JP2002505577A - Smad相互作用ポリペプチド及びそれらの使用 - Google Patents

Smad相互作用ポリペプチド及びそれらの使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、GAL4 DNA結合ドメインと融合したSmad1 Cドメインをバイトとして用い、マウス胚由来のcDNAライブラリーをプレイとして用いるツー・ハイブリッド・スクリーニング・アッセイにより得られうる(一つ又は複数の)SMAD相互作用タンパク質に関する。特定のSMAD相互作用タンパク質、いわゆるSIP1のいくつかの特徴は、以下のとおりである。a)酵母において全長XSmad1と相互作用することができない。b)δ−クリスタリン・エンハンサー結合タンパク質及び/又はショウジョウバエzfh−1を含むジンクフィンガー/ホメオドメイン・タンパク質のファミリーのメンバーである。c)SIP1czfがE2ボックス部位に結合する。d)SIP1czfがBrachyuryタンパク質結合部位に結合する。e)細胞内でBrachyuryにより媒介される転写活性化を妨害する。f)Smad1、2及び5のCドメインと相互作用する。Smadとの結合に必要なアミノ酸配列の最少の長さは、一文字コードで表示されたアミノ酸配列QHLGVGMEAPLLGFPTMNSNLSEVQKVLQIVDNTVSRQKMDCKTEDISKLKを有する、配列番号2のaa166〜216を包含する、51アミノ酸のドメインであると考えられる。

Description

【発明の詳細な説明】 Smad相互作用ポリペプチド及びそれらの使用 本発明は、Smadタンパク質の補因子のようなSmad相互作用ポリペプチ ド(いわゆる、SIP)及びそれらの使用に関する。 単一細胞から完全に組織化された生物への発達は、細胞の分裂及び分化が関与 した、複雑な過程である。ある種のタンパク質が、この過程において中心的な役 割を果たしている。これらのタンパク質は、異なるファミリーに分類され、その うちのトランスフォーミング増殖因子β(TGF−β)ファミリーのリガンド、 それらのセリン/スレオニンキナーゼ(STK)レセプター及びそれらのシグナ ル伝達成分は、間違いなく重要な調節ポリペプチドである。TGF−βスーパー ファミリーのメンバーは、中胚葉形成及び原腸形成のような初期発生イベントの みならず、神経発生、器官形成、アポトーシス及び左右非対称の確立のような後 期段階の過程においても重要な役割を果たしていることが証明されている。更に 、TGF−βリガンド及びそれらのシグナル伝達経路の成分は、成体生物におけ る推定脛瘍抑制因子として同定されている。 最近、Smadタンパク質が、セリン/スレオニンキナーゼ(STK)レセプ ターの下流の標的として同定された(Massague,1996,Cell,85,947-950頁)。 これらのSmadタンパク質は、活性化されたI型レセプターによりリン酸化さ れて核に蓄積し、そこで転写活性化に関与し得るシグナル伝達因子である。Sm adタンパク質は、高度の種間相同性を示す、少なくとも5つのサブグループか らなるファミリーを構成している。それらは、中央のプロリンに富む可変領域に より連結された、高度に保存されたN末端ドメイン及びC末端ドメインを有する 、約450アミノ酸(50〜60kDa)からなるタンパタ質である。細胞系又は アフリカツメガエル胚において実施された実験に基づき、サブグループは異なる シグナル伝達経路を決定していることが示唆されている。Smad1はBMP2 /4経路を媒介し、一方、Smad2及びSmad3はTGF−β/アクチビン のシグナル伝達カスケードにおいて機能する。これらのSmadは、Smad4 (dpc−4)との複合体において機能し、いくつかのアクチビン、骨形成タン パク質(BMP)又はTGF−βの反応を誘導することが証明されて いる(Legna et al.,1996,Nature,383,832-836頁及びZhang et al.,1996,N ature,383,168-172頁)。 Smadタンパク質は3ドメイン構造を有し、それらの高度に保存されたカル ボキシルドメイン(Cドメイン)が、核におけるSmad機能にとって必要十分 条件である。Smadタンパク質のこのドメインが、標的遺伝子の転写を制御す るために転写因子と相互作用するのかもしれないという考えが、以前に提唱され た(Meersseman et al.,1997,Mech.Dev.,61,127-140頁)。この仮説は、Sm ad2とアクチビン依存的な複合体を形成し、Mix−2プロモーター内のアク チビン反応性エレメントに結合する、新たな翼状ヘリックス(winged-helix)転 写因子(FAST1)の最近の同定により裏付けられた(Chen et al.,Nature38 3,691-696頁,1996)。しかし、FAST1以外のSmadタンパク質の補因子は 未だ同定されていない。 Ser/Thrキナーゼレセプター及びSmadの活性化のメカニズム並びに Smadのヘテロマー化以外に、シグナル伝達機構における他の下流成分につい てはほとんど知られていない。このように、細胞がどのようにしてTGF−β関 連リガンドに反応するのかが、この領域における重要な中心的問題である。 Smadタンパク質が、直接的又は間接的に、転写制御における機能を有して いるかもしれないことを明確に証明するためには、Smadタンパク質の推定補 因子、これらのSmadタンパク質及び/又は補因子の標的遺伝子内の反応性エ レメントを同定し、これらの活性のリガンド依存性を調査する必要がある。 これらの相互作用を理解するためには、(i)リガンド、レセプター及びシグ ナル伝達成分(特にSmadファミリーのメンバー)の胚発生及び病気における 機能的側面、(ii)リガンド及びレセプターの構造機能分析、(iii)シグナル 伝達の解明、(iv)Smad(関連)タンパク質の補因子の同定並びに(iv)培 養細胞、及びショウジョウバエ、両性動物、サカナ及びネズミの胚におけるリガ ンド反応性遺伝子、に関する分子発生生物学的研究が最も重要である。 バイト(bait)としてDNA結合ドメインに融合したSmad Cドメインを 用い、プレイ(prey)として脊椎動物cDNAライブラリーを用いる、ツー・ハ イブリッド・スクリーニング・アッセイ(two hybrid screening assay)(Chien et al.,1991,PNAS,88,9578-9582頁)を実施することにより、(一つ又は複数 の)SMAD相互作用タンパク質が入手可能であるということが、本発明者らの 発明である。当業者には、他の適当なcDNAライブラリーも同様に使用可能で あることが明らかである。例えば、バイトとしてGAL4 DNA結合ドメイン に結合したSmad1 Cドメインを用い、プレイとしてマウス胚cDNAを用 いることにより、部分的なSmad4及びSIP1を含むその他のSmad相互 作用タンパク質(SIP)のcDNAが得られた。 驚くべきことに、このようにして得られた少なくとも4つのSMAD相互作用 タンパク質には、DNA結合ジンクフィンガー・ドメインが含まれることが見出 された。これらのタンパク質のうちの一つ、SIP1は、δ−クリスタリン・エ ンハンサー結合タンパク質及びある種のショウジョウバエzfh−1を含む、ジ ンクフィンガー/ホメオドメイン・タンパク質ファミリーの新規なメンバーであ る。δ−クリスタリン・エンハンサー結合タンパク質はDNA結合リプレッサー として同定されている。SIP1の一つのDNA結合ドメイン(SIP1czfの C末端ジンクフィンガー・クラスター)は、E2ボックス調節配列及びBrac hyuryタンパク質結合部位に結合することが示された。SIP1は、細胞内 でE2ボックス及びBrachyuryにより媒介される転写活性化を阻害する ことが示された。SIP1は、酵母において全長Smadと相互作用することが できない。Smadタンパク質がDNA結合リプレッサーと相互作用することが でき、それ自体、正常な初期発生の厳密な調節に関与している標的遺伝子の、T GF−βリガンドにより制御される抑制に直接関与しているかもしれないことが 、初めて示される。 要約すると、SIP1のいくつかの特徴は以下のとおりである。 a)酵母において全長XSmad1と相互作用することができない b)δ−クリスタリン・エンハンサー結合タンパク質及び/又はショウジョウ バエzfh−1を含むジンクフィンガー/ホメオドメイン・タンパク質のファミ リーの新規なメンバーである c)SIP1czfがE2ボックス部位に結合する d)SIP1czfがBrachyuryタンパク質結合部位に結合する e)細胞内でBrachyuryにより媒介される転写活性化を阻害する f)Smad1、2及び/又は5のCドメインと相互作用する E2ボックス部位とは、Sekido et al.,1996,Gene,173,227-232頁に記述 されたδ−クリスタリン・エンハンサー結合タンパク質のための結合部位CAC CTを含む−CACCTG−調節保存ヌクレオチド配列を意味する。