける、
種々のイムノフィリンリガンド系列からの代表的な化合物の効能を表Vに示す。
【0098】 表V 網膜ガングリオン細胞軸索を視神経離断後の変性から保護することにおける、
種々のイムノフィリンリガンド系列からの代表的な化合物の効能
【表12】
【0099】 表V続き
【表13】
【0100】 表V続き
【表14】
【0101】実施例14 FKBPニューロイムノフィリンリガンドGPI−1046が、網膜ガングリオ
ン細胞の生存を増大し、そして視神経離断後の軸索退化を阻止する。 哺乳類視神経の離断は短期間の結局は実を結ばない再生を生じるが、しかし軸
索形成されたニューロンの大部分は死亡し、そして多くの残存するガングリオン
細胞からの軸索は視神経細胞頭部を越えて退化する。本実施例は、視神経離断後
のGPI−1046の神経保護効果を調査することをもくろんだものである。 成熟した雄スプラギューダウレイラット中の網膜ガングリオン細胞を、LGN
dにおけるフルオロゴールド(fluorogold)注射により逆行標識し、そして4日
後、視神経を眼球の裏5mmで離断した。動物の群は、GPI−1046の10
mg/kg/日の皮下注射またはビヒクルのいずれかを28日間受けた。全ての
実験動物および対照は、離断の90日後に安楽死させた。 90日のみでは、FG標識したガングリオン細胞母集団の10%が生存してい
たが、しかし、RT97ニューロフィラメント免疫組織化学で検出される通り、
これらのニューロンの半分以下が視神経頭部を過ぎて延びる軸索を維持していた
。GPI−1046治療は中程度の核周囲部の神経保護を生じて、ガングリオン
細胞母集団の25%を助け、そして離断された神経の近位断端における実質的に
全ての保護されたニューロンの軸索は保持した。これらの結果は、FKBPニュ
ーロイムノフィリンリガンドGPI−1046での治療が、CNS路への損傷後
の病理学的過程における根本的な改善作用を生じることを示した。 これらの結果はまた、小分子のFKBPニューロイムノフィリンリガンドGP
I−1046が、組織における神経突起成長を増大し、末梢神経再生を増大し、
そして部分的な求心路遮断後のCNS内の発生を促進することを示した。
【0102】実施例15 ニューロイムノフィリンリガンドが、ストレプトゾトシン誘発糖尿病に関連する
末梢感覚神経障害からの回復を促進する。 末梢神経障害は、糖尿病患者のおよそ30〜40%における、一般に衰弱させ
る2型糖尿病の合併症である。神経成長因子(NGF)のような神経栄養因子は
、末梢神経系(PNS)の発達および成熟したニューロンの生存を促進すること
が既知であり、そしてまた、糖尿病性末梢神経障害のための治療として評価され
ている。小分子GPI−1046のような、ニューロイムノフィリンFKBP−
12の選択的なリガンドの幾つかはまた、中枢および末梢の神経系における修復
および再生を促進することも表されている(Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA 94,
2019-2024, 1997)。 本実施例においては、GPI−1046の可能性の高い治療効果を、ストレプ
トゾトシン誘発糖尿病のラットにおける感覚機能を改善するその能力について評
価した。手順は、ストレプトゾトシンの一回の注射(65mg/kg、脈管内注
射)を受けた雄ウイスターラットを使用することを伴う。血中グルコース濃度は
、最初の3週間について毎週、および実験の最後の週について決定した。動物は
、感覚神経障害の兆候について、慣用のホットプレートおよびテールフリック器
具試験手順を使用して毎週評価した。6週間後、GPI−1046またはビヒク
ルでの治療を開始した。 結果は、ホットプレートおよびテールフリック器具を使用した行動試験が、6
週間、10mg/kgの皮下注射でのGPI−1046で治療した病変した動物
