JP2002513278A - 変異体レンサ球菌毒素cおよび使用法 - Google Patents

変異体レンサ球菌毒素cおよび使用法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、変異体SPE−C毒素、その断片、ワクチン、医薬組成物、およびワクチンまたは医薬組成物の使用法を含む。好ましい変異体SPE−C毒素は、少なくとも1個のアミノ酸の変化を有し、野生型SPE−C毒素に比較すると実質的に非致死性である。変異体SPE−C毒素は野生型SPE−C毒素の生物活性に対して動物を保護するのに有用なワクチン組成物を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 変異体レンサ球菌毒素Cおよび使用法 発明の背景 化膿レンサ球菌は、β溶血菌A群レンサ球菌(GAS)ともいわれ、咽頭炎や 膿痂疹などの緩和な感染を起こすヒトの病原菌である。感染後自己免疫合併症、 例えばリウマチ熱や急性糸球体腎炎が生じることがある。GASはまた、しょう 紅熱やレンサ球菌毒性ショック症候(STSS)などの重い急性疾患を起こす。 重篤のGAS感染症は、今世紀の初め米国および諸外国で大きい問題であった。 40年代の中頃に本症の数および重篤度が顕著に低下したが、その原因について は完全にわかっていない。しかし最近、GASによる重い疾患の復活がみられ、 米国では毎年1−2万のSTSSが生じている。これらの患者の50−60%は 壊死性の筋膜炎および筋炎である。30−60%が死亡し、生存者の半分が手足 に外科手術を受ける。 1986年および1987年に、ロッキー山脈地帯での重いGAS感染の発生 が報告されている。その後数年間に同様の臨床症状を示す疾患についていくつか の報告がある。この疾患について記載された症候は毒性ショック症候(TSS) と非常に似ている。1992年に関係委員会がこの臨床症状にSTSSと正式に 名づけ、その診断基準を設定した。STSSは下記の存在により定義される: 1.低血圧およびショック 2.A群レンサ球菌の単離 3.2以上の次の症状:38.5℃以上の発熱、しょう紅熱発疹、嘔吐および 下痢、肝臓および腎臓の機能障害、成人性呼吸困難症、びまん性脈管内凝固、壊 死性の筋膜炎および/または筋炎、菌血症。 STSS患者から単離されたレンサ球菌はM1型とM3型が多く、残りはM1 8型と不定型である。STSSのM1、3、18および不定型の大部分が病原性 外毒素A(約75%)をつくり、単離体の残りは病原性外毒素C(SPE−C) である。さらに、SPE−Cをウサギに投与、また誤ってヒトに接種したところ 、 STSSの症候が生じた。STSSに関連のSPE−Cの研究において、リウマ チ熱および滴状乾癬からレンサ球菌A群が単離されている。 SPE−Cは分子量が24,000ダルトンの単一のペプチドである。SPE −Cの遺伝子、speCは単離されて、大腸菌で発現されている。SPE−Cはレ ンサ球菌およびブドウ球菌が生産する外毒素の大きいファミリー1員であって、 発熱をもたらし、内毒素に対する宿主の感受性を10万倍高める能力からして病 原性毒素とされている。 最近、これらの毒素は、その抗原特異性にもかかわらず、Tリンパ球の広範な 増殖を起こすこと、およびT細胞受容体のβ鎖可変部の組成に依存的であること から、スーパー抗原とされている。これらの毒素はまた、INF-γ、IL-1、 TNF-α、TNF-βの広範な放出を促進する。このファミリーの他のものは、 化膿レンサ球菌内毒素AおよびB型、レンサ球菌毒性ショック症候毒素1、レン サ球菌腸毒素A、B、Cn、D、E、G、Hおよび化膿レンサ球菌外毒素A非群 である。これらの毒素は、類似の生物的性質や活性、様々な程度の配列同一性を 有する。 STSSの最も重篤な症状は、低血圧とショックであり、死につながる。脈管 内から間質性部への液体の漏出が低血圧の最終的な原因であると一般に考えられ ており、上記のウサギのSTSSショックが液体置換療法で防止できることから 支持される。SPE−Cが種々の状態で宿主に作用してこの病因を起こすのでは ないかと思われている。 肝のクッパー細胞の活性を弱めることにより、内因性菌相源の内毒素が肝で浄 化されるのをSPE−Cが阻害することが知られている。これは循環する内毒素 の顕著な増加を起こすようであり、リポポリサッカライド結合タンパク質(LB P)との結合およびCD14の情報伝達によりマクロファージを活性化しTNF −αなどのサイトカインの放出をもたらす。疾患における内毒素の役割は、SP E−Cの致死作用がポリミキシンBの動物への投与または病原体のないウサギの 使用により少なくとも部分的に中和されることで支持される。 ショック誘発の別の道程は、毛管内皮細胞の対する毒素の直接的活性であろう 。この仮定は、化膿レンサ球菌毒素TSST-1がヒト臍帯静脈細胞に直接結合 し、 単離ブタ内皮細胞に細胞毒性的であることから導き出される。 毒素作用の他の様相はそのスーパー抗原性であり、毒素が宿主のTリンパ球と 相互作用して、それを50%以上活性化する。この広範なT細胞刺激は循環サイ トカイン、TNF−βおよびIFN−1の異常な上昇をもたらす。このサイトカ インはマクロファージに直接作用してTNF-αおよびIL-1の放出を促す。こ れらのサイトカインはまた、T細胞の不存在でMHCクラスII結合および情報伝 達を介してSPE−Cによりマクロファージから直接的に誘発され得る。TNF -αおよび-βのレベル上昇は、内皮細胞および毛管漏出に損害となるグラムネガ ティブ誘発ショックに典型的にみられるいくつかの作用を起こす。しかし、SP E−A処置ウサギへのシクロスポリンの投与は、IL-2およびT細胞増殖の過 調節を阻害し、ショックから動物を保護しなかった。このことは毛管漏出の原因 について他のメカニズムが重要であるかも知れないことを示唆している。 このように、種々の生物活性を担うSPE−C分子上の部位を決定する必要が ある。毒性や分裂原性などの生物活性に変化を有するSPE−Cの変種をつくる 必要がある。レンサ球菌毒性ショック症候を防止または軽減するためのワクチン に有用な組成物を開発する必要がある。さらに、レンサ球菌毒性ショック症候お よび他の疾患の処置に有用な治療薬を開発する必要がある。 発明の概要 本発明は、変異体SPE−C毒素、その断片、ワクチン、医薬組成物、および ワクチンまたは医薬組成物の使用法を含む。 変異体SPE−C毒素は、少なくとも1個のアミノ酸の変化を有し、野生型S PE−C毒素に実質的に対応するタンパク質に比較すると実質的に非致死性であ る。ワクチン組成物について、変異体毒素は野生型SPE−Cの少なくとも1つ の生物活性に対する保護免疫応答も刺激する。ワクチン組成物の変異体毒素は、 野生型SPE−Cに比べると、内毒素ショックの高まりの低下やT細胞の分裂原 性の低下を有するように、任意にさらに選択される。医薬組成物については、変 異体毒素が野生型SPE−C毒素に匹敵する分裂原性を保持して実質的に非致死 性であることが好ましい。 本発明はまた、野生型SPE−C毒素の断片およびSPE−C毒素の変異体を 含む。野生型SPE−Cから誘導される断片およびペプチドは変異体SPE−C 毒素である。断片は、一緒にされた分子の異なるドメインあるいは領域を含むこ とができる。断片は野生型SPE−C毒素に比較すると実質的に非致死的である 。変異体毒素について断片は野生型SPE−Cのアミノ酸配列に比べて少なくと も1つのアミノ酸変化を有する。断片はワクチンおよび医薬組成物にも有用であ る。 本発明はまた、発現カセット、ベクター、形質転換細胞を含む。DNAカセッ トは、変異体SPE−C毒素またはその断片をコードするDNA配列であって、 これは宿主細胞の機能的プロモーターに操作可能的に結合している。DNAカセ ットは好ましくはベクターに挿入される。ベクターはプラスミドおよびウイルス を含む。ベクターは、変異体SPE−C毒素をコードするDNAをつくるための 鋳型DNAを提供するのに、有用である。DNAカセットおよびベクターはワク チン組成物にも有用である。変異体SPE−C毒素あるいはその断片をコードす る核酸は、哺乳類の細胞における発現のために直接運搬されることがある。プロ モーターは、好ましくは哺乳類細胞での機能的プロモーターである。細胞に直接 運ばれた核酸は個体の変異体SPE−C毒素を発現することができ、保護免疫応 答が野生型SPE−C毒素の少なくとも1つの生物活性に対して生じる。 他のワクチン組成物には、変異体SPE−C毒素またはその断片をコードする 発現カセットを含有する安定な形質転換細胞またはウイルスベクターが含まれる 。痘疹などのウイルスベクターはヒトを免疫するのに用いることができ、野生型 SPE−C毒素の少なくとも1つの生物活性に対する保護免疫応答を生じる。形 質転換細胞は、好ましくは、S.aureus,E.coli、Salmonella種などの微生物で ある。形質転換微生物は変異体SPE−C毒素あるいはその断片を表面に含有す るか、変異体毒素を分泌し得るものである。形質転換微生物は、生ワクチや弱毒 化ワクチン、熱殺ワクチンとして投与することができる。 本発明はまた、ワクチンおよび医薬組成物を使用する方法を含む。ワクチンは 、野生型SPE−C毒素の少なくとも1つの生物活性に対する保護免疫応答を生 じるのに効果的な量で動物に投与される。好ましくは、ワクチン組成物はヒトに 投与されて、STSSが起きるのに対して防衛する。医薬組成物はT細胞増殖刺 激法で用いられる。 変異体SPE−C毒素および/またはその断片および他のワクチン組成物は受 動免疫血清をつくるのに、有用である。変異体SPE−C毒素、その断片、DN A発現カセット、ベクター、形質転換微生物は、動物を免疫し、野生型SPE− Cの少なくとも1つ生物活性に対する抗体を中和するのに用いられる。中和抗体 は、変異体SPE−C毒素、その断片、野生型SPE−C毒素と免疫反応する。 受動免疫血清は、レンサ球菌感染およびSTSSの症状を有する動物に投与され る。 図面の簡単な説明 図1は、speCのヌクレオチド配列を示す。番号付けはATG開始コドンを基 にする。可能性あるプロモーター(−10、−35)およびシャイン−ダルガー ノ(SD)配列を表示する。演繹アミノ酸配列をヌクレオチド配列の下に記した 。残基27後の米印は信号ペプチドと成熟タンパク質との間の開裂部位を表す。 翻訳停止コドン上部の線のヌクレオチド3’はバリンドローム配列である。 図2は、SPE−Cのリボン構造の正面図を示す。 