JP2002509912A - シクロプロパンカルボニトリルの製造方法 - Google Patents
シクロプロパンカルボニトリルの製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
シクロプロパンカルボキシアルデヒド(CPCA)と水性ヒドロキシルアミンを、ギ酸を含む反応ゾーンに同時に供給することによる、シクロプロパンカルボニトリル(CPCN)の製造方法を開示する。この方法により、熱分解時に非常に高いエネルギー放出を示す大量のCPCAオキシム中間体の生成と蓄積が避けられる。本発明の更なる態様は、(1)CPCAと水性ヒドロキシルアミンを、ギ酸を含む反応ゾーンに同時に供給してCPCNを含む反応生成混合物を生成させることによりCPCNを合成し、そして、(2)この反応生成混合物を塩基と接触させて、CPCNを含む有機相および水相からなる混合物を得ることにより、 CPCNを単離し回収する工程を含む。CPCN、水及び少量のギ酸を含む共沸混合物気体を反応生成混合物から取り出すと、本発明方法で生成するぎギ酸塩の量と同様に、本発明方法で消費されるギ酸の量も低減できる。
Description
【0001】 本発明は、シクロプロパンカルボニトリル(CPCN)の製造方法に関する。
更に詳しくは、本発明はシクロプロパンカルボキシアルデヒド(CPCA)と水
性ヒドロキシルアミンを、ギ酸を含む反応ゾーンに同時に供給することによりC
PCNを製造することに関する。本発明プロセスにより、熱分解時に非常に高い
エネルギー放出を示す大量のCPCAオキシム中間体の生成と蓄積が避けられる
。本発明の更に別の態様は、(1)CPCA及び水性水性ヒドロキシルアミンを
ギ酸を含む反応ゾーンに同時に供給してCPCNを含む反応生成混合物を形成す
ることによりCPCNを合成する工程並びに(2)該CPCNを単離および回収
する工程を含む。
更に詳しくは、本発明はシクロプロパンカルボキシアルデヒド(CPCA)と水
性ヒドロキシルアミンを、ギ酸を含む反応ゾーンに同時に供給することによりC
PCNを製造することに関する。本発明プロセスにより、熱分解時に非常に高い
エネルギー放出を示す大量のCPCAオキシム中間体の生成と蓄積が避けられる
。本発明の更に別の態様は、(1)CPCA及び水性水性ヒドロキシルアミンを
ギ酸を含む反応ゾーンに同時に供給してCPCNを含む反応生成混合物を形成す
ることによりCPCNを合成する工程並びに(2)該CPCNを単離および回収
する工程を含む。
【0002】 CPCNは、多用でかつ貴重な化合物であることが示されている。例えば、C
PCNは、N−シクロアルキルアニリンなどの農薬へシクロプロパン環を導入す
る重要な合成構築ブロックであり、シクロプロピル基の存在によって農薬の性能
特性が実質的に改良される。
PCNは、N−シクロアルキルアニリンなどの農薬へシクロプロパン環を導入す
る重要な合成構築ブロックであり、シクロプロピル基の存在によって農薬の性能
特性が実質的に改良される。
【0003】 CPCNを調製する従来技術には一般に、ハロブチロニトリルと、水酸化アル
カリ金属のような塩基の反応(J. Am. Chem. Soc., 1927, 49, 2068及びJ. Am. C
hem. Soc., 1929, 51, 1174)又はナトリウムアミドのような塩基の反応(J. Am.
Chem. Soc., 1941, 63, 1734)が含まれる。しかしながら、これらの従来技術の
方法にはある種の問題がある。例えば、これらの反応には通常、高温が必要であ
る。更に、やっかいな副反応および困難で長時間の蒸留方法のため、しばしば生
成物の収率が標準を下まわる。
カリ金属のような塩基の反応(J. Am. Chem. Soc., 1927, 49, 2068及びJ. Am. C
hem. Soc., 1929, 51, 1174)又はナトリウムアミドのような塩基の反応(J. Am.
Chem. Soc., 1941, 63, 1734)が含まれる。しかしながら、これらの従来技術の
方法にはある種の問題がある。例えば、これらの反応には通常、高温が必要であ
る。更に、やっかいな副反応および困難で長時間の蒸留方法のため、しばしば生
成物の収率が標準を下まわる。
【0004】 米国特許第3,853,942号には、高温下での不活性溶媒中におけるハロ
ブチロニトリルとアルカリ金属アルコキシドとの反応によるCPCNの製造と、
生成したアルコールの除去方法が記載されている。しかしながら、アルカリ金属
アルコキシドは比較的高価な反応物であり、また取り扱いも困難である。米国特
許第4,205,009号と英国特許第1,570,319号には、アニオン界
面活性剤と不活性有機溶媒の存在下に、アルコキシドの替わりに水酸化アルカリ
金属を用いる類似の方法が記載されている。しかしながら、この相間移動をより
良く制御するためには、ベンゼンまたはジクロロメタンなどの環境に優しくない
溶媒が必要である。更に、出発物質として4−ハロブチロニトリル(特に4−ク
ロロおよび4−ブロモブチロニトリル)が使用される。そのようなニトリルの調
製方法が、上記J. Am. Chem. Soc. の論文および米国特許第3,853,942
号に記載されている。これらのニトリル類は、典型的にはベンゾイルペルオキシ
ドの存在下における塩化アリルとハロゲン化水素の無水での、フリーラジカル反
応、次いで得られたトリメチレンクロロハライド(50%過剰)とナトリウムシ
アニドのエタノール−水溶媒中における反応によって調製される。このニトリル
の製造方法には、腐食性のハロゲン化水素および毒性が高い金属シアニドを取り
扱うこと及び位置異性体の生成のため生成物の単離が困難であるなどの多くの不
利な点がある。
ブチロニトリルとアルカリ金属アルコキシドとの反応によるCPCNの製造と、
生成したアルコールの除去方法が記載されている。しかしながら、アルカリ金属
アルコキシドは比較的高価な反応物であり、また取り扱いも困難である。米国特
許第4,205,009号と英国特許第1,570,319号には、アニオン界
面活性剤と不活性有機溶媒の存在下に、アルコキシドの替わりに水酸化アルカリ
金属を用いる類似の方法が記載されている。しかしながら、この相間移動をより
良く制御するためには、ベンゼンまたはジクロロメタンなどの環境に優しくない
溶媒が必要である。更に、出発物質として4−ハロブチロニトリル(特に4−ク
ロロおよび4−ブロモブチロニトリル)が使用される。そのようなニトリルの調
製方法が、上記J. Am. Chem. Soc. の論文および米国特許第3,853,942
号に記載されている。これらのニトリル類は、典型的にはベンゾイルペルオキシ
ドの存在下における塩化アリルとハロゲン化水素の無水での、フリーラジカル反
応、次いで得られたトリメチレンクロロハライド(50%過剰)とナトリウムシ
アニドのエタノール−水溶媒中における反応によって調製される。このニトリル
の製造方法には、腐食性のハロゲン化水素および毒性が高い金属シアニドを取り
扱うこと及び位置異性体の生成のため生成物の単離が困難であるなどの多くの不
利な点がある。
【0005】 更なる実験室スケールのCPCNの合成方法には、カルベン挿入または、アク
リロニトリルとのSimmons-Smith 反応(例えばM.Mitainら、J. Chem. Soc., Che
m Commun., 1983, 1446; H.Kanaiら、Bull. Chem. Soc., Jpn. 1983, 56, 1025
参照)又は脱水剤として液状「ジホスゲン」、クロロギ酸トリクロロメチルを用
いるシクロプロパンカルボキシアミドの脱水(K.MaiとG.PAtil, Tetrahedron Let
t., 1986, 27, 2203)が含まれる。これらの方法は実験室での使用には便利であ
るが、商業的スケールで使用する際には重大な安全上の問題を提起し及び/又は
高価な試薬の使用を必要とする。
リロニトリルとのSimmons-Smith 反応(例えばM.Mitainら、J. Chem. Soc., Che
m Commun., 1983, 1446; H.Kanaiら、Bull. Chem. Soc., Jpn. 1983, 56, 1025
参照)又は脱水剤として液状「ジホスゲン」、クロロギ酸トリクロロメチルを用
いるシクロプロパンカルボキシアミドの脱水(K.MaiとG.PAtil, Tetrahedron Let
t., 1986, 27, 2203)が含まれる。これらの方法は実験室での使用には便利であ
るが、商業的スケールで使用する際には重大な安全上の問題を提起し及び/又は
高価な試薬の使用を必要とする。
