JP2002509113A - 単純ヘルペスウイルス用のワクチン組成物および使用方法 - Google Patents

単純ヘルペスウイルス用のワクチン組成物および使用方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、癌遺伝子の欠失した全生HSV−2ウイルスを含む単純ヘルペス用の新規ワクチン組成物を開示する。ワクチン組成物の使用方法も含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景
【0002】 単純ヘルペスウイルス(HSV)は、よく研究されているウイルスである。識
別可能な両方の血清型の単純ヘルペスウイルス(HSV−1およびHSV−2)
は、比較的軽度の口唇上発熱性疱疹から重度の陰部感染までの範囲におよぶ感染
および疾病、並びに新生児の全身感染を引き起こす。HSV−1およびHSV−
2は、DNAレベルで50%相同性であり、一方の共通エピトープに対するポリ
クローナル抗体およびMAb抗体は、他方に交差反応する。
【0003】 HSV−1およびHSV−2は、独特なアミノ末端ドメインを含むRR1タン
パク質(それぞれICP6およびICP10と称する)を有する。HSV−2の
独特なドメインは、自己リン酸化活性およびリン酸基転移活性を有し、トランス
メンブラン(TM)ドメインを有するser/thr特異的PKをコードする。
PKドメインをコードする配列は、悪性形質転換を引き起こし、頸部癌に関連性
がある(HSV−2癌遺伝子)。HSV−1RR1タンパク質(ICP6)の独
特な末端ドメインもPK活性を有するが、構造的にも機能的にもHSV−2癌タ
ンパク質のものとは異なる。
【0004】 ICP10PKで使用したものと類似の酵素アッセイ条件を使用した本来の研
究により、ICP6は、独特なドメインを保持しているが、PK活性はもたない
と結論づけられた(チュン(Chung)ら、J.Virol. 63:3389-3398、1989)。独 特なPKドメインの配列は僅か38%の相同性しか示さないので、これは予期さ
れないことではなかった(ニカス(Nikas)ら、Proteins:Structure, function
and genetics 1:376-384、1986)。さらなる研究により、ICP6は、異な
る条件下においてのみ、PK活性を有することが示された。他のタンパク質をリ
ン酸基転移する能力については矛盾した結果が得られた(問題の論評については
ペング(Peng)ら、Virology 216:184-196、1996参照、特に表1)。ICP6 およびICP10タンパク質のPK活性の異なる理由は、ICP6PKATP結
合部位が、残りの触媒モチーフから遠くに位置していることにあるようである(
クーパー(Cooper)ら、J.Virol 69:4979-4985、1995)。ICP6はまた、機 能的TMドメインをもたず、それは細胞表面に局在していない(コナー(Conner
)ら、Virology 213:615、1995)。天然ICP6のPK活性は、そのKが、 ICP10PKのKよりも10倍高いという、理想的な条件下でさえ非常に弱
い(ペングら、Virology 216:184、1996;リー(Lee)およびオーリーリャン(
Aurelian)、準備中)。
【0005】 ICP6の形質転換活性は、HSV2癌遺伝子が位置する場所より遠いゲノム
フラグメント内に位置する。この系の形質転換は形態学的である(フォーカス形
成能)。
【0006】 アミノ末端のICP10の3分の1(アミノ酸1−417)をコードするDN
A配列が、発癌性を有することは以前に示されている。これらのDNA配列でト
ランスフェクトさせた細胞は、足場非依存性増殖を明示し、動物に腫瘍を引き起
こす。形質転換は、げっ歯類およびヒト細胞の両方で見られる(ジャリワラ(Ja
riwalla)ら、PNAS 77:2279-2283、1980;ハヤシ(Hayashi)ら、PNAS 82:849
3-8497、1985;スミス(Smith)ら、Virology 200:598-612、1994;ハンター(
Hunter)ら、Virology 210:345-360、1995)。
【0007】 ICP10アミノ酸1−411内には3つの機能的ドメインがある:(i)8
つの保存された触媒モチーフ(アミノ酸106−411)をもつPK触媒ドメイ
ンを包含する、アミノ酸106−411の細胞内ドメイン、(ii)アミノ酸8
8−105のTM、および(iii)アミノ酸1−88の細胞外ドメイン(チュン ら、J.Virol.63:3389-3395、1989;Virology 179:168-178、1990)。PK活性 に必要な最少サイズは、アミノ酸1−283(pp29lal)である(ルオ(
Luo)ら、Biol.Chem.266:20976-20983、1991)。しかし、pp29lalのPK
活性は、真正ICP10 PKとは異なる特性をいくらか有し、これはおそらく
、PK触媒ドメインVIの一部がないためであろう(ルオら、J.Biol.Chem.266:
20976-20983、1991)。TMドメインも、PK活性に必要である(が十分ではな い)(ルオとオーリーリャン、J.Biol.Chem.267:9645-9653、1992)。それ故、 PK活性はアミノ酸88−411内に局在し、不可欠なコアはアミノ酸88−2
83であると結論づけられる。
【0008】 ICP10コード領域内の独特なHpaI部位は、形質転換領域の3'末端を 示し(ジャリワラら、Proc.Natl.Acad.Sci.77:2279-2283、1980)、アミノ酸残 基417のコドンの後で遺伝子を切断する。pp29lalが形質転換活性を有
するかどうかは不明である。しかし、PK活性は、腫瘍化能に必要とされる。P
K陰性の変異体は細胞を形質転換しない。これは、TMドメインの欠失した変異
体、並びにATP結合部位(Lys176および/またはLys250)または
イオン結合部位(Glu209)における部位特異的変異体を含む(スミスら、
Virology 200:598-612、1994;Aurelian,L.,生物学におけるフロンティア、印 刷中)。なぜなら、TMドメインのみが欠失したPK変異体は、形質転換活性を
もたないからである(スミスら、Virology 200:598-612、1994)。ICP10 アミノ酸106−411をコードするがPK活性はないDNA配列は、本質的に
腫瘍性ではない。これは、(i)HSV−2癌タンパク質は、ICP10アミノ
酸1−411内に位置し、(ii)腫瘍化能は機能的PK活性を必要とすること
を実証する。
【0009】 ウイルス増殖/病理発生におけるICP10PKの機能は不明である。
【0010】 HSV−2ICP10タンパク質は、内在性PK活性を有する。これは、IC
P10PK活性が部位特異的変異誘発により失われることを実証したことにより
示された。癌遺伝子はまた、140、149、および396位に、SH3結合部
位を有し、これは、シグナリングタンパク質との相互作用に必要とされる。この
相互作用は、形質転換活性に必要である。部位特異的変異誘発を使用して、キナ
ーゼ活性およびシグナリングタンパク質との相互作用に必要とされるアミノ酸を
同定した。Lys176またはLys250の変異により、PK活性(5〜8倍
)および14C標識ATP類似体のp−フルオロスルホニルベンゾイル5'−ア デノシン(FSBA)の結合は減少したが、消失はしなかった。酵素活性および
FSBA結合は、両方のLys残基の変異により消失し、これは、どちらか一方
がATPに結合できることを示唆する。Glu209(PK触媒モチーフIII
)の変異により、事実上、Mg2+またはMn2+イオンの存在下でキナーゼ活
性は消失し、これは、Glu209はイオン依存的PK活性に機能することを示
唆する。
【0011】 ICP10PKは、シグナリングに関与する増殖因子レセプターとして機能し
、それはインビトロでアダプタータンパク質Grbに結合する。ICP10P
Kドメイン内のSH3結合部位(140、149および396位)は、シグナリ
ングタンパク質との相互作用および、よって形質転換に必要である(ネルソン(
Nelson)ら、J.Biol.Chem.271:17021-17027、1996)。396位および149位 のICP10プロリンリッチモチーフの変異により、Grb結合はそれぞれ2
0倍および2倍減少した。結合は、両方のモチーフの変異により消失した。野生
型ICP10へのGrbの結合は、GrbC末端SH3モチーフのペプチド
と競合し、これは、それがGrbC末端SH3が関与することを示唆する(ネ
ルソンら.、J.Biol.Chem.271:17021-17027、1996)。
【0012】 ICP10PK触媒ドメインはまた、PK活性のダウンレギュレーター(ra
s−GAP)との結合に関与する106−178位のアミノ酸も含む。アミノ酸
106−178の欠失により、PK活性は減少するが、消失はしない(ルオとオ
ーリーリャン、J.Biol.Chem.267:9645-9653、1992)。しかし、ras−GAP 結合は消失し、よって形質転換能は増加する(ネルソンら、原稿準備中)。
【0013】 ICP10PKウイルスの構築は、ペングらにより記載される(Virology 21
6、184-196、1996)。簡潔には、HSV−2 BamHI EおよびTフラグメ
ントを含むプラスミド(TP101)中の野生型配列を、pJHL9由来の1. 8kbのSalI/BglIIフラグメントで置換した。pJHL9は、PK触
媒ドメインの欠失したICP10変異体を含むプラスミドである(ルオとオーリ
ーリャン、J.Biol.Chem.267:9645-9653、1992)。得られたプラスミドTP9は 、5'および3'末端のHSV−2DNA配列のそれぞれ4および2.8kbによ りフランキングされる、PK触媒ドメインを欠失したICP10をコードする配
列を含む。TP9由来の10kbのHindIII/EcoRIフラグメントを
、ICP10のRRドメインをLacZ遺伝子で置換しておいたウイルス(IC
P10ΔRR)に、マーカートランスファーにより導入した。得られた組換えウ
イルス(ICP10ΔPKと称する)は、X−galで染色後、青色プラークの
背景で白色プラークを選択することにより得られた。数個の白色プラークを拾い
上げ、精製した。2つを、10%血清と共にVero細胞中で増殖させ(指数関
数的に増加して)それぞれRFおよびCSと称される個々の系統とした。
【0014】 従来技術には公知のHSVワクチンがいくつかある。米国特許第4,347,1
27号;第4,452,734号;第5,219,567号;および第5,171,5
68号は各々、HSV−2感染に対する防御を提供するサブユニットワクチンを
教示する。これらのワクチンは、生弱毒ウイルスを使用したワクチンよりも劣る
。サブユニットワクチンにより誘導される免疫は、サブユニットにより提示され
る特定のタンパク質に限られ、これには十分な防御能がないこともある。さらに
、それは複製せず、それ故、タンパク質は全く増幅されず、これによりさらに免
疫原性が減少するだろう。これらの問題は、調製法が、組換えタンパク質を介す
るかまたはウイルス由来の抗原の精製を介するかに関係なく、どのサブユニット
ワクチンでも生じる。
【0015】 米国特許第4,554,159号に開示したような交差組換えワクチンは、サブ
ユニットワクチンのような問題はないが、HSV−2に存在する癌遺伝子を含ん
でいる。癌遺伝子を明確にし削除するように注意を払わなければ、交差組換えワ
クチンは、ワクチン接種者に癌を誘発するだろう。
【0016】 '159号の交差組換え体は、温度感受性である。非病原性体は、温度耐性を 選択することにより得られ得るが、マウスの体温は39℃であり、一方ヒトの体
温は37℃である。この温度感受性は、ワクチンにかかる交雑した問題をよく与
える。非病原性体の優れた選択方法は、ウイルスが複製する温度と関係のない、
病原性体をコードする遺伝子の除去による。また、原型交差の使用により、遺伝
子が欠失または挿入した変異体の使用は妨げられるだろう。
【0017】 HSV−1およびHSV−2上には多くの型共通エピトープが存在するため、
ヒト血清の抗体は交差反応性である(オーリーリャンら、J.Natl.Cancer Inst.
