JP2002520453A - カチオン重合性オレフィンの重合方法 - Google Patents

カチオン重合性オレフィンの重合方法

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アルキメデス・エレ・カラム
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Abstract

(57)【要約】 イソプレンおよびイソブチレンの混合物などのカチオン重合性オレフィンを重合して、ブチルゴムを製造するための方法。この方法は、大気圧以下の圧力において従来のカチオン重合触媒系の存在下で行う。好ましいカチオン重合触媒系は、CpTiMeおよびB(Cを含む。本方法を大気圧以下の圧力のもとでこのように行うことによって、望ましい分子量特性を有するポリマーを、従来の手段よりも高い温度で製造することができ、それにより、ポリマー製造物を製造する設備の資本コストおよび運転コストを低下させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、少なくとも1種のカチオン重合性オレフィンを重合するための方法
に関する。
【0002】 (背景技術) オレフィンのカチオン重合はこの分野では知られている。
【0003】 従来のカチオン重合は、(i)ルイス酸、(ii)ハロゲン基、エステル基、
エーテル基、酸基またはアルコール基を含有する三級アルキル開始剤分子、およ
び必要に応じて、(iii)酢酸エチルなどの電子供与体分子を含む触媒系を使
用して行われている。そのような触媒系は、カルボカチオンによるオレフィンの
いわゆる「リビング」重合および「非リビング」重合のために使用されている。
【0004】 触媒系の成分(ii)は、典型的には、下記の式を有する化合物である:
【化8】
【0005】 式中、R、RおよびRは、様々なアルキル基または芳香族基あるいはそ
の組み合わせであり、nは開始剤分子の数であり、Xは、カルボカチオン性の開
始部位が生じるようにルイス酸が変化を及ぼす官能基であり、すなわち、Xは、
典型的には、用いられるルイス酸に依存して、ハロゲン基、エステル基、エーテ
ル基、酸基またはアルコール基である。開始剤分子あたり1つまたは2つのX基
によって、実質的な線状ポリマーが製造されやすくなり、これに対して、開始剤
分子あたり3つ以上のX基によって、実質的な星状ポリマーが製造されやすくな
る。
【0006】 ハロゲンおよび/またはアルキル含有ルイス酸に基づく触媒系(例えば、三塩
化ホウ素および四塩化チタンなど)は、上記成分の様々な組み合わせが使用され
、典型的には、類似する方法特性を有している。いわゆる「リビング」重合系の
場合、−75℃〜−80℃で(890に等しい重合度に基づいて)30分で10
0パーセントの変換を達成するために、従来的には、ルイス酸の濃度は開始剤部
位の濃度を16倍〜40倍上回っている。
【0007】 いわゆる「リビング」重合系の例が米国特許第4,929,683号および米
国特許第4,910,321号に教示されている。これらのそれぞれの内容は参
考として本明細書中に援用される。詳細には、これらの特許は、カチオン性の重
合開始剤を形成させるために、錯体の対アニオンをも生成させる有機酸、有機エ
ステルまたは有機エーテルと組み合わせたルイス酸の使用を教示している。明ら
かに、このような錯体対アニオンは、プロトンの脱離には効果がなく、プロトン
の脱離をもたらさない。
【0008】 いわゆる「非リビング」重合系において、高分子量のポリイソブチレンが、実
際には、低温(−60℃〜−100℃)および1個の触媒分子/開始剤分子を超
えた触媒濃度でのみ調製されるだけである。実際、このような触媒系の多くは、
特定の狭い温度領域および濃度範囲において適用され得るだけである。
【0009】 近年、(この分野では「メタロセン」とも呼ばれる)シクロペンタジエニルの
遷移金属化合物と組み合わせた適合し得る非配位性アニオンを用いる新しい種類
の触媒系が開発されている。例えば、下記のいずれかを参照のこと: 欧州特許出願公開0,277,003A; 欧州特許出願公開0,277,004; 米国特許第5,198,401号;および 国際特許出願公開WO92/00333。
【0010】 これらの参考文献には、メタロセン(ビスシクロペンタジエニル遷移金属化合
物およびモノシクロペンタジエニル遷移金属化合物)がアニオン性前駆体によっ
てプロトン化され、その結果、アルキル/ヒドリド基が遷移金属から引き抜かれ
、遷移金属をカチオン性にし、そして非配位性アニオンによって電荷を均衡させ
る方法が教示されている。
【0011】 活性なプロトンを含有しないイオン性化合物を使用することもまた知られてい
る。例えば、下記のいずれかを参照のこと: 欧州特許出願公開0,426,637A;および 欧州特許出願公開0,573,403A。 イオン性触媒を作製するさらなる方法が欧州特許出願公開0,520,732A
に開示されている。付加重合用のイオン性触媒はまた、遷移金属化合物の金属中
心を、アニオン基とともに金属性酸化基を含有するアニオン性前駆体により酸化
することによって調製することができる。例えば、欧州特許出願公開0,495
,375Aを参照のこと。
【0012】 カチオン性の重合触媒系を不活性な支持体物質に固定化することもまたこの分
野では知られている。メタロセンカチオンおよび非配位性アニオンを含むイオン
性触媒を支持する方法が下記に記載されている: 国際特許出願公開WO91/09882;および 国際特許出願公開WO94/03506。
【0013】 さらに、米国特許第5,066,741号には、非配位性アニオンをシクロペ
ンタジエニル遷移金属誘導体と組み合わせて配位触媒の条件下で使用するシンジ
オタクチックポリスチレンまたはポリ(芳香族ビニル)の調製が教示されている
。米国特許第5,196,490号および同第4,808,680号には、アル
モキサンを使用する類似した方法が開示されている。
【0014】 Jordanは、the Journal of the American
Chemical Society(1986、108、1718〜1719
)において、テトラフェニルホウ素が、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジメチル、ならびに4,4’−ジメチルビピリジンおよび4−(ジメチルア
ミノ)ピリジンなどの嵩張らないルイス塩基との安定な錯体をCHCN中で形
成することを教示している。この参考文献はまた、テトラフェニルホウ素がTH
F溶液中で安定であることを教示している。
【0015】 ブチルゴムを製造するためにイソブチレン(少量のイソプレンとのその混合物
を含む)を含むオレフィンモノマーを重合することには、現在、特徴的な課題が
存在する。詳細には、この分野ではよく知られているように、重合反応は非常に
発熱的であるために、大規模な製造設備においては反応混合物を約−95℃に冷
却することが必要である。この条件は、新規な反応装置の設計および/または新
規な触媒系の開発に関するこの分野における進歩にもかかわらず依然として存在
している。
【0016】 従って、あまり厳しくない温度条件のもとで重合反応を行うことができるカチ
オン重合性オレフィン(特に、イソブチレンなどのオレフィン)、およびそのよ
うなオレフィンとジオレフィン(例えば、イソプレン)との混合物を重合するた
めの新規な方法を提供することは望ましい。そのような新規な方法が既存の製造
設備に容易に適合させることができる場合には特に有用である。
【0017】 (発明の開示) 本発明の目的は、先行技術の少なくとも1つの上記欠点を回避または緩和する
ことである。
【0018】 本発明の別の目的は、カチオン重合性オレフィンを重合するための新規な方法
を提供することである。
【0019】 本発明のさらに別の目的は、イソブチレンを含むオレフィンモノマーを重合す
