JP2002520413A - ニューロンの成長および伸長を刺激するための化合物、組成物、および方法 - Google Patents

ニューロンの成長および伸長を刺激するための化合物、組成物、および方法

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Abstract

(57)【要約】 FK-506結合タンパク質(FKBP)のペプチジルプロリルイソメラーゼ(ロタマーゼ)酵素活性を阻害する化合物、およびこれらの化合物を含む組成物を記載する。FKBP阻害化合物は、二環性[3.3.1]、[4.3.1]または多環性アザアミド核を有する。このような化合物を含む薬学的組成物は、神経細胞における神経突起成長の刺激と、神経再生の促進を助ける。神経細胞をそのような組成物で治療する方法は、疾病および物理的外傷により引き起こされるニューロン損傷の修復を促進するために有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】関連出願の相互参照 本出願はKatohらの名前で1998年7月17日に出願された米国仮出願第60/093,299
号に関連する。
【0002】発明の技術分野および産業適用性 本発明は、神経再生につながる神経細胞の神経突起成長を刺激するための方法
ならびに薬学的化合物および組成物に関する。特に、この組成物は、FK-506結合
タンパク質(FKBP)に関連するペプチジルプロリルイソメラーゼ(ロタマーゼ)
酵素活性を阻害する化合物を含む。この方法は、神経細胞をロタマーゼ阻害化合
物を含む組成物で処理することを含む。本発明の方法は、疾病または物理的外傷
によって引き起こされるニューロン損傷の修復を促進するために用いることがで
きる。
【0003】発明の背景 イムノフィリンは、シクロスポリンA、FK-506およびラパマイシンなどの重要
な免疫抑制剤の受容体として機能する可溶性タンパク質群である。特に興味が持
たれるイムノフィリンはFK-506結合タンパク質(FKBP)である。神経系における
イムノフィリンの役割を再確認するには、Solomonら、「イムノフィリンと神経
系(Immunophilins and Nervous System)」、Nature Med.、1(1)、32〜37(1
995)を参照されたい。
【0004】 12キロダルトンのFK-506結合タンパク質であるFKBP12は、高親和性でFK-506に
結合する。そのような結合は、マイクロ熱量測定と放射性同位体標識されたFK-5
06、例えば[3H]ジヒドロ-FK-506(Siekierkaら、Nature、341、755〜57(1989)
;およびSteinerらの米国特許第5696135号参照)および32-[1-14C]-ベンゾイル-
FK-506(Hardingら、Nature、341、758〜60(1989)参照)を用いて直接測定さ
れてきた。FKBPに対する他の化合物の結合親和性は、マイクロ熱量測定により、
またはSiekierkaらもしくはHardingら記載のトリチル化もしくは14C標識FK-506
のいずれかを用いた競合的結合アッセイ法から直接求めることができる。
【0005】 FK-506結合タンパク質であるFKBP12は、種々の重要な細胞機能に関与している
。FKBP12はペプチドのプロリン結合のシス-トランス異性化を触媒する。このペ
プチジルプロリルイソメラーゼ酵素活性はロタマーゼ活性とも呼ばれている。そ
のような活性は当技術分野において公知の方法によって容易に分析される(Fisc
herら、Biochim. Biophys. Acta 791、87(1984);Fischerら、Biomed. Biochi
m. Acta 43、1101(1984);およびFischerら、Nature 337、476〜478(1989)
参照)。Armisteadらの米国特許第5192773号および第5330993号では、ロタマー
ゼ阻害活性に相関するFKBP結合親和性が多くの化合物について報告されている。
【0006】 FK-506およびFKBPと競合的にFKBPに結合する化合物は、神経細胞における神経
突起(軸索)の成長を刺激する(Steinerらの米国特許第5696135号参照)。Lyon
sら(Proc. Natl. Acad. Sci, USA、91、3191〜95(1994))は、ラット褐色腫
細胞系でFK-506が神経突起成長刺激における神経成長因子(NGF)の効果を促進
または増強するはたらきをすることを明らかにした。そのような神経突起成長の
メカニズムは、神経成長因子の作用を10〜100倍に増強することであると考えら
れる。
【0007】 FK-506、およびFKBPへのFK-506結合を競合的に阻害する化合物によるFKBPのペ
プチジルプロリルイソメラーゼ(ロタマーゼ)酵素活性阻害効力は、経験的に神
経突起成長の刺激活性に相関する。ロタマーゼ阻害と神経栄養作用との間には密
接な相関性があるため、ロタマーゼはタンパク質基質をニューロンの成長を促進
する形に変換する可能性があるとの説が出された(米国特許第5696135号参照)
。例えば、FKBP12は細胞内カルシウムイオンチャネル−リアノジン受容体(RyR
)およびイノシトール1,4,5-三リン酸受容体(IP3R)との結合複合体を形成し(
Jayaramanら、J. Biol. Chem.、267、9474〜9477(1992);Cameronら、Proc. N
atl. Acad. Sci, USA、92、1784〜1788(1995))、カルシウムの放出を安定さ
せる助けとなることが見いだされている。RyRおよびIP3Rの両方について、FK-50
6およびラパマイシンはこれらの受容体からFKBP12を解離することができること
が示されている。いずれの場合にも、FKBP2の「ストリッピング」によってカル
シウムチャネルの漏出性が増大し、細胞内カルシウム濃度が低下する。カルシウ
ムフラックスは神経突起成長の刺激に関連している可能性があると示唆されてい
る。
【0008】 加えて、FK-506-FKBP結合複合体は、細胞質ホスファターゼであるカルシニュ
ーリンに結合してこれを阻害する。カルシニューリンのホスファターゼ活性は、
活性化T細胞の核因子(NF-AT)の脱リン酸化と、それに続く核への移動にとって
必要不可欠である(Flanaganら、Nature、352、803〜807(1991)参照)。NF-AT
はインターロイキン-2遺伝子の活性化を開始する転写因子で、この活性化は次に
T細胞増殖を仲介する。これらの段階は免疫応答の活性化にとって重要である。
カルシニューリン阻害活性はFK-506および関連化合物の免疫抑制活性に相関する
【0009】 しかし、カルシニューリンの阻害は神経突起成長の刺激には相関していない。
したがって、ロタマーゼの強力な阻害物質であるが、カルシニューリンを強く阻
害することはない化合物は、神経栄養性であるが免疫抑制性ではないと考えられ
るため、このような化合物が望ましい。
【0010】 このような神経栄養性物質は、望ましくは神経突起成長の増強において用いら
れ、したがって、外傷または糖尿病などの疾病によって引き起こされた末梢神経
損傷、卒中に関連する脳損傷を含む、ニューロンの修復が促進されうる様々な病
的状態における、また、パーキンソン病、アルツハイマー病、および筋萎縮性側
索硬化症(ALS)を含む、神経変性に関係する神経学的障害の治療のための、ニ
ューロンの成長および再生の促進において用いられる。さらに、免疫抑制剤の長
期使用は腎毒性、神経学的欠損、および血管性高血圧などの副作用を伴うため、
そのような使用は免疫抑制効果を随伴しないことが好ましい。
【0011】 様々なロタマーゼ酵素活性阻害物質、FKBP結合化合物、または免疫調節化合物
が知られている。例えば、米国特許第5192773号、第5330993号、第5516797号、
第5612350号、第5614547号、第5622970号、第5654332号、第5665774号、第56961
35号、および第5721256号を参照されたい。また、国際公開公報第96/41609号、
第96/40633号、および第96/40140号も参照されたい。
【0012】 神経突起成長を刺激することによって治療しうる様々な疾病があり、この性質
を有することが知られている強力なFKBP結合化合物が比較的少ないことを考慮し
て、さらなる神経栄養性ロタマーゼ結合化合物がまだ必要とされている。そのよ
うな化合物は望ましくは、薬学的調製物における使用に適した物理的および化学
的性質、例えば、生物学的利用能、半減期、および活性部位への効率的送達とい
った性質を有する。望まれる性質を考慮して、タンパク質よりも小さい有機分子
が好ましい。さらに、そのような化合物は著しい免疫抑制活性を持たないことが
望ましい。
【0013】発明の概要 したがって、本発明の目的は小分子神経栄養物質を提供することである。別の
目的は、非免疫抑制物質であるロタマーゼ結合化合物を得ることである。本発明
のさらなる目的は、そのような化合物ならびにその有用な中間体を合成するため
の有効な方法を提供することである。本発明のもう一つの目的は、神経痛、筋ジ
ストロフィ、ベル麻痺、重症筋無力症、パーキンソン病、アルツハイマー病、多
発性硬化症、ALS、卒中および卒中に関連する虚血、神経パラパシー(neural pa
rapathy)、他の神経変性性疾患、運動ニューロン疾患、ならびに脊髄損傷を含
む神経損傷を含む(が、これらに制限されることはない)状態が原因の、または
それに関連する神経学的外傷または障害を有する患者を治療するための方法を提
供することである。
【0014】 そのような目的は、ニューロンの成長および再生を刺激するために用いること
ができる、本発明のロタマーゼ結合物質によって達成された。ニューロンの成長
および再生の治療的刺激を必要とする患者にこれらの物質を投与することで、外
傷または糖尿病などの疾病によって引き起こされた末梢神経損傷、卒中に関連す
る脳損傷を含む、ニューロンの修復が促進されうる様々な病的状態における、ま
た、パーキンソン病、アルツハイマー病、および筋萎縮性側索硬化症を含む、神
経変性に関係する神経学的障害の治療のための、有効な治療法が提供される。
【0015】 一つの一般的態様において、本発明のロタマーゼ結合物質は下記の一般構造式
(I-a)の化合物を含む:
【化177】 上式で: R1は、水素、置換または無置換のアルキル、アルケニル、アリール、C3〜C8
クロアルキル、およびC5〜C7シクロアルケニル基、ならびにC(R11)(R12)(R13)か
ら選択され、該アルキルおよびアルケニル基はC1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニ
ル、C4〜C6シクロアルケニル、またはヒドロキシで任意に置換されており、該ア
リール基はハロゲン、ヒドロキシル、NO2、CF3、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケ
ニル、C1〜C4アルキルオキシ、C2〜C4アルケニルオキシ、ベンジルオキシ、フェ
ノキシ、アミノ、またはフェニルで任意に置換されており、かつ該シクロアルキ
ルおよびシクロアルケニル基はC1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、C1〜C4アル
キルオキシ、またはヒドロキシで任意に置換されており、またR11およびR12はそ
れぞれ個別に低級アルキルであるか、またはR11およびR12はそれらが結合してい
る原子と共にシクロアルキルを形成し、かつR13はH、OH、低級アルキル、アリー
ル、または(CH2)n-O-W1で、ただしnは0、1、2、または3であり、W1はR2またはC(
O)R2であり、かつR2は一つまたは二つのメトキシ基で任意に置換されているC1
C3アルキルであり; Xは水素、シアノ、C1〜C2アルキルオキシ、ジメトキシメチル、および酸素か
ら選択され、ただしXが酸素のとき、C-X結合(すなわち、Xを環の炭素原子につ
なぐ結合)は二重結合であり;かつ Yは、水素、アルキル、アルケニル、およびシクロアルキルから選択され、該
アルキル、アルケニル、およびシクロアルキル基は一つまたは複数の位置で、置
換または無置換のアルキル、アリール、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アリ
ールオキシ、アルケニルオキシ、ヒドロキシ、(CH2)p-O-W2、および(CH2)p-N-W2 で任意に置換されており、ただしpは0、1、または2であり、かつW2はR3またはC(
O)R3であり、ただしR3はアルキル、アリール、またはアルコキシで任意に置換さ
れているアルキル、アルケニル、またはアリールであるか;または XおよびYは、Yが結合している環構造の窒素ヘテロ原子(式(I-a)に示す)と
共に、OおよびNから選択される一つの追加のヘテロ原子(すなわち、図示した環
構造の窒素原子の他に一つのヘテロ原子)を任意に含む5〜7員環飽和または不飽
和複素環を形成し、該5〜7員環飽和または不飽和複素環はJ、K、およびLから選
択される一つまたは複数の置換基で任意に置換されており、これら置換基は個別
に、C3〜C5シクロアルキル、メトキシ、メトキシフェニル、もしくはジメトキシ
フェニルから個別に選択される一つもしくは二つの置換基で任意に置換されてい
る酸素、C3〜C5シクロアルキル、もしくはC1〜C5アルキルであるか、またはJお
よびKは共に、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシと、酸素
、窒素、炭素もしくは硫黄によりフェニル環に連結されている適当な置換基とか
ら選択される一つもしくは複数の置換基で任意に置換されているフェニル環を形
成する。
【0016】 別の一般的態様において、本発明は下記の式(I-b)の化合物を目的とする:
【化178】 上式で: R1は、水素、置換または無置換のアルキル、アルケニル、アリール、C3〜C8
クロアルキル、およびC5〜C7シクロアルケニル基、ならびにC(R11)(R12)(R13)か
ら選択され、該アルキルおよびアルケニル基はC1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニ
ル、C4〜C6シクロアルケニル、またはヒドロキシで任意に置換されており、該ア
リール基はハロゲン、ヒドロキシル、NO2、CF3、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケ
ニル、C1〜C4アルキルオキシ、C2〜C4アルケニルオキシ、ベンジルオキシ、フェ
ノキシ、アミノ、またはフェニルで任意に置換されており、かつ該シクロアルキ
ルおよびシクロアルケニル基はC1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、C1〜C4アル
キルオキシ、またはヒドロキシで任意に置換されており、またR11およびR12はそ
れぞれ個別に低級アルキルであるか、またはR11およびR12はそれらが結合してい
る原子と共にシクロアルキルを形成し、かつR13はH、OH、低級アルキル、アリー
ル、または(CH2)n-O-W1で、ただしnは0、1、2、または3であり、W1はR2またはC(
O)R2であり、かつR2は一つまたは二つのメトキシ基で任意に置換されているC1
C3アルキルであり; X1およびX2はそれぞれ、水素、シアノ、C1〜C2アルキルオキシ、ジメトキシメ
チル、および酸素から個別に選択され、ただしX1またはX2が酸素のとき、C-X結
合(すなわち、X1またはX2を環の炭素原子につなぐ結合)は二重結合である(す
なわち、X1またはX2は=Oである)か;またはX1およびX2は共に原子価結合を形成
し;かつ Yは、水素、アルキル、アルケニル、およびシクロアルキルから選択され、該
アルキル、アルケニル、およびシクロアルキル基は一つまたは複数の位置で、置
