【発明の詳細な説明】
タンパク質物質及びポリエステルを含む化粧品組成物
技術分野
本発明は化粧品組成物に関する。特に、本発明は、皮膚に潤いを与え、皮膚の
感触、皮膚の柔らかさ、皮膚の滑らかさの各効果を高め、併せて優れた擦り込み
及び吸収特性を発現する化粧品組成物に関する。本組成物は、また、常温及び常
温より高い温度で優れた安定性も発現する。
発明の背景
皮膚は、皮膚構造の骨格を形成するケラチン及びコラーゲン線維タンパク質を
被覆し、かつ保護する数層の細胞から構成されている。角質層と呼ばれるこれら
の外層は、8nmの層厚によって囲まれた25nmのタンパク質の束状構造から
構成されていることが知られている。アニオン性界面活性剤及び有機溶媒は、通
常、角質層の膜に浸透して、脱脂作用(即ち、角質層からの脂質の除去)により
皮膚の完全性を壊す。皮膚の表面形態がこのように壊されると、荒れた感じとな
りついには界面活性剤又は溶媒がケラチンと反応して皮膚に刺激をもたらすこと
となる。
現在、角質層を横断する方向の水分勾配を適切に保つことがその機能性には重
要であると考えられている。角質層の可塑剤であると見なされることがおおい角
質層の水分の大半は体内から出てくる。寒い気候におけるように湿度が極めて低
いと、組織を充分に可塑化するには角質層の外層に残っている水分では不十分で
あり、皮膚の表面が剥げてかゆみを感じ始める。角質層を横断する方向の水分が
不適切な場合、皮膚の浸透性もやや低下する。一方、皮膚の外側で水が過剰にな
ると、角質層は最終的に自重の3ないし5倍の結合水を吸収する。これによって
、皮膚は膨潤したり、収縮したりして水及びその他の極性分子に対する皮膚の浸
透
性が約2ないし3倍に増加することになる。
従って、洗浄、作業、及び休養のときに皮膚が受けることがある有害な相互作
用にも拘らず、角質層をそのバリア及び保水機能として最適性能を保つように役
立てる組成物を求めるニーズがある。
例えば、SagarinのCosmetics Science and Te
chnology、Wiley Interscience、第2版、第1巻(
1972年)、及びEncyclpedia of Chemical Tech
nology、第3版、第7巻に記載されている慣用の化粧品クリーム及びロー
ション組成物は、皮膚軟化作用、バリア及び保水(皮膚に潤いを与える)につい
ていろいろな程度の効果をもたらすことが知られるている。しかしながら、これ
らの組成物は、皮膚の感触、皮膚の弾力性(皮膚のしなやかさ)について好まし
くないこと(即ち、皮膚に柔らかさや滑らかさの効果を付与しない)、しかも皮
膚への擦り込みが劣り、そして皮膚の中への吸収も遅いという欠点を示すことが
ある。
従って、角質層にその水分勾配を保持させるのに役立つが、皮膚の感触、皮膚
の柔らかさ、及び皮膚の滑らかさ、皮膚の弾力性(皮膚のしなやかさ)を改良し
、皮膚への吸収を高める組成物を求めるニーズが残っている。
ポリオール脂肪酸ポリエステル化合物は、スキンケア組成物で使用することは
公知である。例えば、ヨーロッパ特許公開公報第A-458600号、ヨーロッ
パ特許公開公報第A-466410号、ヨーロッパ特許公開公報第A-51972
7号及びヨーロッパ特許公開公報第A-587288号は、スキンケア組成物で
使用するためのポリオール脂肪酸ポリエステル化合物を含む組成物を開示してい
る。
更に、えんばく(oat)タンパク質及び小麦タンパク質のようなタンパク質
化合物が、皮膚に滑らかさと柔らかさをもたらすスキンケア組成物て使用される
ことも知られている。
驚くべきことに、化粧用エマルジョン組成物の中に特定のポリオール脂肪酸ポ
リエステル物質と一緒にタンパク質成分を組み入れると、皮膚のしなやかさ、皮
膚の感触、皮膚の柔らかさそして皮膚の滑らかさの効果を高める組成物が得られ
ることを今回見出した。本明細書の組成物は、優れた湿潤作用、擦り込み及び吸
収特性をも付与する。発明の要約
本発明の1つの局面によると、次のものを含む、皮膚又は毛髪に局所塗布する
ための化粧品組成物が得られる:
(a)約0.1から約10重量%のタンパク質含有タンパク質成分;
(b)ポリオール部分及び少なくとも4個のカルボン酸部分を有する約0
.1から約20重量%の液体ポリオールカルボン酸エステルを含有し;ここで、
前記ポリオール部分は約4から約8個のヒドロキシル基から選ばれ、各カルボン
酸部分は約8から約22個の炭素原子を有し、かつ前記液体ポリオールカルボン
酸エステルは約30℃未満の完全な融点を有する。
本発明の組成物は、皮膚の弾力性、皮膚のしなやかさ、皮膚の感触、皮膚の柔
らかさ、及び皮膚の滑らかさの各効果を高めおよび/または擦り込み/吸収特性
を高める。
本発明の更なる局面によると、本発明による組成物を皮膚に塗布することから
なる皮膚のトリートメントの化粧方法が得られる。
発明の詳細な記載
本発明の組成物は、必須のタンパク質成分ばかりでなく後記の種々の選択的成
分と一緒に液体ポリオールカルボン酸エステルを含む。濃度及び比率は、別に明
記しない限り、組成物全体の重量による。エトキシ化の鎖の長さ及び程度も重量
平均を基準として規定している。
本明細書で使用する“皮膚コンディショニング剤”という用語は、“皮膚コン
ディショニング効果”を発現させる物質を意味する。本明細書で使用するように
、“皮膚コンディショニング効果”の用語は、皮膚に潤いを与え、皮膚の湿潤化
(即ち、皮膚の中て水及び湿分を保持する能力)、皮膚の軟化作用、皮膚表面の
外観の改良、皮膚の鎮静、皮膚の柔らかさ、皮膚の感触の改良等を含めるが、こ
れらに限定はされず、皮膚に対するあらゆる化粧コンディショニング効果を意味
する。
本明細書で使用する“完全な融点”という用途は、示差走査熱量法(DSC)
という公知の方法によって測定した融点を意味する。完全な融点は、ベースライ
ン、即ち比熱線が吸熱ピークの末端部で接線と交差する温度である。本発明で完
全な融点を測定するには、5℃/分の走査温度が概ね適している。しかしながら
、特定の環境では当業界の分析化学者によって適切であると考えられるより速い
走査速度を認めるべきである。完全な融点を測定するDSCについては、引用し
て本明細書に組み入れられている、1994年4月26日に発行された、Let
ton等の米国特許第5,306,514号にも記載されている。
本明細書で使用する“非吸蔵性”という用語は、前述の成分が、皮膚表面を通
る空気及び水分の通路を実質的に又は遮断しないことを意味する。液体ポリオールカルボン酸エステル
必須成分として、本明細書の組成物は液体ポリオールカルボン酸エステルを含
む。
本発明の組成物は、重量で、好ましくは約0.01%から約20%、更に好ま
しくは約0.1%から約15%、そして特には、約1%から約10%のポリオー
ルエステルを含む。本組成物の中のポリオールエステルの濃度は、油の重量で、
好ましくは約1%から約30%、更に好ましくは約5%から約20%である。皮
膚の柔らかさ及び滑らかさの効果を高める観点から、液体ポリオールカルボン酸
エステルと皮膚軟化剤物質の比は、約5:1から約1:5の範囲、更に好ましく
は2:1から1:2の範囲にある。
本明細書で使用するのに適するポリオールエステルは、非吸蔵性液体又は液化
性ポリオールカルボン酸エステルである。これらのポリオールエステルは、ポリ
オール基又は部分と、1個以上のカルボン酸基又は部分から得られる。換言する
と、これらのエステルは、ポリオールから誘導される部分とカルボン酸から誘導
される1個以上の部分を含む。これらのカルボン酸エステルは、カルボン酸から
誘導することも出来る。カルボン酸と脂肪酸と言う用語は、当業者によって互換
的に使用されることが多いので、これらのカルボン酸エステルをポリオール脂肪
酸エステルと呼ぶことも出来る。
本発明で使用するのに好ましい液体ポリオールエステルは、少なくとも4個の
脂肪酸基でエステル化された或る種のポリオール、特に糖又は糖アルコールを含
む。従って、ポリオール出発物質は少なくとも4個のエステル化可能なヒドロキ
シル基を持たなければならない。好ましいポリオールの例は、単糖と二糖を含め
て、糖と糖アルコールである。4個のヒドロキシル基を含む単糖の例は、キシロ
ースとアラビノース、及びキシロースから誘導されて5個のヒドロキシル基を有
する糖アルコール、即ちキシリトールが挙げられる。単糖であるエリスロースは
、ヒドロキシル基が3個しかないので、本発明の実施には適していないが、エリ
スロースから誘導された糖アルコールであるエリトリトールは4個のヒドロキシ
ル基を含んでおり、従って使用することが出来る。5個のヒドロキシル基含有の
好適な単糖には、ガラクトース、フラクトース及びソルボースが挙げられる。ス
クロースばかりでなくグルコースとソルボースの加水分解生成物から誘導される
6個の-OH基を含む糖アルコール、例えばソルビトールも好適である。使用出
来る二糖ポリオールに例には、マルトース、ラクトース、及びスクロースが挙げ
られる。これらは全て8個のヒドロキシル基を含む。
本発明で使用するのに適するポリエステルを製造するのに好ましいポリオール
は、エリトリトール、キシリトール、ソルビトール、グリコール、及びスクロス
から成る群から選ばれる。スクロースが特に好ましい。
4個以上のヒドロキシル基を有するポリオール出発物質は、4個以上の-OH
基を、約8から約22個の炭素原子を有する脂肪酸でエステル化される。このよ
うな脂肪酸の例には、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミ
リストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、スレアリン酸、オレイン酸
、リシノレイン酸、リノレイン酸、リノレニン酸、エレオステアリン酸、アラキ
ジン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、及びエルシン酸が挙げられる。これらの脂肪
酸は、天然又は合成脂肪酸から誘導することが出来;位置異性体及び幾何異性体
を含む飽和又は不飽和脂肪酸が可能である。しかしながら、本明細書で使用する
の
に好ましいポリエステルを得るには、ポリエステル分子に組み入れられる脂肪酸
の少なくとも約50重量%が不飽和型であるべきである。オレイン酸及びリノー
ル酸、並びにそれらの混合物が好ましい。
本明細書で有用なポリオール脂肪酸ポリエステルは、少なくとも4個の脂肪酸
エステル基を含むべきである。ポリオールのヒドロキシル基の全てを必ずしも脂
肪酸で再ステル化する必要はないが、このポリエステルの非エステル化ヒドロキ
シル基の数は2個以下が好ましい。最も好ましいのは、ポリオールの実質的に全
てのヒドロキシル基が脂肪酸でエステル化されること、即ち、ポリオール部分は
実質的に完全にエステル化されることである。ポリオール分子にエステル化され
た脂肪酸は同じ酸でも混合酸でもよいが、前述のように、十分な量の不飽和酸エ
ステル基が、液体性を発現するために存在しなければならない。
上記の諸点を説明すると、スクロース脂肪酸トリエステルは、必要な4個の脂
肪酸エステル基を含まないので本明細書で使用するのに適当ではない。スクロー
ステトラ-脂肪酸エステルは好適であろうが、2個を越える非エステル化ヒドロ
キシル基の数を有するので好ましくはない。スクロースヘキサ-脂肪酸エステル
は、非エステル化ヒドロキシル基の数が2個以下なので適している。ヒドロキシ