図3は、SPE−Cのリボン構造の背面図を示す。 図4は、SPE−Cのリボン構造の正面図を示し、複合体中の主要組織適合性 複合体に接触する部位を示すように方向付けされている。 図5は、SPE−Cのリボンダイアグラムの正面図を示し、複合体中のT細胞 受容体に接触する部位を示すように方向付けされている。 図6は、SPE−Cのリボン構造の背面図を示し、複合体中の肝腎管状細胞受 容体に接触する大溝面をこの受容体とともに形成する中心αヘリックスの残基を 示すように方向付けされている。 図7は、単一変異体Y15AおよびN38Aの分裂原性活性を示す。 図8は、単一変異体Y17Aの分裂原性活性を示す。 図9は、二重変異体Y15A/N38AおよびY17A/N38Aの分裂原性 活性を示す。 図10は、SPE−Cのリボン構造の正面図および背面図であり、実施例6で 置換された残基を示す。 発明の詳細な説明 本発明は、変異体SPE−C毒素、その断片、変異体SPE−C毒素あるいは その断片を含有するワクチンや医薬組成物、変異体SPE−C毒素あるいはその 断片を製造する方法、変異体SPE−C毒素あるいはその断片を使用する方法に 関する。 変異体SPE−C毒素は、少なくとも1個のアミノ酸の変化を有し、野生型S PE−C毒素に実質的に対応するタンパク質に比較すると生物機能に少なくとも 1つの変化を有する。好ましくは、変異体SPE−C毒素は、野生型SPE−C 毒素に比較すると同量で非致死的である。変異体SPE−C毒素は、部位指向変 異生成法、ランダム変異生成法、定式変異生成法、インビトロ変異生成法、自発 的変異生成法、化学合成法などの種々の方法を用いてつくられる。変異体SPE −C毒素は、1)アミノ酸の少なくとも1つの変化を確保し、2)分子の少なく とも1つの生物機能の変化、好ましくは全身的致死性の低下あるいは消失を有す るように、好ましくは選択される。変異体毒素は、STSSの予防または改善な どのSPE−C毒素の少なくとも1つの生物活性に対して保護をなすワクチン組 成物およびSTSS症候を有する動物の処置方法において有用である。A.変異体SPE−C毒素、その断片、ワクチンおよび医薬組成物 本発明は、少なくとも1つのアミノ酸変化を有し、かつ野生型SPE−Cに実 質的に対応し、それ同じ生物活性をもつタンパク質に比して、生物活性に少なく とも1つの変化を有する変異体SPE−C毒素を含む。 遺伝子speCが野生型SPE−Cをコードする。野生型SPE−C毒素は、精 製タンパク質のSDS PAGEにより測定すると、分子量が24,000ダル トンである。野生型SPE−C毒素をコードするDNA配列および野生型SPE −C毒素の推定アミノ酸配列を図1に示す。野生型SPE−C毒素をコードする DNA配列はE.coliおよびS.aureusでクローンされた。本願でのアミノ酸番号 は、図1の配列を基にして部位28のアスパラギン酸を第1アミノ酸としてつけ られた。最初の27個のアミノ酸は成熟タンパク質には存在しないリーダー配列 を表す。 野生型SPE−Cはいくつかの生物活性を有する。それには、1)発熱、2) STSS、3)STSSの発展または内毒素ショックの上昇による全身的致死性 、 4)内毒素の上昇、5)毛管漏出および低血圧の誘発、6)IFNg、IL-1 、TNF-α、TNF-βなどのサイトカインの放出誘発、8)MHCクラス11分 子との結合、9)T細胞受容体との結合、10)T細胞分裂原性(スーパー抗原 性)を含む生物活性がある。これらの方法は、当業者に既知の方法で検定され、 特徴付けられる。 本明細書で用いられるように、野生型SPE−C毒素の定義には、野生型SP E−C毒素と同じ生物活性を有する野生型SPE−C毒素の変種が含まれる。こ れらのSPE−C毒素は、相違するアミノ酸を有し、その遺伝子は図1に示すヌ クレオチド配列と異なるが、生物活性が相違しない。アミノ酸の変化は表現型と しては表に出ない。好ましくは、これらの毒素分子は、全身的に致死性であり、 図1に示す野生型SPE−C毒素と同程度に内毒素ショックを高める。好ましく は、これらの毒素は、Alschul,S.F.,Bull.Math.Bio.48:603(1986)に記 載のSS2平衡整列算法で測定ずると、野生型SPE−C毒素アミノ酸配列と6 0−99%の相同性を有する。これらの特性を有するタンパク質は野生型SPE −Cに実質的に対応する。 変異体SPE−C毒素は、野生型SPE−C毒素に実質的に対応するタンパク 質に比べてアミノ酸に少なくとも1つの変化を有する毒素である。この変化は、 アミノ酸の置換、欠失あるいは付加である。これはアミノ酸配列における少なく とも1つ、好ましくは1−6の変化である。全身的致死性すなわち毒性を有する 野生型SPE−C毒素への変異体SPE−C毒素の復帰を最小限にする1以上の 変化があるのが好ましい。ワクチンに有用な変異体SPE−C毒素については、 毒素のアミノ酸配列における変化が野生型SPE−C毒素を中和できる抗体応答 を促進する毒素活性に変化を及ぼさないことが望ましい。ワクチンに有用な変異 体SPE−C毒素については、Boca Raton、フロリダのToxin Technologiesすな わちDr.Schlievert(ミネソタ大学、ミネアポィス、ミネソタ)法でSPE−C毒 素に対する抗体を中和するポリクローナルが変異体毒素を認識すること、および タンパク質分解能が野生型SPE−Cに比べて変化しないことが特に好ましい。 アミノ酸配列の変化は、野生型SPE−C毒素の1以上の選択されたアミノ酸 残基における部位特異的変化である。部位特異的変化は、上記したように分子の 特定のドメインまたはシステイン残基の存在する部位で残基を同定することによ り選択される。特定の部位における部位特異的変化は、部位またはドメイン内で のアミノ酸が1次配列相同性すなわち3−Dコンホメーションに比較して他の相 同的分子の均等残基と同一または類似の性質を有するかどうかを調べることによ りさらに選択される。相同的分子は、前出のAlschulらのSS2平衡整列算法ま たはBioSyn社(サンジエゴ、カリフォルニア)のInsight/Homologyを用いて一次 配列相同性を比較することにより同定し得るものである。相同的分子は、野生型 SPE−C毒素に比較すると、かなりの数の、典型的には30−99%の同一ま たは同類変化のアミノ酸を表示し、類似の3次元構造、典型的には<2オングス トロームの保存領域についてのRMS誤差を有するものである。 特定部位のアミノ酸配列の変化は、無作為になされるか、あるいは特異的変化 が選択される。特異的部位が選択されると、図1に示す野生型SPE−Cの部位 でのアミノ酸数番号つけおよびアミノ酸が適用される。本明細書でのアミノ酸番 号は最初のアミノ酸として数えた部位28のアスパラギン酸を持つ図1の配列を 適用する。野生型SPE−C毒素に実質的に対応するタンパク質における特定部 位で同定されたアミノ酸に対応する均等のアミノ酸は、関連配列に依存する相違 のアミノ酸数を有し、あるいは断片である。均等の残基はまた、1次アミノ酸構 造の比較、図1に示すモデル化構造との比較、相同的分子の既知結晶構造との比 較のいずれかにより野生型SPE−C毒素に実質的に対応するタンパク質中のア ミノ酸に均等であると同定され得る相同的分子中の残基である。同一または類似 の部位での均等アミノ酸での変化は、そのアミノ酸の番号つけにかかわらず、本 発明の範囲に含まれるものである。 特異的部位におけるアミノ酸について特異的置換が選択されると、その部位で 置換されるべきアミノ酸は、野生型SPE−Cにおけるその部位でのアミノ酸に 比較して生物活性に影響を与え得る構造的変化を含んで選択される。この置換は 同類的あるいは非同類的である。生物活性に影響を与え得る構造的変化をもたら す置換には、1)ある型の電荷から他の型の電荷への変化、2)電荷から非電荷 への変化、3)システイン残基およびジスルフィド結合形成の変化、4)疎水性 基から親水性基または親水性基から疎水性基への変化、5)アミノ酸の大きさの 変化、6)コンホメーション的制限性アミノ酸または類似体への変化、7)非天 然的におきるアミノ酸または類似体への変化が含まれる。選択された特異的置換 は選択された部位の位置に依存し得る。例えば、N末αヘリックスのアミノ酸は ヒドロキシル基を有し、アミド窒素と相互反応すること、およびこのアミノ酸が 負に電荷されてαヘリックスのN末に存在する部分的正電荷と相互反応すること が好ましい。 変異体毒素は、単数または複数の部位を標的とするランダム変異をも含む。部 位が一旦選択されると、Aiyar et al.,Biotechniques 14:366(1993)またはH o et al.,Gene 77:51-54(1984)に記載のような方法を用いて、その部位で19 の他のアミノ酸の各々を有して変異を生じせしめることができる。インビトロ変 異生成法も、Anthony-CzhIL1et al.,Trends Biochem.Sci.14:400(1989 )に記載のような方法を用いて、特定部位で他の19のアミノ酸または非天然生 成のアミノ酸または類似体の1つを置換するの利用することができる。 変異体毒素はまた、非特異的に選択された分子の1以上の部位での変化を有す る毒素、かつ非特異的に選択されるが、他の19アミノ酸すなわち非天然生成ア ミノ酸のいずれかの1つであり得るアミノ酸の変化を有する毒素を含む。 特異的部位での置換は、制限するわけでないが、3−ヒドロキシプロリン、4 −ヒドロキシプロリン、ホモシステイン、2−アミノアジピン酸、2−アミノピ ミリン酸、オルニチン、ホモアルギニン、N−メチルリシン、ジメチルリシン、 トリメチルリシン、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,4−アミノ酪酸、ヒド ロキシリシン、置換フェニルアラニン、ノルロイシン、ノルバリン、(−バリン 、ハロゲン化チロシンなどの非天然生成アミノ酸での置換を含む。特異的部位で の置換はまた、エーテル、エステル、リン結合、ホウ素結合などの非ペプチド化 学を用いた類似体の使用を含む。 変異体毒素は種々の方法を用いてつくることができる。その方法には、部位特 異的変異生成法、ESMやビ硫化ナトリウムなどの化学物あるいはUV照射を用 いた変異生成法、自発的変異生成法、インビトロ変異生成法、化学的合成法が含 まれる。変異生成法は、Sambrook et al.,A Guide to Molecular Cloning,Col d Spring Harvard,New York(1989)に記載されている。