JP2002510032A - 電気化学的アッセイの改良又は電気化学的アッセイに関する改良 - Google Patents

電気化学的アッセイの改良又は電気化学的アッセイに関する改良

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バドリー・ロバート,アンドリユー
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Abstract

(57)【要約】 試料中の対象分析物の存在を検出するための装置用の部品であって、ある化学成分がその上に固定化されている電気伝導性固体支持材を含む部品であり、該化学成分が電気活性部分(その電気活性部分に対して特異的結合活性を持つ結合パートナーの、その電気活性部分への結合により、検出可能な様式で直接変調されうる電気化学的特性を持つもの)を含む部品、ならびにその部品を含む装置と対象分析物の存在を検出する方法が開示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明はとりわけアッセイ法とアッセイ装置に関する。
【0002】 (発明の背景) 本発明は一般に電気化学的アッセイに関する。このようなアッセイでは、試料
中の対象分析物の存在が、検知部(センサ)装置の電気化学的特性の測定可能な
変化を引き起こす。典型的に、電気化学的アッセイは、それぞれ電位差か電流の
変化を測定する「電位差測定型」と「電流測定型」に分類される。
【0003】 多くの電気化学的アッセイが記述されている。例えば酵素電極は生理学的試料
中のグルコース、尿素、アミノ酸などの生体分子の直接測定に使用されている。
これらの酵素電極は、電位差測定装置または電流測定装置の表面に固定化された
選択的酵素層を含み、その測定装置は、当該酵素の基質がこの反応性薄膜中に拡
散してくるにつれてその固定化層で生成する生成物の定常状態濃度を検知する。
【0004】 別のアッセイではNafion(商標)(E.I.Du Pont de N
emours and Co.社)薄膜を使用する。Nafion(商標)は、
小さい親水性陽イオンより大きい疎水性陽イオンが陽イオン交換によってポリマ
ー中に蓄積する傾向があるという選択透過性を持つ、ポリアニオン性パーフルオ
ロホスホネートイオノマーである。
【0005】 LimogesとDegrand(1993 Analytical Che
mistry 65,1054−1060)はNafion(商標)被覆電極を
使ってアンフェタミンの存在を検出するモデル系を記述した。このアッセイは試
料中のアンフェタミンが既知量の標識アンフェタミンとアンフェタミン特異抗体
への結合に関して競争するという競争免疫アッセイの形をとった。競争剤アンフ
ェタミンは酸化還元標識であるコバルチセニウムで標識された。
【0006】 このアッセイの基本原理は、いったん抗体が結合すると、生成するアンフェタ
ミン/抗体複合体のサイズが大きいために、標識アンフェタミンがNafion
(商標)薄膜から排除されるというものである。それゆえ、試料中に高濃度のア
ンフェタミンが存在すると、イオン交換してNafion(商標)薄膜中に取り
込まれうる遊離の標識アンフェタミンが多くなる。したがって、薄膜でのコバル
チセニウム標識の酸化または還元に対応する電流は、導入された試料中のアンフ
ェタミンの濃度に比例する。
【0007】 この種のアッセイには重大な欠点があり、それゆえに広く採用されることはな
かった。とりわけこれは、Nafion(商標)被覆電極による検出が可能にな
るまでに、相当数の反応段階の実行を必要とする。LimogesとDegra
ndによって開示されたアッセイ器具は、使い捨てでも再使用可能でもない検知
部を含む。
【0008】 違う種類の電気化学的アッセイでは、SolskyとRechnitz(19
79 Science 204,2308;1981 Anal.Chim.A
cta 123,135)が記述したように「抗体応答膜電極」の使用を含む。
その抗体応答膜はポリ塩化ビニルマトリックス内のイオノフォア(クラウンエー
テル)からなり、そのイオノフォアは膜の表面からハプテンが突き出すようにハ
プテンにコンジュゲート化された。その膜は従来の電位差測定膜電極の先端部に
取り付けられた。ハプテンに特異的な抗体を含有する試料を添加すると、抗体が
ハプテンに結合し、それが何らかの未知の方法でイオノフォアの電気化学的特性
を変化させて、膜を横切る電位差を変える。
【0009】 この装置の作動の仕方はわかっていないが、そのことが、この装置への改良の
設計を合理的に不可能にしている。また、付随する検出系は大きく扱いにくくて
容易には再使用できない。
【0010】 WO89/11649は、電気活性ポリマー層を含み、その層内に対象分析物
への結合特異性を有する抗体分子が封入されている電気化学的アッセイ用の装置
を開示している。抗体に対する対象分析物の結合は、その装置を取り巻く環境か
らその電気活性ポリマーの周辺の空間への対イオンの流動を抑制し、したがって
酸化還元反応に際してポリマーへの又はポリマーからの電子流を抑制する。ポリ
マーへの直接的な結合パートナーの結合によって影響されるポリマーの電気化学
的特性の開示はない。
【0011】 WO95/29199は同様の仕組みを持つ電極を開示しており、そこでは、
電気活性ポリマーに取り付けられた化学成分への結合パートナーの結合が、ポリ
マーの電気化学的特性に間接的に影響を及ぼしうる。電気活性ポリマーそのもの
への結合特異性を持つ結合パートナーの開示はない。同様の仕組みがEP023
9969に開示されている。
【0012】 WO93/25907は、対象抗原と、限られた量の抗体への結合に関して競
争する酸化還元標識を有する誘導体化された抗原が関わる競争アッセイ系を開示
している。過剰の酸化還元標識抗原は静電気的にポリマー被覆薄膜に結合してそ
の薄膜を横切る酸化還元電位を変化させ、それは従来の方法で測定される。その
ポリマー層は電気活性ではなく、本質的に不導性である。
【0013】 EP0402917はWO89/11649に開示されている原理とよく似た
原理に基づいて作動するバイオセンサーを開示しており、電気活性界面活性剤被
膜を持つ導電性表面が特異的結合対の一方のメンバーの包含によって修飾されて
いる。対象分析物はその特異的結合対の他方のメンバーである。その特異的結合
対のメンバー相互の結合が対イオンの移動を遮断する。電気活性界面活性剤への
直接的な結合が関与する結合事象はない。
【0014】 WO97/27474は対象分析物の存在を決定する方法を開示しているが、
そこでは電極が特異的結合対の一メンバーでコーティングされる。対象分析物(
これはその特異的結合対の相応するメンバーである)の不在下では、電気活性酸
化還元分子が電極に接近して電極に電子を与えたり、電極から電子を受け取るこ
とができる。この過程は酸化還元分子が電極に接近するのをさえぎる対象分析物
によって抑制される。このように、結合パートナーの電気活性分子へのその電気
化学的特性を変更するような直接的結合は開示されていない(本明細書で言及す
る文書はすべて参考として本明細書に組込まれる)。
【0015】 本発明は、改良されたタイプの電気化学的アッセイの提供、具体的には使い捨
てで取り扱いが簡単なアッセイ装置の基礎を形成するのに好適なものを提供する
ことを目的とする。
【0016】 (発明の要約) 第一の側面において、本発明は、試料中の対象分析物の存在を検出する方法で
あって、電気活性部分(その電気活性部分に対して特異的結合活性を持つ結合パ
ートナーの、その電気活性部分への結合により、検出可能な様式で直接変調され
うる電気化学的特性を持つもの)を有する化学成分がその上に固定化されている
電気伝導性固体支持材を用意し;試料中の対象分析物の存在の結果として、その
結合パートナーをその化学成分の電気活性部分と接触させるという各段階を含む
方法を提供する。
【0017】 第二の側面において、本発明は、試料中の対象分析物の存在を検出する装置の
部品であって、化学成分がその上に固定化されている電気伝導性固体支持材を含
んでなり、その化学成分が電気活性部分(その電気活性部分に対して特異的結合
活性を持つ結合パートナーの、その電気活性部分への結合により、検出可能な様
式で直接変調されうる電気化学的特性を持つもの)を含んでなる部品を提供する
【0018】 本発明の方法は対象分析物の存在または不在を示すように定性的に使用できる
。また好ましくは、本方法は存在する分析物の量(相対的単位または絶対的単位
での量)を示すように定量的に使用することもできる。典型的に、生物学的分子
(すなわち生物中に存在する分子または生物によって産生される分子)が最も興
味深い対象になるだろうが、あらゆる種類の物質が対象分析物になりうることは
明らかだろう。生物学的分子には、核酸(DNAとRNAまたはそのキメラ、炭
水化物、酵素、抗原、アレルゲン)、ホルモン(タンパク質類とステロイド類の
両方)、とりわけヒト絨毛膜性生殖腺刺激ホルモン(hCG)、エストロン−3
−グルクロニド(E3G)、プロゲステロン−3−グルクロニド(P3G)、黄
体ホルモン(LH)および濾胞刺激ホルモン(FSH)などの性および生殖ホル
モン、ならびに疾患マーカーと診断指標(例えば抗体)などがある。また対象分
析物は、細菌、ウイルス、酵母、真菌類などの粒子であってもよい。
【0019】 本発明の利点の一つは、これにより、従来の比色法ではアッセイできない濁っ
た試料でもアッセイを行ないうることである。濁った試料または濁る可能性のあ
る試料の例には、血清、全血、飲食物試料(例えば乳)、微生物の濁った増殖物
を含む試料などがある。
【0020】 本明細書において、化学成分の「電気活性部分」とは、その化学成分が酸化還
元反応を受ける時に電荷を供与および/または受容できる部分と定義される。典
型的に、本アッセイで変調される電気化学的特性は一般的には1またはそれ以上
の酸化還元電位になるだろう。本電気活性部分は、アッセイ条件下に酸化または
還元を受けうる1またはそれ以上の基を含むことができ、それらの基の任意の1
またはそれ以上の酸化還元電位は、その電気活性部分への結合パートナーの結合
によって変調される。好都合なことに、1またはそれ以上の変化した酸化還元電
位は、当業者に知られている電位差測定法または電流測定法によって検出できる
。電流測定的検出法(例えばクロノアンペロメトリー)は電位差測定法よりも一
般に測定しやすい結果を生成するので、これらを使用することが好ましい。
【0021】 電気活性部分の電気化学的特性の変調は、特定の電位差で電気伝導性固体支持
材に又は電気伝導性固体支持材から移動する電荷の量を決定することによって検
出および/または測定されることが好ましい。電荷は電気活性部分と電気伝導性
固体支持材の間を電子および/またはイオンおよび/または他の荷電粒子の移動
によって動かされる。
【0022】 化学成分の電気活性部分と結合パートナーとは特異的結合対のメンバーである
と都合が良い。結合パートナーは免疫グロブリンまたはその化学成分に対する特
異的結合活性を保っているその有効部分を含んでなるものが有利である。したが
って免疫グロブリンの有効部分として、例えばFv、scFv、Fab、Fab 、及び重鎖可変領域(Hcv、例えばラマとラクダから入手できるもの)また
は前記部分の任意の1またはそれ以上を含んでなるキメラ分子が挙げられる。好
都合なことに、結合パートナーはモノクローナル抗体技術を使って調製したり、
結合パートナーをコードする核酸配列の適当なライブラリー(例えばファージデ
ィスプレーライブラリー)からの選択と単離によって調製することができ、これ
らは共に当業者にはよく知られている。
【0023】 化学成分の電気活性部分は本質的な免疫原であるか、少なくとも適当な担体分
子(例えばウシ血清アルブミンや植物ペプチド誘導体など)に結合すれば免疫原
(すなわちハプテンである)として作用できるものが好都合である。これは、そ
の化学成分に対して特異的結合活性を持ち、本発明の方法で結合パートナーとし
て作用しうる免疫グロブリン(またはその有効部分)の作製を容易にする。
【0024】 一般に化学成分は、典型的に、適度に疎水性の有機分子を電気活性部分として
含むだろう。例として有機金属化合物(コバルチセニウム、フェロセンなど)や
複素芳香族化合物(カルバゾール類、ピロール類、フラン類、チオフェン類など
)が挙げられる。望ましくは、典型的に、電気活性部分は、酸化および/または
還元を容易に受けうる1またはそれ以上の基を含むだろう(ここで酸化は電子の
除去とみなされ、還元は電子の付加とみなされる)。
【0025】 酸化または還元は通常、荷電した物体の生成をもたらし、その効果はその成分
中の電子軌道の共役系(「非局在化電子」)によって安定化されうる。したがっ
て、本アッセイの条件では、その化学成分が非局在化電子の共役系を含むことが
好ましい。そのような化学成分の具体例にはピロール類、フラン類、チオフェン
類と、それらの類似体および/または多量体がある(例えばDiazら,197
9 J.Chem.Soc.Chem.Commun.p635、Niziur
ski−Mannら,1993 J.Am.Chem.Soc.115,887
