JP2002511556A - 歯車式変速機の切換装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、固定長手ガイド（２）上を摺動する切換フォーク（３、２１）によって、かみ合いクラッチを作動する、歯車式変速機の切換装置（１）に関する。切換フィンガ（９）から切換フォーク（３、２１）への切換力の伝達は、切換フォーク（３、２１）に掛けられた板金形材（４、５、６）を介して行われる。これらの板金形材（４、５、６）の他端は、切換コーム（７）内を案内され、この切換コーム（７）において、拘束板（１１）およびスライダ（１６）によって、速度段の選択が行われ、また自動的に作用する係止装置が、切り換えられていない速度段および切換通路を拘束する。本発明に基づく切換装置（１）の配置構造によって、レバー切換機構、回転軸切換機構、ケーブル切換機構および油圧切換機構のような種々の形式の切換機器に対して、並びに自動モジュール組立に対して適用される、確実で、単純で、且つ安価な切換装置が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、特許請求の範囲請求項１の上位概念部分に記載の歯車式変速機の切
換装置に関する。

【０００２】 歯車式変速機を切り換えるために、一般に切換フォークが利用されている。こ
の切換フォークは、切換レバーの切換運動を伝達装置によって変速機のかみ合い
クラッチに伝達するものである。切換レバーにおける切換運動は、公知のＨ形切
換パターンに応じて行われる。その伝達装置は、僅かな伝達損失および僅かな質
量にしなければならず、また最新車両の必要な切換快適性を確保するために、良
好に減衰しなければならない。更にこの伝達装置は、複数の速度段が同時に作動
されることを、確実に防止しなければならない。

【０００３】 もう１つの課題は、切換レバーにおける切換運動（行程と力）を、従動軸およ
び又は副軸におけるかみ合いクラッチの配置と、ドッグクラッチの形の形成ある
いはシンクロ装置とによって必要とされる行程と力に、変換することにある。

【０００４】 上述した形式の切換装置は次の個々の構造部品に分けられる。 − かみ合いクラッチの切換スリーブに切換力を伝達するための切換フォーク。 通常同期かみ合いされるみ合いクラッチは、一般に切換変速機の軸上に配置さ
れ、歯車を切換可能に軸と結合させる。切換フォークは切換力をジャーナル軸受
によって切換スリーブに伝達する。これは、その場所における耐摩耗性材料の利
用を条件づける。重量およびコストを低く抑えるために、切換フォークはしばし
ばアルミニウムダイキャスト品あるいは複合材料で作られ、ジャーナル軸受にモ
リブデンが吹付け被覆されるか、すべりシューが設けられる。例えば米国特許第
４６２１５３７号明細書で提案されている中央切換レール付きの切換装置の場合
、切換通路選択および切換は、直接、切換フォークについて精確な加工および硬
い縁を要求する。これは、可鍛鋳鉄で作られた種々の高価な切換フォークを必要
とする。この形態の別の欠点は、中央切換レールと切換フォークとの間に多くの
ジャーナル軸受が存在することであり、これらのジャーナル軸受は、特に低温時
に選択および切換を粘っこくしてしまう。

【０００５】 − 切換力を切換フォークに伝達するための長手ガイド。次の２つの基本原理が
知られている。

【０００６】 ａ） 各切換フォークに固く結合されているレール。これらのレールは変速機ハ
ウジングにおいて摺動し、長手方向の力だけを伝達する。管、丸棒鋼あるいは鍛
造品や曲がり部品から成るレールが存在している。

【０００７】 ｂ） 中央切換レール。これは、変速機ハウジングにおいて摺動し、長手方向運
動および回転運動を伝達する。すべての切換フォークはこの切換レール上を摺動
する。切換レールにどの切換フォークを連結するかの選択と、作動されない切換
フォークのその長手方向における中立位置への拘留は、切換レールと切換フォー
クとの間における形状・拘束部品によって行われる。

【０００８】 − 所望の速度段が存在する切換通路の選択を可能にし、切換レバーの運動によ
る速度段の切換を可能にする切換通路・速度段切換。この場合、切換ミスは拘束
手段によって確実に防止しなければならない。次の３つの原理が知られている。

【０００９】 ａ） 例えばヨーロッパ特許第０３９５２４１号明細書に示されているような中
央切換レールと切換フォークとの間における選択および拘束。その場合、切換レ
ールに加工精度および材料強度についての厳しい要件が課せられる。これにより
加工費が高価となり、重量が重くなる。また多くの摩擦個所が生じ、これは切換
快適性に不利な影響を与える。

