JPS6134432B2 - - Google Patents
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- JPS6134432B2 JPS6134432B2 JP15364277A JP15364277A JPS6134432B2 JP S6134432 B2 JPS6134432 B2 JP S6134432B2 JP 15364277 A JP15364277 A JP 15364277A JP 15364277 A JP15364277 A JP 15364277A JP S6134432 B2 JPS6134432 B2 JP S6134432B2
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、ピペロナールの製造法に関する。さ
らに詳しくは、1・2−メチレンジオキシベンを
N−アルキルホルムアニライドおよび塩化チオニ
ル、臭化チオニル、塩化スルフリルまたは臭化ス
ルフリルの中から選ばれた少くとも1種以上の縮
合剤とを減圧下に反応させ、得られた反応物を加
水分解することを特徴とするピペロナールの製造
法に関する。 ピペロナールはヘリオトロープ系香料の調合基
材であり、一般香粧品香料として広く使用される
ほか、医薬品、濃薬などの工業原料および金属メ
ツキの光沢剤として極めて有用な物質である。現
在、ピペロナールは、主にOcotea Cymbarumの
精油に含まれるサフロールを原料として工業的に
製造されている。しかしながら、サフロールを得
るための天然資源の枯渇問題により、近年ピペロ
ナールを石油化学製品を原料として工業的に安定
に供給せんとする要望が高まつてきた。 既に公知のピペロナールの製造法の中では、ピ
ロカテコールから製造される1・2−メチレンジ
オキシベンゼンを出発原料する方法が工業的に有
利である。すなわち、従来この種の方法としてP.
P.Shoryginら:J.Gen.chem.(U.S.S.R)第8
巻、第975頁(1938)の報告がある。それによれ
ば、第1段階として石油ベンジン溶剤中1・2−
メチレンジオキシベンゼンに塩化水素ガス、塩化
亜鉛存在下、ホルマリンを作用させピペロニルク
ロリドを製造する(反応した1・2−メチレンジ
オキシベンゼンに対して70〜78%の収率)。第2
段階としてピペロニルクロリドに60%アルコール
溶剤中当モルのヘキサミンを作用させ70〜80%の
収率でピペロナールを製造するという2段階製造
法にある。また、E.D.Laskinaらは1・2−メチ
レンジオキシベンゼンに大過剰のm−ニトロベン
ゼン−スルホン酸ナトリウム塩、塩化水素存在下
アルミニウムを触媒としてホルマリンを作用さ
せ、42.2%の収率でピペロナールを製造した。
〔Chemical Abstracts、第57巻、9714(1962)〕。 しかしながら、上記従来法はタール状の副生物
が多量に生ずるため収率、特に選択率(反応した
1・2−メチレンジオキシベンゼンに対するピペ
ロナールの収率)が極端に低い、反応操作が複
数、溶剤を使用する、副生する多量の金属水酸物
を処理しなければならないなどの欠点を有し、必
ずしも工業的方法として満足し得るものではな
い。 そこで、本発明者らは、実施が容易でしかも従
来法の欠点を解消し高収率でピペロナールを製造
すべく種々研究を行つた結果、1・2−メチレン
ジオキシベンゼンをホルミル化剤としてN−アル
キルホルムアニライドおよび縮合剤としてオキシ
塩化燐またはホスゲンと反応せしめ、得られた反
応生成物を加水分解することによりピペロナール
を選択的かつ収率良く得ることができることを見
出し、先に特許を出願した(特願昭51−73109)。 この方法では、縮合剤として用いるホスゲンは
その毒性のため取扱いに難点があり、オキシ塩化
燐は非水処理に多くの設備を要する。一方安価で
取り扱いがより容易な塩化チオニル、塩化スルフ
リルなどを用いた場合は、通常副生物を生じ、ピ
ペロナールの収率は多少低い欠点があつた。しか
しながら、反応を減圧下で行なうことにより塩化
チオニル、塩化スルフリルなどを用いても効果的