るための新規な方法を提供することである。
【0020】 従って、1つの要旨において、本発明は、少なくとも1種のカチオン重合性オ
レフィンを大気圧以下の圧力においてカチオン重合触媒系の存在下で重合する工
程を含むカチオン重合性オレフィンの重合方法を提供する。
【0021】 別の要旨において、本発明は、イソブチレンを含むオレフィンモノマーの重合
方法であって、そのようなオレフィンモノマーを、大気圧以下の圧力において、
約−80℃よりも高い温度で、カチオン重合触媒系の存在下で重合する工程を含
む方法を提供する。
【0022】 このように、本発明により、カチオン重合性オレフィンを大気圧以下の圧力に
おいて重合することによって有用なポリマーが製造できることが見出されたこと
は驚くべきことであり、予想外であった。この発見は、イソプレンなどのジオレ
フィンを必要に応じて含有するイソブチレンを含むオレフィンの重合に適用され
たときには特に驚かされ、そして予想外である。詳細には、本発明の方法は、従
来よりも高い温度でのブチルゴムの製造に適用することができる。本方法の特に
このような適用によって、ブチルゴムの製造設備に関する資本費用および運転費
用の著しい節約がもたらされ得る。
【0023】 (発明を実施するための好適な実施形態) 従って、本発明の方法は、少なくとも1種のカチオン重合性モノマーの重合に
関する。当然のことではあるが、本発明の方法は、カチオン重合性モノマーを含
むモノマー混合物を重合するために使用することができる。そのような混合物は
、別のカチオン重合性モノマーおよび/または別の重合性モノマーを含むことが
できる。
【0024】 好ましくは、カチオン重合性オレフィンは、オレフィン、スチレン性オレフィ
ン、ヘテロ原子オレフィン、およびその混合物からなる群から選択される。
【0025】 好ましくは、そのようなオレフィンには、C〜C30オレフィンが含まれ、
より好ましくはC〜C20オレフィンが含まれる。有用なオレフィンの非限定
的な例は、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オ
クテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルドセセン、3−メチルペンテン−
1、3,5,5−トリメチルヘキセン−1、イソブチレン、2−メチルブテン、
2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカルバゾール、その混合物からな
る群から選択され得る。
【0026】 好ましくは、スチレン性オレフィンは、スチレン、C〜C60アルキルで置
換されたスチレン、およびその混合物からなる群から選択される。有用なスチレ
ン性オレフィンの非限定的な例は、スチレン、α−メチルスチレン、p−クロロ
スチレン、p−メチルスチレン、およびその混合物からなる群から選択され得る
【0027】 好ましくは、ヘテロ原子オレフィンは、アルキルビニルエーテル、アルキルア
ミン、アルケニルアミン、およびアリールアミンからなる群から選択される。有
用なヘテロ原子オレフィンの非限定的な例は、メチルビニルエーテル、イソブチ
ルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ビニルカルバゾール、およびその混
合物からなる群から選択され得る。
【0028】 好ましいモノマーには、イソブチレンおよびp−メチルスチレンの混合物が含
まれる。 特に好ましい実施形態において、重合を、少なくとも1種の重合性オレフィン
とジエンモノマーとの存在下で行う。ジエンモノマーは共役型または非共役型で
あり得る。
【0029】 ジオレフィンモノマーはこの分野ではよく知られており、本発明の方法におけ
る使用のためのその選択は当業者の範囲内である。非共役型ジオレフィンは、6
個〜15個の炭素原子を有する直鎖、分枝鎖または環状の炭化水素ジオレフィン
であり得る。例示的で非限定的な例は、1,4−ヘキサジエンおよび1,6−オ
クタジエンなどの直鎖の非環状ジオレフィン、5−メチルヘキサジエン−1,4
、7−メチルオクタジエン−1,6および7−メチルオクタジエン−1,7など
の分枝鎖の非環状ジオレフィン;1,4−シクロヘキサジエンおよび1,5−シ
クロオクタジエンなどの単環脂環状ジオレフィン、ならびにテトラヒドロインデ
ン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニリデ
ン−2−ノルボルネンおよび5−イソプロピリデン−2−ノルボルネンなどの多
環脂環状縮合ジオレフィンおよび橋かけ型環状ジオレフィンである。共役型ジオ
レフィンは、好ましくは、2,3−ジメチル−ブタジエン−1,3、イソプレン
、1,3−ブタジエン、およびその混合物からなる群から選択される。
【0030】 本明細書中上記に述べられているように、本発明の方法は、ブチルゴムポリマ
ーの調製において特に有利である。本明細書中で使用されている用語「ブチルゴ
ム」は、それそれがこれらの反応するモノマーの100重量部について、主要な
割合(例えば、約70重量部〜99.5重量部、通常的には85重量部〜99.
5重量部)のイソモノオレフィン(イソブチレンなど)を、少ない割合(例えば
、約30重量部〜0.5重量部、通常的には15重量部〜0.5重量部)の多価
オレフィン(例えば、イソプレンまたはブタジエンなどの共役型ジオレフィン)
と反応することによって調製されるポリマーを意味するものとする。イソオレフ
ィンは、一般にはC〜C化合物であり、例えば、イソブチレン、2−メチル
−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、および4−
メチル−1−ペンテンである。
【0031】 ブチルゴムの製造において使用される好ましいモノマー混合物は、イソブチレ
ンおよびイソプレンを含む。必要に応じて、スチレン、α−メチルスチレン、p
−メチルスチレン、クロロスチレン、ペンタジエンなどのさらなるオレフィン性
ターモノマーをブチルゴムポリマーに組み込むことができる。例えば、下記のい
ずれかを参照できる: 米国特許第2,631,984号 米国特許第5,162,445号;および 米国特許第5,886,106号。
【0032】 本発明の方法は大気圧以下の圧力において行う。好ましくは、本発明の方法を
行う圧力は、約100kPa未満であり、より好ましくは約90kPa未満であ
り、さらにより好ましくは約0.00001kPa〜約50kPaの範囲内であ
り、さらにより好ましくは約0.0001kPa〜約40kPaの範囲内であり
、さらにより好ましくは約0.0001kPa〜約30kPaの範囲内であり、
最も好ましくは約0.0001kPa〜約15kPaの範囲内である。
【0033】 本発明の方法には、カチオン重合系を使用することが含まれる。 好ましくは、カチオン重合系は、反応性カチオンおよび適合し得る非配位性ア
ニオンを含む。反応性カチオンは、オレフィンと反応してカルボカチオンによる
重合部位をもたらし得る任意のカチオンであり得る。
【0034】 「適合し得る非配位性アニオン」および「NCA」の用語は、本明細書中にお
いて交換可能に使用され、カチオンに配位しないアニオン、あるいはカチオンに
弱く配位するだけで、従ってオレフィンモノマーによって置換されるのに十分な
反応性を保持しているアニオンを包含するものとする。さらに、用語「適合し得
る非配位性アニオン」は、本発明の方法において使用されるカチオン重合系にお
ける安定化アニオンとして機能する場合、アニオン性の置換基またはそのフラグ
メントをカチオンに不可逆的に転移して、それにより中性の副生成物または他の
中性化合物を生成しないアニオンを特に示す。適合し得る非配位性アニオンは、
最初に形成された錯体が分解するとき、中性に分解しないアニオンである。
【0035】 そのような適合し得る非配位性アニオンの非限定的な例は、アルキルトリス(