ル基が全て脂肪酸によりエステル化されている極めて好ましい化合物には、液体
のスクロースオクタ-置換型脂肪酸エステルが挙げられる。
次は、本明細書で使用するのに適する少なくとも4個の脂肪酸エステル基を含
む、具体的なポリオール脂肪酸ポリエステルの非限定的例である:グルコーステ
トラオレエート、(不飽和)大豆油脂肪酸のグルコーステトラエステル、混合大
豆油脂肪酸のマンノーステトラエステル、オレイン酸のガラクトーステトラエス
テル、リノール酸のアラビノーステトラエステル、キシローステトラリノレエー
ト、ガラクトースペンタオレエート、ソルビトールテトラオレエート、不飽和大
豆油脂肪酸のソルビトールヘキサエステル、キシリトールペンタオレエート、ス
クローステトラオレエート、スクロースペンタオレエート、スクロースヘキサオ
レエート、スクロースペプタオレエート、スクロースオクタオレエート、及びそ
れらの混合物。
前述のように、極めて好ましいポリオール脂肪酸ポリエステルは、脂肪酸が約
14から約18個の炭素原子を有するエステルである。
本明細書で使用するのに好ましい液体ポリオールエステルの完全な融点は、約
30℃未満、好ましくは約27.5℃未満、更に好ましくは約25℃未満である
。本明細書で報告されている完全な融点は、示差走査熱量法(DSC)によって
測定する。
本明細書で使用するのに適するポリオール脂肪酸ポリエステルは、当業者には
公知の種々の方法で調製出来る。これらの方法には、種々の触媒を用いたメチル
、エチル、又はグリセロール脂肪酸エステルによるポリオールのエステル交換反
応;脂肪酸クロリドによるポリオールのアシル化;脂肪酸無水物によるポリオー
ルのアシル化;脂肪酸それ自身によるポリオールのアシル化が挙げられる。米国
特許第2,831,854号;1977年1月25日に発行された、Jandac
ekの米国特許第4,005,196号;1977年1月25日に発行された、J
andacekの米国特許第4,005,196号を参照されたい。タンパク質成分
本明細書の組成物の第2必須成分はタンパク質成分である。本明細書で使用す
るのに好ましいのタンパク質成分には、皮膚又は毛髪へ局所塗布するために使用
するのに適するタンパク質を含むあらゆるタンパク質又は物質が挙げられる。本
明細書タンパク質成分には、タンパク質を、例えば、炭水化物、単糖及び多糖の
ような別の成分も一緒にタンパク質を含む野菜及び動物源から抽出される物質が
挙げられる。本明細書で使用するように“タンパク質”という用語は、天然タン
パク質も加水分解されたタンパク質も含めて使用され、従って、厳密に言うと、
いわゆるタンパク質もポリペプチド、ペプチド及びペプトンも含まれる、後者は
全て加水分解されたタンパク質として分類することが出来る。本明細書で使用す
るタンパク質の重量平均分子量は、約10,000から約150,000ドルト
ン、好ましくは約20,000から約100,000ドルトン、好ましくは約2
0,000から約40,000ドルトンである。本明細書で使用するのに適する
タンパク質成分には、動物由来タンパク質物質、及び野菜由来タンパク質物質並
びにそれらの混合物が挙げられる。
好適な動物由来タンパク質成分には、コラーゲン、エラスチン、アルブミン、
ケラチン、カゼイン及びそれらの混合物が挙げられる。動物由来タンパク質の市
販品の例は、Egg Albumin(Henningson Foods,In
c.,(住所:2Corporate Plc.Drive,White Pla
ins,NY 10604)、Collagen Lyophilized及びC
ollagen SPO(両者ともGattefose SA.(住所:BP S
aint Priest Codex,69804、Saint Priest C
odex,フランス国))が挙げられる。
野菜由来タンパク質物質は、タンパク質に加えて、炭水化物、糖タンパク質、
糖質、複合糖(例えば、スクロース、マルトース及びフルクトース)、単糖、及
び多糖のような植物の中に広く見られる別の物質を含むことがある植物から抽出
されるタンパク質物質である。しかしながら、本明細書で使用するのに特に好適
な野菜由来タンパク質のタンパク質物質は、約5g/L超の、好ましくは約20
g/L超の、更に好ましくは約40g/L超のタンパク質含量を有するタンパク
質物質である。好適な野菜由来タンパク質物質には、エンバクタンパク質、小麦
タンパク質、加水分解されたアーモンドタンパク質、大豆タンパク質及びそれら
の混合物が挙げられる。市販の野菜由来タンパク質物質の例は、小麦タンパク質
であるTensine(Silab)、エンバクタンパク質であるReduct
ine(Silab)、及びアーモンドタンパク質であるAmanduline
(Silab)が挙げられる。
本明細書で使用するのに好ましいのは、約40g/L超のタンパク質含量を有
する野菜由来タンパク質物質である。皮膚の弾力性としなやかさを高めるために
、液体ポリオールカルボン酸エステルと組み合わせて本明細書の組成物で使用す
る特に価値あるタンパク質は、小麦タンパク質である。
タンパク質成分は、組成物の重量で、約0.1%から約10%、好ましくは約
1%から約10%、特に約1%から約5%の濃度で存在する。選択的成分
本組成物はあらゆる好適な目的に使用出来る。特に、本組成物は、皮膚又は毛
髪への局所塗布に好適である。特に、スキンケア組成物は、クリーム、ローショ
ン、ゲル等の形が可能である。好ましくは、本明細書の化粧品組成物は、水性連
続相の中の1種類以上の油相の水中油型エマルジョンの形であり、各油相は、単
一の油性成分又は混和又は均一な状態で油性成分の混合物を含むが、前記の各油
相は、互いに異なる物質又はそれらの物質の組み合わせ物を含む。本発明の組成
物の油相成分の総濃度は、重量で、約0.1%から約60%、好ましくは約1%
から約30%、そして更に好ましくは約1%から約10%であるのが好ましい。
本組成物は、油相の全部もしくは一部又は前述の油相として、架橋ポリオルガ
ノシロキサンポリマー及びシリコーン油を含む第1のシリコーン含有相を含むの
が好ましく、この本組成物は、組成物の重量で、約0.1%から約20%、好ま
しくは約0.5%から約10%、更に好ましくは約0.5%から約5%の架橋シ
リコーンとシリコーン油の組み合わせ物を含む。
第1のシリコーン含有相は、第1のシリコーン相の重量で約10%から約40
%、好ましくは約20%から約30%の架橋ポリオルガノシロキサンポリマー、
及び第1シリコーン相の重量で、約60%から約90%、好ましくは約70%か
ら約80%のシリコーン油を含む。
架橋ポリオルガノシロキサンポリマーは、架橋剤により架橋されたポリオルガ
ノシロキサンポリマーを含む。本明細書で使用する架橋剤には、架橋シリコーン
の調製に有用なあらゆる架橋剤が挙げられる。好適な架橋剤には、次の一般式で
表されるものが挙げられる:
[式中、R1はメチル、エチル、プロピル又はフェニル、R2はH又は-(CH2)n
CH=CH2であり(nは約1から約50の範囲にある)、zは約1から約10
00、好ましくは約1から約100の範囲にある、そしてRは1から50個の炭
素原子を有するアルキル基である]。
好ましくは架橋剤は次の一般式を有する:[式中、R1、R2及びzは上記で定義された通りである]。
特に好ましい実施態様では、架橋剤は次の一般式を有する:
[式中、zは約1から約1000、好ましくは約1から約100の範囲にある]
。
架橋ポリシロキサンポリマーは、架橋ポリシロキサンポリマーの重量で好まし
くは約10%から約50%、更に好ましくは約20%から約30%の架橋剤を含
む。
スキンケア組成物で使用するのに好適ないずれのポリオルガノシロキサンポリ
マーも本明細書出来る。本明細書で使用するポリオルガノシロキサンポリマーに
は次の一般式で表されるものが挙げられる:
[式中、R1はメチル、エチル、プロピル又はフェニル、R2はH又は-(CH2)n
CH=CH2(nは約1から約50の範囲にある)、R3及びR4は独立してメチ
ル、エチル、プロピル及びフェニルから選ばれ、Rは1から50個の炭素原子を
有する必要に応じてヒドロキシル置換されたアルキル基、好ましくは1から5個
の炭素原子を有するアルキル基、更に好ましくは1から2個の炭素原子を有する
アルキル基のような末端ギャップ(endgap)であり、pは約1から約20
00、好ましくは約1から約500の範囲の整数であり、qは約1から約100
0、好ましくは約1から約500範囲の整数である]。
好ましい実施態様では、ポリオルガノシロキサンは、次の一般式を有するポリ
マーから選ばれる:
[式中、R1、R2、R3、R4、p及びqは上記で定義された通りである]。
本明細書で定義されるように、p及びqはポリマー鎖のSi-O結合の数を反
映して、R1、R2、R3、及びR4は、1つのモノマー単位から次のモノマー単位
へ移るのに変化しても良い。例えば、本明細書で使用するのに適するポリオルガ
ノシロキサンポリマーには、メチルビニルジメチコン、メチルビニルジフェニル
ジメチコン及びメチルビニルフェニルメチルジフェニルジメチコンが挙げられる
。
ポリオルガノシロキサンポリマーと架橋剤の間に架橋を作るためには、(-S
i-H)基を-Si-(CH2)nCH=CH2基と架橋させなければならないので、
或る特定の架橋の場合、R2基はポリオルガノシロキサンポリマーと架橋剤とで
は相違したものでなければならない。例えば、或る特定の架橋の場合、ポリオル
ガノシロキサンポリマーの中でR2が-(CH2)nCH=CH2の場合、架橋剤で
はR2基はHでなければならないし、或いはその逆でなければならない。しかし
ながら、
ポリオルガノシロキサンポリマーと架橋剤の各々について、R2の混合物も可能
である。
好ましい実施態様では、ポリオルガノシロキサンポリマーは次の一般式を有す
るアルキルアリ-ルポリシロキサンポリマーから選ばれる:[式中、R2は-CH=CH2又はHから選ばれ、好ましくは-CH=CH2であり
、そしてlは約1から約1000、好ましくは約1から約500の範囲の整数で
あり、mは約0から約1000、好ましくは約0から約500の範囲の整数であ
り、nは約1から約1000、好ましくは約1から約100の範囲の整数である
]。
特に好ましい実施態様では、ポリオルガノシロキサンポリマーは次の一般式を
有するアルキルアリールポリシロキサンポリマーから選ばれる:
[式中、l、m及びnは上記で定義された通りである。好ましい実施態様ではm
は約1から約1000、好ましくは約200から約800の範囲にある]。
第1のシリコーン含有相はシリコーン油も含む。スキンケア組成物で使用する
のに適する直鎖、分岐鎖及び環式のあらゆるシリコーンが本明細書で使用出来る
。シリコーン油は揮発性でも非揮発性でもよい。本明細書で使用するのに好適な
シリコーン油には、約100,000以下、好ましくは約50,000以下の重
量平均分子量のシリコーン油が挙げられる。シリコーン油は、約100から約5
0,000、好ましくは約200から約40,000の範囲の重量平均分子量の
シリコーン油から選ばれるのが好ましい。好ましい実施態様では、シリコーン油
は、ジメキコン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテト
ラシ
ロキサン及びフェニルメチコン、並びにそれらの混合物から選ばれる、フェニル
メチコンが最も好ましい。
