JP2002506352A - 所望のヌクレオチド配列を有する標的dnaまたはrna分子を単離および回収するための改良された方法 - Google Patents

所望のヌクレオチド配列を有する標的dnaまたはrna分子を単離および回収するための改良された方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、一般的には、二本鎖の核酸分子を変性させるかまたは分離させるための、アミノ酸変性剤の使用に関する。より詳細には、本発明は、このような分子を含有する混合物またはライブラリーからの、所望の標的DNAまたはRNA分子の迅速な単離および回収のための方法を提供する。この方法は、所望の分子を選択し、そして所望されないライブラリーのメンバーをサンプルから排除するための、ハプテン化されたプローブおよびアミノ酸変性剤の使用を含む。本発明はまた、より大きいかまたは全長の核酸分子が所望の分子のサブ集団から単離され得る方法もまた、提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 所望のヌクレオチド配列を有する標的DNAまたはRNA分子を 単離および回収するための改良された方法 発明の分野: 本発明は、所望のヌクレオチド配列を有する標的DNAまたはRNA分子を単離しそ して回収するための改良された方法に関する。詳細には、本発明は、特定の核酸 標的分子の迅速な単離のための方法に関する。 発明の背景: 遺伝子配列をクローニングする能力により、核酸の構造および機能を調べるこ とができ、そして種々の宿主においてホルモン、酵素、レセプター、抗体などの ような所望のタンパク質を高度に発現する能力を生じた。 最も一般的に使用される遺伝子配列のクローニングのための方法として、部位 特異的制限エンドヌクレアーゼおよびリガーゼのインビトロでの使用が挙げられ る。簡潔には、これらの方法は、「制限エンドヌクレアーゼ」が、その構造(す なわち、3'突出、5'突出、または平滑末端)および配列が両方とも十分に規定さ れている末端を生じる様式において二本鎖DNAを切断する能力に依存する。次い で、任意のこのようなDNA分子が、適切に切断されたベクター分子(すなわち、 核酸分子、代表的には、DNAが適切な宿主細胞中で複製されることを可能にする 特殊化された配列を有する二本鎖DNA)に、DNAリガーゼの作用によって連結され 得る。次いで、遺伝子配列は、適切な宿主中でベクターを増やすことによって、 無限に複製され得る。このような操作を行うための方法は周知である(例えば、 Perbal,B.、A Practical Guide to Molecular Cloning,John Wiley & Sons,N Y(1984)、208-216頁;Sambrook,J.ら(Molecular Cloning,A Laboratory Man ual,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,NY(1982);Old,R.W. ら、Principles of Gene Manipulation、第2版、University of California Pr ess,Los Angeles,(1981)(全て本明細書中で参考として援用されている)を 参照のこと)。 いくつかの場合においては、目的の遺伝子配列は、供給源において非常に豊富 であるので、事前の精製または富化を伴わずに直接クローニングされ得る。しか し、ほとんどの場合においては、所望の標的DNA分子の相対量は、所望の分子を 同定し、そしてそれを供給源材料の他の分子から単離するために、補助的なスク リーニング技術の使用を必要とする。 主なスクリーニング技術は、相補的核酸プローブとのハイブリダイゼーション を介して、そのDNA配列に基いて所望のクローンを同定することを含む。 インサイチュでの、フィルターハイブリダイゼーション法が特に周知である( Sambrook,J.ら、Molecular Cloning、A Laboratory Manual、第2版、Cold Spr ing Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor,NY(1989)を参照のこと )。このような方法においては、細菌は、メンブレンフィルターの表面上で溶解 され、次いで、その配列が所望の配列のものと相補的である、検出可能に標識さ れた核酸分子の存在下でインキュベートされる。溶解物が所望の配列を含む場合 に、ハイブリダイゼーションが生じ、そしてそれによって吸着剤の表面に標識さ れた分子を結合する。吸着剤の表面上の標識の検出によって、サンプリングされ た細菌が所望のクローン化された配列を含むことが示される。 これらのスクリーニング方法は有用でありそして信頼性があるが、これらは、 非常に骨が折れ、そして時間がかかる工程(例えば、フィルターの調製、および 複数回のフィルターのハイブリダイゼーション、およびコロニーのプレーティン グ/ファージ感染)を必要とする。一般的には、これらの手順により、106個ま でのコロニーを効率的にスクリーニングするが、所望のクローンを得るためには 数週間から数ヶ月を要し得る。 退屈なフィルター取扱い手順を排除した、組換え分子を単離するための他のア プローチが、開発されている。これらのアプローチは、クロマトグラフィーまた は磁気粒子技術と組み合わせて、従来のハイブリダイゼーション技術を使用する 。例えば、Rigas,B.らは、2つのプラスミド種の混合物から1つのプラスミド 種を単離するための方法を報告した。開示された方法においては、環状の二本鎖 プラスミドDNAが、RecAタンパク質でコートされたビオチン化されたプローブに ハ イブリダイズして、安定な三本鎖複合体を形成する。次いで、これは、アガロー ス-ストレプトアビジンカラムに選択的に結合する(Rigas,B.ら、Proc.Natl. Acad.Sci.(U.S.A)83:9591-9595(1986))。従って、この方法は、鎖の分離 を必要とせずに、クローン化された二本鎖分子の単離を可能にする。 「三重鎖親和性捕捉」と呼ばれるDNAの単離方法が記載されており、ここで、 特異的な二本鎖ゲノムDNAは、ビオチン化されたホモピリミジンオリゴヌクレオ チドプローブにハイブリダイズして、「三重鎖複合体」を形成する。次いで、こ れを、ストレプトアビジンでコートされた磁気ビーズに選択的に結合させ得る(I to,T.ら、Nucleic Acids Res.20:3524(1992);Ito,T.ら、Proc.Natl.Ac ad.Sci.(U.S.A)89:495-498(1992))。Takabatake,T.らは、この技術のバ リエーションを記載した。これは、所望の核酸分子を検出しそして回収するため に、ビオチン化されたプリンに富むオリゴヌクレオチドプローブを使用する(Ta kabatake,T.ら、Nucleic Acid Res.20:5853-5854(1992))。これらの特定 のアプローチを用いる実質的な欠点は、これらがホモプリン−ホモピリミジント ラクトを含有する標的DNA配列の単離に制限されることである。 Fry,G.らは、単離されたM13-LacZファージミドを配列決定するための方法を 議論する(Fry,G.ら、BioTechniques 13:124-131(1992))。この方法におい ては、1つのクローンが選択され、そしてファージミドDNAは、その配列がファ ージミドのlacZ領域に相補的であるビオチン化されたプローブにハイブリダイズ することが可能にされる。ビオチン化されたプローブは、ストレプトアビジンで コートされた常磁性ビーズに付着させられる。ビーズに結合させられたDNAが結 合していないDNAから分離され得るので、この方法は、必然的に存在する細菌配 列からクローン化された配列を分離するための手段を提供する(Fry,G.ら、Bio Techniques 13:124-131(1992))。 組換え核酸分子をスクリーニングするなお別の方法が、Kwok,P.Y.らによって 記載されている。PCRに基づくスクリーニング手順の拡張物であるこの方法は、 標的の供給源を含むPCR産物を検出するために、ELISAに基づくオリゴヌクレオチ ド連結アッセイ(OLA)を使用する(Kwok,P.Y.ら、Genomics 13:935-941(199 2))。OLAは、「レポータープローブ」、およびリン酸化/ビオチン化された 「アンカー」プローブを使用し、これは、固定されたストレプトアビジンを用い て捕捉される(Landegren,U.ら、Science 241:1077-1080(1988))。 サブトラクティブハイブリダイゼーション技術を使用する複雑な集団からの標 的DNAの単離もまた、記載されている(Lamar,E.E.ら、Cell 37:171-177(1984 );Rubenstein,J.L.R.ら、Nucleic Acids Res.18:4833-4842(1990);Hedr ik,S.M.ら、Science 308:149-153(1984);Duguid,J.R.ら、Proc.Natl.Ac ad.Sci.(U.S.A.)85:5738-5742(1988))。このような「サブトラクティブ ハイブリダイゼーション」スクリーニング法において、第2の集団中に存在する 核酸分子に対して相補的であり、従って、両方の集団中に存在する核酸分子を反 映するcDNA分子を「引き算する」ために、第1の細胞集団から作製されたcDNA分 子が、第2の細胞集団のcDNAまたはRNAにハイブリダイズさせられる。 この方法は、スクラピー感染の結果として脳組織中で発現された遺伝子配列を 同定するためにサブトラクティブハイブリダイゼーションを使用した、Duguid, J.R.ら(Proc.Natl.Acad.Sci.(U.S.A.)85:5738-5742(1988))によって 説明されている。未感染の細胞から作製されたcDNA調製物はビオチン化され、そ して感染した細胞から作製されたcDNAとハイブリダイズすることが可能にされた 。両方のcDNA調製物に共通である配列は、互いにハイブリダイズし、そしてビオ チン結合(アビジン)樹脂の使用によってサンプルから除去された。 Weiland,I.ら(Proc.Natl.Acad.Sci.(U.S.A.)87:2720-2724(1990)は 、サブトラクティブハイブリダイゼーションの改良された方法を報告した。ここ では、テスターDNAが制限エンドヌクレアーゼで切断され、次いで、高いC0t値( 「C0t」は、DNAの初期濃度とインキュベーション時間との積である)で、剪断さ れたドライバーDNAにハイブリダイスすることが可能にされる。PCR増幅された特 有の二本鎖DNA分子をプラスミドベクター中にクローニングすることによって、 回収された標的配列の相対比の富化を得ることが可能であった。 Rubenstein,J.L.R.ら(Nucleic Acids Res.18:4833-4842(1990))は、標 的DNAおよびテスターDNAの両方を提供するために一本鎖ファージミドベクターを 使用する、サブトラクティブハイブリダイゼーション法のさらなる改良を報告し た。この方法においては、ハイブリダイズしたファージミドDNA-ビオチン化ドラ イバー鎖複合体は、ストレプトアビジンの添加によってハイブリダイズしていな いDNAから分離される。続いて、ハイブリダイズしていない一本鎖のDNAは、Taq DNAポリメラーゼを使用することによって二本鎖形態に変換され、そして共通の 領域に相補的であるオリゴヌクレオチドは、一本鎖DNA中に見出された。しかし 、この方法の使用は、混入二本鎖DNAを実質的に含まない調製物を得るために、 厳しい一本鎖ファージミド精製プロトコールに従う必要性によって制限される( Rubenstein,J.L.R.ら、Nucleic Acids Res.18:4833-4841(1990))。 まとめると、特定の標的核酸分子を単離するための方法は、DNA標的配列の量 によって、そして時間がかかる工程によって制限される。従って、所望の標的核 酸分子の単離を促進し、そして本質的に純粋な標的DNAを生じ得る方法が、非常 に望ましい。 発明の要旨: 本発明は、他の所望されない核酸分子から所望のヌクレオチド配列を有する核 酸分子を迅速に単離するための方法を提供する。詳細には、本発明は、核酸分子 の集団からの所望の核酸分子の単離を可能にする。有意には、本発明はさらに、 リガンドの分離、DNAの修復、および制限酵素消化技術と組み合わせてハイブリ ダイゼーションの方法論を使用する、標的核酸分子の改良されたスクリーニング 方法に関する。 詳細には、本発明は、核酸分子の混合物(またはライブラリー)を含有する最 初のサンプル中に存在する所望の標的核酸分子を選択的に単離するための方法を 提供する。