ペンタフルオロフェニル)ホウ素(RB(pfp) )、テトラパーフルオロ
フェニルホウ素(B(pfp) )、テトラパーフルオロフェニルアルミニウ
ム、カルボラン、ハロゲン化カルボランなどからなる群から選択され得る。
【0036】 明確化するために、下記に示される式により、「イオン」状態の触媒成分が表
される。当然のことではあるが、当業者は、このような成分の多くが、示されて
いるように安定ではなく、中性状態の形態から得られることを容易に理解する。
例えば、下記の化学種は、典型的には、この状態では単独で存在しない:
【0037】
【化9】
【0038】 むしろ、これは、CpZrMeを、Me基を引き抜く別の化合物と反応さ
せることによって得られる。成分を「イオン」形態で記載するこのような慣例は
、説明するためにだけ使用され、決して限定として解釈してはならない。
【0039】 下記の参考文献には、そのような安定な中性形態、ならびにシクロペンタジエ
ニル遷移金属組成物およびNCAの合成が教示されている: 国際特許出願公開WO92/00333; 欧州特許出願公開0.129,368A; 欧州特許出願公開0,551,277A; 欧州特許出願公開0,520,732A; 欧州特許出願公開0,277,003A; 欧州特許出願公開0,277,004A; 欧州特許出願公開0,426,637A; 欧州特許出願公開0,573,403A; 欧州特許出願公開0,520,732A; 欧州特許出願公開0,495,375A; 米国特許第5,017,714号; 米国特許第5,055,438号; 米国特許第5,135,157号;および 米国特許第5,198,401号。
【0040】 イオン性化学種をその場(in situ)で生成し得る化合物の説明に関し
ては、欧州特許出願公開0,500,944Aおよび同第0,570,982A
のいずれかを参照のこと。これらの参考文献には、活性化アニオン性化合物を添
加する前に、またはその添加によってアルキルアルミニウム化合物をジハロ置換
メタロセン化合物と反応することを含むその場での方法が教示されている。
【0041】 置換されたカルボカチオンの安定な中性形態およびその合成が、米国特許第4
,910,321号、米国特許第4,929,683号、および欧州特許出願公
開0,341,012Aに記載されている。一般に、そのようなカルボカチオン
の安定な中性形態は、典型的には下記の式によって表される:
【0042】
【化10】
【0043】 式中、R、RおよびRは様々な置換または非置換のアルキル基または芳
香族基あるいはその組み合わせであり、nは開始剤分子の数であり、好ましくは
1以上であり、さらにより好ましくは1〜30の間であり、Xは、カルボカチオ
ン性の開始部位が生じるようにルイス酸が変化を及ぼす官能基である。このよう
な基は、典型的には、用いられるルイス酸に依存して、ハロゲン基、エステル基
、エーテル基、アルコール基または酸基である。
【0044】 置換されたシリリウムの安定な形態およびその合成の議論については、F.A
.Cotton、G.WilkinsonのAdvanced Inorgan
ic Chemistry(John Wiley and Sons、New
York、1980年)を参照のこと。同様に、スズ、ゲルマニウムおよび鉛
のカチオン性組成物の安定な形態ならびにその合成については、Diction
ary of Organomettallic compounds(Cha
pman and Hall、New York、1984年)を参照のこと。
【0045】 従って、本明細書中上記に述べられているように、好ましいカチオン重合系は
、(i)反応性カチオンおよび(ii)非配位性アニオンを含む。 適合し得る非配位性アニオンの好ましい種類には、化学的に安定な非求核性の
置換されたアニオン性錯体が含まれる。
【0046】 非配位性アニオンに関して、置換基またはそのフラグメントがカチオンに不可
逆的に転移して、中性分子が生成されるようにカチオンが中和されることを妨げ
るアニオン性錯体を形成し得る任意の金属化合物またはメタロイド化合物を使用
することができる。さらに、水中で安定な配位錯体を形成し得る任意の金属また
はメタロイドもまた、そのようなアニオンを含む組成物において使用または含有
することができる。好適な金属には、ホウ素、リン、ケイ素などが含まれるが、
これらに限定されない。当然のことではあるが、1個の金属原子またはメタロイ
ド原子を含有する配位錯体を含むアニオンを含有する化合物はよく知られており
、その多くが市販されており、特に、アニオン部分において1個のホウ素原子を
含有するそのような化合物が市販されている。この点に関して、1個のホウ素原
子を含有する配位錯体を含むアニオンを含有する塩が好ましい。
【0047】 好ましくは、非配位性アニオンは下記の式を有する:
【化11】
【0048】 式中、 M’は金属またはメタロイドであり; Q〜Qは独立して、橋かけ型ヒドリド基または非橋かけ型ヒドリド基、ジ
アルキルアミド基、アルコキシド基およびアリールオキシド基、ヒドロカルビル
基および置換されたヒドロカルビル基、ハロカルビル基および置換されたハロカ
ルビル基、ならびにヒドロカルビルおよびハロカルビルで置換された有機メタロ
イド基、ならびに任意のいずれかであり、ただし、Q〜Qの2つ以上はハラ
イドではあり得ず; mは、Mの形式原子価電荷を表す整数であり; nは配位子Qの総数であり;そして dは1以上の整数である。
【0049】 上記に示されているように、この場合のアニオンは、実際には、アニオンが反
応性カチオンと作用する前に除かれる正電荷成分と釣り合っていることが理解さ
れ得る。
【0050】 Mとして有用な金属の非限定的な例は、アルミニウム、金および白金からなる
群から選択され得る。Mとして有用なメタロイドの非限定的な例は、ホウ素、リ
ンおよびケイ素からなる群から選択され得る。
【0051】 好ましい実施形態においては、 M’はホウ素であり; n=4; QおよびQは、約6個〜約20個の炭素原子を含有する同じ、または異な
る芳香族炭化水素基または置換された芳香族炭化水素基であり、かつ安定な橋か
け基によって互いに連結されていてもよく;そして QおよびQは独立して、ヒドリド基、ヒドロカルビル基および置換された
ヒドロカルビル基、ハロカルビル基および置換されたハロカルビル基、ヒドロカ
ルビルおよびハロカルビルで置換された有機メタロイド基、二置換プニクトゲン
(pnictogen)基、置換されたカルコゲン基、ならびにハライド基であ
り、ただし、QおよびQは同時にハライドではない。
【0052】 NCAとして使用され得るホウ素成分の非限定的な例は、テトラ(フェニル)
ホウ素、テトラ(p−トリル)ホウ素、テトラ(o−トリル)ホウ素、テトラ(
ペンタフルオロフェニル)ホウ素、テトラ(o,p−ジメチルフェニル)ホウ素
、テトラ(m,m−ジメチルフェニル)ホウ素、(p−トリフルオロメチルフェ
ニル)ホウ素、およびその混合物などの四価ホウ素化合物からなる群から選択さ
れ得る。
【0053】 特に好ましい実施形態において、M=ホウ素、n=4、Q、QおよびQ はそれぞれが(C)であり、かつQは上記の通りである。そのような好
ましいNCAの非限定的な例には、Qが、メチル、ブチル、シクロヘキシルまた
はフェニルなどの単純なヒドロカルビルであるか、あるいはQが、ポリスチレン
、ポリイソプレンまたはポリ(パラメチルスチレン)などの鎖長がはっきりしな
いポリマー状ヒドロカルビルであるホウ素のトリフェニルメチル塩が含まれる。
【0054】 NCAの別の好ましい種類は、ボランおよびカルボランを含む、多数のホウ素
原子を含むそのようなNCAを含む種類である。カルボランNCAの非限定的な
例は、ドデカボラート、デカクロロデカボラート、ドデカクロロドデカボラート
、1−カルバデカボラート、1−カルバウンデカボラート、1−トリメチルシリ
ル−1−カルバデカボラート、およびその混合物からなる群から選択され得る。