第1のシリコーン含有相で使用するのに適する物質は、Shinetsu C
hemical Co.,Ltd,から供給される商品名KSG、例えばKSG-
15、KSG-16、KSG-17、KSG-18で入手できる。これらの物質は
、架橋ポリオルガノシロキサンポリマーとシリコーン油の組み合わせ物を含む。
有機両親媒性界面活性剤と組み合わせて本明細書で使用するのに特に好ましいの
はKSG-18である。KSG-15、KSG-16、KSG-17、及びKSG-
18に対して指定されたINCI名は、夫々、シクロメチコンジメチコン/ビニ
ルジメチコン=クロズポリマー、ジメチコンジメチコン/ビニルジメチコン=クロ
スポリマー、シクロメチコンジメチコン/ビニルジメチコン=クロスポリマー、
及びフェニルトリメチコンジメチコン/フェニルビニルジメチコン=クロスポリ
マーである。
本明細書の組成物は、第2の非架橋シリコーン含有相も含むのが好ましい。好
ましい実施態様では、第2のシリコーン含有相は、組成物の重量で、約0.1%
から約20%、特に約0.1%から約10%の濃度で含む。
本明細書の第2のシリコーン含有相で使用するのに適するシリコーン流体には
、非揮発性のポリアルキル及びポリアリールシロキサンゴムと流体、揮発性環式
及び直鎖ポリアルキルシロキサン、ポリアルコキシル化シリコーン、アミノ及び
第四級アンモニウム変性シリコーン、及びそれらの混合物を含めて水不溶性シリ
コーンが挙げられる。
好ましい実施態様では、第2のシリコーン含有相は、シリコーンゴム又はシリ
コーンゴムを含むシリコーンの混合物が挙げられる。本明細書で使用するように
“シリコーンゴム”という用語は、約200,000超の、好ましくは約200
,000から約400,000の範囲の質量平均分子量を有する高分子量シリコ
ーンベースの流体を意味する。一般的に、シリコーン油相の分子量は、約200
,000未満である。通常、シリコーンゴムの25℃における粘度は約1,00
0,000mm2/秒超である。シリコーンゴムには、1979年5月1日に発
行された、Spitzer等の米国特許第4,152,416号、及びNo11、
Walt
erのChemical and Technology of Silicone
s、にニューヨークのAcademic Pressから発行、1968年、を
含めて、Petrarch及びその他の人によって記載されたジメチコンが挙げ
られる。シリコーンゴムは、General Electric Silicon
e Rubber Product Data Sheets SE30、SE33
、SE54、及びSE76にも記載されている。
本明細書で使用するシリコーンゴムには、スキンケア組成物で使用するのに適
するあらゆるシリコーンゴムが挙げられる。本明細書で使用するのに適するシリ
コーンゴムは、ジメチコノール、フロロシリコーン及びジメチコン並びにそれら
の混合物から選ばれる、約200,000から約4,000,000の分子量を
有するシリコーンゴムである。
本明細書で使用するのに適するジメチコーノールベースのシリコーンは次の化
学式(II)を有し:
HO(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]n(CH3)2SiOH
[式中、nは約2,000から約40,000、好ましくは約3,000から約
30,000である]。
本明細書で有用な代表的なフロロシリコーンは、約200,000から約30
0,000、好ましくは約240,000から約260,000、最も好ましく
は約250,000の分子量を有することが可能である。
シリコーンゴムの具体的な例には、ポリジメチルシロキサン、(ポリジメチル
シロキサン)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサ
ン)(ジフェニル)(メチルビニルシロキサン)コポリマー及びそれらの混合物
が挙げられる。
本明細書で使用するシリコーンゴムは、シリコーンの混合物の一部として組成
物に組み入れることが出来る。このシリコーンゴムをシリコーンの混合物の一部
として組み入れる場合、このシリコーンゴムは、シリコーン混合物の重量で、約
5%から約40%、特に約10%から約20%の範囲にあるのが好ましい。シリ
コーン又はシリコーン混合物は、組成物の重量で、好ましくは約0.1%から約
20%、更に好ましくは約0.1%から約15%、そして特に約0.1%から約
10%を占める。
本明細書の組成物の第2のシリコーン含有相で使用するのに適するシリコーン
ゴムベースのシリコーン混合物には、次の成分から本質的に成る混合物が挙げら
れる:
(i)ジメチノコール、フロロシリコーン及びジメチコン並びにそれらの混
合物から選ばれる約200,000から約4,000,000の分子量を有する
シリコーン;及び
(ii)約0.65mm2/秒から約100mm2/秒の粘度を有するシリコ
ーンベースのキャリヤ、
この場合、(i)と(ii)の比は、約10:90から約20:80であり、前
記シリコーンゴムベースの成分の最終粘度は、約500mm2/秒から約10,
000mm2/秒である。
本明細書で使用するのに適するシリコーン基キャリヤにはある種のシリコーン
流体が挙げられる。これらのシリコーン流体には、ポリアルキルシロキサン、ポ
リアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、又はポリエーテルシ
ロキサンコポリマーのどれも可能である。これらの流体の混合物も幾つかの実施
態様において使用することが出来るし、好ましいとされる。
使用出来るポリアルキルシロキサン流体には、例えば、25℃で約0.65か
ら約600,000mm2/秒、好ましくは0.65から約10,000mm2/
秒の範囲の粘度を有するポリジメチルシロキサンが挙げられる。これらのシロキ
サンは例えば、General Electric CompanyからVisc
asil(登録商標)シリーズとして、及びDow CorningからDow
Corning200シリーズとして入手出来る。使用出来る本質的に非揮発性
アルキルアリールシロキサン流体には、例えば、25℃で約0.65から約30
,000mm2/秒の粘度を有するポリメチルフェニルシロキサンが挙げられる
。これらのシロキサンは、例えばGeneral Electric社からSF
1075メチルフェニル流体として、又はDow CorningからCosm
eti
c Grade Fluidとして入手出来る。本明細書で使用するのに適するも
のには、約3から約7個の(CH3)2SiOの部分を組み入れた環式構造を有す
るある種の揮発性環式ポリジメチルシロキサンもある。
粘度は、Dow Corning社の試験方法CTM0004、1970年7
月29日、に記載されている毛細菅ガラス粘度計により測定出来る。第2の流体
相−構成するシリコーンブレンド物の粘度は、約500mm2/秒から約100
,000mm2/秒、好ましくは約1000mm2/秒から約10,000mm2
/秒の範囲が好ましい。
本明細書の組成物で使用するのに特に好ましいシリコーンゴムベースの成分は
、約0.65ないし100mm2/秒の粘度を有するシリコーンキャリヤと組み
合わせた約200,000から約4,000,000の分子量を有するジメチコ
ノールガムである。このシリコーン成分の或る例は、Dow Corningか
ら入手出来るDow Corning Q2−1403、(5mm2/秒のジメチ
コン流体85%、ジメチコノール15%)、及びDow Corning Q2−
1401である。
本明細書の第2のシリコーン含有相で使用するのに適する別の部類のシリコー
ンには、少なくとも1個のポリジオルガノシロキサンセグメントと少なくとも1
個のポリオキシアルキレンセグメントを含むポリジオルガノシロキサン-ポリオ
キシアルキレンコポリマーが挙げられ、前記のポリジオルガノシロキサンポリマ
ーセグメントは、
RbSiO(4-b)/2
のシロキサン単位から本質的に成り、式中、コポリマーにおける全てのシロキサ
ン単位についてケイ素当たり約2個のR基の平均値があることを含めて、bは約
0から約3の値を有し、そしてRはメチル、エチル、ビニル、フェニル及びポリ
ジオルガノシロキサンセグメントと前記ポリオキシアルキレンセグメントを結合
する2価の基から選ばれる基を表し、全てのR基の少なくとも約95%はメチル
であること;前記ポリオキシアルキレンセグメントは少なくとも約1000の平
均分子量を有し、このセグメントは約0から約50モルパーセントのポリオキシ
プロピレン単位と、約50から約100モルパーセントのポリオキシエチレン単
位から成り、前記ポリオキシアルキレンセグメントの少なくとも1つの末端部分
は前記ポリジオルガノシロキサンセグメントに結合しており、前記ポリジオルガ
ノシロキサンセグメントに結合されていない前記ポリオキシアルキレンセグメン
トの全ての末端部分は停止基により満たされ;前記コポリマーにおけるポリジオ
ルガノシロキサンセグメントとポリオキシアルキレンセグメントの重量比は約2
から約8である。このようなポリマーは米国特許第4,268,499号に記載さ
れている。
本明細書で使用するのに好ましいのは、次の一般式を有するポリジオルガノシ
ロキサン-ポリオキシアルキレンコポリマーである:
[式中、x及びyは、ポリジオルガノ-シロキサンセグメントとポリオキシアル
キレンセグメントの重量比が約2から約8になるようにから選ばれ、a:(a+
b)のモル比は約0.5から約1であり、そしてRは水素;ヒドロキシル;メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ベンジルのようなアルキル;フェニルのような
アリール;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシのようなアルコキシ;ベ
ンジルオキシ;フェノキシのようなアリールオキシ;ビニルオキシ及びアリルオ
キシのようなアルケニルオキシ;アセトキシ、アクリルオキシ及びプロピオンオ
キシのようなアシルオキシ、及びジメチルアミノのようなアミノから選ばれる鎖
停止基である]。
このコポリマーの中のセグメントの数及び平均分子量は、このコポリマーの中
のポリジジオルガノシロキサンセグメントとポリオキシアルキレンセグメントの
重量比が好ましくは約2.5から約4.0になるようにする。
好適なコポリマーは、Wacker-ChemieGmbHから商品名Bel
sil(登録商標)(住所:Geschaeftsbereich S,Pos
tfachD-8000 Munich22)、及び、Th.Goldschmi
dt Ltd.(住所:Tego House,Victoria Road,R
uislip,Middlesex,H A40YL)からAbil(登録商標
)として入手できる、例えばBelsil(登録商標)6031及びAbil(
登録商標)B88183がある。本明細書で使用するのに特に好ましいコポリマ
ーには、ジメチコン/ジメチコンコポリオールというCTFAの名称を有するD
ow Corning DC3225Cが挙げられる。
好ましい実施態様では、第3の油相が、組成物の重量で、約0.1%から約1
5%、更に好ましくは約1%から約10%の量で存在する。第3の油相は、別個
の相でも、或いは第1のシリコーン相と第2のシリコーン相のどちらでも又はそ
の両方と一緒に1つの相を形成してもよい。第3の油相は別個の相であるのが好
