JP2002518468A - デスフォルモテロール及びその製造方法 - Google Patents

デスフォルモテロール及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 3−アミノ−4−ヒドロキシ−α−[[[2−(4−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]メチル]ベンゼンメタノール(D)の(R,R)−、(S,S)−、(R,S)−、(S,R)−異性体、ならびに、それらを立体選択的に合成する効果的な方法が開示されている。β2 受容体に対して高い選択性を有する気管支拡張剤としてデスフォルモテロール(D)を活用する方法及び組成物も開示されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の技術分野 本発明は、3−アミノ−4−ヒドロキシ−α−[[[2−(4−メトキシフェ
ニル)−1−メチルエチル]アミノ]メチル]ベンゼンメタノール、その医薬品
組成物、ならびに肺疾患の治療及び予防におけるその使用に関するものである。
さらに本発明は、3−アミノ−4−ヒドロキシ−α−[[[2−(4−メトキシ
フェニル)−1−メチルエチル]アミノ]メチル]ベンゼンメタノールの光学的
に純粋な異性体、ならびにそれらの製造方法に関するものである。
【0002】 発明の背景 フォルモテロール、すなわち(+/−)N−[2−ヒドロキシ−5−[1−ヒ
ドロキシ−2[[2−(p−メトキシフェニル)−2−プロピル]アミノ]エチ
ル]フェニル]フォルムアミドは、吸入した場合、持続性の気管支拡張効果を有
する薬効性の高い、β2-選択性アドレナリン受容体作動薬(β2-selective adrenoceptor agonist)である。フォルモテロールの構造式を以下に示す。
【化9】
【0003】 フォルモテロールは分子内に二つのキラル中心を有し、そのそれぞれが、二つ
の可能な配置で存在し得る。これによって (R,R)、(S,S)、(R,S)及
び (S,R)の四つの組合わせが生じる。(R,R)と(S,S)は互いに鏡像関
係にあり、従って鏡像異性体であり、(R,S)及び(S,R)も同様に鏡像異性
体の対である。しかし、(R,R)と(S,S)の鏡像は(R,S)と(S,R)に
重ね合わせることはできず、これらはジアステレオマーである。フォルモテロー
ルは、(R,R)と(S,S)が1:1の比のラセミ体混合物としてのみ市場で入
手可能であり、一般名フォルモテロールはこの鏡像異性体混合物をいう。
【0004】 本明細書で用いるラセミ体の、アンビスケーリミック(ambiscalemic)及びス
ケーリミック(scalemic)な、あるいは鏡像異性体的に純粋な化合物の図式表示
は、Maehr の J. Chem. Ed. 62, 114-120 (1985)から取っている。すなわち、実
線及び破線の楔型はキラル要素の絶対配置を意味するべく用いられ;波型線は、
それが示す結合が生じ得る立体化学的意味の否定を示し;太い実線及び破線は、
そこに示されている相対的配置を示すが、ラセミ体的性格を意味する幾何学的描
写であり;白抜きの楔型及び点線或は破線は不定の絶対配置の鏡像異性体的に純
粋な化合物を意味する。従って、前記のフォルモテロールの化学式は、市販物質
のラセミ体的性格を反映しており、以下の構造式の中で、白抜き楔型を有するも
のは、対をなす純粋の鏡像異性体の両者を包括することを意図しており、実線の
楔型を有するものは、そこに示されている絶対的立体化学を有する単一の純粋な
鏡像異性体を包括することを意図している。
【0005】
【0006】 フォルモテロールの四つの立体異性体の合成は文献に報じられている。一つの
方法では、光学的に純粋な酒石酸を用いるラセミ体フォルモテロールの立体選択
的再結晶によって(R,R)-及び(S,S)-異性体が単離された。(Murase et
al, Chem. Pharm. Bull. 26, 1123-1129 (1978)) 別の方法では、ラセミ体4−
ベンジルオキシ−3−ニトロスチレン・オキサイドを光学的純粋(R,R)-又は
(S,S)-N−(1−フェニルエチル)−N−(1−(p−メトキシフェニル)
−2−プロピル)アミンと結合させて、フォルモテロール前駆体のジアステレオ
マー混合物を得て、次にこれをセミプレパラティブHPLC(semipreparative
HPLC)によって分離し、純粋なフォルモテロール異性体に変換した(Trofast et
al, Chirality 3, 443-450 (1991))。いずれの方法も非常に低い収率(<2%
)及び長い合成操作を余儀なくされる。
【0007】 フォルモテロールの合成における望ましからぬ副生成物として、3−アミノ−
4−ヒドロキシ−α−[[[2−(4−メトキシフェニル)−1−メチルエチル
]アミノ]メチル]ベンゼンメタノール(Chem. Abst. Reg. No. 150513-24-9)
が開示されている(スペイン特許 ES 2031407 号)。その化学構造式を以下に示
す。
【化2】 その意図的な合成も、その薬理もこれまで報じられていない。
