JP2002517750A - 多層構造における層の特性を測定するための装置及び方法 - Google Patents

多層構造における層の特性を測定するための装置及び方法

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JP2002517750A
JP2002517750A JP2000553787A JP2000553787A JP2002517750A JP 2002517750 A JP2002517750 A JP 2002517750A JP 2000553787 A JP2000553787 A JP 2000553787A JP 2000553787 A JP2000553787 A JP 2000553787A JP 2002517750 A JP2002517750 A JP 2002517750A
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JP2000553787A
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ボーデン、ピーター・ジー
リー、ジーピング
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ボクサー・クロス・インコーポレイテッド
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/1717Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated with a modulation of one or more physical properties of the sample during the optical investigation, e.g. electro-reflectance

Abstract

(57)【要約】 層の特性(例えば、シート抵抗または熱伝導率)を以下の方法、即ち(1)加熱ビームを導電性層の或る領域に集束させ、(2)発生した熱の少なくとも大部分(好ましくは全て)が拡散により加熱された領域から出ることを確実にするに十分なだけ低く選択された所定に周波数で、加熱ビームのパワーを変調し、(3)(a)加熱された領域によって反射され、かつ(b)加熱ビームの変調と同相で変調された別のビームのパワーを測定する方法により測定する。所定の量(例えば10%)より大きく測定値が変化したときは、測定値が正常値に戻るように加工プロセスパラメータを変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) 1.(発明の分野) 本発明は、一般に多層構造における層の特性の測定に関するものであり、より
具体的には、導電性層(例えば導電ライン)の領域の反射率の測定、及び様々な
特性、例えばその層のシート抵抗、及びその導電性層の下に位置する誘電体層の
熱伝導率を決定するための反射率の測定値の利用に関するものである。
【0002】 2.(関連技術の説明) サブμm(即ち1μm未満)の寸法を有する金属ラインは、従来より、集積回
路ダイに形成されたデバイス群を相互接続するために用いられている。そのよう
な金属ラインは、一般的に、金属(例えばアルミニウム又は銅)の薄膜の一部と
して形成される。金属薄膜は、通常半導体ウエハ上のブランケット層として形成
され、その後「パターン形成」として知られるプロセスにおいて(例えばエッチ
ングにより)除去されて、1又は複数の金属ラインが形成される。従来において
は、金属薄膜の抵抗率が(試験ウエハ上で)測定され、その測定値と(別のテス
トウエハ上の)薄膜の厚みの測定値、及び(製品ウエハ上の)ライン幅の測定値
とを結び付けて、その金属薄膜が、集積回路ダイにおいて要求される、金属ライ
ンの形成に使用するための十分に低いオーミック損失を有しているか否かを決定
している。
【0003】 金属薄膜の抵抗率を測定するための様々な方法が存在する。そのような方法の
なかに、一般的に「プロービング法(probing)」及び「渦電流法(eddy curren
t)」として知られている2つの方法がある。プロービング法では、2個又は4
個のプローブを、(例えば試験ウエハ上の)パターン形成されていない金属薄膜
に物理的に接触させ、薄膜の抵抗率を直接測定する。例えば、Dieter K. Schrod
erによるSemiconductor Material and Device Characterization, John Wiley &
Sons, Inc, New York, 1990におけるThe Four-Point Probe, Section 1.2, pag
es 2-20を参照されたい。渦電流法では、測定装置を金属薄膜に容量的又は誘導
的に、即ち金属薄膜に接触させることなくカップリングする。例えば、Schroder
(上で引用)におけるEddy Current, Section 1.4.1, pages 27-30を参照された
い。
【0004】 上述の方法は何れも、一般的な金属ラインの幅(例えば<0.5μm)よりも
数桁大きい数値であり得る幅(例えば0.5mm)を有する金属化領域を必要と
する。幅が1000倍大きい金属化領域を必要とすることから、その測定は、一
般的には試験ウエハ上においてパターン形成の前に行われる。更に、上述の両方
法は、金属薄膜の抵抗率のみを測定するものであり、金属薄膜のエッチング後形
成された(例えば製品ウエハにおける)ラインの抵抗の測定には用いることがで
きない。
【0005】 Smith等に付与された米国特許第5,228,776号(以下、Smithと略記する。)に
は、温度波によって生じた(公報第3列、第42行)光学的反射率の変化を測定
して(公報第4列、第5〜6行)、導電率、及び抵抗・・の変化をモニタリング
する(公報第4列、第53〜54行)。詳述すると、Smithでは、「サンプル表
面上の高度に局部的なスポットにおいてサンプルを周期的に励起させ・・ポンプ
ビームがサンプルを周期的に加熱し、サンプルが被照射スポットから伝播する温
度波を生成し・・、これらの波を誘導する変化をモニタリングすることによりサ
ンプル表面の又はその下の形状を調べることができる(公報第1列、第25〜4
0行)」ことが必要である。また、Smithには、「サンプルの光学的反射率がモ
ニタリングされる場合、ポンプ及びプローブがサンプル上で位置が一致するよう
に配置されるのが望ましい(公報第1列、第60〜64行)」と記載されている
。そのような一致ビームを用いる時、Smithは「欠陥バイアに関連する表面が、
多くの場合光学的に平坦でない・・(公報第3列、第6〜13行)」ことによっ
て生ずる問題点について言及している。更に、この従来技術には、「例えば金属
のような半導体以外の材料を評価する場合には、・・温度波パターンの解析が必
要である」とも記載されている(米国特許第4,854,710号公報第7列、第41〜
44行参照)。
【0006】 (発明の概要) 本発明の原理によれば、装置が、導電性層の領域(「被加熱領域」とも称する
。)上に電磁放射のビーム(「加熱ビーム」とも称する。)を集束させ、この時
そのビームによって生成される熱が、主として拡散、即ち正常状態条件の下での
熱伝導により被加熱領域から出てゆき、米国特許第5,228,776号に記載のような
温度波は生成されなくなる。
【0007】 詳述すると、この装置(「測定装置」とも称する。)によって実現される方法
は、(1)加熱ビームをその領域に集束させる過程と、(2)発生した熱の少な
くとも大部分(好ましくは全部)が拡散により被加熱領域から出て行くことを確
実にするに十分なだけ低い所定の周波数で前記加熱ビームのパワーを変調する過
程と、(3)(a)被加熱領域によって反射され、かつ(b)加熱ビームの変調
と同相で変調された別のビーム(「プローブビーム」とも称する)の一部のパワ
ー(「反射されたパワー」とも称する)を測定する過程とを有する。
【0008】 或る実施態様では、上述の過程(1)〜(3)が、(導電性層のパターニング
によって形成された)ライン上の複数の領域のそれぞれにおいて、基板の形成に
おける様々な工程の間に前記測定装置により反復され、反射されたパワーの測定
値の変化は、導電性ラインの(単位長さ辺りの)抵抗率の対応する変化を示すこ
とになる。別の実施態様では、導電性層がラインにパターン形成されず、代わり
に測定装置が、パターン形成されていない導電性層上の1個又は複数の領域につ
いて上述の過程を実施し、シート抵抗を測定する。
【0009】 所定の量(例えば10%)より大きい量だけ測定値が変化した時には、前記測
定装置の或る実施態様は、次のウエハ(又は次のウエハのバッチ)においてその
測定値が正常に戻るように、「フィードバック」ループにおいて加工工程の1つ
(例えばメタリゼーション工程)を制御するプロセスパラメータを変更する。基
板に接触することなく(即ち非接触方式で)加工プロセスの際に工程(1)〜(
3)を実施することにより、試験基板上で金属薄膜の抵抗率をオフライン測定す
る場合と比較して、加工プロセスにおける歩留まりが高くなる。また、ここに説
明した工程(1)〜(3)を実施することによって、例えばパターン形成されて
いない基板(例えば試験基板)を用いる場合には測定できない特定の製品基板の
パターン形成の有効性が示される。
【0010】 上述のように、測定装置は、発生した熱の少なくとも大部分(即ち50%超)