換または無置換のアルキル、アリール、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アリ
ールオキシ、アルケニルオキシ、ヒドロキシ、(CH2)p-O-W2、および(CH2)p-N-W2 で任意に置換されており、ただしpは0、1、または2であり、かつW2はR3またはC(
O)R3であり、ただしR3はアルキル、アリール、またはアルコキシで任意に置換さ
れているアルキル、アルケニル、またはアリールであるか;または X1およびX2の一つとYの組み合わせは、Yが結合している環構造の窒素ヘテロ原
子(式(I-b)に示す)と共に、OおよびNから選択される一つの追加のヘテロ原
子(すなわち、図示した環構造の窒素原子の他に一つのヘテロ原子)を任意に含
む5〜7員環飽和または不飽和複素環を形成し、該5〜7員環飽和または不飽和複素
環はJ、K、およびLから選択される一つまたは複数の置換基で任意に置換されて
おり、これら置換基は個別に、C3〜C5シクロアルキル、メトキシ、メトキシフェ
ニル、もしくはジメトキシフェニルから個別に選択される一つもしくは二つの置
換基で任意に置換されている酸素、C3〜C5シクロアルキル、もしくはC1〜C5アル
キルであるか、またはJおよびKは共に、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフ
ルオロメトキシと、酸素、窒素、炭素もしくは硫黄によりフェニル環に連結され
ている適当な置換基とから選択される一つもしくは複数の置換基で任意に置換さ
れているフェニル環を形成する。
【0017】 本発明のロタマーゼ阻害物質はまた、式(I-a)または(I-b)の化合物の薬学
的に許容される誘導体も含む。
【0018】 本発明はさらに、神経痛、筋ジストロフィ、ベル麻痺、重症筋無力症、パーキ
ンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、卒
中および卒中に関連する虚血、神経パラパシー、他の神経変性性疾患、運動ニュ
ーロン疾患、ならびに脊髄損傷を含む神経損傷を含む状態が原因の、またはそれ
に関連する神経学的外傷または障害を治療するための方法にも関する。本発明の
方法は、式(I-a)もしくは(I-b)の化合物、またはそのプロドラッグ、薬学的
に活性な代謝物、もしくは薬学的に許容される(非毒性の)塩の治療上有効な量
を、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む。そのような方法は
、式(I-a)もしくは(I-b)の化合物、またはそのプロドラッグ、薬学的に活性
な代謝物、もしくは薬学的に許容される(非毒性の)塩の治療上有効な量を含む
組成物を、薬学的に許容される担体もしくは希釈剤および/または神経成長因子
、インスリン成長因子およびその活性な短縮誘導体、酸性および塩基性線維芽細
胞成長因子、血小板由来成長因子、脳由来神経栄養因子、毛様体神経栄養因子、
グリア細胞系由来神経栄養因子、ニューロトロフィン-3、ならびにニューロトロ
フィン4/5から選択される神経栄養因子の治療上有効な量と組み合わせて、その
ような治療を必要とする患者に投与することをさらに含む。
【0019】 本発明はまた、以下に記載する式(II)、(III)、および(V)の中間体であ
って、式(I-a)および(I-b)のFKBP調節化合物を調製するために有用な中間体
にも関する。
【0020】 本発明の他の特徴、目的、および利点は下記の発明の詳細な説明を読めば明ら
かになると考えられる。
【0021】詳細な説明および好ましい態様 本発明のFKBP阻害物質: 本明細書において用いられる次の用語は、別に示される場合を除き、定義され
た意味を有する。
【0022】 「アルキル」という用語は、1〜10個の炭素原子を有する分岐または直鎖(線
状)パラフィン系炭化水素基(飽和脂肪族の基)を意味し、一般に式CkH2k+1
表すことができ、ただしkは1〜10の整数である。アルキルの例には、エチル、n-
プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、n-ペン
チル、イソペンチル、ネオペンチル、およびヘキシルならびにその単純な脂肪族
異性体が含まれる。「低級アルキル」という用語は1〜8個の炭素原子を有するア
ルキル(すなわち、C1〜C8アルキル)を意味する。
【0023】 「アルケニル」という用語は、2〜10個の炭素を含む分岐または直鎖(線状)
オレフィン系炭化水素基(一つまたは複数の二重結合を有する不飽和脂肪族の基
)を意味する。具体例としてのアルケニルには、エテニル、1-プロペニル、2-プ
ロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、イソブテニル、ならびに様々な異性ペンテ
ニルおよびヘキセニル(シスおよびトランス異性体の両方を含む)が含まれる。
【0024】 「アルコキシ」という用語は、-O-アルキルを意味し、ただし「アルキル」は
前述の定義のとおりである。「低級アルコキシ」とは、炭素原子1〜4個のアルキ
ル部分を含むアルコキシ基を意味する。
【0025】 「アルケニルオキシ」という用語は、-O-アルケニルを意味し、ただし「アル
ケニル」は前述の定義のとおりである。
【0026】 「アリール」という用語は、単環式または多環式芳香環部分、例えば、フェニ
ル、ナフチル、フリル、チエニル、ピロリル、ピリジル、ピリジニル、ピラゾリ
ル、イミダゾリル、ピラジニル、トリアジニル、オキサジアゾリル、H-テトラゾ
ール-5-イル、インドリル、キノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル
(チアナフテニル)、およびこれらに類するものを意味する。示される場合には
、そのようなアリール部分は、一つまたは複数の置換基、例えば、ハロゲン(F
、Cl、I、Br)、低級アルキル、-OH、-NO2、-CN、-CO2H、-O-低級アルキル、ア
リール、-O-アリール、アリール-低級アルキル、-CO2CH3、-CONH2、-OCH2CONH2
、-NH2、-SO2NH2、-OCHF2、-CF3、-OCF3、およびこれらに類するもので任意に置
換されていてもよい。アリール部分はまた、二つの置換基で置換されて架橋、例
えば-O-(CH2)z-O-(zは1〜3の整数)を形成することもできる。
【0027】 「アリール-低級アルキル」という用語は、アリールで置換された低級アルキ
ル(前述の定義のとおり)を意味する。
【0028】 「アリールオキシ」という用語は、-O-アリールを意味し、ただし「アリール
」は前述の定義のとおりである。
【0029】 「シクロアルキル」という用語は、各環が5〜7個の炭素原子を有し、飽和であ
る、単環式または多環式炭素環構造を意味する。シクロアルキルの例には、シク
ロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル
、およびアダマンチルが含まれる。示される場合には、シクロアルキルは一つま
たは複数の適当な置換基、例えば、ハロゲン、アルキル、-OR、または-SRで置換
されていてもよく、ただしRはアルキルまたはアリールである。
【0030】 「シクロアルケニル」という用語は、各環が5〜7個の炭素原子を有し、少なく
とも一つの環が部分的に不飽和であるか、または少なくとも一つの二重結合を有
する、単環式または多環式炭素環構造を意味する。
【0031】 「複素環」という用語(または環構造に関する語根「ヘテロ」)は、O、N、お
よびSから選択される一つまたは複数のヘテロ原子(非炭素原子)を含む環構造
を意味する。したがって、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、少なくとも
一つの環炭素原子がO、N、およびSから選択されるヘテロ原子で置き換えられて
いるシクロアルキルを意味する。
【0032】 本発明のロタマーゼ阻害化合物は前述の定義の式(I-a)および(I-b)で表さ
れる。好ましくは、ロタマーゼ阻害化合物はFKBP、特にFKBP12のロタマーゼ(ペ
プチジルプロリルイソメラーゼ)酵素活性を阻害する。式(I-a)および(I-b)
の化合物に加えて、本発明のロタマーゼ阻害物質は、そのような化合物のプロド
ラッグ、薬学的に活性な代謝物、および薬学的に許容される塩または溶媒和化合
物などの、その薬学的に許容される誘導体を含む。
【0033】 前述の式(I-a)および(I-b)で表される化合物の好ましい態様において、X
、X1、およびX2は水素もしくは酸素であるか、またはX1およびX2は原子価結合を
形成する。
【0034】 前述の式(I-a)および(I-b)で表される好ましい化合物において、Yは置換
または無置換のアルキル、アリール、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アリー
ル-アルキル、アリールオキシ、アルケニルオキシ、ヒドロキシ、(CH2)p-O-W2
および(CH2)p-N-W2から選択される一つまたは複数の置換基を有するアルキルで
あり、ただしpは0、1、または2であり、かつW2はR3またはC(O)R3であり、ただし
R3はアルキル、アリール、またはアルコキシで任意に置換されているアルキル、
アルケニル、またはアリールである。より好ましい態様において、Yは下記のと
おりである:
【化179】
【化180】 、または
【化181】
【0035】 他の好ましい態様において、X、またはX1およびX2の一つとYは、任意の介在す
る環原子と共に、置換または無置換のピペリジンまたはピペラジンを形成する。
【0036】 前述の式(I-a)で表される化合物について、R1は好ましくは、3,4,5-トリメ
トキシフェニル;mが1または2であり、かつnが0、1、または2である、
【化182】 ; およびR11およびR12がメチルおよびエチルから個別に選択され、かつR13がH、OH
、低級アルキル、アリール、および(CH2)n-O-W1から選択され、ただしnは0、1、
2、または3であるC(R11)(R12)(R13)から選択される。前述の式において、W1はR2 またはC(O)R2であり、ただしR2は好ましくは一つまたは二つのメトキシ基で任意
に置換されているC1〜C3アルキルである。
【0037】 前述の式(I-a)で表される化合物の特に好ましい種は次のとおりである:
【化183】
【化184】 、および
【化185】
【0038】 前述の式(I-b)で表される化合物の特に好ましい種は次のとおりである:
【化186】
【化187】
【化188】
【化189】
【化190】 、および
【化191】
【0039】 本発明の化合物はまた、式(I-a)および(I-b)の化合物の薬学的に許容され
る誘導体も含む。「薬学的に許容される誘導体」とは、本発明の化合物のプロド
ラッグ、薬学的に活性な代謝物、または薬学的に許容される塩、エステル、その
ようなエステルの塩、もしくは水和物を意味する。そのような化合物は、患者に
投与すると、直接または間接的に本発明の化合物、またはその代謝残分もしくは
生成物を生じることができ、それによりFKBPロタマーゼ活性を阻害するか、また
は神経突起成長を促進もしくは増強する。
【0040】 式(I-a)および(I-b)の化合物は薬学的に許容される塩の形で薬学的組成物
において用いることができる。そのような塩は、好ましくは無機または有機酸ま
たは塩基に由来する。具体例としての酸性塩には、酢酸塩、アジピン酸塩、アル
ギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、
クエン酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸
塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グル
コヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩
、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、
乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコ
チン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピ
オン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩
、チオシアン酸塩、トシル酸塩、およびウンデカン酸塩が含まれる。具体例とし
ての塩基性塩には、アンモニウム塩、ナトリウムおよびカリウム塩などのアルカ
リ金属塩、カルシウムおよびマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ジシク
ロヘキシルアミン塩、N-メチル-D-グルコサミン塩などの有機塩基との塩、なら
びにアルギニンおよびリジンなどのアミノ酸との塩が含まれる。同様に、塩基性
の窒素含有基を、塩化、臭化、またはヨウ化メチル、エチル、プロピル、および
ブチルなどのハロゲン化低級アルキル;硫酸ジメチル、ジエチル、ジブチル、お
よびジアミルなどの硫酸ジアルキル;塩化、臭化、またはヨウ化デシル、ラウリ
ル、ミリスチル、およびステアリルなどの長鎖ハロゲン化物;ならびに臭化ベン
ジルおよびフェネチルなどのハロゲン化アラルキルなどの物質で4級化すること
もできる。水溶性もしくは油溶性または分散性生成物をそのような塩から調製す
ることもできる。
【0041】 加えて、本発明の化合物を、適当な官能基を負荷することによって修飾し、選
択的な生物学的特性を増強することもできる。そのような修飾は当業者の範囲内
であり、所与の生体系(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)への生物学的浸
透を増大させるもの、経口での利用率を増大させるもの、注射による投与を可能
にするために溶解性を高めるもの、代謝を変化させるもの、および排出速度を変
化させるものが含まれる。
【0042】 本明細書に記載の化合物の中には、一つまたは複数の不斉中心を含み、したが
って鏡像異性体、ジアステレオ異性体、回転異性体、および他の立体異性体を生
じるものもある。本発明は、そのような可能な立体異性体すべて、ならびにそれ
らのラセミ体および光学的に純粋な形を含むことが意図される。光学活性な(R
)および(S)異性体を、キラルシントンもしくはキラル試薬を用いて調製する
、または通常の技法を用いて分割することができる。本明細書に記載の化合物が
オレフィン系二重結合を含むとき、これらはEおよびZ両方の幾何異性体を含むこ
とが意図される。さらに、本発明はそのような可能な回転異性体すべて、特に下
記のとおり結合の周りに異なる配向を有するものを含むことが意図される:
【化192】
【0043】 さらに、本明細書において言及される化学式は互変異性の現象を示すことがあ
る。本明細書における式の図は可能な互変異性体の一つを示しているにすぎない
ため、本発明は開示された手段を用いて、または公知の様式で生成しうるいかな
る互変異性体も対象としており、式によって図示されるいかなる一つの互変異性
体にも制限されないことが理解されるべきである。
【0044】 合成法: 式(I-a)の化合物は式(III)の化合物から調製することができる:
【化193】 。 式(III)において、R31は水素ならびに任意に置換されたアルキル、アルケニル
、シクロアルキル、シクロアルケニル、
【化194】 、および
【化195】 から選択され、ただしqは0または1であり、かつR30はヒドロキシル、C1〜C6アル
キル、C2〜C6アルケニル、C1〜C4アルキルオキシ、C2〜C4アルケニルオキシ、ベ
ンジルオキシ、フェノキシ、およびフェニルから個別に選択される一つもしくは
複数の置換基で置換されているか、または無置換のアルキルもしくはアリール基