にピペロナールを製造し得ることを見出した。 すなわち、1・2−メチレンジオキシベンゼン
をN−アルキルホルムアニライドおよび塩化チオ
ニル、臭化チオニル、塩化スルフリルまたは臭化
スルフリルの中から選ばれた少くとも1種以上の
縮合剤とを、減圧下に反応せしめることにより、
ピペロナールを選択的にかつ収率よく製造し得る
本発明の方法を完成した。 すなわち、本発明の方法は、下記反応式で示さ
れる反応により目的とするピペロナール()が
高収率で得られる。 すなわち、N−アルキルホルムアニライド
()および塩化チオニル、臭化チオニル、塩化
スルフリルまたは臭化スルフリルの中から選ばれ
た少くとも1種以上の縮合剤とを減圧下に反応さ
せて、生成する反応中間体(通称、アミドクロリ
ド)を1・2−メチレンジオキシベンゼン()
と反応せしめて、得られた反応生成物を加水分解
してピペロナール()とモノアルキルアニリン
()を生成する。反応を減圧下で行なうことよ
り、反応中間体アミドクロリドの生成時に発生す
るSO2またはSO3を反応系外に除去することにな
りSO2またはSO3と出発原料との副反応を制御で
き、目的物の収率および選択率が向上し、さらに
ピペロナール()とともに生成するN−アルキ
ルホルムアニリン()を容易に回収でき、しか
もこの化合物()は蟻酸と反応させることによ
り本発明の副原料とするN−アルキルホルムアニ
ライド()として好適に再使用できるものであ
る、この面からも本発明方法は工業的に有利に実
施できるものである。 本発明の方法で使用されるN−アルキルアニラ
イドは、一般式() (式中、Rは、炭素原子数1〜4のアルキル基を
示す。)で表わされ、次の化合物が挙げられる。 N−メチルホルムアニライド、N−エチルホル
ムアニライド、N−(イソプロピル)ホルムアニ
ライド、N−(n−プロピル)ホルムアニライ
ド、N−(n−ブチル)ホルムアニライド、N−
(Sec−ブチル)ホルムアニライド、N−(tert−
ブチル)ホルムアニライドで、これらの化合物の
中でN−メチルまたはN−エチルホルムアニライ
ドが最も好ましい。 本発明の方法で使用する1・2−メチレンジオ
キシベンゼンは、公知の方法によつて、たとえ
ば、カテコール(1・2−ジオキシベンゼン)
を、ジメチルスルホキシドのような非プロトン性
極性溶媒中で塩化メチレンおよびアルカリと反応
させることにより高収率で得ることができる。 本発明の方法において、N−アルキルホルムア
ニライドと1・2−メチレンジオキシベンゼンと
の好適な反応割合は、N−アルキルホルムアニラ
イドの1モルに対して、1・2−メチレンジオキ
シベンゼンは0.2〜10モル、好ましくは、0.5〜3.0
モルであつて、この範囲以上であつても、とくに
問題はない。 さらに、本発明の方法に使用する縮合剤は、塩
化チオニル、臭化チオニル、塩化スルフリルおよ
び臭化スルフリルであつて、これらは1種以上を
併用しても良いが、好ましくは、塩化チオニルで
ある。これらの縮合剤の使用量は、N−アルキル
−ホルムアニライドの1モルに対して0.3〜3.0モ
ル、好ましくは0.8〜1.3モルである。 本発明を実施するには、その態様として2つの
方式がある。その1つは、1・2−メチレンジオ
キシベンゼンまたは不活性有機溶媒中あるいは無
溶媒下にあらかじめN−アルキルホルムアニライ
ドと縮合剤とを反応させ、発生するSO2または
SO3を減圧下で反応系外へ除去しながら、1・2
−メチレンジオキシベンゼンにアルデヒド基を導
入せしめる中間体、すなわちアミドクロリドを合
成する。この反応における反応温度は0〜80℃、
好ましくは40〜60℃とし、この範囲の温度に制御
することにより、アミドクロリド同志の反応など
の副反応およびアミドクロリドと1・2−メチレ
ンジオキシベンゼンとの反応を抑制し、さらに反
応により生成するSO2またはSO3を減圧下、好ま
しくは20〜400mmHgの減圧下に反応系外に除去す
ることにより、目的とするアミドクロリドの生成
反応を効果的に進めることができる。アミドクロ
リドの生成反応を無溶媒で行なつた場合は、その
まゝまたは1・2−メチレンジオキシベンゼンも
しくは不活性溶媒に溶解して使用する。 以上の方法により得られたアミドクロリドは、