が温度波ではなく拡散によって被加熱領域から出ることを確実にするに十分なだ
け低く選択された周波数(例えば1000Hz)で加熱ビームのパワーを変調す
る。前記測定装置は、例えばロックイン増幅器を用いることにより同様に上記の
周波数で変調される反射されたパワーを検出する。更に、前記装置は、測定の前
に、(a)シリコンウエハ若しくは(b)プローブビームの波長に合わせた狭帯
域フィルタ、又は好ましくはその両方を用いることにより、同様に反射された加
熱ビームの一部をフィルタリングして、従来技術においては必要であった四分の
一波長板を不要としている。
【0011】 或る実施態様では、測定装置が、加熱ビーム及びプローブビームそれぞれを発
生する光源(例えばレーザ)を有する。加えて、前記測定装置は、被加熱領域に
よって反射されたプローブビームの一部の経路に配置された光電性素子(例えば
フォトダイオード)も備えている。この光電性素子は照射される領域によって反
射されたプローブビームの一部の強度を表す電気信号(例えば電圧レベル)を発
生する。この強度は、加熱によって生じた反射を表す。従って、強度の測定値は
、被加熱領域におけるピーク温度の測定値である。この実施態様では、測定装置
が、前記電気信号を受け取るべく前記光電性素子に接続され、かつそのような測
定値の1個又は複数から前記被加熱領域における材料の特性の数値を決定するべ
くプログラムされたコンピュータも備えている。
【0012】 ここに説明するように、被加熱領域から発生した熱の大部分を放散させるため
に拡散を利用することは、本発明の重要な側面であり、これによって上述のよう
な温度波が不要になる。ここに説明する拡散による熱伝達によって、導電性ライ
ンが、被加熱領域の中央に定常状態温度(「ピーク温度」と称する)を有するこ
とになり、かつ前記ピーク温度が前記加熱ビームの変調と同相で変化することに
なる。導電性ラインの反射率が前記ピーク温度に比例して変化するので、反射率
も前記加熱ビームの変調と同相で変化する。
【0013】 第1の実施態様では、測定装置が、プローブビームパワーが一定の場合におけ
る、反射されたパワーの変化の対応する加熱ビームのパワーの変化に対する割合
(「定常状態比率」とも称する。)を計算し、その比率を導電性ラインの抵抗の
測定値として使用する。詳述すると、定常状態比率に所定の定数を乗ずることに
より、被加熱領域における導電性ラインの単位長さ当たりの抵抗が求められる。
従って、前記装置は、その定常状態比率の変化を、被加熱領域の間の導電性ライ
ンの抵抗の変化の測定値として使用する。
【0014】 以下に示すように、ここに説明する導電性ラインを加熱することによって得ら
れる反射率は、加熱ビームのパワーに比例して増加する。加熱ビームのパワーに
対して反射をプロットすると直線が得られる。この直線の傾きが定常状態比率で
ある。この傾きは概ね、多数の既知の係数と導電性ラインの単位長さ当たりの抵
抗との積である。従って、定常状態比率は単位長さ当たりの抵抗の測定値となる
【0015】 第2の実施態様では、測定装置が、反射されたパワーの加熱ビームのパワーに
対する割合(「定常状態比率」とも称する。)を計算し、その比率を導電性ライ
ンの単位長さ当たりの抵抗の測定値として用いる。この第2の実施態様では、直
線を求めるために必要となる少なくとも2回の測定を行う必要がなく、また加熱
ビームのパワーがゼロの時に反射されたパワーがゼロである(即ち、上述の直線
が原点を通る)という事実に基づいている。或る実施態様では、定常状態比率を
計算せず、代わりに加熱ビームの存在下と、不存在下での反射されるパワーの差
の測定値を、例えば単位パワーを有する加熱ビームを用いる時に、ラインの抵抗
の測定値として直接用いるということに注意されたい。
【0016】 基板の加工の際(例えばパターン形成の直後)に、(上述のような)定常状態
比率を決定すると、それはウエハの様々な領域にわたる導電性ラインの抵抗の変
化を正確に表示するものとなる。詳述すると、定常状態比率をモニタリングする
ことにより、例えば、共に目視による検査法では検出され得ない空隙による、又
は粒界において分離された不純物による導電性ラインの抵抗の上昇を特定するこ
とができる。更に、定常状態比率を導電性ラインの抵抗の測定値として用いるこ
とにより、抵抗率の変化のみならず、導電性ラインの厚み及び幅のばらつきも検
出することができる。
【0017】 また、ここに説明するような反射率の測定値の差によって、導電性ラインの材
料以外の材料の特性の変化を特定することができる。例えば、導電性ラインとそ
の下層をなす絶縁性層との間の接着状態が変化すると、それに対応して導電性ラ
インから下層をなす層への別の放散が変化し、これは反射率の測定値の変化とし
て検出される。更に、そのような反射率の測定値の差は、例えば層の多孔度又は
密度の変化を原因とする下層をなす層の熱伝導率の変化をも表す。詳述すると、
(加熱ビームの平均パワーが一定であると仮定した場合)絶縁性層の熱伝導率が
低くなるほど導電性ラインの温度が高くなる。
【0018】 そのような熱伝導率の変化は、それに対応する下層をなす材料の誘電率の変化
をも表す。また、誘電率の変化は、導電性ラインと1個又は複数の隣接する導電
体又は接地平面との間の静電容量の変化も表し得る。この静電容量の変化は、集
積回路における信号の転送速度の変化を表す。
【0019】 導電性層又は導電性ラインを支持する基板は、以下の基板、即ち集積回路ダイ
を形成するべく加工されるシリコンウエハ、液晶ディスプレイを形成するべく加
工されるガラス板、又はプリント回路基板を形成するべく加工される樹脂(例え
ばBT)コアの何れかであり得ることに注意されたい。
【0020】 (詳細な説明) プロセシングユニット10(図1A)は、本発明に従って動作し、基板104
をプロセシングしてパターン形成された基板104を形成し、パターン形成され
た基板105における1又は複数の導電性ラインの抵抗を測定し、かつ必要なら
ばリアルタイムでそのプロセシングを調節することにより集積回路(ICと略記
される。)ダイを形成することができる。詳述すると、ユニット10は、導電性
材料(例えば金属)の層104を基板上に形成する金属形成装置111と、それ
によって形成された金属化ウエハ104を更に加工して薄膜をエッチングし、基
板105上に1又は複数の導電性ラインを形成する金属エッチング装置12を備
えている。ユニット10は、パターン形成された基板105上の1又は複数の導
電性ライン(例えば図1Bのライン111)、又はパターン形成されていない基
板103上の1又は2以上の領域、又はその両方(即ち同一の基板のパターン形
成の前後)に抵抗を測定する抵抗測定装置13も備えている。
【0021】 抵抗の測定値が、基板103又は104の仕様から外れている場合には、抵抗
測定装置13が加工パラメータを調節し得る。装置13の或る実施態様は、測定
値に応じて、金属エッチング装置12に接続されたライン14若しくは金属形成
装置11に接続されたライン15、又はその両方の上のアクティブ信号を駆動す
る、光学的にプログラミングされたコンピュータ13Cを備える。加工パラメー
タの変化は、プログラミングされたコンピュータ13Cのソフトウェアによって
自動的に決定されるか、或いは人間のオペレータが入力することができる。
【0022】 或る実施態様では、パターン形成されていない基板103が、その上に形成さ
れた導電性層の特性の測定のために、抵抗測定装置13に移送される。そのよう
な特性の例としては、図8A、図8B、及び図9を参照して後述する導電率及び
厚み等が挙げられる。このような中間の測定値は、このような装置を用いない場
合の導電性層の形成とパターンのエッチングとの間の長い遅延時間(数時間又は
数日)と比較して、より短時間で金属形成装置11の動作の制御にフィードバッ
クされる。
【0023】 抵抗測定装置13は、パターン形成されていない基板104又はパターン形成
された基板105(図1B)の加工工程の間に、2つの位置を合わせた電磁放射
のビーム101及び102(例えばレーザービーム)を用いることにより電気抵
抗の測定値を決定する。第1のビーム(「加熱ビーム」とも称する)101は、
所定の周波数で変調されるパワー(「加熱パワー」とも称する)を有する。第2
のビーム(「プローブビーム」とも称する)102は、連続的で、第1のビーム
101よりもパワーが弱い。第1のビーム101は、基板104又は105上の
領域111Rに入射してそれを温度Tまで加熱し、第2のビーム102は、温度
Tは第1のビーム101の変調と同相で変調されることから、第1のビーム10
1の変調と同相で領域111Rによって反射される。
【0024】 第1のビーム101を変調する所定の周波数は、第1のビーム101によって
生成される熱の大部分(即ち50%超)が被加熱領域111Rから拡散によって
(例えば基板105上のライン111の長さLに沿って)流れることを確実にす
るに十分なだけ低い周波数に選択される。或る実施態様では、前記所定の周波数
が、領域111Rにおいて第1のビーム101によって生成された別の実質的に
全部(例えば90%以上)が拡散によって隣接する領域111S及び111Tに
伝達されるように選択される。そのような拡散による熱の伝達によって、後述す
る拡散方程式の解(20)を用いて特定の方法200(図2)において導電率と
熱伝導率とを関係付けることが可能となる。従って、前記所定の周波数は、温度
