JP2003501493A - フルベンをベースとする触媒系 - Google Patents

フルベンをベースとする触媒系

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、還元剤の存在下で遷移金属化合物と反応するフルベン化合物をベースとする触媒系であって、さらにその後、元素H−酸性化合物と反応し得る触媒系に関する。本発明は、更に、オレフィンおよび/またはジエンを重合および共重合するための触媒系の使用にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、還元剤の存在下で遷移金属化合物と反応し、その後、元素H−酸性
化合物と反応するフルベン化合物をベースとする触媒系、およびオレフィンおよ
び/またはジエンを重合および共重合するための前記触媒系の使用に関する。
【0002】 シクロペンタジエニル配位子を含む金属錯体は、フェロセンの発見により、重
要な調査の中心となっている。ビスシクロペンタジエニル金属錯体(メタロセン
)をオレフィンおよびジオレフィンを重合するために活性化助触媒、好ましくは
アルモキサンと一緒に使用することが長年知られている(例えば、欧州特許出願
公開第69951号公報、同第129368号公報、同第351392公報、同第485821号公報、
同第485823号公報)。メタロセンは、オレフィンを重合するのには非常に活性な
特殊な触媒であることが分かっている。シクロペンタジエニル配位子を1個だけ
含む金属錯体(ハーフ−サンドイッチ構造の錯体)は、特殊な重合触媒として助
触媒と組み合わせるのに適している(米国特許第5132380号公報、欧州特許第416
815号公報、国際特許出願公開第WO91/04257号公報、同第WO96/13529号公報
)。そのため、オレフィン化合物を重合するための多数の新しいメタロセン触媒
またはハーフサンドイッチ構造の触媒が、近年、活性、選択性、微細構造の制御
、分子量および分子量分布を高めるために開発されている。
【0003】 しかし、前記のMAOをベースとする触媒系は、後述の不利益を示す。第一に
、アルミノキサン、特にMAOは、in situまたは予備処理では高レベルの再現
性で精製できない。MAOは、互いに平衡して存在する、アルキルアルミニウム
を含有する様々な種類の混合物である。MAO中で生成するアルミニウム化合物
の数と構造は、正確には定義されていない。従って、MAOを含有する触媒系を
用いたオレフィンの重合は、必ずしも再現できるとは限らない。さらに、MAO
は、貯蔵安定性がなく、その組成物は、高温に晒されると変化する。一つの重大
な不利益は、メタロセンを活性化するのに必要なMAOが大過剰であることであ
る。高レベルの触媒活性を達成しようとする場合、高いMAO/メタロセン比は
必須である。このことは、精製中にアルミニウム化合物をポリマーから除去しな
ければならないことから、加工上の不利益をもたらす。MAOは、更に、コスト
決定因子でもある。高いMAO超過量は、産業上の用途において不経済である。
【0004】 従って、最近は、前記不利益を克服するために、アルモキサンを含まない重合
触媒が開発されている。例えば、ジョーダンらは、ジャーナル・オブ・ジ・アメ
リカン・ソサイエティ、第108巻(1986年)、7410頁に、対イオンとしてテトラ
フェニルボレートを含有しかつ塩化メチレン中でエチレンを重合する、カチオン
性ジルコノセン/メチル錯体を報告している。欧州特許出願公開第277003号公報
および同第277004号公報には、メタロセンとイオン化試薬を反応させることによ
って生成されるイオン性メタロセンが開示されている。欧州特許出願公開第4685
37号公報には、ジアルキルメタロセン化合物とテトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)ホウ素化合物を反応させることにより得られる、イオン性構造を有する触
媒が開示されている。イオン性メタロセンは、オレフィン重合用触媒として適し
ている。しかし、一つの不利益は、前記触媒の汚染物質(例えば、水分や酸素)
に対する顕著な敏感性である。そのため、重合反応を行うときには、用いるモノ
マーと溶媒の最高純度を確実にするために注意を払う必要がある。このことは、
技術的に非常に煩雑でコストがかかる。
【0005】 前記不利益を排除するために、欧州特許出願公開第427697号公報および国際特
許出願公開第WO92/01723号公報には、オレフィンを重合する方法が開示されて
いる。ここでは、メタロセンジクロライドとアルキルアルミニウムおよびテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素化合物との組み合わせが触媒系として使用
されている。メタロセン同士の組み合わせやアルキルアルミニウム単独は、重合
触媒としてほんのわずかに活性であるか、あるいは完全に不活性である。
【0006】 イオン性シクロペンタジエニル金属錯体の製造方法に関する先行技術には、イ
オン化試薬(例えば、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素化合物)が合
成し難いことがあり、そしてその使用が高いコストを伴うという不都合がある。
【0007】 フルベン配位子を含む金属錯体についてあまり知られていない。
【0008】 バーカウら著のJACS(1972年)、94、1219頁によれば、ビス(η-ペン
タメチルシクロペンタジエニル)ジメチルチタニウムの熱分解によってフルベン
錯体(η-2,3,4,5-テトラメチルシクロペンタジエニル-1-メチレン)(η-ペン
タメチルシクロペンタジエニル)メチルチタニウムが得られる。マークスら著の