部位特異的変異生成 法に特に好ましい方法は、Perrin and Gilliland,1990,Nucleic Acid Res.18 :7433に記載の、3プライマーでの非対称性PCRの使用である。 4種のレンサ球菌スーパー抗原(TSTT,SEA、SEB、SEC−3)お よびSPE−Cの3次元的構造のスーパー位置付けによると、これらのタンパク 質は16の構造的保存アミノ酸を共有していた(表1)。これらの16の構造的 保存アミノ酸残基を参照点とすると、2オングストローム以下のRMS(ルート 平均平方)相違のあるこれらの5タンパク質の構造のスーパー位置付けがなされ 、これは最小アミノ酸配列保存を有するタンパク質にとって重要である。16構 造的保存アミノ酸上のこのスーパー位置付けによって、SPE−Cの構造とレン サ球菌スーパー抗原との詳細な比較が可能となる。 レンサ球菌スーパー抗原SEBとクラスII主要組織適合性複合体(MMC−II )との複合体の結晶構造は、表2に掲載したものを含み、MHC−IIに接触する SEB上のアミノ酸を表す。SPE−C構造のスーパー位置付けによって、これ ら2種のタンパク質複合体においてMHC−IIに接触し、残基に接触し、領域に 接触するSPE−Cのアミノ酸部位が表示される。これらの部位はボールとして 図4に示される。 特に、図4は、Bサブユニット5のβ−バレル4の鎖3上の部位1および2を 含む。部位1は鎖3の型4曲がり点または膨らみを越えたアミノ酸1の位置であ り、鎖3とループ6の接合部から約3残基である。部位1は、極性アミノ酸、好 ましくはSPE−CのThr−33で占められ得る。部位2は鎖3とループ6の 接合部に最も近い鎖3上にアミノ酸を提示し、鎖上に保持する。部位2は極性ア ミノ酸、好ましくはSPE−CのHis−35で占められ得る。部位7は鎖3と ループ6の接合部に最も近い鎖3上にアミノ酸を提示する。ループ6は“型1” または“型2”の曲がり点である。部位7は疎水性アミノ酸、好ましくはSPE −CのLeu−36によって占められ得る。Bサブユニット5のβバレルも残基 Asn−38を含む。 部位8はループ6中にある。部位8は極性アミノ酸、好ましくはSPE−Cの Asn−37で占めることができる。部位10、11、14は鎖12上にある。 部位10はループ13との接合部に最も近い鎖12上のアミノ酸である。部位1 0は電荷アミノ酸、好ましくはSPE−CのArg−44である。部位11は鎖 12のほぼ中間にあり、電荷アミノ酸、好ましくはSPE−CのLys−42で 占められ得る。部位14は鎖12とループ12との接合部にあるが、鎖12上に ある。部位14は極性アミノ酸、好ましくはSPE−CのThr−40で占めら れ得る。部位15はループ6上にある。部位15電荷アミノ酸、好ましくはSP E−CのAsp−39で占められ得る。 部位17−20は鎖21上にある。部位19と20は隣接している。部位17 −19はお互い間の1つの部位にとっての十分な空間で隔てられている。部位1 7は鎖21とループ13との接合部からの約1つのアミノ酸である。部位17は 疎水性アミノ酸、好ましくはSPE−CのIle−50で占められ得る。部位1 8は鎖21のほぼ中間にあって、中性または極性のアミノ酸、好ましくはSPE −CのSer−52で占められ得る。部位19は鎖21とループ22との接合部 から約2つのアミノ酸である。部位19は中性または極性のアミノ酸、好ましく はSPE−CのMet−54で占められ得る。部位20は鎖21とループ22と の接合部に隣接の鎖21中にある。部位20は中性または極性のアミノ酸、好ま しくはSPE−CのSer−55にある。部位23は曲がり点のαヘリックス2 4上にあり、このヘリックスはループ25との接合部で終わっている。部位23 は部位20に面しているヘリックス24の面上にある。部位23は中性アミノ酸 、好ましくはSPE−CのAla−186で占められ得る。 レンサ球菌スーパー抗原SEC−3とT細胞受容体との複合体の結晶構造は、 T細胞受容体と接触するSEC3上のアミノ酸を示し、表3に記載した残基を含 む。SPE−C構造のスーパー位置によると、SPE−Cのアミノ酸部位はこれ ら2つのタンパク質の複合体でT細胞受容体に接触している。これらの部位はボ ールで図5に示される。 特に、図5に示すように、これらはループ13と鎖21との接合部にある部位 26を含む。部位26は極性アミノ酸、好ましくはSPE−CのTry−49で 占められ得る。部位27は鎖28上にあり、鎖28とループ29との接合部から 3アミノ酸離れている。部位27は極性アミノ酸、好ましくはSPE−CのTy r−85で占められ得る。部位30は鎖28と32とのほぼ等距離にあるループ 29上にある。部位30は極性アミノ酸、好ましくはSPE−CのHis−81 で占められ得る。部位31はループ29と鎖32との接合部にある。部位31は 極性アミノ酸、好ましくはSPE−CのAsn−79で占められ得る。部位33 −36は鎖32上にある。部位33は鎖32とループ31との接合部に隣接のア ミノ酸である。部位33は疎水性アミノ酸、好ましくはSPE−CのLeu−7 8で占められ得る。部位34は部位33から1アミノ酸である。部位34は疎水 性アミノ酸、好ましくはSPE−CのIle−77で占められ得る。部位35は 極性アミノ酸、好ましくはSPE−CのTry−76で占められ得る。部位36 は疎水性アミノ酸、好ましくはSPE−CのPhe−75で占められ得る。 部位38は不規則αヘリックス24上の残基で、このヘリックスのループ39 との接合部のに最も近い曲がり点にある。部位38は鎖40の最も近い曲がり点 の部分にある。部位38は電荷アミノ酸、好ましくはSPE−CのAsp−18 3で占められ得る。部位41はループ39とαヘリックス24との接合部からほ ぼ1アミノ酸のループ39上にある。部位41のアミノ酸上の側鎖は中心αヘリ ックス42に向いている。部位41は電荷アミノ酸、好ましくはSPE−CのA rg−181で占められ得る。 ループ43は部位44、45、46、47を含む。部位44−47は溶媒に最 もさらされるループ43の部分上の隣接部位である。部位44は電荷アミノ酸、 好ましくはSPE−CのGlu−178で占められ得る。部位45は極性アミノ 酸、好ましくはSPE−CのTry−153で占められ得る。部位46は電荷ア ミノ酸、好ましくはSPE−CのAsp−148で占められ得る。部位47は極 性アミノ酸、好ましくはSPE−CのTyr−147で占められ得る。 部位48−50はN末αヘリックス51上にある。部位48および49はルー プ52との接合部に最も近いαヘリックス51の曲がり点にある。部位48は極 性または中性のアミノ酸、好ましくはSPE−CのSer−11で占められ得る 。部位49は電荷アミノ酸、好ましくはSPE−CのAsp−12で占められ得 る。部位48および49は隣接のアミノ酸位置を提示する。部位50はループ5 3との接合部に隣接するαヘリックス51の曲がり点にある。部位50は最も溶 媒にさらされる曲がり点にある。部位50は極性アミノ酸、好ましくはSPE− Cの Tyr−15で占められ得る。N末αヘリックス51はまたTyr−17残基を 含む。 SPE−Cはその“背面”上の大溝上の残基を含む部位の肝腎管状受容体と結 合する。部位54−60は、肝腎管状受容体との相互作用の部分であるBサブユ ニット5とAサブユニット61と間のSPE−Cの大溝の表面を確定する。部位 54−59は中心αヘリックス42上にある。部位60はループ16と中心αヘ リックス42との接合部に隣接するループ16上にある。部位54は極性アミノ 酸、好ましくはSPE−CのAsn−143で占められ得る。部位55は電荷ア ミノ酸、好ましくはSPE−CのAsp−142占められ得る。部位56は極性 アミノ酸、好ましくはSPE−CのTyr−139で占められ得る。部位57は 電荷アミノ酸、好ましくはSPE−CのLys−138で占められ得る。部位5 8は正電荷アミノ酸、好ましくはSPE−CのLys−135で占められ得る。 部位59は電荷アミノ酸、好ましくはSPE−CのGlu−131で占められ得 る。部位60は極性アミノ酸、好ましくはSPE−CのThr−128で占めら れ得る。 表2は、クラスIIMHCと作用するSEB残基を掲載したもので、これら2種 のタンパク質の複合体の結品構造中に存在する。SEC−3、SEA、TSST −1構造とSEB:MHC−II構造との複合体のスーパー位置付けは、これらの タンパク質上のアミノ酸がMHC−IIと相互作用するSEB残基に対応している ことを示す。好ましいSPE−C変異体は、MHC−IIと相互作用するSEB、 SEC−3、SEAあるいはTSST−1中の残基に対応するSPE−C残基で のアミノ酸置換を有する。これらの好ましいSPE−C残基は表2に掲載された SPE−C残基を含む。相違するタンパク質からの対応残基は表の横列に沿って 掲げた。 表3は、T細胞受容体と作用するSEC−3残基を掲載したもので、これら2 種のタンパク質の複合体の結晶構造中に存在する。SEB−3、SEA、TSS T−1構造とSEB−3:T細胞受容体との複合体のスーパー位置付けは、これ らのタンパク質上のアミノ酸がT細胞受容体と相互作用するSEC残基に対応し ていることを示す。好ましいSPE−C変異体には、T細胞受容体と相互作用す るSEB、SEC−3、SEAあるいはTSST−1中の残基に対応するSPE −C残基が置換されているものがある。これらの好ましいSPE−C残基は表3 に掲載されたSPE−C残基を含む。相違するタンパク質からの対応残基は表の 横列に沿って掲げた。 SPE−Cの好ましい変異体は、少なくとも1つの部位でアミノ酸置換を有し 、あるいはT細胞受容体、MHC−II、肝中性管状細胞受容体と相互作用するア ミノ酸残基の少なくとも1つに置換を有する。これらのアミノ酸置換は、相互作 用を破壊するために、上記したように選ぶことができる。 表1 PTSAG保存残基 表2 クラスIIMHC相互作用に関与する残基 表3 TCR 相互作用に関与する残基 野性型SPE−C毒素に実質的に対応するタンパク質と比べて少なくとも一個 のアミノ酸変異を有する変異体SPE−C毒素を産生したら、変異体SPE−C 毒素を非致死性に関してスクリーニングする。このスクリーニングで選択された 変異体SPE−C毒素が、野性型SPE−C毒素と同じかまたは多い投与量で、 ミニ浸透圧ポンプ(実施例4に記載)を使用して投与した時、ウサギで実質的に致 死性でないことが好ましい。