【0006】 アルデヒドからカルボニトリルを製造する従来技術の方法には一般に、(a)
ジクロロヘキシルカルボジイミド、N,N′−カルボニルジイミダゾール、N,
N′−ジメチルジクロロメタンイミニウムクロリド、ホスホニトリルジクロリド
、フェニルクロロサルファイトまたはセレニウムジオキシドを用いるアルドキシ
ムの脱水;(b)O−置換アルドキシムの1,2−脱離反応;(c)塩基を用い
たアルデヒドトリメチルヒドラゾニウムヨージドとアルデヒドN−トシルイミン
の1,2−脱離反応;(d)沃素含有メタノール中でのアンモニア/ナトリウム
メトキシド又は酸化剤としてアミンイミドを用いるアルデヒドからニトリルへの
変換が含まれる。これらの方法もまた、実験室での使用には便利であるが、安全
上の問題及び/又は高価な試薬を使用するため、大規模の商業的使用には適して
いない。
ジクロロヘキシルカルボジイミド、N,N′−カルボニルジイミダゾール、N,
N′−ジメチルジクロロメタンイミニウムクロリド、ホスホニトリルジクロリド
、フェニルクロロサルファイトまたはセレニウムジオキシドを用いるアルドキシ
ムの脱水;(b)O−置換アルドキシムの1,2−脱離反応;(c)塩基を用い
たアルデヒドトリメチルヒドラゾニウムヨージドとアルデヒドN−トシルイミン
の1,2−脱離反応;(d)沃素含有メタノール中でのアンモニア/ナトリウム
メトキシド又は酸化剤としてアミンイミドを用いるアルデヒドからニトリルへの
変換が含まれる。これらの方法もまた、実験室での使用には便利であるが、安全
上の問題及び/又は高価な試薬を使用するため、大規模の商業的使用には適して
いない。
【0007】 式R−CHOを有するアルデヒドは、ヒドロキシルアミンクロリドと溶媒とし
て大量のギ酸を用いて、ギ酸ナトリウムの存在下または非存在下に、式R−CN
(式中、Rはアリールまたは非環式アルキルである)を有するニトリルに変換さ
れてきた。これらの方法では、Rが芳香族部分または長い脂肪属鎖(但し、nが
4以上のCnである)であると、一般に相応な収率が得られ、そして副反応もよ
り少ない。例えば、T.ven Es (J. Chem. Soc., 1965, 1564)は、1.15当量の
ヒドロキシルアミンと過剰のギ酸ナトリウム(2当量)を大量のギ酸(33当量
)と共に使用して、芳香族ニトリルを良好な収率で得る方法を記載している。し
かしながら、この方法では、n−プロパンカルボニトリルが低収率(30%)で
しか得られない。CPCNの製造方法は述べられていない。G.A.OlahとT.Keumi
(Synthesis 1979, 112)は、芳香族ニトリルと選択されたアルキルニトリルを合
成する類似方法(ギ酸ナトリウムを使用しないことを除いて)を記載している。
ヒドロキシルアミン塩を完全に溶解し、そして副反応を最小にするためには、大
量の、例えば22当量のギ酸が必要である。低級アルキルニトリル、例えば合計
2〜4の炭素原子を有するニトリルを、抽出または蒸留(共沸混合の生成)によ
ってギ酸から単離することは、不可能ではないとしても、非常に困難である。こ
の方法に述べられているような、塩基(5%の水酸化ナトリウム水溶液)による
中和により、20当量を超える塩が廃棄物として生成するであろう。脂肪属ニト
リル類の回収には、非常に強力な抽出が必要となる。Olahらが述べたこの方法を
商業的スケールで使用する場合、重大な問題が起ることは明白である。
て大量のギ酸を用いて、ギ酸ナトリウムの存在下または非存在下に、式R−CN
(式中、Rはアリールまたは非環式アルキルである)を有するニトリルに変換さ
れてきた。これらの方法では、Rが芳香族部分または長い脂肪属鎖(但し、nが
4以上のCnである)であると、一般に相応な収率が得られ、そして副反応もよ
り少ない。例えば、T.ven Es (J. Chem. Soc., 1965, 1564)は、1.15当量の
ヒドロキシルアミンと過剰のギ酸ナトリウム(2当量)を大量のギ酸(33当量
)と共に使用して、芳香族ニトリルを良好な収率で得る方法を記載している。し
かしながら、この方法では、n−プロパンカルボニトリルが低収率(30%)で
しか得られない。CPCNの製造方法は述べられていない。G.A.OlahとT.Keumi
(Synthesis 1979, 112)は、芳香族ニトリルと選択されたアルキルニトリルを合
成する類似方法(ギ酸ナトリウムを使用しないことを除いて)を記載している。
ヒドロキシルアミン塩を完全に溶解し、そして副反応を最小にするためには、大
量の、例えば22当量のギ酸が必要である。低級アルキルニトリル、例えば合計
2〜4の炭素原子を有するニトリルを、抽出または蒸留(共沸混合の生成)によ
ってギ酸から単離することは、不可能ではないとしても、非常に困難である。こ
の方法に述べられているような、塩基(5%の水酸化ナトリウム水溶液)による
中和により、20当量を超える塩が廃棄物として生成するであろう。脂肪属ニト
リル類の回収には、非常に強力な抽出が必要となる。Olahらが述べたこの方法を
商業的スケールで使用する場合、重大な問題が起ることは明白である。
【0008】 最後に、米国特許第5,502,234号には、CPCAからCPCNを高選
択率及び高収率で調製し、そしてニトリル反応物を回収するプロセスが記載され
ている。この方法は、(1)水の存在下にCPCAとヒドロキシルアミン塩基を
反応させてCPCAオキシムを得る工程;(2)工程(1)のCPCAオキシム
とギ酸を接触させてCPCNを得る工程;及び(3)工程(2)で生成したCP
CNを含む混合物と塩基を接触させて、CPCNを含有する有機相と水相を含む
混合物を得る工程を含んでなる3工程を含む。このプロセスは、CPCNの製造
には有用であるが、大量のCPCAオキシム中間体が生成蓄積されるために、安
全上問題がある。CPCAオキシム中間体は、E及びZオキシム異性体を含み、
それらのギ酸エステルを含む可能性がある。このプロセスにおいて生成するCP
CAオキシム中間体は、熱分解時に非常に高いエネルギー放出(E/Z異性体比
率1:1の場合、分解開始温度が91℃で、1684J/g)を示すことが分か
った。ギ酸が存在すると、開始温度がより低くなる(濃度に依存して31〜42
℃)。比較的低い開始温度での分解時における、このような大量のエネルギー放
出は重大な安全上の問題となる。例えば、商業的スケールでの運転において、冷
却及び/又は撹拌手段が損われた場合、爆発的エネルギー放出をもたらすおそれ
がある。大部分の有機オキシムは、大量のエネルギー放出を伴って発熱分解する
。例えば、プロピオンアルデヒドオキシムは、202℃の開始温度を有し、熱分
解エネルギーは2058J/gである。DSC試験により、18種の有機オキシ
ム中16種が、平均220℃で熱分解を開始し、その時の平均エネルギー放出が
約2000J/gであることが分かったと報告されている(T.Ando et al., J.H
azardous Materials, 1991, 28, 251-280)。熱分解により非常に高いエネルギー
が放出されることは、商業的スケールでのCPCNの製造にとって、安全上重大
な懸念である。
択率及び高収率で調製し、そしてニトリル反応物を回収するプロセスが記載され
ている。この方法は、(1)水の存在下にCPCAとヒドロキシルアミン塩基を
反応させてCPCAオキシムを得る工程;(2)工程(1)のCPCAオキシム
とギ酸を接触させてCPCNを得る工程;及び(3)工程(2)で生成したCP
CNを含む混合物と塩基を接触させて、CPCNを含有する有機相と水相を含む
混合物を得る工程を含んでなる3工程を含む。このプロセスは、CPCNの製造
には有用であるが、大量のCPCAオキシム中間体が生成蓄積されるために、安
全上問題がある。CPCAオキシム中間体は、E及びZオキシム異性体を含み、
それらのギ酸エステルを含む可能性がある。このプロセスにおいて生成するCP
CAオキシム中間体は、熱分解時に非常に高いエネルギー放出(E/Z異性体比
率1:1の場合、分解開始温度が91℃で、1684J/g)を示すことが分か
った。ギ酸が存在すると、開始温度がより低くなる(濃度に依存して31〜42
℃)。比較的低い開始温度での分解時における、このような大量のエネルギー放
出は重大な安全上の問題となる。例えば、商業的スケールでの運転において、冷
却及び/又は撹拌手段が損われた場合、爆発的エネルギー放出をもたらすおそれ
がある。大部分の有機オキシムは、大量のエネルギー放出を伴って発熱分解する
。例えば、プロピオンアルデヒドオキシムは、202℃の開始温度を有し、熱分
解エネルギーは2058J/gである。DSC試験により、18種の有機オキシ
ム中16種が、平均220℃で熱分解を開始し、その時の平均エネルギー放出が