【0008】 発明の要旨 3−アミノ−4−ヒドロキシ−α−[[[2−(4−メトキシフェニル)−1
−メチルエチル]アミノ]メチル]ベンゼンメタノール(I)もまた高度に選択
的なβ2-アドレナリン作用受容体作動薬(β2-adrenergic receptor agonist )
であることが今や発見された。本発明方法はこの化合物の実用的な、有効な製造
方法を提供し、また、高い光学純度を有するその四つの立体異性体の全ての合成
法を提供する。
【0009】 本発明の化合物、方法ならびに組成物は、3−アミノ−4−ヒドロキシ−α−
[[[2−(4−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]メチル]ベ
ンゼンメタノール及びその立体異性体に関するものである。簡便法として、以下
、3−アミノ−4−ヒドロキシ−α−[[[2−(4−メトキシフェニル)−1
−メチルエチル]アミノ]メチル]ベンゼンメタノールを「デスフォルモテロー
ル」と呼ぶことにする。本明細書を通じて、この言葉に別段の修飾のない限り、
「デスフォルモテロール」は、R,R-異性体、S,S-異性体、R,S-異性体、S
,R-異性体、あるいはこれらの立体異性体の任意の混合物を指す。「ラセミ体デ
スフォルモテロール」なる言葉は、二つのあり得るラセミ体を含む。すなわち、
一つはR,R-及びS,S-異性体の混合物、もう一つはR,S-及びS,R-異性体の
混合物である。
【0010】 本発明の1つの態様は、下式の化合物
【化1】 を用意し、この化合物を還元することを包含する、下式の化合物
【化2】 の製造方法に関するものである。下式の化合物
【化1】 は、下式の化合物
【化3】 を下式の化合物
【化4】 (ここにRはベンジル基あるいは置換ベンジル基である)と反応させることによ
って製造される。
【0011】 同様に、本発明は、下式の化合物
【化5】 を用意し、酸の存在下にこの化合物を還元することによって、光学的に純粋な下
式の化合物
【化6】 の塩を製造する方法に関するものである。この下式の化合物
【化5】 は、下式の化合物
【化7】 を下式の化合物
【化8】 (ここにRはベンジル基あるいは置換ベンジル基である)と反応させることによ
って製造される。
【0012】 「置換ベンジル基」なる言葉は、保護基としての機能に干渉しない一つ又はそ
れ以上の置換基で置換されているベンジル(又はフェニルメチル)核を含んだ、
フェノールの任意の保護基をいう。適切な置換基には、C1 ないしC6-アルキル
、C1 ないしC6-アルコキシ、ハロゲン、ならびにそれらの組合わせが含まれる
。特定の態様としては、Rはベンジル基であり、ここではBnとして表されてい
る。
【0013】 前記の方法において、還元行程は、貴金属触媒の存在下に水素源を用いて実施
される。好ましい貴金属触媒はパラジウムである。この還元行程は、この触媒に
加えて、酒石酸の存在下に実施することがさらに好ましい。この水素源は、水素
ガス、あるいは、蟻酸アンモニウムのような水素付与化合物であればよい。
【0014】 本発明化合物のための適切な酸付加塩類には、例えば、酢酸、ベンゼンスルホ
ン酸(ベシレート)、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エテンスル
ホン酸、フマール酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩化水素酸、イ
セチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘
液酸、硝酸、パモイン酸、パントテン酸、リン酸、琥珀酸、硫酸、酒石酸、p−
トルエンスルホン酸、及びそれらの類似物が含まれる。ベンジルアミン化合物に
対しては特にマンデル酸塩が好ましく、デスフォルモテロール立体異性体に対し
ては酒石酸塩が好ましい。
【0015】 本発明はまた、喘息、気管支炎、気腫などの閉塞性気道障害を伴う患者におけ
る可逆性気管支痙攣を軽減するための気管支拡張剤として有用な、デスフォルモ
テロールを含む新規な組成物をも含む。
【0016】 本発明の1つの態様は、気管支拡張を誘発するか、あるいは気管支狭窄を予防
するに十分な量のデスフォルモテロールを個体に投与することを包含する、デス
フォルモテロールを用いて気管支拡張を誘発するか、あるいは気管支狭窄を予防
する方法に関するものである。このデスフォルモテロールは、経口的に、あるい
は、皮下注射、静脈注入、吸入、又は経皮的送達によって投与することができる
。吸入が好ましい。吸入による投与量は、一回服用又は分割服用で一日当たり約
1μg ないし約100 μg である。
【0017】 本発明の他の態様は、シロップ剤、及び錠剤やカプセル剤などの単位投薬量形
態を含む経口的投与のための組成物、あるいは、例えば、計量服用量吸入器(me
tered-dose inhaler)に用いるための、適切な推進剤中の溶液又は懸濁液、ある
いは噴霧用の滅菌水溶液など、吸入による投与に適した製剤に関するものである
。本組成物は、医薬的に容認し得る推進剤(エアゾル用)あるいは担体(吸入溶
液、シロップ剤、錠剤及びカプセル剤用)と、デスフォルモテロールあるいはそ