これらのE 2ボックス部位は、胚発生及び筋肉形成における転写因子、MyoDのような重 要な塩基性ヘリックス−ループ−ヘリックス(basic helix-loop-helix)(bH LH)因子の既知の標的である。 したがって、本発明に係るSIP1(ジンクフィンガー/ホメオドメイン・タ ンパク質)は、免疫反応及び初期胚発生に関連した多数の遺伝子のプロモーター 領域内の特異的部位に結合し、それ自体、重要な生物学的過程、例えば細胞の増 殖及び分化、胚発生、並びに癌を含む異常な細胞増殖、における重要な分化遺伝 子の転写制御に関与しているのかもしれない。 本発明の一部はまた、SMAD相互作用タンパク質をコードする配列番号1に 提供されたヌクレオチド配列又はそれらの機能的断片を含む、単離された核酸配 列である。 更に、適当な調節配列に機能的に連結した該単離された核酸配列を(センス方 向又はアンチセンス方向で)含む組換え発現ベクターが本発明に含まれ、組換え 発現ベクターで形質転換又は形質導入された細胞も同様に本発明に含まれる。 本発明は、配列番号1に言及されたヌクレオチド配列を含む正確な単離された 核酸配列に限定されず、該配列番号1に提供されたヌクレオチド配列又はそれら の機能的部分にハイブリダイズし、かつSmad相互作用タンパク質又はそれら の機能的部分をコードする核酸配列も、本発明に含まれる。 明確のため、「ハイブリダイゼーション」とは、当業者に既知の通常のハイブ リダイゼーション条件、好ましくは適当なストリンジェンシーのハイブリダイゼ ーション条件を意味する。核酸配列の相補性を決定するためのハイブリダイゼー ション技術は、当分野において既知である。ハイブリダイゼーションのストリン ジェンシーは、温度、イオン強度、時間の長さ及びハイブリダイゼーション緩衝 液の組成を含むハイブリダイゼーション中の多数の因子により決定される。 これらの因子は、例えば、マニアティス(Maniatis)ら(1982)分子クローニン グ;実験マニュアル(Molecular Cloning;A Laboratory manual)(コールド・ス プリング・ハーバー・プレス(Cold Spring Harbor Press)、コールド・スプリン グ・ハーバー(Cold Spring Harbor)、ニューヨーク州)に概説されている。 本発明のもう一つの局面は、配列番号2に係るアミノ酸配列又はそれらの機能 的断片を含むポリペプチドである。アミノ酸が修飾及び/又は当業者にとって明 らかな他のアミノ酸により置換されている、ポリペプチドに含まれるアミノ酸の 変異体又は類似体も、本発明の範囲に含まれる。例えば、リン酸化のようなポリ ペプチドの発現後修飾は本発明の範囲から除外されない。ポリペプチド又はそれ らの断片は、必ずしも、本発明に係る核酸配列から翻訳されず、例えば化学合成 又は組み換え発現系における発現を含むいかなる方法により作製されてもよい。 一般的に、「ポリペプチド」とは、アミノ酸のポリマーをさし、分子の特定の長 さをさすのではない。したがって、直鎖状のペプチド、環状又は分岐状のペプチ ド、Dアミノ酸、オルチニンなどのような非天然又は非標準的なアミノ酸を含む ペプチド、オリゴペプチド及びタンパク質は、すべて、ポリペプチドの定義に含 まれる。本願において使用される「タンパク質」及び「ポリペプチド」なる語は 、相互に交換可能である。前述の「ポリペプチド」とは、アミノ酸のポリマー( アミノ酸配列)をさし、分子の特定の長さをさすのではない。したがって、ペプ チド及びオリゴペプチドはポリペプチドの定義に含まれる。この語はまた、ポリ ペプチドの翻訳後修飾、例えば糖付加、アセチル化、リン酸化などをさす、又は 含む。例えば、アミノ酸の一つ又は複数の類似体(例えば、非天然アミノ酸など を含む)を含むポリペプチド、置換された結合並びに当業者に既知の天然及び非 天然両方のその他の修飾を含むポリペプチドが定義に含まれる。 「調節配列」とは、ライゲートしているコーディング配列の発現を行うために 必要な制御DNA配列をさす。そのような調節配列の性質は、宿主生物により異 なる。原核生物においては、調節配列は一般的にプロモーター、リボソーム結合 部位、及び終結因子を含む。真核生物においては、調節配列は一般的に、プロモ ーター、終結因子、そしていくつかの場合にはエンハンサー、トランス活性化因 子、転写因子又は5’及び3’の非翻訳cDNA配列を含む。「調節配列」と いう語は、少なくとも、発現のために存在することが必要なすべての成分を含む ものとし、付加的な有利な成分も含み得る。 「機能的に連結した」とは、そのように記述された成分が、その目的とされた 方法で機能することを可能にする関係にある並列をさす。コーディング配列と「 機能的に連結した」調節配列は、調節配列に適合した条件下でコーディング配列 の発現が達成されるようライゲートされている。調節配列がプロモーターである 場合、二本鎖核酸が用いられることは、当業者にとって明白である。 「配列の断片」又は「配列の一部」とは、言及された元の配列の短縮型配列を 意味する。短縮型配列(核酸又はタンパク質の配列)の長さは非常に多様であり 得る。最少の大きさは、少なくとも言及された元の配列と同等の機能及び/又は 活性を有する配列を提供するために十分な大きさであるが、最大の大きさは重要 でない。いくつかの適用において、最大の大きさは通常、元の配列の所望の機能 及び/又は一つもしくは複数の活性を提供するために必要な大きさより実質的に は大きくない。典型的には、短縮型アミノ酸配列の長さは、約5アミノ酸から約 60アミノ酸までの範囲である。しかし、より典型的には、配列の長さは、最大 約50アミノ酸、好ましくは最大約30アミノ酸である。通常、少なくとも約1 0、12又は15アミノ酸、最大約20又は25アミノ酸の配列を選択すること が望ましい。 前記の一つもしくは複数の核酸を含む薬学的組成物又は一つもしくは複数の該 ポリペプチドを含む薬学的組成物が、本発明のもう一つの局面である。本発明に 係る核酸及び/又はポリペプチドは、所望により、適当な遺伝子治療の目的に用 いられ得る。 更に、本発明に係る(一つ又は複数の)核酸を用いることにより、又は(一つ 又は複数の)ポリペプチドを用いることにより、病気又は疾患を診断、予後及び /又は追跡するための方法も、本発明の重要な局面を形成する。更に、病気又は 疾患を診断、予後及び/又は追跡するための方法において、本発明に係るポリペ プチド又はそれらの断片に対する抗体も、便利に用いられ得る。本明細書におい て用いられるように、「抗体」という語は、好ましくは精製されたポリクローナ ル抗体もしくはモノクローナル抗体、変化した抗体、一価抗体、Fabタンパ ク質、単一ドメイン抗体又はキメラ抗体をさすが、これらに限定されない。多く の場合において、抗体の抗原への結合現象は、他のリガンド/抗リガンド結合と 等価である。「抗原」という語は、少なくとも一つのエピトープを含むポリペプ チド又はペプチドの群をさす。「エピトープ」とは、エピトープに特有の空間的 配置で3アミノ酸を含むポリペプチドにより通常決定される抗体結合部位をさし 、一般的にエピトープは少なくとも5個のそのようなアミノ酸、より一般的には 少なくとも8〜10個のそのようなアミノ酸からなる。 病気又は疾患を診断するための前記の方法を実施するための、本発明に係る( 一つ又は複数の)核酸及び/又は(一つ又は複数の)ポリペプチド又はポリペプ チドもしくはそれらの断片に対する抗体を含む診断キットも同様に、明らかに本 発明に含まれる。これに関する病気又は疾患は、例えば、癌、奇形、免疫もしく は神経の病気、又は骨代謝に関連した病気もしくは疾患に関する。更に、皮膚、 肺、腎臓、膵臓、胃、生腺、筋肉又は腸のような臓器に影響を与える病気も同様 に、本発明に係る診断キットを用いて診断され得る。本発明の核酸配列を基礎と して用いて、例えばSIPコードする配列又はそれらの機能的部分とハイブリダ イズする、約8ヌクレオチド又はそれ以上のオリゴマーを、切断又は合成により 調製することができる。いわゆるプローブは、既に定義されたハイブリダイゼー ションにより検出又は決定するため化合物の特有の配列を検出することを可能に する長さを有する。6〜8ヌクレオチドが実行可能な長さであるが、約10〜1 2ヌクレオチドが好ましく、約20ヌクレオチドが最適であると考えられる。ヌ クレオチド配列は、例えば放射性化合物、ビオチン、酵素、色素材料又は金属ゾ ル、蛍光又は化学発光化台物で標識され得る。プローブは診断キット中にパッケ ージングされ得る。診断キットは、標識されていてもよいプローブ・ヌクレオチ ド配列を含む。又は、該プローブが非標識であって、該プローブが所望により標 識されるよう、標識のための成分が別の容器でキットに含まれていてもよい。キ ットは、特定のハイブリダイゼーション・プロトコルに必要な、その他の適当に パッケージングされた試薬及び材料、例えば標準、洗浄用緩衝液、並びに試験を 行うための説明書を含んでいてもよい。診断キットは、イムノアッセイを行うた めに、本発明に係るポリペプチド又はそれらの断片に対する既に定義された抗 体を含んでいてもよい。イムノアッセイの設計は、極めて多様であってもよく、 これらの多様性は当分野において既知である。