【００１０】 ｂ） 別個の切換軸に固定された切換フィンガあるいはレバーを介しての所望の
切換レールの選択。速度段の拘束は、切換フォーク間あるいは切換レール間にお
けるピン、球あるいは爪のような別個の手段によって行われる。この形式はしば
しば乗用車用および軽自動車用の歯車式変速機に利用されている。

【００１１】 ｃ） いわゆる切換コーム（櫛）を介しての選択および拘束。切換コームは複数
の平面形材から成り、互い違いにその１つは切換フォークに、１つは切換方向に
おいてハウジングに固く結合されている。この切換コームを通って摺動する切換
フィンガは、選択方向における位置が切換フォークの平面形材と一致していると
きだけ、所望の速度段を作動できる。他の位置にある場合、切換フォークは拘束
される。例えばそのような切換装置はドイツ特許第３０００５７７Ｃ２号明細書
に示されている。この切換装置はしばしば商業車に利用されている。

【００１２】 − 変速機の状態（例えば中立位置、Ｒ段（後進段）など）を表示するための種
々のスイッチとセンサの接続。

【００１３】 − 種々の切換機器の接続。種々の車両に対して、レバー切換機構、回転軸切換
機構、ケーブル切換機構のような種々な切換機器も利用されている。歯車式変速
機に種々の切換機器を組み込むことができるようにするために、歯車式変速機と
切換機器との間における一様なインタフェース（接続装置）が得られねばならな
い。

【００１４】 切換スリーブの運動あるいは車両への衝撃によって、切換部品は、切り換えら
れた速度段が走行中に跳び出るように振動してしまう。これを防止するために、
各切換通路の切換部品が弾性係止によって「中立」および「速度段中」の位置に
固定される。これは、その位置が切換機器においてもう一度別個に係止されるの
で、追加的な経費を要する。

【００１５】 歯車式変速機においてしばしば、異なった伝達比順序を、いわゆる高速段切換
ないし直結段切換を形成することが必要である。その場合、例えば５速形変速機
において４速の高速段切換の際および５速の直結段切換の際に損失の少ない直接
通しクラッチが生ずる。これは例えばその切換フォークの切換方向を逆転するこ
とを要求する。これは、中央切換レール付き切換装置の場合にはできず、複数の
切換レールを備えた切換装置の場合には高い経費を伴う。中央切換レールで切り
換える場合、例えば右ハンドル車および左ハンドル車に対する切換パターンの変
更も、同様に非常に経費がかかる。

【００１６】 本発明の課題は、種々の切換機器と切換変速機の切換クラッチの切換スリーブ
との間における選択・切換力の伝達が、少ない摩擦で、確実に、且つ安価にでき
る切換装置を提供することにある。また本発明は、直結段切換および高速段切換
に対する切換装置を構成する単純な方式を提供し、種々の切換パターンおよび切
換群の明瞭なモジュール化を可能にしようとしている。

【００１７】 この課題は特許請求の範囲請求項１の特徴部分に記載の歯車式変速機に対する
切換装置によって解決される。

【００１８】 本発明の有利な実施態様は各従属請求項に記載されている。

【００１９】 本発明に基づく切換装置において、すべての切換フォークは、ハウジング部分
に固く結合された長手ガイドによって案内され、その上を摺動して板金形材によ
って作動される。板金形材の他端は、長手ガイドに固定された切換コーム内を摺
動する。この切換コームは、歯としての拘束板を有している。それらの歯間を、
切換フィンガおよび自動的に作用する係止装置が、切換手段によって移動され、
切換フィンガは速度段を切り換えるために板金形材と共働し、係止装置は選択さ
れていない切換通路および速度段を拘束板で拘束する。

【００２０】 本発明の有利な実施態様において、長手ガイドは断面三角形の形材であり、こ
の形材は圧延加工あるいは引抜き加工された鋼管から成っている。

【００２１】 他の有利な実施態様において、切換フォークはアルミニウムダイキャスト品あ
るいは複合材料で作られ、長手ガイドと切換フォークとの間におけるガイド部分
は、切換フォークに直接形成されている。

【００２２】 更に他の有利な実施態様において、切換フォークは、圧入されたジャーナル軸
受を有している。

【００２３】 他の有利な実施態様において、切換フォークは、長手ガイドとしてローラを有
している。

【００２４】 更に他の有利な実施態様において、板金形材は切換方向においてドラッグピン
によって切換フォークに固定され、板金形材の選択方向における位置は、スペー
サディスクによって固定されている。

