JP2002511403A - 微生物および/またはポリペプチドもしくはタンパク質を含有するデンプンカプセル、およびその製造方法 - Google Patents

微生物および/またはポリペプチドもしくはタンパク質を含有するデンプンカプセル、およびその製造方法

Info

Publication number
JP2002511403A
JP2002511403A JP2000543121A JP2000543121A JP2002511403A JP 2002511403 A JP2002511403 A JP 2002511403A JP 2000543121 A JP2000543121 A JP 2000543121A JP 2000543121 A JP2000543121 A JP 2000543121A JP 2002511403 A JP2002511403 A JP 2002511403A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
starch
granules
starch granules
filled
capsule
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000543121A
Other languages
English (en)
Inventor
ミュッレリネン,ペイヴィ
フォルスセル,ピルッコ
ライト,アッテ フォン
アランダー,ミンナ
マッティラ−サンドホルム,ティーナ
ポウタネン,カイサ
Original Assignee
ヴァルション テクニッリネン トゥトキムスケスクス
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ヴァルション テクニッリネン トゥトキムスケスクス filed Critical ヴァルション テクニッリネン トゥトキムスケスクス
Publication of JP2002511403A publication Critical patent/JP2002511403A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/14Particulate form, e.g. powders, Processes for size reducing of pure drugs or the resulting products, Pure drug nanoparticles
    • A61K9/19Particulate form, e.g. powders, Processes for size reducing of pure drugs or the resulting products, Pure drug nanoparticles lyophilised, i.e. freeze-dried, solutions or dispersions
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K35/00Medicinal preparations containing materials or reaction products thereof with undetermined constitution
    • A61K35/66Microorganisms or materials therefrom
    • A61K35/74Bacteria
    • A61K35/741Probiotics
    • A61K35/744Lactic acid bacteria, e.g. enterococci, pediococci, lactococci, streptococci or leuconostocs
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K35/00Medicinal preparations containing materials or reaction products thereof with undetermined constitution
    • A61K35/66Microorganisms or materials therefrom
    • A61K35/74Bacteria
    • A61K35/741Probiotics
    • A61K35/744Lactic acid bacteria, e.g. enterococci, pediococci, lactococci, streptococci or leuconostocs
    • A61K35/747Lactobacilli, e.g. L. acidophilus or L. brevis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/14Particulate form, e.g. powders, Processes for size reducing of pure drugs or the resulting products, Pure drug nanoparticles
    • A61K9/16Agglomerates; Granulates; Microbeadlets ; Microspheres; Pellets; Solid products obtained by spray drying, spray freeze drying, spray congealing,(multiple) emulsion solvent evaporation or extraction
    • A61K9/1605Excipients; Inactive ingredients
    • A61K9/1629Organic macromolecular compounds
    • A61K9/1652Polysaccharides, e.g. alginate, cellulose derivatives; Cyclodextrin