の医薬的に容認し得る塩とを包含する。好ましい気管支拡張剤組成物は、エアゾ
ル製剤形態のものである。
【0018】 詳細な説明 本発明のもう1つの態様は、デスフォルモテロール及び光学的に純粋な異性体
を製造する実用的な、効率的な方法に関するものである。この方法は、簡単な分
割及び不斉還元によって容易に得られる光学的に純粋な前駆体を活用しているこ
とから、特に有利である。デスフォルモテロールの鏡像異性体混合物は、光学的
に純粋でない原料を用いて出発することによって製造するのが好都合である。
【0019】 全体の順序を図表1に示す。ここに、Rはベンジル基として例示され、Bnで
表されている。この図式は、光学的に純粋な生成物を合成するための操作を例示
しているが、同じ操作が異性体の混合物を製造するためにも有用である。この順
序はまた、式2に類似する適当な出発原料を用いて開始して、Rが置換ベンジル
基である別の中間体を造るためにも用い得るだろう。括弧は、単離することがで
きるだろうが、全体の方法行程の中では単離しなくともよいような中間体を示す
【図表1】
【0020】 前述の方法において、Kraft, et al. [Rec. Trav. Chim. Pays-Bas 85, 607 (
1966)] の操作方法の変法を用いて、L−又は(D)−マンデル酸によるラセミ
体化合物の分割によって、光学的に純粋な4−メトキシ−α−メチル−N−(フ
ェニルメチル)ベンゼン・エタナミン〔また2−N−ベンジルアミノ−1−(p
−メトキシフェニル)プロパンとも呼ばれている〕式4が得られる。接触水素化
条件におけるN−ベンジルアミンを用いるp−メトキシフェニルアセトンの還元
的アミノ化によって、ラセミ体N−ベンジルアミン化合物が製造されているが、
本分野で知られている方法を用いる別の還元条件を採用することもできよう。( Houben-Weyl's Methoden der Org. Chem. Band IV/1c, p427を参照。)
【0021】 本発明は、光学的に純粋なスチレン・オキサイド類の製造方法と組み合わせた
前述のカプリング及び水素化を包含する、光学的に純粋な4−ベンジルオキシ−
3−ニトロスチレン・オキサイド式1から光学的に純粋なデスフォルモテロール
を造る方法を包括する。この態様では、(a) キラル性オキサザボロリジン触媒の
存在下に2’−ブロモ−4−ベンジルオキシ−3−ニトロアセトフェノンをボラ
ンで立体選択的に還元して、対応する光学的に活性なブロモヒドリン体となし〔 Hong, et al., Tetrahedron Lett. 35, 6631(1994)及び合衆国特許第 5,495,821
号を参照。これらの記述を引用して本明細書の一部分となす〕;及び、(b) 塩基
を用いてこの3−ニトロブロモヒドリン体を対応する4−ベンジルオキシ−3−
ニトロスチレン・オキサイド式1に変換する、ことによって光学的に純粋なスチ
レン・オキサイド体が得られる。
【0022】 光学的に純粋な2−N−ベンジルアミノ−1−(p−メトキシフェニル)プロ
パン式4は、そのラセミ体化合物のL−又はD−マンデル酸による分割によって
得られる。ラセミ体N−ベンジルアミン化合物の分割は、メタノール(MeOH
)などのアルコール溶媒中で1当量のL−又はD−マンデル酸を用いて行なわれ
る。光学的に純粋なベンジルアミンのマンデル酸塩式3は、4回ないし5回の結
晶化によって得られる。次いで、t−ブチル・メチル・エーテル(MTBE)あ
るいは酢酸エチル(EtOAc)のような不活性有機溶媒の存在下に、NaOH
水溶液、Na2CO3水溶液、又はNH3 水溶液などの塩基でこのマンデル酸塩を
処理し、次いでこの溶媒を蒸発させることによって、遊離N−ベンジルアミン化
合物が得られる。(R)−2−N−ベンジルアミノ−1−(p−メトキシフェニ
ル)プロパンはL−(+)−マンデル酸塩から得られ、その(S)−鏡像異性体
はD−(−)−マンデル酸から得られる。適切なマンデル酸を用いることによっ
て、ラセミ体N−ベンジルアミン化合物の同一ロットから(R)−及び(S)−
鏡像異性体の両者を得ることができる。
【0023】 光学的に純粋なエポキサイド体式1は、市場で入手し得る4−ベンジルオキシ
−3−ニトロアセトフェノンから製造される。すなわち、このアセトフェノンを
、CH3CN 、MeOH、あるいはクロロホルムのような不活性有機溶媒中で臭
素で臭素化して、そのα−ブロモアセトフェノン体とすることができる。次いで
このブロモアセトフェノン体を、キラル性オキサザボロリジン触媒の存在下に、
BH3THF 又はBH3Me2Sのようなボラン系還元剤で還元して、酸水溶液か
らの抽出によって光学活性ブロモヒドリン体を、優れた収率(>98%)で、優れ
た鏡像異性体過剰状態(ee=95%)で得る。このような触媒の実例は、シス−(
1R,2S)−アミノインダノール−B−MeあるいはAlBMeである。この
ものは、合衆国特許第 5,495,821号に記載の操作による、シス−(1R,2S)
−アミノインダノールとトリメチルボロキシンとの反応生成物である。このブロ
モヒドリン体は再結晶によってさらに>99.8%eeに富化させることができる。