における潜在時間の改善を示した。該結果はまた、GPI−1046が糖尿病性
感覚神経障害の行動後遺症を改善し、そして糖尿病性末梢神経障害を被る患者に
ついて幾らかの軽減を与えうることを表した。
【0103】モリス(Morris)の水迷路/老化および記憶試験手順 老齢のげっ歯類は、改良T型迷路における二者選択空間識別、円形台作業にお
ける空間識別、受動的回避、放射状迷路作業、および水プールにおける空間進行
を含む様々な行動作業についての能力において顕著な個々の差異を示す。 これらの作業の全てにおいて、老齢のラットまたはマウスの一部は若齢の対照
動物の大部分と同じくらい良好に実行するが、一方、他の動物は、若齢の動物に
比較して記憶機能における甚だしい障害を示す。例えば、フィッシャー(Fischer
)および同僚は、空間進行において有意な障害を示すラットの比率は年齢と共に
増加し(フィッシャー等、1991b)、全ての12月齢の8%、18月齢の4
5%、24月齢の53%、および全ての30月齢の90%のラットが、若齢の対
象と比較して、モリスの水迷路の空間把握における障害を示すことを表した。 特に、げっ歯類の空間の学習および記憶が加齢の間に衰えることは、ヒト老年
性痴呆の興味のある相関した動物モデルとして、多くの調査者により認められて
いる。海馬におけるコリン作用性機能は、げっ歯類における空間学習の要素とし
て多方面にわたり研究されており、また、学習および記憶の障害の進行と平行し
た、海馬のコリン作用性機能の衰弱が注目されている。加えて、他の神経伝達物
質系が空間学習に寄与し、そしてドーパミン作用性およびノルアドレナリン作用
性、セロトニン作用性、並びにグルタメート作用性の系のように、年齢と共に衰
えることが表されている。 また、海馬長期間電位(LTP)−誘発の年齢関連衰弱、シータリズム頻度に
おける減少、海馬定置単位の経験依存可塑性の喪失、および海馬プロテインキナ
ーゼCにおける減少についての報告は、単一の根底にある病理学がげっ歯類にお
ける年齢関連行動障害の原因として確認されることはできないという構想と一致
する。しかしながら、老齢のげっ歯類における記憶機能を改善するために取られ
ている様々な実験的な治療方法は、コリン作用性仮説に向けて幾らか傾いている
。 モリスの水迷路は、実験動物における空間記憶の形成および保持を評価するた
めに広く使用される。該試験は、水タンク中に水没した脱出台の位置を示すため
の、動物の空間視覚情報を利用する能力に依存する。タンク自身は可能な限り特
有の視覚特徴を欠いており、それ故、常に形状が円形で、側面は滑らかでかつ均
一なくすんだ色に保たれ、そして水は非毒性の水性着色顔料または粉乳で不透明
にされる。これは、より遠方の視覚手掛かりの使用によるか、または実験者によ
って特別に与えられる迷路内手掛かりの使用によってのみ動物が進行することを
確実にする。タンクは、動物に積極的に泳ぐことを強制する水位まで満たされて
いる。通常のマウスおよびラットは、試験の水泳部分に対して嫌がるように反応
し、脱出台に上りそしてその上に止まるので、その後、熱せられた休息ケージへ
と移動させる。 台が視認可能(即ち、水面より上)な場合、タンク中に置かれた動物は、台上
に帰ることを素早く学習し、そして台上に攀じ登る。視認可能な台での試験はま
た、実験動物が盲目で無くかつ作業を実行するに十分な動機付けおよび元気を表
すことであって、老齢のげっ歯類に伴う実験において重要なこととなり得ること
を促進する。台が視認不可能(即ち、水面の直下に水没する)な場合、普通の動
物は、試験タンク中での方向決定のために、試験室中の遠方の視覚手掛かりを使
用することを学習し、そして、タンク中に置かれたとき、台のおよその位置の方
向に素早く帰り、そして、台が見付かるまで、その範囲で回っている。 動物の経路、速度、および水泳時間を、後のコンピューター分析のために天井