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、環境または腸管の影響に対して、生きている微生物または酵素などの種々の物質を保護するデンプンカプセル、およびそのようなカプセルを製造する方法に関する。適切なサイズカテゴリーの画分をデンプン顆粒から選択し、顆粒の多孔度を加水分解によって向上させ、顆粒は、生きている微生物および/または酵素などの所望の物質で充填される。所望であれば、デンプン顆粒を、デンプンまたはアミロースなどの適切な生体高分子でコーティングすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、デンプンカプセルに関する。本発明は特に、微生物および/または
ポリペプチドもしくはタンパク質を含有するデンプンカプセル、およびそのよう
なデンプンカプセルを製造する方法に関する。
【0002】 食品に加えられ、腸管内での微生物のバランスを改善することによって、ヒト
の健康に貢献する微生物は、共生物と呼ばれる。乳酸杆菌(Lactobaci
llus)属、連鎖球菌(Streptococcus)属、ペディオコッカス
(Pediococcus)属、ラクトコッカス(Lactococcus)属
、ロイコノストック(Leuconostoc)属、コリネバクテリウム(Co
rynebacterium)属、エンテロコッカス(Enterococcu
s)属、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属などの乳
酸菌の、ヒト栄養に対する共生効果は良く知られている。ヒト腸管内での本質的
な微生物の仕事は、有害な細菌の成長、および種々の炎症の発生を妨げることで
ある。共生物はまた、腸管の癌の発生も妨げることが観察されている。共生物を
含有する食品は、乳製品を飲食することのできない人々の、乳糖への許容性を増
大させることが発見された。種々の病気、または、例えば抗生物質による治療に
関連して、腸管の有用な微生物群が破壊される可能性がある。迅速な回復は、乳
酸菌を含有する製品を消費することによって達成することができる。そのような
製品には、乳酸菌で発酵させたサワーミルク製品または野菜、もしくはトウモロ
コシ製品などがある。経口摂取される乳酸菌製剤は、カプセル、錠剤、または散
剤の形状で市販されている。しかし、共生物は酸性条件で容易に破壊される。消
費された大多数の共生物は、低いpH(pH2)または胆汁酸の影響下で、消化
管上部で既に破壊される。たとえそのような乳酸菌製剤が、腸管内での微生物バ
ランスを効果的に回復させることのできる、適切な乳酸菌群を含有したとしても
、乳酸菌の大多数は、適切に腸管に到達する前に死滅する。腸管のバランスのと
れた活性という観点から、乳酸菌が大腸へ至るまでの腸管を通して生存すること
が重要であろう。したがって、ヒトは、乳酸菌を含有する食品または乳酸菌製剤
を、これらが所望の効果をもたらすまでに、大量に長期間、消費すべきである。
【0003】 薬局または小売店の棚上での乳酸菌の安定性もまた、問題を構成する。微生物
は、酸素の影響ならびに湿気および温度の変動から保護されるべきである。そう
しないと、乳酸菌製剤の乳酸菌含量は、購入されたときには既に非常に低く、そ
のため製品は消費されたときには所望の効果を有さないであろう。
【0004】 湿度の影響下またはある一定のpH値でカプセル剤または錠剤の表面が溶解す
るように、微生物をカプセル剤または錠剤中に詰めることによる種々の包装方法
で、生きている微生物を保護する努力がなされてきた。他の方法には、例えば凍
結乾燥などがある。しかし、培地、細胞の濃度、保護材料、pH、湿度、冷却速
度、第1および第2乾燥時間、容器の閉鎖方法などの適切な条件は、凍結乾燥前
に各微生物群に対し探求されなければならない。真空または気体雰囲気中での保
存は、凍結乾燥によって保護された細胞の安定性を増大する。貯蔵寿命のための
最適条件とは、光および湿度の変動に対する保護ならびに低い貯蔵温度を意味す
る。貯蔵温度の上昇は、細胞の阻害を増大する。例えば、凍結乾燥した開始培養
物は、−40℃から−20℃の温度に維持されるべきである。温度や溶液の組成
などの凍結乾燥した細胞の再水和条件が、培養物の機能を回復するのに重大な影
響を及ぼすことが発見された。
【0005】 製品中や小売店の棚上の共生物の安定性が問題を構成しないのなら、共生物は
、穀物製品、シリアル、砂糖菓子などの種々の、多くは乾燥食品に添加すること
もできるだろう。
【0006】 本発明の目的は、相当数の微生物が生存したままでいられるように、環境の影
響から微生物を保護するために使用することのできる、ある種の保護包装を提供
することである。
【0007】 保護包装の目的は、微生物が、そのまま、または、例えば食品と混合して、よ
り長期間、室温で保持されるように、生きている微生物を保護することである。
保護包装の別の目的は、微生物が、微生物の作用という観点から見て、適切であ
るほどに長く腸管内に生存したままでいられるように、胃や胆汁酸の酸性度およ
び腸管内の他の条件に対して保護することである。
【0008】 本発明は、デンプン顆粒が、生きている微生物を保護するために使用すること
ができるという、驚くべき発見に基づく。
【0009】 本発明の別の実施形態によれば、デンプン顆粒は、貯蔵、保存、および加工の
間、または腸管内にいる間、その活性を保持すべき種々のポリペプチドおよびタ
ンパク質、特に酵素を保護するために使用することができる。
【0010】 国際特許公開公報WO89/04842は、吸収された機能組成物用の担体と
してデンプン顆粒を使用することを記載している。デンプン顆粒は、アルファア
ミラーゼまたはグルコアミラーゼで処理される。この公報は、デンプン顆粒が、
制汗剤用の補助剤として、または、食品および飲料用の増量剤として使用される
ことを示唆している。これは、液体物質が、処理されたデンプン顆粒を使用する
ことによって、より容易に包装されるか、またはより実用的である散剤、軟膏剤
、またはクリーム剤の配合物中に配合されることを示唆している。加水分解され
たデンプン顆粒の構造を強化するために、この公報は、デンプンをトリメタリン
酸ナトリウムなどの架橋剤で処理することを示唆している。デンプン顆粒に吸収
される物質が、脂質の性質を有するのであれば、デンプンマトリックスは、この
