JP2002510993A

JP2002510993A - 自己テクスチャリング吸収性構造及びそれから作られた吸収性物品

Info

Publication number: JP2002510993A
Application number: JP54603598A
Authority: JP
Inventors: フンヨウチェン; ジェフリーディーンリンジー
Original assignee: キンバリークラークワールドワイドインコーポレイテッド
Priority date: 1997-04-21
Filing date: 1998-03-27
Publication date: 2002-04-09
Also published as: AU738061B2; BR9815474A; AR014988A2; WO1998047455A2; AU6785298A; US5865824A; DE69827828D1; DE69827828T2; ID23853A; TW390804B; CR5762A; EP1018999A2; EP1018999B1; ZA982481B; CA2284809A1; KR100543840B1; WO1998047455A3; AR012442A1; KR20010012424A

Abstract

(57)【要約】初めは平らで稠密な構造が、濡れた時に三次元、高バルクのチャンネル付き構造になるような新しい吸収性構造が開示される。この構造は、流体の輸送に異常に高い指向性を呈し、縦長の物品内の流体の分布を改善する。濡れた物品の自己バルキングも、おむつのような物品のフィットを改善することができ、一般的には濡れた物品のボイド容積を増加させて高い吸収容量をもたらす。

Description

【発明の詳細な説明】自己テクスチャリング吸収性構造及びそれから作られた吸収性物品発明の背景吸収性物品の製造においては、高い吸収容量を得るために高いボイド容積を有する構造が望まれる。しかしながら、高バルク構造の大きい細孔サイズは、典型的には流体のウィッキングに対して比較的低い毛管圧を呈する。更に、高バルク構造はかなりの空間を必要とし、そのため出荷、貯蔵、及び包装に高いコストをもたらす。吸収性物品は、使用する前は比較的平らで稠密であり、濡れた時には膨張して必要な細孔空間を提供することが理想的である。クロスリンクされたファイバの通気抄造（air-laid）されたウェブ、または湿式抄造（wet-laid）され、非圧縮的に乾燥された湿潤弾力性ティッシュのような、濡れた時に膨張できる従来技術の構造はウィックする流体に比較的等方性である傾向があり、これは、経水、尿、または他の流体の広がりが流体の進入領域の周囲に比較的円形になる傾向があることを意味する。殆どの吸収性物品は縦方向に重点をおいているので、一般的には等方性のウィッキングは望ましくない。吸収性物品全体を最良に使用するためには、ウィッキングが主として縦方向に行われることが好ましい。縦方向への流体の流れを増加させようとする従来の努力は、部分的にしか成功を見なかった。これらの方法は、縦方向へのウィッキングを促進するために、縦方向ゾーンのエンボス加工または高密度化を含んでいる。吸収性物品が縦方向へのウィッキングを高めることに加えて、濡れた時に膨張してより多くのボイド容積を提供することも望ましい。理想的には、吸収性構造が、実効的なウィッキングに対して大きい細孔及び小さい細孔が使用可能であるように実効的な細孔サイズについては不均一でありながら、優先的な縦方向を有しているべきである。更に、普通のティッシュ生産方法で生産できるティッシュウェブのように、吸収性物品の成分が安価であることが望ましい。おむつ、女性用パッド、失禁用パッドその他の吸収性ガーメントのような従来技術の吸収性物品の広く知られているさらなる欠陥は、使用中の物品が体液によって濡れた時に、身体へのぴったりしたフィットを維持できなくなることである。乾燥している時には良好にフィットする物品が、一般に、濡れた時には、特に尿が排泄される時に発生するように、もし付加される流体がかなりな量の質量を物品に対して寄与することがあれば、たるんだり、潰れたり、それ以外に身体から下がるようになる。女性のアナトミーの複雑な輪郭と、通常の身体運動によって物品に加えられる高い変形及び応力の故に、女性用パッドは特に身体に密着させて維持することが困難である。セルロースファイバが濡れた時に発生するようなバルク及び弾性係数の減少も、典型的な女性用パッドを着用者の身体に対して良好にフィットさせ続けるのを不能にする要因である。外形を整えた弾力性の吸収性物品は、もしコストが問題でなければ公知の材料を使用して生産することはできるが、１回の使用に対して適当に安価でもある高品質吸収性物品を発明することが挑戦である。理想とするのは、これらの高性能物品は、既存の設備を使用し、安価な材料で大量生産できることである。以上から、低価格と、たとえ体液によって濡れた場合でも身体への優れたフィットという、従来は吸収性物品にとって両立できないと考えられてきた目的を実現し、しかも改善された吸収容量、減少した乾燥時の厚み、改良された流体処理、及び制御された流体輸送の指向性のような、付加的な注目すべき新しい長所をも提供する材料に対する要望が存在している。発明の概要普通のティッシュ生産装置を使用して、吸収性物品内の新らしい多機能転送層に変換するのに適するティッシュウェブを生産できることを発見した。この転送層は濡れると大きく膨張し、改善された流体輸送に適するボイド容積及びチャンネル、または配向されたポケットを増加させる。実際に、初めは平らな構造が、一旦濡れると重要なテクスチャを発生し、バルクを増加させ、三次元の形状になって、この多機能転送層を組み込んだ吸収性物品の液体処理、及び身体へのフィットを改善するようになる。詳しく述べれば本発明は、クレープされたティッシュが濡れた時に、機械方向に対して横方向に膨張する自然な傾向を活用し、この特性を新しい方法で利用して流体処理特性を改善する。これは、適当な特性を有する平らなクレープされたシートの一部を選択的に拘束し、濡れた時に、シートの拘束されていないない部分が制御されながらパッカー（pucker）することによって達成される。濡れたシートの制御されたパッカーリングは多数の三次元ポケット及び高バルクの領域を作り、吸収性物品及び他のセルロース製品の有用且つ望ましい目的を達成させるためにこれらを有利に利用することができる。例えば、主たる縦方向を有する吸収性物品において転送層を適切に設計すると、平らな構造が濡れた時に、縦方向に配向されたポケットが発生して縦方向輸送が改善され、身体へのぴったりしたフィットが改善される。クレープされたティッシュシートが湿潤弾力性ファイバ及び湿潤強さ材を含んでいる場合、濡れた物品の三次元のパッカーした形状は容易に潰れず、使用時間の少なくとも一部の間はその形状及びそのバルクの殆どが維持されるようになって最良の結果が得られる。湿潤強さが高くないか、または湿潤弾力性ファイバを有していないティッシュは、濡れた時に作られるパッカーが潰れ易い。膨張層の表面は、濡れた時に、少なくとも約３mm、より好ましくは少なくとも約５mm、そして約２mm乃至約15mmの好ましい範囲だけ上昇すべきである。クレープされたティッシュシートの部分を不均一に拘束するために、クレープされたシートは、濡れた時にクレープされたティッシュシートの膨張よりも膨張が少ない安定層に付着させることができる。クレープされたシートを吸収性物品内に配置した時に、機械方向の向きがウェブの主たる膨張方向である。濡れた時の安定層の主たる膨張方向における膨張の程度は、その方向における膨張層の膨張の程度よりもかなり小さいことが好ましい。膨張層の膨張の程度と、安定層の膨張の程度との比は、少なくとも約1.5、好ましくは少なくとも約３、より好ましくは少なくとも約５、より好ましくは約10乃至約25、そして最も好ましくは少なくとも約20とすべきである。膨張層の主たる膨張方向における安定層の膨張の程度は、約10％以下、好ましくは約５％以下、そして最も好ましくは本質的に０％とすべきであり、膨張層の膨張の程度と安定層の膨張の程度との比は不確定的に大きくすることができる。１実施の形態においては、安定層は、膨張に関しては本質的に等方性であり、どの方向における膨張の程度も一定である。安定層はティッシュまたは紙材料であることも、またはプラスチック不織繊維質ウェブ、繊維質複合材、ラミネート、有孔フィルム等からなることもできる。安定層は、流体を受入れるために、または流体を吸収性物品の他の層内へ通過させることができるように多孔質でなければならない。但し、安定層もバックシートまたは類似液体障壁として働くことができるように吸収性物品が構成されている場合には、安定層は液体不透過性であるべきであるからこの限りではない。安定層は、安定層の機械方向が膨張層の主たる膨張方向と整列していないか、またはクレープの程度が安定層において低いことを条件として、少なくとも0.1、好ましくは少なくとも約0.2の湿潤：乾燥引張強さ比を与えるように湿潤強さ樹脂を添加したクレープされたティッシュウェブであることができる。例えば、２プライラミネートの安定層及び膨張層の主たる膨張方向が互いにほぼ直角であるような場合には、高収量ファイバ及び湿潤強さ樹脂からなるクレープされたティッシュウェブのシートをこれらの２つの層に使用することができる。このようにすると各シートは濡れた時に機械方向（MD）に膨張するが、後述するように付着手段を通して他のシートによって拘束され、他方のシートの横機械方向（CD）における膨張は機械方向におけるよりも小さくなる。濡れると両層はパッカーし、かなりな表面深さ及び増加したボイド容積を発生する。この場合、トップ層（吸収性物品のトップシートまたは身体側に近い方の層）、またはボトム層（身体側から離れている方の層）の何れかが膨張層として働き、他方の層が安定層として働いているということができる。一般的には、安定層は、膨張層のトップ側またはボトム側の何れにあっても差し支えない。安定層は、たわみ可能であり、液体を吸収または輸送できることが好ましい。好ましい実施の形態においては、安定層は、本明細書に参照として採り入れられている1996年３月８日付Chenらの米国特許出願第08/614,420号“Wet Resihent W ebs and Disposable Artides Made Therewith”に開示されているクレープされていない通気乾燥された構造のような、三次元の、湿潤弾力性の、テクスチャー付き（textured）ティッシュウェブからなる。Chenらが示したシートは、驚くほど高いレベルで湿潤弾力性、流体に対する面内透過性、吸収性物品のための流体取入れ率、及び吸収性物品及び紙タオルに適する他の特性を有している。他の潜在的に適当なシートが、1997年３月４日付Ferringtonらの米国特許第5,607,551号“Soft Tissue”、1995年２月６日付Wendtらの米国特許出願第08/384,304号“Method of Making Soft Tissue Products”、及び1991年９月17日付Cookらの米国特許第5,048,589号“Non-creped Wiper or Towel”に開示されており、これらの特許は全て本明細書に参照として採り入れられている。テクスチャー付きの、クレープされていないウェブを安定層として使用する場合には、それは接着手段を含むいろいろな形状の付着を通して拘束手段として役立つか、または１実施の形態においては濡れた膨張層に対して摩擦係合することができる。