JP4145372B2 - オレフィン(共)重合用置換メタロセン触媒 - Google Patents

オレフィン(共)重合用置換メタロセン触媒 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、オレフィン(共)重合用置換メタロセン錯体に関する。
より詳細には、本発明は、元素周期律表第4族金属の置換メタロセン錯体並びにエチレン及び/又は他のα−オレフィンを重合又は共重合するのに適当な触媒であって、この触媒を適当な共触媒と組み合わせてなる触媒に関する。また、本発明は、この触媒の存在下でα−オレフィンを重合させて高分子量ポリオレフィンを製造する方法に関する。
当該技術分野においては、一般的にエチレン又はα−オレフィンは、ジーグラー・ナッタ触媒として一般的に知られている遷移金属を主成分とする触媒を用いて低圧又は中圧法により重合できることは公知である。より最近では、アルミニウムの有機オキシ誘導体(一般的に「アルミノオキサン」と称される)であって、下式(I):
【化3】
Figure 0004145372
(式中、Mは元素周期律表の第4族金属(正式には+4の酸化状態)を表し、好ましくはチタン又はジルコニウムであり;R及びRは各々独立的に、例えば、ハイドライド、ハライド、ホスホン化又はスルホン化アニオン、アルキル又はアルコキシ基、アリール又はアリールオキシ基、アミド基、シリル基等のアニオン性基を表し;Cpは独立的にη−シクロペンタジエニル型リガンドを表し、一般的にη−シクロペンタジエニル、η−インデニル、η−フルオレニル及びそれらの種々の置換された誘導体から選択され;Rは他の置換基とは無関係に、リガンドCpか、R若しくはR基の意味の一つを有することができる)で表されるより一般的な形態で定義できる一般的にメタロセンとも称されるものと、通常チタン、ジルコニウム又はハフニウム(周期律表の第4族)から選択される金属のη−シクロペンタジエニル誘導体との組み合わせからなるオレフィンの重合に活性がある上記触媒の特定の組み合わせが見出された。同一又は異種の2つのCp基が、通常少なくとも一つの炭素原子及び、例えば、窒素、酸素、ケイ素又はゲルマニウム等のヘテロ原子も含有できる二価基により結合された特定の「架橋」メタロセンも、当該技術分野において公知である。上記化合物の公知の製造方法の典型例については、一例として、H.Sinn、W.Kaminsky、Adv.Odrganomet.Chem.、vol.18(1980)、第99頁及び米国特許第4.542.199号の記載を参照されたい。
【0002】
これらの触媒は、とりわけ通常古典的なジーグラー・ナッタ触媒よりも限定された分子量分散の制御又は通常上記「架橋」メタロセン錯体を用いて得られるα−オレフィンの重合中の立体選択性に関して特定の特性を有するポリオレフィンの製造に適用するとき、一般的に高触媒活性及び一定の汎用性を有している。
しかしながら、メタロセン錯体の挙動が、とりわけ高温法で操作及び特にエチレンとα−オレフィンとを共重合による直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)又はオレフィン系エラストマー(EPC)の製造において、それを用いて得られるポリオレフィンの平均分子量に関して完全に満足できるものではないことが判明した。一方、適当な連鎖移動剤を介在させることにより種々の製品を開発できる最高分子量を有するポリオレフィンを製造できる重合法が非常に必要とされている。
また、錯体自体の保存及び移送方法や操作を簡略化するために、熱安定性及び空気や湿度等の反応剤に対しての安定性がより大きいメタロセン錯体系触媒も望ましい。
特定の用途との関係において触媒の特性を向上させ、上記問題を克服するために、異なる種類の種々に置換したη−シクロペンタジエニルバインダーが、当該技術分野において試験された。
ヨーロッパ特許公開公報第576.970号には、各インデニル基のベンゼン環がフェニル又はナフチル基により置換されたジルコニウムの特定の架橋ビスインデニル錯体が記載されている。これらの錯体をプロピレンの立体特異性重合に使用することが記載されているが、存在する可能性のあるフェニル基又はナフチル基上の置換基に関する重要な影響については何ら述べられていない。
ヨーロッパ特許公開公報第277.004号には、シクロペンタジエニル基が、例えば、メチル、フェニル、ベンジル、シクロヘキシル又はトリフルオロメチル等の種々の基により置換されている周期律表の第4族、特にジルコニウムのメタロセン錯体を記載している。しかしながら、種々の置換基は、それらを含有する錯体を重合触媒作用に使用するときのそれらの挙動ついていずれの差異を規定することなく、一般的に述べられている。
【0003】
米国特許第5.324.800号は、エチレンの重合にビス−(2−フェニルプロピル)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロリドを使用することを開示している。しかしながら、触媒の十分な活性は、数多くの工業用途にとっては許容できない極めて多量のメチルアルミノオキサンを使用したときにしか得られない。
国際特許出願公開公報第WO95/25.757号には、エラストマー系ブロックポリプロピレン製造用ビス−(2−フェニル)インデニル触媒が記載されている。これらの触媒の特性は、メタロシクロペンタジエン軸方向上のリガンドの回転速度がモノマーの挿入速度と連鎖移動反応速度との中間であり、アイソタクチックとアタクチックポリプロピレンのそれぞれの隣接ブロックを生成するようになっていることである。この公報には、錯体の安定性とそれを用いて製造されるポリマーの分子量に関するリガンドについての置換基の役割については何ら示されていないと思われる。
したがって、上記した全ての種々の問題を基本的に克服することのできるメタロセン触媒についての要求は、いまだ満足されていない。
【0004】
今般、本出願人は、単純且つ都合の良い合成法により製造できる電子吸引性の特定の基を有するシクロペンタジエニル環に置換したメタロセン錯体系のα−オレフィン(共)重合用の新規な触媒群を見出した。これらの錯体は、類似の非置換錯体と比較して化学的安定性及び熱安定性が良く、且つ適当な共触媒の存在下で行う場合が多いα−オレフィンの(共)重合法の触媒反応による高分子量(共)重合体の製造において活性がある。
したがって、本発明の一態様によれば、チタン、ジルコニウム及びハフニウムから選択される金属Mのメタロセン錯体であって、金属Mに配位したη−シクロペンタジエニル環を含有する少なくとも一つのアニオン基Aを含んでなるメタロセン錯体において、前記アニオン基がシクロペンタジエニル環の少なくとも一つの位置において式:
Ph−(CR
(式中、R及びRは独立して水素、ハロゲン又はC〜Cアルキル基、好ましくは水素又はアルキル、より好ましくは水素、「n」は0又は1、好ましくは1、Phは−CR−又はAに結合し且つ塩素とは異なる1〜3個の電子吸引基により置換された芳香族環を含んでなるC〜C14の基であるが、
但し、Aがη−インデニル基及び「n」が0であるときには少なくとも一個のPh基がAのインデニルの1位又は3位に結合している)で表される基で置換されていることを特徴とするメタロセン錯体が提供される。