である。Xは、水素、シアノ、C1〜C2アルキルオキシ、ジメトキシメチル、また
は酸素であり、ただしXが酸素であるとき、Xを環の炭素原子につなぐ結合は二重
結合であり;かつYは、ヒドロキシル、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C1
〜C4アルキルオキシ、C2〜C4アルケニルオキシ、ベンジルオキシ、フェノキシ、
およびフェニル、(CH2)p-O-W2、または(CH2)p-N-W2から個別に選択される一つも
しくは複数の置換基で置換されているか、または無置換のアルキル、アリール、
アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、アルケニルオキシ、および
ヒドロキシ基から個別に選択される一つもしくは複数の置換基で置換されている
か、または無置換の水素、アルキル、アルケニル、またはシクロアルキル基であ
り、ただしpは0、1、または2であり、かつW2はR3またはC(O)R3であり、ただしR3 はアルキル、アリール、およびアルコキシから個別に選択される一つもしくは複
数の置換基で置換されているか、または無置換のアルキル、アルケニル、または
アリール基である。またはXおよびYは、それらがそれぞれ結合している炭素環原
子および窒素ヘテロ原子と共に、一つもしくは複数の置換基J、K、およびLで置
換されているか、または無置換の5〜7員環飽和または不飽和複素環を形成し;た
だしJ、K、およびLは酸素と、C3〜C5シクロアルキル、メトキシ、メトキシフェ
ニル、およびジメトキシフェニルから個別に選択される一つもしくは複数の置換
基で置換されているか、または無置換のC3〜C5シクロアルキルおよびC1〜C5アル
キル基とから個別に選択される置換基を表すか;あるいはJおよびKは共に、メト
キシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシと、酸素、窒素、炭素または
硫黄によりフェニル環に連結されており、ハロゲン、ヒドロキシル、NO2、CF3
C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C1〜C4アルキルオキシ、C2〜C4アルケニル
オキシ、ベンジルオキシ、フェノキシ、アミノ、およびフェニルから個別に選択
される置換基とから個別に選択される一つもしくは複数の置換基で置換されてい
るか、または無置換のフェニル環を形成する。
【0045】 好ましい態様において、R31
【化196】 であり、より好ましくはベンジルオキシカルボニルである。
【0046】 式(III)の化合物の特に好ましい例は下記のとおりである:
【化197】
【化198】
【化199】 、および
【化200】 、 ただしZはベンジルオキシカルボニルである。式(III)の化合物の他の好ましい
例は下記のとおりである:
【化201】
【化202】 、および
【化203】 、 ただしZはベンジルオキシカルボニルである。式(III)の好ましい化合物のもう
一つの群は下記のとおりである:
【化204】 および
【化205】 、 ただしZはベンジルオキシカルボニルである。 さらに好ましい式(III)の化合物は下記のものから選択される:
【化206】
【化207】
【化208】 、および
【化209】 、 ただしZはベンジルオキシカルボニルである。
【0047】 式(III)の化合物は式(III-a)の化合物を含み、これは還元条件下で式(II
I-b)の化合物に変換することができる。
【化210】
【化211】 式(III-a)において、R32は任意に置換されたアルキル、アルケニル、アリール
、シクロアルキル、シクロアルケニル、
【化212】 、および
【化213】 から選択され、ただしqは0または1であり、かつR30はヒドロキシル、C1〜C6アル
キル、C2〜C6アルケニル、C1〜C4アルキルオキシ、C2〜C4アルケニルオキシ、ベ
ンジルオキシ、フェノキシ、およびフェニルから個別に選択される一つもしくは
複数の置換基で置換されているか、または無置換のアルキルもしくはアリール基
である。式(III-a)および(III-b)において、XおよびYは式(I-a)で定義され
たとおりである。式(I-a)の化合物を得るために、式(III-b)の化合物を式(
IV)の化合物と結合させる:
【化214】 。 式(IV)において、R1は式(I-a)で定義されたとおりである。
【0048】 式(III-a)の化合物は式(II)の化合物を用いて調製することができる:
【化215】 。 式(II)において、Zは
【化216】 であり、ただしqは0または1であり、かつR30はヒドロキシル、C1〜C6アルキル、
C2〜C6アルケニル、C1〜C4アルキルオキシ、C2〜C4アルケニルオキシ、ベンジル
オキシ、フェノキシ、およびフェニルから個別に選択される一つもしくは複数の
置換基で置換されているか、または無置換のアルキルもしくはアリール基である
。好ましくは、Zはベンジルオキシカルボニルである。
【0049】 式(I-b)の化合物は、前述の方法と類似の方法により、式(V)の化合物から
調製することができる。
【化217】
【0050】 式(V)の化合物は式(V-a)の化合物を含み、これは還元条件下で式(V-b)
の化合物に変換することができる:
【化218】
【化219】 。 式(V)、(V-a)および(V-b)において: R31およびR32は式(III)、(III-a)および(III-b)について定義されたと
おりであり; X1およびX2はそれぞれ個別に水素、シアノ、C1〜C2アルキルオキシ、ジメトキ
シメチル、もしくは=Oであるか、またはX1およびX2は共に原子価結合を形成し;
かつ Yは式(III)、(III-a)および(III-b)について定義されたとおりであるか
;または X1およびX2の一つとYの組み合わせと、それらがそれぞれ結合している炭素環
原子および窒素ヘテロ原子ならびに任意の介在する環原子は、一つもしくは複数
の置換基J、K、およびLで置換されているか、または無置換の5〜7員環飽和また
は不飽和複素環を形成し、ただしJ、K、およびLはそれぞれ、酸素と、C3〜C5
クロアルキル、メトキシ、メトキシフェニル、およびジメトキシフェニルから個
別に選択される一つもしくは複数の置換基で置換されているか、または無置換の
C3〜C5シクロアルキルおよびC1〜C5アルキル基とから個別に選択されるか、ある
いはJおよびKは共に、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシと
、酸素、窒素、炭素または硫黄によりフェニル環に連結されており、ハロゲン、
ヒドロキシル、NO2、CF3、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C1〜C4アルキル
オキシ、C2〜C4アルケニルオキシ、ベンジルオキシ、フェノキシ、アミノ、およ
びフェニルから個別に選択される置換基とから個別に選択される一つもしくは複
数の置換基で置換されているか、または無置換のフェニル環を形成する。
【0051】 本発明の好ましい態様および特徴を例示するために、具体例としての合成を以
下に記載する。
【0052】 下記の合成プロトコルは本明細書および合成スキームにおいて特定された中間
化合物および最終生成物に言及する。本発明の様々な化合物の調製を、以下の実
施例を用いて詳細に説明するが、当業者であれば記載された化学反応は本発明の
他のFKBP阻害化合物を調製するために広く適用されることを容易に理解すると思
われる。当業者が理解するとおり、一つの化合物を製造するための反応が、本発
明の特定の化合物を製造するために記載されたとおり正確に適用できない場合、
当業者であれば、当技術分野における知識に照らして適当な変更を行うことによ
り(例えば、妨害または保護基を適当にブロックすること、他の通常の試薬に代
えること、または反応条件を慣例的に変更することにより)所望の合成が首尾よ
く実施できるか、またはそのような化合物を調製するためには、本明細書におい
て開示された別の反応(または開示されたものと類似の反応)もしくは通常の方
法が適当であるかを、容易に決定することができる。特定の保護基(一つまたは
複数の固有の官能基との反応をブロックする基)が下記の合成において例示され
ているが、用いる官能基および特定の化学に応じて、当業者には他の適当な保護
基が明白であると考えられる。例えば、GreeneおよびWutz、「化学合成における
保護基(Protecting Group in Chemical Synthesis)(第2版)、John Wiley &
Sons、NY(1991)を参照されたい。
【0053】 本明細書に記載のすべての合成法において(別に示される場合を除き)、出発
物質は公知であるか、入手可能、または公知の出発物質から容易に調製すること
ができ、温度はすべて摂氏温度で示され、割合およびパーセンテージはすべて重
量による。試薬は、Aldrich Chemical CompanyまたはLancaster Synthesis Ltd.
などの民間の供給業者から購入した。試薬および溶媒は工業等級で、供給された
まま用いたが、以下のものは例外とした:ジクロロメタン(CH2Cl2)は使用前に
水素化カルシウムから蒸留した;テトラヒドロフラン(THF)は使用前にベンゾ
フェノンナトリウムのケチルから蒸留した;メタノールは4オングストロームの
モレキュラーシーブで乾燥した。
【0054】 フラッシュカラムクロマトグラフィは、シリカゲル60(Merck Art 938)を用
いて実施した。1H-NMR(300MHz)スペクトルはCDCl3溶液中で測定し、Varian-30
0機器でVarian UNITYplus300操作ソフトウェアを用いて記録した。化学シフトは
内部標準としてのテトラメチルシランからのずれを百万分率(ppm)で報告し、
結合定数はヘルツで示す。スピン多重度について以下の略語を用いる:br=広幅
、s=一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、m=多重線、およびcm=複合
多重線。赤外(IR)スペクトルはPerkin-Elmer 1600シリーズFTIR分光計で記録
し、波数(cm-1)で示す。元素分析はAtlantic Microlab, Inc.、Norcross、GA
により実施した。高分解能質量スペクトル(HRMS)はScripps Mass Spectra Lab
oratory、La Jolla、CAによって実施した。融点(mp)はMel-Temp II装置で測定
し、補正は行わない。
【0055】 別に示される場合を除き、下記の反応は無水溶媒中、室温で、窒素(N2)また
はアルゴン(Ar)風船による陽圧下で実施し、シリンジから基質および試薬を導
入するために反応フラスコにはゴムキャップを取りつけた。ガラス器具は熱乾燥
した。分析用薄層クロマトグラフィ(TLC)は、裏がガラスのシリカゲル60F254
プレート(Analtech、0.25mm)で実施し、適当な溶媒比(v/v)で溶出して、適
宜記載した。反応はTLCで分析し、出発物質の消費による判断に従って停止した
。チッププレートは紫外(UV)ランプを用いて可視化した。可視化はニンヒドリ
ン、モリブデン酸アンモニウム、ヨウ素(I2)箱、または熱で活性化したp-アニ
スアルデヒド噴霧試薬もしくはリンモリブデン酸試薬(Aldrich Chemical、エタ
ノール中20重量%)などの色素を用いて実施することもできる。
【0056】 後処理は通常、反応溶媒または抽出溶媒で反応容量を2倍にし、次いで指定さ
れた水性溶液で抽出容量の25体積%を用いて洗浄することにより実施した(別に
示される場合を除く)。生成物溶液を無水Na2SO4で乾燥した後、濾過し、ロータ
リーエバポレーター上、減圧下で溶媒を蒸発させたが、これは溶媒を減圧除去し
たと記す。フラッシュカラムクロマトグラフィ(Stillら、J. Org. Chem. 43:2
923(1978))はシリカゲル60(Merck Art 9385)を未精製物質との比約20:1〜
50:1で用いて行った(別に示される場合を除く)。水素化分解は実施例中に示
された圧または大気圧で実施した。
【0057】 以下に略述した反応スキームを用いて本発明の化合物を調製することができる
。これらのスキームは、式(I-a)または(I-b)の最終化合物においてR1置換基
を結合することになるブリッジヘッド窒素を保護(保護基R32により)する段階
と、[3.3.1]または[4.3.1]アザアミドを形成する段階と、下記の式(III-a)ま
たは(V-a)の中間体化合物を形成するために、それぞれピペラジンまたは1,4-
ジアザヘプタン環にX、またはX1およびX2、ならびにYの官能基を付加する段階と
を(様々な順序で)含む:
【化220】
【化221】
【0058】 このような式(III-a)および(V-a)の化合物は、下記の段階によってそれぞ
れ式(I-a)および(I-b)の化合物に変換され、式(I-a)または(I-b)の化合
物を得る: (1)適当な還元条件(そのような条件は一般に、当業者であれば、例えば下記
の実施例において詳述されている条件に照らし、容易に認識される)下で保護基
R32を除去して式(III-b)または(V-b)の化合物を生成する段階と; (2)式(III-b)または(V-b)の脱保護した化合物を、適当な結合条件(その
ような条件は一般に、当業者であれば、例えば下記の実施例において詳述されて
いる条件に照らし、容易に認識される)下で、R1が前述の定義のとおりである、
下記の式(IV)の試薬と結合させる段階:
【化222】 。 適当なR32窒素保護基には、以下に記載の保護基ならびに当業者に広く知られて
いる他の保護基が含まれる(例えば、GreeneおよびWutz、「化学合成における保
護基(Protecting Group in Chemical Synthesis)(第2版)、John Wiley & So
ns、NY(1991)を参照されたい)。下記の合成において、R32は好ましくは保護
基ベンジルオキシカルボニルであるが、他の適当な窒素保護基も代わりに用いる
ことができる。
【0059】 スキーム1: 以下に示すスキーム1は、化合物7(および表1に示すとおり他の化合物を類似
の方法により)を調製する際に有用である。スキーム1および下記の実施例にお
いて、Zはベンジルオキシカルボニルである。ベンジルオキシカルボニルに加え
て、ブリッジヘッド窒素の保護基として用いるのに適した他の部分も用いること
ができる(GreeneおよびWutz参照)。
【化223】
【0060】ピペリジン-1,2,6-トリカルボン酸1-ベンジルエステル(化合物1)
【化224】 2,6-ピリジンジカルボン酸(25g、0.15mol)を2.0M NaOH(154mL)およびH2O
(30mL)に室温で溶解し、500mLのParr反応容器に入れた。ロジウム/アルミニウ
ム粉末(5%、1.87g)を加え、混合物をアルゴンで15分間パージした。反応混合
物を水素55psiの下で48時間振盪した。懸濁液を圧縮セライトを通して濾過し、
澄明な濾液を0℃に冷却した。冷却した濾液にクロロギ酸ベンジル(30.62g、0.1
8mol)を上から30分間で3回に分けて加え、溶液を室温に戻し、さらに5時間撹拌
した。残存するクロロギ酸ベンジルを混合物からジエチルエーテルで抽出した。
水層を2N HClで酸性化し、酢酸エチル(EtOAc)で抽出した。このEtOAcをNa2SO4 の短いプラグを通過させ、蒸発させた。残渣をEtOAc(20mL)で粉砕し、得られ
た白色固体を減圧濾過によって回収し、EtOAc(3x20mL)で洗浄し、風乾して化
合物1を得た(38.3g、収率83%)。
【0061】2,4-ジオキソ-3-オキサ-9-アザ-ビシクロ[3.3.1]ノナン-9-カルボン酸ベンジル
エステル(化合物2)
【化225】 ピペリジン-1,2,6-トリカルボン酸1-ベンジルエステル(化合物1、19.7g、64.
