JP2002522084A - 改造繊維状ファージのポリペプチド表示の調節 - Google Patents

改造繊維状ファージのポリペプチド表示の調節

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Abstract

(57)【要約】 野性型ファージのコート蛋白質の遺伝子および合成ファージコート蛋白質をコードする遺伝子を含む改造繊維状ファージが提供される。前記改造ファージの使用および前記ファージを含むキットの使用もまた提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本明細書に記載した研究を部分的に補助するために用いた資金は米国政府によ
り提供された(Department of the Army ARL No.DAAL03-92-G-0215)。したがっ
て、米国政府は本発明に対して一定の権利を有する。 本出願は、米国仮特許出願60/096326号(1998年8月12日出願
)(この文献は参照により本明細書に含まれる)の部分継続出願である。 本発明の分野はポリペプチドのファージディスプレーである。より具体的には
、本発明は、その表面に一連の濃度でポリペプチドを表示させることができる改
造繊維状ファージに関する。
【0002】従来技術 抗体のファージディスプレーは、最初ペプチドの表示のために開発されたシス
テムを基礎にしていた(Smith, Science 228:1315-7(1985))。抗体の単鎖可変ド
メインをコート蛋白質の遺伝子(gpIII)(McCafferty et al., Nature 34
8:552-554(1990))に融合させて、融合抗体を表示する全てのgpIII分子が得
られた。しかしながら、gpIIIとポリペプチドの融合は、ファージの細菌感
染力を低下させ、第二にファージ先端での多価ディスプレーは、親和力による識
別(affinity discrimination)よりも結合力による選別(avidity selection)を
もたらした。ファージミドベクター(gpIII融合を提示する目的で)および
ヘルパーファージレスキュー(野性型gpIIIを導入する目的で)を利用して
、融合表示の結合価数を減少させ、さらに感染性を回復させた(Bass et al., P
roteins: Structure, Function, and Genetics 8:309-314(1990))。同様に、大
コート蛋白質(gpVIII)(Kang et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88
:4363-66(1991))、または小コート蛋白質(gpIII)(Barbas et al., Proc
. Natl. Acad. Sci. USA, 88:7978-82(1991); Garrard et al., Bio/Technol. 9
:1373-77(1991))の融合物として、例えば抗体F(ab)フラグメントのような
ヘテロダイマーポリペプチドを表示することは、ヘルパーファージレスキューに
よりファージミドを利用して達成された。
【0003】 抗体フラグメントおよび他のポリペプチドのファージディスプレーは、同時代
の分子免疫学における有用な手段として受け入れられた。繊維状ファージ粒子当
たりのポリペプチド表示濃度は、どのファージコート蛋白質を融合相手として用
いるか、および使用するベクター系の選択によって影響を受ける。ファージゲノ
ム、例えばfdまたはM13上でただ1つのgpIIIのコピーと融合したヌク
レオチド配列から発現した分子は、多価(3−4価)クラスターディスプレーお
よび細菌感染性低下をもたらす(McCafferty et al., Nature 348:552-554(1990
); Smith, Science 228:1315-7(1985))。ファージとリガンドとの多価結合は結
合力による選別に有利で、中等度の親和性を得たものを識別する能力を制限する
(Cwirla et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87:6378-82(1990))。親和性が
より小さいリガンド結合分子を単離しようとする場合は、上記のことは望ましい
ことかもしれない。ヘルパーファージレスキューと併用して使用される、ファー
ジコート蛋白質融合ポリペプチドをコードするファージミドベクターは、感染性
が回復し、さらに、高い親和性をもつ相互作用による濃縮を可能にする結合価が
減少したファージを産生した(Bass et al., Proteins: Structure, Function,
and Genetics 8:309-314(1990))。
【0004】 高濃度および低濃度の両表示系が、標的レセプターまたは標的組織に対するリ
ガンドにアクセスする場合に使用される。ファージ粒子上に表示された融合分子
の濃度がファージ当たり数コピーから1コピー未満に調節されるファージディス
プレー系を作製することは好ましいであろう。現存のベクターを用いてこの目的
を達成するためには、gpIIIファージとgpVIII/gpIIIファージ
ミドベクターとの間で挿入物を往復させることが必要である。しかしながら、こ
れはまた、融合相手としてgpIIIまたはgpVIII(すなわち擬似野性型
)をコードする遺伝子の第二の合成コピーをもつベクターを基礎にした、ただ1
つのM13ファージを利用し(Huse et al., J. Immunol. 149:3914-20(1992))
、低または中等度の割合のファージフィラメントへの融合物の取り込みに適する
ように前記ファージの増殖条件を操作することによってもまた達成することがで
きる。表示発現カセットをファージゲノムへ取り込むことによって、ファージの
形態発生と同調するという融合発現のまた別の利点が提供される。本発明は、ポ
リペプチドがファージ表面に表示されるファージベクター系について述べる。本
表示系は、相対的選別濃縮効率によって決定されるような最適ファージディスプ
レーを生じるファージの表示融合の調節を解明するために用いられた。
【0005】発明が解決しようとする課題 本発明は、表示結合価の容易な操作が可能な改造繊維状ファージの表面でポリ
ペプチドを表示するファージベクターを開示する。前記ポリペプチドをコードす
る遺伝子は、フィラメントのアッセンブリー時に前記ポリペプチドのファージへ
の取り込みを可能にする大コート蛋白質の合成コピーに融合される。 したがって、本発明の特徴の1つでは改造繊維状ファージ発現ベクターが提供
される。前記ベクターは、前記ファージの野性型大コート蛋白質をコードする遺
伝子;漏出性で誘発可能なプロモーター;前記ファージの合成大コート蛋白質を
コードする遺伝子;およびヌクレオチド挿入物を受容する方向性を有するクロー
ニング部位を含む。前記挿入物は、翻訳開始部位をコードする配列、ポリペプチ