45:455-464、1970)。また、細胞性免疫が交差反応することも以前に示されてい
る(ジャコブス(Jacobs)ら、J.Immunol.116:1520-1525、1976)。
【0018】 生ワクチンは、死菌ワクチンよりも優れている。なぜなら、生ワクチンは、多
くの免疫を誘導し、また、粘膜性、細胞性および体液性などの異なる型の免疫も
誘導するからである。ウイルス力価はワクチン接種者内で複製により増加するた
め、通常、より高レベルの免疫が得られる。最終的に、生ワクチンがより長く持
続し、よってブースターの必要がなくなり、初期投与量は減少させることができ
る。しかし、生ヘルペスワクチンに絶対に必要なのは、本発明のように、形質転
換を引き起こす原因の遺伝子の除去である。
【0019】 既知のワクチンはウイルス型特異的ではない。HSV−1またはHSV−2用
の既知の全てのワクチンは交差反応性であり、他のウイルス型にも免疫を提供す
る。最も開発の進んでいるワクチン(すなわち、神経毒性遺伝子のワクチン)は
、HSV−1におけるものである。しかし、HSV−1は、ヘルペスに対する望
ましいワクチン候補ではない。なぜなら、主な臨床的問題は、癌誘発にも関連し
ている、性的に伝達されるHSV−2であるからである。近年の研究により、米
国でのHSV−2の年齢調整罹患率は、現在、20.8%であり、過去13年間 に約30%増加していることが示される(フレミング(Fleming)ら、New Engl
.J.Med.337:1105-1111、1997)。若い成人の間でHSV−2罹患率が増加してい
ることにより、乳児が出産時にHSV−2に曝露され、その結果、抗ウイルス療
法を受けても、依然として生命に危険を及ぼす感染にかかる可能性が高まる(ウ
イットレイ(Whitley)ら、New Engl.J.Med.327:782-799、1992[Erratum、N.E
ngl.J.Med.328:671、1993])。HSV−2感染に関する新たな懸念は、それが HIVの蔓延を促進し、疾病の重度を増加させるかもしれないというものである
(オーリーリャン,エル.編、ヘルペスウイルス、免疫系およびエイズ、Kluwer
Academic Publishers、Boston、Mass、1990)。HSV−1はHSV−2に対し
て僅か50%しか相同性を示さないので、これが、ワクチン接種個体群の異種株
に対する応答率を低下させているのかもしれない。生ワクチンの他の絶対必要条
件は、免疫時に病変がないことである。生ワクチンの望ましい特性は、すでに感
染した個人において再発病変の頻度を減少できることであろう。かかるワクチン
の恩恵を受けたであろう非感染個体と性交したかもしれないHSVにすでに感染
した個体群はかなり多い。
【0020】 本発明は、上記した全ての問題を解決し、HSV−2の癌遺伝子が欠失され、
ワクチン組成物に製剤化された、全生弱毒HSV−2が提供される。本発明は、
HSV−1またはHSV−2に対して、該ワクチン組成物を用いて被検者を免疫
化する方法を提供し、被検者に免疫を与える優れた方法を提供する。
【0021】 発明の要約
【0022】 本発明の目的は、ヒトを含む動物に投与した場合、HSV−1またはHSV−
2感染による攻撃からの防御を提供する、ワクチン組成物を提供することである
【0023】 本発明のさらなる目的は、形質転換を引き起こしウイルスを弱毒化させない癌
遺伝子またはその任意の部分を欠失させた、全生弱毒HSV−2を含むワクチン
組成物を提供することである。
【0024】 本発明のさらなる目的は、新規なワクチン組成物を投与することを含む、HS
V−2またはHSV−1に対して、被検者を免疫化する方法を提供することであ
る。
【0025】 本発明のまたさらなる目的は、新規なワクチン組成物を投与することを含む、
HSV−2またはHSV−1感染に関連した臨床症状を軽減または防ぐことであ
る。
【0026】 本発明のまたさらなる目的は、新規なワクチン組成物を投与することを含む、
以前に感染した被検者における、HSV−2またはHSV−1に関連した再発疾
病を減少させることである。
【0027】 発明の詳細な説明
【0028】 本発明において、生全HSV−2を変異させ弱毒化し、悪性形質転換を防いだ
。変異HSV−2は、免疫刺激剤またはアジュバントと共に製剤化でき、HSV
−1またはHSV−2に対して被検者を免疫化するために使用できる。リボヌク
レオチドレダクターゼの大サブユニットのプロテインキナーゼドメイン(ICP
10)は、以前、発癌特性を有することが示されている。PKドメインの欠失は
、本発明で、HSV−2の細胞感染能に対して有害な効果を有することが示され
る。本発明は、初めて、ICP10PKドメインの欠如した、従って癌遺伝子の
欠如した生HSV−2が、生野生型HSV−2による攻撃に対して免疫原性防御
を提供することを実証する。それ故、新規ワクチン組成物並びにHSV−2また
はHSV−1に対して被検者を免疫化する新規な方法が発見された。
【0029】 HSV−1およびHSV−2ウイルスは、非常に類似している。DNAは50
%相同性である。事実上、全てのウイルス性タンパク質は、型特異的および型共
通的エピトープの両方を有する。2つを除く全てのタンパク質で(すなわち82
個のタンパク質で)、型共通的エピトープが優勢である。例外は、型特異的抗体
を優勢に顕現するHSV−2gG2(アッシュレイ(Ashley)ら、J.Clin.Inves
t.90:511、1992)およびHSV−2癌タンパク質である。本発明では、HSV−
2癌タンパク質を、ICP10ΔPKから欠失させた。それ故、我々は、型特異
的免疫を誘導できるタンパク質を1つ有するのみである。残りの83個のタンパ
ク質は、型共通的免疫を誘導する。これは、抗体および細胞性免疫の両方を含む
【0030】 以前、生全HSV−2は、癌遺伝子が患者に強力な腫瘍の意味をもつことから
、HSVのワクチン選択肢として開発できなかった。本発明は、HSV−2ゲノ
ムから、癌遺伝子であるプロテインキナーゼを除去することによって、腫瘍特性
が除去されるだけでなく、ウイルスは弱毒化され、長時間攻撃に対する完全な防
御を提供することを実証する。
【0031】 癌遺伝子欠失を含む特定のHSV−2株は、本発明に重要ではない。かかる株
の例は、HSV−2(G)、HSV−2(333)、HSV−2(186)、H
SV−2(S−1)を含むが、任意の株が許容可能である。これらの株は、公知
であり、容易に入手できる。
【0032】 変異ウイルスの構築は、公知の技術によりなされる。癌遺伝子(PK)の位置
は、公知である(DNA腫瘍ウイルス発癌機構、シー.バルバンチ−ブロダーノ
(C.Barbanti-Brodano)ら編、Plenum Press、NY、1995、第14章、エル.オー リーリャン、単純ヘルペスウイルス1型および2型により誘導される形質転換お
よび変異原性効果、p253-280)。癌遺伝子は、HSV−2ゲノムのICP10区
分に位置する。以前に、PK活性および発癌活性は、ICP10アミノ酸88−
411をコード化する遺伝子配列内に位置することが示されている。簡潔には、
HSV−2 BamHI EおよびTフラグメントを含むプラスミド(TP10
1)中の野生型配列を、pJHL9の1.8kbSalI/BglIIフラグメ ントで置換した[PKドメインの欠失したICP10変異体、ルオとオーリーリ
ャン、J.Biol.Chem.267:9645-9653、1992]。得られたプラスミドTP9は、5'
および3'末端のHSV−2DNA配列のそれぞれ4および2.8kbによりフラ
ンキングされる、PK触媒ドメインを欠失したICP10をコードする配列を含
む。TP9由来の10kbのHindIII/EcoRIフラグメントを、IC
P10のRRドメインをLacZ遺伝子で置換しておいたウイルス(ICP10
ΔRR)に、マーカートランスファーにより導入した。得られた組換えウイルス
(ICP10ΔPKと称する)は、X−galで染色後、青色プラークの背景で
白色プラークを選択することにより得られた。数個の白色プラークを拾い上げ、
精製した。2つを、10%血清と共にVero細胞中で増殖させ(指数関数的に
増殖して)それぞれRFおよびCSと称される個々の系統とした。
【0033】 サザンブロットハイブリダイゼーションを使用して、ICP10ΔPKウイル
スのDNAに、ICP10PKコード領域が欠失していることを確認した。HS
V−2およびICP10ΔPK由来のDNAを、BamHIで消化し、1%アガ
ロースゲル上で分離し、ナイロン膜に転写した。ICP10RRコード領域内の
配列を認識する、AU26(CCCCTTCATCATGTTTAAGGA)プ
ローブとハイブリダイズさせた。ICP10ΔPKDNAに見られるハイブリダ
イズしたバンドは2.2kbであり、これに対し、野生型HSV−2では7.6k
bであった。類似の結果が、系統RFおよびCSでも得られた。
【0034】 ICP10ΔPKウイルスは、DNA解析、並びに、欠失タンパク質により保
持されるICP10アミノ酸に位置するエピトープに対する抗体での免疫沈降/
免疫ブロットにより野生型HSV−2から区別できる。
【0035】 ICP10ΔPKは、抗LA−1抗体(ICP10アミノ酸13−26を認識
する)で前沈降/免疫ブロットし(オーリーリャンら、Cancer Cells 7:187-1
91、1989)、タンパク質を、SDS−PAGEにより分離した。95kDaのタ
ンパク質が、ICP10ΔPKウイルスで感染させた細胞において抗体により認
識され、これに対し、140kDaのタンパク質が野生型ウイルスで感染させた
細胞において認識された。類似の結果が、系統RFおよびCSでも得られた。
【0036】 癌遺伝子またはその任意の部分を欠失させ得る。一旦欠失されれば、ウイルス
は弱毒化され細胞の悪性形質転換は防がれる、癌遺伝子の任意の部分を、「また
はその任意の部分」の表現によって、意味する。PK活性がないことを決定する
には、ウイルス遺伝子を発現させ、その結果を標準的なPKアッセイにかけるこ
とが必要である(チュンら、J.Virol.、63:3389-3398、1989)。PK活性に必要
なICP10遺伝子の区分については、従来技術に数多くの指針がある。ウイル
ス弱毒化の決定には、動物を試験して、病変形成のないことを決定することが必
要である。これをなす技術は、標準的であり、当分野では公知である。
【0037】 得られた変異ウイルスICP10ΔPKは、感染実験で使用し、野生型HSV
−2および回復HSV−2(R)ウイルスによる感染と比較した。感染に使用した
細胞は、本発明に重要ではない。野生型HSV−2で感染できる任意のヒトまた