11mmol)を、乾燥した250mL丸底フラスコ中、無水酢酸(80mL、848mmol)に懸濁
した。混合物を70℃で30分間、澄明な溶液になるまで撹拌した。残存する無水酢
酸を減圧除去し、化合物2を澄明なオイルとして得た(18.5g、100%)。この物
質は十分良質であったため、それ以上精製することなく次の反応に用いた。生成
物は水に敏感であったため、調製後、直ちに次の段階に用いた。
【0062】3-(2-ベンジルオキシエチル)-2,4-ジオキソ-3,9-ジアザ-ビシクロ[3.3.1]ノナン
-9-カルボン酸ベンジルエステル(化合物3)
【化226】 2,4-ジオキソ-3-オキサ-9-アザ-ビシクロ[3.3.1]ノナン-9-カルボン酸ベンジ
ルエステル(化合物2、1.02g、3.52mmol)をジオキサン(5mL)に溶解し、2-ベ
ンジルオキシエチルアミン(0.50g、3.32mmol)を上から加えた。混合物を室温
で1時間(hr)撹拌した。次いで、無水酢酸(0.62mL、6.64mmol)を加え、反応
物を5時間還流させた。ジオキサンを蒸発させ、残渣のフラッシュクロマトグラ
フィ精製(20% EtOAc/ヘキサン)によって化合物3を淡黄色オイルとして得た(
1.26g、90%)。Rf(50% EtOAc/ヘキサン):0.80。
【0063】3-(2-ベンジルオキシエチル)-2-メトキシ-4-オキソ-3,9-ジアザ-ビシクロ[3.3.1
]ノナン-9-カルボン酸ベンジルエステル(化合物4)
【化227】 3-(2-ベンジルオキシエチル)-2,4-ジオキソ-3,9-ジアザ-ビシクロ[3.3.1]ノナ
ン-9-カルボン酸ベンジルエステル(化合物3、0.46g、1.11mmol)をメタノール
(15mL)に溶解した。混合物を0℃に冷却し、NaBH4(0.06g、1.66mmol)を上か
ら分割して加えた。反応物を0℃で10分間撹拌し、次いで4N HCl/ジオキサンを加
えてpHを1〜2の範囲とし、反応物を室温で終夜撹拌した。メタノールを蒸発させ
、残渣をEtOAcに溶解して、飽和NaHCO3水溶液に注ぎ、次いでEtOAc(3x10mL)で
抽出した。合わせた抽出物を食塩水(10mL)で洗浄し、Na2SO4の短いプラグを通
過させ、溶媒を蒸発させて、化合物4を濃稠な淡黄色オイルとして得た(0.40g、
85%、異性体混合物)。この物質は十分良質であったため、それ以上精製するこ
となく次の段階に進めた。Rf(40% EtOAc/ヘキサン):0.45。
【0064】3-(2-ベンジルオキシエチル)-2-オキソ-3,9-ジアザ-ビシクロ[3.3.1]ノナン-9-
カルボン酸ベンジルエステル(化合物5)
【化228】 3-(2-ベンジルオキシエチル)-2-メトキシ-4-オキソ-3,9-ジアザ-ビシクロ[3.3
.1]ノナン-9-カルボン酸ベンジルエステル(化合物4、0.34g、0.76mmol)を25ml
フラスコ中、アルゴン雰囲気下でCH2Cl2(5mL)に溶解した。BF3OEt2(0.18ml、
1.52mmol)を反応フラスコに滴下し(ヒューム発生)、続いてトリエチルシラン
(0.24g、1.52mmol)を加え、溶液を終夜撹拌した。CH2Cl2を蒸発させ、残渣をE
tOAcに溶解して、飽和NaHCO3(2x10mL)で洗浄した。混合物をEtOAc(3x10mL)
で抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥して濃縮した。残渣のフラッシュカラムクロ
マトグラフィ精製(20% EtOAc/ヘキサン)によって化合物5を澄明なオイルとし
て得た(0.27g、89%、鏡像異性体1:1混合物)。
【0065】3-(2-ベンジルオキシ-エチル)-3,9-ジアザ-ビシクロ[3.3.1]ノナン-2-オン(化
合物6)
【化229】 3-(2-ベンジルオキシエチル)-2-オキソ-3,9-ジアザ-ビシクロ[3.3.1]ノナン-9
-カルボン酸ベンジルエステル(化合物5、0.15g、0.36mmol)をMeOH(5mL)に溶
解し、パラジウム(10%)/活性炭(0.03g)を加えた。風船による水素加圧を1
時間行った。次いで、黒色の懸濁液を圧縮セライトを通して濾過し、メタノール
を高真空ロータリーエバポレーターで除去して、化合物6を濃稠なオイルとして
得た(0.09g、90%)。この物質は十分良質であったため、それ以上精製するこ
となく結合反応に進めた。
【0066】1-[3-(2-ベンジルオキシエチル)-2-オキソ-3,9-ジアザ-ビシクロ[3.3.1]ノン-9-
イル]-2-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-エタン-1,2-ジオン(化合物7)
【化230】 3-(2-ベンジルオキシエチル)-3,9-ジアザ-ビシクロ[3.3.1]ノナン-2-オン(化
合物6、0.1g、0.36mmol)および2-オキソ-3,4,5-トリメトキシフェニル酢酸(34
.3mg、1.43mmol)をCH2Cl2(5mL)に溶解し、溶液を0℃に冷却した。ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール水和物(HOBt、0.06g、0.43mmol)を加え、続いて塩酸1-(3-
ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド(EDC・HCl、0.08g、0.43mmol
)、およびトリエチルアミン(TEA、0.06g、0.43mmol)を加えた。反応物を室温
に戻し、溶液を6時間撹拌した。揮発性物質を高真空ロータリーエバポレーター
で除去した。残渣をEtOAcに溶解し、10%クエン酸溶液(10mL)と、続いて水(1
0mL)、飽和NaHCO3(10mL)、および食塩水(10mL)で洗浄した。合わせた有機
層をNa2SO4で乾燥し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィ精製(30%
EtOAc/ヘキサン)によって化合物7を淡黄色オイルとして得た(0.14g、78%)
【0067】 スキーム2: 表1に示す化合物12および類似体は一般に、スキーム2の方法に従って調製する
ことができる。この合成スキームにおいて、Zはベンジルオキシカルボニルであ
る(例えば、化合物8、9、および10において)。ベンジルオキシカルボニルに加
えて、ブリッジヘッド窒素の保護基として用いるのに適した他の部分も用いるこ
とができる。
【化231】
【0068】3-[2-(2-メトキシフェニル)-エチル]-2,4-ジオキソ-3,9-ジアザ-ビシクロ[3.3.1
]ノナン-9-カルボン酸ベンジルエステル(化合物8)
【化232】 化合物1から調製した2,4-ジオキソ-3-オキサ-9-アザ-ビシクロ[3.3.1]ノナン-
9-カルボン酸ベンジルエステル(化合物2、1.00g、3.45mmol)をジオキサン(1m
L)に溶解し、2-メトキシフェネチルアミン(0.50mL、3.45mmol)を上から加え
た。混合物を室温で1時間撹拌した。この後、無水酢酸(0.65mL、6.9mmol)を加
え、反応物を5時間還流させた。残渣のフラッシュクロマトグラフィ精製(20%
EtOAc/ヘキサン)によって、化合物8を澄明なオイルとして得た(1.23g、収率90
%)。
【0069】2-ヒドロキシ-3-[2-(2-メトキシ-フェニル)-エチル]-4-オキソ-3,9-ジアザ-ビシ
クロ[3.3.1]ノナン-9-カルボン酸ベンジルエステル(化合物9)
【化233】 3-[2-(2-メトキシフェニル)-エチル]-2,4-ジオキソ-3,9-ジアザ-ビシクロ[3.3
.1]ノナン-9-カルボン酸ベンジルエステル(化合物8、0.77g、1.82mmol)をメタ
ノール(18mL)に溶解した。混合物を0℃に冷却し、NaBH4(0.14g、3.64mmol)
を上から分割して加えた。反応物を10分間撹拌し、次いで水で注意深く反応停止
させた。MeOHを減圧除去し、残渣をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を10%ク
エン酸(5mL)、水(5mL)、飽和NaHCO3(5mL)、および食塩水(5mL)で洗浄し
、最後にNa2SO4の短いプラグを通過させた。溶媒を蒸発させて化合物9を澄明な
オイルで得(0.65g、83%、異性体の混合物)、この物質は十分良質であったた
め、それ以上精製することなく次の段階に進めた。Rf=0.5(50% EtOAc/ヘキサ
ン)。
【0070】化合物10
【化234】 2-ヒドロキシ-3-[2-(2-メトキシ-フェニル)-エチル]-4-オキソ-3,9-ジアザ-ビ
シクロ[3.3.1]ノナン-9-カルボン酸ベンジルエステル(化合物9、0.65g、1.52mm
ol)をCH2Cl2(1mL)に溶解し、0℃に冷却した。トリフルオロ酢酸(TFA、0.59m
L、7.64mmol)を加え、反応物を23℃で終夜撹拌した。溶媒を減圧除去し、残渣
をEtOAc(10mL)に溶解し、NaHCO3(10mL)および食塩水(10mL)で洗浄した。
有機層をNa2SO4で乾燥して濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィ
(40% EtOAc/ヘキサン)で精製して、化合物10を澄明なオイルとして得た(0.5
4g、87%、単一のジアステレオマー)。
【0071】化合物11
【化235】 付加体10(0.26g、0.64mmol)をMeOH(5mL)に溶解し、パラジウム(10%)/
活性炭(0.05g)を加えた。風船による水素加圧を1時間行った。次いで、黒色の
懸濁液を圧縮セライトを通して濾過し、メタノールを高真空ロータリーエバポレ
ーターで蒸発させて、化合物11を濃稠なオイルで得た(0.13g、76%)。この物
質は十分良質であったため、それ以上精製することなく次の段階に進めた。
【0072】化合物12
【化236】 付加体11(0.13g、0.48mmol)および2-オキソ-3,4,5-トリメトキシフェニル酢
酸(0.14g、0.57mmol)をCH2Cl2(5mL)に溶解し、溶液を0℃に冷却した。HOBt
(0.08g、0.57mmol)を加え、続いてEDC・HCl(0.11g、0.57mmol)およびTEA(0.
08g、0.57mmol)を加えた。反応物を室温に戻し、溶液を6時間撹拌した。揮発性
物質を減圧除去して、残渣をEtOAcに溶解し、10%クエン酸溶液(10mL)と、続
いて水(10mL)、飽和NaHCO3水溶液(10mL)、および食塩水(10mL)で洗浄した
。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、次いで濃縮した。残渣のフラッシュクロマ
トグラフィ精製(30% EtOAc/ヘキサン)によって化合物12を黄色オイルとして
得た(0.19g、83%)。
【0073】 スキーム3: 下記の化合物15および表1に示す他の関連化合物などの化合物を、スキーム3の
一般法によって調製することができ、ただしZはベンジルオキシカルボニルなど
の適当な窒素保護基である。
【化237】
【0074】2,4-ジオキソ-3-(4-フェニルブチル)-3,9-ジアザ-ビシクロ[3.3.1]ノナン-9-カ
ルボン酸ベンジルエステル(化合物13)
【化238】 [3.3.1]無水物2(0.54g、1.89mmol、化合物1から調製した)を1mLのジオキサ
ンに溶解した。4-フェニルブチルアミン(0.28g、1.89mmol)を上から加えた。
混合物を室温で1時間撹拌した。この後、無水酢酸(0.62mL、3.78mmol)を加え
、反応物を5時間還流させた。ジオキサンを蒸発させ、残渣のフラッシュクロマ
トグラフィ精製(40% EtOAc/ヘキサン)によって、化合物13を無色の濃稠なオ
イルとして得た(0.75g、収率95%)。
【0075】3-(4-フェニルブチル)-3,9-ジアザ-ビシクロ[3.3.1]ノナン-2,4-ジオン(化合物
14)
【化239】 2,4-ジオキソ-3-(4-フェニルブチル)-3,9-ジアザ-ビシクロ[3.3.1]ノナン-9-
カルボン酸ベンジルエステル(化合物13、0.57g、1.36mmol)をTHF(3mL)に溶
解し、10%パラジウム/活性炭(0.12g)を加えた。風船による水素加圧を1時間
行った。次いで、黒色の懸濁液を圧縮セライトを通して濾過し、THFを高真空ロ
ータリーエバポレーターで除去して、化合物14を濃稠なオイルとして得た(0.36
g、92%)。この物質は十分良質であったため、それ以上精製することなく次の
段階に進めた。
【0076】9-[オキソ-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-アセチル]-3-(4-フェニル-ブチル)-3
,9-ジアザ-ビシクロ[3.3.1]ノナン-2,4-ジオン(化合物15)
【化240】 3-(4-フェニルブチル)-3,9-ジアザ-ビシクロ[3.3.1]ノナン-2,4-ジオン(化合
物14、0.42g、1.47mmol)および2-オキソ-3,4,5-トリメトキシフェニル酢酸(0.
35g、1.47mmol)をCH2Cl2(5mL)に溶解し、溶液を0℃に冷却した。HOBt(0.21g
、1.54mmol)を加え、続いてEDC・HCl(0.30g、1.54mmol)およびTEA(0.15g、1.
47mmol)を加えた。反応物を室温に戻し、5時間撹拌した。揮発性物質を高真空
ロータリーエバポレーターを用いて除去した。残渣をEtOAcに溶解し、10%クエ
ン酸溶液(10mL)と、続いて水(10mL)、飽和NaHCO3水溶液(10mL)、および食
塩水(10mL)で洗浄した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濃縮した。残渣の
フラッシュクロマトグラフィ精製(30% EtOAc/ヘキサン)によって化合物15を
淡黄色固体として得た(0.25g、34%、単一の異性体)。
【0077】 スキーム4: スキーム4は、式18の化合物および表1に挙げる類似の化合物を調製する際に有
用である(例えば、最初の段階で用いる臭化アリールメチル試薬を変えることに
よる)。
【化241】 式18において、R3、R4、R5、R6、およびR7はそれぞれ個別にHであるか、またはO
、N、C、もしくはSによって環の核に連結されている任意の適当な置換基である
。前述の式においてZはベンジルオキシカルボニルなどの保護基である。
【0078】 化合物16を水素化ナトリウムおよびDMF存在下でアリール置換ブロモメタンと
反応させ、化合物17を得る。次いで、化合物17を硫酸と反応させて式18の化合物
を生成する。式18の化合物の保護基Zを除去し、得られた生成物を式(IV)の化
合物と結合させることにより、式(I-a)の化合物に変換する。
【0079】 スキーム5:
【化242】
【0080】 最終の式(IV)の試薬との結合段階により、化合物31を所望の式(I-a)の化
合物に変換する。このスキームは、下記の表1において特定されるものなどの化
合物を生成するために特に有用である。
【0081】 スキーム6: スキーム6は、表1に示す化合物159および他の関連する化合物を調製する際に
有用である。
【化243】
【0082】ピペリジン-1,2,6-トリカルボン酸1-ベンジルエステル2-メチルエステル(化合
物232) 2,4-ジオキソ-3-オキサ-9-アザ-ビシクロ[3.3.1]ノナン-9-カルボン酸ベンジ
ルエステル(化合物2、10g、34.51mmol)をメタノール(50ml)に溶解した。反
応混合物を室温で2時間撹拌した。MeOHを蒸発させて化合物232を得た(10g、96
%)。Rf=0.47(10% MeOH/CH2Cl2)。この物質は十分良質であったため、精製
することなく次の反応に用いた。
【0083】6-メトキシ-ピペリジン-1,2-ジカルボン酸1-ベンジルエステル2-メチルエステル
(化合物233) 6-メトキシ-ピペリジン-1,2-ジカルボン酸1-ベンジルエステル2-メチルエステ
ル(化合物232、10g、31.15mmol)をメタノール(80ml)に溶解した。1Mナトリ
ウムメトキシド/メタノール溶液(20ml)を加えた。合計4.17F/molを用いて、0.