ここで、上記の方法は、以下の工程を包含する: (a)(1)上記の最初の混合物もしくはライブラリーが、一本鎖の核酸分子か ら構成される場合には、工程(b)を行う工程;または(2)上記の最初の混合 物もしくはライブラリーが、二本鎖の核酸分子から構成される場合には、上記の 二本鎖の核酸分子を処理して、このような分子を一本鎖にする工程、次いで、工 程(b)を行う工程; (b)ハプテン化された核酸プローブ分子の存在下で上記の混合物またはライブ ラリーの一本鎖の核酸分子をインキュベートする工程であって、上記のプローブ 分子は、上記の所望の標的分子のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド 配列を含み;上記のインキュベーションは、上記のプローブ分子が上記の所望の 標的分子にハイブリダイズすることを可能にし、それによってハイブリダイズし た分子が生成されるために十分な条件下であり、ここで、上記の所望の標的分子 は上記のプローブ分子に結合される、工程; (c)上記のハプテン化したプローブのハプテンの結合リガンドの存在下で上記 のハイブリダイズした分子をインキュベートすることによって、工程(b)の上 記のハイブリダイズした分子を捕捉する工程であって、上記の結合リガンドが支 持体に結合されており;上記のインキュベーションは、上記のハイブリダイズし た分子が上記の支持体の上記の結合リガンドに結合するようになることを可能に するに十分である、工程; (d)結合していない核酸分子から、上記の結合したハイブリダイズした所望の 標的分子を分離する工程;ならびに (e)上記の支持体から上記の所望の標的分子を回収する工程。 好ましい実施態様において、本発明は、二本鎖の核酸分子を分離するための、 1つ以上のアミノ酸変性剤の使用に関する。このようなアミノ酸変性剤は、ハイ ブリダイゼーションによって形成された二本鎖の核酸分子の相補鎖の分離を可能 にする。特に、これらのアミノ酸変性剤は、ハプテン化された核酸プローブでの ハイブリダイゼーション(工程(a))の前に二本鎖の核酸分子の混合物の分離 を提供し、そして好ましくは、所望の核酸分子からプローブを分離するために使 用される。本発明の特に好ましい実施態様においては、所望の核酸分子は、1つ 以上のアミノ酸変性剤とともに、所望の分子にハイブリダイズされた結合したプ ローブを含有する支持体をインキュベートすることによって回収される。このよ うなインキュベーションは、プローブからの所望の分子の遊離に十分な条件下で 行われる。 本発明に従って、アミノ酸変性剤として、任意のアミノ酸、ポリアミノ酸、ま たは二本鎖の核酸分子を解離させるかまたは変性させるために使用され得るそれ らの誘導体が挙げられる。このようなアミノ酸変性剤として、グリシン、アラニ ン、アルギニン、アスパラギン、グルタミン、イソロイシン、ロイシン、メチオ ニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チ ロシン、バリン、およびイミダゾールが挙げられるが、これらに限定されない。 従って、本発明の方法は、より詳細には、サンプルから1つ以上の所望の標的 核酸分子を回収することに関する。この方法は、以下の工程を包含する: (a)上記の所望の標的分子に相補的なヌクレオチド配列を含む1つ以上のハプ テン化された核酸プローブの存在下で、上記のプローブが上記の所望の標的分子 に対してハイブリダイズすることを可能にするために十分な条件下で、上記のサ ンプルを接触させ、それによって1つ以上のハイブリダイズした分子を形成させ る工程; (b)上記のハイブリダイズした分子が、上記の支持体の上記の結合リガンドへ 結合するようになることを可能にするために十分な条件下で、支持体に結合され た結合リガンドと上記のハイブリダイズさせた分子とを接触させる工程;および (c)上記の支持体から上記の所望の核酸分子を単離するために十分な条件下で 1つ以上のアミノ酸変性剤と上記支持体とを接触させる工程。 本発明のこの方法は、さらに以下の工程を包含し得る: (d)1つ以上の二本鎖の所望の核酸標的分子を生成するために十分な条件下で 、所望の標的核酸分子の1つ以上の配列に相補的な1つ以上のプライマーと、上 記の単離された所望の核酸標的分子とを接触させる工程;および (e)1つ以上の宿主細胞中に上記の二本鎖の所望の標的分子を形質転換する工 程。 本発明のこの局面において、二本鎖の所望の標的分子は、1つ以上のプライマ ー、1つ以上のヌクレオチド、およびポリメラーゼ活性を有するポリペプチドと ともに、所望の標的分子をインキュベートすることによって産生され得る。ポリ メラーゼ活性を有するこのようなポリペプチドとして、周知のDNAおよび/また はRNAポリメラーゼ、好ましくは、熱安定性DNAポリメラーゼが挙げられる。この 実施態様における使用のためのヌクレオチドとして、dATP、dGTP、dCTP、dTTP、 ATP、GTP、CTP、UTP、およびそれらのアナログが挙げられるが、これらに限定さ れない。詳細には、合成された核酸分子に対してヌクレアーゼまたはエンドヌク レアーゼ耐性を付与するヌクレオチドアナログが、特に好ましい。このようなヌ クレオチドアナログが本発明に従って使用される場合、本発明の方法はさらに、 形質転換の前に、1つ以上のヌクレアーゼまたはエンドヌクレアーゼとともに二 本鎖の所望の標的分子(これは、1つ以上のヌクレオチドアナログを含む)をイ ンキュベートする工程を包含し得る。この様式でのこのような分子のインキュベ ーションは、このようなヌクレオチドアナログを含まない核酸分子の混入に対抗 する、さらなる選択工程を提供する。本発明はまた、所望の標的核酸分子を認識 し、そしてそれにハイブリダイズする、特有のプライマーの使用に関する。この ようなプライマーは、プローブ分子によって認識される同じ配列に対して相補的 である配列を含むか、または標的核酸分子内の異なる配列に相補的であり得る。 特に好ましい実施態様において、プローブおよび/またはプライマーは縮重オリ ゴヌクレオチドであり、好ましくは、1つ以上のユニバーサルなヌクレオチドを 含む縮重オリゴヌクレオチドである。 本発明はまた、所望の標的核酸分子の集団から、より大きいかまたはより長い セグメントを有する所望の標的核酸分子について選択または富化するための方法 にも関する。理解されるように、本発明に従う所望の核酸分子の選択は、プロー ブにハイブリダイズする所望の分子の集団を提供する。このような集団において は、各標的核酸分子中に含まれる配列の長さまたは大きさは変動し得る。本発明 の富化法においては、より大きいセグメントまたはより大きな配列を有する所望 の核酸分子は、大きさに従う所望の核酸分子の分離によって選択され得る。この ような大きさの分離は、ゲル電気泳動(例えば、アガロースまたはアクリルアミ ド)を含む周知の技術によって達成され得る。分離の際には、より大きな核酸分 子が単離され得、次いで、さらなるプロセシングのために利用され得る。 特に好ましい局面において、富化手順は、ベクター中に含まれるcDNA分子をス クリーニングするために使用される。このような手順において、メッセンジャー RNAまたはポリA+ RNAから調製されたcDNA分子は、ベクター中にクローン化され 、それによってcDNAライブラリーが形成される。ベクターが一定の大きさである という条件で、ライブラリーからのより大きな分子の選択は、最も大きなcDNA挿 入物を含有するベクターを提供する。この様式において、より大きな、または全 長のcDNA分子が、cDNAライブラリーから単離され得る。従って、本発明のこの局 面 は、cDNAライブラリーから全長の所望の遺伝子を選択するための手段を提供する 。本発明の好ましい富化方法において、cDNAライブラリー中の所望の標的分子は 、大きさの分離の前に増幅される。 従って、本発明は詳細には、より大きいかまたは全長の挿入物を有する所望の 核酸分子の富化に関する。これは、以下を包含する: (a)cDNAライブラリーを得る工程; (b)(1)上記のライブラリーが、一本鎖の核酸分子から構成される場合には 、工程(c)を行う工程;または(2)上記のライブラリーが、二本鎖の核酸分 子から構成される場合には、上記の二本鎖の核酸分子を処理してこのような分子 を一本鎖にする工程、次いで、工程(c)を行う工程; (c)1つ以上の所望の標的分子のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチ ド配列を含む1つ以上のハプテン化された核酸プローブと、上記のライブラリー の一本鎖の核酸とを接触させる工程; (d)上記の所望の標的分子を単離する工程; (e)上記の単離された所望の標的分子を増幅する工程;ならびに (f)大きさに従って上記の増幅された分子を分離する工程。 もちろん、本発明の富化方法は、cDNAライブラリーだけではなく、任意の核酸 の集団に対して使用され得る。このような方法において、核酸分子の集団(好ま しくは、ベクター中に含まれる)は、所望の標的核酸分子のサブ集団を選択する ために使用される。次いで、所望の核酸分子のサブ集団(おそらく、それぞれの 分子は異なる大きさを有する)は、(好ましくは、増幅後に)大きさに従って分 離される。本発明の富化方法においては、使用されるサンプル(cDNAライブラリ ーまたは他の核酸の集団)にかかわらず、増幅のために使用されるプローブの型 および数は異なってい得る。 図面の簡単な説明: 図1は、本発明の単離方法の好ましい実施態様の模式図を提供する。 図2は、一本鎖の核酸分子を生成するための好ましい方法の模式図を提供する 。 図3は、富化された分子の集団に対してPCRを行うための好ましい方法の模式 図を提供する。 好ましい実施態様の詳細な説明: 本発明は、混合物(またはクローン化された分子のライブラリー)から「所望 の」核酸「クローン」を迅速に単離するための改良された方法に関する。本発明 の「クローン」は、一本鎖または二本鎖のいずれかであり得る、環状または直鎖 状のDNAまたはRNA分子を含む。代表的には、このようなクローンまたはライブラ リーは、同種の検体(例えば、組織培養物中の細胞、同じ組織の細胞など)また は異種の検体(例えば、病原体を含まない細胞と病原体に感染した細胞との混合 物、種々の組織の細胞、種の細胞、または異なる時期的段階もしくは発達段階の 同じもしくは異なる組織の細胞の混合物など)の混合物のような供給源に由来す る、「所望の」DNAまたはRNAフラグメントを含むように操作された、プラスミド または他のベクター(例えば、ウイルスベクター)を含む。存在する場合は、こ れらの核酸の供給源の細胞は、原核生物細胞または真核生物細胞(例えば、動物 、ヒト、および高等植物の細胞)のいずれかであり得る。 種々のライブラリーが、大規模な調製のために選択され得る。プラスミド、コ スミド、およびファージミドcDNAライブラリー、またはゲノムライブラリーの構 築は、Sambrook,J.ら(Molecular Cloning,A Laboratory Manual,第2版、Co ld Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY(1989)、本明 細書中で参考として援用される)に記載されている。好ましくは、一本鎖ファー ジミドcDNAライブラリーは、Gruber,C.E.ら(Focus 15:59-65(1993)、本明 細書中で参考として援用されている)によって以前に記載されているように調製 され得る。この方法の一般的な工程は、所望の配列が一本鎖または二本鎖の分子 中にクローン化されているかどうか、およびこのような分子がDNAまたはRNAであ るかどうかに依存して異なる。 本明細書中で使用される場合は、その単離が所望される標的核酸分子の配列に 対する制約は存在しない。本発明は核酸のハイブリダイゼーションに依存するの で、標的分子は、効率的に回収されるためには、少なくとも10ヌクレオチドの長 さを有するべきである。分子の大きさに対する上限は存在せず、そして本発明の 方法は、数キロの塩基またはそれ以上の核酸分子を単離するために使用され得る 。 本発明の選択方法は、二本鎖の核酸分子が一本鎖の核酸分子よりもはるかに高 い効率で細菌細胞を形質転換するという観察に、一部基づく。1つの実施態様に おいて、本発明は、プライマー分子を混合物に対して提供することによる、配列 のライブラリーから所望の核酸配列の単離を達成する。本明細書中で使用される 「プライマー」または「プライマー分子」は、ポリメラーゼによって触媒される 鋳型依存性の重合反応の間のヌクレオチドモノマーの共有結合的な付加によって 伸長され得る、一本鎖オリゴヌクレオチドまたは一本鎖ポリヌクレオチドである 。プライマーは、代表的には、11塩基以上であり;最も好ましくは、プライマー は17塩基以上である。しかし、プライマーは、16から300塩基まで、好ましくは 、16から32塩基、そして最も好ましくは、20から24塩基までの大きさの範囲であ り得る。適切なDNAポリメラーゼの例として、「クレノー(Klenow)」ポリメラ ーゼとして一般的に知られる細菌E.coliのDNAポリメラーゼIの大きなタンパク 質分解フラグメント、E.coli DNAポリメラーゼI、バクテリオファージT7 DNA ポリメラーゼが挙げられる。