は動物細胞系を、本発明に使用してよい。かかる細胞系の例は、Vero細胞、
HeLa細胞、293細胞、またはMRC5細胞(全て米国細胞培養バンク協会
から入手可能)を含む。ICP10ΔPKはまた、ICP10を構成的に発現す
る細胞、例えばJHLa1中で増殖できる。MEM−10%FCSおよび0.3 %ヒトIgGと共にVero細胞上でプラークアッセイにより滴定する。RFお
よびCSウイルス系統の増殖特性は、個々に決定した。
【0038】 感染実験も動物で実施した。マウスは、HSV−2の標準的な動物モデルを示
すので、マウスを選択した(ヴァクスマン(Wachsman)ら、Vaccine 10:447-45
4、1992)。マウス足蹠モデルを選択し、インビボでICP10ΔPKウイルス の病原性を調べた。RFおよびCSウイルス系統は、個々に研究した。重度の病
変が、HSV−2、またはHSV−2(R)と称される回復ウイルスを投与したマ
ウスに見られた。ICP10ΔPK(RFまたはCS系統)を投与したマウスに
は、全試験プロトコル中(1〜21日)、神経学的症状も皮膚病変もなかった。
【0039】 被検者の免疫化は、当分野で公知の標準的な解釈を示す。ワクチン組成物の投
与時に、中和抗体および細胞性免疫が被検者に生じ、該抗体および細胞性免疫は
、被検者に免疫を与える。
【0040】 本発明は、HSV−2に対する被検者の免疫化を教示する。「pfu」は、プ
ラーク形成単位であり、細胞培養物をウイルスに感染させる場合、単一のプラー
クを形成するのに必要なウイルスの量を示す。それは当業者により使用されるウ
イルス感染性の定量的尺度である。0.5〜1ミリオンpfuの用量を使用して 、ICP10ΔPK系統RF[ICP10ΔPK(RF)]でマウスを免疫化した
。1〜10ミリオンpfuの用量を使用して、ICP10ΔPK系統CS[IC
P10ΔPK(CS)]でマウスを免疫化した。ヒトでの用量の範囲は、1〜10
0ミリオンpfuである。好ましい範囲は、1000〜75ミリオンpfuであ
り、特に好ましい範囲は10,000〜50ミリオンpfuである。さらに、H SV−1とHSV−2の50%相同性により、HSV−1感染に対しても高度の
防御が得られる。
【0041】 ヒトに使用するICP10ΔPKの製剤化は、安定化成分を含むまたは含まな
い、および免疫刺激剤およびアジュバントを含むまたは含まない溶液中に懸濁す
ることにより行われる。安定化剤、免疫刺激剤、およびアジュバントの例は、ミ
ョウバン、不完全フロイントアジュバント、MR−59(カイロン)、MTPP
E、MPL(モノ−ホスホリル脂質A)を含む。かかる安定化剤、アジュバント
、および免疫刺激剤は、当分野で公知であり、単独でまたは組合せて使用できる
【0042】 本発明のワクチン組成物は、ヒトを含む任意の動物に投与できる。ワクチン組
成物は、任意の適切な投与形態、例えば、筋肉内、経口、皮下、皮内、膣内、直
腸、または鼻腔内投与を介して投与し得る。好ましい投与形態は、皮下または皮
内投与である。
【0043】 HSV−2感染に対する防御を提供するICP10ΔPKは、医薬的に許容さ
れる担体または希釈剤と共に投与できる。かかる医薬的に許容される担体または
希釈剤の例は、水、リン酸緩衝食塩水または重炭酸ナトリウム緩衝液を含む。多
くの他の許容される担体または希釈剤が知られている。
【0044】 好ましい例の態様
【0045】 組換え株ICP10ΔPK(CS)は、単純ヘルペスウイルス2型の好ましい株
であることが判明し、これは、HSV−1およびHSV−2の両方に対してヒト
宿主を免疫化するワクチン用に、その増殖速度を減少させる他の未知のゲノム修
飾を有すると共に、プロテインキナーゼをコードする遺伝子が欠失されている。
この株は、望ましい免疫原性特徴を示し、潜伏に毒性または発癌性をもたない。
この株は、1997年12月18日、米国、20852メリーランド、ロックバ
イル、パークローン・ドライブ12301の米国細胞培養バンク協会(ATCC
)に寄託され、ATCC受託番号VR2592により同定される。
【0046】 以下の例は、説明の目的のためのみに提供し、決して本発明の範囲を限定する
意図はない。
【0047】材料
【0048】 細胞 Vero(アフリカミドリザルの腎臓)細胞を、10%ウシ胎児血清(
FCS)および抗生物質を補充したイーグルス最少必須培地(EMEM)で増殖
させた。JHLa1細胞(ICP10を構成的に発現する)は先に記載した(ル
オとオーリーリャン、J.Biol.Chem. 267:9645-9653、1992;スミスら、Virolog
y 200:598-612、1994;ハンターら、Virology 210:345-360、1995)。それら を、10%FCS、1mMピルビン酸Na(ギブコBRL、Gaithersburg、メリー ランド)、1×非必須アミノ酸(ギブコBRL)および抗生物質と共にEMEM中 で培養した。Vero−ICP10細胞は、Vero細胞を、SV−neoカ
セットを有するICP10発現ベクター(pJW17N)でトランスフェクショ
ンして得た(ルオとオーリーリャン、J.Biol.Chem. 267:9645-9653、1992;ス ミスら、Virology 200:598-612、1994)。血清を不足させるために、10%F CSを含む培地中で増殖させて集密とした細胞を、リン酸緩衝食塩水(PBS)
pH7.0で洗浄し、2日間0.5%FCSを含む培地中で増殖させた。
【0049】 プラーク形成能 ウイルス力価は、記載したようにプラークアッセイにより決
定した(オーリーリャン,エル.、単純ヘルペスウイルス、Clnival Virology Manual 、第2版、スペクター(Specter),Sおよびランツ(Lancz),G.編、Els
evier Science出版p473-494、1992)。Vero−ICP10細胞を、10%ま
たは0.5%FCSおよび0.3%IgGで補充したMEMからなる付加分下で使
用した。
【0050】 抗体 ICP10PKドメインの決定基(アミノ酸106−178)を認識す
るICP10アミノ酸13−26に特異的な抗LA−1抗体およびモノクローナ
ル抗体(MAb30)の産生および特異性は、以前に記載された(オーリーリャ
ンら、Cancer Cells 7:187-191、1989、チュンら、J.Gen.Virol 72:1139-114
4、1991)。ICP4およびICP0MAbは、アドバンスト・バイオテクノロ ジー(コロンビア、メリーランド)から購入した。アクチンに対する抗体C−1
1は、サンタクルス・バイオテクノロジー(サンタクルス、カリフォルニア)か
ら購入した。
【0051】 免疫蛍光染色 22mmカバーガラス(Corning Glass Works、ニューヨ ーク)上に増殖させたVero細胞を、HSV−2またはICP10ΔPKで感
染させ、冷メタノール(−70°)中に固定した。それらを抗LA−1抗体また
はMAb30で、その後、それぞれフルオレセイン−コンジュゲートヤギ抗ウサ
ギまたはマウスIgGで染色(60分間、37℃)した(ワイマー(Wymer)ら 、J.Virol.63:277-2784、1984、スミスら、Virology 200:598-612、1994)。
【0052】 例1ICP10ΔPKおよびHSV−2(R)ウイルスの構築および特徴づけ
【0053】 ICP10ΔPKウイルスの構築は記載されている(ペングら、Virology 21
6:184-196、1996)。簡潔には、HSV−2 BamHI EおよびTフラグメ ントを含むプラスミド(TP101)中の野生型配列を、pJHL9由来の1. 8kbSalI/BglIIフラグメントで置換した[PKドメインの欠失した
ICP10変異体(ルオとオーリーリャン、J.Biol.Chem.267:9645-9653、1992 )]。得られたプラスミドTP9は、5'および3'末端のHSV−2DNA配列
のそれぞれ4および2.8kbによりフランキングされる、PKドメインの欠失 したICP10をコードする配列を含む。TP9由来の10kbのHindII
I/EcoRIフラグメントを、ICP10のRRドメインをLacZ遺伝子で
置換しておいたウイルス(ICP10ΔRR)に、マーカートランスファーによ
り導入した。得られた組換えウイルス(ICP10ΔPKと称する)は、X−g
alで染色後、青色プラークの背景で白色プラークを選択することにより得られ
た。数個の白色プラークを拾い上げ、精製した。2つの系統を、10%血清と共
にMEM中でVero細胞で増殖させた(指数関数的)。それらは、それぞれ、
ICP10ΔPK(RF)およびICP10ΔPK(CS)と称した。回復ウイルス
HSV−2(R)を構築するために、Vero細胞を、ICP10ΔPK由来の1
μgの感染性ウイルスDNAおよび10倍モル過剰の野生型BamHI E/T
フラグメントで同時トランスフェクトさせた。ICP6Δで報告されたものと類
似の戦略(GoldsteinおよびWeller、Virology 166:41-51、1988)を使用して、
増殖制限条件下で回復ウイルスを選択した(血清不足Vero細胞)。
【0054】 サザンブロットハイブリダイゼーションを使用して、ICP10ΔPK DN
Aが、ICP10PKコード領域で欠失していることを確認した。一般に、ウイ
ルスDNAを、記載のように細胞質ビリオンから単離した(ピグナッティ(Pign
atti)ら、Virology 93:260-264、1979;スミスら、J.Gen.Virol.73:1417-1428
、1992)。簡潔には、Vero細胞を、感染多重度(moi)5で感染させた。
感染の48時間後、細胞を、10mMトリス−HCl(pH7.9)、10mM EDTAおよび0.25%トリトンからなる緩衝液中に再懸濁(2×10細 胞/ml)した。氷上でインキュベートした後(15分間)、NaClを最終濃
度0.2Mで加え、核を、1,000×g(10分間、4℃)での遠心により沈降
させた。細胞質ビリオンを含む上清を、200μg/mlプロテイナーゼKおよ
び0.2%SDS中インキュベート(4時間、37℃)し、飽和ヨウ化ナトリウ ム(NaI;最終濃度1.525g/ml)および臭化エチジウム(最終濃度3 μg/ml)と混合し、100,000×gで16時間遠心した。
【0055】 ウイルスDNA(15μg)を、BamHIで消化し、フラグメントを、トリ
ス−アセテートEDTA(TAE)緩衝液(40mMトリスアセテートおよび1
mM EDTA)中、1%アガロースゲル電気泳動により分離した。それを、ジ
ーンスクリーンメンブラン(NEN(New England Nuclear)社)に転写し、膜を
、5×SSC[750mM NaCl、75mMクエン酸ナトリウム;pH(7.