【００２５】 他の有利な実施態様において、板金形材は切換フォークに突起によってかみ合
い結合され、その選択方向における位置は、板金形材の曲がりおよび貫通（ブッ
シング）によって得られている。

【００２６】 他の有利な実施態様において、切換フォークは長手ガイドの下側にポケットを
有し、このポケットの中に、長手ガイド内に支持されたレバーが係合し、このレ
バーの他端が、板金形材の運動を逆転するために、板金形材の切欠き開口に係合
している。

【００２７】 更に他の有利な実施態様において、切換コームは、選択方向において交互に配
置された、切換方向に固定された拘束板と板金形材とによって形成され、これら
の拘束板および板金形材に切欠き開口が設けられ、これらの切欠き開口内を通っ
て、切換フィンガおよび自動的に作用する係止装置が、選択方向に摺動する。

【００２８】 切換フォークは例えばアルミニウムダイキャスト品から成り、長手ガイド上を
摺動する。この長手ガイドは摺動面を有し、この摺動面は、切換スリーブが滑動
するために、例えばモリブデンが吹付け被覆されている。長手ガイドは種々の横
断面形状にできる。これは、単に切換フォークの案内機能しか有していないので
、変速機ハウジングの一部であってもよい。長手ガイド上における切換フォーク
の滑り軸受は、種々の様式で行える。特に簡単で安価な方式は、変速機ハウジン
グに敷設された引抜き加工鋼管および切換フォークにおける案内用の孔である。
容易な移動についての要件が特に課せられているとき、切換フォークと長手ガイ
ドとの間に、ジャーナル軸受あるいはあらゆる種類の長手方向転がり軸受が採用
される。切換スリーブのかみ合い接続寸法が同じである場合、全速度段あるいは
複数の速度段に対して、同じ切換フォークが利用できる。

【００２９】 その長手ガイドによって、変速機ハウジングに外向きに開口が生ずることはな
い。これは漏洩の危険を減少する。また例えば、長手ガイドに変速機ハウジング
のねじを配置することも有利である。

【００３０】 切換フォークは突起あるいはピンを有し、この突起あるいはピンに、板金形材
が圧着されているか掛けられている。板金形材の他端は、速度段の選択を行うい
わゆる切換コームに通じている。作動されていない速度段の拘束は、切換コーム
における拘束板と板金形材の交互の配置によって、確実に且つ簡単に行われる。
板金形材によって、変速機における切換フォークの順序、および切換図形におけ
る順序を決定するための種々の軸への整合も、変更することができる。即ち、順
序４・３速用、２・１速用、Ｒ・５速用における切換フォークおよび１・２速、
３・４速、５・Ｒ速形の切換パターンを実施することができる。

【００３１】 切換フォークの切換方向の転向が必要であるとき、板金形材は、切換フォーク
上の代わりに、レバー上に固定される。このレバーは、長手ガイド内に支持され
、その他端で、長手ガイド上を摺動する特別な切換フォークを作動する。

【００３２】 板金形材に対して直角にスライダ（係止装置）が摺動し、このスライダは切換
フィンガによって選択方向に動かされる。

【００３３】 切換コームにおいて各板金形材間にそれぞれ、拘束板が変速機ハウジングに切
換方向に固定して設けられ、その拘束板内をスライダが摺動する。これによって
、選択されていないすべての速度段は、単純に且つ安価な方式で、その中立位置
に固定される。板金形材が拘束板なしに互いに直接並べて配置されているとき、
公知の拘束手段（ピン、球、爪）も利用できる。

【００３４】 「中立位置」および「速度段中」の係止は、切換機器においてのみ行われる。
これは、切り換えられていない速度段がスライダによって固定されていることに
より、可能である。その都度の切換機器の種々の要件および顧客に良好に適応す
ることができるようにするために、中立位置に対する弾力(Anfedernug)は切換機
器に移されている。切換通路に対する弾力も、上述の理由から切換機器に移され
ている。

【００３５】 組立上、切換コームを長手ガイドに固定することが特に有利である。これによ
って、完全な切換装置は、変速機を組み立てる際にモジュールとして採用できる
ようにするために、別個に組み立てられ設置できる。