このブロモヒドリン体の絶対配置は、オキサザボロリジン触媒のキラリティーに
よって決まる。こうして得られる化合物は、アルコール溶媒又はMeOH/TH
Fのような混合溶媒の中で、NaOH水溶液又はK2CO3水溶液のような塩基を
用いて光学的に純粋な4−ベンジルオキシ−3−ニトロスチレン・オキサイドに
変換する。このエポキサイド体は、反応混合物を酢酸エチル/水で抽出し、有機
相を乾燥させ、溶媒を蒸発させることによって単離することができる。
【0024】 ブロモヒドリン体式2からのエポキサイド体の形成と、ベンジルアミン式3か
らの遊離塩基の解放とは、個別の行程で行なってもよく、あるいは単一行程で行
なってもよい。光学的に純粋な2−N−ベンジルアミノ−1−(p−メトキシフ
ェニル)プロパン式4を光学的に純粋な4−ベンジルオキシ−1−ニトロスチレ
ン・オキサイド式1と反応させて、ラセミ化を起こすことなく、光学的に純粋な
N,O−ジ−ベンジルデスフォルモテロール中間体式5を得る。水素化触媒の存
在下に水素によってこのジベンジル−デスフォルモテロールのN,O−ジベンジ
ル基を除去して、光学的に純粋なデスフォルモテロールを得る。しかし、両反応
は塩基を必要とするものであるから、両行程を組み合わせて一容器操作にするこ
とが可能であり、方法行程は単純化される。この図表の場合では、塩基の存在下
に光学的に純粋な2−N−ベンジルアミノ−1−(p−メトキシフェニル)プロ
パン式3を光学的に純粋な1−(4’−ベンジルオキシ−3’−ニトロフェニル
)−2−ブロモエタノール式2と反応させ、エポキサイド体式1をその場で形成
させることによって、ジベンジル−デスフォルモテロールが直接的に得られる。
【0025】 このN−ベンジルアミン側鎖とエポキサイド体との縮合は、 100-140℃の範囲
内の温度で無溶媒で実施するか、あるいは高沸点不活性溶媒中で還流させながら
実施することができる。適切な溶媒には、トルエン、t−ブタノール、t−アミ
ルアルコール及びメチル・イソブチル・ケトン(MIBK)が含まれる。得られ
たジベンジルデスフォルモテロール式5はカラム・クロマトグラフィーによって
精製することができる。また、このものは、脱ベンジル化反応のために精製する
ことなく直接的に使用してデスフォルモテロールを形成させることもできる。
【0026】 ジベンジルデスフォルモテロール生成物は、Pd/CのようなPd触媒の存在
下に接触的に水素化することによって直接的にデスフォルモテロールに変換され
る。この水素化分解は、適切な有機酸から形成される塩として、メタノール、エ
タノール又は2−プロパノールのようなアルコール溶媒中で、40-60 psiの水
素圧力で、 15-30℃の温度で、2-15時間かけて実施することが好ましい。
【0027】 次いで、得られたデスフォルモテロールの酸塩は、濾過によって触媒を除去し
た後に、溶媒を除去することによって単離される。この酸は任意の比率で存在さ
せ得るが、非揮発性の酸を用いて、1当量であることが最適である。それは、こ
の塩が反応から直接的に単離されるからである。1より大きい比を用いることは
一般に不必要であり、1より少ない比では、水素化分解が緩慢であり、遊離塩基
又は純粋な塩のいずれかを得るためには生成物をさらに処理する必要がある。
【0028】 デスフォルモテロールの安定性は条件に応じて異なることが観察された。この
化合物は、pH2に保たれた環境のもとで最大の安定性を発揮する。
【0029】 デスフォルモテロール及び個別のジアステレオマーの結合試験によって、その
ラセミ体及びR,R 立体異性体が高度に選択的なβ−アドレナリン作用受容体作
動薬であることが示された。デスフォルモテロールの四つの異性体、すなわち、
(R,R)-、(S,S)-、(R,S)-及び(S,R)-体、ならびに(R,R)-及
び(S,S)-鏡像異性体の1:1混合物を、ヒトのβ1-及びβ2-アドレナリン作
用受容体と結合させるために三つの濃度段階(10-9、10-7、10-5M)で二度繰り
返して、スクリーニングを行なった。次いで、完全競合曲線(full competition
curve)を得るために、この化合物を、二度繰り返して10濃度段階で試験した。
対照化合物も同時に8濃度段階で試験した。次いで非線形回帰分析(nonlinear
regression analysis )によってIC50値(特定結合の50%を阻止するに必要な
濃度)を測定した。結果を以下の表に示す。
【表1】
【0030】 (R,R)-デスフォルモテロールは主としてβ2-部位における顕著な結合を示
し、そのβ2-受容体のための選択性(β1/β2)は約89倍であった。
【表2】
【0031】 (R,S)-デスフォルモテロールと(S,R)-デスフォルモテロールのいずれ
も、β1 受容体に高い親和性を示さなかった。β1-部位における(R,S)-デス
フォルモテロールの結合は、アテノロールのそれと同程度であった。(S,R)
−デスフォルモテロールについては、10-5Mで22%阻止が達成されたに過ぎない
ことから、IC50を測定しなかった。
【表3】
【0032】 意外なことではないが、デスフォルモテロールの(R,R)/(S,S)ラセミ