波の効果が認められるようになる周波数である最大周波数より低く選択される。
この最大周波数は、方程式(11)を参照して後に説明するように被加熱領域1
11Rの寸法(例えば長さL)と逆の関係がある。或る実施態様では、長さLが
概ね100μmであり、前記最大周波数は、銅のラインの場合には1430Hz
、アルミニウムのラインの場合には1080Hzである。
【0025】 以下の説明は、特に導電性ライン111に関連付けられているが、(図8A、
図8B、及び図9を参照して)後述するように、同様の解析を、導電性層の一部
に対しても適用可能であることに注意されたい。更に、以下の説明は、(例えば
ウエハ103、104、又は105のような)シリコンウエハに関連付けてなさ
れているが、この説明は、導電性層を支持する他の任意の種類の基板にも同様に
当てはめることができ、そのような他の基板の例としては、ガラス板及び樹脂コ
ア等が挙げられる。便宜上、ウエハ及び基板については同一の参照符号が用いら
れる。
【0026】 領域111Rからの熱の拡散により、導電性ライン111における温度分布1
50(図1C)が生じ、(ピーク温度TPを有する)最高温度点Cは、以下の仮
定の下では領域111Rの中心に位置している。或る例では、導電性ライン11
1が導電性ライン111の熱伝導率Kmより概ね2桁小さい熱伝導率Kiを有する
ウエハ105の誘電体層112(図1B)上に支持されている。そのような大き
い熱伝導率の差は、後述する式(20)の関係においては不要であることに注意
されたい。但し、式(20)は、誘電体層112の熱伝導率Kiがライン111
の熱伝導率Kmより小さい場合にのみ成り立つ。
【0027】 最高温度TP(図1C)は、導電性ライン111の断面積Whm及び熱伝導率K m の関数である。ここでWはライン111の幅であり、hmはライン111の高さ
である。(式(1)に示すように)導電率と熱伝導率との間の関係がある時、最
高温度TPは、(後に詳述するように)導電性ライン111の単位長さ当たりの
電気抵抗を表す。
【0028】 温度分布150は、所定の周波数でのサイクルの間の任意の時間において、長
さLにわたって実質的に同一の「ベル」形状(図1B)を有する。従って、温度
Tは、サイクルの間に空間に波を形成することなく(直流(DC)と同様に)変
調される。温度Tは、測定値の精度を高めるため、詳述すると、領域111Rに
よって反射されたプローブビーム102の一部の同期検出を利用することによっ
て信号/雑音比(式(21)を参照して後述する)を向上させるために変調され
る。更に、前記所定の周波数は、加工プロセスが要求する最小のスループットに
よってのみ限定される任意の低い周波数であり得る。
【0029】 或る実施態様では、ライン111の電気抵抗の測定値が、方法200(図2)
の工程201〜206を実施することによって決定される。詳述すると、工程2
02において、加熱ビーム101が領域111R(図1B)に集束される。工程
201(図2)においては、加熱ビーム101のパワーが、所定の周波数で変調
される。工程201及び202は逆の順番で、即ち初めに工程202を実施し、
次に工程201を実施することも可能であることに注意されたい。
【0030】 次に、領域111Rによって反射された後のプローブビーム102のパワー(
「反射パワー」とも称する。)が工程203において測定される。その後、工程
204において、加熱ビーム101(図1B)のパワーが、変更、即ち1mWか
ら5mWに上げられる。次に、工程205(図2)において、加熱ビーム101
のパワーの変化に応じた反射パワーの変化が決定される。その後、工程206に
おいて、反射パワーの変化の加熱ビーム101のパワーの変化に対する比率が計
算される。この比率は、領域111Rにおける導電性ライン111の単位長さ当
たりの電気抵抗の測定値を表す。ここに説明した動作の間に、領域111Rに入
射されるプローブビーム102のパワー(「プローブパワー」とも称する。)は
、この実施例においては一定であることに注意されたい。この比率を、(工程2
07において)所定の限界値と比較して、ライン111が仕様の範囲内に収まっ
ているか否かを調べ、そうである場合には(別のウエハを処理するため)工程2
01に戻る。
【0031】 前記比率(「定常状態比率」とも称する。)に所定の定数を乗ずると、加熱領
域111Rにおける導電性ライン111の単位長さ当たりの抵抗が求められる。
後に詳述するように、その定数の値は、例えば被加熱領域111Rにおける導電
性ライン111の絶対反射率R0、自由空間の誘電率ε0、プローブビーム102
の反射された部分の変調周波数をνL、ボルツマン定数kB、電荷q、周囲温度T 0 、温度に対する抵抗率の変化率、及びプローブビーム102のパワー、及び導
電性ラインの下に位置する絶縁性層の厚みhi及び熱伝導率Ki等の様々な因子に
よって決定される(式(20)参照)。定常状態比率にそのような定数を乗ずる
と(ρe/Whm)が求められる。ここでρeは抵抗率、Wは導電性ライン111
の幅、hmは導電性ライン111の厚みである。
【0032】 或る実施形態では、加熱ビーム101が別の領域(例えば領域111T)に集
束され(工程210)、かつ測定が反復され(工程203)、2つの測定値が比
較される。幅W又は高さhmが小さくなっていると定常状態比率が増加するが、
これはその比較によって検出することができる。同様に、抵抗率が増加すると定
常状態比率も増加し、これも上記の比較によって検出される。更に、導電性ライ
ン111と、そのの下層をなす誘電体層112との接着状態の問題(例えば空隙
又は層間剥離を原因とするもの)によっても定常状態比率の増加が生ずるが、こ
れも比較によって検出される。
【0033】 或る実施形態では、加熱ビーム101を導電性ライン111上に三角形の領域
を画定する3つの異なる領域のそれぞれに集束させ(工程201参照)、その後
上述の測定(或る領域当たり1回の測定又は2回以上の測定)が反復される。数
値を比較する代わりに、定常状態比率を距離の関数としてグラフにプロットする
ことによって定常状態比率の変化を検出することができる。
【0034】 従って、定常状態比率の変化が生じた場合(例えば所定の限界値を超えた場合
)、加工プロセスが変更され、かつ導電性ライン111が仕様の範囲内にないこ
とが表示される。この表示に応じて、オペレータ又は適切にプログラムされたコ
ンピュータが、ライン111の加工を調節する加工パラメータを変更し(図2に
おける工程208参照)、これにより次のウエハにおける導電性ラインを仕様の
範囲内に戻すべくプロセスを変更する。例えば、オペレータが、ウエハ103上
に形成された金属層の抵抗率を劣化させる金属形成装置11(図1A)における
汚染源を特定し、その汚染源に関連するパラメータを変更する。
【0035】 上述の定常状態比率は(例えば領域111Rにおける)1個のスポットで測定
され、(反射パワーの値の)測定を、例えば米国特許第5,228,776号に記載のよ
うな(互いに位置をずらされた)2つの位置が必要となる方法によって測定され
る場合より、よりコンパクトな領域(例えば長さ1μmの領域)において行うこ
とが可能である。今述べた例では、ライン111に入射するビーム101のパワ
ーのみがラインを加熱することから、ライン111の幅W(図1B)は、(ライ
ンの幅Wよりも大きい最小サイズを有し得る)ビーム101の直径より小さいも
のであり得る。ここで説明するような拡散条件の下で加熱されるライン111に
おける(ビーム101の直径に等しい長さの)領域111Rの温度は、被加熱領
域111Rの周囲のライン111の延長された長さL(一般的には数十μm)の
熱特性の関数である。
【0036】 従来技術(例えば米国特許第5,228,776号)においては、熱は温度波をなして
被加熱領域から伝播し、被加熱領域における温度は、そこから或る距離にある位
置の導電性ラインの物理的特性を直接表す関数ではない。このことは、あらゆる
点における温度波が、出ていく波からの熱と、ラインにおける金属の特性が変化
した1又は複数の領域から反射された波からの熱との和だからである。この和は
、従来技術においては定量するのが困難である。欠陥箇所の反射特性を前もって
知ることが出来ない場合が多いからである。
【0037】 これに対して、拡散による熱の伝達では、あらゆる点における熱が、その点か
ら一定距離にある不良箇所やバイアの反射特性による影響を、(図4Bに関連し
て後述するように)定量可能な形で受ける。また、方法200によって予測でき
ない結果も得られる。詳述すると、方法200によって測定される反射パワーの
値は、(従来技術、例えば米国特許第5,228,776号の方法では問題を生ずる)平
坦でない表面の存在による影響を受けない。ここで説明する反射の測定値が、温
度波の通過による表面の周期的なうねりによって生ずる小さな角度の歪みとは無
関係だからである。
【0038】 或る例では、以下のように装置13が加熱ビーム101を0.001W及び0
.002Wで作動させ、これら2つのパワーについて強度の測定値を得る。即ち
、プローブビームは被加熱領域111Rに対する1.1mWの入射パワーを有し
、かつ(1)反射パワーの変調された成分は0.55μWで、従ってΔR=(0
.55/1.1)×10-3=0.5×10-3となり、また(2)反射パワーの変
調された成分が1.1μWとなり、従ってΔR=(1.1/1.1)×10-3
1×10-3となる。従って、傾きは、ΔR/ΔP=(1.0−0.5)/(0.