好ましくは、熱安定性ポリメラーゼ(例えば、約50 ℃から約100℃の間の温度でヌクレオチドの付加を触媒し得る、ポリメラーゼ) が使用される。さらに、ポリメラーゼの組み合わせ(例えば、Elongase(Life T echnologies,Inc.,Gaithersburg,Maryland))が、重合の効率を増大させる ために使用され得る。例示的な熱安定性ポリメラーゼが、本明細書中で参考とし て援用されている欧州特許出願第0258017号に記載されている。熱安定性「Taq」 DNAポリメラーゼ(Life Technologies,Inc.,Gaithersburg,Maryland)が1つ の例であるが、他の周知の熱安定性ポリメラーゼ、ならびにそれらの変異体およ びその誘導体(例えば、Tne DNAポリメラーゼ(WO96/10640、同時係属中の出願 番号第08/706,706号、1996年9月6日に出願された、および同時係属中の出願番 号第60/037,393号、1997年2月7日に出願された)、Tma DNAポリメラーゼ(米 国特許第5,374,553号)、Pfu DNAポリメラーゼ(米国特許第5,489,523号)、Ven t DNAポリメラーゼ(米国特許第5,210,036号、同第5,500,363号、同第5,352,778 号、 nzymes,Finland)、およびTfl(Epicenter Technologies,Inc.))が使用され 得る。 標的混合物がRNA分子を含み、そしてDNA分子が所望される場合、逆転写酵素が 使用され得る。逆転写酵素は、Sambrook,J.ら(Molecular Cloning:A Laborato ry Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY( 1989))によって、およびNoonan,K.F.ら(Nucleic Acids Res.16:10366(198 8))によって考察されている。好ましくは、RNase H活性を実質的に欠失してい る逆転写酵素(米国特許第5,244,797号)が使用される。このような逆転写酵素 は、Life Technologies,Inc.(Gaithersburg,Maryland)から入手され得る。 同様に、標的混合物がRNAを含む場合、RNAポリメラーゼが使用され得る。適切な RNAポリメラーゼの例としては、E.coli RNAポリメラーゼ、T7 RNAポリメラーゼ などが挙げられる。 このような重合の結果として、所望の標的分子(混合物の他の核酸分子ではな い)が、二本鎖形態に変換される。混合物は、さらなる処理を行うことなく、適 切なレシピエント細菌に形質転換され得る(Sambrook,J.ら、Molecular Clonin g:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY(1989)を参照のこと)。形質転換体が回収され得、そしてそれら の組換えDNAまたはRNA分子が抽出され得、そして回収され得る。このような処理 によって、所望の分子について実質的に富化された、核酸分子の新規の混合物ま たはライブラリーが提供される。必要に応じて、上記の方法は、所望の核酸配列 についてさらに高度に富化されている混合物またはライブラリーを得るために、 (所望される頻度で)繰り返され得る。 このような処理を行うための好ましい方法は、一本鎖のファージミド(例えば 、M13)のライブラリーまたは混合物、またはベクター(例えば、pSPORT 1、pCM V・PAC、YAC、BAC、およびBlueScript SK(+))に由来するライブラリーまたは混合 物を使用する。この方法の好ましい実施態様において、プライマーは、一本鎖DN A分子を二本鎖形態に変換するために使用され得る。一本鎖ファージミドベクタ ーを使用する場合、正確な方向性を有するオリゴヌクレオチドを選択するように 注意しなければならない。標的遺伝子がlacZ遺伝子と同じ方向でマルチクローニ ング部位にクローン化されている場合、センス鎖(すなわち、タンパク質合成の ためのATG開始コドンを含む鎖)センスオリゴヌクレオチドが、ベクター(例え ば、pSPORT 1、pCMV・SPORT(NotI-SalI領域にクローン化された特定のDNA)、pZ L1、およびBlueScript SK(+)))から産生されるssDNAを捕捉するために使用さ れる必要がある。アンチセンス(非ATG鎖)オリゴヌクレオチドは、ベクター を捕捉するために使用される。ssDNAがインビボでのファージミドの産生によっ て生成される場合、逆の方向性のオリゴヌクレオチド(すなわち、pSPORT 1、pC MV・SPORTなどに対するアンチセンスオリゴヌクレオチド)が設計されなければな らない。 本発明の非常に好ましい実施態様は、Gibco BRL(GeneTrapperTM cDNA Positi ve Selection System,Life Technologies,Inc.(Gaithersburg、Maryland)、 その機器のマニュアルは、その全体が本明細書中で参考として援用される)によ って販売される。核酸配列の選択の方法に関して、Liらの米国特許5,500,356号 もまた、その全体が参考として援用される。本発明のこの実施態様は、事前にcD NAライブラリーのスクリーニングを行うことなく、cDNAライブラリー(例えば、 1012個のDNA分子を提示する)から調製されたDNAに由来するcDNAクローンの迅速 な(1から2日)単離を容易にする。このシステム(図1)において、標的cDNA のセグメントに相補的なオリゴヌクレオチドは、末端のデオキシヌクレオチジル トランスフェラーゼ(「TdT」)を使用して、ビオチン-14-dCTPで3'末端をビオ チン化される。同時に、cDNA挿入物(例えば、106から107個の個々のメンバー) を含有する二本鎖のファージミドDNAの複合的な集団は、Gene II(ファージF1エ ンドヌクレアーゼ)および(E.coli)エキソヌクレアーゼ(Exonuclease)III (Exo III)を使用して一本鎖DNA(「ssDNA」)に変換される。ビオチン化され たオリゴヌクレオチドとssDNAとの間でのハイブリッドは溶液中で形成され、次 いで、ストレプトアビジンでコートされた常磁性ビーズ上に捕捉される。磁石は 、溶液から常磁性ビーズを回収するために使用され、溶液中に隠れていたハイブ リダイズしていないssDNAを残す。続いて、捕捉されたssDNA標的は、常磁性ビー ズに付着させられたままであるビオチン化されたオリゴヌクレオチドから放出さ れ る。放出後、所望のcDNAクローンは、ビオチン化されていない標的オリゴヌクレ オチドを使用して、回収されたssDNA標的の二本鎖DNA(「dsDNA」)への変換を 特異的にプライムすることによって、さらに富化される。本明細書中で使用され る場合、用語「修復」は、ssDNAのdsDNAへの変換をいう。形質転換およびプレー ティング後、代表的には、20%から100%のコロニーが目的のcDNAクローンを提 示する。標的cDNA種のパーセント提示が未知である場合は、修復工程が、好まし くは、標的cDNAの十分な富化を確実にするために使用される。 GeneTrapperTMシステムは、PCRを超えるいくつかの別の利点を提供する(Gene TrapperTM cDNA Positive Selection System,Life Technologies,Catalog No .10356-020、その全体が本明細書中で参考として援用される)。クローン化さ れた全長のcDNAは、GeneTrapperTMシステムおよび5'コード領域にアニーリング するように設計される≧16ヌクレオチドの1つの特異的オリゴヌクレオチドを使 用することによって、容易に単離され得る。PCRから同じ結果を得るためには、 所望のcDNAの5'および3'領域の配列情報(2つのオリゴヌクレオチド)、または クローニング手順に従ってさらに複雑に組み合わされた3'−5'手順が必要である 。 標的核酸分子の5'末端に近い配列情報に対して設計されたオリゴヌクレオチド プローブは、全長のcDNAクローンについて富化する傾向にある。一方、元のmRNA の3'末端に近位の配列を含有するオリゴヌクレオチドは、部分的な、全長の、お よび全ての他の関連するcDNAクローン(すなわち、スプライシングされた転写物 )を選択する。 本発明に従って、GeneTrapperシステムは、以下を含む改良の1つまたは組み 合わせによって改変され得る:(1)プライマーとしておよび/またはハプテン 化されたプローブとして、縮重オリゴヌクレオチド(特に、dPおよび/またはdK のようなユニバーサルなヌクレオチドを含む特定のオリゴヌクレオチド)を利用 すること、(2)二本鎖の核酸分子を一本鎖の核酸分子に変換するために1つ以 上のアミノ酸変性剤を利用すること、(3)ヌクレアーゼ耐性を付与するために 修復反応の間にヌクレオチドアナログを利用すること;ならびに(4)より長い または全長の核酸分子を富化すること。 A.所望の分子の捕捉富化 本発明の選択方法は、核酸の「捕捉」工程を使用する。この実施態様は、好ま しくは、一本鎖の核酸分子を使用して行われる。二本鎖の環状分子が使用される 場合、好ましい最初の工程は、分子をそれらのそれぞれの一本鎖に変性させる( そうでなければ、分離する)工程を包含する。このような変性は、上昇させた温 度(60〜80℃、または混合物のTmより上)でのサンプルの一時的なインキュベー ションによって、または好ましくは、1つ以上のアミノ酸変性剤の使用によって 達成され得る。あるいは、塩もしくはイオン条件が調節され得るか、または変性 はヘリカーゼ活性によって達成され得る。鎖分離工程は、全ての鎖の分離を可能 にするために、トポイソメラーゼを必要とし得る。あるいは、二本鎖プラスミド または直鎖状の標的DNAが切れ目を入れられ得、そして切れ目を入れられた鎖は 変性または消化によって除去される。 このような切れ目を入れることおよび鎖の除去を達成するための好ましい方法 は、同じ大きさである(isometric)かまたは糸状のバクテリオファージの複製 起点の領域を含む二本鎖の環状分子を使用する工程を包含する。同じ大きさのバ クテリオファージとして、φX174、G4、G13、S13、St-1、φK、U3、G14、α3、 およびG6が挙げられる。糸状バクテリオーファージとして、f1、fd、M13、If1、 およびIkeが挙げられる。M13およびfdの起点領域が好ましい(Baas,P.D.ら、Cu rr.Top.Microbiol.Immunol.136:31-70(1988);Baas,P.D.,Biochem.Bi ophys.Acta 825:111-139(1985)、両方とも本明細書中で参考として援用され る)。 種々のバクテリーファージタンパク質(および、特に、fdのGene IIタンパク 質)ならびにそのアナログは、同じ大きさのバクテリオファージの複製起点の領 域中の特定の部位を切断し得る。従って、このようなタンパク質を、同じ大きさ のバクテリオファージの複製起点領域を含む二本鎖の環状分子とともにインキュ ベートすることによって、一本鎖の環状分子に切れ目を入れることが可能である (Meyer,T.F.ら、Nature 278:365-367(1979)、本明細書中で参考として援用 される)。エキソヌクレアーゼ(例えば、エキソヌクレアーゼIII)の存在化で 切れ目を入れられた分子をさらにインキュベートすることによって、切れ目を 入れられた鎖を分解すること、および環状の一本鎖分子の調製物を得ることが可 能である(Chang,D.W.ら、Gene 127:95-98(1993);Eastlake,P.B.ら、PCT 出願第WO95/09915、両方とも、本明細書中で参考として援用される)。Gene II −Exo IIIで調製したssDNAは、インビボでのファージミドの産生によって生成さ れるssDNAとは反対の方向性である。 本発明の別の局面において、二本鎖の分子(好ましくは、二本鎖の環状分子) は、1つ以上のアミノ酸変性剤と二本鎖の分子とを接触させることによって変性 される。このようなアミノ酸変性剤として、任意のアミノ酸、ポリアミノ酸、ま たは二本鎖の核酸分子を解離させるかまたは変性させるために使用され得るそれ らの誘導体が挙げられる。このようなアミノ酸として、アラニン、アルギニン、 アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリ シン、ヒスチジン、イミダゾール、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニ ン、オルニチン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプト ファン、チロシン、バリン、およびそれらの誘導体またはアナログからなる群よ り選択される1つ以上のアミノ酸が挙げられるが;グリシン、アラニン、アルギ ニン、アスパラギン、グルタミン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェ ニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バ リン、イミダゾール、およびそれらの誘導体またはアナログが好ましい。