JACS(1988年)、110、7701頁には、ジルコニウムおよびハフニウムのペン
タメチルシクロペンタジエニル錯体の熱分解が開示されている。ビス(η-ペン
タメチルシクロペンタジエニル)ジフェニルジルコニウムの熱分解は、フルベン
錯体(η-2,3,4,5-テトラメチルシクロペンタジエニル-1-メチレン)(η-ペン
タメチルシクロペンタジエニル)フェニルジルコニウムを生成する。
【0009】 ドイツ特許第19732804号公報には、フルベン金属錯体の加熱生成方法、および
助触媒と共の重合触媒としてのその使用が開示されている。別の出願には、フル
ベン金属錯体およびその製造方法が開示されている(ドイツ特許出願第19765742
.8号)。上記加熱プロセスで生成できないフルベン金属錯体は、フルベン化合物
を適した遷移金属錯体と還元剤の存在下で反応させることによって高収率で得ら
れる。フルベン配位子の直接的な導入により、多数の新規なフルベン金属錯体が
より容易に得られる。助触媒と組み合わせると、特定の重合触媒が得られる。こ
の触媒活性は、メタロセン系触媒の活性に匹敵する。
【0010】 フルベン金属錯体が空気や水分に非常に敏感であることは不都合である。その
ため、フルベン金属錯体は、不活性ガス条件下で生成および貯蔵されなければな
らない。
【0011】 本発明の目的は、前記の不都合を少なくとも部分的に回避する触媒系を見つけ
出すことであった。別の目的は、合成が容易で、産業上取り扱い易く、かつ直接
的には特にオレフィン化合物の重合に活性であり得る、安定な触媒を探すことで
あった。
【0012】 もう一つの目的は、適した環境下でアルキルアルミニウムによって活性化でき
る触媒を提供することであった。
【0013】 驚くべきことに、1種以上のヘテロ原子を含有するH-酸性化合物と組み合わ
せたフルベン金属錯体をベースとする触媒が、特に上記目的に適していることが
分かった。
【0014】 本発明は、還元剤の存在下で、a)下記式(I)のフルベン化合物を、b)下
記式(II)の遷移金属化合物と反応させた後、その反応生成物をc)下記式(II
I)の化合物と反応させることによって生成される触媒系を提供することである
【化5】 (式中、R、R、R、R、R、Rは、同一または異なって、水素、
ハロゲン、シアノ基、C〜C20アルキル基、C〜C10フルオロアルキル
基、C〜C10フルオロアリール基、C〜C10アルコキシ基、C〜C アリール基、C〜C10アリーロキシ基、C〜C10アルケニル基、C 〜C40アリールアルキル基、C〜C40アルキルアリール基、C〜C40 アリールアルケニル基、C〜C10アルキニル基、C〜C10炭化水素残基
で置換されたシリル基、C〜C10炭化水素残基で置換されたスルフィド基、
任意にC〜C10炭化水素残基で置換されたアミノ基を表すか、あるいはR 、R、R、R、R、Rはそれぞれ、それらと結合する原子と合わせて
、O、NおよびSから成る群より選択される1種以上のヘテロ原子を含有する1
種以上の脂肪族または芳香族の環系を形成し、かつ炭素原子5〜10個を含有す
る。)
【化6】 A(X) (II) (式中、Mは、IUPACに準拠する元素周期表の第3類、第4類、第5類ま
たは第6類、またはランタニドもしくはアクチニドから選択される金属であり、
Aは、任意に単架橋または多架橋されたアニオン性配位子を表し、Xは、C 〜C10アルキル基、C〜C10アルコキシ基、C〜C10アリール基、C 〜C10アリーロキシ基、C〜C10アルケニル基、C〜C40アリール
アルキル基、C〜C40アルキルアリール基、C〜C40アリールアルケニ
ル基、C〜C10炭化水素残基で置換されたシリル基、ハロゲン原子またはN
で表されるアミドを表し、Rは、水素、C〜C20アルキル基、C 〜C20アリール基、C〜C40アリールアルキル基、C〜C40アルキル
アリール基、C〜C10炭化水素残基で置換されたシリル基、任意にC〜C 20 炭化水素残基で置換されたアミノ基を表し、Lは中性配位子を表し、sは、
2、3、4、5または6の数を表し、mは、Mの原子価および結合状態から生
じる0、1、2、3または4の数を表し、およびnは、0〜10の数である。)
【化7】 RYH (III) (式中、Rは、C〜C30アルキル基、任意に置換されたC〜C20アリ
ール基、C〜C40アリールアルキル基、C〜C40アルキルアリール基、
〜C10炭化水素残基で置換されたシリル基、または水素を表し、Yは、酸
素原子、硫黄原子、NRで表される基、PRで表される基、またはC(R
)=Nで表される基を表し、ここでRおよびR10は、Rと同じ意味を有
する。)
【0015】 特に挙げられるフルベン化合物は、式(I)中、R〜Rが、C〜C20 アルキル基、C〜C20アリール基、C〜C40アルキルアリール基、特に
、水素、メチル、トリフルオロメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-
ブチル、イソブチル、tert-ブチル、フェニル、ペンタフルオロフェニル、メチ
ルフェニル、シクロヘキシル、ベンジルおよびジメチルアミノを表すものである
【0016】 好ましい式(I)の化合物は、式(Ia)または式(Ib)のフルベン化合物
である。
【化8】
【化9】 (式中、R、R、RおよびRは、上記の意味を有する。)
【0017】 特に好ましい式(I)の化合物は、6-シクロヘキシルフルベン、6-イソ-プロ
ピルフルベン、6-tert-ブチルフルベン、6-フェニルフルベン、6-(ジメチルアミ
ノ)フルベン、6,6-ビス(ジメチルアミノ)フルベン、6,6-ジメチルフルベン、6,6
-ビス(トリフルオロメチル)フルベン、6,6-ジフェニルフルベン、6,6-ビス(ペン
タフルオロフェニル)フルベン、6,6-ペンタメチレンフルベン、6,6-テトラメチ