3Aの定電流(白金電極を用いて)を1.96時間かけた。メタノールを蒸発させた。
残渣のフラッシュクロマトグラフィ精製(EtOAc/ヘキサン=1:2)によって化合
物233を得た(9.14g、95%)。Rf=0.9(10% MeOH/CH2Cl2)。
【0084】6-アリル-ピペリジン-1,2-ジカルボン酸1-ベンジルエステル2-メチルエステル(
化合物234) 6-メトキシ-ピペリジン-1,2-ジカルボン酸1-ベンジルエステル2-メチルエステ
ル(化合物233、1.04g、3.39mmol)をCH2Cl2(10mL)に溶解し、ドライアイス-
アセトン浴を用いて溶液を-78℃に冷却した。1M TiCl4/CH2Cl2溶液(3.7mL)を1
分かけて滴下し、続いてアリルトリメチルシラン(1.61mL、10.14mmol)を滴下
した。ドライアイス-アセトン浴を水浴に変え、反応混合物を2時間撹拌した。反
応混合物を食塩水(50ml)に注ぎ、CHCl3(2x50mL)で抽出した。合わせた有機
層を飽和NaHCO3溶液(50mL)で洗浄し、最後にNa2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発さ
せ、残渣をフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン=1:5)で精製して、
化合物234を得た(0.91g、84%)。Rf=0.78(EtOAc/ヘキサン=1:2)。
【0085】6-(2,3-ジヒドロキシ-プロピル)-ピペリジン-1,2-ジカルボン酸1-ベンジルエス
テル2-メチルエステル(化合物235) 6-アリル-ピペリジン-1,2-ジカルボン酸1-ベンジルエステル2-メチルエステル
(化合物234、0.087g、0.2mmol)をアセトン(2mL)および水(0.25mL)に溶解
した。N-メチルモルホリンオキシド(0.068g、0.58mmol)と、続いて2.5% OsO4 /t-BuOH溶液(0.14mL)を加えた。反応混合物を室温で14時間撹拌した。ピロ硫
酸ナトリウム(0.3g)/水(1mL)を撹拌しながら加え、得られた溶液をセライト
を通して濾過し、エタノール(10mL)で洗浄した。溶媒を除去し、残渣をフラッ
シュカラムクロマトグラフィ(100% EtOAc)で精製して、化合物235を得た(0.
086g、89%、異性体混合物として)。Rf=0.12および0.06(EtOAc/ヘキサン=2
:1)。
【0086】6-(2-オキソ-エチル)-ピペリジン-1,2-ジカルボン酸1-ベンジルエステル2-メチ
ルエステル(化合物236) 6-(2,3-ジヒドロキシ-プロピル)-ピペリジン-1,2-ジカルボン酸1-ベンジルエ
ステル2-メチルエステル(化合物235、0.614g、1.75mmol)をEt2O(20mL)に溶
解し、0℃に冷却した。10% NaIO4水溶液(4mL)を加え、反応物を1時間撹拌し
た。反応混合物を食塩水(15mL)に注ぎ、Et2O(3x20mL)で抽出した。合わせた
有機層をNaS2O3水溶液(10mL)、飽和NaHCO3溶液(10mL)、食塩水(10mL)でさ
らに洗浄し、最後にMgSO4で乾燥した。溶媒を除去して化合物236を得た(0.53g
、95%)。Rf=0.67(EtOAc/ヘキサン=1:1)。この物質は十分良質であったた
め、精製することなく次の反応に用いた。
【0087】6-(2,2-ジメトキシ-エチル)-ピペリジン-1,2-ジカルボン酸1-ベンジルエステル2
-メチルエステル(化合物237) 6-(2-オキソ-エチル)-ピペリジン-1,2-ジカルボン酸1-ベンジルエステル2-メ
チルエステル(化合物236、0.4g、1.25mmol)、オルトギ酸トリメチル(5mL)お
よびp-トルエンスルホン酸1水和物(0.03g)を合わせ、反応混合物を室温で12時
間撹拌した。NaHCO3水溶液(25mL)を加え、反応物をCHCl3(3x100mL)で抽出し
た。合わせた有機層をMgSO4で乾燥して濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグ
ラフィ(EtOAc/ヘキサン=1:2)で精製して、化合物237を得た(0.441g、96%
)。Rf=0.75(EtOAc/ヘキサン=1:1)。
【0088】2-(2,2-ジメトキシ-エチル)-6-フェネチルカルバモイル-ピペリジン-1-カルボン
酸ベンジルエステル(化合物239) 6-(2,2-ジメトキシ-エチル)-ピペリジン-1,2-ジカルボン酸1-ベンジルエステ
ル2-メチルエステル(化合物237、0.350g、0.96mmol)をメタノール(5ml)およ
び2N NaOH(4mL)に溶解した。反応物を室温で8時間撹拌した。メタノールを蒸
発させ、残渣をEt2Oに溶解し、5% KHSO4(10mL)、食塩水(10mL)で洗浄し、N
a2SO4で乾燥し、濃縮して化合物238を得(0.335g、0.96mmol)、これをそれ以上
精製することなく次の反応に用いた。
【0089】 6-(2,2-ジメトキシ-エチル)-ピペリジン-1,2-ジカルボン酸1-ベンジルエステ
ル(化合物238、0.335g、0.96mmol)およびフェネチルアミン(0.14g、1.15mmol
)をCH2Cl2(20mL)に溶解した。HOBt(0.156g、1.15mmol)と、続いてEDC・HCl
(0.221g、1.15mmol)を加えた。反応物を室温で18時間撹拌した。飽和NaHCO3
液(25mL)を加え、次いでCHCl3(2x50mL)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO 4 で乾燥し、次いで濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィ精製(EtOAc/
ヘキサン=1:1)によって化合物239を得た(0.374g、86%)。Rf=0.47(EtOAc
/ヘキサン=1:1)。
【0090】2-オキソ-3-フェネチル-3,10-ジアザ-ビシクロ[4.3.1]デカン-10-カルボン酸t-
ブチルエステル(化合物240) 2-(2,2-ジメトキシ-エチル)-6-フェネチルカルバモイル-ピペリジン-1-カルボ
ン酸ベンジルエステル(化合物239、0.297g、0.65mmol)をトルエン(15ml)に
溶解し、フラスコを80℃の油浴につけた。p-トルエンスルホン酸ピリジニウム(
0.0120g、0.05mmol)を加え、反応物を80℃で2時間撹拌した。この後、反応物を
冷却し、生じた沈殿を濾過によって除去した。トルエンを蒸発させ、残渣をジオ
キサン(10mL)に溶解した。N-(t-ブトキシカルボニル無水物(0.285g、1.31mmo
l)および10%パラジウム/活性炭(0.1g)を加えた。Parr装置により水素圧をか
け、反応物を50psiで12時間振盪した。次いで、黒色の懸濁液を圧縮セライトを
通して濾過し、ジオキサンを除去した。残渣のフラッシュクロマトグラフィ精製
(EtOAc/ヘキサン=1:2)によって化合物240を得た(0.211g、90%)。Rf=0.3
1(EtOAc/ヘキサン=1:2)。
【0091】1-(2-オキソ-3-フェネチル-3,10-ジアザ-ビシクロ[4.3.1]デカ-10-イル)-2-(3,4
,5-トリメトキシフェニル)-エタン-1,2-ジオン(化合物159) 2-オキソ-3-フェネチル-3,10-ジアザ-ビシクロ[4.3.1]デカン-10-カルボン酸t
-ブチルエステル(化合物240、0.204g、0.56mmol)を4M HCl/ジオキサン(3mL)
に溶解し、溶液を室温で1時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣をCHCl3(50mL)に
溶解し、飽和NaHCO3溶液で洗浄し、NaSO4で乾燥し、濃縮して白色固体を得(0.1
42g、0.55mmol)、これをCH2Cl2(10mL)に溶解した。3,3-ジメチル-2-オキソ-
ペンタン酸(0.131g、0.54mmol)、EDC・HCl(0.126g、0.66mmol)および4-DMAP
(0.081g、0.66mmol)を加え、反応物を室温で18時間撹拌した。揮発性物質を高
真空エバポレーターで除去し、残渣をEtOAcに溶解し、水(10mL)、1N HCl溶液
(20mL)、飽和NaHCO3(20mL)および食塩水(20mL)で洗浄した。合わせた有機
層をNa2SO4で乾燥し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィ精製(EtOA
c/ヘキサン=2:1)によって最終化合物159を得た(0.120g、収率45%)。Rf=0
.4(EtOAc/ヘキサン=2:1)。
【0092】 スキーム7: 化合物162および類似の化合物を下記のとおりに調製することができる。
【化244】
【0093】2-(2,2-ジメトキシ-エチル)-6-(4-フェニル-ブチルカルバモイル)-ピペリジン-1
-カルボン酸ベンジルエステル(化合物242) 6-(2,2-ジメトキシ-エチル)-ピペリジン-1,2-ジカルボン酸1-ベンジルエステ
ル(化合物238、1g、2.85mmol)および4-フェニルブチルアミン(0.51g、3.42mm
ol)をCH2Cl2(60mL)に溶解した。HOBt(0.462g、3.42mmol)と、続いてEDC・HC
l(0.655g、3.42mmol)を加えた。反応物を室温で12時間撹拌した。飽和NaHCO3
溶液(25mL)を加え、反応物をCHCl3(2x50mL)で抽出した。合わせた有機層をN
a2SO4で乾燥し、次いで濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィ精製(EtO
Ac/ヘキサン=1:1)によって化合物242を得た(1.294g、94%)。Rf=0.62(Et
OAc/ヘキサン=1:1)。
【0094】2-(2,2-ジメトキシ-エチル)-6-(4-フェニル-ブチルカルバモイル)-ピペリジン-1
-カルボン酸9H-フルオレン-9-イルメチルエステル(化合物243) 2-(2,2-ジメトキシ-エチル)-6-(4-フェニル-ブチルカルバモイル)-ピペリジン
-1-カルボン酸ベンジルエステル(化合物242、0.887g、1.83mmol)をメタノール
(50ml)に溶解した。パラジウム(10%)/活性炭(0.09g)を加えた。Parr装置
により水素圧をかけ、反応物を50psiで15時間振盪した。次いで、黒色の懸濁液
を圧縮セライトを通して濾過し、メタノールを除去した。残渣をジオキサン(25
mL)に溶解した。クロロギ酸9-フルオレニルメチル(0.473g、1.83mmol)と、次
いで水(7mL)に溶解したNaHCO3(0.307g、3.66mmol)を加えた。反応物を室温
で10時間撹拌し、氷および5% KHSO4に注ぎ、次いでCHCl3(2x100mL)で抽出し
た。残渣のフラッシュクロマトグラフィ精製(EtOAc/ヘキサン=1:2)によって
化合物243を得た(1.050g、100%)。Rf=0.59(EtOAc/ヘキサン=1:1)。
【0095】2-オキソ-3-(4-フェニル-ブチル)-3,10-ジアザ-ビシクロ[4.3.1]デカ-4-エン-10
-カルボン酸9H-フルオレン-9-イルメチルエステル(化合物244) 2-(2,2-ジメトキシ-エチル)-6-(4-フェニル-ブチルカルバモイル)-ピペリジン
-1-カルボン酸9H-フルオレン-9-イルメチルエステル(化合物243、1g、1.75mmol
)をトルエン(25ml)に溶解した。p-トルエンスルホン酸ピリジニウム(0.02g
、0.08mmol)を加え、反応物を100℃で2時間撹拌した。この後、反応物を冷却し
、トルエンを蒸発させ、残渣をEtOAc(75mL)に溶解し、飽和NaHCO3溶液(25mL
)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。残渣のフラッシュクロマトグラフィ精製(EtOA
c/ヘキサン=1:2)によって化合物244を得た(0.770g、87%)。Rf=0.5(EtOA
c/ヘキサン=1:2)。
【0096】1-[2-オキソ-3-(4-フェニル-ブチル)-3,10-ジアザ-ビシクロ[4.3.1]デカ-4-エン
-10-イル]-2-(3,4,5-トリメトキシ-フェニル)-エタン-1,2-ジオン(化合物162)
2-オキソ-3-(4-フェニル-ブチル)-3,10-ジアザ-ビシクロ[4.3.1]デカ-4-エン-
10-カルボン酸9H-フルオレン-9-イルメチルエステル(化合物244、0.740g、1.46
mmol)をメタノール(15mL)に溶解し、1N NaOMe/メタノール溶液(2.5mL)を加
えた。反応物を室温で2時間撹拌した。揮発性物質を除去し、生成物をCHCl3で抽
出し、Na2SO4で乾燥し、濃縮して白色沈殿を得、これをCHCl3(10mL)に溶解し
た。3,3-ジメチル-2-オキソ-ペンタン酸(0.141g、0.58mmol)、HOBt(0.080g、
0.58mmol)、EDC・HCl(0.113g、0.58mmol)、およびTEA(0.082mL、0.58mmol)
を加え、反応物を室温で18時間撹拌した。揮発性物質を高真空エバポレーターを
用いて除去し、残渣をEtOAcに溶解し、10%クエン酸溶液(10mL)と、続いて水
(10mL)、飽和NaHCO3(10mL)および食塩水(10mL)で洗浄した。合わせた有機
層をNa2SO4で乾燥し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィ精製(EtOA
c/ヘキサン=1:1)によって化合物162を得た(0.122g、50%)。Rf(EtOAc/ヘ
キサン=1:1):0.122。
【0097】 生化学および生物学的アッセイ法: 本発明の化合物の活性を調べるために、様々なアッセイ法および技法を用いる
ことができる。神経突起成長の刺激に関する本発明の化合物の活性は、FKBP12へ
のその結合親和性と、FKBP12ロタマーゼ活性を阻害するその能力に直接関係して
いる。これら後者の性質を定量するために、リガンド結合および酵素活性を測定
するための当技術分野において公知のアッセイ法を用いることができる。神経突
起成長刺激についてのアッセイ法を以下に記載する。
【0098】 例えば、Lyonsら、Proc. Natl. Acad. Sci.、91:3191〜3195(1994)に記載
の方法を用いて、化合物の神経栄養活性を調べるための試験を行うことができる
。この神経突起成長についてのラット褐色細胞腫アッセイ法において、PC12ラッ
ト褐色細胞腫細胞を、10%熱不活化ウマ血清および5%熱不活化ウシ胎仔血清を
補足したダルベッコの改変イーグル培地(DMEM)中、37℃、5%CO2で維持する。
次いで細胞を播種し、ラット尾コラーゲン5mg/cm2により105/35mm培養ウェルで
コーティングし、付着させる。次いで培地を2%ウマ血清、1%ウシ胎仔血清、神
経成長因子(NGF)、および/または様々な濃度の試験化合物を補足したDMEMに
置き換える。対照培養物には試験化合物はまったく加えずにNGFを加える。
【0099】 神経突起成長刺激の効力を測定するために用いることができるもう一つの典型
的方法は、ラット後根神経節アッセイ法である。このアッセイ法では、16日齢の
Sprague-Dawleyラットの胚から後根神経節を摘出する。次いで知覚神経節を、コ
ラーゲンコーティングした35mmファルコン皿中、N-2培地(DMEM/HamのF12=1:1
)を用いて37℃、15%CO2環境で培養する。培地にセレニウム、プロゲステロン
、インスリン、プトレスシン、グルコース、ペニシリン、およびストレプトマイ
シンを補足する。次いで、神経節を様々な濃度のNGF(0〜100mg/ml)および試験
化合物で処理する。知覚神経節を位相差顕微鏡で2〜3日ごとに観察し、軸索の長
さを測定する。Lyonsら、PNAS、91:3191〜3195(1994)を参照されたい。
【0100】 本発明の化合物の活性を測定するために、他の適当なアッセイ法も用いること