−40〜60℃、好ましくは−20〜50℃の範囲の温度
に保ち、一方あらかじめアミドクロリドと1・2
−メチレンジオキシベンゼンとが反応する温度に
まで高められた1・2−メチレンジオキシベンゼ
ン(他の不活性溶剤と混合してもよい)中に効果
的に撹拌しながら連続的もしくは間けつ的に滴下
し、アミドクロリド同志の反応を抑えながら、
1・2−メチレンジオキシベンゼンとの反応を優
先的に完結せしめて反応生成物を得る。この反応
生成物を常法で加水分解してピペロナールを得る
ことができる。 他の態様は、1・2−メチレンジオキシベンゼ
ンをN−アルキルホルムアニライドおよび縮合剤
ならびに必要により不活性有機溶剤とを同一反応
機に装入して反応させる方法である。より具体的
には、N−アルキルホルムアニライドと1・2−
メチレンジオキシベンゼンおよび必要により不活
性有機溶剤を加えた混合物中に、撹拌しながら縮
合剤を50〜100℃、好ましくは60〜80℃の範囲
で、かつ減圧下、好ましくは20〜400mmHgの減圧
下に添加して反応を実施する。この方法において
縮合剤の添加を−40〜100℃、好ましくは−20〜
70℃の温度範囲とし、かつ前記の減圧下に行な
い、添加完了後、反応温度を50〜110℃、好まし
くは、60〜100℃の範囲で常圧もしくは減圧下で
反応させる方法が好ましい。得られた反応生成物
は、常法により加水分解してピペロナールを得る
ことができる。本発明の反応時間は、方法により
異なるが、通常、アミドクロリドの装入時間を加
えて1〜30時間であり、好ましい実施態様におい
て、3〜15時間である。 なお、本発明の方法において、所望により用い
る不活性有機溶剤は、たとえば、ベンゼン、クロ
ルベンゼン、O−ジクロルベンゼン、クロロホル
ム、四塩化炭素、塩化メチレン、1・2−ジクロ
ルエタン、およびトリクレンなどである。 得られた反応生成物の加水分解は、通常の方法
により0〜100℃、好ましくは、0〜80℃の水中
に撹拌しながら排出することににより分解し、目
的とするピペロナールおよびN−アルキルアニリ
ンが生成する。この加水分解混合物はそのまゝ、
ベンゼン、トルエン、クロロホルム、四塩化炭
素、またはジクロルエタンなどの抽出剤で抽出
し、残つた水層はアルカリで中和し、遊りしたN
−アルキルアニリンを、前記のような抽出剤で抽
出する。それぞれの抽出液は、常法により減圧下
蒸留分離することにより、目的物ピペロナール、
N−アルキルアニリンのほか、未反応の1・2−
メチレンジオキシベンゼン・N−アルキルホルム
アニライドを得る。蒸留により得られた粗ピペロ
ナールは、常法によりアルコールで再結晶すると
香料として使用可能な高純度のピペロナールを得
る。また、N−アルキルアニリンは蟻酸と反応さ
せることにより容易にN−アルキルホルムアニラ
イドが得られるので、本発明の副原料として再使
用できる利点があり、この面からも本発明の方法
は工業的に有利である。 以下、本発明の方法を実施例により具体的に示
す。 実施例 1 氷水で冷却し、かきまぜながらN−メチルホル
ムアニライド108g(0.8モル)に塩化チオニル
104.7g(0.88モル)を滴下した。滴下終了後2
時間室温に放置し、その後60〜80mmHgの減圧下
40〜45℃で1時間加熱を続けた。得られた混合物
に1・2−メチレンジオキシベンゼン97.6g
(0.8モル)を加え15℃に保つた。一方、別の反応
器に1・2−メチレンジオキシベンゼン29.3g
(0.24モル)を装入し、90℃に保つておく。この
反応器に上記混合物を5時間で添加する。添加終
了後30分、90℃に保つた後、反応生成物をかきま
ぜながら氷中に注ぎ、1時間放置した。次いで反
応混液をトルエン抽出した。真空蒸留によりトル
エン留去後、84〜85℃/30mmHgの留分を捕集
し、未反応1・2−メチレンジオキシベンゼン
63.3g(0.519モル)を回収した。さらに、蒸留
により131〜134℃/10mmHgの留分を捕集してピ
ペロナール76.1g(0.507モル、純度99.5%)を得
た。ピペロナールの収率(対N−メチルホルムア
ニライド、モル%)63.4%、選択率(対反応した
1・2−メチレンジオキシベンゼン、モル%)
