JP2002508042A - 可変容量形ポンプを制御する装置および方法 - Google Patents

可変容量形ポンプを制御する装置および方法

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Abstract

(57)【要約】 所要流量の作動油が供給されるように可変容量形ポンプ(12)の容量を制御する方法を開示する。この方法は土木機械(100)が掘削サイクルで動作していることを検知し、ポンプ(12)の最大容量よりも小さい所要のポンプ容量を決定し、所要流量の作動油が供給されるようにポンプの容量を所要のポンプ容量に制御するステップから成る。

Description

【発明の詳細な説明】 可変容量形ポンプを制御する装置および方法 技術分野 本発明は、可変容量形ポンプの容量を制御する方法および装置に関し、特に、 土木機械の作業サイクルに応じて可変容量形ポンプの容量を制御する方法および 装置に関する。 背景技術 従来、ホイールローダ等の土木機械は、その作業具を作動させる油圧シリンダ への作動油の流量を制御するために定容量形ポンプを採用している。掘削サイク ルなど、作業サイクルによりは、定容量形ポンプは、シリンダが利用し切れない 流量を供給することがある。そのために、シリンダが、それ以上必要としない作 動油はスプールバイパス弁または逃がし弁を介してタンクへ戻される。残念なが ら、タンクへ戻された作動油は有効な仕事に利用できない。 本発明の目的は、1またはそれ以上の上記問題を克服することにある。 発明の開示 本発明の1つの特徴によれば、所要流量の作動油を供給するために、可変容量 形ポンプの容量を制御する方法を開示する。この方法は、土木機械が掘削サイク ルで動作しているかどうかを判定する段階と、最大ポンプ容量以下の所要容量を 求める段階と、ポンプ容量を前記所要ポンプ容量に制御することにより所要の作 動油流量を流動させる段階とを含む。 図面の簡単な説明 添付の図面に沿って本発明の詳細を以下に説明する。 図1は土木機械の油圧装置を示すブロック図である。 図2は土木機械の前部を示す側面図である。 図3は油圧装置における可変容量形ポンプの容量を調整する制御装置の一実施 形態を示すブロック図である。 図4は油圧装置における可変容量形ポンプの容量を調整する制御装置の他の実 施形態を示すプロック図である。 図5は油圧装置における可変容量形ポンプの容量を調整する制御装置の更に他 の実施形態を示すブロック図である。 発明の好ましい実施態様 添付の図面、特に図1に例えばホイールローダのような土木機械の油圧装置1 0を示す。この油圧装置は、例えば可変容量形ポンプ12のような加圧流体供給 源、第1と第2の回路14、16、タンク17、電子制御装置18、リフトレバ ー20および傾動レバー22を含む。 油圧ポンプ12は、最小容量位置から最大容量位置へ向けて動作し、容量制御 装置24により制御される。ポンプ容量制御装置24は、電子制御装置18から の容量指令信号を受信して、これに応答する。 第1の回路14は、供給導管28と第1のオープンセンタ制御弁30とを介し て油圧ポンプ12から作動油を供給されるリフトシリンダ26を含む。リフトシ リンダ26は、導管32、34を介して第1のオープンセンター制御弁30に接 続されている。第1のオープンセンタ制御弁30は、電子制御装置18からの流 量指令信号を受信し、これに応答して、バネにより付勢された中立位置から第1 と第2の作動位置へ移動可能な電気制御比例弁である。 第1のオープンセンタ制御弁30が中立位置にあるとき、油圧ポンプ12から リフトシリンダ26への作動油の流入が遮断され、供給導管28を介して第2の 回路16へ流入自在となる。第1と第2の作動位置では、油圧ポンプ12からの 作動油が、適切な導管32、34を介してリフトシリンダ26に連通し、制御弁 30を通じての下流の第2の回路16への流入が遮断される。制御弁30が、中 立位置と第1と第2の作動位置のいずれか一方との間で動作している間は、油圧 ポンプ12からの作動油の一部が下流の第2の回路16へ流入する。 第2の回路16は、供給導管28および第2のオープンセンタ制御弁38を介 して第1の回路14から作動油を供給される傾動シリンダ36を含む。傾動シリ ンダ36は、導管40、42を介して第2のオープンセンタ制御弁38と連通す る。