約2000J/gであることが分かったと報告されている(T.Ando et al., J.H
azardous Materials, 1991, 28, 251-280)。熱分解により非常に高いエネルギー
が放出されることは、商業的スケールでのCPCNの製造にとって、安全上重大
な懸念である。
【0009】 本発明者は、ギ酸の存在下に、CPCAとヒドロキシルアミンを反応させてC
PCAオキシム中間体を生成させ、ギ酸により迅速に脱水させてCPCNを生成
させる方法によって、CPCNが便利に、安全にそして経済的に商業的スケール
で製造できることを見出した。従って、本発明の一つの態様は、CPCAと水性
ヒドロキシルアミン(aqueous hydroxylamine)をギ酸を含む反応ゾーンに同時に
供給して、CPCN、水およびギ酸を含む反応生成混合物を得ることを含むCP
CNの製造方法である。本発明の第二および第三の態様は、このようにして製造
されたCPCNの回収プロセス工程と組合せた上記のCPCN合成工程を含む。
本発明方法において、CPCAオキシムは、CPCAとヒドロキシルアミンから
迅速に生成し(EおよびZオキシムが約1:1の比率で生成する)、そして、こ
のオキシム中間体は、ギ酸の存在下に、迅速に脱水されてCPCNを生成する。
このようにして、オキシムの蓄積は制御され、そして、全体のプロセスを通して
非常に低いレベルに保持される。例えば、反応媒体または混合物中のオキシム濃
度は、処理量と収率を犠牲にすることなく、反応の任意の時点で、反応混合物の
全重量の5重量%より低いレベルに制御することができる。その結果、プロセス
の間中に冷却及び/又は撹拌が上手く行かない場合でも、危険で暴走的な熱分解
は起こらない。
PCAオキシム中間体を生成させ、ギ酸により迅速に脱水させてCPCNを生成
させる方法によって、CPCNが便利に、安全にそして経済的に商業的スケール
で製造できることを見出した。従って、本発明の一つの態様は、CPCAと水性
ヒドロキシルアミン(aqueous hydroxylamine)をギ酸を含む反応ゾーンに同時に
供給して、CPCN、水およびギ酸を含む反応生成混合物を得ることを含むCP
CNの製造方法である。本発明の第二および第三の態様は、このようにして製造
されたCPCNの回収プロセス工程と組合せた上記のCPCN合成工程を含む。
本発明方法において、CPCAオキシムは、CPCAとヒドロキシルアミンから
迅速に生成し(EおよびZオキシムが約1:1の比率で生成する)、そして、こ
のオキシム中間体は、ギ酸の存在下に、迅速に脱水されてCPCNを生成する。
このようにして、オキシムの蓄積は制御され、そして、全体のプロセスを通して
非常に低いレベルに保持される。例えば、反応媒体または混合物中のオキシム濃
度は、処理量と収率を犠牲にすることなく、反応の任意の時点で、反応混合物の
全重量の5重量%より低いレベルに制御することができる。その結果、プロセス
の間中に冷却及び/又は撹拌が上手く行かない場合でも、危険で暴走的な熱分解
は起こらない。
【0010】 本発明方法の出発物質CPCAは、2,3−ジヒドロフランの熱転移によって
得られる。例えば、米国特許第4,275,238号には、2,3−ジヒドロフ
ランを480℃でカラム中を通過させ、90%の純度を有し、6.2〜6.7%
のクロトンアルデヒドを有するCPCAを得ることが述べられている。類似の方
法が、Wilson (J. Amer. Chem. Soc., 1947, 69, 3002)によって述べられている
。2,3−ジヒドロフランは、米国特許第5,254,701号に述べられたプ
ロセスに従い、2,5−ジヒドロフランの異性化によって得ることもでき、2,
5−ジヒドロフランは、米国特許第3,932,468号、同第3,996,2
48号及び同第5,082,956号に記載されているように、3,4−エポキ
シ−1−ブテンの異性化によって生産され得る。米国特許第4,897,498
号及び同第4,950,773号には、ブタジエンの選択的モノエポキシ化によ
る3,4−エポキシ−1−ブテンの調製が記載されている。
得られる。例えば、米国特許第4,275,238号には、2,3−ジヒドロフ
ランを480℃でカラム中を通過させ、90%の純度を有し、6.2〜6.7%
のクロトンアルデヒドを有するCPCAを得ることが述べられている。類似の方
法が、Wilson (J. Amer. Chem. Soc., 1947, 69, 3002)によって述べられている
。2,3−ジヒドロフランは、米国特許第5,254,701号に述べられたプ
ロセスに従い、2,5−ジヒドロフランの異性化によって得ることもでき、2,
5−ジヒドロフランは、米国特許第3,932,468号、同第3,996,2
48号及び同第5,082,956号に記載されているように、3,4−エポキ
シ−1−ブテンの異性化によって生産され得る。米国特許第4,897,498
号及び同第4,950,773号には、ブタジエンの選択的モノエポキシ化によ
る3,4−エポキシ−1−ブテンの調製が記載されている。
【0011】 本発明の方法に使用されるヒドロキシルアミンの遊離塩基は、10〜80重量
%、好ましくは30〜50重量%のヒドロキシルアミンの遊離塩基を含む水溶液
として供することができる。ヒドロキシルアミンの遊離塩基は、ヒドロキシルア
ミンの酸塩を、水素化アルキル金属、好ましくは水酸化ナトリウム塩基で処理す
ることによってその場で生成させることができる。ヒドロキシルアミン塩には、
硫酸、塩酸、硝酸および燐酸などの無機酸から形成される塩、または、ギ酸、酢
酸、プロピオン酸およびスルホン酸などの有機酸から形成される塩が含まれる。
これらのヒドロキシルアミン塩の例としては、硫酸ヒドロキシルアミン、塩酸ヒ
ドロキシルアミン、燐酸ヒドロキシルアミン、硝酸ヒドロキシルアミン及びギ酸
ヒドロキシルアミンなどが挙げられる。ヒドロキシルアミンの遊離塩基(水溶液
としてまたは、その塩からのその場で生成したもの)を使用する利点は、ヒドロ
キシルアミン酸塩を使用した時のオキシム形成の過程で、強酸の生成を避け得る
ことである。そのような酸は典型的に、例えば塩酸による環開裂での4−クロロ
ブチロニトリルの生成、ベックマン(Beckmann)転移によるシクロプロパンカル
ボキシアミドの生成、および強酸触媒作用による生成物ニトリルから対応するカ
ルボキシアミド及び/又はカルボン酸への加水分解などの副反応を引起こす。低
級アルキルアルデヒド、例えば、アセトアルデヒド(J.B.ChattopadhyayaとA.V.
Rama Rao, Tetrahedron 1974, 30, 2899)、プロピオンアルデヒドおよびブチル
アルデヒド(J.P.De KeersmaekerとF.Fontyn, Ind. Chim. Belge, 1967, 32, 10
87)などのC2 〜C4 アルデヒドが、酸触媒作用条件下にベックマン転移を介し
て主として対応するアミドを生成することはよく知られている。ニトリル、特に
低級アルキルニトリルが、硫酸と塩酸などの強酸の存在下に、容易に加水分解を
受けることがよく知られている(J. Amer. Chem. Soc., 1952, 74, 694; W.Wenn
er, Org. Synth. 1952, 32, 92)。
%、好ましくは30〜50重量%のヒドロキシルアミンの遊離塩基を含む水溶液
として供することができる。ヒドロキシルアミンの遊離塩基は、ヒドロキシルア
ミンの酸塩を、水素化アルキル金属、好ましくは水酸化ナトリウム塩基で処理す
ることによってその場で生成させることができる。ヒドロキシルアミン塩には、
硫酸、塩酸、硝酸および燐酸などの無機酸から形成される塩、または、ギ酸、酢
酸、プロピオン酸およびスルホン酸などの有機酸から形成される塩が含まれる。
これらのヒドロキシルアミン塩の例としては、硫酸ヒドロキシルアミン、塩酸ヒ
ドロキシルアミン、燐酸ヒドロキシルアミン、硝酸ヒドロキシルアミン及びギ酸
ヒドロキシルアミンなどが挙げられる。ヒドロキシルアミンの遊離塩基(水溶液
としてまたは、その塩からのその場で生成したもの)を使用する利点は、ヒドロ
キシルアミン酸塩を使用した時のオキシム形成の過程で、強酸の生成を避け得る
ことである。そのような酸は典型的に、例えば塩酸による環開裂での4−クロロ
ブチロニトリルの生成、ベックマン(Beckmann)転移によるシクロプロパンカル
ボキシアミドの生成、および強酸触媒作用による生成物ニトリルから対応するカ
ルボキシアミド及び/又はカルボン酸への加水分解などの副反応を引起こす。低
級アルキルアルデヒド、例えば、アセトアルデヒド(J.B.ChattopadhyayaとA.V.