体はβ2-部位においてのみ顕著な結合を示した。それは、このものが(R,R)-
及び(S,S)-鏡像異性体の等しい部数の混合物であるからであり、(S,S)-
デスフォルモテロールは両β- アドレナリン作用部位に親和性を持たなかったか
らである。
【0033】 本発明はまた、気管支拡張の必要のあるヒトに対して、気管支痙攣を軽減する
に十分な量のデスフォルモテロール、あるいはその医薬的に容認し得る塩を投与
することを包含する、気管支拡張効果を誘発する、あるいは気管支狭窄を予防す
る方法を包括する。気管支拡張の誘発及び気管支狭窄の予防は、例えば、呼吸困
難、喘鳴音、咳、息切れ、胸部締め付け又は圧迫感、及びそれらに類似のものを
含む(ただし、これらに限定されない)、喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)
などの閉塞性気道疾患に関連した症状の軽減を招く。
【0034】 本発明はさらに、デスフォルモテロール、あるいはその医薬的に容認し得る塩
を包含する、気管支拡張治療の必要のある患者の処置に用いる医薬品組成物を包
括する。このデスフォルモテロールは、単一の光学的に純粋な立体異性体或はそ
の混合物でもよい。本明細書で用いる「光学的に純粋な立体異性体」なる言葉は
、組成物が、少なくとも約90重量%のデスフォルモテロールの特定立体異性体、
すなわち、(R,R)、(S,S)、(R,S)、又は(S,R)体の一つと、10重
量%又はそれ未満のデスフォルモテロールのその他の立体異性体の任意の組合わ
せとを含んでいることを意味する。さらに好ましい態様では、この組成物は、少
なくとも99重量%のデスフォルモテロールの単一立体異性体と、1重量%又はそ
れ未満のその他の立体異性体とを含む。最も好ましい態様では、この組成物は、
99重量%より多くのデスフォルモテロールの単一立体異性体と、1重量%未満の
他の立体異性体とを含む。
【0035】 急性及び慢性の疾患治療におけるデスフォルモテロールの予防的、又は治療的
服用量は、治療すべき症状の厳しさと投与経路によって異なる。服用量及び恐ら
く服用頻度もまた、個々の患者の年令、体重、及び反応によって異なる。一般的
に、1日当たりの全服用量は、吸入による投与の場合、前述の病状に対して、一
回服用又は分割服用で約1μg ないし約100 μg の範囲内である。好ましくは、
1日当たりの服用量の範囲は、1回服用又は、2回ないし4回の分割服用で、約
6μg ないし約25μg とすべきであろう。患者の処置に当たっては、治療は、比
較的低い服用量、恐らく約3μg ないし約12μg で開始し、患者の全身反応に応
じて約2×12μg 又はそれ以上まで増加するべきであろう。経口的に、好ましく
は錠剤として投与する場合、好ましい服用量の範囲は1日当たり 0.1ないし 1.0
mg である。小児、65歳以上の患者、ならびに、腎機能や肝機能に障害を有する
者は、最初に低い服用量を受けること、また、彼らについて個別の反応や血液レ
ベルに応じて力価の測定を行なうことをさらにおすすめする。本分野の熟練者に
明らかなように、場合によってはこのような範囲からはずれた投薬量を採用する
必要があることもある。さらには、臨床医や治療医師は、個別の患者の反応に関
連して、どのように、いつ、治療を中断し、調節し、あるいは終了させるかを承
知しているだろうことに留意されたい。「気管支痙攣を軽減させるに十分な量」
、「気管支狭窄を予防するに十分な量」及び「薬効量」などの言葉は、前述のよ
うな投薬量や服用頻度計画によって包括される。
【0036】 本発明の医薬品組成物は、その活性成分としてデスフォルモテロール、あるい
はその医薬的に容認し得る塩を包含するが、また、医薬的に容認し得る担体、な
らびに、場合に応じてその他の治療用成分をも含むことができる。「医薬的に容
認し得る塩類」又は「その医薬的に容認し得る塩」なる言葉は、無機酸類及び有
機酸類を含めて、医薬的に容認し得る非毒性の酸類から調製される塩類をいう。
本発明の化合物にとって適切な、医薬的に容認し得る酸付加塩類には、酢酸、ベ
ンゼンスルホン酸(ベシレート)、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸
、エテンスルホン酸、フマール酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩
化水素酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンス
ルホン酸、粘液酸、硝酸、パモイン酸、パントテン酸、リン酸、琥珀酸、硫酸、
酒石酸、p−トルエンスルホン酸、及びこれらの類似物が含まれる。酒石酸塩が
特に好ましい。
【0037】 好ましい単位投薬量製剤は、先に具体的に述べた有効成分の先に述べた有効服
用量、あるいは適当なその区分を含むものである。本発明の製剤は、当該製剤の
タイプに関連して本分野で良く用いられている他の剤を含んでいてもよい。例え
ば、経口投与用の製剤は、澱粉、糖類、微結晶性セルロース、希釈剤、微粒化剤
、芳香剤、及びそれらの類似物などの担体を含んでいてもよい。この組成物は、