カメラで移動して撮影した。数回の成功した試行の間にわたり、従って、空間学
習は、タンク中の位置から視認不可能な台上への脱出するまでの、泳いだ距離の
低下、または経過した時間として定義した。 該試験は、空間記憶の幾つかの側面を評価するために適合させることができる
:a)手掛かり作業の把握、一つの視覚手掛かりを脱出台と直接結び付ける動物
の能力は皮質の機能に依存する(即ち、玉が脱出台の上に吊るされ、そして動物
が台を見出すためにこの手掛かりを辿ることを学習する。);b)空間作業の把
握、遠方の視覚手掛かりの組み合わせに基づき水没した脱出台の位置を学習する
動物の能力は海馬の機能に依存する(即ち、動物が、ペーパータオル引出容器を
ドアおよび天井ランプと視覚的に整列させることによって、タンク中での位置を
三角測量することを学習する。);c)皮質の機能に依存する、十分に獲得した
空間作業の保持、(即ち、動物は数週にわたって台の空間位置を覚えていなけれ
ばならない。);d)動物が新しい台の位置を再把握しなければならない、海馬
依存性逆転作業(即ち、台の位置が水泳試行の間に新しい位置へと移動され、そ
して動物が以前の捜査手法を放棄して新しいものを把握しなければならない。)
。 これらの異なるモリスの水路の改良は、実験動物の同じ組に連続して適用され
ることができ、そしてそれらの空間記憶能力および通常の加齢によるその衰弱の
完全な特徴付けを可能にする。その上、そのような一連の連続する記憶試験は、
空間記憶の獲得および保持に影響する特定の脳系の機能完全性について幾らか明
らかにする(例えば、海馬のコリン作用性病変を有するラットは、数週間前に獲
得した台の位置を思い出し得るが、しかし、台が動かされた後も、古い台の位置
に固執する。)。
【0104】実施例16 老齢のげっ歯類における空間の学習および記憶についての慢性GP−1046投
与の効果 本実施例は、老齢のげっ歯類における空間の学習および記憶についての、全身
性で利用可能なFKBP−リガンド、GPI−1046での慢性治療の効果を表
す。 手順は、4試行/日、3〜4日の目視可能な台の訓練段階の間、良く知られか
つ慣用のモリスの水迷路に習熟させた、3月齢(若齢)および18〜19月齢(
老齢)のオスのC57BL/6N−Niaマウスを使用することを伴った。引き
続き、空間把握試験を以下のように行った:全てのマウスに、5日間、4試行/
日(ブロック)を行った。最大水泳時間は90秒とした。老齢のマウスは、把握
段階のブロック4または5の間のそれらの能力が“若齢”マウスの平均より高い
>1S.D.である場合、“老齢障害を受けた”群に、またそれらの能力が“若
齢”マウスの平均より高い<0.5S.D.である場合、“老齢障害を受けない
”群に取り除けた。老齢の群をその後、統計的に同様な“GPI−1046”お
よび“ビヒクル”の群に分けた。 10mg/kgのGPI−1046での毎日の治療を把握訓練の終了3日後に
開始し、そして保持試験を通して継続した。保持試験は、投薬3週間後、把握段
階と同じ方法を使用して始めた。水泳距離(cm)を、分析における要素として
の群およびブロック(1〜5)、反復手段としての治療ブロックを含めて、7×
5ANOVAにおいて分析した。 結果は、それぞれF1.58=26.75、P=0.0001、およびF1.58=1
7.70、P=0.0001であり、“若齢”と“老齢障害を受け−ビヒクルお
よびGPI−1046”治療した群との間に有意な差異が存在するという計画し
た著しい相違が現われたことを表す。一方、F1.58=0.67、P=0.42で
あり、二つの“老齢障害を受けた”群の間に有意な差異は存在しなかった。しか
しながら、保持試験の間、“老齢障害を受け−ビヒクル”治療した動物は、それ
ぞれF1.69=8.11,P=0.006、およびF1.69=25.45、P=0.