ましい。
第3の油相は、鉱物油、野菜油及び動物油、脂肪とワックス、脂肪酸エステル
、脂肪族アルコール、脂肪酸及びそれらの混合物から選ばれる天然又は合成油の
ような非シリコーン系有機油を含むのが好ましく、これらの成分は皮膚軟化化粧
特性を発現させるのに有用である。第1の油相成分は、シリコーンを含まない成
分が好ましく、即ち、第1の油成分はシリコーンベースの物質の重量で約10%
以下、好ましくは5%以下しか含まない。この油相は、例えば最高約25%まで
、好ましくは僅かに約10%までの油相可溶性乳化剤成分を含むことが出来ると
理解されるだろう。このよう成分は、油相濃度及び所要のHLBを決める観点か
ら油相成分と見なされることはない。好ましい実施態様では、油相全体の所要H
LBは約8から約12、特に約9から約11であり、所要HLBは、油相の各成
分について個々の所要HLB値を合計し、油相のそのW/Wパーセンテージをか
け算することにより決められる(HLBシステムに関する次のICIを参照され
たい;1976年に最初に印刷され、1984年及び1992年5月に改訂され
たICI参考文献ref51/0010/303/15m)。
本明細書で使用するのに適する第1の油相成分には、例えば、必要に応じてヒ
ドロキシル置換されたC8−C50の不飽和脂肪酸とそのエステル、蜜ろう、ベヘ
ニルアルコールやセチルアルコールのような飽和及び不飽和脂肪族アルコール、
鉱油、ペトロラタム及びスクアレンのような炭化水素、脂肪族ソルビタンエステ
ル(1976年10月26日に発行された、Seidenの米国特許第3,98
8,255号を参照されたい)、ラノリン及びラノリン誘導体;アーモンド油、
ピーナッツ油、小麦麦芽油、あまに油、ホホバ油、あんず種油、くるみ油、やし
の実油、ピスタチオの実油、ごま種油、菜種油、カデ油、とうもろこし油、桃実
油、ケシの実油、松根油、ひまし油、大豆油、アボカド油、紅花油、ココナッツ
油、ハシバミの実油、オリーブ油、ぶどう種油、シアバター、ショリーバター、
及びひまわりの種油のような動物及び野菜トリグリセリド;ダイマー酸ジイソプ
ロピル、りんご酸ジイソステアリル、ダイマー酸ジイソステアリル及びトリマー
酸トリイソステアリルのようなダイマー酸及びトリマー酸のC1−C24エステル
が挙げられる。もう1つの好ましい油相成分はミリスチン酸ミリスチルである。
前記物質のなかで極めて好ましいのは、鉱油、ペトロラタム、不飽和脂肪酸及び
そのエステル、並びにそれらの混合物である。
本明細書で好ましい実施態様は、約0.1重量%から約10重量%の不飽和脂
肪酸又はエステルを含む。本明細書で使用するのに好ましい不飽和脂肪酸及びエ
ステルは、必要に応じてヒドロキシル置換C8−C50不飽和脂肪酸及びエステル
、特に、リシノレイン酸のエステルである。不飽和脂肪酸又はエステル成分は、
本明細書では組成物の皮膚の感触及び擦り込み特性を改良するには液晶形成乳化
剤と組み合わせると価値が出る。この観点で極めて好ましいのは、リシノレイン
酸セチルである。
本明細書の組成物の好ましい成分は、次式(I)を有する化合物:
[式中、R1はH又はCH3から選ばれ、R2、R3及びR4は独立してC1−C20の
直鎖又は分岐鎖アルキルから選ばれ、そしてxは1−20の整数である]、
及び次式(II)を有する化合物:
[式中、R5は必要に応じてヒドロキシ又はC1−C4アルキル置換ベンジルから
選ばれ、そしてR6はC1−C20の分岐鎖又は直鎖アルキルから選ばれる];
並びにそれらの混合物から選ばれる皮膚軟化剤物質である。
本明細書で使用するのに好ましいのは、一般式(I)及び(II)を有する皮膚
軟化剤が挙げられ、その場合、R1はHであり、R2、R3、R4は独立してC1−
C4直鎖アルキルから選ばれ、そしてxは、10ないし18であり、R5は非置換
ベンジルであり、R6はC12−C15のアルキルである。
前述のタイプの好適な皮膚軟化剤は、限定はされないが、イソステアリン酸メ
チル、イソステアリン酸イソプロピル、安息香酸C12−C15アルキルエステ
ル、ネオペンタン酸イソステアリルが挙げられる。
特に、皮膚の柔らかさや滑らかさを得るという観点から、本明細書て使用する
のに特に好ましいのはイソステアリン酸メチル、安息香酸C12−C15アルキ
ルエステ及びそれらの混合物である。
皮膚軟化剤物質は、本明細書の組成物の中で組成物の重量で、約0.1%から
10%、好ましくは約0.1%から約5%、特に約1%から約3%の濃度で存在
する。両親媒性界面活性剤
本明細書の組成物のもう1つの好ましい成分は、製品の中で又は製品を周辺温
度又はそれより高い温度で皮膚に塗布した時に、スメクチックな(smetic)リオト
ロピックな(lyotropic)結晶を形成出来る有機両親媒性界面活性剤である。この
両親媒性界面活性剤は約20℃から約40℃の範囲の温度で液晶を形成出来るの
が好ましい。この両親媒性界面活性剤はスメクチックなリオトロピック液晶を形
成出
来るのが好ましい。一旦、製品を皮膚へ塗布してしまったら、皮膚表面又は角質
層の上で液晶を見分けられなくてもよい。両親媒性界面活性剤は、重量で、約0
.1から約20%、約0.1から約10%の濃度で存在するのが好ましい。
本明細書で使用するのに適する液晶形成性両親媒性界面活性剤は、親水性基も
親油性基も含み、表面又は界面ての吸着に目立った傾向を示す、即ちこれらには
界面活性がある。本明細書で使用する両親媒性界面活性物質には、水性媒体中で
イオン化するかどうかに基づいて、非イオン性(無電荷)、アニオン性(負電荷
)、カチオン性(正電荷)及び両性(両電荷)が挙げられる。
文献では、液晶は異方性流体、物質の第4の状態、界面活性的会合構造又は中
間相とも呼ばれる。これらの用語は互換性をもって使われることがおおい。“リ
オトロピック”という用語は、水のような極性溶媒を含む液晶系を意味する。本
明細書で使用する液晶は、層状、六方晶、棒状、ベシクル構造又はそれらの混合
物が好ましい。
本発明の組成物で使用される液晶相はいろいろな方法で確認出来る。液晶相は
せん断力のもとで流動し、そして粘度はその等方性溶液相の粘度とは著しく異な
るという特徴がある。剛性のゲルはせん断力のもとでは液晶のように流動しない
。また、偏光顕微鏡で見ると、液晶は、例えば平坦な層状複屈折のような識別可
能な複屈折を示すのに対して、等方性溶液及び剛性のゲルを偏光のもとで見ると
、両方とも暗い視野を示す。
液晶を識別する別の好適な方法には、X線回折法、NMR分光法、及び透過型
電子顕微鏡法が挙げられる。
一般的に言うと、本明細書で使用するのに好ましい有機両親媒性界面活性剤は
、式X−Y(式中、Xは親水性、特に非イオン性部分を表し、Yは親油性部分を
表す)を有する液体、半固体又はワックス状の水分散性物質として説明出来る。
本明細書で使用するのに適する有機両親媒性界面活性剤には、約2から約12
、好ましくは約4から約8の範囲の重量平均HLB(親水性と親油性のバランス
)を有するものが挙げられる。
本明細書で使用するのに好ましい有機両親媒性界面活性剤は、オレイック、ラ
ノリック、テトラデシリック、ヘキサデシリック、イソステアリック、ラウリッ
ク、ココナッツ、ステアリック又はアルキルフェニルの各鎖のような約12から
約30個の炭素原子を有する長い飽和又は不飽和、分岐鎖又は直線状親油性鎖を
有する。液晶相を形成する両親媒性物質の親水性基が非イオン性基の場合は、オ
キシアルキル化の有無を問わないポリオキシエチレン、ポリグリセロール、ポリ
オールエステル、及び例えばポリオキシアルキル化ソルビトール又は糖エステル
を使用出来る。液晶相を形成する両親媒性界面活性剤の親水性基がイオン性基の
場合、親水性基としてレシチンで見られるホスファチジルコリン残基を使用する
と好ましい。
本明細書で使用するのに適する親水性部分は、次から選ばれる:
(1)次の式を有する直鎖又は分岐鎖ポリグリセロールのエーテル:
R-(Gly)n-OH
[式中、nは1から6の自然数であり、Rは12から30個の炭素原子の脂肪族
直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和鎖、ラノリンアルコールの炭化水素基及び長鎖
のアルファ-ジオールの2-ヒドロキシアルキル残基から選ばれ、そしてGlyは
グリセロール残基を表す];
(2)例えば、式、R1(C2R4O)xOH、のポリエトキシ化脂肪族アルコ
ール、[式中、R1はC12−C30の直鎖又は分岐鎖アルキル又はアルケニルであ
り、xは約0から約20、好ましくは約0.1から約6、更に好ましくは約1か
ら約4の平均値を表す];
(3)ポリオールエステル及びポリアルコキシ化ポリオールエステル、並び
にそれらの混合物であり、ポリオールは糖、C2−C6アルキレングリコール、グ
リセロール、ポリグリセロール、ソルビトール、ソルビタン、ポリエチレングリ
コール及びポリプロピレングリコールから選ばれるのが好ましく、そしてポリア
ルコキシ化ポリオールエステルはモル当たり約2から約20、好ましくは約2か
ら約4モルのアルキレンオキシド(特にエチレンオキシド)を含む;
(4)天然及び合成ホスホグリセリド、グリコリピド及びスフィンゴリピド
、例えばセレブロシド、セラミド及びレシチン。
本明細害で使用するのに適する両親媒性界面活性剤には、後記のC8−C30の
アルキル、及びアシル含有の両性、アニオン性、カチオン性及び非イオン性界面
活性剤が挙げられる。両性
N-アルキルアミノ酸(例えば、N-アルキルアミノ酢酸ナトリウム);N-ラ
ウロイルグルタミン酸コレステロールエステル(例えば、味の素のEldew
CL-301)。アニオン性
アシルグルタメート(例えば、N-ラウロイルグルタミン酸ジナトリウム);
サルコシネニト(例えば、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、Grace,Se
ppic);
タウレート(例えば、ラウリルタウリン酸ナトリウム、メチルココイルタウリン
酸ナトリウム);
カルボン酸及び塩(例えば、オレイン酸カリウム;ラウリン酸カリウム;10-
ウンデセン酸カリウム;11-(p-スチリル)-ウンデカン酸カリウム);
エトキシ化カルボン酸塩(例えば、カルボキシメチルアルキルエトキシレートナ
トリウム);
エーテルカルボン酸;
リン酸エステル及び塩(例えば、レシチン;DEA-oleth-10-ホスファ
ート);
アシルイセチオネート(例えば、2-ラウロイルオキシエタンスルホン酸ナトリ
ウム);
アルカンスルホネート(例えば、分岐型x-アルカンスルホン酸ナトリウム(x
/1));
スルホサクシナート例えば、
ジブチルスルホコハク酸ナトリウム、
ジ-2-ペンチルスルホコハク酸ナトリウム、
ジ-2-エチルブチルスルホコハク酸ナトリウム、
ジ-ヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、
ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム(AOT)、
ジ-2-エチルドデシルスルホコハク酸ナトリウム、
ジ-2-エチルオクタデシルスルホコハク酸ナトリウム、
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、
laurethスルホコハク酸ジナトリウム(MacKanate EI
,McIntyre Group Ltd.)