経口投与、直腸投与、非経口投与(皮下、経皮、筋肉内、静脈を含む)、及び吸
入に適した製剤を含んでいる。
【0038】 デスフォルモテロールの有効投薬量を患者に提供するには適切な投与経路を用
いることができる。例えば、経口、直腸、非経口(皮下、筋肉内、静脈)、経皮
、及びこれらに類似の投与形態を採用することができる。投薬形態には、錠剤、
トローチ剤、分散液、懸濁液、溶液、カプセル剤、貼剤、シロップ剤、及びこれ
らに類似のものが含まれる。経口及び非経口の徐放性投薬形態を使用することも
できる。
【0039】 経口シロップ剤及びその他の経口液状製剤は本技術分野の熟練者によく知られ
ており、それらを調製する一般的な方法は、任意の標準的薬学教科書、例えば、 Remington: The Science and Practice of Pharmacy に見られる。Remington 書
の第19版の第86章では、「溶液、乳化液、懸濁液及びエキス剤」と題して、シロ
ップ剤( 1503-1505頁)及びその他の経口用液剤の調製法がきわめて詳細に記載
されている。同様に、徐放性製剤も本技術分野でよく知られており、同文献の第
94章には、「徐放性薬剤送達系」と題して、さらに一般的な種類の経口及び非経
口の徐放性投薬形態が記載されている( 1660-1675頁)。この第84章及び第96章
の関連記載を引用して本明細書の一部分とする。
【0040】 本発明の最も好ましい投与経路は吸入である。吸入に適した製剤には、薬効量
のデスフォルモテロールあるいはその医薬的に容認し得る塩を食塩水溶液中に溶
解し、場合によってベンザルコニウム・クロライド又はクロロブタノールのよう
な保存剤を含ませたものを包含する、噴霧用の滅菌溶液、ならびに、薬効量のデ
スフォルモテロールあるいはその医薬的に容認し得る塩を適切な推進剤(例えば
、HFA−134a、HFA−227、又はそれらの混合物、あるいはプロペラ
ント11、12及び/又は114の混合物などのクロロフルオロカーボン系推進
剤)中に溶解又は懸濁させ、場合により界面活性剤を含ませたものを包含するエ
アゾル製剤が含まれる。エアゾル剤は、単位投薬量形態で提供されることが好都
合であり、薬学分野で良く知られた任意の方法で調製される。特に望ましいエア
ゾル製剤の調製が、欧州特許第556239号に記載されており、その記載をここに引
用して本明細書の一部分となす。また、薬効量のデスフォルモテロールあるいは
その医薬的に容認し得る塩を適切な担体と配合し、乾燥粉末吸入器に関連した使
用に適応させたものを包含する乾燥粉末状製剤も適当である。
【0041】 本発明による、化合物の製造、その薬理的特性、及び組成物の製造を詳細に述
べた以下の実施例によって、本発明をさらに説明する。本発明から逸脱すること
なく、原料についても、また手法についても、多くの改変を実行し得ることは、
当業者に明かであろう。
【0042】 実施例1:2−ブロモ−4’−ベンジルオキシ−3’−ニトロアセトフェノン 5リットル容のフラスコに、300 g (1.1 mol )の4−ベンジルオキシ−3−
ニトロアセトフェノン及び3リットルのアセトニトリルを仕込んだ。この混合物
を50℃に加熱して澄明な溶液を形成させ、180 g の臭素(1.6 mol )を一挙に加
えた。反応物を50°で 15-25分間撹拌した。この間に、濃赤色は淡いオレンジ色
に変わった。TLC(酢酸エチル/ヘキサン3:7)は、出発原料物質が残って
いないことを示した。加熱することなく、減圧によって 200ないし 300 mL のア
セトニトリルを、副生臭化水素とともに、反応物から蒸留させた。この蒸留の間
に、温度は約15°に低下し、生成物が黄色の固体として沈降した。この反応物を
0-5°で2時間撹拌し、生成物を濾別し、アセトニトリルで洗浄した。得られた
2−ブロモ−4’−ベンジルオキシ−3’−ニトロアセトフェノンを減圧下に乾
燥させて、融点 136℃のオフホワイトの固体、242 g (63%)を得た。
【0043】 実施例2:R−2−ブロモ−1−((4−ベンジルオキシ)−3−ニトロフェニ
ル)エタノール(式2) シス−(1R,2S)−アミノインダノール(0.2 eq. )をトルエン中でトリ
メチルボロキシン(0.07 eq.)と反応させてオキサザボロリジンを得た。メタン
ボロン酸を共沸除去させた後、THF及びボラン(0.2 eq. )を加え、次いでさ
らなるボラン(0.7 eq. )及びブロモケトン体、2−ブロモ−4’−ベンジルオ
キシ−3’−ニトロアセトフェノン(1 eq. )のテトラヒドロフラン中の溶液を
-15℃で同時に添加した。生成物、(R)−ブロモヒドリン体を酸水溶液から抽
出して単離した。収量は>98%(ee=95%)。
【0044】 実施例3:4−ベンジルオキシ−3−ニトロスチレン・オキサイド(式1) もしこのエポキサイド体を、生成させてそのまま次の行程に進むのではなく、
単離させたいと望むのであれば、次のような操作を用いることができる。式2の
R−鏡像異性体( 16.0 g, 45 mmol, ee=99.9%)をTHF(100 mL)及びメ
タノール(100 mL)に溶かした溶液を炭酸カリウム(8.3 g )の存在下に2時間