002−0.001)×10-3=0.5となる。傾きの0.5という値を、(式
(20)を参照して後述するように)定数と共に用いて、単位長さ当たりの抵抗
を求められる。測定を2回行う代わりに、例えばΔTが0であるときΔRが0で
あると仮定して、ΔR/ΔPを(0.5/0.001)×10-3=0.5として
計算することによって、一回の測定(例えば0.001Wの加熱ビームパワーで
の測定)で済ますことができるということに注意されたい。
【0039】 異なる実施態様では、工程204〜206を実施する代わりに、パワー加熱ビ
ーム101が0である時反射されたパワーの変調された成分が0であるという事
実に基づいて、工程203の直後に工程209において別の比率を計算する。詳
述すると、加熱ビーム101のパワーに対する反射されたパワーの変調された成
分の比率を計算し、工程207においてこれを導電性ライン111の電気抵抗の
単位長さ当たりの測定値として用いる。更に、その比率を計算する代わりに、加
熱ビーム101のパワーが、対応する領域、例えば領域111R〜111Tの複
数の測定のそれぞれにおいて一定である場合、(工程203から直接工程207
に進むことにより、或いは工程205から直接工程207に進むことにより)反
射されたパワーを単位長さ当たりの電気抵抗の測定値として直接用いることも可
能である。
【0040】 ここに説明する定常状態条件を用いることによって、米国特許第5,228,776号
で必要とされる温度波を生じさせるための高い変調周波数を有するビームを発生
させる必要がなくなる。詳述すると、上述の方法によって、1〜100MHzの
範囲の周波数で変調されたビームを生成する必要がなくなり、代わりに必要とな
るのは、数桁小さい周波数、例えば0.01KHz〜1KHzの範囲の周波数で
変調されたビームであり、このため温度波がなくなる。
【0041】 方法200の工程201〜206は、2つのビーム101及び102を発生す
る2つのレーザを有する抵抗測定装置13(図3)を使用することによって実施
することができる。詳述すると、装置13は、所定の波長の電磁放射線、例えば
赤外線、紫外線、X線、ガンマ線、又はマイクロ波やラジオ周波数の放射線のビ
ーム101を生成するためのレーザ301を有する。好ましい実施態様では、レ
ーザ301は、波長830nmの電磁放射線を発するAlGaAsダイオードレ
ーザである。
【0042】 レーザ301によって生成された電磁放射線は光ファイバ302を通してコリ
メータ323に送られ、コリメータは加熱ビーム101を発する。或る実施態様
では、加熱ビーム101が例えば100mWの最大パワーを有する。装置13は
、ビーム101のサイズを、装置13に含められた対物レンズ315の口径に収
まるように調節するレンズ304A及び304Bも備えている。
【0043】 装置13は更に、加熱ビーム101のパワーの変化に応じて、領域111R(
図1B)の反射の変化を測定するために用いられる電磁放射線のビーム102を
生成する第2のレーザ305を有する。或る実施態様では、レーザ305が、波
長1480nmの電磁放射線を発するInGaAsダイオードレーザである。レ
ーザ305によって生成された電磁放射線は、光ファイバ306によって、やは
り装置13に含められた別のコリメータ307に伝送される。コリメータ307
は例えば7mWの最大パワーを有するプローブビーム102を発する。従って、
プローブビーム102のパワーは、加熱ビーム101のパワーより1桁小さく、
従って導電性ライン111はプローブビーム102によって殆ど加熱されること
はない。
【0044】 装置13は、プローブビーム102のサイズを、(上述の)対物レンズ315
の口径に収まるように調節するレンズ308A及び308Bも備えている。また
装置13は、加熱ビーム101とプローブビーム102とを結合して、複合ビー
ム311を形成する二色性ビームスプリッタ310も備える。複合ビーム311
は同様に装置13に含められたビームスプリッタ312及び314を通過して対
物レンズ315に達する。対物レンズ315は、例えば日本国横浜のニコン社か
ら入手出来る開口数0.9の100倍対物レンズであり得る。複合ビーム311
の一部は、Montgomeryville, PA, USAのEG&G Judson製の部品番号J16-8SP-RO5m-
HSのような光検出器315に向けて偏向される。光検出器313は、ウエハ10
5に対する複合ビーム311の位置の整合を検査し、かつビーム101及び10
2の一方又は両方の入射パワーを測定するために用いられる。
【0045】 ウエハ105からの反射光は、対物レンズ315及びビームスプリッタ312
を通して戻ってくる。ビームスプリッタ312は、反射された光の50%をフィ
ルタ319を通して光検出器320に送る。フィルタ319は、加熱ビーム30
3の反射された部分を除去すると共に、プローブビーム309の反射された部分
を透過させる狭帯域フィルタである。その後、光検出器320がプローブビーム
309の反射された部分の強度を検出し、電圧信号を増幅器324に供給する。
【0046】 増幅器324は電圧信号を電流信号に変換し、その電流信号をロックイン増幅
器322に供給する。ロックイン増幅器322は、所定の周波数で変調されたプ
ローブビーム102の反射された部分のパワーを検出するために用いられる周波
数源としての発振器を備えている。ロックイン増幅器322における周波数源は
、ライン321M上の周波数信号をレーザドライバ321に供給する。レーザド
ライバ321は、ライン321M上のその周波数信号を用いて、ここに説明する
ような拡散による熱の伝達を確実にするように加熱ビーム303の振幅を変調す
るために十分なだけ低い所定の周波数でレーザ301を駆動する。
【0047】 また装置13は、結合されたビーム311の10%を集束レンズ317及びカ
メラ318に向けて変向するビームスプリッタ314も備える。カメラ318は
、複合ビーム311(図3)をウエハ上の領域111R(図1B)内に集束させ
るため、ウエハ105上のビーム101及び102(図1B)を観測するために
用いられる。
【0048】 上述の方法200は、導電性ライン111の熱伝導率、電気抵抗、及び反射率
の間の(定常状態条件の下での)以下の関係の内の1つ又は複数を用いて、ライ
ン111の抵抗の変化を検出するための、非破壊的であるが信頼性の高い方法を
提供するものである。詳述すると、導電性ライン111(図4A)の電気抵抗は
、以下のウィーデルマン・フランツ(Wiedermann-Franz)式を用いて決定される
【0049】
【数1】
【0050】 ここで、KmはW/(cm−℃)を単位とするライン111の熱伝導率であり
、σeは(Ω−cm)-1を単位とするライン111の導電率あり、Tはライン1
11の絶対温度であり、qは電荷であり、kBはボルツマン定数である。
【0051】 ライン111の電気抵抗率(単位Ω−cm)は、導電率ρe=1/σeの逆数で
ある。ライン111の電気抵抗は、電気抵抗率ρeにL/Aを乗ずることによっ
て求められる。ここでAは平方cmを単位とする断面積Whm(図1B)であり
、Lは単位cmの導電性ライン111の長さである。
【0052】 導電性ライン111の電気抵抗率は、以下のハーゲン・ルーベン(Hagen-Rube
ns)の関係式のような、ライン111の反射率R(反射されたパワーの入力され
るパワーに対する比率)との関係を有する。
【0053】
【数2】
【0054】 ここで、νLはプローブビーム102の反射された部分の周波数(単位1秒当
たりの周期)(c/λに等しい、ここでcは光速、即ち3×1010cm/秒であ
り、λはプローブビーム102の波長である。)である。上述の式(2)はアル
ミニウムや銅のような良好な導電体について近赤外線波長(例えば周波数1.5
〜4×1014Hzに対応する0.75〜2μmの範囲の波長)に厳密に当てはま
るものではないが、屈折率の虚数部分は実際の値を大きく超えており(例えば1
桁大きい)、式(2)を導き出すために用いられる近似は概ね有効である。
【0055】 それゆえ、導電性ライン111の反射率Rは、式(1)及び(2)によって電
気抵抗率ρe及び熱伝導率Kmと直接の関係を有する。従って、加熱ビーム101
を使用することにより、既知の熱流Qがライン111に導入され、従って、プロ
ーブビーム102の反射率Rを測定することにより決定されるピーク温度TP
でライン111が加熱される。次いで、ライン111の電気抵抗率ρeが式(2
)から直接導き出される。
【0056】 或いは、後に説明するように、熱流の式(3)の解から、ライン111の単位
長さ当たりの熱伝導率が温度Tの関数として求められ、従ってライン111の単
位長さ当たりの導電率及びその逆数である単位長さ当たりの電気抵抗が求められ