硫酸エステル(例えば、2-エチルヘプト-6-エニル硫酸ナトリウム;11-ヘネ
イコシル硫酸ナトリウム;9-ヘプタデシル硫酸ナトリウム)、
硫酸アルキル(例えば、MEA-ラウリルサルフェートのような、MEAアルキ
ルサルフェート)。カチオン性
アルキルイミダゾリン(例えば、アルキルヒドロキシエチルイミダゾリン、スレ
アリルヒドロキシエチルイミダゾリン(供給者:Akzo、Finetex及び
Hoechst));
エトキシ化アミン(例えば、PEG-nアルキルアミン、PEG-nアルキルアミ
ノプルピルアミン、ポロキサミン、PEG-ココポリアミン、PEG-15タロウ
アミン);
アルキルアミン(例えば、ジメチルアルキルアミン;ジヒドロキシエチルアルキ
ルアミンジオレエート)。
第四級塩;
アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩(例えば、ステアラコニウムクロリド
);
アルキルベタイン(例えば、ドデシルジメチルアンモニオアセテート、オレイル
ベタイン);
複素環アンモニウム塩(例えば、アルキルエチルモルホリニウムエトサルフェー
ト);
テトラアルキルアンモニウム塩(例えば、ジメチルジステアリル第四級アンモニ
ウムクロリド(Witco));
ビス-イソステアラミドプロピルヒドロキシプルピルジアンモニウムクロリド(
Scher Chemicals製のSchercoquat 21AP);
1,8-ビス(デシルジメチルアンモニオ)-3,6ジオクサオクタンジトシレー
ト。非イオン性界面活性剤
エトキシ化グリセリド;
モノグリセリド(例えば、モノオレイン;モノリノレイン;モノラウリン;1-
ドデカノイル-グリセロールモノラウリン;1,13-ドコセノイルグリセロール
モノエルシン)
ジグリセリド脂肪酸(例えば、Nisshin Oil Mills Ltd.が
分別したジグリセロールモノイソステアレートCosmol 41);
ポリグルセリルエステル(例えば、トリグリセロールモノオレエート(Grin
dsted TS-T122)、ジグリセロールモノオレエート(Grindst
ed TST-T101));
多価アルコールのエステル及びエーテル(例えば、スクロースココエート、セト
ステアリルグルコシド(Montanol、Seppic)、βオクチルグルコ
フラノシドエステル、C10−C16のようなアルキルグルコキシド(Henkel
));
リン酸のジエステル(例えば、ジオレイルリン酸ナトリウム);
アルキルアミドプロピルベタイン(例えば、ココアミドプロピルベタイン);
アミド(例えば、N-(ドデカノイルアミノエチル)-2-ピロリドン);
アミドオキシド;例えば、
1,1−ジヒドロペルフロロオクチルジメチルアミンオキシド、
ドデシルジメチルアミンオキシド、
2-ヒドロキシドデシルジメチルアミンオキシド、
2-ヒドロキシドデシル-ビス(2-ヒドロキシエチル)-アミンオキシド、
2-ヒドロキシ-4-オキサヘキサデシルジメチルアミンオキシド、
エトキシ化アミド(例えば、PEG-nアシルアミド);
アンモニオホスファート(例えば、ジデカノイルレシチン);
アミン(例えば、オクチルアミン);
アンモニオアミド例えば、
N-トリメチルアンモニオデカンアミデート、
N-トリメチルアンモニオドデカンアミデート、
アンモニオカルボキシレート例えば、
ドデシルジメチルアンモニオアセテート、
6-ジドデシルメチルアンモニオヘキサノエート、
ホスホン酸及びホスホン酸エステル及びアミド例えば、
メチル-N-メチル-ドデシルホスホンアミデート、
ジメチルドデシルホスホネート、
ドデシルメチルメチルホスホネート、
N,N-ジメチルドデシルホスホン酸ジアミド。
エトキシル化アルコール
ポリオキシエチレン(C8)例えば、
ペンタオキシエチレングリコールp-n-オクチルフェニルエーテル、
ヘキサオキシエチレングリコールp-n-オクチルフェニルエーテル、
ノナオキシエチレングリコールp-n-オクチルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレン(C10)例えば、
ペンタオキシエチレングリコールp-n-デシルフェニルエーテル、
デシルグリセリルエーテル、4-オキサテトラデカン-1,2-ジオール、
ノナオキシエチレングリコールp-n-デシルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレン(C11)例えば、
テトラオキシエチレングリコール=ウンデシルエーテル、
ポリオキシエチレン(C12)例えば、
3,6,9,13-テトラオキサペンタコサン1,11-ジオール、
3,6,10-トリオラドコサン-1,8-ジオール、
3,6,9,12,16-ペンタオキサオクタコサン-1,14-ジオール
、
3,6,9,12,15-ペンタオキサノナコサン-1,17-ジオール、
3,7-ジオキサノナデカン-1,5-ジオール、
3,6,12,15,19-ヘキサオキサヘントリアコンタン-1,16-
ジオール、
ペンタオキシエチレングリコールドデシルエーテル、
モナオキシエチレングリコール-p-n-ドデシルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレン(C14)例えば、
3,6,9,12,16-ペンタオクサオクタコサン-1,14-ジオール
、
3,6,9,12,15,19-ヘキサオキサトリアコンタン-1,17-
ジオール、
スルホンジイミン例えば、
デシルメチルスルホンジイミン、
スルホキシド例えば、
3-デシルオキシ-2-ヒドロキシプロピルメチルスルホキシド、
4-デシルオキシ-3-ヒドロキシブチルメチルスルホキシド
スルホキシイミン例えば、
N-メチルドデシルメチルスルホキシイミン。
本明細書で使用するのに好ましい有機両親媒性界面活性剤は、ポリオールエス
テル、ポリアルコキシポリオールエステル及びそれらの混合物から選ばれる親水
性部分を有し、ポリオールは、糖、C2−C6アルキレングリコール、グリセロー
ル、ポリグリセロール、ソルビトール、ソルビタン、ポリエチレングリコール及
びポリプロピレングリコールから選ばれるのが好ましく、そしてポリアルコキシ
ポリオールエステルは、ポリオールエステルのモル当たり約2から約20、好ま
しくは約2から約4モルのアルキレンオキシド(特にエチレンオキシド)を含み
、そしてオレイック、ラノリック、テトラデシリック、ヘキサデシリック、イソ
ステアリック、ラウリック、ココナッツ、ステアリック又はアルキルフェニル鎖
の
ような約12から約30個の炭素原子を有する長い飽和又は不飽和、分岐鎖又は
直線状親油性鎖から選ばれる親油性基部分を有する非イオン性両親媒性界面活性
剤である。
本明細書で使用するのに極めて好ましい有機両親媒性界面活性剤は、多価アル
コールエステル及びエーテルから選ばれる。本明細書で使用するのに特に好まし
い両親煤性界面活性剤は、糖エステル及びポリアルコキシ糖エステルである。
本発明で使用する糖エステルは、環式ポリヒドロキシ糖のハイドロカルビル及
びアルキルポリオキシアルキレンエステルとして分類され、糖部分に付いている
1個以上のヒドロキシル基はアシル又はポリオキシアルキレン基で置換されてい
る。ハイドロカルビル糖エステルは、酸又は酸ハロゲン化物を糖と一緒に加熱す
る、即ち、単純なエステル化反応による公知の方法で調製出来る。
糖エステルの調製に使用される糖には当業界で公知の単糖、二糖、オリゴ糖、
例えば右旋性及び左旋性のグルコース、フラクトース、マンノース、ガラクトー
ス、アラビノース、及びキシロースが挙げられる。代表的な二糖にはマルトース
、セリビオース、ラクトース、及びトレハロースが挙げられる。代表的な三糖に
は、ラフィノース及びゲンチアノースが挙げられる。二糖が本明細書で使用する
のに好ましく、特にスクロースである。
スクロースはその8個のヒドロキシル基の1個以上でエステル化して本明細書
で有用なスクロースエステルを得ることが出来る。エステル化剤とモル比1:1
でスクロースを化合させるとスクロースモノエステルが生成し、エステル化剤と
スクロースのモル比を2:1以上にすると、ジ-、トリ-、等のエステルが最高オ
クタエステルまで生成する。
本明細書で好ましい糖エステルは、エステル化剤:糖のモル比が1:1及び3
:1で糖をエステル化することにより調製されたもの、即ち、モノ-アシル及び
ジ-以上の高次のアシル化糖エステルである。特に好ましいのは、アシル置換基
が約8から約24、好ましくは約8から約20個の炭素原子、及び0、1又は2
の不飽和部分を含むモノ-、ジ-及びトリ-アシル糖エステル及びそれらの混合物
である。モノ-アシル及びジ-アシル糖エステルのなかでは、アシル基が約8から
約20
個の炭素原子を含む二糖、特にスクロースのそれぞれのエステルが特に好ましい
。本明細書で好ましい糖エステルは、スクロースココエート、スクロースモノオ
クタノエート、スクロースモノデカノエート、スクロースモノラウレート、スク
ロースモノミリステート、スクロースモノパルミテート、スクロースモノステア
レート、スクロースモノオレエート、スクロースモノリノレエート、スクロース
ジオレエート、スクロースジパルミテート、スクロースジステアレート、スクロ
ースジラウレート及びスクロースジリノレエート、並びにそれらの混合物である
。スクロースココエートが本明細書の組成物では特に有効であることが判ってい
る。モノアシル糖エステルと、ジ-、トリ-及び更に高次のアシル糖エステルとの
混合物では糖エステル混台物全体の重量で、モノ-及びジ-アシルエステルが、糖
エステル混合物全体の重量で好ましくは少なくとも約40%、更に好ましくは約
50%から約95%を含まれる。
本発明の組成物で使用するのに適する別の糖エステルは、1個のヒドロキシル
基がC8−C18アルキル基で置換され、そして糖分子の1個以上のヒドロキシル
基が[(CH2)x-O]y部分(式中、xは2から約4の整数、好ましくは2であ
り、そしてyは約1から約50、好ましくは8から30の整数のポリオキシアル
キレン置換基である)を含むエステル又はエーテル置換基により置換されている
アルキルポリオキシアルキレン糖エステルである。本明細書で特に好ましいのは
、ポリオキシアルキレン置換基が約8から約30のポリオキシエチレン基を含む
ポリオキシエチレン置換基である糖エステルである。ソルビタンが糖部分である
前記の物質は、商品名“Tweens”で市販されている。前記の混合エステル
は、先ず、モル比1:1でハイドロカルビル酸ハロゲン化物で糖をアシル化した
後、対応するポリオキシアルキレン酸ハロゲン化物又はアルキレンオキシドとの
反応によって所望の物質を生成させることにより調製することが出来る。ポリオ
キシアルキレン基が最高約20個のアルキレンオキシド基を含む二糖、特にスク
ロースの単純なポリオキシアルキレンエステルは本明細書で有用なもう1種類の
糖エステルである。この部類の好ましい糖エステルは、20モルのエチレンオキ
シドでエトキシ化されたソルビトールトリオレエートである。別のポリオールエ
ステ
ル、例えばグリセロールエステルと、糖エステルの混合物も本明細書で使用する
のに適するして、例えば、Palm Oil Sucroglyceride(R
hone-Poulenc)がある。
本明細書で使用するように、“レシチン”という用語は、ホスファチドという
物質を指している。天然ホスファチドも合成ホスファチドも使用出来る。ホスフ
ァチジルコリン又はレシチンは、リン酸及び2種類の脂肪酸、普通は16−20
個の炭素原子と、最高4個までの二重結合を有する長鎖飽和又は不飽和脂肪酸、
のコリンエステルでエステル化したグリセリンである。層状又は六方晶液晶を形
成出来る他のホスファチドは、レシチンの代わりも、又はレシチンと組み合わせ
て使用出来る。これらのホスファチドはレシチンのように2種類の脂肪酸とのグ
リセロールエステルであるが、コリンはエタノールアミン(セファリン)、又は
セリン(アミノプロピオン酸;ホスファチジルセリン)、又はイノシトール(ホ
スファチジルイノシトール)により置換されている。本明細書では、本発明のレ