変異体SPE−C毒素またはその断片は、ウサギに 野性型毒素と同じ投与量で投与した場合、約10−20%より少ないウサギが死 亡し、実質的に致死性ではない。非致死性変異体毒素は、ワクチンおよび医薬組 成物に有用である。本発明を限定ずる意図はないが、全身的致死性に作用するあ るアミノ酸残基またはドメインを、他の生物活性、特に、T細胞分裂原性から分 離可能であると考えられる。 ワクチン組成物に有用な変異体毒素については、野性型SPE−C毒素活性を 中和する抗体応答を刺激できるものに関して、変異体SPE−C毒素をスクリー ニングすることが更に好ましい。野性型SPE−C毒素活性を中和する抗体応答 を刺激できる変異体毒素の選択法は、Toxin Technologies,Boca Raton,Fla.ま たはDr.Schlievertから入手可能なような野性型SPE−Cに対するポリクロー ナル中和抗体と変異体毒素が免疫応答するか否かを決定することある。変異体S PE−C毒素が野性型SPE−C毒素に対する抗体と免疫応答するか否かの決定 は、ELISA、ウェスタン・ブロット、2重免疫拡散アッセイ等を含む。 所望により、変異体毒素のタンパク質分解プロフィールが、野性型SPE−C 毒素と同じであるかを決定するために、変異体毒素をスクリーニングできる。あ る場合、産生された変異が、野性型SPE−C毒素と比較して変異体毒素の全体 的コンホメーションを実質的に変えないことが好ましい。全体的コンホメーショ ンに変化があるか否かを試験する方法の一つは、野性型SPE−C毒素に対する 抗体との免疫応答性の考察および/または変異体SPE−C毒素のタンパク質分 解プロフィールの試験である。タンパク質分解プロフィールは、トリプシン、キ モトリプシン、パパイン、ペプシン、サブチリシンおよびV8プロテアーゼのよ うな酵素を、当業者に既知の方法で使用して決定できる。図3に示す配列を有す る野性型SPE−Cのタンパク質分解プロフィールは既知である。野性型SPE −Cと同じプロフィールを有する変異体を選択する。 所望により、生物活性の他の変化を有する変異体毒素を、スクリーニングおよ び選択もできる。先に記載のように、野性型SPE−Cに付随するいくつかの生 物活性がある。これらの生物活性は:1)発熱;2)STSS;4)内毒素ショッ クの増強;5)毛細血管漏出および低血圧;6)IFNガンマ、IL−1、TNF −αおよびTNF−βのようなサイトカインの放出の誘導;7)内皮細胞への結合 ;8)MHCクラスII分子への結合;9)T細胞受容体への結合:およびT細胞分 裂原性(超抗原性)を含む。これらの生物活性は、当業者に既知の方法を使用して 測定できる。 ワクチン組成物で有用な変異体SPE−C毒素またはその断片に関して、それ らは実質的に非毒性であり、野性型SPE−Cに対する中和抗体と免疫応答性で あることが好ましい。中和抗体は、動物で試験したとき、野性型毒素の致死性を 阻害するものを含む。所望により、変異体SPE−C毒素は、先に記載のように 、野性型SPE−C毒素の1以上の生物活性が変化し得る。 所望により、好ましいワクチン組成物用の変異体毒素は、更に、内毒素ショッ クの増強の欠失に関してスクリーニングおよび選択する。内毒素ショックの増強 の欠失の試験のための好ましいアッセイは、実施例3に記載する。ウサギは、好 ましくは、試験前に、細菌またはウイルスの明白な感染をしていない。内毒素シ ョックの強化の欠失または実質的に増強がないことは、変異体SPE−C毒素を 内毒素と共投与した場合、同じ投与量の野性型約SPE−C活性と比較して、2 5%より少ない動物が、ショックを発症するときに見られる。より好ましくは、 動物はショックを発症しない。 所望により、好ましいワクチン組成物用の変異体毒素は、また更に、T細胞分 裂原性の変化に関してスクリーニングおよび選択する。T細胞分裂原性における 変化は、実施例3に記載のように、ウサギリンパ球を使用した標準3Hチミジン アッセイにおいて、T細胞増殖を測定することにより;TFN−γまたはTNF −βのようなサイトカインの製造レベルの測定により;またはT細胞応答のVβ タイプの測定により、または本分子とMHCクラスII受容体の相互作用の決定に より検出できる。T細胞分裂原性の減少の検出に好ましい方法は、変異体毒素存 在下および非存在下でのウサギリンパ球のT細胞増殖の測定である。野性型SP E−C毒素に対するT細胞の応答は、通常のインビトロの抗原に対する応答を遥 かに超える。T細胞分裂原性の実質的な減少は、変異体SPE−C毒素がT細胞 増殖応答を抗原またはネガティブ・コントロールによる刺激を超えて刺激しない ときに見られる。好ましくは、ウサギリンパ球を使用して、野性型SPE−C毒 素と同じ投与量で、変異体SPE−C毒素に対するT細胞増殖応答が、バックグ ラウンドの2倍を超えないと見なす。 所望により、ワクチン組成物に有用な変異体SPE−C毒素は、更に、内皮細 胞への毛細血管漏出の減少に関してスクリーニングおよび選択する。好ましい方 法は、Lee et al.,J.Infect.Dis.164:711(1991)に記載のように、ブタ大動 脈内皮細胞を使用する。変異体SPE−C毒素の存在下での毛細血管漏出の減少 は、放射活性標識化合物の放出の減少の測定または放射活性標識化合物の輸送の 変化により決定できる。毛細血管漏出の減少は、放射活性標識化合物の放出また は輸送が、野性型毒素の活性と比較した場合、バックグラウンドの約2倍より少 なくまで減少しているときに見られる。 ワクチン組成物に有用な特に好ましい変異体SPE−C毒素は、野性型SPE −C毒素活性を有するタンパク質と比較して、生物学的に活性ではない。非生物 学的活性とは、変異体毒素が全身的に致死性をほとんど有しないか、全く有せず 、内毒素ショック増強をほとんどしないか、全くせず、そしてT細胞分裂原性を 僅かに有するか有しないことを意味する。好ましくは、ワクチン用に選択した変 異体SPE−C毒素は、実質的にこれらの生物活性を欠失する、即ち、それらは ネガティブ・コントロールと同じように応答するか、バックグラウンドの2倍を 超えて応答を刺激しない。 他の生物活性の変化は、下記のように検出できる。MHCクラスII分子への結 合は、Jardetzky,Nature 368:711(1994)に記載のような方法を使用して検出で きる。発熱に関する変化は、変異体SPE−C毒素投与後の経時的な対応追跡に より検出できる。変異体SPE−C毒素の存在下でのサイトカイン産生レベルの 変化は、商品として入手可能な、そして免疫学の現在のプロトコールに記載のよ うな方法を使用して測定できる。(Ed.Coligan,Kruisbeck,Margulies, Shevach and Storker.National Institues of Health,John Wiley and Sons, Inc.) ワクチン組成物用の特に好ましい変異体は、野性型SPE−C毒素に対するポ リクローナル中和抗体と免疫反応し、非毒性であり、所望により内毒素ショック の増強の減少およびT細胞分裂原性の減少を有する変異体SPE−C毒素である 。 有利には、治療法に有用な変異体SPE−C毒素は、アミノ酸配列に一個以上 の変化を有するように製造できる。毒性または致死性を有する分子への復帰変異 の機会を最少とするために、一個以上の部位で変化していることが望ましい。ワ クチン組成物に関して、複数の変化を有する変異体毒素が、野性型SPE−Cに 対する保護免疫応答を生ずることができる、および/または野性型SPE−Cに 対する中和ポリクローナル抗体と免疫応答できることも望ましい。医薬組成物に 関して、複数の変化を有する変異体が、T細胞の分裂原性を有していても、実質 的に非致死性であることが好ましい。約2から6個の変化を有することが好まし い。3重変異体がまた本発明で考慮される。 SPE−Cの変異体毒素は、ワクチン組成物の形成に有用である。ワクチン組 成物用の好ましい変異体は、少なくとも1個のアミノ酸変化を有し、全身性に非 致死性であり、そして野性型SPE−Cに対するポリクローナル中和抗体と免疫 応答する。 変異体毒素は、生理学的に許容される担体と組み合わせる。生理学的に許容さ れる希釈剤は、生理食塩水およびリン酸緩衝食塩水のような中性pHの緩衝塩溶 液を含む。生理学的担体の他のタイプは、リポソームまたはポリマー等を含む。 所望により、変異体毒素をフロイントの不完全アジュバント、フロイントの完全 アジュバント、ミョウバン、モノホスホリルリピッドA、リン酸ミョウバンまた は水酸化ミョウバン、QS-21等のようなアジュバントと組合せることができる。 所望により、変異体毒素またはその断片を、インターロイキン、インターフェロ ン等の免疫調節剤と組み合わせることができる。多くのワクチン製剤が当業者に 既知である。 変異体SPE−C毒素またはその断片をワクチン製剤中に、動物での保護免疫 応答を野性型SPE−C毒素の生物活性の少なくとも一つまで刺激するのに有効 な量で添加する。保護免疫応答の誘発は、抗体の発生、好ましくは野性型SPE −C毒素を中和する抗体の発生により測定できる。野性型SPE−C毒素の中和 は、動物における野性型SPE−Cにより引き起こされる致死性の阻害などによ って測定できる。加えて、保護免疫応答は、内毒素ショックまたはSTSSの増 強の症状の改善または消失のような野性型SPE−C毒素の少なくとも一つの生 物活性の減少により測定できる。保護免疫応答を形成できる変異体毒素の量は、 約0.1μgから100mg/体重kg、より好ましくは約1μgから約100μg/k g体重である。約25μg/体重kgの野性型SPE−C毒素がウサギでの保護免疫 の誘発に有効である。 ワクチン組成物は、ウサギ、齧歯類、ウマおよびヒトのような動物に投与でき る。好ましい動物はヒトである。 変異体SPE−C毒素は医薬組成物の形成にも有用である。医薬組成物は、T 細胞増殖の刺激が望ましい治療状況で有用である。好ましい変異体SPE−C毒 素は、野性型SPE−C毒素と同等なT細胞分裂原性を維持するが、非致死性で ある。変異体SPE−C毒素と、生理食塩水、リン酸緩衝食塩水のような中性p Hの緩衝塩溶液のような生理学的に許容される担体と組み合わせて形成する。変 異体SPE−C毒素は、同じ投与量の野性型SPE−Cと同等なT細胞増殖刺激 に有効な量で組み合わせる。T細胞応答は、ウサギリンパ球での標準3Hチミジ ンアッセイを使用して、および蛍光活性化T細胞選別機またはELISPOTのような アッセイを使用したインビボのT細胞集団の測定により調べられる。