公報に従って、細孔の表面をより親油性にする物質で処理することができる。そ
のような物質には例えば、メチルセルロースなどの合成ポリマーがある。この公
報は、吸収される物質は、例えば、サラダ油、香味剤、昆虫忌避剤、殺虫剤、除
草剤、香料、保湿剤、石鹸、ろう、ボディークリーム、ボディーローション、ビ
タミン、および治療薬であることができると言及している。
【0011】 米国特許第5,670,490号は、結合剤によりデンプン顆粒からなる多孔
性凝集体を記載しており、凝集体内部の空の空間は、種々の機能物質を含むため
に使用される。この物質は、機械的な圧縮/分解の影響下で、結合剤または他の
物質の崩壊によって、または、多孔性表面からの溶解もしくは拡散によって凝集
体から放出される。球形凝集体の直径は、15〜150μmであった。通常、結
合剤はポリマーであった。この特許は、特に、配合物が胃の酸性条件や消化条件
に対して活性成分を保護し、活性成分が小腸までは放出されることのないように
、経口投与される医薬化合物の配合において、凝集体を使用することを示唆して
いる。凝集体は、結合剤を含有する適切な溶液中にデンプン顆粒を懸濁させるこ
とと、その懸濁液を噴霧乾燥することによって調製した。この刊行物によれば、
凝集体は、機能化合物を凝集体内部に含めた後、ポリマーでコーティングするこ
とができた。結合剤は、多糖類(藻類または植物から作り出されるゴム、ペクチ
ン、寒天、アルギン酸塩、ゼラチン、デキストリン、デンプン誘導体)などの生
体分解可能性ポリマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース含有物質、タンパク質、
特にデンプン顆粒中には元来存在しないタンパク質、ならびにポリエステルとす
ることができた。そのポリマーは、また、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビ
ニル−2−ピロリドン、アクリル酸もしくはメタクリン酸のポリマーまたはコポ
リマー、またはそれらのアミド誘導体、例えばポリアクリルアミド、の非生体分
解性の、合成のものまたは半合成のものとすることもできた。コーティング物質
は、結合剤と同一のポリマーまたは異なるポリマーとすることができた。凝集体
中に吸収されることのできた機能物質は、出願WO89/04842に列記され
た物質と同一とすることができた。
【0012】 米国特許第4,551,177号は、錠剤の結合剤として使用することのでき
る圧縮性デンプンを記載している。冷水に不溶性の顆粒状デンプンを、酸、アル
カリ、またはアルファアミラーゼで処理し、これによって、圧縮された場合に十
分な結合能を示した、変化し弱められた顆粒が得られた。
【0013】 特許公報EP0539910A1は、デンプン顆粒をアミラーゼで処理するこ
とを記載している。この意図は、デンプン顆粒の沸騰粘度を変更することであっ
た。この特許公報は、アミラーゼ処理したデンプン顆粒を、例えば即席の流動食
、または非処理のデンプン顆粒と混合して使用し、これによって、種々の粘度値
を有するデンプン顆粒の混合物を得ることができることを示唆している。この公
報によれば、アミラーゼ処理したデンプン顆粒は、芳香族化合物などの疎水性物
質を吸着することができる。この公報では、グルコアミラーゼ処理したデンプン
顆粒が油を吸着できると考えている。
【0014】 Milosevicらによる、Journal of Controlled
Release38(1996)75〜84での刊行物には、アミロース被膜
を使用して医薬調製物を保護することが記載されている。この刊行物によれば、
エチルセルロースなどの不溶性ポリマーを使用して、アミロースの膨潤および分
解を調節し、したがって消化管の条件を模倣した条件での薬剤放出速度を調節し
た。刊行物によれば、調製物からの薬剤の放出は、細菌酵素の影響下で、化合物
のアミロース成分が分解することによるのであって、コーティングの力学的な分
解によるのではなかった。
【0015】 従来技術による解決法は、環境の影響に対して微生物、または酵素などのポリ
ペプチドもしくはタンパク質を保護する良い方法を示唆していない。公開公報W
O89/04842、および米国特許第5,670,490号などの従来技術の
刊行物は、種々の機能物質を、デンプン顆粒を使用することによって保護するこ
とを示唆しているが、微生物またはタンパク質を保護することは示唆していない
。米国特許第5,670,490号に記載された凝集体の形成では、種々の結合
剤、例えば器官に導入されたときや、製造工程中に有害である可能性のある種々
のポリマーが使用されている。
【0016】 本発明の目的は、知られている技術の欠点を解消することと、天然ポリマーを
有利に使用する、完全に新しい方法を提供することである。この方法を利用する
ことによって、生きている微生物および/またはポリペプチドもしくはタンパク
質を、貯蔵の間またはヒトもしくは動物の腸管内の環境の影響から保護すること
ができる。
【0017】 本発明による方法では、デンプン顆粒は、表面構造が有孔で内部が多孔性とな
るように加水分解されるが、これによって顆粒の内部空間は、中空のカプセル様
の空間を形成する。カプセル型の空間は、微生物および/またはポリペプチドも
しくはタンパク質で充填することができ、顆粒の表面は、所望であれば、セルロ
ース、ペクチン、タンパク質、好ましくはデンプンなどの、膜を形成することの
できる生体高分子の薄層でコーティングすることができる。デンプン表面は、熱
湯に溶解したデンプン、またはデンプンの成分であるアミロースから形成するこ
とができるか、適切なサイズのより小さなデンプン顆粒によって、デンプン顆粒
表面上の細孔を閉じることによって形成することができる。
【0018】 本発明は、デンプンが、アルファ−アミラーゼ、β−アミラーゼ、またはグル
コアミラーゼなどのデンプン分解酵素で加水分解されるという認識に基づいてい
る。顆粒の非晶質成分は加水分解され、結晶性領域は残る。こうした結晶性成分
は、ヒトの消化管中でもかなり安定である。加水分解後、デンプン顆粒に、生き
ている微生物、または酵素などのポリペプチドもしくはタンパク質やそれらの混
合物といった所望の物質を充填する。微生物の培養物は、微生物によって産生さ
れた、ある酵素を元来含有している可能性がある。微生物はまた、適切な条件で
デンプン顆粒の内部で増殖させるときに、デンプン顆粒の加水分解に必要な加水