ド発現を細菌のペリプラズム膜に誘導するリーダー配列およびポリペプチドコー
ド配列を含む。方向性を有するクローニング部位は、前記ポリペプチドが合成大
コート蛋白質との融合蛋白質として発現されるように、プロモーターとファージ
の合成大コート蛋白質をコードする遺伝子との間に配置される。
【0006】 好ましい実施態様では、翻訳開始部位はリボソーム結合部位で、プロモーター
はlacプロモーターで、リーダー配列はompAで、ファージの野性型大コー
ト蛋白質はgpVIIIで、ファージの合成大コート蛋白質は合成gpVIII
で、ポリペプチドはリガンド結合ヘテロダイマー抗体である。特に好ましい繊維
状ファージはM13である。本発明の好ましい改造M13ベクターは、本明細書
ではJC−M13−88と称される。 好ましくは、改造繊維状ファージのヌクレオチド挿入物は、先選択開放読み枠
発現分泌プラスミド(pre-selection open reading frame expression and secr
etion plasmid)(pORFES)、好ましくはpORFES−IIまたはpOR
FES−IVから得られる。
【0007】 本発明はまたポリペプチドを発現する方法を提供する。本方法は以下の工程を
含む:(a)翻訳開始部位をコードする領域、ポリペプチドの発現を細菌のペリ
プラズム膜に誘導するリーダー配列およびポリペプチドコード配列を、野性型フ
ァージの大コート蛋白質をコードする遺伝子、誘発可能なプロモーターおよび合
成ファージ大コート蛋白質をコードする遺伝子を含む繊維状ファージの方向性を
有するクローニング部位に、前記方向性を有するクローニング部位が前記誘発可
能プロモーターと合成ファージ大コート蛋白質コード遺伝子との間に位置するよ
うに挿入し;さらに(b)細菌中で工程(a)で得られた繊維状ファージを増殖
させる。好ましい翻訳開始部位、プロモーター、リーダー配列、ポリペプチドお
よび大コート蛋白質は上記で説明したものと同じである。方向性を有する好まし
いクローニング部位は1対の制限酵素部位を含む。そのような酵素部位の例はX
baIおよびHindIIIである。
【0008】 ファージ上に表示されるポリペプチドの濃度は増殖条件を変更したファージに
よって調節することができる。好ましくは、増殖は、誘発可能プロモーターによ
り誘発を惹起するインデューサーの存在下または非存在下で約25℃から約37
℃の温度で実施される。ファージ増殖温度の低下はファージ総収量を減少させる
が、抗体表示の質を高めた。同様に、ファージ増殖時のインデューサーの添加は
ファージ収量を低下させるが、選別時のファージ収量を増強した。
【0009】課題を解決するための手段 I.発明の目的 本発明は、改造繊維状ファージおよびその表面に種々の濃度でポリペプチドを
発現および表示させる前記ファージを使用する方法を提供する。 II.改造繊維状ファージ 当技術分野で周知のように、繊維状バクテリオファージ(以下では繊維状ファ
ージという)は、細菌に感染する関連するウイルスの1群に属する。繊維状とい
う用語は、デオキシリボ核酸(DNA)(ファージゲノム)を包む長く伸びたカ
プセルをもつ細長い粒子を指す。よく知られている繊維状ファージにはfd、f
1およびM13が含まれる。繊維状ファージの成熟カプセルは、コート蛋白質(
gpVIII、gpIII、gpIV、gpVIIおよびgpIX)として知ら
れる5つの遺伝子コード生成物を含む。
【0010】 本発明の改造繊維状ファージは、野性型ファージのコート蛋白質をコードする
遺伝子および合成型コート蛋白質をコードする遺伝子を含む。好ましい実施態様
では、本発明のファージは、野性型コート蛋白質をコードする遺伝子および同じ
コート蛋白質の合成型をコードする遺伝子を含む。特に好ましい実施態様では、
コート蛋白質は大コート蛋白質gpVIIIである。
【0011】 改造ファージはまた誘発可能プロモーターを含む。誘発可能なプロモーターは
当技術分野では周知である。そのような特に好ましい周知のプロモーターはla
cプロモーターである。プロモーターと合成コート蛋白質の遺伝子との間に配置
されるものは、ヌクレオチド挿入物を受容するようにデザインされた方向性を有
するクローニング部位である。本明細書で用いられるように、"方向性を有する
クローニング部位"という語句は、挿入物中のポリペプチドコード配列の発現が
前記プロモーターの制御下にあるように、さらに前記ポリペプチドが合成コート
蛋白質との融合蛋白質として発現されるように挿入物を正しい方向で挿入する挿
入部位を指す。方向性を有する好ましいクローニング部位は、ヌクレオチド挿入
物の末端の制限酵素部位と同じである1対の制限酵素部位である。そのような1
対の制限酵素部位の好ましい例はXbaIおよびHindIIIである。
【0012】 改造ファージによって受容されるヌクレオチド挿入物は、翻訳開始部位、リー
ダー配列およびポリペプチドコード領域を含む。翻訳開始部位は当技術分野で周
知である。そのような翻訳開始部位の好ましい例はリボソーム結合部位である。
繊維状ファージで使用されるリボソーム結合部位は当技術分野で周知である(例
えば米国特許第5658727号を参照されたい(この文献は参照により本明細
書に含まれる))。リーダー配列はポリペプチドコード領域に対して上流に位置し
、ポリペプチドを細菌のペリプラズム膜に誘導するシグナルとして機能する。そ
のようなリーダー(シグナル)配列および繊維状ファージでの使用は当技術分野
では周知である(例えば米国特許第5658727号を参照されたい(この文献
は参照により本明細書に含まれる))。好ましいリーダー配列の例はompAであ
る。
【0013】 好ましい実施態様では、ポリペプチドはリガンド結合ヘテロダイマーレセプタ
ーである。好ましいヘテロダイマーレセプターには免疫グロブリン、I型または
II型主要組織適合抗原、リンパ球レセプター、インテグリンおよび同様なヘテ
ロダイマーレセプターが含まれる。免疫グロブリン(抗体分子)は、Fabまた
はFvフラグメント、または重鎖および軽鎖の可変ドメインの領域を含む抗体分
子のその他の部分であろう。 本発明によって作製されるレセプターは好ましくはヘテロダイマーで、したが
って通常は2つの異なるポリペプチド鎖で構成される。これらポリペプチド鎖は
共同して、予め定めたリガンドに対して、前記ポリペプチドのいずれか単独の場
合(すなわちモノマー)の親和性もしくは結合定数と異なる、好ましくは当該結
合定数より高い親和性もしくは結合定数を有する構造をとる。前記ヘテロダイマ
ーレセプターは、そのリガンドとの結合能力を暗示させるためにリガンド結合ヘ
テロダイマーレセプターと称される。
【0014】 好ましくは、異なるポリペプチド鎖の一方または両方が、免疫グロブリンの軽
鎖および重鎖の可変領域に由来する。典型的には、予め選択したリガンドに結合
させるために、軽鎖(VL)および重鎖(VH)可変領域を含むポリペプチドが一