後者の場合、膨張層と接触する三次元安定層の部分が膨張層の横方向膨張を禁止し、膨張層を安定層の接触点間のポケット内にパッカーさせる。次いでこれらのポケットがボイド容積を増加させ、指向性チャンネルを提供することによって、巨視的な流体輸送の制御を改善し、また吸収性物品の表面を着用者の身体によりよく接触させるように運動可能にする。安定層として役立つ三次元ティッシュは、ユーザの身体からの圧縮力、トップシートからの引張力または安定層または膨張層の何れか内の引張力、弾性糸、または安定層を膨張層に向かってバイアスして摩擦係合を可能にする他の手段のような物理力によって膨張層に押し付けることが好ましい。接着剤を使用する場合には、接着材料は、接触点において膨張層を安定層の三次元構造に対して接続するように塗布すべきである。膨張層の上側（物品の身体側に向かって）の表面上に安定層を有する若干の実施の形態においては、安定層をトップシートとして役立たせることもできる。安定層／トップシートは柔らかく、たわみ可能であり、そして吸収性であることが好ましい。例示構造は、上記Farringtonの特許及びWendt出願に記載されているようなクレープされていないか、または軽くクレープされているスルー乾燥された構造であり、これらは優れた柔らかさ及び湿潤弾力性を有している。適当なたわみ可能性は、ラッシュ転送方法の使用、または濡れたウェブにマイクロフォールドを追加する他の収縮技術の使用、またはカールまたは分散させたファイバ、及びオプションとして化学デボンダー（debonder）の使用によって得ることができる。高バルク、スルー乾燥させた材料にカールを与えるためのファイバ分散は、M．A．Hermansらの1994年９月20日付米国特許第5,348,620号 “Method of Treating Papermaking Fibers For Making Tissue”、及び1996年３月26日付米国特許第5,501,768号“Method of Treating Papermaking Fibers F or Making Tissue”に開示されており、これらの両特許は参照として本明細書に採り入れられている。安定層／トップシートの身体接触表面は、本明細書に参照として採り入れられている同時係属中の1997年３月21日付Chenらの米国特許出願 “Dual-Zoned Absorbent Webs”に開示されている方法を使用して表面の一部分上に堆積させた疎水性材料で処理することができる。適当な疎水性材料は、限定するものではないが、シリコン配合物、過フッ化炭化水素（フルオロカーボン）、PTFE、ワックス、ワックス乳剤、ポリウレタン乳剤、脂肪、ポリオレフィン、ナイロン、ポリエステル、グリセリド等、並びにこれらの混合体を含む。ワックス及び油の凝固した混合体を含む幾つかの適当な材料が1997年２月11日付D．Krz ysikらの米国特許第5,601,871号“Soft Treated Uncreped Throughdried Tissue ”に開示されており、この特許は本明細書に参照として採り入れられている。本発明の吸収性物品は、煉い捨ておむつ、女性用パッド、失禁用パッド、吸汗用パッドまたはライナー、使い捨てガーメントの部分、肉汁を吸収するための鳥獣肉用パッド、乳房パッド、外科用吸収性パッド、外傷手当用品及び包帯、油吸収用パッド、産業廃棄物及びこぼれた毒物吸収用パッド、食品製品の水分吸収用挿入物等々として使用することができる。以下に開示する構造は、当分野においては公知の添加物及び吸収性材料によって、または体液及び他の液体のための吸収性物品を製造する分野においては公知のように、メルトブロウンウェプ、スパンボンドウェブ、プラスチックラミネート、エンボス加工されたプラスチックフィルム、有孔フィルム、弾力性材料、分離可能な挿入物等々によって更に補足することができる。従って、本発明の１つの面においては、吸収性物品は、(a)液体不透過性のバックシートと、(b)液体透過性のトップシートと、(c)トップシートとバックシートとの間に位置決めされている吸収性コアと、(d)吸収性コアとトップシートとの間に位置決めされている多機能転送層とを備え、上記多機能転送層は安定層と、離散した数の付着領域において安定層に不均一に付着された膨張層とを含み、上記膨張層は濡れた時に少なくとも一方向に横に上記安定層よりも実質的に多く膨張し、濡れた膨張層がパッカーして膨張層と安定層との間に複数のポケットを形成する。膨張層は、少なくとも0.1の湿潤：乾燥引張強さ比を有するクレープされたティッシュシートを備え、好ましくは少なくとも10％のBCTMPのような高収量ファイバを含む湿潤弾力性製紙用ファイバ、より好ましくは少なくとも20％の湿潤弾力性製紙用ファイバ、更に好ましくは少なくとも50％の湿潤弾力性製紙用ファイバ、そして最も好ましくはほぼ100％の湿潤弾力性製紙用ファイバからなる。膨張層は、身体側の上面と、バックシート側の下面とを有し、上記安定層は上記膨張層の上面または下面の何れにも付着させることができる。膨張層は、約 10乃至70gsm、より好ましくは約15乃至50gsm、更により好ましくは約20乃至40gs mの坪量を有することができる。実質的に平らな状態の膨張層は、10cc/g以下、または８cc/g以下、または６cc/g以下、または４cc/g以下の「乾燥バルク」（定義は後述）を有することができる。膨張層は、少なくとも８cc/g、より特定的には少なくとも10cc/g、より特定的には少なくとも15cc/g、更により特定的には少なくとも25cc/g、そして最も特定的には約15乃至約60cc/gの「パッカーしたバルク」（定義は後述）を有することができる。転送層は、超吸収性材料を更に含むことができる。別の面において、本発明は、(a)身体に接触する上側表面及び対向する下側表面を有する液体透過性トップシートと、(b)上記トップシートの下側表面に接して位置決めされている吸収性コアとを備えている吸収性物品に関し、上記吸収性コアは、安定層と、この安定層上に重ねられていて上記トップシートの下側表面に対向している膨張層とを含み、上記膨張層は離散した数の付着領域において上記安定層に不均一に付着され、上記膨張層は濡れた時に少なくとも一方向に横に上記安定層よりも実質的に多く膨張し、濡れた膨張層がパッカーして複数のポケットを形成し、増加したボイド容積を発生する。安定層は、膨張層の身体側または後側の何れにも付着させることができる。別の面において、本発明は、(a)液体不透過性バックシートと、(b)上記バックシート上に配置されている吸収性コアと、(c)上記バックシートから離して上記吸収性コア上に配置されている転送層とを備えている吸収性物品に関し、上記転送層は、上記吸収性コアと流体通じ接触している膨張層と、上記バックシートから離して上記膨張層上に不均一に接続されている柔らかい、たわみ可能な安定層とを含み、上記膨張層は濡れた時に少なくとも一方向に横に上記安定層よりも実質的に多く膨張し、濡れた膨張層がパッカーして複数のポケットを形成し、増加したボイド容積を発生する。別の面において、本発明は、(a)液体不透過性バックシートと、(b)液体透過性トップシートと、(c)トップシートとバックシートとの間に位置決めされている吸収性コアと、(d)吸収性コアとトップシートとの間に位置決めされている転送層とを備えている吸収性物品に関し、上記転送層は、膨張層と、濡れた時の上記膨張層の横方向膨張を拘束するための不均一拘束手段とを含み、濡れた膨張層はパッカーして流体を受入れ、輸送するための複数のポケットを形成する。膨張層は、湿潤強さ剤及び一部にBCTMP軟材のような高収量ファイバを含む湿潤弾力性の、クレープされたティッシュウェブからなることが好ましい。上記拘束手段は、離散した領域において上記膨張層に接着的に付着されている実質的に平らな多孔質不織ウェブを含むことができる。好ましい実施の形態においては、上記拘束手段は、濡れた時に、離散した接触点が上記膨張層を拘束してパッカーのパターンを作るように、上記膨張層と接触して配置されたテクスチャ付き三次元ウェブを含んでいる。このテクスチャ付き三次元ウェブは、少なくとも１mmの横方向長さスケールと、少なくとも0.3mmの典型的なピーク・バレー（peak-to-valley）深さとを有していることが好ましい。別の面において、本発明は、付着手段によって互いに接触関係に付着されている第１のプライ及び第２のプライを備えている吸収性紙タオルに関し、両プライは、約20％またはそれ以上の高収量バルプファイバと、約0.1またはそれより高い湿潤:乾燥引張強さ比とを有するクレープされたティッシュウェブからなり、上記第１のプライは上記第２のプライの主たる膨張方向に対して約20°乃至90° の角度をなしており、上記第１のプライは少なくとも２mmの「膨張の高さ」を有している。図面の簡単な説明図１は、本発明の例示吸収性物品の断面の一部である。図２は、本発明の多機能転送層の断面であって、安定層を膨張層に結合する手法の１つを示している。図３は、水性流体で濡れた時に図２の膨張層内に形成されるポケット及びパッカーした領域を示す図である。図４は、濡れた多機能転送層の側面を示す図であって、縦方向平行ポケットを示している。図５は、膨張層を安定層に付着させるための接着剤の堆積の２つの例示パターンを示す図であって、接着剤は平行な、配向された線を有している。図６は、膨張層を安定層に付着させるための接着剤の堆積の２つの例示パターンを示す図であって、接着剤は不連続な点及び破線からなるパターンに塗布されている。図７は、ポケット高さ、膨張の程度、及び膨張層と安定層とを接合する付着手段の間隔の間の関係を示す幾何学的な図である。図８は、図４と類似の側面を示す図であって、直角に配向されている２つの膨張層を有する構造を示している。用語及び手順の定義特に指定しない限り、ウェブまたはパッドの厚みとは、直径３インチのプラテンをベースとする厚みゲージを用い、0.05psiにおいて測定した厚みをいう。本明細書において使用する「膨張の程度」とは、長さ６インチ、幅１インチの紙のストリップが完全に濡れた時の、その紙の指定された方向（「MD 膨張の程度」は機械方向を、また「CD 膨張の程度」は横方向を表す）における長さのパーセント増加のことをいう。もし方向が指定されていなければ、その方向は最大の縦方向膨張を呈する方向（本発明において使用する殆どのウェブにおいては、典型的に機械方向である）として取られる。初めに、ストリップは少なくとも８時間にわたってTappi試験環境（73°Ｆ、相対湿度50％）に条件付けされる。次いで１インチ幅のストリップの一方の端をクランプによってつかみ（クランプはストリップの長さの1/8インチよりも大きくはつかまない）、ストリップがクランプから自由に吊下がるように配置する。初めのクランプされていない長さを測定する。次にスプレー瓶または噴霧器を使用し、室温の脱イオン水をサンプルに均一に噴霧してサンプルを滴下湿潤飽和の状態にする。但し、このサンプルの濡らしが約30秒より長い時間にわたることはない。更に60秒おいた後に、ストリップの長さを測定する。自由吊下げ湿潤長と先に測定した乾燥長との差を先に測定した乾燥長で除し、100を乗じて湿潤による長さのパーセント増加を求める。本発明のクレープされたティッシュシートは、少なくとも一方向に少なくとも10％、より好ましくは少なくとも20％、更により好ましくは少なくとも約30 ％、更により好ましくは約10％乃至約60％、そして代替として約８％乃至約100 ％の膨張の程度を有していることが好ましい。