イムノアッセイは、例えば、競合 、又は直接反応、又はサンドイッチ型アッセイに基づくことができる。 本発明の重要な側面は、SMADとSMAD相互作用タンパタ質のうち現在既 知であるSIP(いわゆる、本明細書に特別に開示されたSIP1及びSIP2 のようなSIP)との相互作用に影響を与える化合物(化学的に合成されるか、 又は天然起源から入手可能である)をスクリーニングする方法の開発である。 ゲノム内に本発明に係る(一つ又は複数の)核酸を保持するトランスジェニッ ク動物も、本発明の範囲に含まれる。該トランスジェニック動物も同様に、薬剤 及び治療モデルを試験するために使用され得る。トランスジェニック動物とは、 外来遺伝子(トランスジーンと呼ばれる)がゲノム内に組み込まれた非ヒト動物 を意味する。この遺伝子は、生殖系組織に存在するため、最初のファウンダー動 物(founder animal)からトランスジェニック動物系を確立するとき、親から子 孫へと受け継がれる。(一つ又は複数の)新規遺伝子のゲノム内への導入及び組 み込みの後、トランスジェニック動物自体は、特別な種変異体又は系統として認 識される。「トランスジェニック」という語は、(一つ又は複数の)遺伝子又は 遺伝子の一部が選択的に破壊された、又は宿主ゲノムから除去されたキメラ又は 「ノックアウト」動物にまで拡大されている。遺伝子導入実験の目的により、ト ランスジーンは、ゲイン・オブ・ファンクション(gain-of-function)、レポータ ー・ファンクション(reportor function)及びロス・オブ・ファンクション(l oss-of-function)という3つの主要な型に分類される。ゲイン・オブ・ファン クション・トランスジーンは、トランスジェニック個体に新規な機能を追加する ため、又は遺伝子がトランスジェニック個体において適切に(例えば、いくつか の細胞型においてのみ)発現される場合トランスジェニック個体の同定を容易に するために、設計される。レポーター遺伝子は、遺伝子導入作業の成功を同定す るために一般的に使用される。機能的プロモーターと融合した細菌クロラムフェ ニコール・アセチルトランスフェラーゼ(CAT)、β−ガラクトシダーゼ又はル シフェラーゼの遺伝子が、レポーター・ファンクション・トランスジーン の一つの型である。ロス・オブ・ファンクション・トランスジーンは、宿主遺伝 子の発現を妨害するために構築される。これらの遺伝子は、転写後プロセス又は 内因性mRNAの翻訳を妨害するためのアンチセンスRNAをコードし得る。又 は、これらの遺伝子は、特定のmRNAを切断し、それにより正常な遺伝子産物 の作製を中止させる触媒性RNA(リボザイム)をコードしていてもよい。所望 により、ロス・オブ・ファンクション・トランスジーンは、内因性タンパク質の 活性を妨害するドミナント・ネガティブ変異体の過剰発現によって、又は通常D NA(少なくともDNAの一部)が欠失し相同性組み換えにより外来DNAと交 換されている遺伝子もしくは遺伝子の一部を標的とした不活化によっても得られ うる。この外来DNAは、通常、選択マーカー及び/又はレポーターのための発 現カセットを含む。動物をトランスジェニックにするため核酸構築物が動物に導 入されるとき、核酸は必ずしも導入された形態のままでなくてもよいことが理解 されよう。「子孫」とは、子孫がトランスジーンを保有しているのであれば、ト ランスジェニック動物と他のトランスジェニック動物との交配の任意の産物を意 味する。 以下の特徴を有するSMAD相互作用タンパク質も、本発明の範囲に含まれる 。 a)酵母において全長XSmad1と相互作用する b)ショウジョウバエ「Clipper」及びゼブラフィッシュ(Zebrafish)「Noarc hes」を含む5CCCH型ジンクフィンガーのクラスターを含むタンパク質のファ ミリーのメンバーである c)一本鎖又は二本鎖DNAに結合する d)RNase活性を有する e)Smad1、2及び/又は5のCドメインと相互作用する Smadの機能及び/又は活性とmRNA安定性との間の相互作用の操作又は 調整による、TGF−βスーパーファミリーのメンバーによる遺伝子発現の転写 後制御のための方法も、本発明の一部である。 明確のため以下に本発明を更に詳細に記述する。 Smad相互作用タンパク質の酵母ツー・ハイブリッド・クローニング Smad1の補因子を同定するため、GAL4 DNA結合ドメイン (GAL4DBD)と融合したXSmad1のCドメインをバイトとして用い、マ ウス胚(12.5dpc)由来のcDNAライブラリーを候補プレイ源として用 いた、酵母におけるツー・ハイブリッド・スクリーニングを実施した。GAL4DBD −Smad1バイト・タンパク質は、単独で、又は空のプレイ・プラスミド と共に、GAL−4依存性のHIS3及びLacZ転写をレポーター酵母株にお いて誘導することができなかった。4百万個の酵母形質転換体のスクリーニング により、HIS3及びLacZを発現する約500個のコロニーが同定された。 次に、プレイcDNA及びバイトcDNAの両方の発現に依存する表現型を示す コロニーを特徴決定した。プラスミドをレスキューし、プレイcDNAを配列決 定した(添付の配列表の配列番号1〜20;表には各核酸配列について一本の鎖 のみが表示されている)。これらのうちの4個(本願明細書においてそれぞれS IP1、SIP2、SIP5及びSIP7とも呼ばれるth1、th12、th 76及びth74)を詳細に開示する(それぞれ、配列番号1、2、3、4、1 0、8に埋め込まれている)。一つ(th72=配列番号6及び7を組み合わせ たもの)は、GAL4トランス活性化ドメイン(GAL4TAD)が、プロリンに 富むドメイン内のアミノ酸(aa)252から開始する部分的Smad4 cD NAとインフレームで融合しているタンパク質をコードする。Smad4は、他 のSmadタンパク質と相互作用することが示されているが、現在までに、他の SmadのCドメインをバイトとして用いた酵母におけるツー・ハイブリッド・ スクリーニングにおいて選出されているSmadは存在しなかった。これらのデ ータは、両方の相互作用Smadタンパク質のNドメイン、そしてプロリンに富 むドメインの一部(Smad4)又は全部(Smad1)が、少なくとも酵母に おけるツー・ハイブリッド・アッセイを用いた場合には、Smadタンパク質間 のヘテロダイマー性相互作用にとって不可欠ではないことを示唆している。 第二の陽性プレイ・プラスミドのcDNA挿入配列、th1(配列番号1に埋 め込まれている)は、GAL4TADをコードする配列が、626aaのポリペプ チドSIP1(Th1)をコードする約1.9kb長のth1 cDNAとインフ レームで融合しているタンパク質をコードする。データベース検索により、 SIP1(Th1)が、ホメオドメイン様セグメントを含み、脊椎動物δ−クリ スタリン・エンハンサー結合タンパク質(δ−EF1)及びショウジョウバエz fh−1を含むDNA結合タンパタ質のファミリーの新規メンバーであることが 明らかになった。これらのジンタフィンガー/ホメオドメイン含有転写因子は、 中胚葉組織における器官形成及び/又は神経系の発達に関与している。th1 cDNAによりコードされるタンパク質は、Smad相互作用タンパク質(SI P)であり、SIP1(TH1)と命名された。 SIP1 酵母及びインビトロにおけるSIP1−Smad相互作用の特徴決定 全長XSmad1及び修飾型Cドメインに対するSIP1(TH1)の結合を 試験した。修飾型Cドメインは、アミノ酸置換(G418S)又は最後の43a aの欠失(Δ424−466)のいずれかを有している。第一は、ショウジョウ バエにおけるSmad類似体Madを不活化し、哺乳動物細胞におけるSmad 1のBMP−依存性リン酸化を消失させる。変異体Δ424−466と類似した 短縮型Madは、ショウジョウバエにおいて変異表現型を引き起こし、ヘテロ接 合性欠損背景(loss-of-heterozygosity background)におけるSmad4(d pc−4)における類似の短縮は、膵臓癌に関係している。SIP1(TH1) は、全長XSmad1とも変異体Δ424−466とも相互作用しなかった。他 のSmad相互作用プレイ(th12)は全長Smadバイトと効率よく相互作 用したため、全長XSmad1の会合が検出不能であるのは、酵母における全長 XSmad1の発現が不十分なためではない。酵母においてSIP1(TH1) と全長XSmad1とが会合しないのは、Smad Cドメインの活性がNドメ インにより抑制されること、及びこの抑制が哺乳動物細胞において流入BMPシ グナルにより排除されることを示す以前の示唆と矛盾していない。Smad1の CドメインにおけるG418S変異は、SIP1との相互作用を消失させず、こ のことは、この変異がSmad1機能の他の側面に影響を与えることを示してい る。したがって、活性化されたレセプターSTK活性により全長G418S S madタンパク質が機能を有するようになる能力は影響を受けるが、G418S Cドメインが下流の標的と相互作用する能力は影響を受け ないのかもしれない。