ボラン錯体およびカルボラン錯体ならびにボランアニオンおよびカルボランアニ
オンの塩の非限定的な例は、デカボラン(14)、7,8−ジカルバデカボラン
(13)、2,7−ジカルバウンデカボラン(13)、ウンデカヒドリド−7,
8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボラン、6−カルバデカボラート(1
2)、7−カルバウンデカボラート、7,8−ジカルバウンデカボラートからな
る群から選択され得る。
【0055】 さらに、メタラボランアニオンを含むNCAもまた有用である。そのようなN
CAの非限定的な例は、ビス(ノナヒドリド−1,3−ジカルバノナボラト)コ
バルテート(III)、ビス(ウンデカヒドリド−7,8−ジカルバウンデカボ
ラト)フェレート(III)、ビス(ウンデカヒドリド−7,8−ジカルバウン
デカボラト)コバルテート(III)、ビス(ウンデカヒドリド−7,8−ジカ
ルバボラト)ニッケレート(III)、ビス(ノナヒドリド−7,8−ジメチル
−7,8−ジカルバウンデカボラト)フェレート(III)、ビス(トリブロモ
オクタヒドリド−7,8−ジカルバウンデカボラト)コバルテート(III)、
ビス(ウンデカヒドリドジカルバドデカボラト)コバルテート(III)、ビス
(ウンデカヒドリド−7−カルバウンデカボラト)コバルテート(III)、お
よびその混合物からなる群から選択され得る。
【0056】 カチオン重合系において使用される最も好ましいNCA組成物は、トリスパー
フルオロフェニルホウ素、テトラペンタフルオロフェニルホウ素アニオン、およ
び/または中心の金属分子またはポリマー錯体または粒子に共有結合した2つ以
上のペンタフルオロフェニルホウ素アニオン基を含有するそのような組成物であ
る。
【0057】 好ましいカチオン重合触媒系におけるそれ以外の成分は、カチオンおよびカチ
オン源の種々のクラスから選択される1種または2種以上の反応性カチオンを含
む。いくつかの好ましいクラスを下記に示す: (A)シクロペンタジエニル遷移金属錯体およびその誘導体; (B)置換されたカルボカチオン; (C)置換されたシリリウム; (D)下記にさらに記載されるようなプロトンを生成し得る組成物;および (E)ゲルマニウム、スズまたは鉛のカチオン性組成物。
【0058】 クラス(A)に関して、好ましいシクロペンタジエニル金属誘導体は、周期律
表の4族、5族または6族から選択される遷移金属のモノシクロペンタジエニル
誘導体、ビスシクロペンタジエニル誘導体またはトリスシクロペンタジエニル誘
導体からなる群から選択され得る。好ましい組成物には、モノシクロペンタジエ
ニル(モノCp)またはビスシクロペンタジエニル(ビスCp)の4族遷移金属
組成物が含まれ、特に、そのジルコニウム組成物、チタン組成物および/または
ハフニウム組成物が含まれる。
【0059】 好ましいシクロペンタジエニル誘導体は、下記の化合物からなる群から選択さ
れる遷移金属錯体である:
【0060】
【化12】
【0061】 [式中 (A−Cp)は(Cp)(Cp)またはCp−A’−Cpのいずれかであ
り; CpおよびCpは、0個〜5個の置換基Sで置換された同じシクロペンタジ
エニル環または異なるシクロペンタジエニル環であり、置換基Sのそれぞれは独
立して、ヒドロカルビル基、置換されたヒドロカルビル基、ハロカルビル基、置
換されたハロカルビル基、ヒドロカルビルで置換された有機メタロイド基、ハロ
カルビルで置換された有機メタロイド基、二置換ホウ素、二置換プニクトゲン(
pnictogen)基、置換されたカルコゲン基、またはハロゲン基からなる
群から選択される基であるか、あるいはCpおよびCpは、飽和または不飽和
の多環系シクロペンタジエニル配位子が形成されるように、任意の2つの隣接す
るS基が結合して、C〜C20の環系が形成されるシクロペンタジエニル環で
あり;
【0062】 Rは、シクロペンタジエニル基の1つにおける置換基であって、金属原子にも
結合している置換基であり; A’は、Cp環およびCp環、または(C5−y−x)基およびJ
R'(z−1−y)基の回転を制限するのに役立ち得る橋かけ基であり; Mは、4族、5族または6族の遷移金属であり; yは0または1であり; (C5−y−x)は、0個〜5個のS基で置換されたシクロペンタジ
エニル環であり; xは0〜5であり; JR'(z−1−y)は、Jが、3の配位数を有する15族元素であるヘテロ原
子配位子または2の配位数を有する16族元素であり、好ましくは、窒素、リン
、酸素またはイオウであるヘテロ原子配位子であり; R”はヒドロカルビル基であり; XおよびXは独立して、ヒドリド基、ヒドロカルビル基、置換されたヒドロ
カルビル基、ハロカルビル基、置換されたハロカルビル基、ならびにヒドロカル
ビルおよびハロカルビルで置換された有機メタロイド基、置換されたプニコゲン
基、または置換されたカルコゲン基であり;そして Lは、オレフィン配位子、ジオレフィン配位子またはアリーン配位子、あるい
は中性のルイス塩基である。
【0063】 カチオン重合触媒系において使用され得る他のシクロペンタジエニル化合物が
下記に記載されている: 欧州特許出願公開0,551,277A; 米国特許第5,055,438号; 米国特許第5,278,119号; 米国特許第5,198,401号;および 米国特許第5,096,867号。
【0064】 クラス(B)に関して、反応性カチオンの好ましい群には、下記の式を有する
カルボカチオン性化合物が含まれる:
【0065】
【化13】
【0066】 式中、R、RおよびRは独立して、水素、あるいは直鎖状、分枝状また
は環状の芳香族基または脂肪族基であり、ただし、R、RおよびRの1つ
だけは水素であり得る。好ましくは、R、RおよびRはいずれもHではな
い。好ましくは、R、RおよびRは独立して、C〜C20の芳香族基ま
たは脂肪族基である。好適な芳香族基の非限定的な例は、フェニル、トルイル、
キシリルおよびビフェニルからなる群から選択され得る。好適な脂肪族基の非限
定的な例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチ
ル、ノニル、デシル、ドデシル、3−メチルペンチルおよび3,5,5−トリメ
チルヘキシルからなる群から選択され得る。
【0067】 クラス(C)に関して、反応性カチオンの好ましい群には、下記の式を有する
置換されたシリリウムカチオン性化合物が含まれる:
【0068】
【化14】
【0069】 式中、R、RおよびRは独立して、水素、あるいは直鎖状、分枝状また
は環状の芳香族基または脂肪族基であり、ただし、R、RおよびRの1つ
だけは水素であり得る。好ましくは、R、RおよびRはいずれもHではな
い。好ましくは、R、RおよびRは独立して、C〜C20の芳香族基ま
たは脂肪族基である。より好ましくは、R、RおよびRは独立して、C 〜Cアルキル基である。有用な芳香族基の非限定的な例は、フェニル、トルイ
ル、キシリルおよびビフェニルからなる群から選択され得る。有用な脂肪族基の
非限定的な例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オ
クチル、ノニル、デシル、ドデシル、3−メチルペンチルおよび3,5,5−ト
リメチルヘキシルからなる群から選択され得る。反応性の置換されたシリリウム
カチオンの特に好ましい群は、トリメチルシリリウム、トリエチルシリリウムお
よびベンジルジメチルシリリウムからなる群から選択され得る。そのようなカチ
オンは、RSi−Hのヒドリド基を、適切な溶媒中でカチオンをもた
らすPhB(pfp)などのNCAで交換して、RSiB(
pfp)などの組成物を生成させることによって調製することができる。
【0070】 クラス(D)に関して、カチオン源は、非配位性アニオンまたは非配位性アニ
オンを含有する組成物と一緒にされたときにプロトンを生成する任意の化合物で
あり得る。プロトンは、非配位性の非求核性アニオンを含有する安定なカルボカ