【００３６】 接続位置は、特にレバー切換機構の場合に車両の条件に適応できるようにする
ために変更できる。これは、板金形材の種々の形状によって広い範囲でできる。

【００３７】 以下図に示した実施例を参照して本発明を詳細に説明する。図には、４・３速
用、２・１速用、５・Ｒ速用の切換フォークが配置され標準的な切換パターンを
した５速形変速機の切換装置が示されている。

【００３８】 歯車式変速機の切換装置１の両側ハウジング部分１２、１３間に長手ガイド２
が固定されている。この長手ガイド２は切換フォーク３を長手方向に案内する。
長手ガイド２は図１に示されているように丸棒でよいが、異なった横断面形状の
ものも利用できる。即ち図８には断面三角形の引抜き加工鋼棒として形成された
長手ガイド２が示されている。

【００３９】 ４・３速用、２・１速用、Ｒ・５速用の切換フォーク３の案内部は、切換フォ
ークに直接加工されているか、あるいは図９に示されているように、ジャーナル
軸受８によって形成されている。特に摩擦の少ない切換装置に対して種々の転が
り軸受を採用することができる。その考え得る形態は、図７および図８に示され
ている。また例えば家具の引出しに利用されているような長手ガイドも利用でき
る。

【００４０】 切換コーム７と切換フォーク３との間における切換力の伝達は、板金形材４、
５、６によって行われる（図２参照）。各板金形材はそれらに対応した切換フォ
ーク３のドラッグピン２２に掛けられ、他の切換フォークのドラッグピン２２を
遊びをもって収容する切欠き開口２６を備えている。板金形材４、５、６の切換
フォーク３および切換コーム７に対する位置は、種々の幅で用意されているスペ
ーサディスク２３、２４によって固定されている。

【００４１】 板金形材４、５、６は、それらの他端が切換コーム７内を案内されるように、
形成されている。各板金形材４、５、６に切欠き開口１７が配設され、即ち、そ
の中を切換フィンガ９が摺動するように配置されている。切換フィンガ９は、切
換軸１０上に固定して置かれ、切換通路を選択するために、切換レバー（図示せ
ず）によって移動され、速度段を切り換えるために回転される。板金形材４、５
、６同士の間およびその側方に切換コーム７の拘束板１１が配置され、これらの
拘束板１１にも板金形材と同じ切欠き開口が設けられている。

【００４２】 図３には、図１におけるＡ−Ａ線に沿った断面図が示されている。切換フォー
ク３は長手ガイド２上に配置され、板金形材４で作動される。ハウジング１３に
ある突起４４は、板金形材４の位置を固定する。

【００４３】 図４には、図１におけるＢ−Ｂ線に沿った断面図が示されている。スライダ（
係止装置）１６は板金形材４、５、６および切換コーム７にある切欠き開口１７
内において摺動し、切換フィンガ９あるいは切換軸１０によって長手方向に移動
される。この切換軸１０はハウジングに回転可能に且つ軸方向に移動可能に支持
されている。スライダ１６は切換軸１０上にこの切換軸１０に関して回転可能に
支持され、切換軸１０に関して軸方向に固定されている。スライダ１６は、作動
されない板金形材４、５、６を係止し、これによって対応する切換フォーク３を
切換方向において精確に中立位置に固定する。

【００４４】 切換コーム７の拘束板１１にある（切換方向に固定の）切欠き開口１７は、切
換フィンガ９が複数の速度段を同時に作動することを、スライダ１６と関連して
防止する。また摩擦、あるいはかみ合いクラッチ、切換フォークあるいは板金形
材からの他の影響が、切換フォークの意図しない運動を生じさせることもない。
切換フィンガ９、切換軸１０およびスライダ１６は、有利にハウジング１３と別
個に、切換機器１４内に配置されている。その切換機器１４は変速機ハウジング
１３に結合されている。

【００４５】 図５には切換方向転向装置が一体化されている切換フォーク２１が示されてい
る。異なった切換順序に対して切換フォークの切換方向転向が必要とされるとき
、板金形材４は、切換フォーク２１に直接固定される代わりに、板金形材４にあ
る切欠き開口１８に係合するレバー１９に固定されている。このレバー１９は長
手ガイド２内においてピン４６を中心に回転可能に支持され、他端が長手ガイド
２上を摺動する切換フォーク２１を作動する。そのレバー１９は切換フォーク２
１にあるポケット２０に係合している。板金形材４の運動方向はレバー１９を介
して、切換フォーク２１の運動方向に関して逆転される。