このことは、Smadの活性化がSIP1のような標的と の相互作用にとって不可欠であり、それよりも先行して起こることを示している 。変異体Δ424−466における欠失は、活性化されたI型STKレセプター によるリン酸化の直接の標的であるSmadのC末端の3個の保存された機能的 に重要なセリンを含む。 Smad1及び2のCドメインは、極めて高度な配列保存にもかかわらず、ア フリカツメガエル胚において個別に過剰発現された場合、それぞれ、腹側又は背 側の中胚葉を誘導する。極めて最近、Smad5がアフリカツメガエル胚におい て腹側の運命を誘導することが示された。Smad1、5及びSmad2の生物 学的活性の著しい違いが、補因子との相互作用の違いによるのか否かを調べるた め、酵母ツー・ハイブリッド・アッセイにおいてSIP1(TH1)タンパク質 がSmad1、5及びSmad2のCドメインと相互作用する能力を試験した。 SIP1(TH1)は、3個のSmadメンバーすべてのCドメインと酵母にお いて相互作用することが見出された。次に、グルタチオン−S−トランスフェラ ーゼ(GST)プルダウン・アッセイを用いて、インビトロにおけるSIP1と 異なるSmad Cドメインとの相互作用を調査した。GST−Smad融合タ ンパク質を大腸菌で作製し、グルタチオン・セファロース・ビーズにカップリン グさせた。無関係のGST融合タンパク質及び非融合GSTを陰性対照として使 用した。ワクシニアウイルス(T7VV)に基づく系を用いて、哺乳動物細胞に おいて、放射性標識されエピトープタグを付加されたSIP1タンパク質を作製 することに成功した。GST−Smadビーズを用いて、SIP1タンパク質を 細胞溶解物からプルダウンし、その同定をウェスタンブロッティングにより確認 した。再び、酵母の場合と同様に、SIP1が異なるSmad Cドメインに対 する共通の結合タンパク質であることが見出され、このことは、SIP1が、T GF−βスーパーファミリーの異なるメンバーに対する共通の細胞反応を媒介し ているのかもしれないことを示唆している。又は、Smadタンパク質は、イン ビボにおいてSIP1に対して異なる親和性を有しているのかもしれないし、又 はSmad−SIP1相互作用の特異性がもし存在するとすれば、その特異性を 他のメカニズムが決定しているのかもしれない。 SIP1はδEF−1ファミリーのジンクフィンガー/ホメオドメイン・タン パク質の新規メンバーである cDNAライブラリー・スクリーニングを5’RACE−PCRと組み合わせ ることにより、更なるSIP1オープン・リーディング・フレーム配列が得られ た。スクリーニングにより、th1 cDNAと部分的に重複する3.2kb長の SIP1 cDNA(tw6)が得られた。SIP1タンパク質のオープン・リ ーディング・フレームは、944aa(配列番号2)をコードし、δ−EF1タ ンパク質、ZEBタンパク質、AREB6タンパク質、BZPタンパク質及びz fh−1タンパク質のある領域との相同性、並びに極めて類似した推定機能性ド メインの構造を示す。これらのタンパク質と同様に、SIP1はホメオドメイン 及びグルタミン酸に富むドメインにより分離された2個のジンクフィンガー・ク ラスターを含む。詳細な比較は、SIP1が2つの手部を有する(two-handed) ジンクフィンガー/ホメオドメイン・タンパク質の新規の異なるメンバーである ことを明らかにする。δ−EF1の場合と同様、標準的なホメオドメインすべて のヘリックス3及び4に保存されている5個の残基のうちの3個が、SIP1に は存在しない。ホメオドメインを含むがC末端ジンクフィンガー・クラスター及 びグルタミン酸に富む配列は含まないSIP1(Th1)は、Smadと相互作 用する。この相互作用は、ホメオドメイン様ドメインを除去しても維持され、こ のことはSIP1のaa44〜236(配列番号2による番号付け)をコードす るセグメントがSmadとの相互作用にとって十分であることを示している。こ のドメインを更に狭くするため、この193aa領域のN末端及びC末端から開 始する段階的な欠失変異体を作成した。PCRにより段階的な22aa欠失構築 物を作製した。酵母ツー・ハイブリッド・バイト・ベクターpACT2(クロン テック(Clontech))における増幅された配列のクローニングを可能にするため、 2つの制限部位(5’末端SmaI部位、3’末端XhoI部位)を構築した。 これらのいわゆるSBD変異構築物をプレイとし、XSmad1 Cドメインを バイトとして、拡張的なツー・ハイブリッド実験を行った。(配列番号2の)a a166〜236又はaa44〜216をコードする変異SBD構築物は、まだ バイト・プラスミドと相互作用することができたが、 aa186〜236又はaa44〜196をコードする変異構築物はバイトと相 互作用することができなかった。このようにして、XSmad1 Cドメインと まだ相互作用する最小ドメインは、配列番号2のaa166〜216にわたる5 1aaのドメインであることが決定された。したがって、Smadとの相互作用 に必要な該SBDのアミノ酸配列は、以下のとおりである(一文字コードで表示 されている)。 QHLGVGMEAPLLGFPTMNSNLSEVQKVLQIVDNTVS RQKMDCKTEDISKLK この領域のN末端又はC末端における更なる20aaの欠失は、Smad結合 活性を破壊した。続いて、再びPCRに基づく方法を用いて、この51aa領域 をSIP1タンパク質に関して欠失させ、欠失の位置にNcoI制限部位を作製 した。このSIP1ΔSBD51は、「哺乳動物プルダウン・アッセイ」により アッセイしたとき、もはやSmad Cドメインと相互作用することができなか った。これらの実験においては、N末端にmycタグを付加されたSIP1を、 GST−XSmad1 Cドメイン融合タンパク質と共に、COS−1細胞にお いて発現させた。グルタチオン−セファロース・ビーズを用いて、myc−SI P1タンパク質をGST−XSmad1 Cドメイン融合タンパク質と共に細胞 抽出物から共精製し、抗myc抗体を用いたウェスタン・ブロッティングにより 証明した。SIP1における51aaの欠失がXSmad1 Cドメインとの相 互作用を消失させたことが、このアッセイにより検出された(図1を参照)。 SIP1のC末端ジンクフィンガー・クラスターのDNA結合活性の分析 δ−EF1はある種の遺伝子のエンハンサー活性を制御する抑制因子である。 この抑制因子は、塩基性ヘリックス−ループ−ヘリックス(bHLH)活性化因 子のサブグループのための結合部位でもある、E2ボックス配列(5’−CAC CTG)に結合する(Sekido,R et al.,1994,Mol.Cell.Biol.,14,5692-57 00頁)。興味深いことに、δ−EF1に結合することが示されたCACCT配列 は、Braタンパク質のためのコンセンサス結合部位の一部でもある。細胞型に 特異的な遺伝子発現は、抑制因子と活性化因子との間のCACCT配列に対する 競合的結合により達成されるということが提唱されている。δ−EF1により 媒介される抑制は、非B細胞におけるIgHエンハンサーを休止させる(silenc ing)ための主要なメカニズムであるかもしれない。δ−EF1はB細胞にも存 在するが、B細胞に特異的なbHLH因子、E2Aにより対抗される。同様に、 δ−EF1は、bHLH因子E47との結合において競合して、Igκエンハン サーを抑制する。δ−EF1のC末端ジンクフィンガー・クラスターは、E2ボ ックス配列との結合及び活性化因子との競合を担っている。SIP1とδ−EF 1の間のこの領域の高度の配列類似性を考慮し、両方のタンパク質が類似のDN A結合特異性を有しているか否かを、ゲル阻止(gel retardation)アッセイを 用いて、まず試験することに決定した。したがって、SIP1のC末端ジンクフ ィンガー・クラスター(SIP1CZFと命名された)のDNA結合特性を分析し た。SIP1CZFは、短いGST融合タンパク質として大腸菌で効率よく産生さ れ、精製された。より大きいGST−SIP1融合タンパク質は大腸菌において プロテアーゼ分解を受けた。 精製されたGST−SIP1CZFは、IgH κE2エンハンサーのE2ボック スに結合することが示された。bHLH因子E47の結合には影響を与えるが、 δ−EF1の結合には影響を与えないことが以前に示されている、この部位の変 異(Mut1)は、SIP1CZFの結合に影響を与えなかった。このκE2部位 における他の2つの変異(それぞれMut2及びMut4)は、δ−EF1の結 合を消失させることが示されており(Sekido et al.,1994)、SIP1CZFの場合 にも同様であった。更に、インターロイキン−2プロモーターのNil−2A結 合部位、Braタンパク質結合部位及びAREB6結合部位へのSIP1CZFの 結合が証明された。Bra結合部位へのSIP1CZFの結合の特異性は、競合実 験において更に証明された。この部位へのSIP1CZFの結合は、過剰の非標識 Bra結合部位プローブにより競合され、κE2野生型プローブは、極めて強力 な競合因子であるその変異体Mut1よりは効率が低かったが、競合した。 