ができる。例えば、免疫抑制活性は、FKBPに結合した本発明の化合物の複合体に
よるカルシニューリンホスファターゼ活性の阻害を測定することによって推定す
ることができる(Babineら、Bioorg. Med. Chem. Lett.、6、385〜390、1996)
。カルシニューリンのホスホペプチドホスファターゼ活性を、30℃で連続結合分
光光度アッセイ法(Etzkornら、Biochemistry、32、2380、1994)およびcAMP依
存性タンパク質キナーゼの調節サブユニット由来リン酸化19量体ペプチド基質(
R11)を用いて測定する。アッセイ混合物はEtzkornらの記載のとおり、50mM MOP
S(pH7.5)、0.1M NaCl、6mM MgCl2、0.5mg/mlウシ血清アルブミン、0.5mMジチ
オスレイトール、1mM CaCl2、1mM MnCl2、20μMリン酸化R11ペプチド、20nMヒト
組み換えカルシニューリン、40nMカルモジュリン、10μg/mlプリンリボヌクレオ
シドホスホリラーゼ、および200μMメチルチオグアノシンと、共溶媒としての1
%ジメチルスルホキシド(DMSO)および100μM FKPBとを含む。化合物をその溶
解性が最大の点でカルシニューリンのFKBP依存性阻害について試験する。これら
の条件下での測定により、FKBP-FK506によるヒト組み換えカルシニューリンの阻
害に対する見かけの阻害定数は43nMである。
【0101】 化合物のFKBPへの結合をマイクロ熱量測定を用いて直接測定することもできる
。温度滴定を、MCS-ITC機器(MicroCal Inc.、ノースハンプトン、MA)を用いて
実施した。滴定は以下のとおりに行ってもよい。タンパク質透析液を、MicroCal
の装置を用いて15分間脱気する。阻害物質保存溶液を共溶媒(通常はDMSO)に加
え、透析液を脱気し、続いて短時間超音波処理して、滴定に用いる最終阻害物質
溶液を作る。最終阻害物質溶液の濃度は10〜80μMの範囲である。透析したタン
パク質を共溶媒に加え、透析液を脱気して、濃度が200〜1600μMの範囲のFKBP12
溶液を作る。いずれの溶液も脱気透析液を用いて調製するため、溶液のそれ以上
の脱気は行わない。タンパク質溶液に共溶媒を加えて、滴定中は終始、一定の共
溶媒濃度を維持する。125μLのシリンジを用いて、タンパク質を阻害物質中に滴
定する。阻害物質の溶解性が低いため、滴定はセル内のリガンドにより実施する
。典型的には、予備的2μL注入に続き、様々な注入間隔で8μLの注入を15回行う
。各滴定について一連の希釈対照をすべて行う。脱気透析液に適当な量の共溶媒
を加えて緩衝化共溶媒溶液を作り、反応物の希釈熱をもとめる際に用いる。希釈
熱について補正し、予備注入を抹消した後、機器と共に供給されるORIGINソフト
ウェアパッケージ中の「One Set of Sites Model」を用いて滴定結果をあてはめ
る。
【0102】 マイクロ熱量測定によって直接測定したFKBPへの結合は、当技術分野において
公知の方法(例えば、Fischerら、Biochim. Biophys. Acta 791、87(1984);F
ischerら、Biomed. Biochim. Acta 43、1101(1984);Fischerら、Nature 337
、476〜478(1989);Siekierkaら、Nature、341、755〜57(1989);米国特許
第5696135号;およびHardingら、Nature、341、758〜60(1989)参照)により容
易に測定される、ロタマーゼ反応の阻害効力とよく相関していることが判明した
【0103】 ロタマーゼ阻害アッセイ法において、人工基質N-サクシニル-Ala-Ala-Pro-Phe
-p-ニトロアニリンの異性化を分光光度法によって追跡する。このアッセイ法は
基質のシス体、FKBP12、試験化合物、およびキモトリプシンを含む。キモトリプ
シンは基質のトランス体からp-ニトロアニリンを切断することができるが、シス
体からは切断しない。p-ニトロアニリンの遊離を分光光度法によって測定する。
このアッセイ法を用いて、FKBP12およびキモトリプシン存在下、シス-N-サクシ
ニル-アラニン-アラニン-プロリン-フェニルアラニン-パラ-ニトロアニリン(Ba
chem、3132 Kashiwa Street、Torrance、CA 90505)に様々な量の式(I-a)また
は(I-b)のFKBPロタマーゼ阻害化合物を加えた。p-ニトロアニリン濃度の分光
光度法による測定から見かけのKi値を推定することができ、これを下記の表1に
示す。
【0104】
【表1】 注:NI=試験した濃度で阻害しない;ND=試験していない。
【0105】 薬学的組成物および治療: 上で例示した化合物などの本発明のFKBP阻害物質は、以下に記載するものなど
の薬学的組成物を調製するために用いることもできる。
【0106】 本発明の薬学的組成物は、式(I-a)または(I-b)の有効な神経突起成長刺激
化合物と、不活性な薬学的に許容される担体または希釈剤を含む。薬学的組成物
はさらに、神経栄養因子を含む。これらの組成物は、様々な投与経路に適した単
位用量形態で調製される。
【0107】 一つの態様において、FKBPの調節に関与する治療上の利益を提供するために、
非ペプチドロタマーゼ阻害化合物の有効なレベルが提供される。化合物の「有効
レベル」とは、FKBP12のFKBP結合が最低限調節されるレベルを意味する。化合物
は、一般には吸収を増大させるために設計され、インビボで切断されて活性成分
を生じるプロドラッグの形で投与することもできる。また、有効レベルは化合物
の薬学的に活性な代謝物(代謝的変換の生成物)を投与することによっても得る
ことができる。
【0108】 式(I-a)または(I-b)の化合物は、式(I-a)または(I-b)の化合物(活性
成分として)の治療上有効な量(すなわち、FKBPの調節によって所望の治療効果
を得るのに十分な有効レベル)を標準の薬学的担体または希釈剤と、通常の手法
に従って組み合わせることにより調製される適当な剤形で投与される。これらの
手法は、望まれる調製物を得るために、成分を適宜混合、造粒、および圧縮また
は溶解することを含む。
【0109】 用いる薬学的担体は、適当な形態、例えば、固体または液体のいずれかであり
うる。具体例としての固体担体には、乳糖、白土、ショ糖、タルク、ゼラチン、
寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびこ
れらに類するものが含まれる。具体例としての液体担体には、シロップ、落花生
油、オリーブ油、水およびこれらに類するものが含まれる。同様に、担体または
希釈剤は、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリンなどの
当技術分野において公知の時間遅延物質を、単独またはろう、エチルセルロース
、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メタクリル酸メチルまたはこれらに類
するものと共に含んでいてもよい。
【0110】 様々な剤形を用いることができる。例えば、固体担体を用いる場合、調製物は
錠剤形成するか、粉末もしくはペレットの形で硬ゼラチンカプセルに入れる、ま
たはトローチもしくはロゼンジに成形することができる。固体担体の量は変動し
うるが、好ましくは約25mgから約1gである。液体担体を用いる場合、調製物は好
ましくはシロップ、懸濁剤、軟ゼラチンカプセル、アンプルもしくはバイアル中
の滅菌注射溶液もしくは懸濁液、または非水性懸濁液の形である。
【0111】 安定な水溶性の剤形を得るために、式(I-a)または(I-b)の化合物の薬学的
に許容される塩を、コハク酸またはより好ましくはクエン酸の0.3M溶液などの、
有機または無機酸の水溶液に溶解することもできる。可溶性の塩の形を得ること
ができない場合は、式(I-a)または(I-b)の化合物を適当な共溶媒または共溶
媒の組み合わせに溶解することもできる。適当な共溶媒の例には、濃度が全量の
0〜60%の範囲のアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール3
00、ポリソルベート80、グリセリンおよびこれらに類するものが含まれる。好ま
しい態様において、式(I-a)または(I-b)の活性化合物をDMSOに溶解し、水で
希釈する。組成物は、水または等張の食塩もしくはデキストロース溶液などの適
当な水性媒体における、活性成分の塩の溶液の形であってもよい。
【0112】 本発明の組成物で用いられる式(I-a)または(I-b)の化合物の実際の好まし
い用量は、用いられる特定の複合体、調合される特定の組成物、投与様式および
特定の部位、ならびに治療される宿主および疾患に応じて変動しうることが理解
されると思われる。当業者であれば、通常の用量決定試験を用いて、例えば本明
細書において提供される実験データを考慮して、所与の一連の条件に対し最適な
用量を確認することができる。経口投与については、一般に用いられる通常の1
日用量は体重1kgあたり約0.001〜約1000mgで、治療クールを適当な間隔で繰り返
す。ヒトに対する初期薬物動態は、Goldら、Experimental Neurology、147:269
〜278(1997)に記載のとおり、ラットモデルから求めることができる。
【0113】 本発明の活性化合物を含む薬学的組成物は、一般に知られている様式、例えば
通常の混合、溶解、造粒、糖衣丸形成、湿式粉砕、乳化、カプセル化、捕捉、ま
たは凍結乾燥法によって、製造することができる。薬学的組成物は、活性化合物
の薬学的に用いることができる調製物への加工を容易にする賦形剤および/また
は補助剤を含む、一つまたは複数の生理学的に許容される担体を用いて、通常の
様式で調合することができる。もちろん、適当な調合物は選択された投与経路に
応じて異なる。
【0114】 経口投与のために、化合物は、活性化合物を当技術分野において公知の薬学的
に許容される担体と組み合わせることによって容易に調合することができる。そ
のような担体は、本発明の化合物を、治療される患者が経口摂取するための錠剤
、丸剤、糖衣丸、カプセル、液剤、ゲル剤、シロップ、スラリー、懸濁剤および
これらに類するものとして調合することを可能にする。経口使用のための薬学的
調製物は、活性化合物を固体賦形剤と組み合わせ、得られた混合物を任意に粉砕
し、望まれる場合には適当な補助剤を加えた後に顆粒混合物を錠剤または糖衣丸
の核を得るために加工することにより、得ることができる。適当な賦形剤には、
例えば、乳糖、ショ糖、マンニトール、またはソルビトールを含む糖類などの充
填剤;ならびにトウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモ
デンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および/または
ポリビニルピロリドン(PVP)などのセルロース調製物が含まれる。望まれる場
合には、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはアルギン
酸ナトリウムなどのその塩といった崩壊剤を加えることもできる。
【0115】 糖衣丸の核は適当なコーティングをして提供される。このために、濃縮糖液を
用いることができ、この糖液はアラビアゴム、ポリビニルピロリドン、カルボポ
ールゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶
液、および適当な有機溶媒または溶媒混合物を任意に含んでいてもよい。活性化
合物用量の異なる組み合わせを識別または特徴付けるために、染料または色素を
錠剤または糖衣丸コーティングに加えることもできる。
【0116】 経口で用いることができる剤形には、ゼラチン製のプッシュフィットカプセル
、ならびにゼラチンおよびグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤ででき
た封入軟カプセルが含まれる。プッシュフィットカプセルは活性成分を、乳糖な
どの充填剤、デンプンなどの結合剤、および/またはタルクもしくはステアリン
酸マグネシウムなどの潤滑剤、ならびに任意に安定化剤との混加物で含むことが
できる。軟カプセルにおいて、活性化合物は、脂肪油、流動パラフィン、または
液状ポリエチレングリコールなどの適当な液体に溶解または懸濁されていてもよ
い。加えて、安定化剤も加えることができる。経口投与のためのすべての調合物
は、そのような投与に適した用量でなければならない。口腔内投与のために、組
成物は通常の様式で調合された錠剤またはロゼンジの形を取ることもできる。
【0117】 本発明の経口薬学的組成物を調製するための一例は次のとおりである:式(I-
a)または(I-b)の化合物100mgを乳糖750mgと混合し、混合物を経口投与に適し
た、硬ゼラチンカプセルなどの経口単位用量形態に取り込む。
【0118】 吸入による投与のために、本発明の化合物を、適当な噴射剤、例えばジクロロ
ジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン
、二酸化炭素または他の適当な気体を用いて、加圧パックまたはネブライザーか
らエアロゾル噴霧体の形で都合よく噴射する。加圧エアロゾルの場合、用量単位
は計測した量を噴射するための弁を提供することにより決定することができる。
吸入器または注入器で使用するための、化合物の粉末混合物と乳糖またはデンプ
ンなどの適当な粉末基剤とを含む、例えばゼラチンのカプセルおよびカートリッ
ジを調製することができる。
【0119】 化合物を、注射、例えばボーラス注射または持続注入による非経口投与のため
に調製することもできる。注射用調製物は、単位用量形態、例えば、アンプルで
、または保存剤を加えた複数回用量容器で提供することができる。組成物は、油
性または水性媒体中の懸濁液、溶液または乳液などの形を取ることができ、また
、懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤などの調合剤を含むこともできる。
【0120】 注射のために、本発明の物質は水溶液、好ましくはハンクス液、リンガー液、
または生理食塩緩衝液などの生理的に適合する緩衝液の溶液で調合することがで
きる。経粘膜投与のために、浸透するバリアに適した浸透剤を調合剤中で用いる
が、これらは当技術分野において公知のものから選択することができる。
【0121】 非経口投与のための薬学的調製物には、水溶性の形での活性化合物の水溶液が
含まれる。加えて、適当な油性注射懸濁液として活性化合物の懸濁液も調製する
ことができる。そのような調合物を調製するための適当な親油性溶媒または媒体
には、ゴマ油などの脂肪油、またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドな
どの合成脂肪酸エステル、あるいはリポソームが含まれる。水性注射懸濁液は、
カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランな
どの、懸濁液の粘度を高める物質を含むこともできる。任意に、懸濁液は適当な
安定化剤、または化合物の溶解性を高めて高濃度溶液の調製を可能にする物質を
含むこともできる。
【0122】 注射による投与に適した本発明の非経口薬学的組成物は、次のとおりに調製す
ることができる:式(I-a)または(I-b)の化合物100mgを脂肪油などの親油性
溶媒10mlと混合し、混合物を注射による投与に適した単位用量形態に懸濁液とし
て取り込む。
【0123】 または、活性成分は使用前に適当な媒体、例えば滅菌された発熱原を含まない
水と構成するための粉末形態であってもよい。化合物はまた、例えば、カカオ脂
または他のグリセリドなどの通常の坐剤基剤を含む、坐剤または保持浣腸剤など
の直腸組成物に調製することもできる。
【0124】 前述の調製物に加えて、化合物はデポー製剤として調合することもできる。そ
のような長期作用調合物は、埋め込み(例えば、皮下または筋肉内に)または筋