、Waltmanら,1984 J.Phys.Chem.88,4343に記
述されているものなど)。各窒素、酸素および硫黄原子の非結合電子は電子軌道
の共役系に寄与する。好ましい成分はN−アルキルカルバゾールとその類似体(
単量体型、二量体型または多量体型)である。図1A−Dは、それぞれピロール
、フラン、チオフェンおよびカルバゾールモノマーの一般構造を示す。 一般に、化学成分は固体支持材(例えばアッセイ用ディップスティックや毛管
充填(capillary fill)室など)に固定化されることが望ましい
。化学成分は固体支持材の電気伝導性部分に固定化することが好ましく、その電
気伝導性部分は例えば金、白金または他の導電性金属、金属酸化物、炭素/グラ
ファイト、ケイ素またはケイ酸塩の細いストリップを含みうる。
【0026】 固体支持材への化学成分の固定化はいくつかの方法で達成しうる。本発明者ら
は、一つの方法が、固体支持材を適当な化学成分前駆体の溶液中に置き、次にそ
の固体支持材での化学成分のin situ形成を起こさせることであることを
見出した。典型的に、このような方法は、固体支持材での前駆体モノマーの重合
を起こさせて、固体支持材上に化学成分の網目様の被膜を形成させるという形を
とりうる。
【0027】 また、より好ましくは、介在「ペンダント」鎖部分(好ましくは支持表面上に
単層として自己集合しうるもの)を使って、化学成分を固体支持材上に固定化し
てもよい(例えばSabatiniおよびRubinstein,1987 J
.Phys.Chem.91,6663−6669;von Velzenら,
1994 J.Am.Chem.Soc.116,3597−3598;Chi
dseyら,1990 J.Am.Chem.Soc.112,4301−43
06;Rubinsteinら,1988 Nature 332,426−4
29に記述されている方法など)。その鎖部分は化学成分の構成部分を形成する
とみなしうる。
【0028】 ペンダント部分またはペンダント分子の使用は、それが電気活性部分を電極の
電気伝導性表面から引き離すので好ましい(それと同時に、好ましくは、例えば
非局在化電子系によって電気伝導度が保たれるが、必ずしもそうではない)。ペ
ンダント部分は典型的におおむね線状である。好ましいペンダント部分は、置換
されていても非置換でもよいアルキル基またはアルケニル基(典型的に3〜14
個、好ましくは5〜12個の炭素原子を含む)である。
【0029】 ある態様では、アルキルまたはアルケニルペンダント基が、スルフヒドリル基
またはチオール基を介して電極に取り付けられるが、他の化学的結合も同様に好
適でありうる。
【0030】 ペンダント基またはペンダント部分を使用するもう一つの利点は、それらが得
られる結果の再現性に有害な影響をもちうる「ピンホール」(電極の導電性層の
表面にある軽微な不整)を埋めるのに役立つことである。電極に取り付けられた
過剰のペンダント分子を含む(すなわち全てのペンダント基が必ずしも電気活性
部分につながれてはいない)ことも好ましいだろう。余分なペンダント基の存在
は単層の安定性と剛性を向上させ、それが本発明の方法/装置を最適化すると考
えられる。特定の態様で本発明者らは、電気活性部分3に対してペンダント部分
4の比率が最適な結果をもたらしうることを見出した。余分なペンダント分子は
電気活性部分に取り付けられたペンダント部分と同一である必要はなく、したが
って余分なペンダント「スペーサー」分子を故意に導入しうる。そのようなスペ
ーサー分子は化学成分のペンダント部分(例えばアルキルまたはアルケニル)に
類似する性質を持つものが好都合だろうが、結合パートナーが電気アッセイ部分
に結合しようとしたときにそのスペーサー分子が立体障害を引き起こす可能性を
避けるために、その鎖長は化学成分のペンダント部分より長くはなく、あるいは
短いだろう。
【0031】 本アッセイ方法は、対象分析物が、結合パートナーが結合する化学成分の電気
活性部分と同一である必要がないものであることが非常に好ましい。この方法で
は、そのアッセイの最後の段階として電気活性部分への結合により検出可能なシ
グナルを生成させるだけで、電気活性部分に特異的な結合パートナー(典型的に
、免疫グロブリン)を使って任意の対象分析物の存在が検出されるように本アッ
セイ法を適合させることができる。この好ましい特徴は、例えば、以下に説明す
るように競争型または置換型の手法を使って得ることができる。
【0032】 したがって、好ましい態様では、その結合パートナーが、第一および第二の特
異的結合活性を含む結合体として存在する。第一の特異的結合活性は、前述した
化学成分の電気活性部分に対するものである。第二の特異的結合活性は典型的に
、対象分析物に対するものであるか、またはそれ自身が対象分析物に対して特異
的結合活性を有する分子(免疫グロブリンなど)に対するものであって、対象分
析物の存在はその結合体を固体支持材から置換することになる。本結合体はさら
なる特異的結合活性を有してもよいが、それらは本発明の実施には必ずしも必須
でない。
【0033】 結合体は、二重特異性抗体または「ダイアボディ(diabody)」もしく
は他の二重特異性免疫グロブリンフラグメント(例えば双頭型scFv、双頭型
HCVまたはscFvおよび/またはHCVフラグメントを含んでなるキメラ分
子)であると好都合である。また結合体は、それぞれ第一および第二の特異的結
合活性を有する第一および第二結合パートナーをそこに取り付ける非結合成分を
含んでもよい。これらの結合パートナーは従来の免疫グロブリン分子、例えば単
一特異性抗体またはその有効結合フラグメント(例えばscFvなど)を含み得
る。非結合成分は、そこに取り付けられる第一および第二結合パートナーにとっ
て十分に大きく適当な化学的特性を持つ任意の物質でありうる。非結合成分は、
例えばペプチド、ポリペプチド、リポソーム、またより好都合には、ラテックス
ビーズなどの粒子でありうる。免疫グロブリンをラテックスビーズに取り付ける
方法は当業者によく知られている。
【0034】 好都合には、試料中の対象分析物の存在の結果として結合パートナーを電気活
性部分と接触させる工程は、試料の導入に先立って結合パートナーが遊離できる
ように固定化された固体支持材からの結合パートナーの置換または放出を引き起
こす分析物によって達成される。分析物は典型的に、結合パートナーを遊離でき
るように固定化する手段となっている固体支持材上の結合部位から結合パートナ
ーを置換するか、その固体支持材上の結合部位への結合に関して結合パートナー
と競争する。
【0035】 したがって特定の態様では、本アッセイ法は、そこに化学成分が固定化される
第一固体支持材と、そこに対象分析物の類似体が固定化される第二固体支持材(
これは第一固体支持材の異なる部分であってもよいし、個別の部品であってもよ
い)の使用を伴う。この類似体は、結合体の第二特異的結合活性がその類似体に
(その親和性が対象分析物より低いものであるとしても)結合するようなもので
ある。したがって、本アッセイの実施に先立って、結合体は第二固体支持材にそ
の第二特異的結合活性により可逆的に固定化される。
【0036】 遊離の対象分析物が存在する場合、その分析物は、第二特異的結合活性による
結合体への結合に関して、固定化された類似体と競争するだろう。典型的に、分
析物に対する結合体の親和性は、もし対象分析物が試料中に存在するならその結
合体が第二固体支持材から置換されるように、類似体に対する親和性よりも強い
。次に、置換された結合体は、第一特異的結合活性により、第一固体支持材上に
固定化された化学成分の電気活性部分と自由に反応して、その電気活性部分の電
気化学的特性を前述のように検出可能な様式で変調させる。
【0037】 したがって好ましい態様では、分析物が存在すれば、たとえそれが低濃度であ
っても、結合体を類似体から置換することになるように、類似体と対象分析物の
それぞれの結合親和性の間に親和性の相違がある。もう一つの選択肢として、結
合親和性には相違がなくてもよく、その場合は、例えば対象分析物が類似体より
高い有効濃度で試料中に存在するなどの理由で、結合体が競争によって類似体か
ら置換される。
【0038】 置換された結合体は、とりわけ第一支持材と第二支持材がごく近く(例えば5
μm〜5mm、好ましくは50μm〜1mm)にある場合、第二固体支持材から
第一固体支持材に向かって拡散させうる。もう一つの選択肢として、結合体を多
孔性媒体に沿って又は多孔性媒体を通して毛管現象によって輸送するか、例えば
WO91/05262に記述されているように、流動性試料(例えば血液や尿な
どの体液)の流動によって輸送してもよい。また妥当であれば、第二固体支持材
から放出された結合体を含む流動体を第一固体支持材に押し出すために、ポンプ
手段(例えばシリンジポンプや蠕動ポンプなど)を備えてもよい。
【0039】 わずかに類似する様式での対象分析物の類似体の使用は、例えばEP 0 3
24 540とPCT/EP95/04518に開示され、教示されている。対
象分析物が典型的に、ペプチドまたはポリペプチドもしくはステロイドホルモン
などの生物学的分子になることは当業者には理解されるだろう。対象分析物の類
似体はエピトープ模倣体、すなわち、そこに結合パートナーが結合する分析物の
結合部位と同様に挙動する、一般的には合成された(典型的に、対象分析物より
小さい)短いペプチドなどの分子であることが好都合である。分析物と好適な類
似体の例はEP 0 324 540とPCT/EP95/04518に開示さ
れている。上述した態様は、とりわけWO91/05262とEP 0 383
313に開示されている既知の置換/競争型アッセイの変形である。
【0040】 さらなる態様では、結合体は、その第二特異的結合活性が対象分析物に対する
抗体への結合活性であるようなものである。例えばこの結合体は、対象分析物の
類似体からなり、その類似体は対象分析物に特異的な抗体によって比較的ゆるく
結合され、その抗体が第二固体支持材上に固定化されるものでありうる。もう一
つの選択肢として、結合体は、固定化抗体の結合部位に特異的な抗イディオタイ
プ抗体からなってもよい。いずれにせよ、試験試料中の対象分析物の存在が第二
固体支持材からの結合体の置換を引き起こすことになるように、固定化抗体は結
合体よりも分析物に対して強い親和性を持つことが(必須ではないが)好都合で
ある。次に、置換された結合体は、上に概論したように、その第一特異的結合活
性によって第一固体支持材に自由に結合できるようになる。
【0041】 固体支持材上に抗体を固定化する方法は当業者にはよく知られている。G H
ermansonが「Bioconjugate Techniques」(A
cademic Press社,1996)に有用な解説を記述している。典型
的に、固定化抗体は追加された官能基によって共有結合される。好都合なことに
、分析物に対する抗体は、固体支持材上に固定化された更なる抗体特異的抗体へ
の結合によって固定できる。第一固体支持材は典型的に、電極を含むだろう。第
二固体支持材はアッセイで日常的に使用されるものなら何でもよく、例えば合成
プラスチック材料、マイクロタイターアッセイプレート、ラテックスビーズ、フ
ィルター、ガラス製またはプラスチック製スライド、ディップスティックなどが
ある。第二固体支持材は可湿性の表面を持つと有利である。
【0042】 本発明の第二の側面の部品は、1997年11月21日に出願された我々の同
時係属欧州特許出願第97309409.7号に開示するタイプのアッセイを実
施するために使用すると便利である。この部品は、他の部品(例えばアッセイ結
果の読取装置として働く独立したシグナル検出手段)と共に使用し、それらとや
りとりするための、比較的安価で使い捨て又は取り替えが可能な部分という形を
とるかもしれない。もう一つの選択肢として、この部品を、さらに大きな装置の
構成部分として提供してもよい。
【0043】 第三の側面として、本発明は、第二の側面である部品を含んでなるアッセイ装
置を提供する。この装置はさらに次の1またはそれ以上を含むと便利である:試
験用試料を受ける受容手段;化学成分の電気活性部分に対して特異的結合活性を
持つ結合パートナー;化学成分の電気活性部分の電気化学的特性の変調を検出す
るための検出手段;検出手段から出力されたデータを処理するためのデータ処理
手段;およびアッセイ結果を好ましくは数値の形で表示するためのデータ表示手
段。
【0044】 本アッセイ装置は試料受容手段の一部として毛管充填反応室を含むと好都合で
あろう。好ましい態様では、その小室が、好ましい方法の第一および第二固体支
持材によって少なくとも部分的に規定される。本発明での使用に適合させうる毛
管充填装置は例えば米国特許第5,141,868号に教示されている。
【0045】 第四の側面において、本発明は、上に定義した装置で使用する部品であって、
化学成分の電気活性部分に対して特異的結合活性を有する結合パートナーが遊離
できるように固定化されている固体支持材を含んでなり、その結合パートナーは
対象分析物の存在下に固体支持材から置換され、電気活性部分への結合パートナ
ーの結合が電気活性部分の電気化学的特性を検出可能な様式で直接的に変調させ