シチンで例示されているが、本明細書別で別のホスファチドが利用出来ると理解
される。
種々のレシチンを使用出来る。American Lecithin Co.は
、Nattermann Phospholipid、Phospholipa
n 80及びPhosal 75を供給している。単独又はこれらと組み合わせて
使用出来る別のレシチンには:Central SoyaからのActifla
シリーズ、Centrocapシリーズ、Central Ca、Centro
lシリーズ、Centrolene、Centrolex、Centromix
、Centrophase及びCentrophilシリーズ;America
n LecithinからのAlcolec及びAlcolec439-C;Ca
nada PackersからのCanaspersa、American Le
cithinからのLexin K及びNatipide;並びにW.A.Cl
eary Co.からのL-Clearate、ClearateLV及びCle
arate WDがある。レシチンはエタノール、脂肪酸、トリグリセリド及び
その他の別の溶媒に溶解させて供給される。これらはレシチンの混合物であるの
が普通であり、
15から50%の範囲の溶液で供給される。
天然レシチンも合成レシチンも使用出来る。天然レシチンは、ひまわりの種、
大豆、紅花の種及び綿実のような脂肪種子から取り出すことが出来る。これらの
レシチンは精製工程で油から分離される。
有機両親媒性界面活性剤は、本発明の組成物の安定性と皮膚の感触を改良する
のに特に価値があることが判った。
この両親媒性界面活性剤は、組成物の重量で、約0.1から約20%、好まし
くは約0.1から約10%、そして更に好ましくは約0.1から約8%の量でこ
の組成物に組み入れるのが好ましい。
本明細書で極めて好ましいのは、ソルビタン又はソルビトール脂肪酸エステル
とスクロース脂肪酸エステルの混合物を主成分とする脂肪酸エステルブレンド物
であって、各例の脂肪酸は、好ましくはC8−C24、更に好ましくはC10−C20
である。皮膚に潤いを与えるという観点から好ましい脂肪酸エステル乳化剤は、
ソルビタン又はソルビトールC16−C20脂肪酸エステルとスクロースC10−C16
脂肪酸エステルとのブレンド物、特にソルビタンスレアレートとスクロースココ
エートのとブレンド物である。これはICIから商品名Arlatone212
1で市販されている。
本明細書の組成物の極めて好ましい成分は尿素であり、これは組成物の重量で
、約0.1から約20%、更に好ましくは約0.5から約10%、そして特に約
1から約5%の濃度で存在するのが好ましい。
好ましい実施態様では、有機両親媒性界面活性剤が存在する時は、油相及び有
機両親媒性界面活性剤は、この界面活性剤のクラフト点を超える温度(しかし約
60℃未満が好ましい)で水と予め混合して、尿素を加える前に液晶/油中水分
散系を形成させる。尿素は、両親媒性乳化剤界面活性剤やポリオール脂肪酸ポリ
エステルと組み台わせると水中油型スキンケアエマルジョン組成物の状態で皮膚
に目立った潤いと柔らかをもたらすのに本明細書では特に効果があることが判っ
ている。更に、驚くことには、尿素によって加水分解による劣化に対する安定性
が高まり、それによって組成物のpHを上げることが出来ることが判っている。
非吸蔵性モイスチャライザー、湿潤剤、ゲル化剤、中和剤、香料、着色剤及び
界面活性剤のような多種多様な必要に応じた成分を、本明細書のスキン組成物に
加えることが出来る。
本明細書の組成物は湿潤剤を含むことが出来る。本明細書で使用するのに適す
る湿潤剤には、ソルビトール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘ
キシレングリコール、エトシキ化グルコース誘導体、ヘキサントリオール、グリ
セリン、グリシン、ヒアルロン酸、アルギニン、Ajidew(NaPCA)、
水溶性ポリグリセリルメタクリレート潤滑剤及びパンテノールが挙げられる。本
明細書で好ましい湿潤剤は、グリセリン(時にはグリセロール又はグリセリンと
して知られている)である。化学的には、グリセリンは1,2,3-プロパント
リオールであり、市販品である。グリセリンの大量供給源は石鹸の製造である。
グリセリンは潤いを与える作用を高めるという観点から、本発明の組成物では特
に好ましい。ブチレングリコールも本明細書で使用するのに好ましい。潤いを与
える作用を高めるという観点から特に好ましいのはグリセリンと尿素の組み合わ
せ物である。
本組成物では、湿潤剤は、組成物の重量で、約0.1から約20%、更に好ま
しくは約1から約15%、そして特に約5から約15%の濃度で存在するのが好
ましい。
本発明の組成物で使用するのに適するポリグリセリルメタクリレート潤滑剤は
、Guardian Chemical Corporation(住所:230
Marcus Blvd.,Hauppage,N.Y.11787)から商品
名Lubrajel(登録商標)で市販されている。一般的に、Lubraje
lsは、ナトリウムグリセラートとメタクリル酸ポリマーとの反応により生成さ
れる水和物又は包接化合物として説明することが出来る。それ故に、この水和物
又は包接化合物は少量のプロピレングリコールを加えて安定化させると、こうし
て得られる生成物の水和が調整される。Lubrajelsは、多数のグレード
のグリセラート:即ち、ポリマーの比及び粘度を変えて販売されている。好適な
Lubrajelsには、Lubrajel TW、Lubrajel CG及び
Lubrajel MS、Lubrajel WA、Lubrajel DV及び
いわゆる、Lubrajel Oi1が挙げられる。
湿潤剤の少なくとも一部(組成物の最大約5重量%)は、微粒子状親油性又は
疎水性キャリヤ物質との混合物の形で組み入れることが出来る。キャリヤ物質及
び湿潤剤は水相と分散相のどちらにも加えてもよい。
このコポリマーは、効果的に皮膚に潤いを与える効果を出すのに役立つと同時
に輝きを少なくし、そして油を調整するのに特に価値がある。架橋疎水性ポリマ
ーは、コポリマー格子全体に均一に分散し、しかもコポリマー格子内に捕捉され
た少なくとも1種の活性成分を含むコポリマー格子の形態であるのが好ましい。
それとは別に疎水性ポリマーは、約50から500m2/g、好ましくは100
ないし300m2/gの範囲の表面積(N2、BET法)を有し、その中に吸着さ
れた活性成分を有する多孔質粒子の形態をとることが出来る。
架橋疎水性ポリマーは、約0.1から10重量%の量で存在して、外部水相に
組み入れられるのが好ましい。活性成分は、皮膚親和性油、皮膚親和性湿潤剤、
皮膚軟化剤、モイスチャライザー及び日焼け止め剤の1種以上の混合物が可能で
ある。1つの実施態様では、ポリマー物質は粉末の形であって、その粉末は粒子
の複合系である。粉末粒子系は、平均直径で約1ミクロン未満の単位粒子、平均
直径で約20ないし100ミクロンの範囲の寸法の溶融単位粒子の凝集物及び平
均直径で約200ないし1,200ミクロンの範囲の寸法の溶融凝集物のクラス
ターの集合体を形成する。
この実施態様の粉末物質は、架橋した“吸着後の”疎水性ポリマー格子として
広く表現出来る。固体でも液体でも又は気体の形であっても活性成分をこの粉末
は捕捉して、その中に分散するのが好ましい。格子は微粒子状であり、活性物質
で充填されされると、自由に流動する個々の固体粒子を構成する。格子は予め定
められた量の活性物質を含む。好適なポリマーは次の構造を有する:[式中、x及びyの比は80:20であり、R’は-CH2CH2-、そしてR”は
-(CH2)11CH3である]。
本疎水性ポリマーは、高度に架橋したポリマー、更に詳しくは、高度に架橋し
たポリメタクリレートコポリマーである。この物質はDow Corning C
orporation(住所:Midland,Michgan,USA)によ
って製造され、商品名POLYTRAP(登録商標)で市販されている。それは
、超軽量の自由流動性白色粉末であり、同時に、この粒子は自由流動性粉末の特
性を維持しながら親油性液体をハイレベルで、一方、親水性液体を或るレベルで
吸収することが出来る。この粉末構造体は、1ミクロン未満の単位粒子の格子で
構成されていて、この単位粒子は溶融すると20ないし100ミクロンの凝集物
となり、次いでこの集塊は緩くクラスター化して約200ないし約1200ミク
ロンの寸法のマクロ粒子、即ち集合体となる。このポリマー粉末はその重量の4
倍もの多くの流体、エマルジョン、分散液又は溶融固体を含むことが出来る。
ポリマー粉末上への活性成分の吸着は、ステンレススチールの混合ボウルとス
プーンを使って行なうことが出来、その場合、活性成分を粉末に加えたのち、ス
プーンを使って活性成分をポリマー粉末の中に丁寧に折り込む。低粘度流体は、
ポリマー入りの密封可能な容器に流体を加えて吸着させたのち、コンシステンシ
ーが得られるまで物質を転動させる。リボンブレンダー及びツインコーンブレン
ダーのような比較的精巧なブレンド装置を利用出来る。本明細書で使用するのに
好まじい活性成分はグリセリンである。好ましくは、湿潤剤:キャリヤの重量比
は約1:4から約3:1である。
高度に架橋したポリメタクリレートコポリマーとして、Microspong
es 5647も好適である。これは、約0.01から約0.05μmの気孔サ
イズと200−300m2/gの表面積を有する、架橋型疎水性ポリマーの概ね
球状粒子の形をとる。この場合も、このポリマーは前述のレベルの湿潤剤で充填
されるのが好ましい。
本発明の組成物は、好ましくは約0.01から約10%、更に好ましくは約0
.02から約2%、そして特に約0.02から約0.5%の濃度で親水性ゲル化
剤を含むことが出来る。このゲル化剤は少なくとも約4,000mPa.s、更
に好ましくは少なくとも約10,000mPa.s、そして特に少なくとも約5
0,000mPa.sの粘度(1%の水溶液、20℃、ブルックフィールドRV
T)を有するのが好ましい。
好適な親水性ゲル化剤は、一般的に水溶性ポリマー又はコロイド状水溶性ポリ
マーとして表現することが出来、このゲル化剤には、セルロースエーテル(例え
ば、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、グアーゴム、
ヒドロキシプロピルグアーゴム及びキサンタンゴムが挙げられる。
しかしながら、本明細書で好ましい親水性ゲル化剤は、B.F.Goodri
ch CompanyによってCarbopol樹脂の商標で市販されているア
クリル酸/エチルアクリレートコポリマー、及びカルボキシビニルポリマーであ
る。これらの樹脂は、例えば、ポリアリルスクロース又はポリアリルペンタエリ
スリトールのような0.75%から2.O%の架橋剤を用いて架橋されたアクリ
ル酸のコロイド状水溶性ポリアルケニルポリエーテル架橋ポリマーから実質的に
成る。例には、Carbopol 934、Carbopol 940、Carb
opol 950、Carbopol 954、Carbopol 980、Ca
rbopol 951及びCarbopol 981が挙げられる。Carbop
ol 934は、各スクロース分子に対して平均約5.8個のアリル基を有する
スクロースの約1%のポリアリルエーテルを用いて架橋されたアクリル酸の水溶
性ポリマー
である。最も好ましいポリマーはCarbopol 954である。商品名Ca
rbopol 1382、Carbopol 1342及びPemulen TR-
1(CTFA名称:アクリレート/10−30アルキルアクリレートのクロスポ
リマー)で市販されている両親媒性特性を有するアクリル酸の疎水性変性架橋ポ
リマーも、本明細書で使用するのに適している。ポリアルケニルポリエーテル架
橋アクリル酸ポリマーと疎水性変性架橋アクリル酸ポリマーの組み合わせ物も本
明細書で使用するのに適していて、好ましい。本明細書のゲル化剤は、常温でも
それより高温でも優れた安定性を発現させるのには特に価値がある。