第2のオープンセンタ制御弁38も、電子制御装置18からの流量指令信号 に応答してバネにより付勢された中立位置から第1と第2の作動位置へ移動自在 な電気制御比例弁である。 第2のオープンセンタ制御弁38が中立位置にあるとき、供給導管28から傾 動シリンダ36へのの作動油の流入が遮断され、タンク17への流入が絞り装置 44により制御自在に制限される。第1と第2の作動位置にある間、第1の回路 14から供給導管28を通過する作動油の流れが適切な導管40、42を介して 傾動シリンダ36と連通し、第2の制御弁38を介してタンク17に流入する前 記制限された流が遮断される。第2の制御弁38が、第1と第2の作動位置のい ずれか一方で動作するとき、その初期段階では、制限された流量の作動油が絞り 装置44を介してタンク17へ流入できる。初期段階を過ぎると、前記絞り装置 を通過する作動油が遮断さ れる。 電子制御装置18は、リフトレバー20および傾動レバー22からリフト制御 信号と傾動制御信号とを受信する。電子制御装置18は上記信号を処理し、ポン プ容量制御装置24および該当する制御弁30、38に指令信号を送出する。流 量指令信号を受信すると、これに応答して油圧ポンプ12の容量がリフトレバー 20および傾動レバー22が要求する入力を満たすのに必要な流量を提供できる 位置まで移動する。同様に、流量指令信号を受信した第1と第2のオープンセン タ制御弁30、38は、リフトレバー20および傾動レバー22からの制御信号 の要求に従って、連携のアクチュエーター26/36に必要流量を供給できる位 置へ移動する。 電子制御装置は、機械エンジン60と、トランスミッション62とを含む駆動 系(図示せず)に関する幾つかの信号を自動的に受信する。エンジン速度センサ 50は、エンジン60のフライホイールの回転に応答するエンジン速度信号を生 成する。トランスミッション62の動作を選択的に制御するため、トランスミッ ション制御レバー52が組み込まれている。このトランスミッション制御レバー 52は、所要のギヤ比および/または土木機械の方向を示すトランスミッション 制御信号を電子制御装置18に送出する。走行速度センサ53はトランスミッシ ョン出力速度に応答する機械走行速度信号を生成する。 電子制御装置18は、リフトシリンダ26と傾動シリンダ36の位置を示す位 置センサ54からの位置信号を受信することができる。例えば、位置センサ54 はリフトおよび傾動油圧シリンダにおけるシリンダ伸張量を感知する変位センサ を含むことができる。このような位置信号は、図2に示す土木機械の作業具10 7の位置を示す。作業具107の位置は連接部の角度を測定することにより求め るてもよい。すなわち、位置信号を生成する装置として、回転ポテンシオメータ のような回転角度センサなども含まれ、例えば、リフトアーム回動ピンの1つの 回転を測定し、この測定結果からリフトアーム集成体の幾何的形態またはリフト シリンダの伸張量を求めることができる。作業具の位置は油圧シリンダの伸張量 を測定することにより、或は、三角法により連接部の角度の測定値から算出する ことができる。 図2に、土木機械100、特に作業具107を有するホイールローダの前部1 05を示す。但し、図示のホイールローダは土木機械の一例に過ぎない。作業具 107は、2基の油圧リフトシリンダ26(1基のみ図示されている)により、 機械フレームに取り付けられた1対のリフトアーム回動ピン125(一方のみ図 示されている)を中心に回動するリフトアーム集成体またはリンク機構115に 連結されたバケット110を含む。リフトアーム集成体およびリフトシリンダに は、1対のリフトアーム荷重支持回動ピン130(一方のみ図示されている)が 取り付けられている。バケットは、また、1対のバケット回動ピン135(一方 のみ図示されている)を中心に、バケット傾動シリンダ36により傾動させられ たり、引き寄せられたりする。 本発明は、マイクロプロセッサに基づくシステムとして実施され、該システム はコンピュータを利用することによりソフトウェアプログラムに従って動作プロ セスを制御する。多くの場合、プログラムは、読み取り専用メモリーやランダム アクセスメモリーなどに記憶させてある。添付の各ブロック図に沿って以下にプ ログラムを説明する。 先ず、図3に示す実施形態を参照して説明する。本発明はポンプの容量を所定 量を以て低減することにより、掘削サイクル中の油圧 装置10の余剰流量を低減する。そのため、以下の3つの状態に応答して、土木 機械が掘削サイクルで動作していることを電子制御装置18が検知する。 