ポリア ミノ酸は、2つ以上のこのようなアミノ酸、およびそれらの誘導体またはそのア ナログを含む。本発明に従って、任意の数のアミノ酸(およびそれらの誘導体ま たはアナログ)が、二本鎖の核酸分子を変性させるために任意の数のポリアミノ 酸(およびそれらの誘導体またはアナログ)と組み合わされ得る。本発明の方法 において、アミノ酸変性剤は、二本鎖の核酸分子の分離または変性を可能にして 一本鎖分子を形成する。鎖除去法(上記)とは反対に、アミノ酸変性剤は、二本 鎖の核酸分子の両方の鎖を提示する一本鎖分子を産生する。好ましくは、アミノ 酸変性剤は、溶液中で、または緩衝液として提供される。二本鎖DNA分子を変性 させるかまたは解離させるために十分であるこのような緩衝液または溶液中のア ミノ酸変性剤の濃度は、二本鎖の分子の量および大きさを考慮して、当業者によ って容易に決定され得る。代表的には、アミノ酸変性剤は、1〜500mMまで、好 ましくは、1〜100mM、より好ましくは、1〜50mM、なおさらに好ましくは、5 〜50mM、そして最も好ましくは、10〜30mMの濃度で使用される。 本発明に従って、次いで、一本鎖分子の集団は、配列特異的な核酸のハイブリ ダイゼーションを可能にし、そして促進するために十分である条件下で、1つ以 上のオリゴヌクレオチドプローブの存在化でインキュベートされる。ハイブリダ イゼーションは、ランダムなハイブリダイゼーションを可能にするかまたは最小 にするかのいずれかである条件下で行われ得る。本明細書中で使用される場合、 ランダムなハイブリダイゼーションを最小にする条件は、それらが完全な相補性 を示す配列のハイブリダイゼーションのみを可能にするようなストリンジェンシ ーである。対照的に、ランダムなハイブリダイゼーションを可能にする条件は、 部分的な相補性のみを有する分子が互いに安定にハイブリダイズすることを可能 にする。ランダムな核酸のハイブリダイゼーションを可能にするかまたは最小に するかのいずれかである適切な条件は、Sambrook,J.ら(Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratories,Cold Spring Harbor ,NY(1982));Haymes,B.D.ら(Nucleic Acid Hybridization,A Practical Approach,IRL Press,Washington,DC(1985)、両方とも、本明細書中で参考 として援用される)および同様のテキストによって記載される。 プローブは、その配列が単離されるべき標的分子の領域の配列に相補的である ように選択される核酸分子(好ましくは、DNA、好ましくは、8〜12ヌクレオチ ド長より長く、そして最も好ましくは、15〜30ヌクレオチド長より長い)である 。しかし、プローブは、16〜300塩基までの範囲であり得、好ましくは、16〜32 塩基、そして最も好ましくは、20〜24塩基であり得る。従って、プローブは、回 収される標的分子の大きさに等しい必要はなく、そして最も好ましくは、等しく はない。オリゴヌクレオチドプローブは、好ましくは、約50%から約60%までの G+C含量を有する。より高いG+C含量は、バックグラウンドのコロニーの数を増 大させる。 2つの配列は、これらが互いにハイブリダイズして安定な逆平行の二本鎖の核 酸構造を形成し得る場合に、互いに「相補的」であるといわれる。従って、配列 は、正確な相補性を示す必要はないが、安定な二本鎖の構造を形成し得るために 、 配列中において十分に相補的であることのみが必要とされる。従って、完全な相 補性からの逸脱は、このような逸脱が二本鎖の構造を形成するためのハイブリダ イゼーションを完全に妨げるに十分ではない限りは、許容される。しかし,相補 性は、捕捉反応の特異性を決定する。 1つの実施態様において、プローブ(および/またはプライマー)は、4つの 天然に存在するデオキシヌクレオチド(dC、dG、dT、およびdA)の1つより多い 種に対してハイブリダイズし得る、ヌクレオチドアナログを含み得る。全ての4 つの塩基に対して、低いが、不規則な水素結合を示す、2'-デオキシイノシンま たは2'-デオキシネブラリンが、このような目的のために使用され得る。あるい は、「ユニバーサルなヌクレオチド」が使用され得る。このストラテジーにおい て、塩基アナログは、4つの塩基のいずれにも有意にはハイブリダイズしない。 3-ニトロピロール2'-デオキシヌクレオチドおよび5-ニトロ-インドールが、この ようなユニバーサルな塩基の例である(Nichols,R.ら、Nature 369:492-493( 1994);Loakes,D.ら、Nucl.Acids Res.22:4039-4043(1994))。複数の種 のヌクレオチドにハイブリダイズし得る塩基を有するヌクレオチド、および「ユ ニバーサルなヌクレオチド」は、Glen Researchから入手され得る(Linら、Nucl eic Acids Res.17:10373-10383(1989);およびLineら、Nucleic Acids Res .20:5149-5152(1992))。このようなユニバーサルなヌクレオチドの例とし て、Glen Researchから入手可能なdPおよびdKが挙げられる。 さらに、本発明に従って使用されるプローブ(および/またはプライマー)は 、タンパク質核酸(PNA')(米国特許第5,539,082号、本明細書中で参考として 援用される)であり得る。このようなタンパク質核酸の使用によって、核酸分子 へのプローブ(および/またはプライマー)の結合の強度の増強が可能であり得 る。 別の実施態様において、プローブ(および/またはプライマー)の配列は、ア ミノ酸配列のデータから誘導され得る。これらの例において、プローブ(および /またはプライマー)は、縮重配列を有し得る。例えば、ライブラリー中にコー ドされる多数のタンパク質中に存在するアミノ酸モチーフ(例えば、ジンクフィ ンガー)を有する場合、これは、そのモチーフを有するタンパク質をコードする 核酸について富化し得る。cDNAのアミノ酸コード領域に対するオリゴヌクレオチ ドプローブを設計することによって、ベクター配列の捕捉が回避される。 好ましい補足的な実施態様において、プローブは、「ハプテン化」される。本 明細書中で使用される場合、「ハプテン化」されたプローブは、1つ以上の同じ または異なるハプテン分子に共有結合されている核酸分子である。ハプテンは、 別の分子(例えば、リガンド)によって認識され得、そして結合され得る分子で ある。ハプテンの例として、任意の抗原、ビオチン、ジニトロフェノールなどが 挙げられる。ビオチンは、本発明の好ましいハプテンであり、そしてアビジンお よびストレプトアビジンのようなタンパク質によって結合され得る。 プローブは、当該分野で周知の任意の種々の方法を使用して「ハプテン化」さ れ得る。プローブを「ビオチン化」するための方法は、例えば、Heveyら(米国 特許第4,228,237号);Kourilskyら(米国特許第4,581,333号);Hofmanら(J. Amer.Chem.Soc.100:3585-3590(1978));Holmstrom,K.ら(Anal.Bioche m.209:278-283(1993))などに記載される。このような改変は、最も好まし くは、従来の方法を使用して核酸分子中にビオチン化されたヌクレオチドを取り 込むことによって達成される。あるいは、このような改変は、フォトビオチン(p hotobiotin)(Vector Laboratories)を使用して行われ得る。もちろん、他の方法 が、このようなビオチン化された分子を産生するために使用され得る。 オリゴヌクレオチドプローブの3'末端でのダイマーまたはヘアピン構造の形成 は、オリゴヌクレオチドにビオチンを付加するTdTの能力を低下させるかまたは 排除する。ヘアピンの形成を回避するためには、オリゴヌクレオチドプログラム (例えば、OLIGOTM 4.0またはOLIGOTM 5.0 for Windows)が、オリゴヌクレオチド プローブを設計するために使用され得る。 非常に好ましい方法において、単一のビオチン化ヌクレオチド種(例えば、ビ オチン化dCTP)が使用され、そしてヌクレオチドが、プローブの長さ全体にわた って、またはより好ましくは、プローブの末端でのいずれかでプローブ分子中に 取り込まれ、その結果、ホモポリマー領域(例えば、ポリビオチン化dC)が作製さ れる。 従って、上記のインキュベーションは、ハプテン化プローブと所望の標的配列 とのハイブリダイゼーションを生じ、その結果、二本鎖領域を有するハイブリダ イズした分子が形成される。 同時に、または好ましい方法の次の工程において、この複合体は、固体支持体 に結合されているハプテン結合リガンド分子を使用して「捕捉」される。適切な ハプテン結合リガンドとして、抗ハプテン抗体(または抗体フラグメント)、ハ プテンレセプターなどが挙げられる。リガンドの選択は、使用される特定のハプ テンによって変化する。例えば、ビオチンがハプテンとして使用される場合、ハ プテン結合リガンドは、好ましくは、アビジン、ストレプトアビジン、またはビ オチンに結合する抗体もしくは抗体フラグメントである。プローブがホモポリマ ー領域(例えば、ポリビオチン化dC)を含む場合、相補的な配列の「カウンター プローブ」を添加することが好ましい(例えば、プローブがポリビオチン化dCホ モポリマー領域を有する場合は、カウンタープローブは、ポリdGまたはポリdC領 域を有する核酸分子であり得る)。カウンタープローブの添加は、任意であり、 そして所望されない配列が回収されるようにバックグラウンドの程度を下げるた めに作用する。従って、このようなカウンタープローブの使用は、プローブによ って回収される所望されない種類のレベルが受容可能ではないと考えられる場合 に、所望される。 適切な固体支持体として、ビーズ、チューブ、またはプレートが挙げられるが 、これらに限定されない。これらは、ラテックス、ガラス、ポリスチレン、ポリ プロピレン、または他のプラスチックを含むがこれらに限定されない物質から作 られ得る。このような支持体は、2次元ストリップ、ビーズなどであり得る。好 ましい支持体は、磁気または常磁性ビーズである(Seradyn,Indianapolis,IN )。好ましい補足的な実施態様において、ハイブリダイズされたハプテン化プロ ーブの捕捉は、非ハイブリダイズ化分子を除去する必要性を伴わずに、開始され る。 支持体へのハプテン結合リガンドの付着を行うための方法が、Heveyら(米国 特許第4,228,237号)によって、そしてKourilskyら(米国特許第4,581,333号) により記載されている。ビオチンハプテンが使用される場合、Life Technologie s,Inc.(Gaithersburg,Maryland)より入手される常磁性ストレプトアビジン 結合ビーズ、またはDynal(Great Neck,NY)より入手されるDynabead Streptav idin M-280ビーズが、リガンドおよび支持体として使用され得る。 反応へのビーズ(または他の支持体)の添加は、ハプテン化プローブの支持体 のハプテン結合リガンドへの結合を可能にする。このような結合反応は非常に強 力である。例えば、アビジンとビオチンの間での反応についての結合定数は、約 1,015l/モルである。この結合の非常に強力な特徴は、ビオチンがそのカルボキ シル基によって別の分子に結合される場合であっても、またはアビジンが別の分 子に付着される場合であっても維持されることが見出されている。 このような結合の結果として、所望される標的分子にハイブリダイズしている 任意のハプテン化プローブは、支持体に結合されるようになる。対照的に、非標 的分子は結合しないままであり、そして洗浄、濾過、遠心分離、ふるい、または (常磁性支持体もしくは磁性支持体の場合においては)磁気的な分離方法によっ て結合物質から分離され得る。 しかし、最も好ましいのは、常磁性ビーズが支持体として使用され、そして磁 石が、溶液から常磁性ビーズを取り出すために使用され、そしてビーズが、適切 な緩衝液(例えば、Tris、EDTA、およびNaClを含有する緩衝液)で洗浄される。 このような処理によって、もともと存在する非標的核酸配列の大部分を除去し、 従って、所望されない選択されていない一本鎖の核酸分子を反応から排除する。 次いで、特異的に捕捉された一本鎖の(ハプテン化プローブにハイブリダイズ された)標的核酸分子が、1つの処理のまたは組み合わせられた処理(例えば、 アルカリ緩衝液の添加、1つ以上のアミノ酸変性剤の添加、加熱など)によって プローブから放出される。好ましくは、1つ以上のアミノ酸変性剤またはそれら の組み合わせが、支持体に結合されたプローブから核酸分子を放出させるために 使用される。