レンフルベン、6,6-トリメチレンフルベン、2-(2,4-シクロペンタジエン-1-イリ
デン)-1,3-ジチオラン、5-ベンジリデン-1,2,3-トリフェニル-1,3-シクロペンタ
ジエン、1,2,3,4-テトラメチルフルベン、1,2,3,4-テトラフェニルフルベン、2,
3-ジメチルフルベン、2,3-ジイソプロピルフルベン、2,3-ジフェニルフルベン、
1,4-ジメチル-2,3-ジフェニルフルベンおよび1,4-ジエチル-2,3-ジフェニルフル
ベンである。
【0018】 式(I)または(Is)および(Ib)のフルベン化合物は、例えばジャーナ
ル・オブ・ジ・オーガニック・ケミストリー、第49巻、第11号(1984年)18
49頁に従って合成されてよい。、
【0019】 考えられ得る式(II)の遷移金属錯体は、Mが、チタン、ジルコニウム、ハ
フニウム、バナジウム、ニオブ、タンタルおよびクロムから選択される金属であ
り、Aが、N11 (ここで、R11は、C〜C10アルキル基また
はC〜C10アリール基を表す)で表されるピラゾレート、RB(N11 で表されるピラゾリルボレート、ORで表されるアルコキシドま
たはフェノレート、OSiR で表されるシロキサン、SRで表されるチオ
レート、(RCO)CRで表されるアセチルアセトネート、(RN=CR
)で表されるジイミン、RC(NR )で表されるアミジネート、C
8−q(ここでqが0、1、2、3、4、5、6または7を表す)で表
されるシクロオクタテオラエニルであり、ここで、Rは、上記と同じ意味を有
し、Lが、エーテル、チオエーテル、環状エーテルもしくは環状チオエーテル、
アミンまたはホスフィンを表し、X、R、m、nおよびsが上記と同じ意味
を有するものである。
【0020】 式(II)で表される特に好ましい遷移金属錯体は、Mが、チタン、ジルコニ
ウムおよびハフニウムを表しXが、フッ素、塩素または臭素を表し、Lが、ジ
エチルエーテルまたはテトラヒドロフランを表し、mが0を表し、sが2,3ま
たは4の数を表し、およびnが0、1、2、3または4の数を表すものである。
【0021】 好ましくは、考えられ得る式(III)の化合物は、以下の式(IIIa)、式(II
Ib)または式(IIIc)で表される化合物である。
【化10】 (式中、Yは、上記の意味を有し、そして、R11、R12、R13、R14
よびR15は、同一または異なって、水素、ハロゲン、シアノ基、C〜C20 アルキル基、C〜C10フルオロアルキル基、C〜C10フルオロアリール
基、C〜C10アルコキシ基、C〜C20アリール基、C〜C10アリー
ロキシ基、C〜C10アルケニル基、C〜C40アリールアルキル基、C 〜C40アルキルアリール基、C〜C40アリールアルケニル基、C〜C アルキニル基、C〜C10炭化水素残基で置換されたシリル基、C〜C 炭化水素残基で置換されたスルフィド基、任意にC〜C20炭化水素残基で
置換されたアミノ基を表すか、あるいはR11、R12、R13、R14および
15はそれぞれ、それらと結合する原子と合わせて、O、NおよびSから成る
群より選択される1種以上のヘテロ原子を含有しかつ炭素数が5〜10の1種以
上の脂肪族または芳香族の環系を形成する。)
【化11】
【化12】 (式中、R、RおよびR10は、上記と同じ意味を有するか、あるいは式(
IIIb)中のRおよびR10は、それらと結合する窒素原子と合わせて、また
は式(IIIc)中のRおよびR10はそれらと結合する炭素原子と合わせて、
O、NおよびSから成る群より選択される1種以上のヘテロ原子を含有する、任
意に置換された1種以上の脂肪族または芳香族の環系を形成する。)
【0022】 式(IIIb)で表される好ましい化合物としては、メチルアミン、エチルアミ
ン、イソプロピルアミン、n-ブチルアミン、tert-ブチルアミン、シクロヘキシ
ルアミン、トリメチルシリルアミン、アニリン、トルイジンのような第1級アミ
ン、またはジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ-イソプロピルアミン、ジ-n-ブ
チルアミン、ジ-tert-ブチルアミン、ジフェニルアミン、メチルフェニルアミン
、tert-ブチルメチルアミン、tert-ブチルトリメチルシリルアミン、ビス(トリ
メチルシリル)アミン、N-メチルアニリンのような第2級アミン、あるいはピロ
リジン、ピペリジン、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、ピペラジンのような脂
肪族複素環式アミン、またはピロール、ピラゾール、イミダゾール、インドール
、カルバゾールのような芳香族複素環式アミンが挙げられる。
【0023】 式(IIIc)の好ましい化合物としては、アセトアルジミン、プロピオンアル
ジミン、ピヴァリンアルジミン、ベンズアルジミンのようなアルジミン、または
メチルtert-ブチルケチミン、ジシクロヘキシルケチミンおよびベンズフェノン
イミンのようなケチミンが挙げられる。
【0024】 式(IIIa)の特に好ましい化合物は、Yが酸素原子を表し、そしてRが上
記の意味を有するものである。このような化合物は、1-ナフトール、2-ナフトー
ル、1-フェナントロール、2-メチルフェノール(o-クレゾール)、4-メチルフェ
ノール(m-クレゾール)、6-メチルフェノール(p-クレゾール)、2-イソプロピ
ルフェノール、2,6-ジイソプロピルフェニル、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、
2,6-ジ-tert-メチルフェノール(イオノール)、ペンタフルオロフェノール、3,
5-ビス(トリフルオロメチル)フェノール、2-メトキシフェノール、グアヤコール