有効な量の 範囲は、100ngから100mg/体重kg、より好ましくは1μgから1mg/体重k gである。例えば、これらの変異体SPE−C毒素は、単独でまたはインターロ イキンまたはインターフェロン治療と組み合わせて使用できる。 本発明はまたSPE−C毒素および変異体SPE−C毒素の断片も含む。ワク チン組成物に関して、断片は、好ましくは免疫応答を刺激するのに十分大きい。 B細胞エピトープの最少サイズは約4−7アミノ酸およびT細胞エピトープに関 しては約8−12アミノ酸である。野性型SPE−Cの全サイズは、そのリーダ ー配列を含んで約235アミノ酸である。断片は、約4から200アミノ酸、よ り好ましくは約10−50アミノ酸のペプチドである。 断片は、単一ペプチド、または互いに結合した異なる位置由来のペプチドを含 み得る。好ましくは、断片は図1に示すような、および本明細書に記載のような 一個またはそれ以上のドメインを含む。変異体SPE−C毒素由来の断片は、野 性型SPE−C毒素に実質的に対応するタンパク質と比較したとき、アミノ酸配 列に少なくとも1個のそしてより好ましくはアミノ酸配列に1−6個の変化を有 することが好ましい。 好ましくは、断片は実質的に全身性に非致死性である。断片を、先に記載のよ うに、野性型SPE−C毒性活性を有するタンパク質と同じかそれより多い量で 、ミニ浸透圧ポンプモデルを使用して、ウサギでの毒性がわずかであるか、毒性 がないことをスクリーニングおよび選択する。断片は、野性型SPE−C毒素と 同程度の投与量で投与したとき、ヒトで非毒性であることも好ましい。 ワクチン組成物に関して、断片が中心αヘリックスおよび/またはN−末端α ヘリックス由来の残基を含むことが好ましい。ワクチン組成物に関して、断片が 野性型SPE−C毒性活性を有するタンパク質に応答する中和抗体を刺激するこ とが好ましい。断片は、野性型SPE−C毒素に対するポリクローナル中和抗体 との免疫応答性に関してスクリーニングおよび選択できる。断片はまた動物の免 疫化に使用でき、形成された抗体は、野性型SPE−C毒素の中和に関して試験 する。 ワクチン組成物に関して、特に好ましい断片は、更に、非生物活性であること を選択およびスクリーニングする。非生物活性とは、断片が全身的に非致死性で なく、内毒素ショックをほとんど誘発しないか、全く誘発せず、T細胞刺激をほ とんど誘発しないか、全く誘発しないことを意味する。所望により、断片は、ブ タ内皮細胞で毛細血管漏出作用の減少に関してスクリーニングおよび選択できる 。 ワクチン組成物に関してスクリーニングおよび選択した断片は、ワクチン製剤 として合わせられ、先に記載のように使用される。所望により、断片はウシ血清 アルブミン、ヒト血清アルブミン、スカシガイヘモシアニン、破傷風毒素等のよ うな担体分子に結合できる。 医薬組成物に関して、断片はN−末端ドメインBβ鎖単独の、または中心αヘ リックスと合わせたアミノ酸残基を含むことが好ましい。 医薬組成物に関して、断片を、全身的に非致死性、および所望により前記のよ うに内毒素ショックの促進がほとんど無いか、全く無いことに関してスクリーニ ングおよび選択することが好ましい。断片が野性型SPE−C毒素と同程度のT 細胞分裂原性を保持することが好ましい。変異体毒素SPE−Cの断片は、前記 の医薬組成物を形成できる。 変異体SPE−C毒素の断片は、PCR、制限酵素消化および/または連結反 応、インビトロ変異誘発および化学合成を使用して製造できる。小さい断片は、 化学合成が望ましいことがある。 変異体SPE−C毒素の断片は、変異体SPE−C毒素に関して記載の同じ組 成物および方法で使用できる。B.変異体SPE−C毒素、ワクチン組成物または医薬組成物の使用法 変異体SPE−C毒素および/またはその断片は、野性型SPE−C毒素の作 用に対する動物の保護、増強されたT細胞増殖および応答を含むSTSSの動物 の改善および処置、および滴状乾癬、リウマチ熱または侵襲性レンサ球菌乾癬の 処置または改善の方法に有用である。 野性型SPE−C毒素の少なくとも一つの生物活性に対して動物を保護する方 法は、ワクチン組成物を動物に投与し、SPE−C毒素の少なくとも一つの生物 活性に対する保護免疫反応を確立する段階を含む。保護免疫応答が、STSSの 致死性または症状を中和および保護することが好ましい。ワクチン組成物は、好 ましくは、少なくとも1個のアミノ酸変化を有し、野性型SPE−Cに対するポ リクローナル中和抗体と免疫応答し、非致死性である変異体SPE−C毒素また はその断片を含む。 ワクチン組成物は、皮下、筋肉内、静脈内、皮内、経口、経鼻、眼内、腹膜内 等を含む種々の方法で動物に投与できる。投与の好ましい経路は、筋肉内である 。 ワクチン組成物は、ウサギ、齧歯類、ウマおよびヒトを含む種々の動物に投与 できる。好ましい動物はヒトである。 ワクチン組成物は、1回または複数回投与で、野性型SPE−Cの少なくとも 一つの生物活性に対する保護免疫性が確立されるまで投与できる。保護免疫性は 、標準法を使用した野性型SPE−Cに対する中和抗体の存在の測定により検出 で きる。実質的な毒性をもたらすこと無く、保護免疫性を確立する有効量を投与す る。 変異体SPE−C毒素またはその断片は、また変異体SPE−C毒素および野 性型SPE−C毒素と免疫応答する中和抗体の産生にも有効である。これらの抗 体は、STSSの症状を発症している患者の症状を処置または改善する受動免疫 血清として使用できる。上記のワクチン組成物は、ウマまたはヒトのような動物 に、野性型SPE−Cに対する中和抗体が生じるまで投与できる。これらの中和 抗体を、次いで、回収し、精製し、そしてSTSSの症状を発症している患者の 処置に使用する。野性型SPE−C毒素に対する中和抗体は、また、野性型SP E−Cを使用しても形成できる。しかしながら、野性型SPE−Cは、ウサギで 野性型SPE−CのLD50の1/50から1/100のように毒性を誘発するよ りかなり低い投与量で投与すべきである。 中和抗体を、発熱、低血圧、A群レンサ球菌感染、筋炎、筋膜炎および肝臓傷 害のような症状を発症する患者に、SPE−C毒素の作用を中和するのに有効な 量投与する。中和抗体は、静脈内、筋肉内、皮内、皮下等で投与できる。好まし い経路は、静脈内であり、または局所感染に関しては、組織傷害の部位に局所的 に創面切除による。中和抗体を抗体治療と組み合わせて投与することも好ましい 。中和抗体は、ショック症状、または組織傷害の軽減が、1回または複数回投与 量で得られるまで投与できる。典型的に投与する中和抗体の好ましい量は、約1 mgから1000mg/kg、より好ましくは約50−200mg/体重kgである。C.変異体SPE−C毒素をコードするDNA発現カセットおよびこのようなD NA発現カセットの製造法 本発明はまた、変異体SPE−C毒素および/またはその断片の発現に有用な DNA配列および発現カセットも含む。発現カセットは、宿主細胞のプロモータ ー機能に操作可能に結合した野性型SPE−C毒素に実質的に対応するタンパク 質と比較して、少なくとも1個のアミノ酸変化および少なくとも一つの生理的機 能の変化を有する、変異体SPE−C毒素および/またはその断片をコードする DNA配列を含む。発現カセットは、形質転換ベクター内に包含され、変異体S PE−C毒素が形質転換細胞で産生される。次いで、変異体毒素を宿主細胞また は宿主細胞上清から精製できる。形質転換宿主細胞はまたワクチン組成物として も有用である。 変異体SPE−C毒素またはその断片は、また部位特異的または無作為変異誘 発に関して記載のものと同様の方法で、自然発生変異に関してスクリーニングお よび選択できる。変異体SPE−C毒素は、インビトロ変異誘発を使用して、ま たは任意の方法で製造された断片から半合成的に製造できる。最後に、変異体S PE−C毒素は、化学合成を使用して製造できる。 変異体SPE−C毒素またはその断片を製造する方法は、宿主細胞の、このよ うな発現カセットを含むベクターでの形質転換またはトランスフェクトおよび該 宿主細胞の、このような変異体SPE−C毒素または断片の宿主細胞による発現 を可能にする条件下での培養を含む。変異体SPE−C毒素をコードするDNA配列 変異体SPE−C毒素をコードする変異DNA配列は、選択した変化のタイプ に依存して、種々の方法で形成できる、少なくとも一つの変化をアミノ酸配列に 含む。野性型SPE−C毒素に実質的に対応するタンパク質をコードするDNA 配列は、変異体SPE−C毒素をコードするDNA配列を産生するために使用す る鋳型DNAとして機能する。野性型SPE−C毒素をコードするDNA配列は 図1に示す。 特異的な位置(複数も有る)での特異的な変化(複数も有る)を成すために、前掲 のPerrin et al.の方法に従ったPCRを行うのが好ましい。特定の場所の変化 を標的とするために、アミノ酸変化をコードする置換ヌクレオチドを含む内部プ ライマーを、5'および3'フランキングプライマーをまた含む混合物に包含させ る。5'フランキングプライマーは野性型SPE−Cのコード配列の翻訳開始部 位の上流のDNA領域と相同であるか、またはこれとハイブリダイズする。好ま しくは、5'フランキング領域はspeAプロモーターおよび調節領域の上流である 。例えば、5'フランキングプライマーは、翻訳開始部位の約760塩基上流の 領域と相同であるか、またはハイブリダイズできる。下流フランキングプライマ ーは、野性型SPE−Cのコード配列の停止コドンの下流のDNAの領域と相同 性であるか、またはこれとハイブリダイズする。下流フランキングプライマーが 転 写および翻訳停止シグナルを備えるのが好ましい。例えば、3'フランキングプ ライマーは、SPE−Cのコード配列に対して、停止コドンの200塩基対下流 の領域とハイブリダイズできるか、またはそれと相同性であり得る。上流および 下流フランキングプライマーは、全PCR反応に存在し、得られるPCR産物が speCプロモーターおよび上流調節領域ならびに転写および翻訳停止シグナルを含 むことを確実とする。他の上流および下流プライマーは、当業者が容易に構築で きる。天然speCプロモーターおよび上流調節領域がPCR産物に含まれているこ とは、好ましいが必須ではない。 内部プライマーは、野性型SPE−CをコードするDNA配列を使用して、特 異的位置に変化を生じるように設計できる。プライマーは、特異的位置の特異的 アミノ酸置換をコードするように設計できる。