GATA−2プローブと同様、κE2−Mut2及びκE2−Mut4は競合で きなかったが、AREB6部位は極めて効率よく競合した。これらの実験から、 GST−SIP1CZF融合タンパク質は、δ−EF1及び関連タンパク質のCZ F領域を用いて作成された他のGST融合タンパク質と同一のDNA結合特 異性を示すと結論付けることができた(Sekido et al.,1994)。更に、Braに とっての標的部位でもある制御配列にSIP1が特異的に結合することが、初め て証明された。このことは、他のδ−EF1関連タンパク質にも同様に当てはま るかもしれず、これらはBra依存性遺伝子活性化をインビボで妨害するかもし れない。 bHLH因子MyoDにより認識される部位を分析した。MyoDは、E2ボ ックス配列に結合することにより、筋肉クレアチン・キナーゼ(MCK)プロモ ーターからの転写を活性化することが示されている(Weintraub et al.,1994,G enes Dev.,8,2203-2211頁;Katagiri et al.,1997,Exp.Cell Res.230,342 -351頁)。興味深いことに、δ−EF1は、筋肉クレアチン・キナーゼ・エンハ ンサーのMyoD依存性の活性化、そして10TI/2細胞における筋発生を抑 制することが証明されており、これにはE2ボックスが関与していると考えられ ている(Sekido et al.,1994)。更に、TGF−β及びBMP−2は、筋肉特異的 プロモーターの活性をダウンレギュレートすることが報告されており、この阻害 効果はE2ボックスにより媒介される(Katagiri et al.,1997)。E2ボックス は、多くの筋肉特異的遺伝子の制御領域に存在し、筋肉特異的発現にとって必要 であり、(MyoDファミリーの)の筋原性bHLHタンパク質と、E47のよ うな広範に発現している因子とのヘテロダイマーにより最適に認識される。SI P1CZFは、MCKエンハンサーE2ボックスを包含するプローブに結合するこ とができ、この複合体はE2ボックス・オリゴヌクレオチド及びその他のSIP 1結合部位により競合された。更に、以前に使用されたκE2−Mut4部位に 類似したE2ボックス内の点突然変異も、SIP1CZFの結合を消失させた。こ れらの結果から、SIP1czFがMCKプロモーターのE2ボックスに結合する ことが確認された。したがって、SIP1は、Smadと相互作用しMCK E 2ボックスに結合するタンパク質として、MyoDにより制御されるMCKプロ モーターのTGF−β及びBMPによる抑制を媒介する因子であるかもしれない (Katagiri et al.,1997)。 SIP1はBra活性化因子のBMP依存性抑制因子である SIP1CZFは、Braタンパク質結合部位、IL−2プロモーターに結合し 、 筋肉特異的遺伝子のBMP又はTGF−βによる抑制に関与しているE2ボック スに結合することが、実験により証明された。したがって、これらの観察から、 SIP1(SIP1TW6として)がBMPにより制御される抑制因子であるか否 かを試験することにした。ルシフェラーゼ遺伝子と融合したSIP1結合部位( Braタンパク質結合部位)を含むレポーター・プラスミドを構築した。 BMPレセプターを発現し、シグナル伝達を補助することが証明されているため (Hoodless et al.,1996,Cell,85,489-500頁)、形質転換の間、低血清(0. 2%)培地で維持されたCOS細胞を、その後の一過性形質転換実験で使用した 。SIP1TW6は、Bra結合部位を介してBraタンパク質のトランス活性化 活性を変化させることができないことが見出された。更に、10%又は0.2% の血清の存在下、及びBra発現ベクターの非存在下で、SIP1TW6によるこ のレポーター・プラスミドのトランス活性化は、検出できなかった。したがって 、細胞をBMP−4に曝す同一の実験を実施した。SIP1TW6はBraにより 媒介されるレポーターの活性化を抑制した。これは用量依存的に起こった(SI P1TW6プラスミドの量、BMP−4の濃度)。形質転換されたCOS細胞は24 時間後にのみBMP−4に曝されたため、この型の実験で完全な抑制は得られな かった。その後、Brachyury活性の結果として実験の最初の24時間の 間に、ルシフェラーゼmRNA及びタンパク質が蓄積する。これらの実験からの 結論は、SIP1がBra活性化因子の抑制因子であり、その抑制因子としての 活性がBMPの存在下でのみ検出されることを明確に示している。SIP1が、 Bra標的部位を介した転写の活性化因子であることが見出されたことは、重要 である。ポリグルタミン酸に富む区域(本明細書で使用されているSIP1TW6 にも存在する)がδ−EF1様タンパク質に存在することから、これらの抑制因 子が転写活性化因子としても同様に機能するかもしれないことが以前に推測され ていたため、このことは興味深い。特に、AREB6は、ハウスキーピング遺伝 子Na,K−ATPaseα−1のプロモーターに結合すること、及び細胞型及 び結合部位の状況に依存して遺伝子発現を抑制することが示されている(Watanab eet al.,1993,J.Biochem.,114,849-855頁)。 マウスにおけるSIP1 mRNA発現 ノーザン分析により、成体マウスの胚及びいくつかの組織に、主要なSIP1 の6kbのmRNAが存在しており、肝臓及び精巣には極めて弱く発現しているこ とが証明された。しかし、7dpc胚に存在する、少量の9kb長の転写物も検 出された。インサイチュー・ハイブリダイゼーションにより、7.5dpc胚に おける、胚外及び胚の中胚葉におけるSIP1転写が証明された。遺伝子は、胚 の外胚葉に弱く発現している。8.5dpc胚において、胚外中胚葉(血島)、神 経上皮及び神経管、第一及び第二鰓弓、眼隆起、並びに主に背側の前原体節期中 胚葉に極めて強い発現が見られる。体節及び脊索には弱いが有意な発現が検出さ れる。8.5日目と9.5日目の間、このパターンは明確に三叉神経及び顔面− 聴覚神経堤組織に拡張した。妊娠中期(midgestation)付近では、SIP1遺伝 子は、背側根神経節、脊索、三叉神経節、前頭皮質の脳室域、腎臓間葉、十二指 腸及び中腸の非上皮細胞、膵臓原基、尿生殖隆線及び性線、下顎及び鼻領域、上 腕骨領域の軟骨原基、鎖骨の原基並びに椎軸に沿った分節性前軟骨硬節由来の縮 合(condensation)に発現している。SIP1 mRNAは、口蓋棚、肺間質、 胃及び迷走神経の下方神経節にも検出され得る。更に、プライマー伸長分析によ り、胚性幹細胞におけるSIP1 mRNAの存在が証明された。驚くべきこと に、8.5dpc胚における、血島及び前体節中胚葉におけるSIP1の発現は 、6.5dpcと9.5dpcの間に可変性の表現型をもって死亡することが示 されている、BMP−4ノックアウト・マウスにおいて影響を受けた組織と一致 する。発生の後期まで生存し続けたこれらは、破壊された背部構造及び血島を含 む胚外中胚葉の変形を示した(Winnier et al.,1995,Genes Dev.,9,2105-211 6)。 δ−EF1タンパク質のmRNA発現も同様に証明されている。マウスにおい て、δ−EF1 mRNAは脊索、体節及び腎口のような中胚葉組織、並びに胚 の神経系及び胚の水晶体のようなその他の部位に検出されている(Funahashi et al.,1993,Development,119,433-446頁)。成体ハムスターにおいては、δ− EF1 mRNAは内分泌膵臓の細胞、下垂体前葉及び中枢神経系に検出されて いる(Franklin et al.,1994,Mol.Cell.Biol.,14,6773-6788頁)。これらの δ−EF1及びSIP1の発現部位の大部分は、ある種のI型STKレセプ ター(ALK−4/ActR−IA及びALK−6/BMPR−IBなど)の限 定された発現パターンが証明されている部位と重複する(Verschueren et al.,1 995,Mech.Dev.,52,109-123頁)。 SIP2 SIP2の特徴決定 SIP2は、最初、酵母においてSmad1、2及び5のC末端ドメイン並び に全長Smad1との相互作用を示す1052bpのツー・ハイブリッド・クロ ーン(th12)として選出された。GST−プルダウン実験(SIP1につい て記述した)の使用によって、インビトロにおけるSmad1、2及び5のC末 端ドメインとの相互作用も証明された。 a)SIP2全長配列 th12は、ヒト骨髄芽球細胞系KG1から単離された部分的cDNA(KI AA0150)と高い相同性を示した。しかし、このヒトcDNAの方が、th 12の3’末端で+/−2kb長かった。このヒトcDNAを用いて、ESTラ イブラリーをスクリーニングし、KIAA0150 cDNAの3’末端に相同 なマウスESTを検出した。th12配列及び見出されたマウスESTに基づき プライマーを設計し、3’末端に終止コドンを含むcDNAを増幅した。5’R ACE−PCRを用いて、開始コドンを包含する5’配列を得た。 