本明細書の親水性ゲル化剤を含む酸性基を中和する際に使用するのに適する中
和剤には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、モノエタ
ノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンが挙げられる。
本発明の組成物はエマルジョン状であり、少なくとも約4,000mPa.s
、好ましくは約4,000から約300,0000mPa.s、更に好ましくは
約8,000から約200,0000mPa.s、そして特に約10,000か
ら約100,0000mPa.s、そして更に特別に約10,000から約50
,0000mPa.sの範囲の生成物粘度(25℃、純品、ブルックフィールド
RVT、No.5のスピンドル)を有するように配合するのが好ましい。
本発明の組成物は、約0.1%から約10%、好ましくは約1%から約5%の
パンテノールモイスチャライザーも含むことが出来る。パンテノールモイスチャ
ライザーは、D-パンテノール([R]-2,4-ジヒドロキシ-N-[3-ヒドロキシ
プロピル)]-3,3-ジメチルブタミド)、DL-パンテノール、パントテン酸
カルシウム、ローヤルジェリー、パンテチン、パントテイン、パンテニルエチル
エーテル、パンガム酸、ピリドキシン、パントイルラクトース及びビタミンB錯
体から選ぶことが出来る。スキンケア及び粘着性を下げる観点から極めて好まし
いのはD-パンテノールである。
本発明の組成物は、重量て、約0.001%から約0.5%、好ましくは約0
.002%から約0.05%、更に好ましくは約0.005%から約0.02%
のカルボシキメチルキチンを追加して含むこと出来る。キチンはロブスター及び
か
にの殻の中に存在する多糖であり、N-アセチル-D-グルコサミンのベータ(1
−4)結合を有するムコ多糖である。カルボキシメチルキチンは、精製キチン物
質を先ず、アルカリで、続いてモノクロル酢酸で処理することにより調製出来る
。それはA&E Connock Ltd.(住所:Fordingbridge
,Hampshire,England)から商品名Chitin Liqui
dで希釈(約0.1%ないし0.5重量%)水溶液の形で市販されている。
その他の選択的物質には、サリチル酸のような角質溶解剤/皮膚剥離剤;Ge
rmall 115、ヒドロキシ安息香酸のメチル、エチル、プロピル及びブチ
ルエステル、ベンジルアルコール、EDTA、Euxyl(登録商標)K400
、Bromopol(2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール)及びフ
ェノキシプロパノールのような約0.1%から約5%の濃度が好ましい水溶性又
は可溶性防腐剤;Irgasan(登録商標)及びフェノキシエタノ-ル(好ま
しくは約0.1から約5%の濃度で)のような抗菌剤;米国特許第4,076,6
63号に記載され、Celanese Superadsorbent Mate
rials(住所:Portsmith、VA、USA)から購入出来るSan
wet(登録商標)IM-1000、IM-1500及びIM-2500のような
ヒアルロン酸及びデンプングラフト化ポリアクリル酸ナトリウムのような可溶性
又はコロイド状の可溶性モイスチャライザー;ビタミンA、ビタミンC、ビタミ
ンE及びビタミンKなどのビタミン類;アルファ及びベータヒドロキシ酸;Gl
ydant plus(登録商標);アロエベラ;スフィンゴシン及びフィトス
フィンゴシン、コレステロール;皮膚漂白剤;N-アセチルシステイン;着色剤
;香料及び香料溶解剤、並びに脂肪族アルコールエトキシラート、エトキシ化ポ
リオール脂肪酸エステル、この場合ポリオールはグリセリン、プロピルグリコー
ル、エチレングリコール、ソルビトール、ソルビタン、ポリプロピレングリコー
ル、グルコース及びスクロースから選ぶことが可能であるのような追加の界面活
性剤/乳化剤が挙げられる。例には、グリセリルモノヒドロキシステアレート及
びアルコールモル当たり平均10から200モルのエチレンオキシドでエトキシ
化されたステアリルアルコール及びPEG−6カプリル/カプリングリセリドが
挙げられる。
本明細書では、日焼け止め剤も有用である。1992年2月11日に発行され
た、Haffey等の米国特許第5,087,445号;1991年12月17日
に発行された、Turner等の米国特許第5,073,372号;1991年1
2月17日に発行された、Turner等の米国特許第5,073,371号、及
びSegarin等のCosmetics Science and Techn ol
の第VIII章、189頁以降参照、に多種多様な日焼け止め剤が記載されてい
る。本明細書で有用な、これらの日焼け止め剤の中で好ましいのは、2-エチル
ヘキシルp-メトキシシンナメート、2-エチルヘキシルN,N-ジメチル-p-ア
ミノベンゾエート、p-アミノ安息香酸、2-フェニルベンゾイミダゾール-5-ス
ルホン酸、オクトクリレン、オキシベンゾン、ホモメンチルサリチレート、オク
チルサリチレート、4,4’-メトキシ-t-ブチルジベンゾイルメタン、4-イソ
プルピルジベンゾイルメタン、3-ベンジリデンカンファ、3-(4-メチルベン
ジリデン)カンファ、二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、酸化鉄、Parsol
MCX、Eusolex 6300、Octocrylene、Parsol
1789、及びそれらの混合物が挙げられる。
尚、別の有用な日焼け止め剤は、1990年6月26日に発行された、Sab
atelliの米国特許第4,937,370号;及び1991年3月12日に発
行された、Sabatelliの米国特許第4,999,186号に開示されてい
る。前記の明細書で開示された日焼け止め剤は、単一の分子中に、異なる紫外線
吸収スペクトルを表す2種類の別個の発色団を有する。これらの発色団のうちの
1種類は、主にUVB線領域で吸収があり、もう1種類の発色団はUVA線領域
で強く吸収する。これらの日焼け止め剤は慣用の日焼け止め剤と比較して効能が
高く、UV吸収の幅が広く、皮膚への浸透性は低く、しかも効能が長く持続する
。これらの日焼け止め剤のなかの特に好ましい例には、2,4-ジヒドロキシベ
ンゾフェノンの4-N,N-(2-エチルヘキシル)メチルアミノ安息香酸エステ
ル、4-ヒドロキシジベイゾイルメタンを含む4-N,N-(2-エチルヘキシル)
メチルアミノ安息香酸エステル、2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシエトキシ)
ベンゾフェノンの4-N,N-(2-エチルヘキシル)メチルアミノ安息香酸エス
テル、4-(2-ヒド
ロキシエトキシ)ジベイゾイルメタンの4-N,N-(2-エチルヘキシル)メチ
ルアミノ安息香酸エステル、及びそれらの混合物から選ばれるものが挙げられる
。
一般的に、日焼け止め剤は本明細書で有用な組成物の約0.5%から約20%
を含むことが出来る。正確な量は、日焼け止め剤及び所望の日光保護因子(SP
F)によって変動する。SPFは、紅斑を発症しないための日焼け止め剤の光保
護に関して普通に使用される尺度である。連邦官報第43巻166号、3820
6−38269頁、1978年8月25日を参照されたい。
本発明の組成物は、追加して約0.1から約5重量%のアルミニウムデンプン
オクテニルサクシナートも含むことが出来る。アルミニウムデンプンオクテニル
サクシナートは、オクテニルコハク酸無水物とデンプンとの反応生成物のアルミ
ニウム塩であり、National Starch&Chemical Ltd.
から商品名Dry Floで市販されている。 Dry Floは皮膚の感触及び
塗布特性の観点から本明細書で有用である。
本明細書のその他の選択的成分には、顔料が挙げられ、顔料が水不溶性の場合
、油相成分の総濃度に寄与し、それに含まれる。本明細書で使用するのに適する
顔料は、有機顔料および/または無機顔料が可能である。艷消し仕上げ剤のよう
な色又は光沢の弱い物質、及び光散乱剤も顔料という用語に含められる。好適な
顔料の例は、酸化鉄、アシグルタマート酸化鉄、ウルトラマリーンブルー、D&
C染料、カルミン、及びそれらの混合物である。組成物の種類によるが、顔料の
混合物が使用されるのが普通である。皮膚に潤いを与える作用、皮膚の感触、皮
膚の外観及びエマルジョン液親和性の観点から、本明細書で使用するのに好まし
い顔料は、薬品処理済みの顔料である。このような顔料は、アミノ酸、シリコー
ン、レシチン及びエステル油のような化合物で処理することが出来る。ビタミンB3成分
本発明の組成物は、また、安全でかつ有効な量のビタミンB3化合物も含むこ
とが出来る。本発明の組成物は、好ましくは約0.01%から約50%、更に好
ましくは約0.1%から約10%、更にもっと好ましくは約0.5%から約10
%、
なお、更に好ましくは約1%から約5%、最も好ましくは約2%から約5%のビ
タミンB3化合物を含む。
本明細書で使用するように、“ビタミンB3化合物”とは次の式を有する化合
物を意味する:
[式中、Rは、-CONH2(即ち、ナイアシンアミド)、-COOH(即ち、ニ
コチン酸)又は-CH2OH(即ち、ニコチニルアルコール);その誘導体;及び
前記のいずれかの塩である]。
前述のビタミンB3化合物の例示の誘導体には、ニコチン酸の血管非拡張性エ
ステルを含めたニコチン酸エステル、ニコチニルアミノ酸、カルボン酸ニコチニ
ルアルコールエステル、ニコチン酸N-オキシド及びナイアシンアミドN-オキシ
ドが挙げられる。
ニコチン酸の好適なエステルには、C1−C22、好ましくはC1−C16、更に好
ましくはC1−C6アルコールのニコチン酸エステルが挙げられる。これらのアル
コールは、直鎖又は分岐鎖、環式又は非環式、飽和又は不飽和(芳香族を含む)
及び置換又は非置換型が好ましい。このエステルは血管非拡張性であるのが好ま
しい。本明細書で使用するように、“血管非拡張性”は、本明細書のエステルが
皮膚に塗布された後で目視可能な血流の急増反応を普通は生じないことを意味す
る(そのような化合物は肉眼では見えない血管拡張を起こすかも知れないが、大
半の普通の人は目視可能な血流急増反応を経験しない)。ニコチン酸の血管非拡
張性エステルには、ニコチン酸トコフェロール及びヘキサニコチン酸イノシトー
ルが挙げられる。ニコチン酸トコフェロールが好ましい。
ビタミンB3化合物の別の誘導体は、アミド基の水素の1個以上の置換によっ
て得られるナイアシンアミドの誘導体である。本明細書で有用なナイアシン誘導
体の非限定的例には、例えば活性化ニコチン酸化合物(例えば、ニコチン酸アヂ
ド又はニコチニルクロリド)とアミノ酸との反応から誘導されるニコチニルアミ
ノ
酸、及び有機カルボン酸(例えば、C1−C18)のニコチニルアルコールエステ
ルが挙げられる。そのような誘導体の具体的例には、ニコチヌル酸(C8N8N2
O3)及びニコチニルヒドロキサム酸(C6H6N2O2)が挙げられ、これらは次
の化学構造を有する:
ニコチヌル酸:
ニコチニルヒドロキサム酸:
例示のニコチニルアルコールエステルには、カルボン酸、サリチル酸、酢酸、
グリコール酸、パルミチル酸等のようなニコチニルアルコールエステルが挙げら
れる。本明細書で有用なビタミンB3化合物のその他の非限定的例は、2-クロロ
ニコチンアミド、6-アミノニコチンアミド、6-メチルニコチンアミド、n-メ
チルニコチンアミド、n,n-ジエチルニコチンアミド、n-(ヒドロキシメチル
)-ニコチンアミド、キノリン酸イミド、ニコチンアニリド、9 n-ベンジルニ
コチンアミド、n-エチルニコチンアミド、ニフェナゾン、ニコチンアルデヒド
、イソニコチン酸、メチルイソニコチン酸、チオニコチンアミド、ニアラミド、
1-(3-ピリジルメチル)尿素、2-メルカプトニコチン酸、ニコモール及びニ
アプラジンである。
前記のビタミンB3化合物の例は当業界では公知であり、多数の供給源、例え