本明細書において使用する「膨張の高さ」とは、脱イオン水によって完全に濡れた時にしわが形成されることによって、湿潤膨張可能なウェブの厚みが増すことをいう。「膨張の高さ」は、一旦濡らしたサンプルを、Tappi状態の室内で平衡させるために空気乾燥させた後に測定する。この高さは、0.05psiの圧力を加えるために適当な力を伝達する直径３インチの円形プラテン（「足」）を備えた、プラテンをベースとする厚みゲージを使用して測定する。乾燥させた先に濡らしたサンプルの0.05psiにおける厚みから、初めに平らであった膨張していないウェブの厚みを減算したものが「膨張の高さ」であり、ミリメートルで表される。膨張層の「膨張の高さ」は、約１mmまたはそれ以上、好ましくは約２mmまたはそれ以上、より好ましくは約３mmまたはそれ以上、そして最も好ましくは約５mm またはそれ以上であることができる。本明細書において使用する「相対膨張の高さ」とは、濡れた時の膨張層の高さのパーセンテージ増加のことをいい、膨張層の高さを0.05psiにおける乾燥ウェブの初期厚みで除し、100％を乗じて計算される。例えば、もし0.2mm厚のウェブが1.2mmの高さに膨張すれば「膨張の高さ」は1.0mmであり、「相対膨張の高さ」は500％である。「相対膨張の高さ」は、約100％またはそれ以上、約200％またはそれ以上、約300％またはそれ以上、そして好ましい範囲は約150％乃至約600 ％であることができる。本明細書において使用する「乾燥バルク」とは、膨張層が濡れる前の、Tappi 条件にされた乾燥状態（73°Ｆ、相対湿度50％）における膨張層の単位質量当たりの容積（乾燥ファイバの立方センチメートル／グラム）のことである。バルク計算は、0.05psiの荷重の下で直径３インチのプラテンを用いた厚み測定に基づく。厚みを坪量で除したものがバルクである。本明細書において使用する「パッカーしたバルク」とは、膨張層が濡れた後、 Tappi条件にされた室内において乾燥させた膨張層の単位質量当たりの容積（乾燥ファイバの立方センチメートル／グラム）のことである。バルク計算は、0.05 psiの荷重の下で直径３インチのプラテンを用いた厚み測定に基づく。本明細書において使用する「表面深さ」とは、テクスチャ付き三次元表面の特性ピーク・バレー高さ差のことである。これは、濡れた後のモールドされたティッシュ構造の、または膨張層のポケットの特性深さまたは高さということができる。「表面深さ」の測定に特に適する方法は、表面を変形させることなく正確に測定することができるモアレ干渉計法である。本発明の材料に関して言えば、表面トポグラフィは約38mm視野を有するコンピュータ制御白光フィールドシフテッドモアレ干渉計を使用して測定すべきである。このようなシステムの有用な実施の原理は、Biemanらによって示されている（L.Bieman,K.Harding,and A.Boehnle in,“Absolute Measurement Using Field-Shifted Moire”SPIE Optical Confer ence Proceedings,Vol.1614,pp.259-264,1991）。モアレ干渉計法に適する市販の計器は、38mm視野（37乃至39.5mmの範囲の視野で十分である）として製造されたMedar,Inc.（ミシガン州ファーミントンヒル）製のCADEYES(登録商標)干渉計である。CADEYESシステムは白光を使用し、白光は格子を通して投射されてサンプル表面上に細い黒線を作る。表面を同じような格子を通して見るとモアレ縞が作られ、これらの縞はCCDカメラによって見られる。適当なレンズ及びステッパーモータが、フィールドシフティング（後述する技術）のために光学的構成を調整する。ビデオプロセッサは、捕捉した縞画像をPCコンピュータへ送って処理させ、ビデオカメラが見た縞パターンから表面高さの詳細を逆計算させることができる。ティッシュの特性ピーク・バレー高さの解析のためにCADEYESシステムを使用する原理は、J.D.Lindsay及び L.Biemanによって示されている（“Exploring Tactile Properties of Tissue w ith Moire Interferometry”，Proceedings of the Non-contact，Three-dimens onal Gaging Methods and Tecvhnologies Workshop，Society of Manufacturing Engineers,Dearborn,Michigan,March 4-5,1997）。本明細書において使用する「横方向長さスケール」とは、繰り返し単位セルからなるテクスチャを有するテクスチャ付き三次元ウェブの特性寸法のことである。単位セルを描く凸多角形の最小幅を、横方向長さスケールとして取る。例えば、横機械方向に約１mm離間し、機械方向に約２mm離間している繰り返し矩形くぼみを有するファブリック上でスルー乾燥させたティッシュにおいては、横方向長さスケールは約１mmである。本明細書において使用する「高収量パルプファイバ」は、約65％またはそれ以上、より特定的には約75％またはそれ以上、更により特定的には約75％乃至約95 ％の収量をもたらすパルプ化プロセスによって生産された製紙用ファイバである。収量は、処理されたファイバの最終的な量を、初めの木パルプのパーセンテージとして表す。これらのパルプ化プロセスは、漂白化学熱機械パルプ（BCTMP）、化学熱機械パルプ（CTMP）、圧力／圧力熱機械パルプ（PTMP）、熱機械パルプ（TMP）、熱機械化学パルプ（TMCP）、高収量亜硫酸パルプ、及び高収量クラフトパルプを含み、これらは全て高レベルのリグニンを有するファイバを残している。高収量ファイバは、典型的な化学的にパルプ化されたファイバに対するそれらのこわさ(乾燥及び湿潤の両状態において)に関して良く知られている。クラフト及び他の非高収量ファイバのセル壁は、セル壁上の、及びその部分内の「モルタル」または「接着剤」であるリグニンが大きく除かれているので、より多くたわむことができる。またリグニンは水中で膨張することがなく、疎水性であり、ファイバに及ぼす水の軟化効果に抵抗し、クラフトファイバに対して濡れた高収量ファイバ内のセル壁のこわさを維持する。好ましい高収量パルプファイバは、比較的無傷の、相対的に損傷のないファイバからなり、高フリーネス（250カナダ標準フリーネス（CSF）またはそれ以上、より特定的には350 CSFまたはそれ以上、更により特定的には400 CSFまたはそれ以上）、及び低繊度含量（Brittジャー試験によって25％以下、より特定的には20％以下、更により特定的には15％以下、そして更により特定的には 10％以下）も特徴とすることができる。上述した普通の製紙用ファイバに加えて、高収量パルプファイバは、トウワタ（唐綿）種髪ファイバ、マニラ麻、大麻、ケナフ、バガス、綿等のような他の天然ファイバをも含む。本明細書において使用する「湿潤弾力性パルプファイバ」とは、高収量ファイバ、化学的に堅くしたファイバ、及びクロスリンクファイバからなるグループから選択された製紙用ファイバである。化学的に堅くしたファイバまたはクロスリンクファイバの例は、マーセル化ファイバ、Weyerhaeuser Corp.製のHBAファイバ、及び本明細書に参照として採り入れられている1965年のL．J．Bernardinの米国特許第3,224,926号“Method of Forming Cross-linked Cellulosic Fibers and Product Thereof”、及び1969年のL.J.Bemardinの米国特許第3,455,778号“ Creped Tissue Formed From Stiff Cross-linked Fibers and Refined Papermak ing Fibers”に開示されているようなファイバを含む。湿潤弾力性パルプファイバのどのような混合物をも使用することはできるが、高収量パルプファイバは、それらが低価格であること、及び以下に説明する原理に従って使用した時に良好な流体処理性能であることから、多くの実施の形態のために選択されている湿潤弾力性ファイバである。上述したように、シート内の高収量パルプファイバまたは湿潤弾力性パルプファイバの量は、少なくとも10％、より好ましくは少なくとも20％、更により好ましくは少なくとも50％、最も好ましくはほぼ100％の湿潤弾力性製紙用ファイバであることができる。層にしたシートの場合、これらと同じ量を１つまたはそれ以上の個々の層に適用することができる。一般的に湿潤弾力性パルプファイバは他の製紙用ファイバよりも柔らかさが少ないので、若干の応用においては、例えばそれらを３層化シートの中央層内に配置するか、または２プライ製品の場合にはそれらを２つのプライの各々の内向きの（バックシートに向いていて、身体側から離れている方の）層内に配置するというように、それらを最終製品の中央に組み入れると有利である。図面の詳細な説明図１に、本発明の好ましい実施の形態による吸収性物品の断面を示す。着用者の身体に接するのは、身体側ライナーまたはトップシート１であり、トップシートには多機能転送層２が重ねられている。転送層の下（身体側から離れている方）には吸収性コア３が配置され、吸収性コア３には液体不透過性のバックシート４が重ねられている。本発明は、主として多機能転送層２の新規な特性に関し、図２にその一実施の形態をより詳細に示す。膨張層５が、離散した、または不均一な付着手段７（図２には、離間した接着材料の堆積として示されている）によって安定層６に付着されている。膨張層５は、図２の断面の長さに平行な横方向に膨張する。図３に示すように、濡れた時に膨張層５が膨張すると、不均一な付着手段７を通して安定層６によって拘束されているために、パッカーリングが発生して上昇したポケット８が作られる。これらのポケット８は、流体を保持し、流体を好ましい方向に導くことができ、一方トップシートの上昇の増加は身体に対して良好なフィットを維持するようになる。ポケット８の形成によって作られる流れチャンネル及びボイド容積に加えて、特にもし疎水性の接着剤、または他の非疎水性の付着手段を使用すれば、接触点７の周囲の狭い寸法がポケット８の長さに沿って流体を流すのに適する小直径の毛管を有する領域を作る。安定層６上で膨張し、パッカーした膨張層５を、図４に斜視図で示す。複数の細長いポケット８の幾つかが示されている。同様に、図８は直角に配向されている２つの膨張層を有する吸収性構造を示しており、２つの膨張層の相対配向は、両層が整列している場合から約５°または10°乃至90°ずらすことができる。図４の膨張した構造は、平行な接着剤の線を用いて膨張層を安定層に付着させ、膨張層が濡れた時に平行な連続パッカーポケットを生じさせることによって得ることができる。しかしながら、接着剤のような付着手段の構造及びレイアウトに関して言えば、本発明の範囲内において他の多くの実施の形態が可能である。連続する細長いパッカーポケットは、例えば図５に示すように正弦波状、鋸歯状等のパターンで膨張層と安定層との間に接着剤を塗布することによって好みの、またはより機能的な形状で作ることも、または図６に例示してあるように離間した、パターン化したドットまたは破線及び／または線の形状で付着手段を塗布することもできる。