緒に用いられる。 本発明の改造ファージに使用されるヌクレオチド挿入物は、当技術分野で知ら
れている任意の手段を用いて製造することができる。好ましい実施態様では、挿
入物は、本明細書でpORFESと称する開放読み枠発現分泌ベクターから得ら
れる。pORFESの1つ(pORFES−IV)が図2に模式的に示されてい
る。好ましいpORFESのヌクレオチド配列は、図5(pORFES−II、
配列番号:2)および図6(pORFES−IV、配列番号:3)に示されてい
る。
【0015】 図2に示したように、pORFES−IVは、ompAリーダー配列(下線部
)に先導されたβ−ラクタマーゼ遺伝子を4xGly−1xSerリンカー(下
線部)とともに含んでいる。リーダー配列とリンカーとの間に付加された塩基に
よってβ−ラクタマーゼのフレームシフトが生じる。リーダー配列とリンカーと
の間のNaeI部位によって平滑端をもつDNAのサブクローニングが可能にな
る。ベクターがβ−ラクタマーゼのフレームを回復させる挿入物を含まない場合
、ベクター骨格中のCAT遺伝子はクロラムフェニコールを用いてベクターの増
殖を可能にする。終止コドンを含まないβ−ラクタマーゼのフレームを回復させ
る挿入物の連結によってのみ、カルベニシリン耐性がもたらされるはずである。
XbaI/HindIIIクローニング部位は、改造ファージディスプレーベク
ター(例えばJC−M13−88)の適合部位でのクローニングを可能にする。
【0016】 MnCl2を含む70ngのDNA分解酵素でゲル精製ポリペプチドコード配
列を消化し、反応をEDTAの添加で終了させる。沈澱後、マングビーン(mung
bean)のヌクレアーゼでフラグメントを処理する。平滑端を有するフラグメント
を含む混合物をompAリーダー配列とβ−ラクタマーゼ遺伝子との間で制限酵
素消化したpORFESに連結する。正しい開放読み枠を回復し、融合β−ラク
タマーゼと一緒にペリプラズムに容易に搬送される挿入物のみが、β−ラクタム
系抗生物質耐性を付与する。連結生成物を電気穿孔により非抑圧大腸菌(E. col
i)にトランスフェクトし、100μg/mlのカルベニシリンを含むスーパーブ
ロス(Super Broth)で一晩37℃で増殖させる。トランスフェクション効率は、
100μg/mlのカルベニシリンの存在下または非存在下でクロラムフェニコ
ール含有寒天平板に部分標本を平板培養することによってモニターする。pOR
FESライブラリーDNAは一晩培養物から回収し、XbaIおよびHindI
IIで消化して挿入物を遊離させる。
【0017】 本明細書では、本発明の好ましい改造繊維状ファージをJC−M13−88と
称する。このファージの模式図は図1に、このファージのヌクレオチド配列(配
列番号:1)は図4に示されている。 本発明はさらにポリペプチド発現用キットを提供する。本キットは、本発明の
改造繊維状ファージの使用説明と一緒に前記ファージを含む。本キットはさらに
前記ファージを使用するために溶媒および試薬を含む。キットに含まれる好まし
いファージは上記で説明したものと同じである。
【0018】 III.改造繊維状ファージの使用 本発明はポリペプチドを発現する方法を提供する。ポリペプチドは、上記で説
明した改造繊維状ファージの表面で発現される。ポリペプチドは、ファージの大
コート蛋白質の合成型との融合蛋白質として発現される。適切なそのようなコー
ト蛋白質は上記で開示されている。
【0019】 本方法は、リボソーム結合部位コード領域、ポリペプチドの発現を細菌のペリ
プラズム膜に誘導するリーダー配列およびポリペプチドコード配列を含むヌクレ
オチド配列を、野性型ファージ大コート蛋白質をコードする遺伝子、誘発可能な
プロモーターおよび合成ファージ大コート蛋白質をコードする遺伝子を含む繊維
状ファージの方向性を有するクローニング部位に挿入する工程を含む。前記方向
性を有するクローニング部位は、誘発可能プロモーターと合成ファージ大コート
蛋白質をコードする遺伝子との間に位置する。本方法はさらに、前記繊維状ファ
ージを細菌中で増殖させる工程を含む。好ましいプロモーター、リーダー配列、
ポリペプチドおよび大コート蛋白質は上記で説明したものと同じである。方向性
を有する好ましいクローニング部位は1対の制限酵素部位を含む。そのような制
限酵素部位の例はXbaIおよびHindIIIである。本方法にしたがって抗
体ポリペプチドを発現させることについての詳細な説明は、以下の実施例で見い
だすことができるであろう。
【0020】 本発明の方法を用いてファージ上に表示されるポリペプチドの濃度は増殖条件
を変更することによって調節できる。増殖は、好ましくは約25℃から約37℃
の温度で、誘発可能プロモーターにより発現を誘発するインデューサーの存在下
または非存在下で実施される。ファージの増殖温度を下げることによって総ファ
ージ収量は減少するが、抗体表示の質は高められた。同様に、ファージ増殖時に
インデューサーを添加することによって、ファージ収量は減少したが、選別時の
ファージ回収は強化された。本方法はヘルパー/プラスミドを使用する必要がな
く、現存のファージディスプレー法を凌ぐ利点を有する。
【0021】 本方法を用いた場合、VH/κ−gpVIII融合物の組込みはファージの感
染性に外見上は影響を及ぼさず、標識実験によってリコンビナント分子は低濃度
で取り込まれることが示唆された。他のグループは、gpIIIまたはgpVI
IIのどちらかとの融合物として発現されたポリペプチドのファージフィラメン
トへの取り込みレベルを、間接法を用いて概算した(S. Bass et al., Proteins
: Structure, Function, and Genetics 8:309-314(1990); Garrard et al., Bio
/Technol. 9:1373-77(1991); Zhong et al., J. Biol. Chem. 269:24183-8(1994
))。得られた値はファージ集団内のコート蛋白質融合物の平均数値を示した。免
疫金標識による電子顕微鏡法を用いて、高濃度表示の条件下で調製したファージ
上のコート蛋白質融合物の分布を調べた。JC−M13−88ファージ粒子当た
りの標識の最大数は4であった。これはファージミドpComb8に関する以前
の実験と対照的で、その実験では、ファージ粒子上にF(ab)−gpVIII
分子が24も表示された(A.S. Kang et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88
:4363-66(1991))。ファージミド/ヘルパー系を用いた場合、融合物発現とヘル
パーレスキューとの間の間隔はファージ調製の初期段階まで延長でき、したがっ
てファージ産生の前に融合物の蓄積が可能で、これによっていくつかのファージ
粒子は20もの融合分子のコピーを取り上げることができる(ヘルパーおよびフ
ァージミドの両方で)。