る部品を提供する。本発明の第二の側面である部品の場合と同様に、この部品も
、他の部品(例えばアッセイ結果の読取装置として働く独立したシグナル検出手
段)と共に使用し、それらとやりとりするための、比較的安価で使い捨て又は取
り替え可能な部分として供給したり、さらに大きな装置の構成部分として供給し
うる。
【0046】 第五の側面において、本発明は、図13に示す構造を持つ電気活性部分を含ん
でなる化学成分を提供する。ここでRとRは独立して、H;OH;C−C 14 アルキル、アリール、アルケニルまたはアルコキシ(すべて任意に置換され
ていてもよい);ハライド;アミド;またはアミンであり、さらにその複素芳香
環構造は一つ又はそれ以上の位置がアルキル、アリール、アルケニルまたはアル
コキシ基(すべてそれら自体が任意に置換されていてもよい)、酸基(有機酸ま
たは無機酸基)、ハライド、アミドまたはアミンで置換されていてもよい。
【0047】 Rはアルキル、好ましくはエチル、プロピルまたはブチルであり、Rは好
ましくはC−C12アルキル、より好ましくはC−Cアルキル、最も好ま
しくはCアルキルであれば有利である。一般的には、RとRが同一でない
ことが好ましい。好ましい態様ではRが、チオール、カルボキシル、アミド、
アミン、ハライド、アルデヒド、ケトン、エポキシドまたはスクシンイミド基も
しくはこの成分の他の物体(例えば固体表面)へのカップリングを容易にする他
のタンパク質カップリング剤(例えばHermanson「Bioconjug
ate Techniques」(Academic Press社,1996
)に記載されているもの)などといった(好ましくは末端に位置する)反応性置
換基を含む。好ましい態様では、その化学成分が、3,3(N−[6−チオール
ヘキシル]カルバゾール)N−エチルカルバゾールである。
【0048】 本発明の第五の側面の化学成分は、本発明の第二の側面の部品が形成されるよ
うに、電気伝導性固体支持材に都合よく固定化できる。
【0049】 第六の側面において、本発明は、上に定義した第五の側面である化学成分に対
して結合特異性を持つ分子を提供する。より具体的には、この分子は、当該化学
成分の電気活性複素芳香環部分に対する結合特性を有することが好ましい。この
分子は免疫グロブリン分子またはその化学成分への結合特性を保っているその有
効部分を含むものが好都合であり、そのような部分には例えばFv、scFv、
Fab、Fab、HCVまたは前述した部分の任意の一つ又はそれ以上を含む
キメラ分子などがある。好ましい態様では、この分子は少なくとも2つの結合特
異性、すなわち上述のように化学成分に対する第一の結合特異性と、対象分析物
に対する又は対象分析物に対する抗体(もしくはその有効抗原結合部分)に対す
る第二の結合特異性とを含むだろう。本発明の第六の側面に従う分子が、本発明
の第一の側面の方法を行なう際に結合パートナーとしての使用に都合よく適して
いること、および/または、本発明の第4の側面に従う部品が得られるように固
体支持材上に遊離できるように都合よく固定化しうることは、読者には明らかだ
ろう。
【0050】 以下に、本発明を例証的な例として、また添付の図面に関連して説明する。
【0051】 (実施例) 実施例1 この実施例は本発明のアッセイがどのように実施されうるかを示す例に関する
【0052】 図2を参照として、電気伝導性第一固体支持材10が設けられ、その上に化学
成分12が固定化される。化学成分12は、化学成分12の自己集合性単層が第
一支持材10の上に形成されるように、「ペンダント」部分14によって第一固
体支持材に取り付けられる。
【0053】 また第二固体支持材16も設けられ、その上には対象分析物20の類似体18
が固定化される。結合パートナー22は類似体18を介して第二固体支持材16
に遊離できるように固定化される。結合パートナー22は第一特異的結合活性と
第二特異的結合活性(それぞれ24および24’と表す)を持つ二重特異性抗体
である。第一特異的結合活性24は化学成分12に対する活性である。第二特異
的結合活性24’は対象分析物20に対する比較的高い結合親和性であり、類似
体18に対する比較的低い結合親和性も付与する。
【0054】 したがって、対象分析物20を含む試料を導入すると、結合パートナー22は
第二支持材16から特異的に置換され、第二結合活性24によって化学成分12
に自由に結合できるようになる。化学成分12への結合パートナー22の結合は
化学成分12の検出可能な電気化学的特性(例えば酸化還元電位)を、相違(例
えば電荷、電流または電位差の相違)が第一支持材10で検出されるように、直
接変調させる。
【0055】 第一および第二固体支持材10、16は、アッセイを行なう時に試験試料をそ
の中に導入する毛管充填室の一部を形成すると好都合である。第二固体支持材1
6から置換された結合パートナー22の物理的分離は、直ちに拡散によって受動
的に第一支持材10に輸送されるだろう。
【0056】 実施例2 本発明方法の別の態様を図3に図解する。図3では、機能的に同等なものは、
図2で使用したものと同じ参照番号で示している。実施例1の場合と同様に、そ
の配置は毛管充填アッセイ装置用に構成すると便利である。
【0057】 図3に図解する態様では、化学成分12が上述のように第一固体支持材10に
固定化される。第二固体支持材16は、対象分析物20に特異的な多数のモノク
ローナル抗体分子18で覆われている。
【0058】 結合パートナー22は抗体分子部分24とミモトープ部分24’からなる融合
タンパク質である。ミモトープ部分24’はモノクローナル抗体18によって認
識されるエピトープのペプチド「模倣体」(したがって「ミモトープ」)である
。しかし抗体18の結合親和性は、ミモトープ24’に対する親和性より分析物
20に対する親和性の方がかなり(例えば10〜100倍)高い。したがって対
象分析物の存在は固体支持材16から結合パートナー22を置換する。次にアッ
セイは図2に図解した態様について記述したように進行する。
【0059】 図3に示す態様はいくつかの点で好ましいかもしれない。結合パートナー22
は、それが化学成分12に結合する時に、分析物20に結合していないが、これ
は結合パートナー22が化学成分12の電気化学的特性を変調させる様式を分析
物20の存在がもたらしうるという点で望ましいだろう。
【0060】 ただ一つの化学成分12を使って、任意の対象分析物の検出に使用できるよう
に本発明のアッセイ方法を変更しうることは、当業者には理解されるだろう。結
合パートナー22の第一結合活性24を同一に保ったまま、関連する分析物の存
在に反応して置換が起こるように、ミモトープ部分24’(図3)または第二結
合活性24’(図2)を変更できる。
【0061】 また当業者は、たとえ結合パートナーが類似体18(実施例1)または抗体1
8(実施例2)に対する親和性よりも強い親和性を対象分析物に対して持たなく
ても、遊離の対象分析物の濃度が第二固体支持材からの結合パートナーの置換を
引き起こすのに足りるという「競争」型アッセイとしても実施例1と2を実施し
うることを理解するだろう。
【0062】 実施例3−抗カルバゾールモノマー抗体の製造と有機溶媒におけるポリマー型 カルバゾール電極表面でのその電気化学的特徴 この実施例は、電気めっきによってカルバゾール電気活性化学成分で被覆した
、有機溶媒(例えばジクロロメタン)中での安定な電極の調製に関する。特に断
らない限り、全ての試薬は市販されているものであり、米国Aldrich社か
ら購入した。
【0063】 3.1 N−(6−ヘキサン酸)カルバゾールの合成 カルバゾール(3.34g、20mmol)を水酸化ナトリウム(4.8g)
と共に水(20ml)とトルエン(20ml)の混合物に加えた。二相を混合す
るためにセチルトリメチルアンモニウムブロミド(1.46g、14mmol)
を界面活性剤として加えた。これに6−ブロモヘキサン酸(5.9g、30mm
ol)を加え、その溶液を48時間還流させておいた。得られた溶液をジエチル
エーテル(3×50ml)で洗浄して有機相を除去した。次に溶媒を回転蒸発で
除去した。
【0064】 生成物をジエチルエーテル:ガソリン(6:4)によるシリカゲル(酸性)で
のクロマトグラフィーにかけ、溶出液を2mlずつ集めて生成物の存在をTLC
で調べ、UV蛍光で検出した。IR:3500−2500(ブロード)OH(酸
)、3000、2800(シャープ)三級アミン、1750 C=O(酸)、1
500三級アミン。H NMR:(CDCl)10.10(H,m,OH)
、8.06(2H,m,ArH)、7.62(6H,t,J 6.35,ArH
)、4.05(2H,t,J 8.82,CH)、2.15(2H,m,CH )、1.75(2H,m,CH)、1.56(4H,m,CH)。m/z
281.2(m)180.1 N−メチルカルバゾール陽イオン。
【0065】 この化合物中の酸基は、様々な目的で行なわれるウシ血清アルブミン(BSA
)や植物タンパク質誘導体(PPD)などの担体分子へのカップリングを容易に
する。
【0066】 3.2 PPDへのN−(6−ヘキサン酸)カルバゾールの取り付けによる免
疫原の調製 抗カルバゾール抗体(カルバゾールの電気化学的特性を変調させるための結合
パートナーとして有用)を調製するには、N−(6−ヘキサン酸)カルバゾール
をより大きな担体分子にカップリングする必要があった。このカルバゾール化合
物は抗体反応を惹起するにはそれだけでは小さすぎるからである。PPDを担体
分子として選択した。
【0067】 PPD(植物ペプチド誘導体)をカップリングするための反応混合物は、ME
S緩衝液[2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(塩水パック)](1ml
) に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(40
mg)を溶解することによって調製した。この溶液の半分(500μl)をとり
、DMF(500μl)に溶解した。これにDMF(100mg/ml、20m
g)中のN−(6−ヘキサン酸)カルバゾールを加えた。この混合物を撹拌し、
沈殿の何らかの徴候が起こるかどうか注意深く観察した。沈殿が現れたら、少量
のDMFをその溶液に加えて、その沈殿を再溶解した。この反応溶液にPPD(
500μl)をゆっくり加え、暗所で24時間撹拌した。この時間の後、その反
応混合物をリン酸緩衝食塩水に対して24時間透析した。このN−(6−ヘキサ
ン酸)カルバゾールPPDとPPDのみについて、Perkin Elmer社
モデル5050蛍光光度計で蛍光計スキャンを行なった(200〜400nm)
。ピークはPPDについては200nm390nm、PPDカルバゾールにつ
いては200、270、292、329、335、345、350および390 nm に認められた。これにより、カルバゾールが担体分子に有効にカップリング
されたことが明らかになった。
【0068】 3.3 カルバゾールに対する抗体の作成 カルバゾールに対するポリクローナル抗体をウサギで作成した。バックグラウ
ンド免疫を確定するために免疫化前血液試料を採取した。そのウサギにフロイン
ト完全アジュバントと共にカルバゾール/PPD試料(1mg/ml)を4ヶ所
に注射し(各部位に250ml)、1週間後に免疫化後血液を採取した。1ヵ月
後に二回目の免疫化をフロイント不完全アジュバントとカルバゾール/PPD試
料(再び4ヶ所)で行なった。二回目の免疫化後採血は1週間後に行なった。三
回目の採血は二回目の採血の1ヶ月後に(追加免疫なしで)行なった。免疫化の
部位は脊柱の両側、前面で2ヶ所、背面で2ヶ所とした。採血は辺縁耳静脈から
行なった。血液を凝固させ、後述のようにBSA結合カルバゾールで被覆したプ
レートを使って、血清を抗体活性についてELISAで試験した。BSAコンジ
ュゲートの使用によってハプテンによるプレートの被覆が容易になると共に、抗
体の作成に使用したもの(PPD)とは異なる担体分子を使用することにより、
そのELISAで検出される抗体がいずれも抗担体反応ではなく抗ハプテン反応
によるものであることが保証された。
【0069】 3.4 BSA N−(6−ヘキサン酸)カルバゾールの合成 N−(6−ヘキサン酸)カルバゾール(DMF中100μg/mlを50μl
)をN−メチルモルホリン(10μl)に加えた。これにクロロギ酸イソブチル
(10μl)を加え、氷で5分間冷却した。次にその混合物(47μl)をBS
Aの溶液(2μl、水500μlとDMF 100μl中BSA6.7mgの保
存溶液から採取)に移し、4時間撹拌した。その試料を透析チューブに移し、P
BSに対して48時間、PBS溶液を1回交換して透析した。これにより、N−
(6−ヘキサン酸)カルバゾール対BSAの比が150:1になった。蛍光光度
計スキャン:BSA 285nm、BSAカルバゾール285、329、335
、345、352、380(有効なカップリングが起こっていることを示す)。
【0070】 3.5 BSA N(6−ヘキサン酸)カルバゾール被覆プレートを用いたE
LISA PBST(リン酸緩衝食塩水0.15%、Tween20(Sigma社)、
各ウェルに200ml)中で、マイクロタイタープレートを、炭酸ナトリウム緩