、アノール、2-メトキシ-4-アリルフェノール(オイゲノール、イソオイゲノー
ル、サリゲニン、カルバクロール、チモール、2-ヒドロキシアセトフェノン、4-
ヒドロキシアセトフェノンン、2-ヒドロキシジフェニル、4-ヒドロキシジフェニ
ル、2-シクロヘキシルフェノール、4-シクロヘキシルフェノール、アミノフェノ
ールのような1価のフェノール、ピロカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノ
ン、ピロガロール、フロログルシノールのような多価フェノールを包含する。
【0025】 本発明は、触媒系の製造方法も提供する。本発明の触媒系の成分a)、b)お
よびc)は、固定した順序で反応させる。すなわち、成分a)とb)を最初に互
いに反応させる。この反応は、成分a)が還元剤の存在下において適した溶媒中
で成分b)と反応するような方法で行ってよい。成分a)とb)のモル比は、1
00:1〜0.1:1、好ましくは10:1〜0.5:1の範囲である。成分a
)は、特に好ましくは、成分b)とモル比1:1で使用される。得られる反応生
成物を単離して、次の反応段階で成分c)と接触させる。成分b)とc)のモル
比は、好ましくは10:1〜0.5:1の範囲である。成分b)は、特に好まし
くは、成分c)とモル比1:1で使用される。場合によっては、成分a)とb)
との反応からの反応生成物の前記単離を免除することもできる。
【0026】 好適な還元剤の例は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、亜鉛
、ナトリウム−カリウムアロイまたはナトリウムアマルガムのようなアルカリ金
属類のアロイ、アルカリ土類金属類のアロイ、および金属水素化物である。金属
水素化物の例は、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化マグネシウム、水
素化アルミニウム、水素化アルミニウム-リチウム、および水素化ホウ素ナトリ
ウムである。還元剤の具体例は、ナトリウムナフタレニド、カリウムグラファイ
ト、アルキルリチウム、マグネシウムブタジエン、マグネシウムアントラセン、
トリアルキルアルミニウム化合物およびグリニャール試薬である。好ましい還元
剤は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属、C〜Cアルキルリチウム、ト
リ-C〜C-アルキルアルミニウム化合物、およびエチルマグネシウムクロラ
イドのようなグリニャール試薬である。特に好ましい還元剤は、リチウム、ナト
リウムアマルガム、マグネシウムおよびn-ブチルリチウムである。前記還元剤の
代わりに、電気化学的に還元を行うことも可能である。
【0027】 本発明の触媒系の製造方法は、−100〜+250℃の温度、好ましくは−7
8〜+130℃、特に好ましくは−10〜+60℃において適した反応媒体中で
進行する。
【0028】 考えられ得る適した反応媒体は、脂肪族または芳香族炭化水素、ハロゲン化炭
化水素、エーテルおよび環状エーテルである。前記媒体の例は、ブタン、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンのような非分岐の脂肪族炭化水素、イソブタ
ン、イソペンタン、イソへキサンのような分岐した脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、 メチルシクロヘキサンのような脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエンおよびキシ
レンのような芳香族炭化水素である。ジアルキルエーテル、ジメトキシエタンの
ようなエーテルが好ましく、テトラヒドロフランが特に好ましい。異なる溶媒の
混合物も適しいている。
【0029】 触媒系は、空気と水を取り除きながら不活性ガス条件下で生成される(保護ガ
ス法)。不活性ガスの例は、窒素またはアルゴンである。一般には、有機金属物
質に関して通常使用されるシュレンク法が、保護ガス法の好適な例である。
【0030】 本発明は、オレフィンおよび/またはジエンの重合のための触媒系の使用も提
供する。本発明の触媒系は、水素化触媒としても使用できる。前記触媒系は、副
生物を分離せずに、溶解した形態でまたは固体として直接使用できる。触媒系は
、単独で、または助触媒と組み合わせて使用できる。
【0031】 重合反応に関して考えられ得る助触媒は、メタロセン触媒の分野では公知の助
触媒であって、例えば、アルミノキサンポリマーまたはオリゴマーのような、ル
イス酸、並びにアルミン酸塩およびホウ酸塩が挙げられる。これに関する文献と
しては、特に、(アルモキサンに関しては)マクロモレキュラー・シンポジウム
、第97巻、1995年7月、1〜246頁、および(ホウ酸塩に関しては)欧州特
許第277003号公報、同第277004号公報、オルガノメタリックス1997年、16、8
42〜857頁、そして(アルミン酸塩に関しては)欧州特許第573403号公報が
挙げられる。
【0032】 本発明の触媒系の成分b)と助触媒とのモル比は、1:0.1〜1:1000
0、好ましくは1:1〜1:1000の範囲である。
【0033】 適した助触媒は、特にメチルアルミノキサン、トリイソブチルアルミニウムで
変性されたメチルアルモキサン、イソオクチルアルミノキサンおよびジイソブチ
ルアルモキサン、そしてトリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)アルミネートおよびN,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフ
ェニル)アルミネートのようなテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネー
トをアニオンとして含有するイオン性化合物、およびトリフェニルメチルテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレートおよびN,N-ジメチルアニリニウムテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのようなテトラキス(ペンタフルオロフ
ェニル)ボレートを含有するイオン性化合物である。
【0034】 下記の式(IV)の助触媒は、触媒系を活性化するのに特に好ましい。
【化13】 (式中、Mは、IUPACに準拠する元素周期表の第13類から選択される元
素であり、そしてX、X、Xは、同一または異なって、水素、ハロゲン、
〜C20アルキル基、C〜C10フルオロアルキル基、C〜C10フル
オロアリール基、C〜C10アルコキシ基、C〜C20アリール基、C
20アリーロキシ基、C〜C40アリールアルキル基またはC〜C40
ルキルアリール基を表す。)
【0035】 式(IV)の化合物は、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミ
ニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリイソオクチルアルミニウムのような
トリアルキルアルミニウム化合物、および水素化ジイソブチルアルミニウム、フ
ッ素化ジイソブチルアルミニウムおよび塩化ジエチルアルミニウムのようなジア
ルキルアルミニウム、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウムのような置
換トリアリールアルミニウム化合物、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素の
ような置換トリアリールホウ素化合物を包含する。
【0036】 種々の助触媒の混合物も使用してよい。
【0037】 重合は、オレフィンおよび/またはジエンのホモ重合と共重合の両者を意味す
るものとする。重合反応に特に用いられる化合物は、エチレン、プロピレン、1-
ブテン、1-ペンテンおよび1-ヘキセン、1-オクテン、イソブチレンのようなC -C10アルケン、およびスチレンのようなのようなアリールアルケンである。
特に使用されるジエンは、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエンのよ
うな共役ジエン、および1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘプタジエン、7-メチル-1,6-
オクタジエン、5,7-ジメチル-1,6-オクタジエン、4-ビニル-1-シクロヘキセン、
5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-ビニル-2-ノルボルネンおよびジシクロペンタ
ジエンのような非共役ジエンである。
【0038】 本発明の触媒は、ポリエチレンやエチレン(コ)ポリマー、特にエチレンと1種
以上の前記α-オレフィンおよび前記ジエンとのコポリマーをベースとするゴム
の製造に適している。本発明の触媒系は、更に、ノルボルネン、シクロペンテン
、シクロヘキセン、シクロオクタンのようなシクロオレフィンの重合、およびシ
クロオレフィンとエチレンまたはα-オレフィンとの共重合に適している。本発
明の種々の触媒の混合物も当然使用してよい。
【0039】 重合は、液相中、不活性溶媒の存在または不存在下、あるいは気相中で行うこ
とができる。適した溶媒は、ベンゼンおよび/またはトルエンのような芳香族炭
化水素、またはプロパン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソブタン、シクロ
ヘキサンのような脂肪族炭化水素、あるいは種々の炭化水素の混合物である。
【0040】 本発明の触媒系は、担持された形態で使用することが可能である。例示できる
好適な担体材料は、シリカ、ゼオライト、カーボンブラック、活性炭素、酸化ア
ルミニウム、ポリスチレンおよびポリプロピレンのような無機または有機ポリマ
ー担体である。
【0041】 本発明の触媒系は、常套の方法で担体材料に適用できる。触媒系を担持する方
法は、例えば、米国特許第4808561号公報、同第4912075号公報、同第5008228号
公報および同第4914253号公報に開示されている。
【0042】 重合は、一般には、1〜1000バール(すなわち、1×10〜1×10 Pa)、好ましくは1〜100バール(すなわち、1×10〜1×10Pa
)の圧力において−100〜+250℃、好ましくは0〜+150℃の温度で行
われる。重合は、通常使用される反応容器において、連続してまたはバッチ式で
行うことができる。本発明は、この方法で得られるポリマーも提供する。
【0043】 以降の実施例により、本発明をより詳細に説明する。
【0044】実施例 一般的な詳述: 有機金属化合物は、空気や水分を排除しながら、保護アルゴン雰囲気下で生成
し、取り扱った(シュレンク法)。必要な溶媒はいずれも、適した乾燥剤を用い
て数時間沸騰させた後、アルゴン下で蒸留することによって無水とした。 ポリマー特性評価: DSC測定は、パーキン-エルマー製の装置である、商品名示差走査熱量計D
SC−2により、以下のパラメータを用いて行った。−90までと+180℃ま
での2つの加熱段階、加熱速度20K/分、320K/分で−90℃まで急速冷
却、窒素流入、標準カプセル中の初期試料重量12.3mg。IR分光法による
ポリマー組成の決定は、ASTM D 3900に準拠して行った。固有粘度は、ウ