【0022】 ファージのみの系では、融合分子およびファージ形態発生は、ヘルパーレスキ
ューの前にファージミドによって達成できる程度に融合物の取り込みが進むこと
を妨げ、融合物を表示しているファージのみがさらにそれをコードできるように
協調する。JC−M13−88ディスプレーベクターで観察された特徴の1つは
、ファージミドベクターにおけるgpVIIIまたはgpIIIとの融合物と対
照的に、実験の間ずっと完全な挿入物が保持されたことである。JC−M13−
88ファージに感染した細胞では、感染細胞の代謝要求は高く、はるかに弱いL
acプロモーターから駆動される融合物−gpVIII分子の添加はこの要求を
強く混乱させることはなく、したがって挿入物発現のロスは、明瞭な増殖上の利
点を与えることはないかもしれない。しかしながら、多くの外来DNA挿入物は
M13系ベクターでしばしば不安定であることは一般に知られている(例えば以
下の考察を参照されたい:Sambrook et al., Molecular Cloning: A laboratory
manual(1989))。ファージゲノム内での外来挿入物のサイズを減少させ、さらに
相同なヌクレオチド配列のサイズを減少させることは、挿入物/ファージに安定
性を付与するかもしれない。JC−M13−88では、これは、M13mp18
のlacZポリペプチドを非ファージリーダー配列(McGuiness et al., Nature
Biotech. 14:1149-54(1996)、およびgpVIIIの第二の合成コピーで置き換
えることによって達成された。
【0023】 ファージ収量に影響を与えるパラメーターは細菌の増殖に有利な条件と密接に
関連していた。細菌にとって最適な増殖条件はファージにとって最適な増殖条件
を提供するはずである。例えばファージ製造温度のようなファージ製造時の増殖
条件およびIPTGによる融合抗体発現の誘発を調べた。ファージ増殖温度の低
下によって総ファージ収量が低下したが、抗体表示の質は高められた。同様にフ
ァージ製造時のIPTG添加によってファージの収量は低下したが、選別時のフ
ァージの回収は強化された。選別実験でファージ増殖時の低温とIPTGの存在
を併用することによって、IPTG非存在下で37℃でファージを調製した場合
と比較して100倍以上ファージの回収が改善された。増殖温度の低下およびI
PTGの添加は、ファージ製造と抗体融合物のアッセンブリーに対して相乗作用
を有し、ファージ粒子当たりの表示レベルを高めるかもしれない。選別の初期ラ
ウンドでの表示濃度の強化は、より親和性の低い相互作用にアクセスするために
有利かもしれない。後期選別ラウンドで増殖条件を調節することによって、ファ
ージ集団の定性的特性を、"より低濃度"表示に有利なように変更することができ
る。ポリペプチドのファージディスプレーが得られるための要件は、大腸菌でリ
コンビナント蛋白質の生成、分泌およびアッセンブリーが達成されることであり
、これらは、アミノ酸配列の他に多くの因子によって影響を受ける(概説として
例えば以下を参照されたい:Marston et al., Escherichia coli. Biochem. J.
240:1-12(1986); Schein, Bio/Technol. 7:1141-9(1989))。
【0024】 温度を下げることによって、表示抗体の正確な折り畳みとアッセンブリーが促
進され、安定性に寄与できるかもしれない。本発明のデータは、IPTGの存在
下で低温でよく性状が調べられた抗体ファージを増殖させることによって、選別
実験で回収されるファージの数を増加させ、さらにファージフィラメントに取り
込まれるVH/κ−gpVIIIポリペプチドの数を増加させることを示してい
る。調べた全ての増殖温度で、IPTGの存在下で増殖させたファージは、IP
TG誘発なしに増殖させたファージよりも選別実験でより容易に回収された。対
照的に、ファージミド/ヘルパーファージ系を用いて増殖させた抗体−gpVI
IIファージによる実験では反対の状況が見いだされた(Kretzschmar & Geiser
, Gene 155:61-65(1995))。したがって増殖温度および融合分子の誘発を操作す
ることによって、結合力(高濃度表示、25℃、+IPTG)よるか、または親
和性(低濃度表示、37℃、−IPTG)によりアクセスするファージを調製す
ることができるはずである
【0025】 さらにまた、PCMO−BSAに対して大きく異なる親和性を有するが、PH
S−BSAに対しては識別できない親和性を有する抗体DB3の2つの変種(W
100およびR100)を区別する能力について本方法を査定した。PHS−B
SAまたはCMO−BSAのどちらについても、W100を越えるDB3R10
0の回収は、R100は両方のリガンドに対してより強い親和性を有することを
暗示している。 以下の実施例は本発明の好ましい実施態様を説明するもので、本発明を制限し
ようとするものではない。
【0026】実施例 実施例1:ファージの構築 オリゴヌクレオチドのアルファベット順リスト(下線は制限部位): DB3BALB 5'−TCT AGA AGC TTG CCC ACC CTC ATT CCT GTT GAA GCT−3'(配列番号:4) JC102 5'−GGC GCT GCT AGC GTA GCT CA
G GCT CAG GTG AAA CTG CTC GAG−3'(配列番
号:5) M13−JC117 5'−TCA TCA TAC TAG TGA TG
G CGT TCC TAT TGG T−3'(配列番号:6) M13−JC118 5'−AAG CTT ATG ATG TCT AG
GCT GTT TCC TGT GTG AA−3'(配列番号:7) SYNVIII−JC119 5'−TAA GCT TCT GGC GC
C GTC CCT GCA GAA GGT GA−3'(配列番号:8) SYNVIII−JC120 5'−AAG CTA GCT TAA AA
A AAA GCC CGC−3'(配列番号:9)
【0027】 改造M13の構築:プライマーM13−JC117、M13−JC118およ
びエキスパンド(登録商標)ロングテンプレートPCRシステム(ExpandTM Lon
g Template PCR System, Boehringer Mannheim)を用い複製型DNAから、バク
テリオファージM13mp18のヌクレオチド配列(Messing, Methods Enzymol
. 101:20-79(1983); Messing, Geen 100:3-12(1991); Yanisch-Peron et al., G
ene 33:103-119(1985))を以下のように増幅させた:94℃で2分、10サイク
ル;94℃で30秒、60℃で1分、68℃で6分、続いて伸長時間を1サイク
ル毎に20秒ずつ増しながら20サイクル)。標準的方法(Sambrook et al., M