衝液(0.1M、pH9.6)に調製したBSA N(6−ヘキサン酸)カルバ
ゾール(10mg/ml)で感作し、37℃で1時間インキュベートした。次に
そのプレートを空にして、PBSTで3回洗浄した。次にそのプレートを脱脂粉
乳[Marvel(登録商標)]の1%溶液(PBST中)各ウェルにつき20
0mlでブロックし、インキュベートした(37℃で1時間)。この時間の後、
プレートを空にし、先と同様にPBST中で3回洗浄した。次に血清を一定範囲
の希釈率でプレートに加えた(150ml)。これを再びインキュベートした(
37℃で1時間)。次にそのプレートを先と同様にPBST中で洗浄し、ヤギ抗
ウサギアルカリホスファターゼコンジュゲート(Zymed Laborato
ries社)の1/1000希釈液を各ウェルに加えた(150ml)。これを
37℃で1時間放置し、そのプレートを先と同様にPBST中で洗浄した。
【0071】 酵素基質は、緩衝溶液(5ml)(ジエチルアミン、pH9.8、塩化マグネ
シウム 50:1)中に調製したパラニトロフェノールホスフェート(Sigm
a Diagnostics社)(1錠)の溶液とした。この基質溶液(150
ml)を各アッセイウェルに加え、室温で1時間以上発色させた。結果をDyn
atech製モデルMR7000プレートリーダー、W/Lモード:二重、試験
フィルター:405nm、参照フィルター570nmで読み取った。その結果(
簡略のためデータは省略した)から、追加免疫後に有意な抗ハプテン反応が起こ
ることと、抗ハプテン抗体レベルが1/3200またはそれ以上の希釈率でのみ
バックグランド(対照)レベルに達することが示された。
【0072】 3.6 ヘキサキス[6−(2)−(3)−(カルバゾール−9−イル)ヘキ
シル]β−シクロデキストリンの合成 有機溶媒中での金または白金表面の電気めっきによって、電極をキャストする
ために、上のカルバゾール含有化合物を調製した。β−シクロデキストリンは研
究室では容易に入手でき、これを含めることで電極上でのカルバゾール含有化合
物の網目様被膜の形成が容易になると考えた。
【0073】 水素化ナトリウム(0.15g、80% 5mmol)をはかりとり、N,N
−ジメチルホルムアミド(DMF)(5ml)に加えた。このDMF溶液に撹拌
しながらβ−シクロデキストリン(0.567g、0.5mmol)をゆっくり
加え、10分間放置して完全に溶解させた。その混合物に9−(6−ブロモヘキ
シル)カルバゾール(1.25g、4mmol)を加え、室温で48時間撹拌し
た。
【0074】 その粗生成物混合物にジエチルエーテル(200ml)を加え、振とうしたと
ころ、混和しない層が残った。次に有機層を取り出して、水を加えた。次にこれ
を90分間撹拌しておき、さらに30分間沈降させた。次に生成物を濾過し、ほ
ぼ乾燥させ、完全に乾燥するまで減圧でデシケーター中に放置した(0.78g
、59.2%)。H NMR 400mhz(DMSO):8.10(2H,
m,4および5位,ArH)、7.36(4H,m,2、3、6、7位,ArH
)、7.10(2H,m,1および8位,ArH)、5.8−5.7(非置換β
−シクロデキストリン中の二級アルコール)、4.81(芳香族プロトン1H,
OCHO,1位βシクロデキストリン)、4.5(非置換β−シクロデキストリ
ン中の一級アルコール)、4.36(2H,m,N−CH)、4.16(2H
,m,R−O−C −CH)、3.61−3.28(5H,m,β−シクロ
デキストリンの脂肪族プロトン)、1.61(2H,m,CH(ペンダント)
)、1.32(6H,m,3CH(ペンダント))。m/z(FAB)(ヘ
キサ置換誘導体に相当するイオンが質量スペクトル中で最も強かった)1407
(カルバゾイル−ヘキシル)βCD+Na、1656(カルバゾイル−ヘキシル
βCD+Na、1906(カルバゾイル−ヘキシル)βCD+Na、21
58(カルバゾイル−ヘキシル)βCD+Na、(カルバゾイル−ヘキシル) βCD+Naのピークなし、2628(カルバゾイル−ヘキシル)βCD、
2676(カルバゾイル−ヘキシル)βCD+2Na(M)、2664 2
×(カルバゾイル−ヘキシル)βCD+3Na2+
【0075】 3.7 ヘキサキス[6−(2)−(3)−(カルバゾール−9−イル)ブチ
ル]β−シクロデキストリンの合成 比較のために、上記3.6に記述したものとよく似た化合物を、ヘキシルペン
ダント部分ではなくブチルペンダント部分を使って調製した。調製法は基本的に
上記と同じとした。
【0076】 3.8 有機溶媒中で電気めっきするための一般的サイクリックボルタンメト
リー−実験の詳細 サイクリックボルタンメトリーはBryansフラットベッドX−Yレコーダ
ー(モデルA25000)とPrinceton Applied Resea
rch Corporationスキャニングポテンシオスタット(モデル36
2)で、またEG&Gモデル273A Princeton Applied
Researchポテンシオスタット/ガルバノスタットで行なった。(データ
の処理にはEchemとLotus 1−2−3を使用)。
【0077】 電気化学セルは25mlの丸底フラスコからなり、偽または擬似参照電極とし
て銀線を、また対電極としてアルミニウム棒を使用した。作用電極はきれいな金
または白金線からなった。電解質溶液は、ヘキサフルホロリン酸テトラブチルア
ンモニウムの0.1M乾燥ジクロロメタン(塩化カルシウムで乾燥)溶液からな
った。カルバゾールβ−シクロデキストリンモノマー(0.01g)を電解質溶
液(10ml)に溶解した。次に3つの電極をポリマー溶液に入れ、作用電極上
でポリマー薄膜を生成させるために、1回または2回のサイクリックボルタンメ
トリースキャン(毎秒150mVで0ボルトから1.5ボルトに達した後0ボル
トに戻る)を記録した。次に電極をきれいな電解質溶液(ヘキサフルオロリン酸
テトラブチルアンモニウムの0.1M乾燥ジクロロメタン溶液)(10ml)の
入ったきれいなフラスコに移し、約7回のスキャンを行なうか、ポリマー薄膜が
安定したスキャンを示すまでスキャンした。ポリマーは金または白金線上に安定
に形成され、その電極を分析に使用できた。
【0078】 3.9 EIA電極アッセイ 以前に行なったELISAはモノマーとしてマイクロタイタープレート上に提
示されたカルバゾールへの抗体の結合に関するものであったが、電気めっきした
電極ではカルバゾールは二量体として存在する。そこで、同じ抗体が電極上に存
在する二量体型カルバゾールにまだ結合するかどうかを決定するために、EIA
電極アッセイを行なった。
【0079】 上述のようにサイクリックボルタンメトリーを行なうことにより、ジクロロメ
タン中で電極をキャストした。それらの電極を10分間乾燥させ、PBST中に
様々な血清希釈率で抗カルバゾール血清に浸し(250μl)、37℃で1時間
インキュベートした。この時間の後、電極をPBST中で3回洗浄し、ティッシ
ュペーパー上で乾燥した。次に電極をヤギ抗ウサギアルカリフォスファターゼコ
ンジュゲート(1/1000、250μl)に浸し、1時間インキュベートした
(37℃)。この時間の後、電極を先と同様にPBST中で洗浄し、次いで、E
LISAについて記述したようにパラニトロフェノールホスフェート基質溶液(
250μl)に浸し、1時間後に測色した。
【0080】 その結果(簡略のためデータは省略した)は、免疫化前の採血で得た対照血清
と比較して有意な量の抗カルバゾール抗体が電極に結合したことを明らかに示し
た。
【0081】 3.10 サイクリックボルタンメトリーとクロノアンペロメトリーによる抗
カルバゾール抗体の効果の電気化学的研究 上述(3.8)のように電極をジクロロメタン中でキャストした。最後のサイ
クリックボルタモグラムを作成し、記録した。これらの電極を10分間風乾した
。ウサギ抗カルバゾール血清を様々な濃度に希釈し、各溶液(250μl)に電
極を10分間加えた。電極を取り出し、PBST中で洗浄し、ティッシュペーパ
ーで乾燥した。二回目のサイクリックボルタモグラムを行なって最初のものと比
較したところ、明らかに相違が認められた。結果の例を図4A(前採血)と4B
(免疫血清、抗カルバゾール抗体を含有する)に示す。
【0082】 図4AはmVに対するmAのグラフを示す。太いプロットは血清の不在下で得
られる軌跡であり、細いプロットは免疫化前血清を添加した場合に得られる軌跡
である。血清の存在がピーク高を著しく減少させることが明らかにわかる。図4
Bはポリマーのみで得られる結果(血清の不在下、濃いプロット)と、抗カルバ
ゾール抗体を含有する免疫血清の存在下で得られる結果(細いプロット)を示す
同様のグラフである。抗カルバゾール抗体の効果は、両方の酸化ピークの高さを
増加させること(一方は他方よりも程度が大きい)であり、これはより大きい負
の値(すなわちカルバゾールからの電子の喪失)によって示される。(同様の実
験を短い方の(ブチル)ペンダント部分カルバゾール含有成分を用いて行なった
。結果は不鮮明になり、ブチルペンダント部分が、おそらくは短すぎてカルバゾ
ール成分への結合を促進できないために、最適ではないことが示唆された。
【0083】 抗体以外の血清タンパク質の非特異的効果が最小になるように、プロテインA
アフィニティークロマトグラフィーカラム(PROSEP A、ガラスビーズ上
に固定化されたプロテインA、Porton Products社から入手)を
使って、従来の技術で抗体画分を血清から分離した。カラムを0.1Mクエン酸
塩(pH3.4)で処理することによってIgG画分を溶出し、0.5mlずつ
集めた。それらを希薄な水酸化ナトリウム液で中和した。溶出試料をオンライン
UVスキャナーで評価した(360nM)。総IgG濃度をPerkin−El
mer社Lambda 16 UVDMスキャナーで240nmから350nm
まで測定した。測定は280nmで行ない、ピーク吸収をベールの法則(A=ε
cl)に入れた(ここでIgGの定常領域の吸収係数(ε)は0.51である)
【0084】 次に、プロテインA処理したIgG濃縮材料を用いてサイクリックボルタンメ
トリー実験を繰り返した。本質的に同様の結果が得られた。
【0085】 サイクリックボルタンメトリーにより、電極へのカルバゾール特異IgGの結
合は酸化ピーク高を増加させるが、そのような結合はカルバゾール成分の酸化還
元電位も低下させることが明らかになった。サイクリックボルタンメトリーなど
の電位差測定法より電流測定法の方が適切で、使いやすいと決定された。したが
ってさらなる分析はクロノアンペロメトリー(すなわち、ある期間にわたって固
定した電圧の適用)によって行なった。この方法は時間(秒またはミリ秒)に対
する電流(I)のグラフを作成するために使用でき、その曲線下面積は総クーロ
ン電荷を与える。これは、電子は既知のクーロン電荷(1.602×10−19 )を持ち、したがって実験中にカルバゾールと電極の間で輸送された電子の総数
を決定できるので、とりわけ有用である。
【0086】 時間に対するクーロン電荷のプロット(例えば図8に示すようなもの)から、
ベースラインスキャンと実験スキャンの間の差ΔQを計算できた。図5は、免疫
血清から調製された様々な濃度のIgG(μg/ml)について、総酸化電子流
量(ΔQによって測定されるもの、単位はμC)の増加を示す棒グラフである。
対照免疫化前血清を用いた場合、電子流量の変化は観察されなかった。
【0087】 実施例4−水性条件下カルバゾール二量体単層電極表面でのウサギポリクロー ナル抗カルバゾールモノマー抗体の電気化学的特徴づけ 試料の大半は実際問題として水性であるだろうから、対象分析物の存在の検出
に使用される電極は水中または水性環境で安定であるほうがよい。本発明者らは
、先の実施例に記述した電極が水中ではあまり安定でないことを見出した。そこ
で、電気活性成分が電気めっきとin situでの「キャスト」によって形成
されるのではなくて、導電性表面に共有結合された代替電極を調製することにし
た。また、より均一で規則正しい表面(抗体の結合が容易になる)を提示するた
めに、自己集合性単層を形成させうる化合物を使用することにした。
【0088】 4.1 N−(6−ブロモヘキシル)カルバゾールの形成 カルバゾール(1.67g、10mmol)、水酸化ナトリウム(5g)、水
(5ml)、トルエン(10ml)およびセチルトリメチルアンモニウムブロミ
ド(0.7g、2mmol)の混合物を室温で撹拌した。これに1,6−ジブロ
モヘキサン(2.3ml、30mmol)を滴下した(図6、第1段階)。これ
を170℃で4時間、撹拌、還流した。
【0089】 その混合物を冷まし、まずジクロロメタン(50ml)を添加し、次に水で洗
浄(100ml×3)することによってきれいにした。次に有機層を取り出し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。次に有機層を濾過し、回転蒸発でジクロロメタ
ンを除去した。粗製試料をシリカゲル(ジエチルエーテル/ヘキサン2:8)で
分離し、第二スポットを採取して、減圧下に濃縮した(収量1.09g、33%
)。化合物の構造は質量分析で確認した(329 M+イオン;249 Brの