プライマーは、Rennell et al., J.Mol.Biol.22:67(1991)に記載のように、特定の部位で無作為置換をもたら すように設計できる。プライマーは、特定部位のアミノ酸欠失をもたらすように 設計できる。プライマーはまた特定の位置の付加的アミノ酸のコード配列を付加 するためにも設計できる。 プライマーは、好ましくは約15から50ヌクレオチド長、より好ましくは1 5から30ヌクレオチド長である。プライマーは、好ましくは自動合成する。5 'および3'フランキングプライマーは、好ましくは野性型SPE−C毒素のコー ド配列をコードするフランキングDNA配列とハイブリダイズする。これらのフ ランキングプライマーは、好ましくはフランキングDNA配列に100%相同性 または相補的な約10ヌクレオチドを含む。内部プライマーは、該部位での変化 をコードするため、該位置のアミノ酸をコードするDNA配列と100%は相補 的ではない。内部プライマーは、約15から30ヌクレオチド長の野性型SPE −C配列から、約1から4ミスマッチを有することができる。フランキングプラ イマーおよび内部プライマーの両方とも、好ましくはプライマーの末端付近に、 制限部位およびクランプ部位をコードする付加的ヌクレオチドも含む。ハイブリ ダイゼーション条件は、プライマーに存在するミスマッチの数を考慮して、Samb rook et al.Molecular Cloning-A laboratory manual,Cold Spring Harbor La boratory Press,(1989)に記載の既知の原則に従って、変えることが できる。 一個以上の部位での変化が望まれる場合、1個以上の内部プライマーを使用で きる。1個以上の位置での部位特異的変化を産生するためのPCR法は、前掲の Aiyar et al.に記載されている。他の方法は実施例5に記載される。 一つの方法において、特定部位の1個の変化を有する変異体SPE−C毒素を コードするDNA配列を、次いで、第2の部位での変化を有する変異DNA配列 を産生するための鋳型として使用する。PCRの第1回目において、第1の内部 プライマーを使用して第1の変化を有する変異DNAを産生する。第1の変化を 有する変異DNA配列を、次いで鋳型DNAとして使用して、異なる部位での変 化をコードする第2の内部プライマーを使用して、二つの位置でアミノ酸配列の 変化を有する変異体毒素をコードするDNA配列を形成する。PCR法を使用し て、約2から6個の変化を有するアミノ酸配列をコードするDNA配列を産生す る。 好ましいPCR法は、前掲のPerrin et al.により記載されている。簡単に、 PCR反応条件は:10mM トリス−HCl(pH=8.3)、50mM KC1 、1.5mM MgCl2、各200μMのdNTP、2ng鋳型プラスミドDNA 、100pmoleフランキングプライマー、5pmole内部プライマーおよび2.5単 位のAmpli Taq DNAポリメラーゼ(Perkin Elmer Cetus)を含む100μl反応混合 物中でPCRを行うものである。第2の増幅段階において、反応混合物の組成物 は、フランキングプライマーおよびメガプライマーの当モル(各5pmole)および 鋳型1μg以外、上記の通りである。PCRを、94℃×1分の30サイクルの 変性、37℃または44℃×2分のアニーリングおよび72℃で3分の伸長で行 う。 PCR産物を単離し、次いでシャトルベクター(例えば、Murray et al.,J.I mmunology 152:87(1994)の方法で構築し、Dr.Schlievert,University of Minn esota,Mpls,MNから入手可能なpMIN 164)にクローン化する。ベクターは、アン ピシリン耐性を担持するE.coliプラスミドpBR322とエリスロマイシン耐性を付 与するスタフィロコッカルプラスミドpE194とのキメラである。連結したプラス ミド混合物は、Toxin Technologies,Boca Raton,FlaまたはDr. Schliebertからの野性型SPE−Cに対するポリクローナル中和抗体を使用して 、毒素産生に関してE.coliでスクリーニングする。変異体SPE−C毒素は、H siao et al.,Nucleic Acid Res.19:2787(1991)の方法により配列決定し、所望 の変異の存在および他の変異の非存在を確認する。 当業者は、遺伝子コードの縮重のために、多くのDNA配列がアミノ酸の同じ 変化をコードできることを理解する。本発明は、異なるヌクレオチド配列を有す るが、アミノ酸配列内の同じ変化をコードするDNA配列を含む。 特定部位の無作為変異誘発に関して、特定部位で他の19アミノ酸のいずれか の置換または非天然由来アミノ酸またはアナログをもたらすように、一連のプラ イマーを設計する。PCRは、上記と同様の方法で、または前掲のRennell et a l.に記載の方法で行う。PCR産物をサブクローンし、次いで毒素産生を野性型 SPE−Cに対するポリクローナル中和抗体との免疫応答性により追跡できる。 アミノ酸配列における変化の存在は、変異体SPE−C毒素をコードするDNA 配列の配列決定により証明できる。好ましくは、変異体毒素を非致死性に関して スクリーニングおよび選択する。 変異誘発の他の方法は、野性型SPE−C毒素をコードするDNA配列におけ る無作為変異の産生にも用いることができる。本明細書で使用する無作為変異ま たは無作為変異誘発とは、変異が選択部位でないこと、および/または選択した 変化でないことを意味する。野性型SPE−C毒素をコードするDNA配列を含 む細菌宿主細胞は、化学変異誘発およびUV照射のような他の標準法により変異 誘発できる。本方法で発生した変異体を、野性型SPE−Cに対するポリクロー ナル中和抗体を使用して、毒素産生に関してスクリーニングできる。しかしなが ら、生物活性に少なくとも一つの変化を有する、好ましくは致死性でない変異体 毒素の同定が必要である。自然発生する変異体もまた、野性型SPE−Cの生物 活性の少なくとも一つの変化に関してスクリーニングできる。 無作為変異誘発は、Anthony-Cahill et al.,Trends Biochem.Sic.14:400(1 989)に記載のようなインビトロ変異誘発を使用して行うことができる。 加えて、変異体SPE−C毒素は、化学合成を使用して形成できる。化学的に タンパク質を合成する方法は、Wallace,FASEB J.7:505(1993)に記載されてい る。タンパク質の部分を合成でき、次いで酵素を使用して結合させるか、直接的 な化学縮合を行うことができる。化学合成の使用は、当業者が所望の位置に非天 然由来アミノ酸を所望の位置に挿入するのに特に有用である。加えて、化学合成 は、変異体SPE−C毒素の断片の製造に特に有用である。 本明細書に記載の任意の方法が、変異体SPE−C毒素の断片の形成に有用で ある。加えて、断片は、制限酵素消化および/または連結反応を使用して、容易 に産生できる。断片を産生するのに好ましい方法は、20個またはそれより少な いアミノ酸の断片については直接化学合成によって、またはより大きな断片につ いては、遺伝子クローニングによって行われる。 変異体毒素をコードするDNA配列は、部位特異的であれ無作為であれ、野性 型SPE−C毒素由来の生物活性の他の変化について更にスクリーニングできる 。少なくとも一つの生物活性における変化のスクリーニング法は、先に記載の通 りである。一度選択したら変異体SPE−C毒素をコードするDNA配列を、少 なくとも一つの生物活性の変化について選択し、それらを発現カセットの形成に 使用する。 発現カセットの形成は、変異体SPE−C毒素をコードするDNA配列と、宿 主細胞内で変異体SPE−C毒素の発現を提供するプロモーターを合わせること を含む。本明細書に記載の、PCRを使用して製造したこれらの変異体SPE− C毒素に関して、天然speCプロモーターが存在し、宿主細胞内の発現を提供する 。 所望により、異なるプロモーターとDNA配列を組み合わせると、宿主細胞の 具体的なタイプでの発現を提供するか、宿主細胞内の発現レベルを促進すること ができる。好ましくは、プロモーターは、SPE−Cに対する抗体で検出できる ように、変異体SPE−C毒素の発現レベルを提供する。原核細胞内で使用でき る他のプロモーターは、PLAC、PTAC、T7等を含む。 変異体SPE−C毒素をコードするDNAを適当なプロモーターと組み合わせ 、発現カセットを形成させたら、発現カセットを適当な形質転換ベクター中にサ ブクローン化する。適当な形質転換ベクターは、少なくとも一つの選択可能なマ ーカー遺伝子を含み、好ましくはE.coliおよび他のグラム陽性微生物で増殖で きるシャトルベクターである。適当なシャトルベクターの例は、pMIN164および pCE104である。他のタイプのベクターは、バキュロウイルスベクター、SV40、ワ クシニア、アデノウイルスおよびサイトメガロウイルスのようなポックスウイル スのようなウイルスベクターを含む。好ましいベクターは、E.coliおよびS.au reus中で増殖できるシャトルベクターのpMIN164ベクターである。 変異体SPE−C毒素をコードする発現カセットを担持する形質転換ベクター を形成したら、これは変異体SPE−C毒素の発現のために提供される適当な宿 主内に挿入される。適当な宿主細胞は、変異体毒素の高レベルの発現を提供する が、内毒素およびM−プロテインのような他の望ましくな分子での汚染の可能性 を最小にする細胞である。適当な宿主細胞は、哺乳類細胞、S.aureus、E.coli 、Salmonella spp.のような細菌細胞、酵母細胞および昆虫細胞である。 形質転換法は当業者に既知であり、原形質形質転換、リポソーム介在形質転換 、リン酸カルシウム沈殿形質転換およびエレクトロポレーションを含む。好まし い方法は、原形質形質転換である。 形質転換細胞は、ワクチン組成物として使用できる変異体SPE−C毒素の大 量の製造に有用である。形質転換微生物は、生、弱毒、または加熱死滅ワクチン に使用できる。形質転換微生物は、野性型SPE−Cに対する保護免疫応答を刺 激するのに十分な量で変異体毒素SPE−Cを含む。好ましくは、変異体SPE −C毒素は分泌される。微生物は好ましくはヒトに病原性でなく、毒性形への復 帰を最少とするために、複数個のアミノ酸変化を有する変異体毒素を含む。