0)]、2%カゼイン、0.1%N−ラウリルサルコシンおよび0.02%ドデシ ル硫酸ナトリウム(SDS)を含むプレハイブリダイゼーション液中、42℃で
2時間インキュベートした。ハイブリダイゼーションプローブは、ICP10R
Rコード領域の配列を示す、オリゴヌクレオチドAU26(CCCCTTCAT
CATGTTTAAGGA)であった。それに、プレハイブリダイゼーション液
中最終濃度5pmol/mlに希釈した1×反応緩衝液[5mM塩化コバルト(
CoCl)、0.05mM DIG−dUTP、5nmol/mlAU26、 0.5mM dATPおよび2.5単位/μl末端転移酵素]を用いて20μl容
量中、末端転移酵素(ベーリンガーマンハイム)により、37℃で15分間、ジ
ゴキシゲニン−dUTP(DIG−dUTP)を3'末端につないだ。ハイブリ ダイゼーションは、42℃で3時間実施した。膜は、2×SSC、0.1%SD Sを含む溶液中で5分間1回、および0.5×SSC、0.1%SDS中で15分
間2回洗浄(室温)した。ハイブリダイズしたDNAフラグメントを検出するた
めに、膜を緩衝液1(100mMトリスHCl、pH7.5、150mM Na Cl)中で濯ぎ、緩衝液2[緩衝液1中、2%(w/v)カゼイン]中で40分
間、および3×10−4U/mlのアルカリホスファターゼコンジュゲート抗ジ
ゴキシゲニン抗体(ベーリンガーマンハイム)を含む緩衝液2中で30分間イン
キュベートした。緩衝液1で洗浄(2回)し、緩衝液3(100mMトリス−H
Cl、pH9.5、100mM NaCl、50mM MgCl)に2分間浸 した後、膜を化学ルミネセンス基質ルミ−ホス(Lumi-Phos)530(登録商標)(
ベーリンガーマンハイム)に曝露し、反応をX線フィルム上に現像した。
【0056】 より具体的には、HSV−2、ICP10ΔPKまたはHSV−2(R)由来の
DNA(15μg)をBamHIで消化し、1%アガロースゲル上で分離し、ナ
イロン膜に転写した。それに、ICP10RRコード領域内の配列を認識するA
Uプローブ26とハイブリダイズさせた(図1A)。BamHI Eフラグメン
トを示すハイブリダイズしている7.6kbのバンドが、HSV−2(図1B、 レーン2)およびHSV−2(R)(図1B、レーン3)DNAに観察された。I
CP10ΔPK DNAに見られるハイブリダイズしているバンドは、2.2k bであり(図1B、レーン1)、期待したサイズと一致した。類似の結果が、I
CP10ΔPK(RF)およびICP10ΔPK(CS)でも得られた。データによ
り、ICP10ΔPK DNAはPKコード領域を欠失していることが確認され
る。
【0057】 例295kDaのPK欠失ICP10タンパク質(p95)の発現
【0058】 ICP10ΔPKが、PKドメインの欠失したICP10タンパク質を発現す
るかを決定するために、Vero細胞を、ICP10ΔPK(200pfu/細
胞)で感染させ、感染後6〜16時間[35S]−メチオニン(100μCi/m
l)で標識した。HSV−2またはHSV−2(R)で感染させた細胞は、対照と
して使用した。一般に、細胞は、PBS(pH7.4)で偽感染させるか、また は200PFU/細胞のHSV−2、ICP10ΔPK、またはHSV−2(R)
で感染させた。それらを、メチオニンを全く含まず10%透析FCSを含むEM
EM中で、[35S]−メチオニン(100μCi/ml)(sp Act 1120 Ci/mmol、デュポン、NEN Research Products)で標識した。いくつかの実 験で、感染は、シクロヘキシミド(50μg/ml)の存在下で6時間実施し、
6時間目にシクロヘキシミドを除去し、細胞をPBSで徹底的に洗浄し、10μ
g/mlのアクチノマイシンDおよび100μCi/mlの[35S]−メチオニ
ンの存在下、インキュベート(3時間)した。免疫沈降させるために、細胞溶解
液を、冷RIPA緩衝液[0.01MトリスHCl(pH8.0)、0.1%SD S、1%ノニデットP40、1%デオキシコレート、0.15M NaCl、1 mMジチオトレイトール]中、1mMフェニルメチルスルホニルフルオリド(P
MSF)、100カリクレイン単位/mlアプロチニン(シグマ)と共に、15
分間氷上でインキュベートし、30分間20,000×gでの遠心により細胞片 を除去した。それらは、15〜20μlの抗体(1時間、4℃)および100μ
lのプロテインA−セファロースCL4Bビーズ[0.1Mトリス−HCl(p H8.0)、0.15M NaClおよび0.5%ノニデットP40中、10mg ]と共にインキュベート(30分間、4℃)した。ビーズを、氷冷RIPA緩衝
液で徹底的に洗浄し、結合したタンパク質を100μlの変性溶液[150mM
トリス塩酸塩(pH7.0)、5.7%SDS、14%2−メルカプトエタノール
、17%スクロースおよび0.04%ブロモチモールブルー]中煮沸(5分間) することにより溶離させた。
【0059】 タンパク質を、7%または8.5%ポリアクリルアミドゲル上でSDS−PA GEにより分離し、オートラジオグラフィーにより可視化した。いくつかの実験
では、細胞を、直接変性溶液に再懸濁し、5分間煮沸し、SDS−PAGEによ
り分析した。
【0060】 より具体的には、細胞抽出物を、抗LA−1抗体で沈降させ、タンパク質を、
7%ポリアクリルアミドゲル上でSDS−PAGEにより分離した。抗LA−1
抗体は、HSV−2(図2A、レーン1)またはHSV−2(R)(図2A、レー
ン3)感染細胞からの140kDaタンパク質を沈降させた。ICP10ΔPK
感染細胞からは、95kDaタンパク質(p95)(図2A、レーン2)を沈降
させ、これは、PK欠失ICP10と一致する(ルオとオーリーリャン、J.Biol
.Chem.267:9645-9653、1992)。免疫前の血清は陰性であった(図2A、レーン 4)。RR2と一致する38kDaタンパク質が、3つの全てのウイルスで感染
させた細胞から抗LA−1抗体により共沈し、これは、p95は、おそらく、前
の複合体形成と関係するカルボキシ末端でRR2と複合体を形成できることを示
す(チュンら、J.Gen.Virol.72:1139-1144、1991)。類似の結果が、ICP10
ΔPK(RF)およびICP10ΔPK(CS)で得られた。
【0061】 例3ICP10ΔPKにより発現されるp95はキナーゼ活性が欠如している
【0062】 我々は、以前に、(i)ICP10は、HSV−2で感染および安定にトラン
スフェクトした細胞でキナーゼ活性を有し、(ii)PK活性は、ICP10タ
ンパク質の57−60kDaアミノ末端ドメインと関連性があるが、90−95
kDaカルボキシ末端ドメインとは関連性がないことを示した(チュンら、J.Vi
rol.63:3389-3398、1989;スミスら、Virology 200:598-612、1994)。ICP 10ΔPKにより発現されるp95は、PK活性を有するかを決定するために、
HSV−2、ICP10ΔPKまたはHSV−2(R)で感染(moi=200、
感染後16時間)させた細胞の抽出物を、抗LA−1抗体で免疫沈降させ、PK
アッセイにかけた(チュンら、J.Virol.63:3389-3398、1989)。
【0063】 一般に、BCAタンパク質アッセイキット(ピアス、ロックフォード、イリノ
イ)によりタンパク質濃度を規格化した細胞抽出物の免疫沈降物を、20mMト
リスHCl(pH7.4)、0.15M NaClを含むTS緩衝液で洗浄し、2
0mMトリスHCl(pH7.4)、5mM MgCl、2mM MnCl および10μCiの[32P]ATP(3000Ci/mmol、デュポン、New Eng
land Research Product)からなる50μlのキナーゼ反応緩衝液に懸濁し、 30℃で15分間インキュベートした(チュンら、J.Virol.63:3389-3398、1989
;チュンら、Virology 179:168-178、1990;スミスら、J.Gen.Virol.73:1417-1
428、1992;スミスら、Virology 200:598-612、1994;ペングら、Virology 21
6:184-196、1996)。ビーズを、1回、1mlのTS緩衝液で洗浄し、100μ lの変性溶液に再懸濁し、5分間煮沸した。タンパク質を、記載のように7%ポ
リアクリルアミドゲル上でSDS−PAGEにより分離した(チュンら、J.Viro
l.63:3389-3398、1989)。タンパク質を、前記したように、ニトロセルロース膜
にエレクトロトランスファーし(オーリーリャンら、Cancer Cell.7:187-191、
1989)、免疫ブロットを、それぞれの抗体、その後、プロテインA−ペルオキシ
ダーゼ(シグマ)と共に各々1時間室温でインキュベートすることにより実施し
た。検出は、ECL試薬(アマシャム、シカゴ、イリノイ)で記載の通り(スミ
スら、Virology 200:598-612、1994)行った。
【0064】 より具体的には、分離したタンパク質を、ニトロセルロース膜に転写し、抗L
A−1抗体で免疫ブロットし、沈降物中のタンパク質レベルを決定した。HSV
−2(図2B、レーン1)またはHSV−2(R)(図2B、レーン3)感染細胞