る。以下に説明する解析では、次のような過程を用いる。ライン111における
領域111R(図1B)の外側の点111X(図4A)の周りの幅Δxの領域へ
入流する熱流束Hout(x)は拡散性であり、それゆえ温度分布150(図1C
)は波状の解(wave-like solution)ではなく静的な解(static solution)を
有する。導電率ライン111(図1B)は、(被加熱領域111Rの直径と比較
した時)無限大と見なされるX軸方向の長さLを有する導電体である。更に、導
電性ライン111は熱伝導率Kmを有し、熱伝導率Ki及び厚みhiを有する絶縁
性層112の上に設けられている。反射されない加熱ビーム101からの光は、
ライン111によって完全に吸収され、被加熱領域111RからX軸に沿った正
負両方の方向に流れる熱流束H(図1B)を生成する。
【0057】 初めに、絶縁性層112への熱流F(x)がライン111に沿った流れH(x
)と比較して小さいと仮定する。この仮定はライン111の熱伝導率が層112
の熱伝導率より非常に大きい場合に有効である。導電性ライン111に沿った任
意の点111X(図1C)における温度Tを、以下のようなライン111とその
周囲との間の温度Tの差についての一次元熱拡散方程式を解くことによって求め
る。
【0058】
【数3】
【0059】 式(3)の第1項は、静的な分布を形成する熱の拡散を表す。第2項は、波状
の解をなす温度の経時変化を表す。Kmの単位はW/(cm−℃)である。熱拡
散率κmは、熱伝導率Kmとκm=Km/ρmmなる関係を有する。ここでρmはラ
イン111の密度(単位はgms/cm3)であり、Cmはライン111の熱容量
(単位はJ/gm−℃)である。
【0060】 式(3)を変数分離法により解く。ライン111の温度Tについて時間に依存
する解が次のような形をしていると仮定する。
【0061】
【数4】
【0062】 ここで、ωは変調周波数である。(4)を式(3)に代入することにより、以
下のようなxについての方程式が得られる。
【0063】
【数5】
【0064】 この方程式の、無限領域において有限となる解は以下の通りである。
【0065】
【数6】
【0066】 (4)と(6)から、位置及び時間の関数である温度が以下のように求められ
る。
【0067】
【数7】
【0068】 ここで、kは、以下の通りである。但し、Aは初期条件によって決定される定
数であり、ωは温度波の角周波数である。
【0069】
【数8】
【0070】 式(7)は波動解であり、式(8)から周波数f=ω/2π及び波長λが与え
られる。温度波の波長λが測定の寸法と比較して長い場合には、式(8)のkが
小さくなる。kが十分に小さい場合には、式(5)の第2項(時間依存性を表す
)は、静的な導関数項と比較して無視できる小さい値(例えば1%未満)となる
。kが小さいという仮定に基づき、式(5)を次のように単純化する。
【0071】
【数9】
【0072】 式(9)は時間依存ではなく、別の拡散による伝達についての定常状態の式で
あり、d(ΔT)/dt=0の場合(ΔTの経時的変化が極僅かである場合)、
式(3)と同一になる。
【0073】 L(図1B)が、その上で熱が拡散して測定の基礎となる定常状態の温度分布
を作り出すライン111の長さであるとする。定常状態解の条件は、次の式のよ
うに、温度波の波長と比較して長さLが無視できる程小さくなければならないと
いうことである。
【0074】
【数10】
【0075】 「非常に大きい」を明示するために10倍(即ち1桁分大きい)という数字を
用いると、変調周波数の式は以下の通りとなる。
【0076】
【数11】
【0077】 以下の表は、様々な材料について適切な定数及び1000Hzでの温度波の波
長iを示す。
【0078】
【表1】
【0079】 上述の値及び長さの測定値Lが1000μmである場合、定常状態に近づける
には、例えば銅の場合には1430Hz、アルミニウムの場合には1080Hz
の最大周波数より小さい変調周波数が必要である。
【0080】 最大周波数は、例えばピーク温度Tpの10%まで温度Tが減衰する距離との
逆の関係も有する。そのような距離(「減衰距離」とも称する。)が、測定長さ
Lより短い場合には、最大周波数は上の最大周波数より高くなり得る。例えば、
減衰距離が20μmである場合、最大周波数は銅の場合5985Hz、アルミニ
ウムの場合5525Hzとなる。
【0081】 温度分布150(図1C)は、絶縁層112への熱の損失を考慮に入れて、領
域111R(図1B)についての静的熱方程式を解くことによって決定される。
導電性ライン111上の点111X(図4A)の周囲の領域(符号は付されてい
ない)が、長さΔx、幅w、及び厚みxmを有するとする。絶縁性層112は厚
みhi及び熱伝導率Kiを有し、かつ上側表面112Tの温度は導電性ライン11
1の温度であり、下側表面112Bの温度は周囲温度であると仮定する。
【0082】 熱流束H(x)は、導電性ライン111に沿って流れるが、少量の熱F(x)
は絶縁性層112に漏れる。伝達及び放射による損失が無視できる(1%未満)
と仮定すると、エネルギー保存則によりH(x)=F(x)+H(x+dx)で
ある。そのような損失は、絶縁体112への熱の流れ(特に絶縁体へ流れる損失
と同様に周囲と絶縁体との間の温度差として測定される対流)を原因とする損失
F(x)に加えられる追加の項として含められ得る。拡散熱流束は、(温度)×
(熱伝導率の導関数)によって与えられる。絶縁性層112の厚みhiの分の領
域わたって、導関数は概ねd(x)/hiであり、以下のようになる。
【0083】
【数12】
【0084】 dxが0に近付くと、式(12)は拡散熱流の条件の下で金属における温度分
布についての式に近付く。即ち、以下のようになる。
【0085】
【数13】
【0086】 無限大における周囲温度及び入射光束(1−R)PL/2を境界条件として、
式(13)を解くと、レーザのパワー及び材料の定数の関数として以下のような
温度分布が得られる(ここでPLは加熱レーザのパワー、Rは金属の反射率であ
り、係数は熱が+x方向及び−x方向の両方に流れることから2である)。
【0087】
【数14】
【0088】 絶縁体層112の熱伝導率は、一般的に導電性ライン111の約1%である。
厚みhiが1μmで金属層と等しい厚みである絶縁体層112の場合、温度は約
10μmで1/e降下する。前に仮定した100μmのライン長さの条件をこれ
は満足する。例えば、0.25μm×0.5μmに0.005Wのレーザパワー
が反射率90%のアルミニウムのラインに照射される場合、温度は35℃上昇す
る。
【0089】 曲線501〜503(図5)は、例示したウエハ105におけるライン111
(図1A)に反射された様々なパワー(「反射パワー」とも称する。)に対する
温度上昇を示す。図5の例では、ライン111が0.25μmの幅w、及び0.
5μmの厚みhmを有し、かつ厚みhiが1μmの二酸化ケイ素で形成された誘電
体層112上にアルミニウムで形成されている。以下の解析では、導電性ライン
111がその熱伝導率の1%に等しい熱伝導率を有する絶縁体層112上に形成
されていると仮定する。
【0090】 式(1)のウィーデマン・フランツの法則を用いて、ライン111における温
度変化ΔTを金属の抵抗率の関数として表すと以下のようになる。
【0091】
【数15】
【0092】 式(2)のハーゲン・ルーベンスの関係式を用いて、温度変化と反射率との関
係を示すと以下のようになる。
【0093】
【数16】
【0094】 ここで抵抗率のテーラー展開を用いると、以下のようになる。
【0095】
【数17】
【0096】 式(15)を式(16)に入れると、抵抗率の温度についての導関数により、
反射率が得られる。式(16)の以下の項は、加熱レーザの変調によって変化し
ない。
【外5】
【0097】 また、式(16)における以下の第3の項は、変調によって変化し、同期検出
を用いて測定することができる。
【外6】
【0098】 この第3項を用いて反射率の変化を求めると、以下のようになる。
【0099】
【数18】
【0100】 ここで、その波長λについてのプローブビームの周波数はν=c/λであり、
ここでcは光速である。
【0101】 ブロッホ・グルナイセンの法則(Bloch-Grueneisen law)から、抵抗率の温度
依存性は、以下のようになる。
【0102】
【数19】
【0103】 ここでTθはデバイ温度(アルミニウムの場合には333ケルビンで、銅の場
合395ケルビン)である。関係式(19)は、T/Tθ>0.25の場合に当
てはまり、ウエハの加工において目的の金属について室温及びそれ以上の温度で
通常有効である。
【0104】 式(19)の導関数をとり、式(18)に入れると、以下のような、反射率と