Rama Rao, Tetrahedron 1974, 30, 2899)、プロピオンアルデヒドおよびブチル
アルデヒド(J.P.De KeersmaekerとF.Fontyn, Ind. Chim. Belge, 1967, 32, 10
87)などのC2 〜C4 アルデヒドが、酸触媒作用条件下にベックマン転移を介し
て主として対応するアミドを生成することはよく知られている。ニトリル、特に
低級アルキルニトリルが、硫酸と塩酸などの強酸の存在下に、容易に加水分解を
受けることがよく知られている(J. Amer. Chem. Soc., 1952, 74, 694; W.Wenn
er, Org. Synth. 1952, 32, 92)。
【0012】 ギ酸は、本発明のプロセスにおいて、脱水剤および溶媒の両方として機能する
。オキシムとギ酸は中間体エステルを生成し、ギ酸の分子内(六員環遷移状態)
脱離によるニトリル生成に資すると考えられている。使用するギ酸の純度又は濃
度は典型的に、少なくとも80重量%、そして好ましくは少なくとも90重量%
である。本プロセスの商業的運転においては、1〜2当量の範囲のギ酸を使用す
ると、反応時間が短くなり、選択率が良好となり、CPCNの回収において大量
の副産物であるギ酸塩を発生することなく、反応物の単離が容易になる。
。オキシムとギ酸は中間体エステルを生成し、ギ酸の分子内(六員環遷移状態)
脱離によるニトリル生成に資すると考えられている。使用するギ酸の純度又は濃
度は典型的に、少なくとも80重量%、そして好ましくは少なくとも90重量%
である。本プロセスの商業的運転においては、1〜2当量の範囲のギ酸を使用す
ると、反応時間が短くなり、選択率が良好となり、CPCNの回収において大量
の副産物であるギ酸塩を発生することなく、反応物の単離が容易になる。
【0013】 ギ酸を含有する反応ゾーンへのCPCAとヒドロキシルアミンの同時添加は、
間歇的又は好ましくは実質的に連続であってもよい。CPCAとヒドロキシルア
ミンの添加比率は、CPCA:ヒドロキシルアミンのモル供給比が常に1:0.
5〜1:5、好ましくは、1:0.8〜1:1.2となるようにすべきである。
これらの比以外の供給比を使用すると、ギ酸を含む反応ゾーン内で過剰に存在す
る反応物の分解のために実質的な収率低下が起こる。適切な工学的設計により、
反応領域の直前または、ギ酸と接触する直前でCPCAとヒドロキシルアミンが
組み合わされるように、CPCAと水性ヒドロキシルアミンを同時添加してよい
。本発明プロセスは、反応ゾーンの反応混合物を20〜160℃、好ましくは8
0〜120℃の範囲の温度に保持して実施される。反応ゾーンは、大気圧下でも
優れた生産速度を達成できるが、適度に大気圧を下回るまたは越える圧力、例え
ば、絶対圧0.3〜4.5バール(30kPa 〜450kPa)に保持することができ
る。反応ゾーンには、少なくとも95重量%、好ましくは99重量%のオキシム
中間体がCPCNに変換される様な、好ましくは複数の直列に配置した反応器が
含まれる。
間歇的又は好ましくは実質的に連続であってもよい。CPCAとヒドロキシルア
ミンの添加比率は、CPCA:ヒドロキシルアミンのモル供給比が常に1:0.
5〜1:5、好ましくは、1:0.8〜1:1.2となるようにすべきである。
これらの比以外の供給比を使用すると、ギ酸を含む反応ゾーン内で過剰に存在す
る反応物の分解のために実質的な収率低下が起こる。適切な工学的設計により、
反応領域の直前または、ギ酸と接触する直前でCPCAとヒドロキシルアミンが
組み合わされるように、CPCAと水性ヒドロキシルアミンを同時添加してよい
。本発明プロセスは、反応ゾーンの反応混合物を20〜160℃、好ましくは8
0〜120℃の範囲の温度に保持して実施される。反応ゾーンは、大気圧下でも
優れた生産速度を達成できるが、適度に大気圧を下回るまたは越える圧力、例え
ば、絶対圧0.3〜4.5バール(30kPa 〜450kPa)に保持することができ
る。反応ゾーンには、少なくとも95重量%、好ましくは99重量%のオキシム
中間体がCPCNに変換される様な、好ましくは複数の直列に配置した反応器が
含まれる。
【0014】 反応ゾーンから反応生成混合物を定期的にまたは連続的に取り出さないで、C
PCA及び水性ヒドロキシルアミン反応物の合計量を初期量のギ酸に同時に供給
すると典型的に、最大80重量%以下のCPCN、好ましくは10〜50%のC
PCNを含む最終反応混合物が得られる。反応ゾーンからCPCNを含む反応混
合物を定期的にまたは連続的に取り出し、取り出された反応混合物を新しいギ酸
で置き換えるように、本発明プロセスの運転を改良することができる。CPCA
、水性ヒドロキシルアミンおよびギ酸を、間歇的または連続的に反応ゾーンに供
給し、そしてCPCNを含む反応混合物を、反応ゾーンから間歇的または連続的
に取り出す運転モードにより、本発明プロセスの長期連続運転が可能となる。通
常、本発明プロセスは、反応混合物中に存在する水の量が混合物の50重量%を
越えないように運転する。
PCA及び水性ヒドロキシルアミン反応物の合計量を初期量のギ酸に同時に供給
すると典型的に、最大80重量%以下のCPCN、好ましくは10〜50%のC
PCNを含む最終反応混合物が得られる。反応ゾーンからCPCNを含む反応混
合物を定期的にまたは連続的に取り出し、取り出された反応混合物を新しいギ酸
で置き換えるように、本発明プロセスの運転を改良することができる。CPCA
、水性ヒドロキシルアミンおよびギ酸を、間歇的または連続的に反応ゾーンに供
給し、そしてCPCNを含む反応混合物を、反応ゾーンから間歇的または連続的
に取り出す運転モードにより、本発明プロセスの長期連続運転が可能となる。通
常、本発明プロセスは、反応混合物中に存在する水の量が混合物の50重量%を
越えないように運転する。
【0015】 本発明の第二の態様は、生成物回収工程と組み合わせた上記CPCN合成工程
を含み、その回収工程において、合成工程から得られる粗反応生成混合物(CP
CN、ギ酸および水を含む)を塩基と接触させて、CPCNを含む有機相および
水相からなる混合物を得る。生成したCPCNの大部分、例えば、最大98重量
%以下が、有機相中に得られる。この生成物の単離工程は通常、75℃、好まし
くは30〜55℃の範囲の温度で行われる。第三工程で使用する塩基の例には水
酸化アルカリ金属、炭酸アルカリ金属、水酸化アルカリ土類金属及び炭酸アルカ
リ土類金属が含まれる。ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム及びカ
ルシウムの水酸化物および炭酸塩が有用な塩基の具体例である。水酸化アルカリ
金属、特に水酸化ナトリウムが最も好ましい塩基の代表例である。
を含み、その回収工程において、合成工程から得られる粗反応生成混合物(CP
CN、ギ酸および水を含む)を塩基と接触させて、CPCNを含む有機相および
水相からなる混合物を得る。生成したCPCNの大部分、例えば、最大98重量
%以下が、有機相中に得られる。この生成物の単離工程は通常、75℃、好まし
くは30〜55℃の範囲の温度で行われる。第三工程で使用する塩基の例には水
酸化アルカリ金属、炭酸アルカリ金属、水酸化アルカリ土類金属及び炭酸アルカ
リ土類金属が含まれる。ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム及びカ
ルシウムの水酸化物および炭酸塩が有用な塩基の具体例である。水酸化アルカリ
金属、特に水酸化ナトリウムが最も好ましい塩基の代表例である。
【0016】 生成物の単離工程に使用される塩基の量は、通常、第1工程で使用するギ酸1
モル当たりの当量で表すと、0.5:1〜2:1、好ましくは0.8:1〜1.