97.3%であつた。このものの融点は37℃であつ
た。 本品のガスクロマトグラフイー、NMRスペク
トル、Massスペクトル、IRスペクトル分析は標
品のそれと完全に一致した。 また上記においてトルエン抽出後の水層を20%
苛性ソーダ水溶液で中和し、これをトルエン抽出
した。 真空蒸留によりトルエン留去後、111〜113℃/
50mmHgの留分を捕集し、、N−メチルアニリン
62.0g(0.579モル)を回収した。これは回収率
72.4%であつた。また、151〜153℃/50mmHgの
留分を捕集し、N−メチルホルムアニライド4.2
g(0.031モル)を回収した。これは回収率3.9%
であつた。ここで回収したN−メチルアニリン
は、蟻酸との反応によりN−メチルホルムアニラ
イドの合成反応に使用した。 実施例 2 1・2−メチレンジオキシベンゼン97.7g
(0.8モル)、N−メチルホルムアニライド108g
(0.8モル)を混合し、かきまぜながらこの混合物
中に塩化チオニル96.4g(0.81モル)を50℃で1
時間を要して添加した。その後70℃で5時間かき
まぜ反応した。これらの操作は60〜80mmHgの減
圧下に行なつた。反応生成物は、氷水中に注ぎこ
み1時間かきまぜた。以後の操作は、実施例1と
同様に行なつた結果、ピペロナール収率47.2%
(対N−メチルホルムアニライド、モル%)、選択
率88.5%(対反応した1・2−メチレンジオキシ
ベンゼン、モル%)であつた。N−メチルアニリ
ンおよびN−メチルホルムアニライドの回収率は
それぞれ62.0%および3.5%であつた。 実施例 3 実施例1において、N−メチルホルムアニライ
ドのかわりにN−エチルホルムアニライドを使用
した以外は全て同様にして実施した。結果を表−
1に示す。 実施例 4 実施例1において、N−メチルホルムアニライ
ドのかわりにN−(iso−プロピル)ホルムアニラ
イドを使用した以外は全く同様に実施した。結果
を表−1に示す。 実施例 5 実施例1において、N−メチルホルムアニライ
ドのかわりにN−(n−ブチル)ホルムアニライ
ドを使用した以外は全て同様に実施した。結果を
表−1に示す。 実施例 6 実施例1において、塩化チオニルの使用量を
95.2g(0.8モル)とし、N−メチルホルムアニ
ライドと塩化チオニルより得られた反応混合物に
1・2−メチレンジオキシベンゼン97.6gの代り
に15gのO−ジクロルベンゼンを加え、別の反応
器に装入する1・2−メチレンジオキシベンゼン
を122g(1.0モル)として、実施例1と同様操作
を行なつた。結果を表−1に示す。 実施例 7 実施例1において、塩化チオニルのかわりに臭
化チオニル166.3g(0.8モル)用いた以外は全く
同様にして実施した。結果は表−1に示す。 実施例 8 実施例1において、塩化チオニルのかわりに塩
化スルフリル108g(0.8モル)用いた以外は全く
同様にして実施した。結果を表−1に示す。 実施例 9 実施例2において、塩化チオニルの装入を温度
70℃、0.5時間で行ない、その後同温度で3時間
反応を行なつた以外は同様に行なつた。結果を表
−1に示す。 【表】
らに詳しくは、1・2−メチレンジオキシベンを
N−アルキルホルムアニライドおよび塩化チオニ
ル、臭化チオニル、塩化スルフリルまたは臭化ス
ルフリルの中から選ばれた少くとも1種以上の縮
合剤とを減圧下に反応させ、得られた反応物を加
水分解することを特徴とするピペロナールの製造
法に関する。 ピペロナールはヘリオトロープ系香料の調合基
材であり、一般香粧品香料として広く使用される
ほか、医薬品、濃薬などの工業原料および金属メ
ツキの光沢剤として極めて有用な物質である。現
在、ピペロナールは、主にOcotea Cymbarumの
精油に含まれるサフロールを原料として工業的に
製造されている。しかしながら、サフロールを得
るための天然資源の枯渇問題により、近年ピペロ
ナールを石油化学製品を原料として工業的に安定
に供給せんとする要望が高まつてきた。 既に公知のピペロナールの製造法の中では、ピ
ロカテコールから製造される1・2−メチレンジ
オキシベンゼンを出発原料する方法が工業的に有
利である。すなわち、従来この種の方法としてP.