olecular Cloning: A Laboratory manual(1989))を用い、PCR増幅M13mp
18をT4DNAポリメラーゼ、T4ポリヌクレオチドキナーゼおよび最後にT
4DNAリガーゼで連続的に処理した。大腸菌XL1−Blue株(Stratagene
)に前記の連結DNAをトランスフェクトし、文献(Sambrook et al., Molecul
ar Cloning: A Laboratory manual(1989))にしたがってIPTGおよびX−ga
lの存在下で標準的なM13プラークアッセイを実施した。複製型DNAを無色
のプラークから調製し、制限酵素消化物を分析して所望のDNA構築物を特定し
た。擬似gpVIIIをコードするDNA(野性型遺伝子と相同ではないが一次
配列はほとんど同一である)を、プライマーSynVIII−JC119および
SynVIII−JC120を用いてベクターf88−4(Zhong et al., J. B
iol. Chem. 269:24183-8(1994))から以下のようにPCRで増幅させた(94℃
で30秒、55℃で1分、72℃で1分を30サイクル)。TAクローニングキ
ットプラスミドpCRTMII(Invitrogen)を用いてPCR生成物をクローニン
グし、DNA挿入物の配列をDNAシーケンシングで確認した。合成gpVII
IをコードするDNAを改造M13に連結した。野性型gpVIIIおよび擬似
野性型gpVIIIを含む改造ファージをJC−M13−88と称した。
【0028】 DB3VH/κファージの構築:野性型抗プロジェステロン抗体DB3(He et
al., Immunology 84:662-668(1995); Wright et al., Nature 295:415-417(198
2))は、VHドメインの100位にトリプトファン残基を有する(W100と称す
る)。変異体単鎖VH/κ分子では100位はアルギニンである(R100と称
する)。DB3VH/κW100(He et al., Immunology 84:662-668(1995))
およびR100変種をコードするDNA配列をオリゴヌクレオチドプライマーJ
C102およびDB3BlaBを用いてPCR増幅し、Nhe−HindIII
フラグメントとしてプラスミドpORFESに連結し(開放読み枠/発現/分泌
)、さらに連結生成物を細菌にトランスフェクトした。プラスミドpORFES
は低コピー数プラスミドで、配列はベータラクタマーゼとの融合物として発現さ
れる。抗生物質による選別は、bla遺伝子と融合させたペプチドおよび抗体遺
伝子ライブラリーを開放読み枠と細菌中でのペリプラズム誘導の達成についてス
クリーニングするために用いた。pORFESによるDB3のサブクローニング
は、制限酵素部位を導入するために、さらに第二のリボソーム結合部位と正確な
DNA挿入物発現のためのompAリーダー配列を提供するために必要であった
。DB3VH/κ変種をコードする1.1キロベース対のDNAフラグメントを
XbaIおよびHindIIIを用いてpORFESから切り出し、続いてXb
aI/HindIII処理JC−M13−88に連結した。W100およびR1
00VH/κ分子をコードし表示するファージを作製した。
【0029】 ウェスタンブロッティング:M13mp18ファージまたはDB3R100フ
ァージをPEGで沈澱させ、SDSPAGEサンプル緩衝液(Laemli, Nature 2
77:680-685(1970))に再懸濁させた。1x1012pfuから得たポリペプチドを
12.5%のポリアクリルアミドゲルで分画し、続いて電気泳動でニトロセルロ
ース紙(NCP)に移した(Towbin et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 76:
4350-4354(1979))。NCPを先ず封鎖緩衝液(燐酸緩衝食塩水(PBS)中の4
%ウシ血清アルブミン(BSA)、0.02%NaN3)で、続いてヤギ抗マウ
スカッパ軽鎖アルカリホスファターゼ共役物(Southern Biotech)で保温した。
NCPをPBS0.05%トゥイーン20(PBS/T)で洗浄した後、標識ポ
リペプチドは文献(Harlow & Lane, Antibodies:A laboratory manual. Cold Sp
ring Harbor Laboratory Press, New York, 1988)に記載された色素形成基質を
用いて具現させた。
【0030】 実施例2:ファージの増殖 ファージ選別実験:特に記載がなければ、ファージは大腸菌(XL1−Blu
e株(Stratagene))でスーパーブロス(〔3−N−モルホリノ〕プロパン−スル
ホン酸、10g/l、バクトトリプトン30g/l、酵母抽出物20g/l、p
H7.0)中で37℃16時間増殖させ、使用培地からPEG−8000を用い
記載(Sambrook et al., Molecular Cloning: A laboratory manual(1989))にし
たがって回収した。取り外し可能なマルチウェルストリップ(Maxisorp, Nunc)
を、各ウェルにつき100μlのPCMO−BSA、PHS−BSAまたは抗マ
ウスカッパ軽鎖ヤギIgG(Southern Biotech)(これらは0.1Mの炭酸緩衝
液(pH9.6)で10μg/mlに希釈されている)で室温で一晩被覆した。
被覆溶液を封鎖緩衝液と交換し、室温で2時間後にPBS中の0.1%BSAで
希釈したファージ100μlを2組にウェルに加え、3時間室温で保温した。P
BS/T+0.1%BSAでウェルを5回(1回につき5分)洗浄し、結合ファ
ージをウェルにつき100μlの0.1Mグリシン(pH2.2)で15分間溶
出させ、等容積の1Mトリス−HCl(pH8.0)を添加して中和した。マル
チラウンドの抗原に対するファージ選別を必要とする実験では、次の選別ラウン
ドに必要なファージを作製するために、中和されるべき溶出液を新しく調製した
細菌に添加した。ファージ力価は記載(Sambrook et al., Molecular Cloning: A laboratory manual(1989))にしたがって標準的な方法で算定した。
【0031】 オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションおよびプラーク免疫染色工程:乾
燥ニトロセルロースフィルター(0.45μm、Schleicher & Schuell)を寒天
平板にはりつけてファージプラークのレプリカを作製した。1分後、フィルター
を取り除き、風乾してから真空オーブンで80℃で1時間乾熱処理した。予備ハ
イブリダイゼーション緩衝液(6倍xSSC中の0.25%脱脂粉乳)で68℃
1時間フィルターを保温した。2つの15bpのオリゴヌクレオチド、GAAG
TAACGGTTGAC(配列番号:10)およびGAAGTACCAGTTG