チオン塩を、水、アルコールまたはフェノールと反応させて、プロトンおよび対
応する副生成物を生成させることから生じさせることができる。そのような反応
は、カルボカチオン塩の反応が、そのオレフィンとの反応と比較して、プロトン
化された付加物との場合に、より早いというときには好ましいことがある。プロ
トンを生成させる他の反応物には、チオール、カルボン酸などが含まれる。類似
する化学反応をシリリウム型触媒について行うことができる。別の実施形態にお
いて、低分子量のポリマー生成物が所望される場合には、脂肪族アルコールまた
は芳香族アルコールを加えて、重合を停止させることができる。
【0071】 プロトンを生じさせる別の方法は、重合を妨害しないルイス塩基の存在下にお
いて、1族または2族の金属カチオン(好ましくは、リチウム)を、水と、好ま
しくは湿った非プロトン性有機溶媒中で一緒にすることを含む。湿った溶媒は、
水が部分的または完全に飽和している炭化水素溶媒であると定義される。イソブ
チレンなどのルイス塩基が1族または2族の金属カチオンおよび水とともに存在
するときに、プロトンが生じることが認められた。好ましい実施形態においては
、1族または2族の金属カチオンが加えられたときに、活性な触媒が生じるよう
に、非配位性アニオンもまた「湿った」溶媒中に存在する。
【0072】 クラス(E)に関して、別の好ましいカチオン源は、置換されたゲルマニウム
カチオン、スズカチオンまたは鉛カチオンである。そのようなカチオンの好まし
い非限定的な例には、下記の式を有する物質が含まれる:
【0073】
【化15】
【0074】 式中、R、RおよびRは独立して、水素、あるいは直鎖状、分枝状また
は環状の芳香族基または脂肪族基であり、かつMは、ゲルマニウム、スズまたは
鉛であり、ただし、R、RおよびRの1つだけは水素であり得る。好まし
くは、R、RおよびRはいずれもHではない。好ましくは、R、R
よびRは独立して、C〜C20の芳香族基または脂肪族基である。有用な芳
香族基の非限定的な例は、フェニル、トルイル、キシリルおよびビフェニルから
なる群から選択され得る。有用な脂肪族基の非限定的な例は、メチル、エチル、
プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル
、3−メチルペンチルおよび3,5,5−トリメチルヘキシルからなる群から選
択され得る。
【0075】 さらに好ましい非配位性アニオンは、下記の式の化合物からなる群から選択さ
れる化合物を含む:
【化16】
【0076】 式中、 dは1以上の整数であり; Zは、OR、SR、SeR、NR 、PR 、AsR 、SbR 、F、Cl、BrおよびIからなる群から選択され、 Rは、水素、C〜C40アルキル、C〜C40シクロアルキル、C〜C 40 アリール、それらのハロゲン置換誘導体、およびそれらのヘテロ原子置換誘
導体からなる群から選択され; M’およびM”は同じまたは異なっていてもよく、そのそれぞれは下記の式を
有する:
【化17】 式中、 Mは金属またはメタロイドであり; Q〜Qは独立して、橋かけ型ヒドリド基または非橋かけ型ヒドリド基、ジ
アルキルアミド基、アルコキシド基およびアリールオキシド基、ヒドロカルビル
基および置換されたヒドロカルビル基、ハロカルビル基および置換されたハロカ
ルビル基、ならびにヒドロカルビルおよびハロカルビルで置換された有機メタロ
イド基、ならびに任意のいずれかであり、ただし、Q〜Qの2つ以上はハラ
イド基ではあり得ず;そして nは、Mの形式原子価電荷を表す整数である。
【0077】 好ましくは、Mは、B、Al、GaおよびInからなる群から選択される。こ
の実施形態において、好ましい非限定的なアニオンは四価ホウ素化合物である。
そのような化合物の非限定的な例は、トリ(フェニル)ホウ素、トリ(p−トリ
ル)ホウ素、トリ(o−トリル)ホウ素、トリ(ペンタフルオロフェニル)ホウ
素、トリ(o,p−ジメチルフェニル)ホウ素、トリ(m,m−ジメチルフェニ
ル)ホウ素、および(p−トリフルオロメチルフェニル)ホウ素からなる群から
選択され得る。
【0078】 好ましいカチオン重合系の反応性カチオンおよび非配位性アニオンの相互作用
に関するさらなる詳細を国際特許出願公開WO95/29940に見出すことが
できる。
【0079】 カチオン重合触媒系の特に好ましいタイプが米国特許第5,448,001号
に開示されている。場合により、この’001特許に開示されている共開始剤(
BRR’R”)を、本発明の方法におけるカチオン重合系の単独成分として使用
することは可能である。この方法は、イソブチレンホモポリマーなどのイソブチ
レン系ポリマーの製造には特によく適している。
【0080】 上記に記載されているように、本発明の方法は、ブチルゴムおよび他のイソブ
チレン系ポリマーの製造には特によく適している。特に、所望の物理的特性を有
するそのようなゴムおよびポリマーが、従来的に使用されているよりも高い温度
で製造され得ることが見出された。
【0081】 従って、本発明の方法は、約−80℃よりも高い温度で、好ましくは約−80
℃〜約25℃の範囲の温度で、より好ましくは約−40℃〜約25℃の範囲の温
度で、さらにより好ましくは約−30℃〜約25℃の範囲の温度で、さらにより
好ましくは約−20℃〜約25℃の範囲の温度で、最も好ましくは約0℃〜約2
5℃の範囲の温度で行うことができる。
【0082】 本発明の実施形態を、下記の実施例を参照して説明する。下記の実施例は、例
示するためにだけ提供され、本発明の範囲を限定するために、あるいは本発明を
解釈するために使用してはならない。
【0083】実施例1〜4 すべてのカラス器具を、120℃で少なくとも12時間加熱することによって
乾燥し、その後、窒素を充填したドライボックス内で組み立てた。窒素を、加熱
したBASF社の触媒およびモレキュラーシーブに順次通すことによって精製し
た。ジクロロメタンを、窒素下で水素化カルシウムとともに還流することによっ
て乾燥した。トルエンを、窒素下でベンゾフェノンナトリウムとともに還流する
ことによって乾燥した。これらの2つの溶媒は、使用直前に窒素下でその都度蒸
留した。
【0084】 ジエンモノマー(イソプレン(IP)または2,3−ジメチル−1,3−ブタ
ジエン(DMBD))をモレキュラーシーブで乾燥し、次いで蒸留した。イソブ
チレン(IB)を、モレキュラーシーブおよび酸化バリウムのカラムに通すこと
によって精製し、液体窒素に浸けた目盛り付きフラスコに凝結させた。IBを融
解して、その容量を記録し(約3mL〜約9mL)、次いで、IBを、液体窒素
浴に浸けることによって再凍結した。系を排気して10−1torr〜10−2 torrにし、IBを融解して、約−10℃〜約−6.5℃の範囲の温度で蒸留
して(IBの沸点は1気圧で−6.4℃である)、ガラス製の重合容器に入れた
。6mLの溶媒(トルエン)を、反応装置に取り付けられた凝縮器に加えた。I
Bの溶液を所望の温度(通常的には約−30℃)にした。
【0085】 CpTiMe(Cp≡η−ペンタメチルシクロペンタジエニル;Me
≡メチル;通常的には14mg、0.06mmol;ペンタンから再結晶)およ
びB(C(通常的には32mg、0.06mmol;昇華)をともに
1mL〜2mLの溶媒に溶解した溶液を、約1:1500の開始剤対モノマー比
が得られるように順次加えた。
【0086】 いくつかの実施例においては、IBの量の約1%(モル)に等しい量のジエン
を、開始剤および共開始剤を添加する前に反応容器に加えた。
【0087】 オレフィンおよび開始剤系の溶液を、一般には、静的な真空下および所定の温
度のもとで、できる限り長く攪拌した(「静的な真空」は、系がこの時点で閉じ
られ、圧力が、本質的には反応温度でのPIBの蒸気圧であることを意味する)
。多量のポリマー物質が、一般には、約2分後に沈澱し始め、そして反応を、5