分解酵素を産生する可能性もある。
【0019】 そのように所望する場合には、デンプンは、セルロース、ペクチン、タンパク
質、好ましくはデンプンなどの天然の生体高分子でコーティングすることができ
る。デンプン、特にその成分の1つである直鎖状のアミロースは、膜を形成する
ことができる。デンプンは、胃や小腸の液体に対してより安定で、より抵抗性と
なるように、物理的方法(例えば、温度)によって変性させることができる。デ
ンプン顆粒をコーティングするための種々の技法には、デンプン/アミロース溶
液を噴霧すること、または顆粒をデンプン/アミロース溶液と混合し、顆粒の表
面上でデンプンを結晶化させることなどがある。デンプン/アミロース溶液は、
エタノールを使用することによって、顆粒の表面上に沈殿させることもできる。
本発明の一実施形態によれば、顆粒表面上の細孔は、相応に小さいデンプン顆粒
で閉じることができる。デンプン/アミロースの代わりにデンプン顆粒のコーテ
ィングは、被膜形成特性および溶解特性が、デンプンおよびアミロースのこうし
た特性と同程度に優れているのであれば、他の生体高分子を使用することによっ
て行うことができる。
【0020】 デンプン顆粒に、乳酸菌などの生きている微生物、食品業界で使用される開始
物、または酵素などのポリペプチドもしくはタンパク質を充填することができる
。例えば、ベーキング酵素などの種々の産業用酵素(繊維酵素や食品酵素、およ
び材木加工産業によって使用される酵素)、または乳糖を分解することのできる
酵素や繊維を分解することのできる酵素などの医薬的に使用される酵素をカプセ
ル封入するために、本発明に従った方法を使用することが好ましい。
【0021】 デンプン顆粒は、天然のデンプンから調製されるのが好ましい。種々の起源の
デンプン類は、そのサイズおよび組成に関して相違する。こうした相違を、異な
る用途に利用することができる。
【0022】 本発明の一つの目的は、多孔性構造を有し、所望の物質、好ましくは微生物ま
たは微生物および/または酵素などのポリペプチドもしくはタンパク質で充填さ
れたデンプン顆粒からなるデンプンカプセルである。
【0023】 本発明のもう一つの目的は、デンプンカプセルを製造する方法であって、 使用目的に従って、適切なサイズのデンプン顆粒を選択し、 デンプン顆粒を化学的にまたは酵素を使用して加水分解することによって、デ
ンプン顆粒の多孔度を向上させ、 デンプン顆粒に、微生物を、または微生物およびポリペプチドもしくはタンパ
ク質またはポリペプチドもしくはタンパク質を充填する工程からなる方法である
【0024】 そのように所望する場合には、該顆粒を、生体高分子、好ましくはデンプンで
コーティングする。
【0025】 本発明を利用して、かなりの利点を得ることができる。本発明に従ったデンプ
ン顆粒は、数カ月間、室温で十分に保持される。
【0026】 本発明に従ってデンプンカプセル中に貯蔵した乳酸菌、または食品業界で使用
される開始物、共生物または酵素を含有する食品は、長期間、室温で保持するこ
とができる。乳酸菌調製物などの生きている微生物を含有する調製物の品質、ま
たは共生物を含有する食品の品質は、製品の微生物含有量が最初から既に高い場
合には向上する。酵素の活性および効果は、酵素がその環境中の湿度、温度、酸
素、または酸性度の変動による影響にさらされていない場合には増大する。
【0027】 生きている微生物を含有し、本発明に従ってデンプンカプセル中に貯蔵された
調製物の効果は、微生物、または例えば酵素が、腸管中でデンプンカプセルから
早く放出されすぎることがないので増大する。同様に、酵素調製物の活性が目的
地に到達する前に本質的に低下しなければ、酵素の作用は向上し、作用持続時間
は増加する。
【0028】 下記では、本発明を、詳細な説明および例示的な実施形態により、より厳密に
検討する。
【0029】 デンプンは、植物の貯蔵多糖である。これは、直鎖状のアミロースと非常に分
岐したアミロペクチンという、ブドウ糖の2つのポリマーからなる。デンプン顆
粒は、アルファ−アミラーゼなどのデンプン分解酵素で加水分解することができ
る。この場合には、デンプン顆粒の非晶質成分が加水分解され、結晶性領域は残
る。種々の起源のデンプンは、そのサイズおよび組成に関して相違する。
【0030】 デンプンカプセルを製造するのに使用されるデンプンは、天然のデンプンであ
るのが好ましい。これは、大麦、ジャガイモ、小麦、オートムギ、エンドウ豆、
トウモロコシ、タピオカ、サゴ、米もしくは同様の塊茎野菜、またはトウモロコ
シ作物を起源とすることができ、ジャガイモ、大麦、小麦、またはトウモロコシ
を起源とすることが好ましく、ジャガイモを起源とすることが最も好ましい。
【0031】 適切なサイズのデンプン顆粒は、水にデンプンを懸濁することによって、混合
し、デンプン顆粒を沈降物にすることによって、デンプンから分離することがで
きる。溶液および小さい顆粒は、沈降物の上部から注ぎ出される。沈降は、数回
繰り返すことができ(2から10回)、こうして得られた所望のサイズの顆粒を
、凍結乾燥することができる。
【0032】 本発明は、10から100μm、より好ましくは30から100μm、最も好
ましくは50から100μmのサイズを有するデンプン顆粒を使用する。加水分
解の際に、より大きな顆粒中ではより大きな空洞が形成され、これによってより
多くの微生物またはタンパク質がその空洞中に収容できるため、より大きいデン
プン顆粒を使用することが有利である。いくつかの植物のデンプン顆粒は、生来
適切なサイズであるので、顆粒は必ずしも分画する必要がない。そうでなければ
、デンプン顆粒を、種々のサイズカテゴリーの画分に分画し、適切なデンプン顆
粒画分を、使用目的の観点から選択する。加水分解され、微生物を充填されるデ
ンプン顆粒を調製するときには、大きいデンプン顆粒を選択することが好ましい
。ジャガイモデンプンは、特に適切なサイズのデンプン顆粒を提供する。
【0033】 デンプン顆粒は、化学的に、または酵素を使用することによって加水分解され
る。酵素は、通常クモノスカビ(Rhizopus)属、アスペルギルス(As
pergillus)属、またはバチルス(Bacillus)属を起源とする
、アルファ−アミラーゼ、β−アミラーゼおよび/またはグルコアミラーゼであ
るのが好ましい。適切なアルファ−アミラーゼおよびβ−アミラーゼの例には、