AC(配列番号:11)(これらは特異的態様でそれぞれDB3−R100およ
びW100変種にハイブリダイズするようにデザインされている)を、ジーニア
スファイブ3'末端標識キット(Boehringer Mannheim)を用い製造元の指示にし
たがって末端標識した。標識プローブを予備ハイブリダイゼーション緩衝液中で
フィルターに添加し、25℃で4時間保温した。新しい予備ハイブリダイゼーシ
ョン緩衝液で洗浄した後、フィルターを先ず封鎖緩衝液中で保温し、続いてアル
カリホスファターゼ共役抗ジゴキシゲニン抗体(Boehringer Mannheim)含有PB
S/Tに移した。プラーク免疫染色実験では、ニトロセルロース上のニトロセル
ロースプラークレプリカを上記のように作製したが、ただしフィルターは37℃
で2時間平板上に静置してから取り出し、上記のように封鎖処理した。封鎖処理
フィルターをアルカリホスファターゼ共役抗マウスまたは抗ヒトκ軽鎖抗体(So
uthern Biotech)とともに保温した。全てのフィルターをウェスタンブロット実
験について記載したように洗浄し現像したが、ただしハイブリダイゼーション実
験の場合は現像は4℃で一晩実施した。
【0032】 電子顕微鏡検査:5nmの金粒子とPHS−BSAまたはヤギ抗マウスカッパ
鎖との安定な複合体を、本質的には記載(Horisberger & Rosset, J. Histochem
. Cytochem. 25:295-305(1977); Slot & Geuze, Eur. J. Cell Biol. 38:87-93(
1985))にしたがって調製した。一切の未結合蛋白質が除去されたことを担保する
ために、記載(Slot & Geuze, Eur. J. Cell Biol. 38:87-93(1985))にしたがっ
て前記複合体を7%のグリセロールクッションを通して遠心した。沈澱複合体を
0.1%BSAおよび0.02%NaN3含有PBS中に再懸濁し、4℃で保存
した。ファージをIPTG(1%BSA含有PBSに希釈)の存在下で25℃で
調製するか、またはIPTGの非存在下で37℃で調製し、2x109pfuフ
ォームバー(Formvar)被覆ニッケルグリッド(200メッシュ)に適用した。未
結合ファージをPBSで洗浄して除去し、続いてPBS中の1%BSAを10分
接触させた。蛋白質−金複合体を手短に遠心し(700xg、2分)、希釈せず
にグリッドに適用した(約20μg蛋白質/ml)。30分後にグリッドをPB
Sで洗浄し、続いて電子顕微鏡検査での可視化のために1%酢酸ウラニルで染色
した。全ての保温は室温で湿潤雰囲気中で実施した。ファージと結合した金粒子
の数を定量するためにグリッド上の任意に選択した領域の写真を撮影した。 JC−M13−88表示ベクターはM13mp18を改造することによって構
築した。図1に示したように、b−ガラクトシダーゼa−相補ペプチドコード領
域をompAリーダー、抗体VH/κおよび合成gpVIIIカセットで置き換
えた。
【0033】 抗マウスκ軽鎖試薬をプローブとするポリエチレングリコール(PEG)で沈
澱させた抗体ファージポリペプチドのウェスタンブロットによって、約47キロ
ダルトン(kDa)で移動するただ1つの免疫反応性蛋白質が明示された。これ
はDB3R100VH/κ−gpVIIIポリペプチドの予想分子量(4465
6ダルトン)と類似している。M13mp18コントロールファージのポリペプ
チドは免疫反応性を示さなかった。この所見によって、DB3VH/κ−gpV
III分子はファージ粒子に組み込まれた(または少なくともファージとともに
沈澱することが確認された。IPTG誘発下で25℃で調製したファージを用い
て、電子顕微鏡によってフィラメント表面上の抗体の濃度を決定した。ファージ
当たりのプロジェステロン−11α−ol−ヘミスクシネート−ウシ血清アルブ
ミン(PHS−BSA)標識の数は、古典的分布パターンを用いた場合1(約3
4%のファージ)から4(約1%のファージ)まで変動した。約50%のファー
ジは機能的抗体を表示しなかった。IPTGの非存在下で37℃で調製したファ
ージは本質的に融合物を欠き、抗原またはヤギ抗マウスカッパ鎖と結合している
ことが認められたいくつかのファージは1価であった(3bおよびc)。野性型
M13mp18ファージの調製物はPHS−BSAまたはBSA金プローブのい
ずれでも標識されなかった。抗体ファージ収量およびそれに続く固定ステロイド
との結合による濃縮に対する増殖温度およびIPTGによる融合物誘発の影響を
調べた。低い増殖温度によって全体的なファージ産生は低下した。37℃で6時
間または30℃で16時間増殖させた培養は同じファージ力価(約1012プラー
ク形成単位(pfu)/ml)を有するが、一方、25℃で16時間増殖させた
培養の力価はさらに1/10に減少した。細菌培養に1mMのIPTGを添加す
ることによって、同等な増殖時間後の最終ファージ力価は1/3から1/4に減
少した。IPTG存在下で25℃およびIPTG非存在下で37℃で調製したフ
ァージの同等なpfuを用いた選別実験では、溶出ファージに100倍の違いが
認められた(表I)。
【0034】 表I DB3-R100ファージの 溶出pfuX# 溶出pfu/ 回収係数@ 増殖条件 (x104) 適用pfu(%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 37℃+IPTG 5.58(+/-0.3) 0.0279 5.5 37℃ 1.02(+/-0.04) 0.0051 1.0 30℃+IPTG 19.44(+/-0.8) 0.0972 19.1 30℃ 5.18(+/-0.2) 0.0259 5.1 25℃+IPTG 113.96(+/-11.2) 0.5698 111.7 25℃ 39.22(+/-2.84) 0.1961 38.5 M13mp18* 0.1(+/-0.04) 0.0005 0.1 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− *:DB3R100またはM13mp18ファージは異なる増殖条件を用いて
増殖させ、PCMO−BSAまたはBSAのみのいずれかを被覆したELISA
プレートに2x108プラーク形成単位を適用した。一定の時間を空けて、プレ
ートを洗浄し、結合ファージを酸で溶出させ溶出力価を測定した。 *:M13mp18はIPTGの非存在下で37℃で増殖させた。 #:数値は、BSAへの非特異的結合(2860+/−1690)について修
正した2つの別々の実験から溶出下プラーク形成単位の平均値を示す。実験誤差
の値は()内に示されている。 @:溶出ファージの量は、IPTG非存在下で37℃で産生されたDB3R1
00ファージ(数値1が与えられる)との比較で示されている。
【0035】 IPTGの存在下で低温で調製されたファージは、選別工程でより効果的に濃
縮できるようである。ファージに取り込まれた抗体量をウェスタンブロットによ