ベローデ毛細管粘度計で測定した(o-ジクロロベンゼン中、3種の濃度で複数点
測定;溶解時間:140℃で6時間)。
【0045】略語 THF テトラヒドロフラン RT 室温 HV 高真空 MAO メチルアルモキサン TIBA トリイソブチルアルミニウム dH 溶融エンタルピー(DSC測定) Tg ガラス転移温度(DSC測定)
【0046】実施例1 マグネシウム存在下での6,6-ジフェニルフルベンとTiCl-2との反応 TiCl-2・THF 167mg(0.5ミリモル)および6,6-ジフェニルフル
ベン115.1mg(0.5ミリモル)をTHF 10mL中に溶解し、マグネシウム12.1
6mg(0.5ミリモル)と混合した。マグネシウムが完全に消費されるように、混
合物を室温で一晩撹拌した。得られた暗緑色溶液をTHF 10mLで希釈した。
チタニウム25μモル/mLを含有する溶液が得られた。
【0047】実施例2 実施例1からの反応生成物と2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノールとの反応 実施例1からの溶液4mL(チタン0.1ミリモル)を、2,6-ジ-tert-ブチル-4-
メチルフェノール22.0mg(0.1ミリモル)のTHF 2mL溶液と混合し、室
温で60分間撹拌した。次いで、溶媒を蒸留によって除去し、残っている残渣を高
真空下で乾燥させて、トルエン20mLと混合した。チタンを5μモル/mL含有
する懸濁液が得られた。
【0048】実施例3 エチレンの重合 トルエン100mLとメチルアルモキサン(MAO)の10%トルエン溶液7mL
を、先ず、250mLのガラス反応容器に導入し、実施例2からの懸濁液2mL(
チタン10μモル)と混合した。得られた溶液を室温で10分間撹拌し、その後、40
℃まで加熱した。次いで、この溶液にエチレンをガス導入管を通じて1.1バール
(1.1×10Pa)の圧力で連続して導入した。温度40℃およびエチレン圧1.1バ
ール(1.1×10Pa)において、10分間重合した後、メタノール50mLを添加
して反応を停止し、得られたポリマーを濾別して、メタノールで洗浄し、真空乾
燥キャビネットで乾燥させた。ポリエチレン0.7gが得られた。
【0049】実施例4 実施例1からの反応生成物と3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェノールとの反応 実施例1からの溶液4mL(チタン0.1ミリモル)を、3,5-ビス(トリフルオロ
メチル)フェノール23mg(0.1ミリモル)のTHF 2mL溶液と混合し、室温
で60分間撹拌した。その後、溶媒を蒸留によって除去し、残っている残渣を高真
空下で乾燥し、トルエン20mLと混合した。チタンを5μモル/mL含有する懸
濁液が得られた。
【0050】実施例5 エチレンの重合 実施例2からの懸濁液の代わりに実施例4からの懸濁液2mL(チタン10μモ
ル)を使用したこと以外は、実施例3の重合を繰り返した。ポリエチレン1.5g
が得られた。
【0051】実施例6 実施例1からの反応生成物とペンタフルオロフェノールとの反応 実施例1からの溶液4mL(チタン0.1ミリモル)を、ペンタフルオロフェノ
ール18.4mg(0.1ミリモル)のTHF 2mL溶液と混合して、室温で75分間
撹拌した。その後、溶媒を蒸留によって除去し、残っている残渣を高真空下で乾
燥し、トルエン20mLと混合した。チタンを5μモル/mL含有する懸濁液が得
られた。
【0052】実施例7 エチレンの重合 実施例2からの懸濁液の代わりに実施例6からの懸濁液2mL(チタン10μモ
ル)を使用したこと以外は、実施例3の重合を繰り返した。ポリエチレン1.2g
が得られた。
【0053】実施例8 実施例1からの反応生成物と2,6-ジイソプロピルフェノールとの反応 実施例1からの溶液4mL(チタン0.1ミリモル)を、2,6-ジイソプロピルフ
ェノール17.8mg(0.1ミリモル)のTHF 2mL溶液と混合して、室温で60
分間撹拌した。その後、溶媒を蒸留によって除去し、残っている残渣を高真空下
で乾燥し、トルエン20mLと混合した。チタンを5μモル/mL含有する懸濁液
が得られた。
【0054】実施例9 エチレンの重合 実施例2からの懸濁液の代わりに実施例8からの懸濁液2mL(チタン10μモ
ル)を使用したこと以外は、実施例3の重合を繰り返した。ポリエチレン1.7g
が得られた。
【0055】実施例10 エチレンの重合 MAOの代わりにTIBA 1モルのトルエン溶液1mLを使用したこと以外
は、実施例9の重合を繰り返した。重合温度は60℃であった。ポリエチレン2.4
gが得られた。
【0056】実施例11 マグネシウム存在下での6,6-ジメチルフルベンとTiCl-2 THFとの反
応、およびその後の2,6-ジイソプロピルフェノールとの反応 TiCl-2 THF 334mg(1ミリモル)および6,6-ジメチルフルベン
106mg(1ミリモル)をTHF 10mLに溶解し、マグネシウム24.3mg(1
ミリモル)と混合した。マグネシウムが完全に消費されるように、混合物を室温
で一晩撹拌した。その後、2,6-ジイソプロピルフェノール178mg(1ミリモル
)のTHF 2mL溶液を滴下して、室温で2時間撹拌した。溶媒を蒸留により
除去し、残っている残渣をトルエン40mLと混合した。チタンを25μモル/mL
含有する懸濁液が得られた。
【0057】実施例12 エチレンの重合 トルエン100mLとトリイソブチルアルミニウム(TIBA)0.25mLを、先
ず、250mLのガラス反応容器に導入し、実施例11からの懸濁液0.4mL(チタ
ン10μモル)と混合した。得られた溶液を60℃に加熱した。次いで、この溶液に