本発明の第二の態様によれば、アルミニウム、ガリウム及び錫から選択される金属M’の有機酸素化誘導体からなる共触媒と接触させて使用できる前記メタロセン錯体を含んでなるα−オレフィンの(共)重合用触媒が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、エチレン及び/又は一種以上のα−オレフィンを適当な圧力及び温度条件下、上記触媒の存在下で重合させることを含んでなるα−オレフィンの(共)重合方法が提供される。
【0005】
本発明の可能な他の態様は、以下の説明及び実施例から明かとなるであろう。
以下の説明及び請求の範囲で使用される用語「α−オレフィンの(共)重合」とは、エチレン及び/又は炭素数2超の他のα−オレフィンの単独重合及び互い又は別のエチレン性不飽和重合性化合物との共重合の両方を意味する。
本発明によるPh基の芳香環の置換基として適当である電子吸引基は、負電荷を置換部位の方向に移動して芳香環の「π」軌道を局在化してきる非プロトン性基である。この種の電子吸引基は、フッ素原子、ハロゲン化炭化水素基、好ましくは炭素数1〜15のフッ素化炭化水素基、ハロゲン化アルキルシリル基、好ましくは炭素数1〜15のフッ素化アルキルシリル基、炭素数2〜15のハロゲン化又は非ハロゲン化アルコキシカルボニル基並びに炭素数2〜15のアルコキシアルキル基又はアリールオキシアルキル、例えば、メトキシメチル、エトキシメチル又はトリフルオロメチルオキシメチルである。本発明のメタロセン錯体に存在する電子吸引基は、好ましくはフッ素、及び少なくとも一個のハロゲン原子、好ましくはフッ素がPh基の芳香環に対して1位又は2位の炭素原子又はケイ素原子に結合しているハロゲン化脂肪族ヒドロカルビル又はアルキルシリル基である。これらの電子吸引基の典型例には、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロジクロロメチル、トリクロロメチル、1,1−ジフルオロエチル、1,1−ジフルオロプロピル、パーフルオロエチル、1,1−ジフルオロヘキシル、トリフルオロメチルシリル、トリフルオロシリル、トリクロロメチルジフルオロシリル、アセチル、トリフルオロアセチル、パーフルオロプロピオニル、トリクロロアセチル及びトリフルオロメトキシメチルがあるが、これらには限定されない。トリフルオロメチル及びパーフルオロエチルが特に好ましい。
【0006】
本発明のPh基の定義に含まれる芳香環は、ベンゼン環及びナフタリン基、好ましくは上記で定義した2つの電子吸引基で二置換されたものである。本発明によるPh−(CR基(R及びRが水素である)の典型例としては、フルオロベンジル、ジフルオロベンジル、4−トリフルオロメチルベンジル、2,4−ビス−(トリフルオロメチル)ベンジル、3,5−ビス−(トリフルオロメチル)ベンジル、フルオロフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、2,4−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル、3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル、4−パーフルオロエチルベンジル、3,5−ビス−(パーフルオロエチル)ベンジル、3,5−ビス−(パーフルオロブチル)ベンジルがある。
本発明による典型的なメタロセン錯体には、下式(II):
【化4】
Figure 0004145372
〔式中、Mはチタン、ジルコニウム及びハフニウムから選択される金属であり;
二つのR’は、各々独立的にハイドライド、ハライド、C〜Cアルキル基、C〜C12アルキルシリル基、C〜Cシクロアルキル基、C〜C10アリール基、C〜Cアルコキシル基、C〜Cカルボキシル基、C〜C10ジアルキルアミド基及びC〜C20アルキルシリルアミド基からなる群から選択される置換基を表し;
R”は前記R’基と同種の置換基を表し独立的にそれらから選択されるか、置換又は非置換であって、金属Mに配位し、以下のAの定義に含まれる置換シクロペンタジエニルアニオンから選択できるη−シクロペンタジエニル環含有第二アニオンを表し;
R”’は炭素数1〜10で、一つ以上のヘテロ原子、好ましくはO、N、P、Sn、Ge又はSiを含有することができる、共有結合によりAとR”との間に架橋結合した二価基を表し、R”’は好ましくはアルキレン、ジアルキルシリレン、ジアリ−ルシリレン、ジアルキル−若しくはジアリールゲルミレン、アリーレン、キシリレン基等から選択され、
Aは下式(III):
【化5】
Figure 0004145372
(式中、R基(i=1、2、3、4又は5)は各々独立的に水素、ハロゲン、C〜Cアルキル基、C〜C12アルキルシリル基、C〜Cシクロアルキル基、C〜C14アリール基、C〜C15アリールアルキル基、C〜Cアルコキシル基、C〜Cカルボキシル基であるか、二つのR隣接基が互いに結合して少なくとも3個、好ましくは5〜8個の水素及びハロゲンとは異なる非金属原子を含んでなる環状脂肪族又は芳香族構造を形成でき;そして
「x」は0又は1でよいが、但し、「x」が1のときには、二価のR”’基の一方の側が式(III)を有するR基の一つの置換基としてA基に結合し、他方の側がR”基にその水素原子のいずれかの置換基として結合している)で表される金属Mに配位した置換η−シクロペンタジエニル環含有アニオンである〕で表されることができるメタロセン錯体であって、
A基の式(III)における少なくとも一つのR、及びR”基が式IIIで表されるときにはさらにR”の式における少なくとも一つのRも、下式:
Ph−(CH
(式中、「n」及びPhは上記で定義した通りであるが、但し、Aがη−インデニル基であり且つ「n」が0であるときには、少なくとも一つのPh基がAにおけるインデニルの1位又は3位に結合している)で表される基からなることを特徴とするメタロセン錯体が挙げられる。
【0007】
本発明によれば、式(II)で表されるR´基は、各々独立的にハイドライド、クロリド又はブロミド等のハライド、例えばメチル、エチル、ブチル、イソプロピル、イソアミル、オクチル、ベンジル等のC〜Cアルキル基、例えばトリメチルシリル、トリエチルシリル又はトリブチルシリル等のC〜C12アルキルシリル、シクロペンチル又はシクロヘキシル等のシクロアルキル基、フェニル又はトルイル等のC〜C10アリール基、例えばメトキシ、エトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ等のC〜Cアルコキシ基、又はC〜C10ジアルキルアミド基又はC〜C20アルキルシリルアミド基を表すことができ、好ましくは、一般式−NR(式中、R及びRは、例えばメチル、エチル、又はブチル等の炭素数1〜4のアルキル基であるか、アルキルシリルアミドの場合には、例えばトリメチルシリル又はトリエチルシリル等の炭素数3〜6のアルキルシリル基である)で表される種類のものである。また、R´基は互いに共有結合により結合して金属Mを含んでなる環状構造を形成してもよい。この後者の(R´)基は、例えば、1,4−テトラメチレン、エチレンジオキシド又はマロネート基である。
式(II)における好ましいR´基として、クロリド、メチル、ベンジル及びジエチルアミンを挙げることができるが、本発明の範囲は、これらには限定されない。
特に好ましい実施態様では、R’基は互いに同じである。
【0008】