由来の140kDaのICP10タンパク質がリン酸化された。リン酸化95k
Daタンパク質は、ICP10ΔPKで感染した細胞には見られなかった(図2
B、レーン2)。これは、PKアッセイに使用した沈降物中のタンパク質レベル
が低いためではない。なぜなら、類似のタンパク質レベルが、抗LA−1抗体で
免疫ブロットすることにより、全ての3つのウイルスで見られたからである。(
図2C)。リン酸化38kDaタンパク質は、HSV−2(図2B、レーン1)
およびHSV−2(R)(図2B、レーン3)感染細胞で見られたが、ICP10
ΔPKで感染した細胞では見られなかった(図2B、レーン2)。免疫前の血清
は陰性であった(図2B、C、レーン4)。以前にチュンら(J.Virol.63:3389-
3398、1989)およびペングら(Virology 216:1 196、1996)により報告された
ように、我々は、これらのデータを、RR2は、ICP10PKによりリン酸化
されることを示唆するものと解釈する。それはp95によりリン酸化されず、こ
れはPKドメインがないことと一致する。類似の結果が、ICP10ΔPK(R F)およびICP10ΔPK(CS)で得られた。このデータにより、ICP10 PKコード領域は、キナーゼ活性に必要とされ、ウイルス感染とも関連している
ことが確認される。
【0065】 例4ICP10ΔPKのリボヌクレオチドレダクターゼ活性
【0066】 RR1タンパク質のRR活性とPK活性は解離できると一般に信じられている
(インゲマーソン(Ingemarson)ら、Virology 156:417-422、1987;チュンら 、J.Virol.63:3389-3398、1989)。この解釈の妥当性を調べるために、ICP1
0PK活性の欠如は、RR活性に影響を及ぼすかを文書で裏付けることは重要で
ある。RRアッセイは、感染細胞(moi=20、感染後16時間)由来の抽出
物で実施した。RR活性は、記載のようにアッセイした(スミスら、J.Gen.Viro
l.73:1417-1428、1992)。16時間感染させた細胞または偽感染細胞由来の抽出
物を、HD緩衝液[100mM HEPES緩衝液(pH7.6)、2mMジチ オトレイトール(DTT)]中、2×10細胞等価体/mlで再懸濁し、氷上
で15分間インキュベートし、超音波により破壊し(最大設定で30〜60秒間
;ウルトラソニックスモデル220Fソニフィアー(sonifier))、遠心分離(
100,000×g;1時間、4℃)により細胞片を除去した。HSV RR活 性は、結晶性硫酸アンモニウム[45%飽和(0.258g/ml)]で沈降さ せた。透析および遠心分離(16,000×g;30分間)後、部分精製酵素調 製物を、400mM HEPES緩衝液(pH8.0)、20nM DTTおよ び0.2mM[H]−CDP(17.8Ci/mmol、アマシャム、イリノイ)を含
む、等容量の2×標準反応混合物と共にインキュベート(37℃;10分間)し
た。反応は、10mMEDTA(pH8.0)と共に100mMのヒドロキシ尿 素の添加により終結させ、3分間煮沸した。Crotalus atrox毒液(シグマ、セ ントルイス、ミズーリ)を加え[12mMトリスHCl(pH9.0)、4mM MgCl、1mMデオキシシチジン中、0.5mg/ml]、混合物を30 分間37℃でインキュベートし、3分間煮沸し、0.5mlのDowex-1ボレートカ
ラム(シグマ)に適用した。カラムを、2.5mlHOで洗浄し、0.5mlの
溶出画分を、シンチレーション計測のためにバイオフルオア(Biofluor)(NE
N、ボストン、マサチューセッツ)と混合した。リボヌクレオチドレダクターゼ
活性は、単位/mgとして表し、ここで1単位は、1nmolの[H]−CDP
のdCDPへの変換/時間/タンパク質mgを示す。
【0067】 より具体的には、表1に示すように、ICP10ΔPKウイルスは、HSV−
2およびHSV−2(R)の活性と類似したRR活性を有していた。これは、p9
5がRR2と共沈するという所見と一致し、PKとRR活性は、機能的に解離で
きるという結論を支持する。
【0068】
【表1】
【0069】 例5ICP10ΔPKの増殖特性
【0070】 ICP10ΔPKの増殖特性は、指数関数的(10%血清)および増殖制限的
(0.5%血清)条件下で研究した。最初のシリーズの実験では、Vero細胞 を、感染多重度2で、HSV−2、ICP10ΔPK(RF)、またはHSV−2
(R)で感染させ、ウイルス増殖を、感染後36時間調べた。図3に示すように、
HSV−2は、指数関数的および増殖制限条件下で十分に等しく増殖した。ウイ
ルス複製は、感染の2時間後に開始し、感染の36時間後にピークレベルに到達
した(バーストサイズ1000pfu/細胞)。類似の増殖パターンが、HSV
−2(R)により明示された。これに対し、ICP10ΔPK複製の開始は、指数
関数的および血清不足細胞の両方において、感染の15時間後まで見られなかっ
た。その時点で、複製は再開され、指数関数的細胞における感染の36時間後の
HSV−2の力価と類似した力価に達したが(バーストサイズ1000pfu/
細胞)、血清不足細胞ではそうではなかった(バーストサイズ1pfu/細胞)
【0071】 第二シリーズの実験において、指数関数的Vero細胞を、感染多重度200
で、HSV−2またはICP10ΔPK(RF)で感染させた。HSV−2複製は
、感染の2時間後に開始し、感染の20時間後に最大力価に達した(図4)。こ
れに対し、ICP10ΔPKウイルスの複製は、感染の10〜12時間後に初め
て見られ、最大力価は感染の36時間後であった(図4B)。HSV−2(R)の
増殖は、事実上、HSV−2の増殖と同一であった(データは示していない)。
細胞内および細胞外ウイルスの力価は、HSV−2、ICP10ΔPKおよびH
SV−2(R)において類似しており、子孫ウイルスは等しくよく遊離されたこと
を示唆する(図4)。
【0072】 ウイルス増殖について、次に、2つのICP10ΔPKウイルス系統を比較し
た。指数関数的Vero細胞を、感染多重度2または200pfu/細胞で、I
CP10ΔPK(RF)またはICP10ΔPK(CS)で感染させた。感染多重度
2pfu/細胞で感染させた細胞では、ICP10ΔPK(RF)複製は、感染の
15時間後に開始された。これに対し、ICP10ΔPK(CS)の複製は感染の
20時間後まで開始されず、これは、それはより欠損のあることを示唆する(図
5A)。両方のウイルス系統において、ピーク力価は、感染の35時間後に見ら
れた。ICP10ΔPK(RF)の力価は1000pfu/細胞であった。ICP
10ΔPK(CS)の力価は、780pfu/細胞であった(図5A)。感染多重
度200pfu/細胞で感染させた細胞では、ICP10ΔPK(RF)複製は、
感染の11時間後に開始された。これに対し、ICP10ΔPK(CS)の複製は
、感染の15時間後まで開始されず、これは、低い感染多重度で感染させた細胞
で見られるものと釣合ったウイルス複製開始遅延を示す(図5B)。両方のウイ
ルス系統において、ピーク力価は、感染の35時間後に見られた。それらは、I
CP10ΔPK(RF)およびICP10ΔPK(CS)についてそれぞれ580お
よび50pfu/細胞であった(図5B)。ICP10ΔPK(RF)およびIC
P10ΔPK(CS)ウイルス系統は、同じように構築され、両方共ICP10P
K活性が欠如しているが、RR活性は保持するので、我々は、その異なる増殖パ
ターンは、増殖増幅中におそらく獲得された追加の差異を反映し、ICP10Δ
PK(CS)のさらなる弱毒化を説明すると結論する。
【0073】 ICP10PKが実際にウイルス複製に必要であるかを確認するために、我々
はまた、ICP10を構成的に発現するJHLa1細胞でのウイルス増殖を調べ
た。JHLa1系を確立するために使用した293細胞は対照として使用した(
ルオとオーリーリャン、J.Biol.Chem.267:9645-9653、1992;スミスら、Virolog
y 200:598-612、1994;ハンターら、Virology 210:345-360、1995)。細胞を 感染多重度200で感染させ、MEM‐1%FSCをのせた。293細胞で増殖
させたICP10ΔPKは、新規合成ウイルスは感染の10時間後より前には見
られなかった点で、Vero細胞で見られるものと類似した(図6B)。これに
対し、JHLa1細胞では、ICP10ΔPKは、HSV−2と同程度よく増殖
し、複製は初めて感染の2時間後に見られ、感染後20時間目に最大レベルに達
した(バーストサイズ;HSV−2およびICP10ΔPKについてそれぞれ2
800および2500)(図6A)。類似の結果が、ICP10ΔPK(RF)お
よびICP10ΔPK(CS)で得られた。我々は、これらの所見を、ICP10
PKは、指数関数的および増殖制限細胞の両方でのウイルス複製に必要であるこ
とを示すと解釈する。しかし、Veroおよび293細胞の両方で見られる代償
性機能は、感染の10〜15時間後のウイルス増殖回復に関与している。ICP
10ΔPKウイルスの増殖は、低感染多重度よりも高感染多重度で感染させた細