ドット及び線のダイヤモンドパターンまたは菱形アレイが、潜在的に有用な構造と考えられる。物品の横方向（物品の主たる縦軸に直角な方向）における流れ及びウィッキングを防ぐために、従って特に女性用パッド及び類似物品における漏洩の恐れを減少させるために、転送層の側に接着剤の線を設けることも有用である。膨張層５は濡れた時に横方向に膨張するどのような濡れ可能な材料からなることもできるが、クレープされたティッシュウェブは、それらが低価格であること、及び製造の容易さの故に好ましい。ヤンキー乾燥機またはドラム乾燥機上でティッシュをクレープする方法例が、1996年２月27日付Edwardsらの米国特許第5.4 94,554号“Method for Making Soft Layered Tissues”、1997年12月20日付Lazo risakらの米国特許第4,064,213号“Creping Process Using Two-position Adhes ive Application”、1985年８月６日付Cunan及びKershawの米国特許第4,533,437 号“Papermaking Machine”、及び1975年４月22日付Gentileらの米国特許第3,87 9,257号に開示されており、これらの特許は全て本明細書に参照として採り入れている。クレープは、当分野において公知の多くの方法で実行することができる。ヤンキー乾燥機上でのクレーピングに加えて、初めはE.Heuserが３つの論文(P apier-kitung,35(94):3559-3560(1910年11月24日);35(99):3743(1910年12月11日 );及び36(8):251-253（1911年１月26日）)に記述したような、２つの締付け板の喉内に紙を詰め込む方法を含む予め乾燥させたウェブのクレーピング、即ち「ドライクレーピング」を行うことができる。関連する技術は、本明細書に参照として採り入れられている1990年４月24日付M.N.Parsons及びR.L.Abbaの米国特許第4 ,919,877号に開示されているように、ウェブを個体表面に対して物理的に詰め込んで、ウェブをドライマイクロコンプレッション、またはマイクロクレーピングする動作である。乾燥した、または部分的に乾燥したウェブを収縮させる、または横方向にマイクロコンプレスする他の方法が、本明細書に参照として採り入れられているCluettの米国特許第2,624,245号、これもまた本明細書に参照として採り入れられているIhrmanの米国特許第3,290,209号、及びTrokhanの米国特許第 4,469,735号に開示されている。ウェブのクレーピングまたは収縮は、シートを実質的に乾燥（50％以上の乾き度、好ましくは80％以上、そしてより好ましくは 90％以上の乾き度）させた後に行うことが重要である。多くの、または殆どのファイバ間の水素結合は比較的平らな状態において形成され、ファイバが濡れてファイバ応力が弛緩した時、クレープされたシートはこの状態に戻ろうとするから、このようにするとシートは濡れた時に横方向に膨張することができる。最も好ましいのは、少なくとも0.1、好ましくは少なくとも0.2、より好ましくは少なくとも約0.3、そして最も好ましくは少なくとも約0.5の機械方向湿潤：乾燥引張強さ比を発生するための湿潤強さ剤を含むクレープされたティッシュウェブである。クレープ比は、機械方向における膨張の程度が少なくとも10％、好ましくは少なくとも20％、より好ましくば少なくとも30％、更により好ましくは少なくとも約50％、そして最も好ましくは約８％乃至約100％であるように、濡れた時のウェブがかなり膨張できるように十分に高くすべきである。湿潤強さ及び湿潤弾力性が高いと、尿、経水、その他の水性流体で濡れた時に安定な、上昇した「パッカーポケット」を発生させる能力が改善される。理論によって縛られることは望まないが、本発明の物理現象は、乾燥され、クレープされたティッシュが濡れた時に発生する物理的変化を考えることによって説明することができる。乾燥され、クレープされたティッシュは、典型的には抄造用ファブリック上に製紙用ファイバの水性スラリを流出させて初期のウェブを徐々に脱水し、濡れているウェブを加熱したヤンキー乾燥機を通過させる。水蒸気を満たしたヤンキーからの伝導による熱転送と、ヤンキーフード内の熱い空気の衝突からの対流による熱転送との組合わせが、ヤンキー表面にプレスされ、付着した平らで濃いウェブを実質的に乾燥させる。乾燥され、クレープされたティッシュを生産する場合のシートの乾き度は、シートをヤンキーから外す前に典型的に80％を超える。この乾き度のレベルでは、水が除かれるにつれて隣り合うセルロース表面の間に水素結合が形成され、この水素結合がウェブの強さ及び「固有トボグラフィ」を確立する。更に、この平らな状態における乾燥段階中に、典型的な湿潤強さ樹脂が硬化する。ファイバ間の結合はファイバが平らな間に形成されるから、固有トポグラフィは平らなシートのそれである。ヤンキーからウェブを外すのは、クレーピングドクターブレードによるこそげ動作によって達成される。この動作によりティッシュ構造内に多数の細かいしわ及び折り曲げが発生し、ファイバ間の水素結合の一部分が破られて若干の自由ファイバと、高い機械的引き伸ばしとを有するよりバルキーな、そしてより柔らかい製品が得られる。クレープされたシートは、クレーピングによって乾燥ファイバに与えられたよれ（縒れ）及び折り曲げによって限定される数多くの細かいピーク及びバレーを有する新しいトポグラフィを有している。クレープされたトポグラフィは、ファイバとファイバの結合によって限定されるのではなく、結合が実質的に達成された後に乾燥ファイバに加えられる変形によって限定されるのである。クレープされたシートが実質的に濡れると、ファイバは、それらが水分を吸収するにつれて膨張する。膨張中に、よれ及び折り曲げによるウェブ内の多くの局部的な応力が弛緩する。膨張したファイバはクレープされた構造を弛緩させることができる。これは、膨張中にファイバが真直ぐになり、ファイバとファイバの結合によって限定される「固有トポグラフィ」に戻る傾向を有していることを意味している。従ってクレープされたシートが濡れると、シートはその平らな状態に戻ろうとする。そのようになるには、シートは機械方向に膨張しなければならない。もしクレープされたシートが若干の領域において拘束されていれば、拘束された領域間のウェブの膨張がゆがみをもたらし、シートはその面から外へ変形するようになる。パッカーした領域内へのウェブの膨張による表面の高さの増加を予測するために、簡単なジオメトリを使用することができる。かなりな上昇ゲインが可能である。例えば、もしクレープされたティッシュウェブが５mm間隔の接着剤ゾーンを用いて安定層に留められ、ウェブが30％の膨張の程度を有していれば、初めは平らなウェブを、濡れた時に1.75mmの高さゲインを有するほぼ弓形の形状にパッカーさせることができる。濡れた時の膨張層の可能な上昇を推定する手法は、図７を参照して説明することができる。安定層６の区分は、２つの点において接着剤７によって膨張層５の区分に接続されている。乾燥した膨張層及び安定層は初めは同一平面にあり、接着スポット７間の距離は２Ｌである。濡れた後は、膨張層の区分はその乾燥した長さ２Ｌから新しいアーク長さＳまで膨張し、これは半径Ｒを有する円の一区分である。アークＳは角度２θによって範囲が画されており、安定層の面から高さ Δｙだけ上昇したアークの中点を角度０と定める。膨張層の膨張の程度は(Ｓ− ２Ｌ)/２Ｌである。Ｓ及びＬが与えられると、Δｙは次の式を解くことによって計算することができる。Ｓ＝２θＲ（１） θ＝sin^-1（Ｌ／Ｒ）（２） Δｙ＝Ｒ−（Ｒ²−Ｌ²）^1/2 （３）式１及び２は、Ｌ及びＳを与えてＲを解くために組合わせることができ、次いで式３を使用することによってΔｙを求めるか、または数値的により容易なアプローチにおいては、Ｒ及びＬを指定することができ、次いでＳ、θ、及びΔｙを式１乃至３を用いて直接導出し、膨張の程度(Ｓ−２Ｌ)/２Ｌを計算することができる。例えば以下の表１は、Ｒ及びＬを幾つか選択した結果を示している。適度の膨張の程度（約0.2乃至約0.4）を有する膨張層に関して、重要な計算された垂直上昇値（Δｙ）を得ることができる。勿論、結果に影響を与え得る幾つかの簡約化が存在する。ポケットの形状は球形でなくても差し支えなく、接触点７における拘束手段の詳細に依存することができる。もしスパン（2L）が大き過ぎれば、薄いウェブの膨張によって形成されるポケットは、中庸の荷重の下でそれ自体を支えるための十分な堅さが欠けるようになり、ポケットは潰れて多数の小さいしわが形成される。もし最大の上昇を探求するのであれば、膨張層のこわさ、湿潤強さ、及び坪量が、最大垂直上昇を達成するための安定層上の接触点の最適間隔を決定する。実際には、接触点を約２乃至20mm、好ましくは約３乃至15mm、そして最も好ましくは約４乃至10mmだけ離間させることにより最良の結果が得られる。膨張層は乾燥状態において平らで薄いことが好ましいが、テクスチャを設けることができる。例えば、膨張層のシートまたはウェブは、エンボス加工する、軽くプリーツまたはクリーズさせる、クリンクルする、アパーチャを設ける、切断する、有孔とする、スリットを設ける等を行うことができる。若干の場合には、多機能転送層を通過する流体の流れを増加させるために、有孔、スリッテイング、及びニードリングが望ましいかも知れない。安定層はティッシュまたは紙材料であることも、またはプラスチック、不織繊維質ウェブ、繊維質複合体、ラミネート、有孔フィルム等からなることもできる。安定層は、濡れた時に膨張層の主たる膨張方向に過大に変形しないように、膨張層と同程度に、またはそれよりもこわくあるべきである。安定層の坪量は、好ましくは少なくとも20gsm、より好ましくは少なくとも30gsm、そして最も好ましくは25乃至80gsmである。実施の形態は、スルー乾燥したティッシュウェブとして、多機能転送層において効果的に働くのに十分な強さ及び弾力性を有するフラッフパルプパッドとして、または膨張する膨張層を安定化させるために十分な坪量及び強さのポリオレフィン繊維質材料として安定層を含んでいる。膨張層を安定層に接続する付着手段、または拘束手段は、限定するものではないが、接着性樹脂、ポリマー、及びワックスからなるもののような熱易融性の接着剤を含む、当分野において公知のどのような接着手段をも含むことができる。上記熱易融性の接着剤は、膨張層または安定層上に堆積させたホットフィラメントとして塗布するか、または、他の熱可塑性のワックスを含む配合剤をスプレーするか、溶剤内の乳剤または溶液の形状のアクリルまたはビニール接着剤のような低温接着剤（この接着剤は、膨張層または安定層の何れかの上にスプレー、被膜、注入、または印刷される）、澱粉、ラテックス（特に、親水性ラテックス）、押し出されたポリマー糸、フィラメント、またはウェブ（これらは、ウェブと接触させて配置した後に、ウェブ上で溶融させることによって結合する）を使用する。親水性接着剤が特に望ましく、1996年６月１日に公開されたT.Chihani及びA.Silfverstrandの英国特許出願GB 2,294,397-A“Hydrophilic Glues for Bonding Absorbent Artide”に開示されているものを含む。