P.Shoryginら:J.Gen.chem.(U.S.S.R)第8
巻、第975頁(1938)の報告がある。それによれ
ば、第1段階として石油ベンジン溶剤中1・2−
メチレンジオキシベンゼンに塩化水素ガス、塩化
亜鉛存在下、ホルマリンを作用させピペロニルク
ロリドを製造する(反応した1・2−メチレンジ
オキシベンゼンに対して70〜78%の収率)。第2
段階としてピペロニルクロリドに60%アルコール
溶剤中当モルのヘキサミンを作用させ70〜80%の
収率でピペロナールを製造するという2段階製造
法にある。また、E.D.Laskinaらは1・2−メチ
レンジオキシベンゼンに大過剰のm−ニトロベン
ゼン−スルホン酸ナトリウム塩、塩化水素存在下
アルミニウムを触媒としてホルマリンを作用さ
せ、42.2%の収率でピペロナールを製造した。
〔Chemical Abstracts、第57巻、9714(1962)〕。 しかしながら、上記従来法はタール状の副生物
が多量に生ずるため収率、特に選択率(反応した
1・2−メチレンジオキシベンゼンに対するピペ
ロナールの収率)が極端に低い、反応操作が複
数、溶剤を使用する、副生する多量の金属水酸物
を処理しなければならないなどの欠点を有し、必
ずしも工業的方法として満足し得るものではな
い。 そこで、本発明者らは、実施が容易でしかも従
来法の欠点を解消し高収率でピペロナールを製造
すべく種々研究を行つた結果、1・2−メチレン
ジオキシベンゼンをホルミル化剤としてN−アル
キルホルムアニライドおよび縮合剤としてオキシ
塩化燐またはホスゲンと反応せしめ、得られた反
応生成物を加水分解することによりピペロナール
を選択的かつ収率良く得ることができることを見
出し、先に特許を出願した(特願昭51−73109)。 この方法では、縮合剤として用いるホスゲンは
その毒性のため取扱いに難点があり、オキシ塩化
燐は非水処理に多くの設備を要する。一方安価で
取り扱いがより容易な塩化チオニル、塩化スルフ
リルなどを用いた場合は、通常副生物を生じ、ピ
ペロナールの収率は多少低い欠点があつた。しか
しながら、反応を減圧下で行なうことにより塩化
チオニル、塩化スルフリルなどを用いても効果的
にピペロナールを製造し得ることを見出した。 すなわち、1・2−メチレンジオキシベンゼン
をN−アルキルホルムアニライドおよび塩化チオ
ニル、臭化チオニル、塩化スルフリルまたは臭化
スルフリルの中から選ばれた少くとも1種以上の
縮合剤とを、減圧下に反応せしめることにより、
ピペロナールを選択的にかつ収率よく製造し得る
本発明の方法を完成した。 すなわち、本発明の方法は、下記反応式で示さ
れる反応により目的とするピペロナール()が
高収率で得られる。 すなわち、N−アルキルホルムアニライド
()および塩化チオニル、臭化チオニル、塩化
スルフリルまたは臭化スルフリルの中から選ばれ
た少くとも1種以上の縮合剤とを減圧下に反応さ
せて、生成する反応中間体(通称、アミドクロリ
ド)を1・2−メチレンジオキシベンゼン()
と反応せしめて、得られた反応生成物を加水分解
してピペロナール()とモノアルキルアニリン
()を生成する。反応を減圧下で行なうことよ
り、反応中間体アミドクロリドの生成時に発生す
るSO2またはSO3を反応系外に除去することにな
りSO2またはSO3と出発原料との副反応を制御で
き、目的物の収率および選択率が向上し、さらに
ピペロナール()とともに生成するN−アルキ
ルホルムアニリン()を容易に回収でき、しか
もこの化合物()は蟻酸と反応させることによ
り本発明の副原料とするN−アルキルホルムアニ
ライド()として好適に再使用できるものであ
る、この面からも本発明方法は工業的に有利に実
施できるものである。 本発明の方法で使用されるN−アルキルアニラ
イドは、一般式() (式中、Rは、炭素原子数1〜4のアルキル基を
示す。)で表わされ、次の化合物が挙げられる。 N−メチルホルムアニライド、N−エチルホル
ムアニライド、N−(イソプロピル)ホルムアニ
ライド、N−(n−プロピル)ホルムアニライ