単位長さ当たりの抵抗率ρe/Whmとの関係が求められる。
【0105】
【数20】
【0106】 式(20)は、上述の方法200の工程206の操作を支配する式である。抵
抗を求める測定は以下のように行う。変調周波数でプローブビーム102の反射
された部分の強度を測定して測定値を電位として表し、較正のための定数を用い
て反射率に変換する(装置13が既知の反射率を有するサンプルを用いて較正を
行い、測定された電位を乗じた時に反射率が得られる倍率の係数を求める)。次
に、反射率を加熱ビーム101のパワーの関数としてプロットする(図6の直線
601参照)。得られた直線601の傾き(ΔR/ΔP)が、以下のような、加
熱ビーム101のパワーPL以外の全てを含む、式(20)の一部の積の値とな
る。
【外7】
【0107】 上述の部分積は、デバイ温度Tνにおける単位長さ当たりの抵抗ρe/Whm
外の全ての既知のパラメータを含んでいる。従って、単位長さ当たりの抵抗ρe
/Whmは、傾き(ΔR/ΔP)(「定常状態比率」とも称し、前に説明したよ
うに求められる。)を以下の定数で除すことによって求められる。
【外8】
【0108】 或る例では、図6における直線601について、導電性材料がアルミニウムで
あり、ラインの下層をなす誘電体層の厚みが1.0μmであり、プローブビーム
の波長が1.48μmであり、かつ反射率が0.9であると仮定すると、定数は
0.723である。従って、プローブビームの入射パワーは1.1mWであり、
反射パワーは1.0mW(加熱ビームが存在しない場合)であり、従って上述の
式で定数0.723を求めるのに用いられる0.9の反射率Rが得られる。その
後、装置13は、図6を参照して上述したように計算される傾き(ΔR/ΔP)
をその定数で除して、単位長さ当たりの抵抗を求める。従って上述の例では、装
置13が、0.5である(ΔR/ΔP)の値を、定数0.723で除して、単位
長さ当たりの抵抗(単位Ω/cm)の値0.361を求める。必要な場合、抵抗
率ρeは、既知のライン幅W及びラインの厚みhmの値を用いて単位長さ当たりの
抵抗ρe/Whmから求められる。上に記載した抵抗率ρeはデバイ温度における
抵抗率であり、式(19)において用いることにより、他のあらゆる温度におけ
る抵抗率を求めることができる。
【0109】 式(20)において、分子にある別の係数(hm-1/2が存在するが、厚みhm は、(少なくとも概算値として)既知であり、厚みのばらつきは、特に式(2)
がhmの平方根を必要とすることを考慮すると、比較的小さい影響しか持たない
(例えば厚みが一般的には2%超であることが知られているので1%未満である
)。単位長さ当たりの抵抗はρe/Whmであることから、測定される電位の変化
は、単位長さ当たりの抵抗の変化に対応する。
【0110】 いくつかの金属についての抵抗率と温度に対する変化率は以下の表の通りであ
る。
【0111】
【表2】
【0112】 幅0.25μm、厚み0.5μmのアルミニウムラインの場合、反射率0.9
、加熱パワー830nmの波長で5mW、プローブパワー1.48μmの波長で
1mWの時、反射されるパワーは2.7μWである。
【0113】 図4Bに示すように、被加熱領域111Rがライン111を誘電体層112の
下にある別の導電性ライン113に接続するバイア114に隣接している時、ビ
ーム101によって生成される熱は、2つ部分に分かれる。その一方はバイア1
14を通して流れる。詳述すると、ビーム101によって生成されライン111
を負のX方向に流れる熱Q1は、(1)バイア114の位置を超えてライン11
1に流れる第1部分の熱Q2と、(2)バイア114を通して流れる第2部分の
熱Q3とに分かれる。Q1=Q2+Q3であることから、Q3の大きさの変化(
例えば部分的に金属で満たされることによって生ずるバイア114の欠陥を原因
として生ずる変化)は、被加熱領域111Rから拡散する熱Q1の大きさに影響
を及ぼす。
【0114】 従って、欠陥のあるバイア114からの距離Vdにおける領域111Rにおい
て反射されたパワーは、正常な(欠陥のないバイア)からの同じ距離(Vd)に
おける対応する反射率の測定値よりも大きい。反射率の測定値が顕著な差を有す
る場合、距離Vdが長さLよりも小さいことに注意されたい。例えば、図5に示
す温度変化について言えば、Vdは長さLが約20μmの時5μmに選択するこ
とができる。熱の流れがバイア114とライン111とに概ね等しく分かれる(
即ちQ2=Q3)と仮定すると、欠陥のあるバイアがあるとき、(距離Vdにお
ける)反射パワーの測定値が、近傍の欠陥のないバイアにおける測定値と比較し
て50%上昇し得る。
【0115】 従って、或る実施態様では、反射パワーの測定を、多数のバイアに隣接した位
置で行い、バイアの大部分の平均測定値より著しく大きい(例えば25%大きい
)反射パワーの測定値については、それぞれ欠陥バイアを示すフラグを付す。
【0116】 そのような測定は、欠陥バイアとなるバイアを形成するプロセスについての問
題を検出するために、(上述したような)バイアに関連する(全部の領域の一部
である)所定の領域の組において一般的な方式で行うこともできる。欠陥のある
バイアが見つからない場合は、ウエハを更に通常の方式で処理する(後にその上
にメタリゼーション層が形成される誘電体層のような追加の層を形成する)。欠
陥バイアが見つかった場合は、ウエハを欠陥のあるものと識別し、別の解析(例
えばプロービング、切断、又は電子顕微鏡によるスキャンによる解析)のために
カセットに置く。
【0117】 測定された信号レベル及び信号対雑音比(SNR)は以下のように計算される
。式(20)によってプローブビーム102の反射される部分のパワーが加熱ビ
ーム101のパワーの関数として求められる。A(単位はA/W)が光検出器3
20(図3)の変換効率である場合、信号は、以下の式のように電流として生成
される。
【0118】
【数21】
【0119】 ここで反射率ΔR(PL)は式(20)において与えられ、PPはプローブビー
ム102のパワーである(PLは、温度分布を生成するために用いられる加熱ビ
ーム101のパワーである)。
【0120】 或る実施態様では、電流Isigによって供給される信号は、トランスインピー
ダンス増幅器324(図3)を用いて電位によって表示される信号に変換され、
次に第2の増幅器323で増幅される。この第2増幅器は10〜1000倍の範
囲にわたって調節可能な定電圧利得を提供する。トランスインピーダンス利得が
g(単位はV/A)で増幅器利得がGである場合、最終的な信号の電位は以下
のようになる。
【0121】
【数22】
【0122】 測定された信号における雑音は、2つの成分、即ちビーム101における雑音
と光検出器320におけるショットノイズから生じたものであり得る。一般的に
は、ショットノイズはビーム101の雑音レベルより大きい。ショットノイズに
よる電流のRMSは、以下の通りである。
【0123】
【数23】
【0124】 ここでBWはノイズの帯域幅であり、qは電荷である。パワーPP=1mWの
プローブビーム102の場合、ノイズの帯域幅は0.2Hz、変換効率は0.5
A/W、ノイズのパワーは11.3pW、ノイズ電流は5.7pAである。
【0125】 信号対雑音比の式は以下の通りである。
【0126】
【数24】
【0127】 反射パワーの値が上述のような場合(アルミニウムについて2.7μW)、S
NRは6.8×104である。
【0128】 加熱ビーム101が変調される所定の周波数fは、特定の場合に必要な小さい
ノイズの帯域幅を得るために必要なだけ低くすることができる。しかし、周波数
fが低くなると、ロックイン増幅器322(図3)が増加した変調のサイクル数
を観測しなければならなくなり、測定にかかる時間が長くなりスループットが低
下する。所定の周波数100Hzによって、製品ウエハのプロセシングのために
通常要求される経済的なスループットに対応する0.1秒の時間での測定が可能
となり、例えばウエハ105(図1A)上の13箇所の部位の検査のためにウエ
ハ1枚当たり2分の時間で済むことになり得る。これらの条件の下では、1箇所
当たり0.1秒の測定時間は無視することができ、スループット時間の大部分を
、ウエハ105の測定装置13への負荷及び位置決めのために用いることが可能
となる。
【0129】 或る実施態様では、(それぞれ加熱ビーム及びプローブビームである)波長8
30nm及び1480nmの2つの同心のレーザビームが、一連のガラススライ
ド(図示せず)の上に集束される。ガラススライドのそれぞれは、400〜16
00Åの範囲の異なる厚みでアルミニウムコーティングされており、幅1インチ
(2.54cm)、長さ3インチ(7.62cm)である。開口数(NA)0.