胞でより早く再開されるが、バーストサイズは、血清不足細胞よりも指数関数的
細胞において有意に高かったので(それぞれ、1000対1)、我々は、代償性
機能は、入来ウイルス構造タンパク質により誘導される細胞性Ser/ThrP
Kであると推定する。
【0074】 例6ICP10ΔPKおよびHSV−2は、類似の細胞吸着動態を有する
【0075】 ICP10ΔPKにより明示される増殖パターンの1つの可能な解釈は、細胞
を吸着/浸透する能力の欠損である。この疑問に取り組むために、Vero細胞
を200pfuのHSV−2、ICP10ΔPK、またはHSV−2(R)に、0
、10、30、60、90、または120分間曝露させた。それらをPBSで徹
底的に洗浄し、MEM‐10%FCSおよび0.3%IgGをのせ、37℃で4 8時間再度インキュベートした。この時点で、それらをプラーク形成について評
価した。図7に示すように、プラーク数は、曝露時間の関数として全3つのウイ
ルスにおいて増加し、20〜30分で最大レベルに達し、その後、平坦となった
。最初の接種のウイルス力価は平行して減少し、類似のパターンがHSV−2、
ICP10ΔPK、およびHSV−2(R)についても見られた(データは示して
いない)。類似の結果が、ICP10ΔPK(RF)およびICP10ΔPK(C S)でも得られた。
【0076】 例7ICP10ΔPKウイルスのプラーク形成能
【0077】 ICP10ΔPKのプラーク形成能を分析するために、我々は、10%または
0.5%血清中で増殖させたVeroおよびVero−ICP10細胞を使用し た。低感染多重度で感染させた血清不足細胞で観察された低バーストサイズと一
致して、ICP10ΔPKプラーク形成能は、血清不足Vero細胞で重度に損
なわれた。ウイルス力価は、指数関数的増殖Vero細胞(10%血清)および
Vero−ICP10細胞のHSV−2の力価と類似していた(表2)。Ver
o細胞(10%または0.5%FCS中で増殖)において、ICP10ΔPKプ ラークはぼやけており、見かけ不完全な細胞溶解を反映する。細胞溶解の程度は
、実験によって幾分異なるが、HSV−2に見られるほど決して完全ではなかっ
た。ICP10ΔPK(CS)のプラークは、ICP10ΔPK(RF)のプラーク
よりも小さく、その増殖は重度に損なわれているという結論と一致した。Ver
o−ICP10細胞のICP10ΔPKプラークの形態および全細胞のHSV−
2(R)プラークの形態は、HSV−2の形態と類似していた(データは示してい
ない)。
【0078】
【表2】
【0079】 例8IEタンパク質発現は、ICP10ΔPK感染細胞で感染の初期に阻害される
【0080】 ICP10ΔPKウイルスの増殖欠損は、タンパク質合成を開始できないこと
を反映するかもしれない。この可能性に取り組むために、Vero細胞を偽感染
させるか、またはHSV−2、ICP1−ΔPK、またはHSV−2(R)(感染
多重度=200)で2〜7時間感染させ、[35S]−メチオニンでさらに60分
間パルス標識し、タンパク質をSDS−PAGEにより分離した。HSV−2感
染細胞のタンパク質プロフィルは、以前に記載のものと類似しており(ウイルコ
ックス(Wilcox)ら、Virol 33:167-182、1980)、感染の3時間後に、ICP 4、ICP0、ICP10、およびICP27を含んでいた(図8A、レーン2
)。類似のタンパク質プロフィルが、HSV−2(R)で感染させた細胞で見られ
た(図8A、レーン8)。これに対し、ICP10ΔPKで3時間感染させた細
胞のタンパク質プロフィル(図8A、レーン3)は、偽感染細胞のものと類似し
ていた(図8A、レーン1)。例外は、2つのバンド、110kDaおよび95
kDa(図8A、レーン3)であり、それらは、免疫ブロットでそれぞれICP
0およびICP10抗体により認識された(図8B、レーン1、2)。密度走査
により、ICP0のレベルは、HSV−2[またはHSV−2(R)]感染細胞よ
りも、ICP10ΔPKで4倍低く(HSV−2およびICP10ΔPKでそれ
ぞれ3130および782単位)、p95レベル(ICP10ΔPK感染細胞に
おける)はHSV−2およびHSV−2(R)感染細胞のICP10レベルよりも
7倍低い(ICP10およびp95でそれぞれ3567および480単位)こと
が示された。ICP10ΔPKで8時間感染させた細胞において、ICP0およ
びp95のレベルはより高く、ICP4、ICP5、およびICP27と一致す
るバンドが検出された(図8A、レーン5)。8時間感染させた細胞におけるI
CP4バンドの実体が、ICP−4特異的MAbでの免疫ブロットにより確認さ
れた(図8B、レーン3)。感染の12時間後のICP10ΔPK感染細胞のタ
ンパク質プロフィル(図8A、レーン6)は、感染の8時間後のHSV−2感染
細胞のものと類似していた(図8A、レーン4)。これらの所見は、ICP0お
よびp95以外のウイルスタンパク質は、3時間ICP10ΔPKで感染させた
細胞では発現されないことを示し、これは、ICP10PKが、IEタンパク質
ICP4、ICP22およびICP27の発現に必要であることを示唆する。実
際、感染の3時間後のICP10ΔPK感染JHLa1細胞(ICP10PK活
性を供給する)のタンパク質プロフィルは、事実上、HSV−2感染細胞のもの
と同一である(図8A、レーン7)。これらの3つのIEタンパク質は、初期お
よび後期ウイルス遺伝子発現の調節に関与するので(サックス(Sacks)ら、J.V
irol 55:796 05、1985;マッカーシー(Mc Carthy)ら、J.Virol.63:18-27、
1989;サマニエゴ(Samaniego)ら、J.Virol.69:5705-5715、1995;ディクソン (Dixon)およびシャファー(Schaffer)、J.Virol 36:189-203、1980;ライス
(Rice)ら、J.Virol.69:5550-5559、1995;レオパルディ(Leopardi)およびロ
イズマン(Roizman)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:4562- 576、1996)、IC
P10ΔPK感染細胞にそれが存在しないことにより、ウイルスタンパク質合成
および感染性ウイルス産生は完全に阻害される。
【0081】 ICP10ΔPK感染細胞でのIEタンパク質の合成をさらに調べるために、
50μg/mlシクロヘキシミドの存在下感染させ(6時間)、細胞を、10μ
g/mlアクチノマイシンDを含む培地中、IE遺伝子発現は可能であるが、他
のウイルス遺伝子の発現は可能でない条件で、[35S]−メチオニンで3時間標
識した(ホーネス(Honess)およびロイズマン、J.Virol.14:8-19、1974;スト ルナッド(Strnad)およびオーリーリャン、Virology 73:244-258、1976)。I
CP4、ICP10、ICP0、ICP22およびICP27と一致するタンパ
ク質が、HSV−2感染細胞で見られた(図9A、レーン2)。これに対し、I
CP4、ICP10、ICP22およびICP27は、ICP10ΔPK感染細
胞では見られなかった(図9A、レーン3)。ICP0と一致する110kDa
タンパク質、およびp95と一致する95kDaタンパク質が、ICP10ΔP
K感染細胞で見られたが(図9A、レーン3)、そのレベルは、HSV−2感染
細胞よりもそれぞれ2倍および3倍低かった(図9A、レーン2)(それぞれ、
ICP10ΔPKおよびHSV−2感染細胞において、ICP0では密度積分単
位1760および3520;p95およびICP10では733および2200
)。免疫ブロットにより、110kDaおよび95kDaタンパク質は、それぞ
れICP0およびp95であることが確認された(図9B、レーン1、2)。H
SV−2(R)のタンパク質プロフィルは、HSV−2のものと類似していた(デ
ータは示していない)。これらのデータは、ICP10PKは、ICP4、IC
P22、およびICP27の発現に必要であるが、ICP0およびp95の発現
には必要でなないことを支持する。
【0082】 例9ICP10ΔPKウイルスは、ICP4転写が欠損している
【0083】 ノーザンハイブリダイゼーションを使用して、ICP10ΔPK感染細胞でI
CP4を検出できないのは、転写欠損に因るものかを調べた。RNAを、HSV
−2、ICP10ΔPK(RF)またはHSV−2(R)で感染させたVero細胞
から得た。ICP4またはICP0 DNAを、プローブとして使用した。GA
PDHは、対照転写物として使用した。イソチオシアン酸グアニジニウム/塩化
セシウム勾配法を使用して、HSV−2、ICP10ΔPKまたはHSV−2( R)で感染(感染多重度=200)させたVero細胞由来のRNAを単離およ び精製した。ノーザンブロットハイブリダイゼーションは記載の通り行った(フ
ェング(Feng)ら、Antisense Nucleic Acid Development 6:25-35、1996)
。ハイブリダイゼーションは、40%ホルムアミド、6×SSPE、2×デンハ