微生 物は、生または加熱死滅ワクチンのいずれかで、既知の原則に従って投与する。 生ワクチンに好ましい微生物は、Sapmonella spp.のような形質転換細胞である 。 宿主細胞内で機能的なプロモーターに操作可能に結合した変異体SPE−C毒 素またはその断片をコードするDNA配列を含む発現カセットは、また本明細書 で記載のワクチン組成物に使用できる。好ましくは、プロモーターは哺乳類細胞 中で機能的である。適当なウイルスベクターの例は、ワクシニアウイルス、アデ ノウイルス、サイトメガロウイルス等のようなボックスウイルスを含む。ワクシ ニアウイルスベクターは、野性型SPE−C毒素の少なくとも一つの生物活性に 対するヒトの免疫化に使用できる。 本発明は、宿主細胞内で機能的なプロモーターに操作可能に結合した変異体S PE−C毒素またはその断片をコードする核酸配列を含むワクチン組成物も含む 。プロモーターは、好ましくは哺乳類宿主細胞内で機能的である。核酸配列はD NAまたはRNAであり得る。ワクチン組成物は、個体自身の細胞内での変異体 SPE−C毒素またはその断片の発現のために、宿主細胞または個体に送達され る。変異体SPE−C毒素またはその断片の個体内での核酸配列の発現は、野性 型SPE−C毒素に対する保護免疫応答を提供する。所望により、発現カセット はベクター内に包含される。核酸分子は、直接またはウイルスベクターに投与し 得る。ワクチン組成物は、所望により、リポソーム等の細胞内にワクチンを送達 するための送達剤も含む。ワクチン組成物は、また所望によりアジュバントまた は他の免疫調節化合物、および核酸の細胞内取り込みを促進する付加的化合物も 含み得る。ワクチン組成物は、静脈内、腹腔内のような非経口経路を含む種々の 経路または筋肉表面への接触により投与できる。 SPE−C毒素の大規模生育および製造の条件は、当業者に既知である。微生 物源由来の変異体SPE−C毒素の精製法は下記の通りである。変異または野性 型speCをpMIN164内に担持するS.aureusを37℃で、エリスロマイシン5μg/m lを含む透析可能ウシ心臓培地中の固定相に通気しながら、生育させる。培養物 を5容量のエタノールで沈殿させ、タンパク質を発熱物質非含有水に再溶解する 。粗調製物を、3.5から10および4から6のpH勾配の連続平床等電点電気 泳動に付す。抗体反応性により毒素に関して陽性のフラクションを発熱物質非含 有水に対して完全に透析し、各アリコートを15%(重量/容量)ゲル中のSDS ポリアクリルアミドゲル電気泳動で純度を試験する。SPE−Cへのポリクロー ナル中和抗体は、Toxin Technologies,Boca Raton,FraまたはDr.Schlievert から入手可能である。カラムクロマトグラフィーまたはHPLCを含む他の精製 法が使用できる。 本発明は、以下の実施例により、更に理解されよう。これらの実施例は、好ま しい態様を代表するが、本発明の範囲を限定するために構築されたものではない 。 実施例1 SPE−C野性型のクローニングおよび発現 E .coli中のspeCのクローニングおよび発現 遺伝子単離のための毒素検出の必要性を除くために、SPE−C遺伝子に特異 的なオリゴヌクレオチドを合成し、レンサ球菌遺伝子ライブラリーのスクリーニ ングに使用した。株T18P由来の精製レンサ球菌DNAを、制限エンドヌクレアー ゼSau3Aで部分的に消化し、0.7%アガロースゲルで分離した。4−8キロベー ス範囲の断片をゲルから溶出させ、BAMH1で直線化し、自己ライゲーションを防 止するために脱ホスホリル化させたベクタープラスミドpBR328にライゲートした 。ライゲートしたDNAを次いでコンピテントE.coli RR1細胞を形質転換する のに使用し、アンピシリン耐性とした。形質転換体をアンピシリン含有LB寒天 に重ねたニトロセルロースフィルター上で生育させた。レプリカフィルターを調 製し、約1500組換えコロニーを、放射標識合成オリゴヌクレオチドに対する コロニーハイブリダイゼーションにより、speC遺伝子の存在に関してスクリーニ ングした。オリゴヌクレオチドの混合配列の二つのファミリーは、成熟SPE− Cタンパク質(図1)の最初の6アミノ酸に対応するヘキサペプチド配列であるAs p-Ser-Lys-Lys-Asp-Ileに由来した。本オリゴヌクレオチドを二つのファミリー に分け、プローブ過剰を制御し、それにより非特異的ハイブリダイゼーションを 最少とした。ファミリーBにハイブリダイズするコロニーは見られなかった。ハ イブリダイズしたクローンを、Ouchterlony免疫拡散試験でSPE−C抗血清と の沈降により、SPE−C発現に関してアッセイした。選択したコロニーの一つ 由来の融解物は、精製SPE−Cと同一の沈降線を形成した。PRlpUMN501由来の 培養上清液は、検出可能な量のSPE−Cを含有せず、E.coliが毒素を分泌で きないことを示した。サブクローニング pUMN501中の挿入物は、約4.0キロベースであり、sau3A部位に隣接していた( 図2)。XbaIでの消化は2.4および1.6キロベース断片を産生したが、そのい ずれも、pUC13にライゲートし、E.coli JM101(それぞれpUCMN512およびpUMN511 )に形質転換したとき、speC発現を指示しなかった。大きなSau3A-SalI断片(3. 3キロベース)は、E.coli JM101(pUMN513)でspeCを発現した。遺伝子は、プラ スミドプロモーターに関連してどちらの配向でも発現され、天然レンサ球菌プロ モーターが挿入物中に存在し、E.coli中で機能性であることを示した。 speC遺伝子は、更に、3.3キロベースSau3A-SalI断片のM13バクテリオファージ へのクローニングにより配置され、Dale et al.Plasmid 13:31-40(1985)の方法 を使用して、欠失サブクローンを産生した。M13から単離し、pUC13にライゲート した1.7キロベース断片は(pUMN521)、E.coli中でspeCを発現できた。 実施例2 E .coli由来SPE−Cの生化学的特徴付 UMN501によりコードされるSPE−Cを、エタノール沈殿、続くpH3.5− 10の勾配の分取等電点電気泳動によりE.coli RRlの抽出物から部分的に精製 した。E.coli由来毒素は、レンサ球菌由来毒素とほぼ同じ位置まで移動した(6 .5から7.2)。E.coliおよびレンサ球菌由来SPE−CはSDS-PAGEで同じ分子 量24000を有した。E.coli調製物には付加的なタンパク質が存在するが、 SPE−C特異的抗血清を使用した免疫ブロット法で試験したとき、24000 mwタンバク質のみが反応した。 実施例3 E .coli由来SPE−Cの生物学的特徴付 E.coliおよびレンサ球菌由来SPE−Cを、リンパ球分裂原性に関して比較 した。ウサギ脾臓細胞(2×105細胞)を約0.01μgのS.pyogenesまたはE.col i(pUMN501)由来のSPE−Cに曝した。3日後、培養物を1μCi[3H]−チミジン でパルスし、24時間インキュベートし、その後放射標識の細胞性DNAへの取 りこみを定量した。両方の毒素調製物は、同様の有糸分裂促進応答を誘発した。 SPE−C抗血清とのインキュベーションは、両方のクローン化およびレンサ球 菌由来毒素の有糸分裂促進応答を有意に減少させた。 レンサ球菌およびE.coli由来SPE−Cをまた、ウサギにおいて発熱性およ び致死性内毒素ショックの増強に関しても比較した。レンサ球菌およびE.coli 由来SPE−Cは同様に発熱性であった;両方の調製物の平均体温上昇は、4時 間後に1℃であった。発熱反応は、内毒素の特徴である二相性よりむしろ一相性 であった。これは、発熱がSPE−Cに起因し、内毒素汚染によるものではない ことを示す。両方のE.coliおよびレンサ球菌由来SPE−C処置動物は、内毒 素ショックの増加した感受性を示した。PBSおよび内毒素のみを投与されたウ サギは全て生存した。 これらの研究は、E.coli内でSPE−Cが生理学的に活性な形で発現され、 SPE−Cに起因するその作用が共精製したレンサ球菌汚染物によるものではな いことを確認する。 実施例4 組換え製造spE−C(wt)のウサギへの投与および免疫化 組換え製造したSPE−Cを、ウサギに7日間にわたり全量200μg/in0. 2mlで投与した。結果は、SPE−Cで処置した動物が、STSSの徴候を発症 し、ほとんど全ての動物が7日間中に死亡した(データは示していない)。ウサギ のSTSSの症状は、体重減少、下痢、顔の斑点、発熱、赤い結膜および粘膜よ び透明な茶色の尿を含む。予期されるように、対照非毒素処理動物は健康なまま であった。他の二つの大きな観察が成された:1)予期されるように、補液は動 物に完全防御を提供する、そして2)毒素処理動物は壊死筋膜炎および筋炎を発 症せず、SPE−C以外の、またはSPE−Cに加えて、他の因子が軽い組織傷 害に必要であることを示す。STSSの臨床的特徴の発症は、SPE−Cの投与 と相関する。 実施例5 PCR を使用したSPE−Cの2重または3重変異の製造 変異体SPE−C毒素またはその断片に2重または3重変異を産生するのに使 用する多くの方法がある。 アミノ酸配列に二個またはそれ以上の変化を有する変異体SPE−C毒素は、 先に記載のようにPCRを使用して調製する。第1のPCR反応において、選択 部位の第1の変化をコードする第1の内部プライマーを5'および3'フランキン グプライマーと合わせて、第1のPCR産物を形成させた。第1のPCR産物は 、アミノ酸配列に一個の変化を有する変異体SPE−C毒素をコードするDNA 配列であった。この第1のPCR産物は、次いで、鋳型DNAとして働き、野性 型SPE−C活性を有するタンパク質と匹敵する、アミノ酸内に二つの変化を有 する第2のPCR産物を産生した。第1のPCR産物は、第2の部位のアミノ酸 の変化をコードする第2の内部プライマーと組み合わせた鋳型DNAであった。 第 2の内部プライマーをまた5'および3'フランキングプライマーと合わせ、第2 のPCR産物を形成させた。第2のPCR産物は、アミノ酸配列の二箇所に変化 を有する変化SPE−C毒素をコードするDNA配列であった。この第2のPC R産物を次いで第3の反応の鋳型として使用し、アミノ酸配列の第3の部位に変 化を有する変異体SPE−C毒素をコードする産物DNA配列を形成させた。本 方法は、アミノ酸配列に一個以上の変化を有する変異体毒素をコードするDNA 配列の産生に使用される。 