本発明によれば、式(II)におけるA基は、対応の中性分子構造を有する化合物のシクロペンタジエニル環からHイオンを抜出することにより得ることができる式(III)で表されるη−シクロペンタジエニル環含有アニオンである。Aは、上記で規定されたもの準じて少なくとも及び好ましくは1個のPh−(CH基で置換され、環の残りの原子が非置換又はC〜Cアルキル又はシリルアルキル基、C〜C10アリール又はアリールオキシ基、又はC〜Cアルコキシル基で置換されているη−シクロペンタジエニン基である。Aは、より好ましくは式(III)(式中、RがPh−CH−基、特にビス(フルオロアルキル)ベンジルであり、残りのR、R、R、及びRは各々独立的に水素又はメチルである)により表されるη−シクロペンタジエンアニオンである。
基Aが他の環状構造、例えば、インデニル基、4,5,6,7−テトラヒドロインデニル又はフルオレニルの場合のような他の環状構造自体、又は上記で非縮合シクロペンタジエンについて規定したように置換された環状構造体とのシクロペンタジエニル環縮合体であるこれらに由来する錯体及び触媒も本発明の範囲内である。
【0009】
上記で定義されているように、式(II)におけるR”は、上記R’基の定義に含まれる置換基を表すか、当該技術分野において一般的に公知である種類のη−シクロペンタジエニル環含有アニオン(一般的に、本明細書では略字Cpでも示される)を表すことができる。より具体的には、このCp基は、シクロペンタジエン、インデン若しくはフルオレン由来のアニオン、又は分子骨格(シクロペンタジエニル環に包含されるか包含されない)の一つ以上の炭素原子がC〜Cアルキル又はシリルアルキル基か、C〜C15アリール又はアリールオキシ基か、C〜C15アリールアルキル基か、C〜Cアルコキシル基で置換されている上記化合物の一つの誘導体由来のアニオンを表すことができる。このCp基は、例えば4,5−ベンゾインデニルの場合のように一つ以上の他の芳香環と縮合していてもよい。
これらのCp基の典型例として、シクロペンタジエニル、インデニル、4,5,6,7−テトラヒドロインデニル、フルオロエニル基及び対応のメチル置換基が挙げられるが、これらには限定されない。しかしながら、基R”=Cpが上記Aの定義に含まれる構造を有する構造、より好ましくはAと同じである錯体が好ましい。
「x」=1のときには、基R”は架橋R”’によりA基に結合しており、この場合には、明かにR’の定義に含まれる基か、それぞれCp(但し、架橋R”’との結合により置換される位置を有する)基を表す。「x」=0のときには、A基とR”基は互いに結合されない。
基R”’は、例えば1,2−エチレン、エチリデン、1,3−(2−メチリデン)プロピレン、o−フェニレン、m−フェニレン、o−キシリデン、m−キシリデン、1,4−ブチレン、2−フェニル−1,3−プロピレン、パーフルオロ−1,3−プロピレン、ジメチルシリレン、ジメチルシリレンジメチレン、ジメチレンゲルミレンジメチレン、エチレンジオキシ又はジメチルシリレンジオキシであることができる。
【0010】
本発明に適当な式(II)で表される錯体の例として、下表Aにあげる式で表される化合物があるが、これらには限定されない。
表A
===================================
〔η−(4−CFBz)CTiCl
〔η−1−(4−CFBz)THInd〕ZrCL
〔η−(2,4−(CFBz)C〕ZrCl
〔1,2−en(η−1−(2,4−(CFBz)Ind)〕ZrCl
(η−1(4−CFBz)Ind〕Zr(NMe
〔MeSi(CH−(η−(4−CFBz)C〕ZrCl
〔MeSi(η−(2,4−(CFBz)C〕HfCl
〔o−Xi−(η−(2,4−(CFBz)C〕ZrCl
〔o−Xi−(η−(4−CFBz)THInd)〕ZrCl
〔Pr(η−(4−CFBz)C)(η−Flu)〕ZrCl
〔MeSi(η−(4−CFBz)CMe)(NBu)〕TiCl
〔η−(2,4−(CFBz)CZrCl(NMe
〔η−(2,4−(CFBz)CMeZrMe
〔η−(4−CFBz)CTiClMe
〔1,2−en(η−1−(2,4−(CFBz)THInd)〕ZrMe
〔1,2−en(η−1−(4−CFBz)Ind)〕TiMe
〔η−(3,5−(CFBz)CTiCl
〔η−1−(3,5−(CFBz)THInd〕ZrCl
〔η−(3,5−(CFBz)CZrCl
〔η−(4−FBz)CZrCl
〔1,2−en(η−1−(3,5−(CFBz)Ind)〕ZrCl
(η−1−(3,5−(CFBz)Ind)Zr(NMe
〔MeSi(CH−(η−(3,5−(CFBz)C〕ZrCl
〔MeSi(η−(3,5−(CFBz)C〕HfCl
〔o−Xi−(η−(3,5−(CFBz)C〕ZrCl
〔o−Xi−(η−(3,5−(CFBz)THInd)〕ZrCl
〔MeSi(η−(3,5−(CFBz)CMe)(NBu)〕TiCl
〔η−(3,5−(CFBz)CZrCl(NMe
〔η−(3,5−(CFBz)CMeZrMe
〔η−(3,5−(CFBz)CTiClMe
〔1,2−en(η−1−(3,5−(CFBz)THInd)〕ZrMe
〔1,2−en(η−1−(3,5−(CFBz)Ind)〕TiMe
〔η−(3,5−(CFPh)CTiCl
〔η−(3,5−(CFPh)CZrCl
〔MeSi(CH−(η−(3,5−(CFPh)C〕ZrCl
〔MeSi(η−(3,5−(CFPh)C〕HfCl
〔o−Xi−(η−(3,5−(CFPh)C〕ZrCl
〔MeSi(η−(3,5−(CFPh)CMe)(NBu)〕TiCl
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
略号:Ph=フェニル、o−Xi=オルト−キシレン、Me=メチル、Bz=ベンジル、Ind=インデニル、THInd=4,5,6,7−テトラヒドロインデニル、Pr=ジメチルメチレン、Bu=tert−ブチル、en−=1,2−エチリデン
==================================
また、上記で定義した種類の一種以上のメタロセン錯体の混合物も、本発明の範囲に含まれる。これらの錯体の混合物を主成分とする本発明の触媒は、製造されるポリオレフィンの分子量分布がより広いことが望ましいときに重合に有利に使用できる。
【0011】
特定の形態の実施態様によれば、本発明の錯体は、不活性固体、好ましくは、例えばシリカ、アルミナ又はシリコアルミネート等のSi及び/又はAlの多孔性粒状酸化物からなる不活性固体に担持した形態であってもよい。これらの錯体の担持には、通常適当な不活性液状媒体中、好ましくは炭化水素中で、担体と錯体溶液との間の接触を室温〜100℃の温度で行う工程を含んでなる公知の担持法を使用できる。BET表面積150〜700m/g、総多孔度>80%、平均細孔半径2〜50nmを有する微小球状シリカ(平均粒径20〜100μm)が、この担持には特に好ましい。
この不活性固体は、担体として使用する前に活性化してより適当なモルホロジー及び化学組成の表面とすることができる。活性化中、不活性担体の表面に存在する湿度及びヒドロキシド基は、制御され且つ再現性のあるレベルまで少なくとも部分的に中和されるか除去される。
例えば、この活性法は、例えば、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン及びオクタン等の液状脂肪族炭化水素溶液中において、マグネシウムジアルキル、マグネシウムアルキルクロリド、アルミニウムトリアルキル又はアルミニウムアルキルクロリド等の元素周期律表の第1族、2族又は13族金属から選択される金属のアルキル誘導体又はアルキルハライドの溶液で処理する工程を含むことができる。このアルキル誘導体又はアルキルハライドを粒状担体100重量部当り10〜25重量部用い、試薬を温度−30〜120℃で0.5〜5時間、好ましくは温度40〜80℃で1〜2時間接触させるのが都合がよい。処理の終わりに、活性化担体を、例えば濾過又はデカンテーションにより回収する。