放出処理は、好ましくは、ハプテン化プローブが支持体に付着させ られたままであるように選択される。次いで、所望の放出された標的分子が単離 され、そしてさらなる選択のため供され得る。このようなさらなる選択は、1つ 以上のプローブ(最初の選択において使用されたプローブと同じかまたは異なる )とのさらなるプローブハイブリダイゼーションを含み得る。 ハプテンが、プローブ核酸と共有結合される必要とはされないことに注目され たい。ハプテンは、プローブ分子と非共有結合する分子(例えば、一本鎖DNA結 合タンパク質)に、共有的または非共有的のいずれかで連結され得る。結合タン パク質は、その有意な量がプローブ分子から解離されず、そしてサンプルの核酸 分子に結合するために十分に厳重に結合しなければならない。 本発明のこの局面は、核酸分子の混合物から(すなわち、標的混合物から)の 所望の核酸の種類の回収を可能にする。本発明によって意図される標的混合物は ,一般的には、100を超えるメンバーを有し、そして代表的には、1,000または10 、000のメンバーでさえをも超える、または100,000以上のメンバーを有する。従 って、本発明の方法は、このような所望のメンバーが、1%、0.1%、0.01%、0 .001%、0.0001%、またはそれ未満の低い濃度で存在する場合であっても、標的 混合物の所望のメンバーを回収し得る(割合は、混合物中に存在する種々の種類 の全てのメンバーあたりの、所望の種類の比である)。 B.より大きいかまたは全長の所望の分子の富化/選択 別の好ましい実施態様において、分子の集団由来のより大きいかまたは全長の 所望の核酸分子が、本発明のプロセスを使用して得られ得る。従って、本発明は 、所望の標的分子(例えば、遺伝子または遺伝子フラグメント)についての最初 に選択するための方法を提供し、次いで、より大きいかまたは全長の標的分子( 例えば、全長遺伝子)の選択を可能にする。本発明のこの局面において、所望の 核酸分子のサブ集団が、大きさに従って分離される。 本発明に従って、大きさの選択は、標準的なゲル電気泳動技術(アガロースゲ ルまたはアクリルアミドゲル電気泳動)によって達成され得、そしてより大きい かまたは全長の分子が、ゲルから抽出され得る。本発明の好ましい局面において は、大きさによる分離に先だって、核酸分子は、周知の増幅技術によって増幅さ れる。 1つの実施態様において、標的核酸分子のサブ集団は、ベクター中に挿入され た核酸分子の増幅を容易にするベクター中に含まれる。このような増幅は、標的 核酸分子のサブ集団を、ベクターの一部にハイブリダイズする第1のプローブお よびベクター挿入物の一部にハイブリダイズする第2のプローブと接触させるこ とによって達成され得る。使用されるプローブの位置に依存して、集団中のベク ター挿入物の5'または3'部分のいずれかの増幅が、達成される。従って、大きさ による選択の際に、本発明は、5'または3'末端でより長いセグメントを有する分 子の富化を提供する。次いで、このようなより長いセグメントは、より長いかま たは全長の遺伝子セグメントを再作成または構築するために使用され得る。例え ば、5'または3'のより長いセグメントが、所望の核酸分子を含有するベクター中 のより短いセグメントを置き換えるためにサブクローニングされ得る。このよう な置き換えは、周知の制限技術および連結技術によって達成され得る。 あるいは、増幅は、ベクター挿入物の3'末端またはその近傍でベクターの一部 に相補的である第1のプローブ、およびベクター挿入物の5'末端またはその近傍 でのベクターの一部に相補的である第2のプローブを使用することによって、達 成され得る。このようなプローブを使用する増幅によって、集団のそれぞれのメ ンバーについて完全なベクター挿入物の増幅を完全にすることが可能である。大 きさの選択の際に、所望の核酸分子のより大きな挿入物または全長のセグメント が、さらなる処理のために得られ得る。代表的には、このような増幅は、長い鋳 型の増幅を必要とし得る。長い鋳型の増幅(5〜12kb;Long PCR)の増幅は、3' エキソヌクレアーゼ活性を欠失しているDNAポリメラーゼと、3'エキソヌクレア ーゼ活性を有するDNAポリメラーゼとの組み合わせを使用することによって、達 成され得る(米国特許第5,435,149号を参照のこと)。ポリメラーゼのこのよう な組み合わせは、例えば、Life Technologies,Inc.(Gaithersburg,Maryland )によるElongaseTMのように入手可能である。 本発明の別の局面において、より長いかまたは全長の核酸分子が、増幅プロー ブの組み合わせを使用することによって選択され得る。この実施態様において、 挿入物の3'末端でまたはその近傍のベクター配列の一部に相補的である第1のプ ローブ、挿入物の5'末端またはその近傍でベクター配列の一部に相補的である第 2のプローブ、ベクター挿入物の第1の部分に相補的である第3のプライマー、 およびベクター挿入物の第2の一部に相補的である第4のプライマーが、使用さ れ得る(図3を参照のこと)。このようなプライマーを使用する増幅の際に、ベ クター挿入物の5'末端を含む第1の増幅された領域、および挿入物の3'末端を含 む第2の増幅された領域が増幅される。増幅後、両方のセグメントは、重複伸長 反応によって連結され得る(Hortonら、Gene 77:61-68(1989);Jayaramanら 、 Proc.Natl.Acad.Sci.(U.S.A)88:4084-4088(1991))。ここでは、2つの セグメントの重複が、2つのセグメントをたった1つののセグメントに連結する ために使用される。この様式において、ベクターの完全な挿入物が、長い鋳型の 増幅(上記)の必要性を伴わずに増幅され得るか、またはこの増幅プロセスによ って、重複伸長反応の長い増幅と組み合わせることによって、極端に長い挿入物 の増幅が可能であり得る。増幅後、より長いかまたは全長の挿入物が、集団から 大きさによって選択され得る。 本発明のこの局面は、cDNAライブラリーから得られる全長の遺伝子富化のため の特定の目的である。mRNA鋳型からのcDNAを調製する場合、第1鎖の反応は、mRN A鋳型からの完全なcDNAの合成についての逆転写酵素の失敗に起因して、代表的 には、cDNA分子の集団(その一部は全長である)を提供する。cDNAライブラリー は、有意な数の遺伝子をコードするcDNA分子の集団(RNAが単離された組織また は細胞によってコードされる)を含み、そして各遺伝子について記載されるよう に、異なる大きさのcDNA分子のサブ集団(これらのいくつかは全長である)が存 在する。本発明は、具体的に、cDNAライブラリーから遺伝子の特異的なサブ集団 (これは、次いで、全長の分子の富化のために使用され得る)を選択するための 手段を提供する。本発明にこの局面は、特に以下を包含する: (a)一本鎖のcDNAライブラリーを、1つ以上の所望の標的分子のヌクレオチド 配列に相補的なヌクレオチド配列を含む1つ以上のハプテン化された核酸プロー ブ(例えば、遺伝子特異的プローブ)と接触させる工程; (b)上記の所望の標的分子を、支持体に結合させた1つ以上の結合リガンドを 用いて単離する工程;ならびに (c)上記の所望の標的分子の全てまたは一部を増幅し、そして大きさに従って 上記の増幅した分子を分離する工程。 C.所望の分子のポリメラーゼ富化/選択 別の好ましい実施態様において、ポリメラーゼ富化/選択プロトコールは,必 要に応じて、所望の標的分子の単離を果たすことにおいて補助するために、また はそれを行うことをさらに補助するために使用され得る。この実施態様において 、 所望の標的核酸分子の領域に相補的なヌクレオチド配列を有する核酸プライマー 分子が、反応に導入される。ポリメラーゼおよび適切なヌクレオチドもまた添加 され、そして反応は、プライマーが上記の一本鎖分子(これは、好ましくは、一 本鎖の環状分子である)にハイブリダイズし、そして二本鎖の所望の標的核酸分 子を形成するためのプライマーの伸長を媒介することを可能にするために適切な 条件下で、インキュベートされる。 1つの補足的な実施態様において、プライマー分子は、上記のプローブにハイ ブリダイズされているのと同じ領域(または同じ領域のサブセットまたは伸長) に相補的であるヌクレオチド配列を有し得る。このような場合において、プライ マー分子は、単一の特定の領域(例えば、プロモーター、エンハンサー、目的の 遺伝子など)を含む最初のサンプルの分子についての選択を維持する。好ましく は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件が使用され、そして一本鎖 核酸の二本鎖核酸への変換が、熱安定性ポリメラーゼ(例えば、Taqポリメラー ゼ)を用いて高温で行われる。この場合、ハイブリダイゼーションおよび二本鎖 変換は、正確なハイブリッドに好ましい条件下で行われ、変換工程は、所望の標 的分子についてさらに富化するかまたはそれについて選択する。 別の補足的な実施態様において、プライマー分子のヌクレオチド配列は、プロ ーブのヌクレオチド配列とは異なるように選択され、その結果、プライマー分子 は、予めプローブにハイブリダイズされている領域ではない所望の分子の領域に ハイブリダイズする。この補足的な実施態様は、当業者が、さらなる所望の特徴 を有する所望の分子のサブセットを選択することを可能にする。例えば、プロー ブ分子が特定のエンハンサーエレメントにハイブリダイズされる場合、上記の捕 捉選択工程は、エンハンサーエレメントを含むもとの混合物またはライブラリー のそれらのメンバーを富化する。特定のレセプター結合部位、プロモーターエレ メント、遺伝子配列、ターミネーターなどに相補的であるプライマーを使用する ことによって、当業者は、エンハンサーエレメントと特定のレセプター結合部位 、プロモーターエレメント、遺伝子配列、ターミネーターなどの両方を含む元の 混合物またはライブラリーのサブセットを含む、二本鎖の分子を得る。 上記に示されるように、二本鎖核酸分子(例えば、DNA)は、一本鎖核酸分子 よりもより効率的に形質転換し、従って、第1および第2の下位区分実施態様か ら得られる二本鎖の分子で細菌または真核生物細胞を形質転換すること、次いで 形質転換体から核酸分子を回収することによって、当業者は、所望の標的核酸分 子についての実質的な富化を入手し得る。 いくつかの場合(例えば、所望の標的分子の優勢が低い場合)においては、標 的分子の二本鎖変換後に残留している所望されない一本鎖の非標的分子を排除す ることが所望される。これは、少なくとも1つの「ヌクレオチドアナログ」(天 然に存在する非アナログの代わりに、または天然に存在する非アナログに加えて のいずれか)の存在下で、プライマーの鋳型依存性の伸長を行うことによって達 成され得る。本明細書中で使用される場合、「ヌクレオチドアナログ」は、プラ イマーの鋳型である標的DNAまたはRNA中では見出されない、ヌクレオチドをいう 。例えば、単離された標的分子がDNAである場合、適切なヌクレオチドアナログ として、リボヌクレオチド、5-メチルデオキシシトシン、ブロモデオキシウリジ ン、3-メチルデオキシアデノシン、7-メチルグアニン、デオキシウリジン、およ び5,6-ジヒドロ-5,6-ジヒドロキシデオキシチミジンなどが挙げられる(Duncan ,B.K.、The Enzymes XIV:565-586(1981)を参照のこと)。他のヌクレオチド アナログが、当業者に明らかである。鋳型がRNAである場合、デオキシヌクレオ チド三リン酸およびそれらのアナログが、好ましいヌクレオチドアナログである 。 反応物中のヌクレオチドアナログの存在は、取り込まれたアナログ塩基を含む 二本鎖分子の産生を生じる。このような取り込みは、二本鎖の分子を切断または 分解する、エンドヌクレアーゼおよびエキソヌクレアーゼの能力に影響を与える 。従って、プライマーがメチル化されたヌクレオチド(例えば、5-メチルdCTP) の存在下で環状のDNA鋳型から伸長される場合、取り込まれた5-メチルC残基を含 む得られた二本鎖の分子は、多くの制限エンドヌクレアーゼによる切断に対して 耐性である。HhaIは、5-メチルC残基と組み合わせて使用される場合に、特に好 ましい。なぜなら、これもまた一本鎖のDNAを分解し、このような酵素の存在下 でのインキュベーションの効果は、存在するほとんどまたは全ての残っている所 望されない非標的分子を破壊すること、およびそれによって所望のベクターの濃 度を大幅に富化することであるからである。エキソヌクレアーゼまたは制限エン ド ヌクレアーゼを阻害するかまたはブロックする他のヌクレオチドアナログは、6- メチルアデニン、5-メチルグアニン、および5-メチルシチジンである。ヌクレオ チドアナログと適切な酵素との組み合わせが、本発明において使用され得、そし て当該分野で公知である(例えば、Life TechnologiesTM 1993-1994 Catalogue and Reference Guide,第6章、Life Technologies,Inc.