9の対物レンズによって、830nmのレーザは直径約1μmのスポットに集束
される。830nmレーザからのビームは1KHzで変調される。1480nm
の波長のビームの反射された部分は、狭帯域フィルタを通してゲルマニウム検出
器に送られる。次に信号がロックイン増幅器に供給され、830nmのレーザの
変調と同期をとって検出される。
【0130】 今説明したガラススライドのそれぞれの両端の間の抵抗(単位はΩ・m)も測
定される。図7は、測定された抵抗(X軸)に対して測定された反射信号(Y軸
)をプロットしたグラフである。直線710(「相関直線」とも称する。)は、
プロットした点の相関を取ったものであり、実際の抵抗と測定された反射との間
の関係を示す。直線710によって示される相関性は、上述のように抵抗の測定
値を得るために方法200(図2)を用いるための理論的基礎を示している。
【0131】 上述の実施例を様々に変更して実施できることは、レーザを用いて半導体の特
性を測定する分野の専門家には明らかであろう。例えば、別の実施例においては
、ピーク温度Tpを変更するべく加熱ビーム101を生成するためにレーザを用
いる代わりに、別の熱源(例えば電子銃)を用いて、ウエハにおける導電性ライ
ンの温度Tを変調する。光子の代わりにビーム101に電子ビームを用いること
により、ビーム101の直径を光子を用いる場合よりも小さくすることができる
。但し、ビーム101において電子を用いるためには、測定装置13が電子源を
含む真空チャンバを備えている必要がある。
【0132】 また、別の実施例では、被加熱領域(例えば領域111R)における定常状態
比率を測定する代わりに、被加熱領域111Rとは異なる領域において測定を行
う。導電性ライン111に沿った様々な測定について上述したが、そのような測
定は(例えば直線に沿って)直線的に行う必要はない。代わりに、方法200(
図2)を用いて、加熱ビーム101を3つの異なる領域に順次集束させることに
より(第1の領域について工程202を行い、次に第2及び第3の領域について
工程210を行うことにより)、或る領域においての測定を行うことができる。
この場合、3つの領域は全体で導電性ライン111上の三角形の領域を画定する
ものであり、3つの領域それぞれのおいてプローブビームの反射される部分のパ
ワーを測定する。
【0133】 上に説明した方法では、1個の導電性ライン111の上で測定を行う必要はな
く、代わりに3つの領域のそれぞれが3つの異なる導電性ライン上にあってもよ
いということに注意されたい。更に、3つの異なる領域が、図8A、図8B、及
び図9を参照して後述する、ウエハ103の平坦な金属化領域(図示せず)の領
域であり得る。また、3つの領域の代わりに、より大きい数(例えば100個の
領域)を用いてこのような金属化領域の導電率の2次元グラフ(例えば領域が1
0×10の配列を形成する場合)を生成することもできる。
【0134】 更に、別の実施態様では、偏光ビームを領域111R上に集束させ、反射時の
偏光角の回転を干渉によって測定する。
【0135】 別の実施態様では、前記方法を用いて、下層をなす誘電体層112(図1B)
の特性を測定する。詳述すると、温度分布(ライン111から層112の或る点
の距離の関数として温度を示す)は、ライン111の特性(例えば厚み、幅、及
び熱伝導率及び導電率)と、誘電体層112の特性(例えば厚み及び熱伝導率)
の両方によって支配される。
【0136】 従って、或る実施態様では、(通常エッチングされてライン111を形成する
)金属薄膜の特性(例えば、抵抗率、厚み、及び熱伝導率)が、従来の方法を用
いて決定され、下層をなす誘電体層112の厚み又は熱伝導率のばらつきは、式
(20)の関係を用いて測定される。或る実施態様では、金属薄膜の特性が4点
プローブを用いることにより決定される。別の実施態様では、次の点を除いて同
一の2枚のウエハが準備される。即ち、第1のウエハは誘電体層112において
例えば二酸化ケイ素のような既知の材料を有し、第2のウエハは誘電体層112
においてその特性を決定しようとする材料を有する。第1のウエハは、(上述の
反射率の測定を用いて)導電性ライン111の特性を測定するために用いられ、
その後測定された特性を用いて誘電体層112の特性を決定する。
【0137】 別の実施態様では、例えばウエハの全ての領域の上にブランケットを堆積させ
ることにより形成された層のような導電性材料のパターン形成前の層の上で測定
を行う。或る実施態様では、導電性層の全体としての特性が、対応する変数の代
わりに用いられる。更に、導電性層について反射率の変化が、式(20)に類似
しているが以下のような半径方向の座標に書かれた領域の式の解から決定される
【0138】
【数25】
【0139】 上記の式で、Δは半径rでの温度と周囲温度との差であり、他の変数は前もっ
て決定されている。温度分布は以下の式で与えられる。
【0140】
【数26】
【0141】 上記の式で、K0及びK1は修正ベッセル関数であり、他の変数は前もって決定
されている。ラインの温度分布、式(15)は、ラインの厚みhm及びラインの
幅Wの両方の関数であったことに注意されたい。しかし、式(26)において、
導電性層の温度分布は、導電性層の厚みhmのみの関数である。従って、層の材
料の特性、具体的には単位厚み当たりの抵抗ρe/hm(シート抵抗と称する)は
、式(1)、(2)、及び(19)を参照して前に説明したように決定される。
【0142】 (加熱ビームの存在時と不存在時の間での)反射率の変化を、導電性層の厚み
に関係付ける曲線(図8Aの曲線801参照)、又は反射率の変化とシート抵抗
とを関係付ける曲線(図8Bの曲線851参照)を得るため、数値モデルを用い
る。この数値モデルは、導電性ラインのモデルに類似にしており、式(1)、(
2)、及び(19)の関係式を用いている。図8Aは、Y軸に反射率の測定値の
変化を10000倍したものをとり、X軸に導電性層の厚みをとってプロットし
たグラフである。1.48μmの波長で10mWのレーザを用いて、加熱ビーム
101(図1B)を生成する。図8Aに示す4本の曲線は、アルミニウム薄膜に
おいて抵抗率の劣化が0%の場合(曲線801)、10%の場合(曲線802)
、50%の場合(曲線803)、及び100%の場合(曲線804)である。
【0143】 従って、一例を挙げると、抵抗測定装置13が、加熱ビーム101の存在時及
び不存在時における導電性層から反射されたパワーを測定し、4.2×10-4
ある差ΔRを求める。次に、装置13は、曲線801(劣化が0の場合)から、
補完により0.4μmの厚みを求める。従って、厚みの数値0.4μmが仕様の
範囲内(例えば0.38〜0.42μm)に収まっている場合には基板が更に通
常の方式でプロセシングされ、そうでない場合には、基板はその後の解析のため
ユニット10から取り出される。曲線801の代わりに、プロセスで要求される
抵抗率の劣化の程度に応じて他の曲線802〜804の何れかを用いることがで
きる。厚みhmが他の方法で求められている場合には、抵抗性の劣化を決定する
ことができる。
【0144】 図8Bは、X軸に厚みをとり、Y軸に反射率の変化を10000倍したものを
とり、抵抗率を厚みで除すことによって求められるシート抵抗を示すグラフであ
る。曲線851は、抵抗率(単位はΩ/面積)の劣化が0%のアルミニウム薄膜
の場合である。従って、上述の例では、抵抗測定装置13が、4.2×10-4
あるΔRの値を用いて、曲線851から補完により0.045のシー面積抵抗率
を求める。装置13は、測定された面積抵抗率を、図8Aを参照して上述したの
と同様の方式で、例えば0.04〜0.05の所定の範囲と比較することにより
、仕様の範囲内に収まっているかをチェックする。
【0145】 装置13は定常状態比率を計算する必要はなく、代わりに、1個の反射率の測
定値若しくは2つの反射率の測定値の差を用いて、導電性層(導電性ライン)の
アクセプタビリティを決定することが可能であることに注目されたい。
【0146】 (例えば導電性ラインの)表面105の平面と平行な方向の寸法に左右される
測定値から、(例えば導電性層のまだパターン形成されていないときの)導電性
層の厚みhmのみに左右される測定値への移行は、表面105の平面における寸
法が、温度上昇が無視できる程度になる拒理を超えているときに生ずる。図9は
、互いに異なる一辺の長さを有する正方形の領域の中心における測定値のグラフ
である。各領域はアルミニウムで形成され、厚みは0.2μmである。その領域
は、厚み1.0μmの下層をなす二酸化ケイ素の絶縁体を有する。y軸はmV単
位で反射率の測定値を示し、x軸は領域の一辺の長さを示す。短い一辺の長さ(
例えば20μm未満)を有する有する領域の場合は、測定値は表面の平面の寸法
の関数である。しかし、約20μmを超える一辺の長さを有する領域の場合は、
測定される値(「信号」とも称する)は、表面の平面の寸法とは無関係である。
従って、一辺の長さが20μmを超える領域についての測定値は、層全体につい
ての測定値の近似値となる。
【0147】 更に、或る実施態様では、上述のような誘電体層112の熱伝導率の測定を、
ウエハの多数の連続した領域において、例えばウエハを横断する直線的なスキャ
ンにおいて行う。
【0148】 従って、上述の実施例に様々な改変を加えた実施形態は、請求の範囲に記載の
本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【図1A】 導電性層を形成するための金属形成装置及び導電性層のパターン形成のための
金属エッチング装置を備えた、本発明による測定装置の或る実施態様の使用状態
を示すブロック図。
【図1B】 図1Aの装置において、加熱ビームが定常状態条件の下で導電性ライン111
の領域111R上に集束され、プローブビームが領域111Rの反射率を測定す
るために用いられている状態を示す図。
【図1C】 図1Bの導電性ラインにおける被加熱領域111R及び隣接する領域111S
及び111Tの温度を示すグラフ。
【図2】 導電性ライン111の抵抗の変化を測定するために図1Bの2種類のビームを
用いる方法、及びそれらの測定値を利用した図1Aの金属形成装置及び金属エッ
チング装置によるウエハの加工の制御を示す流れ図。
【図3】 図2に示す方法を実施する測定装置のブロック図。
【図4A】 熱が、定常状態条件の下で、(図1B及び図1Cの領域111Tの)部分11
1Xを通して誘電体層112へ拡散により伝達される様子を示す図。
【図4B】 図4Aに示す型の導電性ライン111と別の導電性ライン113とを接続する
バイア114、及び前記バイアを通してのライン111からの熱の伝達を示す断
面図。
【図5】 図1Bの領域111Rを照射する加熱ビームのパワー(曲線501〜503は
、それぞれ5mW、2mW、及び1mWに対応)の関数として導電性ライン11
1(図4A)の(周囲温度からの)温度上昇(℃)を示すグラフ。
【図6】 導電性ライン111(図4A)の反射率の変化(1000倍してY軸に沿って
プロット)の変化を、(幅が0.25μmである)導電性ライン111の様々な
厚み(直線601〜603は、それぞれ厚み0.2μm、0.5μm、及び1.