別法として、粒状担体は、不活性雰囲気中で約100〜約800℃の温度に1〜20時間加熱することにより熱活性化できる。不活性雰囲気(窒素)中で約600℃の温度に約6時間加熱することにより活性化された担体を用いて操作することが好ましい。
【0012】
上記式(II)で表されるメタロセン錯体の調製は、金属Mの塩と所望の構造を有するシクロペンタジエニルリガンドを原料として、有機金属化学を利用した公知の方法により実施できる。より一般的には、このリガンドは以下の一般式(IV)で表される:
HA−−−(R’’’)x−−−R’’H (IV)
(式中、「x」、A、R’’’及びR”は全て式(II)で表される錯体について上記で規定した一般的な意味を有している。
例えば、上記方法の一つによれば、式(II)で表される錯体の調製は、2つの工程を含んでなる。第一工程では、シクロペンタジエニルバインダーとリチウムアルキル又はリチウムブチルとを、好ましくは芳香族炭化水素又はエーテル、特にテトラヒドロフラン又はエチルエーテルからなる不活性溶媒中で反応させる。反応中、温度は、好ましくは室温よりも低く維持して二次反応が生じるのを避ける。反応の終わりには、シクロペンタジエニルアニオンの対応リチウム塩が得られる。
第二工程では、シクロペンタジエニルアニオンの塩を、遷移金属Mの塩、好ましくは塩化物と、ここでも不活性有機溶媒中で、好ましくは室温より低い温度で反応させる。反応の終わりに、式(I)で表される錯体を、有機金属化学で公知の方法に準じて分離・精製する。
【0013】
基本的に上記した方法に対応する具体的にメタロセン錯体の製造に関する文献には非常に数多くの一般的な方法が記載されている。これらの方法は、当業者に公知であり、バインダーが、少なくとも一つのシクロペンタジエニル環に、上記した電子吸引置換基を有する特定の芳香族基を含んでなるときには、本発明の錯体の製造に一般的に使用できる。文献に記載されているこの種の方法には、例えば、刊行物D.J.Cardin”Chemistry of Organo Zr and Hf compounds”、J.Wiley and Sons Ed.、New York(1986);R.Halterman”Chemical Review”、第92巻(1992)第965頁〜994頁;R.O.Duthaler及びA.Hafner”Chemical Review”、第92巻(1992)第807頁〜832頁に示されているものがある。
芳香環に結合した電子吸引基を含んでなるベンジル又はフェニル基で置換した式(IV)で表されるシクロペンタジエニルリガンドは、通常、公知の有機合成法を用いて得ることができる。例えば、アルカリ金属、好ましくはナトリウムのシクロペンタジエニル塩と所望のベンジル基の塩化物との「カップリング」反応により合成できる。または、所望の置換基の式で表されるフェニル又はベンジルアニオンのアルカリ塩とシクロペンテノンとの間の「付加」反応を使用して対応のヒドロキシ誘導体を形成した後、脱水して置換シクロペンタジエンを得ることができる。後者の反応スキームの一例が、3,5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニルシクロペンタジエンの合成の特定の場合関する以下の実施例4に示されている。電子吸引基で置換されたナフチル又はナフチルメチル基を含んでなるリガンドは、類似の方法で合成できる。
【0014】
本発明の第二の態様によれば、上記置換メタロセン錯体、又はアニオン性の非シクロペンタジエニルリガンド、特に式(II)で表される錯体のR’基の一つをそこから抜出することにより得られるそのカチオン形態を含んでなるα−オレフィンの(共)重合用触媒が提供される。
第一の実施態様において、本発明のこの触媒は、上記錯体だけでなく、アルミニウム、ガリウム及び錫から選択される金属M’の有機酸素化誘導体からなる少なくとも一つの共触媒を含んでなる。これは、金属が少なくとも一つの酸素原子及び少なくとも一つの有機R10基(但し、R10は直鎖又は分岐鎖C〜C10ヒドロカルビルである)に結合している化合物として定義される。R10は、好ましくは直鎖C〜Cアルキル、より好ましくはメチルである。
本発明によれば、共触媒は、好ましくはアルミノオキサン、より好ましくはメチルアルミノオキサンである。
公知のように、アルミノオキサンは、制御された条件下で、アルミニウムアルキル又はハロゲン化アルミニウムアルキルと、水又は制御された量の水を含有する他の化合物(例えばアルミニウムトリメチルの場合には、アルミニウムヘキサヒドレートスルフェート、銅ペンタヒドレートスルフェート及び鉄ペンタヒドレートスルフェート等の塩ヒドレート)との反応により当該技術分野において公知の方法で得ることができる変数O/Al比のAl−O−Alを含有する化合物である。本発明の重合触媒の形成に好ましく使用されるアルミノオキサンは、式:
【化6】
Figure 0004145372
(式中、R11はC〜Cアルキル基、好ましくはメチルである)で表される繰り返し単位の存在によって特徴付けられる環状及び/又は直鎖オリゴマー又はポリマーである。
アルミノオキサンの各分子は、全てが互いに同じでなく異なるR11基を含有する好ましくは4〜70個の繰り返し単位を含む。
上記アルミノオキサンの他に、本発明の共触媒は、ガロキサン(前記式において、ガリウムがアルミニウムの代わりに存在する)及びスタンノオキサンを含んでなるものであってもよく、メタロセン錯体の存在下におけるオレフィンの重合共触媒としての使用は、例えば、スタンノオキサンに関して、米国特許第5,128,295号及び米国特許第5,258,475号に記載されている。
【0015】
本発明のエチレン及びα−オレフィンの(共)重合触媒において、メタロセン錯体及び共触媒を、金属Mと金属M’との間の原子比が10〜10000の範囲、好ましくは200〜5000の範囲であるような割合で使用できる。これらを、使用される重合法の特定の要件に依存して異なる方法を用いて、互いに接触させる。特に、本発明の重合触媒の製造は、メタロセン錯体を(共)触媒に添加するか、(共)触媒をメタロセン錯体に添加することにより実施できる。さらに、これら二成分の混合は、被重合オレフィンの導入前に実施しても、前記オレフィンの存在下で実施しても、満足のいく結果が得られる。
第二の実施態様では、本発明の触媒は、メタロセンが、例えば、前記式(II)で表される錯体における金属Mにシグマ結合した適当な基の抜出反応により得ることができるカチオンを形成するイオン付加物である。これらの反応は、好ましくは不活性液状媒体、好ましくは炭化水素中で生じ、通常、式(II)で表される錯体を、カチオン種の形成を活性化できる化合物又は化合物の組み合わせからなる適当な共触媒(C)と接触させることにより実施される。
この共触媒は、好ましくは中性メタロセン錯体からシグマ結合アニオン基を抜出して非配位アニオンを形成できる非プロトン性ルイス酸及びアニオンが非配位であり且つカチオンが中性メタロセン錯体からシグマ結合アニオン基を抜出して中性化合物を形成できる有機塩から選択される。有機塩の典型例は、ジアルキルアニリニウム又はトリアリールカルベニウムのテトラ(パーフルオロ)アリールボーレートである。ルイス酸の典型例は、トリス(パーフルオロアリール)ボラン又はトリス(パーフルオロアリール)ボーレートである。
【0016】