これらの接着剤は、親水性部分（moiety）をそのようにしなければ疎水性のポリマー上に移植するか、または界面活性剤をそのようにしなければ疎水性の組成に添加することによって親水性に変性した分散接着剤及びホットメルトを含む。移植したポリマーに基づくホットメルト接着剤は、70−90重量％の移植コポリマー、及び10−30重量％の天然または合成樹脂のような接着剤を含むことができる。移植コポリマーは、酢酸ビニルのようなビニルモノマー、またはアルキル置換アクリル酸塩、及びエテン酸化物、プロペン酸化物、またはそれらの混合体のような水溶性ポリアルケン酸化物からなる。界面活性剤を添加した疎水性のホットメルトは、熱可塑性エラストマー、またはアタクチックポリプロピレンのようなアタクチックポリ−α −オレフィンをベースとすることができる。界面活性剤は非イオニックであることが好ましく、アルコール、アルカノールアミド、アミノ酸化物、エステル、またはエーテルであることができる。親水性の澱粉をベースとするホットメルトは、プロピオン酸澱粉及び酢酸澱粉のような変性澱粉エステルを含むことができる。有機溶剤は、澱粉組成に添加した場合、ホットメルト特性を改善するのに有用である。溶剤は、スルフォンアミド、カルボン酸、カルボン酸エステル、アミド、燐酸エステル、アルコール、またはエステルであることができる。溶剤は、スルフォンアミド、アルコール、アミド、またはエステルであることが好ましい。疎水性及び親水性の接着剤の組合わせを使用して、高湿潤性領域及び障壁領域を設けることができる。疎水性接着剤は、特に疎水性接着剤または樹脂が輸送を制限することが有用な物品の縁付近において流体の流出を阻止し、一方物品の中心の親水性接着剤は、流体の取り込み、輸送、及び吸収を改善するのを援助することができる。付着手段は、例えば２つの層をもつれ合わせるためにそれらをニードリングする、パイルまたは層を結合するためにクリンピング、またはエンボス加工、または有孔エンボス加工する、縫製する等のように実質的に機械的であることもできる。他の付着手段は、安定層内の熱可塑性材料、または２つの層間に付加されたホット接着剤を超音波エネルギによって溶融させる超音波結合を含む。特に、テクスチャ付きの、クレープされていない湿潤弾力性ウェブが安定層として使用されている場合には、接着手段を用いない摩擦係合を使用することもできる。ユーザの身体からの圧縮力、トップシートからの張力、または安定層または膨張層の何れか内の張力のような物理力、または安定層を膨張層に向かってバイアスして摩擦係合を可能にする他の手段によって、安定層として働く三次元ティッシュを膨張層に押し付けることが好ましい。身体側ライナーまたはトップシートは、有孔フィルム；スパンボンド、メルトブロウン、またはボンデッドカーデッドウェブのような不織ウェブ；スパンレースされた、またはハイドロエンタングルされたウェブ；前述したFarrringtonらの米国特許第5,607,551号に開示されているような柔らかいクレープされていない通気乾燥したウェブを含むクレープされた、またはクレープされていないティッシュを含む当分野では公知の材料からなることができる。トップシートは、アパーチャを設け、スリットを設け、エンボス加工し、有孔にすることができ、また軟化剤、親水性を改善するための界面活性剤、前記Chenらの特許出願“Dual-Z oned Absorbent Webs”に開示されているように乾き感を改善するための疎水性物質及びファイバ、柔軟剤、殺菌剤、及び殺真菌剤等で処理して性能、衛生、及び着け心地を改善することができる。一実施の形態においては、トップシートは、約10−40gsmの坪量を有するボンデッドカーデッドウェブ（BCW）からなり、約 1.0−3.0dpfの範囲内のファイバデニールを有するファイバからなっている。若干の実施の形態においては、トップシートは安定層としても役立ち、膨張層はトップシートの下に配置されている。しかしながら、安定層にとっては望ましい高いこわさが、皮膚に不快感をもたらし得るので、通常はこれは好ましいものではない。別の実施の形態においては、膨張層がトップシートとしても役立ち、安定層は膨張層の下にある。吸収性コアは、限定するものではないが、フラッフパルプ、クレープされたテイッシュ層、クレープされていないティッシュ層、超吸収材、綿リンター、ビートモス、植物物質、ポリマーファイバ、不織材料、及びこれらの何れかの複合体を含むセルロース及び／または非セルロース材料からなる単層または多層型材料であることができる。コアは、エンボス加工する、テクスチャを付ける、切断する、スリットを設ける、圧縮する、被膜する、または当分野において公知の何等かの手法で処理することができる。殺菌剤、制臭剤、香水等を含む化学添加剤を構造内に組み入れることができる。本明細書に参照として採り入れている1995年２月14日付C.H.Everhartらの米国特許第5,389,202号“Process for Making a High Pulp Content Nonwoven Compo site Fabric”に開示されているように、所望のレベルの濡れ性及び親水性を与えるために、実質的に疎水性の材料からなり、オプションとして界面活性剤で、またはそれ以外で処理した付加的な転送層を含む付加的な層を吸収性物品に組み入れることができる。低坪量サージ層をおむつまたは関連物品内に組み入れることができる。潜在的に有用な構造の例が、1994年11月15日付Latimerらの米国特許第5,364,382号“Absorbent Structure Having Improved Fluid Surge Managem ent and Product Incorporating Same”、及び1995年７月４日付Latimerらの米国特許第5,429,629号“Absorbent Structure Having Improved Fluid Surge Man agement and Product Incorporating Same”に開示されており、これらの両特許は本明細書に参照として採り入れられている。吸収性物品の他の成分が、多機能転送層の所望の機能を妨害しないように注意を払わなければならない。留め手段、タブ、弾力性糸、挿入物、接着性バンドまたはストラップ等を含む他の成分も、吸収性物品内に含ませることができる。液体不透過性のバックシート４は、当分野において公知のどのような材料であることもできる。本発明のさまざまな実施の形態においては、バックシート４は、実質的に液体不透過性の材料からなることができ、典型的には、薄いプラスチックフィルム、または他のたわみ可能な液体不透過性材料で作られる。しかしながら、ポリマー・木複合材を使用することも、または液体に対して適当な不透過性を有するティッシュをベースとする構造でさえも使用することもできる。本明細書において使用する用語「たわみ可能」とは、従順であって着用者の身体の全体の形状及び外形に容易に順応する材料のことである。バックシート４は、吸収性物品内に含まれている滲出物が、物品に接触するベッドシート及びオーバーガーメントのような物品を濡らさないようにする。例えば、バックシート４は、約 0.012mm（0.5ミル）乃至0.051mm（2.0ミル）の厚みを有するポリエチレンフィルムであることができる。コストの制約及び強さの要求に依存して、典型的なポリエチレンフィルムは約１ミルの厚みを有している。バックシートの代替構造は、所望のレベルの液体透過性を与えるために作られた、または処理された織った、または不織繊維質ウェブ層からなることができる。例えば、バックシートは、ニュージャージー州サウスプレインフィールドに本社を置くEdison Plast icsから入手できるポリエチレンフィルムのようなポリマーフィルムからなることができる。ポリマーフィルムバックシートは、美的に心地よい外観を呈するようにエンボス加工及び／またはマット仕上げすることもできる。オプションとして、バックシート４は、蒸気は吸収性構造から脱出させるが、液体滲出物はバックシートを実質的に通過させない蒸気透過性の「可呼吸」材料からなることができる。例えば、バックシート４は、マイクロポーラスポリマーフィルム、または所望のレベルの、及び組合わせて液体不透過性及び蒸気透過性を与えるように被膜された、またはそれ以外で処理された不織ファブリックからなることができる。バックシートの形状及びサイズは、吸収性物品のサイズ及び外形によって、及び選択された特定の設計によって決定される。例えばおむつまたは類似物品に使用する場合、バックシートは概ねＴ字形、概ねＩ字形、または変形砂時計形であることができ、例えば1.3cm乃至2.5cm（0.5乃至1.0インチ）のような選択された距離だけ物品の端縁を越えて伸ばすことができる。多機能転送層２及びバックシート４は、作動可能な手法で互いに接続、またはそれ以外で関連付けられている。本明細書において使用する用語「関連付ける」には、多機能転送層２の周縁領域をバックシート４に取付けることによって、多機能転送層２がバックシート４に直接接合されている構成、及び多機能転送層２を中間部材に取付け、その中間部材をバックシート４に取付けることによって、多機能転送層２がバックシート４に接合されている構成が含まれている。多機能転送層２及びバックシート４は、接着、音波結合、熱結合、または当分野においては公知の何れかの付着手段のような周縁付着手段によって、物品の周縁において互いに直接取付けることができる。例えば、接着剤の均一な連続層、接着剤のパターン化された層、または構造接着剤の分離した線、うず、またはスポットのアレイを使用し、吸収性コア３を定位置に保持するように多機能転送層２をバックシート４に取付けることができる。上述した付着手段は、物品の他の成分部分を相互接続し、互いにアセンブルするために使用できることも容易に理解できよう。以下に、本発明の吸収性構造を使い捨て吸収性物品における使用に関連して説明するが、本発明の吸収性構造の潜在的使用が使い捨て吸収性物品に限定されるものではないことを理解されたい。本明細書において使用する用語「使い捨て吸収性物品」とは、身体滲出物を吸収して含み、ある制限された時間使用した後に破棄することを意図した物品のことである。これらは、洗濯するとか、またはそれ以外に再使用のために回復させることを意図していない。物品は、限定するものではないが、尿、経水、汗、血、外傷滲出物、唾液、粘液、及び糞便を含む身体から放出されるさまざまな滲出物を吸収して含むために、着用者の身体に接して、またはその近傍に配置することができる。更に、手から液体を除くための進歩した紙タオル、産業用ワイパー、産業及び家庭において使用するための油吸収材料、化学汚染を除去するための吸収性物品、鳥獣肉及び野菜を包んで流体を除去するための吸収性パッド等、他の流体を除去するための吸収性物品をも考えている。本発明を組み入れたおむつは、例えば、本明細書に参照として採り入れられている1993年３月９日付Deboraha L.Proxmireらの米国特許第5,192,606号“Absorb ent Artide Having a Liner Which Exhibits Impuroved Softness and Dryness, and Provides for Rapid Uptake of Liquid”に開示されているような、当分野に置いては公知の多くの方法の何れかに従って作ることができる。