1)操作者が、トランスミッションの第1の前進ギヤ比を表わす第1ギヤ前進 シフト位置を選択したこと。 2)作業具が掘削位置にあること。 3)土木機械の走行速度が所定値以下であること。 作業具が掘削位置にあるか否かを判断する1つの方法として、リフトシリンダ の位置を測定することにより、リフトリンク機構が水平基準線に等しいか、或は 、それ以下の高さにあるかを確かめるという方法がある。このような水平基準線 は、例えば、図2に仮想線で示すように、リフト回動ピン125およびバケット 回動ピン135により定義することができる。 土木機械が掘削サイクルで動作しているかどうかを決定するのが図3のブロッ ク305である。土木機械が掘削を行なっていることを検知すると、電子制御装 置18は以下の式に従って、図3のブロック310に示すように適正なポンプ容 量を決定する。 DISPDESIRED=α×DISPMAX ここで、 DISPMAXはポンプ12の最大容量、 αは好ましくは0.5から1.0に相当するポンプ容量に対する乗数、 DISPDESIREDはポンプ12の所要容量である。 所要ポンプ容量を決定すると、電子制御装置は次に、図3のブロック315に 示すように、レバーのオーバーライド状態が存在するかどうかを判定する。本発 明においては、リフト制御信号および傾動制御信号で表わされるリフトレバーと 傾動レバーの合計角度が所 定値を超えるか、或は、リフトレバーと傾動レバーのいずれか一方の角度が所定 値を超えると、レバーのオーバーライド状態が発生する。レバーのオーバーライ ド状態発生に呼応して、前記所要ポンプ容量が最大容量以下にデフォルト設定さ れる。 所要のポンプ容量を決定した電子制御装置18は、容量制御装置24に対する ポンプ容量指令信号を生成し、該指令信号は可変容量形ポンプ12のポンプ容量 を制御することにより所要の流体流量を発生させる。 次に、本発明の他の実施形態を説明する。なお、第1の実施形態と共通する要 素には第1の実施形態と同じ参照番号を付し、その説明を省略する。 本発明の他の実施形態を図4に示す。図4の実施形態は、ポンプ容量の上限を 決定するために操作ダイヤル405を利用する。操作者は、操作タイヤル405 を利用して土木機械が処理すべき土壌の状態を特定することによりポンプ容量の 上限を決定することができる。例えば、操作ダイヤル405が低(Easy Material )、中(Moderate Material)および高(Hard Material)の標識が施された3位置式 回転スイッチを有し、ダイヤルのそれぞれの設定位置が特定のポンプ容量乗数α に対応する。操作者が操作ダイヤル405を設定すると、電子制御装置18が、 これに応答して対応のポンプ容量乗数αを決定する。例えば、図示する実施形態 の場合、制御装置18はルックアップ表から、「低」に対しては0.85、「中 」に対しては0.75、「高」に対しては0.06のポンプ容量乗数αを選択す る。ポンプ容量乗数αが決定されると、制御装置18は第1の実施形態の場合と 同様に所要のポンプ容量を決定する。 図5に示す本発明の更に他の実施形態を説明する。ブロック505に示すよう に、電子制御装置18は、例えば、傾動シリンダ26 とリフトシリンダ36の位置を表わす位置信号を微分することにより個々のシリ ンダの速度を測定する。測定された傾動シリンダとリフトシリンダの速度は各々 のシリンダの作動油利用量を表わす。傾動シリンダとリフトシリンダの速度が測 定されると、制御装置18は、ブロック510にて示すように、必要なポンプ容 量を算出する。必要なポンプ容量は以下の式により算出される。 FLOW=VELCYLINDER×AREACYLINDER DISPREQUIRED=FLOW/SPEEDPUMP α=DISPREQUIRED/DISPMAX DISPDESIRED=α×DISPMAX ここで、 VELCYLINDERは位置信号を微分することにより求められ、 AREACYLINDERは一定であり、 SPEEDPUMPはエンジンの速度から得られ、 DISPREQUIREDはポンプ12の必要容量であり、 DISPMAXはポンプ12の最大容量であり、 αはポンプ容量乗数を表わし、 DISPDESIREDはポンプ12の所要容量である。 所要のポンプ容量が決定されたら、電子制御装置18はポンプ制御装置24に 対するポンプ容量指令信号を生成し、この指令信号は可変容量形ポンプ12のポ ンプ容量を制御して所要の油圧を発生させる。 