MEGAZYME(登録商標)(オーストラリア)がある。デンプン顆粒の元来
の細孔または孔は、10nm未満である。デンプン顆粒が加水分解されると、孔
のサイズは1から10μmになる。アルファアミラーゼによって作られる孔は例
えば、約1μmである。
【0034】 加水分解では、デンプン顆粒を水中で懸濁させて、約5〜15%の溶液を形成
する。加えるアミラーゼ溶液の量は、酵素製品に依存して顆粒1g当たり100
0〜10000Uである。加水分解は、酵素の活性に適切であるがデンプンの構
造を変化させない温度、例えば温度30〜40℃で行うか、あるいは温度がそれ
ほど高い必要がないように高圧下で行う。加水分解の目的は、選択したデンプン
顆粒の乾燥含有量の3〜60%、好ましくは30〜50%、最も好ましくは40
%を加水分解することである。
【0035】 適切な量のデンプン顆粒、例えば1重量部を、生きている細菌の溶液(PFU
108〜109)の10から100重量部と混合し、または1重量部を、適切な
濃度の酵素溶液、もしくはデンプン顆粒によって含有される別の物質の10から
100重量部と混合する。
【0036】 本発明の好ましい一実施形態によれば、加水分解されたデンプン顆粒を、所望
の物質で充填し凍結乾燥する。
【0037】 本発明の別の好ましい実施形態によれば、加水分解されたデンプン顆粒を、凍
結乾燥し、所望の物質で充填し、可能であれば再度凍結乾燥する。
【0038】 本発明の好ましい実施形態によれば、微生物の栄養のために、デンプン顆粒か
ら放出された加水分解生成物を使用すると同時に、微生物が成長するのに有利な
値にまでpHを低下させる乳酸および酢酸、デンプン顆粒の構造をさらに安定化
させる多糖類、およびデンプン顆粒を加水分解する酵素などの、微生物自体の代
謝産物を生成することによって、微生物が繁殖され、デンプン顆粒の表面上およ
び中空の内部空間内で増殖するような適切な条件で、デンプン顆粒を、デンプン
分解酵素を含有する微生物溶液、好ましくは乳酸菌の増殖培地と混合する。溶液
に乳酸/酢酸を加えて、溶液のpHを微生物の増殖に有利なように調整すること
も好ましい。
【0039】 加水分解酵素または化学物質を、デンプン顆粒と微生物の混合物に一切加えな
いが、微生物に加水分解に必要な酵素を産生させる応用もまた検討することがで
きる。
【0040】 デンプン顆粒を微生物溶液と混合するときには、微生物の増殖に有利な温度を
選択することができ、40℃未満であるのが好ましく、30〜37℃が最も好ま
しく、混合時間は、微生物それ自体が複製でき、デンプン顆粒の細孔や孔の内部
空間内に増殖するのに十分長い時間とすることができる。
【0041】 加水分解および充填後、デンプン顆粒を、種々の用途用に処理溶液から分離し
凍結乾燥し、超低温冷凍庫内または液体窒素中で冷却することができる。その結
果、加工が容易で、デンプン顆粒によって形成されたカプセルが、粉末中で基本
的に分離していて、凝集体を形成しない粉末が得られる。加水分解されたデンプ
ン顆粒は、棚での貯蔵の間、または例えば食品中で、生きている微生物および/
またはポリペプチドもしくはタンパク質を保護する。
【0042】 そのように所望であれば、充填されたデンプン顆粒は、デンプン顆粒中に入れ
られた物質が時期尚早に放出されないように、または環境がデンプン顆粒に対し
て有害な効果を有さないようにコーティングすることができる。これは、デンプ
ンカプセルが、微生物および/またはポリペプチドもしくはタンパク質を、腸管
に運ぶために使用しようとする場合には特に有利である。コーティングは、デン
プン顆粒が微生物で充填される場合には、特に有利である。
【0043】 コーティングは、膜形成をすることのできる生体高分子を使用することによっ
て実施することができ、デンプンが好ましく、アミロースが最も好ましい。デン
プンに対して0.1〜70%、または0.1〜6%の溶液を、デンプンまたはア
ミロースから調製することができる。デンプンまたはアミロース溶液を、デンプ
ンまたはアミロース濃度が顆粒の重量の1〜6%となるように、顆粒の表面上に
噴霧することができ、デンプン/アミロースが顆粒表面上にゲルを形成するよう
に冷却させる。この場合には、0.1〜6%のデンプン溶液を使用するのが好ま
しく、0.1〜2%のデンプン溶液がより好ましい。あるいは顆粒を、デンプン
またはアミロース溶液と混合することができ、低温(4〜10℃)で結晶化させ
る。この場合には、0.1〜70%のデンプン溶液を使用するのが好ましい。デ
ンプンまたはアミロース溶液をまた、エタノールを使用することによって、顆粒
表面上に沈殿させることもできる。一つの別法によれば、デンプン顆粒は、デン
プン顆粒それ自体よりも小さいサイズのデンプン粒子でコーティングすることが
できる。加水分解するときには、より小さなデンプン顆粒は、デンプン顆粒の表
面上に形成された孔にしっくり収まる。コーティングに使用するデンプン顆粒の
サイズは、1〜10μm内であるのが好ましい。
【0044】 デンプン膜コーティングは、有機溶液を使用する膜コーティングと比較して明
らかに有利である(産業安全性、溶解残留物、環境局面)、水をベースとしたコ
ーティングとして実施することができる。
【0045】 生体高分子、好ましくは、カプセルをコーティングするのに使用するデンプン
またはアミロースを、薬学で使用されるか、医薬的に許容できる種々の膜コーテ
ィング材料と組み合わせることも考えられる。薬学で使用される保護膜材料の1
つは、例えば、調節膜材料と考えられているヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス(HPMC)であり、消化管中でデンプン被膜の分解速度を調節するために使
用することのできるエチルセルロースを挙げることができる。コーティング材料
は、好ましくはデンプンまたはアミロースなどの生体高分子50〜100%、好
ましく90〜100%からなり、残りは医薬的に許容された膜コーティング材料
0〜50%、好ましくは0〜10%である。
【0046】 本発明によれば、顆粒に、種々の細菌、酵母、または糸状菌などの微生物を充
填することができる。
【0047】 細菌は、乳酸菌であることができ、下記の属に属する。乳酸杆菌属、連鎖球菌
属、ペディオコッカス属、ラクトコッカス属、ロイコノストック属、コリネバク
テリウム属、エンテロコッカス属もしくはビフィドバクテリウム属、または細菌