【００４６】 図６には、図５におけるＤ−Ｄ線に沿った断面図が示されている。ここでは図
５と同一部分には同一符号が付されている。ハウジング１３における突起４４は
板金形材４の位置を確定する。

【００４７】 図７には、ローラ４２を利用した、長手ガイド２上における切換フォーク３の
転がり支持装置が示されている。そのローラ４２はボルト４０上に保持されてい
る。板金形材４は切換フォークにある突起１５と係合している。ハウジング１３
にある突起４４は板金形材４の半径方向運動性を制限し、これによって板金形材
を確実に支持する働きをしている。

【００４８】 図８には、図７におけるＣ−Ｃ線に沿った断面図（横断面三角形の長手ガイド
）が示されている。その場合、切換フォーク３は３本のボルト４０上にそれぞれ
支持されたローラ４２で長手ガイド２上を案内されている。板金形材４は切換フ
ォーク３に係合している。

【００４９】 図９および図１０には、板金形材による切換力の異なった伝達方式が示されて
いる。この場合、各切換フォーク３において切換力を伝達するために、各板金形
材４、５、６は切換フォーク３の突起１５にかみ合い結合で押し付けられ、これ
によってふらつきも防止されている。その近くに繰り出されているハウジング部
分１３の突起４４によって、補助的にその位置における板金形材の固定および案
内が有利に達成されている。板金形材５は２分割構造に形成されている。結合要
素３０が板金形材４における長孔を貫通して突出している。この結合要素３０を
介して、板金形材５の両部分は結合されている。

【００５０】 本発明に基づく装置によって、選択、切換および速度段接続の拘束が、中央点
に定められている。ハウジングにおけるこの点の位置は、板金形材の形状によっ
て広い枠内で決定できる。図１に示されているように切換コーム７が長手ガイド
２に固定されている場合、ハウジング部分１２、１３における加工は最少となる
。完全な切換装置の組立、調整および検査は、モジュールとして行える。接続が
単純化されていることによって、右ハンドル車および左ハンドル車用のレバー切
換機構、ケーブル切換機構および液圧切換機構のような別の切換機器および自動
変速機用の装置も、同様に完成モジュールとして組み立てられる。

【００５１】 公知の歯車式変速機において、例えばＲ段表示、中立位置のような表示・拘束
機能は、一般に変速機ハウジングに設けられ、切換フォークあるいは切換レール
によって作動される。本発明の場合、公差問題を減少するため、変速機の簡単な
組立を達成するため、および顧客要求による変速機の変更を防止するために、す
べての表示器を、切換機器に移しかえることを提案する。これによって、搬送中
および車両組立中におけるスイッチの損傷問題は除去される。一様な接続は、切
換機器に対する単純なインタフェースを提供し、種々の大きさの切換変速機に対
して、同じ切換機器を利用することを可能にし、且つ右ハンドル車および左ハン
ドル車に対するレバー切換機構および回転軸切換機構のような種々の切換機器を
同じ変速機に利用することを可能にする。その接続は、ケーブル切換機構および
液圧切換機構に対しても非常に有利に利用される。自動モジュール組立に対して
、非常に有利な一様な接続が生ずる。更に、歯車式変速機に対して必要な構造部
品と切換機器に関連するすべての接続部品とを明瞭に分離することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 歯車式変速機の切換装置の長手ガイドに沿った断面図。

【図２】 図１における切換フォーク、板金形材、長手ガイドおよび切換コームの平面図
。

【図３】 図１におけるＡ−Ａ線に沿った断面図。

【図４】 図１におけるＢ−Ｂ線に沿った断面図

【図５】 切換方向転向装置が一体化されている切換フォークの部分断面図。

【図６】 図５におけるＤ−Ｄ線に沿った断面図。

【図７】 切換フォークの転がり支持装置の断面図。

【図８】 図７におけるＣ−Ｃ線に沿った断面図。

【図９】 切換フォークと切換コームが異なった方式で接続されている実施例の図１に相
当した図。

【図１０】 図９における切換フォーク、板金形材、長手ガイドおよび切換コームの平面図
。

【符号の説明】

１ 切換装置 ２ 長手ガイド ３ 切換フォーク ４ 板金形材（３・４速用） ５ 板金形材（１・２速用） ６ 板金形材（５・Ｒ速用） ７ 切換コーム ８ ジャーナル軸受 ９ 切換フィンガ １０ 切換軸 １１ 拘束板 １２ ハウジング部分 １３ ハウジング部分 １４ 切換機器 １５ 突起 １６ スライダ １７ 切欠き開口 １８ 切欠き開口 １９ レバー ２０ ポケット ２１ 切換フォーク ２２ ドッグピン ２３ スペーサディスク（幅広） ２４ スペーサディスク（幅狭） ２６ 切欠き開口 ３０ 結合要素 ４０ ボルト ４２ ローラ ４４ 突起