本発明の特定の態様によれば、メタロセン錯体が、金属Mに結合したアルキル又はアミドR’基を含まないときには、それにまずアルキルマグネシウム又はアルキルアルミニウム等の適当なアルキル化剤を作用させ、続いて、共触媒(C)と混合して本発明の触媒を形成する。
上記カチオン種の形成反応例を、以下に定性的に概説するが、これらは、本発明の範囲を限定しない:
i)好ましくはR’基の少なくとも一つが弱酸のアニオン、より好ましくはアルキル、アリール又はジアルキルアミドである上記一般式(II)で表されるメタロセンと、カチオンがこのR’基を抜出して中性化合物を形成でき、アニオンが、例えば、トリフェニルカルベニウムテトラキス−(ペンタフルオロフェニル)ボーレート又はジメチルアニリニウムテトラキス−(ペンタフルオロフェニル)ボーレート等の非配位であるイオン性化合物との反応;
ii)好ましくは上記式(II)で表される本発明の非イオン性メタロセン錯体と、アルキル化剤、好ましくはマグネシウムジアルキル又はアルミニウムトリアルキルのモル過剰5〜50/1とを反応させた後、例えば、金属Mに対して実質的に理論量のトリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン等の強非プロトン性ルイス酸と反応させること;
iii)少なくとも一つのR’基がアルキル又はアルキレンである上記式(II)で表されるメタロセンと、ほとんど理論量又はわずかに過剰量の、例えば、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン等の強ルイス酸との反応。
【0017】
アルミノオキサン等の共触媒を大過剰に使用する必要なくα−オレフィンを重合できるカチオンメタロセン錯体を形成するための上記反応及びあるいは上記に挙げられていない他の反応は、一般的に文献に記載されており、当業者に公知である。
一例として、適当な共触媒(C)及びカチオンメタロセンの形成についての説明は、刊行物R.R.Jordan”Advances in Organometallic Chemistry”、第32巻(1990)、第325頁〜387頁及びX.Yang等”Journal of the American Chemical Society”、vol.116(1994)、第10015頁だけでなく、以下の特許をも参照できる:
−ヨーロッパ特許公開公報第EP−A 522.581号、第EP−A 495 375号、第EP−A 520732号、第EP−A 478913号、第EP−A 468651号、第EP−A 427697号、第EP−A 421659号、及び第EP−A 418044号;
−国際特許出願公開公報第WO92/00333号及び第WO92/05208号;及び
−米国特許第5064802号、第2827446号及び第5066739号
【0018】
本発明の触媒として使用できるイオン性メタロセン誘導体の例(これらには限定されない)を、表Bに、組み合わせてこれらが得られるそれぞれの前駆体により示す。
表B
===================================
メタロセン:
〔o−Xi−(η−(3,5−(CFBz)C〕ZrCl
〔η−1−(3,5−(CFBz)THInd〕ZrMe
〔o−Xi−(η−(4−CFBz)C〕ZrMe
〔η−(3,5−(CFBz)CMeZrMe
〔η−(3,5−(CFBz)CTiClMe
〔1,2−en(η−1−(2,4−(CFBz)THInd)〕ZrMe
共触媒(C):
B(C
(MeNHPh)〔B(C〕−
(PhC)〔B(C〕−
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
メタロセン:
〔η−(2,4−(CFBz)CTiCl
〔η−1−(3,5−(CFBz)THInd〕ZrCl
〔η−(3,5−(CFBz)CZrCl
〔1,2−en(η−1−(2,4−(CFBz)Ind)〕ZrCl
〔η−1−(3,5−(CFBz)Ind〕Zr(NMe
〔PhSi(η−1−(2,4−(CFBz)C]ZrCl
〔MeSi(η−1−(2,4−(CFBz)Ind)〕HfCl
〔o−Xi−(η−(3,5−(CFBz)C〕ZrCl
〔o−Xi−(η−(4−CFBz)C〕ZrC
〔o−Xi−(η−(3,5−(CFBz)THInd)〕ZrCl
〔MeSi(η−(2,4−(CFBz)CMe(NBu)〕TiCl
〔η−(3,5−(CFBz)CZrCl(NMe
アルキル化剤:
AlBu
AlEt
AlMe
共触媒(C):
B(C
PhC)〔B(C
MeNHPh)〔B(C〕−
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
略字:Ph=フェニル、o−Xi=オルト−キシレン、Me=メチル、Et=エチル、Bu=tert−ブチル、Bu=iso−ブチル、Bz=ベンジル、Pr=2,2−イソプロピリデン、MeSi=ジメチルシリレン、Ind=インデニル、THInd=4,5,6,7−テトラヒドロインデニル、1,2−en=1,2−エチリデン、PhSi=ジフェニルシリレン
===================================
【0019】
また、中性又はイオン形態における本発明のメタロセン錯体だけでなく、無機又は有機固体粒状高分子担体、好ましくは上記した種類の不活性無機酸化物から選択されるもの、より好ましくはアルミナ、シリカ及びシリコアルミネートから選択されるものを含んでなる触媒も本発明の範囲に含まれる。これらの担持触媒は、例えば、公知の担持法、通常適当な不活性媒体中で固体担体(上記したようにして活性化できる)と本発明の触媒の成分の一方又は両方、即ち、メタロセン錯体及び/又は共触媒とを接触する工程を含む方法の一つを用いて得られる。メタロセン錯体単独(好ましくは、式(II)で表されるもの)又は共触媒、好ましくはアルミノオキサンも担体表面に存在できるので、本発明の目的には、これらの成分の両方が担持される必要はない。後者の場合、重合用活性触媒が必要となったときに、表面上にない成分を後で担持成分と接触させる。
一種以上の他の添加物を、他の成分と接触させる前に、本発明の触媒、又はメタロセン錯体のみ若しくは共触媒のみに添加して、この実施態様における特定の要件を満足するのに適当な触媒系を得る。いずれの場合においても、これらの触媒系も、本発明の範囲内に含まれる。本発明の触媒の調製及び/又は配合に含まれる添加物又は成分には、不活性溶媒、例えば、脂肪族及び/又は芳香族炭化水素、脂肪族及び芳香族エーテル、弱配位添加物(ルイス塩基)、例えば、エーテル、第三アミン及びアルコールから選択されるもの、ハロゲン化ケイ素、ハロゲン化炭化水素(好ましくは塩素化物)等のハロゲン化剤、並びに従来のエチレン及びα−オレフィンの共触媒用メタロセン型均一及び不均一触媒に通常使用される全ての他のさらなる成分がある。
【0020】
本発明の触媒は、基本的に全ての公知のα−オレフィンの(共)重合法、例えば、低圧、中圧又は高圧、温度50〜240℃での懸濁法;圧力10〜150バール、温度120〜230℃で操作される不活性希釈剤中での溶液法;又は温度が一般的に60〜160℃の範囲、圧力が5〜50バールである気相法に使用すると、優れた結果が得られる。このようにして得られるポリマー又はコポリマーは、たとえ使用する方法が高温で操作されるものであっても、極めて高い平均分子量を有している。もし分子量を、得ることができる最大値よりも低い値に調整されるべきであるならば、例えば、当該技術分野において公知の水素等の連鎖移動剤を使用できる。