喪失;180 N−メチルカルバゾールイオン;167カルバゾール;152カ
ルバゾールからの窒素の喪失;69と55、それぞれアルキル鎖に由来するCイオンとCイオン)。
【0090】 4.2 3,3−(N−[6−ブロモヘキシル]カルバゾール)N−エチルカ
ルバゾールの形成 電極の電気めっきは単量体型および二量体型カルバゾール体の両方を含む表面
を生成すると思われた。不確実な点を除くには、この実施例の最初に二量体型カ
ルバゾール体を調製することが望まれた。
【0091】 そこで4.1項で得たN−[ブロモヘキシル]カルバゾール(1g、3mmo
l)をとり、氷酢酸(Acros社)(75ml)と過塩素酸(Acros社)
(70%ww、8ml)に溶解した。粉砕したN−エチルカルバゾール(0.8
g、4mmol)を撹拌しながら加え、次に2,3−ジクロロ−5,6−ジシア
ノ−p−ベンゾキノン(3g、13mmol)を加えた(図6、第2段階)。そ
の混合物を1時間撹拌したところ、二量体カルバゾールの緑色沈殿物が得られ、
それを濾過した。母液をフラスコに戻し、終夜放置した。試料を再び濾過し、合
わせたろ液をアセトン(200ml)に溶解した。その混合物に亜二チオン酸ナ
トリウム(Aldrich社)の飽和水溶液(500ml)を加え、それを終夜
撹拌した。その溶液は暗緑色から茶淡黄色に変わった。
【0092】 次にその反応混合物をジクロロメタン(100ml×4)で洗浄して生成物を
取り出した。次に有機層を少量の水(25ml×4)で洗浄した。次に有機相を
無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を回転蒸発によって除去した(粗製混合物1
.5g、収率83.3%)。化合物の構造は質量分析で確認した(522 M+
イオン;422 HBrの喪失;388 N−エチル二量体;329 N(6−
ブロモヘキシル)カルバゾールイオン;179 N−メチルカルバゾールイオン
;129 カルバゾールからのベンゼン環の喪失;97 C11Nイオン、
83 C11イオンおよび69 Cイオン)。
【0093】 4.3 3,3(N−[6−チオールヘキシル]カルバゾール)N−エチルカ
ルバゾール この段階では電極の金表面への共有結合を容易にするためにチオール基の付加
を行なう。
【0094】 上記4.2で得た粗製試料(1.5g)をエタノール95%(25ml)とD
MF(25ml)に溶解し、そこにチオ尿素(Aldrich社)(0.25g
、3.3mmol)を加えた(図6、第3段階)。これを還流(6時間)した後
、冷却して終夜撹拌した。DMFとエタノールを回転蒸発によって除去した。
【0095】 粗生成物のシリカゲルでの薄層クロマトグラフィー(TLC)から、精製はま
ずジクロロメタンで不純物を除去し、生成物をDMFでカラムから溶出すること
によって達成できることが示唆された(図6、第4段階)。生成物が得られたら
直ちにDMFを回転蒸発によって除去した。
【0096】 試料をDMF(25ml)に溶解し、還流した。還流しながら水酸化ナトリウ
ム(15ml中0.3g)を滴下した(図6、第5段階)。次にこれを還流して
おき(4時間)、冷ました。その反応溶液を濾過して沈殿物を除去した。次にそ
の試料を氷冷し、蒸留水(400ml)をその溶液に加えた[この材料の一部を
分離し、回転蒸発によって濃縮して3,3(N−[6−ナトリウムメルカプタン
ヘキシル]カルバゾール)N−エチルカルバゾール塩を得て、それを下記4.5
に記述するようにコンジュゲートの調製に使用した]。
【0097】 3,3(N−[6−チオールヘキシル]カルバゾール)N−エチルカルバゾー
ル生成物を沈殿させるために、濃硫酸(10ml)を滴下した(図6、第6段階
)。次にその生成物を5mmフィルターを通して濾過し、デシケーター(乾燥し
たインジケーターシリカゲルを乾燥剤とする)に置き、減圧下に3日間放置した
(0.22g、94%、純度4%)。
【0098】 図6は3,3(N−[6−チオールヘキシル]カルバゾール)N−エチルカル
バゾールを調製するために使用した反応図式の概略図である。第1段階はジブロ
モヘキサンとの反応を示し、第2段階はN−[ブロモヘキシル]カルバゾールの
氷酢酸、過塩素酸および2,3−ジクロロ−5,6ジシアノ−p−ベンゾキノン
との反応を示す。第3段階はチオ尿素との反応を示す。第4段階は所望の塩、3
,3(N−[イソチオウロニウムヘキシル]カルバゾールのTLC精製を表す。
第5段階と第6段階はそれぞれ水酸化ナトリウムおよび硫酸との反応を表す。
【0099】 4.4 3,3(N−[6−チオールウンデシル]カルバゾール)N−エチル
カルバゾールの形成 より長い(ウンデシル、C11)ペンダント部分を含む点以外は基本的に上記
と同じ化合物を調製した。合成法は、ジブロモヘキサンの代わりに1−11ジブ
ロモ−ウンデカン(0.7g、15mmol)を使用した点以外は、4.2と4
.3に記述した方法と基本的に同じとした。
【0100】 4.5 ヘキシルカルバゾール二量体を含むコンジュゲートの形成 先に調製したポリクローナル抗血清(3.3)は単量体型カルバゾールに対し
て生じさせたものであり、二量体型のこれら化合物を必ずしも認識するとは限ら
ないので、抗体の生産とELISA試験のために、二量体型カルバゾール化合物
のコンジュゲートを調製した。したがって下記のように、カルバゾール二量体を
使って、免疫化用にはキーホールリムペットヘモシアニン(KLH)とのコンジ
ュゲートを調製し、またウシ血清アルブミン(BSA)とのコンジュゲートを調
製した。
【0101】 (i)KLH(キーホールリムペットヘモシアニン)カルバゾールコンジュゲ
ートの形成 マレイミド活性化KLH(Pierce社、2mg)をPBS(リン酸緩衝食
塩水)(200μl)に溶解した。これに3,3(N−[6−ナトリウムメルカ
プタンヘキシル]カルバゾール)N−エチルカルバゾール(PBS200μl中
2mg)を加え、その混合物をReactiVial(商標)(Pierce社
)中、室温で撹拌した。次にその試料をSlide−A−Lyzer(Pier
ce社)透析カセットにてPBSで2時間透析した。次にPBSを換えて、試料
を室温で終夜透析しておいた。次に試料を取り出してPBSで2.5mlにし、
PD10カラム(Pierce社)にのせて、カラムから3.5mlのPBSに
溶出させた。試料体積を遠心濾過によって減らした。測定したUVスキャンは、
担体タンパク質に50〜60個のカルバゾール二量体が結合していることを示し
、利用できる部位の半分が満たされていることを示した。このKLHコンジュゲ
ートは基本的に3.3に記述したように免疫化に使用した。
【0102】 (ii)BSAカルバゾールコンジュゲートの形成 BSA(Pierce社、8mg)をPBS(1ml)に溶解し、その溶液に
DMSO(25μl)中のSPDP(N−スクシンイミジル−3−[2−ピリジ
ルジチオ]プロピオネート)(2.1mg)を加え、室温でインキュベートし、
撹拌した(1時間)。その混合物を取り出してPBS中2.5mlにし、PD1
0カラムにのせた。次にその試料を3.5mlのPBSでカラムからとりだした
。その試料をReactiVial(商標)に入れ、そこに3,3(N−[6−
ナトリウムメルカプタンヘキシル]カルバゾール)N−エチルカルバゾール(P
BS200ml中4mg)を加え、室温で終夜撹拌した。次にその試料をSli
de−A−Lyzer(Pierce社)透析カセットにてPBSで2時間透析
した。次にPBSを換え、試料を室温で終夜透析しておいた。次に試料を取り出
し、2.5mlにし、PD10カラム(Pierce社)にのせ、そのカラムか
ら3.5ml量に溶出させた。測定したUVスキャンは担体タンパク質に5〜8
個のカルバゾール二量体が結合していることを明らかにし、利用できる部位の半
分が満たされていることを示した。(マレイミド活性化OVA(Pierce社
、2mg)から出発し、基本的に同じ方法を使ってオボアルブミン[OVA]コ
ンジュゲートを調製し、時々、BSAコンジュゲートの代わりにOVAコンジュ
ゲートを使用した)。
【0103】 基本的に先に記述したように、このBSAコンジュゲートを使ってELISA
プレートを被覆した。BSAコンジュゲートで被覆したGreiner製マイク
ロタイタープレートを使って行なったELISAにより、KLHコンジュゲート
に対して生成した抗体が二量体型カルバゾール分子にうまく結合したことが実証
された(簡略のためデータは省略した)。
【0104】 4.6 金表面での3,3(N−(6−チオールヘキシル)カルバゾール)N
−エチルカルバゾールの形成 金電極表面を研磨によってきれいにした。研磨したスクリーン印刷平板電極(
3mm×7mm)を3,3(N−(6−チオールヘキシル)カルバゾール)N−
エチルカルバゾールの溶液(DMF中約0.01M)に沈めることによって単層
を形成させた。これを室温で暗所に24時間放置した。電極を取り出し、ジクロ
ロメタンで洗浄した後、きれいなジクロロメタンに入れて暗所に室温で終夜浸漬
した。
【0105】 また一部の実験では、単層が、3,3(N−(6−チオールヘキシル)カルバ
ゾール)N−エチルカルバゾール溶液とチオールアルカン(典型的にC分子)
の混合物に電極を浸すことによって形成させたスペーサーペンダント分子(電気
活性部分を持たないもの)からなった。
【0106】 4.7 3,3(N−(6−チオールヘキシル)カルバゾール)N−エチルカ
ルバゾール単層の電気化学 電気化学はEG&Gモデル273A Princeton Applied
Researchポテンシオスタット/ガルバノスタットを使って行ない、その
ようにして得たデータをEchemとLotus 1−2−3を使って処理した
【0107】 (i)有機溶媒での電気化学 ジクロロメタン電気化学は、偽または擬似参照電極としての銀線、対電極とし
てのアルミニウム棒および作用電極としての金表面上の単層からなるセルで行な
った。電解質溶液は、ヘキサフルホロリン酸テトラブチルアンモニウムの0.1
M乾燥ジクロロメタン溶液からなった。電極を保存溶液から取り出し、ジクロロ
メタンで濯いだ。次に電極を乾燥ジクロロメタンに入れ、暗所にて室温で終夜浸
漬しておいた。
【0108】 その電極を窒素気流で乾燥した。単層の電気化学を調べるために、電極を乾燥
ジクロロメタンと電解質としてのヘキサフルオロリン酸テトラブチルアンモニウ
ム(0.1M)を含むセルに移した。そのセルは、銀偽参照電極と対電極として
のアルミニウム棒を含んだ。サイクリックボルタモグラム(100mV/秒、0
〜1.1〜0 V)を、安定で再現性のあるスキャンが得られるまで繰り返した
。単層のサイクリックボルタモグラムは、電気めっきカルバゾールポリマーサイ
クリックボルタモグラムとは異なることがわかった。純粋な二量体型単層は、キ
ャスト電極で観察される二ピークボルタモグラム(実施例3に記述)ではなく、
単酸化還元ピーク過程をもたらした。
【0109】 (ii)水性条件での電気化学 次のように、作用電極を何段階かのアセトニトリル:水混合液を通してから、
(電気化学的分析を水溶液環境で行なうために)水溶液中に設置した。電極をア
セトニトリル中に15分間浸漬した。その後、電極を取り出し、8mlの溶液を
採取して、2mlの溶液を捨てた。その溶液をMilli Q水で10mlにし
、電極をアセトニトリル:水混合液に戻して15分間浸漬した。このアセトニト
リル:水混合液の2mlを捨てMilli Q水で10mlにする工程を4回繰
り返し、各回15分間浸漬した。次にアセトニトリル:水混合液を捨て、電極を
水流で濯ぎ、最後にきれいなMilli Q水に15分間浸漬した。これは純粋
なアセトニトリルから純粋な水まで全部で6回の浸漬期間になる。これは、電極
を水性環境に漸進的に順化させ、従ってより安定な単層を形成させることにより
、サイクリックボルタモグラムを改善する効果をもった。
【0110】 水性環境での電気化学は図14に概略を示す配置を持つセルで行なった。図1
4に関して、セルは100mlのガラスビーカー(50)に形成され、Sure
Flow(商標)(英国Orion社)Ag/AgCl(内側)−KCl(外
側)参照電極(52)、きれいなコイル状白金対電極(54)および単層が結合
している金作用電極(56)からなった。電解質溶液(58)は(特に断らない
限り)脱イオン水中のヘキサフルオロリン酸ナトリウムとした(理解しやすいよ
うに図14では各部品の電気接続を省略した)。作用単層電極をこのセルに入れ
、100mV/秒で0から0.6Vまで次に−0.1Vまでそして0Vに戻るサ
イクリックボルタモグラムを作成した。安定したサイクリックボルタモグラムが
得られるまでスキャンを反復(およそ6回)した。
【0111】 前述のように、次に、電流効果を観察し測定できるように、分析の方法をクロ
ノアンペロメトリーに変えた。安定で再現性のあるスキャンが形成されてベース
ラインを与えるまでアッセイを再び繰り返した。
【0112】 4.3 水性条件で単層を分析物検出器として使用すること 上述のように水性条件で安定させた電極を、単層表面を傷つけないように気を
つけながら、ティッシュペーパーで乾燥した。次に試験試料または対照試料(抗
カルバゾール抗体を含むものまたは含まないもの)を電極表面にピペッティング