撹拌した。反応混合物を濃縮し、次いで酢酸エチル(200 mL)及び水(100 mL)
で抽出した。この有機層をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮すると、12.0
g(97%)の式1がオレンジ色の固体として残った。
【0045】 実施例4:(R,R)−2−ベンジルオキシ−5−[1−ヒドロキシ−2− [[2−(4−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ] エチル]−1−ニトロベンゼン(式5) エポキサイド体式1(10.6 g, 39 mmol )をアルゴン気流中で90℃で15時間、
ベンジルアミン体のR−鏡像異性体式4(10.0 g, 30 mmol )と反応させた。反
応混合物を、EtOAc/ヘキサン(1:2)を用いるカラム・クロマトグラフ
ィーによって精製して、15 gの式5をオレンジ色の油状物として、73%収率で得
た。
【0046】 実施例5:(R,R)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−α−[[[2−(4− メトキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]メチル]ベンゼン
メタノール・(R,R)−デスフォルモテロール ジベンジルデスフォルモテロールのR,R−鏡像異性体式5(6.9 g, 13 mmol
)を、MeOH(5 mL)中でL−酒石酸(2.0 g, 13 mmol)と反応させた。この
混合物を60℃に加熱して、澄明な溶液を得た。この溶液を濃縮して乾燥させると
、式5のR,R−鏡像異性体の酒石酸塩、9.0 g が黄色粉末として残った。この
物質(2.2 g )を、Pd−C(Degussa タイプのNE/W、10%Pd,0.4 g )
の存在下に、30 mL のMeOH中で50psiで水素化を行なった。この反応混合
物を、セライト(Celite)を通して濾過し、60 mL の CH3CNで洗浄し、濃縮
して乾燥させて、1.0 g (75%)の(R,R)−デスフォルモテロール−L−酒
石酸塩がオフホワイトの粉末として残った。
【0047】 実施例6:4−メトキシ−α−メチル−N−(フェニルメチル)ベンゼン エタナミン−L−マンデル酸塩(式3) 800 mL のメタノールに 328 gの4−メトキシフェニルアセトン(2モル)及
び 214 gのN−ブチルアミン(2モル)を添加した。このイミン形成反応は発熱
的で、溶液は45℃に温まった。反応完了後、この溶液を、炭素上に5%の白金を
有する触媒 3.3 gの存在下に、50psiで 6-8時間水素化を行なった。水素の吸
収が止まった時点で、反応物を珪藻土で濾過し、濾別ケーキを 200 mL のメタノ
ールで洗浄した。濾液全体を6リットル容のフラスコに入れ、4.2 リットルのメ
タノールで希釈した。(S)−L−マンデル酸(304 g, 2 mol)を加え、混合物
を撹拌下に加熱して還流させて、澄明な溶液を得た。この溶液を室温に冷却し、
室温で2時間撹拌して、マンデル酸塩を濾取した。再結晶を3回繰り返して、60
-70 g のベンジルアミン体のマンデル酸塩を得た。異性体純度は99.8%を越え、
融点は 164℃であった。
【0048】 実施例7:経口吸入用フォーミュラ フォーミュラ 各計量服用量ディスペンサー 中に含まれる量 (R,R)−デスフォルモテロール酒石酸塩 1.8 mg トリクロロモノフルオロメタン 5.16 g ジクロロジフルオロメタン 5.16 g ソルビタン・トリオレエート 0.105 g この計量服用量ディスペンサーは微粒化(R,R)−デスフォルモテロール酒
石酸塩の懸濁液を含んでいる。各一回の作動でマウスピースから6μの(R,R
)−デスフォルモテロール酒石酸塩が送達される。一缶で約 300回の吸入ができ
る。
【0049】 実施例8:経口用製剤 フォーミュラ 錠剤当たりの量 (mg) (R,R)−デスフォルモテロール酒石酸塩 0.12 0.25 ラクトース 41.38 41.25 コーンスターチ 3.0 3.0 水(1,000 錠当たり)* 30.0 ml 30.0 ml コーンスターチ 5.00 5.00 ステアリン酸マグネシウム 0.50 0.50 50.00 50.00 *この水は製造中に蒸発する。 このデスフォルモテロールをラクトースと混合して均質な配合物を形成させる
。少ない方の量のコーンスターチを水と配合してコーンスターチのペーストを形
成させる。次いでこのペーストをラクトース配合物と混合して均質な湿潤体を形
成させる。得られた湿潤体に残りのコーンスターチを添加して混合し、均質な粒
状体を得る。次いでこの粒状体を適切なミル機で、1/4 インチのステンレス鋼ス
クリーンを用いて篩別する。次いでこの粉末化粒状物を適当な乾燥オーブン中で
乾燥させて、所望の水分含有量となす。次いでこの乾燥粒状物を、適切なミル機
で、1/4 メッシュのステンレス鋼スクリーンを用いて粉末化する。次いでステア
リン酸マグネシウムを配合し、得られた混合物を圧縮して所望の形状、厚さ、硬