ド、N−(n−ブチル)ホルムアニライド、N−
(Sec−ブチル)ホルムアニライド、N−(tert−
ブチル)ホルムアニライドで、これらの化合物の
中でN−メチルまたはN−エチルホルムアニライ
ドが最も好ましい。 本発明の方法で使用する1・2−メチレンジオ
キシベンゼンは、公知の方法によつて、たとえ
ば、カテコール(1・2−ジオキシベンゼン)
を、ジメチルスルホキシドのような非プロトン性
極性溶媒中で塩化メチレンおよびアルカリと反応
させることにより高収率で得ることができる。 本発明の方法において、N−アルキルホルムア
ニライドと1・2−メチレンジオキシベンゼンと
の好適な反応割合は、N−アルキルホルムアニラ
イドの1モルに対して、1・2−メチレンジオキ
シベンゼンは0.2〜10モル、好ましくは、0.5〜3.0
モルであつて、この範囲以上であつても、とくに
問題はない。 さらに、本発明の方法に使用する縮合剤は、塩
化チオニル、臭化チオニル、塩化スルフリルおよ
び臭化スルフリルであつて、これらは1種以上を
併用しても良いが、好ましくは、塩化チオニルで
ある。これらの縮合剤の使用量は、N−アルキル
−ホルムアニライドの1モルに対して0.3〜3.0モ
ル、好ましくは0.8〜1.3モルである。 本発明を実施するには、その態様として2つの
方式がある。その1つは、1・2−メチレンジオ
キシベンゼンまたは不活性有機溶媒中あるいは無
溶媒下にあらかじめN−アルキルホルムアニライ
ドと縮合剤とを反応させ、発生するSO2または
SO3を減圧下で反応系外へ除去しながら、1・2
−メチレンジオキシベンゼンにアルデヒド基を導
入せしめる中間体、すなわちアミドクロリドを合
成する。この反応における反応温度は0〜80℃、
好ましくは40〜60℃とし、この範囲の温度に制御
することにより、アミドクロリド同志の反応など
の副反応およびアミドクロリドと1・2−メチレ
ンジオキシベンゼンとの反応を抑制し、さらに反
応により生成するSO2またはSO3を減圧下、好ま
しくは20〜400mmHgの減圧下に反応系外に除去す
ることにより、目的とするアミドクロリドの生成
反応を効果的に進めることができる。アミドクロ
リドの生成反応を無溶媒で行なつた場合は、その
まゝまたは1・2−メチレンジオキシベンゼンも
しくは不活性溶媒に溶解して使用する。 以上の方法により得られたアミドクロリドは、
−40〜60℃、好ましくは−20〜50℃の範囲の温度
に保ち、一方あらかじめアミドクロリドと1・2
−メチレンジオキシベンゼンとが反応する温度に
まで高められた1・2−メチレンジオキシベンゼ
ン(他の不活性溶剤と混合してもよい)中に効果
的に撹拌しながら連続的もしくは間けつ的に滴下
し、アミドクロリド同志の反応を抑えながら、
1・2−メチレンジオキシベンゼンとの反応を優
先的に完結せしめて反応生成物を得る。この反応
生成物を常法で加水分解してピペロナールを得る
ことができる。 他の態様は、1・2−メチレンジオキシベンゼ
ンをN−アルキルホルムアニライドおよび縮合剤
ならびに必要により不活性有機溶剤とを同一反応
機に装入して反応させる方法である。より具体的
には、N−アルキルホルムアニライドと1・2−
メチレンジオキシベンゼンおよび必要により不活
性有機溶剤を加えた混合物中に、撹拌しながら縮
合剤を50〜100℃、好ましくは60〜80℃の範囲
で、かつ減圧下、好ましくは20〜400mmHgの減圧
下に添加して反応を実施する。この方法において
縮合剤の添加を−40〜100℃、好ましくは−20〜
70℃の温度範囲とし、かつ前記の減圧下に行な
い、添加完了後、反応温度を50〜110℃、好まし
くは、60〜100℃の範囲で常圧もしくは減圧下で
反応させる方法が好ましい。得られた反応生成物
は、常法により加水分解してピペロナールを得る
ことができる。本発明の反応時間は、方法により
異なるが、通常、アミドクロリドの装入時間を加
えて1〜30時間であり、好ましい実施態様におい
て、3〜15時間である。 なお、本発明の方法において、所望により用い