し(25μl、0.14mg/ml総Ig)、電極を室温で15分間平坦な表面
に放置した。その後、電極を振って水気を飛ばし、水流で洗浄した。次に電極を
セルに戻し、クロノアンペロメトリースキャンをベースラインスキャンと同じ条
件で測定した。比較が可能なように2つの試料を使用した。一方の試料(対照)
は抗カルバゾールIgGを含まないもの(免疫化前血清試料)、他方の試料は関
連する抗カルバゾールIgGを含むもの(抗体試料)である。したがって免疫化
前血清試料は陰性対照試料であり、一方、抗体試料はカルバゾールへの関連抗体
の結合に由来する効果を示すことが予想された。
【0113】 結果は、予想通り、陰性対照スキャンが図7に示すように減少したピーク値を
与えることを示している。図7は時間に対するmCのグラフを示す。ベースライ
ンプロットは1、免疫前血清の存在下に得られたプロットは2と記している。逆
に、免疫抗カルバゾール抗体で処理した電極の複製試料は、それぞれ7.73m
C(図8)と7.18mC(図9)増加したピーク高さを持つスキャンを示した
。図8と図9では、やはり、ベースラインプロットは1、抗体存在下の実験プロ
ットは2と記している。
【0114】 実施例5−もう一つの電極表面の調製 (フェロセニルカルボニルオキシ)ウンデシルチオールの製造 上述の物質を、固体支持材に取り付けるもう一つの電気活性化学成分として使
用するために合成した。フェロセンカルボン酸(3.45g、15mmol)を
ヘプタン(50ml)と塩化オキサリル(9.5g、75mmol)に溶解し、
1時間撹拌した。次にその反応混合物を加熱して、残りのカルボン酸を溶解し、
さらに45分間撹拌した。溶媒を減圧下に濃縮して過剰の塩化オキサリルを除去
した。ヘプタン(30ml×2)を加え、減圧下に濃縮して、残留している痕跡
量の塩化オキサリルがすべて確実に除去されるようにした。これにより、生成し
たフェロセンカルボン酸塩化物は暗赤色化合物として残った。
【0115】 フェロセンカルボン酸塩化物を11−ブロモウンデカノール(3.46g、1
3.8mmol)およびトリエチルアミン(3g、30mmol)と共にジクロ
ロメタン(150ml)に溶解し、室温で2日間撹拌した。その反応混合物をジ
クロロメタンを溶媒としてシリカゲルで分離した。得られた生成物は11−(フ
ェロセニルカルボニルオキシ)ウンデカンブロミドだった。
【0116】 ナトリウムハイドロサルフェート水和物(sodium hydrogens
ulphate hydrate)(Aldrich社、1g×20mmol)
を粉砕してDMF(50ml)に溶解し、室温で撹拌した。これに11−(フェ
ロセニルカルボニルオキシ)ウンデカンブロミド(0.5g、10mmol)を
加え、1時間還流(60℃)して(フェロセニルカルボニル)ウンデシルチオー
ルを得た。
【0117】 また、この電気活性ハプテンに対する抗体の生成と試験を容易にするために、
KLHとBSAを用いてフェロセニルカルボニルウンデカン化合物のコンジュゲ
ートを調製した。KLHコンジュゲートは、KLHをカルバゾール化合物の代わ
りに(フェロセニルカルボニルオキシル)ウンデシルチオール(2mg、50μ
l DMSO/150μl PBS)と反応させた点以外は、基本的にカルバゾ
ール化合物(4.5(i))について先に記述したように調製した。同様に、B
SAコンジュゲートはちょうど(4.5(ii))に記述したようにして、ただ
しカルバゾール化合物の代わりにフェロセニル化合物を使って調製した。
【0118】 抗カルバゾール抗体(3.3)の生産について上に記述したように、KLHコ
ンジュゲートを使ってウサギで抗(フェロセニルカルボニルオキシル)ウンデシ
ル抗体を生成させ、先に記述したように(3.5)、BSAコンジュゲート被覆
マイクロタイタープレートでのELISAによって試験した。その結果(簡略の
ために省略)は、よいハプテン特異的反応が得られることと、追加免疫したウサ
ギから得られるポリクローナル血清が1/1000を超える血清希釈率でバック
グラウンドより高い抗ハプテンELISA反応を与えることを示した。
【0119】 実施例6 カルバゾール二量体の単層への抗カルバゾール抗体の結合を電気化学的アッセ
イによって直接うまく検出できることが実証されたので、本発明者らは、この原
理に基づいて、対象分析物エストロン−3−グルクロニド(E3G)用アッセイ
の発明に着手した。このようなアッセイの策定の第一段階は、二重特異性抗E3
G/抗カルバゾール抗体構築体の調製だった。
【0120】 6.1 scFv4155抗E3G抗体フラグメントの単離 基本的にWardら(Nature 1989 341,544)が記述して
いるようにして、E3Gに対する特異性を持つscFvをコードするDNAをハ
イブリドーマ細胞株4155から単離し、大腸菌発現プラスミドpHENに組み
立てた。活性な対応抗体フラグメントを、修飾M13 の遺伝子IIIタンパク
質との融合タンパク質としてのファージディスプレイによって単離した。scF
vは、そのVLのC末端を、精製用のポリヒスチジン残基を含有するペプチド配
列と検出用の二次抗体(抗ヒドロフィルII)によって認識される配列で標識さ
れた。(抗体抗ヒドロフィルIIはEP 0 456 790に開示されていて
、それを得る方法もそこに示されているが、そこではこの抗体が「抗親水性テー
ル」と呼ばれている)。得られた構築体のDNA配列を配列番号1として添付の
配列表に示す。コードされているポリペプチドのアミノ酸配列は配列番号2とし
て添付の配列表に示す。
【0121】 6.2 抗カルバゾールHCVフラグメントHCV3とHCV24の単離 抗カルバゾールHC−Vドメインをコードする遺伝子を、基本的に下記のよう
に単離した。それらの遺伝子を、制限エンドヌクレアーゼPstIとBstEI
Iを使って標準的分子生物学的手法により、M13ファージディスプレイプラス
ミドに遺伝子III融合物としてクローニングした。以下に簡単に説明する。
【0122】 (i)ラマHC−Vドメインをコードする遺伝子フラグメントの単離 担体PPDにカップリングしたカルバゾール(免疫化1回あたり250〜50
0μg)を使ってラマを2〜4週間間隔で8回免疫化した。最後の免疫化の5日
後に、約200mlの血液試料を採取し、濃縮リンパ球集団をフィコール(Ph
armacia社)不連続勾配遠心分離で得た。それらの細胞から、全RNAを
酸チオシアン酸グアニジン抽出によって(例えばChomczynnskとSa
cchi(1987)が記述している方法で)単離した。第一鎖cDNA合成(
Amersham第一鎖cDNAキットを使用)後に、HC−Vフラグメントと
、長いまたは短いヒンジ領域の一部をコードするDNAフラグメントを、特異的
プライマーV−2B、Lam−07およびLam−08を用いるPCRによっ
て増幅した: PstI V−2B 5’−AGGTSMARCTGCAGSAGTCWGG−3’ (
配列番号3) S=CおよびG、M=AおよびC、R=AおよびG、W=AおよびT Lam−07 HindIII 5’−AACAGTTAAGCTTCCGCTTGCGGCCGCGGAGCT
GGGGTCTTCGCTGTGGTGCG−3’ (配列番号4) Lam−08 HindIII 5’−AACAGTTAAGCTTCCGCTTGCGGCCGCTGGTTG
TGGTTTTGGTGTCTTGGGTT−3’ (配列番号5) そのPCRフラグメントをPstI(アミノ酸L−QをコードするHC−Vド
メインのコドン4および5と一致する)とBstEII(HC−V遺伝子フラグ
メントの3’末端に位置し、アミノ酸配列Q−V−Tと一致する)で消化した後
、300〜400bpの長さを持つDNAフラグメント(HC−Vドメインをコ
ードするが、最初の3コドンと最後の3コドンを欠く)をゲル電気泳動とアガロ
ースゲルからの単離によって精製した。これらPstI/BstEIIフラグメ
ントを修飾pHEN系ファージディスプレーベクターに挿入して、HCV遺伝子
をM13 の遺伝子IIIにHIS6−myc配列を介して連結した。このライ
ブラリーをエレクトロポレーションによって大腸菌XL−1Blueに形質転換
して2.7×10個の形質転換体を得た。
【0123】 (ii)アフィニティーパンニングを用いたカルバゾール結合性HCVフラグ
メントの選択 2TY/Amp/グルコース15mLと抗カルバゾールライブラリー50μL
から出発して先端にHCVフラグメントを発現するファージを調製し、培養物が
対数期(A600=0.3〜0.5)に達するまで生育した。M13K07ヘル
パーファージを加え、その培養を振とうせずに37℃で30分間インキュベート
した。感染細胞を5000rpmで10分間遠心し、細胞ペレットを200mL
の2×TY/Amp/Kanに再懸濁した。37℃で終夜インキュベートした後
、細胞を遠心分離によって除去した。ファージを次のPEG沈殿法によって上清
から単離した:1/5量のPEG/NaCl(20%ポリエチレングリコール8
000、2.5M NaCl)を加え、よく混合し、氷水中に1時間放置する;
ファージ粒子を8000rpmで30分間の遠心分離によってペレットにする;
そのファージペレットを水20mLに再懸濁し、PEG/NaCl溶液4mLを
加える;混合し、氷水中に15分間放置する;ファージ粒子を5000rpmで
15分間の遠心分離によってペレットにする;そのファージペレットを2%Ma
rvelを含むPBS2mLに再懸濁する。
【0124】 炭酸緩衝液(100mg/ml)中のOVA−カルバゾール1mlを使って3
7℃で終夜被覆したNuncイムノチューブ(5mL)をPBSで3回洗浄し、
2%Marvelを含有するPBSで37℃で1時間ブロックした。1mLのフ
ァージ懸濁液をそのチューブ(と対照チューブ)に加え、ときおり振とうしなが
ら室温で2時間インキュベートした。チューブをPBS−Tで20回、次いでP
BSで20回洗浄することにより、未結合のファージを除去した。結合したファ
ージを1mLの溶出緩衝液(0.1M HCl/グリシンpH2.2/1ml/
mL BSA)で溶出した。室温で15分後に、2Mトリス60mLを加えるこ
とによって、その混合物を中和した。9mLの対数期大腸菌XL−1 Blue
を加えることによって溶出したファージを回収した(また溶出したファージ10
μlを使って対数期大腸菌D29AIも感染させた)。また、4mLの対数期大
腸菌XL−1Blueもイムノチューブに加えた。どちらの培養物も振とうせず
に37℃で30分間インキュベートすることで感染させた。その画分をプールし
、10−1〜10−6の連続希釈液を2TY/Amp/グルコース選択プレート
に撒いた。
【0125】 選択実験の結果 チューブ1本あたりのファージ投入量 1013 対照チューブから回収されたファージ 5×10 OVA−カルバゾール被覆プレートから回収されたファージ 3×10 (iii)特異的カルバゾール結合性HC−Vドメインの単離 HIS6mycテールを持つ可溶性HC−Vフラグメントを製造するために、
1回目のパンニング後に得られた個々のコロニー(大腸菌D29AI株中)を、
1ウェルあたり200μlの2TY/Amp/グルコース培地を含有する96ウ
ェルマイクロタイタープレートで生育した。培養物がOD600=0.5に到達
したら直ちに、それらの培養物のうち150μlをV底96ウェルプレートに移
し、細胞を遠心分離によってペレットにした。その大腸菌細胞ペレットを200
μlの2TY/Amp/IPTGに再懸濁し、25℃で終夜(振とうしながら)
インキュベートした。上清中の特異的カルバゾール結合HC−Vフラグメントの
存在は次のように決定した。
【0126】 炭酸緩衝液中のOVA、BSA、OVA−カルバゾールまたはBSA−カルバ
ゾール(100μg/ml)で感作したマイクロタイタープレートをPBS−T
で1回洗浄し、1ウェルにつき200μLのブロッキング緩衝液(PBS−T中
1%BSA)と共に37℃で1時間インキュベートした。次に、大腸菌上清を等
体積のブロッキング緩衝液と混合した。これらの試料のうち50μLを感作した
マイクロタイタープレートの各ウェルに加えた。抗体フラグメントを37℃で1
時間抗原に結合させた。PBS−Tで4回洗浄することにより、未結合のHCV
を除去した。モノクローナル抗myc抗体Nr4111の1μg/mL溶液(ブ
ロッキング緩衝液中)100μLを各ウェルに加え、37℃で1時間インキュベ
ートした。PBS−Tで4回洗浄することにより、未結合の抗体をすべて除去し
た。アルカリ性ホスファターゼ結合抗マウス抗体の適当な希釈液(ブロッキング
緩衝液中)100μLを各ウェルに加えた(37℃で1時間インキュベート)。
PBS−Tで4回洗浄することにより、未結合のコンジュゲート化抗体をすべて
除去した。各ウェルに100mLの基質溶液(1Mジエタノールアミン/1mM
MgCl中1mg/ml pNPP)を加えることにより、アルカリ性ホス
ファターゼ活性を検出した。
【0127】 この方法で、いくつかの特異的抗カルバゾールHC−Vフラグメントが単離さ
れたが、その中の2つをそれぞれHCV3、HCV24と名付けた。HCV3の
DNA配列とアミノ酸配列を添付の配列表にそれぞれ配列番号6および7として
示す。HCV24のDNA配列とアミノ酸配列は添付の配列表にそれぞれ配列番