0001である、“老齢損傷を受け−GPI−1046”、および“若齢”の動
物よりも有意に乏しく実行した。F1.69=3.09、P=0.08であり、“若
齢”と“老齢で障害を受け−GPI−1046”治療した群との間に、もはや統
計的に有意な差異は存在しなかった。まとめると、GPI−1046での全身性
の治療は、年齢関連空間記憶障害を有するマウスの空間記憶能力を有意に増大し
た。
【0105】 このように本発明を記載したが、それが多くの方法で変形され得ることは明ら
かである。そのような変法は、本発明の思想および範囲を逸脱するものと見なさ
れず、そして全てのそのような変法は、本特許請求の範囲内に含まれるとことを
意図する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1A,B,Cは、GPI1046が網膜虚血後の変性に対し網膜ガングリオ
ン細胞を保護することを示す。
【図2】 図2は、GPI1046が網膜虚血後の視神経軸索およびミエリンの変性を予
防することを示す。
【図3】 図3は、GPI1046が、視神経離断後の網膜ガングリオン細胞死亡に対す
る中程度の保護を与えることを示す。
【図4】 図4は、GPI1046治療期間が離断後の視神経軸索の変性の過程に有意に
影響することを示す。
【図5】 図5は、GPI1046治療がガングリオン細胞本体よりも視神経軸索につい
てより大きい影響を生じることを示す。
【図6】 図6は、視神経離断後28日間のGPI1046治療が近位断端におけるミエ
リン変性を予防することを示す。
【図7】 図7は、FKBP−12免疫組織化学が視神経繊維束の間に位置するミエリン
を産生する寡突起膠細胞(繊維状突起を有する大きい暗い細胞)およびまた幾つ
かの視神経軸索を標識することを示す。
【図8】 図8は、視神経離断後28日間のGPI1046治療が遠位断端におけるミエ
リン変性を予防することを示す。
【図9】 図9は、ストレプトゾトシン誘発糖尿病の発症8週間後に始めたGPI104
6治療での28日間治療は、内側および外側の網膜における血管新生の程度を低
下させ、そして内核層(INL)およびガングリオン細胞層(GCL)中のニュ
ーロンを変性から保護することを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CR, CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI,G B,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL ,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN,Y U,ZA,ZW (72)発明者 サオアー,ハンスジョルク アメリカ合衆国 メリーランド 20901 シルバー スプリング ロレイン アベニ ュー 10617 (72)発明者 ハミルトン,グレゴリー,エス. アメリカ合衆国 メリーランド 21228 カトンスビル フレデリック ロード 6501 (72)発明者 スタイナー,ジョセフ,ピー. アメリカ合衆国 メリーランド 21048 フィンクスバーグ ルイスビル ロード 4150 Fターム(参考) 4C069 AA17 BC24 BD02 4C086 AA01 AA02 AA03 BC07 MA01 MA04 NA14 ZA33

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動物における視覚疾患を治療し、視覚を改善し、記憶障害を
    治療し、記憶能力を増強する方法であって、前記動物にN−複素環式カルボン酸
    またはその等配電子体の尿素またはカルバメートの有効量を投与することからな
    る方法。
  2. 【請求項2】 前記N−複素環式カルボン酸またはその等配電子体の尿素ま
    たはカルバメートは免疫抑制性または非免疫抑制性である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記N−複素環式カルボン酸またはその等配電子体の尿素ま
    たはカルバメートはFKBP型イムノフィリンに対する親和性を有する請求項1
    記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記FKBP型イムノフィリンはFKBP−12である請求
    項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記視覚疾患が、視覚障害;眼窩疾患;涙器の疾患;眼瞼の
    疾患;結膜の疾患;角膜の疾患;白内障;眼球血管膜の疾患;網膜の疾患;視神
    経または視覚路の疾患;遊離ラジカル誘発性眼疾患および疾病;免疫介在性眼性
    疾患および疾病;眼の損傷;眼性疾病、眼性障害または眼の損傷の症状および合
    併症よりなる群から選択される請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 いかなる眼科学的疾患、疾病または損傷のない動物において