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 歯車式変速機における手動切換レバーないし切換機器（１４）による切換通路
   選択および速度段切換を伝達するための切換装置（１）であって、 ハウジング部分（１２、１３）と、選択されていない切換通路および速度段を
   拘束するための自動的に作用する係止装置（１６）とを備え、その選択および切
   換運動が、切換手段（１０）を介して切換フィンガ（９）に伝達され、この切換
   フィンガ（９）が、所望の切換通路と所望の速度段の選択を実行し、そしてこの
   切換フィンガ（９）が所望の速度段を作動するために切換フォーク（３、２１）
   に切換力を伝達するような歯車式変速機の切換装置において、 すべての切換フォーク（３、２１）が、ハウジング部分（１２、１３）に固く
   結合された長手ガイド（２）によって案内され、その長手ガイド上を摺動して板
   金形材（４、５、６）を介して作動され、 各板金形材（４、５、６）の他端が、長手ガイド（２）に固定されている切換
   コーム（７）内を摺動し、 この切換コーム（７）が歯としての複数の拘束板（１１）を有し、 これらの拘束板（１１）同士の間を、切換フィンガ（９）および係止装置（１
   ６）が、切換手段（１０）によって移動され、 切換フィンガ（９）が、速度段を切り換えるために板金形材（４、５、６）と
   共働し、 係止装置（１６）が、選択されていない切換通路を拘束板（１１）で拘束する
   ように構成されていることを特徴とする歯車式変速機の切換装置。
2. 【請求項２】 長手ガイド（２）が断面三角形の形材であり、この形材が圧延加工あるいは引
   抜き加工された鋼管から成っていることを特徴とする請求項１記載の切換装置（
   １）。
3. 【請求項３】 切換フォーク（３、２１）がアルミニウムダイキャスト品あるいは複合材料で
   作られ、長手ガイド（２）と切換フォーク（３、２１）との間のガイド部分が、
   切換フォーク（３、２１）に直接形成されていることを特徴とする請求項１又は
   ２記載の切換装置（１）。
4. 【請求項４】 切換フォーク（３、２１）が、圧入されたジャーナル軸受を有していることを
   特徴とする請求項１又は２記載の切換装置（１）。
5. 【請求項５】 切換フォーク（３、２１）が、長手ガイドとしてローラ（４２）を有している
   ことを特徴とする請求項１ないし３のいずれか１つに記載の切換装置（１）。
6. 【請求項６】 板金形材（４、５、６）が、切換方向において、ドラッグピン（２２）によっ
   て切換フォーク（３、２１）に固定され、板金形材（４、５、６）の選択方向に
   おける位置が、スペーサディスク（２２、２３）によって固定されていることを
   特徴とする請求項１ないし５のいずれか１つに記載の切換装置（１）。
7. 【請求項７】 板金形材（４、５、６）が突起（１５）によって切換フォーク（３、２１）に
   かみ合い結合され、その選択方向における位置が、板金形材（４、５、６）の曲
   がりおよび貫通を介して得られていることを特徴とする請求項１ないし５のいず
   れか１つに記載の切換装置（１）。
8. 【請求項８】 切換フォーク（２１）が長手ガイド（２）の下側にポケット（２０）を有し、
   このポケット（２０）の中に、長手ガイド（２）内に支持されたレバー（１９）
   が係合し、このレバー（１９）の他端が、板金形材（４、５、６）の運動を逆転
   するために、板金形材（４、５、６）の切欠き開口（１８）に係合していること
   を特徴とする請求項１ないし７のいずれか１つに記載の切換装置（１）。
9. 【請求項９】 切換コーム（７）は、選択方向において交互に配置された、切換方向に固定さ
   れた拘束板（１１）と板金形材（４、５、６）とによって形成され、これらの拘
   束板（１１）および板金形材（４、５、６）に切欠き開口（１７）が設けられ、
   これらの切欠き開口（１７）内を通って、切換フィンガ（９）および自動的に作
   用する係止装置（１６）が選択方向に摺動することを特徴とする請求項１ないし
   ８のいずれか１つに記載の切換装置（１）。