2:1となる。本明細書において使用する用語「当量」はギ酸1モルを中和する
のに必要な塩基の化学量論的な量を特定するのに使用する。例えば、1モルの水
酸化アルカリ金属は、塩基1当量に対応するが、1モルの炭酸アルカリ金属と、
1モルのアルカリ土類金属の水酸化物および炭酸塩は、塩基2当量に対応する。
塩基は細かく粉砕した固体形状で工程(3)で使用できるが、例えば、使用する
特定の塩基によって、塩基濃度が最大90重量%以下の水溶液として、より好適
に用いられる。水酸化アルカリ金属水溶液中の好ましい水酸化アルカリ金属濃度
は、好ましくは40〜60重量%である。50重量%の水酸化ナトリウム水溶液
が、最も好ましい水酸化アルカリ金属である。
モル当たりの当量で表すと、0.5:1〜2:1、好ましくは0.8:1〜1.
2:1となる。本明細書において使用する用語「当量」はギ酸1モルを中和する
のに必要な塩基の化学量論的な量を特定するのに使用する。例えば、1モルの水
酸化アルカリ金属は、塩基1当量に対応するが、1モルの炭酸アルカリ金属と、
1モルのアルカリ土類金属の水酸化物および炭酸塩は、塩基2当量に対応する。
塩基は細かく粉砕した固体形状で工程(3)で使用できるが、例えば、使用する
特定の塩基によって、塩基濃度が最大90重量%以下の水溶液として、より好適
に用いられる。水酸化アルカリ金属水溶液中の好ましい水酸化アルカリ金属濃度
は、好ましくは40〜60重量%である。50重量%の水酸化ナトリウム水溶液
が、最も好ましい水酸化アルカリ金属である。
【0017】 生成物の単離工程で形成される二相混合物中の有機層は、公知の回収方法によ
って単離できる。有機相(上層)は80〜95重量%のCPCNを含む。有機相
に含まれる粗CPCNを、それ以上精製せずに使用することは可能である。しか
しながら、通常、CPCN含有相は、99%を越える純度を有するCPCNを得
るために、CPCNを他の化学化合物に変換する前に、例えば、分別蒸留によっ
て精製される。二相混合物中の水相は、追加のCPCNを回収するために、好適
な水非混和性溶媒を用いて抽出される。好適な水非混和性抽出溶媒の例としては
第三級ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、酢
酸プロピル及び酢酸イソプロピルのような酢酸アルキル、トルエン、ベンゼン、
ジエトキシメタン並びにアセトニトリル及びブチロニトリルのようなアルキルニ
トリルが挙げられる。代替法として、水相に存在するCPCNを、全水相の1〜
5重量%を共沸混合物としてストリッピングして回収することができる。
って単離できる。有機相(上層)は80〜95重量%のCPCNを含む。有機相
に含まれる粗CPCNを、それ以上精製せずに使用することは可能である。しか
しながら、通常、CPCN含有相は、99%を越える純度を有するCPCNを得
るために、CPCNを他の化学化合物に変換する前に、例えば、分別蒸留によっ
て精製される。二相混合物中の水相は、追加のCPCNを回収するために、好適
な水非混和性溶媒を用いて抽出される。好適な水非混和性抽出溶媒の例としては
第三級ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、酢
酸プロピル及び酢酸イソプロピルのような酢酸アルキル、トルエン、ベンゼン、
ジエトキシメタン並びにアセトニトリル及びブチロニトリルのようなアルキルニ
トリルが挙げられる。代替法として、水相に存在するCPCNを、全水相の1〜
5重量%を共沸混合物としてストリッピングして回収することができる。
【0018】 本発明の第三の態様は、生成物の単離工程と組み合わせた上記CPCN合成工
程を含み、その単離工程において、合成工程から得られる粗反応生成混合物(C
PCN、ギ酸および水を含む)を気体として反応ゾーンから取り出し、気体を凝
縮し、第二態様に関して前記したように、凝縮物を塩基で処理してCPCN生成
物を回収する。例えば、5〜95重量%のCPCNを含む反応領域容器内で粗反
応混合物を加熱して、気体を得ることができる。CPCN含有気体は、反応ゾー
ン内の1個またはそれ以上の反応器中で生成させ、そしてそこから取り出すこと
ができる。代替法として、粗生成物を液体として反応ゾーンから取り出し、別の
蒸留容器に供給して、粗生成物混合物の少量成分を蒸発させ、そして、粗生成物
混合物の残留物を反応ゾーンに戻すことができる。
程を含み、その単離工程において、合成工程から得られる粗反応生成混合物(C
PCN、ギ酸および水を含む)を気体として反応ゾーンから取り出し、気体を凝
縮し、第二態様に関して前記したように、凝縮物を塩基で処理してCPCN生成
物を回収する。例えば、5〜95重量%のCPCNを含む反応領域容器内で粗反
応混合物を加熱して、気体を得ることができる。CPCN含有気体は、反応ゾー
ン内の1個またはそれ以上の反応器中で生成させ、そしてそこから取り出すこと
ができる。代替法として、粗生成物を液体として反応ゾーンから取り出し、別の
蒸留容器に供給して、粗生成物混合物の少量成分を蒸発させ、そして、粗生成物
混合物の残留物を反応ゾーンに戻すことができる。
【0019】 従って、本発明の第三の態様は、(1)シクロプロパンカルボキシアルデヒド
(CPCA)と水性ヒドロキシルアミンを、ギ酸を含む反応ゾーンに同時に供給
して、CPCN、水及びギ酸を含む反応生成混合物を得る工程;(2)反応ゾー
ンから、CPCN、水および少量のギ酸を含む反応生成混合物の気体を取り除く
工程;(3)工程(2)で得られた気体を凝縮して、CPCN、水及び少量のギ
酸を含む液体を得る工程;及び(4)工程(3)の液体を塩基と接触させて、C
PCNを含む有機相及び水相からなる混合物を得る工程を含んでなり、工程(4
)で使用するギ酸1モル当りの塩基当量は0.5:1〜2:1の範囲である。こ
の気体は、大気圧下に約97〜102℃の範囲の沸点を有し、そしてCPCN、
水および少量のギ酸を含む、一定沸点の三成分系混合物(共沸混合物)からなる
。この共沸混合物の組成は、気体が生成する圧力によって変動する。一般に、こ
の組成は、30〜60重量%のCPCN、40〜70重量%の水および1〜15
重量%のギ酸を含む。この第三の態様は、塩基で処理され中和されるギ酸の量が
、本発明の第二の態様に従って塩基で処理されるギ酸の量より実質的に少ないの
で有利である。第二の態様のプロセスと比較して、この第三の態様の非常に有利
な特徴のおかげで、ギ酸の使用量と、回収プロセスで生成するギ酸塩の量の両方
を実質的に減らすことができる。例えば、第三の態様で生産されるCPCN1kg
毎に消費されるギ酸の量は、0.1kgを下回る。
(CPCA)と水性ヒドロキシルアミンを、ギ酸を含む反応ゾーンに同時に供給
して、CPCN、水及びギ酸を含む反応生成混合物を得る工程;(2)反応ゾー
ンから、CPCN、水および少量のギ酸を含む反応生成混合物の気体を取り除く
工程;(3)工程(2)で得られた気体を凝縮して、CPCN、水及び少量のギ
酸を含む液体を得る工程;及び(4)工程(3)の液体を塩基と接触させて、C
PCNを含む有機相及び水相からなる混合物を得る工程を含んでなり、工程(4
)で使用するギ酸1モル当りの塩基当量は0.5:1〜2:1の範囲である。こ
の気体は、大気圧下に約97〜102℃の範囲の沸点を有し、そしてCPCN、
水および少量のギ酸を含む、一定沸点の三成分系混合物(共沸混合物)からなる
。この共沸混合物の組成は、気体が生成する圧力によって変動する。一般に、こ
の組成は、30〜60重量%のCPCN、40〜70重量%の水および1〜15
重量%のギ酸を含む。この第三の態様は、塩基で処理され中和されるギ酸の量が
、本発明の第二の態様に従って塩基で処理されるギ酸の量より実質的に少ないの
で有利である。第二の態様のプロセスと比較して、この第三の態様の非常に有利
な特徴のおかげで、ギ酸の使用量と、回収プロセスで生成するギ酸塩の量の両方
を実質的に減らすことができる。例えば、第三の態様で生産されるCPCN1kg
毎に消費されるギ酸の量は、0.1kgを下回る。
【0020】 本発明プロセスは、シクロプロパンカルボニトリルを製造する経済的で安全な
手段を提供する。本発明プロセスにより、取り扱いが困難で高価な反応物の使用
が避けられ、そして、オキシム中間体の熱分解によって引起こされ得る潜在的安
全上の問題が避けられる。本発明プロセスは、穏やかな条件下に、比較的に簡単
な生成物単離方法を用いて実施し、そして廃棄物を限られた量しか生成しない。
最も重要な点は、本発明プロセスが、商業的生産スケールで安全に実施され得る
ことである。
手段を提供する。本発明プロセスにより、取り扱いが困難で高価な反応物の使用
が避けられ、そして、オキシム中間体の熱分解によって引起こされ得る潜在的安