    自然発生視覚の改善のための請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記N−複素環式カルボン酸またはその等配電子体の尿素ま
    たはカルバメートは式I 【化1】 [式中、 nは1〜3を表し; XはOまたはSのいずれかを表し; R1およびAは、独立に、水素原子、直鎖または分枝鎖の炭素原子数1ないし9
    のアルキル基、炭素原子、直鎖または分枝鎖の炭素原子数2ないし9のアルケニ
    ル基、アリール基、ヘテロアリール基、炭素環基または複素環基よりなる群から
    選択され; Dは直接結合、または直鎖または分枝鎖の炭素原子数1ないし10のアルキル基
    、炭素原子数2ないし10のアルケニル基または炭素原子数2ないし10のアル
    キニル基を表し; R2はカルボン酸またはカルボン酸等配電子体を表し; ここで、前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロア
    リール基、炭素環基、または複素環基は、所望によりR3から選択された1また
    はそれ以上の置換基で置換されており、 R3は水素原子、ヒドロキシ基、ハロ基、ハロアルキル基、チオカルボニル基
    、アルコキシ基、アルケノキシ基、アルキルアリールオキシ基、アリールオキシ
    基、アリールアルキルオキシ基、シアノ基、ニトロ基、イミノ基、アルキルアミ
    ノ基、アミノアルキル基、スルフヒドリル基、チオアルキル基、アルキルチオ基
    、スルホニル基、直鎖または分枝鎖の炭素原子数1ないし6のアルキル基、直鎖
    または分枝鎖の炭素原子数2ないし6のアルケニル基またはアルキニル基、アリ
    ール基、ヘテロアリール基、炭素環基、複素環基、またはCO24(ここで、R 4 は水素原子または直鎖または分枝鎖の炭素原子数1ないし9のアルキル基また
    はアルケニル基を表す。)を表す。]で表される化合物、またはその医薬的に許
    容可能な塩、エステルまたは溶媒和物である請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 R2はいずれかの化学的に安定な酸化状態におけるCH2、O
    、SまたはNのいずれかの組合せを含む炭素環基または複素環基であって、前記
    環構造の原子のいずれかは、所望により1またはそれ以上の所定位置において、
    3によって置換されており、 R3は水素原子、ヒドロキシ基、ハロ基、ハロアルキル基、チオカルボニル基、
    アルコキシ基、アルケノキシ基、アルキルアリールオキシ基、アリールオキシ基
    、アリールアルキルオキシ基、シアノ基、ニトロ基、イミノ基、アルキルアミノ
    基、アミノアルキル基、スルフヒドリル基、チオアルキル基、アルキルチオ基、
    スルホニル基、直鎖または分枝鎖の炭素原子数1ないし6のアルキル基、直鎖ま
    たは分枝鎖の炭素原子数2ないし6のアルケニル基またはアルキニル基、アリー
    ル基、ヘテロアリール基、炭素環基、複素環基、またはCO24(ここで、R4
    は水素原子または直鎖または分枝鎖の炭素原子数1ないし9のアルキル基または
    アルケニル基を表す。)を表す、請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 R2は下記の群: 【化2】 [式中、前記環構造R2の原子は、所望により1またはそれ以上の位置において
    、R3によって置換されており、 R3は水素原子、ヒドロキシ基、ハロ基、ハロアルキル基、チオカルボニル基、
    アルコキシ基、アルケノキシ基、アルキルアリールオキシ基、アリールオキシ基
    、アリールアルキルオキシ基、シアノ基、ニトロ基、イミノ基、アルキルアミノ
    基、アミノアルキル基、スルフヒドリル基、チオアルキル基、アルキルチオ基、
    スルホニル基、直鎖または分枝鎖の炭素原子数1ないし6のアルキル基、直鎖ま
    たは分枝鎖の炭素原子数2ないし6のアルケニル基またはアルキニル基、アリー
    ル基、ヘテロアリール基、炭素環基、複素環基、またはCO24(ここで、R4
    は水素原子または直鎖または分枝鎖の炭素原子数1ないし9のアルキル基または
    アルケニル基を表す。)を表す。]から選択される、請求項7記載の方法。
  10. 【請求項10】 R2は−COOH、−SO3H、−SO2HNR3、−PO2
    (R32、−CN、−PO3(R32、−OR3、−SR3、−NHCOR3、−N
    (R32、−CON(R32、−CONH(O)R3、−CONHNHSO23
    、−COHNSO23、および−CONR3CNよりなる群から選択される、請
    求項7記載の方法。
  11. 【請求項11】 N−複素環式カルボン酸またはその等配電子体の尿素また
    はカルバメートが(2S)−1−(シクロヘキシル)カルバモイル−2−ピロリ
    ジンカルボン酸ならびに本明細書に開示された化合物1−94よりなる群から選
    択される請求項7記載の化合物。