って分析した。IPTGの添加は融合ポリペプチド量をわずかに増加させた。3
7℃で調製したファージでは、約20kDaの免疫反応性をもつ種が少量認めら
れた。これは、おそらくファージ蓄積時のVH/VLが切断されるVH/κ−gp
VIIIポリペプチドの蛋白質分解によるものであろう。30℃および25℃で
調製されたファージでは、このバンドは検出されなかった。低温で調製されたフ
ァージはまた抗体融合物の取り込みが増加しているようであった。
【0036】 DB3に由来する組換え野性型ステロイド結合抗体フラグメントはVHドメイ
ンの100位にトリプトファンをコードし、W100と称される。2つのファー
ジW100およびR100は2つのヌクレオチドが異なっており、このヌクレオ
チドは、表示されるDB3のVHドメインの100位でコドンがそれぞれtgg
からcgt(アルギニン)に変化している。リコンビナントDB3VH/κW1
00およびR100変種のプロジェステロンおよび関連するステロイドに対する
親和性は以前に決定された(W100はPHS−BSAに対してKaは約109
/Mおよびプロジェステロン−3−カルボキシメチルオキシム(PCMO)−B
SAに対してKaは約107/M;R100変種はPHS−BSAに対してKa
は約109/MでPCMO−BSAに対してはKaは約1011/M)。しかしな
がら、著者らは、競合酵素連結免疫吸着アッセイ(ELISA)によるPHS−
BSAとの結合ではどちらのDB3変種も区別できなかった。W100およびR
100VH/κファージの混合物を、50000倍過剰ヒトVH/κ表示コントロ
ールファージ中に希釈し、プロジェステロンPCMO−BSA、PHS−BSA
または抗マウスカッパ軽鎖抗体について繰り返し選別した。ファージ混合物のモ
ック選別は非改変BSAで被覆したプレートを用いて実施した。ネズミ(DB3
)またはヒト(BR4)VH/κポリペプチドを表示しているファージの回収は
、ニトロセルロースフィルター上のプラークレプリカフィルターリフトの免疫染
色によってモニターした(表II)。
【0037】 表II 抗原で選別した後の濃縮係数# −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 選別回数* PHS−BSA PCMO−BSA 抗マウスκ軽鎖IgG −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 0 1 1 1 1 580 730 640 2 8.1x104 1.8x105 4.3x104 3 5.8x105 2.6x106 5.9x105 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−* :ネズミDB3W100とR100ファージの等混合物を50000倍過剰コ
ントロールファージBR4(ヒトVH/κ抗体を表示)中に希釈した。約1x1
10混合ファージを選別実験で用いた。# :この数字は、最初のファージ混合物(この場合を1とする)に対する溶出フ
ァージ中のDB3ファージ対BR4ファージの比率の増加を表す。ファージはI
PTGの非存在下で37℃で増殖させた。
【0038】 ファージ混合物内のDB3ファージの割合はステロイド被覆プレートでの1回
の選別の後700倍以上強化された。さらに選別の回数を重ねることによってこ
の割合は増したが、第一回目の選別はもっとも顕著な増加をもたらした。これは
、過剰なDB3ファージによって後の選別時には利用可能な結合部位が飽和され
ることによるのかもしれない。我々は、2つの別々の選別リガンドを利用し、ス
テロイド結合(すなわち機能的合体部位)および抗カッパ軽鎖結合(すなわちエ
ピトープ認識)による選別とを区別した。しかしながら、PHSおよびPCMO
を基にする選別によるコントロールファージに対するDB3ファージの同様な濃
縮率は、抗マウスκ軽鎖抗体に対する選別と平行していた。これは、カッパエピ
トープを保持するファージ上のVH/κ分子の大半(全てでないとしても)がま
たステロイド結合物を保持するという相関関係を示している。
【0039】 DB3R100またはW100変種をコードするファージの割合をレプリカフ
ィルターリフトとのオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションによって決定し
た(表III)。 表III 抗原選別後溶出したファージ中のDB3変種の割合(%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 選別回数* PHS−BSA PCMO−BSA 抗マウスκ軽鎖IgG −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 0 50+ 50 50 1 nd nd nd 2 99.65 96.96 82.1 3 100 98.75 79.15 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− *:同数のネズミDB3W100とR100ファージを含む混合物を5000
0倍過剰のコントロールファージBR4(ヒトVH/κ抗体を表示)中に希釈し
た。約1x1010の混合ファージを選別実験で用いた。 nd:測定せずを意味する。1回の選別後、ネズミDB3:ヒトBR4の比は
小さすぎこの値の正確な分析は可能ではなかった。 +:この実験に使用した最初のファージ混合物は同数のR100およびW10
0DB3ファージを含んでいた。 #:この数字は、R100変異体とともに溶出したネズミDB3ファージの割
合を表す。ファージはIPTGの非存在下で37℃で増殖させた。
【0040】 この濃縮が、ステロイドリガンド結合および/または増殖時の1つのDB3変
種の他の変種に対する増殖優位性の関数であるか否かを決定するために、BR4
(ヒトの抗体ファージ)が過剰に存在する2種のファージの1:1混合物を抗マ
ウスκ軽鎖抗体に対して選別した。ステロイド結合に左右されないこの濃縮は、
ファージの表示に影響を与える他の因子の評価を可能にするはずである。2回の
選別後、DB3ファージの82%がR100変種であった。この弁別はその後の
選別で維持されたが、いくぶんは予想された50%の数値から除去された(おそ
らくは、この割合の相違はその後のラウンドでも増加しなかったので、初期の選
別ラウンドで導入されたわずかな偏りのためによるものであろう)。一方、溶出
ファージ中のR100の割合は、PHSおよびPCMOステロイドの両方につい
ての選別の後で顕著に増加し、各選別毎に増加した。種々のステロイドに対する
DB3VH/κ変種の結合親和性に関する我々の知見からは、R100変種がP
CMO−BSAによる選別によってW100よりも優先的に濃縮されるという我
々の観察は予想されないものではなかった。しかしながら、PHS−BSAによ
る選別後の同様な濃縮は、DB3R100はこのリガンドに対してDB3W10