本発明の特定の態様によれば、α−オレフィンの(共)重合用触媒は、メタロセン錯体と適当な共触媒、好ましくはメチルアルミノオキサンとを接触させることにより別個に調製した後、重合環境に導入する。触媒は、まず重合反応器に導入した後、被重合オレフィン又は被重合オレフィン混合物を含有する試薬混合物を導入してもよいし、試薬混合物を既に入れた反応器に触媒を導入してもよいし、試薬混合物と触媒を同時に反応器に供給することもできる。
【0021】
本発明の別の態様によれば、例えば、まずアルミノオキサンを導入し、続いて式(I)で表されるメタロセン錯体を導入し、最後にオレフィン系モノマーを導入することにより、触媒を重合反応器中でインサイチュー形成する。
本発明の触媒が上記したイオン型であるときには、例えば、上記した抜出反応(i)、(ii)又は(iii)の一つを用いて触媒を予め形成し、被重合α−オレフィンよりも前か、被重合α−オレフィンよりも後か、被重合α−オレフィンと同時に重合反応器に導入することが好ましい。
本発明の触媒は、エチレンの重合による直鎖状ポリエチレンの製造、エチレンとプロピレン又はそれよりも高級なα−オレフィンとの共重合による、具体的な重合条件並びにα−オレフィン自体の量及び構造に応じて特性が異なる共重合体の製造に使用することにより、優れた結果が得られる。また、本発明の触媒は、エチレン、プロピレン及びジエンの三元共重合によるEPDM型加硫性ゴムの製造に都合よく使用できる。特に、上記エチレンの共重合及び三元共重合法の場合に、本発明の触媒により、従来のメタロセン触媒よりも、同じ重合条件下、同量及び同種のコモノマーを導入で、分子量が高いポリマーが製造できる。
【0022】
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、これらの実施例はあくまで説明のためのみのものであり、本発明自体の範囲を限定しない。
以下の実施例で述べるH−NMR分光分析法による特性決定は、Bruker MSL−200型核磁気共鳴分光計により実施した。
分子量測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により実施した。ポリエチレン(PE)試料の分析は、検出器としてWaters示差屈折計を用いて、WATERS 150−CVクロマトグラフにより135℃で、1,2,4−トリクロロベンゼン(Santonoxで安定化)溶液として実施した。
クロマトグラフィーによる分離は、一式のμStyragel HTカラム(Waters)(細孔寸法103オングストローム、104オングストローム、105オングストロームであるものが3つと、細孔寸法106オングストロームであるものが2つ)を用い、溶離剤の流量を1ml/分とすることにより行った。データは、ソフトウエアMaxima820(バージョン3.30)(Millipore)により処理し;数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)の計算には、ユニバーサル検量線法を適用し、分子量6,500,000〜2,000の範囲の分子量の検量線にポリスチレン標準を選択した。
以下の実施例に記載の製造には、以下に示す工業試薬を使用した:
ALDRICH社製メチルリチウム(MeLi)(1.6M)のジエチルエーテル溶液
ALDRICH社製ブチルリチウム(BuLi)(2.5M)のヘキサン溶液
ALDRICH社製フルオロベンジルクロリド
FLUKA社製p−トリフルオロメチルベンジルクロリド
ALDRICH社製2,4−ビストリフルオロメチルベンジルクロリド
FLUKA社製3,5−ビストリフルオロメチル−1−ブロモベンゼン
FLUKA社製ジルコニウムテトラクロリド(ZrCl
WITCO社製メチルアルモキサン(MAO)(1.5M)のトルエン溶液
以下の実施例で使用されているが上記では示されていない試薬及び/又は溶媒は、通常使用されるものであり、当業者は市販品を容易に入手できる。
【0023】
例1:錯体ビス〔η−(4−フルオロベンジル)シクロペンタジエニル〕−ジルコニウムジクロリドの合成
1)4−フルオロベンジルシクロペンタジエンの調製
トルエンにナトリウム金属30重量%を添加して調製した懸濁液10mlを、無水テトラヒドロフラン(THF)200mlの入った、冷却器、滴下漏斗、アルゴン入口栓及び磁気攪拌を備えた500mlガラスフラスコに添加する。蒸留したばかりのシクロペンタジエン12mlを、懸濁液に滴下し無色透明溶液を得る。次に、この溶液を、5〜10℃に冷却し、フルオロベンジルクロリド7.7g(54mmol)を添加する。添加中、NaClの析出がある。この混合物を2時間攪拌した後、水50mlを添加する。次に、混合物を、石油エーテル50mlづつで2回抜出し、分離した有機相を濃縮して油状残留物を得、溶離液として石油エーテルを用いてシリカゲルにより溶出させる。溶離液を蒸発させると純水な精製物3.5gが得られ、NMRで特性決定して4−フルオロベンジルシクロペンタジエン(収率:フルオロベンジルクロリドに対して37%)であることが分かる。
2)4−フルオロベンジルシクロペンタジエニルリチウムの調製
4−フルオロベンジルシクロペンタジエン7g(40mmol)及びヘキサン50mlを、アルゴン雰囲気下、磁気攪拌を備えたテールド試験管に装入する。得られた溶液を0℃に冷却し、ヘキサンにブチルリチウム2.4M添加して調製した溶液16mlを添加する。次に、この温度を室温に上昇させ、混合物を攪拌下一晩放置する。生成した沈澱を濾過し、ヘキサン10mlで2回洗浄し、最後に乾燥する。所望の塩6.5gが得られる(収率90%)。
3)錯体の調製
4−フルオロベンジルシクロペンタジエニルリチウム0.4g(2.2mmol)とTHF20mlを、アルゴン雰囲気下、磁気攪拌を備えたテールド試験管に装入する。得られた溶液に、予めTHF30mlにZrCl(THF)(1.10mmol)0.414gを溶解した溶液を攪拌下添加する。室温で48時間攪拌し続ける。混合物を濃縮して固化させ、得られた固体にトルエンを添加し、未溶解部分を濾去した後、生成物が析出するまで溶液を濃縮する。その結果、0.18gの白色微結晶固体が得られ、これをNMR分光分析法で特性決定したところ、ビス〔η−(4−フルオロベンジル)シクロペンタジエニル〕−ジルコニウムジクロリド(収率29%)であることが分かる。
H−NMRスペクトル(トルエンD、TMSに対するppm):6.85−6.72(m);6.1(q,1H);5.72(q,1H);5.48(q,1H);3.9(d,2H)
【0024】
例2:ビス〔η−(4−トリフルオロメチルベンジル)シクロペンタジエニル〕−ジルコニウムジクロリドの合成
1)4−トリフルオロメチルベンジルシクロペンタジエンの調製
フルオロベンジルクロリド7.7gの代わりにp−トリフルオロメチルベンジルクロリド10.5g(54モル)を使用する以外は例1のバラグラフ1に記載したのと全く同様の方法を行う。その結果、5.1gの純粋生成物が得られ、これをNMR分光分析法で特性決定したところ、4−トリフルオロメチルベンジルシクロペンタジエン(収率:原料トリフルオロメチルベンジルシクロペンタジエンに対して42%)であることが分かる。
2)4−トリフルオロメチルベンジルシクロペンタジエニルリチウムの調製
4−トリフルオロメチルベンジルシクロペンタジエン2.5g(10mmol)及びヘキサン30mlを、アルゴン雰囲気下、磁気攪拌を備えたテールド試験管に装入する。ヘキサンにブチルリチウム2.5Mを添加した溶液4.5mlを用いて、例1のパラグラフ2と同じ操作を実施する。その結果、所望の塩2.1gが収率80%で得られる。