号8および9として示す。これらのフラグメントの抗原結合特異性をELISA
で決定したところ、これらのフラグメントが所望の抗カルバゾール結合活性を有
することが明らかになった。
【0128】 HCV−カルバゾール相互作用のチオシアン酸アンモニウム(ATC)感受性
(結合強度の相対尺度)は、基本的に上述したようなプロトコールを使って、H
CV含有上清と共に様々な濃度のATCを含めることにより、HCV3とHCV
24のどちらについても0.5M(値=結合シグナルが最大値の50%であった
ATC濃度)と決定された。
【0129】 6.3 抗カルバゾールHCVドメインの発現と精製 PstI/BstEII HCV3およびHCV24遺伝子フラグメントをP
.pastoris形質転換/発現ベクターpPIC9にサブクローニングした
。これは2つのクローニング段階を伴い、第一段階では、ファージディスプレー
ベクターpUR4536から得られるPstI/BstEII HCV3および
HCV24フラグメントをpUC.Y−HIS2tシャトルベクターにサブクロ
ーニングして、それぞれpUC.Y−HCV3−HIS2tとpUC.Y−HC
V24−HIS2tを得た。図10はプラスミドY−HCV−HIS2t構築体
の地図を示す。次の段階では、XhoI/EcoRI HCV−HIS2tフラ
グメントをこれらの中間体から切り出し、XhoI/EcoRIで開裂したpP
IC9に挿入してpPIC.HCV3−HIS2tとpPIC.HCV24−H
IS2tを得た。図11はプラスミドpPIC.HCV構築体の地図を示す。p
PIC.HCV3−HIS2tとpPIC.HCV24−HIS2tの発現産物
のアミノ酸配列を添付の配列表の配列番号10と11に示す。
【0130】 P.pastoris細胞は基本的にP.pastoris発現系の供給者(
Invitrogen社)が推奨しているとおりに形質転換した。簡単に述べる
と、P.pastoris GS115細胞をYPD培地(1%酵母エキス、2
%ペプトン、1%グルコース)500ml中30℃でOD600=1.4まで終
夜生育した。その細胞を遠心分離し、ペレットを滅菌蒸留水で洗浄してから、K
DTT緩衝液(50mMリン酸カリウムpH7.5、25mM DTT)100
mlに再懸濁した。37℃で15分間インキュベートした後、細胞をペレットに
し(3分間、3000rpm)、氷冷STM緩衝液(92.4gグルコース/l
、10mMトリスHCl、pH7.5、1mM MgCl)100mlに再懸
濁した。
【0131】 この緩衝液で5回洗浄した後、細胞ペレットをSTM緩衝液0.5mlの最終
体積に再懸濁した。HO 2μl中のDNA約2〜5μg(BglII消化p
PIC構築体;フェノール/クロロホルム抽出と沈殿によって精製したDNA)
を新しいコンピテントP.pastoris細胞70μlと混合した(氷上)。
細胞をBioRad Gene−Pulserで、0.2cmキュベット中1.
5kV、400Ω、25μFでエレクトロポレートした。エレクトロポレーショ
ンの直後に、1mlのYPD培地を細胞に加えた。30℃で1時間の回復後に、
細胞をペレットにし、1Mソルビトール200μLに再懸濁し、MM平板(1.
34%YNB、4×10−5%ビオチン、1%グルコース、0.15%寒天)に
撒いた。形質転換細胞によって形成されたコロニー(His)は30℃で48
時間以内のインキュベーションで視認できた。形質転換されたP.pastor
is細胞GS115は基本的にInvitrogen社Pichia past
oris発現マニュアルで推奨されているとおりに選択した。His形質転換
体を含む平板を使ってMutおよびMut表現型を次のようにスクリーニン
グした:滅菌爪楊枝を使ってコロニーをMM平板(1.34%YNB、4×10 −5 %ビオチン、0.5%MeOH、0.15%寒天)とMD平板の両方に、必
ずMM平板を最初にパッチするようにして、規則正しい模様にパッチした。各構
築体について約100個の形質転換体を拾った。30℃で2〜3日平板をインキ
ュベートした後、その平板を採点した。MD平板上では正常に生育するがMM平
板上ではほとんど成長しないか全く成長しないコロニーをMutクローンと分
類した。
【0132】 形質転換され選択されたP.pastorisクローンを、以下に概略を記す
プロトコールを用いて、HCVドメインを発現するように誘導した。i)MD平
板から得た単コロニーを50mlのFalconチューブ中のBMGY(1%酵
母エキス、2%ペプチド、100mMリン酸カリウムpH6.0、1.34%Y
NB、4×10−5%ビオチン、1%グリセロール)10mlに接種した;ii
)その培養物を振とう培養器(250rpm)中30℃で、OD600=2〜8
まで生育した;iii)培養物を2000gで5分間遠心分離し、細胞をBMM
Y培地(1%酵母エキス、2%ペプトン、100mMリン酸カリウムpH6.0
、1.34%YNB、4×10−5%ビオチン、0.5%グリセロール)2ml
に再懸濁した;iv)培養物を培養器に戻した;v)24時間後に誘導を維持す
るために20μLのMeOHを培養物に加えた;vi)48時間後に細胞を遠心
分離で除去することによって上清を収集した。
【0133】 個々の上清をSDS−PAGEとELISAでアッセイし、単一のHCVドメ
イン産生クローンを使ってこの工程をスケールアップすることにより、より大量
の抗体フラグメントを得た。
【0134】 培養上清(200mL、pH6〜8)を0.45μ低タンパク質結合セルロー
スアセテートフィルター(Nalge Nunc Intl.社)を通して清澄
化し、Ni−NTA Superflowカラム(5mL、英国Qiagen社
)に2mL/分でのせ、PBSAで280nmの吸光度がベースラインに達する
まで洗浄した。5カラム体積にわたる0−500mMイミダゾールの直線的勾配
による溶出の後、PBSAで予め平衡化したG−25Sephadex(ベッド
体積150mL、Pharmacia社)のカラムに通し、4mL画分ずつ集め
ることによって、直ちに緩衝液交換した。ピーク画分をSDS−PAGEとEL
ISAでアッセイし、合わせ、小分けして凍結乾燥した。
【0135】 6.4 二重特異性scFv4155−HCV3およびHCV24構築体の構
築 scFv4155−HCV3−HIS2tおよびscFv4155−HCV2
4−HIS2t二重特異性抗体フラグメントの構築は2つのクローニング段階を
伴う。第一段階では、scFv4155のC末端とHCVフラグメントのN末端
の融合を可能にする柔軟なポリペプチドリンカーをコードする合成XhoI/P
stIフラグメント(pUR4124:VL−Lys−合成リンカー−VH−L
ys EcoRI/HindIIIインサートを含有するpUCベクター:DN
A配列とコードされているアミノ酸配列をそれぞれ添付の配列表の配列番号12
と13に示す)を、XhoI/PstIで開裂したY−HCV3−HIS2tと
Y−HCV24−HIS2tに挿入して、それぞれY.link−HCV3−H
IS2とY.link−HCV24−HIS2tを得た。第二段階では、Y.l
ink−HCV−HIS2t構築体から得たXhoI/EcoRIフラグメント
をBstEII/EcoRIで開裂したpIC.scFv4155−HIS2t
にVL4155コードBstEII/XhoIフラグメント(同じベクターから
単離したもの)と共に挿入して、それぞれpPIC−scFv4155−lin
k−HCV3.HIS2tとpPIC.scFv4155−link−HCV2
4.HIS2tを得た。図12はプラスミドpPIC.scFv4155−HC
Vに基づく構築体の地図を示す。pPIC.scFv4155−link−HC
V3.HIS2tとpPIC.scFv4155−link−HCV24.HI
S2tの発現産物のアミノ酸配列をそれぞれ添付の配列表の配列番号14と15
に示す。
【0136】 P.pastoris形質転換体を、形質転換前にpPIC DNAをBgl
IIの代わりにDraIで消化した点以外は、基本的に6.3に記述したように
単離した。粗製P.pastoris上清を、Bio−Rad mini−Pr
otean IIシステムを使った12%アクリルアミドゲルでの分析により、
scFv−HCV融合タンパク質の産生について試験した。E3G、カルバゾー
ルおよび二重特異性結合活性は、次のように、ELISAで示された:(a)9
6ウェルELISAプレート(Greiner HCプレート)を37℃で終夜
活性化し、200μl/ウェルのOVA−E3GまたはOVA−カルバゾールコ
ンジュゲートで37℃で終夜活性化した;(b)PBSTで1回洗浄した後、ウ
ェルを1ウェルあたり200μLのブロッキング緩衝液と共に37℃で1時間イ
ンキュベートした(ブロッキング緩衝液:PBS−T中1%BSA);(c)試
験試料の連続希釈液(100μL)を等体積のブロッキング緩衝液と混合し、感
作したELISAウェルに加えた。プレートを37℃で1〜2時間インキュベー
トした;(d)ブロッキング緩衝液中の抗ヒドロフィルIIモノクローナル(ク
ローンNr4890)100μLを各ウェルに加え、37℃で1時間インキュベ
ートした;(e)PBS−Tで4回洗浄することによって未結合の抗体を除去し
た;(f)アルカリホスファターゼ結合抗マウス抗体の適当な希釈液(ブロッキ
ング緩衝液中)100μLを各ウェルに加えた(37℃で1時間インキュベート
);(g)PBS−Tで4回洗浄することにより、未結合のコンジュゲート化抗
体を除去した。各ウェルに100mLの基質溶液(1Mジエタノールアミン/1
mM MgCl中1mg/ml pNPP)を加えることにより、アルカリホ
スファターゼ活性を検出した。
【0137】 もう一つの選択肢として、二重特異性カルバゾール/E3G結合性HC−Vフ
ラグメントの存在を、そのフラグメントをOVA−カルバゾール被覆プレートに
結合させて、その後のE3G−APコンジュゲートとのインキュベーションによ
ってE3G結合活性を検出することによって検出した。PBSTで1回洗浄した
後、100μl/ウェルのpNPP基質(1Mジエタノールアミン/1mM M
gCl中の1mg/mL pNPP)を添加することによって、捕捉されたE
3G−APを検出した。要約すると、その結果は、scFv4155−HCV3
およびscFv4155−HCV24二重特異性分子がE3Gとカルバゾールの
両方に結合できることを示した。
【0138】 実施例7 エストロン−3−グルクロニドのアッセイ 望ましい2つの結合特異性を持つ二重特異性免疫グロブリン分子が得られたの
で、本発明者らはE3G対象分析物の存在を本発明に従って決定するアッセイを
行なうことができた。
【0139】 7.1 電気化学的検知層の構築 電極は実施例4.6の説明に従って調製した。
【0140】 7.2 電気化学的測定用セルの構築 (参照番号は図2に示す整数を指す) 厚さ約0.5mmの薄いプラスチックシートのストリップをスペーサーとして
使用し、電極をとりまく電極支持材表面(図2の10)に両面接着テープで貼っ
た。このようにして深さ0.5mmの小室が金電極の周りに形成され、毛管充填
装置になった。これにより、50μlの試料を電極の上に置いてインキュベート
することができた。もう一つのタイプでは、プラスチックのふたを小室の上に設
置するが、2つの末端は開けておいた。検査の結果、その小室を満たすには10
μlの液体で足りることと、電気化学的測定を行なうとそのふたがない場合とほ
とんど同じ結果を与えることが示された。
【0141】 7.3 E3GおよびED3Gコンジュゲートの形成 新たに調製したEDC(1−エチル(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミ
ド、0.1M)とNHS(N−ヒドロキシスクシンイミド、0.02M)の溶液
2mlに2.6mgのE3GまたはED3Gを再懸濁し、室温で15分間インキ
ュベートすることにより、エストロン3−グルクロニド(E3G)またはエスト
ラジオール3−グルクロニド(ED3G)オボアルブミンコンジュゲートを調製
した。
【0142】 そのE3GまたはED3G溶液に、2mlのオボアルブミン(10mg/ml
)を加え、それを一定に撹拌しながら室温で2.5時間インキュベートした。
【0143】 次に、そのコンジュゲート化したE3GまたはED3Gオボアルブミン溶液を
0.1%アジ化ナトリウムを含む1Lのリン酸緩衝食塩水に対して16時間透析
した。
【0144】 7.4 免疫化学的表面の構築 電極に直面するふた(16)の表面(典型的にポリカーボネートまたはポリス
チレン)を修飾してアッセイ表面(18)を形成させた。そのプラスチック表面
をリン酸緩衝食塩水pH7.2(PBS)中0.5mg/mlの溶液と共に室温
で2時間インキュベートすることにより、そのプラスチック表面に、上記実施例
7.3のようにオボアルブミンに結合したエストロン−3−グルクロニド(競争
アッセイ用)またはエストラジオール−3−グルクロニド(置換アッセイ用)を
吸着させた。その表面をPBSで濯いで過剰のコンジュゲートを除去し、ホット
ヘアドライヤーで30秒間乾燥した。次に、その表面を双頭型抗体の溶液(PB
S中100μg/ml)と共に室温で30分間インキュベートすることにより、