mL〜10mLのメタノールを加えることによって10分後〜30分後に停止さ
せた。沈澱したポリマー物質を、ペンタンまたはヘキサンに溶解して、短いシリ
カカラムに通すことによって無機残留物から精製した。溶媒を減圧下で除き、固
体の白色ポリマーを60℃〜90℃で少なくとも2日間乾燥した。コントロール
の反応もまた、CpTiMeまたはB(Cだけを使用して行った
【0088】 表1には、真空の使用(真空が使用されなかった場合、重合は大気圧でのAr
(g)下で行われた)、イソプレンコモノマーの存在の有無、重合温度(T)、
ポリマー生成物の重量平均分子量(Mw)、およびポリマー生成物の多分散度(
Mw/Mn)が示されている。
【0089】
【表1】
【0090】 当業者には明らかであるように、真空は、実施例1および3における重合中に
は適用されなかった。従って、実施例1および3は、比較するためにだけ提供さ
れ、本発明には包含されない。
【0091】 表1の結果は、イソブチレンの重合を大気圧以下の圧力で行うこと(実施例2
)によって、イソブチレンの重合を大気圧下で行った場合(実施例1)と比較し
て、より大きなMwを有するポリマーが製造されるという結論を支持している。
同様に、表1の結果は、イソブチレン/イソプレンの重合を大気圧以下の圧力で
行うこと(実施例4)によって、イソブチレン/イソプレンの重合を大気圧下で
行った場合(実施例3)と比較して、より大きなMwを有するコポリマーが製造
されるという結論を支持している。
【0092】 本明細書中において参照されるすべての刊行物、特許および特許出願は、その
全体が参考として援用されるように、それぞれの個々の刊行物、特許および特許
出願が、特に、そして個々に示されている場合には、同じ程度にその全体が参考
として援用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 ミシェル・エイ・ペアレント カナダ、ケイ7エム・4ティ9、オンタリ オ、キングストン、オリンパス・アベニュ ー288番 Fターム(参考) 4J028 AA01A AB01A AC10A BA00A BA01B BB00A BB00B BC12B EB02 EB04 EB05 EB06 EB07 EB08 EB09 EB10 EB14 EB16 EB17 EB18 EB21 EB23 EB26 EC01 EC02 FA01 FA02 GA01 GA06 GB05 4J128 AA01 AB01 AC10 AD00 BA00A BA01B BB00A BB00B BC12B EB02 EB04 EB05 EB06 EB07 EB08 EB09 EB10 EB14 EB16 EB17 EB18 EB21 EB23 EB26 EC01 EC02 FA01 FA02 GA01 GA06 GB05

Claims (65)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種のカチオン重合性オレフィンを大気圧以下の
    圧力においてカチオン重合触媒系の存在下で重合する工程を含んでなるカチオン
    重合性オレフィンの重合方法。
  2. 【請求項2】 前記重合工程を約−80℃よりも高い温度で行う請求項1に
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記重合工程を約−80℃〜約25℃の範囲の温度で行う請
    求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記重合工程を約−40℃〜約25℃の範囲の温度で行う請
    求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記重合工程を約−30℃〜約25℃の範囲の温度で行う請
    求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記重合工程を約−20℃〜約25℃の範囲の温度で行う請
    求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記重合工程を約0℃〜約25℃の範囲の温度で行う請求項
    1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記大気圧以下の圧力は約100kPa未満である請求項1
    〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記大気圧以下の圧力は約90kPa未満である請求項1〜
    7のいずれか1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記大気圧以下の圧力は約0.00001kPa〜約50
    kPaの範囲内である請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記大気圧以下の圧力は約0.0001kPa〜約40k
    Paの範囲内である請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記大気圧以下の圧力は約0.0001kPa〜約30k
    Paの範囲内である請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記大気圧以下の圧力は約0.0001kPa〜約15k
    Paの範囲内である請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記カチオン重合系は、(i)反応性カチオンおよび(i
    i)非配位性アニオンを含む請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記反応性カチオンはシクロペンタジエニル遷移金属錯体
    を含んでなる請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記遷移金属錯体は、下記の化合物からなる群から選択さ
    れる化合物を含んでなる請求項15に記載の方法: 【化1】 [式中、 (A−Cp)は(Cp)(Cp)またはCp−A’−Cpのいずれかであ
    り; CpおよびCpは、0個〜5個の置換基Sで置換された同じシクロペンタジ
    エニル環または異なるシクロペンタジエニル環であり、置換基Sのそれぞれは独
    立して、ヒドロカルビル基、置換されたヒドロカルビル基、ハロカルビル基、置
    換されたハロカルビル基、ヒドロカルビルで置換された有機メタロイド基、ハロ
    カルビルで置換された有機メタロイド基、二置換ホウ素、二置換プニクトゲン(
    pnictogen)基、置換されたカルコゲン基またはハロゲン基からなる群
    から選択される基であるか、あるいはCpおよびCpは、飽和または不飽和の
    多環系シクロペンタジエニル配位子が形成されるように、任意の2つの隣接する
    S基が結合して、C〜C20の環系が形成されるシクロペンタジエニル環であ
    り; Rは、シクロペンタジエニル基の1つにおける置換基であって、金属原子にも
    結合している置換基であり; A’は、Cp環およびCp環、または(C5−y−x)基およびJ
    R'(z−1−y)基の回転を制限するのに役立ち得る橋かけ基であり; Mは、4族、5族または6族の遷移金属であり; yは0または1であり; (C5−y−x)は、0個〜5個のS基で置換されたシクロペンタジ
    エニル環であり; xは0〜5であり; JR'(z−1−y)は、Jが、3の配位数を有する15族元素または2の配位
    数を有する16族元素であり、好ましくは、窒素、リン、酸素またはイオウであ
    るヘテロ原子配位子であり; R”はヒドロカルビル基であり; XおよびXは独立して、ヒドリド基、ヒドロカルビル基、置換されたヒドロ
    カルビル基、ハロカルビル基、置換されたハロカルビル基、ならびにヒドロカル