肉内注射によって投与することができる。例えば、化合物は適当な重合体性もし
くは疎水性物質(例えば、許容される油中の乳液として)またはイオン交換樹脂
と共に、あるいは難溶性誘導体、例えば難溶性塩として調合することができる。
【0125】 本発明の疎水性化合物に適した薬学的担体は、ベンジルアルコール、非極性界
面活性剤、水混和性有機重合体、および水層を含む共溶媒系である。共溶媒系は
VPD共溶媒系であってもよい(VPDは無水エタノール中、3%w/vベンジルアルコー
ル、8%w/v非極性界面活性剤ポリソルベート80、および65%w/vポリエチレング
リコール300の溶液)。VPD共溶媒系(VPD:5W)はデキストロースの5%水溶液で
1:1に希釈したVPDからなる。この共溶媒系は疎水性化合物をよく溶解し、それ
自体は全身投与しても毒性が低い。当然、共溶媒系の比率は、その溶解性および
毒性の特徴を損なうことなく、かなり変動させることができる。さらに、共溶媒
成分の本体も変えることができる:例えば、ポリソルベート80の代わりに他の低
毒性非極性界面活性剤を用いることもでき;ポリエチレングリコールの割合も変
えることができ;ポリエチレングリコールの代わりに他の生体適合性重合体、例
えばポリビニルピロリドンを用いることもでき;かつデキストロースの代わりに
他の糖類または多糖を用いることもできる。
【0126】 または、疎水性の薬学的化合物のために他の送達システムを用いることもでき
る。リポソームおよび乳液は、疎水性薬物のための送達媒体または担体としてよ
く知られている例である。ジメチルスルホキシドなどの特定の有機溶媒も用いる
ことができるが、通常は毒性がより高いという犠牲が伴う。加えて、化合物は、
治療薬を含む疎水性重合体の半透性基質などの徐放性システムを用いて送達する
こともできる。様々な徐放性物質が確立されており、当業者には公知である。徐
放性カプセルは、その化学的性質に応じて、化合物を数週間から100日を超える
期間で放出することができる。治療薬の化学的性質および生物学的安定性に応じ
て、タンパク質安定化のための別の戦略も用いることができる。
【0127】 薬学的組成物はまた、適当な固相またはゲル相担体または賦形剤も含むことが
できる。そのような担体または賦形剤の例には、炭酸カルシウム、リン酸カルシ
ウム、様々な糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、およびポリエチレン
グリコールなどの重合体が含まれる。
【0128】 多数の神経栄養因子が当技術分野において同定されており、それらの因子のい
ずれでも本発明の組成物に用いることができる。本明細書において用いられる「
神経栄養因子」という用語は、神経組織の成長または増殖を刺激することができ
る物質(しかし、本明細書のFKBPロタマーゼ阻害化合物は除外する)、例えば神
経成長因子(NGF)、インスリン成長因子(IGF-1)およびその活性な短縮誘導体
(gIGF-1)、酸性および塩基性線維芽細胞成長因子(それぞれaFGFおよびbFGF)
、血小板由来成長因子(PDGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、毛様体神経栄養
因子(CNTF)、グリア細胞系由来神経栄養因子(GDNF)、ニューロトロフィン-3
(NT-3)、ならびにニューロトロフィン4/5(NT-4/5)を意味する。薬学的組成
物は、活性成分として、一つまたは複数の本発明の物質に加え、一つまたは複数
のそのような神経栄養因子を含むことができる。本発明の組成物において用いる
ための最も好ましい神経栄養因子はNGFである。
【0129】 本発明の薬学的に許容される組成物の他の成分には、ベンジルアルコールもし
くは他の適当な保存剤、生物学的利用能を高めるための吸収促進剤、過フッ化炭
化水素、および/または他の通常の可溶化剤もしくは分散剤が含まれる。
【0130】 薬学的組成物は所期の治療効果を得るために十分な活性成分の全量を含む。よ
り具体的には、薬学的組成物は本発明のFKBP阻害物質の治療上有効な量(すなわ
ち、FKBPによって仲介される疾患または状態の発症を防ぐ、またはそれらの既存
の症状を軽減するために有効な量)を含む。担体物質と組み合わされて単回用量
形態を形成する、本発明のFKBP阻害物質および任意の神経栄養因子の全量は、治
療される宿主および特定の投与様式に応じて変動しうると考えられる。好ましく
は、本発明の組成物はそれぞれ、FKBP阻害物質と神経栄養因子の両方を含み、FK
BP阻害物質は神経栄養因子の作用を増強して神経突起成長刺激を増大させる。そ
のような組成物における神経栄養因子の量は都合のよいことに、この因子を単独
で用いる単剤療法において必要とされる量よりも少ない。好ましくは、組成物の
投与を受ける患者に、1日に体重1kgあたり0.01〜100mgの用量のFKBP12阻害物質
が投与され、1日に体重1kgあたり0.01〜100μgの用量の神経栄養因子が投与され
るよう、組成物を調合する。
【0131】 本発明の薬学的組成物は、FK-506結合タンパク質のロタマーゼ酵素活性を阻害
する方法であって、該組成物を患者に投与することを含む方法において用いるこ
とができる。本発明の組成物はまた、神経再生を刺激するため、またはニューロ
ン再生を促進するために、神経細胞の神経突起成長を刺激するためにも用いるこ
とができる。好ましくは、この組成物は神経栄養因子をさらに含む。
【0132】 本発明をその特定の好ましい態様について述べてきたが、当業者であれば変更
および修正が可能であることを、例えば日常的実験および本発明の実施から理解
すると思われる。例えば、当業者であれば、式(I-a)および式(I-b)の化合物
に対し、薬学的組成物におけるその有効性に著しく有害な影響をおよぼすことな
く、明白な変更または置換を行うことができることを理解すると思われる。した
がって、本発明は前述の説明によって制限されることはないが、添付の特許請求
の範囲およびその等価物によって規定されることが意図される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 25/28 A61P 25/28 43/00 111 43/00 111 C07D 471/18 C07D 471/18 498/18 498/18 519/00 311 519/00 311 //(C07D 498/18 (C07D 498/18 263:00 263:00 241:00 241:00 221:00) 221:00) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 多田 博紀 大阪府高槻市紫町1番1号 日本たばこ産 業株式会社 (72)発明者 リントン マリア アンジェリカ アメリカ合衆国 カリフォルニア州 サン ディエゴ レッド ビーダー ドライブ 11320 (72)発明者 カリシュ ビンセント アメリカ合衆国 メリーランド州 アンナ ポリス デュボイス ロード 344 (72)発明者 タトロック ジョン ハワード アメリカ合衆国 カリフォルニア州 ビス タ ホワイト バーチ ドライブ 1926 (72)発明者 ビラフランカ ジェイ. アーネスト アメリカ合衆国 カリフォルニア州 サン ディエゴ ウパス ストリート 1282 Fターム(参考) 4C065 AA09 BB12 CC01 CC05 CC07 DD02 EE02 HH01 HH09 JJ03 JJ04 LL03 LL04 PP03 PP04 4C072 AA03 BB03 CC02 CC11 EE03 FF08 GG07 HH02 MM02 UU01 4C086 AA01 AA03 AA04 CB14 CB22 MA01 MA02 MA04 NA14 ZA01 ZA02 ZA16 ZC20

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式の化合物であって: 【化1】 上式で: R1は:水素;ハロゲン、ヒドロキシル、NO2、CF3、C1〜C6アルキル、C2〜C6
    ルケニル、C1〜C4アルキルオキシ、C2〜C4アルケニルオキシ、ベンジルオキシ、
    フェノキシ、アミノ、およびフェニルからなる群より個別に選択される一つもし
    くは複数の置換基で置換されているか、または無置換のアリール基;C1〜C4アル
    キル、C2〜C4アルケニル、C4〜C6シクロアルケニル、およびヒドロキシからなる
    群より個別に選択される一つもしくは複数の置換基で置換されているか、または
    無置換のアルキルまたはアルケニル基;C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、C1 〜C4アルキルオキシ、およびヒドロキシからなる群より個別に選択される一つも
    しくは複数の置換基で置換されているか、または無置換のC3〜C8シクロアルキル
    またはC5〜C7シクロアルケニル基;あるいはC(R11)(R12)(R13)であって、ただし
    R11およびR12はそれぞれ個別に低級アルキルであるか、またはR11およびR12はそ
    れらが結合している原子と共にシクロアルキルを形成し、かつR13はH、OH、低級
    アルキル、アリール、または(CH2)n-O-W1で、ただしnは0、1、2、または3であり
    、かつW1はR2またはC(O)R2であり、ただしR2は一つもしくは二つのメトキシ基で
    置換されているか、または無置換のC1〜C3アルキルであり; Xは水素、シアノ、C1〜C2アルキルオキシ、ジメトキシメチル、または=Oであ
    り;かつ Yは:水素;ヒドロキシル、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C1〜C4アル
    キルオキシ、C2〜C4アルケニルオキシ、ベンジルオキシ、フェノキシ、およびフ
    ェニルからなる群より個別に選択される一つもしくは複数の置換基で置換されて
    いるか、または無置換のアルキル、アリール、アルコキシ、ヒドロキシアルキル
    、アリールオキシ、アルケニルオキシ、およびヒドロキシ基からなる群より個別
    に選択される一つもしくは複数の置換基で置換されているか、または無置換のア
    ルキル、アルケニル、またはシクロアルキル基;あるいは(CH2)p-O-W2または(CH 2 )p-N-W2であって、ただしpは0、1、または2であり、かつW2はR3またはC(O)R3
    あり、ただしR3はアルキル、アリール、およびアルコキシからなる群より個別に
    選択される一つもしくは複数の置換基で置換されているか、または無置換のアル
    キル、アルケニル、またはアリール基であるか; またはXおよびYは、それらがそれぞれ結合している炭素環原子および窒素ヘテ
    ロ原子と共に、一つもしくは複数の置換基J、K、およびLで置換されているか、
    または無置換の5〜7員環飽和または不飽和複素環を形成し;ただしJ、K、およ
    びLは酸素と、C3〜C5シクロアルキル、メトキシ、メトキシフェニル、およびジ
    メトキシフェニルからなる群より個別に選択される一つもしくは複数の置換基で
    置換されているか、または無置換のC3〜C5シクロアルキルおよびC1〜C5アルキル
    基とからなる群より個別に選択される置換基を表すか;あるいはJおよびKは共に
    、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシと、酸素、窒素、炭素
    または硫黄によりフェニル環に連結されており、ハロゲン、ヒドロキシル、NO2
    、CF3、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C1〜C4アルキルオキシ、C2〜C4
    ルケニルオキシ、ベンジルオキシ、フェノキシ、アミノ、およびフェニルからな
    る群より個別に選択される置換基とからなる群より個別に選択される一つもしく
    は複数の置換基で置換されているか、または無置換のフェニル環を形成する化合
    物; または該化合物の薬学的に許容される誘導体。
  2. 【請求項2】 R1がハロゲン、ヒドロキシル、NO2、CF3、C1〜C6アルキル、
    C2〜C6アルケニル、C1〜C4アルキルオキシ、C2〜C4アルケニルオキシ、ベンジル
    オキシ、フェノキシ、アミノ、およびフェニルからなる群より個別に選択される
    一つもしくは複数の置換基で置換されているか、または無置換のアリールである
    、請求項1記載の化合物または薬学的に許容される誘導体。
  3. 【請求項3】 R1がアダマンチル、ナフチル、インドリル、フリル、チエニ
    ル、ピリジル、およびフェニルからなる群より選択され、該フェニルはハロゲン
    、ヒドロキシル、NO2、CF3、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C1〜C4アルキ
    ルオキシ、C2〜C4アルケニルオキシ、ベンジルオキシ、フェノキシ、アミノ、お
    よびフェニルからなる群より個別に選択される一つから三つの置換基を有する、
    請求項1記載の化合物または薬学的に許容される誘導体。
  4. 【請求項4】 R1が3,4,5-トリメトキシフェニルである、請求項3記載の化
    合物または薬学的に許容される誘導体。
  5. 【請求項5】 R1が 【化2】 であって、ただしmは1または2であり、nは0、1、または2であり、かつW1は請求
    項1の定義のとおりである、請求項1記載の化合物または薬学的に許容される誘
    導体。
  6. 【請求項6】 R1がC(R11)(R12)(R13)であって、ただしR11およびR12はそれ
    らが結合している原子と共にシクロペンチルまたはシクロヘキシルを形成し;か
    つR13はH、OH、低級アルキル、アリール、および(CH2)n-O-W1から選択され、た
    だしnは0、1、2、または3であり、かつW1はR2またはC(O)R2であり、ただしR2
    一つもしくは二つのメトキシ基で置換されているか、または無置換のC1〜C3アル
    キルである、請求項1記載の化合物または薬学的に許容される誘導体。
  7. 【請求項7】 R1が下記の式からなる群より選択される、請求項6記載の化
    合物または薬学的に許容される誘導体: 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】 【化9】 【化10】 および 【化11】 ただしmは1または2である。
  8. 【請求項8】 R1がC(R11)(R12)(R13)であって、ただしR11およびR12はそれ
    ぞれ個別にメチルまたはエチルであり;かつR13はH、OH、低級アルキル、アリー
    ル、または(CH2)n-O-W1であり、ただしnは0、1、2、または3であり、かつW1はR2 またはC(O)R2であり、ただしR2は一つもしくは二つのメトキシ基で置換されてい
    るか、または無置換のC1〜C3アルキルである、請求項1記載の化合物または薬学
    的に許容される誘導体。
  9. 【請求項9】 R1が下記の式からなる群より選択される、請求項8記載の化
    合物または薬学的に許容される誘導体: 【化12】 【化13】 【化14】 および 【化15】
  10. 【請求項10】 Yがアルキル、アリール、アルコキシ、ヒドロキシアルキ
    ル、アリールオキシ、アルケニルオキシ、ヒドロキシ、(CH2)p-O-W2、および(CH 2 )p-N-W2からなる群より個別に選択される一つもしくは複数の置換基で置換され
    ているアルキルであって、ただしpは0、1、または2であり;かつW2はR3またはC(
    O)R3であり、ただしR3はアルキル、アリール、およびアルコキシからなる群より
    選択される一つもしくは複数の置換基で置換されているか、または無置換のアル
    キル、アルケニル、アリールアルキル、またはアリールである、請求項1記載の
    化合物または薬学的に許容される誘導体。