エチレンをガス導入管を通じて1.1バール(1.1×10Pa)の圧力で連続して導
入した。温度60℃およびエチレン圧1.1バール(1.1×10Pa)において、10分
間重合した後、メタノール50mLを添加して反応を停止し、得られたポリマーを
濾別して、メタノールで洗浄し、真空乾燥キャビネットで乾燥させた。ポリエチ
レン0.6gが得られた。
【0058】実施例13 マグネシウム存在下での6,6-ジフェニルフルベンとTiCl-2 THFとの
反応、およびその後の2,6-ジイソプロピルフェノールとの反応 TiCl-2 THF 334mg(1ミリモル)および6,6-ジフェニルフルベ
ン230mg(1ミリモル)をTHF 10mLに溶解し、マグネシウム24.3mg(
1ミリモル)と混合した。マグネシウムが完全に消費されるように、混合物を室
温で2時間撹拌した。その後、2,6-ジイソプロピルフェノール178mg(1ミリ
モル)のTHF 2mL溶液を滴下して、室温で2時間撹拌した。溶媒を蒸留に
より除去し、残っている残渣をトルエン40mLと混合した。チタンを25μモル/
mL含有する懸濁液が得られた。
【0059】実施例14 エチレンの重合 n-ヘキサン500mLとTIBA 1mLを、先ず、1.4Lのスチール製オートク
レーブに導入し、温度を80℃に調節した。次いで、オートクレーブの内圧が10バ
ール(1×10Pa)に上がるまで、エチレンを配分した。触媒の予備反応:実
施例13からの懸濁液0.4mLをTIBA 0.25mLのヘキサン5mL溶液に添
加し、室温で10分間撹拌した。予備活性化触媒溶液(チタン10μモル)を添加す
ることによって重合を開始した。80℃および10バールで40分間重合した後、オー
トクレーブの圧を戻して、1%HClのメタノール溶液で重合を停止し、混合物
を1時間撹拌した。得られたポリマーを濾別し、メタノールで洗浄して、単離し
、真空下において60℃で20時間乾燥した。高度な結晶性のポリエチレン45.5gが
得られた。第1段階の加熱時のDSC融点は142.1℃(dH=220.4J/g)であ
り、第2段階の加熱時の融点は135.4℃(dH=166J/g)であった。
【0060】実施例15 エチレンと1-ヘキセンとの共重合 最初に1-ヘキセン10mLもオートクレーブに導入したこと以外は、実施例14
の重合を繰り返した。重合は、80℃および10バールにおいて30分間行った。エチ
レン/1-ヘキセンコポリマー43.4gが得られた。
【0061】実施例16 エチレンとプロピレンとの共重合 先ず、ヘキサン500mLとTIBA 1mLを、メカニカルスターラー、圧力
計、温度センサー、温度コントローラー、触媒ロック、およびエチレンとプロピ
レンのためのモノマー配分装置を装備した1.4Lスチール製オートクレーブに導
入した。内部温度はサーモスタットで60℃に調節した。次いで、エチレン12gと
プロピレン27g(重量比3:7)を配分した。重合は、実施例13からの懸濁液
0.2mL(チタン5μモル)を添加することによって開始した。60℃における内
圧が一定の7バールを保持するように、準バッチ法を用いてエチレンとプロピレ
ンを重量比3:7で連続して配分した。30分間重合した後、オートクレーブの圧
を戻して、非常に粘稠な反応溶液をトルエン1Lで希釈して、メタノール3Lに
撹拌投入し、更に2時間撹拌し続けた。沈降したポリマーをメタノールで洗浄し
、単離して、真空下、60℃で20時間乾燥させた。エチレン/プロピレンコポリマ
ー24.3gが得られた。IR評価では、エチレン80.2重量%とプロピレン19.9重量
%の組成を認めた。o-ジクロロベンゼン中での固有粘度は、5.94dL/gであっ
た。TgはDSC法によって-48.0℃(第2段階加熱時)を測定した。
【0062】実施例17 エチレンとプロピレンとの共重合 エチレンとプロピレンを重量比1:4で配分したこと以外は、実施例16の重
合を繰り返した。30分間重合した後、エチレン/プロピレンコポリマー18.3gが
得られた。IR評価では、エチレン74.8重量%とプロピレン25.2%の組成を認め
た。o-ジクロロベンゼン中での固有粘度は、3.6dL/gであった。TgはDS
C法によって-47.5℃(第2段階加熱時)を測定した。
【0063】実施例18 エチレンとプロピレンとの共重合 エチレンとプロピレンを重量比1:9で配分したこと以外は、実施例16の重
合を繰り返した。20分間重合した後、エチレン/プロピレンコポリマー11.0gが
得られた。IR評価では、エチレン54.7重量%とプロピレン45.3%の組成を認め
た。o-ジクロロベンゼン中での固有粘度は、3.6dL/gであった。TgはDS
C法によって-55.0℃(第2段階加熱時)を測定した。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【手続補正書】
【提出日】平成13年11月29日(2001.11.29)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0064】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ジグルト・ベッケ ドイツ連邦共和国デー−51503レスラート、 フィーアコッター・フェルト15番 (72)発明者 シュテフェン・カーレルト ドイツ連邦共和国デー−51061ケルン、ギ スベルトシュトラーセ1番 Fターム(参考) 4H050 AA03 AB40 BD60 BE21 WA11 WB21 4J028 AA01 AB01 AC01 AC02 AC22 AC23 AC32 AC41 AC42 AC49 AC50 BA01 BB01 BC14 BC15 BC16 BC17 CA01 CA08 CA22 CB02 CB63 CB81 CB91 EB01 EB02 EB03 EB04 EB05 EB08 EB09 EB11 EB13 EB14 EB15 EB16 EB18 FA02 FA04 GB01 GB03