女性用パッド及び失禁用パッドは、例えば、本明細書に参照として採り入れられている1993年６月15日付Serbiakらの米国特許第5,219,341号“Sanitary Napki n with a Faster Transverse Wicking Absorbent Layer to Indicate the Appro ach of Maximum Fluid Capacity”、1993年９月28日付Serbiakらの米国特許第5, 248,309号“Thin Sanitary Napkin Having a Central Absorbent Zone and a Me hod of Forming the Napkin”、1996年８月13日付J.DiPalma及びS.Anjurallの米国特許第5,545,156号“Absorbent Article Having a Preformed Member”、1997 年１月７日付L.Couture-Dorschnerらの米国特許第5,591,147号“Absorbent Article Having an Oppositely Biased Attachmen to Flap”に開示されているような、当分野においては公知の多くの方法の何れかに従って製造することができる。吸収性物品の付加的な構造が、1995年３月16 日付Kirbyらの米国特許第5,415,640号“Bodyside Cover for an Absorbent Arti de”に開示されており、この特許は本明細書に参照として採り入れられている。粒子、ファイバ、フィルム、及び木パルプファイバ上の被膜の形状の超吸収性材料を、当分野においては公知の何等かの手段によって、吸収性コア及び多機能転送層を含む構造のどの所望成分内にも組み入れることができる。超吸収性粒子を組み入れる有用な方法が、1995年６月20日付Tanzerらの米国特許第5,425,725 号“Absorbent Article Which Indudes Superabsorbent Material and Hydoroph ilic Fibers Located in Discrete Pockets”、及び1992年９月22日付Kenenberg erらの米国特許第5,419,335号“Absorbent Structure”に開示されており、両特許は本明細書に参照として採り入れられている。本発明の好ましい実施の形態においては、超吸収性粒子は安定層と膨張層との間に組み入れられている。超吸収性粒子は２つの層によって定位置に保持され、２つの層が接合されている接触領域によって運動が禁止されている。濡れた時に２つの層間の空間がパッカーポケットに膨張し、超吸収性粒子が膨張するための十分な空間を作る。ティッシュ層間に超吸収性粒子を有するラミネートは当分野において公知であるが、それらは幾つかの欠陥を有している。もしティッシュ層がしっかりと接続されていれば、超吸収性粒子の膨張によってティッシュが破れ、粒子は吸収性物品から解放されてしまう。もしティッシュ層がそれらの間に十分な空間を有していれば、超吸収性粒子は膨張でき、次いで粒子は遊離し、移動するか、または失われてしまう。本実施の形態は、乾燥状態においては粒子をしっかりと保持するが、濡れた状態では膨張し、超吸収性粒子は吸収性物品に損傷を与えることなく、または性能を失うことなく吸収し、膨張することができる。本発明の多機能転送層を備えている吸収性物品の代替構成も考えられる。例えば、多機能転送層の膨張層はトップシートとしても役立たせることができ、その場合柔らかい感触を与えるために、膨張層は柔らかい吸収性材料からなるべきである。下側層内に湿潤弾力性ファイバ及び湿潤強さ剤を有し、上側層内にデボンドされた硬材ファイバを有する多層化ウェブが、このような構成には有用である。この構成においては、下側層は効果的な多機能転送層に要求される強さ及び膨張の殆どを受持ち、一方上側層は皮膚に接触するのに適する柔らかさを呈する。代替として、多機能転送層は付加的な吸収性コアを必要としない程十分な流体保持容量を有することができ、この場合、多機能転送層は吸収性コアとしても働くことができる。その場合、構造内に超吸収性粒子を組み込むことが望ましいかも知れず、膨張層内に複数のウェブを使用してより高いバルク及び流体容量を与えることも望ましいかも知れない。多機能転送層をバックシートと置換する、またはそれに組み入れることも可能であり、その場合、安定層がバックシートとしても働くことになる。改良された紙タオルまたはワイパーのための一実施の形態においては、物品は、多機能転送層と、膨張層上に重ねられたトップシートとを含み、付加的な液体不透過性のバックシートを必要とせずに、柔らかさまたは流体取り入れ能力を改善する。例１本発明に使用するためのクレープされたベースシートを、21インチのウェブ幅を有し、リール上で17インチにトリムされ、湿端でほぼ60フィート／分（fpm）で動作するパイロットティッシュ装置上で生産した。トウヒ（唐檜）の水性スラリから作られた漂白した化学熱機械軟材パルプ（BCTMP）（カナダ国ケベック州テミスカミングのTembec Corp.製のTembec 525/80）を約４％の稠度にパルプ化した。Kymene 557LX（デラウェア州ウィルミントンのHercules）湿潤強さ剤を、乾燥ファイバのトン当たり約23ポンドの用量で添加した。スラリを約0.5％に希釈し、30gpmで動作するファンポンプによってボンプした。スラリを細かい形成用ファブリック、Appleton Wire 94Mファブリック上に堆積させた。箔及び真空ボックスによって脱水した後に、濡れたウェブをフェルト（Albany Intemationa l製Duramesh）まで転送し、約35％の固体を、圧力ロールを用いて約30psiの圧力で加熱したヤンキーシリンダ（26psiの水蒸気が満たされ、公称温度234°F）の表面上でプレスした。ヤンキー乾燥機の速度は60fpmであった。次いで乾燥したシートを、10°の角度のドクターブレードでクレープし、シート内に約17％のクレープを作った(湿端上の機械速度は、ウェブがリールされる時の速度よりも約17％速い)。シートは、約25gsm（グラム／平方メートル）の坪量で準備した。２つのウェブの厚みは0.44mmであった。ヤンキー上の坪量は22gsmであり、リール上では25gsmであった。ウェブのMD膨張の程度は10または11％であった。直径３インチのプラテンの下で0.05psiの荷重を加えた時の４枚の20gsmウェブのスタックの厚みは0.91mmである。平均フレージャー気孔率は165cfm/ft²と測定され、MD張力は1356g/3インチ、MD伸びは17. 7％、CD張力は1073g/3インチストリップ、CD湿潤張力は526g/3インチであり、CD 湿潤：乾燥張力比は49％であった。幾何平均引張強さ（乾燥状態）は、1205g/3 インチであった。次いでシートを、接触接着紙の幾つかの区分に接着することによって単プライ膨張層に変換した。即ち、接触紙の接着領域が複数の約３mm幅の細い平行ストリップとして露出され、且つ隣接する露出接着領域の互いに近い方の側間の間隔が約４mmになるように、接触紙を保護している非粘着性解放シートを切り取り、取り除いた。このように切り取られ、露出された接触紙を、分離した領域においてクレープされたウェブを拘束するための離散した接着剤ストリップとして使用した。次に、クレープされたウェブの機械方向が、露出された接着剤のストリップの縦軸と直角になるように、ウェブを接触紙に接触させて配置した。この構造は、乾燥状態においては実質的に平らであった。濡らした時、ティッシュ及び接触紙の複合体は、ティッシュ膨張層が、露出された接触接着剤間のポケットにパッカーするにつれて三次元ジオメトリを発生した。パッカーは、ベースシートに対して約２mmの高さに上昇し、形状は驚く程均一であった。パッカーした領域はかなりのボイド容積を有していた。測定された「膨張の高さ」は約1.3mmであった。安定層として働かせた接触紙は、それが不透過性であるから殆どの吸収性物品の実施の形態には望ましくない。しかしながら、接触紙、または他のフィルム、シート、またはウェブのような不透過性接触層は、スリットを設ける、切断する、または孔をあけることによって解放領域を作って透過性にすることができる。好ましくは、この解放領域は少なくとも30％、より好ましくは少なくとも60％、そして最も好ましくは約50％乃至90％である。例２例１の20gsmウェブを、両面テープを手で巻いた細線によって膨張不能なプラスチック安定層に接着した。過剰テープは切取って接着性の細線を作った。接着性細線は、平らなプラスチックフィルムである安定層上で離間させ、約0.25インチの間隔で、約４インチの長さの平行線にした。次いで20gsmのクレープされたB CTMPティッシュウェブを、ティッシュウェブの機械方向が細線の方向と直角になるように、接着性細線上に接着した。濡れた時にクレープされたティッシュが膨張し、規則的なポケットがクレープされたティッシュ（膨張層）の面に発生した。これらのポケットは、複合材料のボイド容積及び指向性の両者に貢献し、水をポケットの方向に、即ちウェブの横方向に効果的にウィックさせることができた。乾燥後の「膨張の高さ」は約1.5mmであった。例３例１の20gsmウェブの５インチの方形を互いに組合わせ、２プライラミネート構造を作った。接着手段は、３Ｍ Pressure Sensitive Adhesive 72（ミネソタ州セントポールの３Ｍ製）であった。約１インチ離間した0.25インチのスポットが得られるように孔あけして切断したマイラーシートからなるステンシルを、ティッシュウェブに被せてスプレーすることによってこの接着剤を不均一に塗布するか、または代替として、約１インチ離間した約0.3インチ幅の線形ストリップとして接着剤を塗布した。一方の方形ティッシュウェブを接着剤で処理した後に、同じような方形を、両者の機械方向が互いに実質的に直角になるように処理済みの方形の上に配置し、接着剤処理された領域において両者を一緒にプレスした。水道水で濡らした時に、各層はその機械方向に膨張しようとしたが他方のウェブによって拘束され、各層はパッカーさせられた。各シートにおいて得られたパッカーリングは、他方のシートのパッカーリングに対してほぼ直角であり、パッカーした領域のメッシングは不可能にされた。接着剤のドットが0.25インチ離間している方のラミネートの「膨張の高さ」は1.71mmであり、一方スプレーした接着剤の線及びスポットの混合からなる他方の類似したサンプルの「膨張の高さ」は1.89、1.60mm、及び1.87mmであった。隅領域だけに拘束用の接着結合を有する約５インチの方形の２プライラミネートの場合には、「膨張の高さ」は 1.62mmであった。例４シート内の相対配向の効果を調べるために、例１のベースシートを用いた多重プライ構造を生産した。幾つかの２プライ構造を準備し、機械方向を整列させて一緒に配置した。濡れた時にシートは一緒にパッカーした。これは、下側シート上のパッカーの形状及びサイズが本質的に上側シートのそれらと同一であり、上側表面のパッカーと連続接触していることを意味し、あたかも２枚のシートが１枚のシートであるかのように挙動した。約３インチ離間し、機械方向に走る２つの長い分銅による拘束の下で、単プライウェブを脱イオン水で完全に濡らした。このウェブは平らな表面上にある時に濡らし、拘束せずに乾燥させた。単プライウェブの「膨張の高さ」は、0.34mm（0.56mm厚み−0.22mm初期厚み）であった。２プライシートの「膨張の高さ」は、0.53mmであつた。