度及び崩壊度の錠剤とする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,Z W Fターム(参考) 4C206 FA14 MA33 MA43 MA55 MA57 MA72 MA83 MA86 NA12 ZA61 4H006 AA02 AC41 AC42 AC52 AC81 BA22 BA25 BA50 BA66 BD70 BE20 BJ50 BN10 BN30 BP30 BU26 BU40 BU48 4H039 CA60 CA71 CB40 CD10 CD90

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 下式の化合物 【化1】 を用意し、 (b) この化合物を還元する という逐次行程を包含する、下式の化合物 【化2】 の製造方法。
  2. 【請求項2】 下式の化合物 【化3】 と下式の化合物 【化4】 (ここに、Rはベンジル基あるいは置換ベンジル基である)とを反応させること
    によって下式の化合物 【化1】 を製造する、請求項1による方法。
  3. 【請求項3】 (a) 下式の化合物 【化5】 を用意し、 (b) この化合物を酸の存在下に還元する という逐次行程を包含する、下式の化合物 【化6】 の塩の製造方法。
  4. 【請求項4】 下式の化合物 【化7】 とを下式の化合物 【化8】 (ここに、Rはベンジル基あるいは置換ベンジル基である)とを反応させること
    によって下式の化合物 【化5】 を製造する、請求項3による方法
  5. 【請求項5】 貴金属触媒の存在下に水素源を用いて前記の還元行程を実施する請求項1又は
    3による方法。
  6. 【請求項6】 前記の貴金属触媒がパラジウムである請求項5による方法。
  7. 【請求項7】 前記の塩が酒石酸塩であり、貴金属触媒及び酒石酸の存在下に水素源を用いて
    前記の還元行程を実施する請求項3による方法。
  8. 【請求項8】 前記の下式の化合物 【化6】 がR,R 配置のものである請求項3による方法。
  9. 【請求項9】 前記の下式の化合物 【化6】 がS,S 配置のものである請求項3による方法。
  10. 【請求項10】 前記の下式の化合物 【化6】 がR,S 配置のものである請求項3による方法。
  11. 【請求項11】 前記の下式の化合物 【化6】 がS,R 配置のものである請求項3による方法。
  12. 【請求項12】 薬効量のデスフォルモテロール、あるいはその医薬的に容認し得る塩を個体に
    投与することを包含する気管支拡張を誘発、あるいは気管支狭窄を予防する方法
  13. 【請求項13】 経口的に、あるいは皮下注射、静脈注入、吸入又は経皮的送達によってデスフ
    ォルモテロールを投与する請求項12の方法。
  14. 【請求項14】 経口的にデスフォルモテロールを投与する請求項13による方法。
  15. 【請求項15】 吸入によって前記のデスフォルモテロールを投与する請求項13による方法。
  16. 【請求項16】 吸入による投与量が1日当たり約1μg ないし約100 μg である請求項15によ
    る方法。
  17. 【請求項17】 ラセミ体デスフォルモテロール、あるいはその医薬的に容認し得る塩を投与す
    る請求項12の方法。
  18. 【請求項18】 R,R-デスフォルモテロール、あるいはその医薬的に容認し得る塩を投与する
    請求項12の方法。
  19. 【請求項19】 R,S-デスフォルモテロール、あるいはその医薬的に容認し得る塩を投与する
    請求項12の方法。
  20. 【請求項20】 医薬的に容認し得る担体と、デスフォルモテロール、あるいはその医薬的に適
    切な塩とを包含する医薬品組成物。
  21. 【請求項21】 ラセミ体デスフォルモテロール、あるいはその医薬的に適切な塩と、医薬的に
    容認し得る担体とを包含する請求項20による医薬品組成物。
  22. 【請求項22】 (R,R)-デスフォルモテロール、あるいはその医薬的に適切な塩と、医薬的
    に容認し得る担体とを包含する請求項20による医薬品組成物。
  23. 【請求項23】 前記の医薬的に容認し得る担体が推進剤を包含するエアゾル製剤形態の請求項
    20による医薬品組成物。
  24. 【請求項24】 経口投与用の請求項20による医薬品組成物。
  25. 【請求項25】 シロップ剤形態の請求項24による医薬品組成物。
  26. 【請求項26】 錠剤又はカプセル剤の形態の請求項25による医薬品組成物。
  27. 【請求項27】 徐放性形態の請求項26による医薬品組成物。
  28. 【請求項28】 R,R-デスフォルモテロール、あるいはその医薬的に容認し得る塩。
  29. 【請求項29】 S,S-デスフォルモテロール、あるいはその医薬的に容認し得る塩。
  30. 【請求項30】 R,S-デスフォルモテロール、あるいはその医薬的に容認し得る塩。
  31. 【請求項31】 S,R-デスフォルモテロール、あるいはその医薬的に容認し得る塩。
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