SIP2オープン・リーディング・フレームを完成するために用いられた上記E STクローンの遺伝子銀行受託番号: ヒトKIAA0150;D63484 マウスEST配列;ソアレス(Soares)マウスp3NMF19.5;W8218 8 SIP2オープン・リーディング・フレームを再構築するために用いられたプラ イマー: th12配列に基づくプライマー:F3th12F(順方向プライマー)5’− cggcggcagatacgcctcctgca EST配列に基づくプライマー:th12マウス1(逆方向プライマー)5’− caggagcagttgtgggtagagccttcatc 5’−raceに用いられたプライマー: すべてth12配列に由来する逆方向プライマーである。 1:5’−ctggactgagctggacctgtctctccagtac 2:5’−cacaagggagtatttcttgcgccacgaagg 3:5’−gccatggtgtgaggagaagc これらの配列の集合体から導出された全長SIP2は、配列番号4に表示され た950アミノ酸を含み、ヌクレオチド配列は配列番号3に表示されている。 b)SIP2配列相同性 SIP2は、5CCCH型ジンクフィンガーを包含するドメインを含む。この ドメインは、ショウジョウバエにおけるClipper、ゼブラフィッシュにお けるNo Arches及び哺乳動物におけるCPSFのような他のタンパク質に見出さ れた。No Archesは、ゼブラフィッシュにおける鰓弓の発生にとって必須であり 、CPSFは転写終結及びポリアデニル化に関与している。Clipper内の 5CCCHを包むドメインは、エンドRNase活性を有していることが示され た(下記参照)。 c)SIP2 CCCHドメインはRNAse活性を有している SIP2の5CCCH型ジンクフィンガーを包むドメインをGSTと融合させ 、融合タンパク質を大腸菌から精製した。この融合タンパク質は、インビトロで 作製された標識RNAと共にインキュベートしたとき、RNAse活性を示す。 更に、この融合タンパク質は一本鎖DNAに結合できることが示された。更に詳 細には:SIP2 5×CCCHのGST融合タンパク質;PLAG1(非関連ジ ンクフィンガー・タンパク質)、SIP1CZF(SIP1のC末端ジンクフィンガ ー・クラスター)及びth1(ツー・ハイブリッド・スクリーニングで単離され たSIP1部分的ポリペプチド)、及びCD40の細胞質テイルを大腸菌で作製 し、グルタチオン・セファロース・ビーズを用いて精製した。ClpperのRNAs e活性を証明するために以前に用いられた3つの35S標識基質、ショウジョウバ エ由来の関連タンパク質(Bai,C及びTolias P.P.1996,発生的に制御されたCC CHジンクフィンガー・タンパク質により媒介されるRNAヘアピンの分解(cl eavage of RNA Hairpins Mediated by a Developmentally Regulated CCCH Zinc Finger Protein.)Mol Cell.Biol.16:6661-6667)をインビトロ転 写により作製した。精製されたGST融合タンパク質を用いたRNA分解反応を RNAsin(RNAseA活性を遮断する)の存在下で行った。等量の各反応 液を1'、7'、15'、30'、60’の時点で採取した。分解産物を変性ポリア クリルアミド・ゲルで分離し、オートラジオグラフィーにより可視化した。これ らの実験により、GST−SIP2 5×CCCHは、RNAse活性を有して おり、すべての被検基質を分解するが、GST−PLAG1、GST−CD40 、GST−SIP1CZF及びGST−th1はこの活性を有しないことが証明さ れた。 d)GSTプルダウン実験におけるth12(部分的SIP2ポリペプチド)と Smad Cドメインとの相互作用 アフリカツメガエル(X)Smad1並びにマウスSmad2及び5のCドメ インを、グルタチオンS−トランスフェラーゼとの融合タンパク質として大腸菌 で作製し、グルタチオン・ビーズにカップリングさせた。無関係のGST−融合 タンパク質(GST−CD40細胞質部分)及びGSTそのものを、陰性対照と して用いた。N末端にHAタグが付加されたth12タンパク質を、T7ワクシ ニア・ウイルス発現系を用いてHela細胞で作製し、代謝的に標識した。Th 12の発現を、HA抗体を用いて免疫沈降させた後、SDS−page及びオー トラジオグラフィーにより確認した。Th12タンパク質は±50kdのタンパク 質として作製される。このタンパク質を発現するHela細胞から調製された細 胞抽出物を、GSTプルダウン緩衝液中でGST−Smad Cドメイン・ビー ズと混合し、4℃で一晩インキュベートした。次に、ビーズを同緩衝液中で4回 洗浄し、結合したタンパク質をレムリ(Laemmli)試料緩衝液で溶出し、SDS −PAGEにより分離した。「プルダウンされた」th12タンパク質を、HA 抗体を用いたウェスタン・ブロッティングにより可視化した。これらの実験によ り、th12が、GST−Smad Cドメイン・ビーズにより効率よくプルダ ウンされ、GST−CD40又はGST単独によってはプルダウンされないこと が証明された。 SIP2に関する結論 SIP2はRNAse活性を含むSmad相互作用タンパク質である。Sma dが潜在的RNAseと相互作用するという発見は、TGF−βシグナル伝達と mRNA安定化の間の予想外の関連を提供する。 SIP5 SIP5の特徴決定 一つの隣接するオープン・リーディング・フレームを、ツー・ハイブリッド・ ベクターpACT−2(クロンテック)のGAL4トランス活性化ドメインとイ ンフレームで融合させる。インフレームの翻訳終止コドンが存在しないため、こ れは部分的cDNAである。配列はデータベース内のいずれの配列とも有意な相 同性を有しないが、以下のESTクローンと相同性が高い領域を示す。 マウス:受託番号:AA212269(ストラタジーン(Stratagene)マウス黒 色腫);AA215020(ストラタジーン・マウス黒色腫)、AA794832 (ノールズ・ソルター(Knowles Solter)マウス2c)及びヒト:受託番号AA 830033、AA827054、AA687275、AA505145、AA 371063。酵母ツー・ハイブリッド・アッセイにおける、SIP5プレイ・ タンパク質と、異なるバイト・タンパク質(SIP1で得られたデータ・セクシ ョンに記述されている)との相互作用の分析は以下のように要約できる。 空のバイト・ベクターpGBT9 全長XSmad1 + XSmad1 Cドメイン + G418S置換を有するXSmad1 Cドメイン + マウスSmad2 Cドメイン + マウスSmad5 Cドメイン + ラミン(Lamin)(pLAM;クロンテック(Clontech)) 上記のcDNAによりコードされるSIP5部分的タンパク質は、GSTプル ダウン・アッセイ(SIP1及びSIP2について前述)により分析したときも 、インビトロでXSmad1、マウスSmad2及び5のCドメインと相互作用 する。簡単に述べると、部分的SIP5タンパク質のC末端にmycタグを付加 し、COS−1細胞で発現させた。GST−Smad Cドメイン融合タンパク 質、 GST−CD40細胞質テイル及びGST単独を大腸菌で発現させ、グルタチオ ン・セファロース・ビーズにカップリングさせた。その後、これらのビーズを用 いて、COS細胞溶解物から部分的SIP5タンパク質をプルダウンし、プルダ ウンされたタンパク質のSDS−PAGE、その後の抗myc抗体を用いたウェ スタン・ブロッティングにより証明した。このアッセイにおいて、SIP5は、 GST−Xsmad1、2及び5のCドメインによりプルダウンされたが、GS T単独又はGST−CD40によってはプルダウンされなかった。部分ではある が、SIP5をコードする核酸配列を配列番号10に表示する。 SIP7 SIP7の特徴決定 一つの隣接するオープン・リーディング・フレームを、ツー・ハイブリッド・ ベクターpACT−2のGAL4トランス活性化ドメインとインフレームで融合 させる。インフレームの翻訳終止コドンが存在しないため、これは部分的クロー ンである。このクローンの一部は、Wnt−7b、受託番号M89802と相同 性を示すが、クローンは新規cDNA又はクローニング・アーティファクトであ ると考えられた。SIP7 cDNAの既知のWnt−7b cDNAとの相同性 は、ヌクレオチド390で開始し、ヌクレオチド846まで続いていた。これは 、Wnt7−bコーディング配列のヌクレオチド74〜530に相当する(翻訳 開始コドンのAをヌクレオチド番号1と考える)。SIP7 cDNAにおいて、 この相同領域の前にはデータベース内のいずれの配列とも相同性を示さない配列 が存在する。SIP7 cDNAが例えば新規Wnt7−b転写物であるか否か 、又はcDNAライブラリーの作製中に2つのcDNAが融合した結果の混合ク ローンであるか否かは明らかでない。 酵母ツー・ハイブリッド・アッセイにおける、SIP7プレイ・タンパク質と 、異なるバイト・タンパク質との相互作用の分析は以下のように要約できる。 