0μmに対応)について、図5について説明した加熱ビームのパワーの関数とし
て示すグラフ。
【図7】 全てのライン111が同一の反射率を有する(即ち同じ材料で形成されている
)時に、異なる抵抗を有する複数のライン111について図3の増幅器により生
成された信号を示すグラフ。
【図8A】 反射率の変化(10000倍してY軸に沿ってプロット)を、アルミニウムブ
ランケット薄膜の厚みの関数として示すグラフ。曲線801〜804はそれぞれ
、異なるレベルの抵抗率の劣化に対応する。
【図8B】 抵抗率の劣化がない場合について、反射率の変化(10000倍してY軸に沿
ってプロット)を、アルミニウムブランケット薄膜の面積抵抗率(Ω/面積)の
関数として示すグラフ。
【図9】 シリコン基板上に堆積された厚さ1μmの二酸化シリコン層上に形成された厚
さ0.2μmのアルミニウム層の正方形の領域の中心において測定した場合の、
強度の測定値(X軸に沿ってプロット、単位はmV)を正方形の領域の一辺の長
さの関数として示すグラフ。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年6月30日(2000.6.30)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【外1】 であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【外2】 の式から決定されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【外3】 の式から決定されることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【外4】 の式から決定されることを特徴とする請求項23に記載の装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,Z W Fターム(参考) 2G040 AA00 AB09 BA18 BA26 CB03 EA04 EC04 2G051 AA51 AB20 BA05 BA06 BA10 CB01 2G059 AA05 BB16 EE02 EE15 GG01 GG02 GG06 HH01 HH03 HH05 JJ02 JJ11 JJ17 JJ22 KK01 MM01 PP10

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の一部の特性を決定する方法であって、 所定の周波数で変調された電磁放射の第1ビームを生成する生成過程(201
    )と、 前記基板上の領域に前記第1ビームを集束させる集束過程であって、前記領域
    によって反射されない前記第1ビームの光子のエネルギーは熱に変換され、前記
    所定の周波数が、前記熱の大部分を拡散によって前記領域から伝達させるに十分
    なだけ低い周波数である、該集束過程と、 電磁放射の第2ビームのうち、前記領域によって反射され、かつ前記第1ビー
    ムと同相で変調された一部のパワーを測定する測定過程とを含むことを特徴とす
    る基板の一部の特性を決定する方法。
  2. 【請求項2】 前記所定の周波数が、 前記基板における前記領域を含む導電性ラインの長さと、 導電性ラインの温度が前記領域の温度より1桁小さい値未満の温度となる距離
    との少なくとも1つの逆数に関連する最大周波数より低いことを特徴とする請求
    項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記導電性ラインが約100μmの長さを有し、前記最大
    周波数が約1000Hzであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも1つのプロセスパラメータを用いることによっ
    て集積回路ダイに前記導電性ラインを形成する過程と、 前記第2ビームの前記パワーに応じて前記プロセスパラメータを変更する過程
    とを更に含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記所定の周波数が、 κmを金属の熱拡散率とし、 Lを前記導電性ライン(111)の前記長さとすると、 【外1】 より小さいことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記生成過程、前記集束過程、及び前記測定過程の後に、 前記第1ビームのパワーを変更する過程と、 前記変更に応じて前記第2ビームの前記反射された一部のパワーの変化を測定
    する過程とを更に含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記第2ビームの前記一部のパワーにの差の、対応する前
    記第1ビームのパワーの差に対する比率を、プログラムされたコンピュータにお
    いて計算する過程と、 前記プログラムされたコンピュータを用いて、前記比率を所定の定数で除する
    ことによって、前記導電性ラインの単位長さ当たりの抵抗を計算する過程とを更
    に含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記定数が、 cを真空中での光速とし、 Tを前記導電性ラインの厚みとし、 λを前記第1ビームの波長とし、 ε0を自由空間における誘電率とし、 qを電荷とし、 kBをボルツマン定数とし、 Rを前記導電性ラインの絶対反射率とし、 hmを領域の厚みとし、 iをその領域の下の絶縁性材料の厚みとし、 Kiを絶縁性材料の熱伝導率とし、 T0を周囲温度とし、 Tθをデバイ温度とすると、 【外2】 の式から決定されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記測定過程が、 前記所定の周波数に同調されたロックイン増幅器を用いる過程を含むことを特
    徴とする請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記測定過程が、 前記導電性ラインによって反射された前記第1ビームの少なくとも一部をフィ
    ルタリングするためにシリコンウエハを用いる過程を含むことを特徴とする請求
    項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記測定過程が、 前記導電性ラインによって反射された前記第1ビームの少なくとも別の一部を
    フィルタリングするために前記第2ビームの波長に同調された狭帯域フィルタを
    用いる過程を含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記領域によって測定されたパワーと所定の限度値とを
    比較する過程を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記領域に隣接する第2の領域に前記第1ビームを集束
    させる過程と、 前記測定過程を反復する過程とを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の
    方法。
  14. 【請求項14】 前記領域において測定されたパワーが、前記第2の領域
    において測定されたパワーより所定の限度値だけ大きい場合に、前記ウエハの加
    工において用いられるプロセスパラメータを変更する過程を更に含むことを特徴
    とする請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 第3の領域に前記第1ビームを集束させる過程であって
    、前記領域、前記第2の領域、及び前記第3の領域が、前記導電性ライン上に三
    角形の領域を画定する、該過程と、 前記測定過程を反復する過程を更に含むことを特徴とする請求項13に記載の
    方法。
  16. 【請求項16】 前記第1ビームのパワーを変更する過程と、 前記測定過程を反復する過程とを更に含むことを特徴とする請求項15に記載
    の方法。
  17. 【請求項17】 前記生成過程の間に、前記第1ビームが、前記領域に入
    射する前記第2ビームの第2のパワーより少なくとも10倍大きい、前記領域に
    入射する第1のパワーを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記パワーが、被変調成分を有することを特徴とし、 前記被変調成分の振幅に関連するパラメータを、定数成分の値で除することに
    よって、絶対反射率によって標準化された反射率の変化の測定値を求める過程を
    更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  19. 【請求項19】 少なくとも1つの前記領域の特性の値を決定する過程を
    更に含み、 前記生成過程、集束過程、及び測定過程の後に、 前記第1ビームのパワーを変更する過程と、 前記の変更に応じて前記第2ビームの前記反射された一部のパワーの変化を
    測定する過程と、 前記第2ビームの前記反射された一部のパワーの差の、対応する前記第1ビ
    ームのパワーの差に対する比率を、プログラムされたコンピュータにおいて計算
    する過程と、 前記比率及び前記特性の前記値を用いて、前記比率を所定の定数で除するこ
    とによって前記領域の下層をなす誘電体層の熱伝導率を計算する過程とを含むこ
    とを特徴とする請求項1に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記領域が、導電性ラインに含められることを特徴とす
    る請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記定数が、 ε0を自由空間における誘電率とし、 cを真空中での光速とし、 λを前記第1ビームの波長とし、 qを電荷とし、 kBをボルツマン定数とし、 Rを前記領域の反射率とし、 hmを領域の厚みとし、 hiをその領域の下の絶縁性材料の厚みとし、 T0を周囲温度とし、 wをラインの幅とし、 ρe(Tθ)をデバイ温度における抵抗率とすると、 【外3】 の式から決定されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
  22. 【請求項22】 ウエハを評価するための装置であって、 光子の第1ビームの第1光源であって、前記第1ビームが、それによって照射
    される領域から熱の大部分が拡散によって伝達することを確実にするに十分なだ
    け低い周波数で変調される第1の強度を有する、該第1光源と、 光子の第2ビームの第2光源であって、前記第2ビームが、それが前記領域に
    入射したときに前記領域において発生する熱の量が無視できる量より大きくなる
    ことを回避するために十分なだけ、前記第1ビームのエネルギーより低いエネル
    ギーを有する、該第2光源と、 前記領域によって反射された後に前記周波数で変調された前記第2ビームの一
    部の経路に配置された光電性素子であって、前記光電性素子が、前記第1ビーム
    の入射によって生ずる前記領域の温度上昇を示す第1の信号を発生する、該光電
    性素子とを有することを特徴とするウエハを評価するための装置。
  23. 【請求項23】 前記光電性素子に接続され、かつ前記領域によって反射
    された前記第2ビームの前記一部のパワーの差の、対応する前記第1ビームのパ
    ワーの差に対する比率を決定するべくプログラムされたコンピュータを更に有す
    ることを特徴とする請求項22に記載の装置。
  24. 【請求項24】 前記コンピュータが、前記比率を所定の定数で除するこ
    とによって、前記領域の単位長さ当たりの抵抗を計算するべく更にプログラムさ
    れていることを特徴とする請求項23に記載の装置。
  25. 【請求項25】 前記定数が、 cを真空中での光速とし、 Tを前記領域の厚みとし、 λを前記第1ビームの波長とし、 ε0を自由空間における誘電率とし、 qを電荷とし、 kBをボルツマン定数とし、 Rを前記領域の絶対反射率とし、 hmを領域の厚みとし、 iをその領域の下の絶縁性薄膜の厚みとし、 Kiを絶縁性薄膜の熱伝導率とし、 T0を周囲温度とし、 Tθをデバイ温度とすると、 【外4】 の式から決定されることを特徴とする請求項24に記載の装置。
  26. 【請求項26】 前記コンピュータが、前記比率及び前記特定の既知の値
    を用いて、前記比率を所定の定数で除することによって前記領域の下層をなす誘
    電体層の熱伝導率を計算するべく更にプログラムされていることを特徴とする請
    求項23に記載に装置。
  27. 【請求項27】 前記所定の定数が、反射性の基板上での複数の反射率の
    測定に適合する曲線によって得られる直線の傾きであることを特徴とする請求項
    26に記載の装置。
JP2000553787A 1998-06-10 1999-06-09 多層構造における層の特性を測定するための装置及び方法 Pending JP2002517750A (ja)

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