は、酵母であることができ、サッカロミセス属に属する。
【0048】 本発明に従ってカプセル内に保存すると、微生物の生存は、2カ月中20℃で
、1〜10%だけ、6カ月中で10〜30%だけしか減少しない。
【0049】 本発明によれば、顆粒に、酵素などの種々のポリペプチドまたはタンパク質を
充填することができる。酵素は、貯蔵および加工の間の酵素の活性の維持を向上
させる目的で、食品、繊維、および材木加工の産業によって使用される種々の産
業用の酵素とすることができる。酵素は例えば、その尚早の作用が防止されるべ
きであるベーキング酵素である。酵素はまた、乳糖を分解する酵素などの、食品
または腸管中での食品成分の易消化性および分解を向上させるために使用する酵
素とすることもできる。
【0050】 下記の非限定的な実施例で、本発明を説明する。 実施例1 1.デンプン顆粒の分離 ジャガイモデンプンを水に懸濁する(5%溶液)。この溶液を、ガラス管(直
径4cm、高さ15cm)に注ぎ込む。この溶液を攪拌し、顆粒を8分間沈降さ
せる。大きな顆粒(30〜100μm)は、ガラス管の底部に沈降する。溶液(
小さい顆粒)を、沈降物の上部から別の容器に注ぐ。沈降を3回繰り返す。沈降
物(大きい顆粒)を凍結乾燥する。沈降物を遠心分離し、凍結乾燥する。図1に
、分離したデンプン画分(クールターで定めた)のサイズ分布を示す。
【0051】 2.デンプンのアルファアミラーゼによる加水分解 デンプン顆粒を水に懸濁した(10%溶液)。顆粒1g当たり1000〜10
000Uのアルファ−アミラーゼ溶液(MEGAZYME(登録商標)オースト
ラリア)を加えた。加水分解を、磁気攪拌機を備えた水浴中にて、30℃を超え
る温度で一晩行った。溶液を遠心分離し、沈降物を凍結乾燥した。ジャガイモデ
ンプンの乾燥含有量の約3%と、分離した大きいジャガイモデンプン顆粒の乾燥
含有量の約40%が加水分解された。図2に、加水分解されたデンプン顆粒を示
す。
【0052】 3.加水分解されたデンプン顆粒への乳酸菌による充填 デンプン顆粒(10g)と、ラクトバチラスラムノサス(Lactobaci
llus rhamnosus)(ATCC53109)(108〜109CF
U/ml)またはラクトコッカスラクティス(Lactococcus lac
tis)(VTTE−90414)(108〜109CFU/ml)の乳酸菌が
培養された、MRS溶液(deMan−Rogose−Sharpe培養液、O
xoid、Unipath Ltd、Basingstoke、Hampshi
re、England)100mlとを合わせた。この混合物を一晩、磁気攪拌
機を備えた水浴(30℃)中に保持した。溶液を遠心分離した。沈降物を水洗し
、この水を遠心分離した。充填されたデンプン顆粒を凍結乾燥した。図4に、乳
酸菌で充填されたデンプン顆粒を示す。
【0053】 4.細菌の生存 細菌の生存は、室温(20℃)で新鮮なときは、3×107CFU/gであり
、2カ月の貯蔵後(イクシケータ中20℃)では、3×105CFU/gであっ
た。2カ月、超低温冷蔵庫(−18℃)中に保持した試料中での生存は、2×1
07CFU/gであった。
【0054】 実施例2 加水分解したデンプン顆粒に、実施例1のセクション1〜3に記載したように
、乳酸菌を充填した。凍結乾燥したデンプン乳酸菌粒子を、アミロースでコーテ
ィングした。0.1〜2%溶液を、アミロースから、アミロースを温度170℃
に加熱することによって調製した。この溶液を、60℃または30℃まで冷却し
た。粒子に、アミロース含量が粒子重量の約1〜6%になるようにこの溶液を噴
霧するか、または粒子をこの溶液と混合し、+4℃で一晩、結晶化させた。図3
に、アミロースでコーティングされたデンプン顆粒を示す。
【0055】 実施例3 デンプン顆粒を加水分解と同時に充填した。分離された大きいデンプン顆粒(
10g)、MRS溶液中に入れた乳酸菌(108〜109CFU/ml/100
ml)、酵素(アルファアミラーゼ、MEGAZYME(登録商標)1000U
)、および乳酸/酢酸溶液(0.1ml/溶液pH4.5)を混合した。この溶
液を、磁気攪拌機を使用して30℃で一晩、加水分解した。乳酸菌含有量の増加
は、アルファ−アミラーゼ(1=10IU/ml、2=50IU/ml、3=1
00IU/ml、4=200IU/ml、5=300IU/ml、PS=対照;
図5)をMRS溶液に加えると、より高くなることが発見された。混合物を遠心
分離し、沈降物を凍結乾燥した。充填された粒子を、実施例2に従ってコーティ
ングした。細菌の生存は、新鮮なときには7×109CFU/g、1カ月の貯蔵
後では4×108CFU/g、2カ月の貯蔵後は1×109CFU/g、6カ月
の貯蔵後は3.1×108CFU/g(20℃でイクシケータ中)であった。6
カ月間、深冷凍器(−18℃)中に貯蔵した細菌の生存は、3.7×109CF
U/gであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 クールター上での、分離したデンプン顆粒のサイズ分布を示す。
【図2】 アルファアミラーゼによって加水分解されたデンプン顆粒を示す。
【図3】 アミロースで充填されたデンプン顆粒を示す。
【図4】 乳酸菌で充填されたデンプン顆粒を示す(切断の厚み4μm)。
【図5】 乳酸菌の成長曲線を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,GE,G H,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 フォン ライト,アッテ フィンランド国.エフアイエヌ−02150 エスポー,オタクヤ 3 エー 14 (72)発明者 アランダー,ミンナ フィンランド国.エフアイエヌ−02970 エスポー,アルクティエ 63 ビー 5 (72)発明者 マッティラ−サンドホルム,ティーナ フィンランド国.エフアイエヌ−02100 エスポー,ハカリンネ 2 エス 230 (72)発明者 ポウタネン,カイサ フィンランド国.エフアイエヌ−00270 ヘルシンキ,リエラーデンティエ 7 エ ー Fターム(参考) 4B065 AA01X AA30X BC41 CA32 CA44 CA60 4C076 AA31 AA64 CC16 CC50 EE30H EE31H EE38H EE41H FF31 FF36 FF63 GG12