ート液、0.1%SDS、および250μg/mlサケ精子DNAを含有する溶 液中、[32P]標識ICP4、ICP0またはGAPDHプローブを用いて16
時間42℃で行った。ICP4プローブは、pXhoI−C由来の1.9kbの BamHI DNAフラグメントであった。ICP0プローブは、pIGA15
由来の1.7kbのNruI−SalIフラグメントであった(オハ(O'Hare) およびハイワード(Hayward)、J.Virol.53:751-760、1985)。ヒトGAPDH プローブは、オンコジーン・サイエンスから購入した40−merオリゴヌクレ
オチドであった(製造番号ON407)。プローブは、オリゴヌクレオチドキッ
ト(ファルマシア、ウプサラ、スウェーデン)を使用して、製造業者の指示に従
って、ランダムプライマー法により[35P]dCTP標識した。ブロットを、2
×SSC−0.1%SDS中で2回、0.1×SSC−0.01%SDS中で10 分間2回、各々周囲温度で洗浄し、その後、0.1×SSC−0.1%中50℃で
1回洗浄し、オートラジオグラフィーにより可視化した。ICP4およびICP
0mRNAの相対存在量は、最初に各サンプルのGAPDHmRNAの数値に規
格化することにより概算した。
【0084】 ICP4およびICP0mRNAは両方共、HSV−2(図10A、レーン1
、2)またはHSV−2(R)(図10A、レーン5、6)で3時間感染させたV
ero細胞で見られた。HSV−2感染細胞におけるICP4発現の動態は、H
SV−1感染細胞で以前に記載されたものと類似していた。最適レベルが、感染
の3時間後に見られ(図10C、レーン2)、転写物は、感染の8時間後にはも
はや検出できなかった(図10C、レーン4)。これに対し、ICP4mRNA
は、ICP10ΔPKで3時間感染させた細胞では見られなかった(図10A、
レーン3)。しかし、感染の8時間後までに(図10B、レーン3)、そのレベ
ルはHSV−2感染細胞で初期(感染の3時間後)に見られたものと類似してい
た(図10C、レーン2)。転写物は、感染の20時間後にはもはや見られなか
った(図10B、レーン6)。ICP10ΔPKで3時間感染させた細胞は、I
CP0mRNAについては陽性であったが(図10、レーン4)、その相対存在
量(ICP0/GAPDHmRNAとして表す)は、HSV−2感染細胞におけ
るものより3倍低かった(それぞれ0.32および1.0)。データにより、IC
P10PKはICP4の初期転写に必要とされ、ICP0の最適転写に寄与する
ことが示される。
【0085】 例10ICP10PKは、宿主細胞遺伝子発現および細胞溶解の阻害に役割を果たす
【0086】 ICP10ΔPKプラークの形態は、不完全細胞溶解と一致する。ICP27
は、宿主タンパク質合成の遮断に役割を果たし(ハードウィック(Hardwicke) ら、J.Virol.68:4797-4810、1994)、感染後8〜12時間、ICP10ΔPKで
感染させた細胞では発現されないので、我々はまた、HSV−2またはICP1
0ΔPKで感染させた細胞における宿主細胞遺伝子(アクチン)の発現を調べた
。Vero細胞は、偽感染させるか、または感染多重度200で、HSV−2ま
たはICP10ΔPKで感染させ、抗アクチン抗体での免疫ブロットによりアク
チン発現についてアッセイした。アクチンは、感染後3時間という初期にはHS
V−2感染細胞には見られなかった(図8C、レーン2)。これに対し、ICP
10ΔPKで感染させた細胞のアクチンレベル(図8C、レーン3)は、感染後
12時間という後期で偽感染細胞(図8C、レーン1)のものと類似していた。
これらの所見は、細胞変性効果(CPE)は、代償性機能が実行される、感染後
15〜20時間までは、ICP10ΔPK感染細胞で見られないという観察と一
致する。
【0087】 例11ICP10およびp95タンパク質の細胞内局在化
【0088】 HSV−2で8および12時間感染させた細胞に関する以前の研究により、I
CP10は、細胞質に局在し、細胞骨格とも会合していることが示されていた(
チュンら、J.Virol.63:3389-3398、1989)。しかし、8時間以下感染させた細胞
は研究されなかった。ICP10PKは、8時間より前にIE遺伝子発現に必要
とされるので、この時点でこれも核に存在するのかという疑問が生じる。HSV
−2またはHSV−2(R)で3、6、または9時間感染させたVero細胞を、
MAb30(ICP10アミノ酸106−178を認識する)による免疫蛍光で
染色した。ICP10ΔPKで同じように感染させた細胞を、抗LA−1抗体(
ICP10アミノ酸13−26を認識する)で染色した。強力な核内染色が、H
SV−2で3時間感染させた細胞で見られた(図11A)。それは、以前にウイ
ルス複製コンパートメントで記載したのと類似した別々の球状構造(顆粒)から
なる点状外観を有していた(ライスら、J.Virol.68:988-1001、1994;ミューレ ンら、J.Virol.68:3250-3266、1994)。感染後、染色は、以前にICP10で記
載した特徴的な核周囲および拡散細胞質パターンを示した(図11B、C)。類
似の染色パターンが、HSV−2(R)で見られた(データは示していない)。こ
れに対し、ICP10ΔPK感染細胞では、染色は、感染後9時間前には見られ
ず(図11D、E)、その時点では細胞質にのみ局在していた(図11F)。核
染色も、感染の12または15時間後、ICP10ΔPK感染細胞では見られな
かった(データは示していない)。これらの所見により、ICP10のPKドメ
インは、感染初期の核局在化に必要であることが示唆される。
【0089】 例12ICP10ΔPKウイルスは、感染動物で増殖させるために弱毒化される
【0090】 我々は、インビボでウイルス増殖におけるICP10ΔPKの役割を調べるた
めに、HSV−2感染のマウス足蹠モデルを使用した。スイス−ウェブスターマ
ウスの足蹠に、5×10pfuのHSV−2、ICP10ΔPK(RF)または
HSV−2(R)と称される回復ウイルスを、皮下接種した。神経学的症状および
重度の皮膚病変が、HSV−2またはHSV−2(R)を投与したマウスで見られ
、感染後6日目に始まった。ICP10ΔPK感染マウスは、神経学的症状も皮
膚病変も全く示さなかった。HSV−2およびHSV−2(R)が、感染後7〜9
日間、足蹠および神経節ホモジネートから単離された。ICP10ΔPKは、感
染後4日間単離されたのみであった。最大力価は、HSV−2よりもICP10
ΔPKで低く(ICP10PKおよびHSV−2でそれぞれ4.3×10およ び3×10pfu)、ウイルスを産生する潜伏感染神経節の比率は、HSV−
2およびHSV−2(R)で90%および80%であり、これに対し、ICP10
ΔPKでは10%であった(表3)。これらのデータにより、ICP10PKは
、急性感染、および直接的または間接的に潜伏再活性化/確立に関与しているこ
とが示唆される。
【0091】
【表3】
【0092】 例13ICP10ΔPKウイルスは、HSV−2攻撃から防御する
【0093】 10匹のマウスの2グループ各々を、それぞれ、リン酸緩衝食塩水(PBS)
で偽感染させるか、またはICP10ΔPK(RF)(5×10〜1×10
fu)で足蹠への1回の皮下注射により感染させた。それらに、全く目に見える
症状は発達しなかった。感染後16日目に、それらに、1×10pfuのHS
V−2で攻撃した。PBSグループの全マウスに、腫脹および発赤からなる病変
が発達し、感染後5日目に初めて目に見え、ウイルス(HSV−2)が、10/
10感染マウスの足蹠から単離された。感染後15日目に、PBSグループの5
/10(50%)のマウスに麻痺が発達した。ICP10ΔPKウイルスで免疫
化したマウスに、HSV−2攻撃後、目に見える病変は発達しなかった。ウイル
スが、3/10(30%)の動物の足蹠から単離された。ウイルスは、ICP1
0ΔPK免疫化マウスの7/10(70%)の足蹠から単離された。
【0094】
【表4】
【0095】 これらの所見は、比較的少量のICP10ΔPKが、高用量のHSV−2によ
る攻撃から防御することを示す。病変発達に関して完全な防御が得られ、皮膚病
変が全ての非免疫化マウスで見られたが、免疫化マウスでは病変は全く見られな
かった。非免疫化マウスは、ウイルス複製から防御されず、ウイルスは、攻撃後
5日目に全ての動物から単離された。免疫化マウスは防御され、ウイルスは動物
の僅か3/10(30%)から単離された。ウイルスが単離された3匹の動物に
検出可能な病変がなかったことは、おそらく、比較的低い力価を反映するもので
あり、これは、免疫により100%の防御レベルが得られないとしても、攻撃ウ
イルスの力価は減少したこととを示唆する。
【0096】 例14ICP10ΔPKウイルスはHSV特異的免疫を誘導する
【0097】 4匹のマウスの2つのグループ各々に、HSV−2またはICP10ΔPK( RF)(1×10pfu)を、足蹠に皮下注射して免疫化した。感染後24日 目に、脾臓を取り出し、T細胞を、我々が以前に記載したように(ヴァクスマン
(Wachsman)ら、Bioscience Reports、8:323-334、1985;ヴァクスマンら、J.