    ビルおよびハロカルビルで置換された有機メタロイド基、置換されたプニクトゲ
    ン基、または置換されたカルコゲン基であり;そして Lは、オレフィン配位子、ジオレフィン配位子またはアリーン配位子、あるい
    は中性のルイス塩基である。]
  17. 【請求項17】 前記反応性カチオンは、下記の式を有するカチオン性化合
    物を含んでなる請求項14に記載の方法: 【化2】 [式中、R、RおよびRは独立して、水素、あるいは直鎖状、分枝状また
    は環状の芳香族基または脂肪族基であり、ただし、R、RおよびRの1つ
    だけは水素であり得る。]
  18. 【請求項18】 R、RおよびRはいずれもHではない請求項17に
    記載の方法。
  19. 【請求項19】 R、RおよびRは独立して、C〜C20芳香族基
    またはC〜C20脂肪族基である請求項17に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記芳香族基は、フェニル、トルイル、キシリルおよびビ
    フェニルからなる群から選択される請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記脂肪族基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペ
    ンチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、3−メチルペンチル
    および3,5,5−トリメチルヘキシルからなる群から選択される請求項19に
    記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記反応性カチオンは、下記の式を有するカチオン性化合
    物を含んでなる請求項14に記載の方法: 【化3】 [式中、R、RおよびRは独立して、水素、あるいは直鎖状、分枝状また
    は環状の芳香族基または脂肪族基であり、ただし、R、RおよびRの1つ
    だけは水素であり得る。]
  23. 【請求項23】 R、RおよびRはいずれもHではない請求項22に
    記載の方法。
  24. 【請求項24】 R、RおよびRは独立して、C〜C20芳香族基
    またはC〜C20脂肪族基である請求項22に記載の方法。
  25. 【請求項25】 R、RおよびRは独立して、C〜Cアルキル基
    である請求項22に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記芳香族基は、フェニル、トルイル、キシリルおよびビ
    フェニルからなる群から選択される請求項24に記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記脂肪族基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペ
    ンチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、3−メチルペンチル
    および3,5,5−トリメチルヘキシルからなる群から選択される請求項24に
    記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記反応性カチオンは、トリメチルシリリウム、トリエチ
    ルシリリウムおよびベンジルジメチルシリリウムからなる群から選択されるカチ
    オン性化合物を含んでなる請求項14に記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記反応性カチオンは、下記の式を有するカチオン性化合
    物を含む請求項14に記載の方法: 【化4】 [式中、R、RおよびRは独立して、水素、あるいは直鎖状、分枝状また
    は環状の芳香族基または脂肪族基であり、かつMは、ゲルマニウム、スズまたは
    鉛であり、ただし、R、RおよびRの1つだけは水素であり得る。]
  30. 【請求項30】 R、RおよびRはいずれもHではない請求項29に
    記載の方法。
  31. 【請求項31】 R、RおよびRは独立して、C〜C20芳香族基
    またはC〜C20脂肪族基である請求項29に記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記芳香族基は、フェニル、トルイル、キシリルおよびビ
    フェニルからなる群から選択される請求項31に記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記脂肪族基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペ
    ンチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、3−メチルペンチル
    および3,5,5−トリメチルヘキシルからなる群から選択される請求項31に
    記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記非配位性アニオンは下記の式を有する請求項14〜3
    3のいずれか1項に記載の方法: 【化5】 [式中、 M’は金属またはメタロイドであり; Q〜Qは独立して、橋かけ型ヒドリド基または非橋かけ型ヒドリド基、ジ
    アルキルアミド基、アルコキシド基およびアリールオキシド基、ヒドロカルビル
    基および置換されたヒドロカルビル基、ハロカルビル基および置換されたハロカ
    ルビル基、ならびにヒドロカルビルおよびハロカルビルで置換された有機メタロ
    イド基、ならびに任意のいずれかであり、ただし、Q〜Qの2つ以上はハラ
    イド基ではあり得ず; mは、Mの形式原子価電荷を表す整数であり; nは配位子Qの総数であり;そして dは1以上の整数である。]
  35. 【請求項35】 前記金属は、アルミニウム、金および白金からなる群から
    選択される請求項34に記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記メタロイドは、ホウ素、リンおよびケイ素からなる群
    から選択される請求項34に記載の方法。
  37. 【請求項37】 M’はホウ素であり; n=4; QおよびQは、約6個〜約20個の炭素原子を含有する同じ芳香族炭化水
    素基または置換された芳香族炭化水素基あるいは異なる芳香族炭化水素基または
    置換された芳香族炭化水素基であり、かつ安定な橋かけ基によって互いに連結さ
    れていてもよく; QおよびQは独立して、ヒドリド基、ヒドロカルビル基および置換された
    ヒドロカルビル基、ハロカルビル基および置換されたハロカルビル基、ヒドロカ
    ルビルおよびハロカルビルで置換された有機メタロイド基、二置換プニクトゲン
    基、置換されたカルコゲン基、ならびにハライド基であり、ただし、Qおよび
    は同時にハライドではない請求項34に記載の方法。
  38. 【請求項38】 M’はホウ素であり; n=4; Q、QおよびQはそれぞれが(C)であり;そして、 Qは上記の通りである請求項37に記載の方法。
  39. 【請求項39】 前記非配位性アニオンは、下記の式の化合物からなる群か
    ら選択される化合物を含んでなる請求項14〜33のいずれか1項に記載の方法
    : 【化6】 [式中、 dは1以上の整数であり; Zは、OR、SR、SeR、NR 、PR 、AsR 、SbR 、F、Cl、BrおよびIからなる群から選択され、 Rは、水素、C〜C40アルキル、C〜C40シクロアルキル、C〜C 40 アリール、それらのハロゲン置換誘導体、およびそれらのヘテロ原子置換誘
    導体からなる群から選択され; M’およびM”は同じまたは異なっていてもよく、そのそれぞれは下記の式を