同じティッシュの一部を拘束することなく濡らし、次いで乾燥させた。「膨張の高さ」は、0.10mmであった。拘束せずにシートをウェブの完全機械方向幅を横切って膨張できるようにしたところ、わずかなしわが生じた。例５例１のクレープされたベースシートを、三次元のクレープされたスルー乾燥ティッシュ構造の下に配置し、濡れた時のクレープされたウェブに大きい摩擦拘束を与えるようにした。クレープされていないウェブは、前記Chenらの米国特許出願第08/614,420号“ Wet Resilient Web and Disposable Articles Made Therewith”に開示されている手順に従って作った。ベースシートは、フールドリニエ形成区分、転送区分、スルー乾燥区分、次の転送区分、及びリールからなり、クレープせずに通気乾燥させる連続パイロットスケールティッシュ装置上で生産した。約１％の稠度に希釈した水性スラリを100％トウヒ漂白化学熱機械パルプ（BCYMP）から準備し、希釈前に約４％の稠度で20分問パルプ化した。トウヒのBCTMPは、カナダ国ケベック州テミスカミングのTembec Corp.が製造し、Tembec 525/80として市販されている。デラウェア州ウイルミントンのHercules,Inc.製のKymene 557LX湿潤強さ剤を、乾燥ファイバのトン当たり約20ポンドのKymeneの用量で添加した。次いで、スラリを細かい形成用ファブリック上に堆積させ、真空ボックスを使用して脱水して約12％の稠度を有するウェブを形成した。次いでこのウェブを、第１の転送点において真空シューを使用して転送ファブリック（Lindsay Wire 952 -505）へ転送した。２つのファブリックの間には僅かな速度差があった。ウェブは更に、第２の転送点において第２の真空シューを使用し、転送ファブリックから織ったスルー乾燥ファブリックへ転送した。使用されたスルー乾燥ファブリックは、本明細書に参照として採り入れているKai F.Chiuらの米国特許第5,429,68 6号の教示に基づくLindsay Wire T-116-3設計（ウィスコンシン州アップルトン、アップルトンミルズのLindsay Wire Division）であった。T-116-3ファブリックは、モールドされた三次元構造を作るのに良く適している。次いでこのウェブをフード付きスルー乾燥機を通し、シートを乾燥させた。フード温度はほぼ300 °Ｆであった。乾燥したシートは、スルー乾燥用ファブリックから別のファブリックへ転送され、シートはそこからリールされた。このようにして生産されたシートは約10乃至20cc/gの「乾燥バルク」を有し、ウェブのファブリック側に約0. 3mm乃至0.8mmまたはそれ以上の典型的な「表面深さ」を有することができる。スルー乾燥されたウェブを、そのようにしなければ拘束されていないクレープされたティッシュウェブの単プライのトップに配置し、クレーブされていないウェブ上に水を注いで、それとその下のクレープされたティッシュの両方を濡らした。濡れたクレープされたティッシュは、見掛け上は高バルクのクレープされていない通気乾燥された材料の長い表面チャンネルによって限定される、一連の長い規則的に離間したパッカーを発生した。BCTMPのクレープされたウェブは、1.7 0mmの「膨張の高さ」を有していた。同じような手順で準備された別のサンプルは、ウェブの異なる２部分において測定して、0.73及び0.96mmの「膨張の高さ」を有していた。上例の多機能転送層は、好ましくは身体側上にあって多機能転送層上に重ねられた付加的な柔らかいトップシートと、可呼吸布状バックシートと、上記バックシートと上記多機能転送層との間に配置されたフラッフパルプ及び超吸収性粒子からなる低カリパー吸収性コアとを含むおむつ内に組み入れることができる。更に、上例の多機能転送層は、スタックに配列された１つまたはそれ以上の上記多機能転送層を含む高性能ラミネート化タオル内に組み入れることができる。上記スタックの少なくとも１つの外面は、その湿潤膨張によってではなく、その吸収性及び柔らかさによって選択された柔らかい、クレープされた、またはクレープされていないティッシュウェブに更に付着させる。本発明にとって望ましいBCTM P及び他の高収量ファイバは典型的には白くないから、外側層のために漂白したクラフトユーカリのような漂白した製紙用ファブリックからなる輝く白色を選択することができる。公知のクレープされた材料及び既存のタオル製品は、公知のクレープされた材料及び従来技術のタオルの１つの層の下に、または２つの層の間に、１つまたはそれ以上の上記多機能転送層を付着させることによって性能を改善することができる。濡れた時に、ラミネートされたタオルの内部ボイド容積はかなり増加して性能を改善し、ユーザの皮膚へ通過または浸透する液体の打撃を少なくし、テクスチャ付きの１つまたは複数の内部層によってクリーニングを良好にすることができる。例６市販ティッシュミルにおいて、ファイバのメートルトン当たり約7.5kgの用量でGeorgia Pacific製AMRES 8870湿潤強さ樹脂を添加し、100％のトウヒBCTMPのスラリからクレープされたティッシュシートを生産した。圧力フォーマーを用いて希釈したスラリをフールドリニエ上に形成し、濡れたウェブを空気衝突フードを有する熱いヤンキー乾燥機上でプレスし、30.8グラム／平方メートルの坪量を有するティッシュベースシートが得られるようにクレープした。クレープされたウェブは、35％の湿潤：乾燥引張強さ比と、1006g/3インチの幾何平均引張強さと、19.9％のMD引張強さと、2.5％のCD伸びと、10.7ミルのカリパー（直径2.22インチの足に0.289psiの圧力を加えるEMVECO厚みゲージを使用）と、0.113g/ccの密度と、0.88のMD：CD引張強さ比と、74立方フィート／ft² ・分のフレージャー気孔率とを有していた。ティッシュウェブをTappi室内で条件付けし、直径３インチのディスクに切断した。10パイルのティッシュシートでスタックを形成させた。１つのセットのスタック（以下に「セットＡ」という）は、スタック内の各層の機械方向が同一方向に整列されていた。他のセットのスタック（以下に「セットＢ」という）においては、各層の機械方向が、その層に接する（上及び下の）シートの機械方向とは直角である（90°の角度をなす）ように位置決めされていた。「セットＡ」及び「セットＢ」からのスタックを、２つの異なる方法で濡らした。一方のシリーズの試行では、スタックをテーブルの上に水平に載せ、濡らしている間スタックには何らの圧縮荷重をも加えずに、約10分間にわたってスタックの縁に室温の脱イオン水の流れを注ぐことによってスタックを濡らした。水のウィッキングが、急速にスタックを完全に濡らした。この処理を「無荷重の濡らし」と名付ける。濡らしの前後に0.2psiの荷重の下でスタックの厚みを測定した。（乾燥状態における厚み測定の後に、後述する厚み測定デバイスのプラテンを持ち上げるので、スタックは最早圧縮荷重の下にはない。）スタックの厚みを測定する厚み測定デバイスにおいては、スタックを平らな大理石上に、そして直径３インチの黄銅プラテンの下に配置した。プラテンは、プラテン及び厚みゲージの測定スピンドルによってサンプルに加えられる合計圧力が0.2psiになるように、たわみ可能なリンケージを介してミツトヨディジタル厚みゲージに接続されている。吸収性物品の場合、0.2psiの荷重は通常の圧縮力に比してかなり高いものと考えられ、圧縮に対する物品の耐性の比較的過酷な試験を表している。無荷重の濡らし状態のために濡らした後に、スタックの厚みを測定した。濡らしの始まりとスタックの厚み測定との間の合計経過時間はほぼ30秒であった。別のセットの作業においては、厚みゲージに接続されている間の黄銅プラテンは、先ず10層のティッシュの乾燥スタック上に配置され、スタックを完全に覆って乾燥厚みを測定できるようにする。次いで、噴出瓶を使用してティッシュスタックの露出された外側周縁に脱イオン水を掛け、荷重を加えながらスタックの内側部分へ水をウィックさせてそれを完全に濡らし、濡れた後に厚みを読み取ることができるようにした。厚み測定が記録されるまでの濡らし及びウィッキングのプロセスには、30秒を要した。このプロセスを「荷重下の濡らし」と名付ける。２つの型のスタック、即ち「セットＡ」及び「セットＢ」、及び濡らし及び厚み、無荷重の濡らし、及び荷重下の濡らし測定の２つの手段の組合わせは、４つの実験的条件をもたらす。各条件毎に３回ずつ繰り返した。0.2psiにおける厚み結果を表２に示す。表３は、表２の平均厚み結果に基づくバルク値を示している。理論で縛られることを望まないが、濡れた時のスタックの挙動を観察すると基本的な原理と矛盾しないことが分かる。ティッシュシートの整列したスタック（「セットＡ」）を無荷重で濡らした時には、クレープ折り目の弛緩がスタックの機械方向への伸びと、若干のパッカーリングをもたらす。スタックが伸びた結果、ウェブの実効坪量及び厚みが減少する。荷重の下では伸びは少ない。ティッシュシートの非整列スタック（「セットＢ」）を無負荷で濡らした時には、何れか１つの層は、機械方向が90°回転している隣接ティッシュ層によって機械方向の伸びが部分的に拘束される。その結果、より多くのパッカーリングが発生し、比較的僅かな面内膨張が予測される。「セットＢ」の無荷重濡らしの厚み結果は、平均スタック厚みの乾燥時の0.08 8インチから濡れた時の0.161インチから分かるように、濡れた時にはかなりなバルクが得られ、それを維持できることを示している。交互層の十字形パッカーリングは、濡れたスタックが0.2psiのかなり過酷な圧縮荷重に曝された場合であっても、バルクの増加をもたらしている。「セットＡ」の場合のように層が機械方向の共通の向きに整列されている場合には、濡れたファイバの伸び及び多分弾性係数の減少（ウェブのｚ方向圧縮がもたらされる）のために、発生するパッカーリングは厚みの減少を打破する程十分ではなく、従って乾燥時のスタックの厚み 0.088インチに比して濡れたスタックの厚みは0.075インチである。スタックを荷重の下で濡らした時には、荷重が各層の全表面を垂直に拘束するので、パッカーリングが発生する機会が少なくなるものと考えられる。それにも拘わらず、荷重下で濡れた時の「セットＢ]は、「セットＡ」を凌ぐ性能である。「セットＢ］においては、濡らし中の圧縮荷重にも拘わらず十分なパッカーリングが発生して、ティッシュ層の僅かな伸びまたはファイバの弾性係数の減少によるスタック厚みの減少を打破し、厚みを0.092インチに維持している。しかしながら、「セットＡ」においては、スタックはバルクを失って乾燥時の0.090インチから濡れた時の0.077インチまで圧縮されている。バルク値は、交互にクレープされたティッシュ層のスタックが無荷重で濡れた時に約13cc/gまたはそれ以上の実効バルクを、または0.2psiの荷重の下で濡れた時に約7.5cc/gまたはそれ以上の実効バルクを維持することができる。クレープされたティッシュのような多重層の膨張用材料は、膨張の方向が全ての層に関して整列しないように配列すべきである。多重層は、接着剤によって、外部拘束力または圧力によって、縫糸によって、及び当分野において公知の他の手段によって、互いに他に対して定位置に保持することができる。このような膨張用ウェブのスタックは、ナプキンとして、こぼれた毒物のための吸収性媒体として、おむつ内の吸収性コアとして、肉パッドとして、または他の吸収性物品として効果的に役立たせることができる。上例は、改善された流体処理、ボイド容積、及びフィットを改善するための表面の上昇を、上述した新しい構造を通して達成する本発明の可能なアプローチを説明するのに役立っている。しかしながら、説明の目的でなされた上例が本発明の範囲を限定するものではなく、本発明は請求の範囲によってのみ限定されるものであることを理解されたい。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＧＷ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ (72)発明者リンジージェフリーディーンアメリカ合衆国ウィスコンシン州 54915 アップルトンダイアンレーン 20