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 還元剤の存在下で、a)下記式(I)のフルベン化合物をb
    )下記式(II)の遷移金属化合物と反応させた後、その反応生成物をc)下記式
    (III)の化合物と反応させることによって生成される組成物。 【化1】 (式中、R、R、R、R、R、Rは、同一または異なって、水素、
    ハロゲン、シアノ基、C〜C20アルキル基、C〜C10フルオロアルキル
    基、C〜C10フルオロアリール基、C〜C10アルコキシ基、C〜C アリール基、C〜C10アリーロキシ基、C〜C10アルケニル基、C 〜C40アリールアルキル基、C〜C40アルキルアリール基、C〜C40 アリールアルケニル基、C〜C10アルキニル基、C〜C10炭化水素残基
    で置換されたシリル基、C〜C10炭化水素残基で置換されたスルフィド基、
    任意にC〜C10炭化水素残基で置換されたアミノ基を表すか、あるいはR 、R、R、R、R、Rはそれぞれ、それらと結合する原子と合わせて
    、O、NおよびSから成る群より選択される1種以上のヘテロ原子を含有する1
    種以上の脂肪族または芳香族の環系を形成し、かつ炭素原子5〜10個を含有す
    る。) 【化2】 A(X) (II) (式中、Mは、IUPACに準拠する元素周期表の第3類、第4類、第5類ま
    たは第6類、またはランタニドもしくはアクチニドから選択される金属であり、
    Aは、任意に単架橋または多架橋されたアニオン性配位子を表し、Xは、C 〜C10アルキル基、C〜C10アルコキシ基、C〜C10アリール基、C 〜C10アリーロキシ基、C〜C10アルケニル基、C〜C40アリール
    アルキル基、C〜C40アルキルアリール基、C〜C40アリールアルケニ
    ル基、C〜C10炭化水素残基で置換されたシリル基、ハロゲン原子またはN
    で表されるアミドを表し、Rは、水素、C〜C20アルキル基、C 〜C20アリール基、C〜C40アリールアルキル基、C〜C40アルキル
    アリール基、C〜C10炭化水素残基で置換されたシリル基、任意にC〜C 20 炭化水素残基で置換されたアミノ基を表し、Lは中性配位子を表し、sは、
    2、3、4、5または6の数を表し、mは、Mの原子価および結合状態から生
    じる0、1、2、3または4の数を表し、およびnは、0〜10の数である。) 【化3】 RYH (III) (式中、Rは、C〜C30アルキル基、任意に置換されたC〜C20アリ
    ール基、C〜C40アリールアルキル基、C〜C40アルキルアリール基、
    〜C10炭化水素残基で置換されたシリル基、または水素を表し、Yは、酸
    素原子、硫黄原子、NRで表される基、PRで表される基、またはC(R
    )=Nで表される基を表し、ここでRおよびR10は、Rと同じ意味を有
    する。)
  2. 【請求項2】 Mが、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、
    ニオブ、タンタルおよびクロムから成る群から選択される金属である請求項1記
    載の組成物。
  3. 【請求項3】 Yが酸素原子を表す請求項1または2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 還元剤がリチウム、ナトリウムアマルガム、マグネシウム、
    またはn-ブチルリチウムである請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. 【請求項5】 最初に前記成分a)とb)を互いに反応させた後、その反応
    生成物と前記成分c)を反応させる固定した順序で成分a)、b)およびc)を
    反応させる請求項1〜4のいずれかに記載の組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】 成分a)と成分b)とのモル比が100:1〜0.1:1の
    範囲である請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 成分b)と成分c)とのモル比は、10:1〜0.5:1の
    範囲である請求項5または6記載の方法。
  8. 【請求項8】 触媒系としての請求項1〜4のいずれかに記載の組成物を下
    記式(IV)の化合物と反応させることによって生成される組成物。 【化4】 (式中、Mは、IUPACに準拠する元素周期表の第13類から選択される元
    素であり、そしてX、X、Xは、同一または異なって、水素、ハロゲン、
    〜C20アルキル基、C〜C10フルオロアルキル基、C〜C10フル
    オロアリール基、C〜C10アルコキシ基、C〜C20アリール基、C
    20アリーロキシ基、C〜C40アリールアルキル基またはC〜C40
    ルキルアリール基を表す。)
  9. 【請求項9】 場合によりオレフィンおよび/またはジエンを重合するため
    の助触媒と組み合わせた請求項1〜4のいずれかに記載の組成物の使用。
  10. 【請求項10】 オレフィンおよび/またはジエンを重合するための請求項
    8記載の組成物の使用。
  11. 【請求項11】 請求項1〜4および/または請求項8のいずれかに記載の
    組成物の存在下における重合法で生成されるポリマー。
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