(Gaithersburg,Mary land)を参照のこと、本明細書中で参考として援用されている)。 供給源のライブラリーが一本鎖のRNAベクターから構成された同様の様式にお いて、変換工程におけるdNTP(すなわち、dATP、dTTP、dCTP、およびdGTP)の使 用は、このような分子を、リョクトウ(mung bean)ヌクレアーゼまたはBal-31 ヌクレアーゼに対して耐性にする。 上記の考察は、環状の分子の使用を強調しているが、本発明の方法は、直鎖状 の分子の使用に対しても充分に適用可能である。このような場合においては、プ ライマー分子(必ずしもプローブ分子ではない)は、好ましくはそれが標的分子 の5'末端にハイブリダイズするように選択される。このような選択は、標的分子 の全長のコピーを産生するための、分子の鋳型依存性の伸長を可能にする。 次いで、望ましくは、回収された標的分子は、有機溶媒を用いて沈殿させられ 、そして緩衝液中に再懸濁される。次いで、生成物は、例えば、Rubensteinら( Nucl.Acids.Res.18:4833(1990)、本明細書中で参考として援用されている )の方法によって、レシピエントの細胞中に形質転換されるかまたはエレクトロ ポレーションされ得る。原核生物細胞または真核生物細胞を含む、任意のレシピ エント細胞が使用され得るが、原核生物細胞および細菌(例えば、グラム陰性細 菌)が好ましい。特に好ましいグラム陰性細菌として、E.coli、Salmonella、K lebselliaなどが挙げられる。電気的にコンピンテントであり、そして化学的に コンピンテントであるE.coliは、Life Technologies,Inc.(Gaithersburg,Ma ryland)から得られ得る。 ここでは、本発明について一般的に記載されているが、説明の目的によって提 供され、そして特に記載されない限りは本発明を制限することは意図されない、 以下の実施例を参照して、本発明がさらに容易に理解される。 実施例1 所望の標的分子を単離するための方法 一本鎖DNAの調製 所望の標的分子を単離するための好ましい方法は、一本鎖のファージミド(例 えば、M13)または好ましくは、ベクター(例えば、pSPORT 1、pCMV・SPORT、pZL DNAライブラリー)を使用する。代表的な反応においては、5μgの二本鎖のファ ージミドおよび2μlの10×Gene II緩衝液(200mM Tris(pH8.0)、800mM NaCl 、25mMのMgCl2、20mM β-メルカプトエタノール、50%グリセロール、50mg/ml B SA)を、20μlの反応容量中で1μlのGene II(10ユニット/μl)とともにイン キュベートした。反応混合物をボルテックスし、次いで、14,000×gで室温で2 秒間遠心分離し、その後30℃にて30分間インキュベートした。反応を、混合物を 65℃にて5分間加熱することによって停止させ、次いでその後直ちに、1分間氷 上で混合物を冷却した。反応を停止させた後、1μlの混合物を、9μlのTE緩衝 液(10mM Tris-HCl(pH8.0)、1mM EDTA)および2μlの6×ゲルローディング 緩衝液(0.25%ブロモフェノールブルー、0.25%キシレンシアノール、15%フィ コール(400型、水中))を含む新しい微量遠心チューブに移し、そして後のア ガロースゲル分析のために4℃で維持した。 残っている19μlの反応混合物に対して、2μlのエキソヌクレアーゼIII(65 ユニット/μl)を添加した。インキュベーションの前に、反応混合物をボルテ ックスし、そして14,000×gで2秒間、室温にて遠心分離した。次いで、反応混 合物を、37℃で1時間インキュベートし、次いで氷上で保存した。1μlの反応 混合物を、9μlのTE緩衝液(10mM Tris-HCl(pH8.0)、1mM EDTA)および2μl のゲルローディング色素を含む新しい微量遠心チューブに移し、そして後のアガ ロースゲル分析のために4℃で維持した。 アガロースゲル分析のために維持したサンプルを、二本鎖のDNAがGene II/エ キソヌクレアーゼIIIでの消化によって一本鎖のDNAに変換されたかどうかを決定 するために、1×TAE緩衝液(40mM Tris酢酸(pH8.3)、1mM EDTA)中の0.8% のアガロースゲル上にロードした。代表的には、50%を超えるスーパーコイ ルDNAが、Gene IIタンパク質によって切れ目を入れられるはずであり、そして弛 緩した環状DNAとして移動し、そしてGene II処理によって生成された切れ目を入 れられた二本鎖のDNAの形態は、エキソヌクレアーゼIII消化後に一本鎖DNAに完 全に変換されるはずである。二本鎖のDNA(dsDNA)が一本鎖(ssDNA)に変換さ れると、プローブとのハイブリダイゼーションが行われる(以下を参照のこと) 。 ビオチン化オリゴヌクレオチドの調製 オリゴヌクレオチドプローブを、いくつかの改変を伴ってFlickinger,J.L. ら(Nucleic Acid Res.20:2382(1992))によって記載されるように、ビオチ ン-14-dCTPおよびターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT )を使用してビオチン標識した。代表的な反応において、25μlの反応容量で、 約3μgのオリゴヌクレオチド(16〜25マー)、5μlの5×TdT緩衝液、5μlの ビオチン-14-dCTP(5mM)、および2μlのTdTを、30℃にて1時間インキュベー トした。反応を、1μlのグリコーゲン(20μg/μl)、26μlの1M Tris-HCl(p H7.5)、および120μlのエタノールを用いてプローブを沈殿させ、そしてドライ アイス上で10分間に保存することによって、停止させた。4℃にて30分間、14,0 00×gでの遠心分離後、プローブを200μlの70%エタノール(-20℃)でリンスし 、そして2分間、14,000×gで室温にて遠心分離した。プローブを風乾させ、そ して20μlのTE中に溶解させた。標識効率および標識されたプローブの濃度を決 定するために、4μlの標識された産物を、等量の、90%ホルムアミド、50mMのT ris塩基、45mMのホウ酸、0.5mMのEDTA、0.1%のブロモフェノールブルー、およ び0.1%のキシレンシアノール中に再懸濁した。プローブを、16%の変性PAGE上 で既知の量の出発物質とともに電気泳動した。ゲルを、エチジウムブロマイド溶 液(0.5μg/ml)中で15分間染色し、そして写真を撮った。 ハイブリッドの選択 ハイブリダイゼーションを、以下の手順によって行った:Gene II/エキソヌ クレアーゼIIIで処理したDNAの残りの20μlに、7.0μlの4×ハイブリダイゼー ション緩衝液(100mM HEPES(pH7.5)、2mM EDTA、0.2%SDS)を添加し、そし て混合した。混合物を、ピペッティングを繰り返すことによって混合した。DNA を90℃にて1分間変性させ、そして直ちに1分間氷水中で冷却した。1μl(20n g)のビオチンプローブをDNA混合物に添加し、そして混合物を37℃にて1時間イ ンキュベートした。 ストレプトアビジンビーズへのハイブリッドの結合の前に、45μlのストレプ トアビジンでコートした常磁性ビーズ(Life Technologies,Inc.,Gaithersbur g,Maryland)を、100μlのTEで1回洗浄した。常磁性ビーズを、30μlのTEに再 懸濁した。 1時間の反応混合物のインキュベーション後、反応混合物を、14,000×gで2 秒間遠心分離した。30μlの再懸濁したビーズを、ハイブリダイゼーション混合 物(27ml)に添加し、そして穏やかにピペッティングすることによって十分に混 合した。混合物を、チューブを穏やかに指で叩くことによって時折混合しながら 、30分間室温でインキュベートした。常磁性ビーズを、磁石中にチューブを挿入 することによってDNAから分離し、そして100μlの洗浄緩衝液(10mM Tris(pH7. 5)、1mM EDTA)で4回洗浄した。 最後に、常磁性ビーズを10μlの1×溶出緩衝液(10mMグリシン)中に再懸濁 し、そして穏やかに攪拌しながら室温で5分間インキュベートした。次いで、上 清を取り出し、そして新しいチューブ中に保持し、一方、ビーズを7μlの溶出 緩衝液中に再懸濁した。再懸濁したビーズを含むチューブを、5分間、磁石中に 挿入し、そして水相をプールした(全部で26μl)。プールした上清を含有する チューブを10分間磁石に挿入して、全ての残存しているビーズを除去した。 一本鎖DNAの修復 1μl(50ng)の非標識のプライマー、17μlの溶出した一本鎖DNA、0.5μlのd NTP混合物(10mM)、0.5μlの修復酵素(Dynazyme、2ユニット/μl)、2.0μl の10×修復緩衝液(100mM Tris(pH8.8、25℃)、15mM MgCl2、500mM KCl、1% Triton X-100)を含有するDNA修復混合物を、90℃にて1分間、55℃にて30秒間 、次いで70℃にてさらに15分間インキュベートした。これらのインキュベーショ ン後、反応混合物を14,000×gで2秒間遠心分離した。修復後、二本鎖のDNAを-2 0℃で保存した。 標的遺伝子の検出 修復したDNAを、当業者に周知である技術を使用する、化学的な形質転換また はエレクトロポレーションによってE.coli細菌を形質転換するために使用する 。形質転換のために、Life Technologies,Inc.から入手した細胞を、以下の手 順に従って使用する:UltraMaxコンピテント細胞を-70℃から取り出し、そして 氷水上で融解させる。融解のすぐ後に、細胞を穏やかに混合し、そして100μlの コンピテント細胞を冷却したポリプロピレンチューブにアリコートした。形質転 換効率を決定するために、5μl(0.05ng)のコントロールDNAを100μlのコンピ テント細胞を含有する1つのチューブに入れる。捕捉されたか、または修復され たDNA反応物のそれぞれについて、3μlの修復されたDNAを細胞の個々のチュー ブに混合し(-20℃でDNA反応物の残りを保存する)、そして氷上で30分間インキ ュベートする。次いで、細胞を42℃の水浴中で45秒間、振盪せずに熱ショックを 与え、次いで2分間氷上に保存する。これらのインキュベーション後、0.9mlのS .O.C.培地を添加し、そして細胞を225rpmで1時間、37℃にて浸透する。コント ロールプラスミドについては、細胞を希釈し(1:400)、次いで100μlの希釈し た細胞を100μg/mlのアンピシリンを含有するLB培地またはYTプレート上に広げ る。捕捉されたか、または修復されたcDNAサンプルについては、100μlおよび20 0μlのアリコートを、100μg/mlのアンピシリン(例えば、pSPORTベクター)を 含有するLBプレート上にプレートする。細胞の残りを、オートクレーブした1.5m lの微量遠心チューブ中で15分間遠心分離し、上清を廃棄し、細胞を200μlのS.O .C.培地中に再懸濁し、そしてアンピシリンプレート上にプレートする。プレー トを37℃のインキュベーター中で一晩インキュベートする。エレクトロポレーシ ョンのために、電気的にコンピンテントンな細胞(例えば、DH10B)を、Life Te chnologies,Inc.から入手し、そして製造業者によって提供された手順に従って 形質転換する(GeneTrapper Manualを参照のこと)。形質転換またはエレクトロ ポレーション後、標的コロニーを、PCR、コロニーハイブリダイゼーション、ま たはサイクル配列決定のアプローチによって検出し得る。 好ましくは、標的遺伝子を、以下のように、本質的にはPCRを使用して同定す る。修復されたDNAを、E.coi細菌を形質転換するために使用する。得られるラ イブラリーを、富化されたライブラリーと呼ぶ。個々のコロニーのそれぞれを、 20μlの1×PCR緩衝液(50mM KCl、20mM Tris-HCl(pH8.4))、0.2mMのdNTP混 合物、0.2μMのプライマー、1.5mMのMgCl2、および0.5ユニットのTaq DNAポリメ ラーゼを含有するエッペンドルフチューブに添加する。チューブを、94℃に予め 暖めたサーマルサイクラー中に置く。PCRを、以下のプログラムを使用して行う :1サイクル:94℃/2分;30サイクルの94℃/30秒、55℃/30秒、72℃/2分 。PCR後、特異的に増幅された産物の存在を、反応混合物のアリコートのゲル電 気泳動によって評価する。正確な大きさのPCR産物の存在によって、所望のクロ ーンの存在を確認する。 実施例2 所望の標的分子を単離するための別の方法 所望の標的分子を単離するための別の方法は、一本鎖のファージミド(例えば 、M13)のライブラリーまたは混合物を使用する。このような方法においては、 一本鎖のファージミドは、E.coliのung dut変異体中に導入される(Kunkel,T. A.