全上の問題が避けられる。本発明プロセスは、穏やかな条件下に、比較的に簡単
な生成物単離方法を用いて実施し、そして廃棄物を限られた量しか生成しない。
最も重要な点は、本発明プロセスが、商業的生産スケールで安全に実施され得る
ことである。
【0021】 本発明により提供されるプロセスを、以下の例により、更に詳細に説明する。
ガスクロマトグラフィー(GC)解析は、Hewlett-Packard5890 シリーズIIガス
クロマトグラフィーにより、30mのDB−Waxおよび30mのDB−17キ
ャピラリーカラムを使用して行った。得られた生成物の同定は、NMRとガスク
ロマトグラフィー/マススペクトル分析法を使用し、Aldich Chemical 社から購
入した標準試料と比較することにより確認した。
ガスクロマトグラフィー(GC)解析は、Hewlett-Packard5890 シリーズIIガス
クロマトグラフィーにより、30mのDB−Waxおよび30mのDB−17キ
ャピラリーカラムを使用して行った。得られた生成物の同定は、NMRとガスク
ロマトグラフィー/マススペクトル分析法を使用し、Aldich Chemical 社から購
入した標準試料と比較することにより確認した。
【0022】例1 頭部攪拌機、温度計および凝縮器を備えた3リットルの4つ口フラスコに、9
0%のギ酸(511.1g、10.0モル)を投入した。ギ酸を90℃に加熱し
た。この予熱したギ酸に、CPCA(クロトンアルデヒド6%を含む純度94%
;350g、4.7モル)及び50%の水性ヒドロキシルアミン(346.5g
、5.25モル)を、反応温度を90〜95℃に保持して、2つのポンプで5時
間に亘って、同時に添加した。添加が終了した後、反応混合物を2時間加熱還流
(102〜105℃)した。室温まで冷却した後、温度を50℃より低く制御し
ながら、混合物を、50%の水酸化ナトリウム水溶液(760g、9.5モル)
で中和しpH9〜10とした。二つの相が、急速に形成され、分離した。有機相(
CPCN305.69g、91.72重量%)を、蒸留により更に精製し、純粋
なCPCNを得た。共沸蒸留、次いで更なる精製により、水相と蒸留残留物から
追加の18.93gの純粋なCPCNを回収した。この反応により、99%を越
える純度を有する合計285.30gのCPCNが得られ、これは、使用したC
PCAの量を基準にして、収率90.6%を示した。
0%のギ酸(511.1g、10.0モル)を投入した。ギ酸を90℃に加熱し
た。この予熱したギ酸に、CPCA(クロトンアルデヒド6%を含む純度94%
;350g、4.7モル)及び50%の水性ヒドロキシルアミン(346.5g
、5.25モル)を、反応温度を90〜95℃に保持して、2つのポンプで5時
間に亘って、同時に添加した。添加が終了した後、反応混合物を2時間加熱還流
(102〜105℃)した。室温まで冷却した後、温度を50℃より低く制御し
ながら、混合物を、50%の水酸化ナトリウム水溶液(760g、9.5モル)
で中和しpH9〜10とした。二つの相が、急速に形成され、分離した。有機相(
CPCN305.69g、91.72重量%)を、蒸留により更に精製し、純粋
なCPCNを得た。共沸蒸留、次いで更なる精製により、水相と蒸留残留物から
追加の18.93gの純粋なCPCNを回収した。この反応により、99%を越
える純度を有する合計285.30gのCPCNが得られ、これは、使用したC
PCAの量を基準にして、収率90.6%を示した。
【0023】例2〜10 頭部攪拌機、温度計および凝縮器を備えた22リットルのジャケット付き4つ
口フラスコに、90%のギ酸(5111g、100モル)を投入した。ギ酸を9
0℃に加熱した。予熱されたギ酸に、CPCA(クロトンアルデヒド6%を含む
純度94%;3500g、47.0モル)及び50%の水性ヒドロキシルアミン
(3465g、52.5モル)を、ジャケットを通した水で冷却して反応温度を
90〜95℃に保持しながら、2つのポンプで2時間に亘って、同時に添加した
。添加が終了した後、反応混合物を4時間、90〜95℃に加熱した。室温まで
冷却した後、温度を50℃より低く制御しながら、混合物を、50%の水酸化ナ
トリウム水溶液(7600g、95.0モル)でpH9〜10まで中和した。二つ
の相が急速に形成され、分離した。
口フラスコに、90%のギ酸(5111g、100モル)を投入した。ギ酸を9
0℃に加熱した。予熱されたギ酸に、CPCA(クロトンアルデヒド6%を含む
純度94%;3500g、47.0モル)及び50%の水性ヒドロキシルアミン
(3465g、52.5モル)を、ジャケットを通した水で冷却して反応温度を
90〜95℃に保持しながら、2つのポンプで2時間に亘って、同時に添加した
。添加が終了した後、反応混合物を4時間、90〜95℃に加熱した。室温まで
冷却した後、温度を50℃より低く制御しながら、混合物を、50%の水酸化ナ
トリウム水溶液(7600g、95.0モル)でpH9〜10まで中和した。二つ
の相が急速に形成され、分離した。
【0024】 上記手順を8回繰り返した。9つの実験の各々における有機相として得られた
粗CPCN量(g)、それらの純度(CPCN重量%)及び蒸留前のパーセント
収率を表Iに示す。
粗CPCN量(g)、それらの純度(CPCN重量%)及び蒸留前のパーセント
収率を表Iに示す。
【0025】
【表1】
【0026】 例2〜10から得られた粗CPCNを一緒にして、48インチ(1.22m)
のペンステート充填物(Penn State packing)を含むカラムを用いて蒸留し、9
9%を越える純度を有する23,339gのCPCNを得た。例2〜10から得
られた水相を一緒にして、共沸蒸留し、次いで分別蒸留を行い、99%を越える
純度を有する追加のCPCN1077gを得た。CPCN(99%を越える純度
を有する)の合計収量は、理論値の87.1%にあたる24416gであった。
のペンステート充填物(Penn State packing)を含むカラムを用いて蒸留し、9
9%を越える純度を有する23,339gのCPCNを得た。例2〜10から得
られた水相を一緒にして、共沸蒸留し、次いで分別蒸留を行い、99%を越える
純度を有する追加のCPCN1077gを得た。CPCN(99%を越える純度
を有する)の合計収量は、理論値の87.1%にあたる24416gであった。
【0027】例11 頭部攪拌機、温度計および凝縮器を備えた3リットルの4つ口フラスコに、9
0%のギ酸(613.3g、12.0モル)を投入した。ギ酸は100〜105
℃に加熱した。この予熱したギ酸に、CPCA(純度99%、420.6g、6
.0モル、0.02モル/min)及び、50%の水性ヒドロキシルアミン(436
.0g、6.6モル、0.022モル/min)を、反応混合物を100〜105℃
に保持して、2つのポンプで5時間に亘って、同時に添加した。添加が終了した
後、反応混合物を2時間加熱(100〜105℃)、還流した。GC分析用に試
料を反応中30分毎に採取し、反応混合物中の生成物CPCNとCPCAオキシ
ムの重量%濃度を求めた。反応時間を分、反応混合物の合計重量をg、そして、
CPCNとオキシムの濃度を、反応混合物中のCPCNとオキシム各々の重量%
で表した結果を表IIに示す。室温まで冷却した後、温度を混合し、例1に述べた
ように精製し、94%の収率で、379gのCPCN(純度99.5%)を得た
。
0%のギ酸(613.3g、12.0モル)を投入した。ギ酸は100〜105
℃に加熱した。この予熱したギ酸に、CPCA(純度99%、420.6g、6
.0モル、0.02モル/min)及び、50%の水性ヒドロキシルアミン(436
.0g、6.6モル、0.022モル/min)を、反応混合物を100〜105℃
に保持して、2つのポンプで5時間に亘って、同時に添加した。添加が終了した
後、反応混合物を2時間加熱(100〜105℃)、還流した。GC分析用に試
料を反応中30分毎に採取し、反応混合物中の生成物CPCNとCPCAオキシ
ムの重量%濃度を求めた。反応時間を分、反応混合物の合計重量をg、そして、
CPCNとオキシムの濃度を、反応混合物中のCPCNとオキシム各々の重量%
で表した結果を表IIに示す。室温まで冷却した後、温度を混合し、例1に述べた
ように精製し、94%の収率で、379gのCPCN(純度99.5%)を得た
。
【0028】
【表2】
【0029】例12 頭部攪拌機、温度計および蒸留ヘッドを備えた300mLの4つ口フラスコに、
90%のギ酸(51.1g、1モル)を投入した。ギ酸を102〜105℃に加
熱した。この予熱したギ酸に、CPCA(純度99%を越える;35.0g、0
.5モル)及び50%の水性ヒドロキシルアミン(34.7g、0.53モル)
を、反応温度を102〜105℃に保持して、2つのポンプで1時間に亘って、