  11. 【請求項11】 Yが下記の式からなる群より選択される、請求項10記載
    の化合物または薬学的に許容される誘導体: 【化16】 【化17】 および 【化18】
  12. 【請求項12】 XおよびYが、それらがそれぞれ結合している炭素環原子お
    よび窒素ヘテロ原子と共に、該窒素ヘテロ原子に加えて、OおよびNからなる群よ
    り選択される一つの追加のヘテロ原子を任意に有する、置換または無置換の5〜7
    員環飽和または不飽和複素環を形成する、請求項1記載の化合物または薬学的に
    許容される誘導体。
  13. 【請求項13】 前記5〜7員環飽和または不飽和複素環がピペリジンおよび
    ピペラジンから選択される、請求項12記載の化合物または薬学的に許容される
    誘導体。
  14. 【請求項14】 化合物が下記の式からなる群より選択される、請求項1記
    載の化合物または薬学的に許容される誘導体: 【化19】 【化20】 【化21】 【化22】 【化23】 【化24】 【化25】 【化26】 【化27】 【化28】 【化29】 【化30】 【化31】 【化32】 【化33】 【化34】 【化35】 【化36】 【化37】 【化38】 【化39】 【化40】 【化41】 【化42】 【化43】 【化44】 【化45】 【化46】 【化47】 【化48】 【化49】 【化50】 【化51】 【化52】 【化53】 【化54】 【化55】 【化56】 【化57】 【化58】 【化59】 【化60】 【化61】 【化62】 【化63】 【化64】 【化65】 【化66】 【化67】 【化68】 【化69】 【化70】 【化71】 【化72】 【化73】 【化74】 【化75】 【化76】 【化77】 【化78】 【化79】 【化80】 【化81】 【化82】 【化83】 【化84】 【化85】 【化86】 【化87】 【化88】 【化89】 【化90】 【化91】 【化92】 【化93】 【化94】 【化95】 【化96】 【化97】 【化98】 【化99】 【化100】 【化101】 【化102】 【化103】 【化104】 【化105】 【化106】 【化107】 【化108】 【化109】 【化110】 【化111】 【化112】 【化113】 【化114】 【化115】 【化116】 【化117】 【化118】 【化119】 【化120】 【化121】 【化122】 【化123】 【化124】 【化125】 【化126】 【化127】 【化128】 【化129】 【化130】 【化131】 【化132】 【化133】 【化134】 【化135】 【化136】 【化137】 【化138】 【化139】 【化140】 【化141】 【化142】 【化143】 【化144】 【化145】 および 【化146】
  15. 【請求項15】 化合物が下記の式からなる群より選択される、請求項1記
    載の化合物または薬学的に許容される誘導体: 【化147】 ; 【化148】 ;および 【化149】
  16. 【請求項16】 少なくとも一つの請求項1記載の化合物または薬学的に許
    容される誘導体の治療上有効な量と、薬学的に許容される担体とを含むロタマー
    ゼ阻害物質を含む、薬学的組成物。
  17. 【請求項17】 神経栄養因子をさらに含む、請求項16記載の薬学的組成
    物。
  18. 【請求項18】 患者の神経学的障害を治療する方法であって、請求項1記
    載の化合物または薬学的に許容される誘導体の治療上有効な量を患者に投与する
    ことを含む方法。
  19. 【請求項19】 神経学的障害が、物理的傷害または疾病状態によって引き
    起こされた末梢神経障害、脳への物理的損傷、脊髄への物理的損傷、脳損傷に関
    連する卒中、および神経変性に関係する神経学的障害からなる群より選択される
    、請求項18記載の方法。
  20. 【請求項20】 神経学的障害がパーキンソン病、アルツハイマー病、また
    は筋萎縮性側索硬化症である、請求項18記載の方法。
  21. 【請求項21】 神経成長因子、インスリン成長因子およびその活性な短縮
    誘導体、酸性および塩基性線維芽細胞成長因子、血小板由来成長因子、脳由来神
    経栄養因子、毛様体神経栄養因子、グリア細胞系由来神経栄養因子、ニューロト
    ロフィン-3、ならびにニューロトロフィン4/5からなる群より選択される神経栄
    養因子を患者に投与することをさらに含む、請求項18記載の方法。
  22. 【請求項22】 請求項1記載の化合物または薬学的に許容される誘導体を
    製造する方法であって、 (a)式(III-a)の化合物を還元条件下で式(III-b)の化合物に変換する段階
    と: 【化150】 上式で: R32は、任意に置換されたアルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル
    、シクロアルケニル、 【化151】 、および 【化152】 からなる群より選択され、ただしqは0または1であり、かつR30はヒドロキシル、
    C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C1〜C4アルキルオキシ、C2〜C4アルケニル
    オキシ、ベンジルオキシ、フェノキシ、およびフェニルからなる群より個別に選
    択される一つもしくは複数の置換基で置換されているか、または無置換のアルキ
    ルもしくはアリール基であり; Xは:水素;シアノ;C1〜C2アルキルオキシ;ジメトキシメチル;または酸素
    であり、ただしXが酸素であるとき、Xを環の炭素原子につなぐ結合は二重結合で
    あり;かつ Yは:水素;ヒドロキシル、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C1〜C4アル
    キルオキシ、C2〜C4アルケニルオキシ、ベンジルオキシ、フェノキシ、およびフ
    ェニルからなる群より個別に選択される一つもしくは複数の置換基で置換されて
    いるか、または無置換のアルキル、アリール、アルコキシ、ヒドロキシアルキル
    、アリールオキシ、アルケニルオキシ、およびヒドロキシ基からなる群より個別
    に選択される一つもしくは複数の置換基で置換されているか、または無置換のア
    ルキル、アルケニル、またはシクロアルキル基;あるいは(CH2)p-O-W2または(CH 2 )p-N-W2であって、ただしpは0、1、または2であり、かつW2はR3またはC(O)R3
    あり、ただしR3はアルキル、アリール、およびアルコキシからなる群より個別に
    選択される一つもしくは複数の置換基で置換されているか、または無置換のアル
    キル、アルケニル、またはアリール基であるか; またはXおよびYは、それらがそれぞれ結合している炭素環原子および窒素ヘテ
    ロ原子と共に、一つもしくは複数の置換基J、K、およびLで置換されているか、
    または無置換の5〜7員環飽和または不飽和複素環を形成し;ただしJ、K、およ
    びLは酸素と、C3〜C5シクロアルキル、メトキシ、メトキシフェニル、およびジ
    メトキシフェニルからなる群より個別に選択される一つもしくは複数の置換基で
    置換されているか、または無置換のC3〜C5シクロアルキルおよびC1〜C5アルキル
    基とからなる群より個別に選択される置換基を表すか;あるいはJおよびKは共に
    、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシと、酸素、窒素、炭素
    または硫黄によりフェニル環に連結されており、ハロゲン、ヒドロキシル、NO2
    、CF3、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C1〜C4アルキルオキシ、C2〜C4
    ルケニルオキシ、ベンジルオキシ、フェノキシ、アミノ、およびフェニルからな
    る群より個別に選択される置換基とからなる群より個別に選択される一つもしく
    は複数の置換基で置換されているか、または無置換のフェニル環を形成し; 【化153】 上式で、XおよびYは前述の定義のとおりであり; (b)該式(III-b)の化合物を式(IV)の化合物と結合させる段階とを含む方法
    : 【化154】 上式で、R1は:水素;ハロゲン、ヒドロキシル、NO2、CF3、C1〜C6アルキル、C2 〜C6アルケニル、C1〜C4アルキルオキシ、C2〜C4アルケニルオキシ、ベンジルオ
    キシ、フェノキシ、アミノ、およびフェニルからなる群より個別に選択される一
    つもしくは複数の置換基で置換されているか、または無置換のアリール基;C1
    C4アルキル、C2〜C4アルケニル、C4〜C6シクロアルケニル、およびヒドロキシか
    らなる群より個別に選択される一つもしくは複数の置換基で置換されているか、
    または無置換のアルキルまたはアルケニル基;C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニ
    ル、C1〜C4アルキルオキシ、およびヒドロキシからなる群より個別に選択される
    一つもしくは複数の置換基で置換されているか、または無置換のC3〜C8シクロア
    ルキルまたはC5〜C7シクロアルケニル基;あるいはC(R11)(R12)(R13)であって、
    ただしR11およびR12はそれぞれ個別に低級アルキルであるか、またはR11およびR 12 はそれらが結合している原子と共にシクロアルキルを形成し、かつR13はH、OH
    、低級アルキル、アリール、または(CH2)n-O-W1で、ただしnは0、1、2、または3
    であり、かつW1はR2またはC(O)R2であり、ただしR2は一つもしくは二つのメトキ
    シ基で置換されているか、または無置換のC1〜C3アルキルである。
  23. 【請求項23】 式(III-a)の化合物が下記の式からなる群より選択され
    る、請求項22記載の方法: 【化155】 ; 【化156】 ;および 【化157】 ; ただしZはベンジルオキシカルボニルである。
  24. 【請求項24】 式(III-a)の化合物が下記の式からなる群より選択され
    る、請求項22記載の方法: 【化158】 ; 【化159】 ;および 【化160】 ; ただしZはベンジルオキシカルボニルである。
  25. 【請求項25】 式(III-a)の化合物が下記のとおりである、請求項22
    記載の方法: 【化161】 または 【化162】 、 ただしZはベンジルオキシカルボニルである。
  26. 【請求項26】 式(III-a)の化合物が下記の式からなる群より選択され
    る、請求項22記載の方法: 【化163】 【化164】 【化165】 、および 【化166】 、 ただしZはベンジルオキシカルボニルである。
  27. 【請求項27】 式(II)の化合物を前記式(III-a)の化合物に変換する
    ことをさらに含む、請求項22記載の方法: 【化167】 上式で、Zは 【化168】 であり、ただしqは0または1であり、かつR30はヒドロキシル、C1〜C6アルキル、
    C2〜C6アルケニル、C1〜C4アルキルオキシ、C2〜C4アルケニルオキシ、ベンジル
    オキシ、フェノキシ、およびフェニルからなる群より個別に選択される一つもし
    くは複数の置換基で置換されているか、または無置換のアルキルまたはアリール
    基である。
  28. 【請求項28】 下記の式の化合物であって: 【化169】 上式で: R1は:水素;ハロゲン、ヒドロキシル、NO2、CF3、C1〜C6アルキル、C2〜C6
    ルケニル、C1〜C4アルキルオキシ、C2〜C4アルケニルオキシ、ベンジルオキシ、
    フェノキシ、アミノ、およびフェニルからなる群より個別に選択される一つもし
    くは複数の置換基で置換されているか、または無置換のアリール基;C1〜C4アル
    キル、C2〜C4アルケニル、C4〜C6シクロアルケニル、およびヒドロキシからなる
    群より個別に選択される一つもしくは複数の置換基で置換されているか、または
    無置換のアルキルまたはアルケニル基;C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、C1 〜C4アルキルオキシ、およびヒドロキシからなる群より個別に選択される一つも
    しくは複数の置換基で置換されているか、または無置換のC3〜C8シクロアルキル
    またはC5〜C7シクロアルケニル基;あるいはC(R11)(R12)(R13)であって、ただし
    R11およびR12はそれぞれ個別に低級アルキルであるか、またはR11およびR12はそ
    れらが結合している原子と共にシクロアルキルを形成し、かつR13はH、OH、低級
    アルキル、アリール、または(CH2)n-O-W1で、ただしnは0、1、2、または3であり
    、かつW1はR2またはC(O)R2であり、ただしR2は一つもしくは二つのメトキシ基で
    置換されているか、または無置換のC1〜C3アルキルであり; X1およびX2はそれぞれ個別に水素、シアノ、C1〜C2アルキルオキシ、ジメトキ
    シメチル、もしくは=Oであるか;またはX1およびX2は共に原子価結合を形成し;
    かつ Yは:水素;ヒドロキシル、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C1〜C4アル
    キルオキシ、C2〜C4アルケニルオキシ、ベンジルオキシ、フェノキシ、およびフ
    ェニルからなる群より個別に選択される一つもしくは複数の置換基で置換されて
    いるか、または無置換のアルキル、アリール、アルコキシ、ヒドロキシアルキル
    、アリールオキシ、アルケニルオキシ、およびヒドロキシ基からなる群より個別
    に選択される一つもしくは複数の置換基で置換されているか、または無置換のア
    ルキル、アルケニル、またはシクロアルキル基;あるいは(CH2)p-O-W2または(CH 2 )p-N-W2であって、ただしpは0、1、または2であり、かつW2はR3またはC(O)R3
    あり、ただしR3はアルキル、アリール、およびアルコキシからなる群より個別に
    選択される一つもしくは複数の置換基で置換されているか、または無置換のアル
    キル、アルケニル、またはアリール基であるか;または X1およびX2の一つとYの組み合わせは、Yが結合している環構造の窒素ヘテロ原
    子と共に、OおよびNから選択される一つの追加のヘテロ原子を任意に含む5〜7員
    環飽和または不飽和複素環を形成し、該5〜7員環飽和または不飽和複素環はJ、K
    、およびLから選択される一つまたは複数の置換基で任意に置換されており、こ
    れら置換基は個別に、C3〜C5シクロアルキル、メトキシ、メトキシフェニル、も
    しくはジメトキシフェニルから個別に選択される一つもしくは二つの置換基で任
    意に置換されている酸素、C3〜C5シクロアルキル、もしくはC1〜C5アルキルであ
    るか、またはJおよびKは共に、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメ
    トキシと、酸素、窒素、炭素もしくは硫黄によりフェニル環に連結されている適
    当な置換基とから選択される一つもしくは複数の置換基で任意に置換されている
    フェニル環を形成する化合物; あるいは該化合物の薬学的に許容される誘導体。
  29. 【請求項29】 化合物が下記の式からなる群より選択される、請求項28
    記載の化合物または薬学的に許容される誘導体: 【化170】 ; 【化171】 ; 【化172】 ; 【化173】 ; 【化174】 ;および 【化175】 ; 【化176】
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