、米国特許第4,873,192号;Longo,M.C.ら、Gene 93:125-128(1990);Hart ley、米国特許第5,035,966号;全て、本明細書中で参考として援用されている) 。このような変異体中で増殖させられたファージミドの「+」鎖はデオキシウリ ジン(dUTP)を含み、そしてパッケージングされたビリオンから回収され得る。 従って、このような変異体の使用によって、dU残基を含む一本鎖のDNA分子を含 むライブラリーまたは混合物の単離が可能である(Kunkel,T.A.、米国特許第4, 873,192号)。 次いで、回収されたDNAを、必要に応じて、捕捉工程を通じて単離し得るか、 またはヌクレアーゼ富化工程を使用して直接処理し得る。 捕捉工程を行う場合、dUを含有する鎖を、相補的なビオチン化されたプローブ の存在下でインキュベートする。次いで、プローブおよび任意のハイブリダイズ しDNAを、ビオチンが、アビジンまたはストレプトアビジンでコートした常磁性 ビーズに結合することを可能にすること、次いで磁石を使用して溶液からビーズ を回収することによって回収する。ライブラリーまたは混合物を、ハイブリダイ ズさせた分子の変性によってビーズから回収する。 次いで、回収した一本鎖のDNAを、相補的プライマー、dATP、dTTP、dCTP、お よびdGTPの存在下で、そしてプライマーの伸長を可能にするに十分な条件下でイ ンキュベートする。従って、このような伸長によって、一本鎖のdUを含有する分 子および二本鎖のdU/dTハイブリッド(所望の標的)分子を含むサンプルを作製 する。 デオキシウリジン(dUTP)の三リン酸形態が、代謝の中間体として生存している 生物中に存在するが、これは、DNA中にはほとんど取り込まれない。dUTPがDNAに 取り込まれる場合、得られるデオキシウリジンは、酵素ウラシルDNAグリコシラ ーゼ(UDG)によってインビボで速やかに除去され得る(Kunkel、米国特許第4,8 73,192号;およびDuncan,B.K.、The Enzyme XIV:565-586(1981)、両方とも 、その全体が本明細書中で参考として援用されている)。 次いで、本発明のこの実施態様においては、分子の混合物を、インビボまたは インビトロのいずれかでUDGを用いて処理する。このような処理によって、サン プル中の全ての一本鎖の所望されない非標的分子を破壊する。これによって、全 ての二本鎖の所望の標的分子の「+」鎖を、さらに破壊する。 従って、次いで、サンプルで、E.coliを直接形質転換して標的分子の単離を 可能にするか、またはサンプルをプラスミドの「−」鎖にハイブリダイズし得る プライマー分子の存在下でインキュベートするかのいずれかを行う。このような インキュベーションは、プライマーの鋳型依存性の伸長を媒介するために適切な 条件下である。従って、このようなインキュベーションによって、所望の標的分 子の配列を有する二本鎖の分子を産生し、それによって標的分子の単離を可能に する。 実施例3 一本鎖DNAの調製のための別の方法 一本鎖ファージミドcDNAライブラリーの大規模な調製を、以前に記載されてい るように行い得る(Gruber,C.E.ら、Focus 15:59-65(1993)、本明細書中で 参考として援用されている)。 実施例4 ビオチン化されたオリゴヌクレオチドの調製のための別の方法 オリゴヌクレオチドプローブを、以下の微細な改変を用いて、Flickinger,J. L.ら(Nucleic Acid Res.20:2382(1992))によって記載されているように、 ビオチン-14-dCTPおよび末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT )を使用してビオチン標識した。代表的な反応においては、50μlの1×テーリ ング緩衝液(100mMのカコジル酸カリウム(pH7.2)、2mMのCoCl2、および200μ MのDTT)中の、0.3〜0.5nmol(約5μg)のオリゴヌクレオチド(21〜25マー) 、500μMのビオチン-14-dCTP、および60ユニットのTdTを、37℃にて15分間イン キュベートする。反応を、2μlの0.25M EDTA、の添加によって停止させる。標 識したプローブを、等量(52μl)の1M Tris緩衝液(pH7.5)、キャリアとして の10μgのグリコーゲン、および2.5容量(260μl)のエタノールの添加によって 沈殿させ、そして10分間、ドライアイスの上で保存する。4℃で10分間の遠心分 離後、プローブを100μlの75%エタノールでリンスし、そして2分間遠心分離す る。プローブを風乾させ、そして10μlのTE中に溶解する。標識されたプローブ の標識効率および濃度を決定するために、2μlの標識された産物を、等量の配 列決定反応停止緩衝液(95%(v/v)ホルムアミド、10mM EDTA(pH8.0)、0.1%(w /v)ブロモフェノールブルー、0.1%(w/v)キシレンシアノール)中に再懸濁し、9 5℃で1分間加熱し、そして氷上で冷却する。プローブを、16%の変性PAGE上で 既知量の出発物質とともに電気泳動する。ゲルをエチジウムブロマイド溶液(0. 5μg/ml)中で15分間染色し、そして写真を撮る。代表的には、95%を超えるオ リゴヌクレオチドが標識される。標識されたプローブの濃度を、既知の出発物質 との比較によって決定する。 実施例5 ハイブリッドの選択のための別の方法 ハイブリダイゼーションを、以下の手順によって行う:1〜10μgの一本鎖標 的ライブラリーDNAを、10μlの希釈緩衝液(100mM HEPES(pH7.5)、2mMのEDTA および0.2%のSDS)で希釈して、5mlのFalconチューブ中で最終容量19μlにす る。DNAを95℃で1分間変性させ、そしてすぐに5分間氷水中で冷却する。1μl (20ng)のビオチンプローブをDNA混合物に添加し、続いて、5μlの5M NaClを 添加する。ハイブリダイゼーション混合物を42℃で連続的に振盪(200rpm)しな がら、培養インキュベーター中で24時間インキュベートする。ストレプトアビジ ンへのハイブリッドの結合の前に、50μlのストレプトアビジンでコートした常 磁性ビーズ(DYNAL)を1×結合緩衝液(10mM TRIS(pH7.5)、1mM EDTAおよび 1M NaCl)で1回、製造業者の説明書に従うことによって洗浄する。常磁性ビー ズを、20μlの1×結合緩衝液中に再懸濁する。ハイブリダイゼーション混合物 を再懸濁したビーズに添加し、そして十分に混合する。混合物を、チューブを穏 やかに叩くことによって時折混合しながら、1時間室温でインキュベートする。 常磁性ビーズを、磁石にチューブを挿入することによってDNAのバルクから分離 し、そして洗浄緩衝液(10mM Tris(pH7.5)、1mM EDTA、および500mM NaCl) で6回洗浄する。最後に、常磁性ビーズを、20μlのTE緩衝液中の30%ホルムア ミド中に再懸濁する。選択したDNAを、65℃で5分間、ビーズを加熱することに よって遊離させる。磁石にチューブを挿入し、そして水相を新しいチューブに移 す。ビーズを15μlのTE緩衝液で1回洗浄し、そして水相をプールする。選択し たDNAを0.5容量の7.5M酢酸アンモニウム、10μgのグリコーゲン、および2.5容量 のエタノールで沈殿させる。DNAのペレットを、5〜10μlのTE緩衝液中に溶解さ せる。アリコート(1μl)を、ハイブリッドの選択効率を決定するためのエレ クトロポレーションに使用する。 実施例6 一本鎖DNAの修復のための別の方法 選択した一本鎖DNAの残りを、いくつかの改変を伴って、Rubensteinら(Nucl .Acids Res.18:4833(1990))によって記載されているように、エレクトロ ポレーションの前に二本鎖DNAに変換する。反応を、選択した一本鎖DNA、250ng の 非標識のプライマー、300μMの各dTTP、dGTP、dATP、および5-メチルdCTP、Taq DNAポリメラーゼ緩衝液、ならびに2ユニットのTaq DNAポリメラーゼを含有する 30μl中で行う。修復後、混合物を、フェノール:クロロホルムで1回抽出する 。有機相を、15μlのTEを用いて戻し抽出し、水相をプールし、そしてエタノー ル沈殿させる。ペレットを100μlの75%エタノールでリンスし、そして乾燥させ る。修復したDNAを5〜10μlのTEに溶解し、そしてHhaIで37℃にて2時間消化す る。消化後、混合物をフェノール:クロロホルムで1回抽出し、エタノール沈殿 させ、そして5〜10μlのTEに溶解させる。 実施例7 PCR増幅を使用する、全長のcDNA分子の富化のための方法 本発明の別の実施態様において、本発明は、より大きなDNA挿入物を含有するc DNA分子を優先的に単離するために使用され得る。cDNAライブラリーを、実施例 3に示す手順に従って生成する。cDNAライブラリーから標的分子を選択するため に、実施例1の選択方法を使用する。次いで、単離された標的分子を、大きさの 富化に供する。 この目的のために、2つのPCR反応を設定し、そして本質的には実施例1に示 すように行う。各PCR反応は、1対のPCRプライマー(1つは標的配列に相補的で あり、そして1つはベクター配列に相補的である)を使用する(図3、工程1お よび2を参照のこと)。次いで、PCR産物を、オーバーラップ伸長反応において 使用する(Hortonら、Gene 77:61-68(1989);Jayaramanら、Proc.Natl.Aca d.Sci.(USA)88:4084-4088(1991))(図3、工程3を参照のこと)。次い で、プライマー伸長反応の産物をゲル電気泳動によって分離し、次いで、適切な 宿主細胞の形質転換の前に適切なベクター(例えば、TAベクター)中にクローン 化し得る。形質転換後のコロニーを、コロニーPCRによって標的配列の存在につ いて試験し、そして選択したコロニーをDNA配列決定によって試験し得る。 実施例8 溶出緩衝液の比較 標的核酸分子(例えば、cDNA分子)にハイブリダイズしたビオチン化された捕 捉プローブを除去する新規の溶出緩衝液を開発した。最初は、その使用後にエタ ノール沈殿を必要とする、30%のホルムアミド/TE(pH8.0)緩衝液を使用した 。10mMのグリシンを含有する新規の溶出緩衝液が有効であることが示され、そし てホルムアミド/TE緩衝液と比較した場合に、さらなるコロニーを産生し、そし てこれらのより高い割合が、1:50,000の比でのcDNAライブラリー中で混合したC ATプラスミド標的について陽性であった。 10mMのグリシンに加えて、以下のアミノ酸を含む15個の他のアミノ酸/アミノ 酸アナログを試験し、そして溶出緩衝液として有効であることを示した:アラニ ン、アルギニン、アスパラギン、グルタミン、イソロイシン、ロイシン、メチオ ニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チ ロシン、バリン、および窒素塩基、イミダゾール(実施例11を参照のこと)。 実施例9 縮重オリゴヌクレオチドを含有するdPおよびdKの使用 比較を、dPおよびdKを含有するビオチン化した縮重プローブを使用して、実施 例1の手順を使用して行った。これらのプローブは、dKがA/G縮重位置について 置換され、dPがC/T縮重位置について置換され、そしてdP/dKが全4つのヌクレ オチドについて置換された、同じオリゴヌクレオチドで、1,024の縮重を有した 。事実上、dPまたはdKでの各置換は、オリゴヌクレオチドの集団の完全性を2倍 低 下させる。 クロラムフェニコール(CAT)遺伝子を含有するpSPORT1プラスミドを、cDNAラ イブラリーと1:50,000で混合する場合、パーセント陽性(すなわち、CATクロー ン)は、表2に示されるように、dP-dK置換されたオリゴヌクレオチドに対して 優先的に、4倍増大する。 オリゴヌクレオチドD1024(GTN TG(T/C)GA(T/C)GGN TT(T/C)CA(T/C)GTN GG )(配列番号1)は、1024の縮重を有する。8の縮重を有するオリゴヌクレオチ ドD1024-PKによって示される配列を、表3に示す。 実施例10 修復反応における5-メチルデオキシシトシン(5mC)/HhaIの使用 実験は、酵素HhaIと組み合わせてメチル化されたヌクレオチド5mCを含むこと によって、バックグラウンドのコロニーの数を減少し得ることを、再現性良く示 した。上記の実施例9に記載するCATプラスミドと、cDNAライブラリーとの1:50 ,000の混合物を使用する、実施例1に本質的に記載する実験(5mCを用いるか、 または用いない)を、ヌクレアーゼ耐性アナログを使用する修復反応の効果を比 較するために使用した。表3に示すデータは、以下に記載する、5mCプロトコル を使用する場合に、バックグラウンドが減少され得ることを実証する。 