同時に添加した。添加が終了した後、反応混合物を2時間、加熱(102〜10
5℃)還流した。GC分析は、反応の完了を示した。反応混合物は、主としてC
PCN、ギ酸および水を含む。この混合物に、CPCA(13.9g/h)及び
50%の水性ヒドロキシルアミン(13.1g/h)を、2つのポンプで添加し
た。同時に、CPCN生成物、水及び少量のギ酸を含む流出気体を、31g/h
の速度で蒸留ヘッドから共沸混合物として取出した。この共沸混合物は、53重
量%の水、43重量%のCPCNおよび4重量%のギ酸から成る。この共沸混合
物を連続的にデカンターに凝縮供給し、そこで、混合物の温度を50℃より低く
保持しながら、50%の水酸化ナトリウム水溶液を用いて、ギ酸を連続的に中和
した。20時間の運転の後、合計278gのCPCAと262gの50%ヒドロ
キシルアミン及び(本発明プロセスの運転中に取り出される共沸混合物中のギ酸
と水を置換するために)55gの水と純度90%のギ酸25gの水溶液を反応フ
ラスコ中にポンプで供給した。反応フラスコより取り出された共沸混合物流出液
から、合計620gの液体が凝縮された。中和した結果、この液体から93%の
CPCNを含有する266gの有機相が得られた。共沸蒸留により、水相から追
加の12gのCPCN(純度90%)が回収された。一緒にした粗CPCNを分
別蒸留し、244gの純度99.5%のCPCNを得た(収率91%)。反応器
中の残留物質は、主としてCPCN、ギ酸および水であり、これをCPCNの更
なる連続生産に利用できまたは、そこから、述べられた方法に従ってCPCNが
回収できる。
90%のギ酸(51.1g、1モル)を投入した。ギ酸を102〜105℃に加
熱した。この予熱したギ酸に、CPCA(純度99%を越える;35.0g、0
.5モル)及び50%の水性ヒドロキシルアミン(34.7g、0.53モル)
を、反応温度を102〜105℃に保持して、2つのポンプで1時間に亘って、
同時に添加した。添加が終了した後、反応混合物を2時間、加熱(102〜10
5℃)還流した。GC分析は、反応の完了を示した。反応混合物は、主としてC
PCN、ギ酸および水を含む。この混合物に、CPCA(13.9g/h)及び
50%の水性ヒドロキシルアミン(13.1g/h)を、2つのポンプで添加し
た。同時に、CPCN生成物、水及び少量のギ酸を含む流出気体を、31g/h
の速度で蒸留ヘッドから共沸混合物として取出した。この共沸混合物は、53重
量%の水、43重量%のCPCNおよび4重量%のギ酸から成る。この共沸混合
物を連続的にデカンターに凝縮供給し、そこで、混合物の温度を50℃より低く
保持しながら、50%の水酸化ナトリウム水溶液を用いて、ギ酸を連続的に中和
した。20時間の運転の後、合計278gのCPCAと262gの50%ヒドロ
キシルアミン及び(本発明プロセスの運転中に取り出される共沸混合物中のギ酸
と水を置換するために)55gの水と純度90%のギ酸25gの水溶液を反応フ
ラスコ中にポンプで供給した。反応フラスコより取り出された共沸混合物流出液
から、合計620gの液体が凝縮された。中和した結果、この液体から93%の
CPCNを含有する266gの有機相が得られた。共沸蒸留により、水相から追
加の12gのCPCN(純度90%)が回収された。一緒にした粗CPCNを分
別蒸留し、244gの純度99.5%のCPCNを得た(収率91%)。反応器
中の残留物質は、主としてCPCN、ギ酸および水であり、これをCPCNの更
なる連続生産に利用できまたは、そこから、述べられた方法に従ってCPCNが
回収できる。
【0030】例13 頭部攪拌機、温度計及び蒸留ヘッドを備えた2リットルの4つ口フラスコに、
90%のギ酸(511.1g、10モル)とCPCN(270g、純度99%)
を投入した。混合物を102〜105℃に加熱した。反応混合物を還流(102
〜105℃)させながら、この混合物に、CPCA(139g/h)、50%の
水性ヒドロキシルアミン(131g/h)及び28%のギ酸(40g/h)を、
3つのポンプで添加した。同時に、CPCN生成物、水および少量のギ酸を含む
気体流出物を、共沸混合物として310g/hの速度で蒸留ヘッドから取出した
。この共沸混合物は、53重量%の水、43重量%のCPCN及び4重量%のギ
酸から成る。この共沸混合物を連続的にデカンターに凝縮、供給し、そこで、混
合物の温度を50℃より低く保持しながら、50%の水酸化ナトリウム水溶液を
用いて、ギ酸を連続的に中和した。20時間の運転の後、合計2780gのCP
CA、2620gの50%ヒドロキシルアミン及び28%ギ酸(90%のギ酸と
水を混合して調製した)800gを反応器中にポンプで供給した。反応フラスコ
から、合計6200gの共沸混合物/留出物を取り出した。6200gの蒸留物
を中和(430gの50%水酸化ナトリウム水溶液を使用)した結果、93%の
CPCNを含む2668gの有機相が得られた。水相(3960g)を102〜
106℃で、気体温度が97℃に達するまで加熱してストリッピングし、93〜
95℃位の沸点を有する共沸混合物/蒸留物(265g)を回収した。蒸留物は
二相に分離し、90重量%のCPCNからなる有機相(125g)をデカンテー
ションにより回収した。一緒にした粗CPCNを分別蒸留し、2450gのCP
CN(純度99.6%、理論量の92%)を得た。反応器中の残留物質は、主と
してCPCN、ギ酸および水であり、これは本プロセスの更なる運転に使用でき
、または、そこからCPCNを回収できる。
90%のギ酸(511.1g、10モル)とCPCN(270g、純度99%)
を投入した。混合物を102〜105℃に加熱した。反応混合物を還流(102
〜105℃)させながら、この混合物に、CPCA(139g/h)、50%の
水性ヒドロキシルアミン(131g/h)及び28%のギ酸(40g/h)を、
3つのポンプで添加した。同時に、CPCN生成物、水および少量のギ酸を含む
気体流出物を、共沸混合物として310g/hの速度で蒸留ヘッドから取出した
。この共沸混合物は、53重量%の水、43重量%のCPCN及び4重量%のギ
酸から成る。この共沸混合物を連続的にデカンターに凝縮、供給し、そこで、混
合物の温度を50℃より低く保持しながら、50%の水酸化ナトリウム水溶液を
用いて、ギ酸を連続的に中和した。20時間の運転の後、合計2780gのCP
CA、2620gの50%ヒドロキシルアミン及び28%ギ酸(90%のギ酸と
水を混合して調製した)800gを反応器中にポンプで供給した。反応フラスコ
から、合計6200gの共沸混合物/留出物を取り出した。6200gの蒸留物
を中和(430gの50%水酸化ナトリウム水溶液を使用)した結果、93%の
CPCNを含む2668gの有機相が得られた。水相(3960g)を102〜
106℃で、気体温度が97℃に達するまで加熱してストリッピングし、93〜
95℃位の沸点を有する共沸混合物/蒸留物(265g)を回収した。蒸留物は
二相に分離し、90重量%のCPCNからなる有機相(125g)をデカンテー
ションにより回収した。一緒にした粗CPCNを分別蒸留し、2450gのCP
CN(純度99.6%、理論量の92%)を得た。反応器中の残留物質は、主と
してCPCN、ギ酸および水であり、これは本プロセスの更なる運転に使用でき
、または、そこからCPCNを回収できる。
【0031】例14 反応フラスコが追加のロートも備えていることを除いて、例1に述べた手順を
繰り返した。CPCAと水性ヒドロキシルアミンを、この追加ロートに連続的に
ポンプで同時供給し、CPCAとヒドロキシルアミンを、ギ酸を含む反応フラス
コに投入する前に約1〜3秒混合した。このようにして製造したCPCNの収率
と品質は、例1で得られたものと実質的に同一であった。
繰り返した。CPCAと水性ヒドロキシルアミンを、この追加ロートに連続的に
ポンプで同時供給し、CPCAとヒドロキシルアミンを、ギ酸を含む反応フラス
コに投入する前に約1〜3秒混合した。このようにして製造したCPCNの収率
と品質は、例1で得られたものと実質的に同一であった。
【0032】 本発明を、特にその好ましい態様に関して、詳細に述べてきたが、本発明の精
神と範囲内で変更と改良がなし得ることはいうまでもない。
神と範囲内で変更と改良がなし得ることはいうまでもない。
Claims (11)
- 【請求項1】 シクロプロパンカルボキシアルデヒド(CPCA)と水性ヒ
ドロキシルアミンを、ギ酸を含有する反応ゾーンに同時に供給し、シクロプロパ
ンカルボニトリル(CPCN)、水およびギ酸を含む反応生成混合物を得ること
を含んでなるCPCNの製造方法。 - 【請求項2】 CPCAとヒドロキシルアミンの添加比率をCPCA:ヒド