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加水分解の結果としての多孔性構造を有し、微生物または微
    生物および/またはポリペプチドもしくはタンパク質で充填された、デンプン顆
    粒を含んでいることを特徴とするデンプンカプセル。
  2. 【請求項2】 デンプン顆粒が、酵素を使用することによって加水分解され
    ていることを特徴とする請求項1に記載のデンプンカプセル。
  3. 【請求項3】 デンプン顆粒が、α−アミラーゼ、β−アミラーゼおよび/
    またはグルコアミラーゼで加水分解されていることを特徴とする請求項1または
    2に記載のデンプンカプセル。
  4. 【請求項4】 デンプン顆粒が、生体高分子でコーティングされていること
    を特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のデンプンカプセル。
  5. 【請求項5】 デンプン顆粒が、セルロース、ペクチン、タンパク質、デン
    プンおよび/またはアミロースでコーティングされていることを特徴とする請求
    項1から4のいずれか一項に記載のデンプンカプセル。
  6. 【請求項6】 デンプン顆粒が、セルロース、ペクチン、タンパク質、デン
    プンおよび/またはアミロースと、医薬的に許容できる膜コーティング材料との
    混合物でコーティングされていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一
    項に記載のデンプンカプセル。
  7. 【請求項7】 デンプン顆粒が、大麦、ジャガイモ、小麦、オートムギ、エ
    ンドウ豆、トウモロコシ、タピオカ、サゴ、米もしくは同様の塊茎野菜、または
    トウモロコシ作物、好ましくはジャガイモ、大麦、小麦、またはトウモロコシ、
    最も好ましくはジャガイモからできていることを特徴とする請求項1から6のい
    ずれか一項に記載のデンプンカプセル。
  8. 【請求項8】 デンプン顆粒のサイズが10〜100μm、好ましくは50
    〜100μmであることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のデ
    ンプンカプセル。
  9. 【請求項9】 デンプン顆粒が、細菌、酵母または糸状菌のような微生物で
    充填されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のデンプ
    ンカプセル。
  10. 【請求項10】 デンプン顆粒が、乳酸杆菌属、連鎖球菌属、ペディオコッ
    カス属、ラクトコッカス属、ロイコノストック属、コリネバクテリウム属、エン
    テロコッカス属のような乳酸菌、またはビフィドバクテリウム属に属する乳酸菌
    で充填されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のデン
    プンカプセル。
  11. 【請求項11】 微生物が酵母であり、サッカロミセス属に属していること
    を特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のデンプンカプセル。
  12. 【請求項12】 デンプン顆粒が酵素で充填されていることを特徴とする請
    求項1に記載のデンプンカプセル。
  13. 【請求項13】 デンプンカプセルが、デンプンに対して0.1〜70%、
    好ましくは0.1〜6%、最も好ましくは0.1〜2%の濃度を有するデンプン
    溶液でコーティングされていることを特徴とする請求項1から12のいずれか一
    項に記載のデンプンカプセル。
  14. 【請求項14】 デンプン顆粒の有孔表面が、1〜10μmのサイズを有す
    るデンプン粒子で充填されていることを特徴とする請求項1から12のいずれか
    一項に記載のデンプンカプセル。
  15. 【請求項15】 充填されたデンプンカプセルを製造する方法であって、 使用目的に従って、適切なサイズのデンプン顆粒を選択し、 デンプン顆粒の構造が多孔性となるように、デンプン顆粒を加水分解し、 デンプン顆粒を、微生物または微生物および/またはポリペプチドもしくはタ
    ンパク質で充填する工程からなることを特徴とする方法。
  16. 【請求項16】 加水分解が、デンプン顆粒の乾燥含量の3〜60%、好ま
    しくは30〜50%が加水分解されるように行われることを特徴とする請求項1
    5に記載の方法。
  17. 【請求項17】 デンプン顆粒を、加水分解後および/または充填後に、凍
    結乾燥することを特徴とする請求項15または16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 デンプン顆粒が、同時に加水分解されかつ充填されること
    を特徴とする請求項15から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 【請求項19】 生きている微生物を、加水分解酵素の存在下で、デンプン
    顆粒中に増殖させることを特徴とする請求項15から18のいずれか一項に記載
    の方法。
  20. 【請求項20】 デンプン顆粒が、デンプン溶液を顆粒の表面上に、結晶化
    または噴霧することによってコーティングされることを特徴とする請求項15か
    ら19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 【請求項21】 結晶化に使用されるデンプン溶液が、デンプンに対して0
    .1〜70%であることを特徴とする請求項15から20のいずれか一項に記載
    の方法。
  22. 【請求項22】 噴霧に使用されるデンプン溶液が、デンプンに対して0.
    1〜6%、好ましくは0.1〜2%であることを特徴とする請求項15から20
    のいずれか一項に記載の方法。
  23. 【請求項23】 デンプン顆粒が、顆粒と、冷却したときに該顆粒の表面上
    にゲルを形成する0.1〜70%デンプン溶液とを混合することによってコーテ
    ィングされることを特徴とする請求項15から20のいずれか一項に記載の方法
  24. 【請求項24】 デンプン顆粒が、顆粒と、エタノールを使用して沈殿させ
    たときに該顆粒の表面上にゲルを形成するデンプン溶液とを混合することによっ
    てコーティングされることを特徴とする請求項15から20のいずれか一項に記
    載の方法。
  25. 【請求項25】 デンプン顆粒の有孔表面が、1〜10μmのサイズのデン
    プン粒子で充填されることを特徴とする請求項15から19のいずれか一項に記
    載の方法。
  26. 【請求項26】 充填されたデンプン顆粒を製造する方法であって、 使用目的に従って、適切なサイズのデンプン顆粒を選択し、 デンプンを加水分解することのできる生きている微生物をデンプン顆粒と接触
    させ、 微生物に加水分解酵素を産生させると同時に、デンプン顆粒中に増殖させる工
    程からなることを特徴とする方法。
  27. 【請求項27】 デンプン顆粒が、生体高分子、または生体高分子と医薬的
    に許容できる膜コーティング材料との混合物でコーティングされることを特徴と
    する請求項26に記載の方法。
JP2000543121A 1998-03-27 1999-03-29 微生物および/またはポリペプチドもしくはタンパク質を含有するデンプンカプセル、およびその製造方法 Pending JP2002511403A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FI980707 1998-03-27
FI980707A FI104405B (fi) 1998-03-27 1998-03-27 Mikro-organismeja sisältävät tärkkelyskapselit ja niiden valmistusmenetelmä
PCT/FI1999/000259 WO1999052511A1 (en) 1998-03-27 1999-03-29 Tarch capsules containing microorganisms and/or polypeptides or proteins and a process for producing them