3)錯体の調製
4−トリフルオロメチルベンジルシクロペンタジエニルリチウム0.75g(2.6mmol)とTHF30mlを、アルゴン雰囲気下、磁気攪拌を備えたテールド試験管に装入する。得られた溶液に、予めTHF30mlにZrCl(THF)0.414g溶解した溶液を攪拌下添加する。例1のパラグラフ3と同じ操作を実施する。その結果、白色微結晶固体0.512gが得られ、これをNMR分光分析法で特性決定すると、ビス〔η−(4−トリフルオロメチルベンジル)シクロペンタジエニル〕−ジルコニウムジクロリド(収率61%)であることが分かる。
H−NMRスペクトル(トルエンD、TMSに対するppm):7.2−6.8(m);5.82(t,2H);5.6(t,2H);3.95(s,2H)
【0025】
例3:ビス−〔η−(2,4−ビストリフルオロメチルベンジル)シクロペンタジエニル〕−ジルコニウムジクロリドの合成
1)2,4−ビストリフルオロメチルベンジルシクロペンタジエンの調製
トルエンにナトリウム金属30重量%を添加して調製した懸濁液7mlを、無水テトラヒドロフラン(THF)100mlの入った500mlガラスフラスコに添加する。蒸留したばかりのシクロペンタジエン9mlを懸濁液に滴下し、30℃より低い温度で維持して、無色透明溶液を得る。
次に、0℃に冷却し、2,4−ビストリフルオロメチルベンジルクロリド20g(76mmol)を添加する。温度を室温に上昇させ、混合物を攪拌下塩化物が消失するまで約4時間放置する。次に、水50ml添加後、混合物を石油エーテル50mlづつ2回抜出する。分離した有機相を濃縮して、ベンジル基で一置換及び二置換したシクロペンタジエンの混合物を含有する油状黄色残留物(21g)を得る。この残留物を直ちに蒸留して、沸点が13.1Paで40℃である留分を得る。このようにして得られる生成物(3.5g、収率14%)を0℃以下の温度でヘキサン溶液に維持して二量化を回避しなければならず、生成物をH−NMRで特性決定して、構造(V)及び(VI)を有する2種の異性体からなることが分かる。
【化7】
Figure 0004145372
H−NMRスペクトル(CDCl、TMSに対するppm):7.85(s,Ha);7.26(d,Hb,J=8.12Hz);6.99(6.89)(d,Hc,J=8.12Hz);5.95(5.76)(dq,He,JHg−He=4.56Hz,JHe−Hh=2.66Hz,JHe−Hi=1.36Hz)。
【化8】
Figure 0004145372
H−NMRスペクトル(CDCl、TMSに対するppm):7.85(s,Ha);7.26(d,Hb,J=8.12Hz);6.99(6.89)(d,Hc,J=8.12Hz);5.95(5.76)(dq,Hg,JHg−Hh=4.56Hz,JHg−He=2.66Hz,JHg−He’=1.36Hz)。
2)2,4−ビストリフルオロメチルベンジルシクロペンタジエニルリチウムの調製
2,4−ビストリフルオロメチルベンジルシクロペンタジエン3.5g及びヘキサン30mlを、アルゴン雰囲気下、磁気攪拌を備えたテールド試験管に装入する。次に、ヘキサンにブチルリチウム2.5Mを添加した溶液6mlを添加する。直ちに発熱反応が起こり、黄色析出物が形成し、それをヘキサンで数回デカンテーョン洗浄し、最後に乾燥する。所望の塩3.0gを収率85%で得る。
3)錯体の調製
2,4−ビストリフルオロメチルベンジルシクロペンタジエニルリチウム1.0g(3.36mmol)をTHF40mlに添加したものを、アルゴン雰囲気下、磁気攪拌を備えたテールド試験管に導入する。得られた溶液に、ZrCl(THF)(1.59mmol)0.60gを攪拌下0℃で添加する。その後、室温で8時間放置する。溶媒を真空下で蒸発させ、残留物をトルエン30mlで抜出する。トルエン相を約15mlに濃縮し、ヘキサン3〜4mlを添加し、混合物を放置する。濾過・乾燥後の重量が0.7gである結晶固体が形成する。NMR分光分析法による特性決定により、生成物がビス−〔η−(4−ビストリフルオロメチルベンジル)シクロペンタジエニル〕−ジルコニウムジクロリド(収率63%)であることが分かる。
H−NMRスペクトル(ベンゼンD、TMSに対するppm):7.75(s,2H);7.20(d,1H);7.05(d,1H);5.85(t,2H);5.52(t,2H);4.22(s,2H)
【0026】
例4:錯体のビス−〔η−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−シクロペンタジエニル〕−ジルコニウムジクロリドの(VII)の合成
【化9】
Figure 0004145372
1)3,5−ビストリフルオロメチルフェニルシクロペンタジエンの調製
【化10】
Figure 0004145372
反応スキーム
ヘキサンにブチルリチウム2.5M添加した溶液16mlを、ジエチルエーテル100mlに3,5−ビストリフルオロメチル−1−ブロモベンゼン(40モル)11.7gを添加した溶液に添加し、−60℃に維持する。混合物を、攪拌下1時間−60〜−50℃の温度で放置する。次に、シクロペンテ−2−ノン5mlを添加し、混合物温度を攪拌下室温に上昇させる。水約50mlを添加し、混合物をジエチルエーテルで抜出する。有機抜出物をイグロスコピック塩で乾燥し、溶媒を蒸発させる。油状残留物を真空蒸留して、沸点が13.1Pa(0.1mmHg)で65〜67℃である留分を得る。これは、室温で固化し、3−ヒドロキシ−3−(3,5−ビス−トリフルオロメチル)フェニルシクロペンテン(純度98%)(ガスクロマトグラフィー)からなる。
このヒドロキシ誘導体5gを、無水シリカ10gとp−トルエンスルホン酸5mgとを含有する石油エーテル150mlに溶解する。懸濁液を、試薬が消失するまで30分間攪拌下放置する。二量体を含有する3,5−ビス−(トリフルオロメチルフェニル)シクロペンタジエンからなる反応生成物を単離せず、直ちに懸濁液の形態で続いての調製に使用する。
2)3,5−ビストリフルオロメチルフェニルシクロペンタジエニルリチウムの調製
上記パラグラフと同様にして得られた懸濁液をシリカで濾過して、懸濁固体を分離する。ヘキサンにブチルリチウム2.5M添加した溶液3mlを、透明液体に添加し、混合物を2時間攪拌したところ、析出物が形成し、これを、濾過分離、ヘキサン洗浄、真空乾燥する。所望の塩2.5gが得られる。
3)錯体の調製
3,5−ビストリフルオロメチルフェニルシクロペンタジエニルリチウム2.0g(7.0mmol)をTHF70mlに添加して調製した溶液を、磁気攪拌を備えたテールド試験管に準備する。得られた溶液に、ZrCl(THF)(3.5mmol)1.32gを攪拌下0℃で添加する。その後、混合物を、室温で24時間放置する。溶媒を真空下で蒸発させ、残留物をトルエンで抜出する。トルエン相を蒸発させ、残留物を再び塩化メチレンで抜出する。次に抜出物からCHClを蒸発後、重量1.2gの白色固体を得、NMR分光分析法による特性決定により、ビス〔η−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−シクロペンタジエニル〕ジルコニウムジクロリド(収率50%)であることが分かる。
H−NMRスペクトル(CDCl、TMSに対するppm):7.6(Ar,2H);7.4(Ar,2H);6.7(m,2H);6.4(m,2H)
【0027】
例5〜8:エチレンの重合