PGBT9 − 全長XSmad1 − XSmad1 Cドメイン + G418Sを有するXSmad1 Cドメイン, + aa424−466欠失を有するXSmad1 Cドメイン XSmad1 N末端ドメイン − マウスSmad2 Cドメイン + マウスSmad5 Cドメイン + ラミン(pLAM) − 上記のcDNAによりコードされるSIP7は、SIP5について前述された ようなGSTプルダウン・アッセイにより分析したときも、インビトロでXSm ad1、マウスSmad2及び5のCドメインと相互作用する。このアッセイに おいて、N末端でmyc標識を付されたSIP7タンパク質は、GST−XSm ad1、2及び5のCドメインにより特異的にプルダウンされたが、GST単独 又はGST−CD40によってはプルダウンされなかった。部分的ではあるがS IP7をコードする核酸配列を配列番号8に表示する。 用いられた方法の一般的な説明 プラスミド及びDNA操作 この実験において用いられたマウスSmad1及びSmad2のcDNAは、 Smad5(Meerssenman et al.,1997,Mech.Dev.,61,127〜140頁に記述さ れたMLP1.2クローン)をプローブとして用い、12dpcマウス胚から作 成されたオリゴdTでプライムされたλExlox cDNAライブラリー(ノ バゲン(Novagen))を低ストリンジェンシー条件下でスクリーニングすることに より同定された。同ライブラリーを用いて、全長SIP1をスクリーニングし、 λExTW6を得た。tw6 cDNAは3.6kb長であり、th1 cDNAと 重複していたが、インフレームの終止コドンを含む付加的な3’コーディング配 列は含んでいた。付加的な5’配列は、ギブコ−BRL5’RACEキットを用 いた5’RACEにより得られた。 XSmad1の全長及びCドメインのバイト・プラスミドは、以前に記述され たEcoRI−XhoI挿入配列(Meerssenman et al.,1997,Mech.Dev.,61 ,127-140頁)を用いて構築し、GAL4DBDとのインフレームの融合体が得られ るよう、バイト・ベクターpGBT−9(クロンテック)のEcoRI部位とS alI部位の間にクローニングした。マウスSmad1、Smad2及び Smad5を有する同様のバイト・プラスミドは、Pfuポリメラーゼ(ストラ タジーン)並びにEcoRI部位及びXhoI部位を有するプライマーを用いて 、Cドメインをコードする各cDNA断片を増幅することにより作製した。G4 18S XSmad1 Cドメインは、オリゴヌクレオチド指向突然変異(バイオ ラド(Biorad))により作製した。 Smad CドメインとGSTとのインフレームの融合体を作製するため、同 じSmad断片をpGEX−5X−1(ファルマシア(Pharmacia))中にクロー ニングした。SIP1(TH1)がインフレームの翻訳開始コドン、インフルエ ンザ・ウイルスのHAエピトープ・タグ、及び終止コドンと共にプレイ・ベクタ ーから取り出されるよう、th1プレイcDNAをBglIIで部分制限分解し た後、SalIで制限分解することにより、T7VV系において使用するための ファージT7プロモーターに基づくSIP1(TH1)構築物を作製した。この 断片をT7VV系において用いるためpGEM−3Z(プロメガ(Promega))中 にクローニングした。類似の方法を用いて、SIP2(th12)をpGEM− 3Z中にクローニングした。 オリゴテックス−dT(キアゲン(Qiagen))を用いて、12.5dpcマウス 胚からポリA+RNAを得た。スーパースクリプト・チョイス・システム(Super script Choice system)(ギブコ(Gibco)−BRL)を用いて、ランダム・プライ ムドcDNAを調製した。cDNAを、StuI部位及びBamHI部位を含む 過剰のSfi二本鎖アダプターにライゲートさせた。cDNAのクローニングを 容易にするため、プレイ・プラスミドpAct(クロンテック)を修飾し、pA ct/Sfi−Sfiを作製した。このプラスミドをSfiで制限分解すること により、相補的でない付着末端が生じ、cDNAクローニングの際のベクターの 自己ライゲーションが防止される。平均で1,100bpの挿入配列サイズを有す る、3.6×106個の独立した組換えクローンを含むライブラリーが得られた 。 SIP1の合成及びGSTプルダウン実験 T7VV系を用いた哺乳動物細胞におけるSIP1(TH1)及びSIP2( TH12)の発現及び細胞溶解物の調製は以前に記述されたようにして行った (Verschueren,K et al.,1995,Mech.Dev.,52,109-123頁)。 GST融合タンパク質を大腸菌(BL21株)において発現させ、グルタチオ ン−セファロース・ビーズ(ファルマシア)で精製した。ビーズをまずプロテア ーゼ阻害剤を追加したPBSで4回洗浄し、次に50μlの溶解物(T7VV感 染SIP1発現哺乳動物細胞から調製)を含む1mlのGST緩衝液(50mMトリ ス塩酸pH7.5、120mM NaCl、2mM EDTA、0.1%(v/v)NP− 40、及びプロテアーゼ阻害剤)と混合した。それらを4℃で16時間混合した 。GST緩衝液で4回ビーズを洗浄することにより未結合のタンパク質を除去し た。試料緩衝液中で加熱することにより結合したタンパク質を収集し、SDS− PAGEにより分離した。抗HAモノクローナル抗体(12CA5)及びアルカ リホスファターゼ結合抗マウスニ次抗体(アマシャム(Amersham))を用いて、ウ ェスタン・ブロッティングの後、オートラジオグラフィー又は免疫学的検出を用 いて、分離されたタンパク質を可視化した。 EMSA(=電気泳動移動度シフト・アッセイ) セキド(Sekido)ら(1994,Mol.Cell.Biol.,14,5692-5700頁)に開示さ れているように、κE2 WTオリゴヌクレオチドと変異κE2オリゴヌクレオ チドの配列は同一である。AREB6オリゴヌクレオチドの配列は、イケダ(Ik eda)ら(1995,Eur.J.Biochem.,233,73-82頁)から得られた。IL2オリ ゴヌクレオチドはウィリアムズ(Williams)ら(1991,Science,254,1791-179 4頁)に表示されている。 Brachyury結合部位の配列は、5’−TGACACCTAGGTGT GAATT−3’である。陰性対照GATA2オリゴヌクレオチド配列は、エン ドセリン・プロモーター由来であった(Dorfman et al;1992,J.Biol.Chem.,2 67,1279-1285頁)。二本鎖オリゴヌクレオチドをポリヌクレオチド・キナーゼ及 び32Pγ−ATPで標識し、15%ポリアクリルアミド・ゲルから精製した。ゲ ル阻止アッセイは、セキド(Sekido)ら(1994,Mol.Cell.Biol.,14,5692-5 700頁)に従い行った。 ツー・ハイブリッド・スクリーニングの結果(Xsmad1 Cドメインバイト 対12.5dpcマウス胚ライブラリー;4×106個の酵母においてスクリー ニングされた600.000組換えクローン) SIP1−単離された3個の独立したクローン(th1、th88及びth94 ) −ジンクフィンガー・ホメオドメイン・タンパク質 −δEF−1との相同性(上記参照) −酵母における相互作用 XSmad1 Cドメイン・バイト + 空のバイト − ラミン − XSmad1全長 − XSmad1 Nドメイン − mSmad1 Cドメイン + mSmad2 Cドメイン + mSmad5 Cドメイン + 424−466欠失を有するXSmad1 Cドメイン − G418Sを有するXSmad1 Cドメイン +* GSTプルダウン及び共免疫沈降を用いてインビトロで確認されたXSmad 1及びmSmadのCドメインとの相互作用* th1配列をプローブとして用いたライブラリー・スクリーニングにより単離 された拡張クローン(TW6)* C末端TW6ジンクフィンガー・クラスターはE2ボックス(cfrδEF−1 )、Brachyury T結合部位、Brachyuryプロモーター配列に結 合する クローンTH12とも呼ばれるSIP2−単離された3個の独立したクローン( th12、th73、th93) 骨髄芽球細胞系KG1から単離されたKIAA0150遺伝子産物と高度に相同 (Nagase et al.1995;DNA Res 2(4)167-174を参照) −酵母における相互作用 XSmad1 Cドメイン・バイト + 空のバイト − ラミン − XSmad1全長 + XSmad1 Nドメイン ND mSmad1 Cドメイン + mSmad2 Cドメイン + mSmad5 Cドメイン + 424−466欠失を有するXSmad1 Cドメイン − G418Sを有するXSmad1 Cドメイン + TH60−単離された2個の独立したクローン(th60及びth77) −ジンクフィンガー・タンパク質 snail(転写抑制因子)及びATBF1(複合体ホメオドメイン・ジンクフ ィンガー・タンパク質)に相同 −酵母における相互作用: XSmad1 Cドメイン・バイト + 空のバイト − ラミン − TH72−単離された1個のクローン −部分的DPC−4(Smad4)cDNAをコードする(上記参照) −酵母における相互作用: XSmad1 Cドメイン・バイト +++ 空のバイト − ラミン − XSmad1全長 ND XSmad1 Nドメイン − mSmad1 Cドメイン +++ mSmad2 Cドメイン ND mSmad5 Cドメイン +++ 424−466欠失を有するXSmad1 Cドメイン − G418Sを有するXSmad1 Cドメイン + SIP5(クローンth76とも呼ばれる) 酵母ツー・ハイブリッド・アッセイにおける、異なるバイト・タンパク質(SI P1で得られたデータ・セクションに記述されている)とのSIP5プレイ・タ ンパク質の相互作用の分析は、以下のように要約できる。 