る不活性有機溶剤は、たとえば、ベンゼン、クロ
ルベンゼン、O−ジクロルベンゼン、クロロホル
ム、四塩化炭素、塩化メチレン、1・2−ジクロ
ルエタン、およびトリクレンなどである。 得られた反応生成物の加水分解は、通常の方法
により0〜100℃、好ましくは、0〜80℃の水中
に撹拌しながら排出することににより分解し、目
的とするピペロナールおよびN−アルキルアニリ
ンが生成する。この加水分解混合物はそのまゝ、
ベンゼン、トルエン、クロロホルム、四塩化炭
素、またはジクロルエタンなどの抽出剤で抽出
し、残つた水層はアルカリで中和し、遊りしたN
−アルキルアニリンを、前記のような抽出剤で抽
出する。それぞれの抽出液は、常法により減圧下
蒸留分離することにより、目的物ピペロナール、
N−アルキルアニリンのほか、未反応の1・2−
メチレンジオキシベンゼン・N−アルキルホルム
アニライドを得る。蒸留により得られた粗ピペロ
ナールは、常法によりアルコールで再結晶すると
香料として使用可能な高純度のピペロナールを得
る。また、N−アルキルアニリンは蟻酸と反応さ
せることにより容易にN−アルキルホルムアニラ
イドが得られるので、本発明の副原料として再使
用できる利点があり、この面からも本発明の方法
は工業的に有利である。 以下、本発明の方法を実施例により具体的に示
す。 実施例 1 氷水で冷却し、かきまぜながらN−メチルホル
ムアニライド108g(0.8モル)に塩化チオニル
104.7g(0.88モル)を滴下した。滴下終了後2
時間室温に放置し、その後60〜80mmHgの減圧下
40〜45℃で1時間加熱を続けた。得られた混合物
に1・2−メチレンジオキシベンゼン97.6g
(0.8モル)を加え15℃に保つた。一方、別の反応
器に1・2−メチレンジオキシベンゼン29.3g
(0.24モル)を装入し、90℃に保つておく。この
反応器に上記混合物を5時間で添加する。添加終
了後30分、90℃に保つた後、反応生成物をかきま
ぜながら氷中に注ぎ、1時間放置した。次いで反
応混液をトルエン抽出した。真空蒸留によりトル
エン留去後、84〜85℃/30mmHgの留分を捕集
し、未反応1・2−メチレンジオキシベンゼン
63.3g(0.519モル)を回収した。さらに、蒸留
により131〜134℃/10mmHgの留分を捕集してピ
ペロナール76.1g(0.507モル、純度99.5%)を得
た。ピペロナールの収率(対N−メチルホルムア
ニライド、モル%)63.4%、選択率(対反応した
1・2−メチレンジオキシベンゼン、モル%)
97.3%であつた。このものの融点は37℃であつ
た。 本品のガスクロマトグラフイー、NMRスペク
トル、Massスペクトル、IRスペクトル分析は標
品のそれと完全に一致した。 また上記においてトルエン抽出後の水層を20%
苛性ソーダ水溶液で中和し、これをトルエン抽出
した。 真空蒸留によりトルエン留去後、111〜113℃/
50mmHgの留分を捕集し、、N−メチルアニリン
62.0g(0.579モル)を回収した。これは回収率
72.4%であつた。また、151〜153℃/50mmHgの
留分を捕集し、N−メチルホルムアニライド4.2
g(0.031モル)を回収した。これは回収率3.9%
であつた。ここで回収したN−メチルアニリン
は、蟻酸との反応によりN−メチルホルムアニラ
イドの合成反応に使用した。 実施例 2 1・2−メチレンジオキシベンゼン97.7g
(0.8モル)、N−メチルホルムアニライド108g
(0.8モル)を混合し、かきまぜながらこの混合物
中に塩化チオニル96.4g(0.81モル)を50℃で1
時間を要して添加した。その後70℃で5時間かき
まぜ反応した。これらの操作は60〜80mmHgの減
圧下に行なつた。反応生成物は、氷水中に注ぎこ
み1時間かきまぜた。以後の操作は、実施例1と
同様に行なつた結果、ピペロナール収率47.2%
(対N−メチルホルムアニライド、モル%)、選択
率88.5%(対反応した1・2−メチレンジオキシ
ベンゼン、モル%)であつた。N−メチルアニリ