以下の一般的な方法を用いて、例5〜8に対応するエチレンの種々の重合試験を実施した。
トルエン(金属ナトリウムで予め蒸留したもの)500mlと上記MAO10%をトルエンに添加して調製した溶液0.54mlとを、容積1リットルで、プロペラ型攪拌器、サーモカップル、及び温度制御用サーモスタットに接続した加熱ジャケットを備えたガラス反応器付BUCHIオートクレーブに装入し、少なくとも2時間真空下に維持し、その間に窒素で3回洗浄する。耐圧反応器を70℃に加熱し、本発明による所望量のメタロセン錯体を、錯体中の遷移金属(この場合、ジルコニウム)とMAOとして導入したアルミニウムとの間の原子比が約2500となるように、シリンジで導入する。耐圧反応器を、エチレンで2気圧まで加圧し、重合を30分間実施し、エチレンを連続的に供給し、圧力を試験期間中全体を通して一定に維持する。酸性化メタノールでの析出後アセトン洗浄することにより、ポリマーを回収する。このようにして得られたポリマーは直鎖ポリエチレン(HDPE)であり、これは、数平均分子量(M)及び重量平均分子量(M)並びに分子量分布(MWD=M/M)を測定することにより特性決定られる。
上記例1〜4により調製した錯体を用いて、上記方法により、異なる重合を実施した。重合条件及び結果を、以下の表1にまとめて示す。表1では、各例について、ジルコニウム錯体を、それぞれの製造例ごとに第二欄に示す。
【0028】
例9(比較例)
比較例として、エチレンの重合試験を、ビス−(η−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド(η−C)ZrClをメタロセン錯体として用いて、上記例5〜8と同様の条件下で実施した。結果及び得られたポリエチレンの特性を、表1に示す。
【表1】
Figure 0004145372

Claims (10)

  1. チタン、ジルコニウム及びハフニウムから選択される金属Mのメタロセン錯体であって、金属Mに配位したη−シクロペンタジエニル環を含有する少なくとも一つのアニオン基Aを含んでなり、前記アニオン基がシクロペンタジエニル環の少なくとも一つの位置において式:
    Ph−(CR
    (式中、R及びRは独立して水素、ハロゲン又はC〜Cアルキル基、「n」は0又は1、Phは−CR又はAに結合し且つ塩素とは異なる1〜3個の電子吸引基により置換された芳香族環を含んでなるC〜C14の基であるが、
    但し、Aがη−インデニル基及び「n」が0であるときには少なくとも一個のPh基がAのインデニルの1位又は3位に結合している)で表される基で置換されていることを特徴とするメタロセン錯体。
  2. 下式(II):
    Figure 0004145372
    〔式中、Mはチタン、ジルコニウム及びハフニウムから選択される金属であり;
    二つのR’は、各々独立的にハイドライド、ハライド、C〜Cアルキル基、C〜C12アルキルシリル基、C〜Cシクロアルキル基、C〜C10アリール基、C〜Cアルコキシル基、C〜Cカルボキシル基、C〜C10ジアルキルアミド基及びC〜C20アルキルシリルアミド基からなる群から選択される置換基を表し;
    R”は前記R’基と同種の置換基を表し独立的にそれらから選択されるか、置換又は非置換であって、金属Mに配位し、以下のAの定義に含まれる置換シクロペンタジエニルアニオンから選択されるη−シクロペンタジエニル環含有第二アニオンを表し;
    R”’は炭素数1〜10で、一つ以上のヘテロ原子、O、N、P、Sn、Ge又はSiを含有することができる、共有結合によりAとR”との間に架橋結合した二価基を表し;
    Aは下式(III):
    Figure 0004145372
    (式中、R基(i=1、2、3、4又は5)は各々独立的に水素、ハロゲン、C〜Cアルキル基、C〜C12アルキルシリル基、C〜Cシクロアルキル基、C〜C14アリール基、C〜C15アリールアルキル基、C〜Cアルコキシル基、C〜Cカルボキシル基であるか、二つのR隣接基が互いに結合して少なくとも3個または5〜8個の水素及びハロゲンとは異なる非金属原子を含んでなる環状脂肪族又は芳香族構造を形成でき;そして
    「x」は0又は1でよいが、但し、「x」が1のときには、二価のR”’基の一方の側が式(III)を有するR基の一つの置換基としてA基に結合し、他方の側がR”基にその水素原子のいずれかの置換基として結合しており、「x」が0のときには、 A 基と R ’’は互いに結合していない。)で表される金属Mに配位した置換η−シクロペンタジエニル環含有アニオンである〕で表されることができる請求項1に記載のメタロセン錯体であって、
    A基の式(III)における少なくとも一つのR、及びR”基が式IIIで表されるときにはさらにR”の式における少なくとも一つのRも、下式:
    Ph−(CH
    (式中、「n」及びPhは請求項1で定義した通りであるが、但し、Aがη−インデニル基であり且つ「n」が0であるときには、少なくとも一つのPh基がAにおけるインデニルの1位又は3位に結合している)で表される基からなることを特徴とするメタロセン錯体。
  3. Phについての前記電子吸引基がフッ素、ハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜15のフッ素化炭化水素基、ハロゲン化アルキルシリ基、炭素数1〜15のフッ素化アルキルシリル基、炭素数2〜15のハロゲン化又は非ハロゲン化アルコキシカルボニル基及び炭素数2〜15のアルコキシアルキル基又はアリールオキシアルキル基から選択される請求項1又は2に記載のメタロセン錯体。
  4. 式中(II)におけるR”が金属Mに配位したη−シクロペンタジエニル環含有C基である請求項2又は3に記載のメタロセン錯体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の少なくとも一種のメタロセン錯体及び少なくとも一種の共触媒を含んでなるエチレン及び/又はα−オレフィンの(共)重合用触媒。
  6. 前記共触媒がアルミノオキサンからなる請求項5に記載の触媒。
  7. 前記アルミノオキサンがメチルアルミノオキサンであり、かつ、前記メタロセン錯体中の金属 M と前記アルミノオキサン中のアルミニウムとの原子比が、10〜10,000の範囲である、請求項6に記載の触媒。
  8. カチオンメタロセン錯体を含んでなる請求項5に記載の触媒であって、このカチオンメタロセン錯体が請求項1〜4のいずれか1項に記載の中性メタロセン錯体と、前記中性メタロセン錯体からシグマ結合アニオン基を抜出して非配位アニオンを形成できる非プロトン性ルイス酸及びアニオンが非配位であり且つカチオンが中性メタロセン錯体からシグマ結合アニオン基を抜出して中性化合物を形成できる有機塩から選択されることを特徴とする触媒。
  9. 前記メタロセン錯体と前記共触媒から選択される少なくとも一種の成分が、高分子無機又は有機固体粒状担体に担持されていることを特徴とする請求項5〜のいずれか1項に記載の触媒。
  10. 少なくとも一種のα−オレフィン及び任意にコモノマーを連続式又はバッチ式反応器に供給する工程と、適当な液状媒体中又はガス相中において、重合触媒の存在下で、前記混合物を懸濁又は溶液(共)重合する工程と、を含んでなるα−オレフィンの(共)重合方法であって、前記触媒が請求項5〜のいずれか1項に記載の触媒であることを特徴とする方法。
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