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002511403A true JP2002511403A (ja) 2002-04-16

Family

ID=8551403

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000543121A Pending JP2002511403A (ja) 1998-03-27 1999-03-29 微生物および/またはポリペプチドもしくはタンパク質を含有するデンプンカプセル、およびその製造方法

Country Status (7)

Country Link
EP (1) EP1063976A1 (ja)
JP (1) JP2002511403A (ja)
AU (1) AU3038699A (ja)
BR (1) BR9909133A (ja)
CA (1) CA2324364A1 (ja)
FI (1) FI104405B (ja)
WO (1) WO1999052511A1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006280263A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Snow Brand Milk Prod Co Ltd ビフィズス菌菌体粉末
JP2014508141A (ja) * 2011-01-25 2014-04-03 オーストリアノヴァ シンガポール プライベート リミテッド 酸性劣化からの微生物細胞の保護
JP2016052323A (ja) * 2003-10-01 2016-04-14 コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガナイゼーション プロバイオティクスの保存と送達
WO2019156096A1 (ja) * 2018-02-06 2019-08-15 日清フーズ株式会社 馬鈴薯澱粉

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8563522B2 (en) 1997-07-08 2013-10-22 The Iams Company Method of maintaining and/or attenuating a decline in quality of life
DE19962427A1 (de) * 1999-12-22 2001-07-12 Nutrinova Gmbh Verkapselte multifunktionelle, biologisch aktive Nahrungsmittelkomponente, Verfahren zu ihrer Herstellung und ihre Anwendung
KR100395633B1 (ko) * 2001-05-30 2003-08-21 문장조 다공성 전분을 내부 매트릭스로한 마이크로캡슐 및 그의제조방법
US20030198682A1 (en) * 2002-02-12 2003-10-23 Gruber James V. Composition and method for protecting labile active components during high temperature drying
US20050152884A1 (en) 2003-12-19 2005-07-14 The Procter & Gamble Company Canine probiotic Bifidobacteria globosum
US8894991B2 (en) 2003-12-19 2014-11-25 The Iams Company Canine probiotic Lactobacilli
US20050158294A1 (en) 2003-12-19 2005-07-21 The Procter & Gamble Company Canine probiotic Bifidobacteria pseudolongum
US7785635B1 (en) 2003-12-19 2010-08-31 The Procter & Gamble Company Methods of use of probiotic lactobacilli for companion animals
US8877178B2 (en) 2003-12-19 2014-11-04 The Iams Company Methods of use of probiotic bifidobacteria for companion animals
EP2261323A1 (en) 2005-05-31 2010-12-15 The Iams Company Feline probiotic lactobacilli
PL1885383T3 (pl) 2005-05-31 2017-06-30 Iams Europe B.V. Kocie probiotyczne bifidobakterie
WO2008093303A2 (en) 2007-02-01 2008-08-07 The Iams Company Method for decreasing inflammation and stress in a mammal using glucose antimetaboltes, avocado or avocado extracts
US9771199B2 (en) 2008-07-07 2017-09-26 Mars, Incorporated Probiotic supplement, process for making, and packaging
US10104903B2 (en) 2009-07-31 2018-10-23 Mars, Incorporated Animal food and its appearance
WO2020244977A1 (en) * 2019-06-07 2020-12-10 Basf Se New formulations of microorganisms

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5160745A (en) * 1986-05-16 1992-11-03 The University Of Kentucky Research Foundation Biodegradable microspheres as a carrier for macromolecules
US4859377A (en) * 1987-07-10 1989-08-22 The United States Of America, As Represented By The Secretary Of Agriculture Starch encapsulation of entomopathogens
US5403799A (en) * 1992-12-21 1995-04-04 W. R. Grace & Co.-Conn. Process upset-resistant inorganic supports for bioremediation
US5486507A (en) * 1994-01-14 1996-01-23 Fuisz Technologies Ltd. Porous particle aggregate and method therefor
GB2311027B (en) * 1996-03-15 1999-10-27 Johnson & Johnson Medical Coated bioabsorbable beads for wound treatment

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016052323A (ja) * 2003-10-01 2016-04-14 コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガナイゼーション プロバイオティクスの保存と送達
JP2006280263A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Snow Brand Milk Prod Co Ltd ビフィズス菌菌体粉末
JP2014508141A (ja) * 2011-01-25 2014-04-03 オーストリアノヴァ シンガポール プライベート リミテッド 酸性劣化からの微生物細胞の保護
WO2019156096A1 (ja) * 2018-02-06 2019-08-15 日清フーズ株式会社 馬鈴薯澱粉
CN111698912A (zh) * 2018-02-06 2020-09-22 日清富滋株式会社 马铃薯淀粉
JPWO2019156096A1 (ja) * 2018-02-06 2021-02-25 日清フーズ株式会社 馬鈴薯澱粉
JP7323461B2 (ja) 2018-02-06 2023-08-08 株式会社日清製粉ウェルナ 馬鈴薯澱粉

Also Published As

Publication number Publication date
WO1999052511A1 (en) 1999-10-21
FI980707A0 (fi) 1998-03-27
EP1063976A1 (en) 2001-01-03
FI104405B (fi) 2000-01-31
AU3038699A (en) 1999-11-01
CA2324364A1 (en) 1999-10-21
FI980707A (fi) 1999-09-28
BR9909133A (pt) 2000-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002511403A (ja) 微生物および/またはポリペプチドもしくはタンパク質を含有するデンプンカプセル、およびその製造方法
US6841181B2 (en) Encapsulated multifunctional biologically active food component, process for its production and its use
Martín et al. Microencapsulation of bacteria: A review of different technologies and their impact on the probiotic effects
Nedovic et al. An overview of encapsulation technologies for food applications
JP5950938B2 (ja) マイクロカプセル化プロバイオティクス物質および製造方法
EP1667696B1 (en) Probiotic storage and delivery
Lee et al. Survival of freeze-dried Lactobacillus bulgaricus KFRI 673 in chitosan-coated calcium alginate microparticles
EP0693963B1 (fr) Utilisation d'une reaction de transacylation entre un polysaccharide esterifie et une polyamine pour former en milieu aqueux une membrane au moins en surface de particules gelifiees, particules ainsi realisees, procedes et compositions en contenant
EP3205216B1 (en) Multilayer probiotic microcapsules
US20100189767A1 (en) Probiotic compositions and methods of making same
JP2002504065A (ja) 栄養流体中に懸濁されうる被覆された顆粒に含まれ安定化された生物学的に活性の化合物
JPH03505448A (ja) 遅延放出性製剤
JP2008109945A (ja) プロバイオティック含有摂取製品
Xing et al. Effect of porous starch concentrations on the microbiological characteristics of microencapsulated Lactobacillus acidophilus
KR20010101531A (ko) 개선된 미생물 제제
Das et al. Microencapsulation of probiotic bacteria and its potential application in food technology
Oberoi et al. Microencapsulation: An overview for the survival of probiotic bacteria
EP1713498A1 (en) Composition comprising polymeric material and uses thereof
Harel et al. Protection and delivery of probiotics for use in foods
US6514526B1 (en) Coated starch capsules and a process for producing them
RU2440010C2 (ru) Предварительно ферментированная симбиотическая матрица на основе суспензии зернового продукта, полученной с помощью иммобилизованных клеток микроорганизмов, и инкапсулированных пробиотиков - продукт и способ его получения
Mortazavian et al. Microencapsulation of probiotics and applications in food fermentation
CN116270523B (zh) 一种耐酸的口服双层胶囊及其制备方法
KR100846672B1 (ko) 알지네이트/메틸-셀룰로우즈 캡슐을 이용한 바실러스폴리퍼멘티쿠스 scd의 생산성과 생존율 향상방법 및 그용도
RU2142504C1 (ru) Способ получения биологически активной добавки в сухой форме, содержащей бактерии-эубиотики, и начинка для хлебных или кондитерских изделий на ее основе