  12. 【請求項12】 動物において視覚障害を治療し、視覚を改善し、記憶障害
    を治療しまたは記憶能力を増強するため医薬組成物であって、 (a)N−複素環式カルボン酸またはその等配電子体の尿素またはカルバメート
    よりなる、動物において視覚障害を治療し、視覚を改善し、記憶障害を治療しま
    たは記憶能力を増強するための有効量の誘導体;ならびに (b)医薬的に許容可能なキャリア を含む医薬組成物。
  13. 【請求項13】 前記N−複素環式カルボン酸またはその等配電子体の尿素
    またはカルバメートが免疫抑制性または非免疫抑制性である請求項12記載の医
    薬組成物。
  14. 【請求項14】 前記N−複素環式カルボン酸またはその等配電子体の尿素
    またはカルバメートがFKBP−型のイムノフィリンに対する親和性を有する請
    求項13記載の医薬組成物。
  15. 【請求項15】 前記FKBP−型のイムノフィリンがFKBP−12であ
    る請求項14記載の医薬組成物。
  16. 【請求項16】 前記視覚疾患が、視覚障害;眼窩疾患;涙器の疾患;眼瞼
    の疾患;結膜の疾患;角膜の疾患;白内障;眼球血管膜の疾患;網膜の疾患;視
    神経または視覚路の疾患;遊離ラジカル誘発性眼疾患および疾病;免疫介在性眼
    性疾患および疾病;眼の損傷;ならびに眼性疾病、眼性障害または眼の損傷の症
    状および合併症よりなる群から選択される請求項12記載の医薬組成物。
  17. 【請求項17】 いかなる眼科学的疾患、疾病または損傷のない動物におい
    て自然発生視覚の改善のための請求項12記載の医薬組成物。
  18. 【請求項18】 前記N−複素環式カルボン酸またはその等配電子体の尿素
    またはカルバメートは式I 【化3】 [式中、 nは1〜3を表し; XはOまたはSのいずれかを表し; R1およびAは、水素原子、直鎖または分枝鎖の炭素原子数1ないし9のアルキ
    ル基、炭素原子、直鎖または分枝鎖の炭素原子数2ないし9のアルケニル基、ア
    リール基、ヘテロアリール基、炭素環基または複素環基よりなる群から独立して
    選択され; Dは直接結合、または直鎖または分枝鎖の炭素原子数1ないし10のアルキル基
    、炭素原子数2ないし10のアルケニル基または炭素原子数2ないし10のアル
    キニル基を表し; R2はカルボン酸またはカルボン酸等配電子体を表し; ここで、前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロア
    リール基、炭素環基、または複素環基は、所望によりR3から選択された1また
    はそれ以上の置換基で置換されており、 R3は水素原子、ヒドロキシ基、ハロ基、ハロアルキル基、チオカルボニル基
    、アルコキシ基、アルケノキシ基、アルキルアリールオキシ基、アリールオキシ
    基、アリールアルキルオキシ基、シアノ基、ニトロ基、イミノ基、アルキルアミ
    ノ基、アミノアルキル基、スルフヒドリル基、チオアルキル基、アルキルチオ基
    、スルホニル基、直鎖または分枝鎖の炭素原子数1ないし6のアルキル基、直鎖
    または分枝鎖の炭素原子数2ないし6のアルケニル基またはアルキニル基、アリ
    ール基、ヘテロアリール基、炭素環基、複素環基、またはCO24(ここで、R 4 は水素原子または直鎖または分枝鎖の炭素原子数1ないし9のアルキル基また
    はアルケニル基を表す。)を表す。]で表される化合物、またはその医薬的に許
    容可能な塩、エステルまたは溶媒和物である請求項12記載の医薬組成物。
  19. 【請求項19】 R2はいずれかの化学的に安定な酸化状態におけるCH2
    O、SまたはNのいずれかの組合せを含む炭素環基または複素環基であって、前
    記環構造の原子のいずれかは、所望により1またはそれ以上の位置において、R 3 によって置換されている、請求項18記載の医薬組成物。
  20. 【請求項20】 R2は下記の群: 【化4】 (式中、前記環構造R2の原子は、所望により1またはそれ以上の位置において
    、R3によって置換されている。)から選択される、請求項12記載の医薬組成
    物。
  21. 【請求項21】 R2は−COOH、−SO3H、−SO2HNR3、−PO2
    (R32、−CN、−PO3(R32、−OR3、−SR3、−NHCOR3、−N
    (R32、−CON(R32、−CONH(O)R3、−CONHNHSO23
    、−COHNSO23、および−CONR3CNよりなる群から選択される、請
    求項18記載の医薬組成物。
  22. 【請求項22】 N−複素環式カルボン酸またはその等配電子体の尿素また
    はカルバメートが(2S)−1−(シクロヘキシル)カルバモイル−2−ピロリ
    ジンカルボン酸ならびに本明細書に開示された化合物1−94よりなる群から選
    択される請求項18記載の医薬組成物。
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