Claims

【特許請求の範囲】１．吸収性物品であって、液体不透過性のバックシートと、液体透過性のトップシートと、上記トップシートと上記バックシートとの間に位置決めされている吸収性コアと、上記吸収性コアと上記トップシートとの間に位置決めされている多機能転送層とを備え、上記多機能転送層は、安定層と、離散した数の付着領域において上記安定層に不均一に付着されている膨張層とを含み、濡れた時に、上記膨張層は少なくとも１つの方向に横方向に上記安定層よりも実質的に多く膨張し、濡れた上記膨張層がパッカーして上記膨張層と上記安定層との間に複数のポケットを形成するようになっていることを特徴とする吸収性物品。２．上記膨張層は上記トップシートに対面している上側表面を有し、上記安定層は上記膨張層の上記上側表面に接している請求項１に記載の吸収性物品。３．上記膨張層は上記バックシートに対面している下側表面を有し、上記安定層は上記膨張層の上記下側表面に接している請求項１に記載の吸収性物品。４．上記安定層は、不織ウェブからなる請求項１に記載の吸収性物品。５．上記安定層は、クレープされていないティッシュウェブからなる請求項１に記載の吸収性物品。６．上記ポケットは、実質的に平行な細長いチャンネルからなる請求項１に記載の吸収性物品。７．上記膨張層は、クレープされたティッシュウェブからなる請求項１に記載の吸収性物品。８．上記膨張層は、離間したパターンで分布する接着物質によって形成された接着結合によって上記安定層に付着されており、上記接着物質は上記膨張層の表面積の約50％より多くなく接着するようになっている請求項１に記載の吸収性物品。９．上記接着物質は、上記膨張層の表面積の約30％より多くなく接着するようになっている請求項８に記載の吸収性物品。 10．上記膨張層の表面積の約20％より多くなく接着するようになっている請求項８に記載の吸収性物品。 11．上記離間したパターンは、規則的なドットのアレイである請求項８に記載の吸収性物品。 12．主たる縦軸を更に備え、上記離間したパターンは上記主たる縦軸に優先的に整列されている請求項８に記載の吸収性物品。 13．上記膨張層は、少なくとも約１mmの膨張の高さを有している請求項１に記載の吸収性物品。 14．上記膨張層は、少なくとも約２mmの膨張の高さを有している請求項１に記載の吸収性物品。 15．上記膨張層は、少なくとも約５mmの膨張の高さを有している請求項１に記載の吸収性物品。 16．上記膨張層は、少なくとも300％の相対膨張の高さを有している請求項１に記載の吸収性物品。 17．上記膨張層は、少なくとも500％の相対膨張の高さを有している請求項１に記載の吸収性物品。 18．上記膨張層は主たる膨張の方向を有し、上記安定層は約20％またはそれ以上の高収量パルプファイバを有していて湿潤：乾燥引張強さ比が約0.1またはそれより高いクレープされたティッシュウェブからなり、上記クレープされたティッシュウェブの機械方向は、上記膨張層の上記主たる膨張の方向に対して実質的に直角である請求項１に記載の吸収性物品。 19．上記吸収性物品は主たる縦軸を有し、上記膨張層は上記主たる縦軸からずらして整列されている優先的な膨張の方向を有している請求項１に記載の吸収性物品。 20．上記膨張層の上記優先的な膨張の方向は、上記主たる縦軸に対して実質的に直角である請求項１９に記載の吸収性物品。 21．上記膨張層は、少なくとも10％の膨張の程度を有している請求項１に記載の吸収性物品。 22．上記膨張層は、少なくとも30％の膨張の程度を有している請求項１に記載の吸収性物品。 23．上記クレープされたティッシュウェブは、８cc/gより少ない乾燥バルクと、少なくとも８cc/gのパッカーしたバルクとを有している請求項１に記載の吸収性物品。 24．超吸収性材料を更に含んでいる請求項１に記載の吸収性物品。 25．上記吸収性材料は、上記安定層と上記膨張層との間に配置されている請求項２４に記載の吸収性物品。 26．上記吸収性材料は、上記安定層に付着されている請求項２４に記載の吸収性物品。 27．上記膨張層は、0.2psiの静的荷重の下で水で濡らして完全に飽和させた後に、0.2psiの荷重の下で約7.5cc/gまたはそれ以上のバルクを維持することができる請求項１に記載の吸収性物品。 28．上記膨張層は、圧縮荷重を加えずに水で濡らして完全に飽和させた後に、0. 2psiの荷重の下で約13cc/gまたはそれ以上のバルクを維持することができる請求項１に記載の吸収性物品。 29．上記膨張層は、圧縮荷重を加えずに水で濡らして完全に飽和させた後に、0. 2psiの荷重の下で約7.5cc/gまたはそれ以上のバルクを維持することができる請求項１に記載の吸収性物品。 30．吸収性物品であって、身体に接触する上側表面及びそれと対向する下側表面を有する液体透過性のトップシートと、上記トップシートの上記下側表面に接して位置決めされている吸収性コアとを備え、上記吸収性コアは、安定層と、上記安定層上に重ねられていて上記トップシートの上記下側表面に対面している膨張層とを含み、上記膨張層は離散した数の付着領域において上記安定層に不均一に付着されており、濡れた時に、上記膨張層は少なくとも１つの方向に横方向に上記安定層よりも実質的に多く膨張し、濡れた上記膨張層がパッカーして複数のポケットを形成し、増加したボイド容積を作るようになっていることを特徴とする吸収性物品。 31．液体不透過性のバックシートを更に備え、上記吸収性コアは上記バックシートと上記トップシートとの間に配置されている請求項３０に記載の吸収性物ー。 32．上記安定層は、液体不透過性バックシートとしても役立つようになっている請求項３０に記載の吸収性物品。 33．上記安定層は約０％の膨張の程度を有し、上記膨張層は約20％またはそれ以上のＭＤ膨張の程度を有している請求項３０に記載の吸収性物品。 34．少なくとも約２mmの膨張の高さを有している請求項３０に記載の吸収性物品。 35．上記安定層と上記膨張層との間に配置された超吸収性粒子を更に含んでいる請求項３０に記載の吸収性物品。 36．体液を吸収するための吸収性物品であって、液体不透過性のバックシートと、上記バックシート上に配置されている吸収性コアと、上記バックシートから離れた上記吸収性コア上に配置されている転送層とを備え、上記転送層は、上記吸収性コアと流体通じ接触している膨張層と、上記膨張層に不均一に接続され、上記バックシートから離れた安定層とを含み、濡れた時に上記膨張層は少なくとも１つの方向に横方向に上記安定層よりも実質的に多く膨張し、濡れた上記膨張層がパッカーして複数のポケットを形成し、増加したボイド容積を作るようになっていることを特徴とする吸収性物品。 37．上記膨張層は、少なくとも約２mmの膨張の高さを有している請求項３６に記載の吸収性物品。 38．上記膨張層は、少なくとも約３mmの膨張の高さを有している請求項３６に記載の吸収性物品。 39．上記膨張層は、少なくとも15gsmの坪量と、少なくとも0.1の湿潤：乾燥引張強さと、少なくとも１mmの膨張の高さとを有するクレープされたティッシュウェブである請求項３０または３６に記載の吸収性物品。 40．主たる縦方向を更に含み、上記膨張層は、上記主たる縦方向に実質的に直角に配向された機械方向を有し、また少なくとも0.1の湿潤：乾燥引張強さを有している請求項３０または３６に記載の吸収性物品。 41．上記膨張層は少なくとも0.1の湿潤：乾燥引張強さと、少なくとも200％の相対膨張の高さとを有するクレープされたティッシュウェブであり、上記安定層は少なくとも0.3mmの表面深さを有するテクスチャ付きのクレープされていないティッシュウェブからなる請求項３０または３６に記載の吸収性物品。 42．上記安定層と上記膨張層との間に配置された超吸収性粒子を更に含んでいる請求項３０に記載の吸収性物品。 43．吸収性物品であって、液体不透過性のバックシートと、液体透過性のトップシートと、上記トップシートと上記バックシートとの間に位置決めされている吸収性コアと、上記吸収性コアと上記トップシートとの間に位置決めされている多機能転送層とを備え、上記多機能転送層は、膨張層と、濡れた時の上記膨張層の横方向への膨張を拘束する不均一な拘束手段とを含み、上記不均一な拘束手段は濡れた上記膨張層をパッカーさせ、流体を受入れて輸送する複数のポケットを形成させるようになっていることを特徴とする吸収性物品。 44．上記不均一な拘束手段は、離散した領域において上記膨張層に接着的に付着されている実質的に平らな多孔質不織ウェブからなる請求項４３に記載の吸収性物品。 45．上記膨張層に接して配置された超吸収性粒子を更に含み、濡れた時の上記ポケットの形成が上記超吸収性粒子の膨張のための適当な空間を作るようになっている請求項４３に記載の吸収性物品。 46．上記不均一な拘束手段は、上記膨張層に接触して配置されているテクスチャ付き三次元ウェブからなり、濡れた時の上記膨張層を離散した接触点が拘束してパッカーのパターンを作るようになっている請求項４３に記載の吸収性物品。 47．上記テクスチャ付き三次元ウェブは、少なくとも１mmの横方向長さスケールと、少なくとも0.3mmの典型的なピーク・バレー深さとを有している請求項４３に記載の吸収性物品。 48．上記テクスチャ付き三次元ウェブは、少なくとも0.1の湿潤：乾燥引張強さ比を有するクレープされていない通気乾燥されたウェブである請求項４３に記載の吸収性物品。 49．上記膨張層は、少なくとも約１mmの膨張の高さを有している請求項４３に記載の吸収性物品。 50．上記膨張層は、少なくとも約２mmの膨張の高さを有している請求項４３に記載の吸収性物品。 51．上記膨張層は、少なくとも約５mmの膨張の高さを有している請求項４３に記載の吸収性物品。 52．上記不均一な拘束手段は、上記トップシートから離して位置決めされている請求項４３に記載の吸収性物品。 53．上記不均一な拘束手段は、上記バックシートから離して位置決めされている請求項４３に記載の吸収性物品。 54．吸収性紙タオルであって、付着手段によって互いに接触関係に付着されている第１のプライ及び第２のプライを備え、上記両プライは約２０％またはそれ以上の高収量パルプファイバを有していて約0.1またはそれより高い湿潤：乾燥引張強さ比を有するクレープされたティッシュウェブからなり、上記第１のプライの機械方向は上記第２のプライの上記主たる膨張の方向に実質的に直角であり、上記第１のプライは少なくとも２mmの膨張の高さを有していることを特徴とする紙タオル。 55．上記付着手段は、離間したパターンで分布している接着剤スポットからなる請求項５４に記載の紙タオル。 56．上記付着手段は、クリンピング及びエンボス加工からなるグループから選択される請求項５４に記載の紙タオル。