図示の実施形態に関して本発明の詳細を以上に説明したが、当業者には明白な ように、本発明の思想および範囲を逸脱することなく、更に多様な実施態様が可 能である。 産業上の利用可能性 本発明は所要のポンプ容量を自動的に決定する方法を提供し、これにより油圧 ポンプが送り出す作動油の流量の大部分が作業に有効に利用可能になる。本発明 は、既に述べたように、土木機械の作業具が掘削中であればこれを検知し、これ に呼応して、可変容量形ポンプの容量を低減することにより、作動油流量の大部 分が油圧シリンダに供給され作業に活用されるように、所要流量を設定する方法 と装置を提供する。これにより、作動油の余剰分をタンクへ直接戻すことによる 作動油の浪費が回避される。 本発明のその他の特徴、目的および利点は図面、開示内容および以下に記載す る請求の範囲に照らして明らかになるであろう。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.土木機械(100)の作業具(107)を作動させるための油圧シリンダ (26、36)に所要流量の作動油が供給されるように可変容量形ポンプ(12 )の容量を制御する方法において、 土木機械(100)が掘削サイクルで動作していることを検知する段階と、 ポンプ(12)の最大容量よりも小さい所要のポンプ容量を決定する段階と、 所要流量の作動油が供給されるようにポンプの容量を所要のポンプ容量に制御 する段階とを含んで成ることを特徴とする制御方法。 2.土木機械(100)がエンジン(60)とトランスミッション(62)と を含んでおり、 作業具が掘削サイクルで動作していることを検知する段階が、 トランスミッション(62)が第1ギヤ前進ギヤ比に設定されていることを確 認する段階と、 作業具(107)が掘削位置にあることを確認する段階と、 土木機械(100)の走行速度が所定の速度以下であることを確認する段階と を含んで成ることを特徴とする請求項1に記載の方法。 3.所要のポンプ容量を以下の式に従って求めることを特徴とする請求項2に 記載の方法。 DISPDESIRED=α×DISPMAX ここで、 DISPMAXはポンプ(12)の最大容量であり、 αはポンプ容量乗数であり、 DISPDESIREDはポンプ(12)の所要の容量である。 4.土木機械(100)が、該土木機械(100)により処理すべき土壌の状 態を特定することにより所要のポンプ容量を選択するための操作ダイヤル(40 5)を含み、操作ダイヤルの設定値に応じて所要のポンプ容量を決定する段階を 含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 5.更に、油圧シリンダ(26、36)の速度を測定する段階と、 エンジン(60)の速度を測定する段階と、 シリンダ速度およびエンジン速度に応じて所要のポンプ容量を求める段階を含 むことを特徴とする請求項4に記載の方法。 6.土木機械(100)の作業具(107)を作動させるための油圧シリンダ (26、36)に所要流量の作動油が供給されるように可変容量形ポンプ(12 )の容量を制御する装置において、 土木機械(100)が掘削サイクルで動作していることを検知する手段(18 )と、 最大ポンプ容量よりも小さい所要のポンプ容量を求める手段(18)と、 所要流量の作動油を流動させるため、ポンプ容量を前記所要のポンプ容量に制 御する手段(24)とを具備することを特徴とする制御装置。 7.土木機械(100)により処理すべき土壌の状態を特定することにより所 要のポンプ容量を選択するための操作ダイヤル(405)を含み、操作ダイヤル (405)の設定値に応じて所要のポンプ容量を決定することを特徴とする請求 項6に記載の装置。 8.更に、シリンダ(26、36)の位置を表わす位置信号を出力する位置セ ンサ(54)と、 前記位置信号を受信し、外位置信号を微分し、シリンダ(26、 36)の移動速度を表わす速度信号を出力する手段と、 エンジン速度を表わすエンジン速度信号を出力するエンジン速度センサ(50 )とを具備することを特徴とする請求項7に記載の装置。 9.シリンダ速度信号およびエンジン速度信号に応答して所要のポンプ容量を 決定する手段(18)を含むことを特徴とする請求項10項に記載の装置。
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