Inf.Dis.159:625-34、1989;ヴァクスマンら、Vaccine 10:447454、1992)、H
SV−2抗原と共にリンパ球増殖アッセイに使用した。このアッセイは、HSV
特異的記憶の発達を測定する。ウイルス抗原(偽抗原)と平行して調製した非感
染細胞抽出物を、特異性対照として使用した。図12に示すように、HSV特異
的免疫は、ICP10ΔPKウイルスにより誘導された。応答は、同条件下でH
SV−2で見られた応答よりも僅か2〜3倍低いだけであった。
【0098】 例15ICP10ΔPK(CS)は、ICP10ΔPK(RF)よりも弱毒化されている
【0099】 ICP10ΔPK(CS)は、培養細胞においてICP10ΔPK(RF)よりも
弱毒化されているようであるので、我々は、同じことが感染動物にも当てはまる
かを問うた。我々は、ICP10ΔPK(RF)で使用したものと同じマウス足蹠
モデルを使用した。ICP10ΔPK(CS)ウイルスの増殖減少[ICP10Δ
PK(RF)と比較して]を少なくとも部分的に補うために、マウスに、1×10 pfuのウイルスを注射し、釣合った量のHSV−2を対照として使用した。
足蹠から単離したHSV−2の力価は、5×10pfuを投与したマウスに見
られた力価よりも有意に高くはなかった(例12)。これに対し、単離ICP1
0ΔPK(CS)の力価は、ICP10ΔPK(RF)の力価よりも低く、ウイルス
は、感染後4日間に対して、3日間しか単離されなかった。潜伏感染神経節の比
率は、HSV−2とICP10ΔPK(CS)感染動物で100%および0%で あった(表5)。
【0100】
【表5】
【0101】 例16ICP10ΔPK(CS)は、ICP10ΔPK(RF)よりもHSV−2攻撃から 強く防御する。
【0102】 我々は、足蹠モデルを使用して、ICP10ΔPK(CS)による防御を調べた
。実験は、マウスを1×10pfuのウイルスで免疫化し、野生型HSV−2
で攻撃する前に3回免疫化(14〜16日間隔で)する以外は、以前にICP1
0ΔPK(RF)で記載した通り実施した。攻撃は、1×10pfuのHSV−
2で行い、最後の免疫化の3週間後に実施した。PBSグループの全マウスに、
皮膚病変が発達し、それからウイルスが単離され、8/10匹が攻撃後8〜13
日目に死亡した。これに対し、免疫化マウスのいずれにも病変は見られず、ウイ
ルスも単離されなかった(表6)。これらの所見は、ICP10ΔPK(CS)ウ
イルスは、ICP10ΔPK(RF)ウイルスよりも優れたワクチン能を有し、幾
分より弱毒化されているが優れた防御を提供することを示す。後者は、ICP1
0ΔPK(RF)で免疫化した動物(ここでウイルスは3/10マウスから単離さ
れた)で使用したHSV−2の力価より10倍高い力価で攻撃したが、ウイルス
は、いずれの動物からも単離されなかったという所見により明示される(例13
)。
【0103】
【表6】
【0104】 例17ICPΔPK(CS)ウイルスは、HSV特異的免疫を誘導する
【0105】 3匹のマウスのグループに、例16に記載のように、ICP10ΔPK(CS)
(1×10pfu、3回注射)で免疫化した。最後の注射から2週間後、脾臓
を取り出し、T細胞を例14のように実施したリンパ球増殖アッセイに使用した
。HSV特異的リンパ増殖が全動物で見られた。増殖レベル(図13)は、以前
に見られたものより有意に高く(図12)、マイトジェンPHAで見られたもの
より約3倍高かった。これらの所見は、ICP10ΔPK(CS)は、良好なレベ
ルのウイルス特異的T細胞応答を誘導することを示す。
【0106】 本明細書で引用した全ての参考文献は、その全体を参考としてここに援用する
【0107】 本発明は、詳細に、そしてその具体的な実施形態に関して記載したが、様々な
変更および修飾を、その精神および範囲から逸脱することなく実施し得ることは
当業者には明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 A.ICP10ΔPK DNAの概略図。オリゴプローブAU26は、HSV
−2またはHSV−2(R)DNA由来の7.6kbBamHI Eフラグメント およびICP10ΔPK DNA由来の2.2kbBamHIフラグメントを認 識する。 B.BamHIで消化したICP10ΔPK(レーン1)、HSV−2(レーン
2)、またはHSV−2(R)(レーン3)DNAの、ジゴキシゲニン標識AU2
6オリゴプローブとのサザンブロットハイブリダイゼーション。サイズマーカー
は右端に示す。類似の結果が、ICP10ΔPK系統RFおよびCSで得られた
【図2】 ICP10ΔPK感染細胞由来のp95タンパク質の発現およびPK活性。 A.Vero細胞を、HSV−2(レーン1、4)、ICP10ΔPK(レーン
2)、またはHSV−2(R)(レーン3)で感染させ、感染後6〜16時間[ S]−メチオニンで標識し、抽出物を、ICP10(レーン1〜3)または前 免疫血清(レーン4)に特異的な抗LA−1抗体を用いて免疫沈降させた。 B.16時間、HSV−2(レーン1、4)、ICP10ΔPK(レーン2)ま
たはHSV−2(R)(レーン3)で感染させたVero細胞由来の抽出物の抗L
A−1抗体(レーン1〜3)または前免疫血清(レーン4)との免疫複合体PK
アッセイ。 C.パネルBの免疫沈降物を、抗LA−1抗体で免疫ブロットした。類似の結果
が、ICP10ΔPK系統RFおよびCSで得られた。
【図3】 指数関数的および増殖抑制的条件下でのウイルス増殖。10%血清(●)また
は0.5%血清(△)中で増殖させたVero細胞を、感染多重度2で、HSV −2、ICP10ΔPK、またはHSV−2(R)で感染させた。ウイルス力価は
、感染の2〜36時間後にアッセイした。結果はPFU/細胞(バーストサイズ
)として表す。
【図4】 高感染多重度で感染させたVero細胞の細胞外および細胞内ウイルス力価。
指数関数的Vero細胞を、感染多重度200で、HSV−2(A)またはICP
10ΔPK(B)で感染させ、細胞内(△)および細胞外(●)ウイルス力価を、
感染の2〜36時間後に決定した。
【図5】 2つのICP10ΔPK系統で感染させた分裂中の細胞のウイルス増殖。Ve
ro細胞を、10%血清と共に培地中で増殖させ、ICP10ΔPK(RF)(●
)またはICP10ΔPK(CS)(▲)で感染させた。感染は、感染多重度2(
パネルA)または200(パネルB)であった。ウイルス力価は、感染の2〜3
5時間後に決定し、結果は、PFU/細胞(バーストサイズ)で表す。
【図6】 ICP10を構成的に発現する細胞におけるICP10ΔPKウイルス増殖。
ICP10を構成的に発現するJHLa1細胞(パネルA)、またはJHLa1
系の確立に使用した293細胞(パネルB)を、感染多重度200で、HSV−
2(△)またはICP10ΔPK系統RF(●)で感染させた。ウイルス力価は
、感染の2〜20時間後にアッセイした。結果は、PFU/細胞(バーストサイ
ズ)として表す。類似の結果が、JHLa1細胞のICP10ΔPK系統Cで得
られた。
【図7】 ICP10ΔPKの吸着/浸透動態。Vero細胞を、200pfuのHSV
−2(●)、ICP10ΔPK(○)またはHSV−2(R)(◇)に、0、1
0、30、60、90、120分間曝露させ、MEM10%血清および0.3% IgGをのせ、37℃で48時間、再度インキュベートし、プラーク形成につい
て評価した。データは、最初の接種の%として提示する。類似の結果が、ICP
10ΔPK系統RFおよびCSで得られた。
【図8】 HSV−2およびICP10ΔPK感染細胞のタンパク質プロフィル。 A.Vero細胞(レーン1〜6、8)を、偽感染(レーン1)させるか、また
はHSV−2(レーン2、4)、ICP10ΔPK(RF)(レーン3、5、6)
またはHSV−2(R)(レーン8)で感染させ、 [35S]−メチオニンで、
感染後2〜3時間(レーン1〜3、8)、感染後7〜8時間(レーン4、5)、
または感染後11〜12時間(レーン6)標識した。ICP10ΔPKで感染さ
せ、感染後2〜3時間[35S]−メチオニンで標識したJHLa1細胞のタンパ
ク質プロフィルを、対照として使用した(レーン7)。細胞抽出物由来のタンパ
ク質を、8.5%SDSアクリルアミドゲル上でPAGEにより分離した。 B.感染後3時間(レーン1、2)または8時間(レーン3)、ICP10ΔP
K(RF)で感染させた細胞の抽出物を、ICP0 MAb(レーン1)、ICP
10に対するLA−1抗体(レーン2)またはICP4 MAb(レーン3)で
免疫ブロットした。 C.偽感染(レーン1)、HSV−2で3時間(レーン2)、またはICP10
ΔPKで12時間感染させた、Vero細胞の抽出物を、アクチンに対する抗体
で免疫ブロットした。
【図9】 HSV−2およびICP10ΔPK感染細胞におけるIEタンパク質合成。 A.Vero細胞を、偽感染(レーン1)させるか、またはHSV−2(レーン
2)またはICP10ΔPK(RF)(レーン3)で、50μg/mlシクロヘキ
シミドの存在下感染させ(6時間)、10μg/mlアクチノマイシンDを含む
培地中、3時間、[35S]−メチオニンで標識した。タンパク質を、8.5%S DSアクリルアミドゲル上でPAGEにより分離した。 B.ICP0 MAb(レーン1)およびICP10に対する抗LA−1抗体(
レーン2)との、パネルAのレーン2、3の抽出物の免疫ブロット。
【図10】 ICP10ΔPKで感染させた細胞におけるICP4およびICP0 mRN
A合成。RNAを、HSV−2(HSV)またはICP10ΔPK(ΔPK)ま
たはHSV−2(R)(R)で、記載のように3時間(パネルA)、0〜20時間(
パネルB)または1〜8時間(パネルC)感染させたVero細胞から抽出した
。それを、[32P]標識ICP4(4)またはICP0(0)DNAプローブま
たはGAPDHオリゴヌクレオチド(パネル下)とハイブリダイズさせた。分子
量マーカーは端に示す。
【図11】 HSV−2(パネルA、B、C)またはICP10ΔPK(RF)(パネルD、
E、F)で、3時間(パネルA、D)、6時間(パネルB、E)、または9時間
(パネルC、F)感染させ、MAb30(パネルA〜C)またはICP10に対
する抗LA−1抗体で染色したVero細胞の間接的免疫蛍光染色。
【図12】 ICP10ΔPK(系統RF)で免疫化したマウスの脾臓細胞のHSV特異的
リンパ増殖応答。マウスに、1×10pfuのHSV−2またはICP10Δ
PK(ΔPK)を皮下注射した。脾臓を、感染後24日目に集め、[H]−Td
R取り込み(cpm)についてアッセイした。結果は、HSV刺激培養物のcp
m−偽抗原で刺激した培養物のcpmとして表現する。
【図13】 ICP10ΔPK(系統CS)で免疫化したマウスの脾臓細胞のHSV特異的
リンパ増殖応答。マウスに、1×10pfuのICP10ΔPK(ΔPK)を
3回皮下注射した。脾臓を、最後の注射後14日目に集め、HSV−2または偽
抗原またはマイトジェンPHAと共に培養後、[H]−TdR取り込み(cpm
)についてアッセイした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B024 AA01 BA32 CA02 CA09 DA02 EA02 HA13 HA14 4B065 AA90X AA95X AA95Y AB01 AC20 BC01 BD50 CA45 4C085 AA03 BA78 DD88 GG04 GG05 GG08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単純ヘルペスウイルス−2ICP10ΔPK(CS)および薬
    学的に許容される担体または希釈剤を含むワクチン組成物。
  2. 【請求項2】 被検者に請求項1のワクチン組成物を投与して、単純ヘルペ
    スウイルスに対して該被検者を免疫化する方法。
  3. 【請求項3】 請求項1のワクチン組成物を投与することを含む、被検者に
    単純ヘルペスウイルスに対する免疫を与える方法。
  4. 【請求項4】 請求項1のワクチン組成物を投与することを含む、単純ヘル
    ペスウイルスに関連した被検者の臨床症状を防ぐ方法。
  5. 【請求項5】 前記被検者はヒトである、請求項2、3、または4の方法。
  6. 【請求項6】 前記ワクチンの投与量の範囲は1〜100ミリオンpfuで
    ある、請求項5の方法。
  7. 【請求項7】 前記ワクチン組成物は、鼻腔内、経口、膣内、皮下または皮
    内経路を介して投与される、請求項5の方法。
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