0よりもわずかに高い親和性をもつらしいことを暗示する。BSAによる"モッ
ク"選別は、コントロールファージBR4以上にはDB3抗体ファージを濃縮し
なかった。このことは、BR4ファージを凌ぐ、DB3ファージ変種のいずれに
よる潜在的増殖優位性も顕著ではないことを確認させた。さらにまた、プラーク
レプリカリフトの免疫染色によるリコンビナントファージの徹底的な分析にもか
かわらず、VH/κ遺伝子の損失を我々は観察しなかった。この発見は、JC−
M13−88中の単鎖抗体はおそらく安定であろうということを示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はJC−M13−88ファージ表示系の模式図である。VH/κは、Xb
aI−HindIIIフラグメントとしてpORFESからJC−M13−88
に挿入される。VH/κ分子は、合成gpIII遺伝子の生成物との融合物とし
て発現される。合成gpIII遺伝子はファージゲノムに存在する野性型とは相
同ではない。2つのリボソーム結合部位(RBS)からの発現はLacプロモー
ターによって制御され、VH/κ−gpIII融合分子はompAリーダー配列
によって細菌膜を通過し分泌のために誘導される。一本鎖のファージDNAは野
性型gpIIIによって被包化され、1つまたは2つ以上のVH/κ−gpII
I融合分子もまたファージのコート蛋白質に取り込まれるであろう。
【図2】 図2は、先選別開放読み枠発現分泌プラスミド(pORFES−IV)および
前記プラスミドの部分的ヌクレオチド配列の模式図である。
【図3】 図3は、電子顕微鏡によるファージフィラメントへのVH/κ−gpIII取
り込みの分析を示す。DB3R100抗体ファージをIPTGの存在下で25℃
で増殖させた。ファージをグリッドに塗布し、PHS−BSA金共役物をプロー
ブとして調べた。ファージ粒子の視覚的検査によってファージ当たりの金粒子の
分布を調べた。
【図4】 図4は、本発明の改造繊維状ファージのヌクレオチド配列(配列番号:1)を
示す。
【図5】 図5は、pORFES−IIのヌクレオチド配列(配列番号:2)を示す。
【図6】 図6は、pORFES−IVのヌクレオチド配列(配列番号:3)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW Fターム(参考) 4B024 AA20 BA61 CA04 CA07 DA20 EA03 FA02 FA08 GA11 GA27 HA01 4B064 AG26 AG32 CA12 CA19 CC24 DA13

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 改造繊維状ファージの野性型大コート蛋白質をコードする遺
    伝子;漏出性で誘発可能なプロモーター;前記ファージの合成大コート蛋白質を
    コードする遺伝子;リボソーム結合部位をコードする領域、細菌のペリプラズム
    膜へポリペプチド発現物を誘導するリーダー配列、およびポリペプチドコード領
    域を含む挿入物を受容するための方向性を有するクローニング部位を含む改造繊
    維状ファージ発現ベクターであって、前記方向性を有するクローニング部位が、
    前記プロモーターと前記ファージの合成大コート蛋白質コード遺伝子との間に位
    置する前記改造繊維状ファージ発現ベクター。
  2. 【請求項2】 前記プロモーターがlacプロモーターである請求項1のベ
    クター。
  3. 【請求項3】 前記ファージの野性型大コート蛋白質がgpVIIIである
    請求項1のベクター。
  4. 【請求項4】 前記ファージの合成大コート蛋白質がgpVIIIである請
    求項1のベクター。
  5. 【請求項5】 前記リーダー配列がompAである請求項1のベクター。
  6. 【請求項6】 前記繊維状ファージがM13である請求項1のベクター。
  7. 【請求項7】 前記ポリペプチドが、リガンド結合ヘテロダイマー抗体であ
    る請求項1のベクター。
  8. 【請求項8】 前記挿入物を含む請求項1のベクター。
  9. 【請求項9】 JC−M13−88と称される請求項1のベクター。
  10. 【請求項10】 配列番号:1の配列を有する請求項1のベクター。
  11. 【請求項11】 前記挿入物が先選択開放読み枠発現分泌プラスミドから得
    られる請求項1のベクター。
  12. 【請求項12】 前記先選択開放読み枠発現分泌プラスミドがpORFES
    −IIまたはpORFES−IVと称される請求項10のベクター。
  13. 【請求項13】 以下の工程を含むポリペプチドを発現させる方法: (a)リボソーム結合部位コード領域、細菌のペリプラズム膜へポリペプチド発
    現物を誘導するリーダー配列、およびポリペプチドコード領域を含む挿入物を、
    野性型ファージの大コート蛋白質をコードする遺伝子、誘発可能なプロモーター
    および合成ファージ大コート蛋白質をコードする遺伝子を含む繊維状ファージに
    挿入し;さらに (b)工程(a)の繊維状ファージを細菌中で増殖させることによって前記ポリ
    ペプチドを発現させる。
  14. 【請求項14】 前記リーダー配列がompAである請求項13の方法。
  15. 【請求項15】 前記ポリペプチドコード配列がリガンド結合ヘテロダイマ
    ー抗体をコードする請求項13の方法。
  16. 【請求項16】 前記誘発可能なプロモーターがlacプロモーターである
    請求項13の方法。
  17. 【請求項17】 前記の野性型ファージ大コート蛋白質がgpVIIIであ
    る請求項13の方法。
  18. 【請求項18】 前記の合成ファージ大コート蛋白質がgpVIIIである
    請求項13の方法。
  19. 【請求項19】 前記繊維状ファージがM13である請求項13の方法。
  20. 【請求項20】 前記ヌクレオチド配列挿入物が、先選択開放読み枠発現分
    泌プラスミドから得られる請求項13の方法。
  21. 【請求項21】 前記先選択開放読み枠発現分泌プラスミドがpORFES
    −IIまたはpORFES−IVと称される請求項20の方法。
  22. 【請求項22】 工程(a)から得られるファージを約25℃から約37℃
    の温度で増殖させる請求項13の方法。
  23. 【請求項23】 工程(a)から得られるファージを前記漏出性で誘発可能
    なプロモーターを誘発する薬剤の非存在下または存在下で増殖させる請求項22
    の方法。
  24. 【請求項24】 前記漏出性で誘発可能なプロモーターがlacプロモータ
    ーで、前記薬剤がイソプロピルチオ−β−D−ガラクトピラノシドである請求項
    23の方法。
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