ばSigma Chemical Company(住所:St.Louis、M
O);ICNBiomedicals、Inc.(住所:Irvin、CA)及
びAldrich Chemical Company(住所:Milwauke
e、WI)からで市販されている。
1種以上のビタミンB3化合物を本明細書では使用してもよい。好ましいビタ
ミ
ンB3化合物は、ナイアシンアミド及びニコチン酸トコフェロールである。ナイ
アシンアミドがより好ましい。
ナイアシンアミドの塩、誘導体及び塩誘導体は、使用に際しては本明細書で開
示している皮膚の状態の調整方法でナイアシンアミドと同じ効能を実質的に持つ
ものが好ましい。
ビタミンB3化合物の塩も本明細書で有用である。本明細書で有用なビタミン
B3化合物の塩の非限定的例には、有機又は無機塩、例えばアニオン性無機種を
含む無機塩(例えば、塩化物、臭化物、ヨウ化物、炭酸塩、好ましくは塩化物)
、及び有機カルボン酸塩(モノ、ジ及びトリC1−C18カルボン酸塩、例えば酢
酸塩、サリチル酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩を含み
、好ましくは酢酸塩のようなモノカルボン酸塩)が挙げられる。ビタミンB3化
合物のこれらの塩及び別の塩は、例えば、引用して本明細書に組み入れられてい
る、W.Wennerの、“The Reaction of L-Ascorbi
c and D-Isoascorbic Acid with Nicotinic
Acid and Its Amide”、J.Organic Chemist
ry、14巻、22−26(1949)に記載されているように、当業者により
容易に調製することが出来る。Wennerは、ナイアシンアミドのアスコルビ
ン酸塩の合成を説明している。
好ましい実施態様では、ビタミンB3化合物の環にある窒素は実質的に化学的
に遊離しているか(例えば、結合されていないおよび/または束縛されていない
)、又は皮膚に届いた後で実質的に化学的に遊離する(“化学的に遊離する”と
いう用語は以後、“錯体を形成しない”という用途と互換性をもって呼ぶ)。ビ
タミンB3化合物は本質的に錯体を形成しないのが好ましい。従って、本組成物
がビタミンB3化合物を塩又はそうでなければ錯体の形で含む場合、そのような
錯体は皮膚に本組成物が届くときには、好ましくは実質的に可逆性であるか、更
に好ましくは本質的に可逆性である。例えば、そのような錯体は約5.0から約
6.0のpHで実質的に可逆性であるべきである。そのような可逆性は普通の当
業者によって容易に決めることが出来る。
ビタミンB3化合物は、皮膚に届く前に組成物の中で実質的に錯体を形成しな
いのが更に好ましい。望ましくない錯体の形成を最小限に抑えるか、又は防止す
る代表的な手法には、ビタミンB3化合物と実質的に不可逆的な錯体又は別の錯
体を形成する物質を排除すること、pHの調整、イオン強度の調整、界面活性剤
の使用、及びビタミンB3化合物やそれと錯体を形成する物質が異なる相に存在
するような配合が挙げられる。そのような手法は、充分に、普通の当業者のレベ
ル内にある。
従って、好ましい実施態様では、ビタミンB3化合物は、或る限られた量の塩
の形を含み、更に好ましくはビタミンB3化合物を実質的には含まない。好まし
くはビタミンB3化合物はそのような塩を約50%より少なくしか含まず、本質
的にそのような塩を含まないのが更に好ましい。約4から約7のpHを有する本
明細書の組成物の中のビタミンB3化合物は、一般的には塩の形で約50%より
少なく含む。
ビタミンB3化合物は、実質的に純粋な物質として、又は天然(例えば、植物
)の供給源から適当な物理的および/または化学的単離によって得られた抽出物
として含まれてもよい。ビタミンB3化合物は実質的に純粋であるのが好ましく
、本質的に純粋であるのが更に好ましい。レチノイド
好ましい実施態様では、本発明の組成物はレチノイドも含む。ビタミンB3化
合物及びレチノイドは、皮膚の状態の調整、特に皮膚の加齢の徴候、更に詳しく
は、しわ、筋、汗孔の治療的な調整に当たって予想外の効果を発揮する。理論に
拘束されたり或いは制約される積もりはなく、ビタミンB3化合物は或る種のレ
チノイドを、レチノイドの生物学的活性形であると考えられるトランス-レチン
酸へ転換することを増進し(即ち、レチノール、レチノールエステル及びレチナ
ールへの転換の増進)、皮膚の状態の相乗的調整をすると考えられる。加えて、
予想外に、ビタミンB3化合物は、レチノイドを局所塗布するからこそ伴うこと
がある、赤み、炎症、皮膚炎等を和らげる(“レチノイド皮膚炎”と呼ばれるこ
とがおおく、以
後互換的に呼ぶ)。更に、ビタミンB3化合物とレチノイドとを組み合わせると
、チオレドキシンの量及び活性を増加させる傾向があり、チオレドキシンはタン
パク質AP−1を介するコラーゲン発生濃度を増加させる傾向がある。従って、
本発明によって活性レベルが下がり、従って、レチノイド皮膚炎の可能性が減り
、同時にスキンコンディショニング効果を著しく高めことが出来る。加えて、高
レベルのレチノイドを用いても望ましくないレチノイド皮膚炎を発症することな
く、スキンコンディショニング効果を更に高めることが出来る。
本明細書で使用するように、“レチノイド”は、天然および/または合成ビタ
ミンA類似体、又は皮膚の中でビタミンAの生物学的活性を有するレチノール類
似の化合物ばかりでなく、これらの化合物の幾何異性体及び立体異性体を全て含
む。レチノイドは、好ましくは、レチノール、レチノールエステル(例えば、パ
ルミチン酸レチニル、酢酸レチニル、プロピオン酸レチニルを含む、レチノール
のC2−C22のアルキルエステル)、レチナール、および/またはレチン酸(全-
トランスレチン酸および/または13-シスルチン酸を含む)であり、更に好ま
しくはレチン酸以外のレチノイドである。これらの化合物は当業界では公知であ
り、多数の供給源、例えばSigma Chemical Company(住所
:St.Louis,MO)、及びBoerhinger Mannheim(
住所:Indianapolis、IN)からで市販されている。本明細書で有
用な別のレチノイドは、1987年7月30日に発行された、Parish等の
米国特許第4,677,120号;1989年12月5日に発行された、Pari
sh等の米国特許第4,885,311号;1991年9月17に発行された、P
urcell等の米国特許第5,049,584号;1992年6月23日に発行
された、Purcell等の米国特許第5,124,356号;及び1992年9
月22日にPurcell等に再発行された第34,075号に記載されている
。他の好適なレチノイドは、トコフェリル-レチノエート[レチン酸のトコフェ
ロールエステル(トランス型又はシス型)]、アダパレン{6-[3-(1-アダ
マンチル)-4-メトキシフェニル]-2-ナフトエ酸}、及びタザロテン(エチル
6-[2-(4,4-ジメチルチオクロマン-6-イル)-エチニル]ニコチネート)
である。本明細書では1
種類以上のレチノイドを用いることが出来る。好ましいレチノイドはレチノール
、パルミチン酸レチニル、酢酸レチニル、プロピオン酸レチニル及びそれらの組
み合わ物である。レチノール及びパルミチン酸レチニルが更に好ましい。
レチノイドは、実質的に純粋な物質として、又は天然の供給源(例えば、植物
)から適切な物理的および/または化学的に単離によって得られる抽出物として
含めることが出来る。レチノイドは実質的に純粋であるのが好ましく、本質的に
純粋であるのが更に好ましい。
本発明の組成物は、安全でかつ有効な量のレチノイドを含むことが出来、そう
して得られた組成物が、皮膚の状態を調整するため、好ましくは皮膚の目に見え
るおよび/または触知出来る裂け目を調整するため、更に好ましくは皮膚の加齢
の徴候を調整するため、更にもっと好ましくは皮膚の加齢に伴う皮膚の肌理の目
に見えるおよび/または触知出来る裂け目を調整するために安全でかつ効果的で
ある。本組成物は、好ましくは約0.005%から約2%、更に好ましくは0.
01%から約2%のレチノイドを含む。レチノールは約0.01%から約0.1
5%の量で使用されるのが最も好ましく;レチノールエステルは、最も好ましく
は約0.01%から約2%の量で使用され(例えば、約1%);レチン酸は約0
.01%から約0.25%の量で使用されるのが最も好ましく;トコフェリル-
レチノアート[レチン酸のトコフェロールエステル(トランス型又はシス型)、
アダパレン{6-[3-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェニル]-2-ナフト
エ酸}、及びタザロテンは、最も好ましく約0.01%から約2%の量で使用さ
れる。本組成物がレチノイドを含む場合、ビタミンB3化合物は、好ましくは約
0.1%から約10%、更に好まし約2%から約5%の量で使用される。
本組成物のpHは、好ましくは約4から約9、更に好ましくは約6から約8.
0である。
本組成物の残部は、皮膚に局所塗布するのに適する水又は水性キャリヤである
。本明細書の組成物の水含量は、重量で、一般的に約30から約98.89%、
好ましくは約50から約95%、そして特別には約60%から約90%である。
本発明の組成物は、皮膚に残したまま使用する製品として皮膚に塗布出来る皮
膚に潤いを与えるタリーム又はローションの形態が好ましい。
本発明を次の実施例により説明する:1.Kr−onosによる供給品
(4 Place Ville Marie#500,Montreal,Quebec,Canada)
2.ICI Surfactansによる供給品
(PO Box 90,Wilton Centre,Middlesborough,Cleveland,TS6 8JE)
3.Seppicによる供給品、ポリアクリルアミド(及び)C13−C14イ
ソパラフィン(及び)Laureth-7
4.B.F.Goodrich
(9911 Brecksville oad,Brecksville,OH 44141,USA)
5.スレアリン酸
6.ICIによる供給品、PEG100スレアレート
(PO Box 90,Wilton Centre,Middlesborough,Cleveland,TS6 8JE)
7.Finetexによる供給品、安息香酸C12−C15アルキルエステル
(PO Box 216,Elmwood Park,New Jersey 07407,USA)
8.Procter&Gambleによる供給品
(Winton Hill Technical Centre,Cincinath,OH,USA)
9.CasChemによる供給品、ミリスチン酸ミリスチル
10.Dow Corningによる供給品
(Kings Court,185 Kinds Rd,Reading,Berks,RG14 EX)
11.Shinetsu Chemical Co.Ltd.による供給品、ジメ
チコン/フェニルビニルジメチコンクロスポリマー
12.Silabによる供給品(フランス国)
組成物IVないしVIIIを次のように作った:
carbopol増粘剤、メチルパラベン、グリセリン/TiO2のプレミッ
クス、Arlatone 2121(添加する場合)、及び尿素以外の他の水溶
性成分の第1プレミックスを、水の中で混合した後、約80℃に加熱することに
より調製する。乳化剤、シリコーンゴム以外の油溶性防腐剤を含む油相成分の第
2プ
レミックスを混合、加熱して調製したのち、水性プレミックスヘ加える。
得られた混合物を約60℃に冷却する。次に、carbopolのNaOH溶
液、sepigel、EDTA、シリコーンゴム、尿素溶液(水1mlに1gを
溶解させる)及びタンパク質成分を、得られた水中油型エマルジョンに加え、少
量成分を加える前に、この混合物を冷却する。本組成物は包装出来る状態である
。
これらの組成物は、皮膚の感触、皮膚の滑らかさ、皮膚の柔らかさ、及びスキ
ンケア特性が各々改良されているのと同時に、脂っこさが少なく、しかも優れた
擦り込み及び迅速な吸収の各特性を発現する。