空のバイト・ベクターpGBT9 − 全長XSmad1 + XSmad1 Cドメイン + G418S置換を有するXSmad1 Cドメイン + マウスSmad2 Cドメイン + マウスSmad5 Cドメイン + ラミン(pLAM;クロンテック) − SIP7(クローンth74とも呼ばれる) 酵母ツー・ハイブリッド・アッセイにおける、異なるバイト・タンパク質とのS IP7プレイ・タンパク質の相互作用の分析は、以下のように要約できる。 PGBT9 − 全長XSmad1 − XSmad1 Cドメイン + G418Sを有するXSmad1 Cドメイン + aa424−466欠失を有するXSmad1 Cドメイン − XSmad1 N末端ドメイン − マウスSmad2 Cドメイン + マウスSmad5 Cドメイン + ラミン(pLAM) − 以下のクローンは、充分に調査されていない。それらは、XSmad1 Cド メイン・バイトとは相互作用するが、空のバイト(即ち、GAL−4DBD単独 )とは相互作用しないため、「真の陽性」であると考えられる。 TH75:−単離された3個の独立したクローン(th75、th83及びth 89) −部分的aa配列は公共のデータベース内のタンパク質と有意な相同性を示さな い −酵母における相互作用 XSmad1 Cドメイン・バイト +++ 空のバイト − TH92:−ジンクフィンガー・タンパク質 −KUPと相同 TH79、TH86、TH90:部分的配列は公共のデータベース内のいずれの タンパク質配列とも有意な相同性を示さない クローン表記から配列表表記への変換表としての配列表において利用可能なクロ ーン SIP1ヌクレオチド配列 =配列番号1 SIP1アミノ酸配列 =配列番号2 SIP2ヌクレオチド配列 =配列番号3 SIP2アミノ酸配列 =配列番号4 TH60(TH77) =配列番号5 TH72(DPC4又はSmad4) =配列番号6 TH72R =配列番号7 SIP7(th74) =配列番号8 TH75F(TH83F、TH89F) =配列番号9 SIP5(th76) =配列番号10 TH79F =配列番号11 TH79R =配列番号12 TH83R =配列番号13 TH86F =配列番号14 TH86R =配列番号15 TH89=TH75R =配列番号16 TH90F =配列番号17 TH90R =配列番号18 TH92F =配列番号19 TH92R =配列番号20 図1の説明 XSmad1 Cドメインは哺乳動物細胞においてSIP1と相互作用し、S IP1内の51aa長のSBD(Smad結合ドメイン)の欠失は相互作用を消 失させる。N末端にmycタグを付加されたSIP1及びGST−XSmad1 Cドメイン融合タンパク質をコードする発現構築物で、COS−1細胞を一過 性形質転換した。GST−XSmad1 Cドメイン融合タンパク質を、グルタ チオン−セファロース・ビーズを用いて細胞抽出物から精製した。精製されたタ ンパク質をSDS−PAGE及び抗GST抗体(ファルマシア)を用いたウェス タン・ブロッティングの後可視化した(パネルA、細い矢印)。mycタグを付加 されたSIP1タンパク質がGST−XSmad1 Cドメイン融合タンパク質 と共に共精製されたことが、抗mycモノクローナル抗体(サンタクルーズ(San ta Cruz))を用いた同材料のウェスタン・ブロッティングにより示された(パネ ルC、レーン1、太い矢印)。SIP1内の51aa長のSBDの欠失は、この 相互作用を消失させた(パネルC、レーン2)。全細胞抽出物中の精製されたGS T−XSmad1 Cドメインタンパク質の量及び両方のSIP1(野生型及び SBD欠失SIP1)タンパク質の発現のレベルがほぼ同程度であることに注意 されたい(パネルA及びBのレーン1及び2を比較せよ)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/46 C12N 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12Q 1/68 A 1/21 G01N 33/15 Z 5/10 33/50 Z C12Q 1/68 C12N 15/00 ZNAA G01N 33/15 5/00 A 33/50 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 ハイレブルック,ダニー ベルギー国、ベー―1770 リーデ/ケル ケ、ライステルラーン 15

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.DNA結合ドメインと融合したSmad Cドメインがバイトとして用いら れ、脊椎動物cDNAライブラリーがプレイとして用いられるツー・ハイブリッ ド・スクリーニング・アッセイにより得られうるSMAD相互作用タンパク質。 2.以下のことを特徴とするSMAD相互作用タンパク質(SIP): a)酵母において全長XSmad1と相互作用することができない b)δ−クリスタリン・エンハンサー結合タンパク質及び/又はショウジョウ バエzfh−1を含むジンタフィンガー/ホメオドメイン・タンパク質のファミ リーのメンバーである c)SIP1czfがE2ボックス部位に結合する d)SIP1czfがBrachyuryタンパク質結合部位に結合する e)細胞内でBrachyuryにより媒介される転写活性化を妨害する f)Smad1、2及び/又は5のCドメインと相互作用する。 3.SMAD相互作用タンパク質をコードする配列番号1のヌクレオチド配列又 はその機能的断片を含む単離された核酸配列。 4.適当な調節配列に機能的に連結した請求項3に記載の単離された核酸配列を 含む組換え発現ベクター。 5.請求項4に記載の組換え発現ベクターで形質転換又は形質導入された細胞。 6.配列番号1のヌクレオチド配列又はその一部にハイブリダイズし、かつSm ad相互作用タンパク質又はそれらの機能的断片をコードする核酸配列。 7.配列番号2によるアミノ酸配列を含むポリペプチド又はその機能的断片。 8.請求項3又は6に記載の核酸配列を含む薬学的組成物。 9.請求項7に記載のポリペプチドを含む薬学的組成物。 10.請求項3又は6に記載の核酸配列を使用することにより病気を診断する方 法。 11.請求項7に記載のポリペプチドを使用することにより病気を診断する方法 。 12.SMADとSMAD相互作用タンパク質の間の相互作用に影響を与える化 合物をスクリーニングする方法。 13.請求項10又は11に記載の方法を実施するための、請求項3もしくは 6に記載の核酸配列及び/又は請求項7に記載のポリペプチドを含む診断キット 。 14.ゲノム内に請求項3もしくは6に記載の核酸配列を保持するトランスジェ ニック動物。 15.薬剤及び治療モデルを試験するための、請求項14に記載のトランスジェ ニック動物の使用。 16.SMAD相互作用タンパク質をコードする配列番号3のヌクレオチド配列 又はその機能的断片を含む単離された核酸配列。 17.配列番号4によるアミノ酸配列又はそれらの機能的断片を含むポリペプチ ド。 18.SMAD相互作用タンパク質をコードする配列番号8のヌクレオチド配列 又はその機能的断片を含む単離された核酸配列。 19.SMAD相互作用タンパク質をコードする配列番号10のヌクレオチド配 列又はその機能的断片を含む単離された核酸配列。 20.Smadとの結合に必要な、一文字コードで表示されたアミノ酸配列QH LGVGMEAPLLGFPTMNSNLSEVQKVLQIVDNTVSRQ KMDCKTEDISKLKを含むポリペプチド。 21.以下のことを特徴とするSMAD相互作用タンパク質: a)酵母において全長XSmad1と相互作用する b)ショウジョウバエ「Clipper」及びセブラフィッシュ「No arches」を含む 5CCCH型ジンクフィンガーのクラスターを含むタンパク質のファミリーのメ ンバーである c)一本鎖又は二本鎖DNAに結合する d)RNase活性を有する e)Smad1、2及び/又は5のCドメインと相互作用する。 22.Smadの機能及び/又は活性とmRNA安定性との間の相互作用の操作 又は調整により、TGF−βスーパーファミリーのメンバーによる遺伝子発現を 転写後制御する方法。
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