ンおよびN−メチルホルムアニライドの回収率は
それぞれ62.0%および3.5%であつた。 実施例 3 実施例1において、N−メチルホルムアニライ
ドのかわりにN−エチルホルムアニライドを使用
した以外は全て同様にして実施した。結果を表−
1に示す。 実施例 4 実施例1において、N−メチルホルムアニライ
ドのかわりにN−(iso−プロピル)ホルムアニラ
イドを使用した以外は全く同様に実施した。結果
を表−1に示す。 実施例 5 実施例1において、N−メチルホルムアニライ
ドのかわりにN−(n−ブチル)ホルムアニライ
ドを使用した以外は全て同様に実施した。結果を
表−1に示す。 実施例 6 実施例1において、塩化チオニルの使用量を
95.2g(0.8モル)とし、N−メチルホルムアニ
ライドと塩化チオニルより得られた反応混合物に
1・2−メチレンジオキシベンゼン97.6gの代り
に15gのO−ジクロルベンゼンを加え、別の反応
器に装入する1・2−メチレンジオキシベンゼン
を122g(1.0モル)として、実施例1と同様操作
を行なつた。結果を表−1に示す。 実施例 7 実施例1において、塩化チオニルのかわりに臭
化チオニル166.3g(0.8モル)用いた以外は全く
同様にして実施した。結果は表−1に示す。 実施例 8 実施例1において、塩化チオニルのかわりに塩
化スルフリル108g(0.8モル)用いた以外は全く
同様にして実施した。結果を表−1に示す。 実施例 9 実施例2において、塩化チオニルの装入を温度
70℃、0.5時間で行ない、その後同温度で3時間
反応を行なつた以外は同様に行なつた。結果を表
−1に示す。 【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 1・2−メチレンジオキシベンゼンを一般式
() (式中、Rは、炭素原子数1〜4のアルキル基を
示す)で表わされるN−アルキルホルムアニライ
ドおよび塩化チオニル、臭化チオニル、塩化スル
フリルまたは臭化スルフリルの中から選ばれた少
くとも1種以上の縮合剤とを減圧下に反応させ
て、得られた反応物を加水分解することを特徴と
するピペロナールの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15364277A JPS5488269A (en) | 1977-12-22 | 1977-12-22 | Production of piperonal |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15364277A JPS5488269A (en) | 1977-12-22 | 1977-12-22 | Production of piperonal |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5488269A JPS5488269A (en) | 1979-07-13 |
| JPS6134432B2 true JPS6134432B2 (ja) | 1986-08-07 |
Family
ID=15566975
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15364277A Granted JPS5488269A (en) | 1977-12-22 | 1977-12-22 | Production of piperonal |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5488269A (ja) |
-
1977
- 1977-12-22 JP JP15364277A patent/JPS5488269A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5488269A (en) | 1979-07-13 |
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