各捕捉反応についてDNAプライマー/修復混合物を、氷上で、捕捉されたDNA( 26μl)チューブに、1μlのビオチン化されていないオリゴヌクレオチド(50ng )、0.5μlのdATP、dGTP、dTTP、および5-メチルd-CTP混合物(各10mM)、3μl の10×修復緩衝液、0.5μl(1ユニット)の修復酵素を添加することによって調 製した。DNAプライマー/修復混合物を、ピペッティングを繰り返すことによっ て混合し、そして室温で2秒間、14,000×gで遠心分離した。遠心分離後、DNAプ ライマー/修復混合物を、85℃で1分間インキュベートし、30秒間55℃でインキ ュベートし、そして70℃で15分間インキュベートしてプライマーを伸長させた。 70℃での15分間のインキュベーション後、チューブを2秒間遠心分離し、そして 室温まで冷却させた。室温までチューブを冷却させた後、1μlのHhaI(0.25〜0 .5ユニット)を反応混合物に添加し、混合し、14,000×gで2秒間遠心分離し、 そして37℃にて30分間インキュベートした。30分間のインキュベーション後、DN Aを新しいチューブに移し、そして1μlのグリコーゲン(20μg)、4μlの3M 酢酸ナトリウム、および90μlのエタノールを添加することによって沈殿させた 。チューブを、氷上で少なくとも10分間インキュベートし、次いで、4℃にて30 分間遠心分離した。上清をデカントし、そしてDNAのペレットを100μlの70%エ タノール(-20℃)で洗浄し、そして2分間室温で遠心分離した。エタノールを デカントし、DNAペレットを室温で5〜10分間乾燥させ、そしてDNAペレットを10 μlのTEに再懸濁した。DH10Bコンピテント細胞を、2μlの各サンプルを用い てエレクトロポレーションした。 実施例11 アミノ酸変性剤を用いる二本鎖の核酸分子の変性を決定するためのアッセイ 二本鎖の核酸分子を変性または分離して一本鎖の核酸分子を形成する(例えば 、二本鎖のDNAから一本鎖のDNA分子を形成する)、アミノ酸変性剤の能力を決定 するプロトコルを、開発した。この方法において、pSPORT I-CAT DNAを、DNAポ リメラーゼおよび放射標識したヌクレオチドでの部分的な修復のための鋳型とし て使用する。詳細には、0.7μgの一本鎖のpSPORT I-CAT DNAを、プライマーおよ びP32-dCTP/dNTPを用いて、90℃での変性、および70℃でのインキュベーション を、15分ではなく4分間行った以外は、実施例1(一本鎖DNAの修復)に記載す るように部分的に修復した。部分的な修復反応後、17μlの1×GENE II緩衝液中 の25ngのP32標識したpSPORT ICAT DNAを、ビオチン化したプローブ(配列番号10 )(GAC CGT TCA GCT GGA TAT TAC GGC C)にハイブリダイズさせ、そしてハイ ブリダイズした分子を、実施例1に記載するように、ストレプトアビジン磁気ビ ーズ上に捕捉した(ハイブリッド選択)。ビーズを、洗浄緩衝液(10mM Tris(p H7.5)、1mM EDTA)で4回洗浄し、次いで、ハイブリダイズした分子を、変性 剤としてのアミノ酸溶液の効果を決定するために、アミノ酸溶液とともに試験し た。 このアッセイにおいて、固体支持体(たとえば、ビーズ)から放射活性を除去 するアミノ酸変性剤の能力は、アミノ酸変性剤が二本鎖の核酸分子を変性するか または分離する能力を有することを示した。溶液中の10mMの濃度のアミノ酸を使 用する試験を行った。多数のアミノ酸溶液(10mM)が、このアッセイにおいて変 性剤として作用した。これらのアミノ酸変性剤には、グリシン、アラニン、アス パラギン、グルタミン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニ ン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、およ びイミダゾールが含まれる。理解されるように、他のアミノ酸、それらの誘導体 またはアナログ、およびポリアミノ酸(それらの誘導体またはアナログ)を、本 発明に従って変性剤として使用し得る。変性に最適であるこのようなアミノ酸変 性剤の濃度は、当業者によって上記のアッセイを使用して決定され得る。 実施例12 翻訳開始コドンを含むcDNAクローンを単離するための、 縮重Kozakコンセンサス配列オリゴヌクレオチドの使用 本発明の別の実施態様において、本発明は、翻訳開始コドンを含有する5'末端 を含むcDNA分子を優先的に単離するために使用され得る。これは、翻訳開始コド ンを含有し、そして5'を約13ヌクレオチド分伸長する、Kozak配列に対する縮重 オリゴヌクレオチドを開発することによって達成される(Kozak,M.、Nucleic A cids Res.8:125-32(1987);Kozak,M.J.Biol.Chem 266:19867-70(1991 ))。真核生物のリボソームによる翻訳の開始のためのコンセンサス配列は、GC C GCC A-3/GCC A1UGG4(配列番号11)である(Kozak,M.、Nucleic Acids Res .8:125-32(1987);Kozak,M.J.Biol.Chem 266:19867-70(1991)、本明 細書中で参考として援用されている;Sambrookら、16.16、Molecular Cloning、 A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Press(1989)、本明細書中で参考 として援用されている)。2つのアプローチを、翻訳開始コドンを含む5'末端の 存在について富化するために試み得る。第1のアプローチにおいては、縮重Koza kオリゴヌクレオチドプローブを、5'配列についてGeneTrapperによって、続いて 遺伝子特異的GeneTrapperプローブの使用によって、富化するために使用し得る 。あるいは、遺伝子特異的GeneTrapperプローブを、GeneTrapperを使用すること 、続いて縮重Kozakオリゴヌクレオチドプローブの使用によって、ファージミドc DN Aに対して適用し得る。両方の場合において、翻訳開始コドンを含有する5'末端 を含むクローンの割合は、富化されるはずである。この方法は、より長いmRNA( すなわち、5kbより長い)に由来するクローンについて特に有用である。 本発明は、その特異的な実施態様に関して記載されているが、さらなる改変が 可能であることが理解され、そして本出願が、一般的には、本発明の原理に従っ て、任意のバリエーション、使用、または本発明の適用を含むことが意図される 。そして、本願は、本発明が関与する当該分野で公知または慣用的に実施され、 そして本明細書中で上記に示される本質的な特徴に対して適用され得、そして添 付の請求の範囲内に入る、本発明の開示からのこのような逸脱を含む。 本明細書中で参照される全ての特許、特許出願、および刊行物が、それらの全 体が参考として援用されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,V N,YU,ZW (72)発明者 ジェッセ,ジョエル アメリカ合衆国 メリーランド 21771, マウント エアリー,オールド ナショナ ル パイク 4139 (72)発明者 ニッソン,ポール アメリカ合衆国 メリーランド 20879, ゲイザーズバーグ,アピールズ プレイス 9504

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.二本鎖の核酸分子を変性させるかまたは分離させるための方法であって、一 本鎖の核酸分子を形成させるために十分な条件下で1つ以上のアミノ酸変性剤と 1つ以上の二本鎖の核酸分子とを接触させる工程を包含する、方法。 2.前記アミノ酸変性剤が、1つ以上のアミノ酸、その誘導体、そのアナログ、 またはそれらの組み合わせ、および1つ以上のポリアミノ酸、その誘導体、その アナログ、またはそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記 載の方法。 3.前記ポリアミノ酸が、2つ以上のアミノ酸、またはその誘導体もしくはアナ ログを含む、請求項2に記載の方法。 4.前記アミノ酸が、グリシン、アラニン、アルギニン、アスパラギン、グルタ ミン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セ リン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、およびイミダゾールか らなる群より選択される、請求項2に記載の方法。 5.前記アミノ酸がグリシンである、請求項4に記載の方法。 6.前記アミノ酸変性剤の濃度が、約1mMから約500mMまでの範囲である、請求 項1に記載の方法。 7.前記濃度が、約5mMから約50mMまでの範囲である、請求項6に記載の方法。 8.前記濃度が約10mMである、請求項7に記載の方法。 9.核酸分子の集団から1つ以上の所望の標的核酸分子を回収する方法であって 、 以下の工程: a)前記プローブが該所望の標的分子に対してハイブリダイズすることを可能に するために十分な条件下で、1つ以上のハプテン化されたプローブと該集団とを 接触させ、それによって1つ以上のハイブリダイズした分子を形成させる工程; および b)該ハイブリダイズした分子と1つ以上のアミノ酸変性剤とを接触させること によって、該プローブから該所望の標的核酸分子を単離する工程、 を包含する、方法。 10.前記核酸分子の集団が一本鎖DNAである、請求項9に記載の方法。 11.前記一本鎖DNAが環状である、請求項10に記載の方法。 12.前記一本鎖DNAが直鎖状である、請求項10に記載の方法。 13.前記一本鎖DNAが、一本鎖のプラスミド、一本鎖のコスミド、および一本 鎖のファージミドからなる群より選択される、請求項10に記載の方法。 14.前記核酸分子の集団がcDNAライブラリーである、請求項9に記載の方法。 15.前記ハプテン化されたプローブが、支持体に結合される、請求項9に記載 の方法。 16.前記支持体が、1つ以上の結合リガンドを含む、請求項15に記載の方法 。 17.前記プローブが、リガンド−ハプテン相互作用によって前記支持体に結合 される、請求項16に記載の方法。 18.前記核酸分子の集団が二本鎖DNAである、請求項9に記載の方法。 19.前記二本鎖の核酸分子を、このような分子を一本鎖にするために十分な条 件下で、処理する工程をさらに包含する、請求項18に記載の方法。 20.前記処理が、1つ以上のアミノ酸変性剤と前記二本鎖の核酸分子とを接触 させる工程を包含する、請求項19に記載の方法。 21.前記処理が、前記二本鎖の核酸分子の一方の鎖の分解を含む、請求項19 に記載の方法。 22.前記分解が、Gene IIタンパク質およびエキソヌクレアーゼIIIの使用を含 む、請求項21に記載の方法。 23.(c)前記所望の標的分子に相補的な核酸分子を合成するために十分な条 件下で、前記単離された所望の標的核酸分子をインキュベートし、それによって 二本鎖の核酸分子を形成させる工程、をさらに包含する、請求項9に記載の方法 。 24.前記条件が、1つ以上のプライマー核酸分子および1つ以上のヌクレオチ ドの使用を含む、請求項23に記載の方法。 25.前記ヌクレオチオドが、前記合成された核酸分子に対するヌクレアーゼ耐 性を付与する、請求項24に記載の方法。 26.前記ヌクレオチドが、ヌクレオチドアナログである、請求項25に記載の 方法。 27.前記ヌクレオチドアナログが、メチル化されたヌクレオチドである、請求 項26に記載の方法。 28.前記メチル化されたヌクレオチドが、5-メチルデオキシシトシンである、 請求項27に記載の方法。 29.前記二本鎖の核酸分子を1つ以上のヌクレアーゼで消化する工程をさらに 包含する、請求項25に記載の方法。 30.前記消化した分子を1つ以上の宿主細胞中に形質転換する工程をさらに包 含する、請求項29に記載の方法。 31.前記二本鎖の分子を1つ以上の宿主細胞中に形質転換する工程をさらに包 含する、請求項23に記載の方法。 32.前記プローブが、縮重プローブである、請求項9に記載の方法。 33.前記縮重プローブが、1つ以上のユニバーサルなヌクレオチドを含む、請 求項32に記載の方法。 34.前記縮重プローブが、dPおよびdKからなる群より選択される1つ以上のヌ クレオチドを含む、請求項33に記載の方法。 35.より大きな、または全長の所望の核酸分子について富化する工程をさらに 包含する、請求項9に記載の方法。 36.前記富化が、前記所望の核酸分子を大きさに従って分離する工程を包含す る、請求項35に記載の方法。 37.前期方法が、大きさでの分離の前に前記所望の核酸分子を増幅する工程を 包含する、請求項36に記載の方法。 38.前記プローブが、Kozak配列を含む、請求項9に記載の方法。 39.前記プローブが縮重プローブである、請求項38に記載の方法。 40.前記縮重プローブがKozak配列に対してである、請求項32に記載の方法 。
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