その表面に、実施例6に記載の双頭型抗体scFv4155−HCV3(22)
を装填した。
【0145】 7.5 電気化学的測定用セルの調製 実施例4.7(ii)に記述したように、ふたのないセルで、安定なベースラ
インスキャンを得た。
【0146】 7.6 エストロン−3−グルクロニド(E3G)のアッセイ 電極を窒素の気流で乾燥した。過剰の抗体をPBSで表面から濯ぎ落とし、ふ
た(16)を振って液体を振り落としてから(またある実験では風乾したが、ア
ッセイ結果に目立った影響はなかった)、それを電極室の上に取り付けた。直ち
にその小室を、測定しようとする試料(20)で満たした。この例では、試料は
PBS中に既知の濃度(0〜50μg/ml)で調製したE3Gの溶液だった。
E3Gを含有する試料では、双頭型抗体が免疫化学的表面から置換または競争的
に脱離されて、電極表面のカルバゾール二量体基(12)に結合できるようにな
る。セルは4.7(ii)に記述したように設置し、20分間反応させた。
【0147】 7.7 電気化学的反応の測定 毛管を振って空にし、蒸留水で洗浄した。次に電解質溶液を毛管充填装置に戻
し、電気的測定値、ここではクロノアンペロメトリーの測定値を(4.7(ii
)と同様に)測定し、バックグランドスキャンと比較して、実施例3.10に記
述したようにΔQ値を計算した。
【0148】 7.8 アッセイ曲線 図15は、添加する分析物E3Gの濃度を増やした8つのセルについてのアッ
セイ曲線(用量反応、E3Gの濃度(単位μg/ml)に対するΔμQ)である
。典型的な免疫アッセイ曲線形状が見られる。ピーク反応は10μg/mlと2
0μg/mlの間のE3G濃度で得られた。2つの重要な対照も図に示されてい
る:PBS(Con2)またはPBS中のE3G(50μg/ml)(Con1
)は、双頭型抗体の不在下で、電気化学的変化を引き起こさなかった。
【0149】 7.9 小室の深さを減らしたアッセイ 更なる実験では、両面接着テープのみをスペーサーとして使用することにより
小室の深さを減らし(小室の深さをおよそ1/5、0.1mm前後にする)、実
質的に上述したようにアッセイを繰り返した。ビーカーをE3G試料溶液(25
μg/ml)で満たし、その溶液は毛管作用により毛管装置に入った。スキャン
はできるだけ早く(約20秒後)行ない、その後、約1分間隔でさらなるスキャ
ンを行なった。図16(時間(単位:秒)に対するμC)に示す結果は、極めて
早いシグナルの発生(ΔQ の最大値はわずか1、2分後に得られる)を示し、
この装置が試料のリアルタイムのモニタリングと分析を可能にすることを示して
いる。図16に関して、(A)はバックグラウンドスキャンであり、(B)は2
0秒後に得られるスキャン、(C)(D)(E)および(F)はそれぞれ1、2
、3および4分後に得られるスキャンである。基本的に1、2分後にはスキャン
の形にさらなる変化がなかったことがわかる。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1A〜Dはそれぞれピロール類、フラン類、チオフェン類およびカルバゾー
ル類の一般構造を示す。
【図2】 図2は本発明の方法、部品およびアッセイ装置の概略図である。
【図3】 図3は本発明の方法、部品およびアッセイ装置の概略図である。
【図4】 図4AとBはサイクリックボルタモグラムの結果を示す。
【図5】 図5は様々な濃度のIgGに関するΔQの棒グラフである。
【図6】 図6は、本発明方法の実施と本発明部品の製作での使用に適した化合物を調製
するために使用した反応図式の概略図である。
【図6a】 図6aは、本発明方法の実施と本発明部品の製作での使用に適した化合物を調
製するために使用した反応図式の概略図である。
【図7】 図7は時間に対するmCのグラフである。
【図8】 図8は時間に対するmCのグラフである。
【図9】 図9は時間に対するmCのグラフである。
【図10】 図10は本発明方法での使用に適した試薬を得るのに役立つプラスミド構築体
の概略図である。
【図11】 図11は本発明方法での使用に適した試薬を得るのに役立つプラスミド構築体
の概略図である。
【図12】 図12は本発明方法での使用に適した試薬を得るのに役立つプラスミド構築体
の概略図である。
【図13】 図13は本発明の様々な側面を実施する際に有用な化学成分の概略図である。
【図14】 図14は様々な電極被膜の電気化学的特性を調べるために使用される電気化学
セルの概略図である。
【図15】 図15は本発明方法に従ってE3G対象分析物を検出するために使用した本発
明アッセイ装置に関する用量反応曲線を示すグラフである。
【図16】 図16は時間に対するμCのグラフである。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成11年12月15日(1999.12.15)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 [式中、RとRは同一でなく、H;OH;C−C14アルキル、アリール
、アルケニルまたはアルコキシ(すべて任意に置換されていてもよい);ハライ
ド;アミド;またはアミンであり、さらにその複素芳香環構造は一つまたはそれ
以上の位置がアルキル、アリール、アルケニルまたはアルコキシ基(すべてそれ
ら自体が任意に置換されていてもよい)、酸基(有機酸または無機酸基)、ハラ
イド、アミドまたはアミンで置換されていてもよい]。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,L U,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO ,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG, SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,U G,US,UZ,VN,YU,ZW Fターム(参考) 4C204 BB04 BB09 CB25 DB01 EB01 FB01 FB02 GB01 4H045 AA11 DA75 FA44

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学成分がその上に固定化されている電気伝導性固体支持材
    を含む部品であって、前記化学成分が電気活性部分(その電気活性部分に対して
    特異的結合活性を持つ結合パートナーの、その電気活性部分への結合により、検
    出可能な様式で直接変調されうる電気化学的特性を持つもの)を含む、試料中の
    対象分析物の存在を検出する装置の部品。
  2. 【請求項2】 電気伝導性固体支持材が金、白金、金属酸化物、炭素/グラ
    ファイト、ケイ素またはケイ酸塩を含む請求項1の部品。
  3. 【請求項3】 電気化学的特性の変調が化学成分の酸化または還元を伴う請
    求項1または2の部品。
  4. 【請求項4】 電気活性部分が免疫原またはハプテンを含み、結合パートナ
    ーが電気活性部分に対する結合特異性を持つ免疫グロブリンまたはその有効抗原
    結合部分を含む請求項1、2または3のいずれか一項の部品。
  5. 【請求項5】 化学成分が適度に疎水性の有機物を含む先行する請求項のい
    ずれか一項の部品。
  6. 【請求項6】 化学成分が非局在化電子の共役系を含む先行する請求項のい
    ずれか一項の部品。
  7. 【請求項7】 化学成分が有機金属化合物または複素芳香族化合物からなる
    先行する請求項のいずれか一項の部品。
  8. 【請求項8】 化学成分が次の化合物の1またはそれ以上を含む単量体、二
    量体または多量体を含む先行する請求項のいずれか一項の部品: カルバゾール類、フェロセン類、ピロール類、フラン類およびチオフェン類。
  9. 【請求項9】 化学成分の電気活性部分がペンダント鎖部分によって電気伝
    導性固体支持材から分離されている先行する請求項のいずれか一項の部品。
  10. 【請求項10】 ペンダント鎖部分が電気活性部分と電気伝導性固体支持材
    の間の電子の輸送を容易にするように、非局在化電子の共役系を含む請求項9の
    部品。
  11. 【請求項11】 ペンダント鎖部分がアルキル、アルケニル、置換アルキル
    または置換アルケニルである請求項9の部品。
  12. 【請求項12】 鎖部分が一般式(−CH−)(ここでnは3から14
    まで、好ましくは5から12まで(両端を含む)の整数である)に従う請求項1
    1の部品。
  13. 【請求項13】 化学成分が電気伝導性固体支持材上に自己集合性単層を形
    成できる分子である先行する請求項のいずれか一項の部品。
  14. 【請求項14】 先行する請求項のいずれか一項の部品を含む、対象分析物
    の存在を検出するためのアッセイ装置。
  15. 【請求項15】 さらに次の1またはそれ以上を含む請求項14のアッセイ
    装置:試験用試料を受ける受容手段;化学成分の電気活性部分に対して特異的結
    合活性を持つ結合パートナー;化学成分の電気活性部分の電気化学的特性の変調
    を検出するための検出手段;検出手段から出力されたデータを処理するためのデ
    ータ処理手段;およびアッセイ結果を表示するためのデータ表示手段。
  16. 【請求項16】 固体支持材上に遊離できるように固定化された結合パート
    ナーを含み、その結合パートナーが化学成分の電気活性部分に対して特異的結合
    活性を有し、かつ、対象分析物の存在下にその固体支持材から放出される請求項
    14または15のアッセイ装置。
  17. 【請求項17】 化学成分の電気活性部分に対して特異的結合活性を有する
    結合パートナーが遊離できるように固定化されている固体支持材を含み、その結
    合パートナーは対象分析物の存在下にその固体支持材から放出され、電気活性部
    分への結合パートナーの結合が電気活性部分の電気化学的特性を検出可能な様式
    で直接変調させる請求項14の装置用の部品。
  18. 【請求項18】 試料中の対象分析物の存在を検出する方法であって、電気
    活性部分(その電気活性部分に対して特異的結合活性を持つ結合パートナーの、
    その電気活性部分への結合により、検出可能な様式で直接変調されうる電気化学
    的特性を持つもの)を有する化学成分がその上に固定化されている電気伝導性固
    体支持材を用意し;試料中の対象分析物の存在の結果として、その結合パートナ
    ーをその化学成分の電気活性部分と接触させるという各段階を含む方法。
  19. 【請求項19】 請求項1〜13のいずれか一項の部品もしくは請求項14
    、15または16のいずれか一項のアッセイ装置の使用を含む請求項18の方法
  20. 【請求項20】 結合パートナーが結合体として存在し、化学成分の電気活
    性部分に対する第一の特異的結合活性と、それとは異なる第二の特異的結合活性
    とを含む請求項18または19の方法。
  21. 【請求項21】 結合パートナーが二重特異性抗体または二重特異性抗原結
    合免疫グロブリン部分からなる請求項18、19または20のいずれか一項の方
    法。
  22. 【請求項22】 図13に示す構造を持つ電気活性部分を含む化学成分(こ
    こで、RとRは独立して、H;OH;C−C14アルキル、アリール、ア
    ルケニルまたはアルコキシ(すべて任意に置換されていてもよい);ハライド;
    アミド;またはアミンであり、さらにその複素芳香環構造は一つまたはそれ以上
    の位置がアルキル、アリール、アルケニルまたはアルコキシ基(すべてそれら自
    体が任意に置換されていてもよい)、酸基(有機酸または無機酸基)、ハライド
    、アミドまたはアミンで置換されていてもよい)。
  23. 【請求項23】 Rがアルキル、好ましくはエチル、プロピルまたはブチ
    ルである請求項22の化学成分。
  24. 【請求項24】 RがC−C12アルキル、好ましくはC−Cアル
    キルである請求項22または23の化学成分。
  25. 【請求項25】 RまたはRが、末端に位置する反応性置換基チオール
    、カルボキシル、アミド、アミン、ハライド、アルデヒド、ケトン、エポキシド
    またはスクシンイミド基もしくはこの成分の他の物体へのカップリングを容易に
    する他のタンパク質カップリング剤を含むように置換される請求項22、23ま
    たは24の化学成分。
  26. 【請求項26】 請求項22〜25のいずれか一項の化学成分に対して特異
    的結合活性を持つ分子。
  27. 【請求項27】 免疫グロブリン分子またはその有効部分を含む請求項26
    の分子。
  28. 【請求項28】 少なくとも一つのさらなる特異的結合活性を含み、そのさ
    らなる特異的結合活性が対象分析物または対象分析物に向けられた抗体に対する
    活性である請求項26または27の分子。
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