ロキシルアミンのモル供給比で1:0.5〜1:5とし、そして、反応ゾーン内
の反応混合物を20〜160℃の温度に保持する請求項1に記載の製造方法。 - 【請求項3】 CPCAとヒドロキシルアミンの添加比率をCPCA:ヒド
ロキシルアミンのモル供給比で1:0.8〜1:1.2とし、そして反応ゾーン
内の反応混合物を80〜120℃の温度に保持する請求項1に記載の製造方法。 - 【請求項4】 (1)シクロプロパンカルボキシアルデヒド(CPCA)お
よび水性ヒドロキシルアミンをギ酸を含む反応ゾーンに同時に供給して、シクロ
プロパンカルボニトリル(CPCN)、水およびギ酸を含む反応生成混合物を得
る工程と(2)反応生成混合物を塩基と接触させて、CPCNを含む有機相およ
び水相を含んでなる混合物を得る工程とを含んでなり、工程(2)で使用するギ
酸1モル当たりの塩基の当量を0.5:1〜2:1の範囲とするCPCNの製造
および回収方法。 - 【請求項5】 工程(1)におけるCPCAとヒドロキシルアミンの添加比
率をCPCA:ヒドロキシルアミンのモル供給比で1:0.5〜1:5とし、そ
して反応ゾーン内の反応混合物を20〜160℃の温度に保持する請求項4に記
載の方法。 - 【請求項6】 工程(1)におけるCPCAとヒドロキシルアミンの添加比
率を、CPCA:ヒドロキシルアミンのモル供給比で1:0.8〜1:1.2と
し、そして反応ゾーン内の反応混合物を80〜120℃の温度に保持し、そして
工程(2)の塩基が水酸化アルカリ金属、炭酸アルカリ金属、水酸化アルカリ土
類金属及び炭酸アルカリ土類金属から選ばれる請求項4に記載の方法。 - 【請求項7】 工程(2)を75℃未満の温度で実施し、そして塩基が水酸
化ナトリウム水溶液である請求項6に記載の方法。 - 【請求項8】 (1)シクロプロパンカルボキシアルデヒド(CPCA)及
び水性ヒドロキシルアミンをギ酸を含む反応ゾーンに同時に供給して、シクロプ
ロパンカルボニトリル(CPCN)、水およびギ酸を含む反応生成混合物を得る
工程;(2)反応ゾーンから、CPCN、水および少量のギ酸を含む反応生成混
合物の蒸気を取り出す工程;(3)工程(2)の蒸気を凝縮してCPCN、水お
よび少量のギ酸を含む液体を得る工程;並びに(4)工程(3)で得られる液体
を塩基と接触させて、CPCNを含む有機相および水相を含む混合物を得る工程
を含んでなり、工程(4)で使用するギ酸1モル当たりの塩基当量が0.5:1
〜2:1の範囲であるCPCNの製造および回収方法。 - 【請求項9】 工程(1)におけるCPCAとヒドロキシルアミンの添加比
率をCPCA:ヒドロキシルアミンのモル供給比で1:0.5〜1:5とし、そ
して反応ゾーン内の反応混合物を20〜160℃の温度に保持する請求項8に記
載の方法。 - 【請求項10】 工程(1)におけるCPCAとヒドロキシルアミンの添加
比率をCPCA:ヒドロキシルアミンのモル供給比で1:0.8〜1:1.2と
し、反応ゾーン内の反応混合物を80〜120℃の温度に保持し、そして工程(
4)の塩基が水酸化アルカリ金属、炭酸アルカリ金属、水酸化アルカリ土類金属
及び炭酸アルカリ土類金属から選ばれる請求項8に記載の方法。 - 【請求項11】 工程(4)を75℃より低い温度で実施し、そして塩基が
水酸化ナトリウム水溶液である請求項10に記載の方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US050,269 | 1998-03-30 | ||
US09/050,269 US6222058B1 (en) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | Process for the manufacture of cyclopropanecarbonitrile |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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---|---|
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EP (1) | EP1066249B1 (ja) |
JP (1) | JP2002509912A (ja) |
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US3932468A (en) | 1974-02-08 | 1976-01-13 | Chevron Research Company | Dihydrofuran preparation |
US3996248A (en) | 1975-11-17 | 1976-12-07 | Chevron Research Company | Preparation of 2,5-dihydrofurans from butadiene monoxides |
CH624662A5 (en) | 1976-03-01 | 1981-08-14 | Ciba Geigy Ag | Process for the preparation of cyclopropanecarbonitrile |
US4205009A (en) | 1979-02-07 | 1980-05-27 | Velsicol Chemical Corporation | Process for the preparation of cyclopropylcyanide |
US4275238A (en) | 1980-01-10 | 1981-06-23 | Ciba-Geigy Corporation | Process for the preparation of cyclopropylmethyl-n-propylamine |
US4950773A (en) | 1988-01-28 | 1990-08-21 | Eastman Kodak Company | Selective epoxidation of olefins |
US4897498A (en) | 1988-01-28 | 1990-01-30 | Eastman Kodak Company | Selective monoepoxidation of olefins |
US5082956A (en) | 1990-03-08 | 1992-01-21 | Eastman Kodak Company | Isomerization of epoxyalkenes to 2,5-dihydrofurans |
US5254701A (en) | 1991-05-20 | 1993-10-19 | Eastman Kodak Company | Process for the production of mixtures of 2-hydroxytetrahydrofuran and 4-hydroxybutanal |
TW275617B (ja) * | 1993-01-28 | 1996-05-11 | Ciba Geigy Ag | |
US5502234A (en) | 1995-07-17 | 1996-03-26 | Eastman Chemical Company | Process for the preparation and separation of cyclopropanecarbonitrile |
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1998
- 1998-03-30 US US09/050,269 patent/US6222058B1/en not_active Expired - Fee Related
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1999
- 1999-03-15 DE DE69907654T patent/DE69907654T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1999-03-15 WO PCT/US1999/005708 patent/WO1999050233A1/en active IP Right Grant
- 1999-03-15 JP JP2000541142A patent/JP2002509912A/ja active Pending
- 1999-03-15 EP EP99912572A patent/EP1066249B1/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
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