一個以上の変化を有するDNA配列の製造の別法は、自動合成によるアミノ酸 配列に一個またはそれ以上の変化を有するDNA配列の断片の製造である。次い で、断片を、数個の独特な制限部位を使用して、野性型SPE−Cコード配列に サブクローン化する。制限部位は当業者に既知であり、野性型SPE−CのDN A配列から容易に決定される。クローニングは、Revi et al.Nucleic Acid Res .16:1030(1988)に記載のような3断片ライゲーション法の1段階で行う。 実施例6 SPE−Cの1および2変異体の評価 3種のSPE−Cの1アミノ酸変異体を製造した:a)15位のチロシンがア ラニンに代わったY15A、b)17位のチロシンがアラニンに代わったY17A、c)3 8位のアスパラギンがアラニンに代わったN38A。2種のSPE−Cの2アミノ酸 変異体も製造した:a)Y15A/N38A、b)Y17A/N38A。全変異体は、Quik Change法( Stratagene,La Jolla,CA)と、speC含有プラスミドpUMN521を鋳型として使用し て構築した。pUMN521は、pUC13にSPE−C遺伝子(speC)を含む(Goshorn et al .)。 1アミノ酸変異タンパク質は、100ml培養のEshcerichia coli中に製造した 。50μg/mlアンピシリンの存在下での生育後、E.coli培養を400mlの−2 0℃エタノールで処理して細胞を融解させ、SPE−C変異タンパク質を沈殿さ せた。E.coli中のpUMN521を、陽性対照として使用するために同等に処理した。 毒素含量は25μg/mlと概算された。 pUMN521由来の野性型SPE−Cおよび3種の1アミノ酸変異体を、0.25か ら2.5×10-5または2.5×10-6の範囲の毒素投与量で、ウサギ脾臓細胞 増殖の誘導能を評価した。図7に示されるように、Y15AおよびN38A変異体は、野 性型の約半分の細胞分裂誘導であった。Y17Aは本質的に非細胞分裂誘導であった (図8)。 2重変異体Y15A/N38AおよびY17A/N38Aもまた、野性型毒素と比較したウサギ脾 臓細胞を刺激する能力を試験した(図9)。両方の変異体は、同等量の野性型毒素 で見られるよりも4分の1しかウサギ脾臓細胞を刺激しなかった。 両方の2重変異体は内毒素ショック増強に関しても試験した。ウサギ3匹/群 で皮内に変異体または野性型毒素5μg/kgで攻撃した。4時間後、同じ動物を 10μg/kgのSalmonella typhimurium内毒素(1/50LD50)で攻撃した。死 亡を48時間に渡り記録した(表4)。示されるように、2重変異体はウサギで致 死性の原因とならなかった。 表4:内毒素ショックへのウサギの感受性の増強におけるSPE−Cの2重アミ ノ酸変異体の能力 注:表4に記載の実験において、全ウサギは5μg/kgタンパク質で、次いで4 時間後に内毒素(10μg/kg)で攻撃した。 表4で使用したウサギの攻撃1週間後に、動物を死亡させ、全体的な組織傷害 を試験した。肝臓、脾臓、腎臓、肺および心臓を含む全臓器は正常に見える。こ れは、2重変異体の毒性の欠失と一致する。 ウサギ3匹/群をまた、2週間、フロイントの不完全アジュバントに乳化させ た25μgのSPE−C2重変体で免疫化した。動物を次いで5日間安静にさせ た。血液0.5mlを各動物から採血し、Y15A/N38AおよびY17A/N38A血清の収集物 としてプールした。これらのプール由来の血清を、ペルオキシダーゼ基本ELISA( Hudson and Hay引用文献)で、精製レンサ球菌由来野性型SPE-Aに対する抗体に関 して免疫前プール血清と比較した。表5はELISAの結果を要約する。 表5:SPE−CのY15A/N38AおよびY17A/N38A変異体に対して免疫化したウサギ のELISA抗体力価* *抗体に対して試験する血清は、最初の1:10希釈を2倍に希釈した。抗体の 力価は、490nmで0.1またはそれより大きい吸光度となる最後の希釈の逆数 である。 免疫化動物を5μg/kgの野性型SPE−Cで、続いて4時間後に10μg/kg のSalmonella typhimurium内毒素で攻撃し、致死性に対する免疫化の能力を試験 した。表6は、動物が攻撃から保護され、従って、SPE−Cに免疫性であるこ とを示す。 表6:Y15A/N38AおよびY17A/N38A免疫化動物の野性型SPE−Cおよび内毒素で の攻撃 更なるSPE−Cの1アミノ酸変異体も製造した。これらは毒性に必要であり 得る3つの主要ドメインの残基を含む。これらはT細胞受容体結合ドメイン、ク ラスII MHC結合ドメインおよび中心対角線アルファヘリックスの後方と相同 な残基を含む。残基の変化および変異のT細胞有糸分裂促進における作用を表7 に記載する。 表7:Tリンパ球細胞分裂および致死性におけるSPE−Cの変異の作用 a 0.1μg/ウェル投与量で比較。 b 内毒素に対する感受性の増強のために死んだウサギの数/注射総数;野性型 SPE−Cを投与した2/2動物が死亡した。 本発明は、種々の具体的で好ましい態様および方法について記載している。し かしながら、多くの変法および修飾が、本発明の精神および範囲内で成し得るこ とは理解されよう。 本明細書に引用の全ての刊行物および特許出願は、本発明が属する分野の技術 者のレベルの指標である。全ての刊行物および特許出願は、各個々の刊行物およ び特許出願に、個々に示すのと同じ程度に、本明細書に出典明示により包含させ る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/15 C12N 1/19 1/19 1/21 1/21 15/00 ZNAA 5/10 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ミッチェル,デイビッド・ティ アメリカ合衆国55127ミネソタ州バドネイ ス・ハイツ、センタービル・ロード4217番 (72)発明者 ガー,パメラ・ジェイ アメリカ合衆国55125ミネソタ州ウッドベ リー、ホースシュー・レイン2728番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.変異体が少なくとも1つのアミノ酸の変化を有し、野生型SPE−C毒素に 実質的に対応するタンパク質に比べて実質的に非致死的である、変異体SPE− Cまたはその断片。 2.変異体SPE−C毒素が1−6のアミノ酸置換を含み、少なくとも1つの置 換アミノ酸が、Bサブユニットのβバレル、N末αヘリックス、対角αヘリック スまたはサブユニットAとサブユニットBとの間の表面溝に位置する、請求項1 の変異体SPE−C毒素。 3.変異体SPE−C毒素が1−6のアミノ酸置換を含み、少なくとも1つの置 換アミノ酸がアスバラギン−12、チロシン−15、チロシン−17、ヒスチジ ン−35、アスパラギン−38、リシン135、リシン138、チロシン−13 9、アスパラギン酸−142である、請求項1の変異体SPE−C毒素。 4.少なくとも1つのアミノ酸置換がアスパラギン−12のアラニン、グルタミ ン酸、アスパラギン、グルタミン、リシン、アルギニン、セリン、トレオニンへ の置換、チロシン−15のフェニルアラニン、アラニン、グリシン、セリン、ト レオニンへの置換、チロシン−17のフェニルアラニン、アラニン、グリシン、 グルタミン酸、リシン、アルギニン、アスパラギン酸、セリン、トレオニンへの 置換、ヒスチジン−35のフェニルアラニン、アラニン、グリシン、グルタミン 酸、リシン、アルギニン、アスパラギン酸、チロシン、フェニルアラニン、セリ ン、トレオニンへの置換、アスパラギン−38のアラニン、アスパラギン酸、グ ルタミン酸、リシン、アルギニンへの置換、リシン135のグルタミン酸または アスパラギン酸への置換、リシン138のグルタミン酸またはアスパラギン酸へ の置換、チロシン−139のフェニルアラニン、アラニン、グリシン、グルタミ ン酸、リシン、アルギニン、アスパラギン酸、セリン、トレオニンへの置換、ア スパラギン酸−142のアラニン、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、 セリン、トレオニン、リシン、アルギニンへの置換を含む、請求項3の変異体S PE−C毒素。 5.少なくとも1つのアミノ酸置換がアスパラギン−12のアラニンへの置換、 トレオニン−15のアラニンへの置換、トレオニン−17のアラニンへの置換、 ヒスチジン−35のアラニンへの置換、アスパラギン−38のアスパラギン酸へ の置換、リシン135のアスバラギン酸への置換、リシン138のアスパラギン 酸への置換、トレオニン−139のアラニンへの置換、アスパラギン酸−142 のアスパラギンへの置換を含む、請求項4の変異体SPE−C毒素。 6.少なくとも1つのアミノ酸置換がトレオニン−15およびアスパラギン−3 8の置換を含む、請求項3の変異体SPE−C毒素。 7.置換がトレオニン−15のアラニンへの置換およびアスパラギン−38のア ラニンへの置換である、請求項6の変異体SPE−C毒素。 8.少なくとも1つのアミノ酸置換がトレオニン−17およびアスパラギン−3 8の置換を含む、請求項3の変異体SPE−C毒素。 9.置換がチロシン−17のアラニンへの置換およびアスパラギン−38のアラ ニンへの置換である、請求項8の変異体SPE−C毒素。 10.変異体が少なくとも1つの下記特性:変異体がT細胞分裂原生を低下さす 、変異体が内毒素ショックを実質的に高めない、変異体が致死性でない、変異体 が致死性でなく、野生型SPE−C毒素に匹敵する分裂原性を保持することを有 する、請求項1の変異体SPE−C毒素。 11.少なくとも1つの請求項1の変異体SPE−C毒素の有効量を含む、野生 型SPE−Cの少なくとも1つの生物活性に対して動物を保護するワクチン。 12.請求項1のSPE−C毒素と薬理学的に許容される担体との混合物を含む 医薬組成物。 13.請求項1の変異体SPE−C毒素をコードするDNA配列。 14.請求項13のDNAを含む安定な形質転換宿主細胞。 15.請求項11のワクチンを動物に投与することを含む、野生型SPE−Cの 少なくとも1つの生物活性に対して動物を保護する方法。 16.請求項11のワクチンを動物に投与することを含む、毒性ショックに関連 する症状を軽減する方法。
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