    有する: 【化7】 式中、 Mは金属またはメタロイドであり; Q〜Qは独立して、橋かけ型ヒドリド基または非橋かけ型ヒドリド基、ジ
    アルキルアミド基、アルコキシド基およびアリールオキシド基、ヒドロカルビル
    基および置換されたヒドロカルビル基、ハロカルビル基および置換されたハロカ
    ルビル基、ならびにヒドロカルビルおよびハロカルビルで置換された有機メタロ
    イド基、ならびに任意のいずれかであり、ただし、Q〜Qの2つ以上はハラ
    イド基ではあり得ず;そして nは、Mの形式原子価電荷を表す整数である。]
  40. 【請求項40】 Mは、B、Al、GaおよびInからなる群から選択され
    る請求項39に記載の方法。
  41. 【請求項41】 前記非配位性アニオンは四価ホウ素化合物である請求項1
    4〜33のいずれか1項に記載の方法。
  42. 【請求項42】 前記四価ホウ素化合物は、トリ(フェニル)ホウ素、トリ
    (p−トリル)ホウ素、トリ(o−トリル)ホウ素、トリ(ペンタフルオロフェ
    ニル)ホウ素、トリ(o,p−ジメチルフェニル)ホウ素、トリ(m,m−ジメ
    チルフェニル)ホウ素、および(p−トリフルオロメチルフェニル)ホウ素から
    なる群から選択される請求項41に記載の方法。
  43. 【請求項43】 前記非配位性アニオンは、ボランおよびカルボランからな
    る群から選択される請求項14〜33のいずれか1項に記載の方法。
  44. 【請求項44】 前記非配位性アニオンは、ドデカボラート、デカクロロデ
    カボラート、ドデカクロロドデカボラート、1−カルバデカボラート、1−カル
    バウンデカボラート、1−トリメチルシリル−1−カルバデカボラートからなる
    群から選択される請求項14〜33のいずれか1項に記載の方法。
  45. 【請求項45】 前記非配位性アニオンは、デカボラン(14)、7,8−
    ジカルバデカボラン(13)、2,7−ジカルバウンデカボラン(13)、ウン
    デカヒドリド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボラン、6−カル
    バデカボラート(12)、7−カルバウンデカボラート、および7,8−ジカル
    バウンデカボラートからなる群から選択される請求項14〜33のいずれか1項
    に記載の方法。
  46. 【請求項46】 前記非配位性アニオンは、ビス(ノナヒドリド−1,3−
    ジカルバノナボラト)コバルテート(III)、ビス(ウンデカヒドリド−7,
    8−ジカルバウンデカボラト)フェレート(III)、ビス(ウンデカヒドリド
    −7,8−ジカルバウンデカボラト)コバルテート(III)、ビス(ウンデカ
    ヒドリド−7,8−ジカルバボラト)ニッケレート(III)、ビス(ノナヒド
    リド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボラト)フェレート(II
    I)、ビス(トリブロモオクタヒドリド−7,8−ジカルバウンデカボラト)コ
    バルテート(III)、ビス(ウンデカヒドリドジカルバドデカボラト)コバル
    テート(III)、およびビス(ウンデカヒドリド−7−カルバウンデカボラト
    )コバルテート(III)からなる群から選択される請求項14〜33のいずれ
    か1項に記載の方法。
  47. 【請求項47】 前記重合工程を実質的に無水の条件下で行う請求項1〜4
    6のいずれか1項に記載の方法。
  48. 【請求項48】 前記重合工程を希釈剤の実質的な非存在下で行う請求項1
    〜47のいずれか1項に記載の方法。
  49. 【請求項49】 前記重合工程を希釈剤の存在下で行う請求項1〜47のい
    ずれか1項に記載の方法。
  50. 【請求項50】 前記希釈剤は、極性希釈剤、非極性希釈剤、およびその混
    合物からなる群から選択される請求項49に記載の方法。
  51. 【請求項51】 前記希釈剤は、ハロ芳香族化合物、ヘキサン、ヘプタン、
    ハロゲン化炭化水素、およびその混合物からなる群から選択される請求項49に
    記載の方法。
  52. 【請求項52】 前記希釈剤は、メチルシクロヘキサン、エチルシクロへキ
    サン、プロピルシクロへキサン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、フルオロベ
    ンゼン、ヨードベンゼン、塩化メチル、塩化メチレン、塩化エチル、塩化プロピ
    ル、塩化ブチル、クロロホルム、およびその混合物からなる群から選択される請
    求項49に記載の方法。
  53. 【請求項53】 少なくとも1種のカチオン重合性オレフィンは、オレフィ
    ン、スチレン性オレフィン、ヘテロ原子オレフィン、およびその混合物からなる
    群から選択される請求項1〜52のいずれか1項に記載の方法。
  54. 【請求項54】 前記オレフィンはC〜C30オレフィンを含む請求項5
    3に記載の方法。
  55. 【請求項55】 前記オレフィンはC〜C20オレフィンを含む請求項5
    3に記載の方法。
  56. 【請求項56】 前記オレフィンは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペン
    テン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、ドデシルド
    セセン、3−メチルペンテン−1、3,5,5−トリメチルヘキセン−1、イソ
    ブチレン、2−メチルブテン、2−メチルペンテン、ビニルエーテル、ビニルカ
    ルバゾール、およびその混合物からなる群から選択される請求項53に記載の方
    法。
  57. 【請求項57】 前記スチレン性オレフィンは、スチレン、C〜C60
    ルキルで置換されたスチレン、およびその混合物からなる群から選択される請求
    項53に記載の方法。
  58. 【請求項58】 前記スチレン性オレフィンは、スチレン、α−メチルスチ
    レン、p−クロロスチレンおよびp−メチルスチレン、ならびにその混合物から
    なる群から選択される請求項53に記載の方法。
  59. 【請求項59】 前記ヘテロ原子オレフィンは、アルキルビニルエーテル、
    アルキルアミン、アルケニルアミン、およびアリールアミンからなる群から選択
    される請求項53に記載の方法。
  60. 【請求項60】 前記ヘテロ原子オレフィンは、メチルビニルエーテル、イ
    ソブチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ビニルカルバゾール、および
    その混合物からなる群から選択される請求項53に記載の方法。
  61. 【請求項61】 前記の少なくとも1種のカチオン重合性オレフィンはイソ
    ブチレンとp−メチルスチレンとの混合物を含んでなる請求項1〜52のいずれ
    か1項に記載の方法。
  62. 【請求項62】 前記重合工程を、前記の少なくとも1種のカチオン重合性
    オレフィンとジエンモノマーとの存在下で行う請求項1〜60のいずれか1項に
    記載の方法。
  63. 【請求項63】 前記ジエンモノマーは共役型である請求項62に記載の方
    法。
  64. 【請求項64】 前記の少なくとも1種のカチオン重合性オレフィンはイソ
    ブチレンとイソプレンとの混合物を含んでなる請求項1〜60のいずれか1項に
    記載の方法。
  65. 【請求項65】 前記ジエンモノマーは非共役型である請求項62に記載の
    方法。
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